第1班 浅田 直城 小島 淳子 田中 雄大 福田 暁子 巻幡 陸

結婚ビジネス
第1班
浅田 直城
小島 淳子
田中 雄大
福田 暁子
巻幡 陸
目次
第一章
まえがき
小島淳子
P2
第二章
結婚の歴史
小島淳子
P3
第三章
プランの変化
田中雄大
P6
第四章
ブライダル会社の宣伝
巻幡陸
P10
第五章
会社ごとの比較
浅田直城
P14
第六章
結婚費用のシミュレーション
福田暁子
P18
第七章
あとがき
福田暁子
P21
巻幡陸
P22
参考文献
1
第一章
まえがき
10451115 小島淳子
大半の人が経験する結婚。結婚は人生を大きく左右する最大のイベントと言っ
ても過言ではない。今、結婚するカップルが減少している。その要因には晩婚
化や非婚化といったさまざまな問題がある。こんな中、ブライダル業界はどの
ように変化していくのだろうか。結婚の歴史や広告、シミュレーションなど、
あらゆる角度からブライダル業界の現状を調査し、今後のブライダル業界の生
き残りについて考える。
2
第二章
結婚の歴史
10451115
上代(平安まで)
形式
婿取り婚
儀式
貴族の礼法
特色
中世(鎌倉∼)
武士の間で嫁迎
え婚が行われる
江戸時代
嫁入り婚の定着
明治・大正
婚が流行となる
庶民の婚礼は武家
生
の礼法が採用される 登場
嫁の家で婚礼を行
床の間飾りなど,
仲人の斡旋で見合が 一般には自宅での
い,そこで生活する
細かく規定
行われた
−−−
−−−
男子 15 才女子 13
年令
才
昭和・平成
大正より自由恋愛結 出合いのビジネス
武家の礼法が誕
結婚
小島淳子
化。結婚式の多様化
神式,仏式結婚式の 結婚式場での結婚式
結婚式が多かった
男子 17 才女子 15
才
図表1−1
が普及
披露宴のショー化
男子 18 才女子 16 才
<結婚の歴史>
1945 年終戦までは、自分の意思で結婚を決めることができず、家制度も厳し
くて、男女不平等であった。戦後、日本は民主主義国家として生まれ変わり、
憲法第条には「結婚は結婚する当人が決めるべきもので、夫婦は平等」と定め
られるようになった。
しかし、現実の結婚は必ずしもこの憲法通りではなく、戦前の家制度のなご
りは社会慣習や人々の意識の中に根強く残っている。「嫁にやる、嫁にもらう」
という言葉は、今でも使われていて、結婚により夫の姓に改姓する女性は 98%
にものぼっている。
こうした中で新しい動きとして、シングルや婚姻届をださない結婚(事実婚)
など、結婚に対する考え方が多様化してきている。
1990年代より、できちゃった婚という、結婚前に妊娠をして、急遽結婚
するという若者も増えてきている。今では4人に1人ができちゃった結婚をし
ている。
政府の統計によると、現在日本人の平均初婚年齢は男性で29才、女性で2
7才。この年齢がいわゆる「適齢期」と呼ばれる。この平均年齢を過ぎた結婚
を、世間は「晩婚」と呼ぶ。
3
結婚意識の変化
図表2−1
男女の生涯の結婚意思の変化
未婚男女の結婚意思についての調査結果をみると、「いずれ結婚するつもり」
と答えた人が、平成 14 年の男性で 87.0%、女性で 88.3%となっており、男女
ともに 9 割近くが、結婚するつもりがあると回答している。
「一生結婚するつも
りはない」と答えた人は、男女とも 5%前後で推移している。昭和62年から平
成14年までの生涯の結婚の意志はあまり変わっていない。ほとんどの人が条
件さえ合えば結婚したいと思っているという結果が出ている。
次のグラフは結婚意思を持つ未婚の男女の結婚に対する考え方である。
図表2−2
4
結婚に対する考え方の変化
この調査結果をみると、昭和 62 年時には、「ある程度の年齢までには結婚す
るつもり」と答えた人が、男女ともに50%以上であった。ところが 10 年後の
平成 9 年には形勢が逆転し、
「理想的な相手が見つかるまでは結婚するつもりは
ない」答えた人の方が男女とも多数派になり、女性の方がさらにその傾向が強
いようだ。結婚に対する「適齢期」意識が低くなり、変わって結婚の中身、特
に結婚相手に対するこだわりが強くなってきたと言える。
高学歴化する一方で、社会ではニートと呼ばれる働かない若者が増えていて、
「下流社会」とも呼ばれている。結婚というものは、普通、正社員で安定した
