日本 藻 類 学 会 日本藻類学会 は 1 952年に 設立さ れ,議学 に関心をもち,本会の趣旨に 賛 同する個人及び団体の会員からなる 。本会は定期刊 行物 P h y c o lo gi c alRe s e ar c h( 英文誌)を年 4巨1 ,r 部類 J (和文誌)を年 3巨│ 刊行し ,会員に無料で頒布する 。普通会員は本年 , 00 0円 (学生 は 5, 000円) を前納するものとする 。団体会員の会費 は 1 5, 000円,賛助会員の会費 は l口 3 0, 000 度の年会費 8 円とする 。 問い合わせ,連絡先 : 578501 神戸市灘区六 甲台町 1 -1 神戸大学内海域環境教育研究セン ター (庶務)〒 6 羽生田岳│ 自 T el 0788 0 35781 Fax0 7 8 8 0 3 5 7 81 E-m a l iha n yu t@ko b e -u. a c . j p (会員事務担当:入退会,住所変更,会費)干 91 7 0 0 0 3 小浜市学園 I U J1 -1 福井県立大学生物資源学部海洋生物資源学科 Tel0 7 7 0 5 2 9 6 ο 6 Fax0 7 7 0 5 2 6 0 0 3 E -ma ilmkamiya@fpu. a c. j p 神谷充伸 (海外担当)〒 9 2 0 1 192 金沢市角間町 金沢大学理学部生物学科 Tel 07626 4 -5705 Fax0762 6 4 5 9 7 6 E -ma i li s h ida@ken r oku. k anazawa u. a c . j p 石田健一郎 (広報担当)〒 0 6 0 0 8 1 0 北海道札幌市北区北 1 0条西 8丁 目 北海道大学先端科学技術共 同研究セ ンタ ー j 属田智 Tel OI I7 0 6 3 5 81 Fax01 17 2 6 3 4 7 6 E-mむ1s sh imada@sci . hoku d ai . a c . j p (会計)干 6 588501 神戸市東灘区岡本 8 91 甲南大学理工学部生物学科 本多大輔 Tel 078435 -251 5 Fax07843 5 2 51 5 E-m a l idhon da@kona n u. ac. j p 和文誌『藻類」への投稿:干 3 050005 つくば市天久保 4 -1 1 国立科学博物館植物研究部 Tel 0 2 9 8 5 3 8 9 75 Fax0298 5 3 8 4 01 Emal ik i t a y ama@k aha k l. go . j p 英文誌 P h y c o l o g i c a lR e s e a r c hへの投稿 :〒 7 808 5 2 0 高知市!曜日町 25 1 高知大学理学部自然環境学科 l& Fax0888 4 4 8 3 1 4 E -ma l iok [email protected] il I. a c. j p 奥田一雄 Te 北山太樹 │日本藻類学会ホームページ http://wwwsoc.ni . i acjp/jsp/Welcome.htm 20052006年役 員 会 I井浩史 ( 神戸大学) 長 :} 和文誌編集委員会 委 員 長 :北山太 樹 ( 国立科学博物館) 間u(筑波大学) 庶務 幹 事 :羽生田岳昭(神戸大学) 副委員長 :中山 福井県立大学) ( 会員事務担当 ) 庶務幹事 :神谷充件I ( 実行委員 :出井雅彦 ( 文教大学) 金沢大学) (海外担当) 庶務幹事 :石 田健一郎 ( 大野正夫 ( 高知大学) 庶務幹事 :属 田 長 岡敬五(日本歯科大学) 智 (北海道大学) ( 広報担当 ) 会計 幹事 :本多大輔(甲 南大学) 神谷充仲(福井県立大学) 評 議 員 :鯵坂哲朗 ( 京都大学) 倉島彰 ( 三重大学) 出井雅彦 (文教大学) 洲崎敏伸(神戸大学) 井 上 勲 ( 筑 波 大学) 瀧下清貴 (海洋研究開発 機構) 京都大学) 今井一郎 ( 田中次郎(東京海洋大学) 大 城 香 ( 福 井 県立大学) 寺脇利信 ( 水産総合研究センタ ー) i ; l( 高知大学) 奥田一 1 長盟千香子 (北海道大学) 梶原忠彦(山口大学) 南雲保 ( 日 本歯科大学) 川口 栄男(九州大学) 新山優子 倉島彰 ( 三重大学) 前川行幸 ( 三重大学) │ 嵯l 峨直恒(北海道大学) 南雲保(日本歯科大学) 村上明男 ( 神戸大学) 委 員 :井 上 勲 ( 筑 波 大 学 ) 野呂忠秀(鹿児島大学) 京都大学) 今井一郎 ( 原 慶 明 ( 山 形 大学) 岡崎恵視 ( 東京学芸大学) 藤田大介(東京海洋大学) 東北大学) 片岡 │ 専尚 ( 堀口健雄(北海道大学) 藤田雄二 ( 長崎大学) 前川行幸 ( 三重大学) 堀口健雄(北海道大学) 吉崎 誠 ( 東 邦 大学) 横浜康継 ( 志津川町 自然環境活用センタ ー) 波治 信 (筑波大学) 日本藻類学会第 3 1回大会のお知らせ 一神戸・ 20071 . 日程 2 007年 3月 23日(金):編集委員会 ・評議員会 3月 24日(土):口頭発表 ・ポスタ ー発表 ・ 5 . 参加申込票の送付先(郵送, FAXの場合) 〒6 5 785 0 1 神戸市灘区六甲台 町 1 1 神戸大学内海域環境教育研究センタ ー内 総会 ・懇親会 日本寵類学会第 3 1回大会実行委員会宛 F a x :0788 035 781 3月 25日(日):口頭発表 ・ポスタ ー発表 ・ 藻類学最前線 ワークショップ [参考 ]第 四 回国際海藻シンポジウム(l9 t hI S S)が 2007 6 . 編集委員会および評議員会 年 3月 2 6日 3 1日の日 程で神戸国際会議場 ( 神戸 007年 3月 23日 (金) 1 5: 0 0- 1 6 : 3 0 編集委員会 :2 市ポ ー トアイランド)で開催されます。詳細 につい 1 6 :3 0- 1 8 :00 会 場 :神戸大学理学部 C棟 C -509 (神戸市灘区六甲台町 1 1 ) 連 絡 先 Phon e / F a x: 078 8035781 (川井 ・羽生田) 評議員会 : 叩: / /www. h4. dion. ne.jp/~jsaweb/i ss2007 / ては h i s s 1 9 _s e c o n d c i r ja p. pd fをご参照くだ さい。 同 2.会場(図 1) 大 会:神戸大学理学部(神戸大学六 甲台地区 文理農 キャ ンノ号ス) 懇親会 :神戸大学生協 LAN SBOX (神戸大学六甲台地区 文理農キャンパス) 干 6 5 78 50 1 神戸市灘区六甲台IlI J1 1 7 r 藻類学最前線ワークショップJ (全体世話人:石田健 一郎・河地正伸) 寵類学に関わる最新の知見や技術を学会内外からいち 早 く導入 し,会員の研究および知識の レベル アップを図 るとともに ,学会から 社会や他研究分野へ向けて 藻類学 に│ 却する情報を発信すること目的として,大会期間中に 3 . 参加費 000円 (学生 3, 000円) 大会参加費 :5, 懇 親 会 費 :6, 000円(学生 4, 000円) 会貝を対象としたワ ー クショップを開催します。ふるっ てご参加ください。 007年 3月 25日(日)夕方から夜にかけて 日 時: 2 約 2時間半の予定(詳細な時間は大会の詳細なプ ログラ 4 . 参加および発表申し込み ( 1 )大会参加者は発表の有無または共同発表者の有無に 関わらず,参加申込票に必要事項を記入し,電子メ ー ムが確定後速やかにお知らせします)。 コース:今回は以下の 2コースを並行して実施します。 参加は日 本藻類学会員に限ります。 ルまたは郵送にてお申し込み下さい。参加申込票は藻 類学会のホ ームペ ー ジ ( h仕p :/ / w w w s o c . n i i . a c. j p 心s p / 最新!分子系統解析法 J (講義形式) ワークショップ A r co me. h t m ) か らダ ウンロ ー ドし,所定の事項を WeJ 世話ー人:稲垣祐司(筑波大学) 記入し ,添付書類とし て送信するか(宛先 j sp@por . t 諮 師: 稲垣祐司,坂口 美亜子(筑波大学 ・ 生命環境科学) ko be -u. a cj .p ),本誌綴じ込みの参加申込票に必要事項 を記入し,郵送または FAXにて下記の大会実行委員 内 容 : 分子系統解析は部類学や原生生物学 には不可 欠のテク ニ ックです。 しかし,コンピュ ーター画面を 会へお送り下さい。 ( 2 )研究発表される方(演者のみ)は,下記の要領で発表 ク リックするだけでは,正確な系統推定を行う ことは できません。本ワ ー クショップでは,分子系統解析に 要旨の原稿を大会実行委員会宛にお送り下さい。会場 おけるア ーティファクトの実例をもとに,解析中にど およびプログラム上の制約から,大会実行委員会の判 のような点に配慮すべきかを解説 します。 断でポスタ ー発表への変更を 依頼する 場合が生 じるか もしれません。 その場合 はご協力をお願いします。 ワークショップ B rONAを用いた藻類の集団解析ー海 ( 3 ) 大会参加費,懇親会費は本誌綴じ込みま たは郵便局備 藻 ・アオコ・赤潮研究の最前線一 J (シンポジウム形式) え付けの郵便振替用紙を使って送金してください。 世話人:河地正伸(国立環境研) 1回大会実行委員会 振込先 :日本謀類学会第 3 講 口座番号 :0 09405 -2244 58 ( 4 ) 参加申込票の送付および送金の締切は 2 007年 1月 1 5 日(月 ) [必着 ] ,発表要旨原稿送付の締切は 1月 2 4日(水) [必着 ]です。 師:田辺雄彦(国立環境研 ・生物園環境研究領域), 土井進也 (神戸大 ・内海域セ),長井敏(瀬戸内海区水 研・ 赤潮環境部) 内 容 :扱う研究材料と集団解析に用いた分子マーカーは 三者三様ですが,多数の検体と詳細な解析データをもとに 得られた興味深い研究成果についてご紹介いただきます。 8 . 問い合せ先 〒6 5 7 8 5 0 1 神戸市灘区六甲台町 1 ・1 神戸大学内海域環境教育研究センター内 日本藻類学会第 3 1回大会実行委員会 川井浩史,洲崎敏伸,三村徹郎,本多大輔,羽生田岳昭, 田辺祥子 E m a i l :j s p @ p o 此k o b e u .釦 . j p P h o n e l F a x :0 7 8 8 0 3・5 7 8 1O l!井・羽生田) 9 . 会場までの突通・宿泊 神戸大学理学部は神戸市の東側(大阪と神戸の間)に 位置する六甲台地区の文理農学部キャンパスにあります。 最寄りの駅は阪急「六甲」または JRr 六甲道」で,何れ の駅からも神戸市パス 36系統「鶴甲団地 j o rr 鶴甲 2 丁目止り」行きが利用できます ( h 句 : l I w w w . c i t y . k o b e . j p / c i t y o f f i c e / 5 4 / 0 2 0 1 出1 e l k e i 0 3 6 . h t m ) 。阪急「六甲」か らは徒歩 1 0 1 5分(ずっと登りです)です。このパスは 多くの便は阪神電車「阪神御影」が始発ですので,やや 時聞はかかりますが阪神電車を利用することも可能です。 なお神戸へは東京方面から新幹線利用の場合,「新神戸」 で下車するよりは「新大阪」で下車し, J R在来線(快速) を利用し,「六甲道」を経由する方が便利な場合がありま す ( r 新神戸」からの神戸市バス 2系統は神戸大学のキャ ンパスを通らずに「阪急六甲」へ向かいます)。航空機利 用の場合は、神戸空港または伊丹空港(大阪国際空港) が便利です。なお、神戸大学への交通案内と文理農学部 キャンパス内の地図は,神戸大学ホームページ内のアク h 句:lI w w w . k o b e u . a c . j p / i n f o l セス・キャンパスマップ ( a c c e s s / r o k k o l b u nr i n o u . h 加1 ) に掲載されていますので, ご参照下さい。 大会実行委員会では宿泊施設のお世話はできませんの で,各自で手配をお願い致します。大学の周辺にはほと んどホテルがないため,三宮周辺が便利です。 四 1 0 . 発表要旨原稿の作成要領と原稿送付方法 お送りいただいた発表要旨は実行委員会と編集委員会 においてフォーマットなどの修正を行い,要旨集および 和文誌「藻類」に掲載します。このため,原稿は MSWORDまたは r ぜ(リッチテキスト)形式の電子ファイ ルでのみ受け付けます。次の宛先まで電子メールの添付 ファイルか, CDに保存して郵便でお送りください。そ の際,必ず同時に要旨原稿のプリントアウトを FAXまた は郵送でお送りください。 ・原稿の文字数は講演題目,発表者氏名,所属,本文を 含めて最大 7 0 0文字(全角)とします。大幅に超えた 場合,要旨集に掲載できない場合があります。 ・原稿は A4の用紙を縦に使用してプリントアウトしてく ださい。ただし,プリントアウト原稿はそのまま印刷に 用いるのではなし打ち出し見本として使用します。 ・フォントは全角文字 (2バイト文字)については,明 朝体 12ポイントを,英字(1 バイト文字)は T i m e s または T i m e sNewRoman( 12ポイント)を使用し て〈ださい。文字化けを避けるため,日本語変換ソフ トに依害する 2バイト特殊文字(倒:①, 1 1,. C )は 使用しないでください。 ・演者名,演題,本文,所属の順に書いて下さい。 ・共著の場合は演者の前に Oをつけて下さい。また,所 属が異なるときは各著者名の後に*印を付し,所属の 項目でそれらを区別して下さい。 , j (コンマ)と r .j を使用して下さい。 -和文原稿の場合, r .学名はイタリックで表示して下さい。 ・所属は ()でくくり,最下段に位置するように書いて 下さい。 ・著者校正はありませんので,十分なチェックを行った 上で投稿をお願いします。 印刷原稿送付先: 干6 5 7 8 5 0 1 神戸市灘区六甲台町 1 1 神戸大学内海域環境教育研究センター内 日本蔀類学会第 3 1回大会実行委員会宛 E m a i l :j s p @ p o r t . k o b e u . a c . j p F a x :0 7 8・8 0 3 ・5 7 8 1 1 1 . 発表形式 (1)口頭発表 2分,質疑応答 3分です。 -発表 1 -発表はデジタルプロジェクターまたは OHPが使用でき ます。 ( 2 ) ポスター発表 6 0cm ,横 80cm以下の大きさで作 ・ポスターは,縦 1 成して下さい。貼り付け用のピンまたはテープは大会 実行委員会で準備します。 ・ポスターの上部には発表番号,表題,氏名(所属)を 明記して下さい。 ・研究目的,実験結果,結論などについてそれぞれ簡潔 にまとめた文章をつけて下さい。また,写真や図表に は簡単な説明文を橋付して下さい。 -文字や図表の大きさは,少し離れた場所からでも判読 できるように調整して下さい。 • 3月 24日 1 2 : 3 0頃までに所定の場所に掲示して下さ 5日 1 5 : 0 0 ・1 7 : 3 0の聞に撤収して下さい。 い。また 3月 2 ・ポスター集中討論は, 3月 24日午後と 3月 2 5日午前 の 2回行う予定です。 1 2 . その他 日本藻類学会第 3 1回大会関連の情報は,随時,日本藻類 学会ホームページに掲載します。 @ 神 大 文 理農学部前 六甲台南口 ゲー ト @ 駐輪場 農i 晶 . へンチ常一ビジネス @神大本部工学部前 」五己;一 匪霊童 v 至阪急六甲 至阪急六甲 A .i lロ誓子記 念館 神戸大学 文理農学部 キャンパス 至 鶴 甲団地 至梅 田 -C< 図 1 会場 至大阪 至三宮 J R西日本・神戸線 日本藻類学会第 3 1回大会参加申込票 (フリガナ) 氏 名 : 所属: 連絡先住所 :〒 FAX: 話 : 電 電子メ ールのアドレス: 参加形態(番号を Oで囲 んで、 下さい) 研究発表: 1 . 演者として発表する 2.共著者と して 発表する 懇 2 . 参加し ない 親 会 : 1 . 参加する ワークショップ: 1 . 参加する (Aコース, B コース) 3 . 発表しない 2 . 参加しない 送金内訳(該当の番号を Oで囲み,送金合計を算出して下さい) 1 . 大会参加費 2 .懇親会費 5, 000円 (学生 3, 000円) 6 , 000円 (学生 4, 000円) 送金合計額 円 以下は研究発表について演者のみ記入してください(該当する番号を選んで下さい)。発表者(口頭発表の演者,ポスター の 第一著者)は会員に限ります。 また口頭発表は一人 l件までとします。 ポスタ ーを含め複数件,発表される方は,この巾込裂 h t t p ://wwwso c . n i i. a c . j p/ j s p/Welcome .h t m )から申込票をダウンロードして追加し てください。 をコピーするか,ホ ームページ ( なお,会場およびプログラム上の制約から,大会実行委員会の判断でポスタ ー発表への変更を依頼する場合が生じるかもしれ ません。 その場合はこ。 協力をお願いします。 2 . ポス ター発表 研究材料・ 1 . 大型藻 2 . 微細謀 3 . その他 研究分野 : 1 . 系統 ・分類 ・極分化, 2 . 生態, 3 . :僧養殖, 4 . 藻場造成, 5 . 赤潮 ・有害藻類, 6.移入種, 7 . 細胞梢造・ 細胞機能, 8 . 発生・分化, 9 . 成長生理, 1 0 . 光作成, 1 1 . 生理活性物質, 1 2.代謝 ・酵素, 1 3 .その他 発表形式 : 1 . 口頭発表 口頭発表する方は以下にも記入してください。 . OHP 発表方法 : 1.デジタルプ ロジェクタ ー 2 デジタルプロジェクターによる発表は Macまたは Windowsの r p o w e r P o in tJを使用します。発表者は発表 内容の電子ファ 5分前までに発表受付で担 当者に イルを CDか USBフラッシュメモリ ーで持参し,それぞれの発表の セッションが始まる 1 渡して下さい。それ以外のメディア(ビデオレ コー ダーなど)の利用を希望する方は事前に下記にご相談ください。 s p@p o r .kobe t -u . a c . j p 問い合わせ先 :j 演j 題: 発表者氏名 ( 所属) (共著者がいる場合は演者の左肩に Oを付けて下さい): 申込票は Em a i l (宛先 j s p@por . tkob e u . a c. j p) または郵便, Fax (宛先下記)でお送り下さい。 参加締め切りは 2007年 I月 15日(月) [必着]です。 また,発表要旨原稿の締切は 1月 24日(水)です。 〒6 5 7 -8 5 01; 神戸市灘医六甲台町 ]-] 神戸大学内海域環境教育研究センタ ー内 日本滋類学会第 31聞大会実行委員会 F出:0 788 0 35 7 8 1 藻類 J p n .1 .Phyco. l(Sorui)54:149-156,November10,2006 149 東京湾多摩川河口干潟における絶滅危倶種アサクサノリ(紅藻)の 生育状況とその形態 菊地則雄 l・二羽恭介 2 1千葉県立中央博物館分館海の博物館(〒 299-5242千葉県勝浦市吉尾 1 2 3 ) 2兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター(干 674-0093兵庫県明石市二見町南二見 22-2) 2 N o r i oK i k u c h i 'a n dKyosukeNiwa : H a b i t a ta n dm o r p h o l o g yo ft h ee n d a n g e 民 ds p e c i e sP o r p h y r at e n e r a( B a n g i a l e s,Rho d o p h y t a )a t出E e s t u a r yofTamagawaR i v e ri nTokyoB a y .J p n .1 .Phycol .( S o r u i )5 4 :1 4 9 1 5 6,November10,2006 S m a l lp o p u l a t i o n so fP o r p h y r as p .w e r ef o u n dg r o w i n ga tt h ee s t u a r yofTamagawaR iv e ri nTokyoBayi nF e b r u a r y2004a n d2 0 0 5 .The P o r p h y r ab l a d e sw e r eg r o w i n gont h eb a s a lp o r t i o no fP h r a g m i t e sa u s t r a l i ss t e m sa n dono y s t e rs h e l l sa tt h ee s t u a r y .I n2004o n l yt h r e e b l a d e sw e r ef o u n da tHanedas i d ewhi ! ea b o u t50b l a d e sa tK a w a s a k is i d e,w h e r e a si n2005a b o u t1 0 0b l a d e sw e r ef o u n da tKawasaki s i d e,s u g g e s t i n gt h a tt h e s en a t u r a lp o p u l a t i o n sw e r ee x t r e m e l ye n d a n g e r e da tt h i sl o c a l i t y .Sampleb l a d e sw e r ec o l l e c t e df o rm o r p h o l o g i c a l o b s e r v a t i o n sa n dPCR-RFLPa n a l y s e s .1 ¥ v oc o n c h o c e l i ss t r a i n sw e r ee s t a b l i s h e df r o mas a m p l eb l a d ec o l l e 氾t e da tHanedas i d ea n d仕om r e s p e c t i v e l y .Basedont h ed e t ai !e dm a c r o -a n dm i c r o s c o p i cmo 叩h o l o g i c a lo b s e r v a t i o n sc a r r i e do u tu s i n g t h a tc o l l e c t e da tKawasakis i d e, l a b o r 司t o r y c u l t u r e db l a d e sf r o mt h ec o n c h o c e l i ss 汀a i n s,i twasc o n c l u d e dt h a tt h eP o r p h y r ab l a d e sgrowna tt h ee s t u a r ywereP .t e n e r a,one o ft h ee n d a n g e r e ds p e c i e si nJ a p a n,e v e n白 ought h ea p p e 紅 a n c eo fs p e r m a t a n g i a ls o r ip o r t i o n sonc u l t u r e db l a d e swass i m i l a rt ot h a to fP . y e z o e n s i s .R e s u l t so f出ePCR-RFLPa n a l y s e so ft h ec h l o r o p l a s tRuBisCos p a c e rr e g i o na n dt h en u c l e a rI T Sr e g i o nu s i n gab l a d ec o l l e c t e da t Kawas はis i d ea n dt h etwoc o n c h o c e l i ss 佐官i n sc o n s i s t e n t Jys u p p o r t e dt h ea b o v ec o n c l u s i o n . KeyI n d e xW o r d s :e n d a n g e r e ds p e c i e s .m o r p h o l o g y .PCR-RFL P .P o r p h y r at e n e r a ,R h o d o p h y t a .おかoBay ' C o a s t a lB r a n c ho fN a t u r a lH i s t o r yMuseuma n dI n s t i t u t e, C h i b a, Y o s h i o1 2 3, K a t s u u r a, C h i b a, 2 9 9 5 2 4 2J a p a n 2 F i s h e r i e sT e c h n o l o g yI n s t i t u t e, HyogoP r e f e c t u r a lT 巴,chnologyCenterf o rA g r i c u l t u r e, F o r e s t r ya n dF i s h e r i e s, Minami-Futami2 2 2, F u t a m i A k a s h i, Hyogo, 674・ 0093J a p a n c h o, 江戸時代から海苔養殖の対象種として日本各地で養殖さ の形態は非常に似ているため一般にその見分けは困難であ れてきた紅藻アマノリ属のアサクサノリ Porphyratenera り,近年では DNA分析から両種を判別する方法も研究され Kjellmanは , 1950年代から養殖の対象種が同属の北方系種 ている (Kunimotoeta. l1999,Niwaeta. l2005a)。しかし, .yezoensisUedaに変更されていくとと であるスサビノリ P これらの報告の中でも,詳細な形態観察と DNA分析が行わ もに養殖されなくなってきた (Miura1988)。さらにその生 れているのは熊本県河浦産のアサクサノリについてのみであ 育地である内湾の干潟の多くが埋め立てられたことなどによ l .2005a)。アサクサノリとスサビノリを形態 る (Niwaeta り,その野生個体群は姿を消していき(吉田ら 1999),現在 的に見分けることの難しさは,専門家以外による両種の同定 では,環境省により絶滅危倶 I類に(環境庁 2000),水産庁 を困難にし,絶滅危倶種であるアサクサノリの生育状況調査 により絶滅危慎種に(水産庁 1998) リストアップされ,絶 やその保全の推進に支障をきたしており,これを解決するた 滅の恐れの最も高い種のひとつと判断されている。近年の調 めには,両種の各地の個体群における形態的多様性,生態的 1 0カ所が知られている 多様性,さらに遺伝的多様性について情報を蓄積し,両種の 査では,その生育地として全国で約 ta l .2003)。海苔養 にすぎない(菊地ら 2002,Kunimotoe 差異を明確にすることが必要と考えられる。 殖の発祥地とされている東京湾(宮下 2003) では, 1950年 著者らは,東京都と神奈川県の境を流れ東京湾奥に注ぐ多 代以降,アサクサノリの生育情報はほとんどなく,わずかに 摩川の河口域を 2004年 2 月と 2005年 2 月に調査し,干潟 千葉県の浦安,木更津,富津で生育が報告されているのみで に生育するヨシ Phragmitesaustralis(Cav.)Trin.etSteud. ある (Miyata & Kikuchi 1997)。しかし,その後の調査で やカキの貝殻上にアマノリ属の一種の生育を確認した。この はこれらの地でもアサクサノリの生育は確認されておらず, 周辺では, 1962年に東京都側の漁業協同組合が漁業権を放 その他の場所からも生育の報告はない。 棄 し ま た 1973年に神奈川県側の川崎漁業協同組合が解散 一方,アサクサノリとスサビノリの形態については,殖 してからは,全く海苔養殖は行われておらず(東京都内湾漁 1952),黒木(1961),福原(1968), 田(1932),Tanaka ( 業興亡史刊行会 1971.川崎市市民ミュージアム 1995),ア Miura ( 1984),三浦(1994) が報告しているものの,両種 マノリの生育状況調査が行われたという報告もない。生育地 東京湾におけるアサクサノリの生育 1 50 ﹁ ト l卜l L l ﹁ Fi g sト5 .H a b i ta t san ds p 巴c i mensofPor phyras p.a tt hee st l la r yofTa magawaR iv eri nTokyoBa y . j.Ha b i tata tHaned a,Tokyo,on 1 1F 巴 ,b r l la r y2004.Thel 巴W 巴I巴s maJ lp op l l la t ionso fPhrag川 i l e sausl r al i s( C a v . )T r i n.etS tel l d,an daf ewPorphYI αb la de sa ta che c l ont hei rs t emsn 巴a rt h 巴ba s 巴 2.Ha b i ta ta tKawasaki ,Ka nagawaP re f e ct l l r 巴,on23Feb r l lar y20 0 4 .Th巴r ewer 巴l ar g epopl l la t ions o fPh.aus f r al is ,a n c lPor phyrab la l ce sa ta che c lont hei rs t emsn e art h巴 ba s e . 3.A Porphyr ab la l ce( ar r ow)a ta ch 巴I ConPh αus lr al i s s t em a tH a n e c la.4.Por phyr αb la l ce s( ar r ow)a t ta che l conPh.aus l r al i ss t em a tKa wa s ak i.5.Spe cimensofPorphYI αcoJ le ct e l ca t Kawa s a k ion2 3Feb r l lar y20 0 4 . や葉状体の 外観から,この極はアサクサノ リである可能性が 葉状体から放出 された接合胞 子を笑体顕微鋭下で、パスツー ル 高いと考えられたので,その保全を図るための基礎的知見を ピペットを用いて採取し,それを滅菌海水を入れたシャーレ 得る目 的で生育状況を調査する とともに,確実な 同定を行う V i i 下 に移すことで、洗浄し,スライドグラス上に滅菌海水ごと i 目的で詳細な形態観察 と DNA分析を行った 。 その結果,既 して 付着 させ,糸状体を得た 。形 態 観察 には, 2004年 2月 知 の ア サ ク サ ノ リ と は 形 態 的 に 異 な る 点 が 認 め ら れ た もの 1 1日に羽田側 で 採集 した 葉 状 体 l個 体 か ら得られた糸状体 の,本藻はアサクサノリであると判断されたので報告する 。 UM-Tll) お よ び 2004年 2月 23日に 川 崎 側 で 採 培養株 ( TJ4) 集 した葉状体 1個 体 か ら 得 ら れ た 糸 状 体 培養 株 (UM- 材料と方法 生育状況調査 は,多摩川 の河口近く 由来の葉状体を用いた 。それぞれの糸状体から殻胞子を伺て , ( 35 32' N, 1 3945' 0 0 2 :14D, 光 量 40μmolmそ れ を 温 度 10-15C, 光 周 期 10L 0 E付近)の,東京都側 の川岸(東京都大田区羽田空港,以下 羽田側 ) で 2004年 2月 1 11 = 1と 2005年 2月 14 E I に,対岸 昔養 には Grund改変培地 ( Browne tal . 微鏡下で観察 した 。 i の神奈川 県側の川岸 ( 神奈川 県川崎市川 崎区殿町,以下川崎 1 977) を PI~ い, Iと 2005年 2月 14日に行 った 。両 側)で 2004年 2月 23E 岸に広がる干潟において,流木,石, コン ク リー卜 や捨て石 SIの条件下で培養 して葉状体を成熟させ,その形態を光学 顕 1週間ごとに交換した 。 “ ア サ ク サ ノ リ と ナ ラ ワ ス サ ビ ノ リP .y白 eZOel 1. l i sf . . l 1ω ar 削 a 》川 w ゲ雌 ほ J a仰 eI 1川 S F 白 の設岸,干潟に生えるヨシの根元などを目視観察した。 また び、 核 rDNAを 用 い た PCR-RFLP分 析 ( Ni 川 、 waω e tα al .2005a, 調 査H 寺に 水温と ; 慌分を記録した 。採集個体数が少なかったた 2005b) を 行 つ た 。 2004年 2月 23E 日 ヨ 三 │に川 │ 自崎 l 崎奇側でで、採集 した な形態観察には野外で採集した葉状体から伺られた め,詳細 H 葉状体を ,半乾 燥状態でただちに兵庫県立山林水産技術総合 糸状体培養株由来の葉状体を用いた 。