学校教育目標「賢く優しく逞しく」平成２7年6月1日№3 秩父市を世界の手本となる街にしよう校長岩城佐知男秩父市は課題先進地お父さんやお母さんが中学生の頃、アメリカ合衆国の五大湖周辺にあるデトロイトという都市は、自動車産業が盛んな街でアメリカ合衆国を象徴する大都市であると、地理の授業で学習しました。ですから、今でもデトロイトといえば、行ったことはなくてもイメージとして発展し続けている大都市だと認識していると思います。さて、今の中学生はデトロイトについて以下の内容で学びます。１年生が学ぶ「教科書新しい社会地理７８ページから」北アメリカの中で、めぐまれた資源を利用し、世界有数の工業国になったのはアメリカです。鉄鉱石、石炭、石油などが開発され、これらの鉄鋼資源をもとにして、大西洋岸や五大湖沿岸で工業が発展しました。ここには工業都市が集まっています。なかでも、ピッツバーグは鉄鋼業の中心地として、デトロイトは自動車製造の中心地として発展しました。自動車の大量生産方式は、ほかの工業にも広がりました。こような重工業の発展によって、アメリカは経済的に世界で最も豊かな国になりました。２０世紀後半になると、大西洋岸や五大湖沿岸地域では工業が停滞しました。ところで、デトロイトは現在どのような状況なのでしょうか。創生を目指すデトロイトに学ぼうアメリカ合衆国の地図からデトロイトという都市が消滅するかも知れないと言われていました。デトロイトは１９６０年代および７０年代、アメリカ合衆国の自動車製造の一大中心地でした。地理の教科書にも、アメリカ合衆国を代表する工業都市として紹介され、アメリカ合衆国の工業・産業の強さを示すシンボル的存在でした。しかし、現在は衰弱がはなはだしく、アメリカ合衆国では真剣にこの都市の復興について検討しています。デトロイトは、１９８０年代の自動車工業の不振や治安の悪化などから人口減少が止まらなくなりました。そのため経済が悪化し、２０１１年のデトロイト市の世帯年収中間値は２万５１９３ドルで、全米の中間値５万ドルの半分となってしまいました。低収入世帯や失業者が多い街となり、地元の新聞社の調査では、デトロイトに住んでいる約半数の人が、この街からの「脱出」を考えていると伝えています。 -1- 街の荒廃はひどく、差し押さえられた家や火事で半焼した状態のままの家が散在し、住んでいる人はいません。見捨てられた建物は、犯罪の温床になる可能性が高くなっています。ドアを破り、窓を割れば、簡単に中に入ることができます。麻薬の売買が行われることもあれば、麻薬パーティーの場として使われることもあるようです。その麻薬が、強盗や暴行や殺人事件の引き金となり、犯罪件数も年々増加しています。デトロイト市は２０１３年７月に連邦裁判所に破産を申告しました。まだ破産して１年１０ケ月ですが、復興はすでに始まっています。市民のアイディア等を活用し、デトロイトを創生させようと頑張っています。秩父市の空き家率は18.7％統計局が実施している平成２５年住宅・土地統計調査結果によりますと、空き屋率全国平均は、１３．５％と過去最高を記録しました。秩父市では平均を大幅に超え、１８．７％となっています。野村総合研究所の試算では、２０年後の２０３５年の日本の空き家率は３２％と推定されています。明海大学不動産学科主任教授齊藤広子先生は空き家率が３０％を超えると財政破綻するとおっしゃっています。２０年以内に秩父市はデトロイトと同じように財政破綻する可能性があります。ＮＨＫの番組取材に対して、秩父市は次のように答えています。秩父市では空き家率は１８．７％となり、水漏れ事故は年間７００件に及んでいます。しかし、水道管の取替え費用を捻出できないため応急処置でとどまっています。秩父市の人口は６万６０００人で、今後２０年で約２万人減少すると見られています。厳しい財政状態を改善するために企業を誘致していますが、税収の落ち込みを補うには至っていません。更に道路や柱などインフラも維持していけるか危機感を持っています。秩父市には魅力がある！底力がある！先人の財産を受け継ぎ、大人たちが今の秩父市を創っています。魅力や底力の一例を紹介します。 ●野菜→地産地消を合い言葉に、様々な種類の野菜や果物が栽培され、直売所で大人気です。 ●野菜工場→野菜を工場で作る企業が秩父市太田にあります。従来の露地栽培（土壌栽培）と違った完全閉鎖型植物工場で栽培していますので虫を寄せ付けず、農薬を使う必要の無い環境で体にも優しい健康な野菜つくりをしています。 ●日本酒→秩父市太田を中心に稲作が営まれています。キヌヒカリというおいしいお米を使って、杜氏が心を込めて作った純米酒秩父米を販売するなど、日本酒造りで秩父は有名です。 ●ワイン→初代浅見源作さんのロマンが薫る秩父を代表する秩父のワイン。フランス人神父も絶賛した手造りの味と香りは、人々に受け継がれ、数々の賞を受賞しています。 ●ウィスキー→「イチロー」ウイスキーは、手探りで理想の味を追求し、日本で最も小さい蒸留所で生まれた個性派ウイスキーは世界へはばたき、外国人がその味を絶賛しています。 ●和菓子→和菓子づくりは古くから行われ、味に定評があります。市内には多くの和菓子屋さんが競って絶品の和菓子づくりに挑戦しています。モンドセレクションも受賞しています。 ●洋菓子→都会の激戦地でスイーツづくりを勉強し、パテシェとなって秩父市に戻り、美味しい洋菓子づくりに挑む職人さんが頑張っています。美味しいと評判です。 ●パン→創業は大正１３年という老舗のパン屋では、「日本一のコッペパン」を製造販売しています。また、奄美大島で４年間パン屋を続けたあと、東京の青山で３年半修行し、夜は製菓学校へ通い、自家天然酵母・国産小麦使用で有名店になるなど、たくさんの店があります。 ●そば・うどん→秩父のそばとうどんは、コシが強く、のどごしのよい麺だと、大きく評価されています。特にそばの風味は豊かで、食べると口で味わったそばの風味がふわ〜んと鼻に抜けていくので、地元の人だけでなく観光客にも大人気です。。 ●ラーメン→ラーメン激戦地東京の巣鴨で「うまい」と評判になり、マスコミにも取り上げられた職人が故郷の秩父に戻り活躍するなど、行列のできる店があちらこちらで見られます。 ●わらじカツ丼→女優の吉高由里子さんを起用した、ポスター「宇都宮のギョーザ・香川のうどん -2- ・秩父のわらじカツ丼」が掲示され、行列のできる店も登場しています。 ●味噌・醤油→古くから大豆と麦の産地であった秩父では、どこの農家も自家用に麦みそや醤油を造っていました。このような地域性を生かし、８０年以上に渡り、こだわりの味噌を醸造している企業があります。また、６代にわたり醤油家業を受け継ぎ、味の伝統を守る醤油屋があります。豚の味噌漬けは有名で、味噌漬け丼は行列店です。 ●秩父銘仙→秩父銘仙(めいせん)に代表される解(ほぐ)し織りは大正、昭和にかけて大胆、モダンながら行きの着物として、その名を全国に広めました。経糸(たていと)に型染めをほどこす技法は機械化が困難な為、今も職人の手により一つ一つ丹誠込めて染められ、昔ながらの半木製織機にて織られています。しかし、今はその技術を持つ職人もわずか数人という現状です。継承してくれる人を求めています。 ●理容院・美容院→有名店で修行し、秩父で最新の技術を提供しています。 ●医師・看護師・介護福祉士→最新の医療を学び、特に高齢者医療で大活躍しています。世界に誇れる秩父の製造業！日本には３８６万４千の企業があります。この内、大企業は１万１千社、全体の０・３％に過ぎません。９９．７％、３８５万３千は中小企業です。従業員数でも大企業が１３９７万人、中小企業は３２１７万人と約７０％を占めます。「中小企業が日本経済を支えている」と言われます。秩父にもたくさんの中小企業が大活躍をしています。中小企業の強さは、世界でその会社しかつくれないオンリーワンの製品を生産していることです。例えば、秩父市山田にある企業は、半導体の生産に欠かせないフォトマスクのリサイクル研磨で、世界シェア６０％とされるトップメーカーです。フォトマスクの研磨でも大手が入り込みづらいリサイクル研磨という特定の分野に絞り込んで技術を磨き上げたことが成功の秘密です。その他にも、秩父には、自動車部品・金庫の鍵・ＬＥＤ・ゴルフクラブシャフト・木材加工・成膜技術・電子部品など、世界的に有名な製品を生産する企業が数多く存在しています。世の中は激変する！イギリスのオックスフォード大学で AI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授は、１０年から２０年以内に人間が行う仕事の４７％が機械に奪われると衝撃的な予測をしています。ニューヨーク市立大学大学院のキャッシー・Ｎ・デビットソン教授は、現在１０歳の子どもの６５％は、大学卒業後、今は存在してない職業に就くと予測しています。これからは、急速に社会が変化していきます。鎖国によって西欧から３００年以上も遅れていた日本を、わずか数十年で遅れを取り戻したのが明治維新の大改革でした。それをリードしていった日本人には、底力がありました。底力は、自ら生涯勉強していくことで養われます。生涯学び続け、秩父を発展させようきいと秩父では、江戸時代半ばから生糸(まゆから引き出したままの長い糸で、加工をしていないものをいう)の生産が盛んになりました。