収入があって、初めてできる。ところがバブル崩壊後の雇用情勢の変化により、
正社員でいることが難しくなった。若い世代にもフリーター、派遣社員のほう
が、自由気ままでいいやという価値観が広がるようになった。所得の少ない男
性が増え、結婚できない男性が増えている。
しかし結婚できないのではなく、結婚しないのだという人も多いようである。
それは結婚や子育ては、仕事と同様、面倒くさいものとして拒否されている面
もある。
下流社会で生きる人は個性や自分らしさを大切にしている傾向が強く、その
個性や自分らしさを阻害する仕事や結婚はしたくないということになる。
まとめ
いずれは結婚したいとは思っているが、結婚に対する「適齢期」意識が低く
なり、変わって結婚の中身、特に結婚相手に対するこだわりが強くなってきて
いるようだ。個性や自分らしさを大切にする傾向が強くなってきている。
高学歴化や女性の社会進出、ライフスタイルの多様化などが要因になってお
り、非正規雇用の増加で収入が不安定だったり、将来の人生設計が立てにくか
ったりすることで結婚に踏み切れない人が増えているように思える。
5
第三章
プランの変化
10451188
田中雄大
挙式の無い日本
昔から日本には、結婚という言葉はあったものの、
『結婚式』という正式な儀
式は存在しなかった。それまでは、親族のみで嫁入りのとき親戚縁者を招いて
祝宴を開いていた。これがちょうど江戸時代の時期である。
神前結婚式の誕生
日本で最初の結婚式、神前式ができたのはいまから約100年前 。神前結婚
式は文明開化政策のひとつとして誕生したものといえる。
神前挙式成立の意味というのはまず、日本人が文明開化の時代にヨーロッパ
の仲間入りを果たすためでした。キリスト教的な考え方を模倣して日本独特の
“神の許しを得る儀式”を行うことにしたのです。日本にはそれまで挙式がな
かったことと、その荘厳な雰囲気のため神前挙式は広がったといわれている。
神前挙式で問題になるのは、約 9 つあるその難しい作法だ。三三九度や玉串
奉奠などの儀式が確実にできるかどうか不安な人も多いはずだ。だが、あまり
神経質になる必要はない。大切なのは素直な気持ちで臨むことだ。
また著名な神社では、雅楽や入り舞が入ることもあり、日本古来の奥床しい
結婚式に。式に参列できるのはほとんどが親族のみであった。
ブライダル産業の成立
東京オリンピックの時期から、挙式は公民館などの公共施設、設備の充実し
たバンケットホールを持つホテルで行われるようになった。
その後、専門式場が次々と誕生し、これらの施設は人口規模、国民のニーズ
に応じて全国に作られていきます。
しかし、式場の建設を進めて行ったにもかかわらず、運営方法が分からなか
ったので、結婚経験者を採用し、管理者にしていった。都市ホテルで結婚式の
仕事に携わった人たちが地方の施設に就職や転職していく時代である。この時
期がブライダル産業の成長期になった。
6
チャペルブーム
戦後から50年近く続いた神前結婚式は衰退していくようになり、神前結婚
式に替わってその地位を不動のものにしたのがチャペルウエディングであった。
神前式は日本の伝統行事というわけではなかったので、その衰退も早かったの
だろう。
日本には明治以来数教会の数が増えてきている。しかし、一方でキリスト教
信者数は明治以来1パーセントと変わらないそうだ。つまり、 多宗教の日本は
キリスト教を宗教として受け入れない人間が多いということである。
そんな中でチャペルでの結婚式だけが増えている。この現象を作り加速させ
たのがゼクシーというブライダル情報誌である。特に女性に対してウエディン
グドレスの華やかさや、その魔法のドレスを着てバージンロードを歩く事の夢
を与えたのだ。その情報誌が作り出したブームに合わせてブライダル産業が全
国に街の教会よりも豪華なチャペルを作りチャペルブームを過熱させているの
である。
チャペルキリスト教式
キリスト教の結婚式は、キリスト教徒が神と証人の
前で結婚の約束の永遠性を誓うというのが本来の意
味である。
しかし、先ほど述べたように日本では、キリスト
教徒は非常に少数であるにもかかわらず、厳粛でロ
マンチックなキリスト教式の挙式を望む者が非常に
多い。神前式に比べて華やかでおしゃれ、費用も比
較的安く済むということがその大きな理由であり、