採集 したアマ ノ リ属 の センタ ー水産 技術セン ター に送付し, D NA を仙 出するまで 菊地・二羽 1 5 1 T a b l e1 .M o r p h o l o g i c a lf e a t u r e so fb l a d e so fP o r p h y r ai nt h i ss t u d y ,P .t e n e r aandP .y e z o e n s i s . t h i ss t u d y P .t e n e r a * P .y e z o e n s i s * B l a d e s m o n o s t r o m a t l c 町l o n o s t r o m a t Jc monostroma t Jc Margino fb l a d e s e n l i r e e n l i r e e n t l r e S h a p eo fb l a d e s , l a n c e o l a t e, o v a t e l i n e a r r o u n d, o v a t e, e l l i p t i c, o b l a n c e o l a t e, l i n e a r r o u n d, o v a t e, e l l i p t i c, o b l a n c e o l a t e, l a r g el i n e a r T h i c k n e s so fv e g e t a t i v e p o r t l o n 24-32μm 14-35μm 25-52μm S h a S E p C e t i o o f n v a e l g e t a t i v eC E l l s ms e c u o n a lv l e w r o u n d r o u n do rr e c t a n g u l a r r e c t a n g u l a ro rq u a d r a t e C h l o r o p l a s t s i n g l es t e l l a t e s i n g l es t e l l a t e s i n g l es t e l l a t e Sext y p e 町lOn o e clOu s monoecious a n d r o d i o e c i o u s, s, t n o e clOu s ロl o n o e clOu S i n p e s u r m r f a a c t a e n v g i i e a l w po ロion 1 g r a d a t i o n a lm訂 g i n a ls t r e a k s, m i c r o -o rm a c r o s c o p i cp a t c h e s, l a r g es t r e a a k m f o o n n g n t h p e a t c h e s, 紅 p o g o n i a s c a t t e r e damongt h ec m a r g i n a ls t r e a k s, m i c r o -o rm a c r o s c o p i cp a t c h e s s c a t t e r e damongt h ec a 叩o g o n i a s m a l lo rl a r g es t r e a k f o r mp a t c h e s D i v i s i o nf o r m u l ao f s p e r m a t a n g l a J 4, b / 4, c / 4 ) max.64(a J 4, b / 4, c / 4 ) 6 4 (a J 4, b / 4, c / 8 ) o c c a s i o n a l l y1 2 8 (a 3 2 2 5 6 (a J 4, b / 24 ,c / 4 1 6 ) C a r p o g o n i a e l l i p t i c r o u n d, r o u n d, e l l i p t i c, o v a t e s p i n d l e s h a p e d e l l i p t i c, T r i c h o g y n e s mconsplcuoUSo rc o n s p l c u o U S m c o n s p l C U o U So rc o n s p l c u o U S c o n s p l c u o U S D i v i s i o nf o r m u l ao f z y g o t o s p o r a n g l a J 2, b / 2, c / 2 ) max.8 (a 4 8 (a J 2, b / l2, c / 2 ) J2, b / 2, c / 4 ) r a r e l y1 6 (a 4 (a Jl , b / l, c / 4 ) 4 1 6 (a J 2, b/ l2, c / 2 4 ) *Referred1 0U e d a( 19 3 2 ), T a n a k a( 19 5 2 ), K u r o g i( 19 6 1 ), F u k u h a r a( 19 6 8 )& M i u r a( 19 8 4,1 9 9 4 ) 冷凍庫 (-20C ) で保管した。また,糸状体培養株 UMT11 23日には川崎側のヨシの群落 ( F i g .2 ) でヨシの根元近くの とUMT14も兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術 茎の上に約 50個体の葉状体の着生が認められた (Fig.4)。 センターに送付した。葉状体および糸状体からの DNA抽出 2005年 2月 14日の調査では,羽田側では葉状体の生育は認 ta l .(2005a) と Niwa& Aruga(2003)の はそれぞれ Niwae められず,川崎側で約 100個体の葉状体の生育が認められた。 0 方法に従い,全 DNAを抽出した。 PCRで葉緑体 DNAの この日はヨシの茎以外に干潟上に生息するカキの殻の上にも RuBisCoスペーサー領域と核 rDNAの ITS領域をそれぞれ 葉状体が着生していた。羽田側のヨシの群落は,羽田空港南 増幅し, RuBisCoスペーサー領域については Bsp1286Iと 岸の護岸の内側にごく小規模に形成されているのみであった Mun1 ,ITS領域については Dra1と HaeI I Iで制限酵素処 理をして, PCR-RFLP分析を行った。なお,すでに形態観 察と DNA分析とを組み合わせて同定されている熊本県河浦 ( F i g .1 ) のに対し,川崎側では,着生場所より約 2km上流 に位置する大師橋の上流域から,途切れながら続いていた。 産のアサクサノリ純系株 HGT-lおよびナラワスサビノリの F i g .2 ) のみで 群落の対岸付近の幅 300m 前後のヨシ群落 ( ta l .2005a) も比較のため PCR-RFLP 純系株 HG-4(Niwae あった。その他,干潟に流れ着いている葉状体も見られた。 分析に用いた。 調査時の表面水の温度は, 1 O 1 1"C,塩分は 15-20psuであっ しかし,川崎側で葉状体が生育していたのは,羽田側のヨシ た 。 2004年 2月 1 1 日には羽田側で 2個体, 2004年 2月 23 結果 日には川崎側で約 15個体, 2005年 2月 14日には川崎側 生育状況 多摩川河口近くの両岸には小規模ながら河口干潟が広がっ で約 20個体の葉状体を採集した。採集した葉状体は,長さ 10-20cm,幅 2-9cmで,披針形,楕円形,卵形をしており, ており,羽田側にはごく小規模の,川崎側にはところどころ 基部は円形から心臓形をしていた。色はやや緑がかった褐色 途切れながら数 kmにわたってヨシの群落が見られた。 2004 から薄い褐色であった ( F i g .5 )。顕微鏡下で形態を観察した 年 2月 1 1日には,羽田側の小規模なヨシ群落 (Fig.1 )中 ところ,葉状体は I層細胞で, 1細胞に星状の葉緑体が l個 のヨシ 2本の根元近くの茎の上に,合計わずか 3個体のア あり,栄養細胞部分の厚さは 27・32μm,縁辺部に鋸歯はなく, マノリ属葉状体の着生が認められ ( F i g .3 ),2004年 2月 雌雄同株であり,精子嚢と接合胞子嚢は葉状体上に混在して 東京湾におけるアサクサノリの生育 1 52 3 0u m 6 9 3 0u m 3 0u m 3 0u m 3 0u m 3 0u m Fi g s6 -1 6.Mor p hol ogyo fb la d巴so ftwoPorphyras t rai nsUM-T1 1(巴 s t ab l is he df r ol l 1 aPo r p hyr ab la d巴 colect eda tHan巴daon l 1 aPo r phyrabl a decol 1巴c te da tKawasakion23Febr ua r y2004)cu lt u l巴da t 1 1 Febr uar y2004)andUM-T14( e st a b l is he df r ol 2S "Ca n d40μmolmlund巴l' 1 O L :1 4Dphot op巴r io d .6 .Mar gi nalpor t i o no fUM-T1 1,s howingl l 1i c r os c op icen t ir em加 gi n .7 . 1 0 I5 Trans v巴r s es 巴c ti ono fv 巴g e t a tl v 巴 p ar t(24-32μmi nt h i c k)o fUM-TJl,s howi ngroundc els .8 .Sperma t a ngi alp o r t i o ni ns u r f a c 巴 vi ewo fUM-T1 1,s howings perma t a ngi acOl l 1p os edo f1 6s p erma t ia( a / 4, b/ 4 )i nma xi l l 1u m. 9.Sperl l 1a t a n gi alpor t ioni ns e ct ion a l howi ngs p e rl l 1a tangi acompos edo f4l a y er s( c / 4 )i nmaxil l 1um .J O .Zygot os p o r a ngi alp o r t i o ni ns ur f a c evi ew vi ewo fU MT1 1,s .Arrowsi n d ic at 巴 z ygot o sp o r a ngl acompos 巴do f4zygot os p or e s( a / 2, b / 2 )i nl l 1a xi l l 1um .1 1.Zygot o spor a ngi alpor t ion o fUM-TII i ns e ct ion a lv i巴w o fU MT1 1,s howi ngzygot o s p o ra ngi aCOl l 1p O S巴do f2l a y er s( c / 2 )i nl l 1a xi l l 1u l l 1. 1 2 1 6 .Carpogonialp o r t i o ni n 巴 Ar r owsi n d i c a t es p erma ti aa t t a c h e dt ot hes ur f a c eo fb la d巴s . 1 2 .Roundc ar pogoniumo f s e ct i o n a lvi ewa tv a r i o usa g e si ncu l t u r ngnot r ichogyn e .1 3. El l i p t icc ar pogon iao fUM-T1 1a f t er1 2weeks,s howi ngs hor to b tus et r ic hogyne UM-T1 1a f t er1 0weeks,havi 'e l l i p t iccarpogon iao fUM-T1 4a f t e r1 2weeks,ha vi ngnot r ichogyn e .1 5 .El l ip ti cc ar pogoni ao fU M-T1 4a f t 巴l '1 2 ( t ).1 4 .Round01 W 巴巴 k s,h a v i ngnot r icho g y n e .1 6 .El l i p t icc ar p ogon iao fUM-T1 4a f t erJ 3weeks,s howings ho r ta cul l 1i na t et r i c h ogyn巴 ( t ) . いた 。J H . i: k ; f t 生殖細胞の分裂表式については, 2個体のみ調べ, 雌H i :成熟葉状体の形態観察を行 い , Tabl巴 lに示す結果 を 精子襲で 64(a/ 4, b/ 4, c / 4),接合胞子装で 8(a l 2 , b/ 2, c/ 2 )が認 得た。葉状体は , 1層調H ) J 包で,栄養細胞部分の厚さは 2432 められた 。 μ 1 1 1,栄養細 胞 は断面 r mで 円形をしており , 1M H胞に 星状 の 葉 緑 体 が l個 あった ( F i g .7 )。 縁辺音1 I に鋸歯はなか っ 培養葉状体の形態 糸状体培養株 UM-Tllおよび UM-T14をそれぞれ 2YC, g .6 )。 附i J t ; j i同株 で,精子襲は最大で 64j l l i l の精子に た (Fi b/ 4, c / 4)であった (Fi gs8,9) 。 分裂し,分裂表式は 64(a/4, 8i l u lの接合胞子に分裂し,分裂表式 は 2S l ,光周期 10L :14D下に置いたところ殻 光量 40μmolm- 接合胞子撃は最大で 2S 胞子嚢が形成され, それを 1Y C,光量 40μm01mI ,光 8(a / 2, b/ 2, c /2)であった ( Figs10,11 )。精子襲,接合胞子ヂ : :14D下に移して通気培養したところ, 1週間以内 周期 10L J 包子は放出 ともに最大の分裂数になる 以前にも,精子と接合 J に多数の殻胞子の放出が認められた 。殻胞子をクレモナ糸に され,接合胞子では, 最大分裂数以前に放出されたものも 正 付着させ,同条件下で培養したところ,原胞子を放出しなが ; 常に発芽して糸状休に成長 した。 ら成長 し , 約 2ヶ月で同一葉状体ヒに雌雌生殖細胞の形成が 認められた 。精子嚢と接合胞子襲は葉状体上 l こ混在していた 。 16 )は , 葉状体 I j f r面 r G . I ' で、 造果器と思われる 細胞 (Figs12- 1 ヲな いし楕円形であ った 。葉状体の雌k 1 i:成熟初期から仁I r :J 別 円1 菊地 ・二羽 2 2 1 53 2 3 J: 2 5 。 。 i l ! ? ?[ コ C 01 n 01 U可 ' ( 、 #' 可 . : " 1 " ' _ . JV n ヨ ヨ 1 1 n H L~ ヨ F i g s1 7 2 5.B la d巴so ftwoPorphyr as t rai nsUM-TI I an c lUM-TI 4c ul t u re c la t1 0 1 50C and40μmoln γ2S Iunder1 0L :1 40 .Sperma t a n g ials or ii ns u r f a c ev i e wa tv ar i o l lsa g e si ncl l l t u r e .1 7 .UM-T1 1a f t e r1 0we 巴k s,s howi ngmar gi n a l p h o t o p e r i o d .1 7 21 k sa n c lmic r o s c o pi cpa t ch es . 1 8 .UM-TI 4a f t er9w巴巴 k s,s howi nggr a l ca t i o nalmar gi nals t r e a k sa ndmicr o -andma cr os c o p i c S t l巴a s,s howi ngmic r o s c op icp a tche s .2 0 .U M-TI4a f t 巴r1 0w巴e k s, p a t c h e s . 1 9.Upperp o r t i o no fab l a d eo fUM-TI 4a f t e r9w巴巴 k s h owi ngmar gi nals t r ea k sandm i c r o -andma c r o s c op icp a tch e s.21 .UM-TI 4a f t er1 2weeks,s howi ngl a r ges t r 巴a kformp a t che s. 巴b l a de sa tva r i o u sa g e si ncu l t l l r e .2 2 .UM-TII a f t 巴r1 0weeks ,havi ngmωginals t r e aksandmic r o s c op icp a tche s 222 5 .Matur v i n gmar gi n a ls t r ea k sa ndmic r o s c op i cp a tche so fs perma t a ngi als o ri .24. o fs p e r m a t a ngi als o r i .2 3 .UM-T1 Ia f t e r1 2weeks,ha f t巴r9weeks,ha vi nggr ad a t ion a lmar gi nals t r e a k sandmicr o -andmacros c op icp a tche so fs p巴rmat angi als or i.25 UM-Tl4a UM-Tl4a f t 巴r1 2w巴巴 k s,h avi n gl ar ges t r 巴a kf ormp a t c h e so fs pe r mata ngi als o r i . Scal 巴b a r :2mmi nF i g s1 7,1 8,20,2 1 ;1m mi n F i g . 1 9. にかけては,造果器には受精毛が見られないものが多く ( Figs は線形,基部はくさび形で, JIlíf~m の成熟が進むと披針形から 1 2,1 4,15),その後,鈍形の受精毛が見られるようになっ 卵形になり ,基部は円形から心臓形となった (Fi gs22-25)。 F i g .1 3,t )o UM-Tl4では成熟が進むと,鋭形の受精毛 た ( 色彩は,全体的にやや灰色がかった,またはやや緑色がかっ を持った造果器が少数見られた ( F ig .1 6,t )。造果器部分の た褐色であり,付着器付近が ìl;~ 1,当緑色を呈する こと はなかっ 体表面には,受精毛が見られても見られなくても精子が付着 た。 し,造果器との聞に受精管と思われる糸のような線が見られ た ( F i g s12, 14, 15) 。 精子襲斑は ,葉状体の 雌雄成熟初期か ら1 : I : tW J にかけては, PCR-RFLP分析による D N A多型 来線体 DNAの RuBisCoスぺ ーサー領域および核 rDNA gs17,18, 縁辺部に沿ってやや縦方向に長く 形 成 さ れ (Fi の ITS領域を用し当た PCR-RFLP分析の 結果,川崎産葉状体 20),その周辺や先端付近には細かい不定形の小精子嚢斑も i l i で採集されたアサクサノリの純系 の電気泳動像は熊本県河r Figs18-20) 。葉状体成熟末期には , スサビ ノ 認められた ( -Lのものと全て 一致し , ナラワスサビノリの純系株 株 HGT リの特徴に似た大きめで縦長 の縞状の精子袈斑が多数入った HG-4のもの とは異なっていた ( Fig.26) 。糸状体 UM-Tll ( F i g .21 )0 UM-Tllと UM-Tl4の葉状体の精子襲斑を 比較 (羽田産業状体由来)と糸状体 UM-TI4 ( J I I崎産葉状体由来) が多数でき すると ,UM-TI4のものの方が縞状の大きな政i の電気泳動像はいずれも全てアサクサノ リ純系株 HGT-lの ていた ( Fig.21 )。 ものと 一致 した (Fig.27)。 成熟葉状体は,長さ 1 1cm,幅 1 .3cmに達 し,その外形 東京湾におけるアサクサノリの生育 1 54 A M 1 2 3 1 2 A 3 bp M 1 2 1 M 1 2 1 2 bp 1352 872 603 1 352 31 0 31 0 872 603 M 1 2 3 1 2 3 l J [ J B 2 • ー圃・圃轟 (~l ・ ・ ・ 回 国 咽 ・ c . : : : : l ・ ‘ . 扇 ・ ・ ー ・ .扇面画 ー 園 田 ー ・圃圃園 l • • F ig.2 6 . PCR-RFLPp r o f i l巴sofRuBi s Cos pacerr egi ons F i g.2 7 .PCR-RFLPp r of l ie sofRuBisCos pa c err egi ons( A ) p hyr abl a d巴 cole ct e da t ( A)andl TSr egi ons( B)fromaPor Kawasa k ion23F巴b r u a r y2004,andfromconchoc巴l iso fP . . f e nω er α HGτ 1剖 an 吋 d只 f そy ezoe川 l 1 川 ω υ Y μ s . 川 μ . i sf .1ω αr al1laen a ndJTSr egi ons( s )f r om conchoc el iso ftwoPo r ph yr as tr ai ns U1 ¥ ふ TIIan c lUM-TI 4 . (A)P r o f l ie sd ig巴s t 巴C Iby8s p1 2861 ( Lan巴sa l 2 )andMUIIJ(Lane sb1 -2 ) .( s)P r o f il e sd ig e st e d byDra1( Lane sal -2 )andHαe1 l I( Lane sb1 2 ) .Lane sa1 an c lbl ,U M-TI I;Lane sa2andb2,U MTI4 .M s howst h e mol巴cu larweigh tmark巴1・ 屯 P r o 印 f 日 け i l 巴s di g e st 巴db y8. 1 p1286l( La n巴sa1 3 )日n 川 吋 ] 吋 1 c C Mu 川 t げ 1 川 1 1 1( La 加n 巴s bト3 ).( B )刊 Pr o f il 巴 e s1 ci g巴s t el cbyDr a1( しa n巴sal 3 )andHa e I I I( Lan e sb1 3 ).Lane salandbl ,P .yezoens i sf .nar awaensi s HG-4 ;Lan巴sa2an c lb2,P .t ener a HGT1;Lane sa3and b3,Porphyr ab l a c lecolect ec latKavasaki .M s howst he . r mol e cu larwei gh tmarke 、 司 リ属各種と 比較して,本部はアサクサノ リまたはスサビノリ である可能 性 が考えられた 。 そこで本 ~;V~の 形態観察結果をこ れまで報告されてきたアサク サ ノ リと スサ ビノリ の観察結果 考察 形態観察から ,本誌は ヒトエ アマノリ亜属の一種であり, (殖田 1 932,Tanaka 1952,黒木 1961,福原 J 968,Miura 1 984,三浦 1994) と比較した ( Table 1 )。 その結果,本誌 I t l Uf f同株であること,外形が 葉状体は 縁辺に鋸歯がなく, t の栄養制胞部分 の厚さが 2432μ m, I 析[ W観における栄養制 卵形,披針形あるいは線形であること ,栄養細胞部分の厚 胞の形状が円形,造果器が円形もしくは精円形で,受精毛が さ,精子嚢および接合胞子襲の分裂表式などが明らかにさ 見られない場合と鈍形まれに鋭形の 受精毛が見られる場合と Tab le 1 ), また,培養において葉状体則に 原胞子の放出 れ ( があること,精子撃の分裂表式が最大で、 64(a/4, b/ 4, c / 4)で , が見られることがわかった 。 これらの結果を,日本産アマノ 桜合胞子襲の分裂表式がl i J i大で、 8( a / 2, b/ 2, c / 2 )であることカ 菊地・二羽 155 ど,スサピノリの特徴とは必ずしも一致しないが,アサクサ いた PCR-RFLP分析によって明確に区別されることが明 ノリの持徴とは全て良く一致した。 ると述べている。また,黒木(1961)は,アサクサノリでは らかにされている ( Niwae tal .2 005a ,2 0 0 5 b )。そこで, DNA分析による種判別を試みたところ,本藻の電気泳動像 は , RuBisCoスペーサー領域および rDNAの I TS領域とも に,熊本県河浦で採集されたアサクサノリの純系株 HGT-l ta l .2 0 0 5 a ) と一致しており,ナラワスサピノリの (Niwae F i g .2 7 )。従って, DNA 純系株 HG4とは異なっていた ( 精子嚢斑は細長い斑を形成するものの,内湾で養殖されたも 分析の結果からは,本藻はアサクサノリであると明確に判断 のでは顕著でなく,また雌部には必ず小区画の精子嚢斑が介 できた。以上のように,本藻は,精子嚢斑の形状などスサビ 在して時に飛白状になり,スサビノリでは雌部の聞に縁辺に ノリに似た点が見られたものの,その他の多くの形態的特徴 対して斜めにあるいは縦に走る斑として介在し,また精子嚢 や DNA分析から,明確にアサクサノリであると判断できる。 斑が細く短く介在して飛白状になることもあると報告し,福 本研究で観察されたアサクサノリの精子嚢斑の形状は,こ 原(19 6 8 ) は,アサクサノリでは雌雄斑は小さな飛白状を れまで多くの報告でアサクサノリとスサピノリとで違いがあ 呈し,あるいは雄が体の周辺部に形成されるとし,スサピノ るとされてきた形質にも,個体群によってはよく似た特徴を しかし,本藻の精子嚢斑の形状は,アサクサノリに関する これまでの報告と異なっていた。精子嚢斑の形状について, 三浦(19 9 4 ) は傍状または点状を示すがアサクサノリではそ の大きさが不揃いであるのに対してスサピノリでは揃ってい ・ リでは生殖斑は大きな縞状をなしていると報告している。本 持つ場合があることを示している。一方,本研究では,多く 研究で観察した葉状体では,雄雄成熟初期には,大きくやや の個体や様々な部位を詳細に調べてみると,その他の形質の 縦方向に長い斑か細かく大きさは不揃いの不定形の斑が見ら ほとんどはアサクサノリの特徴を示していた。従って,アサ れ,成熟が進むに従い大きく縦に長い縞状の斑が形成された クサノリとスサピノリを形態面から同定する場合には,ある ( F i g s1 7 ・2 1)。このような大きく縦長の縞状の精子嚢斑はこ 形質の特徴のみで早急に判断せずに,雌雄生殖細胞の形成さ れまでアサクサノリでは報告されておらず,スサピノリのも れた個体をなるべく多く得て,少なくとも T a b l e1に示した のと良く似ていた。 形質を多数の個体や 1個体の多数の部位について観察すると 大きく縦に長い縞状の精子嚢斑が形成された体を詳しく観 ともに,生育場所などの生態的特徴も含めて総合的に判断す 察したところ,精子嚢および接合胞子嚢の c分裂の分裂数 ることが必要であると考えられる。 アサクサノリの葉状体は雌雄同株または雄性異株であると は,よく成熟した体でも最大で精子嚢では 4まで,接合胞子 嚢では 2までであり ( F i g s9,1 1),多くの報告(殖田 1 9 3 2, T a n a k a1 9 5 2 ,福原 1 9 6 8,Miura1 9 8 4,三浦 1 9 9 4 ) で精 子嚢の c分裂数は 8 ,接合胞子嚢のそれは 4になるとされて いるスサピノリとは異なっていた。なお,黒木(19 6 1 )は , される(黒木 1 9 6 1,福原 1 9 6 8,三浦 1 9 9 4 )。しかし,本研 究では,天然藻体および培養藻体に雄性異株の体は認められ ず,全て雌雄同株であった。これは,熊本県河浦産 HGT-l アサクサノリの天然藻体の観察で,生育末期には,それぞれ 株の培養結果と一致する ( Niwae ta l .2 0 0 5 a ) 。雄性異株の 葉状体の有無については,今後,天然藻体の観察も含めて検 8と4になる個体が見られることを記述し,三浦(19 9 4 )は , スサピノリの接合胞子嚢の c分裂において 4に分裂する際に 討が必要である。 多摩川河口付近は,かつて遠浅の子潟が広がりノリ養殖 は,その分裂面が体表面に対して斜向し,アサクサノリでは 場として栄えた場所である。しかし, 1 9 5 0年代以後埋め立 斜向しないと述べている。しかし,本研究では c分裂で 4に てや漁場環境の悪化が進み,東京都では 1 9 6 2年(昭和 37 分裂した接合胞子嚢は観察されなかったので,この点につい 年)に漁業権が放棄され,神奈川県川崎市では 1 9 7 3年(昭 ては確認できなかった。また,葉状体断面観で造果器の形態 和4 8年)に川崎漁業協同組合が解散してからは,その付近 を見ると,その大部分は,スサビノリの特徴とされる著しく で海苔養殖は全く行われていない(東京都内湾漁業興亡史刊 細長い紡錘形で受精毛様突起は明瞭で突出している(三浦 行会 1 9 71,川崎市市民ミュージアム 1 9 9 5 )。従って,本藻 1 9 9 4 ) こととは一致せず,断面観では楕円形ないし円形であ はその頃の生残個体に由来するものと思われる。東京都や神 り,鈍形または鋭形の受精毛があるもの,またはないものが 奈川県の東京湾地先には明治時代からノリのヒピや種網の移 あった ( F i g s1 2 ・1 6 )。黒木(1961)や三浦(19 9 4 ) のアサ 植が行われており,千葉県の東京湾沿岸からのものが多いも クサノリの観察でも同様の造果器が観察されている。受精毛 のの,その他に宮城県万石浦や塩釜湾,福島県松川浦や神奈 が鋭形で突出している造果器 ( F i g .1 6 ) は,成熟が進むとご 川県の東京湾岸南部などからも移植されている(宮下 1 9 7 0, く少数見られた。しかし,同じ藻体の別の部位を見ると楕円 東京都内湾漁業興亡史刊行会 1 9 71)。アサクサノリの各地の 形で受精毛がないか受精毛が鈍形でやや突出している造果器 個体群の形態的な差異について比較検討した報告はなく,本 が見られた。以上のように,精子嚢斑の形状以外の形態的特徴 のほとんどは,本藻がアサクサノリであることを示していた。 研究の観察結果からは,本個体群がもともとこの地域に生育 アサクサノリとスサピノリの一品種であるナラワスサビ ノリに由来するものか,移植されたものであるならばどの地 ノリは,形態的には類似しているものの,葉緑体 DNAの 域のものか等は判断できない。しかし,最近では,各地のア RuBisCoスペーサー領域および核 rDNAの ITS領域を用 サクサノリ間で DNAを比較すると,核 rDNAの I TS領域 していたものか,それとも別の地域から移植されたアサクサ 東京湾におけるアサクサノリの生育 1 5 6 などの塩基配列に少しず、つ違いがあることが認められてい る (Kunimotoe ta l .2003,Niwae ta. l2005b)。従って,本 研究で対象とした多摩川河口域の個体群の由来を明確にする ためには,今後,各地の個体群についての詳細な形態観察と DNA分析を行う必要がある。 本研究で確認された多摩川河口域のアサクサノリは,ヨシ 群落の広がりと比較してその生育場所はごく局所に限られて おり,しかもせいぜい 100個体レベルの個体群で、あり,東 京湾以外の生育地と比べてもその量はごくわずかであった。 従って,本生育地でのアサクサノリの絶滅の可能性は非常 に高いものと考えられる。東京湾では, Miyata&Kikuchi ( 1997)の報告以後,アサクサノリの生育は報告されておら ず,著者の一人である菊地の近年の東京湾における調査でも 他に生育地は見つかっていない。海苔養殖発祥の地とされる 東京湾のアサクサノリ個体群の絶滅を防ぐためには,今後, 生育地周辺の環境の変化などに十分な注意を払うとともに, 何らかの保護対策を講じる必要がある。また,本研究で得ら れた糸状体培養株を確実に保存していくことも重要である。 謝辞 本稿を読んで下さり,有益なご助言をいただいた北海道大 学の吉田忠生名誉教授と東京水産大学の有賀祐勝名誉教授に 深謝する。また,生育調査にご協力いただいた浦安市郷土博 物館の島村嘉一氏と特定非営利活動法人盤州里海の会の金高 智男氏に感謝する。 引用文献 Brown,V .,Ducker ,S .C .& Rowan,K .S .1 9 7 7 .Thee f f e c to f o r t h o p h o s p h a t ec o 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Mem.F a c .F i s h .KagoshimaU n i v .2 :1 9 2 . 東京都内湾漁業興亡史刊行会 1 9 71.東京都内湾漁業興亡史.東京都 内湾漁業興亡史刊行会,東京. 殖岡三郎 1 9 3 2 . 日本産あまのり属ノ分類学的研究.水産講習所研究 8( 1 ) :1 4 5 . 報告 2 吉田忠生・菊地則雄・吉永一男 1 9 9 9 . アサクサノリの野生個体群. 7 :1 1 9 1 2 2 . 藻類 4 (R e c e i v e dSeptember20, 2005;AcceptedSeptember1 , 2006) 藻類 J p n .1 .Phyco. l(Sδrui)54:157-164,November10,2006 157 長崎県薄香湾における有害赤潮ラフィド藻 Ch αt t o n e l l a3種の 出現状況と増殖特性 山砥稔文 I・坂口昌生 i長崎県総合水産試験場(〒 I.岩滝光儀 2 ・松岡敬充 2 851・22日長崎県長崎市多以良町 1551-4) 2長崎大学環東シナ海海洋環境資源研究センター(干 851-22日長崎県長崎市多以良町 1551-7) T o s h i f u m iY a m a t o g i ',MasaoS a k a g u t i ',M i t s u n o r iI w a t a k i 'a n dKazumiM a t s u o k a2 :O c c u r r e n c ea n dg r o w t hc h a r a c t e r i s t i c so ft h r e eh a r m f u l r a p h i d o p h y t e s, C h a t t o n e l l ao v a t a,C.a n t i q u aandC.m a r i n ai nUsukaBay , w e s tJ a p a n .J p n .J .Phyco . l( S o r u i )5 4 :1 5 7 ・ 1 6 4, November1 0, 2 0 0 6 Th r e eh a r m f u lr e dt i d ec a u s a t i v er a p h i d o p h y t e sC h a t t o n e l l ao v a t aY .H a r ae tC h i h a r a,C h a t t o n e l l aa n t i q u a(Hada)Ono,andC h a t t o n e l l a m a r i n a(Subrahmanyan)Y .Harae tC h i h a r ao c c u r r e di nUsukaBay , J a p a ni n2 0 0 5 .Theg r o w t hc h a r a c t e r i s t i c so ft h e s et h r e ec l o n a lc u l t u r e s w e r ee x a m i n e di n6 0d i f f e r e n tc o n d i t i o n scombinedw i t ht e m p e r a t u r e( 1 O -32SC)a n ds a l i n i t y( 16 3 6p s u )u n d e ral i g h ti n t e n s i t yo f80μmol 2s .o v a t areproducedwithin10・ 3 2 . 5 . Ca n d1 6 3 6p s u,a n dt h emaximumg r o w t hr a t ewas1 .09d a y "a t30 ・ Ca n d2 8p s u .C .a n t i q u a m . . ' .C r e p r o d u c e dw i t h i n1 2. 53 2. 5 "C a n d1 6 3 6p s u,a n dt h emaximumgrow 血r a t ewas1 . 15d a y . 'a t30・ Ca n d24p s u .C .m a r i n areproduced 5 ・Cand1 6 3 6p s u,a n dt h emaximumg r o w t hr a t ewas0 . 