平成17年度卒業論文 な ぜ 日 本 の 音 楽 CD は 高 い の か 所属ゼミ 村澤ゼミ 学籍番号 101 301138 0 氏 前田 名 博史 大阪府立大学経済学部 要約 日 本 の 音 楽 CD の 価 格 は 、 世 界 的 に 最 も 高 い 水 準 に あ る 。 こ の 原 因 の 大 部 分 は再販売価格維持制度にあると考えられる。再販売価格維持行為とは、メーカ ーが小売価格に制約を加えることである。これは本来であれば独占禁止法上で 違 法 と な る 行 為 で あ る が 、 日 本 で は 音 楽 CD は 独 占 禁 止 法 適 用 除 外 の 指 定 物 と 認定されているため、再販売価格維持行為は容認されている。このように音楽 CD を 再 販 の 指 定 物 に し て い る 国 は 世 界 中 で 日 本 の み で あ る 。 し か し 、 一 概 に 再販制度は望ましくないと言うことはできず、場合によっては価格を引き下げ 消費者余剰を高めるという理論も存在する。 そ こ で 、音 楽 CD と DVD に 関 し て 日 本 と 諸 外 国 と の 価 格 比 較 を 行 っ た 。DVD に は 再 販 制 度 が 存 在 せ ず 、 こ の 二 つ を 比 較 す る こ と で 、 再 販 制 度 が 音 楽 CD に も た ら す 影 響 が 明 ら か に な る 。音 楽 CD で は 日 本:米:英 = 197:100:119、DVD で は 日 本 : 米 : 英 = 157: 100: 126 と な っ た 。 こ の 結 果 か ら 、 再 販 制 度 が 廃 止 さ れ れ ば 日 本 の 音 楽 CD の 価 格 は 20%ほ ど 低 下 す る と 考 え ら れ る 。 2 第 1章 は じ め に ........................................................................................ 4 第 2章 日 本 の 音 楽 CD 市 場 ....................................................................... 5 1. . 日 本 の 音 楽 市 場 ................................................................................... 5 2. . 日 本 の 音 楽 CD 生 産 状 況 ...................................................................... 5 3. . 日 本 の CD の 価 格 ................................................................................ 6 第 3章 音 楽 CD の 商 品 と し て の 性 格 .......................................................... 9 第 4章 再 販 売 価 格 維 持 行 為 の 経 済 理 論 .................................................... 10 1. . 再 販 売 価 格 維 持 行 為 と は ................................................................... 10 2. . 再 販 売 価 格 維 持 行 為 に 関 す る 一 般 的 見 解 ........................................... 10 3. . 再 販 売 価 格 維 持 行 為 が 有 益 な ケ ー ス ...................................................11 第 5章 著 作 物 に 関 す る 再 販 制 度 .............................................................. 12 1. . 再 販 制 度 の 現 在 の 流 れ ....................................................................... 12 2. . 再 販 行 為 に お け る 存 続 派 と 撤 廃 派 ...................................................... 12 ( 1 ) 存 続 派 の 主 張 ................................................................................. 12 ( 2 ) 撤 廃 派 の 主 張 ................................................................................. 13 3. . 海 外 主 要 国 の 再 販 制 度 ....................................................................... 14 4. . 輸 入 権 .............................................................................................. 