キリスト教式の式を望む2人のどちらもキリスト教
徒ではない場合が多い。このようなニーズを受けて、ホテルなどの結婚式場の
方では「キリスト教式」というプランが準備されている。キリスト教式では海
外でも行われるという人気もある。海外挙式の場合、予算や旅費などにより2
人だけや親族だけで行われる場合が多い。
教会の宗派は大きく分けてプロテスタントとカトリックの2つがある。制度
の違いはカトリックの場合、結婚式は基本的にホテルや式場ではなく、教会や
聖堂でしか行なわず、教会の記録に司式者名も残されるため、司式する「牧師」
が本当の牧師でなくアルバイトの人間であるということはまずありえない。
進行は、主に先に新郎が入場し、新婦がエスコートする者と共にバージンロー
7
ドといわれる通路を進み、エスコートする者が新郎に新婦を引き渡し、神の前
での誓い、それに対する祝福、指輪の交換、ディスカバリーなどが行われる。
挙式をしたあと、教会やチャペルを出たところで、ブーケトス、ライスシャ
ワー、フラワーシャワー等がキリスト式の結婚式の際に行われることもあるが、
これらはヨーロッパなどのさまざまな習慣が取り入れられたもので、本来、キ
リスト教の結婚式にとって本質的なものでない。フラワーシャワーに使う花は
特に決まってないが、いろいろな花びらを使うとキレイで、花やお米の代わり
に、シャボン玉を飛ばすのも流行っている。
チャペルと教会の違いは、ホテルや式場、学校などで私的な祈りの場として併
設されているものがチャペルである。特にホテルや式場は結婚式用の施設であ
ることが多い。一方、教会は公的な祈りの場で信者のみの利用が多い。
人前式
現在再び注目され始めているが、少し昔の日本の結婚式は自宅に親戚縁者を
招いて行うという人前結婚式が当たり前であった。経済成長により生活が豊か
になることと、民族の移動といわれる農村の若者が都市へ移動することが重な
り、家での床の間結婚式は衰退していった。
教会や神前での結婚式のように神仏に結婚を誓うのではなく、両親やその他
の親族、親しい友人、お世話になった人などの前で結婚を誓うのが現在の人前
式と呼ばれる挙式スタイルで、ホテルや結婚式場などで対応している場所も多
く、特に北海道での結婚式はほとんど人前である。神に誓うと言うならば日本
の宗教はシャーマニズムといわれる自然崇拝のものであるから、八百万の神に
報告するというような性質のものである。
挙式の進行は特に決まった事はなく、立会人による結婚の承認が行われるの
が特徴。承認のしるしとして、立会人が拍手をしたり、鈴を鳴らしたり、いろ
いろなアイデアで独創的な挙式が行える点も魅力の1つだ。
再び人前挙式の人気が出てきた主な理由は3つ。1つは、特定の宗教と関係
なく結婚式を行えること。2 つ目は費用がほとんどかからないのでリーズナブル
な点である。披露宴と違う会場を利用したりすると少々かかるが、それでも 3
万円程度ですむ。また、キリスト教式のような司式者や聖歌隊、奏者、神前式
のような斎主、巫女などが不要なことから、挙式料金が少なくてすむのも魅力。
3 つ目は形式にとらわれず自由にふたりらしく挙式できることだ。 式も衣裳も
特にきまりはなく、宣誓文はふたりの言葉でふたりらしくできる。個性のある
結婚式をしたいカップルにぴったりなのだ。演出しだいで格調高い挙式も可能
になる。
8
まとめ
これまで三つ主な挙式のプランを紹介してきたが、個人的に、やはり日本人
に一番あっている挙式プランは人前式ではないかと考える。神前式は昔からあ
ったものの、日本の伝統文化と呼べるものではなかった。そして宗教性のない
人前式がわずかな時もあったがずっと日本に存在していたからである。
人前式は今『オリジナル婚』
と呼ばれている事が多い。一
時は自分達の個性を出すため
に新郎と新婦だけが楽しんで
しまう披露宴に偏っていたが、
列席者を退屈させないおもて
なし婚が最近の主流である。
結婚式は二人の結婚を発表し、
これからもお願いします、と
いう意味合いも含まれるので
自分も列席者も楽しめる挙式
が素敵な結婚式と呼べるので
はないだろうか。
9
第四章
ブライダル会社の宣伝
10451304 巻幡陸
現在のブライダル市場の規模はとても幅広く、挙式・披露宴に関わる業界、
宝石業界、衣装業界、家電・家具業界、不動産業界、旅行業界と取り上げてい
