図書館と本をより楽しむための情報誌 平成 26 年9月 1 日 が ら く た 第 101 号 理系男子の我楽多箱 厳しい暑さもそろそろ終わり、秋の気配が感じられる時期ですね。今月は樹木の葉が 色づく秋を先取りして紅葉についてお話しします。紅葉はどのように色が変化していく のでしょうか?どの時期に美しく見ることができるのでしょうか? 樹木が盛んに活動しているときは、クロロフィル(葉緑体) という緑色の色素と、カロチノイドという黄色の色素が存在 しています。二つの色素量を比べるとクロロフィルが圧倒的 に多いので、葉が緑色に見えます。太陽光が減る秋になると 光合成を終えたクロロフィルが徐々に分解され、緑色がなく なっていきます。黄色のカロチノイドは、そのまま残るため 葉が黄色っぽく見えます。これを黄葉(こうよう)と言いま す。 赤色や紫色の葉は、ある種類の植物が冬じたくのため、光合成によってできた糖類 を葉に蓄積していきます。この蓄積された物質がアントシアニンという赤色の色素に 変化します。これが紅葉と言われるものです。葉が真っ赤に染まる前に紫色っぽく見 える時がありますが、これは、クロロフィルが分解 される前にアントシアニンができはじめ緑色と赤色 が混ざって紫色に見えることがあります。 美しい紅葉には、温度・光が大きな条件です。日 照時間、日照量が減ることと、最低気温が 8℃以下 になると紅葉がはじまり、5~6℃になると一気に紅 葉します。晴れた日の夜に急に冷え込むとよく色づ くようです。今年はどんな感じの紅葉になるのか今 から楽しみですね。 < 紅葉が楽しくなる本の紹介 トコトンやさしい光合成の本 園池公毅著 紅葉ハンドブック 超保存版 紅葉の達人 2012 年 12 月刊 471.4/ソノ 2008 年 9 月刊 653.2/ハヤ 2007 年 11 月刊 743.5/コウ 平野隆久・片桐啓子著 2001 年 9 月刊 653.2/ヒラ 近田文弘監修 2009 年 3 月刊 J470/ガツ 佐藤有恒著 2005 年 4 月刊 J471/サト 林将之著 一度は見たい・撮りたい日本の紅葉 100 景 拾って楽しむ紅葉と落葉 学校のまわりでさがせる植物図鑑 科学アルバム > 紅葉のふしぎ 多治見タイムトラベル ~お立ち待ち(月待ち)~ 図書館の郷土資料室では、多治見の古いものから新しいものまで歴史資料を数多く 所蔵しています。このコーナーでは、図書館に所蔵している資料を使って、昔の人々 の暮らしを紹介していきます。 昔は月の満ち欠けが月日の推移を知る手段で あり、農耕もそれによって行われていました。そ れだけに月は古くから信仰の対象でもありまし た。 「月待ち」とは、特定の月齢の夜に、月の出を 待ってこれをまつる行事のことです。三日月待 ち、十六夜待ち、十九夜待ち、二十二夜待ち、二 十三夜待ち、二十六夜待ちなどがありますが、こ のうち二十三夜待ちがもっとも歴史が古く、16 世紀頃には公家の間で行われていたようです。神 道の形式で行う場合は月読尊(つくよみのみこ と)の掛軸、仏教の形式で行う場合は勢至(せい し)菩薩などの掛軸を床の間に飾り、同信の者が 集まって礼拝し、飲食を共にしました。 多治見では、二十二夜待(にじゅうにやま)ち が多くみられます。この行事にはとりわけ女性の ↑音羽町の御嶽社にある二十二夜塔 明治 20 年(1887)に建てられた 参加が多く、結婚相手や子宝に恵まれるよう願ったり、安産、病気の平癒などを祈 ったりしました。日の入りから月の出るまでの間、立って待ったことから「お立ち 待ち」と呼びます。そのほかに「二夜(にや)さま」「二十二夜さま」などとも言 われます。 月待ちの日は身を清め、日が沈むと各地区の神社にお参りし、月にお供えをして から、ぶらぶらと歩いたりおしゃべりをしながら月の出を待ち、月がのぼると願い 事をしました。多治見の大原では旧暦 8 月 22 日、根本では旧暦7月 22 日、笠原で は旧暦 9 月 22 日に行われていたという記録が残っています。今でも月待講の仲間 によって造られたとみられる月待ち塔が各地に残っています。多治見にあるのはほ とんどが二十二夜塔ですが、二十三夜塔も数点見られます。 <参考文献> 『多治見市史通史編上巻』 (多治見市) 1980 年刊 タ 092.15/タジ 『世界大百科事典』 (平凡社) 2007 年刊 R031/セカ/18 『日本民俗大辞典下巻』 (吉川弘文館) 2000 年刊 380.3/ニホ/2 『翁のたわごと』 (伊藤喜作) 1990 年刊 093.82/イト 『笠原町史その2 かさはらの石造物』(笠原町) 1986 年 092.15/カサ/2 『根本年中行事』 若尾輝次 記録 093.86/ワカ なるほど!