西ヨーロッパの中心 オランダ・リンブルフ州 1500 km 500 mln consumers 1000 km 220 mln consumers 500 km 160 mln consumers Limburg Province Blue Banana 図はヨーロッパに於ける経済活動領域を示していますが、ホワイトブルーで表示した所謂 「ブルー・バナナ・ゾーン」は、EU 内経済活動の75%が行われる地帯です。オランダはこの バナナ・ゾーンの中心部に位置しており、ロンドン、アムステルダム、ブリュッセル、パリ、フランクフルト、ミラノ等の 欧州ビジネス拠点に近接しています。そしてリンブルフ州は、まさにこの経済領域の核心部を占めています。 Limburg Profile in Japanese 1. <はじめに:400 年以上の歴史と伝統を有する日蘭交流> 日欧関係の中で日本とオランダの関係は極めてユニークです。何故ユニークかと言えば、西欧諸国の中でオランダ ほど長く日本との関係を保持している国は他にないからです。 10 余年前の 2000 年には日蘭交流 400 周年を記念して「未来に向けた 400 年」をテーマに、文化・経済・スポーツ・ 知的/人的交流等の多岐にわたり、各種記念行事が年間を通して日蘭両国で挙行されました。リンブルフ州の州都 マーストリヒトでも、同年 6 月に「Japanese-Dutch decision making in business」と題したミラーリング・コンセンサ ス・シンポジウムが多数の両国経済人が参加して 2 日間にわたり開催されました。 1600 年 4 月 19 日: オランダ船「リーフデ号」が九州に漂着 また、日本とオランダは同じ立憲君主国として両国の王室関係も大変密接であり、日独・日仏関係とは違った日蘭 関係を形成しています。17~18 世紀の時代とは異なり 21 世紀の今、日本にとってのヨーロッパの窓口は勿論オラン ダだけではありません。ただ、「小国オランダ」は小国ゆえに外国に対して極めてオープンであり、外国企業を受け入れる 国民一般の意識と投資環境が、「大国ドイツ・イギリス・フランス・イタリア」の場合とは一味ちがったニュアンスを持ってい ます。その意味で、日本企業の皆様方が欧州ビジネスの更なる発展を目指して様々な戦略を検討される際のご参考 となることを願って、オランダ(特にリンブルフ州)の事情をご紹介申し上げる次第です。 Limburg Profile in Japanese 2. <リンブルフ州の概況> リンブルフはオランダの最も南にある州で、その面積は 2,200km2 で、オランダの総国土面積の 5.3% に相当します。州都はマーストリヒトです。リンブルフ州は東にドイツと国境を接し、西及び南では ベルギーと国境を接しています。北ではブラバント州とゲルダーラント州に接しています。リンブル フ州内を 160km にわたって南北に流れるマース河は、ロッテルダム港への直結航路を形成しており、 また運河を通じてアントワープ港にも連結しています。下表は州都マーストリヒトからの欧州主要都 市への距離を表示したものですが、リンブルフ州が西ヨーロッパの中央部に位置していることをよく 示しています。 マーストリヒトから欧州主要都市に至る距離(陸路) 都市名 距離(km) 都市名 距離(km) アムステルダム 210 ベルリン 665 ロッテルダム 200 ミュンヒェン 675 ブリュッセル 110 ルクセンブルク 200 アントワープ 110 パリ 400 ケルン 105 ロンドン 425 デュッセルドルフ 115 ジュネーヴ 700 フランクフルト 290 プラハ 750 Limburg Profile in Japanese 3. ☆ リンブルフ州の主要な社会経済指標 指標 人口(2014 年 1 月) リンブルフ オランダ 1,120,015 人 16,826,225 人 508,000 人 7,894,000 人 失業率(2014 年 1 月) 8.6% 8.6% 経済成長率(2013) -1.0% -1.0% 労働力総数 平均可処分所得 32,400 EUR 34,300 EUR (出典:CBS,CWI) ☆リンブルフ州人口の多元性 リンブルフ州の人口構成は多元的で、45 ヶ国以上の出身者がこの州で生活しています。州総人口の 5%が外国 人で、5 万人を上回っています。下図はその国別構成を示しています。リンブルク州でのこうした多文化共存状況が、 グローバル経済下でのビジネス活動にとって重要なメリットとなっています。 