平成 27 年度 インターンシップ推進事業 実施報告書

平成 27 年度
インターンシップ推進事業
実施報告書
平成 28 年 3 月
鹿児島大学農学部
生物生産学科
目
次
ページ
Ⅰ
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅱ
インターンシップ実施要領・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1
インターンシップ実施日程
2
インターンシップ担当教員
3
インターンシップ受入機関等および参加学生
Ⅲ
Ⅳ
インターンシップ事前・事後講習会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
1
インターンシップ事前講習会
2
インターンシップ事後講習会
3
インターンシップ事後講習会の感想
実習内容及びレポート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
1 実施内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2 レポート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
Ⅴ
インターンシップ実習に関する学生へのアンケート調査結果 ・・・・・・・・・・・・・68
Ⅵ
総 括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72
Ⅶ
参考資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73
Ⅰ
はじめに
インターンシップとは、学生が職業選択、適性の見極め、社会の仕組みの理解などを目
的として、自らの専攻や将来のキャリアに関連した団体や企業で一定期間行う就業体験制
度である。近年、文部科学省、経済産業省、厚生労働省をはじめとする公共団体、各経済
団体ならびに農業関係団体は、インターンシップを積極的に推進している。また、大学側
でもより実践的な講義・実習の一環として単位認定するところが増えており、インターン
シップの受入組織、体験者はともに年々増加している。
鹿児島大学農学部生物生産学科は、作物生産学、園芸生産学、病害虫制御学、家畜生産
学、農業経営経済学の5講座から構成され、以下の様な目標を掲げ、教育・研究を行ってい
る:①人間にとって有用な作物・家畜について、それらの生理・生態的特性の解明とそれ
に基づく新たな生産技術の開発、②豊富な遺伝資源を利用したバイオテクノロジーによる
品種改良、③生物生産に有用な環境づくり、④農業生産・流通過程の経営経済的分析を通
して、生産から販売に至る生物生産の全システムに関する総合的な教育・研究を行う。そ
れらを通して、食糧基地と位置づけられ、また生物資源の宝庫でもある南九州において、
農畜産業の発展に寄与するとともに、応用能力の高い人材を育成する。
生物生産学科では、このような農業に関連する技術者や指導者を養成するために、生産
から流通経済までを一体的に捉え、実験、実習、演習を重視したカリキュラムによる教育
を行ってきた。しかし、多様化・複雑化する社会において、大学での講義や実験の内容と
現場との関連性についての理解を深める機会は少ない。その点において、インターンシッ
プでは、学んだ理論などを実体験することによって、勉学の意義を自ら問い直すことがで
きる。また、社会や企業の実情を知り、仕事や職業に対する興味・関心を高め、さらに自
己の職業適性や将来設計について考える契機となるであろう。
生物生産学科では、学生実習特別経費「インターンシップ推進経費」の助成を受け、過去
13年間にわたりインターンシップ推進のための事業を展開してきた。また、平成15年度か
らは、インターンシップを「アグリビジネス研修」(選択科目)として単位認定することによ
り、更なる推進に取り組んでいる。今年度も「インターンシップ推進経費」の助成を受け
ることができたので、その概要を報告する。なお、今年度からは新たに農学部に設置され
た国際食料資源学特別コースの香港インターンシップの概要についても併せて報告する。
- 1 -
Ⅱ
インターンシップ実施要領
1.インターンシップ実施日程
4月
実施計画連絡・受入機関内諾
4~5月
参加者募集
5~6月
参加者・受入機関の調整(1次マッチング)
6月
参加者・受入機関の調整(2次マッチング)
6~7月
実施計画作成(日程調整,実習内容)
7月15日
事前講習会
6~9月
実 習
10~11月
レポート提出
11月25日
事後講習会・アンケート提出
1~3月
報告書作成~印刷
2.インターンシップ担当教員
平成27年度生物生産学科担当教員(◎責任者,○副責任者)
作物生産学講座
岡本繁久
園芸生産学講座
吉田理一郎
病害虫制御学講座
○坂巻祥孝(学科副教務)
家畜生産学講座
◎下桐
農業経営経済学講座
- 2 -
猛(学科正教務)
坂井教郎
3.インターンシップ受入機関および参加学生
コース
学生氏名
受入機関名
開始
終了
岩永
響希
有限会社コセンファーム養鶏耕種部
8 月 19 日
8 月 24 日
6
金本
由佳
鹿児島県農業開発総合センター園芸作物部
8 月 31 日
9月4日
5
古澤
典子
鹿児島県農業開発総合センター園芸作物部
8 月 31 日
9月4日
5
本田
真紀
鹿児島県農業開発総合センター園芸作物部
8 月 31 日
9月4日
5
安部
睦実
農林水産省門司植物防疫所
8 月 31 日
9月4日
5
猪口
真帆実
鹿児島県農業開発総合センター茶業部
9月8日
9 月 11 日
4
林田
雄大
長崎県
8 月 17 日
8 月 21 日
5
井尻
夏子
鹿児島県農業開発総合センター畜産試験場
8 月 17 日
8 月 21 日
5
佐藤
葵
鹿児島県農業開発総合センター畜産試験場
8 月 17 日
8 月 21 日
5
川原
蔵之
鹿児島県農業開発総合センター畜産試験場
9月7日
9 月 11 日
5
酒井
悠輔
鹿児島県農業開発総合センター畜産試験場
9月7日
9 月 11 日
5
大野
桃子
株式会社どんぐり村
8 月 17 日
8 月 23 日
7
田中
公巳
株式会社どんぐり村
8 月 17 日
8 月 23 日
7
早河
勇毅
名古屋市東山動植物園
8 月 20 日
8 月 26 日
7
木原
眞由子
株式会社カミチクホールディングス
8 月 24 日
8 月 27 日
4
上園
美紗
鹿児島市平川動物公園
9月6日
9月8日
3
美沙紀
鹿児島市平川動物公園
9月6日
9月8日
3
植物生産学
家畜生産学
岡
農林技術開発センター
日数
満尾
彩可
鹿児島市平川動物公園
9月6日
9月8日
3
北嶋
光陽
鹿児島市平川動物公園
9 月 12 日
9 月 14 日
3
山崎
悠作
鹿児島市平川動物公園
9 月 12 日
9 月 14 日
3
江崎
大樹
鹿児島市平川動物公園
12 月 20 日
12 月 22 日
3
鹿児島市平川動物公園
12 月 20 日
12 月 22 日
3
鹿児島市平川動物公園
12 月 20 日
12 月 22 日
3
株式会社鹿児島銀行人事部
8 月 20 日
8 月 26 日
5
尾ノ上
中島
千夏
功揮
農業経営
シュウ
シトウ
経済学
迫間
圭祐
近藤貿易有限公司 (香港)
8 月 24 日
8 月 28 日
5
国際食料
山田
陽菜
近藤貿易有限公司 (香港)
8 月 24 日
8 月 28 日
5
資源特別
川畑
朱里
日建日本食品 (香港)
8 月 24 日
8 月 28 日
5
藤井
雄介
日建日本食品 (香港)
8 月 24 日
8 月 28 日
5
3
Ⅲ
インターンシップ事前・事後講習会
1.インターンシップ事前講習
(1)日 時:平成 26 年 7 月 15 日(水)15:30~17:00
(2)場 所:農学部共通教育棟 104 講義室
(3)講 師
ハローワークかごしま ジョブサポーター 鹿児島大学就職相談員 西山元子氏
(4)出席者:学生 59 人、担当教員 2 人
(5)講習会の内容
1)開 会
2)インターンシップについて
・インターンシップ受講 事前の心構え
・社会人基礎力について
・インターンシップ中のマナー・注意点について
内 容
就職活動だけでなく、実際に社会に出てから必要になる社会人基礎力について、学生が
