国際産業連関分 析から見た 世 界 経 済 危 機 INPUT アジア経済研究所 Crisis World Economy in Crisis World Economy in Crisis World Economy in Crisis World Economy in C OUTPUT 猪俣哲史 目 次 1.はじめに 2.経済危機と貿易の「三角構造」 3.国際産業連関分析から見た世界経済危機 4.雇用への影響 5.今後の展望:生産ネットワークの構造変化 ©2009 by Institute of Developing Economies, JETRO 1.はじめに 今回の経済危機の大きな特徴として、需要ショックの伝播が非常に速く、かつ広域に渡 ったことがあげられる。過去数十年間で急速に発達した国際生産ネットワークは、それが 取り結ぶ国と国との相互依存関係を著しく深化させ、ある国で起こった変化が瞬時に他の 国々へ波及するといった高度な連関構造を生み出した。危機発生以降、生産や貿易が世界 規模で急激に落ち込んだのも、まさに、複雑に絡み合った生産システムの負の産物にすぎ ない(図 1)。 アジア経済研究所研究会『国際産業連関分析から見た世界経済危機(主査:猪俣哲史)』 では、当研究所が作成しているアジア国際産業連関表を用い、経済危機下における負のシ ョックの伝達メカニズムについて詳細に考察、検証した。以下ではその主な分析結果を紹 介する。なお、本研究会の成果は、英文書籍”Asia Beyond the Crisis –Visions from International Input-Output Analyses– ”として近日刊行される。 図 1 東アジア諸国・米国のGDP成長率の推移 15% 10% Chi na 5% Indonesia Phi lippines 0% U .S.A Tha iland Ma laysia Korea -5% J a pan Ta iwan Si ngapore -10% 2002 2003 2004 2005 2006 2007 Note: The rate of the year 2009 is based on the IMF estimate 2008 2009 2.経済危機と貿易の「三角構造」 東アジア諸国の景気後退が経済危機の震源地である米国のそれよりも深刻なものとなっ た背景に、中国との貿易を介した「三角構造」がある。 構造の一角をなす米国は、周知のとおり東アジアの製品に対する大口の顧客で、これま でその強大な購買力をもとに同地域の成長を牽引してきた。いっぽう、ここ十数年間で中 国経済は飛躍的に成長し、米国の主要な貿易相手国となるに至った。このなかで、中国の 製造業は主に労働集約的な組立工程に特化し、最終消費財を中心に米国への輸出を増やし ていった。また、中国の急激な輸出増加は、他の東アジア諸国による部品・原材料の供給 によって支えられてきた。中国とは異なり、これらの国々は、より高度な生産技術を要す る中間財の生産に特化した。 したがって、貿易の「三角構造」は、(1)(日本を含む)東アジア諸国が部品や原材料を 生産して中国へ輸出し、(2)中国はそれらの中間財を用いて最終財を組み立て、(3)最終消費 地である米国へ輸出する、といった財の流れから構成される(図 2)。 図 2 アジア・環太平洋地域における貿易の「三角構造」 Triangular Trade through China CHINA Parts and Accessories Final Consumption Goods Other East Asia U.S.A. この「三角構造」は、これまで東アジアの貿易を促進し、経済成長の触媒となっていた。 しかし、今日のような経済危機下においては、この構造がまったく逆の方向で作用するこ とになる。すわなち、金融危機によって米国の消費需要が急速に冷え込み、中国の米国向 け輸出は著しく減少した。その結果、中国の中間財需要が低下し、他の東アジア諸国から の輸入が減少、ひいてはこれらの国々での生産縮小を招く、といった負の生産波及がアジ ア・環太平洋地域を覆っているのである。むろん、波及は様々な生産ネットワークを介し て域内に拡大していったが、なかでも中国との貿易を介した「三角構造」が、米国から東 アジア諸国へと伝播する需要ショックの「高速道路」として機能したことが考えられる。 3.国際産業連関分析から見た世界経済危機 さて、このような「米国発」需要ショックの影響を定量的に測ることができるであろう か?むろん、直接的な影響は、米国への輸出の減少として各国の貿易統計から数字を容易 に拾うことができる。しかし、各産業への全体的な影響は、輸出減少という直接的な効果 に加えて、中間財取引を介した間接的な効果も見る必要がある。たとえば、米国で日本車 に対する需要が減退したことを考えよう。直接的な影響は、日本における自動車製造業の 生産縮小である。しかし、自動車の生産縮小は、他の関連産業へ二次的な影響を及ぼすこ とになる。当然、自動車部品の需要は低下するであろう。車体やエンジン、タイヤ、フロ ントガラスなどのメーカーは、生産縮小へと追い込まれる。さらに、これら部品メーカー の生産が縮小すれば、鉄鋼、ゴム、ガラス、モーター、シリンダーなど、原材料やサブパ ーツの需要が低下し、さらに広範な産業群で生産が縮小する(図 3)。 