リンブルク州人口の多元的構成 (州内在住外国人の出身国別構成 2012:総数 55,500 人) (出典:Central Bureau of Statistics) ☆地域経済 リンブルフ州の経済構造は歴史的に見て常に製造業が主体でした。19 世紀におけるオランダでの工業化はマースト リヒトで始まりました。20 世紀の 90 年代後半になって、商業や健康管理の分野を中心に急速にサービス社会への移 行が進展しました。しかしながら、雇用構造で見る限り、リンブルフは依然としてオランダで最も製造業の割合が高い州 です。 Limburg Profile in Japanese 4. ☆労働市場 リンブルフ州の労働力は教育水準の高い労働力です。高等教育修了者の割合は重要です。中等教育水準を有 する労働力の割合は、オランダ全体の割合とほぼ同等です。 教育水準別に見たリンブルフ州の総労働力2010 (単位:千人) 地域 合計 初等教育 リンブルフ州 506 128 25,3% 228 45,1% 146 28,9% リンブルフ北部 131 35 26,7% 63 48,1% 32 24,4% リンブルフ中部 109 25 22,9% 51 46,8% 33 30,3% リンブルフ南部 265 68 25,7% 113 42,6% 80 30,2% 7.811 1.768 22,6% 3.315 42,4% 2.659 34,0% オランダ 中等教育 高等教育 (出典:Central Bureau of Statistics) リンブルフ州及びオランダに於ける失業率の推移(2002-2011) (単位:%) 地域 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 リンブルフ州 5.1 6.0 7.5 7.5 6.4 5.7 4.6 5.9 5.9 6.9 オランダ 4.1 5.4 6.5 6.5 5.5 4.5 3.8 4.8 5.2 6.1 (出典:CBS) ☆賃金と労働条件 <賃金> オランダの大部分の産業で、賃金は全ての労働条件を規定する集団的労働協約によって規定されており、当該産 業全体に適用されます。賃金に関する集団的協約は通常経営者団体と労働組合との間の団体交渉によって決定 され、通常毎年更新されます。労働組合への加入は任意であり、現在のところ労働組合の組織率は全勤労者のわず か 25%弱にすぎません。 賃金構成は 23 歳以上の勤労者の法定最低賃金がベ-スとなっており、その 2012 年 7 月 1 日現在における法定最 低賃金(グロス)は月額 1,456.20 ユーロ、または週額 336.05 ユーロです。23 歳未満(15~22 歳)の勤労者に対しては上 記の額の 30~85%で、年齢により次頁の表の様に規定されています。 Limburg Profile in Japanese 5. オランダに於ける法定最低賃金(2012 年 7 月 1 日現在) 年齢 最低賃金の割合 月額(ユーロ) 週額(ユーロ) 日額(ユーロ) ≧23 100% 1,456.20 336.05 67.21 22 85% 1,237.75 285.65 57.13 21 72.5% 1,055.75 243.65 48.73 20 61.5% 895.55 206.65 41.33 19 52.5% 754.50 176.45 35.29 18 45.5% 662.55 152.90 30.58 17 39.5% 575.20 132.75 26.55 16 34.5% 502.40 115.95 23.19 15 30% 436.85 100.80 20.16 (出典:Ministry of Social Affairs) <労働組合> ストライキにより失った労働日数に関して、オランダは欧州及びその他の西側諸国の中でベスト記録を有する国の1つ です。それは主として労働組合と経営者団体との関係が良好だからです。 <労働時間> 労働時間については、業種により最多労働時間が異なりますが、現在の通常の週当り労働時間は36~40時間 です。1996 年 1 月 1 日の「労働時間に関する法令(The Working Hours Act and the Working Hours Decree)」によ りますと、1 日当りの最多労働時間は 9 時間、週当りの最多労働時間は 45 時間です。また、13 週間内の最多労働 時間は 520 時間と規定されています。雇用主は必要によっては被用者に1シフト当り 11 時間、1 週間当り 54 時間ま での残業を要請することが出来ますが、13 週間内の労働時間が 520 時間を超えることは許されません。有給の年次 休暇日数は、週 5 日制の場合は最低 20 日と法令で規定されていますが、オランダでの通常の休暇日数は 23~26 日です。 ☆教育環境 リンブルフ州には高度な専門的教育を行ういくつかの大学と学術機関があるほか、当地域在住の外国駐在 員の子女のためのインターナショナル・スクールがいくつかあります。託児所や保育所も整っており、インターナショ ナルプレスクールでは2歳児からの受け入れもあります。マーストリヒトには日本人補習校もございます。 <高等教育・職業教育> <Maastricht University(マーストリヒト総合大学)> (www.unimaas.nl) マーストリヒト大学では 11,500 人以上の学生が学んでおり、そのうち 3,500 人は世界 70 ヶ国からの留学生です。ヨ ーロッパの中心部に位置していることから英語が重要視され、大部分の教育プログラムは英語で実施されます。教育 プログラムは芸術及び心理学、経済学及び経営学、衛生学、医学及び生命工学、法学と多岐にわたっています。ま た、マーストリヒト大学の分校として以下の様な各種学校があり、英語での授業で地域在住の若者達をサポートして います: Limburg Profile in Japanese 6. ・Maastricht ICT Competence Centre MICC ・Maastricht Graduate School of Governance ・School of Health Professions Education ・University Maastricht Business School <Hogeschool Zuyd in Heerlen, Sittard and Maastricht> (www.hszuyd.nl) 高度な専門教育を行うこの大学では、13,500 人以上の学生(その内 1,900 人は外国人学生)が、健康管理、エ ンジニアリングとテクノロジー、応用経営学、教育学、経済学、言語とコミュニケーション等の分野で学んでいます。また、 この大学の分校として Maastricht School of Translation and Interpreting という外国語科があり、オランダで はめずらしい日本語科も含まれています。全体で約 650 名の学生が通訳・翻訳の勉学に専念しています。 <Fontys Hogeschool in Venlo> (www.fontys.nl/fthv) フェンロにあるこの大学も高度な専門教育を行っており、1,100 名の学生が機械工学、電子工学、メカトロニカル・エ ンジニアリング、ソフトウェア工学、業務管理、国際ビジネス経済学等を学んでいます。学生の半数はドイツ人です。 <National Academy for Transport and Logistics> (www.fontys.nl/logistics) これはフェンロにある Fontys Hogeschool の分校で、ロジスティックとトランスポート分野に特化した次の 3 つの教育 プログラムを提供しています: ・Logistics and supply chain management ・Logistics and economics ・European course in Logistics Management 約 400 人の学生がこのアカデミーで学んでいます。 <Rheinisch-Westfälische Technische Hochschule RWTH in Aachen> (アーヘン工科大学) (www.rwth-aachen.de) ヘーレンからわずか 20km のドイツの都市アーヘンにあるアーヘン工科大学は、世界で5指のうちに入るトップクラスの 工科大学です。30,000 人以上の学生(その内 5,600 人は外国人学生)が学んでおり、毎年 2,300 人の工学士を 実社会に送り出しています。 主要科目は:数学、コンピュータ工学と自然科学、機械工学、電子工学、材料工学、情報工学、経営・経済学、 医学、芸術及び人文科学。 <TU Eindhoven(アイントホーフェン工科大学)> (www.tue.nl) フェンロの西 50kmのアイントホーフェンにある工科大学は、オランダ及びヨーロッパでトップクラスの工科大学であり、 7,200 人以上の学生(そのうち 500 人は外国人学生)が学んでいます。ここでは電子工学、機械工学、数学、コンピ ュータ科学、応用物理学、技術管理、工業デザインの分野の学士を養成します。 Limburg Profile in Japanese 7. <Senior vocational education (職業教育)> リンブルフ州内の主要都市では専門的教育機関による職業教育が行われています。