けば、様々な業界の関わっていて、約5兆円市場といわれている。その中でも、
ホテル、式場、ゲストハウスなどの会場、ウェディングプロデュース会社の競
争は激化しており、挙式・披露宴市場だけでも約2兆円にのぼるといわれてい
る。また、バブル期には「ハデ婚」
、最近では不況の影響による「ジミ婚」な
ど、時代背景や経済状況により形式や規模が変化しやすいというのが特徴とし
てあげられる。近年では、女性の社会進出による少子化・晩婚化、婚姻数の減
少による影響力は強く、ブライダルビジネスそのものが縮小している傾向がみ
られる中で、高い利益が見込める結婚式の受注競争を勝ち取るために企業はど
のような宣伝を行っているのだろうか。
インターネットによる宣伝
パソコンや携帯電話の普及がますます進む現代において、インターネットに
よる宣伝は欠かすことができない。しかし、結婚式に関わる企業は数え切れな
いほど存在しているので、なかなか絞ることができない。そこで、多くの企業
は自社のホームページによる宣伝のほかに、広告会社による結婚情報サイトで
情報を提供している。
結婚式関連リンク集【結婚式情報総合】
JOYJOY ウエディング
結婚式場のクチコミ情報が充実。無料の会員登録で式場予約可能。
ゼクシィ net
あらゆる結婚式情報が充実。人気の専門雑もあり。
けっこんぴあ net
会員登録制の結婚準備ツールが無料。専門雑もあり。
10
結婚ネット
全国の結婚式場や婚礼関連情報が充実。専門家による情報提供あり。
シティウエディング
関東圏の結婚式情報。地域密着型の結婚情報誌あり。
Yahoo!ウエディング
結婚準備ツールが充実。全国の結婚式場や婚礼関連情報あり。
オズモール−OZmall
結婚準備情報やドレス情報が満載。専門誌「オズウエディング」あり。
LeiWedding ネットワーク
中部・関西圏の結婚式情報。東海・関西版の専門誌「Lei wedding」あり。
この中で、ゼクシィ net を例にとってあげてみると、結婚準備の流れや期間、
会場選び、ブライダルフェア、アイテム、演出などの基礎知識がまったくない
人でもわかるように細かく説明されていて、披露宴をこだわりたい人には挙式
のスタイルに合わせておすすめの会場やアイテムが紹介されている。また、急
遽結婚の決まった人にもダンドリチェック画面に挙式予定日や挙式スタイル
を登録し、いつ何をしたらよいかひと目でわかり準備の効率化をあげるサービ
スもついている。また、関連サイトには口コミ情報掲示板が設けられており、
多くの女性による情報交換が行われている。このように、PCサイトの広告は
浸透しているが、今後の取り組みとして、携帯電話のモバイルサイトで広告戦
略を始める企業が増加しており、これまで携帯電話サイトを利用して情報を探
そうとしても、有料サービスがほとんどだったが、現在では無料で利用できる
一般サイトが増加し、今後さらにパケット料金の定額化が進めば利用者が増加
すると見られ、企業にとってタイムリーな情報を移動中などのわずかな時間で
も提供できるようになると注目されている。
結婚情報誌の普及
1992年に「結婚ぴあ」、1993年に「ゼクシィ」といった情報誌が創
刊され、多くの情報を得ることができるようになり、バブル経済時の派手婚や
伝統的な結婚スタイルから多様化した結婚スタイルに変化し始めた。最近では、
多くの定期販売誌が普及し、女性誌が年間一度ブライダル特集号を発行してい
るものもある。中でも、
「ゼクシィ」の影響力は大きく、今日では北海道から
11
九州までの全国を11地域に分け、各地で地方版が発行されている。これによ
り、その地域ごとに会場選びに役立ち、また、他の情報誌に比べると値段も格
安であるので多くの読者に支持されている。
このように通信の発達によりたくさんの情報を得ることができるようにな
ったことで、今日の多様化・細分化しているブライダル市場を形成したと言っ
ても過言ではない。
ブライダルフェアの宣伝
ブライダルフェアとは、披露宴会場や演出、料理、衣裳など、その会場の結
婚式関連の内容を一度に見ることができ、模擬挙式や披露宴を実施していると
ころである。また、ドレスの試着や料理の試食ができる会場もある。
「ゼクシ
ィ結婚トレンド調査2005」では、結婚式の会場を決めるときに、ブライダ