持っている誤解を確認しながらご説明いただき、インターンシップ及びその後の就職活動
開始時の心構えをご教授いただいた。さらに、挨拶や電話の仕方など様々な場面で必要な
マナーとその注意点について、学生に体験させることで分かりやすくご指導いただいた。
事前講習会の様子
- 4 -
2.インターンシップ事後講習会
(1) 日
時:平成 26 年 11 月 25 日(水)13:00~17:00
(2) 場
所:農学部共通教育棟
(3) 講
師
201 講義室
大学生活協同組合九州事業連合 専務理事 小林陸生氏
鹿児島大学生活協同組合 ライフサポートスタディサポート・教育店経営リーダー 新田ちづる氏
(4) 出席者:学生 28 人、担当教員 2 人
(5) 講習会のテーマおよび内容
テーマ 「コミュニケーションや自己分析・自己アピール力を身につける体験」
内 容
就職活動に当たって、集中力、コミュニケーション力、発想力を鍛える訓練を行った。
その後、講義室の一部を模擬企業セミナー会場として、受講生が実際に企業側担当者役お
よび就職希望者の役割を実習するなど、企業セミナー・面接を想定した自己表現方法を学
んだ。また、コミュニケーション力を磨く、retell 訓練などの学習が行われた。
事後講習会の様子
- 5 -
3.事後講習会の感想
・このような講習会は初めてで緊張していたのですが、今後就職活動をするうえで大切な
ことを学べたと思います。今回学んだことを続けて、活かしていきたいと思いました。4
時間があっという間でした。
・インターンシップで学んだことをレポートにはまとめたが、今回の講習会ではそれを人
に伝えるという練習ができたと思う。面接では限られた時間で自分のことを簡潔に話さ
ないといけないのでさらに練習が必要だと感じた。私は人前で話すのが苦手なのでこの
ようなワークをするようにしたい。また、相手の話を聞くという作業をすることによっ
て聞き手の気持ちも理解することができた。目を見て話しているかで印象が大きく変わ
るなと思った。そろそろ就職活動に向けて自分から行動していかなければいけないと感
じたので、情報を集めて取り残されないように気を付けたい。
・自分の考えをそのまま相手に伝えることの難しさを改めて感じた。どんな言葉を使って
表現すればよいか、身振り手振りはどうすれば分かりやすいかなど、決まった時間内で
伝えるとなると更に難しかった。伝えたい情報量が多くなればなるほど、頭の中で整理
しにくく、同様に相手からの情報量も多ければ多いほど、短時間の間でも忘れてしまう
ことが多かった。自分の伝えたことを相手に改めて教えてもらうことで、気付けて中っ
たことや、こんな言葉を使えばより場面が想像できるな!と、新たに見えてくる部分が
たくさんあった。今回の講習を受けて、自分のボキャブラリーの少なさ、言葉遣い、積
極性などまだまだ未熟だと痛感した。普段の生活の中でも少しでも意識してみようと思
った。
・就活についてなにもイメージがもっていなかったが、少しではあるがイメージがついた。
不安がすこし減った。
・農学部特有の就活情報が得られればもっと良かった。
・聞くのも話すのも大変でした。
・私は一般企業には就職するつもりはなかったけれど、面接の方法などは参考になった。
また、初対面の人と話すのが苦手だったので今回はいい練習になったように思う。
・とても面白かったです。思った以上楽しい講義でした。それに、人間関係やコミュニケ
ーションの大切さなどもわかりました。
・私は大学院に進学する予定だが、その後の就職活動にきっと役立つ内容ばかりだった。
特に自分の自己アピール、長所などをとっさにどれほど表現できるか、その重要性につ
いて考え直すことができた。他人に知ってほしいことを上手く整理し伝える技術を今後
身につけていきたいと思うようになった。
・あっという間に時間が過ぎた講習会だった。あの小さいスペースでも緊張するから、実
際の面接はもっと大変だと思うので、今から練習をちゃんとしなければいけないと思っ
た。
・大変有意義な時間をすごすことができたと思います。就職活動をする心構えや雰囲気な
- 6 -
どがよくわかりました。ただ、4時間は長く、疲れました。そこまで長い必要はないと
思います。また、5時にきちんと余裕を持って終わってほしかったです。
・今後の就職活動に対する意気込みが高まった会であったと思う。企業と学生に分かれて
行ったデモ企業説明会では、企業側目線の立場からも就職活動を考えることが出来て良
い機会になった。
・事後講習会ということで今回学んだことを活かして次にどう繋げていくかということを
勉強するのかと思ったがごく普通の就職説明会のような内容だったため最初は戸惑った
が話を聞くだけでなく実際にグループワークをしながら勉強することができ自分の弱点
等も見抜けたのでよい時間だったと思う。どちらかというと自分が今回研修に参加した
動物園は一般企業とはまた違い企業説明会なども基本的に無いため今回こうやって疑似
的に体験が出来たのはよかったと思う。とは言っても自分がどういった企業に就職する
かは来年にならなければ分からないので今のうちからこういった練習を積み重ねていく
必要があると感じた。
・最初は恥ずかしかったが、次第に慣れていくことができた。企業側の立場に立ち客観視
したことで、すこし心に余裕が生まれた。
・話をただ聞くだけの講習会かと考えていたが、グループになってさまざまなことを取り
組んだので、楽しく実践的に学ぶことができたのはよかった。自分がまだ足りないこと
が多いのを知るきっかけになった。
・講習会はとてもためになったと感じたが、別の説明会などと日程がかぶっており、ぜひ
話を聞きたいと思っていた企業の方と話す機会を失ったのは残念。また、時間が長く疲
れを感じた。面接の模擬などは面白かったが、その前の段階の自己分析や業界研究の方
法なども聞きたかった。
・今回の事後報告会はこれからの就職活動をどのような心持ちで行っていくべきかという
ものを大変考えさせられる内容となっていました。
・自分の考えをどういう風に伝えるか、また相手の言う事をどのように聞き理解するのか、
考えていく事がコミュニケーションスキルを身につけていく上で重要な事になっていく
事を理解しました。
・就活がどんなものか、あまり明確なものもなく、なにをしていいかわからないままに気
持ちばかり焦るという感じでしたが、今回の講習会に参加して、以前よりだいぶ就活に
対して前向きな気持ちになれました。実際に講習会が終わってから、自分がなにをした
いか紙に書き出したりして、小さいことでも具体的に行動してみようと思いました。講
習会に参加して、本当によかったと思います。
・インターンで感じた事、また研究した事を人に伝えるのがとても難しかった。今後、就
職活動を行うにあたって、企業側と就活生との模擬企業説明会を行う事で、企業は学生
に何を求めているのかなどを少し考えてみることができて良かった。
・面接の練習を初めて行ったが、緊張し、思うように話すことができなかった。人の前で
- 7 -
話す練習をたくさんやって、少しでも慣れたいと思った。
・インターンシップに行く前に受けた講習会もだが、インターンシップに行った後に改め
てこうして講習会を受けてみると、とらえ方が違った。話し方や聞き方、作法などがい
かに大事かがわかった。まだ自分は 1 年生だが、1 年生だからこそまだ時間はあるわけだ
し、今のうちからできることをやって、将来に対してしっかり備えていかなければなら
ないと改めて実感した。
・合計4時間事後講習会を受けたのだが、あっという間に終わっていたという感じだった。
はじめの、練習でエントリーシートを書いてくださいと言われた時に、そもそもエント
リーシートが何かわからなかったのでとても焦った。就職活動をするにあたって、まだ
まだ知らなければいけないこと、練習すべきことがたくさんあるということを学んだ。
・エントリーシートなんて言葉も知らないくらいでしたが就職するには瞬時に自分の考え
をまとめ聞き手に自分をアピールできるように質問に答えなければならないことに気付
けた。企業側は何人もの就職希望者をみているので面接では結論から述べる形で伝えた
いことから伝え自分のアピールを最大限にすることが大切だと思った。就職はまだ先の
ことだと考えていたが突然の質問にうまく答えたり企業のことをよく知ることなどを今
のうちにしておきたいと思った。
- 8 -
Ⅳ
1.