その中心は Leeuwenborgh Education、Arcus College 及び Gilde Education で、合わせて約 30,000 人の学生が学んでいます。 <初等・中等教育> リンブルフ地域に在住する外国人駐在員の子女が通学できるインターナショナル・スクールとして以下の様な学校が あり、英語または各国母国語による初等・中等教育が行われています。 ・ The Maastricht Japanese Supplementary School(マーストリヒト日本人補習校) (http://sites.google.com/site/mjsschool) 詳細については LIOF にお問い合わせください ・ United World College Maastricht 小・中・高等学校、英語 (www.uwc-maastricht.com) ・ Porta Mosana College in Maastricht 中・高等学校、英語/オランダ語バイリンガル ・ Charlemagne College in Landgraaf 高等学校、英語/オランダ語バイリンガル (www.charlemagnecollege.nl) ・ Chinese Schools in Heerlen, Maastricht and Venlo ( 中 国 語 に よ る 土 曜 学 校 ) (www.chineesonderwijs.nl) ・ 他言語の多人数グループの子供達には母国語による補習クラス設置の可能性もあります。 Limburg Profile in Japanese 8. <インフラストラクチャー> リンブルフ州は、欧州の主要な輸送ルートが交差する地点に位置しており、その交差点機能はオランダの他州を凌 駕しています。インターナショナル自動車道と鉄道路線がリンブルフ州を横切っており、それらがオランダの西部諸州とド イツのライン・ルール工業地域及び中部ヨーロッパとを結びつけています。内陸水運はマース河とユリアナ運河を通じてロ ッテルダム/アントワープ両港に連結しています。こうした優れたインフラとそのロジスティック連結機能はリンブルフを 「Gateway to Europe(ヨーロッパへの玄関口)」と成長させ、ビジネス、流通上の最適な拠点として注目されています。 Limburg Profile in Japanese 9. ☆ 国際高速道路網 リンブルフ州は、ヨーロッパ域内道路輸送の東西及び南北双方向の国際的要所です。優れたインフラを 備え、西ヨーロッパの主要市場に近接していることから、リンブルフ州には多くの3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)業者 や運輸会社が拠点を有しており、そこから欧州物流センターをオペレートしています。しかも DHL、TNT、UPS 等の 国際的大手運輸会社が軒を並べています。 ☆ 航空輸送網 マーストリヒト・アーヘン空港(MAA:www.maa.nl)はマーストリヒトにある国際空港で、2004 年にオランダでの完全 民営化空港第 1 号となりました。MAA はオランダでスキポール空港に次ぐ長い滑走路(2,500m)を持った空港です。 MAA 空港の他にいくつかの国際空港がアクセス時間の許容範囲内に位置しています。これにより利便性に優れ、世界 各地へのアクセスを可能にしています。 <リンブルフに近い国際空港一覧> リージュ空港 25km 95km ブリュッセル空港 ブリュッセル南シャルロイ空港 130km アムステルダム・スキポール 210km フランクフルト空港 290km デュッセルドルフ空港 110km ケルン・ボン空港 120km ☆ 鉄道輸送網 リンブルフ州は鉄道による貨物及び旅客輸送の面でも優れた接続網を有しています。マーストリヒトからの旅客は ICE、TGV(フランス新幹線)、Eurostar(英仏海峡経由ロンドン-パリ特急)、Thalys 等の国際高速列車網を利 用することができます。 マーストリヒトから欧州主要都市への平均的列車所要時間 リンブルフからの行き先 所要時間 リンブルフからの行き先 所要時間 アムステルダム 2:30 ハンブルク 6:00 ブリュッセル 1:20 ベルリン 6:15 ケルン 2:10 ミュンヒェン 7:00 デュッセルドルフ 2:15 パリ 3:00 フランクフルト 3:30 ロンドン 4:00 ☆ 内陸水運とコンテナ・ターミナル リンブルフ州は航空貨物や道路輸送に加えて、大規模な内陸水運施設をも備えています。マース河といくつかの運 河を経由して、リンブルフはロッテルダムやアムステルダムのシーポート(港湾)に接続しています。