図 3 生産ネットワークを介した需要ショックの伝播:自動車産業の事例 Image of shock propagation 2nd-round Impacts 1st-round Impacts Car chassis (Y650 million) Initial Initial Impact shock Internal-combustion engines (Y1.52 billion) Automobiles (Y10 billion) Glass products (Y130 million) Tires and inner tubes .. . 3rd-round Impacts 4th-round Impacts Rough steel (Y8 million) Car parts (Y260 million) Steel (Y12 million) Electricity (Y400,000) Cold-finished steel (Y60 million) Wholesale (Y2 million) Coal products (Y100,000) Steel shar slit (Y20 million) Road freight transport (Y400,000) Petroleum products (Y40,000) Paint (Y17 million) Sea shipping (Y200,000) .. . .. . .. . Intermediate organic chemical products (Y500,000) Composite rubber (Y30 million) Dye (Y3.5 million) Composite plastics (Y200,000) Carbon black (Y10 million) Chemical fiber (Y2.1 million) Electricity (Y100,000) Silk and rayon textiles Financing (Y300,000) Wood pulp (Y100,000) Wholesale (Y300,000) Wholesale (Y100,000) (Y10 million) Raw rubber (imported) .. . (Y10 million) .. . .. . このように、ある産業で起こったショック(=自動車の需要低下)が生産ネットワーク を介して様々な産業へと伝播し、経済全体により大きな影響を与えることを、(負の)乗数 効果とよぶ。生産技術の高度化に伴い産業間ネットワークはいっそう複雑さを増し、乗数 効果の影響はいまや無視し得ぬものとなっている。 さらに今日、グローバル化の進んだ経済システムにおいては、乗数効果が国境を越える ことも少なくない。たとえば、日本車の輸出/生産縮小は、韓国からの車体の輸入やシン ガポールからのタイヤの輸入を減少させ、それらはさらに、韓国の中国からの鉄鋼輸入と シンガポールのマレーシアからのゴム輸入を減少させることになる。過去数十年間、アジ ア・環太平洋地域において国をまたいだ生産ネットワークが著しく発達し、域内の乗数効 果はより複雑かつ強大なものとなった。 このような国境を越えた乗数効果は国際産業連関表を用いて計測することができる。貿 易統計と異なり、国際産業連関表は需要ショックの直接的な影響のみならず、国間の中間 財取引を介した間接的な効果も取り込むことができるからである。 図 4 は、2008 年アジア国際産業連関表(延長表)を用い、経済危機による米国への輸出 減少が及ぼす生産額への影響を各国別にシミュレートした結果である。また、併せて各国 への乗数効果も計測した。 図 4 米国への輸出減少が及ぼす生産額への影響 Million US$ Multiplier 70,000 3.59 50,000 40,000 30,000 5 4.49 60,000 2.20 2.27 2.54 2.24 4 2.07 1.90 2.26 3 2 20,000 10,000 0 1 0 生産額の減少幅は中国が突出して大きい。同国の米国市場に対する依存の高さが伺える。 中国ほどではないが、日本も比較的大きく生産を減らす結果を示している。いっぽう乗数 効果を見ると、中国や日本などの経済大国よりも、シンガポールやフィリピンなどの小国 の数値が大きい。これは、これら国々の生産システムが、海外、ことに米国市場と(たと えば中国との貿易を介して)緊密にリンクしていることを表している。 このことを検証するため、図 5 では、各国の乗数効果をその波及経路別に分解した。最 下層(青色)が財・サービスの国内取引を介した乗数効果、その他(赤色と黄色)は国際 取引を介した乗数効果であり、なかでも最上層(赤色)は中国との貿易を介した乗数効果 を示している。海外依存の高いシンガポールの国際乗数効果が大きいのは当然のこととし て、驚くべきは、各国の中国を介した乗数効果の高さである。ほとんどの国で国際乗数効 果の半分以上のシェアを占めている。ここから、東アジアにおける経済危機の背景に、中 国を介したショック伝達メカニズム=「三角構造」の存在が伺える。 