鎖国が終わり、生糸が輸出されるようになってから秩父も生糸輸出に参加しました。世界につながる産業に秩父の人々は参加したのです。その頃、フランスでかいこは、まゆをつくる蚕が病気になりました。そこで、日本の生糸が一気に輸出されました。秩父はもともとフランス市場との結びつきが強く、輸出で産業が成長しました。秩父初の学校、大宮学校 (現・第一小学校)はフランスの援助で建てられました。フランスとの結びつきが強かったのです。秩父の子どもは、一生懸命に勉強し、埼玉を代表する教育の街となりました。大人は社会のために努力し、上記のような様々な産業が営まれるようになり、秩父市は発展してきました。これからの秩父市を創るのは生徒の皆さんです。皆さんは、高篠中学校で一流の中学生に成長し勉学に励んでいます。なぜ学ぶのかを再度考えてみてください。国語・数学・社会・理科・英語・音楽・美術・保健体育・技術・家庭・道徳・特別活動で基礎・基本をしっかりと身につけてください。そして、教科や領域の枠を取り払い、知識・技能を活用し、課題に対してよく考え・解決策や、新たなものを創造し、それを説明できる力を養ってください。皆さんには、必ず得意分野があります。高篠中学校で学んだことを生かして、秩父のために活躍してください。そっと教えます。それは、製造業が盛んな秩父市でもしかしたら実現できる情報です。自動車の製造は複雑で、１万点以上の部品を必要としますが、電気自動車の部品は、わずか１，０００点程度です。部品を各メーカーから調達して車体に組み込めば完成です。秩父市を電気自動車産業の街に変身することができるかもしれません。地方創生が日本の大きな課題です。秩父市を発展させれば、秩父市は世界の手本となるのです。 -3- 「朝のあいさつ運動」秩父地区更生保護女性会・保護司会の方々による「朝のあいさつ運動」が毎月第１火曜日に正門で行われています。「図書カードの寄贈」ありがとうございました更生保護女性会より図書カード1万円を寄贈していただきました。一流のあいさつ！ 3学年修学旅行スローガン「温故知新鐘が鳴るなり古都の寺」５月８日（金）～１０日（日）の３日間、３年生が奈良・京都の古都を巡る修学旅行に行ってきました。本校は修学旅行シーズン最初の列車となり、東京駅ホームで出発式を行うなど、歓迎を受けました。世界遺産の法隆寺、東大寺、清水寺等を全員で見学し、体調を崩す生徒もなく充実した有意義な修学旅行となりました。高篠中のブランド「一流のあいさつ」を京都でも行うことができ、よい思い出をつくることができました。記録を伸ばした通信陸上郡市予選５月１３日（水）、別所運動公園陸上競技場で通信陸上競技大会秩父郡市予選会が行われました。台風接近後の急激な暑さの中の記録会となりました。本校からは２１名の生徒が参加し、暑さに負けず、頑張りました。１年生の新井爽太さんは１年1500mで見事第１位となり、県大会に出場することになりました。また、多くの生徒が自己記録を更新するなど、最後まで諦めることなく頑張ってくれました。男子１年 1500m 共通 1500m ３年 100m 走幅跳女子１年 100m 第１位第６位第６位第８位第８位通信陸上予選結果２年 100m 第６位守屋珠里さん新井爽太さん３年 100m 第２位町田知穂さん（県大会出場） 800 ｍ第５位若林柚さん新井拓真さん第７位若林凜さん浅見柊斗さん 1500m 第２位関口世奈さん新井拓真さん第４位若林郁さん走幅跳第４位町田知穂さん中島藍里さん 100 ｍ× 4 リレー第8位６月の主な行事予定日１曜日月３水６８９土月火 10 12 水金予定衣替え全校朝会 SC 来校教育実習開始（音楽） 19 日まで秩教研教職員研修会 5 時間授業２カット耳鼻科検診英検生徒朝会生徒会専門員会あいさつ運動学総体陸上準備・予選会学総体陸上予選会１年校外学習（東京）ＰＴＡ小・中合同歓送迎会日 15 16 17 18 曜日月火水木 20 土 25 26 27 29 木金土月今月の本校敷地内の放射線量 ○地上より１ｍでの測定値を示す（μ Sv/h）校庭：０.０４９体育館入口：０.０５０予定学年朝会 SC 来校通信陸上県大会学校評議員会歯科健診救命救急法講習会（６校時）秩父地区硬筆展（ 21 日まで尾田蒔小）学総体予選会 (野球 ) 学総体予選会(球技・武道)給食なし学総体予選会 (球技・武道 ) 全校朝会 SC 来校（５／２９）校舎前記念樹付近：０.０６５ ※お知らせ交通遺児援護金制度の案内が来ています。援護金（10 万円）希望の方は担任に申し込んでください。 -4-