15 第 6章 日 米 英 の CD と DVD の 価 格 比 較 .................................................. 17 1. . 日 米 英 CD ア ル バ ム 価 格 比 較 ............................................................. 17 2. . 日 米 英 DVD の 価 格 比 較 ..................................................................... 17 第 7章 終 わ り に ...................................................................................... 19 参 考 文 献 ................................................................................................... 20 3 第 1章 はじめに 日 本 の 音 楽 CD の 価 格 は 、 世 界 的 に 最 も 高 い 水 準 に あ る 。 こ の 原 因 の 大 部 分は再販売価格維持制度にあると考えられる。再販売価格維持行為とは、メー カーが小売価格に制約を加えることである。これは本来であれば独占禁止法上 で 違 法 と な る 行 為 で あ る が 、 日 本 で は 音 楽 CD は 独 占 禁 止 法 適 用 除 外 の 指 定 物 と認定されているため、再販売価格維持行為は容認されている。このように音 楽 CD を 再 販 の 指 定 物 に し て い る 国 は 世 界 中 で 日 本 の み で あ る 。 し か し 、 一 概 に再販制度は望ましくないと言うことはできず、場合によっては価格を引き下 げ消費者余剰を高めるという理論も存在する。 そ こ で 、音 楽 CD と DVD に 関 し て 日 本 と 諸 外 国 と の 価 格 比 較 を 行 っ た 。DVD に は 再 販 制 度 が 存 在 せ ず 、 こ の 二 つ を 比 較 す る こ と で 、 再 販 制 度 が 音 楽 CD に も た ら す 影 響 が 明 ら か に な る 。音 楽 CD で は 日 本:米:英 = 197:100:119、DVD で は 日 本 : 米 : 英 = 157: 100: 126 と な っ た 。 こ の 結 果 か ら 、 再 販 制 度 が 廃 止 さ れ れ ば 日 本 の 音 楽 CD の 価 格 は 20% ほ ど 低 下 す る と 考 え ら れ る 。 本 論 文 の 構 成 は 次 の 通 り で あ る 。第 2 章 で 日 本 の 音 楽 CD 市 場 の 現 状 を 述 べ 、 第 3 章 で は 音 楽 CD の 特 異 性 と し て 価 格 弾 力 性 を 挙 げ る 。 第 4 章 で は 再 販 売 価 格 維 持 行 為 が 価 格 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 説 明 し 、第 5 章 で 著 作 物 に 関 す る 再 販 制 度 に つ い て 述 べ る 。そ し て 第 6 章 で は 日 米 欧 の 音 楽 CD・ DVD の 価 格 比 較 を 行 う こ と で 、 再 販 制 度 が 日 本 の 音 楽 CD を 高 価 格 に し て い る こ と を 証 明 す る 。 4 第 2章 日 本 の 音 楽 CD 市 場 1. 日 本 の 音 楽 市 場 日 本 の 音 楽 市 場 は 規 模 と し て 実 際 ど れ 程 の も の な の だ ろ う か 。結 論 か ら 言 え ば 日 本 の 音 楽 市 場 は 、世 界 的 に 見 て も か な り 大 き い 。そ れ が 顕 著 に 現 れ て い るのが表 1 である。 表 1 国名 アメリカ 2005 年 上 半 期 世 界 各 国 の 音 楽 売 上 数量(百万枚・巻) シングル CD 合計小売金額 音楽DVD (百万米ドル) (現地通貨・百万) 3.3 300.5 11.6 4,783.2 4,783.2 日本 28.5 93.7 8.5 2,258.2 239,759.0 イギリス 13.3 66.8 2.9 1,248.5 666.7 8.5 58.7 4.4 887.7 689.7 フランス 11.5 47.3 4.5 861.1 669.1 イタリア 0.5 14.7 0.7 278.0 216.0 カナダ 0.1 20.8 1.5 262.9 325.0 オーストラリア 3.6 14.5 1.5 259.6 335.9 スペイン 1.0 17.5 1.1 231.6 180.0 オランダ 1.2 8.7 1.9 190.3 147.9 ドイツ 注 : 米 ド ル 換 算 レ ー ト は IM F( 国 際 通 貨 基 金 ) よ り 算 出 。 カ セ ッ ト シ ン グ ル 、 CD シ ン グ ル は 『 シ ン グ ル 』 に 含 む 。 出所 IFP I( 国 際 レ コ ー ド 産 業 連 盟 ) 資 料 に よ る こ の 表 で は 、日 本 の 音 楽 売 上 は ア メ リ カ の 次 に 多 い 。