ルフェアに訪問したカップルは平均2.9回であり、会場決定で重視したポイ
ントは、会場の雰囲気57.4%、交通の便54.7%、希望エリア48.3%、
料理48%である。また、ブライダルフェアは挙式・披露宴会場を探す情報源
として結婚情報誌に次いで利用が高くなっている。その中で、ブライダルフェ
アに対するホテルの取り組み方も変化がおきている。ロイヤルパーク東京では、
2002年8月に開催したブライダルフェアで、参加カップルを対象に前日宿
泊プランを格安の朝夕食付2人1万円で販売しており、ホテル間だけではなく、
レストランなどの会場ともブライダル獲得競争が激化しているため、近年低下
傾向にあるホテルの集客力アップを伸ばす狙いである。また、ユニークな取り
組みとしては、東京ベイエリアに位置する3ホテルのホテル日航東京、ホテル
グランパシィッフィクメリディアン、ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
は、ライバルホテルでありながら、3ホテル共同で2003年2月にフェアを
行い、共同開催によって集客力アップを図ったものであった。ホテルでの結婚
式が低下傾向にある現在において、ブライダルフェアも顧客にアピールする絶
好の機会であるので、これからさらに重要視されていくであろう。
テイクアンドギブ・ニーズのブランド展開
ブライダル業界の現状は、勝ち負けが明確になってきており、勝ち残る企業
は自社の強みや弱みを明確し、マーケットニーズを専門的に取り組む企業や会
場である。今までのように、商品や会場をただ売るだけではなく、売り続ける
しくみを創ろうとする動きが見られる。それは、ブライダルをブランド展開し
ていくことである。最近、披露宴会場として人気が出てきているゲストハウス
12
を中心に展開している、テイクアンドギブ・ニーズ社は、今急成長しているブ
ライダルプロデュース会社である。この会社は、独自の広告戦略を行っており、
現在活躍中の作詞家の秋元康氏やおちまさと氏をはじめ、人気プロデューサー
と共同でエンターテイメント商品を企画開発している。これまでに、
「ウエデ
ィングプランナー」などのブライダル関連のテレビドラマの監修、著名人との
対談、T&GプロデュースのTV番組、最近では、著名人による披露宴の司会、
演出、メッセージビデオなどの従来の結婚式ではなかった商品を提案しており、
TVをはじめとしたラジオ、新聞、雑誌などのメディアをより多くの人に知っ
てもらえるように積極的に有効利用している。野尻社長は「ミーハーになるこ
とを嫌わずに、顧客と同じ立場で世の中に対応していくのが大切」と考えてお
り、こうしたコンセプトをとってきた結果、「ハウスウェディング」を日本中
に認知させたのである。また、このような企業が年々高度になっていくと考え
られる顧客のニーズにこたえていけると思う。
まとめ
多様化・細分化した個性的な挙式・披露宴への志向が高まっていく中で、イ
ンターネット、情報雑誌だけでなく様々なメディアを利用して、商品や企業、
会場などの広告戦略を積極的に行っていくことが、ますます激化するブライダ
ル業界で他社と差別化をはかるのにより重要な役割になってくる。また、エン
ターテイメント性を含んだ商品や情報を提供していくことで、結婚に対する価
値観やスタイルにさらなる変化をもたらし、今業界で最も懸念されている婚姻
率低下の問題にもつながっていくのではないかと思う。
13
第五章
会社ごとの比較
10451007
浅田直城
会社ごとの比較として、ブライダル会社として有名な3社を比較する。
T&G 会社、ベストブライダル会社、ワタベウェディング、この3つの会社をサー
ビス業や運営方針、営業活動などについて比較し検討する。
T&G 社について
T&G 社はハウスウエディング運営携帯を主にとっている。1軒家を丸ごと貸し
きって、
「ようこそ我が家へ」とそんな言葉で、ゲストの方をお招きしたくなる
ような、暖かで、くつろぎに満ちた贅沢なウエディング。それが「ハウスウェ
ディング」だ。家族や友人など気心知れたゲストとのアットホームなパーティ
におすすめの挙式である。
T&G はいち早くハウスウエディングサービスを提供するために、都心を中心と
した「一軒家の」レストランと提携し、サービスを開始した。
(レストラン提携
型ハウスウエディング)
