小特集 レーザープラズマ粒子加速器開発の最近の進展 5.レーザー駆動イオン加速 大道博行 (日本原子力研究所関西研究所光量子科学研究センター) Laser Driven Ion Acceleration DAIDO Hiroyuki Advanced Photon Research Center, Kansai Research Establishment, Japan Atomic Energy Research Institute, Kyoto 619-0215, Japan (Received 15 December 2004) Over many years collective ion acceleration has been considered, but only recently, some exciting experimental results of collective acceleration based on intense laser driven ion acceleration have been obtained. Currently, the highest proton energy driven by an ultra-intense lasers is >50 MeV with high efficiency of > 5 % as well as very low transverse emittance of 0.004 mm・mrad. The paper reviews the recent achievement of such ion generation studies. First, the mechanisms of the ion generation are described including the plasma sheath model which describes energetic proton generation driven by sub-ps high energy lasers. A pre-pulse plays a significant role especially for the fs laser driven ion generation. The under-dense plasma model described here is one of the mechanisms, which utilize pre-pulses. The quasi-mono-energetic ion beam obtained theoretically and computationally is reviewed. Then the experimental results on the ion generation driven by sub-ps large energy lasers as well as fs lasers are reviewed. Although lower maximum proton energy and efficiency compared with those driven by sub-ps lasers at present, the results given by the fs lasers are precisely described because the fs lasers may be closer to real applications. Finally the present project on the ultra small ion accelerator development for cancer therapy and related topics are reviewed. Keywords: ultra-high intensity short pulse laser, laser plasma, laser accelerator, ion acceleration, high intensity physics, relativistic plasma, high energy density physics, radiation medicine 5. 1 はじめに 適化を図ると超小型加速器を作ることが可能になる [3]. レーザーはその発明以来短パルス化が追求され,それに 本小論では,まずイオンの発生機構をまとめる.次に世界 対応して高出力化が進んできた.1990年代にはチャープパ のイオン発生実験のまとめを行う.特に実用的レーザーイ ルス増幅法を用いて高出力化は飛躍的に進んだ.現在は世 オン源開発に不可欠な,パルス幅100fs 以下の小型高繰り 界中の瞬間的総発電量をもはるかに上回る1ペタワット (100万 kW 級発電所100万台分のパワー) にまで達している [1]. さてこのような,超高パワーレーザー光を物質に集光照 射したらどうなるのであろうか.Fig. 1 にその概念図を示 す.レーザー電場でまず電離が起こり,それと同時に一番 軽い電子が加速される.レーザー強度が十分高いとレー ザー光電場の1周期で電子が相対論的エネルギーにまで加 速される.このようなプラズマを相対論的プラズマと呼ん でおり,数々のユニークな特徴を有している[2].例えば, 超高強度レーザーパルス中の電子に対するローレンツ力の 中の磁場の項が支配的になり,電子がレーザー進行方向に 加速される.このような機構によりターゲットとそこから Fig. 1 飛び出た電子との間に荷電分離が生じ加速電場が生じる. この電場によりイオンの中で最も比電荷の大きい陽子が加 速される.このような物理機構に基づいてイオン発生の最 Schematic diagram of the ultra-high intensity laser with a plasma. Electrons are preferentially accelerated toward the target rear side followed by ion acceleration via the charge separation field. author’s e-mail: [email protected] 261 J. Plasma Fusion Res. Vol.81, No.4 (2005)2 61‐269 Journal of Plasma and Fusion Research Vol.81, No.4 April 2005 返しレーザーを用いた実験に注目してまとめる.