世 界 的 に 見 て 、日 本 は 大 き な 音 楽 消 費 国 で あ る と い う こ と が わ か る 。 CD の 数 量 に し て 、 日 本 は ア メ リカの 3 分の 1 程度である。 ま た 表 に お い て 、日 本 と そ れ よ り 下 位 の 国 で は 小 売 金 額 に 大 き な 差 が 見 ら れ る。これも特筆すべき点であり、日本の音楽市場の大きさを表している。 2. . 日 本 の 音 楽 CD 生 産 状 況 表 2 は 日 本 国 内 の 過 去 10 年 間 の 音 楽 CD 生 産 金 額 で あ る 。 5 表 2 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 日 本 の 音 楽 CD 生 産 金 額 の 推 移 邦洋比( 邦洋比 ( % ) 邦楽 洋楽 合計 金額(百万円) 金額(百万円) 金額(百万円) 邦楽 洋楽 354,579 137,662 492,241 72 387,027 164,141 551,168 70 405,346 157,236 562,582 72 424,720 142,358 567,078 75 451,892 135,986 587,878 77 429,447 121,849 551,295 78 409,292 114,586 523,878 78 378,560 111,018 489,578 77 322,002 109,804 431,806 75 282,067 105,920 387,987 73 出所 社団法人 28 30 28 25 23 22 22 23 25 27 日本レコード協会 こ の 表 か ら 日 本 の 音 楽 CD の 生 産 は 1998 年 以 降 低 下 し 続 け て い る こ と が わ か る 。邦 楽 と 洋 楽 を 比 較 す れ ば 、特 に 邦 楽 の 生 産 金 額 の 低 下 が 著 し い 。し か し 、 低 下 し 続 け て い る と い え 、 2003 年 の 生 産 量 は 金 額 と し て は 約 4 千 億 円 も あ り 、 日 本 国 内 の 音 楽 CD 産 業 は 依 然 と し て 大 き い と い う こ と で あ る 。 3. . 日 本 の CD の 価 格 日 本 の 音 楽 CD の 価 格 に は 一 定 の 価 格 帯 が あ る 。CD ア ル バ ム で は 2500 円 か ら 3000 円 と な っ て い る 。 で は 諸 外 国 に お け る 価 格 は ど う な っ て い る の だ ろ う か 。 表 3、 表 4 は 2004 年 に 公 正 取 引 委 員 会 が 行 っ た 調 査 の 結 果 で あ る 。 表 3 日 米 欧 CD ア ル バ ム 価 格 比 較 平均価格(\、$、£、EUR、EUR) 為替(\/$、£、EUR、EUR) 平均価格(\) 税前平均(\) 税込み平均(\) 税前指数 税込み指数 日本 2,794 1 2,794 2,661 2,794 100 100 米 13.22 110.4 1,459 1,459 1,585 54.8 56.7 英 9.32 198.4 1,850 1,574 1,850 59.2 66.2 仏 15.21 133.5 2,030 1,698 2,030 63.8 72.7 独 14.92 133.5 1,992 1,717 1,992 64.5 71.3 注 : Amazon で の 価 格 表 示 は 米 を 除 く 日 、 英 、 仏 、 独 で 税 込 み 価 格 出所 公 正 取 引 委 員 会 ( 2004)「 音 楽 用 CD の 流 通 に 関 す る 懇 談 会 ( 第 1 回 )」 配布資料 6 調査方法 以下のHPに掲載されている同時期における日、米、英音楽チャート(アルバ ム ) で ト ッ プ 20 に ラ ン ク さ れ る C D の 各 国 で の 平 均 価 格 を 比 較 。 日 : オ リ コ ン ウ ィ ー ク リ ー ア ル バ ム ラ ン キ ン グ 、 2004 / 8 第 4 週 (http://www.oricon.co.jp ) 米 : BILLBOARD ALBUM CHARTS The Billboard 200 , Issu Date:August 28,2004 (http://www.billboard.com./bb/index.jsp) 英 : BBC Official UK top40 album (29/ 8/ 2004) (http://www.bbc.co.uk/radio1/chart/top40/album.shtml) 仏 : IFOP Palmares des meilleures ventes d’albums, 15.08.04-21.08.04 (http://www.ifop.com/europe/banque/ba_fr.htm) 独 : RTLmusik.de Album―Charts TOP 30, von 27.August 2004 (http://www.rtl.de/musik/musik.php) ・ 各 国 の 価 格 は イ ン タ ー ネ ッ ト 通 販 サ イ ト で あ る Amazon.co.jp( 日 ) 、 Amazon.com(米 )、Amazon.co.uk(英 ),Amazon.fr(仏 )、amazon.de(独 )に て 調 査 。 ・ 消費税等 日 ( 消 費 税 ): 5%, 米 ( ニューヨーク市 売 上 税 ): 8.625%, 英 ( 付 加 価 値 税 ) : 17.5%, 仏 ( 付 加 価 値 税 ) : 19.6%, 独 ( 付 加 価 値 税 ) : 16%, を適用。 表 4 日 米 欧 CD ア ル バ ム 価 格 比 較 日本 2,620 1 2,495 2,620 100 平均価格(\、$、£、EUR、EUR) 為替(\/$、£、EUR、EUR) 平均価格(税抜き)(¥) 平均価格(税込み)(¥) 日本を100とした平均価格指数(税抜き) 出所 米 英 13.11 8.90 108.3 204.47 1,420 1,549 1,542 1,820 56.9 62.1 仏 14.84 140.2 1,739 2,080 69,7 独 14.43 140.2 1,743 2,022 69.9 公 正 取 引 委 員 会 ( 2004)「 音 楽 用 CD の 流 通 に 関 す る 懇 談 会 ( 第 2 回 )」 配布資料 ・調査方法 ア ル バ ム ト ッ プ 100に ラ ン ク さ れ る C D の 価 格 を , 各 国 イ ン タ ー ネット通販サイトで調査し,その平均価格を算出。 ・調査対象CDアルバム アルバムのランキングは下記のチャートに基づく。 ト ッ プ 100に ラ ン ク さ れ る CDの う ち , デ ィ ス ク 数 が 1 枚 ( 複 数 枚 組 み , D 7 VD付きを除外)のもののみを対象としている。 日:オリジナルコンフィデンス 米 : Billboard 2004.10.11 2004.10.23 英 : allmusic Top Searches 2004.12.9 仏 : IFOP Palmares des meilleures ventes d'albums 独 : Deutschland Album-Charts ・消費税等 04.10.24 - 04.10. 30 2004.12.6 日 ( 消 費 税 ): 5%, 米 ( ニューヨーク市 売 上 税 ): 8.625%, 英 ( 付 加 価 値 税 ) : 17.5%, 仏 ( 付 加 価 値 税 ) : 19.6%, 独 ( 付 加 価 値 税 ) : 16%, を 適用。 公 正 取 引 委 員 会 は こ の 調 査 の 結 果 か ら 、日 本 の 音 楽 CDの 価 格 の 高 さ を 認 め て い る が 、そ の 原 因 に つ い て は 明 確 に 答 え を 出 し て い な い 。ま た 日 本 の 音 楽 CDの 価格は徐々に下がってきており、それはレコード業界の様々な取り組みの結果 で あ る と し て い る 。 ま た 、 こ れ ま で は 少 な か っ た 1600円 以 下 の ア ル バ ム が 増 え てきていることを価格低下の理由として付け加えている。 こ れ ら の 表 よ り 、 日 本 の 音 楽 CDの 価 格 は 比 較 的 に 高 い と い う こ と が わ か る 。 しかし、その高価格の原因までを読み取ることはできないため、異なる観点か らの比較が必要であると考える。 4. .流通量に見合わないメーカー数の少なさ 日 本 の 音 楽 CD の 市 場 は 、 同 じ 著 作 物 で あ り 再 販 制 度 も 認 め ら れ る 書 籍 市 場 と よ く 比 較 さ れ る 。 市 場 規 模 と し て は 音 楽 CD の 方 が 約 6 分 の 1 と か な り 小 さ い 。特 筆 す る べ き 点 は メ ー カ ー 数 の 違 い で あ る 。レ コ ー ド 会 社 に 関 し て 言 え ば 、 日 本 レ コ ー ド 協 会 加 盟 会 社 は 22 社 、 大 手 メ ー カ ー に 販 売 を 委 託 し て い る 中 小 レ コ ー ド 会 社 が 約 80 社 で 合 わ せ て 100 社 程 度 で あ る 。 こ れ に 対 し て 出 版 社 数 は 約 4,450 社 で あ り 、そ の 差 は 40 倍 程 も あ る 。こ の よ う に メ ー カ ー 数 が 出 版 業 に 比 べ て 少 な い こ と が 音 楽 CD の 特 徴 で あ る 。10 万 種 を 超 え る 商 品 が 市 場 に 出 回っている産業としては、メーカー数が比較的少ないのである。 8 第 3章 音 楽 CD の 商 品 と し て の 性 格 音 楽 CD は 一 般 消 費 財 と は 異 な る 性 格 を 持 っ て い る と 考 え ら れ る 。 こ こ で は 音 楽 CD の 持 つ そ の 特 異 性 に つ い て 述 べ る 。 音 楽 CD の 売 上 は 、様 々 な 要 素 に 影 響 を 受 け る と 考 え ら れ る 。烏 賀 陽( 2005) は 、宣 伝 方 法 や 流 行 、広 く は 時 代 背 景 に ま で 左 右 さ れ る と し て い る 。こ う い っ た 点 で は 他 の 一 般 消 費 財 と 同 じ と 言 え る 。で は 価 格 の 面 で は ど う だ ろ う か 。一 般 的 に は 、 価 格 が 下 が れ ば そ の 財 に 対 す る 需 要 は 上 昇 す る 。 音 楽 CD に こ れ は 当てはまるだろうか。 音 楽 CD は 性 格 的 に は 嗜 好 品 で あ り 、 消 費 者 は 購 入 の 際 に 、 そ の 価 格 に よ っ て 選 択 し て い る の で は な い 。