図 5 乗数効果の波及経路別分解 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% Triangular‐ trade multiplier Other inter‐country multiplier Domestic multiplier 4.雇用への影響 さらに、国際産業連関分析では、モデルを各国の労働統計とリンクさせることによって、 経済危機の雇用への影響を各国・各産業別に測定することができる。図 6 は直近の 2008 年 と 2009 年のデータを用いた計測結果である。輸出への高い依存度と極度に労働集約的な産 業構造を反映し、中国国内の雇用への影響が圧倒的に大きい。しかし、他の国々への影響 も無視し得ぬものがある。 図 6 需要ショックによる雇用の減少 0 ‐1,000 ‐2,000 ‐3,000 ‐4,000 ‐5,000 2008 2009 ‐6,000 (1,000 persons) そこで、この結果の背景を探るため、アジア・環太平洋地域の雇用構造に分け入りたい。 図 7 は、同地域における雇用機会の波及構造を示したものである。縦軸が他国から雇用機 会を得るポテンシャル、横軸が他国へ雇用機会を与えるポテンシャルを表している。まず 中国は、その労働集約的な産業構造ゆえ雇用機会を得るポテンシャルが非常に高い。アジ ア・環太平洋地域における「雇用貿易」の最大の受益者となっている。いっぽう米国は、 アジア製品の大口顧客として同地域に多大な雇用機会を与えてきた。2000 年から 2008 年 への変化を見ても、雇用機会の提供者として米国の役割はさらに高まっている。日本も米 国についで多くの雇用機会を他国に提供しているが、そのポテンシャルはここ 10 年間で低 下している。インドネシアも雇用機会の創出力を著しく落としているが、これは、おそら く資源価格下落の影響と見られる。他のアジア諸国はいずれも雇用構造に大きな影響力を 持たないが、その動きを詳細に追ってみると(右図)、どの国においても両方のポテンシャ ルが増加傾向にある。これは、これら国々の生産システムが域内の生産ネットワークとの 連関を著しく深めたことを反映している。 最後に中国であるが、その動きは極めて興味深い。2000 年から 2008 年にかけて右下方 へ大きくシフトしているが、これは、雇用機会の受益者としてのポテンシャルが低下した 反面、より多くの雇用機会を同地域に提供することを表している。そしてこの動きの背景 にあるのが、中国との貿易を介した「三角構造」の成立にほかならない。2008 年において も中国の雇用創出は同地域(とくに米国)に大きく依存しているが、そのいっぽう、「三角 構造」の発達によって他の東アジア諸国からの中間財輸入が増加し、それらの国々に、よ り多くの雇用機会を提供するようになったのである。中国との貿易を介した「三角構造」 の影響は、商品市場のみならず労働市場においても顕著に現れている。 労働市場における「三角構造」の出現は、経済危機の雇用に対する影響を考察する上で 非常に重要な含意がある。上述の構造変化、すなわち①米国の雇用機会創出ポテンシャル の増加、②東アジア諸国の域内生産ネットワークに対する依存の深化、③ショック伝播に おける中国のハブ機能の増大は、「米国発」経済危機の影響を、東アジアの労働市場におい てより速く、かつより広範に伝達するメカニズムを生み出したのである。 Employment Gain 8.0 2000 2008 7.0 6.0 China Employment Gain 図 7 「雇用貿易」の推移 1.2 2000 2008 Thailand 1.0 0.8 5.0 0.6 4.0 3.0 Philippines 0.4 Malaysia Korea 2.0 Indonesia Taiwan 0.2 1.0 U.S.A. Japan Singapore 0.0 0.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 Employment Give-out 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 Employment Give-out 5.今後の展望:生産ネットワークの構造変化 過去数十年間にわたり、「三角構造」が東アジアの成長を促進したことに疑いはない。し かし、経済危機はそれが内包する負のメカニズムを現出させた。近い将来、「三角構造」は 自壊へと向かうであろう。 では、東アジアの生産システムは、今後、どのように変化していくのであろうか。「危機 後」の東アジア経済を展望するには、その生産ネットワークの構造変化をより長期的な視 点で捉える必要がある。 図 8 は、国間の垂直分業のレベルを測る「Vertical Specialisation (VS)」という指標を用 い、中国の国際生産ネットワークにおける役割の変化を追っている。各ブロックは、生産 ネットワーク上の特定のサプライ・チェーンを示しており、その高さは輸出財の生産に対 する当該サプライ・チェーンの貢献度を表している。