次に現在 デバイ長は高温電子の温度の 0.5 乗,その密度の−0.5 乗に までの知見を基にして,レーザーを用いたイオン加速器開 比例するのでイオンの加速電場は高温電子の温度,密度の 発とその利用の可能性に言及する. 積の 0.5 乗に比例して高くなる.一般に,プリパルスの影響 を受けにくいターゲット裏面は,レーザー照射面に比べて 5. 2 イオン発生機構 密度スケール長が桁違いに小さく,イオンが大きな加速を 1950年代から,イオンの集団加速に関する提案が現れ始 受けることがわかる.レーザーのパルス幅数百フェムト め[4],次に詳述するシースモデルの原型になるレーザー 秒,強度1020 W/cm2 の大型ガラスレーザー照射実験で生じ プラズマ中の高温電子発生に伴う高エネルギーイオン発生 る加速電場は数 MeV/µm と評価できる.このモデルでは, に関 す る 物 理 機 構 の 検 討 も1 960年 代 か ら 行 わ れ てきた このとき主として加速されるのはターゲット裏面に吸着し ている陽子と考えられている. [5, 6].ここでは,近年著しく研究が進展した超短パルス 5. 2. 2 アンダーデンスプラズマモデル レーザー照射ターゲットで発生するイオン加速機構につい 次にプリパルスレベルが比較的大きい場合を想定し, て,その中のいくつかを紹介する. 5. 2. 1 プラズマシースモデル ターゲットはメインパルスの到着以前に裏面まで完全にプ ラズマ化している場合を考える.2次元流体コードにより このモデルの原型は先に述べたとおりであるが,超短パ ルスレーザーを用いた陽子線発生実験の画期的成功を受 プリパルス照射後のプラズマの膨張過程が計算できる[9]. け,改めて米国ローレンスリバモア国立研究所のグループ 適当な強度のプリパルスにより Fig. 2 ②に示すようなアン により提唱された物理モデルである[7, 8].高強度レー ダーデンス(レーザー波長で決まる臨界密度以下の電子密 ザーパルスによりターゲット照射面で発生した高温電子 度)プラズマが発生する.左側から入射する主レーザーパ (Hot electron)がターゲットを突きぬける.一部はそのま ルス光は,中心部の低密度プラズマ中をプラズマ密度分 まターゲット遠方に飛散するが,その多くは高温電子と 布,ポンデロモーティブ力,相対論的効果に起因する屈折 ターゲットとの間に生じるポテンシャルに捕捉されター 率分布によりガイドされながら通過し,プラズマ中に電子 ゲット周辺を往復する.このような電子の運動するター プラズマ波(航跡場)を生じる.この波によりランダムに ゲット裏面において高温電子の作るデバイ長がイオンの密 加速された高温電子がレーザー進行方向に飛び出す.この 度スケール長より長くなる部分に高温電子のシースが形成 電子流により超強磁場(∼104 T)が生じ[10]プラズマ中に される.この点で準定常状態のモデルであり,発生するイ 正電荷が残る.この磁場により電子は磁場の周囲から排除 オンのエネルギー分布は高エネルギー側にカットのある熱 される.この磁気絶縁効果により,ターゲット裏面に静電 平衡分布に近いものとなる.このモデル図を各種密度の1 場が生じる.エネルギー変換の観点からは,レーザーのエ 次元空間プロファイルとともに Fig. 2 ①に示す.このとき ネルギーが電子流に変換され,それが磁気エネルギーと シースとイオンシート(ion charge sheet)との間にほぼ一 "),/ 定の電場 !*+*/が生じる.この電場は高温電子の温度 & # % ' "),/" をその電荷 %とデバイ長 ' と評価 #を用い !* #$ +* /!& なって荷電分離を支え,生じた静電エネルギーがイオン加 でき,デバイ長とイオンの密度スケール長 ' * ,+が同程度で あることからFig. 2①中の !*+*/のように表すことができる. ループの抵抗値で決まる磁場拡散時間,またはプラズマの 速エネルギーに変換されることになる.加速電場の持続時 間は磁場の寿命,すなわち,磁場の空間的スケールと電流 膨張,したがってそれに伴う磁場強度の低下する時間の短 い方で決まる.通常後者が短く典型的には∼1ピコ秒とな る.したがって,レーザーパルスがフェムト秒でもピコ秒 程度持続する加速電場が得られることになる.このモデル ではこの強磁場の発生がイオン加速の性能を決める決定的 な要素となっている. さてイオン加速を決めるパラメータにレーザー強度と ターゲット厚さがある.前者を,無次元化したレーザー電 # (($ !" %$で表す.ここで,! はレーザー電 場の振幅 #!% 場強度,%はレーザー振動数,%および ((は電子の電荷と 質 量 で あ る.無 次 元 化 さ れ た タ ー ゲ ッ ト 厚 さ は )&-#と定義する.式中,).は,例えば Fig. 2 ②の $"!).'*" 主レーザーパルスと相互作用するプラズマの密度であり, 分子はレーザービーム軸に沿って積分することにより求ま る.したがって分子はレーザービーム軸にわたっての単位 断面積あたりの電子数を表す.分母の )&-と #は,それぞ Fig. 2 Schematic diagram of the physical picture of the ion generation driven by an intense laser. The upper and lower diagrams correspond to the plasma sheath model and the under-dense plasma model. The notations in the diagram are described in the text. れ,入射レーザー光に対するプラズマの臨界密度と真空中 のレーザー波長を表す.#と $をセットとしてレーザーか !! ! #! $$ $ %"の らイオンへのエネルギー変換効率を表すと # 時,最大値5×10−2 %が得られた.この時,陽子数は1010 262 Special Topic Article 5. Laser Driven Ion Acceleration H. Daido 個であるが,陽子数を増やすと,ほぼ同じエネルギーの陽 !%# ''!#& %と評価できる.レーザー進行方向には,1次 子の数は陽子数に比例して増加する.すなわち陽子はテス "& 程度の範囲で 元性の成立する大まかなスケールである # ト粒子の近似が成り立つ範囲の数であり,効率は陽子数に 一定とみなせる.したがって陽子の特徴的なエネルギー ''!#&#%"& と与えられる.ここで電場の1次元 は,% *( +"# 比例して大きくなる.1%程度までは大きくできることが "& #&が必要である.