ゆ え に 消 費 者 は 、そ の 価 格 に 対 し て あ ま り 敏 感 で は な い と い う こ と が 言 え る 。 こ の こ と よ り 、 音 楽 CD の 価 格 弾 力 性 は か な り 低 い の で は な い か と い う 疑 問 が 生 ま れ る 。 つ ま り 、 音 楽 CD は 再 販 制 度 に よ っ て 価 格 が 高 く 維 持 さ れ て い る と 言 わ れ る が 、制 度 見 直 し に よ り 価 格 が 下 が っ た と しても消費者はすぐに飛びつきはしないということである。 9 第 4章 再販売価格維持行為の経済理論 1. .再販売価格維持行為とは 再 販 売 と は 、メ ー カ ー か ら 卸 売 り 業 者 へ の 販 売 を 指 し 、卸 売 り 業 者 か ら 小 売 業者への販売を再々販売という。この再販売と再々販売を合わせて『再販売』 と呼ぶ。辻 (1995)に よ れ ば 、 再 販 売 価 格 維 持 行 為 (以 下 、 再 販 行 為 )と は 、 す なわち商品の供給者であるメーカーが販売店に対して指定した価格を守らせ ることである。 こ の 行 為 自 体 は 独 占 禁 止 法 に お い て 、 原 則 と し て 不 公 正 な 取 引 方 法 (再 販 売 価 格 の 拘 束 )に 該 当 す る 。 ゆ え に 本 来 で あ れ ば 同 法 に 違 反 す る 行 為 と し て 禁 止 さ れ る べ き な の だ が 、 例 外 が 存 在 す る 。 同 法 23 条 の 規 程 に 基 づ き 、 著 作 物 を 対 象 と す る も の に つ い て は 特 別 に 同 法 の 適 用 を 除 外 さ れ て い る (著 作 物 再 販 適 用 除 外 制 度 )。こ こ で い う 著 作 物 と は 、著 作 権 法 上 の 著 作 物 と は 定 義 が 異 な る 。 再 販 行 為 が 認 め ら れ る の は 、書 籍・雑 誌・新 聞 及 び レ コ ー ド 盤・音 楽 用 テ ー プ ・ 音 楽 用 CD の 計 6 品 目 と な っ て い る 。 2. .再販売価格維持行為に関する一般的見解 再販売価格維持行為は望ましくないと一般的には考えられている。伊藤 他 ( 1991) に よ れ ば 、 メ ー カ ー は 末 端 の 小 売 価 格 を 拘 束 す る こ と に よ り ブ ラ ン ド 内 競 争 (同 じ 商 品 に 関 す る 小 売 間 の 価 格 競 争 )を 制 限 し 、独 占 的 価 格 を 維持しようとする。そのような行為による独占的価格設定が資源配分に歪 みをもたらし、消費者の利益を損なっているのである。 しかし、メーカーにとって再販行為による独占的価格の維持は、それほ ど重要なことだろうか。もしも独占価格を維持しようとするのであれば、 末端の小売価格をコントロールするのではなく、メーカーの出荷価格を高 く設定すればよい。その高い出荷価格を基本として小売店が価格競争を始 めたとしても、メーカーには影響しないからである。つまり、メーカーに よる小売価格の拘束は、単純に独占的価格の維持が目的であるという理屈 では説明できないのである。 10 3. .再販売価格維持行為が有益なケース 伊 藤 他 ( 1991) は 、 再 販 売 価 格 維 持 行 為 は ほ と ん ど の 場 合 小 売 価 格 を 引 き上げるが、二重限界性を回避するというケースでは小売価格を引き下げ る、と述べている。二重限界性の問題が生じるのは、メーカーと小売店の 両方に何らかの独占力が存在する場合である。このような状況では、メー カーは自分の製品に対する需要に基づいた独占的価格を出荷価格に設定す る。そして、小売店はメーカーの出荷価格を限界費用として、小売価格を 独占的に設定する。 このようにメーカーと小売店が別々に価格設定すると、結果的に小売価 格 は 非 常 に 高 く な っ て し ま う 。小 売 価 格 に 両 者 の 利 潤 が そ れ ぞ れ 上 乗 せ さ れ て し ま う か ら で あ る 。こ う い っ た 二 重 限 界 性 を 回 避 す る 手 段 と し て は 、再 販 売 価 格維持行為は小売価格を下げ、消費者余剰を高めると考えることができる。 11 第 5章 著作物に関する再販制度 1. .再販制度の現在の流れ 近 年 、 音 楽 CD に お け る 再 販 制 度 の 見 直 し の 声 が 高 ま り つ つ あ る 。 こ の 背 景 にある最も大きな理由にはインターネットの普及に伴う音楽配信であると考 え ら れ る 。 こ の イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 音 楽 配 信 (以 下 、 ネ ッ ト 配 信 )は 、 今 ま で の よ う に 音 楽 を パ ッ ケ ー ジ を 含 む CD と し て 購 入 す る の で は な く 、 1 曲 ご と に 料 金 を 支 払 い ダ ウ ン ロ ー ド す る と い う 形 態 で あ る 。こ の ネ ッ ト 配 信 に よ り 消 費 者 は 、今 ま で に は な か っ た『 音 楽 1 曲 の 価 格 』と い う も の を 実 感 で き る よ う に な っ て し ま っ た 。今 後 、さ ら に 急 速 に 展 開 す る と 考 え ら れ る ネ ッ ト 配 信 に お い て 、 1 曲 あ た り の 国 際 水 準 価 格 は 100 円 ~ 150 円 で あ る 。 