たとえば、一番手前のブロック群(青 色)は、中国の輸出のなかで日本向け製品を生産するサプライ・チェーンを示しており、 右から日本の中間財を用いたもの、米国の中間財を用いたもの、その他の東アジア諸国の 中間財を用いたものとなっている。 図 8 中国の国際生産ネットワークにおけるサプライ・チェーン China's VS: 2000 0.040 0.035 0.030 0.025 0.020 0.015 0.010 to others 0.005 0.000 to U.S.A. to Japan from others from U.S.A. from Japan China's VS: 2008 0.040 0.035 0.030 0.025 0.020 0.015 0.010 to others 0.005 0.000 to U.S.A. to Japan from others from U.S.A. from Japan Note: "others" include all AIO countries except China, Japan and the U.S.A. Source: The Asian International Input-Output Tables 2000 年から 2008 年にかけて、とくに変化が著しいのが中列左のブロック、すなわち、 東アジア諸国の中間財を用いた米国向けの輸出である。そしてこのサプライ・チェーンこ そ、くだんの「三角構造」にほかならない。中国との貿易を介した「三角構造」の存在は、 生産ネットワークの視点からも読み取れるのである。 いっぽう、このネットワーク分析によって、まったく新しいビジョンを得ることもでき る。図 9 は、図 8 のブロック群から「三角構造」のサプライ・チェーンのみを取り上げ、 それを、最終消費財の輸出(VS_f)と中間財の輸出(VS_i)に二層化したものである。日 本および他の東アジア諸国からのいずれのチェーンにおいても中間財輸出の比率が伸びて いる。これは、中国との貿易を介した「三角構造」が、近年において質的に大きな変化を 被ったことを示唆している。すなわち、中国を単なる最終消費財の組み立て基地として想 定していた「三角構造」であるが、同国は生産技術の向上に伴い、より高度な生産工程で ある中間財の供給へとステップ・アップしたと考えられるのである。 図 9 「三角構造」のサプライ・チェーン 0.035 0.030 0.025 0.025 0.020 VS_f 0.030 0.020 0.015 0.010 0.010 0.005 VS_i 0.015 VS_i 0.035 Triangular trade through China: 2008 0.040 VS_f Triangular trade through China: 2000 0.040 0.005 0.000 0.000 to U.S.A. from others to U.S.A. from others from Japan from Japan Note: "others" include all AIO countries except China, Japan and the U.S.A. Source: The Asian International Input-Output Tables 中間財輸出の比率は他のサプライ・チェーンにおいても軒並み伸びており(図 10)、中国 の製造業が急速に高度化したのがわかる。ことに注目すべきは、他の東アジア諸国との生 産ネットワークであり、 「他の東アジア諸国→中国→他の東アジア諸国」のサプライ・チェ ーンで中間財貿易の発達が著しい。これは、他の東アジア諸国の視点からも同様の結果が 見られ(図 11)、中国と東アジア新興国との間で、中間財取引を介した生産連関がいっそう 強いものとなっている。危機によって米国市場の求心力が凋落した今日、もし中国市場が 今後急速に成長し、米国に代わる購買力を持つに至るとすれば、東アジアは、需要面にお いても供給面においても、高度に自足的な経済システムを構築することになるであろう。 図 10 中国のサプライ・チェーン:日本への輸出、他の東アジア諸国への輸出 China's VS export to Japan: 2000 0.040 0.035 0.035 0.030 0.030 0.025 0.025 0.020 0.020 0.015 0.015 0.010 0.010 0.005 0.005 0.000 from others to Japan from U.S.A. 0.035 0.000 from others from Japan China's VS export to other Asian countries: 2000 0.040 0.035 0.030 0.025 0.025 0.020 0.020 0.015 0.015 0.010 0.010 0.005 0.005 0.000 to others from U.S.A. to Japan from U.S.A. from Japan China's VS export to other Asian countries: 2008 0.040 0.030 from others China's VS export to Japan: 2008 0.040 [Other Asia→China→Other