8 7d a y "a t3 0・ Ca n d2 8p s u .T h e i rg r o w t h sa r ec h a r a c t e r i z e dby w i t h i n1 0 3 2. e u r y h a l i n e .Comparedw i t hg r o w t hc o n d i t i o n sp r e v i o u s l yr 巴 ,p o r t e d,t h e yshowedt h et e n d e n c yt ot o l e r a t er e l a t i v e l yl o w e rt e m p e r a 仙r e .T h e s e r e s u l t ss u g g e s tt h a tt h r e ef l a g e l l a t e sc a u s er e dt i d e sd u r i n gwarms e a s o n si nUs u k aB a y . a r m . ル1 r a p h i d o p h y t e,Chattonella,m o n i t o r i n go f r e dt i d e s ,g r o w t hr a t e,U s u k aB a y KeyI n d e xW o r d s :h ' N a g a s a k iP r e f e c t u r a lI n s t i t u t eo fF i s h e r i e s, 1 5 5 1・ 4T a i r a, N a g a s a k i, N a g a s a k i, 8 5ト2 2 1 3J a p a n 2 I n s t i t u t ef o rE a s tC h i n aS e aR e s e a r c h, N a g a s a k iU n i v e r s i t y, 1 5 5 1 7T a i r a, N a g a s a k i, N a g a s a k i, 8 5ト2 2 1 3J a p a n 海産ラフィド寵 C h a t t o n e l l a, 特に C h a t t o n e l l aa n t i q u a (Hada)Onoと C h a t t o n e l l am a r i n a(Subrahmanyan)Y .Hara e tChiharaは大規模な赤潮を形成し,養殖魚類の大量賭死 た(長崎県水産試験場 1979-1997,長崎県総合水産試験場 1998・2005a)。 これらの赤潮による漁業被害を防止するためにはそれぞれ を引き起こす原因生物として知られている。西日本におけ の出現状況や増殖特性等,基本的な情報を把握することが重 h a t t o n e l l a赤潮による漁業被害は世界最大規模であり, るC 要である。特に, C .o v a t aについては,出現や赤潮発生事例 現在も続いている(水産庁九州漁業調整事務所 2006,今井 が少なしあらかじめ出現状況や増殖特性を把握しておくこ 2000a,Imaie ta l .2006)。 一 方 , こ れ ら とが漁業被害を未然に防止するのに有効と考えられる。 C h a t t o n e l l a属 2 種とは細胞外形および発達した液胞の存在により識別でき h a t t o n e l l aの出現は全国第 2位の海面養殖業生 これらの C v a ωY.HaraetChiharaは (Fig.1),瀬戸内海等にお るC.o 産額のある長崎県にとって脅威である。 2004年と 2005年 ける出現は確認されていたものの,この種が優占する赤潮は には,福岡県豊前市沿岸域(瀬戸内海周防灘)で, C .o v a 仰 確認されていなかった。従って,これまでこの種を有害種と の出現が確認されており(江藤・長本 2006,独立行政法人 して認識することはなかった(原 1990,Harae tal .1 9 9 4 )。 水産総合研究センター 2005),分布の拡大が懸念されていた。 v a t aに しかし, 2004年夏季に瀬戸内海のほぼ全域でC.o よる赤潮が発生し,養殖ヒラメ,マダイ,ハマチに金額と このような特定赤潮種の天然における増殖の要因を知るため には,培養株を用いた室内実験により,その種の基本的増殖 して約 2億円の被害をもたらした(水産庁瀬戸内海区漁業 条件を明らかにすることが必須である。 調整事務所 2005)。同種は本邦では瀬戸内海播磨灘と鹿児 島湾に出現すること(今井・伊藤 1985,吉松・小野 1986, 一般的に植物プランクトンの増殖特性は海域ごとに差異が tal . あると考えられており(山本・樽谷 1997,Watanabee Harae tal .1994) やC.a n t i q u a ,C.marinaと混合して出現 1982,山砥ら 2 006),C h a t t o n e l l a属の種類でもそれらの基 することが多いこと(吉松 2006) が知られるが,詳細な出 本的増殖特性を海域ごとに把握する必要がある。 現状況や生育分布域等に関する情報は極めて少ない(原・千 本研究では,長崎県沿岸域で魚類養殖が行われている海域 原 1987,原 1990)。長崎県沿岸域では,過去にC.a n t i q u a を中心に,特にこれまでC.a n t i q u aとC.marinaの出現と赤 とC.m a r i n aによる赤潮が発生し,それに伴う漁業被害も 潮発生が確認されている海域において, C .o v a t a,C .a n t i q u a 報告されているが, C .ovataの出現も赤潮も未確認で、あっ およびC.m a r i n aの出現動態を把握するための分布調査を実 Cha t f O le la3極の出現状況と m 殖特性 1 58 - - . . - • - Fi g .1 .L igh tmic r o s c o pi cp h o t ogr a phso ft h r e es p e ci 巴s o fChato ne l l ac ole ct 巴df r om Usu kaBay. a , b :C .0ν at a( 05U3s t r ai n) ;c, c l : C .a n l i q u a(04U1s tr a i n) ;e,f :C .mαr i n a( 05U1s tr a i n) .S c al 巴b a r=1 0{ ll l l 施するとともに,薄香湾で分離 した培養株を用い,それらの 材料と方法 摺殖に及ぼす水温と楓分の影響について 室内実験を行ったの C h a t t o n e l l a3種の分布調査 で,報告する 。 現場調査は 2005年 4月 2006年 3月に,長崎県平戸! 誌の 五 1 1 香湾,伊万里湾,大村湾,橘湾,有明海,対馬の浅茅湾, 三首 I ' j 湾,五島列 島の奈摩 j 怠 青 方 湾,計 9海域に設定した 定 点(計 3 9定点)で,有明海,伊万里湾は 夏季 ( 6 9月),他 の 7海域は周年,概ね月 l回の頻度で、遊泳細胞の出現密度 F i g .2 )。試水は原則とし て水深 2m 層で採取し, を調べた ( 必要に応じて 0 . 5,5, 1 0m 層,および B-lm (海底面上 1m) 層でも採取 した。採取 した試水中の細胞数の計数は,当日か ら翌日まで、に研究室で、行った 。有明海,伊万盟湾のサンフ。 ル は,生海水 ( lx3 m L)中 の 市1 1 1胞数 を, 他の 7海域のサン プ 0. 21L) をセルロ ースアセテ ー卜 フィ ルは,各層毎の試水 ( ルタ ー (東洋ろ紙社製, φ8μm)によって常圧濃縮後(濃 縮 率 は約 100-500倍),全量の 細胞数を計数した 。採水時 には各層における *rtWl と~Vr.分を現場用 多項目 水質計 Q uanta (Hydrol ab社製)により測定した 。 供試株と培地 実験に用いたC.ovat a05U3株 , C .mar i n α05Uli 株は い ずれも部香湾内の海水中から 2005年 9月に分間{ 椛立した。c . ant i q u α04Ul株は 2004年 3月に採取した海底泥中のシスト 1 30. 2 S . E ・ E 1 3 0. 23 Fi g .2 . Ma pss howi ngs am p l i ngs t a t i o ns(0) ofc o a st al wat e r si nNa g a s a k i P r 巴f e ct ul 巴 を発芽させ,得られた遊泳細胞から分離確立した。以上 3株は いずれもピペッ ト洗浄法(今井 2000b)によってクローン株と した ( Fig.1)。これら 3株の細菌検査は実施してい ないが,t 古 - L l i低ら 1 5 9 。 : C.ova 旬 1 0{ c e l l s /L } 0:30 。 : : 。 o: < 1{ c e l l s / m υ 1 1 0 1 0 1 0 0 。 : 。 : 昨 o: < 1{ c e l l s / mL} 1 1 0 1 0 0 F i g .3 . Mapss h o w i n gt h emaximumc e l ld e n s i t i e sa n dd i s t r i b u t i o n so ft h r e es p e c i e so fC h a t t o n e l l ai ne a c hs a m p l i n gs t a t i o no f N a g a s a k iP r e f e c t u r ei n2 0 0 5 . 養実験終了時,培養液の白濁は認められなかったことから,バ 度条件への馴化は 1日に 1-2SCずつ上昇あるいは下降させ クテリアによる汚染は最小限に抑えられたと判断した。供試株 2日目までの 3日間を要した。細胞の計数は実験 て行い, 0 9 8 2 ) を用いた。 の保存および実験培地には ESM (岡市ら 1 開始後, 2日おきに培養液の一部を採取しプランクトン計数 板を用いて行った。計数結果を片対数グラフにプロットし, 対数増殖期の直線部分に基づき,最小二乗法により比増殖速 増殖に及ぼす水温と塩分の影響 増殖実験は水温を 1 0, 1 2 . 5, 1 5, 1 7 . 5,20,2 2 . 5,25, d a y ' ) を表す。ま 度 (μ) を求めた。 μは内的自然増加率 ( 2 7 . 5,30,32SCの 1 0段階,塩分を 1 6,20,24,28,32, 36p s uの 6段階の組み合わせ,計 60通りで実施した。塩分 の調整は 1 999年 3月に五島列島西沖約 60km ( 3 25 5 . 5 ' N, 1 2 81 5 . 5 ' E ) で採取した表層水を GF/Cガラス繊維漉紙でろ 4 . 2p s u ) とし, これを超純水 過したものを基本海水(塩分 3 で希釈,あるいは 50Cの恒温器を用いた加温濃縮によって 行った。 ESM添加による培地の塩分変化は極めて僅少であ ることを確認した。実験は試験管 (φ15x 1 5 0mm) に培 地を 5mL入れ,オートクレープ滅菌(120C,20m i n )後 0 0c e l l sm L 'の に,対数増殖期後期まで前培養した藻体を 1 密度になるように実験培地へ接種し, 3本立てで,光強度 80 2S I, 1 μmolm4時間明 1 0時間暗の明暗サイクルの条件下 で、行った。なお,この前培養は水温を 1 7 . 5,2 2 . 5,27SCの いずれかで,塩分は 28p suで行った。それぞれの実験の混 た定常期の最高細胞密度と初期細胞密度の差を最終細胞収 0 0 0 0 量 ( c e l l smL-1) とした。なお,室内実験で得られた培殖特 性と,薄香湾および近隣水域(大村湾以北)におけるこれら の発生状況および発生環境との関係を検討するため,長崎県 の各水産業普及指導センター(県央,県北,上五島,対馬) および総合水産試験場によって実施された現場赤潮調査(長 979-1997,長崎県水産試験場 1992-1997, 崎県水産試験場 1 長崎県総合水産試験場 1 998-2005a,b ) で得られたデータの 一部を利用した。 結果 C h a t t o n e l l a3種の出現状況 h a t t o n e l l a3種の出現は 2005年の 7月から 調査期間中, C 1 0月の聞に限られた ( F i g .3 ) C .o v a t aは薄香湾では 9月 0 Chal t one la3極の U ¥射状訓と附地特性 1 60 ロ16 5 10 20 図 ロ24 口28 ロ32 口36 (PSU) C.o v a t a 4 ♂ . . 』 10 : ゐ・ 4 a ヨ : ‘ 1 03 ::~ . : 1 " , 圃 . 2 10 . ' ・ ー :11・ : ー . ' ・: ・ ー・ ・ーH・ , 一 : ーー : ・ ・ ー恥 ・ : ・ H・ 圃 I 1 0 一 . , ・ (7JE230) 5 10 i , •.・ ‘~;I ~i・ ~ 圃 圃 B ‘ ‘ ‘ ‘圃 ' ‘ . 圃 : C .a n t i q u a ℃一目玉 1 04 3 =uu E 刀 コ ど コ 10 1 02 10 U 一 冊E 正 1 05 C .m a r i n a 4 10 J11 卜 動酢・酌Nll}ll 2 10 H M M M同 1 0 。 1 2. 5 一 10 t ・:izii 作 ー - 1 i b12l 1 03 1 5 1 7. 5 2 0 2 2 . 5 2 5 2 7 . 5 3 0 3 2 . 5 T e m p e r a t u r e( O C ) Fi g. 4.Fi n a lc u l t u r e dc 巴1y i e l dso ft h r e es p 巴c i e so fCha l l o ne l l aa t d i f f 巴 ,r e n tt e mp e r a t u r ea n ds a l i n i t yc om b i n a t i o ns . V e r t ic alb a r s : s t a n da r dC I巴VI a J to n s . 1 2日に 0 . 0 1c elsmL -J ,1 0月 1 1日に 0. 0 1 0 . 03c elsmL l I J : I現 した。 C . αntiquaは薄 香 湾 で は 7月 20日に 0 . 1 0c 巴 l Is mL J ,9月 1 21 : 1に 0 . 0 2 0 . 03c e lsmLJ ,1 0月 1 1日に 0 . 0 1 J c elsmL ,大村湾では 9月 1 5日に 0. 01 0. 2 7c elsmL -J ,有 J 明部 E では 7月 1 9日に 4 0 . 7c elsmL ,7月 2 8日に 0 . 7c els -J ,8月 1 21 : 1 に0 . 3c elsmL -l,8月 2 31 : 1 に0 .3 2 7 . 7c e l ls mL 1 1L,9月 8日に 0. 3c elsmL -1出 現 し た 。 7月 1 9日に C . n 1 anf l q u aが 4 0. 7c e l lsn 1L.1 : 1 : ¥ 現 した 有明海では湾口部の口之 津地 先 で養 殖 ブ リ 7 7尾 が 姥 死 した。五島水産業普及指導セ 培 養 株 を 用 い た 増 殖 に 及ほ、す水温 と塩分の 影 響 解 析 実験 を 行 っ た 各 水 瓶 ・; 取分条件 における Chat t onel l a3株 の 最 終紺│ 胞 収 量を F ig.4に, 比 鳩 殖 速 度 を Fi g.5に示す。 C .ova仰 は , 1 0Cでは 2 4 3 2pS LI で増殖 し, 最終~iH)j包収 以 0 は1 0 7 2 1 3c elsmL t ,比増殖速度は 0. 0 7 0. 08da yJ であ っ た。 また, 比 I 目殖速度が O以 下 と な る 凪 分 は 1 6 2 2pS I Lと 3 4 3 6pS I Lであ っ た。 1 2. 5 3 2S Cで は す べ て の 栴 分条 件 下 で増殖が認められ,得られた最終制胞収 i Eは 1 33 3 4 . 2x 1 0 J c elsmL -J , 比 地 殖 速度 は 0 . L O I . 0 9d a yJ の範聞にあ った 。 ンタ ーからの情報によれば, これまで報告のなかった五島列 .0 9d a yJ )は , 3 0oC,28pS I Lの 条 件 で 最 大 比 増 殖 速 度 (l 1 島玉之浦湾で C .anfiquaが 7月下旬に 0 . 3 0 . 5c elsn 1L 出 得られた 。 C .antiqua は 1 0Cではすべての塩分条件下で桝 現していた 。 C 0日に 0 . 1 0c els 殖し なかっ た。 1 .marinaは部香 湾では 7月 2 2SCでは , 2 0 2 8pS L lで増殖 し , 最終創 I } J 包 1 ,大村湾では 9月 1 mL -I ,9月 1 2日に 0 . 01c elsmL 5日に 3 収 置は 1 0 0l .2 5x1 0c elsmL J , 比増 殖 速 度 は 0 . 0 8 0 . 14 0 . 0 2 0 . 2 2c elsmL I ,有明海では 7月 2 81 : 1 に0 . 3c e lsmL -t , d であった 。 また,比増列車速度が O以下と なる 取分は 1 6 a yJ 8月 2 3日に 0 . 30. 7c elsmL -1liW~ した 。 pS l Lと 3 0 3 6pS L lであった 。 1 5-32SCで は す べ て の 担 分条 035. 3x 1 03c 巴l IsmL J ,比 件下で増殖 し , 最 終創1胞収量は 4 0 I U砥ら 1 6 1 殖し,最終細胞収量は 493 ・ 3 9 . 8X 1 03c e l l smL -l ,比増殖速 3 8 度は 0 . 1 2 0 . 8 7d a y lの範囲にあった。 32SCでは 2 0 3 6p s u で増殖し,最終細胞収量は 2 6 7 1 5 . 6X 1 03 c e l l smL-1,比増 . 2 3 0 . 3 9d a y lであった。また,比増殖速度が O 殖速度は 0 32 a s m a v主主 以下となる塩分は 1 6p s uであった。最大比増殖速度(0. 8 7 , 30T,2 8p s uの条件で得られた。 d a y l )は 28 考察 24 C h a t t o n e l l a3種の出現状況 瀬戸内海および鹿児島湾以外ではこれまで報告のなかった 20 v a 似の生育が,今回の調査で薄香湾でも確認できた。c. C .o a n t i q u aとC.m a r i n aについては薄香湾,大村湾,有明海で の出現を再確認した。また,薄香湾で 9月に,瀬戸内海での 0 0 6 ) と同様に, C.ova ω,C.antiquaとc. 観察結果(吉松 2 m a r i n aが混在して出現することを確認した。さらに,五島 列島では報告のなかったC.a n t i q u aが玉之浦湾に出現してい 38 32 ''・・ ることがわかった。従って,今後,これらの海域および近隣 水域における C h a t t o n e l l aの出現や赤潮発生のモニタリング を強化する必要がある。 4 ω色)hts冒帥 a ' コ ( 0 . 5 被害を与える細胞密度までの増殖環境 室内実験で増殖した水温範囲は, C .o v a t aが1O-32SC,C . a n t i q u aが 12.5-32SC,C .m arinaが1O-32SC,塩分範囲 6 3 6p s uであったことから,これら 3種は広い はいずれも 1 20 温度・塩分範囲において増殖可能な生理的特性を有している 38 ことが明らかとなった。 ωsbE胃ω コ ( v a ω培養株が魚類を籍死させる細胞密度は,マダイ C .o . 1x 1 036 . 8x 1 03 c e l l smL-1, マ ア ジ で 5. 4X 1 03 c e l l s で4 32 mL-1, ハ マ チ で 2 . 8x 1 03 c e l l smL-1 と 指 摘 さ れ て い る 28 ( H i r o i s h ie ta l .2 0 0 5 )。また, C.ova ω の赤潮海水(およそ 300c e l l smL-1) を用いた暴露実験で,ヒラメが艶死したと される(独立行政法人水産総合研究センター 2004 ,高辻ら 2 0 0 5 ) C .a n t i q u aおよびC.marinaが養殖ハマチを艶死さ せる細胞密度は 3 00c e l l smL-1以上とされる(代田 1 9 8 8 )。 今回の室内実験で最終細胞収量が 300c e l l smL-1以上得られ 2 . 5・ 32SCであった。本研究における た水温は,3種とも 1 分布調査時の養殖プリを舞死させたC.a n t i q u aの細胞密度は 1 4 0 . 7c e l l smL-であった(長崎県総合水産試験場 2 0 0 6 a )。 0 20 1 8 10 1 2 . 5 1 5 1 7 . 5 20 ・ 2 2 . 5 25 2 7 . 5 初 3 2 . 5 Temp r a t 胴("C) F i g .5 .G r o w t hr a t e s( d a y l )o ft h r e es p e c i e so fC a t t o n e l l a u n d e rv a r i o u sc o n d i t i o n sc o m b i n e dw i t ht e m p e r a t u r ea n d s a l i n i t y . n t i q u aの最終細胞収量が 4 0 . 7c e l l smL-1以 室内実験でC.a .m a r i n aが 上得られたのは 12.5-32SCであった。また, C アサリの生残に影響を及ぼす細胞密度は 2 . 5X 1 04 c e l l smL-1 ta l .2 0 0 4 )。室内実験でC.m a r i n aの最終 とされる (Kime 4c . 5x 1 0 e l l smL-1以上得られたのは 1 7 . 530T 細胞収量が 2 四 増殖速度は 0 . 1 4 ・ 1 . 15d a y lの範囲にあった。最大比増殖速 であった。従って ,C h a t t o n e l l a3種は広い温度範囲で,魚 a y l )は , 30C,24p s uの条件で得られた。c. 度(1.15d m a r i n aは , l OoCでは 20と 2 8psuで増殖し,最終細胞収量 3 1 2 7c e l l smL-1,比増殖速度は 0 . 0 9 0 . 1 0d a y lであっ は5 た。また,比増殖速度が O以下となる塩分は 1 6と 24p s uと o 3 1 3 6p s uであった。 1 2 . 5 3 0Cではすべての塩分条件下で増 類の艶死あるいは貝類の生残に影響を及ぼす細胞密度まで増 o 殖することが可能といえる。また,薄香湾における周年の 2 . 3 2 7 . 6Cの範囲であり(長崎県総合水産試験 表層水温は 1 0 0 0 5 ),薄香湾では C h a t t o n e l l a3種はほぼ年聞を通じて, 場2 漁業被害を誘引する細胞密度まで増殖可能とも指摘できる。 C h a t t o n e l l a3種の出現状況と増殖特性 1 6 2 v a t aは水温 1 5 . 8 31 .3C,塩分 1 8. 4 ・3 3 . 0 2 播磨灘では, C .o p s u (本田ら 2 0 0 5 ), 広 島 湾 で は 水 温 2 4 . 9 2 9 . 3C,塩分 0 38 0 ⑥ 3 2 ω a v主主圃ω コ { 2 2 . 8 31 .2p s u (高辻ら 2 0 0 5 ) の範囲での出現が確認されて ωが出現す いる。このように薄香湾と播磨灘において C.ova 2 8 る水温と塩分の範囲はほぼ重複していることが分かつた。た 24 .ovataの出現がみ だし,薄香湾では,播磨灘や広島湾で C られたような至適増殖環境(比増殖速度1.0d a y . t以上を示 す水温 2 7 . 5 3 0C,塩分 2 4 3 6p s u ) になっても同種は観察 0 2 0 されなかった。C.a n t i q u a出現時の現場水温は 21 . 0 2 8. 3C, 7 . 5 0 3 3 . 9 5p s uで あ り , 室 内 実 験 で 比 増 殖 速 度 塩分は 2 0 C . o v a t a が0 . 5d a y t以上となる水温,塩分の範囲内にあった。 C . 1 8 03 2 . 5 2 . 52 7 . 53 7 . 52 52 02 2 . 51 51 1 01 以上出現したときの現場水温は a n t i q u aが 1 0 0c e l l smL-t 2 4 . 9 ・ 2 6 . 6C,塩分は 2 7 . 9 ・ 31 .40p s uにあり,室内実験で得 . 8d a y t以上になるときの水温と塩分の範 た比増殖速度が 0 囲にほぼ一致する。このことから C .a n t i q u aは 2 5C付近の 0 3 8 謂圃 ω色)主 Z ω コ ( 3 2 2 8 24 ♂ : 喰 : 。 0 高水温条件下で,短期間のうちに高密度に増殖する特性を .m a r i n a出現時の現場水温は 1 9 . 5 ・ 3 0 . 1C, もっといえる。 C 塩分は 1 7 . 1 0 3 4 . 6 3p s uであり,室内実験で比増殖速度が 0. 5 d a y t以上となるときの水温,塩分の範囲とほぼ同じであっ 0 >1 ω o: 1 0 1 0 0 o: 11 0 。 :<1 ・ ・ ImL) t以上出現した時の水温は た。C.m a r i n aが 1 0 0c e l l smL2 0 . 0 ・ 2 7 . 0C,塩分は 31 .5 ・ 3 4 . 2 4 p s uにあり, C .m a r i n aはc. a n t i q u aに比べ,高水温側の広い塩分範囲で高密度増殖する (0 I 1 2 0 0 c .a n t i q u a 特性を有しているといえる。 1 8 2 . 5 7 . 52 02 2 . 52 52 7 . 53 03 1 01 2 . 51 51 3 8 z a s z v 主E 3 2 28 24 2 0 : 。 o: 集 .a n t i q u aは 2 5 2 7 . 0C,C .marinaは 2 0 3 0C, 境からは, C 8 ・ 34p s u程度で多く出現する傾向がみられ 塩分は両種とも 2 0 0 1 0 1 ω o: 1 1 0 1 8 香湾および近隣海域における夏季最高水温期の表層平均水温 。 。 :<1 ・ C .m a r i n a 0 ることが明らかとなった。また ,C h a t t o n e l l a3種の出現が 3 0C) であまり観察されていないのは,薄 最適増殖環境 ( >糊 (0 I I s I 聞L ) h a t t o n e l l a3種の最適水温・塩分特性 これらのことより ,C を比較すると,培養実験結果からは, 3種に共通して高水温・ 広塩分条件で最適増殖をすることが判明した。現場出現環 7 . 6C (山砥ら 2 0 0 5 ),伊万里湾 27SC,大村 が,薄香湾 2 0 湾2 8. 4C (長崎県総合水産試験場 2 0 0 6 b ) であるためと考 えられる。 0 。 2 . 51 51 1 01 7 . 53 7 . 52 0 22 . 5 2 52 03 2 . 5 水温に対する増殖応答ー他海域産株との比較 C .o v a ω広島湾産株は 15-32SCで増殖し,最適増殖は 2 5 ・ 30Cと報告されている(山口ら 2 0 0 5 )。これに対して薄 T e m p e r a 旬開("C) 0 F i g .6 .G r o w t hr e l a t i o n s h i p sb e t w e e nt e m p e r a t u r e sa n d s a l i n i t i e so ft h r e es p e c i e so fC h a t t o n e l l ac o l l e c t e df r o m ・ 2 0 0 5 . U s u k aB a ya n da d j a c e n ts e ai n1 9 9 0 比増殖速度と現場出現環境 香湾産株は,最大比増殖速度は 3 0Cと広島湾産株と同程度 0 O -32SCで増殖し,低水温でも増殖できる で得られたが, 1 ことから,広島湾産株よりも低水温に対する耐性がやや大き い傾向がみられた。 C .a n t i q u a播磨灘産株 ( Nakamura&Watanabe1 9 8 3 )は 1 5 2 8Cで増殖, 25"Cで最大増殖速度を示し, 1 0Cおよび 3 1Cでは増殖できないという。大阪湾産株では, 20 ・ 30Cで 7C以上では増殖量の減少がみられ, l 1C以下で増 増殖し, 2 9 8 4 ),山口ら(1991)によれば, 殖できないとされ(矢持 1 1 5 ・ 30Cで増殖,最適増殖は 25C,1 0C以下で増殖不可能 5 ・ 32SCで増殖し,最大 と報告されている。諌早湾産株は 1 0 1 9 9 0 ・ 2 0 0 5年 に 薄 香 湾 お よ び 近 隣 海 域 で C .o v a t a ,C . a n t i q u aおよびC.m a r i n aが出現した際の水温,塩分値を F i g . 6に示す。 C.ovaω 出現時の水温は 2 3 . 5 ・ 2 3 . 6C,塩 分は 3 2 . 9 6 3 3 . 3 8p s uであり,室内実験で比増殖速度が 0 . 7 d a y t以上となる水温,塩分の範囲内にあった。瀬戸内海の 0 0 0 0 0 0 0 0 0 I L i 砥 ら 1 6 3 比増殖速度は 300Cであるという(山砥ら 2006)。これに対 引用文献 して薄香湾産株は 1 2 . 5・ 32SCで 増 殖 し 最 大 比 増 殖 速 度 は 独立行政法人水産総合研究センタ一瀬戸内海区水産研究所 2 0 0 4 .漁 . 場環境保全関係試験研究推進会議.赤潮・貝毒部会議事要録:3 独立行政法人水産総合研究センタ一瀬戸内海区水産研究所 2 0 0 5 .漁 場環境保全関係試験研究推進会議.赤潮・貝毒部会議事要録: 1 0 1 5 . 江藤拓也・長本 篤 2 0 0 6 . 赤潮等被害防止対策事業調査一周防灘広 .2 7 0 2 7 4 . 平成 1 6年度事業報告.福岡県水産 域共同調査一. p 海洋技術センター.福岡. 原慶明 1 9 9 0 . ラフィド藻(緑色鞭毛藻)綱ラフィドモナス目ヴァ .340 ・ 341.福代康夫・高野秀明・千原光雄・ キュオラリア科. p 松岡数充(編)日本の赤潮生物一写真と解説一.内田老鶴岡.東京. 9 8 7 . ラフィド藻. p .5 4 4 5 6 6 . 日本資源保護 原 慶明・千原光雄 1 協会(編)赤潮生物研究指針.秀和.東京. Hara,Y . , Doi,K .& Chihara,M. 1 9 9 4 .Fournews p e c i e so f C h a t t o n e l l a( R a p h i d o p h y c e a e,C h r o m o p h y t a )f r o mJ a p a n .J p n .J . P h y c o . 14 2 :4074 2 0 . H i r o i s h i,S .,Okada,H .,I m a i,1 .& Y o s h i d aT .2 0 0 5 .Hight o x i c i t y o ft h en o v e 1b100m-formings p e c i e sC h a t t o n e l l ao v a t a (R a p h i d o p h y c e a e )t oc u l t u r e df i s h .H a r m f u lA l g a e .4 :7 8 3 ・ 7 8 7 . 本回恵二・吉松定昭・大山憲一 2 0 0 5 . 有害プランクトン C h a t t o n e l l ao v a t aの香川県海域における出現動向.平成 1 6年 度日本藻類学会第四回大会講演要旨: 1 1 2 . 今井一郎 1 9 9 0 . 有害赤潮ラフィド藻 C h a t t o n e l l aのシストに関する 生理生態学的研究.南西水研研報 23:6 3・1 6 6 . 今井一郎 2 0 0 0 a . ラフィド藻赤潮の発生機構と予知. p . 2 9 7 0 .石 田祐三郎・本城凡夫・福代康夫・今井一郎(編) r 有害・有毒赤 潮の発生と予知・防除」水産資源保護協会.恒星社厚生閣.東京. 今井一郎 2 0 0 0 b . 赤潮微細藻類の計数と無菌培養法. p .8 5・ 9 0 .石 田祐三郎・杉田治男(編) r 海洋環境アセスメントのための微生 物実験法 J. 恒星社厚生閣.東京. 今井一郎・伊藤克彦 1 9 8 5 .1 9 8 4年 4月,播磨灘における海底泥中 のC h a t t o n e l l a耐久細胞分布.南西水研研報 1 9:4 3 5 2 . I m a i,, . 1 Yamaguchi,M.& H o r i,Y .2 0 0 6 .E u t r o p h i c a t i o nand o c c u r r e n c e so fh a r m f u la l g a lbloomsi nt h eS e t oI n l a n dS e a, J a p a n .P l a n k t o nB e n t h o sR e s .2 :7 1 8 4 . K im,D .,Kumamoto,0 .,Le e ,K .,Kuroda,A .,F u j i i,A . ,I s h i m a t s u , ,T .2 0 0 4 .D e l e t e r i o u se f f e c to fC h a t t o n e l l am a r i n a A .& Oda ons h o r t n e c k e dc 1am( R u d i t a p e sp h i l i p p i n a r u m ) ;p o s s i b l e i n v o l v e m e n to fr e a c t i v eoxygens p e c i e s .1 .P l a n k t o nR e s .26 9 6 7・9 71 . Nakamura,Y .& WatanabeM.M.1 9 8 3 .Growthc h a r a c t e r i s t i c s o fC h a t t o n e l l aa n t i q u a(Raphidophyceae)P a r tl .E f f e c t so f t e m p e r a t u r e,s a l i n i t y,l i g h ti n t e n s i t yandpHong r o w t h .J . O c e a n o g r .S o c .J p n .3 9 :1 1 0 1 1 4 . 長崎県総合水産試験場 1 9 9 8 2 0 0 5 a .赤潮プランクトン等監視調査事 業報告書一 I 長崎県下における赤潮の発生状況一.長崎県総 合水産試験場.長崎. 9 9 8 2 0 0 5 b . 長崎県総合水産試験場事業報 長崎県総合水産試験場 1 告.長崎県総合水産試験場.長崎. 長崎県総合水産試験場 2 0 0 5 . 長崎県総合水産試験場事業報告: 1 3 9 1 4 2 . 長崎県総合水産試験場.長崎. 長崎県総合水産試験場 2 0 0 6 a .赤潮プランクトン等監視調査事業報告 書 I 長崎県下における赤潮の発生状況ー:4 5 4 6 . 長崎県 総合水産試験場.長崎. 0 0 6 b .赤潮プランクトン等監視調査事業報 長崎県総合水産試験場 2 告書 I一資料集ー:3 1 4 . 長崎県総合水産試験場.長崎. 長崎県水産試験場 1 9 7 9 ・1 9 9 7 .赤潮プランクトン等監視調査事業報 告書 I一長崎県下における赤潮の発生状況一.長崎県水産試 300Cで得られたことから,諌早湾産株と同様に高水温に対す る耐性が大きく,他海域産株よりも低水温に対する耐性がや や大きい傾向を示している。 C .m arina大 阪 湾 産 株 は 21-300Cで好適増殖, 310Cで 増 殖量減少, 1 30C以 下 で 増 殖 で き な い と 報 告 さ れ て い る ( 矢 持 1 9 8 4 )。周防灘産株は 15-30Cで増殖,最適増殖は 2 SOC, 0 1 0C以 下 で 増 殖 せ ず ( 山 口 ら 1991),鹿児島湾産株は 0 1 7 . 5・ 27SCで増殖,適温は 22SC, 1 S O Cあるいは 30Cでほ 0 984)。 