エネルギー広が 性を保証するため # # ''!&$( りは,$%"# !は薄膜 !"& と評価できる.ここで,' 中の高原子番号イオンの密度,#,&はそれぞれイオンの価 わかっている.このとき最大エネルギーは10 MeV,平均エ ネルギーは2MeV であると計算された [9]. 5. 2. 3 単色イオンビームの発生 Esirkepov,Bulanov らは Fig. 3 に示す2重層薄膜ター 数,電子の電荷,%は薄膜の厚さ,$( !は水素層フィルムの ゲットを使うことで,準単色の高エネルギー陽子が得られ 厚さである.それぞれ簡便な形に書き直すと次のようにな ることを粒子シミュレーションにより示した[11].原子番 る. 号の高い金属の薄膜に陽子(水素)または重イオン,例え % ! ') [1021/cm3], % [µm]・"&! *( + [MeV]=' ば炭素をコートしたターゲットをパルス幅数十フェムト秒 $%[MeV]='! % [µm]・$( ) [1021/cm3]. ! [µm]・' の超短パルスレーザーで照射した時,レーザー照射面の電 子がターゲットを突き抜け,重くてほとんど動かない重原 '!である.これらの式に以 ここで ')は電子密度であり,) 子ターゲットとの間に荷電分離が生じ,静電場が発生す 下の粒子シミュレーションのパラメータを代入するとコー る.このとき先に示したシースモデルと異なり,準定常的 ドの計算値とほぼ一致する値が得られる. シース構造ができている必要はない.このとき比電荷の大 プラズマ粒子シミュレーションコードにより計算された きい陽子は,あたかもテスト粒子の如くこの静電場による 2重層ターゲットから引き出された陽子線の加速されてい 加速を受ける.加速電場は Fig. 3 に示すように水素層のま る 様 子 を Fig. 4 に 示 す [13].タ ー ゲ ッ ト 形 状 は,厚 さ ! &,直径 & &の,金の薄膜の裏面に厚さ ! ! &,直径 & & ! & !$ わりで一様になっており,すべての陽子が同程度の加速を 受け,単色性のよいビームとなる.この条件が成り立つた めには,ターゲット裏面方向に押し出されたすべての電子 の水素層を載せたターゲットを照射強度 2×1021 W/cm2 ($"$!),パルス幅 40 fs,波長 (&)800 nm のレーザーパル がレーザー光のポンデロモーティブ力に支配されて進行方 スで照射する場合を想定した.電子密度を9×臨界密度と すると (""%であり $#(を満たしている.計算にあたっ 向がある程度そろっていることが望ましい.このため, レーザーパルスの無次元化振幅を $,レーザーの波長 & て金は2価に電離しており,水素は完全電離していると仮 とすると5. 2. 2で定義した (を用い,レーザー光透過の条件 は $#(と表される[12].この条件は,電場に駆動された電 定した.その結果,Fig. 5 に示すように準単色(エネルギー 子の速度が光速により制限されるため電流密度が一定以上 の陽子線が得られた.ここでは高原子番号物質層の厚さが 大きくならず,レーザー光がプラズマを透過してしまうこ #程 とを表している.相互作用の効率を考慮すると ($$" レーザー波長より薄い場合を想定しているが,この層の厚 さの必要条件はまだよくわかっていない.$#(を満たし 度が望ましい.いずれにしても超高強度レーザー光を薄膜 た上で波長よりずっと厚い領域(低密度プラズマ)に解が 状の高密度プラズマへ照射し,陽子層に均一の電場を印加 あるかもしれない.さらに研究を進める必要がある. 広がり5%)で,かつ指向性の高いエネルギー約 63 MeV するためには,高いレベルのレーザーパルスの時間・空間 Zhidkov らは,短パルスレーザーで駆動された衝撃波が プロファイルの制御が必要となる.高い単色性を有する陽 その減衰の過程で生じる孤立波中で起こる比較的エネル 子ビームを発生するには,水素層が薄ければ薄いほどよい ギー広がりの小さい高エネルギーイオンの生成を提案して が定量的には概略次のように評価できる.すなわちレー ザ ー ス ポ ッ ト 半 径 "& 内 で の 荷 電 分 離 に よ る 電 場 は いる[14].この過程は粒子シミュレーションにより示され Fig. 4 Fig. 3 Monochromatic proton beam (energy spread = 5%) is generated using a clean ultra-short and ultra-intense laser pulse. Note that the electric field around the proton layer is quite uniform. 263 Electric charge distribution at time t = 80, where t is the laser period which is 2'/), (a) the electron density distribution and the iso-surfaces of (b) the proton density and (c) the density of heavy ions, where t is normalized by 2'/), where )is the angular frequency of the laser. The electrons, protons and heavy ions propagate along xdirection. Journal of Plasma and Fusion Research Vol.81, No.4 April 2005 タンサファイアレーザーを用いたシステムであり,パルス 幅 20 fs∼100 fs,エネルギー数百 mJ∼数 J のものが 10 Hz で運転されている.これを fs レーザーと呼ぶことにする [38‐48]. まず第1にあげたガラスレーザーを用いたシステムでは Table 1 に示すようにミシガン大学において先駆的な実験 で MeV 級 の エ ネ ル ギ ー の 陽 子 発 生 に 成 功 し て い る [19, 20].その後,米国ローレンスリバモア国立研究所 Fig. 5 The simulation results for the double layer target. The proton energy of 63 MeV is visible at the peak of the energy distrubution. (LLNL) のペタワットレーザー[7],フランス・エコールポ リテクニックの高出力レーザー共同利用施設 (LULI) [30], 英国ラザフォードアップルトン研究所(RAL)の VULCAN レーザーを用いた実験では最大エネルギー 20−55 MeV の ているが,用いたコードは多数の電離過程をモデルとして 陽子線が得られている.