マース河川港にはいくつ かのコンテナ・ターミナルがあります。 ・ ボルンの運送船及び列車ターミナル(www.waalhaven-group.nl/bargeborn) ・ フェンロのトリモーダル・コンテナ・ターミナル(www.ect.nl) Limburg Profile in Japanese 10. <投資助成制度> 外国企業にとって魅力的な投資助成制度は、一般に次の 4 つのグループに区分することができます。 ・ 研究開発投資 ・ 環境関連投資 ・ スクーリング/トレーニングと雇用 ・ 外国人のための優遇税制 ☆ 研究開発投資(WBSO) オランダ政府による助成措置 WBSO は、R&D(研究・開発)に従事する者の人件費に対する補助金制度で、 R&D の促進を目指すものです。それによると、R&D に従事する者の人件費が年間 110,000 ユーロ以内の場合には、 その 42%が補助金として支給され、限度額を超える人件費についてはその14%が補助金として雇用主に支給されま す。(但し、1 社当りの年間限度額:14 百万ユーロ) ☆ 環境関連投資(EIA) 省エネ設備投資特別控除制度(EIA:Energy Investment Allowance)は特に指定されたエネルギー節約設 備に対する投資コストが課税対象利益から控除される優遇措置です。この措置は企業に財政的メリットをもたらすも ので、エネルギー節約設備及び代替エネルギー源に対する投資額の 41.5%が、年額 118 百万ユーロを限度として、 税引き前利益から控除されます。 ☆ スクーリング・トレーニング及び雇用 企業に刺激となるいくつかの教育及び雇用に関連した政府助成制度がありますが、その大部分は雇用市場で不 利な状況にあり、職場を獲得するのに支援を必要としている人々を主たる対象にしています。その他の制度は、失業 している人々または失業しそうな人々の雇用を促進しようとするものです。 ☆ 外国人のための優遇税制(30%特別控除規定) オランダには個人所得税の算定に関して、外国からの派遣社員のための 8 年間にわたるいわゆる「30%特別控除 規定」があり、それが外国企業にとってオランダへの拠点進出の大きな魅力の 1 つとなっています。一定期間オランダに 派遣された外国人社員の所得税算定に際し、給与所得の 30%相当額が非課税所得とみなされ特別控除されま す。これは外国での生活に要する特別コストに対する助成制度で、インターナショナル・スクールでの子女の教育費は 特別コストとして年間課税対象所得から控除することができますし、移転費用も一定限度まで控除対象となります。 この規定によれば、外国人社員の給与所得の 70%だけが所得税の課税対象となります。しかも、オランダ財務省は 対象所得を「現有雇用関係による給与所得」と明示していますので、期末賞与やストック・オプションも 30%の控除 対象となります。但し、退職金や年金支給額は対象外です。 30%規定が適用されるためには、以下の条件が満たされていなければなりません: ・ 当該社員がオランダの労働市場では調達不能かまたは不足している特別の資質を有しているということを、雇用 主が十分説明し得る状況であること。 ・ 当該社員は外国から募集された社員であること。 Limburg Profile in Japanese 11. ・ 雇用主はオランダの所得税源泉徴収者であること。 雇用主がオランダ居住法人(オランダ企業または外国企業の現地法人)の場合には、通常この条件は満たされていま す。雇用主が非居住法人の場合には、雇用主はオランダでの業務に従事する社員の給与明細をオランダ税務当局 に提示し、所得税の源泉徴収者であることを認定してもらう必要があります。 30%控除規定の申請手続きは、当該社員のオランダ入国後 4 ヶ月以内に行わなければなりません。申請手続きが 4 ヶ月以内になされなかった場合、30%控除規定は申請手続きが行われた翌月の初日からの適用となります。雇用主 と被雇用者が共同で作成する申請書類は、リンブルフ州のヘーレン(Heerlen)にある税務当局で保管されます。手 続きに関しては、LIOF が貴社のお手伝いをいたします。 Limburg Profile in Japanese 12. <税制と税制上の特典> オランダに於ける税金は中央政府が徴収する国税が中心ですが、オランダ税制の主要点は以下の通 りです: ・ オランダの魅力を拡大すべく適宜様々な法改正が行われています ・ 法人税率 : 25% ・ 資本参加所得に対する免税措置 ・ 利子及びロイヤリティーに対する源泉課税はありません ・ 配当に対する源泉課税税率は 25%から 15%に引き下げ。