諌 とんど増殖がみられないと報告されている(野沢 1 早湾産株は 1 2 . 5・ 32SCで 増 殖 し 最 大 比 増 殖 速 度 は 300C で 得 ら れ た ( 山 砥 ら 2006)。 そ れ に 対 し て 薄 香 湾 産 株 は 1 O-32.5OCで 楢 殖 し 最 大 比 増 殖 速 度 は 30Cで得られたこと 0 から,諌早湾産株と同様に高水温に対する耐性が大きし他 海域産株よりも低水温に対する耐性がやや大きい傾向が示唆 h a t t o n e l l a3株 は 共 通 された。以上のように,薄香湾産の C して比較的に高い水温でよく増殖し低い水温に対する耐性 が大きいと特徴づけられる。 C h a t t o n e l l a3種 の 越 冬 様 式 室内実験で,比増殖速度が O以下となる水温・塩分条件は, 1 0o cの 16-22psuと 34-36psu, C.antiquaが 1 0Cの 16-36psuおよび 12SCの 16psuと 30-36psu, C. m a r i n aが 1 0Cの 16と 24psuと 31・36psuである。これら の条件下では,これら 3種 は 増 殖 で き な い こ と を 意 味 し て C .o v a t aが 0 0 2 . 3 2 7 . 60C, いる。薄香湾の周年の平均水温・塩分範囲は, 1 32.52 ・ 34.99psuである(長崎県総合水産試験場 2005)。従っ て , 薄 香 湾 で は , 12SCの 1 6-36psuで 増 殖 す る c .o間 的 とC.m arinaは遊泳細胞の状態で越冬可能と考えられるが, 12SCの 30-36psuで増殖しないC.a n t i q u aは遊泳細胞の状 n t i q u a 態では越冬できないと指摘できる。薄香湾では, C .a のシストの存在が報告されている(長崎県総合水産試験 005)。今井(1990) は播磨灘の海底泥調査により,c. 場 2 o v a t a,C.a n t i q u aおよびC.marinaのシストの存在を確認し h a t t o n e l l a3種 の 越 冬 様 ている。今後は,薄香湾における C 式について詳細な調査研究をしなければならない。同時に, 薄香湾およびその周辺海域の養殖漁場ではこれら 3種を含め た有害藻類の出現や赤潮発生のモニタリングを周年実施し, 漁業被害防止を図る必要がある。 謝辞 本研究における現場調査に際して,ご協力頂いた長崎県各 水産業普及指導センターの山口 忠氏,鎌田正幸氏(現長崎 県総合水産試験場),若杉隆信氏,杉原志貴氏,浦 賢二郎 氏(現長崎県水産部水産振興課)にお礼申し上げます。また, 情報提供頂いた北原 げます。 茂氏および舛田大作氏にも感謝申し上 1 6 4 C h a t t o n e l l a3種の出現状況と増殖特性 験場.長崎. 9 9 2 1 9 9 7 . 長崎県水産試験場事業報告.長崎県 長崎県水産試験場 1 水産試験場.長崎. 野沢治治 1 9 8 4 .鹿児島湾における赤潮生物の生理特性に関する研究. p.139 ・1 5 2 .r 大規模赤潮の形成及び赤潮被害抑止に関する研究」 5年間の研究成果,水産庁,東京. 岡市友利・西尾幸郎・今宮幸也 1 9 8 2 . 有毒プランクトン研究法. p . 2 6 .r 有毒プランクトン一発生・作用機構・毒成分 J (日本水産 学会編)水産学シリーズ 4 2 . 恒星社厚生閣.東京. 代田昭彦 1 9 8 8 . 赤潮研究の現状と課題一④.水産の研究 7 ( 5 ) : 3 6 4 2 . 水産庁九州漁業調整事務所 2 0 0 6 . 九州l 海域の赤潮:34 ・ 5 3 . 水産庁 九州漁業調整事務所.福岡. 0 0 5 . 瀬戸内海の赤潮:9 . 水産庁 水産庁瀬戸内海漁業調整事務所 2 瀬戸内海漁業調整事務所.広島. 0 0 5 . 2004年に広島県沿岸で発生 高辻英之・飯田悦左・高山晴義 2 した C h a t t o n e l l ao v a t a . 広島水試研報 23:1 9 ・ 2 2 . Watanabe,M.M.,Nakamura,Y .,Yamochi,S .& Mori,S .1 9 8 2 . トc h e m i c a lf a c t o r sa n dn u t r i e n t sont h eg r o w t h E f f e c t so fp h y s i c c o fH e t e r o s i g m aa k a s h i w oHadaf romOsakaB a y .J a p a n .J p n .1 . Phyco . l3 0 :279 ・ 2 8 8 . 山口晴生・坂本節子・山口峰生 2 0 0 5 . 有害赤潮ラフィド藻 C h a t t o n e l l aova ωの増殖に及ぼす水温および塩分の影響.平成 1 6年度日本水産学会春季大会講演要旨集: 2 5 8 . 山口峰生・今井一郎・本城凡夫 1 9 91.有害赤潮ラフィド藻 C h a t t o n e l l aa n t i q u aとC.marinaの糟殖に及ぼす水温,塩分お 7 ( 7 ) :95・ 9 6 . よび光強度の影響.日水誌 5 山本民次・構谷賢治 1 9 9 7 . 広島湾産有害渦鞭毛藻 A l e x a n d r i u m ωmarenseの増殖に及ぼす水温,塩分及び光強度の影響.藻類 45:9 5・1 01 . 山砥稔文・坂口昌生・岩滝光儀・松岡敬充 2 0 0 5 . 長崎県薄香湾にお o c h l o d i n i u mp o l y k r i k o i d e sの出現密度の季 ける有害渦鞭毛藻 C 29 ・ 2 3 5 . 節変化と婚殖特性.藻類 53:2 山砥稔文・坂口昌生・岩滝光儀・松岡敬充 2 0 0 6 . 諌早湾に出現する 有害赤潮鞭毛藻 4種の増殖に及ぼす水温,塩分の影響.日水誌 7 2 ( 2 ):1 6 0 ・1 6 8 . 矢持進 1 9 8 4 . 大阪湾に出現する赤潮鞭毛務 6績の増殖に及ぼす水 温の影響.日本プランクトン学会報 3 4 :1 5・ 2 2 . 吉松定昭 2 0 0 6 . 香川の赤潮生物(第 3版) :7 . 香川県魚類養殖業 赤潮対策本部.香川. 9 8 6 . 播磨灘南部での赤潮生物および鞭毛藻類 吉松定昭・小野知足 1 の季節的消長.香川赤潮研報 2:1 4 2 . 2006;AcceptedOctober2, 2006) (ReceivedAugust7, 藻類 J p n .J .Phyco. l(Sorui)54:165-171, November1 0, 2006 165 舶倉島の露出海岸と遮蔽海岸における海藻の垂直分布と帯状構造 藤田大介 l・新井章吾 2・村瀬 昇 3・東出幸真 4 東京海洋大学(〒 108・8477東京都港区港南 4-5-7) l 2株式会社海藻研究所(〒 811-0114福岡県粕屋郡新宮湊坂 3-9 ・4 ) ・ 6595山口県下関市長門本町 2・ 7・ 1 ) 3水産大学校(干 759 4のと海洋ふれあいセンター(〒 927 ・0 552石川県珠洲郡内浦町越坂 3 4 7 ) 4 t a ', ShogoAraP, NoboruMurase3 a n dY u k i m a s aH i g a s h i d e :V e r t i c a ld i s t r i b u t i o na n dz o n a t i o no fm a r i n ea l g a eont h ee x p o s e d D a i s u k eF吋i .P hyco l .( S o r u i )5 4 :1 6 5 1 7 1 a n ds h e l t e r e dc o a s t sa tHeguraI s l a n di nS e ao fJ a p a n .J p n .J V e r t i c a ld i s t r i b u t i o na n dz o n a t i o no fm a r i n ea l g a ew e r es t u d i e df o rt h ef i r s tt i m eone x p o s e da n ds h e l t e r e dr o c k yc o a s t si nas m a l li s l a n d, 2i na r e a ), H e g u r a(N3705 1 'E13705 5 ', 0 . 5 5km l o c a t e d0仔 48kmn o r t ho fNotoP e n i n s u l a , Seao fJ a p a n, i nJ u l y2 3 .Ont h ee x p o s e dc o a s t , ∞ 血ev e g e t a t i o na l o n gab e 1 t甘a n s e c t( 160m x1m, O・1 5 . 6m i nd e p t h )wasc o m p r i s e do f45s p e c i e sa n d3t a x aa n dd i v i d e di n t of o u rz o n e s i g r i f o l i u m,a r t i c u l a t e dc o r a l l i n e sa n dE c k l o n i as t o 伽 i f e r a& e n c r u s t i n gc o r a l l i n e sw i t h o u tandw i t hs u b d o m i n a t i o n d o m i n a t e dbySargassumn bySargassums p p・-間 s p e c t i v e 1 y .Thec h a r a c t e r i s t i ce x p o s e df e a t u r e sw e r et h eo c c u r r e n c eo fS .y e z o e n s ei nt h eu p p e r m o s tz o n eandS . hem 伊h y l l u mi nt h et h i r dz o n ea sw e l la st h ec o e x i s t e n c eo fd e n s e 1 yc o v e r e de n c r u s t i n gc o r a l l i n e sa n d仕e s h ya J g a ei nd e e p e rz o n e s .On ぉt ( inp o r t ), t h ev e g e t a t i o na l o n gab e l tt r a n s e c t( 3 5m x1m, 0 ・ 5 . 3m i nd e p t h )wasc o m p r i s e do f4 1s p e c i e s( a n d1t a x o n ) t h es h e l t e r e dc o e ez o n e sd o m i n a t e dbyEnteromorphai n t e s t i n a l e s, S .micracanthum& P a c h y d i c . η' o nc o r i a c e u ma ndE .s t o l o n i f e r a& a n dd i v i d e di n t o曲 r Sargassums p p ., 問: s p e c t i v e l y .Am ongt h ei d e n t i f i e ds p e c i e s,o n l y1 8s p e c i e swe 問 c omrnoni nt o t a lo f68s p e c i e s . KeyI n d e xW o r d s :d i v e r s i η, Ec k l o n i abed , HeguraI s l a n d , m a r i n ea l g a e, S a r g a s s u m f o r e s t , SeaofJapan, v e r t i c a ld i s t r i b u t i o n, z o n a t i o n ' T o k y oU n i v e r s i t yo fM a r i n eS c i e n c e&T e c h n o l o g y , 4 5 ・ 7, Konan, M i n a t o k u, Tokyo, 1 0 8 8 4 7 7J a p a n 2 M a r i n eA I g a eR e s e a 四 hC o .L t d ., 3 ・ 9 , 4 - Minatozaka, S h i n g u, Kasuya, Fukuoka, 8 1 1・ 0114J a p 加 3 N a t i o n a lF i s h e r i e sU n i v e r s i t y , 2 7 1, N a g a t o h o n m a c h i, S h i m o n o s e k i, Yamaguchi, 759 ・ 6 5 9 5J a p a n 4 N o t oM a r i n eC e n t a r , 3 4 7, Osaka , U c h i u r a , I s h i k a w a , 9270 552J a p a n 紬倉島は,能登半島の北端から約 48km離れた平坦な 7月 7-8日に同島を訪れ,露出海岸は北東部の離れ岩,遮蔽海 島で,古くから寒天原蕩エゴノリの産地(岡村 1922,市 岸は漁港内の各 Iカ所で海葎の垂直分布調査を行った。島の 村・安田 1926) や海女によるアワビ漁(北園新聞社編集 位置,周辺の地形および調査地点を F i g .1に示した。島の沿 局 1986) で知られている。この島は,日本海における海藻 の分布を考える上で非常に興味深い位置にあるため,古く 52 から多くの研究者が訪れており,海藻相については,市村・ 安田(1940),今堀(1955),今堀・瀬嵐(1955a,b),舟 橋(1967),池森・田島 (2002) などにより知見が集積さ れているが,まだ未解明の部分も多い。舶倉島周辺の藻場 の面積は 420ha (環境庁 1994) とされているが,海藻の植 生に関しては,海岸数箇所において海面付近の植生(新本 1973) が簡単に記されているほか,アワビ漁場がツルアラ メE c k l o n i as t o l o n 俳r aOkamuraを主体とする群落であるこ と(町中・高橋 1971)が知られているに過ぎない。著者らは, 先に能登半島内浦(富山湾)側の虻が島で実施した方法(藤 田ら 2004) を踏襲し,海藻の垂直分布の一端を明らかにし たので報告する。 材料と方法 紬倉島(石川県輪島市海士町)は, N37"51'E137 55'に位 2 ,周囲 5.1kmである。著者らは 2003年 置 し 面 積 0.55km 0 49 53 54 55 58 57 c a t i o nofHeguraI s l a n dandtwob e l tt r a n s e c t s . F i g .1 . Lo Contoursa r edrawna ti n t e r v a l sof10m i ndep 白. 期1 1 倉島の海藻の垂直分布と 帯状構造 1 66 Ta bl 巴 1. Ma r i n 巴 a l ga ls pe ci 巴s a n dt hei rc o v er a g e s(%) a l on ga b 巴l tt r a ns e cto na ne xp o s edc oa sti nH巴gu r aI s l a n d. -+ 0 . 0 I )c l l t h( m ) IY~αn♂ lion 、 crm化ul.1れσ 5 < l r g, 1 SSI I l 1I j" e . 盟実刑'" UT1Jl l i gr i( o r i ul 1 I Laur clJc h l Sj) 20 All I phir oaZO I 1 i JI . ' 1 5 c ' o ml l i l l ! !ρi l u l i l cm 30 i hもc r l l s ti ngb回 収 nalgac 20 丹l d i l l f l j npo l l i α』 r l I lS I 丸 L: l l JJ " t 'I lC L 10ki_/I I J I Jr:JC I spr o! i{ cm Di cl _ ¥ " op/er fbじ陀吃hk J /h m sc I : uhmlUS adiff ormi s A1 1 Ip l山U1¥' u I Ol lわi ( / es S l i L x j { ormi8 Asparng o曲 ' ClwmpinJ J i ' ! T VL 1 T E 1 &l/gn 山' S! I ll Js i l i (/!wslrum 会l r g < ls sum(ull' c J /u l I J 2. 3 5. 0 7 . 7 8. 7 出 op hJ沼υ 1 1 1の ' st oc 1rpid cllm A f L ] / hop l u ' / I 1 1 1 1 1okn/llumc ' 0 . S1r ga四IIlI ρi f u / i f crul I I 1 2 .1 1 0 . 9 1 2 .2 p poni cl I I l I j:m仇 ni Ccramiaccac51) I わ ni er i ahor ηC l / Ii l f l l l I I R~J 四 ω mc!in SPll 3m, 22m, ら終点までの間(全長 160m) を離岸距離 2m,1 7つのゾーン を認めた 。各ゾー ンの海藻出現種と被度をそれぞれ Tabl 巴 1 , 34m,93m および 1 24mの 6地点で区分し + + 80 70 20 + g .2に示 し,以下に調査線上の各区分の 海底基質の割合を Fi 状況 を述べる 。 第 l ゾ ー ン(蹴 岸距離 0~2m,水深 0 ~2.3 m) ,第 2ゾー ン(離岸距離 2~ 1 3m,水深 2 .3~ 5 . 0m)および第 3ゾー ン(離岸距離 1 3~22 m,水深 5. 0~ 7 . 7m)は岩の斜面で, 順に,ナラサモ Sa r g a s su mn i gr i f ol iu m Yendo,有節サンゴモ 類,ツルアラメが優占していた ( Tabl e] ) 。第 4ゾーン(離岸 . 7~ 8 . 8m) と第 5ゾー ン ( 両日岸距 距離 22~ 34m,水深 7 イ ト αz低 , 1 } l l f ) ( ) 1 lι J I 決χ沼 miw η αm fla gi l lcl l l l J Dc . バ) ( ! smsp. J ¥ . ' 11 1 y t n e n i [ l叩 針。 I bt a 1numb fsoe cI e a ( t axl l ) H Shannowwlenn c rf u nc t 附 n ) 9 2 . 1 2 37 1 8 1 2 1 6 1 5 2. 9. ' 1 .75 I .G5 1 .95 1 .90 +一 ト 一 土+一 引 一 川 +一+ Alm町 ' / < 1 C f h ll 1 l 剖 出(l/ 削 34~93 m,水深 一 + 一 + + / lm ! ) 1山間 mi 日k i . α"ザ 一 4 露出海岸の調査線では,海中の目視により調査線の基点か +一一印一目一 +-+一+一 叩 一 川 一 +一 + 一 イ一 + 一 山 AI n r gI n i ミρ0門 I I 1IC . r、 s i ぷ5 I I I I I I I I I AmplJ i ι Oanllce ps 3 2 露 出海岸 の植生 曲一お 一 同 一+ CJ . a .dopl ! o日 j n/Jol l i 出 i : nCT l Is t i nc or a l l i ncn [ 田c 。 4 結果 +一+一5一 却 一日一+ CL 1 ( . 旬 Jh om S l l k a i i + Fi g. 2 . Cover a g e( %)o fbot t omc ha r a ct 巴r si nz on e sr e c o gn iz ed byad iv 巴r ' ss c en ec l ivi s i on(wi thn a k 巴d巴y 巴S ,Ta bl e1 )a l on ga b 巴l tt ra ns e c tont he巴xp o s巴l cc o a sti nHe gu raI s l a n c l 剖 一 同 一 争-+ +一+一四一一 三 十 一+一+一 + 一 + 日χ 00 1ωmsp + + No. of zone 却 4一 E . ヒ: k l o l lωs t o . わI li f cm + + AT &げが屯S l l l 1l ll 1 lιnX : , 1 nI WII 5 川 一 +一5一 r i n ggo/ i d I m l l l l l l + 一4一4一+一朗一+ 4 Co同 mC I 由 s i l l lJ(旧 主 型と巴 J A 1t CI 1S 片 6 93 泊 一 回一叩一+ 土 一 お rg , 1sswnhcl 叫' ) / U . I /[ I I I I + + +一+一+一+一+ I J i c/yowdicOlOlIlil J 切C Iり'd i c / J 匂 1 1 ι: or i t lc 四 1 1 1 1 s~lIgiJS 幻 1m 34 +一+一岨一拍一 +一+一+一+一+一+一+一山一+一+一+一+一 +一+一+一+一+一5一+一+一+一+一+一+ + 30 f 加 ro l i t ! 剛 . ) . ) 10 D i l op l l l l sokanwr l 1c u沼 11 >酎 5 1 : 3 5 0 I 司ζ鉱山 川ωl It d { : l i r c Splm町 - 2 )ω国FE﹀00 0 . 0 D is . t n n cc(m) ( 諒 Z 訓 l Cllumbcr & 川航 路 - . , - 1 0 0 + :lessthan5% 川 coverage 8 . 8~ 10. 9m) は巨牒帯で無節サンゴモ ado pho r as p. ,後 が優占 していたが,前者ではシオグサ属 Cl 者 ではヤナギモク S αr g a s sumr i n ggol di anums sp.c or e a n um ( J .Agar ・ dh)Yos h i daやノコギ リモク S ar g a s su mmαc r o c ωpu m C .Agardhなどのホンダワラ類がこれに次いだ。第 6ゾーン(離 岸距離 93~ 124m,水深 10. 9~ 1 2 . 2m)では再び岩盤が露 出 し,無節サンゴモ とツルアラメが優占 していた。第 7ゾーン 岸は礁の散在する岩盤で,離れ岩は 島の北東岸から約 200m (蹴岸距離 124~ ] 60m,水深 12. 2~ 1 5. 6m) は岩塊帯で, 離れており,周辺は起伏に 富んで、いた 。露出海岸では,海面 サンゴモ類とノコギ リモクが優占していた。 無断1 付近の植生の上端から水深 1 5 . 6m に至る までの延長 1 60 m, 遮蔽海岸では防波堤の 内側 から港の ~I:' 央に向かって砂泥底に 調査線上では,緑藻 4 種,褐藻 19 極 l 分類 1f~ ,紅藻 22 種 2分類群,合計 45種 3分類群が識別で きた ( Tab le1 ) 。被度 至 るまでの延長 35m にプラスチック製巻尺を 伸 ばして調査 線 とし I 隔 1mの範聞で被度を 判読 した。なお ,調査線上で は 160m 以遠も岩礁が続いていたが,起伏に 富 んで、いたた め,大きな暗礁の 手前で 止めた 。相 r u ¥lの区分,出現種と被度 2004) と同様の 方 の観察方法およびデ ー タ処理は藤田ら ( 2003 ) に従 っ 法で、行った 。なお,海底基質の区分は藤田ら ( Ta bl e2 . Co e f fi ci ent so fc ommuni t i e si ns e v enz on 巴s ona n 巴x p o s 巴dc o a sts h owni nTa bl e1. 日OJlC I Zonc 2 Zonc 3 て,岩盤, 岩塊,大{武中様,小磯,砂,泥の 7区分を用い, 7 . 01 10 l ] 漁港内ではこれにコンク リー トを加│ えた 。本調査で採集 した ZOI 1C 5 海藻の主要標本はの と海洋ふれあいセンタ ーに保管 されてい る。 ZOI lC G Zonc 7 1 0. 1 2 0 . 08 0 .1 1 0. 09 0. 09 0. 07 Y パ ) I 1C 1 1 ' 11 0. 0. 2 9 0. 2 9 0. 3 3 1 0. 5 8 0 .55 0. 60 0. 3 5 0. 41 Zonc 2 7 . ono 3 1 0. 5 6 0. 6 5 43 0. Zonc 1 1 0. 9 4 1 1 0. 6 8 日υnc ! j 川口 o亙~ 藤田ら 1 6 7 S q u a r eD i s t a n c e o 5 1 0 1 5 20 25 30 35 40 45 50 の 4 内 d 向 。 守 , aaTFHU N o .o fz o n e Iu s t e ra n a l y s i s( W a r dm e t h o d )o f‘ c o e f f i c i e n t so fc o m r n u n i t i e s 'o fs e v e nz o n e s( T a b l e1 ) F i g .3 .D e n d r o g r a mc o n s t r u c t e df r o mc o nt h ee x p o s e dc o a s ti nH e g u r aI s l a n d . ヒ パ Corallinapilul砕 raPostelsetRuprechtと殻状褐藻の 5%以上が記録された種は 1 6種 2分類群で,被度 50%以上の 高い値を示したのは,無節サンゴモ類 ( 70'"80%),ナラサ 50%),ノコギリモク (50%),ツルアラメ (65'"80%) モ ( l種 l分類群だけであった。逆に, 1ゾーンのみで確認された 8種を数え,内訳は第 2ゾーンの 1 2種が最も多く,以 海藻は 1 の 3種 1分類群であった。林冠を形成する大型褐藻類のうち, 下,第 Iゾーンの 4種(ナラサモやエゾノネジモク Sargassum ホンダワラ類 ( 6種合計)は第 Iゾーン (60%),第 5ゾーン y e z o e n s e (Yamada) Y oshidae tKonnoなど),第 7ゾーンの 2種の順で、あった。 ( 5 5 . 5 % ),第 7ゾーン (55%),同じくツルアラメは第 3ゾー ン( 80%) と第 6ゾーンで (65%) で高い被度を示した。 ゾーン別の海藻の種数は,第 lゾーンが 8種 1分類群で最 少,第 2ゾーンが 3 5種 2分類群で最多であった ( T a b l e1 )。 T a b l e1の最下段)は,第 2ゾーン 各ゾーンの多様性指数 ( が極大値 2 . 9を示したのを除き, 1 .8"'2.1の値を示し,岸 沖方向の距離(水深)との関係は特に認められなかった。 海藻の種・分類群のうち,全ゾーンで確認されたのはピリ 各ゾーン聞の類似度指数 ( T a b l e2 ) を用いてデンドログ ラム ( F i g .3 ) を作成した結果,第 3'"第 4ゾーン,第 5'" 第 7ゾーンがそれぞれグループを成し,第 1と第 2ゾーン が離れていた。これらを踏まえて本調査線の群落を離岸距離 2m, 1 3mの 3カ所で 4つのゾーンに再区分した。各ゾー ンの概要を T a b l e3に示す。第 Iゾーン(離岸距離 0'"2m, '"2 . 3m)はナラサモが優占する岩盤帯,第 Iゾーン(離 水深 0 T a b l e3 .C h a r a c t e r i s t i c so ff o u rz o n e sr e o r g a n i z e df r o mT a b l e1a n dF i g .3a l o n gab e l tt r a n s e c to nt h ee x p o s e dc o a s ti nH e g u r aI s l a n d . Z o n e I I 回 N Z o n eo fs c e n ed i v i s i o n * 2 3, 4 5,6,7 D i s t a n c ef r o ms h o r e l i n e ( m ) 0 2 2 1 3 1 3 3 4 3 4 1 6 0 D e p t h( m ) 0 . 0 2. 3 2 . 3 5 . 0 5 . 0 8 . 7 8 . 7 1 5 . 6 D o m i n a n tb o t t o mt y p e ( s ) Rock Rock Rock, b o u l d e r Rock, b o u l d e r T o t a ln u m b e ro fa l g a l s p e c l e s 9 3 7 1 9 2 2 Numbero fs p e c i e se n d e r n i c4 t oe a c hz o n e 1 2 E .s t o l o n i f e r a D o m i n a n tc a n o p y f o r r n i n g S .y e z o e n s e a l g a 巴** M司j o rn o n c a n o p ya l g a e 特 D.okamurae E C n . p c m i l u s l t 砕 i n g r a brown a l g a e , * *: >20%i nm a x i m u mc o v e r a g e * :S e eT a b l e1 5 A .z o n a t a E c C o n . r p c a r i l u l l u i s n l t 砕 e i n a g r l a g a 巴 E c o n r c a r l u l i s n t e i n a g l g a e C l a d o p h o r as p . M.c r a s s i s s i m u m E .s t o l O n i ザe r a Sm r i n a g c r g o o c l a d r t a p n u u m m S . lm E c M o n . r c a c r l r u l a i s n s t s e i n i s a E s l g i m a e P e y s s o n n e l i as p p . 出1倉! 誌の海渓の垂直分布と帯状構造 1 68 T ab l巴 4 .M a r i n ea l g al s p巴c i e sa n dt h 巴1 rc o v 巴r a g e s( %)a l on g 巴l t 巴r 巴d c o a s ti nHe gu r al s l a n d. ab et lt r a ns e ctonas h - 1 凶 a : 2 7 . 2 11 .5 1 6 . 0 0o 0 . 0 0 . 7 2. 2 3. ' 1 5 .; 1 9 5 / ) ,I S ! > ' i l討p. " 1 1 1 /:1(1/1叩 ℃ 一 / l )l i oζ 凶 CI 刷ι Jf l l . . . ; 1印 刷 巾 u s l 守ι. ' r o c 会/ { I l Cl l i llCl l u i s 5 ト 5一 + 一 4一 + 一 Com l l i ll i l ( /{ f i ci l 同I l i ; . a /)1り 侃叶叫 20 + 4一 (;mc 曲巾t α; /or i i C l f l d o p h o r i l討p Coc l i w I I: lmbαJ川 円 覚 刀I I II lI I l lC . .口 i l f l gi l比:lJm CrmdOlll ) k l/Is u l liC:J AI l I If c l lI l 万耳、ヲ血 I x : l l i f orn山 3 b t nl n u l l l b cr o fs p ωi c s ( t a P; 1 ( / i n 1 j 汁f 副 l i c i l 三 n ) H' ( S h u n n on -w ic n n c rf u n c t i on) +: l c s st h an5% i nc ov c r a: ge つ 1 2 1 2 21 22 22 0 . 1 2 2. 00 1 .9 9 2. . 1 2. 62 2 . 5 9 P +一+一+一+-+一+一+一+一+一+一+一+一 E;一3 一 抽 P : l d i n : lf Iバ x ) / " ( . ' sι 凹凶 5~'lrgfls.',uIIIIIU札前OC./Iη)W /) +一 s-5一ト一 + 一 +一+ 1 ' 1 0 ( . 川 n i l l l l l { ( . ' l f ;1 μ" UI L ' , $m 富山守1 I I 11 1 XHCns +一+一+ ( ; c lidIwJ)ζ L ' f . ! ; I I lS LT Crm山 間 : 1 I U . ' 1 I l凶 n +一ト一+一+一+ 5一 +一+一イ S.., r~f1.~ 、{///I ρilu/i(er:l + 一 山 一 5一+ 一 ↑ 一 剖 一 ト一 Ah刊gr OI おお"り司gれヴ C抗出 +一+一+ i < 祉 叫1 1 1 1r i n ggol d! n l l l l l ' 1 . ' 1 5一 +一4 C l t o rdafilwn 山 一 却 一 + +一+一+一ト一 , 対 5) } l i Icr ο t .r i c : hl , IC 仇司r l C i ! W 3 5 . 0 ' 1 .8 ω一剖一一 E c k / o l l i / ls/ο0 / 1; ( ( . '( : ' 1 Ae oliumναIl Il OS! l l1 5一+一+ c l i nS l l っI l I l D i c ( . ¥ ' o p t c r i sI l I Id l l / lJ(U + 一 + 一 叫一+一+一+一+一+一土 Pndil1Jlcms . 臼 7 21 .0 一 四一 + A tc:.~ 仰がり 'J/UI1I CYSI同沼 rpic伯 1111 +一 却 一 回 A I I I / ) h i r o:JZO I I : / (l I 5 ; l Ir g ; 山 1 1 11 I 1 I I; C 打' / C : : I I I I II 1 1S 自 一 山 一 + 一 +一+一+一+ D i l o / ) l l l l $ o k m川 町 '" 十 Co < f i ul 1 If r a gi l c 一 拍 El 1 < . ; f US l i n gc or a l ¥ l n c日1 9 a c C ο 川川tWp;lt// i ( cη ト 一 4一 C ' (、 町lII( ' ni i lSi tw o . 山 5一+一回一+ 3 , . 101 ) ( η ラ ' f ) 川 ' I I ( ω ) r : 羽ISI ) . 1 0 川 一 同 一+一拍一+ 山 Aぜ 吋 J 刈 刀U 昭 qo ρ J . A 対 、 単 i , l i θ Is .l f 五 t h 而 耐 ,ι 7 川 F 一 ト Cc r:m! iWII討 " 1 内 初d り 引 ゼ ( / i 仇 ω t η マJο1C 町 O r i : J . ( 削 H 1 口 i 司 +一5一5一+一+一+一四一叩一+一m-+一 日I /C' nつI/JOr p h ' l i n tcぷ ,t i n 1 { es 6 5. 