犬と猫に危険な食べ物∼与えてはいけないものリスト 犬と猫が食べてはいけないものは、ほぼ共通 ASPCA （米国動物虐待防止協会 中毒事故管理センター） のデータを参考にしたものが多い 危険度ランク ： 高 死亡の恐れなど、危険度が高い食材 危険度ランク ： 中 量や状況により、危険度が高い食材 危険度ランク ： 低 食べ過ぎ注意 (適量なら問題ないが、過剰に摂取すると危険な食材) 体質により注意 症状に個体差が大きくでる食材 マグネシウムを含む食材 結石になりやすいマグネシウムを含む食材 番外編 上記以外 危険度ランク ネギ類 玉葱、長ネギ、 ニラ など ： 高 玉ねぎに含まれるアリルプロピルジスルファイドなどの成分が赤血球を破壊 するため、溶血性貧血、ハインツ小体性貧血をおこす。 量によっては死に至ることもある。 玉葱を煮込んだスープなど、エキスが出ているものも危険、犬より猫にとって 危険度が高い。 ペットに危険な食材としては有名だが、致死量などはっきりしていない。 症状 ： 胃腸障害、血尿、衰弱、心拍の増加 ゆり科植物が仲間として該当する。 タマネギ、長ネギ、ニラ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウなど ※ それぞれ毒性成分の含有量が違うため、危険度は異なる。 カカオ類 チョコレート、 ココア など 人間用の医薬品 栄養補助食品 カカオの成分であるデオブロミンが中枢神経を刺激する毒素となる。 デオブロミンとは、カカオの香り成分の 1 つ。 カカオ含有量の高いビターチョコほど犬や猫には危険となる。 ミルクチョコレートはカカオ含有量が低いため、症状は出にくい。 症状 ： 不整脈、心拍の増加、口の渇き、過剰な活動、痙攣、発作、嘔吐 約 4.5 キロの犬の場合、以下の容量で深刻な症状となる可能性がある。 ビターチョコや調理用のカカオ率の高いチョコレート ： 約 60g ミルクチョコレート ： 約 560g 60 グラムとは、小さめの板チョコ約 1 枚分。 小型犬の場合、板チョコ 1 枚分で致死量になる可能性がある。 人間用に処方されたものを獣医師の許可無く与えるのはとても危険。 ASPCA の発表によると、アメリカ国内のペットの事故の第一位は人間用の 医薬品によるもので、鎮痛剤、風邪薬、抗うつ剤、栄養補助食品によるもの がもっとも多い。 -1- サプリメント 症状 ： 多岐にわたる。目に見えない症状もあるため、誤飲があった場合 はすぐに獣医さんに相談するべき。 鎮痛剤に含まれるアセトアミノフェンは、強い中毒をおこし、特に猫に影響が 出やすく、効き目の強いタイプの錠剤１錠で致命傷となる。 イブプロフェンは、約 4.5 キロの犬の場合、4 錠で深刻な腎臓障害がでるとい う報告がある。 アメリカの調査機関により、犬･猫には有害性があると認められた。しかし、 因果関係はまだはっきり解明されていない。同じ量を摂取しても、重い症状 の出る犬もいれば、全く平気な犬もいるとのこと。臨床結果では有害であるこ とが立証されているため、避けるべき食材といえる。 レーズン、ブドウ 犬の症状 ： 摂取後 2∼3 時間後から嘔吐、下痢、腹痛、3∼5 日後に腎不 全をおこす。 重度の場合は、腎不全から死亡するケースも報告されている。 ※ 症例は主に犬からの報告であり、猫には未知数なところがある。 アボカドに含まれるペルジンが犬や猫には毒になる。ペルジンは果実だけで はなく、葉、種子、樹皮にも含まれている。 症状 ： 嘔吐、下痢を含む胃腸の炎症、死亡の恐れ アボカド これらの症状は、多量に摂取したときに発症するとされている。 フェレット、ウサギ、鳥類、げっ歯類など、他の小動物にとっては少量でも危 険。 解明されていない部分が多いが、レーズン、ブドウと同様に有害とされる。 症状 ： 無気力、嘔吐、 異常な高熱、 筋硬直、ふるえ、心拍の増加 マカデミアナッツ ※犬のみ報告があがっている。 キシリトール (甘味料の一種) ガムなどに使われる甘味料のキシリトールは犬にとって有害という発表が ASPCA から出ている。 