名古屋工業大学 材料工学科 材料力学物性研究室 赤外線放射加熱法によるセラミックスの耐熱衝撃性評価 研究目的 赤外線放射熱衝撃試験装置 セラミックスは高温構造用部材として使用され 熱衝撃環境にさらされる機会が多い。従ってセラ ミックスの耐熱衝撃特性は、重要な物性値の一つ として定量的に評価されることが必要となる。本 研究では、耐熱衝撃性を定量的に表すことができ る熱衝撃パラメータを定義し、赤外線加熱法を用 いた新しい熱衝撃試験法の確立を目指す。 赤外線放射加熱部 構成 : 赤外線放射加熱装置・AE計測装置・温度データロガー 赤外 線放 射 熱衝 撃試 験 片 研究手法 Carbon (Irradiated area) Therm ocouples 円板状セラミックスの中心 部に赤外線を照射し、熱衝 撃試験を行う。 熱衝撃強度 R1C R1C = S ηW πH (a/r0 ) 2 c 数値計算により試験片内の 温度・熱応力を解析する。 熱衝撃破壊靭性 R2C 右式で定義される熱衝撃パ ラメータを算出し、物性値 としての妥当性および有効 性について検討する。 S:無次元熱応力 η:熱効率 W:供給電力 H:試験片厚さ a:加熱半径 r0:試験片半径 ΝΙ:無次元応力拡大係数 c:ノッチ長さ R2 C = N I πc 2a H ηW 2r 0 πH (a/r0 ) 熱衝撃強度試験用 2 Pre-crack 熱衝撃破壊靭性試験用 熱衝撃破壊靭性試験後のアルミナ試験片 物性の異なる4種の窒化ケイ素につい て熱衝撃破壊靭性R2C を求め比較した。 研究例 窒化ケイ素の熱衝撃破壊靭性R2C の比較 赤外線放射加熱時の温度・熱応力解析 100 Temperature / ℃ 500 400 0 300 -100 200 100 -200 1 0.5 0 0.5 Nondimensional Distance, ξ / - 1 Thermal tensile stress / MPa Maximum Stress 800 Experimental R2C / Wm -1/2 Si3N4-A Si3N4-B Si3N4-C Si3N4-D 600 400 Si3N4-A Si3N4-B Si3N4-C Si3N4-D 200 0 0 200 400 600 Calculated R2C / Wm 800 4種の窒化ケイ素 の中で、耐熱衝撃 性に優れる物性を 持つ材料になるほ どR2C をの値が大 きくなり、物性値 の組み合わせから なるR2C とよい相 関性を示した。 -1/2 H. Awaji, et.al., J. Ceram Soc. Japan., 106, 877-882 (1998).
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