5 + z l nr g; 5 , 1 .0 C: ' W ! : I C : ' l I It l n吋 ο kWI J I I I" I I C 1 " ( ' . ¥ 引 . 1 0o 日 )ω同盟ω﹀00 Z o ncI¥u m h c r D l a n c c (m ) I l 叩t h ( m ) 。 3 6 4 No .o fzone Fi g .4.C o v e r a g 巴(%)o fb o t t oll1c h a r a ct e r si nz o n e sr e c o gn iz e d b yad i v e r' ss c en ed i v i si on( wi t hn a k 巴I C巴y e s,T a bl e4 )a l on ga b e l tt r a ns 巴c tont h巴 s h 巴t I 巴l 巴I Cc o a s ti nH e g u r aI s l a n d . 第 lゾー ン(離岸距離 o" '41 1 1,水深 o 1 1 1) ,第 2ゾー ン (離 " '5 . 51 1 1,水 深 0 " '0 . 71 1 1)および第 3ゾー ン(離 岸距離 4 岸 距 離 5. 5 " '7 . 21 1 1,水 深 0. 7 " '2 . 21 1 1) は防波堤基音1 1 のコ ンク リート で,第 Iゾーンではボウアオノリ E n t e r o m o r p h a L i n n a e u s )Link, 第 2 ゾ ン で は ト ゲ モ ク i nt e s t i n al e s( S a r g a s summ i c r a c a n t h .um(Ku tz i ng )Yendoが優占し, 第 3 ゾー ン で は サ ナ ダ グ サ P achyd i c t y o nc o r i αceum( H o ll 1 1e s ) Tabl e2 )。 以下の 4ゾー ンは Okamuraが 比 較 的 多 か っ た ( 機帯であるが,也、の中央に向かつて砂の割合が大きくなっ て いた 。第 4ゾー ン(離岸距離 7 . 2" '11 .5m,水 深 2 . 2 " '3. 4 m) は小{際の混じ る巨 i 旅; 肝で,ツルアラメと無節サンゴモ が優占していた 。第 5ゾー ン(自r r岸距離 1 l .5" '1 6 . 01 1 1,水 4" '5 . 31 1 1) は小 1 阪市で,港内の調査線上では最も深 く 深 3. なり,無節サンゴモのほかにヨツノサデ C rouan i aa t μt n u a t a ( C .Agardh)J .Ag a r dhが 目 立 っ た 。 出m i 半距自m161 1 1以降は 港 j ギ距自m2" '1 3 1 1 1,水深 2. 3 " '5 . 01 1 1 ) は有節サンゴモが催占 岸距離 1 6 の 中 央 に 向 か つ て 再 び 浅 く な り , 第 6ゾー ン(自m 3" '4. 8111 ) は小(i1t~ .大磯帯で,現在自( r i ' サン " '2 1m, 水 深 5. する岩盤帯, 第 四 ゾー ン(離岸距離 1 3" '34m, 水 深 5. 0" '8. 7 Vゾー ン(離岸距離 34" '1601 1 1,水深 8 . 7 " '1 5. 61 1 1 ) m)と第 I 立ち,第 7ゾー ン(自f E岸距自f f21" '351 1 1,水 深 4 . 8" '4. 4m) はツルアラメと 4!l~ 節サンゴモが優占し,後者ではこれにノコ は巨磯,大磯,小 (~t 砂が入り混じり,後述のように港内 の ギ リモ クまたはヤナギモクが混生する市とみなされた 。 7ゾー ンの中では最も海務の種類が豊富であった 。 なお ,第 W ゾー ンのツルアラメ群落 l地 点(自f f 岸距離 1 5 0 2m)において 50x 50CI 1 1の坪刈調査 を行ったと 1 1 1,水 深 1 o n a r i as p. や ピ リヒ パ が 目 ゴモのほかにハイオオギ属 l種 Z 調 査 線 上 で 識 別 で き た の は , 緑 競 4極 , 褐 蕗 1 7種 , 紅議 20種 I分類群,合計 41: f i1分 類i 1+であった C Tabl e4 )。 ゾー 00ml 1 1,密度 2 48本/r r l,乾 ころ,ツルアラメは最大藻長 6 燥重量 1 , 792g/n i で、あった 。 遮 蔽 海岸 の 植 生 T a b l巴 5 .C o e f fi c i e nt so fc O l l lll1u n i t ie si ns e v enz o n e so nt h巴 s h 巴I t e r e dc o a s ts h owni nT a bl e4 遮蔽海岸の調査線では,海中の目視により調査線の基点か Zυnc1 l ら終点までの間(全長 3 5 1 1 1 ) を雌岸距離 41 1 1,5 . 51 1 1,7 . 2 Zone2 0 . 0 0 1 Zone3 0.00 ]. 5 1 1 1,16mおよび 2 11 1 1の 6地点で、区分し, 7つのゾー 1 1 1,1 0 .41 1 ZoneI I 0 . 0 0 0 .32 0 .38 1 創立を Tabl e4,海 底 ンを認めた 。 各 ゾー ンの海藻出現種の J Zono[ j 0 . 0 0 0.29 0 .36 0 . 7 2 1 目 。n e6 0 . 0 0 0 .31 0 .39 0. 48 0 . 5 2 Z une7 0 . 0 0 0 . 2' J 0.27 0 . 5 0 0 . 6 8 目 。n c) [ ig.4に示し,以ポに調査船における各区分の 基質の割合を F 状況を述べる 。 Z O I国 l Zonc2 日υn e:~ Zone4 1 0. 5 3 Zonc6 7 .ono7 " ] 藤田ら 169 S q u a r eD i s t a n c e o 5 1 0 1 5 20 25 30 35 40 45 50 nt , マ 内 a・ d a phuβO N o .o fz o n e F i g .5 .D e n d r o g r a mc o n s t r u c t e df r o mc l u s t e ra n a l y s i s( W a r dm e t h o d )o f' c o e f f i c i e n t so fc o m m u n i t i e s 'o fs e v e nz o n e s( T a b l e4 ) o nt h es h e l t e r e dc o a s ti nH e g u r aI s l a n d . ン内被度が 5%以上で出現した種類は 1 4種 l分類群で,被 度 50%以上の高い値を示したのは,ボウアオノリ ( 95%) とトゲモク ( 70%) の 2種だけであった。 Iゾーンのボウアオノリだけが該当する。 各ゾーン問の類似度指数 ( T a b l e5 ) を用いてデンドログ ラム ( F i g .5 ) を作成した結果,第 2と第 3ゾーン,第 4か ゾーン別の海藻の種数は第 lゾーンで最も少なく 2種,第 ら第 7ゾーンがそれぞれグループを成し,第 1ゾーンが大き 7ゾーンで最も多く 29種 l分類群を記録した ( T a b l e4 )。ま た,各ゾーンの多様性指数 ( T a b l e4の最下段)は 0 . 1' "3 . 2 , 7.2mの 2カ所で 3つのゾーンに再区分した。各ゾー 離 4m a b l e6に示す。第 Iゾーン(離岸距離 o' " ' ' 4m, ンの概要を T の値を示し,概ね沖に向かつて大きくなる傾向を示した。 海藻の種・分類群ごとに出現ゾーン数を調べたところ, つのゾーンすべてで確認された種類はなく, く離れていた。この結果を踏まえて本調査線の群落を離岸距 7 1つのゾーンだ 水深 Om)はボウアオノリが優占するコンクリートブロック, 第 Hゾーン(離岸距離 4 ' " ' ' 7 . 2m,水深 0 ' " ' '2 . 2m) はトゲ 2種を数えた。この 1 2種は,第 1, けで確認された海藻は 1 モクやサナダグサが優占するコンクリートブロック,第皿 第 2,第 3,第 4,第 7の各ゾーンで確認され,被度 50% . 2 ' " ' '3 5m,水深 2 . 2 ' " ' '5 . 3m) はツルア ゾーン(離岸距離 7 以上の高い被度を示した海藻(先述の 3種 l分類群)では第 ラメやホンダワラ類が混成する離帯とみなされた。 T a b l e6 .C h a r a c t e r i s t i c so f由民ez o n e sr e o r g a n i z e df r o mT a b l e4a n dF i g .5a l o n gab e l tt r a n s e c to nt h es h e l t e r e dc o a s ti nH e g u r aI s l a n d . Zone 1 皿 Zoneo fs c e n ed i v i s i o n * 2,3 4,5,6,7 D i s t a n c ef r o ms h o r e l i n e( m ) 0 4 4 7 . 2 7 . 2 3 5 D e p t h( m ) 0 . 0 0 . 0 2 . 2 2 . 2 5 . 3 D o m i n a n tb o t t o mt y p e ( s ) C o n c r e t e p a v e m e n t C o n c r e t e p a v e m e n t o u l d e r , P e b b l e,b a n d c o b b l e,s T o t a lnumbero fa l g a ls p e c i e s 2 1 7 3 5 Numbero fs p e c i e se n d e m i ct oe a c hz o n e 2 5 2 3 S .micracanthum E .s t o l o n i f e r a S .micracanthum M.m y a g l o i d e s D o m i n a n tc a n o p y f o r m i n ga l g a e * * M a j o rn o n c a n o p ya l g a e料 E .i n t e s t i n a l e s P .c o r i a c e u m D.okamurae A .z o n a t a E c C o n . r p c a r i l u l l u i s n l t i e i U n a g l G g a e * :S e eT a b l e2,* *:>20%i nmaximumc o v e r a g e A E c c E o u r c t p a a a m a l n n t i u U m s t I t n o i e 1 1 u a 員 n r E h f a i 四 Se 1 7 0 紬倉島の海藻の垂直分布と帯状構造 考察 今回,海藻植生の調査例が限られている舶倉島において, れず,先に述べたように波浪の影響が大きいことから,この類 離れ岩と港内,すなわち,露出海岸と遮蔽海岸の 2カ所で垂 以上の露出海岸に対して,遮蔽海岸(港内)は,外洋の真 直分布の一端を明らかにすることができた。 まず,露出海岸(島の北東部に位置する離れ岩の沖側)で の繁殖を助長しているのも波浪である可能性が極めて高い。 中に位置しながらも大きく様相が異なることがわかった。今 回の調査では露出海岸において植生の下限まで調べられてい は,本島で初めてエゾノネジモクの群落を見つけることがで 4 1種)のうち, • ないが,遮蔽海岸の調査線上に出現した海藻 ( きた。舶倉島では外海性のホンダワラ類としてナラサモが既 露出海岸の調査線に出現した海藻 ( 4 5種)との共通種は 1 8 9 5 5,舟橋 1 9 6 7 )。しかし, に報告されていた(今堀・瀬嵐 1 エゾノネジモクは,能登半島周辺海域では,これまでに内浦 種で,遮蔽海岸の調査線出現種の 44%(両調査線出現種合 町 ( K a j i m u r a1 9 7 8 ) と七つ島の一つ荒三子島および門前町 9 8 6 ) でのみ知られており,半島先端部一帯の岩礁域 (佐野 1 8種の 26%) に留まった。ここで,両調査線(幅はいず 計6 m)の長さの違いを考慮し,遮蔽海岸調査線(全長 3 5m) れも 1 とほぼ等しい離岸距離の露出域調査線(第 1 ' "第 4ゾーン= に広く認められるナラサモよりも分布域が狭<,最も外海性 -皿ゾーン,全長 34m) について調査線 1m当たりの 第1 9 9 6 )。したがって,今回調 の強い区域に限られる(新井ら 1 査を行った離れ岩の沖側は,周辺海域の中でも相当厳しい波 ,1 .3種 1mと 出現種数を比べてみると,それぞれ1.2種 1m 浪条件にあることが推察される。なお,この離れ岩の沖側で -5 . 5m,遮蔽海岸:0-5 . 3m) も差は小さく, 出海岸:0いずれの場合もこの範囲に多様性指数が最も高いゾーン(露 出海岸:第 2ゾーン,遮蔽海岸:第 5ゾーン)が含まれてい は,調査範囲の主要な海底基質は岩盤,岩塊および巨礁で, 波浪に対して安定性が高いことから,基質問の植生の違いは 特に認められなかった。波浪条件が厳しいことは,エゾノネ なり,大差はない。また,この範囲では両調査線の水深帯(露 る。それにもかかわらず,両調査線の聞で優占種や種組成が ジモクやナラサモ以外にも,通常は海面付近に限られるイソ 大きく異なることから,人工的な遮蔽域(港)の形成によっ . 3-8 . 7m) に産 モクが深く, しかも幅広い水深帯(水深 2 0m 以深で優占することな すること,ノコギリモクが水深 1 て島全体の海寝相の多様性が高められている可能性が考えら どからも窺うことができる。このようなイソモクやノコギリ 8 6 ) による大島(能登半島沖,七ツ島 モクの産状は佐野(19 7 3 ) が島の周囲の 6カ所中 4カ所でこれを認め, は,新本(19 の一つ)の調査例とも一致しており,能登半島周辺の外海域 では典型的な植生パターンと考えられる。 露出海岸の植生で認められたもう一つの大きな特徴は, れる。ただし,港内最上部で優占していたアオノリについて 岩礁の岸側で普通に生えているとしていることから,元来, 港内以外にも多少分布していたようである。 本研究では,出現海藻の類似度指数に基づき,露出海岸で ナラサモ帯,有節サンゴモ帯,ツルアラメ帯,遮蔽海岸でア 無節サンゴモの被度が極めて高いこと,また,それにもか かわらず,少なくとも調査範囲において無節サンゴモ以 オノリ帯, 外の海藻も豊富に生育していることである。今回,無節 サンゴモについては,水中での種の即断が容易なクサノカ ノリやテングサが島の北側に多く生えるとの情報を記してい esophyllumc y s t o c a r p i d e u m( F o s l i e )Adey, ヒ ラ イ ボ キM 地形,あるいは季節によって様相の異なる群落が認められる L i t h o p h y l l u mokamuraeF o s l i eおよびコプエンジイシモ属 1 種S p o r o l i t h o ns p .の 3種以外を一群としてまとめたが,その o r o l i t h o no r b i c u l a t u mM asakiが最 中ではオニハスイシモ P も目立った。これらの種類はこれまでにも能登半島周辺でご く普通に認められている(藤田 1 9 9 6,2 0 0 1,藤田ら 1 9 9 8, 2 0 0 3,2 0 0 4 )。無節サンゴモ類の被度は,比較的静穏な富山 湾側の虻が島(藤田ら 2 0 0 4 ) では 5-50%( 9ゾーンの平均 40%(無 は約 30%),紬倉島の遮蔽海岸(本調査)では 0・ 節サンゴモが全く認められなかった最上位のアオノリ帯を 除く 6ゾーンの平均は約 30%) で,露出海岸で得られた被 0 ・ 80% ( 7ゾーンの平均は約 60%) は約 2倍に達してい 度3 た。日本海沿岸における無節サンゴモの被度の調査例は少な し優占種をはじめ,構成種も大きく異なるが,紬倉島の露 出海岸における被度は同じく日本海に面する北海道南西岸の 8 7 . 7 %,藤田 1 9 8 9 ) に次ぐ値であった。一般 磯焼け地帯 ( に,無節サンゴモ類は,波浪,漂砂,ウニなど植食動物のグレー S t e n e c k ジング,低照度,高水温などに強いと考えられている ( 1 9 8 6 )が,今回の調査範囲では顕著な標砂やウニなどは認めら 可能性が高い。また,今回,露出海岸においても,深所側の 群落限界は確認できておらず,今後の調査が待たれる。しか トゲモク帯などを認めることができたが,新本 7 3 ) は岩礁の外側の海面付近にはカヤモノリ帯が発達し, ( 19 る。したがって,紬倉島のような孤島においても,方角や微 a( 島 し,官頭にも述べた通り,舶倉島周辺の藻場は 420h の面積の約 7倍,単純計算でおおよそ 2km四方)にも及ぶ ことから,その全貌を明らかにするためには相当大掛かりな 調査が必要である。 謝辞 本調査は重要湿地 5 00調査の一環として行われた。調査の 機会を与えられた環境省,国際湿地保全連合日本委員会およ び輪島漁業協同組合の関係各位,調査にご協力いただいた石 川県水産総合センターの大慶則之氏,民宿っかさの方々,潜 水作業の労を惜しまれなかった塚田行人の各氏に対し,この 場を借りて厚くお礼を申し上げる。 引用文献 新井章吾・筒井功・寺脇利信 1 9 9 6 . 能登半島に生育するホンダワ ラ類の概要と生態的視点を背景とした検索表.のと海洋ふれあ 藤田ら いセンター研究報告:2 7 1 6 . 藤田大介 1 9 8 9 . 北海道大成町の磯焼け地帯の海藻の分布.南紀生物 3 1 : 1 0 9 1 1 4 . 藤田大介 1 9 9 6 . 富山湾の無節サンゴモとその群落.日本海ブロック 試験研究集録 3 3:63・ 7 0 . 藤田大介 2 001.富山県沿岸産海藻目録 ( 2 0 0 1年改訂版).富山県水 3 :1 ・1 8 . 試研報 1 藤田大介・筒井功・佐野修 1 9 9 8 . 石川県能登半島沿岸産海藻目 録.のと海洋ふれあいセンター研報告 4 :2 7 4 4 . 藤田大介・新井章吾・村瀬 昇・長谷川和清・田中次郎 2 0 0 4 .富 山湾西部虻が島のガラモ場の垂直分布と帯状構造.藻類 5 2 : 1 4 9 1 5 5 . 藤田大介・新井章吾・村瀬 昇・田中次郎・渡辺孝夫・小善圭 一・松村 航・長谷川和清・千村貴子・佐々木美貴・松井香里 2 0 0 3 . 氷見市虻が島周辺のガラモ場の垂直分布,生産構造およ 4 :4 3 6 0 . び葉上動物相.富山県水試研報 1 舟橋説往 1 9 6 7 . 能登臨海実験所付近の海藻,能登臨海実験所年報 7 : 1 5 3 6 . 北園新聞社編集局 1 9 8 6 . 能登紬倉の海びと.北園出版社.金沢. 市村塘・安田作次郎 1 9 2 6 . えごのり.石川県天然記念物調査報告 2 :5 8 6 2 . 市村塘・安田作次郎 1 9 4 0 . 海藻類.石川県天然記念物調査報告 1 7 1 池森貴彦・田島迫生 2 0 0 2 . 石川県で採集した海藻と海底顕花植物. 石川県水産総合センター研究報告 3 :1 11 . 今堀宏三 1 9 5 5 . 能登地方海藻目録(1).北陸の植物 4( 1 ) :2 1 2 3 . 今堀宏三・瀬嵐哲夫 1 9 5 5 a . 能登地方海藻目録 ( 2 ).北陸の植物 4 ( 2 ) :4 0 4 2 . 今堀宏三・瀬嵐皆夫 1 9 5 5 b . 能登地方海蕩目録 ( 3 ).北陸の植物 4 ( 4 ) :69 ・7 3 . ,M.1 9 7 8 .N o t eont h em a r i n ea l g a lf l o r ai nt h em i d d l ep a r t K句加mra o ft h eJ a p a nS e ac o a s to fHonshu1 .C y a n o p h y t a,C h l o r o p h y t a , P h a e o p h y t a .Mem.F a c .S c i .Shimane,U n i v .,1 2 :9 1 1 1 5 . 環境庁自然保護局 1 9 9 4 . 第 4回自然環境保全基礎調査海域生物環境 調査報告書第 2巻藻場.財団法人海中公園センター.東京. 9 71.紬倉島周辺海域におけるアワビ漁場の環 茂・高橋稔彦 1 境とその分布について.石川県水試資料 6 4 :1 ・1 9 . 岡村金太郎 1 9 2 2 . 趣味から見た海藻と人生.内田老鶴圃.東京. 佐野修 1 9 8 6 . 七ツ島の海藻群落ー南岸と湾内部. p p .1 0 5 1 21 . 石川県環境部(編)紬倉島・七ツ島の自然.石川県. 9 7 3 . 輪島市の海議分布について. p p .270 ・ 2 8 2 . 輪島市 新本和勇 1 史第 5巻自然環境資料.輪島市. 町中 S t e n e c k, R .S .1 9 8 6 .Th ee c o l o g yo fc o r a l l i n ea l g a lc r u s t s :c o n v e r g e n t p a t t e m sa n da d a p t a t i v es t r a t e g i e s .AnnualReviewo fEc o l o g y a n dS y s t e m a t i c s,1 7 :2 7 3 3 0 3 . 1 2 :3 5 5 7 . (Received20June2005;Accepted1September2006) 藻類 J p n .1 .P h y c o . l( S δ r u i )5 4 :1 7 3 1 7 5,November1 0,2 0 0 6 寺脇利信 1 7 3 22 富山県氷見市小境海岸施 l・新井章吾 2 : 設の消波ブロック はじめに 岸構造物は,用いられる人工基質が工業規格品としての形状 本シリーズは早くも開始後 8年目を迎えた。本シリーズで と材質の統一性を備えている上に,基本的に 30年確率の大 は,第 I回が,富山県氷見市の岩礁域の藻場の紹介であり, きさの波浪に耐えるようにつくられていることから,物理的 . 1m でツルアラ 水深 7"'9mにおいて,砂面からの比高 0 な安定性を有している。 メE c k l o n i as t o l o n砕r aOkamuraと ホ ン ダ ワ ラ Sargassum 以上のことなどから,人工基質は,海藻の生育を制限する ルlvellum(Tumer)C.Agardhなどが混生し,比高 0.2m で 特定の要因について,配置や向き等の組み合わせによって, ツルアラメがほぼ純群落を形成し,比高 0 . 6m でツルアラ 様々な水深,方位および海面等に対する基面の傾斜角度等の .macrocarpum メに多年生ホンダワラ類のノコギリモク S 実験的条件を備えており,水温,栄養塩および海水流動など C .Agardhなどが混生し,比高 0 . 9m で優占種がツルアラメ が同様と見なせる狭い範囲での調査に基づく実験生態学的な からノコギリモクに逆転した(寺脇・新井 1 9 9 9 )。第 1回が 研究を進める上で,有利な観察場所である。 やや深所の岩礁域の藻場であったのに対して,今回は,再び 氷見市の海岸について報告するが,浅所の人工基質の藻場で 2 2 . 富山県氷見市小境海岸施設の消波ブロック ある。 現地の概要と方法 浅所の人工基質の藻場について,本シリーズでは,北海道 富山県氷見市小境地先(図1)は,富山湾の北西部,能登 0 0 1 ), 大学厚岸臨海実験所の地先のコンブ類(寺脇・新井 2 半島の東岸に位置し,海岸域にはガラモ場やアマモ場が発達 宮崎県門川湾乙島地先のカジメ(寺脇・新井 2 0 0 2 ),神奈 している。氷見市阿尾地先から石川県境にかけてノコギリモ i s e n i ab i c y c l i s( K j el 1 man) 川県横須賀市芦名地先のアラメ E クやヤツマタモク S .p a t e n sC .Agardhなどの十数種のホンダ c k l o n i ac a v aKjellmani nK j e l l m a ne t S e t c h el1,カジメ E .yamamotoiYoshida (寺脇・新 P e t e r s e n,ヨレモクモドキ S 井2 0 0 4 ),愛媛県八幡浜市沖・三王島地先のクロメ E c k l o n i a kuromeOkamuraおよびホンダワラ類(寺脇・新井 2 0 0 5 ) ワラ類がつくるガラモ場は,県内最大の藻場であり(藤田ら について報告した。防波堤,消波ブロック等で構築される海 o 2 0依 m . . . _ . _ _ _ , 1 9 9 4 ),その周囲にマクサ群落やツルアラメ等の海中林が点 在している。なお,本調査場所である小境海岸は, CCZ (コー スタル・コミュニティー・ゾーン)計画によって平成 4年に 完成した人工海岸である。 I~)~戸 "/1 N 日 波 本 海 堤 図 1 富山県氷見市小境海岸施設の概略位置 174 。 消波ブロック傾斜角度 0 " ' 6 0。 6 0 " ' 9 0 9 0 " ' 1 3 0 1 3 0 " ' 1 6 0 0 0 K;、呆 m) 、/( トゲモク ι 円〆 3 - 図 2 富山県氷見市小境海岸施設の消波プロックにおける藻場の景観模式図(19 9 3年 6月) 1 9 9 3年 6月 4日に, SCUBA潜水により,氷見市小境海 岸施設において,海藻類の生育状況を広く観察した。続いて, 沖側(東向き面)に設置された消波ブロック群の中で水深 2 モクが,おおむね被度 8 0%ほどで優占した(図 4 )。 基質表面の傾斜角度 60 90 傾斜角度 3 0。からみられ 0 - 0 : 始めたアラメ・カジメ類のクロメとトゲモクとの混生状態が, "'3mで砂面からの比高が 2m以上の数カ所において,ブ 両種とも被度 ロック基質表面の海面に対する傾斜角度が様々に異なる観察 0 % ) へと入れ替わった(図 5 )。 度8 面を選定し,陸上用のスラントルールで基質表面の傾斜角度 を測定後,一辺 5 0cmの方形枠を用い,大型多年生褐藻類 であるトゲモクおよびクロメの被度を観察した。 1 0' "50%で措抗する段階から,クロメ優占(被 基質表面の傾斜角度 90 130 :クロメの被度は,傾斜 角度 1 2 0まで 8 0 ' "90%であったが,傾斜角度 1 2 0 。以上で は急激に低下し 1 0%となった。トゲモクは,被度が傾斜角 度1 1 0まで急激に低下し 5%となり,傾斜角度 1 2 0ではみ 0 - 0 0 0 結果 0 られなかった。 富山県氷見市小境海岸施設の消波プロックにおける藻場の 景観模式図を図 2に,着生面の水面に対する傾斜角度と海藻 基質表面の傾斜角度 130-160 ・:トゲモクおよびクロ 0 メの両種ともみられなかった。 の被度の関係を図 3に示す。 。以下:多年生ホンダワラ類のトゲ 基質表面の傾斜角度 60 まとめ 1 9 9 3年 6月 4日に,富山県氷見市小境海岸施設の砂地海 2m以上離れた水深 2"'3mの消波ブロックにおい て,基質表面の傾斜角度 6 0。以下では多年生ホンダワラ類の トゲモクが優占し, 6 0 9 0 。でクロメの優占へと入れ替わり, 底から 被度(%) 1 0 ", 80 ;「べ。¥。〆 90 0 ", 1 3 0でクロメの被度が最大となった後に急減し , 1 3 0。 0 以上では両種ともみられなかった。 60 注目点 40 1 6 0 富山県氷見市小境地先の砂地海底から 2m 以上離れた水深 2"'3mの消波ブロック表面の傾斜角度 60以下では多年生 ホンダワラ類のトゲモクが優占し ,6 0 9 0でクロメの優占 へ入れ替わり ,9 0 130でクロメの被度が最大となった後 に急減し , 1 3 0 。以上では両種ともみられなかった。 角度 ( 0) 本州日本海中部沿岸の岩礁域において,藻場をつくる大型 0 20 0 。 。 ", . ¥ 1 2 0 0 T・ 1 4 0 図 3 氷見市小境海岸施設の消波フキロックにおける着生面の 傾斜角度と海藻被度の関係 (0:トゲモク;・クロメ) ", 0 0 褐藻類の優占種は,水深が深くなるに従い,ホンダワラ類数 種からアラメ・カジメ類のクロメへ変化する(今野 1 9 8 4 )。 1 7 5 医1 4i J <見 i I i小境海岸施設の消波ブロ ックにおける泌 J 必 質表而の傾斜角度 6 0。 以下) w │ 玄1 5 氷凡 dí 小抗海 ii2施設の jドíì.皮ブロックにおける jj~J易 UJ; ( j 質表耐の傾斜 [ 皮6 0 0' "9 0 ) 一方 , 本 州 太 平 洋 中 部 沿 岸 の 岩 礁 域 に お い て , 部 l 引をつくる 氏に感謝する 。本 棋 式 凶 の 公 表 に 際 し 便 宜 を 凶 っ て 下 さ っ た 大型褐部類の優占極は,水深が深くなるに従い,ホンダワ (財)屯カ中火研究所にお 礼 を申し上げ、る 。 本 稿 の 作 成 に あ ラ類数極からアラメそしてカジメへ変化する(今野 ・ rl-I II!I.~ たり有益なご教示をいただいた富山県水産試験場の松村 1 98 0) 。 神 奈川 県 i 横須賀市の岩間;域のカジメ群落において, 博士に深く謝誌を表する 。 航 実験的にカジメを除去し続けるとホンダワラ屈のヨレモクモ ドキ滑落が形成され,カジメ藻体に の減衰が生じない場合には mわ れ る こ と に よ る 光 誌 ホンダワラ屈がより深所まで生 育 可 能 な こ と が 知 ら れ て い る ( 寺 脇 ・新 井 2 000) 。 さらに, 岩 礁 域 の 海 部 類 を 含 む 固 着 生 物 の 分 布 に 及 ぼ す 岩而 傾斜度の 影響について ,水 深 4 . 5' "6. 5l l 1では ,水平面から 1 20の 逆 0 傾斜而まで圧倒的に海誌が優勢で也,特に大型海部では逆傾 斜 面 へ の 分 布 の 広 が り 度 合 い に ホ ン ダ ワ ラ 類 か ら ア ラ メ ・カジ 985) 。 メ類への序列が認められる(今野 1 以上のことなどから,本地点では大型海部の分布に及ぼす 岩而傾斜度の影響(今野 1 985)へ の 理 解 が 人 工 基 質 に お い ても基本的に支持されると考えられる 。 加えて,傾斜 f'~ 1 廷が 90 ( 垂 直 面 ) よ り 大 き い 基 質 で は , 表 面 の 光 i l i -が 減 衰 す る 0 こ と の 拶 響 に よ り ト ゲ モ ク か ら ク ロ メ へ の 優 占 艇 の 変化 がも 守に基質表町 の 光 i lに たらされているとみられることから ,4 ついての計社 J t l 等 の 実 施 と 合 わ せ た 解析 により,有益な女1 1 見が 得られると考えられる 。 謝辞 潜水観察にご協力いただいた富山県水産試験場(当 H 寺)の 文献 劇1 大介 ・前 川 仁 ・波辺 信 1 1 泌娯 J~;_;5 山の海涼 : i 9 94 . 富山のi 2 30. 今野敏 fr~[ ・ '1 ' 印cl . f { { ;1 後半島五色浜周辺(京都附網野町海中 9 80 .1 ' 1 山)の向泌舶〆│ ーについて .海l 公園センタ 一報告 6 公図候布 l i t r " 9: 2 35 2 伴務の杭造と群落形成に│具l する実験的研 今野敏f! 析 持1 1 7海部i 9 8 4.i t f1 j !学{ 立論文 :1 先 '.北海道大 ρ 3 90 . ' j { c生物の分布に及ばす手i ITii傾斜伎の影響. 今野 敏 f J " [ t1 添 付 f I ,l 9 85 漸 j 報 72:9 東京水産大(iJf 9 -1 09 ) 1・ 干1 皮 手 fI 協利信 ・新: 7 1 J 9 9 9.泌場の京銀模式図 l市山県氷見市宇 j 込 ' j j J 147:1 地先 i 4 714 9 ・, ' " i, :2 寺 ! 協利信 ・新 : J,: 0 00.F~J易の景観桜式図 3 . 神奈川県横須賀市 I 秋谷 ・) : ( ; ヶ i l 山 先 淡 匁i 48:3 33 6 . ! : 1 築J 易の景観模式│ 玄1 幸町 ・北 寺)協利{言 ・新) 0 01 6北海道厚 j ・ ,'. !斤 2 .i 海道大学 j 引い臨海実験所地先.務類 4 9:リ ー1 3 . : j ' ' ; , ; ' }2 . 1 J( 崎県 門川湾乙島 寺! 協利信・新:J1 0 02.磁場の京観模式図 9 J ; i ¥ ' j j J 5 0 :2ト2 山先. F 3 i 7神奈川県横須賀市 寺I 004 . 政場のよ式観桜式図 1 m h利信 ・新井市i'T2 芦名 地先の自IÊÌ-JH)~ . 税額 5 2 : 1 57 15 9 r 寺 11弱利信 ・ 新 JI 二i' ~'I: 行 2005. 磁場の景観模式図 1 8 愛媛県八幡浜市沖 ・ 三王白地先の典型ブロック.藻類 5 5 18. 3・1 藤 田 大 介 博 士 ( 現 ; 東 京 海 洋 大 学 助 教 授 ), 観 察地 点 の 確 保 ( 1干 2 33クイ ー 2 0 61 15神 奈川 県横浜市西区みなとみらい 2- にご協力いただいた氷見市漁業協同組合の皆様,そして,本 ト0 1 14 ンズタワ ー B1 5階(独)水産総合研究センタ ー, 2干 81 模 式│ 却を I i i ' i い て く だ さ っ た ( 株 ) 海 中 景 観研 究 所 の 新井 良一 I I }湊 坂 3 福 岡県粍│ 犀' / t 新 宮I 94(株)海藻研究所) l l 藻類 J p n .J .P h y c o . l( S o r u i )5 4 :1 7 7 1 8 0, N o v e m b e r1 0, 2006 1 7 7 内藤佳奈子:海洋微細藻類に果たす微量鉄の役割 -赤潮発生から地球環境問題まで微細藻類と微量鉄 鉄 ( F e ) は全ての生物にとって増殖や生存における必須元 および検出に関する分析技術は,ここ 10年で大きく進展し 4 L 海洋における Feの分布や挙動の解明が期待さ ており (3, 素であり,特に,電子伝達,酸素代謝,窒素(硝酸塩・亜硝 れる。ところが,天然海水中の微細諜類が利用する Feのみ 酸塩)同化, DNA合成, RNA合成,およびクロロフィル を分けて測定することは出来ず,微細藻類による Fe取り込 合成に対して不可欠な役割を果たしている。地殻を構成する みメカニズムに関しては不明である。そこで,種々の微細藻 元素の中で, Feは 0,S i,Alについで 4番目に多く存在す 類の Fe利用能を解明するためには,水溶液中の Feの化学形 るが, pH8付近の環境水中では難溶性の水酸化物を形成す 態を把握できる化学組成が明らかな人工海水をベースとした るため,コロイド態,粒子態の割合が高くなる。そのため, 合成培地での無菌培養実験による検討が有力な手段となる。 古くから,土壌,淡水,海洋などの環境では,生物が利用可 無菌条件下において微量の Fe濃度を制御しながら藻類を扱 能な溶存態の Fe濃度は極めて低く,生物にとっての Fe不足 う難しさ,人工合成培地による培養の困難さから,現在,真 が指摘されてきた。しかし, Feは実験環境(周囲の空気や挨), 核微細藻類による Fe取り込み機構に関しては,一端が明ら かにされているにすぎない。 試薬,器具などから容易に混入(コンタミネーション)する ため,採水された環境水中の Fe濃度の測定値は非常に高く, Fe不足論を支持するものではなかった。水域環境下におい て , Feが一次生産の制限因子の一つである可能性が見直さ れ,微細藻類の増殖に対する微量 Feの重要性が注目される 形態,濃度の違い,熱および光化学的変化,自然水中にお ようになったのは,コンタミネーシヨンを最小限にとどめる ける様々な化学種との化学反応による変化,そして,生物の クリーン技術や高感度な分析法が開発され,海水中の真の 種類による多様な取り込み機構によって極めて複雑なものに Fe濃度に近い値を測定できるようになった 1980年代以降 なっている。 