Asia] 0.000 from others from Japan to others from U.S.A. from Japan Note: "others" include all AIO countries except China, Japan and the U.S.A. Source: The Asian International Input-Output Tables 図 11 他の東アジア諸国のサプライ・チェーン Other Asia's VS: 2008 Other Asia's VS: 2000 0.060 0.060 [China →Other Asia→China] 0.050 0.050 0.040 0.040 0.030 0.030 0.020 0.020 to China 0.010 to U.S.A. 0.000 to China 0.010 to U.S.A. 0.000 to Japan to Japan from China from U.S.A from China from Japan Note: "others" include all AIO countries except China, Japan and the U.S.A. Source: The Asian International Input-Output Tables from U.S.A from Japan 以上、駆け足で研究会の成果を概観したが、より詳細な分析や、分析のベースとなる数 値表などについては、ぜひ、近日刊行の以下の英文書籍を参照されたい。 ASIA BEYOND THE CRISIS –Visions from International Input-Output Analyses – Edited by Satoshi Inomata Introduction Satoshi Inomata Chapter 1 The Triangular Trade - The Shock Transmission Mechanism in the Asia-Pacific Region – Ikuo Kuroiwa, Hiroshi Kuwamori and Hajime Sato Chapter 2 Impact of the Global Economic Crisis on Employment in the Asia-Pacific Region Bo Meng and Satoshi Inomata Chapter 3 International Trade and Real Transmission Channels of Financial Shocks in Globalised Production Networks Hubert Escaith and Fabien Gonguet Chapter 4 Vertical Specialization at the Time of Economic Crisis Yoko Uchida and Satoshi Inomata Chapter 5 The Impact of the Financial Crisis on Factory Asia Kazunobu Hayakawa Chapter 6 To What Extent Will the Shock Be Alleviated? –The Evaluation of China’s Counter-Crisis Fiscal Expansion – Nobuhiro Okamoto and Satoshi Inomata Explanatory Notes: (1) A Quick Guide to International Input-Output Analyses (2) Updating Method for the 2008 Asian International Input-Output Table Satoshi Inomata 書籍に関するお問い合わせ: アジア経済研究所国際産業連関班 [email protected] 付図:アジア国際産業連関表のイメージ Indonesia Malaysia II IM A A MI A MM A PI A SI A TI A CI A NI A Philippines A Singapore A Thailand A China A Taiwan A A TM A CM A NM A A UI A A U.S.A. A I MS A A SP A TP A CP A NP A A JM A UM A MT A A SS A TS A CS A NS A A JP A UP A MC A A ST A TT A CT A NT A A JS A US A MN A PC A SC A TC A CC A NC A KT A JT A UT A A A SN A TN A CN A NN A A JC A UC A MJ A A SK A TK A CK A NK A A JN A UN A MU A PJ A SJ A TJ A CJ A NJ A KK A JK A UK A PU F II F MI F PI SU F TU F CU NU F