実習内容及びレポート
実施内容
有限会社 コセンファーム
実務内容
耕種部門、養鶏部門実習
実習生
岩永響希
実習期間
8 月 19~24 日(6 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
6 日目
午後
会社説明
午前
キャベツ播種、水やり
午後
ニンジン収穫、除草作業
午前
集卵
午後
除草作業、水やり
午前
入雛
午後
キャベツ苗移動、葉菜類播種
午前
水やり、草掃い
午後
トラクター運転
午前
イネ管理
- 9 -
鹿児島県 農業総合開発センター 園芸作物部
業務内容
農業総合開発センターの職員の方との作業
実習生
金本、本田、古澤
実習期間
8 月 31 日~9 月 4 日(5 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
午前
1日目
午後
午前
2日目
3日目
4日目
5日目
午後
センターの概要説明、ビニールハウスの復旧、カバープ
ランツの挿し木
カバープランツの挿し木、サトイモ・スナップエンドウ
の研究について
カボチャ・イチゴの研究について
鹿児島県経済連の研修生の方からの就活アドバイス、土
壌環境セミナー
午前
ピーマンの鉢上げ、サツマイモの収穫
午後
サツマイモの調整、ソラマメの播種
午前
サツマイモの調査・調整
午後
イチゴの摘葉・RQ FLEX 測定・ハウスの見学
午前
ビニールハウスの補修、サツマイモの洗浄・食べ比べ
午後
サツマイモの調査、甘草の播種
- 10 -
農林水産省 門司植物防疫所
業務内容
各検疫業務、病害虫同定診断、生物検定など
実習生
安部睦実
実習期間
8 月 31 日~9 月 4 日(5 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
オリエンテーション、輸入検疫業務説明、
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
午前
青果物検疫概要説明・輸入青果物から発見される害虫の
識別実習
午後
青果物検疫現場見学、病害虫の識別
午前
種苗検疫概要説明、種苗検疫現場・白野江圃場
午後
病害虫の識別実習
午前
福岡空港携帯品検査の概要説明・現場見学
午後
福岡空港航空貨物の概要説明・現場見学
午前
輸出検疫業務説明、国内検疫業務説明
午後
果樹母樹検疫説明・温室
午前
カンキツグリーニング病検定
午後
侵入警戒トラップ調査・港頭地域内
- 11 -
鹿児島県 農業開発総合センター 茶業部
業務内容
病害虫管理、調査、茶審査、施設見学、機械操縦
実習生
猪口 真帆実
実習期間
9月8日~9月11日(4日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1日目
2日目
3日目
4日目
午前
挨拶、害虫説明、トラップ回収,害虫管理
午後
ホソガ管理
午前
pH 測定実験、茶の製造方法、効能について(座学)
午後
茶の審査、それぞれのお茶の試飲
午前
トラップ回収、ホソガ管理、ハダニの餌替え
午後
病害について説明、観察、分離実験、
午前
圃場案内、機械説明、茶の審査、茶について説明
午後
品種説明、機械の操縦
- 12 -
長崎県 農林技術開発センター 畜産研究部門
大家畜研究室 肉用牛肥育部門
業務内容 主に肉用牛の飼養管理
実習生 林田雄大
実習期間 8月17日~8月21日(5日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
午前
朝礼、オリエンテーション
午後
牛房移動、ボロ出し、エサ作り、飼養管理
午前
朝礼、草地収量測定
午後
インピーダンス試験、飼養管理
午前
朝礼、エサ作り、飼養管理
午後
体重測定、去勢、エサ作り、飼養管理
午前
朝礼、エサ作り、採血、飼養管理
午後
除角、エサ盛り、飼養管理
午前
朝礼、脂肪酸測定試験
午後
午前中の続き
- 13 -
鹿児島県 農業開発総合センター畜産試験場
業務内容
乳用牛・肉用牛の飼養管理、飼料用植物の見学
実習生
佐藤 葵・井尻 夏子
実習期間
8月17日~8月21日(5日間)
実習プログラム
日程
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
業務内容
午前
宿泊施設・研修施設の案内
午後
乳用牛の飼養管理(エコー、搾乳、直腸検査等見学)
午前
乳用牛の飼養管理(掃除、子牛の餌やり、搾乳)
午後
乳用牛のサイロ詰め
午前
肉用牛の飼養管理(育成牛の体側・採血)
午後
肉用牛の飼養管理(除角・直腸検査)
午前
肉用牛の飼養管理(掃除、餌やり)
午後
肉用牛の飼養管理(削蹄、直腸検査)
午前
暖地型牧草の調査・見学
午後
暖地型牧草の調査・退所手続き
鹿児島県農業開発総合センター 畜産試験場
業務内容
実習生
酒井悠輔、川原蔵之
実習期間
9 月 7 日~9 月 11 日(5 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
午前
午後
業務内容の把握、削蹄、肉用牛の飼養管理(子牛)
午前
肉用牛の飼養管理、直腸検査
午後
直腸検査
午前
乳用牛の飼養管理、さつま地鶏の研究
午後
乳房炎の検査、飼料
午前
肉用牛の飼養管理、体側、採血
午後
とうもろこしの調査
午前
乳用牛の飼養管理
午後
飼育舎洗浄、衛生管理
- 14 -
株式会社 どんぐり村 三瀬レーベル牧場
業務内容
小動物の管理、搾乳、乳製品の製造、接客
実習生
大野 桃子
実習期間
8 月 17 日~8 月 23 日(7 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
午前
午後
午前
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
6 日目
7 日目
午後
小動物の給餌、小動物館の接客、ミニブタのショー見学
小動物の給餌、山羊の管理、ミニブタのショー見学、乳
牛・ジャージー牛の管理と搾乳、子牛の給餌、小動物館
の接客
午前
小動物の給餌、小動物館の接客、山羊の曲芸トレーニン
午後
グ、ホースセラピーのアシスタント、子牛の床替え
午前
ミルクプラントの見学・清掃、ヨーグルトの製造、牛乳
午後
の充填(ビン・パック)、乳製品の品質検査・試験の補
助
午前
体験工房でのソーセージ・生キャラメル作りの補助、器
午後
具の洗浄
午前
婚活パーティーの設営・進行・撤退補助、生キャラメル
午後
作りの補助、器具の洗浄
午前
午後
宿舎の清掃、施設の見学・観光
- 15 -
株式会社 どんぐり村 三瀬レーベル牧場
業務内容
小動物の管理、搾乳、乳製品の製造、接客
実習生
田中 公巳
実習期間
8 月 17 日~8 月 23 日(7 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
午前
8 月 17 日
8 月 18 日
8 月 19 日
8 月 20 日
8 月 21 日
8 月 22 日
8 月 23 日
午後
小動物館で床替え。(小動物館にはヤギ、モルモット、
ハムスター、ラット、ミニブタ、ウサギ、シマリス、カ
メ、昆虫)
午前
小動物館でエサやり・床替えなどの管理や大掃除、14
午後
時からミニブタのショーを見学。
午前
牛舎でエサやり、床替え。搾乳機を使って搾乳体験。ホ
午後
ースセラピーの補助。
午前
体験工房で一日お手伝い。(皿洗い、材料準備、掃除、
午後
子どもたちのお手伝い)
午前
