E12043 Akane Minemura • 始まりは19世紀~20世紀初頭にかけて。 1800年 US:7.0, 西欧:4.0~6.0 1930年代 人口置換水準である2.1人付近まで低下 WWⅡ直後 baby boomによってUSやその他英語圏で劇的に回復。 →しかし1960年代に再び下がり始め、1970年代には人 口置換水準を下回る。 このようなFertilityの減少は経済的、社会的、文化 的な様々な要素の変化によって引き起こされてい る。 • 出生率低下の初期段階では、その要因は工業化、それによる 富の増加や中間層の意識の変化(子供に対して量より質を求 めるように)といった部分に見られる。 Second demographic transition ・最近では女性の社会における役割と家族構成の変化がLow Fertilityに拍車をかける。 女性の教育達成率上昇、労働市場への参入、晩婚、高齢出産 など。 さらには効果的な避妊方法の登場や中絶の合法化なども要因 として考えられる。 社会保険制度が整備されたことにより、もっとも古くから あったこどもを持つ動機(老後を支えてもらうこと)の意義 も弱くなった? ・これらの要因は各国どこででも働いているものであるが、 少子化の進行具合には各国差がある。 ↓なぜ? 将来に対する悲観or楽観などの感覚、宗教と深く結びつ いている国であるかどうか という国の性格によるところがある。 ・さらに、経済状況や社会の状態なども先進国内にもLow Fertilityの進行具合に様々なバリエーションを生んでい る。 ex) 比較的高出生率:北欧,フランス,アメリカ,イギリス かなり低出生率: 日本,ドイツ,イタリア ①女性が子育てと仕事を両立しやすいかどうか ex)北欧:子供のいる家族に現金給付+保育現場に助成金 +母親に対する産休と仕事の保障を義務付け US&英語圏:サポートは少ないが、労働市場が非常に 柔軟であり出産後の職場復帰がしやすい。 このように、比較的出生率の高い国々では 女性に対する姿勢、期待するものが変わってきている これに対し、特に低い出生率に悩む 日本,ドイツ,イタリア etc. では… 未だに家族制度も労働環境でも伝統的意識のままで育児と 仕事の両立に対する冷たい目もある。 ②経済状況 ex)アメリカ:若者がキャリアをスタートしやすくて、独 立した世帯も持ちやすい→家族を構成するのが早い。先 進国の中で最も早い25歳が第一子出産の平均年齢。 それに対して….. 日本:厳格な年功序列システム、厳しい住宅市場 ヨーロッパ: 若者の低雇用率、住宅不足からくる住宅高額 →アメリカより2~4年遅い27~29歳が第一子出産の平均 この出産の高齢化が出生率の低下にも繋がっている ③移民 Immigrants による出生率上昇 ex)アメリカ:白人女性 1.9 黒人女性 2.0 に対し ヒスパニック女性 2.8 とかなり高い数値 ヨーロッパ:ムスリム女性が出生率を引き上げている ex)フランス:ムスリム女性3.4であり、外国人女性全 体でみると2.8である。これはフランス人女性の数値を 2/5以上上回っている。 ここまで、先進国内の現在の出生率に関わる要因をみてきた。 現在の人口置換水準を下回るFertilityは終着点なのか?そ れとも回復するのだろうか? ここのところ、出生率が高くなってきている国も存在。 ex)フランス: 1995 1.7 →2005 1.9 →2006 2.0 これが最も増えたレベルであり、微増。 さらに、 この微増は長く続くものではなく、”Timing shift”による 一時的なものであるとみなされている。 そこで、関連してくるのが… 期間出生率とコーホート出生率 • 期間出生率:1年間の出生状況に着目したもので、その 年における各年齢の女性の出生率を合計したもの。 • コーホート出生率:ある世代の出生状況に着目したもの で、同一世代生まれ(コーホート)の女性の各年齢の出 生率を過去から積み上げたもの。 ・かつて出産のパターン(何歳ごろで出産するか?)が安 定していた頃には、このふたつは同じ値であった。 →1960年代 先進国において出産の延期が起きた時、 期間出生率は低下。 →Timing shiftが終わると、この期間出生率は回復 • Timing shiftが終われば出生率は回復するというこ と? ex)アメリカ: 1950 3.7→1970 1.7→1990 2.0 この1970年から1990年かけての回復はTiming shift の完 了によるもの。 