また大阪大学では 10 MeV 近辺の 取り入れたユニークなものである[15]. 陽子線発生実験が行われている [28, 29].またこれら実験 Esirkepov,Bulanov らは,レーザー照射強度がさらに高 結果を説明するための詳細な理論モデル[49],プリパルス くなると顕著になるレーザー放射圧によるイオン直接加速 を考慮した粒子シミュレーションにより,プリフォームド の提案を行っている[16].先に紹介した薄膜状プラズマに プラズマのイオン発生に及ぼす効果が実験と比較して詳し レーザーが照射されると,ポンデロモーティブ力により電 く調べられている[50].多くの場合,発生機構は前に紹介 子がレーザー進行方向に押し出される.先に紹介した準単 したシースモデルで概略解釈可能であると考えられている 色イオン発生機構では電子がイオンを残して飛び出し静電 [7, 23, 27, 30, 31].最近,Cowan らによりターゲット裏面 ポテンシャルが形成される.ここで紹介するのは,レー ザー強度が十分強く(波長 "µm で強度>1022"!W/cm2), に周期的凹凸を設け,レーザー照射により生じるシースに レーザー電場の数周期以内で陽子が電子の加速を介して相 とにより説明される明確な実験データが得られている 対論的エネルギーにまで加速される相互作用領域のイオン [37].これに対し,ターゲット裏面に吸着している陽子の 加速機構である.このときプラズマ密度が臨界密度を超え ており,プラズマ厚さに対して !!#の条件が成立してい みでは発生陽子数の説明がつかないこと,陽子線断面の強 ると,強いクーロン力が電子とイオンの層の間に働き,電 生した陽子がプラズマ中の電磁場により偏向されて出射さ 子・イオンが一体となって加速される.ここでも加速電場 れているとの説明もある[24, 26]. よるバーチャルカソードフェーズと,シース膨張フェーズ 度分布が中空になっていることから,レーザー照射面で発 の1次元性を保つためレーザー照射直径はレーザー波長に 一方,第2にあげたパルス幅が1桁短い数十 fs,エネル 比べ十分大きくなければならない.この電子・イオン一体 ギーが 10 J 以下で第1のグループと同程度の強度を有する となってほぼ光速で動く系に,引き続き超高強度レーザー レーザーを用いたイオン発生実験も行われている.Ta- 光が照射され続け,その系によりレーザー光が反射される ble 2 に実験データの一覧を示す.ローレンスリバモア国立 と Veksler の提唱する相対論的鏡 [17]となり,レーザー光 研究所(LLNL) を中心としたグループは,波長 800 nm,パ の持つ運動量が効率良く運動する系に移る.すなわちレー ルスエネルギー∼10 J,パルス幅 100 fs(注:立ち上がり時 ザーパルスの運動量のほとんどがイオンのそれに変換され 間 20 fs),主レーザーパルスの強度に対するプリパルスの る.レーザーエネルギーからエネルギー∼GeV 級の陽子の 強度比10−10のレーザーパルスを照射強度 1020 W/cm2 で厚 エネルギーに40%の効率で変換されると評価されている. さ 3 µm のアルミニウムターゲットに照射し,24 MeV の陽 ここに紹介したレーザー強度(例えば 1022 W/cm2,パルス 子線の発生に成功し[38],さらに湾曲させたターゲットを 幅 30 fs,照射スポットの直径 10 µm とするとエネルギー 用い陽子線の収束に成功している[39] .実験ではアルミニ 300 J となる)を高繰り返し周波数で供給するためには, ウムターゲットの厚さが 10 µm 以下になると,急激に陽子 レーザー技術に革新的ブレークスルーが必要であるが,こ 線の最大エネルギーが大きくなっている.この物理機構は の機構によるイオン加速が実現されると加速器技術に留ま 高温電子がターゲットの両側に生じるデバイシース[7]に らず放射線発生技術,基礎科学に革命的転換がもたらされ 跳ね返されるモデルにより説明されている.すなわち反射 ると期待される[16]. された高温電子とレーザー照射により生成された高温電子 がターゲット裏面で重なり密度が増加し,その 1/2 乗に比 5. 3 レーザーを用いたイオン発生実験の現状 例して加速電場が強くなる.この現象は粒子シミュレー 大きく分けて2種類のレーザーがイオン発生実験に用い ションでも再現しており,イオン加速を生じる電場はター られている.すなわち第1は大エネルギーガラスレーザー ゲットが薄いほど強く,かつ長続きすることにより最大陽 を主増幅段に用いたパルス幅∼0.5 ps,エネルギー数十 J 子エネルギーが大きくなることを示した.ただしレーザー から数百 J に及ぶシステムである[7, 18‐37].これをサブps のエネルギーからエネルギー7MeV 以上の陽子への変換 レーザーと呼ぶ.現在のところ20分から数時間に一回の単 効率は 0.1% と評価され,サブ ps 大型レーザーによる陽子 一ショット運転が基本となっている.第2は主増幅器にチ 発生で得られた値,10%に比べ小さい.イオン発生最適化 264 Special Topic Article Table 1 5. Laser Driven Ion Acceleration H. Daido List of the ion generation driven by sub-ps lasers. Note that incident angle is defined as that between the angle normal to the target surface and the incident laser axis. If the laser incidents normal to the target, the angle is defined as 0 deg. year laboratory Maximum proton (ion) number (1/shot) Incident angle / Polarization Maximum proton (ion) energy (MeV) Ion beam divergence( Laser intensity on target (W/cm2) Prepulse level Laser energy/Power/wavelength Focus