真核微細藻類による鉄取り込み機構 海洋微細藻類にとっての Feの有用性は,水域による供給 のことである。一般に外洋域における微細藻類は,大気中の 鉄不足環境下に生息する多くの生物は,様々な Fe取り込 黄砂などのエーロゾル(浮遊微粒子)の降下により,微量栄 みの機構を発達させてきた。多くの原核生物(細菌類やシ 養源として Feを得ている。しかし,栄養塩が高濃度である アノバクテリア),真菌類および高等植物は, Feを細胞内 に取り込むために大量のシデロホアを生産する (5.6)。シデロ にも関わらずクロロフィル量が少ない ( H i g hN u t r i e n tLow C h l o r o p h y l l,HNLC) 海域であるアラスカ湾への大気からの Fe供給量が低いことから, M a r t i nらは Fe制限の可能性に ついて,鉄 ( F ei nHN0 添加培養実験により検討した(1)。 ) 3 その結果, Fe添加によるクロロフィル量の増加と栄養塩濃 度の減少が確認され,高栄養塩海域で Fe不足が微細藻類の ホアとは, 3価の Feとの高い錯生成能を持つ有機配位子で 増殖を制限していると説いた。また,海洋生物の光合成能を 刺激する Feの有用性が,大気中の CO 2濃度変化と関連して 類に関して, H u t c h i n sらは珪藻 T h a l a s s i o s i r aw e i s s f l o g i i , S k e l e t o n e m ac o s t a t u mと藍藻 S y n e c h o c o c c u s属 の 2種によ おり,地球の気候変動に影響を与えると論じた。これらの説 がM a r t i nの鉄仮説である。その後,生態系への影響を考慮 合した Feを優先的に利用する Fe還元酵素システム(高等植 した HNLC海域(東部赤道太平洋,南極海,西部北太平洋, 物の Fe取り込み戦略 Iと類似)に依拠しており,原核生物 東部北太平洋)への鉄 (FeS0 4酸性海水)散布実験が行われ, は六座配位子であるシデロホアを介して,細胞表面に存在す Fe供給による微細藻類の増殖と表面海水の CO 2分圧の減少 が観測された。これらの実験により ,Fe不足が微細藻類の ある(図1)。上記の生物群は,この Fe輸送配位子である シデロホアを用いて,直接利用できない Fe種との結合およ び配位子交換反応を行うことで, Feシデロホア錯体を生成 し,細胞内へと Feを取り込むメカニズムを有する。微細藻 る実験から,真核生物は四座配位子であるポルフィリンと結 るシデロホアレセプターにより Feシデロホア錯体を取り込 増殖に対して制限因子であることは実証されたといえ,最近 める(高等植物の Fe取り込み戦略 1 1と類似)のではないか と指摘している (7L のアラスカ湾海域における鉄散布実験では,珪藻に加え円石 一方, T r i c kら は 渦 鞭 毛 藻 の P r o r o c e n t r u m属 5種,珪 藻の増殖が確認され,種組成の変化も追跡されている かし,人為的 Fe添加による自然サイクルへの影響, ω。し CO2吸 収後の固定炭素の行方などは明らかでなく,今後の大きな課 題とされている。一方,海水中の Feスペシエーション(化 学形態別定量)や, Fe有用性を左右する有機配位子の回収 藻T h a l a s s i o s i r apseudonana,緑 藻 D u n a l i e l l at e r t i o l e c t aか ら生産された F e ( I I I )リガンド(Ir o n c o m p l e x i n gl i g a n d s ) を検出した(旬。最近の報告では,クリーン技術と合わせ て , Chromea z u r o lS(CAS)a s s a y法の改良,吸着カソー ディックストリッピングボルタンメトリー (ACSV) の導 178 ( b ) ( a ) o t y L 1: γ氏 自 5 一戸…が 3 、、- H3 N 、 一、ノ 、 ;:-N~ (C~215 /(CH2)2 ;:-N~ (C~215 / C H2)2 〆N HO N- '0 HO 0 、 (C~215 / H 3 y- HO 0 D e s f e r r i o x a m i n e D e s f e r r i c h r o m e の ( γμx;! 。 弁 Rh o d o t o r u l i ca c i d ( e ) ょ : ィ : 。 ; ぷ : ; E n t e r o b a c t i n Mugineica c i d 図 I 代表的なシデロホアの構造式. ( a )D e s f e r r i c h r o m e(菌類シデロホア,ヒドロキサメート型), ( b )D e s f e r r i o x a m i n e (細菌 c )Rh o d o t o r u l i ca c i d (菌類シデロホア,ヒドロキサメート型), ( d )E n t e r o b a c t i n(大腸 シデロホア,ヒドロキサメート型), ( 菌シデロホア,カテコール型), ( e )M u g i n e i ca c i d(イネ科植物シデロホア). 入により,緑藻C l o s t e r i u ma c i c u l a r e,O l t m a n n s i e l l o p s i s 衝剤および金属キレーターについて改変し(改変 IHN培 v i r i d i s, Scenedesmusi n c r a s s a t u l u s ,ラフィド藻 C h a t t o n e l l a a n t i q u a ,Heterosigmaa加 shiwo, ク リ プ ト 藻 Rhodomonas m i l i a n i ah u x l e y i ,Gephyrocapsaoceanica o v a l i s,ハプト藻 E についても, F e ( I I I )リガンドを生産することが示唆された e ( I I I )リガンドについては,構造および Fe 併問。これらの F 地 ) , CASa s s a y法を実施したところ, 16種の真核微細譲 取り込みに対する機能は明らかにされておらず,シデロホア 類(ラフィド藻 6種,渦鞭毛藻 3種,緑藻 l種,クリプト寵 1種,珪藻 2種,ユーグレナ藻 1種,ハプト藻 2種)による F e ( I I I )リガンドの生産が確認できた。海洋微細藻類による Fe要求量は,藻種(特に沿岸種と外洋種),細胞サイズによ り異なるので (14),Fe取り込み機構を解明するためには,数 であるか否かは定かでない。だが,鉄不足条件下における各 1ι12), 藻種の増殖とリガンド濃度との関係は示されており (8, 長年に渡って広範な海洋微細藻種の培養に適する人工合成培 シデロホアである可能性も考えられる。真核微細藻類による 地の開発が試みられてきた。しかし,これまでに創案された 多くの藻種におけるデータの蓄積が必要である。それゆえに, Fe取り込み機構に関しては,藻類の種レベルあるいは属レ 人工合成培地では,海洋微細藻類の多くは増殖不可能であり, ベルで異なる可能性がある。環境水中の Feスペシエーショ ンに影響を及ぼす,これら F e ( I I I )リガンドの構造解析およ Fe取り込みに関する報告例は数種(主に珪藻)に限られて いた(14 ) 。培地中の化学形態が把握でき,多種の海洋微細藻 び特性の解明が望まれる。 類の無菌培養が可能な人工合成培地の登場は画期的であり, 7種に対して 近年,我々の研究グループは,海産赤潮寝 1 良好な増殖を得られる人工合成培地 (IHN培地)を開発し た(13)。この培地を Fe利用能に関して検討できるよう,緩 Feをはじめとする栄養要求性の検討に極めて有効であるこ とから,真核微細藻類による Feの取り込み機構および Fe不 足環境下における適応戦略に対する研究において,今後の飛 179 V /光分解 ν 待 F 酸化的環境 ﹀一H e一O F一副 存 一 該 今Y 溶 一働 く 一 組 ⋮ 一 ﹁ i官同; l . /h v 還元的環境 [ Fe+ ] [ Fe+ ] 3 有機態 FeO(OH) 2 溶解 3 [ F e L ] Fe203 堆積物 図 2 海水中の F巴取り込みと赤潮発生メカニズム 海底 L,有機配位子 ;R,欽還元酵素 ;X,シデロホアレセプタ ー 躍的な進展が期待できる 。 いことから,底層水中もしくは海底堆積物表面に存在する難 溶性 F巴が大量増殖 に重大な役割を果たしてい る と推定でき SA), クエン酸 (CA) る。 また ,有機配位子 (サリチル酸 ( 赤潮発生と鉄との関係 赤潮は,微細藻類の増殖に好適な環境, 一般に富栄養化し および EDTA) を用いて ,有機 Fe錯体の増殖に対する影響 た沿岸水域において発生し,著しく高し 3密度まで増殖 した結 を検討した 。 その結果,F巴添加のみ(培地中で Fe( OH)? + , 970年代からの赤潮藻類に対 果生じる海の着色現象である 。 1 F巴(OH)3 'Fe(OH)4 として 溶存)と比較した場合,サ リチ ル i i境条件についての研 する生理,生態,生活史および、水域の E 酸存在下 ( F巴(SA)ょ として 溶存)に おいて ,緑謀 O .v ir i d i s 究成果により ,その発生機構の解明が進んで、いる 。河川│ から およびハプ ト藻 Cr i c o s p h a e r ar o s c o f l e n s i sの増殖促進が確認 eの の流入や,雨水,堆積物の溶解などによって 一 時的 な F Fe? (OH)? (CA)? 2 として溶存)にお でき, クエン酸存在下 ( 大宜供給が起 こり,赤潮藻類の大量発生に影響を及ぼす可能 .a k αs h i w o,渦鞭毛諜 H.t r i q u e t r a,ユー いては,ラフィ ド藻 H 性がある 。最近の報告では, ブルーム(微細務類の大量発生) グレナ説 Eu t r e p ti e l l agym n a s t ic α, ハ プ 卜藻 C .r o Sc _ o 酔 ns i s 仁 │ 二 Iの F eスペシ エーションをサイズ日JIにi J lJ定する ことにより, の増殖促進が見られた e濃度とブルームとの関係が示されている 各F と して溶存)では, ラ フ ィ ド 藻 の Ch at t one/ l aa n t i q u a,C. marina,C .o v at a,C .v er r uc ul o s α,F i b r oc a ps αj a p o n ica,H. a k a s h i w o,渦 鞭 毛 藻 H.tJ 匂ue t r a,K .m i k i m o f o i, ユ ー グレ .gymnasti c α,ハ プ ト藻 仁 r o s c o f f e n si sの増殖促進が ナ藻 E 示された (18)。 さらに,各キレ ー ト培地 中で F巴濃度に対 して 。 しかし,こ (1 5 ) れらの供給された F巴の赤潮藻類による取り込みメカ ニズ ムに ついては不明である 。赤潮が頻繁に発生している沿岸域では, 全 Fe濃度および懸濁態(コロイド態 +粒子態 )Fe濃度が高く, また ,海水l t こ !の溶存態 F eの 99% 以上が有機配位子と結合 し た有機 Fe錯体であることが明らかにされている (3.16)。 改変 IHN 培地を用いた 14 種の赤 ì~QJ 原因藻類による Fe 添 加培養実験では,難溶性の Fe Sが, ク リプ ト藻 Rho domonas t e r o c α : ps αc i r c u l a r is quam α,Kar e ni a o v a l i s, 渦 鞭 毛 藻 He mikunot oiの 増 殖 に 利 用 さ れ た 。 さらに , 難 溶 性 の FeP04 が,こ れら 3藻種に加えて,ラフィ ド藻 H .a k a s hi H ノ 0,渦縦 毛謀 He t e r o c a p s at r i q u e t r α, 珪 藻 Di t y/ ul11 b r i gh t wel l i iの僧 殖に利用される こと が確認できた(17)。難溶性 F巴を利用 した これらの赤潮藻は鉛直移動できる生態i l 攻略を有する種が多 (1 8 )0 2 EDTA添加1( 主に FeOHE DT A 有機配位子濃度の割合を変化 させた場合 ( F e錯体 および他 の金属錨体の占有率が変化 ),赤潮藻の 最大増殖量だけでな く増殖速度の変化 が認められた 。 これらの結果から,多 ( 18) くの赤 i M J F J!類は有機態 F巴を増殖に 利用し,その増殖は有機 配位子の臨類だ けではなく,配位子濃度による金属スペシ エー ションの変化か らも影響を受けることが示された 。 これ らはいずれも ,沿岸海水中で、 Feと錯生成する有機物の存在 が,赤潮│ 発生と大きく関与していることを示唆している 。現 在までの研究結果と海水中の Feの化 学形態から Feを通し 1 8 0 た赤潮藻の増殖メカニズムは図 2のように考えられる。 赤潮形成には,その大量増殖を支えるだけの栄養塩の 供 給 が 必 要 で あ る 。 武 田 は Fe-EDTA添 加 に よ り , 珪 藻 ( C 加e t o c e r o ss p p .が優占種)による栄養塩(珪酸塩/硝酸塩, 珪酸塩/リン酸塩)消費比率が変化することを示している(19)。 赤潮藻類の増殖における Feと栄養塩との関係についても興 味深いところであり,取り組まなければならない大きな課題 である。 参考文献 ( 1 )M a r t i n, 1 .H .&F i t z w a t e r , S .E .1 9 8 8 .N a t u r e3 3 1 :3 4 1 3 4 3 . 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( 1 9 ) T a k e d a, S .1 9 9 8 .N a t u r l 巴3 9 3 :7 7 4 77 7 . (京都大学) 1 81 土心 文 英 ! 忠 誠 1 1 1 ] 54巻 l号掲載論文和文要旨 West,J .A.1 • Z u c c a r e l l o,G .C .2・Hommersand,M.3 • K a r s t e n,u .4・Gors,S.4:新組み合わせ Bostrychiaradicosa ( R h o d o m e l a c e a e, R h o d o p h y t a )の観察 J o n eA.We st ,G i u s e p p巴 C. Zu c c ar 巴1 0,Ma xHOll1me r s an d,Ul f 巴n a n dS ol v i gG o r s : Ob s 巴r b a t i o nso nBo s l r y c h i ar a d i c o s ac Oll1b Ka r s t n ov . ( R h o d o me l a c e a 巴,R h o d op hy t a ) Rhodom巴l a c e a eの 中 で I周辺調 1胞 が 棋 に 分 裂 し て 2 機 梢 は わ か ら な い が, 細 胞 骨 格 が 関 与 して いる と考える 。 G l a uc o s phαe r aに微小 管 と ア ク チ ン フ ィ ラ メ ン 卜が配置し ていることが蛍光抗体でわかった 。微小管は放射状に核周辺 から制!J包外縁に広がり,アクチンフィラメントは運動性小 胞の周りに存在している 。 この配置ノ号タ ー ンから, この微小 管とアクチンフィ ラメント両方と も, 小 胞 輸 送 に 関 わ っ て いると考えられる 。 しかし,こ の考えは確かで、はない , な も し く は そ れ 以 上 の 列 細 胞 に な り , ピッ トコネ クション ぜ な ら ば 厚 い 粘 着 性 の 壁 成 分 が あ り , 細 胞骨 格 阻 害 剤 が は は下の細胞とIli I d細 胞 の 問 で 残されている」 と い う 形 態 的 t t p: / / い り こ ま な い か ら だ。 小 胞 輸送 の ビ デ オ ク リップは h S c h o o lo f www.cytogr a p h i cs . com /で み る こ と が で き る 。 ( ,U n i ve r s i t yo fM e l b o l l r ne ) B o t a ny 特 徴 は ,B o s t r yc l u aと Rh o d o l a c h n eの 2属 の み が 共 有 す る。 Rh odol a c h n er a d i c o s aは Bo s t r y c h i aが 通 常 生 育 す る マングロ ー プから報告されている 。 今 回 イ ン ド 洋 太 平 洋 した 。 マレ ー シアと ニュ ー カ レ ド ニ ア の 株 で , 自 家 和 合 性 Dyck,L .J ..DeWreede,R .E .: 大 型 海 藻 類 Mazzaella h o d o p h y t a )の 個 体 群 密 度 の 季 節 s p l e n d e n s( G i g a r t i n a l e s,R の両性配偶体を持つイ 卜グサ型有性生殖生活史がみられた 。 的および空間的パターン ニ ュー カレド ニ アの株は単性の配偶体もみられた 。 ニュー L e on a r dl J a me sDy c ka n dRo b 巴r tE .DeWr e e d 巴:S e a s on a l a n ds p a i t a l / a p a t t e r nso fp o pu la i t o nd e ns t i yi nt hema r i nema cr o al g alMaz z a el s p L e n d e n s( G ig ar t i n a l巴s , R h o d o p hy t a ) から ,Rh o dol a c h n er a d i c o s aに 類 似 す る 多 く の 個 体 を 採 集 サウスウエ ー ルズ(オ ー ス トラリア)の株では ,匹l 分胞子 による無性生殖が繰り返された 。 タイの株では, : t ! Wと混合 分胞子襲スティチディアに雄 の四分! J 包子体 が 繰 り 返 す :匹l 大きな空間での個体 数の推移というものは,多くの研 究者 洋が付 き,雌の 生 殖 器 官 は な い。 西部オ ー ス トラ の精子袈 1 が様々な場所で何度も繰り返し行われている調査で扱われ b c Lとリボ リ ア と マ ダ ガ ス カ ル の 株 は 成 熟 し な か った 。 r ている特別 な種類の 地 域 個 体 群 に 関 す る 研 究 に よ っ て , 見 ソー マル RNAラー ジ サ ブ ユニ ッ ト辿伝 子 の 配 列に基づく s t r y c h i aに属する 。 低 分 子量 炭水 と,これらはすべて ,Bo z z a e l l a 通 し が で き る よ う に な る 。 北ア メ リカ西海岸 の Ma 960年代から現在ま s pl e nd e n sは,そのような種類である 。 1 化物解析では, d ig en e a si d eが全ての株で高レベルに検出さ での本邸の地域個体数に関する総合的な研究により,多くの れた 。糖へキシ卜 ー ルの l種 で B o s t r y ch i αのオス モライト 天然 個体桝にみられる共通する パタ ー ンが発見されている 。 であるソルビト ール が全ての株で検出 された 。 ただし,マダ 個体群密度は,配偶体世代も胞子体│立代も 夏に高くなり ,冬 ガスカルと ニューカレドニ アの j株は非常に少なかった 。 分 に低くなる 。季節変化の規模は,波にさ らされる場所ほ ど減 子 , 低分子量炭水化物および形態学的証拠か ら,Rh o dol a c h ne 少する 。 波が避けられる場所では ,夏は半数 世代(配偶体), a d i c o sαは Bo st r y c h .i aに 属 す る と 考 え ら れ,Bo s t r y c hi a 冬は{荷数世代 (胞子体 ) が優占する 。 この 季節による世代の 交代 は,波にさらされる場所ほど倍数 │ 立代(胞子体)が優占 Ic c a r e l l oa n dHommer s an dに 新 組 r a d i c o s a( l t o n o)We s t,Zl する 。個体群密度の変化は, 多年生の基部外皮の 出現と消失 'S c h o o lo fB o t a ny ,Un iv er s i t yo fM e l b o l l r ne , み合わせした。 ( 2 S c h o o lo fB i o logi ca lS c ien ce s,V ict o ri aUniversi tyo f が主に関わっており ,別 の世代の個体が入り込む と言うより D巴partmento fB i o logy,Un iv e r s i t yo fN o r t h は, こ の 基 部 か ら 藻 体 が 作 ら れ る か , 消 失 す る か に か か っ Wel l i ngt on,3 l ・ k l巴yの 1 n s t i t l l t eo fB i o l ogi c a lS c i e n c e s A p pi l巴dE c o l o g y, ている 。 この パタ ー ンの一般性を調べるため, Ba C a r o l i n a,4 SecondB巴a chにおいて波にさらされる場所と波が避けられ U n i v e r s i t yo fRos t o c k) 1 ・ る場所で密度の季節j変 化 を調査した 。 その結果,波が避けら W i l s o n,S .M.・ P i c k e t t H e a p s,J .D .・ West,J .A .:単細胞紅 藻G / a u c o s p h a e r av a c u o l a t aの小胞輸送と細胞骨格 S a ra hM. W i l s o n,J e l巴ll1yD.P ic k e t t He ap sa n c lJ o n巴 A.W巴s : t Ve si c l et r a n s p o r ta n dt hec y t os k e l e t o ni nt heu n ic el l u la rI巴da l g a / lc o s p h a e r av a c l o L a l a Gl a 単細胞紅藻 G l a uc o s phae r av a cu ol at aで は , 小 胞 が 絶 れる場所で季節変動が大きかった 。 このことは,共通ノ号 ター ンと同じであった 。波が避けられる場所で夏に半数出代(配 偶体) が優占 し,波にさらされる場所で夏に倍数 世代(胞子 体)が優占することも共通ノ号タ ー ンと類似した 。個体群密度 の変化が,別 の世代の個体が入り込むより基部外皮の 出現と 消失が主に関わっていることも,以前の研究でみられたこと えず核周辺領域から細胞外 へ輸送される 。 この現象をタイ a r k le yの Se c ondBeachの波が と同じであった 。 しかし , B ムラプスビデオ顕微鏡で記録 した。 この制胞内運動の調節 避けられる場所では,季節による位代仮占度の交代が 3年 連 182 続でみられなかった。この季節による世代優占度の交代は 生育地域の状況に依存し,天然個体群に共通してみられるも B l i d i n g i aに含まれた。 ( I D e p a r t m e n to fBotany ,U n i v e r s i t yo f , 2 T r i p l eI s l a n dL i g h t h o u s e ) B r i t i s hColumbia D e p a r t m e n to fBo 旬.n y , のではないことが明らかになった。 ( U n i v e r s i t yo fB r i t i s hColumbia) 水野真:中心珪藻の卵形成と精子形成においてみられる b b o t t,. 1A .2:ハワイ産 P o ' y s i p h o n i aの分類学 Kim,M.l・A 減数分裂のパターンの進化 MakotoM i z u n o :E v o l u t i o no fm e i o t i cp a t t e m so fo o g e n e s i sa n d 的ノート ,N e o s i p h o n i a(Rhodomelaceae,Rhodophyta) s p e r m a t o g e n e s i si nc e n t r i cd i a t o m s の移動 Myung-SookKimandI s a b e l l aA .A b b o t t :Taxonomict o n e s o l y s i p h o n i a,w i t ht r a n s f e rt oN eosiphonia onHawaiianP 分裂にはいくつかのパターンが知られている。それらパター ( R h o d o m e l a c e a e, Rh o d o p h y t a ) の中では,減数分裂の第 l分裂では核分裂後に核の凝縮はな へ タイプ標本とその他採集品を詳細に観察し,ハワイ 現生の中心珪藻の卵形成と精子形成においてみられる減数 ンの進化を最節約原理に基づき推定した。卵形成のパターン く,等分の細胞質分裂が起きるが,第 2分裂においては核の 産P o l y s i p h o n i aの 5種を N e o s i p h o n i aと し て 認 識 し た : 凝縮が起き,細胞質分裂が起きず,結果として 2つの卵細胞 Neosiphoniaa p i c u l a t a( H o l l e n b e r g )Masudae tKogame, N e o s i p h o n i ab e a u d e t t e i( H o l l e n b e r g )M.S .Kime tAbbott 新 組 み 合 わ せ ,N e o s i p h o n i ah a w a i i e n s i s( H o l l e n b e r g )M. S .Kime tAbbott新 組 み 合 わ せ ,N e o s i p h o n i ap r l φmda ( H o l l e n b e r g )M.S .Kime tAbbott新組み合わせ,および y p e1と仮に名づけたパターンが最も原始的 がつくられる t 第 2分裂とも核分裂後に核の凝縮はなく,等分の細胞質分裂 N e o s i p h o n i ar u b r o r h i z a( H o l l e n b e r g )M.S .Kime tAbbott 新組み合わせ。これら 5種は,皮層があり,側枝始原細胞と 毛状糸が連続して形成され,仮根糸は交差する壁により周 p o l e )が存在する殻を持つものが原始的であることを 上の極 ( であると推定された。精子形成のパターンの中では,第 1, が起き,結果として 4つの精子細胞がつくられる 4-2ECと 仮に名づけたパターンが最も原始的であると推定された。今 回得られた推定は,中心珪藻の中では, 2つあるいはそれ以 示唆する。(東京農業大学・生物産業・生物生産) N .b e a u d e t t e i 辺細胞から離れ, 3細胞性造果枝を形成する ( とN .r u b r o r h i z aにはみられない),精子嚢枝は毛状糸の第 一枝に形成され,四分胞子嚢はらせん状に配列する。いくつ かの種類ではいくつかの形質が利用できなかったが,それ 以外の形質の組み合わせは N e o s i p h o n i aに独特のものであ I R e s e a r c hI n s t i t u t ef o rB a s i cS c i e n c e s ,PusanN a t i o n a l る 。 ( U n i v e r s i t y , 2 D e p a r t m e n to fBotany , U n i v e r s i t yo fHawai'i ) Lindstrom,S .C .1 ・Hanic,L .A .1 ・Golden,L2:B r i t i s h e r c u r s a r i ad a w s o n i i( = S ' i d i n g i ad a w s o n i i Columbiaの緑藻 P comv.n o v ., Kornmanniaceae, U l v a l e s )の研究 加藤祐介 1・小亀一弘 1・長里千香子 2・本村泰三 2 :同形配 備を行う褐藻カヤモノリ ( S c y t o s i p h o nl o m e n t a r i a ) にお付 るミトコンドリアと葉緑体ゲノムの遺伝 I n h e r i t a n c eo fm i t o c h o n d r i a landc h l o r o p l a s tgenomesi nt h 巴 i s o g a m o u sb r o w na l g aS c y t o s i p h o nl o m e n t a r i a( P h a e o p h y c e a e ) 同形配偶をおこなう褐藻カヤモノリ S c y t o s i p h o n l o m e n t a r i a(Lyngbye)Linkにおいて,葉緑体とミトコンド リアの遺伝様式を蛍光顕微鏡観察とハプロタイプゲノムマー カーにより調べた。本種において接合子の発芽は一方向性で S組 合aC .L i n d s t r o m, Lo u i sA .H a n i ca n dL a r r yG o l d e n :S t u d i e so f あり,藻体は発芽管の細胞から発達し,元の接合子の細胞 は褐譲毛を形成する以外は発達しなかった。葉緑体の遺伝 t h eg r e e na l g aP e r c u r s a r i ad a w s o n i i( = B l i d i n g i ad a w s o n i ic o m v . は,両親性で,両親由来の葉緑体が接合子の最初の細胞分裂 n o v ., K o m m a n n i a c e a e, Ul v a l e s )i nB r i t i s hC o l u m b i a で娘細胞に分配される仕方は偶然による:母方か父方のどち 実体があまり良くわかっていない海産巻き員に着生する らか一方の葉緑体が発芽管に移動し,残りの葉緑体は元の P e r c u r s a r i ad a w s o n i iを北アメリカ沿岸域から新たに採集し, 培養しシークェンスした。遊走子,単為発生する配偶子および 接合子の細胞に残った。それに対し,胞子体細胞のミトコンド 接合子は,胞子の細胞質が分裂細胞に移行する e m p t y s p o r e g e r m i n a t i o nを示し,伺旬枝様の発達により伺旬組織を形成 する。初めの単列フィラメントは,この伺旬系から発出し 密度の濃いカーペット状になる。これら直立枝は,まもな く基部は 2列に,末端は多列になり,肩平状でよじれ寝体 c t o c a r p u s らの遺伝様式は,同形配偶を行う褐藻シオミドロ E リアゲノムは,雌配偶子からのみ由来した(母性遺伝)。これ D i l l w y n )Lyngbyeのものと似ている。ミトコンド s i l i c u l o s u s( リアの母性遺伝は褐藻類において共通のようである。 ( 1北大・ 院・理・生物科学, 2北大・北方生物圏フィールド科学センター) / 5は 2層になり,希に大型の個体で中空になる。これら 長4 の個体は末端で成熟し, 4本鞭毛の遊走子か 2本鞭毛の同型 配偶子を放出する。配偶体は雌雄異株で,胞子体と同型世代 West,J .A.1・Klochkova,T .A .2・Kim,G.2・Goer ,S .L .3 : 交代を繰り返す。配偶子は素早く動き,羽を持つ見虫のよう に,しばしば不規則に端から端まで震動する。 18SrRAN遺 伝子と ITS配列との比較において,本種は Kommania科の J o h nA.W e s t , T a t y a n aA.Kl o c h k o v a ,GwangHoonKima n dS u s a n ・ d eG o e r :O l p i d i o p s i ss p .,a no o m y c e t ef r o mM a d a g a s c a r L o i s e a u x o s t r y c h i aa n do t h e rr e da l g a e :H o s ts 戸c i e ss u s c e p t i b i l i t y t h a ti n f e c t sB 。 S o s t r y c h i aや他の紅藻に感染するマダガスカル産の卵菌類 " p i d i o p s i ss p .:宿主種の橿患性について 1 83 マダガスカルで採集した 卵 菌類 O l p i d i o ps i ss pを 宿 主 Bo sf r y c h i am o r i t z i an aと共に培養した 。 2本 の 不 等 鞭毛を 持つ豆状の遊走子は,宿主の細胞壁に付着し, 2 日で宿主制1 1 胞は崩壊し,それぞれの感染細胞で合胞体を 発達させる 。遊 走子は紺│ 胞 を裂き, 小 さな栓を 持つ放出管 が形成される 。感 染から新たな遊走子の放 出 まで 3日間であ る。 感染は 多列 細胞, 単列記H I胞 , f ,反根および生 殖細 胞校のスティチディア でも起こる 。 マイクロ波を 施 し た 死 ん だ 細 胞 に は 感染 しな Cal o gl o s s ao g a s αwa r ae n s i sと C αl o gl o s s apo s t i a eは 感 染 の s y si p hon i ac he j u e n s i sは感染 前兆さえみ られなかった 。 Da しなかった 。 !若くことに , Po r p h yr ap u l c he l l aと Por p h yr a s u b or b ic u l a t aは, 葉 状 期 で は な く ,コ ンコセ リス 期 に 感 染 した。 P o r p h y r at e ne laと Por p h yr al i ne ar i sは コ ン コ セ orph y r a リス期に感染し,葉状則はまだ調査 してい ない。 P p h yr ade n f a t aは コンコセリス期に は感染 しな m i n i af aと Por かった 。 Ban gi aa t r o p u r p ur e aの配{ 肉体フィラメン 卜は感染 かった 。催盟、性は種や生育地によって 違いが見られた 。 マダ しな かった 。仙 の紅藻,褐部および緑藻は感染 しなかった 。 sf r y c h i amor i t z i a n aと B o s t r y chi ar a d i c a n s ガスカル産の Bo タイムラ プス ビデオ顕微鏡で感染体の発達過程や胞子放出 は 感 染 し た が , マ ダ ガ ス カ ル 産 の Bo sf r y c h i at e n elaで I S ch o o lofBotany,Un iv e r si tyofMelbourn , 巴 を観察 した。 ( 株 は 感 染 し な か っ た 。 Bo s f r y ch i a は l株 は 感 染 し 2i 2 DepartmentofBiol ogy,KongjuNational Univer si t y,31 1 r a d i c o s aではマ ダガスカル r u ede sMoguerou) タイ オ ー ス トラ リアおよび ニ ューカレドニアの株は感染 した が,マレ ーシアの株は感染 しなかった。 メキシコとブラジルの B o s f r y c h i aI・ αd i c a ns, と 英文誌 54巻 1号表紙 Bo s t r y ch i af l a ge l l i f e r a,Bos f r y c h i amonfagnei ,Bo sf r y c h i a sf r ych i af e n u i s sima,S t i c t o si phoni α s i m p l ici u scu l a,Bo i n f r uc αt a,S t i C f o si p hon i af a nga t e n s is ,Lopho si p hon i as p ., Ne o si p ho n i asp. , お よ び Po l y si p h o n i aspp .は 感 染 し な か っ o s f r y c h i αmor t f Z l a n aと 紅藻 B た。多 くの非感染種では,細胞崩壊に続き ,早急な傷修 復 が および遊走子の放 出 Por p h yr ap u l c he laの細胞内で発 l p i d i o p s i ss p.(フク 達中の卵菌 O ロカビ モドキ 属の l種)の胞子嚢 起こり ,合胞 体 や ) J 包子 の 発 達 は見られない。 マダガスカル a l o g l o s s αl e p r i e u r iiはl l q l周辺細胞で、 は出 1 1 1 胞崩壊と傷修復 のC が起こったが,側校 は死に傷修復が起こ らず紫 色 になった 。 P h y c o l o g i c a l R c ! 1 { ; } u l i l l J I 54巻 2号掲載論文和文要旨 英文誌 Garcia,M. :F r a g i l a r i a obtusaHustedtの S t a u r o s i r a cons umptionbyt hegr a zi ngf is h,P l e c o gl o s su sal l iv el i s ,ont he Ehrenberg属(珪藻綱)への移行 b 巴n t h ica l g a lc ompo si t ioni nt heC h i kumaR iv er , J a p an Ma r i ne sGm・ c i a :Thet r a n s f 巴 ,r o fFragil a r iaob ll 1s aHu s t e c l tt ol he o si r aE h l巴n b巴r g( B a c il l a r i o p hy c e a e ) g en usSWlIr 長野県千 1 1 1 1川 において,付着誌類群落の種類組成に及ぼす アユ ( P l e c o gl o s s u sa l t iv el i s )の摂餌の影響を調査 した 。 アユ ラ ラ ン ジ ャ ル 湾 (リオ ・グ ラ ン デ ・ ド ・サ ル州 パ トス に頻繁に摂餌されていた群落とアユの摂餌跡のない群落の種 湖) か ら 採 集 し た 砂 地 サ ン プ ル を 使 い , 報 告 例 の 少 な い 類組成を比 1反した結果,頻繁に摂餌されていた群落 では ,珪 s t e d tの被殻の微細 H梢 造 に つ い て 詳細│ Fra gi l a r iaobfusaHu 藻およ び1 1 自旬型糸 状服部の現存量が減少し,直立型糸状態藻 usaは Sfaurosi r a に観 察 を 行 っ た 。 そ の 結 果 よ り , F obf が優占していた 。次に,アユの倒選択性 を調べるため ,アユ α(Hu s t e d t )G a r c i aとして Sfaurosi r αEhr e n b e r g属 へ所 O b f u s の消化管 内容物とアユに摂飼されていた付着藻類群落の種類 属を移行させる ことを提唱する 。 この分類1 げは , 内側 にあるf:i i l 組成を 比較 し た 。 その結果 , 倫j 債] 型糸 状藍 ~~~につい ては,消 板 によ ってふさがれた楕円状の胞紋からなる条線,数列の小孔 化管 内容物に 占める割合 と摂餌されていた群落に占める割合 によって形成される殻端小孔域,装飾のない帯片,幅広い接殻 の聞に有意な差は認められなかった 。一方,遊説では,消化 帯片,唇状突起をもた ない,と いった特徴を持っている 。 これ 管 内容物に占める割合 が,摂餌さ れていた群落に 占める割合 は砂地性 S. obf usaのは じめての記載である 。 ( Un iv er s i da d e に比べ大きかったのに対し ,直立型糸状1 4 E諜では小さく なっ ていた 。 この結果は ,珪藻および伺旬型糸状臨藻に 比べ,直 Fe d e r a Id 巴P el o t a s,De p a r t a m e nt ol c巴 B o t an ic a) rいこ とを示している 。 アユ 立型糸状監藻がア ユに 食べられ草r 阿部信一郎 1・木曾克祐 2・ 片野 田中次郎 5 修 1・山本 聡 3・南雲 保 4. 長野県千曲川における付着藻類群落の種類組成 l e c o g / o s s u sa l t i v e l i sの餌選択性の影響 に及ぼす藻食魚 P S h i ni c h i r oAb 巴,Ka t s u h i r oK i s o,Os amuK a t a n o,S a t os h iYamamoto, Tamot s uNagumo an c lJ i roTanak a : Impa ct sofc l i f fer en t i al の摂餌によ る直立型糸 状臨藻の優占は , アユの餌選択性が関 1 中央水研, 係してい るもの と考えら れる 。 ( 長野水試, 41 三 │ 本歯科大 5東京海洋大 2f t f I海区水{ 日F ,3 ) = 辻 彰 洋 1・W i l l i a m s, D .M.2:Synedrarumpens F r a g i l a r i a 1 8 4 rumpens (珪藻綱)のタイプ標本観察 の構造を形成することである。染色体数は輪生枝細胞,表層 i r oT u j ia n dD a v i dM.Wi l l i a m s :E x a m i n a t i o no ft h et y p em a t e r i a l A k i h 糸状細胞, o fS y n e d r ar u m p e n s= F r a g i l a r i ar u m p e n s , B a c i l l a r i o p h y c e a e F r a g i l a r i ar u m p e n s(Kutz.)G.W.F .Carlsonは , 世 界 中 =4,造胞糸の細胞,‘シャント ランシア期'の糸状体で 2n= 8を示した。配偶体と‘シャン ドーム状細胞で n 6 0 1 7 0c m l s )暗い ( 3 3 . 1 1 2 1 トランシア期'は流れが速く ( の様々な湖沼から報告されている。しかしながら,本種は, 2 } tmolp hotons/m / s ) 流域に生育することが多かった。個体 F r a g i l a r i ac a p u c i n aDesm.や F r a g i l a r i av a u c h e r i a e( K u t z . ) 群は調査期間を通して変動し,‘シャントランシア期'は雨 J .B . P e t e r s e nと類似しており,分類が混乱していた。この問 季に最も多く見られるのに対して,配偶体は乾期に多く確認 y n e d r ar u m p e n sのタイプ観 題を解決するため,本論文では S 察を行うと共に,類似種との比較考察を行った。 ( 1国立科学 された。これらの結果は,雨量の変動とそれにともなう流速 の変化を反映しているものと考えられる。この個体群が示す 博物館・植物研究部, 特徴は,流速に対して適応した結果ではないかと理解するこ 2ロンドン自然史博物館・植物研究部) とができる。例えば,藻体の周辺の粘質層は損傷を回避する Hernandez-Chavarria,F . 1 . 2・S i t t e n f e l d,A . 1 . 3 : コスタリカ, ためと考えられ,また,長く豊富な受精毛と配偶体を形成 リンコン・デ・ラ・ピエハ火山. ' P a i l a sF i a s 'の高度岩内性 するためのおびただしい量のドーム状構造の形成は,このよ 微生物コンソーシアムに関する報告 F r a n c i s c oH e r n a n d e z C h a v a π i aa n dAnaS i t t e n f e l d :R e s e a r c hn o t e : うな環境下でも受精を効率よく行うために発達したのでは ないかと考えられる。 ( I P h y c o l o g yL a b o r a t o r y ,A .P .7 0 ・ 620, P r e l i m i n a r yr e p o r to n白eex 仕e mee n d o l i t h i cm i c r o b i a lc o n s o r t i u mo f F a c u l t yofS c i e n c e,N a t i o n a lAutonomousU n i v .,Mexico, ‘ P a i l ぉ F i a s ' ‘ ,R i n c o nd el av i 吋a 'V o l c a n o, C o s t aR i c a 2 S a oPauloS t a t eU n i v ., Zo ologyandBotanyDepartment) コスタリカ,グアナキャッスルにある‘リンコン・デ・ ラ・ビエハ火山国立公園'内にある火山の小川の岩石につい 赤螺さと子 1・土金勇樹 1・福本亮平 1・藤伊 正 1・岡本弘 3m m深部に,緑色を呈する て調べたところ,表面より 2 之 2:ヒメミカヅキモ C'osteriumperacerosum-strigosum' i t t o r a ' ecomplexの性フェロモンであるプロトプラスト放出 誘導タンパク質 (PR ・ I P ) の生理学的特徴 S a t o k oAk a t s u k a , Y u k iT s u c h i k a n e, Ryo ・ h e iFukumoto, T a d a s h iF吋i a n dH i r o y u k iS e k i m o t o :P h y s i o l o g i c a lc h a r a c t e r i z a t i o no ft h es e x p h e r o m o n ep r o t o p l a s t r e l e a s ei n d u c i n gp r o t e i nf r o mt h eC l o s t e r i u m p e r a c e r o s u m s t r i g o s u m l i t t o r a l 包 ∞m p l e x( C h a r o p h y t a ) 層が存在することがわかった。走査型電子顕微鏡による解析 の結果,シアニディウムによる薄い層があり,続いて珪藻の P i n n u l a r i a属と球形,線形状のバクテリアの層が確認され た。我々の知る限りでは,これは珪藻が優占する岩内性微小 生物コンソーシアムについてのはじめての記載であり,また, 熱帯域にある火山の岩石から岩内生物が確認された最初の 報告でもある。 ( I F a c u l t yofM i c r o b i o l o g y ,2 R e s e a r c hC e n t e r 明 o fM i c r o s c o p i cS t r u c t u r e s ,3ResearchCenterofC e l l u l a rand 単細胞接合藻ヒメミカヅキモ C l o s t e r i u mp e r a c e r o s u m s t r i g o s u m l i t t o r a l ecomplexは,+型,一型と呼ばれる接合 M o l e c u l a rB i o l o g y , U n i v e r s i t yofCostaR i c a ) 型をもっており,両者を混合し有性生殖を誘起すると,粘液 分泌,有性分裂,相補的な細胞同士のぺア形成,プロトプラ . 1・Montejano,G . 1・NecchiJ r .,0 .2:メキシコ Carmona,J スト放出の一連の過程が起こり,接合子形成に至る。 i r o d o t i ah u i l l e n s i s(紅藻,カ 中心部にある小川に生育する S 本研究において,ヒメミカヅキモの+型細胞から放出さ ワモヅク目}の配偶体と‘シャントランシア期'の生態学お れる性フェロモンであるプロトプラスト放出誘導タンパク質 よび形態学的特徴 ( P R I P ) が,一型細胞のプロトプラスト放出を誘導するだけ J a v i e rCarmona,G u s t a v oM o n t e j a n oa n dO r l a n d oN e c c h iJ u n i o r : でなく,一型細胞からの粘液分泌も促進することが明らかに E c o l o g ya n dm o r p h o l o g i c a lc h a r a c t e r i z a t i o no fg a m e t o p h y t ea n d なった。さらに, PR-IPにより一型細胞の有性分裂が誘導され ‘ C h a n t r a n s i a 's t a g e so fS i r o d o t i ah u i l l e n s i s( B a t r a c h o s p e r m a l e s, ることも確認された。すなわち, PR-IPは,ヒメミカヅキモ Rh o d o p h y t a )f r o mas 田 創ni nc e n t r a lM e x i c o の有性生殖進行における 3つの過程である粘液分泌,有性分 メキシコの中心部を流れる石灰質土壌の小川に生育する 裂,プロトプラスト放出を誘導もしくは促進することが示唆さ S i r o d o t i ah u i l l e n s i sの形態とフェノロジーについて調査を 行った。水温は一定 ( 2 4 2 5C) で , pHは中性からアルカ 6 . 7 ・ 7 . 9 ),カルシウムと硫酸が主要な構成イオン リ性の値 ( れた。また,各過程の促進に必要な PR-IPの有効濃度は異なっ 度処理を必要とすることが明らかになった。これらの結果よ であった。配偶体世代の特徴は,明確な粘質層,フィコシア , り PR-IPは接合に関わる複数のステップを独立に促進する 0 ており,接合過程の後半であるプロトプラスト放出ほど高濃 ニンとフィコエリシンの割合における雌雄配偶体聞での顕著 多機能な性フェロモンであり,有性生殖過程の進行に伴い, な相違,大きな受精毛 (>60μm) をもっ造果器の存在があ 適切にそれぞれの過程を進行させていることが強く示唆され げられた。 3つの造果器が単一の支持細胞上に観察されるこ 1東洋大・院・生命科学, 2日本女子大・理・物質生物) た 。 ( ともしばしばあった。‘シャントランシア期'の形態は,他の カワモヅク目での記載と類似していた。注目すべき点は,新 しい配偶体の発生に関係する伺旬性糸状体からなるドーム状 Reimer ,J .D .1・瀧下清貴 1・小野修助 Z ・丸山 正 1・塚原 潤三 3:Z o a n t h u ssansibaricus (花虫鯛:六放射珊瑚E鯛) 185 に共生する Symbiodinium属{渦鞭毛藻網)の緯度レベルお 藻類においてリゾプラストとして形態学的に認識されてきた構 よびコロニー内レベルで見られた ITS-rDNA配列の多様性 J a m e sD .Reimer,K i y o t a k aT a k i s h i t a,ShusukeOno,T a d a s h i Maruyamaa n dJ u n z oT s u k a h a r a :L a t i t u d i n a la n di n t r a c o l o n yI T S - 造物が,分類群において構成タンパク質が異なる可能性を示 rDNAs e q u e n c ev a r i a t i o ni nt h es y m b i o t i cd i n o f l a g e l l a t eg e n u s T r o n c h i n,E . l . 2 .Samaai,T . 3・And e r s o n,R .J .4・B o l t o n,J .J . l: S y m b i o d i n i u m( D i n o p h y c e a e )i nZ o a n t h u ss a n s i b a r i c u s( A n t h o z o a : H e x a c o r a l l i a ) E n r i c oT r o n c h i n,T .Samaai,R .J .Andersona n dJ .J .B o l t o n : 本研究では,日本の緯度の異なる場所で採集されたマメ スナギンチャク Z o a n t h u ss a n s i b a r i c u sに共生する渦鞭毛藻 類S y m b i o d i n i u ms p p .由来の i n t e m a lt r a n s c r i b e ds p a c e ro f r i b o s o m a lDNA(ITS-rDNA)の塩基配列を決定した。系統 解析の結果,北側(桜島と国分)のZ.s a n s i b a r i c u sは Clタ イプの S y m b i o d i n i u mのみを有し,屋久島のものは Clタイ した。('北大・北方フィールド, 2北大・院理・生物科学) 円i " l o p h o r a( 紅藻,テングサ科)属における海綿と海藻との関係 氾i e so fP t i l o p h o r a( G e l i d i a c e a e, S p o n g e s e a w e e da s s o c i a t i o n si ns p e Rho d o p h y t a ) 海藻 P t i l o p h o r a属における海綿と海藻との関係はあまり 知られていないことから .P t i l o p h o r a属 1 7種の 94サンプ ルを対象にこの現象の詳細について調べた。その結果. 2種 プと C15タイプを有し,一番南側の奄美のものは Alタイプ を除くすべての P t i l o p h o r aの種で,表層からの不定枝の形 3種に海綿の着生があることがわかった。偶 成が見られ. 1 とClタイプを有していることが確認された。このことから 発的に海綿の着生が生じることから,海綿着生には種特異性 Z .s a n s i b a r i c u sとSymbiodiniumとの共生関係はフレキシブ は存在しないことが示された。表面からの不定枝は,海綿の ルであることが示された。一つのZ.s a n s i b a r i c u sコロニーは 着生がないときにもしばしば起こることから,海綿の着生に 一つの s u b c l a d eタイプだけの S ymbiodiniumを有してし 3る ことが確認されたが,コロニー内のクローニングされた一つ よって表面からの不定枝の形成が誘導されているのではない 一つの ITS-rDNA配列を比べてみると小さな変異が多数見 着生がよく見られることは,表面からの不定枝の存在と海 いだされた。また,一つの ITS-rDNAクローンでは ITS-2 綿の侵入には何らかの関係があることを示唆している。表 と28SrDNAの境界領域で,別のクローンでは 5 . 8 SrDNA 層からの不定枝は藻類に着生した海綿を擁護しているよう 領域内で大きな欠失も認められた。これらのコロニー内での に考えられ,海綿はおそらく藻類によって提供されたそのよ 塩基配列の多様性は .S ymbiodiniumゲノム中に複数の ITSrDNAコピーが存在していることに由来しているか,あるい うな生育場所をうまく活用しているといえる。そのような は宿主内に極めて近縁な複数のタイプの S ymbiodiniumが存 在していることに由来しているか,どちらかであると考えら れる。('海洋研究開発機構, 2都城東高校, 3鹿児島大学・理) 上 森 千 尋 1・ 長 里 千 香 子 1・ 加 藤 敦 之 2 ・ 本 村 泰 三 ことがわかった。ただし,不定枝が形成されていると海綿の P t i l o p h o r aの構造と海綿の着生が関係しているようである。 ('DepartmentofBotany ,Univ.CapeTown,3Councilf o r 4SeaweedResearchU n i t , S c i e n t i f i candI n d u s t r i a lResearch, MarineandC o a s t a lManagement,2PhycologyResearch U n i v .Ghent) Group, 1: Ochromonasd a n i c a (不等毛植物門,黄金色藻鯛)のリゾ プラストについての微細構造並びに免疫細胞学的研究 C h i h i r oUemori,ChikakoN a g a s a t o,A t s u s h iKatoa n dT a i z o 斉藤憲治・村岡大祐:ワカメ属(褐藻,チガイソ科)のミ トコンドリア大サブユニットリボゾーム DNA:構造的特性 M o t o m u r a :U l t r a s t r u c t u r a la n di m m u n o c y t o l o g i c a ls t u d i e so nt h e と系統解析への有用性 K e n j iS a i t o ha n dD a i s u k eM u r a o k a :U n d a r i am i t o c h o n d r i a ll a r g e c h r o m o n a sd a n i c a r h i z o p l a s ti nt h ec h r y s o p h y c e a na l g aO s u b u n i tr i b o s o m a lDNA( P h a e o p h y c e a e .A l a r i a c e a e ) :S t r u c t u r a l 黄金色藻オクロモナス (Ochromonasd a n i c a ) では核か ら鞭毛基底小体に向けて繊維状構造物であるリゾプラストが p r o p e r t i e sa n du s ef o rp h y l o g e n e t i ca n a l y s i s ワカメ属 2種のミトコンドリア 23Sリボゾーム DNAの 伸びている。細胞周期の間期では, リゾプラストは鞭毛基底 配列を決定し,他の褐藻類の配列と比較した。ワカメの 23S 小体から核とゴルジ体の聞を通って後方に向けて伸びている , rRNA2次構造モデ、ルを当てはめると, rDNAは 2707bpで が,核分裂期になると鞭毛複製に伴って複製し,それぞれの そのうち 1290-1292サイトがステム領域,残りがループ領 リゾプラストは分裂極として機能する。本研究では,オクロ 域であった。アオワカメではこの領域の長さは 2708-2709 モナスの核分裂,特にリゾプラストの挙動について電子顕微 鏡と蛍光抗体法を用いて詳細に再調査した。核分裂中期には , 1290サイトがステム領域であった。今回調べたワカ bpで メ 7個体からは 3タイプ,アオワカメ 4個体からは 2タイプ の配列がみられた。最節約法でこれらの配列と褐藻類の既知 の配列について系統解析をしたところ,ワカメ属 2種のそれ 核膜は崩壊し,複製した鞭毛基底小体からのリゾプラストが 核分裂極となり,紡錘体は樽型を呈した。抗チュープリン抗 蛍光抗体法による観察では,セントリン分子は鞭毛基底小体に ぞれは疑いなく単系統となった。これは rDNA配列情報が 褐藻類の種閉または種内レベルでの系統解析に有用で、あるこ 局在するのに対して,リゾプラストには微小管重合の機能を担 うガンマ.チュープリンが局在した。以上の結果から,様々な たところ. 423回変異が起きたと推定され,そのうち 1 6 5回 体,抗セントリン抗体,抗ガンマーチュープリン抗体を用いた とを示唆する。配列の変異を系統樹上に最節約的に割り当て 1 86 は RNA2次梢造のステム領域にマップされた 。(独法水研セ・ │挟で見つかった 。 広範囲で、記載されているインド洋悶有種 Corynomorphap r i s m a t i c α ( J .A g a r c l h )1 .Agardhは,今回の 東北7l<l J i f ) の ほL l αh a w a i ie ns i s( D o ty 確認が最東端で、の報告例となる 。Do M i l l a r ,A .J .K . l• P a y r i,C .E .2:南太平洋ニューカレドニア, e tWai n w r igh t )Womer 叫巴 ye tS h e p l e yは太平洋中央官I l 以外 ラゴン・シュッド・ウエス卜における海産底性藻類の新記載 での初めての記載となる。今回の調査は,これまでの信頼で Al a n1 .K .M i l l a ra n dC l a l l d eE .P a y r i :Newr e c o r c l so fm a r i n eb e n t h ic al e c l on ia ,S O l l t hP a c i f f ic a l g a ef r o l lt h eL a g o nS u c l O u e s to fN巴wC 37 7)が 12%増 加 す る 結 果 と な っ た 。 CRoya l 種の総計 ( 南太平洋にあるフランス領ニューカレドニアの海産藻類の フロ ー ラを調査するプ ロジェクト の一環として,ヌメア 地域 きるニュ ー カレ ドニ アにおける記載報告 と比 較すると,全 B o t an icGa r densSydney,2 Labor a t o i r ed ' E c o l o g i eMarine , Un iv e r si t ed eP o l y n e s i eF r a n c a i s e ) の調査が行われ,緑色植物門 l種,褐務植物綱(不等毛植物 門) 1種,紅色植物門 3 9種,計 4 1極の未記載の大型藻が見 54巻 2号表紙 h i p i l i a つかった 。生物地理学的に興味深いところでは緑務 R y r o c y s t i sl u n u l a( S ch i .t) 渦鞭毛藻 P p e n i c iL l o i d e sN' Y e u r te tK e a t s(ニュ ー カレドニアの東方, 000kmにあるフィジ ー諸島の固有種と記載されていた ) 数 1 Schi .tにおける表層微小管の免疫 と褐 r~~ 蛍光染色像(撮影:関田諭子) Cut l e r i amoL li sA l l e n c l e re tK r a f t(もともとはロ ー 000km南方の範囲で記載)が新 しく ド・ホーム 島から数 1 記載されたことである。紅藻 G l o i o p h l o e aa r t i c ul a t aW eber- 9 2 8年にイン ド洋西部のマスカリン諸島で v a nBoss巴は, 1 記載されて以来はじめてニュ ーカ レドニ ア ・ヌメア地域の海 山田式吸水紙乾燥装置 判明の 古書庖で『本 田久内植物採集と標本製作法Jl ( 本多正次 ・久 内清孝共著,綜合科撃出版協曾)という 本を 間 32 版 みつけました 。 昭和 6年 に 定 価 l円 5 0銭 で 出版さ れたものですが,植物の採集や標本に 関するこの手の指南書としては大変ユニ ー クなことに,藻類も 吸水紙 を乾燥するための棚につい しっかり取り上げています。 l ても I北海道帝国大挙理挙部植物事教室では ,助教授山田幸男 氏の考案になる,右頁の寓異に示す様な乾燥装置を採用して居 0cm,1 1 届1 8 0cm,奥行き 4 5c m位の木 る。其の構造は高さ 21 の枠を貯へ, 1 これを 4 段に匝切り・・ ・( 仁1 : 1 告 )・・・償格 は注 文して約 2 0闘位, 1 1 1田助教授が米国滞在中, 加州 大型の脂葉 股水紙を乾燥する装置を 見て, 庫で海藻標本製作用の l これに改 3 8頁)などと l頁を 割いて懇切丁寧 良を施した物だといふ。J ( 田先生がし功当に 苦心して標本をつくられた に紹介しており, 11 かが偲ばれます。段ボ ール板を挿入して風乾することにより │ 吸 水紙と襟本を同時に乾燥できるようにな った今 日ではお目にか かれない代物で,こんな時代物の大装置がどこかにあるならば, なんとか実物を見てみたいものだなどと思いながら写真を眺め ていたら Iああっ !J と思し h出しました 。私も北大にいた頃, まさにこの装置を使って 吸水紙を乾燥しておりました。随分お 世話になったのに I 脂葉用紙乾燥装置」という名があったとは 今日まで存 じませんでした 。北大総合博物館の 阿部 剛 さん, も し今も残っていま したら,是非とも歴史資料として保存してく 加しミ申し上げ、ます。 (編) ださるよう, この場をお借りしてお l n a . 主主用紙乾燥童書i 在 北大理』幹部植物』3 3教室使 mの (山田幸 男 氏 t i f f u 1 8 7 [ 学会録事 1.2006年度 日本藻類学会第 2回持ち 回 り評議員会報告 第 2回持ち巨│り評議員会(平成 1 8年 6月 1 428日) を 開催し,次期会長候補者の推薦投票を行った(巨│ 答 :評議 日本以外の地区 ( 定員 2名) 員1 7名中 11名)。投票結果に基づき得票者上位 7名 ( 申し (敬称略) I Aki raF .Pet 巴r s( 当選), J ean i neL .01s en(当選) ;Pa u lC . Sl iv a (次点) 合わせでは上位 5名だが, 5位は 3名が同票数で、あったため 7名とした)につき学会事務局から推薦許諾の確認を行った が , 5名の辞退があったため,候補者推薦の申し合わせ事項 4 .日本藻類学会 研究奨励賞の募集に ついて 現 在 2006年度の 日本藻類学会研究奨励賞の募集を行って に従い,今回は評議員会 としての候補者の推薦を見送ること おります。本賞は,藻類学の発展に積極的に寄与するこ とを となった。 期待し,藻類学及びその関連分野において優れた研究成果を 2.2006年度 日本藻類学会第 3回持ち 回 り評議員会報告 8年 7月 21 30日) を開 第 3回持ち回り評議員会(平成 1 学会 のホ ームペ ージ ( h t t p: / /wwws oc. n i i. a c .j p/ j s p川 1 el come . 催し,会費長期未納会員の会員身分の取り扱いについて ,会 方々がご応募 くださる こと を期待しています(応募締切日 : 費未納のため連絡を停止 して 5年を経過 した会員について 8年 1 2月 25日 (月)消 印有効)。 平成 1 あげた若手研究者(おおむね 3 3歳以下)を表彰するものです。 , 多数の htm)に掲載されている本賞の募集案 内を参照の 上 は,会員名簿から 削除することが提案され,審議の上了承さ 2名)。 れ た (回答 :17名中 1 提出先 ・問しミ合わせ先 657850 1 神戸市灘区六 甲台町 トl 神戸大学 内海域環境教育研究セ ンタ ー内 干 3 日本藻類学会次期会長及び評議員選挙の結果 につい て 次期会長 ・評議員選挙(任期:2007年 l月 l日 2008年 1 2月 31日) を 2006年 1 8年 8月 21 : 1 から 9月 41 : 1 にか け 日本部類学会事務局 て実施し た。2 006年 9月 6日 1 7・ 30より ,神戸大学 内海域 Tel& Fax:( 07 8 ) 8035781 環境教育研究センタ ーにおいて ,洲崎敏何 人 L I L岸隆博両会員 E-mal i:ha nyu t@kobeu .a c . j p の立ち会いのも と開票を行った 。その結果に基づき ,各当選 者の承諾を得て, 以下の次期会長および評議員が選出された 。 [会長選挙] 川井浩史 ( 当選);井 上 勲 ( 次点) [評議員選挙] 北海道地区(定員 2名) 嵯峨直恒(当選),本村泰三 (当選);松山恵二 (次点) 東北地区(定員 l名) 原 慶 明 ( 当 選 );横浜康継(次点) 関東地区 ( 定員 3名) 石田健一郎(当選),白岩善博(当選),河地正仲(当選); 笠井文絵(次点) 東京地区 ( 定員 2名) 田中次郎 ( 当選),藤田大介(当選); 能登谷正浩 ( 次点) 中部地区(定員 2名) 倉 烏 彰 ( 当 選 ),天野 秀 臣 (当選);御闘生 拓 ( 次点) 近畿地 区 ( 定員 2名) 宮下英明(当選),幡野恭子(当選);坪 由宏(次点) 中国四園地区(定員 2名) 大谷修司(当選),半田信司(当選);峯 一朗(次点) : 1 ) 九州地区 ( 定員 2f 藤田雄二 (当選),野呂忠秀(当選);松岡放充 ( 次点) 2005年度研究奨励 1 1受賞者の坂 山英俊氏 (平成 1 8主1 23月 2 7日,鹿児鳥大学稲森会館。左上写真は 授1 1式の様子) 1 88 井上勲著 藻類 3 0億年の自然史-藻類からみる生物進化 一昨年から, 著者 と会うたびに,部類の専門家だけでなく 他 の分野の人にも読ませるような本を書いていることを聞か されてきた 。途中の原稿をみせられたことがあるが,それを かいま見ただけでも面白そうだという 印象をうけていた 。2 年の歳月を経て 刊行された本曹を著者から謹呈されたので, 早速読んでみたら ,すっかりはまって しまい ,460ページも ある本書を 2日で完読 した。本書には,著者がこれまでの研 東海大学出版会, A5変型判 ,504 頁,2 006年,定 仙i 3, 9 90F [ J( 税 究を通じて得られた知見を集大成したものと言うだけではす まない,発展 的な思想がき。っ しりつまっている 。すなわち , 本書において ,著者は,約 30億年という長い月日をかけて 込 ) , I SBN 448601 6 4 4 0 地球進化と地球環境形成ならびに生物進化上で重大な役割を 果たしてきた藻類の壮大な物語を語りながら ,彼の発展的な 自然史観 を示 してい る。老の域に達した研究者には自分の歩 んでいただくこ とを臨めたい。6輩で は,地球進化と生命進 んできた道を再点検させられ,再発憤して研究を進める勇気 化からひとまず離れ,藻類の分類 と生活環について基本的 な l r I 堅や若い 研究者にはこれか 特性を解説している 。光合成色素,葉緑体,貯蔵物質, ミド と活力を与えられるだろうし, コンドリア,鞭毛 ・基底小体 ・ハプ トネマ,光受容装置,生 らの藻類研究の道楳と なっていくであろう 。 本書は ,多種多様な形態をもっ誌類の写真を掲載した口絵 活環の多様性 , 系統性と機能についての最新の知見をわかり の1 6プ レー トと 1 1章の本文の 構成からなる 。