ただし、2012 年 1 月発効の新日蘭租税条約 のもとで、日本の親会社(50%以上)への配当については源泉徴収税率が 0%になりました。50%以下の持 ち分の場合も軽減されています。 ・ 2006 年 1 月 1 日以降資本税廃止:株式資本に対する課税廃止により、譲渡や増資 が容易になります ・ 諸外国との広範な租税協定のネットワーク(約 92 協定) ・ 事前税務裁定制度 ・ 外国人社員に対する優遇税制(30%特別控除) ☆ 法人税 近年 OECD 加盟国の多くで法人税税率引き下げの動きがありました。そうした流れの中で、オランダの法人税税率 も引き下げられ、税率は最初の課税対象所得 200,000 ユーロに対しては 20%、200,000 ユーロ以上の所得に対し ては 25.0%です。下表は EU 主要国の法人税率を示しています。 国 税率 国 税率 アイルランド 12.5% スウェーデン 26.3% フィンランド 24.5% ルクセンブルク 28.8% オランダ 25.0% ドイツ 29.48% オーストリア 25.0% スペイン 30.0% デンマーク 25.0% イタリア 31.4% ポルトガル 25.0% フランス 33.33% イギリス 26.0% ベルギー 33.99% (出典:OECD, 2012) 注)税率の低さが必ずしも税負担の少ないことを意味しません。税率は実効税率による実際の税負担を加味して考えねばなりません。 それに、ある項目の税率引き下げはしばしば他の項目の税率引上げを引き起こします。 ☆ 付加価値税(VAT) オランダでの VAT 税率は現在 21%で、大部分の商品及びサービスに対して適用されます。また 6%の軽減税率が あり、原則として食料品、書籍及び新聞、医療、新聞広告、旅客運送、ホテル宿泊に適用されます。商品の輸出時 の税率は 0%で、特定のサービス輸出も同様ですが、一定の手続きが必要です。手続きは EU 加盟国への商品輸 出か第 3 国への輸出かによって異なります。 Limburg Profile in Japanese 13. EU 加盟国の VAT 税率(2012) 国 VAT VAT 国 VAT ルクセンブルク 15.0% イギリス 20.0% ギリシャ 23.0% スペイン 18.0% イタリア 21.0% アイルランド 23.0% ドイツ 19.0% オランダ 21.0% ポルトガル 23.0% フランス 19.6% ベルギー 21.0% デンマーク 25.0% オーストリア 20.0% フィンランド 23.0% スウェーデン 25.0% 国 (新規加盟国) キプロス 15.0% エストニア 20.0% ラトビア 22.0% マルタ 18.0% スロバキア 20.0% ポーランド 23.0% ブルガリア 20.0% スロベニア 20.0% ルーマニア 24.0% リトアニア 21.0% チェコ共和国 20.0% ハンガリー 27.0% オランダに於ける間接税(関税・VAT)に関する重要なメリットは以下の通りです: ・ VAT 納税猶予制度:ライセンスがあれば、輸入品に対する VAT(関税)の即時納税が猶予されます。納税は一定 の VAT 清算期日まで延期され、支払済み VAT と相殺されます(それによって資金繰りの不利が解消されます)。 ・ オランダの税関当局は規則に対して寛大な姿勢を有しています(分類、原産地、価額等についてうるさい要求をしません)。 ・ オランダ税関には Single European Authorisation(SEA)を達成するためのタスクフォースがあります。SEA により 企業は1ヶ所の税関ライセンスで複数の EU 加盟国に保税倉庫を保持することができます。 ・ オランダの税関当局は、VAT の適用や税関申告を透明かつ客観的に実施します。 ☆ 税制上の特典 <資本参加所得に対する免税措置> オランダ国内及び国外で 5%以上の資本参加をした居住法人が受け取る配当は法人税を免除されます。更に、そ の参加資本の一部または全部を処分することによって得たキャピタルゲインも法人税を免除されます。この免税措置は オランダの法人税規定の中で最も重要な条項の 1 つです。 <二重課税の回避> 「二重課税回避のための片務協定(Unilateral Decree for the Avoidance of Double Taxation)」による二 重課税回避は、通常、全世界所得に対するオランダの法人税を否定して外国税を優先させるものではありません。そ のかわり、外国からの所得に対するオランダの法人税には、たとえ外国税が極めて低率ないしはゼロであっても、免税が 認められています。 <事前税務裁定制度> 事前税務裁定制度はオランダの税法で最も魅力的な点の 1 つです。