ミルクプラントでヨーグルトやソフトクリーム製造の
午後
見学、売店のレジなど。
午前
午後
体験工房で一日お手伝い。(4 日目とほぼ同じ)
午前
借りていたホテルの部屋を片付け、どんぐり村でお買い
午後
物をしたあと帰宅。
- 16 -
名古屋市東山動物園
業務内容
給餌、飼育舎の掃除
実習生
早河勇毅
実習期間
8 月 20 日~8 月 26 日(7 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
6 日目
7 日目
午前
オリエンテーション
午後
飼育舎の掃除
午前
餌の準備、給餌
午後
飼育舎の掃除
午前
餌の準備、給餌
午後
飼育舎の掃除
午前
餌の準備、給餌
午後
飼育舎の掃除
午前
餌の準備、給餌・掃除
午後
台風対策・農業センターで飼料の受け取り
午前
餌の準備、給餌
午後
飼育舎の掃除
午前
餌の準備、給餌
午後
飼育舎の掃除
- 17 -
錦江ファーム 大口育成牧場
/ ケイミルク (現在は伊佐牧場)
実務内容
乳用牛、育成牛の飼養管理
実習生
木原眞由子
実習期間
8 月 24 日〜8 月 27 日(4日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
午前
挨拶、農場の案内、導入
午後
会社パンフレットでの説明、事務作業の見学、パーラー
での搾乳作業
2 日目
3 日目
4 日目
午前
台風の復旧作業
午後
台風の復旧作業、パーラーでの搾乳作業
午前
台風の復旧作業、分娩の見学、育成牛の管理
午後
台風の復旧作業、育成牛の管理
午前
台風の復旧作業、チーズ用乳用牛の管理
午後
台風の復旧作業、育成牛の管理
- 18 -
鹿児島市 平川動物公園
業務内容
動物の飼養管理、広報業務
実習生
上園美紗
9 月 6 日~9 月 8 日(3 日間)
実習期間
実習プログラム
日程
実習内容
ワオキツネザル・白鳥の餌つくりと給仕、カメの飼育水
午前
槽掃除、猛禽類の餌やり
1 日目
フラミンゴの飼育プール掃除、ワニの餌やりイベント見
午後
学、シカの小屋掃除と餌やり
インドゾウのトレーニング見学、カンガルー・ワラビ―
午前
の小屋掃除、マントヒヒの餌やり
2 日目
ペンギンの餌やりイベント見学、インドゾウの寝舎・遊
午後
3 日目
び場掃除
午前
タッチングコーナーの案内係
午後
動物の記事つくり、客層調査
鹿児島市 平川動物園
業務内容
給仕、餌つくり、掃除等の管理作業
実習生
岡
実習期間
9 月 6 日~9 月 8 日(3 日間)
美沙紀
実習プログラム
日程
実習内容
サル・白鳥・フラミンゴ・猛禽類・カメへの給仕
午前
1 日目
爬虫類舎掃除・触れ合い
シカ舎掃除・給仕
フラミンゴ舎掃除
午後
餌つくり
サル・白鳥・猛禽類・シカへの給仕
巡回
午前
2 日目
餌つくり見学、給仕、掃除
モルモット聴診
午後
タッチングコーナー(モルモット、ウサギ)
サル、鳥への給仕
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鶏の解体
巡回
午前
3 日目
午後
タッチングコーナー(モルモット、ウサギ)、反省会
タッチングコーナー(モルモット、ウサギ)
Twitter ネタ探し、投稿文作成
鹿児島市 平川動物公園
業務内容
動物舎の掃除、餌つくり、給仕、ふれあいコーナー、広報活動
実習生
滿尾彩可
実習期間
9月6日〜9月8日(3日間)
実習プログラム
日程
実習内容
午前
1日目
午後
午前
2日目
3日目
午後
午前
午後
キツネザル、フクロテナガザル、白鳥、猛禽類の給仕、
爬虫類飼育棟掃除、フラミンゴ給仕と掃除
鹿飼育棟の掃除、ワニのお食事タイムの手伝い、キツネ
ザル、フクロテナガザル、白鳥の給仕
キリン、カバ、フラミンゴの給仕、飼育棟の掃除
キリンの餌を採取、キリン、カバ、ツル、ダチョウの給
仕、カバ舎の掃除
ツイッターへの投稿文を考える、ふれあいコーナーの補
助
お客さんのルート調査、ふれあいコーナーの補助
- 20 -
鹿児島市 平川動物園
業務内容
動物舎の清掃、給餌、
実習生
北嶋光陽
実習期間
9 月 12 日~14 日(3日間)
実習プログラム
日程
1 日目
実習内容
午前
午後
午前
2 日目
午後
3 日目
午前
午後
ブラジルバクの餌やり、夜行館の清掃、イノシシ、タヌ
キ、キツネの餌やり
夜行館動物の餌作り、ブラジルバクの観察
プレーリードック、ミーアキャットの餌やり、象のトレ
ーニング見学、象舎の清掃
マントヒヒ、カワウソ、象、アライグマ、ペンギンの餌
やり体験、ショー
野鳥ゾーンの清掃、餌やり、鶴舎の清掃、水替え、餌や
り
セキショクヤケイの餌やり、雛の飼育、鶴の飼育、
鹿児島市 平川動物園
業務内容
飼育舎の掃除、給仕、餌作り
実習生
山崎悠作
実習期間
9 月 12 日~9 月 14 日(3 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
2 日目
午前
類人猿舎、ラマ・シカ展示場の掃除、餌やり体験の補助
午後
類人猿、シカ・ラマの餌づくり、屋外展示場の清掃
午前
カンガルー舎、クジャク舎、ゾウ舎の清掃
午後
午前
3 日目
午後
ゾウ、ペンギンの餌やりイベントの補助、マントヒヒ、
ゾウ屋外展示場の掃除
サイ・シマウマ・ラクダ舎の掃除、看板作り
サイ・シマウマ・ラクダの餌づくり、枝採取、屋外展示
場の清掃
- 21 -
鹿児島市 平川動物園
業務内容
給仕、エサ作り、掃除
実習生
江崎太樹・尾ノ上千夏
実習期間
12/20~12/22 (3日間)
実習プログラム
日程
実習内容
午前
1 日目
午後
午前
2 日目
午後
午前
3 日目
午後
オリエンテーション、タッチングコーナーの手伝い、イ
ベントの補助
タッチングコーナーの手伝い、客層分析(サル舎、爬虫
類・夜行性館)
キツネザルの給仕、シカの給仕・掃除、フラミンゴ舎の
掃除・給仕
猛禽類の給仕、ブロイラーの解体、爬虫類の給仕・掃除、
リスザルの給仕、キツネザルのエサ作り
反芻の給仕・掃除、ウサギ・モルモットの給仕・掃除
コウモリ・モルモットの解剖見学、ポニーの給仕、反芻
の給仕・掃除
鹿児島市 平川動物園
業務内容
給餌、餌つくり、掃除等の管理作業
実習生
中島功揮
実習期間
12月20日~12月22日(3日間)
実習プログラム
日程
実習内容
開園時の接客、モルモットについて調べる(座学)、タ
午前
ッチングコーナ―の手伝い、来園者調査(オーストラリ
アの自然ゾーン)
1日目
午後
タッチングコーナ―の手伝い、来園者調査(オーストラ
リアの自然ゾーン)
南アメリカの自然ゾーン、鹿児島の自然ゾーン、爬虫
午前
類・夜行性動物館(夜行性動物)の掃除、餌つくり、給
餌
2日目
午後
南アメリカの自然ゾーン、鹿児島の自然ゾーン、爬虫
類・夜行性動物館(夜行性動物)の給餌
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爬虫類・夜行性動物館(爬虫類)、不思議な動物ゾーン、
午前
一部のサルゾーン、シカ類ゾーンの掃除、餌つくり、給
餌
3日目
爬虫類・夜行性動物館(爬虫類)、不思議な動物ゾーン、
午後
一部のサルゾーン、シカ類ゾーンの掃除、餌つくり、給
餌
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株式会社 鹿児島銀行
業務内容
講義、視察、見学
実習生
シュウ シトウ
実習期間
8 月 20 から 26 日まで(5 日間)
日程
実習内容
オリエンテーション
午前