f-number Pulse width Target material:Thickness (µm) Focus diameter Reference number year laboratory Maximum proton (ion) number (1/shot) 1999 Univ. Michigan 109 0° /Plane 1.5 40±10° 3×1018 10−3 4 J / 10 TW / 0.5 µm f/3 400 fs Al: 10−25 µm ∼20 µm 19 2001 ILE Osaka Gekko MII 2002 LULI Ecolepolytechnique 2×109 5×109 Incident angle/ Polarization Maximum proton (ion) energy (MeV) 40° /P Ion beam divergence Laser intensity on target (W/ cm2) ∼50° 8 45° /P 10 40±10° 6×1018 2×10−6 4 J / 10 TW / 1 µm f/3 400 fs Mylar(CHO): 6 µm 12 µm 20 2000 LLNL/PW laser 3×1013 (7%) 0° , 45° /P 58 30° 3×1020 10−4 500 J / 1 PW / 1 µm f/3 500 fs CH: 55 µm 9 µm 7, 23 2001 RAL/ Valcun 3×1012 (>5 MeV) 45° /P 18−40 30° 1020 100 J / 100 TW / 1 µm f/4 0.9−1.2 ps Al: 25 µm 10 µm 24, 26 機構に基づいた実験を行った.150 mJ,50 fs,繰り返し 10 Hz のレーザーパルスを 6×1018 W/cm2 に集光して,厚さ 5 µm の Ta 薄膜に照射することで,1 MeV の陽子の発生に 成功した[9].一方,広島大学では多段のプリパルスを用い ることにより照射強度 1017 W/cm2 のレーザーを用いて最 25 大エネルギー∼1 MeV の陽子線が得られている [48].照射 5.5×1018 Prepulse level Laser energy/Power/wavelength 10−3 25 J / 60 TW/ 1 µm Focus f number Pulse width Target material: thickness (µm) f/3.8 450 fs CH: 5, 25, 100 µm 25 µm 29 Focus diameter Reference number 2000 Univ. Michigan 強度が低いのを,中性化しつつあるプリフォームドプラズ 5×1019 マ中の自己収束により補い,1 MeV 近辺の陽子線が発生し ていると説明されている. Table 1 と Table 2 を比較すると,同じレーザー光強度で 30 J / 100 TW/ 1 µm は fs レーザーにより得られる最大陽子エネルギーおよび発 生数は,サブ ps レーザーにより得られるそれに比べ現状で 300 fs は低い.これはレーザー強度が十分高くなく,高コントラ Au: 48 µm スト光の場合,吸収率がちょうど低下する領域にあり 8 µm 30 [51],fs レーザーの特長を十分生かした非熱的な規則的相 互作用領域に至ってないことが大枠としての理由と考えら れる.実際,プリパルスを抑制した高強度照射領域 (1020 W /cm2)では文献[44]に示すように 20 MeV 以上の陽子線が に向けた一層の研究が必要である. ギー 0.8 J,パルス幅 40 fs,繰り返し 10 Hz のレーザーパル フランス応用光学研究所(LOA)のグループは,エネル 得られている.この成果は後述する単色化も視野に入れた 超高強度・超高コントラスト(!10−10)レーザーパルスを スを 集 光 照 射 強 度 8×1019 W/cm2 で 厚 さ 6 µm の プ ラ ス 用いた陽子・炭素線等の発生実験の成功を期待させる. チックターゲットおよびアルミニウムターゲットに照射し 重イオン線の発生実験も,主としてガラスレーザー増幅 て,エネルギー 10 MeV までの陽子を発生するのに成功し 器を組み込んだ大エネルギーサブ ps レーザーを用いて試 ている[40].電力中央研究所ではレーザーパルス幅,ター みられている.ラザフォードアップルトン研究所では,鉛 ゲット厚さ等の依存性が調べられており,レーザー強度と ターゲットにレーザー光を照射しトータルエネルギー 430 波長の2乗の積にパルス幅を掛けたパラメータ,すなわち MeV に及ぶ高エネルギーイオンがターゲットのレーザー レーザーエネルギーで陽子線の加速エネルギー等が決まる 照射側に配置した計測器で測定されている [25] .ドイツ との比例則が提唱されている[41, 42].また,同研究所[43] GSI と LULI の共同実験チームはより高い重イオンの加速 とラザフォードアップルトン研究所のグループ[44]は独自 効率を得るため,ターゲットをその融点近傍まで加熱して に開発したテープターゲットを用いてエネルギー数 MeV 含有水素等を排除し,比電荷が最大で加速されやすい陽子 の陽子線の発生を行っている.金属に吸着した水素でな にエネルギーが持ち去られてしまうことを防いでいる く,積極的に水素含有物質をターゲット裏面にコートした [31].ラザフォード研においても,このようにして得られ ターゲットで角度3° のコーンに集中した陽子線発生 [46] た清浄な金属面をレーザーで照射し,重イオン線が得られ および陽子発生効率の著しい向上が得られている[46, 47]. ている[32].2004年の米国物理学会プラズマ部会の会合で プリパルスを積極的に用いた加速機構に基づくイオン発 米国ロスアラモス国立研究所を中心とした共同実験チーム 生実験も行われている.筆者らの共同実験チームは,この が単色炭素イオン線の発生に成功したとの報告があった 265 Journal of Plasma and Fusion Research Vol.81, No.4 April 2005 Table 2 List of the ion generation driven by lasers having pulse width of <100fs. year laboratory Maximum proton (ion) number (1/shot) or conversion efficiency Incident angle (deg.)