T&G の優位性として1つ目が商品(ハード・ソフト)である。
欧米の豪華な邸宅をイメージした外観を持つ会場内に、チャペル、パンケット。
控え室などすべてを完備しており、敷地内にはガーデンやプールなどを備え、
非日常的な演出を可能にする施設を全会場に用意している。飲料商品はオリジ
ナルメニューの本格的なフレンチを手作りで提供したり、付帯商品としてさま
ざまなラインナップにより質の高い商品を提供、専属のウエディングプランナ
ーがオーダーメイドのウエディングを提供したりしており、常にお客様のニー
ズにあった商品を提供している。
2つ目はブランド力だ。ブライダルに関するドラマの監修を行い、秋元康プ
ロデュースによるさまざまな企画商品の提案。またブランド認知の高い企業と
のコラボレーションをしたり多くの芸能人の利用を通して全国的に知名度を上
げたりしている。
3つ目は人材や、営業力。高成約率を誇るウエディングプランナーの育成を
目指している。例えば、ディスカウント権限の譲与。成約、売上高及び利益の
達成率による明確なインセンティブの支給。一顧客一担当者制の導入により、
高いモチベーションを維持することによって、25%以上の高収益体制を実現
14
している。優秀な人材を確保することによって各種メディアへ掲載してもらっ
たり、企画力・発想力・実行力をもつ人材を育て上げることによって今までに
ないパーティ演出を行ったりすることに役立てている。
四つ目に展開力として、店舗開発力、資金調達力が挙げられる。店舗開発力
として不動産会社、建設業者、マンションデベロッパー等から幅広く情報を収
集、銀行・生損保等金融機関の遊休地情報を市場へ流通する前に入手する。日
本全国の土地オーナー向けのセミナー、講習会なども実施している。資金調達
力としては初の株式上場により、資金調達力の強化、不動産投信、SPC などの不
動産流動化スキームをいち早く確立している。
株式会社ベストブライダルについて
この会社も最新の挙式スタイルとしてゲストハウスウエディングを特色とし
て事業を展開している。アットホームな感じやオリジナリティを追求し、貸し
きり感やプライズルーム・コミュニケーションの場を充実させ、料理にも力を
注いでいる。
事業内容を見ていくと、注目されるのが国内のゲストハウスの展開である。
直営ゲストハウス企画から挙式までのすべてをサポート、オリジナリティ溢れ
るウエディングサービスを提供している。
2つ目に、海外ウエディングだ。主として日本人の海外挙式者を対象として
ハワイにおける海外挙式サービスを提供している。国内の顧客の要望にウエデ
ィングプロデューサーがきめ細かく対応し、旅行から挙式までの一貫した商
品・サービスを提供することで、高単価、高収益率を実現している。
ベストブライダルの特色としては、
「自分らしさにこだわりの強い顧客層にタ
ーゲットをねらって、多くの下見客をよび、ベストブライダルの魅力である、
オリジナリティの提供(多彩な商品の自由な組み合わせ)で、多彩なウエディ
ングシーンを創出している。また独自のノウハウの注入として、社内建装部門
が施設企画を行い、細部にまで上質感、本物感を追及、個性的なゲストハウス
作り、日本にたった一つのゲストハウス作りを提供し、ウエディングシーンを
創出する手助けをしている。
その作り上げたものを広告(ゼクシィや結婚ピア)などにアピールして、また
顧客を呼び込もうと努力している。
ベストブライダル社の利益の大半を占めているのが当社独自のマルチゲスト
ハウスだ。
マルチゲストハウスとは、ウエディングのすべてを知るベストブライダルの
みの企画と運営で行う挙式のこと。各スタッフがインカムで連絡を取り合い、
15
秒単位で時間を管理している。One Way 方式により、例えば、エントランスから
チャペルへいきチャペルウエディングをしたあとにウエルカムパーティーのた
めに会場にいき、そして披露宴までひとつの会社でしてしまう形態のことをマ
ルチゲストハウスと言う。こうすることによって、通常は不可能な一日の回転
数、3 回転を実現している。
顧客の価値観・嗜好にあわせて、多様な形態のゲストハウスにより顧客の嗜
好にあった選択が可能になっている。
「友人と同じ会場はいやである」という顧
客の気持ちに対応しており、顧客に選択肢を提供したり、大型チャペル・ロビ