IM MM F PM SI F TI F F IP MP F PP SM F F TM CI F F F IS MS F PS SP F F TP CM F F F IT MT F PT SS F F TS F CP F CS F F IC MC F PC ST F TT F F F IN MN F PN SC F F TC CT F F F IK MK F PK SN F F TN CC F F F IJ MJ F PJ SK F F TK CN F F F F PU SJ F F TJ CK F SU L F TU L CJ F CU Total Outputs Statistical Discrepancy Export to R.O.W. Export to EU Q C X C L NH L NO L NW Q N X N F F F F F F F F F F KU L KH L KO L KW Q K X K JU F JI F JM F JP F JS F JT F JC F JN F JK F JJ F JU L JH L JO L JW Q J X UU F UI F UM F UP F US F UT F UC F UN F UK F UJ F UU L UH L UO L UW Q U X UJ A FHC FHN FHK FHJ A F F F F F OT F OC F ON F OK F OJ F WJ A WU F WI F WM F WP F WS F WT F WC F WN F WK F WJ F A CW NU A WK L F FHT A CO KJ OS WN L NJ FHS A CH T F OP WC X KK FHP A T NK OM WT Q F FHM A TW KN OI WS L NN FHI A TO F OU WP L KC AHU A X NC OJ WM S F AHJ A Q KT AHT AHC AHN AHK WI SW NT JJ A L F AHS A S SO KS AHM AHP A P Q NS AHI A X L P F Import from Hong Kong A X PW KP BF A I M NP U A L X F BA A TH Q I M KM A OK L Q NM BA ON SH L IW MW F K OC L PO L KI BA OT L IO MO NI BA OS L F BA OP L IH MH L BA OM L PH BA BA IU MU Export to Hong Kong U.S.A. Japan Korea Taiwan China Thailand Singapore Philippines F KU KJ J F Malaysia Indonesia IU A BA BA N IJ A PK KN U.S.A. Japan MK PN KC C IK A Freight and Insurance OI T IN A Export (L) Final Demand (F) Korea Taiwan IC A PT KS S China IT A PS KP P Thailand IS A PP KM M Singapore A SM JI Japan MP A A A IP A PM KI Korea Philippines Malaysia Indonesia Intermediate Demand (A) I BF M BF P BF S BF T BF C BF N BF K BF J BF U FHU OU Import from EU A Import from the R.O.W. A Import Duty and Sales Tax DAI DAM DAP DAS DAT DAC DAN DAK DAJ DAU DFI DFM DFP DFS DFT DFC DFN DFK DFJ DFU Value-added V I V M V P V S V T V C V N V K V J V U Total Inputs X I X M X P X S X T X C X N X K X J X U Valued at producer's price J U International freight and insurance on the trade between member countries (A**, F**). Valued at C.I.F. WU Import duties and import commodity taxes levied on all trade. * Each cell of A** and F** represents a matrix of 76 x 76 and 76 x 4 dimension, respectively. *アジア国際産業連関表は、現時点において 2000 年表が最新のデータである。しかし、今回の経済危機の分析のため、特別に 2008 年表を推計した(非公表)。 独立行政法人日本貿易振興機構 アジア経済研究所 千葉県千葉市美浜区若葉 3-2-2
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