研修の目的、働くということ
ビジネスマナー1
WITH 利用(見学)
8 月 20 日
就職活動について
午後
コミュニケーション 1
営業店業務視察連絡事項など
午前
8 月 21 日
営業店業務視察と見学
感想意見交換
午後
先輩行員トーク
プレゼンテーション
新聞熟読
午前
8 月 24 日
ビジネスマナー2
鹿児島県の経済状況
鹿児島銀行の取り組みについて
午後
共同研究
当行の国際ビジネス
8 月 25 日
台風のため中止しました
8 月 26 日
午前
講義と視察見学
人事部長挨拶
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近藤貿易株式会社
実務内容
施設見学、雑務
実習生
迫間圭祐、山田陽菜、浜口絵里
実習期間 8月25日~8月29日(5日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
午前
自己紹介、オリエンテーション
午後
ウェアハウスの見学、輸入についての学習
午前
温度チェック、品数の確認、COD の確認、テイスティ
ング
午後
インボイスのファイリング
午前
ウェアハウスの物流の学習
午後
インボイスの確認、おかしランドの見学
午前
インボイスの並べ替えと確認
午後
うどんのパッキング作業
午前
ラーメンの製造工程の見学、四州集団の社内見学
午後
生鮮野菜取扱店の見学
近藤貿易有限公司
業務内容
書類整理,市場視察,
実習生
山田 陽菜
実習期間
8 月 24 日~8 月 28 日(5 日間)
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
午後
商品搬入作業見学・説明、倉庫見学・説明、出荷・輸入
スケジュール説明、食品衛生部門承認報告書説明
午前
商品仕分け作業見学、日本食研新商品テスティング
午後
販売請求書整理、ファイリング作業
午前
販売請求書整理、ファイリング作業
午後
月間計算書準備
午前
月間計算書準備
午後
南天製麺工場見学、うどん袋詰め作業
午前
四州グループ本社訪問、市場視察
午後
市場視察
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日健日本食品有限公司
業務内容
在庫整理、市場調査
実習生
川畑朱里、藤井雄介、中原華美
8 月 24 日~8 月 28 日(5 日間)
次週期間
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
午前
在庫整理
午後
在庫整理
午前
在庫整理
午後
データ入力
午前
データ入力
午後
市場調査(ショッピングモール、カフェ)
午前
伝票確認
午後
市場調査(スーパー、市場)
午前
日本企業へ礼状を書く手伝い
午後
市場調査(香港の都市部)
有限会社 日建日本食品
実務内容
商品の運送、在庫確認等
実習生
藤井 雄介
実習期間
8 月 24 日~8 月 28 日
実習プログラム
日程
実習内容
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
午前
在庫確認
午後
在庫確認
午前
商品の運搬
午後
商品の運搬
午前
商品の運搬
午後
商品の運搬
午前
倉庫の清掃
午後
顧客訪問
午前
在庫確認
午後
顧客訪問
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2.レポート
有限会社
コセンファーム
作物生産学講座
岩永響希
私は有限会社コセンファームでインターンシップに参加させていただきました。私がコ
センファームを希望した理由は大学で農業法人について学んでいて、どのように経営を行
っているのか、増収のために工夫している点はどんなところなのかを実際に肌で感じてみ
たいと思ったからです。また、私は将来農業法人を営みたいと考えていて、参考にできる
点を多く見つけ、必ず生かしたいと考えたからです。
私は耕種部門、養鶏部門の両方で実習させていただきました。耕種部門では広い土地、
たくさんの苗を少人数で管理する必要があったため、時間も体力も予想以上に奪われまし
た。トラクターの運転は、自動車よりもはるかにスピードは遅いのですが、時間の無駄を
なくすために正確に耕うんすることを心がけました。最初は旋回やバックの操作にあたふ
たしていたのですが、だんだんと慣れて、よりスムーズに行えるように考えながら運転で
きるようになりました。耕種部門の作業では、今までの大学の実習での経験を生かして取
り組もうと心がけ、様々な面でその経験が役に立ちましたが、まだまだ自分には技能が不
足していることに気づきました。苗への水やりでさえも、苗がいたまないように工夫して
作業する必要があることを知ることができました。
養鶏部門では全く知らない世界が私を待っていました。大規模で鶏卵をつくられている
現場を初めて目撃し、作業させていただきました。集卵作業は、一歩間違えばたくさんの
卵が割れ、多大な損失が出てしまうだけに集中を切らすことなく卵を磨き、集めていきま
した。いつも店頭で見かける卵はきれいなものばかりですが、変色しているもの、形の悪
いもの、欠けているものが思いのほか多く見つかることを知り驚きました。入雛ではただ
ただ大変な作業をやったように思います。鶏の糞は臭く、ケージは重く、鶏は暴れ、たっ
た6羽ずつ数えて中に入れることさえも容易ではありませんでした。大規模なため鶏の鳴
き声がたまらなく騒がしかったことも印象的です。普段何気なく食べている卵をつくるた
めにこれほど大変なことをしなければならないことをたった数日で知ることができました。
今後卵1個1個に対し、もう少しありがたみをもっていただこうと考え直した、そんな実
習でした。
コセンファームは循環型農業の考え方を取り入れ、大量の鶏糞を堆肥として利用し、作
物の栽培に役立てていて、たいへん優れた方針だと思いました。現在、ほとんどの飼料を
外国からの輸入に頼っていて、家畜の排泄物として出るたくさんの窒素分が日本に溜まっ
ているといいます。日本の環境を守るためにもコセンファームで行われているような循環
型農業を参考に、今後さらに増加していく必要があると思います。コセンファームでは経
費、そして収益がどれほどか、何をどれくらい作付けし、その作業には人手がいくら必要
であるかを表やグラフを使ってしっかりまとめてありました。農業法人であるならば数値
化し、明確にまとめるのは当然なのかもしれませんが、農業を営んでいる私の実家とは大
- 27 -
違いでした。実家では農業にはあまりパソコンを用いてはいません。家族経営と法人経営
の違いを1つ知ることができました。前述のようにコセンファームでは広大な土地に対し、
人手が不足しているので一人一人の負担が多く、大規模農業の現状を肌で感じました。法
人経営では、最初から信頼を得やすいこと、規模を拡大しやすいことなどのメリットがあ
りますが、人件費が高くなること、社員教育に時間とお金がかかること、情報伝達の不足
によるミスが生じやすいなどのデメリットもありました。数日間で農業法人がどれほど素
晴らしいものなのか細部まで理解するには至りませんでしたが、今回のインターンシップ
で学んだことを今後の大学での研究、そして将来築く予定の農業法人で生かしたいと思い
ます。
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鹿児島県農業開発総合センター
園芸生産学講座
金本 由佳
私は鹿児島県農業開発総合センターで 5 日間のインターンシップに参加した。私は公務
