ムーディーズがインドネシアのソブリン格付けを投資適格級に引き上げ

2012年1月19日
住信アセットマネジメント株式会社
ムーディーズがインドネシアのソブリン格付けを投資適格級に引き上げ
1月18日、格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)は、インドネシアの外貨建
て及び自国通貨建てソブリン格付けを「Ba1」から投資適格級である「Baa3」へ一段階引き上げました。ムー
ディーズの格上げは、「Ba2」から「Ba1」に格上げした昨年1月以来で、1年ぶりとなります。
インドネシアの格付けについては、昨年12月にフィッチ・レーティングスが同じく投資適格級に格上げしていま
す。これで、主要な格付け機関2社が相次いでインドネシアを投資適格級に引き上げたことになります。
◆ 格上げの背景
格上げの理由としてムーディーズは、内需を中心とした経済成長により海外景気の影響を受け難いこと、政
府の財政赤字や債務残高の対GDP(国内総生産)比率が低水準で財政が健全であること、外貨準備の増加
などにより対外債務の支払いの能力が向上していること、などを挙げています。
インドネシアでは、豊富な天然資源に加え、人口2億人を超える豊富な労働力や巨大市場としての魅力を背
景に海外からの投資資金の流入が増加しているほか、中間所得層の増加や信用市場の拡大により個人消費
が堅調に推移しており、内需を中心とした6%超の高い成長が続いています。また、一般政府の財政赤字規模
をGDP比3%以下、借入残高をGDP比60%までとする国家財政法などに則った規律ある財政運営が行われて
います。
◆ 今後の見通し
ムーディーズは、格上げ後の格付け見通しを「ステーブル」としており、当面は格付けが据え置かれる見通し
です。ただ、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)がインドネシアの格付けを「BB+」、見通しを「ポジティブ」とし
ており、いずれ投資適格級に格上げするものと見られます。
また、今回の投資適格級への格上げにより、国債市場への資金流入による金利低下や海外からの直接投
資のさらなる増加が期待されます。政府も昨年5月に「経済成長促進・拡大基本計画(MP3EI)」を発表し、これ
まで経済成長の制約要因となって来たインフラ整備に取り組むことで成長を加速させる方針を示しており、今
後もインドネシア経済の好循環が続きそうです。
≪インドネシア・ソブリンの格付け≫(2012年1月19日現在)
インドネシア ・ ソブリン格付けの推移
(2005年1月~2012年1月、月次)
S&P
フィッチ
BBB-
BB+
S&P
BB+
BB+
BB
BB
BB-
Ba1
Ba2
Ba3
(%)
B1
ムーディーズ
フィッチ
自国通貨建て長期債
Baa3
BBB-
実質GDP成長率( 前年同期比) の推移
(2009年1-3月期~2011年7-9月期、四半期)
8
ムーディーズ
B2
6
4
05/1
06/7
08/1
09/7
1月18日 ムーディーズが
Baa3 に格上げ
11/1
(年/月)
2
0
-2
※格付けは自国通貨建て長期債の格付けを使用しています。
(出所)Bloombergデータをもとに住信アセットマネジメント作成
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10/9
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11/9 (年/月)
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