平成 28 年度第 1 回残留ひずみ・応力解析研究会 微細構造解析

平成 28 年度第 1 回残留ひずみ・応力解析研究会
微細構造解析プラットフォーム第 1 回放射光利用研究セミナー
主催:中性子産業利用推進協議会,茨城県中性子利用促進研究会
SPring-8 ユーザー協同体,JAEA 微細構造解析プラットフォーム
QST 微細構造解析プラットフォーム,NIMS 微細構造解析プラットフォーム
協賛:(一財)総合科学研究機構(CROSS 東海),J-PARC/MLF 利用者懇談会
日本材料学会 X 線材料強度部門委員会
開催日時:平成 28 年 8 月 22 日(月)10:00-17:05
場所:研究社英語センター大会議室
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂 1-2 TEL 03-3269-4331
http://www.kenkyusha.co.jp/modules/11_meetingroom/index.php?content_id=1
参加費:
参加費は無料ですが,資料代として 5,000 円いただきます.なお,中性子産業利用推
進協議会の会員の皆様と大学,研究機関の方は無料です.それ以外の方は事務局まで
ご相談ください.資料代は当日徴収させていただきます.
テーマ名:溶接部の残留応力解析と疲労強度設計
趣旨:機械構造物においては溶接部の信頼性が最も重要である.そこで,本研究会では,
溶接部の残留応力解析の最新技術と溶接構造の疲労強度設計技術を紹介するととも
に,放射光や中性子を利用した溶接残留応力の実測例などを紹介する.
プログラム
10:00-10:05 開会挨拶
研究会主査 秋庭義明(横国大)
<司会:秋庭義明(横国大)>
10:05-10:30 J-PARC/MLF の概要と中性子の産業利用
林 眞琴(CROSS 東海)
J-PARC/MLF と茨城県 BL の現状,J-PARC/MLF における産業利用の状況,2016B の課題
採択結果,ならびに,産業利用成果などを紹介する.
<チュートリアル>
10:30-11:15 溶接部の残留応力解析
望月正人(大阪大学)
※概要は続報します.
11:15-12:00 溶接構造の疲労強度設計
堤 成一朗(大阪大学)
,
溶接・接合によって生じる残留応力や残留変形は,熱源・冷却速度・治具拘束などの各種接
合条件,および,母材や溶接金属とその希釈域での熱・弾塑性・変態特性によって様々に変
化し,構造物の疲労強度にも影響を与えることが知られている.一方で,構造物が一般に経
験する多軸変動応力やクリープなどによって生じる非弾性変形は,残留変形や残留応力状態
を時々刻々と変化させ,疲労特性も履歴の影響を大きく受けることになる.本講演では,
「溶
接構造の疲労強度設計」の現状に加えて,その高度化を目指した材料の非線形特性の把握お
よびマクロ・メゾスケールでの非線形 FE 解析技術等について概説する.
12:00~13:00
昼
食
<司会:菖蒲敬久(JAEA)>
<X 線・中性子応力測定装置>
13:00-13:30 ブルカーのX線回折装置とその実製品への適用
森岡 仁(ブルカー・エイエックス)
ブルカーではかねてよりさまざまな実験室系 X 線回折装置を取り扱っており,特に,材
料科学分野では,先進的な測定・解析手法をいち早く取り入れ,正確性と迅速性の向上に努
めてきた,とりわけ,残留ひずみ・応力解析手法としては,X 線回折を用いた従来的な sin2ψ
法はもとより,
試料からの回折環を 2 次元 X 線検出器にて多角的に記録する 2D 法を提唱し,
ハードウエア・ソフトウエアの改良を進めてきた.併せて,残留ひずみ・応力解析以外の X
線回折手法を組み合わせ,多彩なアプローチにより結晶性材料の本質を捕まえることを主眼
としている.本講演では,最新の X 線回折装置および 2D 法の概略を示し,実試料への適用
事例を紹介する.
13:30~14:20 International Stress Engineering Centre - a proposed international
facility for hybrid multi-scale stress measurements
Shu Yang Zhang (ISIS, RAL,英国)
Over the past two decades there has been a revolution in techniques for measuring the
deformation, strain, stress and damage “state” of engineered structures from atomic to
meter length-scales. An international center of excellence for hybrid multi-scale stress
measurements is proposed that will help industry to improve design, optimize
manufacture, extend life, secure safety and reduce costs of man-made structures on
land, at sea, in air and into space. The planned International Stress Engineering Centre
(ISEC) will comprise “sister” facilities to be built, in the UK on the Harwell Campus,
and in China at the China Spallation Neutron Source near Dongguan in Guangdong
province. ISEC will educate, train and help industry measure stress in complex
structures using innovative full field techniques and bring about a better understanding
of material and structural behavior under normal and extreme operating conditions.
The new facilities will be designed to handle heavy-section complex structures of
interest to industry and will provide access to specialist equipment for measuring
stresses including neutron diffraction, X-ray diffraction, the contour method and hole
drilling, as well DIC-based strain mapping, modelling and hybrid methods. ISEC will
help drive both UK and China economies by partnering with industry to develop high
performance structural materials, promoting competitive high value manufacturing in a
global market and broadening the skills base in advanced techniques.