第 l掌で著 やすく解説 し,問題となっている点を紹介している 。 この章 者は,様々な部類の形や現象を とり あげ,部類ってこんなに でひとまず,おだやかな解説 内容で読者を安心 させておいた 面白いものだということを示している 。この挙があることで, のち, 7草の「藻額の多様化 をもたら したもの」で,再び, 藻類には素人の方にもはいりやすくなっている 。第 2掌では , 藻類の ( =著者の )激しくダイナミックな側聞を見せつける 。 著者は部類 と地球進化や地球環境の関わりを示してい る。内 J lUJ I滅び行く核 .ヌクレオモルフ J Iさま 「五界説の 向こ う1 容をみる と,鉄やチョ ー クや石油の形成に関 する部類の役割J , よえる葉緑体 J I進行する葉緑体強奪 J Iのどに 刺 さった'自モ 地球上の炭素循環,窒素循瑚,硫黄循環への藻類の役割,お デ 、 ル J I半藻半獣モデル」等の強烈な言葉が各小項目 の見出 よび藻類の生存戦 11I各等についての解説にとどめており,地球 しをかざり,最新の研究であきらかになってきた真核生物系 進化・ fJR 境と r~~類の より ダイ ナ ミックな関 係に つ い ては, 3 統進化 の姿を多くの読者に 知らしめ たいという 著者の l u l びが i f i,5j}主及び 1Oj 告 ) にゆだねることとなる 。 多分,著者は , 聞 こえる詣である 。 また, この輩で ,思う 存分に雌 I l l lびをあ 地球と藻類のところをどのような梢成にするか,相 当に悩ん げてお いて,次章 ( 8草)で, 真核生物 ・真核藻類の最新の ) j をこの程度にとどめたことで,読者 だものと察するが, 2訴 ) 手 の 系統的 な姿を しめすとい う構成は, 実 に見事である 。 8j にはその後の展開が非常にわかりやすくなったといえる 。3 内容は真核生物 ・真核 f " H 翼の系統 につい ての多くの最新の説 3 をレビュ ーし,総合的に まとめ上げた非常に 高度なレベルの 章 以 I~年が部類の進 化 の物語 として の本論となる 。 著者は , 2 詳で藻類という生物を生み出した初期の 地球と生命の誕生に ものであり ,著者の 能力と 努力に,訪日い敬意を表 したい。五 ついて述べ, 地球と生命の始まりをイメージとしてつかんで、 w説ではとらえきらな い, 真核生物・ 真核部類のダイナミッ もらい, 4主 主 で、地球環境を大きく変えた酸素発生型光合成を クでかつ複雑な系統進化の姿が示され,六界説あるいは八界 行うシアノバクテ リア ( 藍部類)の出現と その役割を述べた 説とする現在の分類体系が紹介 されている。読者には, 7章, のち,非│酸素発生系 ・酸素発生系 と含む光合成反応系の多様 8詣で真核生物の複来日な梢成 の中で真核藻類を 研究 する学術 さと進化 についてわかりやすく解説 し, さらに 5主主「真核生 的意義をつかむ ことができるだろう 。 9章では,藻類の進化 物 ・真核藻類の起源と進化」では,核とミトコンドリアの起 の頂点にある │ 陸上植物への進化の道を示 した。鞭毛装置構造, 源についての最新の仮説を紹介して 真核生物のピックパン仮 i!l~底小体 の配 列, 細 胞分裂様式,分子系統の 研究成果に基づ 説へと筆をすすめ,その大部分を占めるプロティスタの重要 き,陸上植物にもっ とも近縁 と考えられるシヤジク蔀綱の特 性とその研究の必要性をつかませた上で,真核諜類の誕生 ・ 性から陸上植物 LUCA( la stuni v er s alc ommonanc 巴s t o r )の 葉緑体の起源へ とつなぐ という, 心憎い までもの見事な筆の 姿を 想定し,陸上へ進出に必要となる防御機梢等の必要条件 l 詳から 5] 彰までは ,一気に読 展開を している 。読者には, 2j を示している 。本来ならば,ここで,主要な本文は終わるの [ 89 が通常であるが, 著者 は 1 0章 で 読 者 を 四 度 ( よ た び ) 地 球 最 終章 の 1 1輩 「ナチュラル ・ヒ ストリ ー再 び 」 で,藻類と 進化と誌類 の関係に導く 。 まとめの章 としているが,正確に 原生生物の多様性研究が必要で、あり,その研究は丁度ダー " " 6に焦点をあて は地球史 7大事件のうち藻類出現後の 第 3' ウィンやウォ ー レスが大型の動植物の発見から斬新な進化説 て地球進化と藻類の関わりあいを解説した主主である 。 特に, を提供していた時代に相当することを示している 。藻類 の 研 PT境界から現在にいたる 2憶 5千万年の間の地球 究には夢とロマンのみちた世界が大きく広がっていることが 著者は, 上でどんな事件が進行して現在の藻類世界 と地球環境が形成 されたかを再構築 する,という試みにチャ レン ジ しているが, ここで展開する論述の理解には, わかる 。 J~l 境分野で長 い間研究を推進してきたことから,多くの分 どうしてもこれまでの草で 野の研究者とつきあっているが,生物学の他の分野の研究者 解説した知見が必要となる 。著 者 は 本書 のこのような全体梢 はもちろんとして,地球科学, 二 │ 二木 工 学 , 原 子 力 工 学 等 幅 広 成に読者がふりまわされるのではないかと懸念しているが, い分野の友人から本書を買って読んだ という話をきくことが この構成であるがゆえに「誌類 3 0億 年 の 自 然 史 」 と い う 本 多い。著者が意図 した 多くの人に読ませる本を書くという目 題をしっくりさせることができ,単なる謀類史ではないこと 的は十分に達成していると言える 。 まだ本書 を読んでいない 放に ,通 常 の 教科書と が明確になっている 。 そして,それがi 方には是非購入し,しかも 一気に読んでいただく こと を薦める 。 ちがって, 一気に読むことができる書となっているといえる 。 藻類30 億年の自然史 藻類かうみる生物進化 井上 勲 著 A5変型判 504頁 定 価 3990円 本音ーは , ~j)i~ 類という生物がおよそ 3 0億年という │ 時を刻み,様々な多 様化を 遂け、てきた こと,そして地 わってき 球と生命の進化に深く │ 具l たことについての物語である.研 究者から初学者まで 「謀 類 j のす べてがわかる -i l tである . 藻類3 0 億年の 自然史 寝.!J' 5"'~生魯進化 (筑波大学大学院生命環境科学研究科渡返信) 国立科学博物館叢書① 自然史標本の収集方法や保存・管理方法 に閲する総合的な. 手引き在.動物,植物, 化石,古人骨 ,岩 石 ・鉱 物 の 専 門家 が 標 国立科学博物 館 編 本に │ 刻する様々な課題を詳細に解説. 自 B5判 128 頁 上製本 定価 2730円 然史系博物館の学芸員や自然史を研 究 す 国立科学問物館主 i l i i の「企画展 日本の る人たち,そして自然史に興味をもっ人 博物図説 十九 世紀から現代まで J( 2 0 0 1 たちにとって必携の書. 年1 0月6日-l l月 I I円)の展示品で、ある多 くの博物図識を紹介し, E I 木の博物図刊 国立科学博物館叢書④ の系譜について解説する . 1 事物図諸を:t ' , j j 日本列島の自然史 いた人たちにまつわるエピソードなども 国立科学博物館 編 収録するとともに,国立科 学 問物館所蔵 B5判 352 頁 上製本 定 価 2940円 の↑ 専物図諮をはじめとして,初公開の多 数の図 5 1 1が含まれており,自然史学や美 国立科学博物館が日本列島の自然の笑態 9 6 7年 -2 0 0 1年までの 3 5 を調べるために 1 術史の観点から見て大変貴重な資料とな 年にわたって取り組んできたプロジ‘ェク 卜 っている . である「日本列島の自然史科学 的総 合 研 国立科学博物館叢書② 究」の成果をまとめたもの.日本列島の 多様な自然についての最新の見方 ・情 報 ア ン モ ナ イ ト 学一絶滅生物の知・形・美 を広く 一般に紹介する . 国立科学博物館編/重田康 成 著 日本の博物図譜一十九世紀かう現代まで B5判 1 6 4 頁 上製本 定価 2100円 国立科学博物館叢書⑤ 本書は国立科学問物館主i ! Uの特別企画展 日本産鉱物型録 「化石の美 と科学 J( 2 0 0 1 : '1 三1 2月4日-2002 松原聴司宮脇律郎著 年 2月 1 7 1 : 1) に 合 わ せ て 企 画 ., . / ' . 1版 さ れ B5$J 168 頁 上製本 定 価 2520円 た. 5 つの平から構成され,アンモナ イト 0 0 6 { 1 三 ,神戸にて開催される国際鉱物迎 の語源,般の造り,進化,生物学,訓べ 2 合総会を記念して刊行された「日本産鉱 方,採集方法などについて紹介する. 物型録J.日本産鉱物 1 1 3 9砲 をアルフ ァベ 国立科学僧物館叢書③ ッド順に並べ, 安芸名,理想化学式,平日名, 品系,文献や分析値などの最新情報が加 標 本 学 一 自然史標本の収集と管理 えられている. : 1 1本 産業 r r 鉱物,稀産鉱物 国立科学博物館編 などには産地を記載. B5判 260頁 上製本 定 価 2940円 東海大学出版会 〒2 5 7 0 0 0 3神奈川県秦野市南矢名 3 1 0 3 5東海大学同窓会館内 . l0 4 6 3 7 9 3 9 2 1 F似 0 4 6 3 6 9 5 0 8 7 Te h t t p://www. p r e s s .t o k a i . a c. j p/ 表記の制l i t 告は税込みです. 1 90 宮道慎二 ・奥田 倣 . J :I 二 上 勲 ・後藤俊幸他編 微生物の世界 TheWorldo fM i c r o o r g a n is ms 物の写真を撮ってみるとわかるが, 他人に自慢したくなるよ うな . 畑町一次 ようとするために仕方の無いことでもあり,実際自分で微生 の Friz -:・ - ある 。本として出版するためにまとまった数の写真を用意し 界 岡山 世 明J たことがあるが,大抵は一個人の写真を集めたもので,その せいかそれほど質の高くない写真までが含まれていることが 一 一 物川 ⋮ 生 川一 一 一 } 微 ご以 す ら 畑明、リ " 弘NKKL' 写真集の 命は 言うまでも 1!!~ ~当が写真の質である 。 私の専門 に関係したところでも,外国で微創n 部類の写真集が山版され 筑波山版会 , A4 判上製, 2 3 0頁 ( オ ールカラー), rこれは !j と思える 写真はそうそう撮れるものでは 1 0 0 5枚のほ ない。 しかるにこの写真集は, 掲載されている 定仙I1 2 , 6 0 0" 11 (税込), I SsN とんどの写真の質が高いし,専門' 1 生を超えて微生物の 美 しさ を芸術的に表現したものも多い。 それは世界 4 -9 2 4 75 35 6 4 C3 6 4 5 1 6カ匡1,2 4 0 名もの専門家がそれぞれ自信作と思う写真を提供 したか らな のであろう 。最良のものを作りたいという思いのもとに ,こ れだけの専門家に写真を依頼し,取りまとめて 1i l Hの本とし る内容である 。 「 微制部類」の項では , ラ ン ソ ウ 類 (実は第 I 背1 1 のグラム陰性菌の項に,より多くの写真がある),紅藻類, て世に送り出された編集委員長の宮道慎二氏,そして編集委 ク リプ ト藻類,クロララクニオン藻類,緑誌類,不等毛部類, 員諸氏の努力にまずは敬意を 表 したい。 5年の歳月がかかっ ユーグレナ藻類,渦鞭毛部類の姿が紹介される 。 それに引 き たというのも領ける話しである 。編集者の微生物への熱しミ思 続いて「その他 の原生生物」として,襟鞭毛虫類, キネト プ いが伝わってくる 1f 附である 。 ラスチダ類などのいわゆる原生動物として分類されてきた 生 そのカバ ーする範囲の広さも本吉の大きな特徴である 。本 物たちが紹介される 。部類学会員としては微細藻類が多様で 告で扱う「微生物」は,利│ 菌類のみならず真核生物そしてウ 美 しいことは卜分認識しているが,それでも本書を見てその イルスにまで及んでいる 。本書}の梢成を紹介しよう 。第 I部 思いはさらに強くなる 。最後にウイルス 。真の「生物」とし 第I I部「菌類 j, 第1 I l青1 1r 微創 j [ 誌類 j, 第 「原核生物 j, I V部 「 ウ イルス」の 4部構成である 。各部の最初には要を得たグルー て認定されないこともある存在ではあるが,電子顕微鋭下で 見る彼らの多様さはある離感動的で、ある。 プの特徴と分類体系の解説がある。私たちに関係の深い r 微 「微生物」は;j;ツ 卜な研究対象である 。生命の起源,生物 制n 務類」の音1 I で‘は筑波大学の列二上勲氏が解説を担当されてい 逃化,細胞進化 , 極限蹴境生物学など多くの研究領域は微生 る。原核生物では, 「グラム │ 陰性菌 j rグラム陽性菌 j rアク 物ぬきには語れない。論文で名 前だけは自にする生物の姿を チノマイセス類 j r 極限環境微生物」という項目の下に各生 本書の 1 1 二 Iに発見することも多いだろう 。本書 は微生物の 多i 様 物の写真が紹介される 。生物そのものだけでなく ,生育場所 な姿をそれぞれの専門家が高い技術を駆使 してベス トな状態 や精養の様子の写真もあって,参考になるし楽しい。菌類の で私たちの前 に提示してくれている 。できるだ け多くの人の 部は rツボカピ類 ・接合菌類 j r 子護菌類 j r 担子菌類 j r 偽 菌類など」という構成になっている 。個人的には 菌類という 手元に置い て欲しい本である 。 そして是非とも「微生物の世 界」を楽しんで欲しい。 のは美しい生き物だと思っていたがそれを再認識させてくれ ( 北海道大学大学院理学研究院 ご出版の予定をお持ちの会員へ 2 0 0 6年に出版された , もしくは来年の出版を予定されている御著書の情報をお寄せください。 必 要 事 項 :①書名 ,②著者名, ③ 出版社, ④サイズ, ⑤頁数,⑥出版年, ⑦定自 I ] j (税込),③ ISBN 情報提供先 :〒 3 0 5 0 0 0 5 つくば市天久保 41 1 国立科学博物館植物研究部 「藻類書評 ・新刊紹介」係 F a x :02 9 85 3 8 4 0 1, E -ma i l : k i t a y ama@k a h a k u. g o. j p 北山太樹 堀口健志( U 1 91 │ 会員異動・入会案内他 自動振替による会費納入のお願い 日本藻類学会会員各位 日本藻類学会 ・庶務幹事(会員担 当) 神谷充伸 当学会は これまで, 会費納入方法につ きま しては郵便服替 による振込みのみとなっており,毎年ご不使をおかけしておりま 006年度より金融機関(銀行,信用金庫または郵便局の預 貯金口座)からの 自動 振替 が 可能となり ま した 。会員管 したが, 2 理事務の効率化と 経費削減につながりますので,ぜひ自動振替による会費納入をご検討いただきますよう宜 し くお願い申 し上 げます。 なお ,事務手続き上,外国会員につきま しては従来週りク レジッ トカー ドによ る, また学生会員につきま して は郵便 振替による振込みのみとさせていただ きま すので , 悲しか らずご了承くださし〉。 こ、 、 不明の点等がありま したら ,下記事務局ま 1 1し上げ、 ます。 でご連絡いただきますよう,よろしくお願い1' [ 金融機関自動振替をご希望の方(普通会員 ・団体会員・ 賛助会員対象)J 和文誌「藻類 J S 3巻 2号に 同封しま した預金 口座振替依頼書に, 必要事項をお書き込みの上 (銀行, 信用金庫の場合は 2ヶ 当。依 頼書をお 持ちでない方は 下記の連絡先 まで ご請 求願いま す。 自動振替の 所,郵便局の場合は lヶ所忘れず捺印して下 さし , 引 き落 とし 手数料は lS0円(税別)と なってお りますが,自 動振替の促 進のため,車I T規 1' 1 1し込みの年次は学会の負担とさせて 007年度の自動振替はすでに締め切っておりますので,2008年 度からの 適用と なります。 2006年 度 いただきます。 なお, 2 およびそれ以前の会費未納分につきましでも ,下記事務局までご連絡し 3ただければ自動振替による振込が可能です。 ※ご注意 .残額不足などの理由によ り 振 替 指定日にご指定の口座から振替できなか った場合は,後日郵便振替 票 をお送り しますので,お近く の郵便局で振込 みをお願いいたし ます (振込み手数料 をご負担下さし,)。 [ 郵便局での振込みをご希望の 方] 自動振替をお申 し込みいただいた会員 以外 には, 1 2月上旬に郵便 振替京をお送 りし ます ので,お近くの郵便局で振込みをお願いいたします(団体会員 ・賛助会員は銀行振込みでも 結織です)。従来 週 り , 振込み手数料をご負担下さい。 [ お申込み ・お問い合わせ先] 9 1 70003 福井県小浜市学園町 トl 福井県立大学 科l谷充仲 宛 T e l& Fax:0770-52-9606 E -mai : lj s p@wwwsoc. n i i. a c . j p 干 1 92 日本藻類学会の入会申込みについて ( h t t p: / /wwwsoc. n i i .a c . j p / j s p / We l c ome .h t m)の「入会案内」か ( Mic r o s o f tWordファ イル)を ダウン ロードし ,必要事項を記入の上,電子メ ールに添付して会員事務担当(例1 1 尽 く 谷充付1 j s [email protected] i i .a c . j p)まで送付してください。記入の際は 同ホ ームページにアップ してあります記入例 をご参 I U3ただけな い方は,以下の項目をこ守記入の上, コピーし て会員事務担当に郵送してくだ さい。該 ださい。 ホーム ページをご r 日本務類学会に入会を希望される方は ,学会ホ ームペ ージ ら入会申込書 , 学生会員 5, 000円)は郵便振替で、お 支払い いただ きますようお願いいたし ます。 000円 当する会員種別の年会費(普通会員 8, なお ,普通会員に限り, 2年目以降は会費の自動賑替がご利用できますので,ご希望の方は会員事務担当までご連絡ください。 - 入会申込書送付先 .会費 払 込先 j s p@wwwsoc. n i i. a c. j p 郵便振替口座番号 :0 1 6 4 0 8 2 7 4 7 加入者名 : 日 本藻類学会 年 申し込み年月日 . 月 日 ・ 入会希望年度(新年度は l月か ら) 年度 氏名(日本語) : 氏名(英語) : 所属機関名(日本語) : 所属機関名(英語)・ 所属住所(日 本語) ・ 〒 所属住所(英語) : 所属電話: ax: 所属 F 所属 Em a i l: -自宅に会誌送付を希望される方 は,以下の項目をご、記入ください。 自宅住所(日本語) : 〒 自宅住所(英語) : 自宅電話 : 自宅 Fax: m a il: 自宅 E - 以下の項目に関して, 該当しない選択肢を消去 してください。 [ 会員の種類] 8, 5, 口普通会員 ( 000円) 口学生会員 ( 000円) ※学生会員の場合は ,郵便振替用紙の通信欄に指導教官の署名をお願い します。 [ 会誌の送 り先] 口 所属先 日自宅 -会誌および名簿に公聞を希望しない項目がありましたら,項目の先頭に .数字は半角で入力してください。 fXJ をご記入ください 0 f u補選催iilllllll11111111111111l111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111l111111111lllllllllllllillllll11111111ll11111lll11111111111111111111111111111I111111111l!lll11111111112 三 三 今号 こそは古の企岡 を桜前させて誌面充実を果たさねばと思いながら ,諸々の締 切りに 追いまくられた挙げ、句, 日時間切れ試合終了,否,編集終了となって しまい,反省 しきりです。 そんななか, 前号の「遊説子」 捌に ご登以ぃ 三 三ただいた新村巌先生から淵かい励ま しのお葉書をいただきました 。 1 口愛果さん の参加記を l頁にま とめ るための Z 1 1 苦肉の策の コラムでしたが, Z 1!!~ 断掲載にもかか わらず f45 年の会員 期間中で スタ ー? なみのデビ ュ ー 記事にすっか Z 編) Eり感激しました 」 との御言葉に恐縮するとともに,次号への怠欲がわらわらと湧いてまいりました 。 ( 三 、川111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111川ぷ 1 93 賛助会員 北海道栽培漁業振興公社 ( 干060-0003北海道札幌市中央区北 3条西 7丁目北海道第二水産ビル 4階) 阿寒観光汽船株式会社 ( 干085-0467北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉 1-5) 全国海苔貝類漁業協同組合連合会 ( 〒273-0017千葉県船橋市西浦 322 ) 有限会社浜野顕微鏡 ( 干113-0033東京都文京区材!日 -2518 ) 株式会社ヤクルト本社研究所 ( 〒186-8650東京都国立市谷保 1769) 神協産業株式会社 ( 干742-1502山口県熊毛郡田布施町波野 9621) 理研食品株式会社 ( 干985-8540宮城県多賀城市宮内 2・56 0 ) マイク口アルジ‘エコーポレーション株式会社 ( 〒50081481 岐阜市│ 陪町 4 1 5 ) (株)八クジ、ユ・ライフサイエンス ( 〒173-0014東京都板橋区大山東 町 32-17) (有)祐千堂葛西 ( 干038-3662青森県北津軽郡板柳町大字板柳字土井 381) 株式会社ナボカルコスメティックス 干 ( 151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-297) ・ 日本製薬株式会社ライフテック部 ( 〒5988558大阪府泉佐野市住吉町 2 6 ) 共和コンクリート工業株式会社 ( 〒060-0808札幌市北区北 8条西 3丁目 28札幌エルプラザ 11階) 総合科学株式会社 ( 〒540-0024大阪市中央区南新町 14 8 ) (株)環境総合テクノス ( 〒541-0052大阪府大阪市中央区安土町 1 -3 5 ) 表紙写真の説明 作品名 材 「 ク リスマ スツ リー 」 料 :珪藻の被殻(約 1 0 0個がスライ ドグラス 上に配置され ている 。右上の写真) j ausD.Kem p (右下の写真) 制作者 :Kl ( MicrofileServi ces,Bl au tann巴n,Wickham Way et ,Engl andTA9418) EastBrent,Somers 特殊な極微遠隔操作装置を駆使し ,こ れまで 5 0 0点に及ぶ 搬入。今巨1 ,右の肖像写 美 しい珪藻ア ート を製作した珪謀l 真の使用許可をお願いしたところ,快諾とともに「市場参 入が困難に思 えるほどの日本の珪謀研究の優秀さとコ レク ターの多さに驚いている」 とのコメン トを頂いた。Kemp氏 の素晴ら しい作品の数々は下記の ウェブサイ 1 ,"Mi crol ife Servi ces-DiatomSpeci al is t "で鑑賞する こ と ができる : http://www.diatoms . c o .uk/ Frontc o v e rp h o t o :“XmasT r e e ",amic r o s c op icC h r i slma sl r e ec ons l r uC l e dof 0 0dialom白usl u le s. Ad i a l OIl1ar t is l ,M r .Kl a u sD .Kell1p,p r o d u c e doverf i v e c a .1 、 ks. vi l hi l l 1p a c tus i ngh isowns pe ci alll1i Cr O l l l a n i p u l a l o l h u n d r e do fd i a l o ma r t¥Vor c r o w o r l di nh iswebs i le:h t tp: / / ww¥V. d i a t o ms . c o .uk / 。 Youc ans e eh isb e a u l i f u lll1i 表紙作品のスライド グラス。 1 0年程前に浜野顕 微鏡 ( i i0 3 3 8 1ト4 3 7 3 )からlUlJ入したもの。 水域環境の総合コンサルタント 海浜植物調査 潮間帯生物調査 プランクトン調査 卵稚仔調査 同定・分析 河川生物調査 ベン卜ス調査 ι 芸蓉海洋間莞顎 'E CO http://www. fuyokaiyo. co. j p / 本 社 :干 1 1 1-0 0 5 1 東京都台東区蔵前 3 1 5 7 TEL ・ 0 3 5 8 2 0-1 1 8 1 FAX ~3-5820-1225 芝浦技術センター ・三重センター ・九州センター・北陸センター 北海道営業所・東北営業所・中部営 業所・長崎営 業所・沖縄営業所・有明事業所 <特徴> O 多彩な微細藻類に使用できる。 。手軽に使用できるので、時間と労力の節約。 O 安定した性能。 。高い増殖。 O 精製水に溶かすだけで、手軽に使用できる。 ダイゴ人工海水 SP ダイゴ IMK培地 100L用 x10 1000L用 x1 1L用 x10 398・01333 39201331 395・01343 回 海水 SPの成分が自然に近い形で混合 されています。 微細藻類に共通して使える培地です。 生育に必要な成分が含まれています。 お客様のご要望に応じた培地 も特注でお受け致 します。 製造 日本製薬株式会社 う イ7 テ ッ ク 部 大阪府泉佐野市住吉町 26番 〒5 9 8 85 58 TEL072 46 9 4 6 2 2 販売 和光純薬工業株式会社 大阪市中央区道修町三丁目 1番 2号 干 5 41 0 0 4 5 TEL066 2 03 374 1 東京都中央区 日本橋四丁 目 5番 13号 URL h t t p://www. n i honpha r m . c o . j p/ li f e t e ch/ 干 1 03 0023 TEL033 2 7 0 -8571 Digital 優れた瞬発力でお応します 私たちイセブは、筑波研究学園都市を中心とする 地域で培 ったお客様との信頼関係を礎に、お客様 一人ひとりに最適な印刷ソリュ l シヨンのご提案を た編集ワlクとクリエイティブなビジュアル提案が めざしています。古川品位な学術判官 ・ 論文集結一寸にすぐれ フルデジタル化によるワl クフローを椛築。完成し 可能な デ ザ イ ン ワ ー ク を 特 長 と す る 制 作 部 門に、 たデジタルデータを CTPシステムでダ イレクトに 刷版出力することで、印刷 ・ 製本工程とあわせて迅速 な生産体 制 を確立し、高品質の 印刷物を スピーディ かつ低価格 でご提供しています。 Roducts 最新鋭の設備が約束する 確かな印刷技術革新 . s . 圃 副 院. . . . 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[内容主目]凡例/新分類群・新組み合わせ・新用語/収録分類群一覧/珪藻の殻構造と用語 /珪藻用語対照表/珪藻分類体系/和文解説/欧文解説と図版/属の学名"和名 対照表/引用文献/学名索引 淡水珪藻生態図鑑 群集解析に基づく汚濁指数 DAlpo, pH耐性能 渡辺仁治編著 5 井 認: 2 2 2 3著 川上製総頁7 同 定 価 制 州 日本のみならず世界各地から約 1 500のサンプルを採集,膨大なサンプルの生態情報を処理検討し,約 1000種の珪藻につ いてその結果を分かり易くまとめる.生態情報の妥当性を期するため,すべてのサンプルを統一条件下で採集し,好清水か 好汚濁か=きれいな水を好むのか,汚れた水を好むのか等を判断する環境指標としての珪渓群集の適性を,多くの図版で具 体的に示す. 総論 珪藻研究の歴史/環境指標としての珪藻群集/湖沼,河川共通の水質汚濁指数 DAlpo/ 珪藻の生活様式/試料の採集/試料の処理と検 鏡/形態(種の同定に関わる特性要素) 写真編 I 中心目 ( C e n t r a l e s ) の分煩 H 羽状目 ( P e n n a l e s ) の分類 IIA 無縦溝 頭目 ( A r a p h i d i n e a e ) の分類 IIA デイアトマ科(Dia t o m a c e a e ) 1B 有縦泌亜日 ( R a p h i d i n e a e ) の分類 1B, ユーノ A c h n a n t h a c e a e ) 1B " ナピクラ科 ( N a v i c u l a c e a e ) 1B4 エピテミア科 チア科 ( E u n o t i a c e a e ) 1B2 アクナンテス科 ( ( E p i t h e m i a c e a e ) 1B 4 ニチア科 ( N i t z s c h i a c e a e ) 1B 5 スリレラ科 ( S u r i r e l l a c e a e ) 学名総索引 事項索引 日本淡水藻図鑑 贋瀬弘幸 編集 山岸高旺 85判上製・総頁 960頁・定価 39900円 創案以来 1 0余年を費やして完成した労作. 斯学の権威がそれぞれの専門分野を担当し,網羅的にまとめた貴重な図鑑. 〔本書の特徴〕 ・全巻にわたり原則として図を左ページに,それらの 記載を右ページに配し.図と記載とが一見して対照で きるよう工夫配列. -随所に淡水藻の特別な種についての特徴,生殖法, または稀産種の産地,産状.分布,淡水藻の利用法, 諸外国の著名な藻学者の小伝などをノートとして挿入. ・各綱について.その中の目・科・属の分類学的特徴 を図などを用いて,わかりやすく説明し,詳細な検索 表を付す. .明治初期以来の日本淡水藻の分類学的研究を中心と する文献を網羅する.採集と研究法.略史も付した ・巻末 l こは学名.和名,術語の詳細な索引を付してい るが.それらの記載ページ,検索表ページなどはそれ ぞれ字体を変えて示し,利用の便をはかつている. ・各属内の種の検索表には.図や記載のページを示し. また図や記載ページには検索表ページを付して.どち らからでも利用できる. ・種については図とそれぞれの特徴,圏内の産地,世 界的な分布を記し.特記すべき事項は備考として付す. 表示の価格は税込定価(本体価格十 5%) です. 〒 112-0012 東京都文京区大塚 3 3 4 3 L .033945-6781 FAX.03-3945-6782 TE 匂 内田老鶴圃 学会出版物 下記の出版物をご希望の方に頒布いたしますので,学会事務局までお申し込み下さい(価格は送料を含む)。 1 r 藻類』パックナンバー 各号,会員価格 1 , 750円,非会員価格 3, 000円; 3 0巻 4号(創立 3 0周年記念増大号, 1 3 0巻索引付き)のみ会員価 000円,非会員価格 7, 000円;欠号 1 ・ 2巻全号, 4巻1, 3号 , 5巻1, 2号 , 6 9巻全号。 格 5, 2 .r 藻類』索引 1 1 0巻,会員価格 1 , 500円,非会員価格 2, 000円; 1 1・ 2 0巻,会員価格 2, 000円,非会員価格 3, 000円, 1 ・ 30巻(創 0周年記念),会員価格 3, 000円,非会員価格 4, 000円 。 立3 3 . 山田幸男先生追悼号 藻類 2 5巻増補, 1 9 7 7,A5版 , x x v i i i+418頁。山田先生の遺影,経歴・業績一覧・追悼及び国内外の藻類学者より寄 0篇(英文 26篇,和文 24篇)を掲載。価格 7, 000円 。 稿された論文 5 4 . 日米科学セミナー記録 C o n t r i b u t i o n st ot h es y s t e m a t i c so fb e n t h i cm a r i n ea l g a eo ft h eN o r t hP a c i f i c .1 .A .A b b o t t・黒木宗尚共編, 1 9 7 2,B5版 , x i v+280頁 , 6図版。昭和 46年 8月に札幌で行われた北太平洋産海藻に関する日米科学セミナーの記録で, 2 0篇の研 究報告(英文)を掲載。価格 4, 000円 。 5 .北海道周辺のコンブ類と最近の増養殖学的研究 1 9 7 7,B5版 , 6 5頁。昭和 49年 9月に札幌で行われた日本藻類学会主催「コンブに関する講演会」の記録。 4論文と討 論の要旨。価格 1 , 000円 。 2 0 0 6年 1 1月 5日印刷 2 0 0 6年 1 1月 1 0日発行 2006J a p a n e s eS o c i e t yo fP h y c o l o g y 編集兼発行者 。 〒3 0 5 0 0 0 5つくば市天久保 4 1・l 国立科学博物館植物研究部 T e l0 2 9 8 5 3 8 9 7 5 Fax0 2 9 8 5 3 8 4 0 1 E m a i l kitayama@kaha k : u . g o . j 日本藻類学会 禁転載 不許複製 P r i n t e dbyI s e b uI n c . 北山太樹 印刷所 株式会社イセプ 干 3 0 50005つくば市天久保 2 1 1 2 0 T e l0 2 9 8 5 1・2515 Fax0 2 9 8 5 2 8 5 0 1 ・ 発行所 日本藻類学会 干 6578 5 0 1神戸市灘区六甲台町 1 1 ・ 神戸大学内海域環境教育研究センター T e l&Fax0 7 8 8 0 3 5 7 8 1 │ Vo.l54No.3 川 悦mb 町 2006 薬類 酬 附 ー . TheJ apaneseJ ournalo fPhycology( S o r u i ) 第 54巻 第 3号 2006年 1 1月 10日 目 次 日本藻類学会第 31回大会のお知らせ 菊地則雄・二羽恭介 その形態 東京湾多摩川河│ 一 │ 干潟における絶滅危倶紐アサクサノ リ(紅謀)の生育状況と . . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 149 山砥稔文・坂口昌生・岩滝光儀・松岡数充 長崎県部香湾における有特赤 ì~QJ ラフィ ド 藻 Chatton el/a 3般の 出現状況と噌殖特性・. ............................... 157 藤田大介 ・新井章吾・村瀬 千 f i 状構造 昇・東出幸真 剣│ 倉島の露出海岸と遮蔽海岸における海藻の垂直分布と ・・・・ ・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 165 藻場の景観模式図 2 出山県氷見市小境海岸施設の消波ブロック 寺脇利信・新井章吾 :2 ・・・・・・・・・・・・・ 173 藻類学最前線 内藤住奈子 :海洋微*111藻煩に 果 たす微お鉄の役割l 赤Ì!iÿI J~ ~1ニ か ら 地球出境 問題までー 英文誌 ( PhycologicalResearch)54巻 1号・ 2号掲載論文和文要旨 学会録事 ・・・・・・. 177 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 181 ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ ・・・・・ 187 書評・新刊紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 188 会員異動・入会案内他 ・・・・・・ ・・・・・・・・ ・ ・ ・・・. .................. 191
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