こ れ と 比 較 す る と 、 平 均 10 曲 程 度 が 収 録 さ れ て い る CD ア ル バ ム も 、1,500 円 ~ 2,000 円 と な る の が 妥 当 であると考えられる。 さらに烏賀陽 (2005)は 、 還 流 盤 の 出 現 で 国 内 盤 の 価 格 の 正 当 性 に 深 刻 な 疑 問 が 生 じ た と し て い る 。 こ の よ う に CD な 価 格 に 対 す る あ る 種 の 不 信 感 の 高 ま りが、再販制度見直しの意見が強まってきた 1 つの理由である。 2. .再販行為における存続派と撤廃派 どのような議論においても賛成・反対の対立意見が生まれるものであるが、 この再販制度見直しに関しても例外ではない。ここでは賛成の立場を撤廃派、 反対の立場を存続派と呼ぶことにし、両者の意見を比較することにする。 ( 1) 存 続 派 の 主 張 再 販 制 度 存 続 派 の 代 表 と し て 挙 げ ら れ る の が 日 本 レ コ ー ド 協 会 で あ る 。日 本 レコード協会の再販制度に対する主張は次の通りである。 ・再 販 制 度 が 撤 廃 さ れ れ ば 価 格 競 争 が 熾 烈 化 し 、そ の 結 果 市 場 が 売 れ 筋 商 品 に 偏る。 ・ 再 販 制 度 に よ る CD の 価 格 安 定 は 、 作 家 や 実 演 家 の 生 活 を 支 え 、『 音 楽 創 造 のサイクル』を円滑に循環させている。 ・ CD は 文 化 財 で あ り 一 般 消 費 財 と は 異 な る 。 徹 底 し た 自 由 競 争 に よ っ て 消 費 12 者 利 益 を も た ら す 一 般 消 費 財 (物 質 的 な 文 明 用 品 )と 文 化 財 (精 神 的 な 文 化 商 品 ) とは根本的に異なるものである。 ・ CD も パ ッ ケ ー ジ の 違 い こ そ あ る が 、 書 籍 等 と 同 じ 活 字 著 作 物 で あ る 。 ・ 日 本 の 音 楽 産 業 は 再 販 制 度 の も と 、日 本 の 大 衆 音 楽 、伝 統 芸 能 か ら 世 界 各 国 の最新音楽や民族音楽まで世界で最も多くの音楽作品を消費者に提供してき た。今では日本でしか入手できない音楽作品も珍しくない。 ・ 再 販 制 度 が 撤 廃 さ れ て 、 大 型 CD 販 売 店 が 安 売 り や オ ト リ 廉 売 を 行 い 、 過 当 競 争 に 陥 れ ば 、 中 小 CD 販 売 店 は 廃 業 を 余 儀 な く さ れ る 。 ゆ え に 都 市 部 に 大 型 販売店が集中し、地方の消費者は購入が困難になる。 ・CD は レ ン タ ル 業 の 存 在 も あ り 厳 し い 状 況 下 に あ る が 、企 業 努 力 に よ り 30 年 前とほとんど同じ価格を保っており、物価の優等生となっている。 ( 2) 撤 廃 派 の 主 張 一 方 、再 販 制 度 撤 廃 派 と し て は 、消 費 者 サ イ ド の 主 張 が あ る 。再 販 制 度 に よ り 、 消 費 者 は 高 い CD を 購 入 せ ざ る を 得 な い の だ か ら 当 然 と も い え る 。 消 費 者 サイドの主張は次の通りである。 ・ 音 楽 CD に は 2 つ の 価 格 維 持 が 存 在 し て い る 。 そ れ は 縦 と 横 の 価 格 維 持 で あ る 。縦 の 価 格 維 持 と は 、メ ー カ ー と 小 売 業 者 間 の 価 格 維 持 の こ と で あ る 。こ れ は 再 販 制 度 に よ り 説 明 で き る が 、問 題 と な る の は も う 一 方 で あ る 。つ ま り 、最 近 で は 多 少 の バ ラ つ き こ そ あ れ ど 、 CD ア ル バ ム で あ れ ば 一 律 3,000 円 、 シ ン グ ル で あ れ ば 1,500 円 、 と 定 額 化 し て い る こ と 。 こ の 横 の 価 格 維 持 の 存 在 が 問 題 な の で あ る 。レ コ ー ド 業 界 に お け る 暗 黙 の 了 解 、こ れ は カ ル テ ル で は な い の か。 ・ 音 楽 CD だ け が な ぜ 保 護 さ れ る の か 。 CD と 同 じ く 再 販 制 度 が 認 め ら れ て い る 書 籍 で は 違 っ た 価 格 づ け が さ れ て い る 。ハ ー ド カ バ ー で あ れ ば ~ 円 、文 庫 本 で あ れ ば ~ 円 、と い っ た よ う な 一 律 の 価 格 づ け は さ れ て お ら ず 、価 格 に 大 き な バ ラ つ き が 見 ら れ る 。 国 内 盤 の CD だ け が な ぜ 価 格 が 一 定 と な っ て い る の か 。 13 ・再 販 制 度 に よ り 作 者 や 実 演 家 が 保 護 さ れ て い る と し て い る が 、近 年 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の ダ ウ ン ロ ー ド の 影 響 で す で に 価 格 体 系 は 破 壊 さ れ て い る 。作 者・実 演 家 の 保 護 に は 、レ コ ー ド 会 社 の 利 益 の 取 り 分 を 減 ら す 等 、手 段 の 見 直 し が 必 要なのではないか。 ・音楽業界はレンタルや違法コピーを危惧しているが、それならば消費者の 「 CD は レ ン タ ル す る も の ・ コ ピ ー す る も の 」 と い う よ う な 認 識 が こ れ 以 上 深 ま ら な い よ う に す る た め に も 、購 入 し や す い 価 格 を つ け る べ き 。そ の た め に も 再販制度は見直さなければならない。 ・再 販 制 度 が 撤 廃 さ れ た 際 に は 、価 格 競 争 に 伴 い 都 市 部 と 地 方 と の 格 差 が 拡 大 す る と 考 え ら れ て い る 。 し か し 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 も あ り CD の 購 入 は 日 本 全 国 に お い て 低 コ ス ト で 実 現 可 能 で あ る 。ゆ え に 地 域 格 差 拡 大 に は そ れ ほ ど 影響がないと考えられる。 3. .海外主要国の再販制度 再 販 制 度 の 実 施 状 況 に は 主 要 各 国 で か な り 違 い が 見 ら れ る 。ま ず 再 販 制 度 の 指 定 物 『 書 籍 ・ 雑 誌 ・ 新 聞 ・ 音 楽 CD 等 (レ コ ー ド 、 テ ー プ な ど を 含 む )』 に つ い て 、各 国 で 再 販 制 度 が 認 め ら れ て い る か 、 い な い か を 辻 ( 1995)の 資 料 を も とにまとめると次の通りである。 な お 、こ こ で『 再 販 制 度 が 認 め ら れ て い る 』と い う の は 、独 占 禁 止 法 に 相 当 す る 競 争 促 進 法 な ど で こ れ ら の 指 定 物 の 再 販 行 為 を 適 用 除 外 と し て い た り 、別 の事業者法で定価販売を認めている、という意味である。 14 表 5 アメリカ カナダ イギリス ドイツ オーストリア フランス オランダ デンマーク ベルギー ルクセンブルク ノルウェー フィンランド スウェーデン オーストラリア ニュージーランド 日本 諸外国の再販制度実施状況 書籍 雑誌 新聞 音楽CD 備考 × × × × 1975年、すべての適用除外を廃止 × × × × × × × × 1997年、書籍の適用除外を廃止 ○ ○ ○ × ○ ○ ○ × ○ × × × 1981年、書籍定価法制定 ○ ○ × × ○ ○ × × × × × × × × × × ○ × × × × × × × × × × × 1970年、書籍の再販制度を廃止 × × × × × × × × ○ ○ ○ ○ 表 5 から読み取れることを挙げると、 ・再販制度の実施状況は各国でかなり異なる。 ・書籍が再販制下にあっても、新聞や雑誌は認めていない国もある。 ・ 音 楽 CD に 再 販 制 度 が あ る の は 日 本 だ け 。 ということである。 4. .輸入権 平 成 17 年 1 月 1 日 よ り 施 行 さ れ た 改 正 著 作 権 法 に よ り 、 日 本 で は 音 楽 CD に 輸 入 権 が 認 め ら れ た 。端 的 に 言 え ば こ の 輸 入 権 と は 、日 本 の 輸 入 さ れ て く る も の に 対 し て 規 制 を か け る こ と が で き る 権 利 で あ る 。現 段 階 で こ の 権 利 は 、還 流 盤 (日 本 の レ コ ー ド 会 社 が 権 利 を 持 っ て い る CD を 、海 外 に ラ イ セ ン ス を 与 え て 、 そ の 国 で 生 産 さ れ た も の 。 )の 防 止 策 と し て 行 使 さ れ て い る 。 レ コ ー ド 会 社 側 の 意 見 は 、「 国 内 盤 よ り も 安 い 還 流 盤 が 市 場 に 出 回 る と 、 国 内 盤 の 売 上 が 阻 害 さ れ る た め 。」 と な っ て い る 。 し か し 、 音 楽 CD は 既 に 再 販 制 度 に よ り 保 護 さ れ て お り 、輸 入 権 の 保 護 と 合 わ せ て 産 業 と し て 二 重 の 保 護 が 存 在 す る こ と に な る 。 諸 外 国 に お い て も 輸 入 権 が 存 在 す る 国 は あ る が 、 音 楽 CD に 対 し て 認 め ら れ て い る の は 日 本 の み で あ る 。こ こ で も 再 販 制 度 の 場 合 と 同 じ く 、日 本 は 15 音 楽 CD に 対 し 世 界 唯 一 の 制 度 を 持 っ て い る の で あ る 。 こ の よ う な 音 楽 CD 市 場 に 対 す る 過 保 護 と も 呼 べ る 状 態 は 、 音 楽 CD と 他 の 一 般 消 費 財 と が 明 ら か に 異なることを示している。 16 第 6章 日 米 英 の CD と DVD の 価 格 比 較 1. . 日 米 英 CD ア ル バ ム 価 格 比 較 日 本 の 音 楽 市 場 が 大 き な も の で あ る こ と は 間 違 い な い 。で は 、世 界 的 に 見 て 日 本 の CD の 価 格 は 実 際 ど う な っ て い る の か 。 表 6 は 2004 年 に 公 正 取 引 委 員 会 が 行 っ た 調 査 方 法 を も と に し た 調 査 結 果 で あ る 。