そしてヨーロッパのなかにはこのTiming shiftがまだ完了 していない国々がある。 →ではこれから回復するのでは?? そうかもしれないが、その効果は限られている 多くの場合、若者の出生率はかなり沈んでいて、比較的高齢の 人々の間でかなり出生率が増えないと人口置換水準には達し てくれない! ドイツ: 2007年 親手当の制度開始 →休職の間、給料の手取りの67%が補償される。 高所得の人ほど高額の支援。(従来の養育費は低所得層のみ) スペイン: 子供のいる夫婦に対して助成金。減税も話し合 われている(実現はしてない?) 日本: ワーク・ライフバランス憲章 →仕事と生活の両立をめざす。 ポルトガル: 子供がいる家庭に対しては年金引き上げとい う議論がなされている。 これらの出生促進政策は意味があるのか? →意味はある(北欧の例)。しかし成功が難しい。 有効な出生促進政策とはなにか? →持続的かつ広範囲にわたる政策 具体的には、金銭面のみならず、保育施設の充実など、 職場復帰のための制度も必要。 さらには… ・職場や家庭文化も大事。 ex)・フランス,スウェーデン:働く母はすでに新しい風潮として受 け入れられている。 ・ドイツ,イタリア, 日本: 未だに仕事と子供を二者択一的にみる 風潮がある。 ・政策にはお金もかかる。 ex) ・フランス,スウェーデン,北欧: GDPのうち3~4%を家族政策へ ・ドイツ: 2% , 日本, イタリア: 1% ・Low fertility trap 最近まで、理想の子ども人数は人口置換水準維持かもしくはそれ以 上を記録していた→政策さえよければ出生率回復するのでは? しかし….. オーストリア, イタリア, ドイツなど多くの国でこれすら下落。 この理由として、子供の少ない状況で育った最近の若者はその状況 に慣れてしまったからであり、今後も循環する、とするLow fertility trapという概念が登場。 ・生涯子供を産まない女性の増加 ex)ドイツ: 1940生 11%→1955生 18% →1965 23~25% アメリカ:1940生 10%→1955 16% High Fertilityを 短い目でみると… “高齢者が増えることによる負担+労働者減少とそれによるGDP成 長のスロー化”という経済的問題を解決してはくれない。 (産まれた子どもが労働力になるまでには時間が必要だから) しかもその間子どもを育てる費用がかかる、ということでむしろマ イナス?というくらいに見える。 長い目でみると… 大きくプラスの変化をもたらすのだが.. そのためにはかなり出生率があがらなくてはならない。 しかも、あがったとしても、高齢者比率は2060年代もしくは2070 年代に2030年水準まで戻るだけ! まさに引き返せないところまできてしまっている! Fertilityの上昇は、かなり長い目で見なくては人口増加に は繋がらない。 その理由として”Demographic momentum” 人口減少の際、出生率が低下してすぐは人口はまだ低下 しない。→子どもを産む年代の人口がまだ減っていない から。 この逆で、出生率が上昇してすぐは、人口はまだ増えな い。→子供を産む年代の人口はまだ増えていないから。 もし今すぐ出生率が上昇したとしても、2030~2040まで は人口は縮む • 出生率の下降は初期は工業化などにより量よ り質を求める傾向が、最近では女性の社会進 出が大きく関係している。 • 出生率の下降はどこでも進んでいるが程度は 各国差がある。 • 女性が仕事&子育ての両立がしやすい国が比 較的高出生率を維持している。 • そのためには金銭支援のみでなく保育施設充 実や働く母に対する周りからの視線など、広 範囲での支援が必要。 • 高出生率が達成されても、人口減少はすぐに はストップしない。長い目で見る必要がある。 THE GRAYING OF THE GREAT POWERS A12037 木戸 俊希 Life Expectancy 平均寿命の推移 19世紀以前→発展した西欧経済国で40歳 20世紀初め→一部の欧米諸国で50歳 現在→77歳(アメリカ)、82歳(日本) 原因・・・若い世代の死亡率の低下<20世紀半ばまで> ↓ 高齢層の死亡率低下 Life Expectancy 将来的には平均寿命は延び続けるのか? 