平成21年度 南蔵王縦走登山道及び芝草平湿原植生復元実施計画

平成21年度
南蔵王縦走登山道及び芝草平湿原植生復元実施計画
宮城の自然を守る山楽ネットワーク協議会
1
植生復元対策の対象区域等
(1)対象区域
南蔵王縦走登山道及び芝草平湿原内部の踏跡のうち、植生が荒廃した箇所を復元対策
対象区域とする。
(2)区域指定状況
南蔵王縦走登山道及び芝草平湿原における区域指定等に関する許可申請の要否は、以
下のとおりである。
表1
南蔵王縦走登山道及び芝草平湿原に係る区域指定等状況
区
域
等
蔵王国定公園特別保護地区
根
拠
法
自然公園法
許可の要否
必要
県指定鳥獣保護区「蔵王連峰」 鳥獣保護法
不必要
国有林入林許可
必要
2
現状と課題
(1)現状
蔵王山地域は、
「日本百名山」の 1 つに数えられ、火山湖である「御釜」を中心に年間
約63万人の観光客が訪れ、宮城・山形の両県を代表する観光地である。
蔵王連峰は多様な火山地形により構成され、芝草平を始めとする湿原が点在し、コマ
クサなどの稀少な高山植物群落も見られることから、登山客の人気が高く、中でも刈田
峠から不忘山周辺へ続く南蔵王縦走登山道は特に利用が集中するコースとなっており、
近年、登山道が整備されたことから今後も利用者は増加傾向になると考えられる。
(2)課題
近年の登山客の増加やストックの影響などにより、登山道周辺の裸地化や土砂の流出
が見られる。また、一部の利用マナーの悪い登山客による湿原への無秩序な立ち入りな
どもあり、登山道周辺の裸地化を促している(図1~4)
。
このようにして植生が失われ裸地化した部分は、集められた水の流路となるほか、土
壌表面の温度差が激しくなるなど湿原植物の生育にとっては厳しい環境となる。そのた
め、植生の早期回復・復元には、何らかの人為的な対策が必要である。
図1
踏圧により植生が荒廃している
図2
登山者のストックによる登山道の拡大。
図3
裸地化しているが泥炭層が残っている
図4
裸地化し、泥炭層も残っていない
3
南蔵王縦走登山道及び芝草平植生復元の目的
南蔵王縦走登山道及び芝草平植生復元の目的を以下のとおりとする。
目的 南蔵王縦走登山道及び芝草平の植生を復元するとともに、自然環境へ
の負荷を与えない利用方法を作る。
4
植生復元の方針
湿原回復に関する先行事例は飯豊連峰や西吾妻連峰など各地にあるが、これらの地域
で行われている植生復元対策が蔵王の自然環境に合致するとは限らない。今後は、各地
で行われている先行事例を参考にしながら試験施工及びモニタリングを行い、蔵王の自
然環境に合った植生復元対策を検討する。
5
平成20年度に行った植生復元作業
平成20年度に行った植生復元作業は,以下のとおり。
8 月13日及び23日
9 月28日
6
蔵王芝草平での現地検討会及び状況調査
蔵王芝草平植生復元実証実験(播種)の実施
平成21年度に実施する植生復元作業
(1)自生植物の種子の採取及び播種の試験施工
①
平成20年度播種箇所のモニタリング
平成20年9月28日に播種した種子のモニタリングを行うもの。
②
自生植物の種の採取及び播種の試験施工
登山道付近の3箇所において,周辺に自生する植物の種子を採取し,播種する。
播種する箇所は次の(詳細位置図等は別紙のとおり。)とおりとし、播種後の状況につい
ては,平成22年度以降,モニタリングを行う。
A)刈田峠直下湿原(峠から約 500m先標高 1,550m 地点)
B)芝草平中央(20 年度実施箇所)
C) 芝草平下部(標高 1,652m 地点)
③
自生植物の結実時期調査
播種作業時期検討の基礎調査として,芝草平に自生する植物の結実時期の調査を行う
もの。
④
水路の調査
今後の植生復元作業検討の際の基礎資料とすることを目的として,踏圧や登山道から
の土砂流出により発生した水路の位置を調査する。
⑤
残雪期における登山ルート調査
踏圧防止対策を検討する際の基礎資料とするため,夏道や木道の登山道が確認でき
ない残雪期における登山者のルートを調査する。
⑥
自然観察会の実施
自然観察会を通して,自然に優しい登山の普及啓発を行う。
7
啓発用パンフレットの頒布
15000部の啓発用パンフレットを印刷し、各観光案内所及びスポーツ店に配布
別紙①
平成21年度における保全対策の実施予定及び役割分担
各実施対策の実施予定は、以下のとおり。
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
平成22年
1月
①播種箇所のモニタリ
ング
②自生植物の種子の採
取及び播種(試験施工)
③結実調査
④水路調査
⑤残雪期登山ルート調
査
⑥自然観察会の開催
平成22年度保全計画
策定
許認可関係手続き
【役割分担】
宮城の自然を守る山楽ネットワーク協議会
①~④
平吹先生・菅野博士の指導、仙台森林管理署・宮城県自然保護課へ依頼
宮城県内の山岳関係者
登山ガイド・スポーツショップ
宮城の自然観察会
協力依頼
⑥
⑤
協力依頼
2月
3月
4月