た だ し 、比 較 し や す く す る た め に ア メ リ カ を 100 と す る 。 表 6 日 米 英 CD ア ル バ ム 価 格 比 較 ・各国での売れ筋タイトルで比較 日本 2935.5 2935.5 192.6 平均価格(\、$、£) 税込平均価格(\) 税込指数 米 11.98 1523.9 100 英 8.82 1812.4 118.9 注 :Amazo n で の 価 格 表 示 は 米 を 除 く 日 、 英 で 税 込 み 価 格 公正取引委員会の調査方法に従って行った。 ただし、 ・ 測 定 時 点 は 日 本 : 200 5/12 第 四 週 米 : 20 05 /12 /14 英 : 20 05 /12 /18 ・ 為 替 は 米 : 117 .1 英 : 20 5.6 こ こ で 取 り 上 げ ら れ て い る 国 は 、音 楽 売 上 に お け る 上 位 3 カ 国 で あ る 。消 費 税 の 税 率・為 替 レ ー ト に お い て 多 少 の 差 は あ る が 、そ れ で も 日 本 の 価 格 は 3 国 の 中 で 一 番 高 い 。ア メ リ カ と 比 較 す れ ば 日 本 は 約 2 倍 の 価 格 が つ い て い る 。こ の こ と か ら 、 日 本 は 音 楽 CD に お い て 高 く 設 定 さ れ た 価 格 を 持 ち 、 大 き な 音 楽 売上を持つ音楽大国であるといえる。 2. . 日 米 英 DVD の 価 格 比 較 DVD に 関 し て は 再 販 制 度 は 存 在 し て い な い 。ゆ え に 音 楽 CD と は 異 な り 、定 17 価 に バ ラ つ き が 見 ら れ る う え に 、大 幅 な 割 引 も 行 わ れ て い る 。表 7 は 表 6 と 同 様の調査方法により得られた結果である。 表 7 平均価格(\、$、£) 税込平均価格(\) 税込指数 日 米 英 DVD の 価 格 比 較 日本 3850.3 3850.3 156.9 日 : オ リ コ ン DVD デ イ リ ー ラ ン キ ン グ 、 2005 / 12 米 19.28 2453.4 100 英 15.09 3102.1 126.4 第 4 週 (ht tp :// www. or i c on .c o.jp )英 米 : B ILLB O AR D Top DVD S a les , Is s u Dat e: 2005 - 12 -24 ( h ttp :// www. bi llb oa rd. c om. /bb /i nd ex.j sp ) 英 : BB C Off ic ia l UK t op 40 DVDs and Vid eos (1 8/1 2/20 05 ) (h ttp :/ / www. bb c. c o.uk/ r adi o1 /ch a rt/ t op4 0/a lbu m .s ht m l) 日 本 の 価 格 は 音 楽 CD と 同 様 に 数 値 と し て は 高 い が 、 他 国 と の 差 は 縮 ま っ て い る 。 ま た 日 本 の 売 れ 筋 ラ ン キ ン グ に は 、 DVD を 複 数 枚 ま と め た BOX セ ッ ト が 含 ま れ て い た 。そ れ ら が 非 常 に 高 価 格 で あ り 、割 引 も あ ま り 見 ら れ な い の で 平 均 価 格 が つ り あ が っ て い る が 、そ れ ら を 除 け ば 各 国 と の 価 格 差 は か な り 小 さ くなる。 日 本 国 内 の 音 楽 CD と DVD の 異 な る 点 は 、 再 販 制 度 が あ る か な い か と い う こ と で あ る 。音 楽 CD は 割 引 が で き な い が 、DVD は そ う で は な い 。こ の こ と が 理 由 で 各 国 と の 価 格 差 が 縮 ま っ て い る と 考 え ら れ る 。こ の こ と よ り 日 本 の 音 楽 CD の 高 価 格 は 再 販 制 度 に よ っ て も た ら さ れ て い る と い え る 。 18 第 7章 終わりに 日 本 国 内 の 音 楽 CD の 価 格 は 実 際 に 高 い と い う こ と が わ か っ た 。 日 本 だ け が 音 楽 CD を 再 販 制 度 の 指 定 物 に し て お り 、 産 業 と し て も 非 常 に 保 護 さ れ て い る こ と が 理 由 で あ る 。た だ 国 内 盤 に 焦 点 を 合 わ せ た た め 、輸 入 盤 の 影 響 や ラ イ セ ンス契約については明らかにできていない。 ま た 、新 し い 流 通 の 形 態 と し て さ ら に 発 展 す る で あ ろ う ネ ッ ト 配 信 が 、ど の ように影響してくるかを今後の課題としたい。 19 参考文献 伊 藤 元 重 ・ 松 島 茂 ・ 柳 川 範 之 ( 1991)「 リ ベ ー ト と 再 販 価 格 維 持 行 為 」 三 輪 芳 郎 西村清彦編『日本の流通』第 5 章 烏 賀 陽 弘 道 ( 2005)「 J ポ ッ プ と は 何 か 巨大化する音楽産業」岩波新書 日本レコード協会「日本のレコード産業 辻 吉 彦 ( 1995)「 再 販 売 価 格 維 持 制 度 東京大学出版会 2004」 何が問題なのか」小学館 20
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