員志望ではなかったが、県がどのような農業開発をしているのか興味があり、また 5 日間
県の機関で作業できるということで今回参加するに至った。
5 日間の概要は Excel に記載通りである。
私がこの 5 日間で感じたのは、まず新しい品種を作るということは、とても大変なこと
で、時間も労力も資金も多くかかるということだ。
県職員の方々はそれぞれうけもつ作物があって、それぞれの作物の話を聞いたが、作物
を育てるということは普通の農家さんといっしょだが、例えばサツマイモだと 1 品種から
たくさんの系統を育てていて、収穫後に大きさの規格を細かく分け、それを系統ごとに記
録をとるという作業があり、そのデータの中からよい形質をもった者同士を掛け合わせる
と聞いて、正直とても大変だし、1つの品種を作るのにこれだけのことを繰り返さなけれ
ばならないのかと驚いた。
また、県職員の方々のその作物に対する思い入れも強く、その作物のことを聞くと、た
くさんの答えや考え方を返答してくださり、いつもの講義とはまた違って、作物の知識を
えることができた。
しかし新しい品種がつくられるということは、農家さんにとってどれだけの利益になり、
役に立つのだろうか。5 日間の間に何度もおもった。結局のところ、農家をまかなうには利
益が出なければいけないわけである。
スーパーに並ぶ野菜は、なす、ニンジン、タマネギというように名前は書いてあるが、ト
マトのように桃太郎などの品種名を大きくだして売り出しているものは、少ないように思
う。
たとえば新しい品種が出たとしても、消費者が買うときに何も気づかない状態で売ってあ
るならば、新しい品種を出したことによる、利益は半減するのでは?と思うのである。(新
しい品種が病害虫に強くなったなどで、生産率が上がったとしても、売れなければ利益が
あまりあがらないのでは?)
私は県職員さんからイチゴ農家が 365 日働くのに、あまり利益が出ないという話を聞い
て、農業が若い人に人気がないのは、ここにあると思った。
まずは、農家が儲かるという印象づけをしないと、農業就業率は低いままだと思う。
今回のインターンを経て、自分がどんな会社に入って何をしたいのかということを明確
にすることができた。私は農業を営む人々に利益ある農業ができる環境づくりを仕事にし
たい。それを実現させるべく、もう目の前にこようとしている就職活動に力を注いでいこ
うと思う。
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鹿児島県農業総合開発センター
園芸生産学講座
古澤典子
私は 8 月 31 日から 9 月 4 日までの 5 日間、鹿児島県農業開発総合センターの園芸作物部
野菜研究室でインターンシップをさせていただいた。農業職に興味があり、どのような仕
事内容なのか、また社会人として働くとはどのようなことなのかなどを学びたいと思い、
インターンシップに応募した。鹿児島県農業開発総合センターでは大学での講義や実習と
異なり、より農家の方に近く、まだ誰も行っていない研究や栽培がたくさん行われており、
大変勉強になった。
1 日目は野菜研究室の皆さんへの挨拶の後、橋口室長からセンターの概要や研究に関する
講義を受けた。その後外に出て、台風対策のために畳んでいたビニールハウスのビニール
を戻し、紐を張る作業を手伝った。午後からは屋内でカバープランツであるヒメイワダレ
ソウの挿し木をした。その後は池澤さんから主にサトイモの湛水栽培に関する研究、また
中島さんからスナップエンドウのマルチに関する研究の説明をしていただいた。
2 日目は満留さんからカボチャの品種ジェジェJについて、藤崎さんからはイチゴの新品
種育成に関する研究について学んだ。その後から午後にかけては、野菜研究室で研修され
ていた JA 鹿児島県経済連1年目の上山さん・中尾さんから就活の体験談や心得などを聞い
た。同じ大学に在籍されていた先輩方からお話を聞くことができ、また不安や疑問に思っ
ていたことを気兼ねなく質問することができた。そしてその後、職員の方に交じって八千
代エンジニアリング株式会社の方の『土壌環境セミナー』講演会を聴いた。
3 日目は田中さんにピーマンについて教えていただいた。カラーピーマンの鉢上げや接ぎ
木・株元加温・約培養などたくさんのことを学べた。そのあとは池澤さんご指導のもとサ
ツマイモの収穫の手伝いをした。このサツマイモは研究のため同品種でも細かくわけて植
えられており、混同しないように気をつけて収穫をした。午後からは午前中に収穫したサ
ツマイモの調整を行い、たくさんあるサツマイモの枝を切り泥をおとす、地味だけれど大
変な作業だった。その後ソラマメの播種をし、砂にさして品種を4個ずつ並べた。ソラマ
メの播種は初めて行ったが、種はとても乾燥している上に砂にさすという方法なので、本
当に芽が出るのか不思議だった。しかし5日目に別の出芽している種を見せていただくと
膨らんだソラマメになっていて太い芽が出ていたので変化に驚いた。
4 日目は 3 日目に収穫したサツマイモの調査を手伝った。サツマイモは細長い形の「長」
と丸い形の「丸」に分け、さらに形が良い順に A・B・C と分別されており、その各等級の
重量を計るお手伝いをした。その後は調査には使わずに販売する『ベニサツマ』や『べに
はるか』の枝切りをした。午後はずっと藤崎さんについてイチゴの勉強をした。まず病害
虫予防に重要な摘葉作業をし、その後は実験室に移動して RQ FLEX の測定を教えていた
だいた。花芽形成の前には窒素濃度を落とさなければいけないため、その基準としての測
定だった。研究はずっと外の作業かと思っていたが実験室で行うことも大事だとわかった。
その後再び摘葉をし、最後は高設栽培のハウスを見学させてもらった。
- 30 -
5 日目は台風により破れたハウスの天井のビニール修繕の手伝いをした。同じ作業を 1 日
目にも手伝ったので割とスムーズに動けたのではないかと思う。やはり一度言われたこと
や行ったことはしっかり覚え、成長していくことは大切だと実感した。その後はサツマイ
モの洗い方を教わり、
『ベニサツマ』
・
『べにはるか』
・
『コガネセンガン』の 3 品種の食べ比
べを行った。それぞれに品種の特徴がありおもしろかった。午後は甘草について学び、播
種をした。そして最後にお世話になった皆さんに挨拶し、4 泊 5 日のインターンシップは終
了した。
インターンシップの初日は、作業の手伝いと言ってもなかなか自分から動けず「分から
ないときは人に聞いたり、自ら仕事を探したりしないといけない」と教えていただいた。
また初めは怖いなぁと感じた方も、質問したりお話しをしたりするととても優しく接して
くださり嬉しかった。2 日目になると少し慣れ、皆さんの名前も覚えることができてわりと
リラックスして仕事ができた。ただ仕事開始の時間を間違ってしまったり、集合場所を確
認したりしておらず、皆さんに迷惑をかけてしまう場面があり、反省した。また 3 日目に
行ったサツマイモの収穫においては、取り残しがあり、このようなことをすると研究とし
てのデータがきちんと取れなくなってしまうため、慎重に作業を行うように注意を受けた。
職員の方たちは真剣に研究に取り組まれており、インターンシップといえども私たちも皆
さんの一員として頑張らなければと思った。そしてこれから書く論文などでも正確な調査
を心がけなければいけないと反省するできごとだった。
この 5 日間のインターンシップを終えて私が強く感じたのは、わからないことは素直に