/ Polarization Maximum proton (ion) energy (MeV) Ion beam divergence(deg.) Laser intensity on target (W/cm2) Prepulse level Laser energy /Power/ Wavelength 2002 RAL/ ASTRA 0.7 % 2002 Osaka T6 2003 LOA 6×107 0° /Plane 1.5 0° /Plane 2 0.2° 1×1018 0° /Plane 10 10° (at 9 MeV) 6×1019 10−6 500 mJ / 0.8 µm 8×1018 10−6 225 mJ/ 0.2 J/0.8 µm Focus f number Pulse width (fs) Target material f/3 60 fs Mylar tape: 23 µm Focus diameter Reference number 0.79 µm 2003 JAERI/U.Tokyo 108 (>100 keV) 2×10−4 0° /Plane 1 20° 6×1018 10−5 840 mJ / 40 TW/ 0.82 µm f/3 40 fs Al: 6 µm f/4 50 fs Ta : 3∼5 µm 2.5∼5 µm 44 f/3 130 fs Mylar C10H8O4: 2.5 µm 10 µm 45 4 µm 40 18 µm 9 year laboratory 2002 LLNL 2003 CRIEPI 2004 Hiroshima Univ. Maximum proton (ion) number (1/shot) Incident angle/ Polarization Maximum proton (ion) energy (MeV) Ion beam divergence(deg.) Laser intensity on target (W/cm2) Prepulse level Laser energy/Power/Wavelength 180 mJ/0.79 µm Focus f number 2×1011 22° /P 25 45° /P 1.2−3 60° 6.6×1018 45° /P 0.9 2004 Tokyo Institute of Technology 7×109 30° /P 0.57 1.6×1017 10−3 0.2 J / 0.8 µm 1.5×1017 10−6 34 mJ / 0.8 µm 1×1020 10−10 10 J / 100 TW/ 0.8 µm f/2 f/3 Focal length = 300 mm Pulse width (fs) Target material 100 fs Al: 3 µm 60 fs 50fs Mylar C10H8O4 : 2.5 µm 60 fs Cu 5 µm +CH Focus diameter 3−5 µm 38, 39 4×11 µm 41, 42 11 µm 48 50 µm 47 Reference number [52].これも厚さ20 µmのパラディウムを1,000℃に加熱し れている.また発生した低エミッタンス陽子線を用いてラ た後,厚さ 1 nm の炭素をターゲット裏面にコートし,ター ジオグラフィー [34, 35]や,プラズマ中の電界測定 [33]に ゲットとしている.これに波長 1 µm,パルス幅 0.7 ps,高 用いることなども試みられている.これらの特性評価は, 強度のレーザー光を照射することによりエネルギー3 MeV イオン線の利用を考えると,今後ますます重要になってく /核子の炭素線が得られたとのことである.詳細は不明だ ると思われる.またそれに関連して短時間に精度良く測定 が,ターゲット構造から単色化の機構は5. 2. 3で紹介した できるイオンビーム検出器,測定系の開発が重要になって Esirkepov らの理論・シミュレーションにより説明できる いる. と思われる.本格的な単色イオン線の実験研究が期待され 5. 4 レーザーを用いたイオン加速器利用の展望 る. 以上紹介したレーザー駆動イオン源のエミッタンス測定 レーザーを用いると超小型のイオン加速器を作ることが も開始されている [36, 37].Borghesi らは陽子線照射によ できる.この目標に向かって現在の科学的,技術的知見を り得られたメッシュの影絵のにじみ具合から,陽子線発生 総動員して魅力ある実現可能な目標を設定する必要があ の実効的(バーチャル)サイズを評価することにより,エ る.その一つががんの診断に用いられている陽電子放出ト ネルギー 15 MeV の陽子線の横方向エミッタンスの値 0.1! モグラフィー(PET)への応用である [40, 20, 53].PET mm・mrad を得た [36].Cowan らは先に紹介した独自の手 に必要な特定の同位元素例えば18F をその半減期以内(1 10 法を用いて 0.004 mm・mrad と既存加速器のそれの 1/100 分以内)に必要な量(800 MBq/人)生産する必要があり,病 の値を得ている[37].また縦方向のエネルギーと時間積は 院内に設置できる同位元素生産用超小型陽子線加速器の開 10−4 eV・秒以下と既存加速器のそれの104倍良い値が得ら 発が待ち望まれている.ただし既存データを基礎に,必要 266 Special Topic Article 5. Laser Driven Ion Acceleration H. Daido なレーザー性能を試算した例では,繰り返し 1 kHz,レー この高エネルギーイオンが準単色で得られれば,レーザー ザーエネルギー 1 J,集光されたレーザー強度 1020 W/cm2 イオン源のメリットがさらに大きくなる. となる[40].既存のサイクロトロンの小型化も進んでおり レーザー駆動超小型加速器は医療利用を最重点課題とし [54],これとの競争に勝ち残るためには,高強度短パルス つつも,21世紀の新しい科学技術として様々な分野に影響 レーザー技術にブレークスルーが必要である. を与えていくと思われる. レーザーイオン源を粒子線がん治療用超小型加速器とし 5. 5 まとめ て開発する計画も進められている.陽子および重イオン (主として炭素線)ビームによる粒子線癌治療は従来の外科 本小論では,まずイオンの発生機構をまとめた.レー 的療法,化学療法,X 線治療と並んでがん治療の一角を占 ザー照射ターゲットの裏面に生じる高温電子の形成する める重要な治療法として発展しつつある [55‐57].