ー棟の建設として収益性の高さと売り上げの拡大により魅力的な特色のある施
設の建設をしたりしている。それによって、集客率の向上、成約率・件数の向
上、稼働率の向上が望める。
ワタベウエディング
この会社は国内ウエディングから海外ウエディングまで幅広く提供しており、
ブライダル会社の中でもトップの位置にある会社である。
スタイルで結婚式場探しができ、ハウスウエディング、海の見えるチャペル
ウエディング、ガーデンウエディング、ナチュラルウエディング、都会の中の
聖なるウエディング、小さなアットホームウエディング、和ウエディングなど
まで用意してある。顧客のニーズに合わせてどんな形式のウエディングでもし
てくれるのが魅力のひとつだ。
最近では少なくなってきた和ウエディングでは、雅楽の調べにのって古式ゆ
かしき神前式から、和装の人前式まで提供してくれ、伝統的な日本の美しさを
追求して、厳かな挙式を演出してくる。
少し変わった挙式として、都会の中の聖なるウエディングでは、アクセスが
便利であるという利点はもちろん、とても個性的なことが魅力のとかいのウエ
ディングスポットを提供している。海の見えるチャペルウエディングも魅力的
で、バカンス気取りの思いっきり開放的な挙式も演出可能だ。
他にはウエディングドレスやタキシードのほかに最近では見られなくなった
和装の情報も提供してくれているため、和式の挙式をしたい顧客層を集めるこ
とができるのが魅力。挙式から旅行、帰国後までのトータルサービスも提供し
ており、ハワイやオセアニア、グアムやサイパン、アメリカやヨーロッパなど、
数多くのハネムーンの場の情報も提供してくれている。
16
まとめ
このように3社を比較していってみると、最近の人気のある会社の傾向とし
てほとんどの会社が「ハウスウエディング」をしていることが分かる。
最近の顧客は独自のウエディングをしたい、他の人とは違ったウエディングを
したいという考えを持つ顧客が多いという記事もあり、どこの会社も顧客の要
望にあわせて他の会社では作ることのできないウエディングプランを創出しよ
うと必死である。今までのシンプルで、みんながよく使っていた挙式会場で挙
式するというだけでは、会社の売り上げを伸ばすことはできなくなってきてい
る。独自のウエディングプランをつくれる人材育成も充実しており、どこの会
社もプランひとつにとっても差別化をとって顧客を獲得しようとしているのが
勉強になった。
17
第六章
結婚費用のシミュレーション
10451278
福田暁子
この章では、これまで調べてきたことを基に結婚費用のシミュレーションを実
際に行ってみる。そのために、まず、結婚費用の相場を簡単に調べてみた。
*結婚費用:2005年度(ゼクシイ調べ)
単位:万円
全国
首都圏
関西
381.8
380.7
349
仲人への御礼
19.9
30
10.3
結納・会場費
13.3
13.1
11.1
5.6
6.2
6
婚約指輪
35.5
38.7
36.6
結婚指輪(2 人分)
16.6
17.3
16.1
292.8
291.1
257.6
新婚旅行
49.5
51.7
50.7
新婚旅行土産
14.1
12.9
13.5
75.3
67.3
59.1
4
4.5
4.5
217.2
207.8
190.9
友人・同僚
2.8
2.9
3
上司
3.7
3.8
3.9
親族
6.4
6.4
7.2
恩師
3.4
3.7
3.7
結婚費用総額(結納・婚約∼新婚旅行まで)
結婚費用内訳
両家の顔合わせ・会場費
挙式・披露宴・披露パーティ総額
披露宴・披露パーティの出席者数(人)
一人当たりの挙式・披露宴・披露パーティ費
用
披露宴・披露パーティのご祝儀額
結婚費用(挙式・披露宴・披露パーティ)は地域によって格差があり、最高
は福島の 460.4 万円、次いで北関東の 433.9 万円、青森・秋田・岩手 430.6 万
円、最低は北海道の 233.4 万円であった。東北・北陸・甲信越・北関東・四国
地域などで 400 万円超、東海・中国・九州は 400 万円弱と、結婚費用は東高西
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低の傾向にあるようだ。首都圏における結婚費用は前年よりも 9.4 万円増加の