と思える子どもの本 児童棚に並んでいる本の中には、年齢制限を問わず、なるほど!と思える本 があるのです。 トマトの絵本 そだててあそぼう1 もりとしひと/へん ひらのえりこ/え 農文協 J626/トマ トマトを栽培された方、今年のトマトはいかがでしたか?たくさん収穫できましたか?こ の『トマトの絵本』には、トマトの種類や苗の選び方など栽培方法はもちろん、栽培を行 うなかで心配になるトマトの病気がわかりやすく紹介されています。また、トマトを使っ た料理や、トマトが日本にどのようにしてやってきたかなど、トマトについてすべてがわ かる一冊となっています。 今年の収穫を振り返りながら、来年にむけてトマトについて調べてみませんか? 『トマトの絵本』は、シリーズ「そだててあそぼう」の第1 巻。この他シリーズ「そだててあそぼう」には、トウモロコ シ、ダイズ、キュウリ、カキ、ナシなど、多くの野菜や果物、 花についての栽培方法や食べ方、歴史が取り上げられていま す。本には「もう少しくわしく知りたい」と思った時のくわ しい解説も載っているので、それぞれの栽培方法をさらにくわ しく知ることができます。 また『農作業の絵本』 (全5巻) 、 『肥料と土つくりの絵本』 (全 5巻)といった、はじめて野菜づくり行う人へ、栽培にはかかせ ない作業や土づくりについて、わかりやすく説明されている本も あります。 <第 7 回 雑誌リサイクルフェア> 資料の有効利用を目的に、保存年限の過ぎた雑誌を、利用者の皆 様に無料でお譲りします。ご応募お待ちしております。 <応募方法> 応募期間:9 月 19 日(金)~10 月 15 日(水) 受付場所:図書館本館3階特設カウンター 対 象 者:利用者カードをお持ちの方 ・応募用紙に必要事項を記入して応募箱に入れて下さい。 ・応募はお一人様 10 冊までです。 (希望者多数の場合は抽選) ・雑誌をご覧になりたい方はカウンターの職員までお尋ね下さい。 ・応募用紙、雑誌リストなどは3階カウンター前に設置しています。 ※対象雑誌は 2012 年に刊行された本館所蔵のものに限ります。 ※雑誌のお渡しは 10 月下旬の予定です。当選者には連絡を差し上 げます。 英語多読コーナー開設記念イベント <図書館で英語多読をはじめよう> 英語をやり直したい皆さん。図書館でもう一度学び直 してみませんか。図書館では、9 月 19 日より新たに 英語多読コーナーを設置します。これにともない、英 語多読の進め方に関する講座を開催します。 日 時:9 月 28 日(日)14:00~15:30 対象等:一般・30 名 参加費:200 円 持ち物:筆記用具、 講 師:国立豊田工業高等専門学校教授 西澤一先生 申込み:9 月 2 日(火)図書館カウンター、電話にて (図書館本館 TEL 22-1047) 平成 26 年度第 48 回多治見市文芸祭 『思いを、言葉に』日々の生活の中で生まれる、ふとした「思い」を「言葉」で表現してみませ んか? 感性あふれる文芸作品の多数のご応募をお待ちしております。 ◆募集部門 ◆応募資格 ◆募集部門 1.高校・一般の部 2.小・中学生の部 1.中学生を除く 15 歳以上 2.市内在住、または在学の小、中学生 1.小説、エッセイ、詩、歌詞、短歌、俳句、川柳 2.詩、短歌、俳句 ◆応募方法 10 月 31 日(金) (必着)までに多治見市図書館へ郵送または E メールにて ※詳しくは募集要項をご覧ください。 <募集要項配布場所> まなびパークたじみ、市立公民館、根本交流センター、市役所、市地区事務所 <応募・問合せ> 507-0034 多治見市豊岡町 1-55 多治見市図書館文芸祭係 山口 図書館の HP から募集要項の TEL 0572-22-1047 PDF ファイルをダウンロード E メール [email protected] できます 多治見市図書館だより 平成 26 年 9 月 1 日号(月 1 回発行) 発行者 多治見市図書館 本館 編集 (公財)多治見市文化振興事業団 住所 多治見市豊岡町 1-55 まなびパークたじみ TEL 0572-22-1047 FAX 0572-24-6351 多治見市図書館 HP http://www.lib.tajimi.gifu.jp/ 携帯版図書館 HP http://www.lib.tajimi.gifu.jp/k/ お問合せ e-mail [email protected] 多治見市図書館だよりは多治見市図書館指定管理者(公財)多治見市文化振興事業団が多治見市から受託して発行しています
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