質問して学び、常に周りの様子に気を配ることが大切だということだ。これは仕事だけに
限らず、どのような場面でも大切なことだと思う。今回、時期的に管理がメインの仕事が
多かったが、地道な作業でも一つひとつ愛情を持って丁寧にされている皆さんはとても輝
いていた。また、皆さんが仕事に誇りを持って仕事のことを話したり、手際よく作業をさ
れたりする姿がとても印象的だった。今後、どのような進路に進んだとしても、このイン
ターンシップで学んだことは役に立つと思う。
最後になりましたが、このような貴重な経験をさせてくださった野菜研究室の橋口室長、
池澤さん、田中さん、中島さん、藤崎さん、満留さんを始め、補佐員の方、お世話になっ
た方々にはとても感謝しています。ありがとうございました。
鹿児島県
農業開発総合センター園芸作物部野菜研究室
園芸生産学講座
本田真紀
私は 5 日間、農業開発総合センター園芸作物部野菜研究室でインターンシップをさせて
いただきました。私は将来農業に携わる仕事がしたいと思っており、県がどのような仕事
を行っているのか体験してみたく、また先端技術はどのようなものか興味を持っていたた
め参加させていただきました。このインターンシップでは農業実習という形を通して、主
- 31 -
に現在行われている栽培技術の研究や品種改良について学びました。
1 日目はこちらの研究室が開発した品種と栽培方法ついての説明を聞いたり、挿し木を行
ったり、苺と里芋の視察をしたり、マルチの違いによる地温測定を行ったり、台風被害を
受けたビニールハウスのビニール張りの手伝いをしました。ビニール張りは、ビニールハ
ウスが大きくて技術職員の方々が総出で行っていました。私はその補助をしたのですが、
農業は一人だけで全てをすることは難しく、さらに時間がかかるため、みんなで協力する
ことや息を合わせること、人の繋がりが大切だと感じました。2 日目はカボチャ・苺の視察、
就職活動、ネパールの農業についての講話がありました。苺の視察では鹿児島独自のブラ
ンドを作っていこうと品種開発を行っている現場を見ました。おびただしい数の苗があり、
品種開発の大変さを目の当たりにしました。3 日目はピーマンの鉢上げ・接ぎ木、サツマイ
モ掘り、畝立て、マルチ張り、ソラマメ播種を行いました。サツマイモ掘りはただ掘りあ
げるだけではなく、試験区が定められており、サツマイモの掘り残しがないか何度も確認
しました。ただ漠然と適当に作業を行うのではなく、重要な試験をしているのだと意識す
ることが大切だと教わりました。4 日目はサツマイモのつる調整、苺の葉柄分析を行いまし
た。苺の葉柄分析は、葉柄に含まれる窒素量を測り適正な施肥の時期や量を調査するとい
うものでした。5 日目は甘草・セリの播種、さつまいもの調査を行いました。サツマイモの
調査では品種ごとに A 級品や B 級品を並べていきどの品種の形が一番形良いかを調査しま
した。このようにして農家さんに薦める育てやすい品種を決めているのだと知りました。
5 日間という短い間でしたが、様々な方法で新しい品種の開発を行っていること、収量が
上がるような栽培方法の開発を行っていることを知りました。それらは現場のニーズや時
代の流れに沿ったものでした。職員の方々は細かい研究を重ね、農家さんの役に立ち、よ
り育てやすく、普及しやすい品種を追及されていると感じました。それぞれの職員の方が、
ぞれぞれの作物のエキスパートで大変勉強されていました。実習を通して、積極性につい
て考えさせられました。自分では積極性があると思っていましたが、実際に企業が求めて
いる積極性とは違うのではないかと思いました。周りの状況を見きわめて、視野を広げて、
自分が何をすべきか考えて行動することが大切だと思いました。また、人とのコミュニケ
ーションが大切だと学びました。今回学んだことを卒業論文はじめ、就職や様々なことに
活かしていきたいと思います。お忙しい中時間を割いて貴重な経験をさせていただきまし
た研究室の皆様に感謝申し上げます。
- 32 -
門司植物防疫所
インターンシップ報告書
病害虫制御学講座 安部睦実
この度門司植物防疫所に 5 日間インターンシップに参加させていただき、様々なことを学
ばせていただき、滅多にすることのできない体験をさせていただきました。
植物防疫所では室内での仕事もあれば圃場の作業もあり、幅広く仕事内容がありました。
その中でもカンキツグリーニング病についてとても興味をもちました。鹿児島県の徳之島
以南では防除のための発生調査を実施しています。カンキツグリーニング病はこれ以上に
北上すると、カンキツの生産が多い日本にとっては致命的な打撃になるに違いありません。
これを食い止めるための様々な工夫を凝らしていることを初めて知りました。また、以前
喜界島でカンキツグリーニング病が発生したが、H24 年 3 月に根絶に成功したことに驚き
ました。また、一度侵入した病気を根絶する難しさがよくわかりました。カンキツグリー
ニング病以外にも、以前南西諸島と小笠原諸島に生息していたミカンコミバエや南西諸島
に生息していたウリミバエの根絶に成功したが、その代償として、長い歳月と巨額な費用
をつぎ込まれました。このことから、水際での病害虫の侵入を防ぐことの大切さがわかり
ました。
福岡空港での体験は私にとってとてもいい経験になりました。私たちにとって、植物防疫
所より空港のほうがより身近な存在です。そんな空港でも植物防疫所の職員の方々が活躍
しており、地道な作業によって私たちの身のまわりの植物の生産が安定して行われている
のだなと思いました。空港での検査だけで年間数百匹の虫が侵入しているということをき
き、この仕事の重要性を知りました。普段空港を利用するときはこんなによくまわりを見
ていなかったが、視点をかえてみてみると、空港では税関から検疫犬まで様々な人が活躍
しており、私たちの知らないところで工夫が凝らされていることがわかりました。また、
持ち込み禁止の植物や野菜、果実などを持ち込む人のほとんどは、持ち込み禁止であるこ
とを知らなかったという人が多いことを知って、もっと多くの人に植物防疫のことやなぜ
持ち込み禁止の植物があるのかを知ってもらいたいと思いました。
今回、インターンシップを受けてくださってありがとうございました。具体的にどのよう
な仕事をしているのかがよくわかりましたし、将来を現実的に考えることができました。
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鹿児島県 農業開発センター茶業部
病害虫制御学講座 猪口 真帆実
私は9月8日から9月11日までの4日間、鹿児島県農業開発センター茶業部でインタ
ーンシップに参加させていただきました。こちらには実地研修で興味を持ち、専門である
病害虫の知識を活かせる職業とは実際にどのような仕事をされているのか自分自身で体験
したいという思いでインターンシップに参加しました。また、自分自身公務員についても
興味があり、農業の技術職は女性でもつとまるのか確かめたい、という思いもありました。
四日間で三つの研究室をまわることになり、初日は茶園の土壌、肥料、病害虫などの研
究を行っている環境研究室に研修させていただきました。午前中は茶の害虫であるチャハ
マキ、チャノコカクモンハマキ、チャノホソガのフェロモントラップの回収、測定を行い
ました。
チャハマキは成葉や古葉を食害し、次の新芽の発芽、生育に影響を与えます。チャノコカ
クモンハマキは葉をつづり、表皮を残して食害し、収量や品質に影響を与えます。チャノ
ホソガは葉を食害した幼虫の糞により茶が赤くなり、品質が大きくさがってしまいます。
