尿道留置カテーテル管理について

第25号
尿道留置カテーテル管理について
高齢者は、神経因性膀胱や前立腺肥大症などにより尿閉を来たしやすく、長期間の
カテーテル留置を必要とする患者が多い。そのため尿路感染予防対策が重要である。
発行日
発行元
平成21年10月
ふくの若葉病院 院内感染防止対策プロジェクト
感染を防止するために必要なこと
1.尿道口を清潔に保つことが大切です!
・ カテーテル挿入前に尿道口周囲の洗浄を十分行ない消毒する
2.尿道口を清潔に保つと共に、体のバリア機能を損なわない
・ 朝の陰部洗浄時、ルートを動かしながら、十分に洗浄する
まずは尿道留置カテーテルの感染経路を理解しましょう
外側を通るルート
膀胱
バルーン
カテーテル
①尿道カテーテルを挿入するときに膀胱内に
細菌が直接押し込まれるルート
②会陰部や直腸に定着している菌がカテーテ
ルと粘膜の間隙を通り、膀胱内に侵入するル
ート
内側を通るルート
‚
ランニングチューブ
③接続部の閉鎖が破られ、カテーテル内に菌が
侵入するルート
④排液口の細菌汚染により、バッグ内からカテ
ーテル内に侵入するルート
膀胱内に尿が停滞する
⑤カテーテルの閉塞や膀胱より高い位置にウ
ロバックがあると、尿が流れない
ウロバッグ
・ オムツ交換時、カテーテル挿入部位を十分に清拭する
・ 入浴時、カテーテルを石鹸でよく洗う
・ 陰部洗浄を行なう際は、カテーテルの過度な伸展、強い摩擦は避け、優しく押
さえるように洗う
・ ウロバッグは毎日、左右交互に掛ける
3.カテーテルとランニングチューブの接続は可能な限り外さない
・ つまったらランニングチューブも含めて交換する
・ 膀胱洗浄が必要な場合は3ウェイカテーテルを用いて持続膀胱洗浄を行う
4.ウロバックの尿の排出口を汚染させない
・ 排出口は床や尿バケツの壁につけない
・ ウロバックの排出口は床から10cm 以上離す
5.尿が常に流れている状態を保つ
・ ウロバックは常に膀胱より低位置に置く
・ 膀胱より高い位置になる場合は一時的にクランプし、短時間にする
・ カテーテルやランニングチューブの屈曲などによる閉塞を避ける
尿路感染を防ぐ為に、
手順を守りましょう!!
尿道留置カテーテル留置率
尿路感染率
26.6%
1.8%
H21年9月末現在