犬の症状 ： 少量でも摂取すると 30 分以内に血糖値が低下し、嘔吐、歩行 困難、内出血、肝不全を発症する危険性がある。 約 9 キロの犬の場合、2、3 枚のキシリトールガムで致命傷となりえるという報 告があるが、猫については、報告があがっていないため不明。 危険度ランク ： 中 ニンニク ガーリックパウダー ガーリックオイルなど 玉ねぎと同じアリルプロピルジスルファイドなどが含まれているため、溶血性 貧血、ハインツ小体性貧血をおこす。摂取すると赤血球に若干の変化はみら れるが、玉ねぎほど含まれてはいないため、酸素収容力に問題がおこるの は大量に摂取した場合に限られる。 症状 ： 嘔吐、血尿、衰弱、心拍の増加 -2- 光線過敏症になる。特に 3∼5 月頃は貝の毒素が強いため危険である。 アワビ、トリガイ、 サザエ、トコブシ スルメ 症状 ： 毛の薄い耳に症状が現れやすく、腫れやかゆみが生じる。場合によ っては壊死することもある。｢アワビを食べると耳が落ちる｣ という話を聞いた ことがある人も多いと思われるが、主に猫がなりやすい。 スルメは胃で水分を含み膨張する。10 倍以上に膨れることもあるとのこと。 膨れたスルメは腸を通過することができず、また食道に詰まって吐くこともで きずという、危険な状態になる。 症状 ： 胃腸障害、元気が無くなるなど。 豚肉 (生) 生の豚肉には、寄生虫(トキソプラズマ)が潜んでいる可能性がある。 犬猫から人間まで感染する危険は同じだが、猫のみ体内でトキソプラズマが 完全に成長する。 症状 ： 体重減少、下痢、目の障害など様々。 感染しても症状のでない猫もいる。若い猫ほど危険が高いとされている。 鶏の骨は鋭くとがった状態に割れるため、喉や消化器官を傷つける恐れが 硬い骨、鶏、鯛の骨 ある。鯛の骨も大変堅いため、鶏の骨と同様に危険。 など 症状 ： 胃腸障害、喉の炎症、嘔吐など アルコール 症状 ： 嘔吐、下痢、 中枢神経系の抑制、ふるえ、昏睡 アシドーシス (意識障害、血圧低下、痙攣、呼吸障害) など カフェイン お茶、コーヒー、コーラなどに含まれている。 症状 ： 心臓や神経系への異常 有害なキノコは無害なキノコの近くに生えるため、キノコの種類だけでは毒性 の有無を見分けることはできないとのこと。これは野生キノコの場合であり、 キノコ 栽培された市販のキノコは該当しないとは思われるが、毒性のあるキノコは (主に野生のキノコ) ペットにとってかなり危険とのことなので、念のため避けた方がいい食材。 症状 ： 肝臓、腎臓障害、重度の胃腸障害 イーストのパン (生の場合) 生のイーストは、食後に胃で膨張するため危険。 また、生のイーストはアルコールを形成するので、アルコール中毒をもたらす 危険もある。 危険度ランク ： 低 ※ 食べ過ぎ注意の食材 消 化 に 良 く な い も の トウモロコシ、ナッツ類、こんにゃく など 全般 症状 ： 消化不良、下痢 生卵 (生の白身部分) ･イカ、タコ ･貝類、甲殻類 卵白に含まれるアビジンがビオチン(ビタミン B 群の一種)を分解する。 加熱すれば問題なし。栄養的にも優れた食品となる。 症状 ： 下痢、皮膚炎、結膜炎 生の貝類や甲殻類を大量に摂取すると、酵素チアミナーゼ（アノイリナーゼ） がビタミン B1 を分解するため、 ビタミン B1 （チアミン） 欠乏症を発症する恐 -3- アサリ、ハマグリ、 シジミ、エビ、カニ ･淡水魚 コイ･マス･ニシン ※特に内臓に注意 ※全て生の場合に 限る れがある。 加熱すると酵素は破壊されて安全になる。 量を多く取らなければ大丈夫だが、イカ･タコなどは消化に悪いため、良い食 材とは言えない。 症状 ： 食欲低下、嘔吐、症状が進むと痙攣、ふらつきなどの神経障害 チアミン欠乏症は人間でもおこる病気であり、ワラビなど一部の山菜のアク にもチアミナーゼが含まれている。 過食すると、青身魚の不飽和脂肪酸により、体内の脂肪が酸化して ｢黄色 脂肪症（イエローファット）｣ になる。