これは言わば税務当局と納税者との間の事 前協定で、税務当局が様々な観点から納税者の税務上の状況をきちんと把握するためのものです。オランダ政府が この制度で目指していることは、外国投資家に対してそのオランダに於ける税務上の将来的ポジションを確実にするこ とによって、彼等をオランダに引き寄せることにあります。 Limburg Profile in Japanese 14. <リンブルフ州の外国企業> リンブルフ州には 500 社以上の外国企業が進出しており、45,000 人がそれら外国企業で働いていま す。進出形態は様々で、製造拠点、マーケティング・セールス事務所、R & D センターから欧州配送セ ンター、欧州統括会社にまで及びます。 リンブルフ州の日本企業一覧 (所在地のアルファベット順) 会社名 業務内容/取扱い製品 所在地 株式会社クボタ Kubota Corporation EDC ミニ・ショベル Born 昭和鉛鉄 S.P.F. Europe 高級耐食性金属機器 Heerlen 日本カーバイト Nippon Carbide 営業倉庫 Heerlen 神戸製鋼 Kobelco Welding Europe 溶接部品製造・販売 Heerlen 三井物産/大日精化(合弁) Plalloy MTD プラスチック合成・着色 Kerkrade イーグル工業株式会社 Simrax 自動車シール Kerkrade 帝京大学 Teikyo Europe メディカルセンター・学校 Maastricht KYB(カヤバ工業) KYB Europe 油圧機器製造・販売 Roermond 積水アルヴィオ Sekisui Alveo PVC 発泡剤製造・販売 Roermond 積水樹脂 Sekisui Jushi プラスチック包装材 Roermond 積水エスロン Sekisui Eslon PVC 建材 Roermond 積水エスレック Sekisui S-Lec 安全グラス用 プラスチックフィルム Roermond オーバル OVAL Europe 計測機器 Roermond 三菱自動車/三光合成 Mitsubishi Motors Europe 自動車部品製造・販売 Sittard 三菱重工 Mitsubishi Heavy Industries エアコン Sittard キャノン Canon-Océ 複写機の製造・販売 Venlo 信越ポリマー Shin Etsu Polymer Europe ゴム製キーパッド製造 Venlo パール Pearl Music Europe 楽器 Venlo ニチレイ Eurofrigo 冷凍食品の貯蔵・配送 Venlo 帝人化成 Teijin Chemical CD 用ポリカーボネイト Venlo IHI グループ Hauzer Technocoating PVD コーティング装置 Venlo 富士ゼロックス FX Global Supply Solutions ロジスティック Venray 図研 Zuken ソフト Weert ARRK SPG 自動車金型・プロトタイピング Weert Limburg Profile in Japanese 15. A Sekisui Company Limburg Profile in Japanese 16. リンブルフ州投資・開発公社(LIOF) LIOF は貴社の欧州進出に際しての最良のパートナー Expand your business in Limburg with LIOF <主な活動内容> ・外資企業の誘致 ・ベンチャー・キャピタル基金を活用した革新的でかつ潜在的可能性の高い プロジェクトへの参画 ・ビジネスパークの開発/整備事業の組織と運営 ・既存企業の革新的プロジェクトとナレッジマネージメントの奨励 <提供するサービス内容> ・各種統計及び経済・金融情報に関する最新データの準備 ・政府施策や税制に関する問い合わせに対する回答 ・実態調査や拠点候補地の評価スタディに際しての視察旅行のアレンジ ・貴社の投資コスト・操業コストの算定や資金計画の策定に関するお手伝い ・既存企業の拠点拡張 Limburg Development and Investment Company Foreign Investment Department P.O. Box 1310 6201 BH Maastricht The Netherlands Tel. +31(0)43 3280280 www.liof.com Limburg Profile in Japanese 17.
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