<司会:鈴木裕士(JAEA)>
<X線・放射光・中性子による応力測定>
14:20~14:50 FSW 接合部における金属組織を考慮した接合部解析技術の構築
諸岡 聡 (首都大学東京, 現 JAEA)
FSW(Friction Stir Welding:摩擦攪拌接合)の接合部は,加熱と攪拌により,接合各部におい
て金属組織の特性が母材とは異なる.FSW の航空宇宙構造への適用においては,この影響
を考慮する必要があり,これまで金属組織,強度特性,き裂進展解析手法に関する研究が報
告されているが,数値解析では接合部の巨視的な材料特性を考慮しているに過ぎない.損傷
の形成寿命を予測するためには,金属組織の形状や異方性を考慮した検討が必要である.本
研究では,金属組織の影響を考慮した構造材料の挙動を求める技術を開発し,同技術により
接合部におけるクリティカル部位を把握し,将来的には,得られた結果を元に,接合部全体
をより簡便なモデルに置き換えることを目標としている.
14:50~15:00
休
憩
15:00~15:30 短繊維強化樹脂材料の内部応力の透過法 X 線測定
清水憲一 (名城大学)
結晶性熱可塑性樹脂 PPS を,炭素短繊維で強化した CFRP の射出成形平板から,繊維が一
方向に配向した表面層のみの試験片を作成し,SPring-8 の単色放射光による透過法を用いて,
引張負荷状態における試験片内部樹脂相の応力測定を行った.その結果,透過法による sin2
線図から PPS の 111,200 母相応力を測定することができた.無負荷状態での母相の残留応
力は,反射法では X 線侵入深さが浅いため無視できたが,透過法では繊維と母相の熱膨張
係数のミスマッチに起因する引張りのミクロ残留応力が測定された.
15:30~16:00 軸肥大加工を受けた炭素鋼棒の残留応力分布評価
友田 陽(NIMS)
井浦氏によって開発された「軸肥大加工法」は,回転曲げと圧縮負荷による繰り返し引張圧
縮変形で軸材の一部を膨らませる画期的な方法で,難加工性材料にも適用できる.丸棒炭素
鋼軸肥大加工材の残留応力分布をX線回折と中性子回折(角度分散法と飛行時間法)により
調べた.ほぼ同一形状・寸法に単純圧縮法により作製した試料に比べて,軸肥大加工材では
残留応力が小さく,試料表面では円周に沿って残留応力に分布があり内部は圧縮静水圧応力
状態であった.
16:00~16:30 中性子回折法による大口径配管溶接部の残留応力測定
鈴木裕士 (JAEA)
中性子回折法は,従来の X 線回折法では測定が困難な材料深部の応力分布測定を可能にす
る非破壊測定技術の一つであり,強度信頼性の高い材料開発や製品開発への応用が期待され
ている.特に,多くの機械構造物に利用されている溶接部材の中性子応力測定は,最もニー
ズの多いテーマの一つであり,これまでにも数多くの研究成果が報告されている.本講演で
は,日本原子力研究開発機構の研究用原子炉 JRR-3 にある中性子応力測定装置 RESA-1 を
用いて行った 500A-sch80 大口径配管溶接部(直径 500mm,長さ 760mm,肉厚 28mm)の残
留応力分布測定成果を紹介する.
16:30-17:00 積層型高強度高延性鋼板の内部応力解析
小島真由美(東京大学)
従来,強度と延性という二律背反関係脱却型の鋼が数多く研究開発されてきた.しかしなが
ら,近年求められているようなより高い強度レベルの鋼においても十分な延性を得るために
は,これまで延性がほとんど期待されていなかった,マルテンサイト組織やベイナイト組織
などの脆性な組織においても十分な塑性変形能を担保する必要がある.そこで,本研究グル
ープでは,積層型鋼板中の高強度マルテンサイト組織の変形について検討してきた.変形機
構を理解する上で回折法によるひずみ(応力)測定は欠かすことができない.本報告では,中
性子・放射光回折法を用いて変形中に生じた内部応力について検討した結果を報告する。
17:00~17:05
閉会挨拶
林 眞琴 (CROSS 東海)
交流会:17:20~19:20
近くの地ビールダイニング「ラ・カシェット」で交流会を開催します.参加費は 2,000
円です.施設側とユーザーのざっくばらんな意見の交換の場になります.是非ご参加く
ださい.詳細は文末をご参照ください.参加希望者は事前に登録してください.当日も
受け付けます.会費は当日受け付けます.なお,事前に登録されて当日キャンセルされ
た場合には会費を申し受けます.
<参加申込み先>
中性子産業利用推進協議会 事務局 大内 薫
E-mail: [email protected]
(1)名前,(2)所属,(3)連絡先(電話番号,E-mail address)
(4)交流会への参加の有無(領収書を発行します)
をご記入の上,メールにてお申込みください.
<会場へのアクセス>
研究社英語センター
所在地:〒162-0825 東京都新宿区神楽坂 1-2
TEL:03-3269-4331
JR総武線飯田橋駅西口徒歩約3分
東京メトロ南北線・有楽町線飯田橋駅 B2a,B3 出口徒歩約 7 分
<交流会場のご案内>
会費:2,000 円
時間:17:20~19:20
会場:神楽坂 ラ・カシェット ( http://la-cachette.co.jp/ )
美味しい地ビールを楽しめるところです.
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂 1-10 三経第 22 ビル 3F
TEL: 03-3513-0823