381 万円で全国 15 地域中 13 位。関西の結婚費用は 349 万円で全国 15 地域中 14
位であった。
また、結婚費用を貯金していた夫は 60.3%で平均 241.7 万円であり、妻は
69.3%で 213.7 万円であった。親・親族からの援助は 87.0%の人がもらってい
て、平均は 244 万円だった。
女の人なら誰でも憧れる婚約指輪。91.9%の
人が購入しているそうだ。そのうち89.5%はダ
イヤモンドでやはり主流であるように思える。婚約
指輪平均購入価格は先にも示した通り35.5万円
で、ダイヤモンドに限ると40.7万円だった。や
はり一生の記念になる大切なものなので奮発してい
る様子が伺える。
ちなみに結婚式で交換する結婚指輪は97.0%もの人が購入したようだ。
式中に指輪を置くリングピローにこだわる人が多いのも納得できる。16.6
万円で男性用、女性用の2つを買う。最近景気が上向きなためか、平均額は少
しずつ増加傾向にあるようだ。
「関西トレンド調査2005」を基に一般的な形で挙式を挙げると以下のよ
うになった。
挙 式 料 (教 会 式 )
新 婦 衣 装 代 (ウ エ デ ィ ン グ ド レ ス +カ ラ ー ド レ ス )
新 郎 衣 装 代 (洋 装 2点 )
料 理 ・ 飲 み 物 代 (関 西 平 均 1.51万 円 )
ケ ー キ 代 (セ レ モ ニ ー 用 )
引 出 物 代 (関 西 平 均 0.5万 円 )
写真代
演出代(キャンドルサービス、スライド上映、
シャンパンタワー)
披露宴会場装花代(ゼクシイトレンド調査より)
ブーケ代(同上)
印刷物代(同上)
BGM代(同上)
その他(お礼、税金、サービス料等)(同上)
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40人 計 算
¥125,000
¥293,000
¥137,000
¥604,000
¥12,000
¥200,000
¥98,000
¥140,000
¥113,000
¥49,000
¥42,400
¥30,000
¥73,000
まとめ
このシミュレーションでは合計で¥1,916,400 でした。色々な演出や新婚旅行、
新居、それに伴い必要な家具や家電製品、保険等は入っていないので結婚費用
ということで考えると実際はもっとかかることになりそうである。また、イン
ターネットで調べていると、
「思ってもみなかったところにお金がかかったりす
るのでそれに備えて準備しておいた方が良い」という意見をたくさん見受けら
れた。今回、結婚費用を色々と調べてみてとても大きなお金が動くイベントな
のだとあらためて実感した。
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第七章
あとがき
10451278 福田暁子
『結婚』という人生の中で非常に大きなイベントを取り上げて様々な角度か
ら調べた。今後人口が減少し、意識の変化、ライフスタイルの多様化、結婚し
ないなどの理由で成立するカップル数は増えないであろう。ブライダル会社は
こだわりを持つ顧客を呼び込む商品を提供したり、顧客の望みを叶えるため一
顧客一担当者制を導入したりと他社とは違うことをアピールして生き残りを図
っているようだ。
以前のようにみんなと同じプランで式を挙げたいと考える顧客は少なくなっ
てきている。レストランウエディングやハウスウエディングで自分らしさをだ
した式を挙げて来てくれたゲストに満足してもらい、最高の思い出にしたいと
考えている顧客を満足させることは決して簡単なことではない。良質なプラン
を考えられるウエディングプランナーを獲得し、結婚情報雑誌やインターネッ
ト、テレビ等の広告塔を上手に利用して売り込んでゆくことこそが生き残りの
道ではないかと思われる。
何より大切なことは、2人の門出を祝福したいという温かな気持ちではない
だろうか…。
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ワタベウェディング
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【小島 淳子】
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