粒子線 シースによるイオン加速機構,プリパルスにより発生した 治療は外科的療法に比べ患者の身体に与える負担が小さ アンダーデンスプラズマ中での電子発生と,それにより生 く,かつ身体機能の保全が可能であり治癒後の社会復帰が じるイオンの加速機構を紹介した.また超高強度レーザー 容易である.その一方で,大型加速器とイオンビーム照射 パルスの時間・空間的プロファイル制御および2重層ター 方向を自在に制御するための回転式の大型偏向磁石を用い ゲットによる準単色陽子線,炭素線発生の理論的研究の紹 たガントリーが必要であり,装置の規模が大きく,高コス 介を行った.次に世界のイオン発生実験のまとめを行っ トのため普及が妨げられている.超小型レーザーイオン源 た.特に実用的レーザーイオン源開発に不可欠な,パルス は,この限界を打破する技術として位置づけられ,我が国 幅 100 fs 以下の小型高繰り返しレーザーを用いた実験に注 独 放射線医学総合研究所が主宰する多機関にまたがっ では! 目して現状の整理を試みた.次に,レーザーを用いたイオ た先進小型加速器開発プロジェクトが進行中である[58]. ン加速器の利用に関し,現在実施されているがん治療用超 現在,以下に説明するシステムの要素技術開発が行われて 小型加速器開発プロジェクトの簡単な紹介を行った.相対 いる.加速器の構成を Fig. 6 に示す.イオン入射器は,レー 論的プラズマで発生可能な準単色イオン,レーザー光強度 ザープラズマイオン源で構成され,ここで核子あたり∼2 が 1023 W/cm2 あたりから支配的になる光の圧力によるイ MeV のイオンが発生する.このとき陽子の場合は1 010個/ オンの高効率高エネルギー加速の提案など,理論的研究は 9 秒,炭素の場合は10 個/秒発生する必要がある.発生した 進んできた.今後は,学術的かつ実用的に大きなインパク イオンをビーム冷却部に伝送するためには,イオンの発散 トが期待されるこれらの実証実験に向けた具体的取り組み 角は概ね5度以下が望ましい.イオンの中心エネルギーに が期待される.また,これらの研究はレーザーと物質との 対するエネルギー広がりを,位相回転共振器[59]を用いて 相対論的コヒーレント相互作用とも呼べる物理機構[65]の 1%に狭めて電子線冷却リングへ入射させ,さらにそれを 一環の中で位置づけることも可能であり,超短時間パルス 0.1%まで冷却する.最後に小型シンクロトロンへ入射して と相対論的高強度電磁場の有する特長が,イオン加速とい 核子あたり 200 MeV まで加速して癌治療に用いる.想定し う形で現れていると解釈できる.極めて興味深い研究対象 たシステム全体の大きさは,10 m×10 m×3 m とコンパク となっている.それと同時に,イオン加速研究はレーザー トで,価格も数十億円程度に抑えることで,粒子線癌治療 技術,プラズマ発生技術の高度化,その加速器技術への応 の普及に貢献しようとするものである. 用と一体となって進んでいる.研究開発を円滑に進めるた レーザー駆動イオン源開発の第1ステップは,ここに紹 め,研究の段階に応じた実現可能な具体的利用研究の設定 介したレーザーを用いたイオン源を医療用加速器入射源と が重要になってきている. して用いる方式である [60, 61].この開発計画をベースに 謝辞 して,さらに大きなイオンエネルギーを得ることが可能に なると,レーザー駆動のみでその特長を生かした粒子線治 本論文執筆の機会を与えていただいた大阪大学・北川米 療装置の設計が可能になると期待される[56, 62‐64].また 喜氏,日頃より相対論的プラズマ,イオン発生の研究に関 Fig. 6 The schematic view of the compact heavy ion synchrotron for cancer therapy using the laser-plasma ion source. 267 Journal of Plasma and Fusion Research Vol.81, No.4 April 2005 (1994). [1 9]A. Maksimchuk, S. Gu, K. Flippo, D. Umstadter and V.Yu. Bychenkov, Phys. Rev. Lett. 84, 4108 (2000). [2 0]K. Nemoto, A. Maksimchuk, S. Banerjee, K. Flippo, G. Mourou, D. Umstadter and V. Yu. Bychenkov, Appl. Phys. Lett. 78, 595 (2001). [2 1]K. Krushelnick, E.L. Clark, Z. Najmudin, M. Salvati, M.I. K. Santala, M. Tatarakis, A.E. Dangor, V. Malka, D. Neely, R. Allott and C. Danson, Phys. Rev. Lett. 83, 737 (1999). [2 2]K. Krushelnick, E.L. Clark, M. Zepf, J.R. Davies, F.N. Beg, A. Machacek, M.I.K. Santala, M. Tatarakis, I. Watts, P.A. Norreys and A.E. Dangor, Phys. Plasmas 7, 2055 (2000). [2 3]R.A. Snavely, M.H. Key, S.P. Hatchett, T.E. Cowan, M. Roth, T.W. Phillips, M.A. Stoyer, E.A. Henry, T.C. Sangster, M.S. Singh, S.C. Wilks, A. MacKinnon, A. Offenberger, D.M. Pennington, K. Yasuike, A.B. Langdon, B.F. Lasinski, J. Johnson, M.D. Perry and E.M. Campbell, Phys. Rev. Lett. 85, 2945 (2000). [2 4]E.L. Clark, K. Krushelnick, J.R. Davies, M. Zepf, M. Tatarakis, F.N. Beg, A. Machacek, P.A. Norreys, M.I.K. Santala, I. Watts and A.E. Dangor, Phys. Rev. Lett. 84, 670 (2000). [2 