特にビタミンＥが欠乏するとなりやすい。 青身の魚 サバ、アジ、イワシ レバー ピーナッツ 症状 ： 皮膚の下にしこりができる。痛みを伴うこともあり、さわると嫌がる。 急性で現れる病気ではなく、慢性的な食生活の偏りがこの病気を発症する。 治療も食生活の見直しなど、時間をかけて行う。 ※ 不飽和脂肪酸自体は悪い成分ではなく、食べ過ぎなければ、青身魚も体 に良い食材の 1 つ。 過食すると、ビタミンＡ過剰症になる。 症状 ： 骨 (脊髄) の変形。症状が進むと起きあがれなくなる。 油分が多い。50％以上が油分でできている。 人間用に加工されたものは、塩分が付着している場合もあり、マグネシウム を多く含むため、結石の原因にもなる。 症状 ： 肥満、糖尿病、腎臓病、結石(泌尿器症候群)など ほうれん草 シュウ酸が結石の原因になる。シュウ酸はアクに含まれる成分のため、茹で たりしてアクを取るとシュウ酸も減らすことができる。 症状 ： 結石 野菜類、おからなど 野菜に含まれるセルロースを消化でいないため、大量に摂取すると胃腸の 負担になる。適量なら体に良い食材であり、細かく刻むなど工夫をすると負 担を減らすことができる。 症状 ： 下痢、便秘など 体質によりけり 牛乳に含まれる乳糖 （ラクトース） を消化するためには、ラクターゼという酵 素が必要であるが、犬や猫には備わっていない。 症状 ： 下痢 牛乳 ※ 全く平気な犬や猫もいる。下痢をする場合は体質にあわないためであ り、牛乳が危険な食品というわけではない。 ※ 母乳代わりに子犬や仔猫に与えると栄養不足になるため、市販の犬用･ 猫用のミルクを与えるのが好ましい。 ※ 人間でも牛乳を飲むと下痢をするという人がいるが、理由は同様で、ラク ターゼ活性が低い体質のため、消化できないから。 -4- マグネシウムを多く含む食材 煮干し マグネシウムを多く含み、食べ続けると結石になりやすくなる危険性がある。 犬の症状 ： 下痢、泌尿器症候群 猫の症状 ： 下痢、FUS （猫泌尿器症候群） 海苔 煮干しほどではないが、マグネシウムを含むため、猫の場合尿結石 （ストロ バイト結石） ができやすくなる。 味付けとして調味料が多く使われていることもあり、犬や猫には良くない。 犬の症状 ： 下痢、泌尿器症候群 猫の症状 ： 下痢、FUS （猫泌尿器症候群） 鰹節 人間用の鰹節には 塩分、マグネシウムが含まれているため、海苔と同じく、 猫の場合尿結石 （ストロバイト結石） ができやすくなる。少量なら問題ない が、大量に与えない方が無難な食材。 犬の症状 ： 下痢、泌尿器症候群 猫の症状 ： 下痢、FUS（猫泌尿器症候群） ミネラルウォーター ミネラルウォーターの種類にもよるが、マグネシウムを多く含むものがある。 他のミネラル分も、猫や犬には多すぎるといえる。 犬の症状 ： 下痢、泌尿器症候群 猫の症状 ： 下痢、FUS （猫泌尿器症候群） 水道水には塩素が含まれるため、浄水器を使うか、湯冷ましの水が好ましい とされている。ただ、湯冷ましの場合、沸騰させたときに酸素や炭酸ガスまで 抜けてしまうので、悪くはないが良い水とも言えなくなってしまう。 番外 猫のトイレ用の砂 猫に限らず、猫と同居している他のペットも同じように危険。 猫砂の特徴は、｢水分を吸って固まる｣。これが胃腸で行われることになり、 量を多く摂取すると命に関わる危険もある。仔猫やウサギなど、体の小さな 動物ほど危険度が増す。 症状：胃腸障害。嘔吐、下痢、元気が無くなるなど。 おからの砂を食べてしまうケースとして、特にウサギが好む話が多い。 ドッグフード 猫が食べ続けた場合、栄養不足になる。特にタウリン不足になりやすい。 キャットフード 犬が食べ続けた場合、栄養過多になる。 ペットフード事件簿 （http ： //petfood.7pot.net/） を参考にしています。 -5-
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