以前は・・・これ以上の平均寿命の延びは見込めない ↓ →平均寿命増加速度の低下は間違っていた 2つの見方 楽観的→寿命は延びる余地がかなりある 悲観的→平均寿命の延びは難しい、寿命には限界がある Life Expectancyの増加 悲観的 慢性病(高齢者の死の原因) →治療に耐えられる→病死の低下率減速 ・ 新たな健康への脅威・・・発展途上国はAIDS感染 先進国は肥満など ・30歳からの臓器器官の機能低下 楽観的 社会が新たな病的死因に対処する医療 物質などに対応できるから、安定した進歩を 維持できる →病気が死亡率の低下を遅くする原因にほと んどならない The Gap in Life Expectancy 戦後の平均寿命が高い国と低い国の65歳時での平均寿命の差→約2歳差 戦後の80歳時での平均寿命の差→約1年差 1990年代半ばから平均寿命上昇とともに差が広がる ←差が狭まるという予想に反した結果になる 1990年代半ばの65歳での平均寿命の差→3年差 1990年代半ばの80歳での平均寿命の差→2年差 日本の男女間の平均寿命の差 1960年・・・男女の平均寿命の差→4.9年 1970年・・・男女の平均寿命の差→6.0年 2003年・・・男女の平均寿命の差→7.0年(最大) 2006年・・・男女の平均寿命の差→6.8年 男女間でも平均寿命 の差が広がる!! The increase of life expectancy based on the historical trend James Vaupelの予測→歴史的傾向の延長として2050年までの長寿国で の平均寿命が90歳半ばに! しかし、今後の平均寿命の伸びは歴史的傾向を踏まえていない。 過去50年→10年につき2.3歳の平均寿命の増加 次の50年→10年につき1.9歳の平均寿命の増加 歴史的傾向に矛盾!! 平均寿命の増加の予測は小さく見積もりすぎたものなのでは!? 実際に現在における2050年の平均寿命増加年数の予測は1996年度にお ける2050年の予測を2年も上回るものである! 日本の平均寿命と健康寿命 日本の平均寿命→男性 78.56年 女性 85.52年(2005年度生命表より) 世界トップクラスの長寿国 日本の健康寿命→男性 72.3年 女性 77.7年(サリバン法による算定) WHO加盟192ヶ国中トップ これらより、 日本は健康的にも質の高い生活を送りつつ、高い平 均寿命を保持していることがわかる! 平均寿命と健康寿命は密接にかかわっている! 日本の平均寿命と健康寿命 では国内の都道府県別に平均寿命と健康性の関係を見たら どうなるだろうか? 日本一の長寿の県は男女ともに長野県! 平均寿命→男性 80.88歳 女性87.18歳(男女差6.30歳) 日本ワーストワンの平均寿命は男女ともに青森県! 平均寿命→男性 77.28歳 女性85.34歳(男女差8.06歳(日本最大)) ちなみに日本の2013年の平均寿命は男性79.59歳、女性86.35歳 (2013厚生労働省による平均寿命調査より) 日本の平均寿命と健康寿命 こういった平均寿命差をもたらす原因は生活習慣にある! 長野県と青森県の国民健康・栄養調査比較 長野県男性(平均寿命80.88歳) 青森県男性(平均寿命77.28歳) 食塩摂取量 全国6位(12.59g/日) 食塩摂取量 全国2位(13.0g/日) 喫煙率 全国44位(33.3%) 喫煙率 飲酒習慣者割合 全国19位(36.5%) 飲酒習慣者割合 全国1位(51.6%) 肥満者割合 全国40位(25.7%) 肥満者の割合 全国9位(38%) 野菜摂取量 全国1位(379g/日) 野菜摂取量 全国31位(292g/日) 1日の歩数量 全国19位(7196歩/日) 全国1位(44.8%) 1日の歩数量 全国46位(5976歩/日) (平成22年度国民健康・栄養調査より) 日本の平均寿命と健康寿命 青森県民の喫煙や飲酒といった不摂生な生活や運動不足や食生活 →平均寿命低下の原因 がんによる75歳未満年齢調整死亡率・・・青森ワースト1位 長野県民の正しい食生活健康的な生活習慣 →長寿の秘訣 がんによる75歳未満年齢調整死亡率・・・長野トップ<死亡率低い> 結論 一生を通じた健康的な食生活や適度な運動による健 康促進は長寿と密接に結びついている!
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