5]E.L. Clark, K. Krushelnick, M. Zepf, F.N. Beg, M. Tatarakis, A. Machacek, M.I.K. Santala, I. Watts, P.A. Norreys and A.E. Dangor, Phys. Rev. Lett. 85, 1654 (2000). [2 6]M. Zepf, E.L. Clark, K. Krushelnick, F.N. Beg, C. Escoda, A.E. Dangor, M.I.K. Santala, M. Tatarakis, I.F. Watts, P. A. Norreys, R.J. Clarke, J.R. Davies, M.A. Sinclair, R.D. Edwards, T.J. Goldsack, I. Spencer and K.W.D. Ledingham, Phys. Plasmas 8, 2323 (2001). [2 7]A.J. Mackinnon, M. Borghesi, S. Hatchett, M.H. Key, P.K. Patel, H. Campbell, A. Schiavi, R. Snavely, S.C. Wilks and O. Willi, Phys. Rev. Lett. 86, 1769 (2001). [2 8]Y. Kitagawa, M. Mori, Y. Murakami, R. Kodama, H. Habara, K. Sawai, K. Suzuki, T. Kawasaki, K. A. Tanaka and K. Mima, in High-Power Lasers in Energy Engineering, K. Mima and W. Hogan Editors, Proc. SPIE 3886, 105 (2000). [2 9]Y. Murakami, Y. Kitagawa, Y. Sentoku, M. Mori, R. Kodama, K.A. Tanaka, K. Mima and T. Yamanaka, Phys. Plasmas 8, 4138 (2001). [3 0]M. Roth, A. Blazevic, M. Geissel, T. Schlegel, T.E. Cowan, M. Allen, J.-C. Gauthier, P. Audebert, J. Fuchs, J. Mayerter-Vehn, M. Hegelich, S. Karsch and A. Pukhov, Physical Review Special Topics − Accelerators and Beams 5, 61301 (2002). [3 1]M. Hegelich, S. Karsch, G. Pretzler, D. Habs, K. Witte, W. Guenther, M. Allen, A. Blazevic, J. Fuchs, J. C. Gauthier, M. Geissel, P. Audebert, T. Cowan and M. Roth, Phys. Rev. Lett. 89, 85002 (2002). [3 2]P. McKenna et al., Appl. Phys. Lett. 83, 2763 (2003). [3 3]Borghesi et al., Phys. Plasmas 9, 2214 (2002). [3 4]M. Borghesi et al., Phys. Rev. Lett. 88, 135002 (2002). [3 5]Borghesi et al., Plasma Phys. Control. Fusion 43, A267 (2001). [3 6]M. Borghesi et al., Phys. Rev. Lett. 92, 55003 (2004). [3 7]T.E. Cowan et al., Phys. Rev. lett. 92, 204801 (2004). [3 8]A.J. Mackinnon, Y. Sentoku, P. K. Patel, D.W. Price, S. Hatchett, M.H. Key, C. Andersen, R. Snavely and R.R. し議論いただいている原研 関 西 研・Sergey Bulanov 氏, Timur Esirkepov 氏,Alexander Pirozhkov 氏,田島俊樹 氏,木村豊秋氏,光量子利用研究グループの諸氏,電力中 央研究所・根本孝七氏,京都大学・野田章氏,東京大学・ 上坂充氏,同 Alexei Zhidkov 氏,広島大学・小方厚氏,放 射線医学総合研究所・山田聰氏および先進小型加速器開発 委員会の諸氏に深く感謝する次第である. 参考文献 [1]例えば T. Tajima and G. Mourou, Phys. Rev. ST-AB 5, 31301 (2002) ; 大道博行:レーザー研究 31, 698 (2003). and references cited therein. [2]例えば H. Takabe et al.,講座 「相対論的プラズマ物理学」 , J. Plasma Fusion Res. 78, 335, 419, 568, 668 (2002). [3]杉原亮,西田靖,小方厚編著:超小型加速器(アイピー シー,東京1 9 9 8) . [4]V.I. Veksller in Proc. CERN Symposium on High Energy Accelerators and Pion Physics, Geneva (1956) Vol.1, p.80. [5]A.V. Gurevich, L.V. Pariiskaya and L.P. Pitaevskii, Sov. Phys. JETP 22, 449 (1966); J.E. Crow, P.L. Auer and J.E. Allen, J. Plasma Physics 14, 65 (1975). [6]S.J. Gitomer, R.D. Jones, F. Begay, A.W. Ehler, J.F. Kephart and R. Kristal, Phys. Fluids 29, 2679 (1986); J. Denavit, Phys. Fluids 22, 1384 (1979); Y. Kishimoto, K. Mima, T. watanabe and K. Nishikawa, Phys. 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