茶のことは大学でも授業がないため、事前にもっと害虫について調べてくればよかったと
思いました。
フェロモントラップを実際に見るのは初めてで、虫ごとにフェロモンをしみこませている
物の材質、形状が異なっていることを知りました。また、フェロモントラップは雄のみを
誘殺するため、雌を誘殺するためにライトトラップを併用していました。虫が多くなって
くる時期であったため、かなりの数の虫がトラップにかかっていました。圃場で実際の被
害の様子も説明していただき、試験区ごとに虫の被害数が目に見えて異なっていると感じ
ました。
午後からはチャノホソガの飼育管理を行いました。農薬の効果や、どの発育段階に効果
があるのかを調査するために、何世代ものチャノホソガを飼育していました。飼育葉を3
00ほど用意し、雌雄を見分けてペアをつくったり、卵の調節を行いました。普段はパー
トの方と二人で作業されていること、病害虫担当は1名しかいないことを知り、かなり狭
き門であると感じました。
二日目は製茶、再製、貯蔵などの研究を行っている加工研究室で研修させていただきま
した。午前中は茶のphを測定する実験をおこないました。茶はphが高いと色が褐色に
変化しにくくなり、よい品質を保つことができると知りました。その後は座学で茶の効能
や製造方法を学び、お茶について興味をもつ機会となりました。
午後は茶の審査に参加させていただきました。形状、色、香り、茶の色、味それぞれに2
0点満点で評価していきました。人が一つ一つを目、鼻、舌をつかって点数化していると
はしらず、とても驚きました。私は一番茶と三番茶の違いはわかったものの、0.5点の差
はほとんどわからず経験がものをいう作業だと感じました。
三日目は再び環境研究室で研修させていただき、午前中は初日と同じ内容でした。作業
の合間に、公務員独特の仕事の形態や転勤の頻度、離島勤務などについてお話しを伺いま
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した。どんな質問にも丁寧に答えていただき、将来を考えるきっかけになりました。
午後は茶の病害について学びました。炭そ病や輪班病、網もち病など実際に圃場にでて被
害を観察しました。現在開発中のサイクロン式機械での農薬散布区画や、農薬の試験区に
よって被害の違いがみられました。病害の職員も一人しかおらず、一人一人の仕事の責任
が大きいと感じました。
四日目は品種改良、茶栽培、機械化の研究を行っている栽培研究室に研修させていただ
きました。圃場を案内してくださり、それぞれの品種の説明を伺いました。時代ごとに求
められる品種が移り変わっていること、農業開発センターが品種保存の役目も果たしてい
ることを知りました。また、鹿児島は機械化が日本一すすんでおり、新しい風と水を使っ
た機械をみせていただきました。そのあとは座学で茶の消費量が減少していること、世界
への輸出が考えられていることを知りました。
午後からは実際に使われている機械の操作を行いました。見通しが悪く、茶株に接触して
しまい、経験が必要な作業だと感じました。
四日間を通して、鹿児島大学の先輩方も多く、みなさんとても気さくに話しかけてくださ
り、とても気持ちよく研修させていただきました。公務員についての疑問にも答えてくだ
さり、自分の将来を考えるよいきっかけになりました。病害虫以外の茶のことにも興味が
わき、インターンシップに参加してよかったと思いました。忙しい中、インターンシップ
を受け入れてくださった農業開発センター茶業部の皆様方には感謝の気持ちでいっぱいで
す。ありがとうございました。
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長崎県農林技術開発センター
大家畜研究室
畜産研究部門
肉用牛肥育部門
家畜生産学講座
林田雄大
私は、今回8月17日~8月21日までの5日間、長崎県農林技術開発センター畜産研
究部門にて研修をさせていただきました。今回この研修先を希望したのは、私は畜産関係
の職に就きたいと考えており、また、畜産関係の中でもウシの管理、特に肉用牛の肥育に
ついての飼養管理の技術を学びたかったからです。研修を通して、実際にどのようにして
ウシは飼養管理されているのか、またどのような研究を行っているのかを自分が実際に研
修に行って知りたいと思い、この研修先を希望させていただきました。
研修内容については、主に日々の飼養管理の方に参加させていただきました。その中で、
ウシの肥育ステージに合わせて一頭一頭エサの与える量も異なり、残食についても調べる
ことによって、ウシの健康状態を把握し、適切な肥育を行うのは、日々の飼養管理がとて
も重要だという事を改めて認識しました。肥育においては適切な出荷時期を見極めて、ま
た肉質を良くすることも求められます。そのため、ウシの少しの体調の変化にも気づかな
ければなりませんが、私はなかなか変化には気付けなかったように思います。
研修期間中には、ウシの除角、去勢、採血、また草地に行って牧草の収量測定なども行
いました。除角、去勢はウシを肥育していく上では欠かせない事だと思います。除角につ
いては実際に行わせていただきましたが、ウシの保定などはほとんど職員の方にやっても
らい、自分だけでは確実に出来なかったと思います。除角は飼育する人間が危害を加えら
れないように、去勢はウシを肥育するにあたっては、肉に雄特有の匂いをつかないように
するという意味で重要なことであり、採血はウシの健康状態をチェックする上で欠かせな
い事だと思います。
草地の収量測定では、草地班の職員の方々と草地を歩き回って数か所の草を刈り取りを
行いました。草地の研修では、やはり畜産における基本ともいえるエサの確保がいかに重
要かという事を改めて認識する機会となりました。エサがなければ畜産は成り立たない、
その事を感じました。
他にも、ウシの肉質を測る試験、ウシの肉の脂肪酸測定など、大学で学んでいるだけで
はなかなか経験をすることの出来ない実験、研究に立ち会う事が出来、とても充実してい
た5日間を過ごさせて頂いたと思います。
私がこのインターンの中で職員の方から聞いて最も心に残っている事としては、
「私たち
は研究施設で働いているので、仕事で行う研究においては、長崎県で働いている畜産農家
さんにここで開発された技術を取り入れてもらえるような事をしなければならない」とい
う言葉でした。研究機関であるために、ここで開発された技術を農家の方々に利用しても
らえるような事を研究していかなければならない、とても大変な事であると思います。し
かしながら、職員の方々は日々、そのことを実践するように研究、開発に取り組んでおら
れて、とてもすごい事だと感銘を受けました。
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今回のインターンシップは五日間という短い間ではありましたが、自分の将来を考える
きっかけになっただけではなく、ウシの基本的な飼養管理を学んでいく中で、自分の畜産
に対する知識のなさを痛感し、もっと畜産について詳しくなって、様々な研究を行ってい
きたいと思えるようになりました。
最後になりますが、今回の私のインターンシップに関わって下さった方々全員に心から
感謝しています。ありがとうございました。
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鹿児島県農業開発センター
家畜生産学講座
畜産試験場
井尻夏子
今回、8 月 17 日から 21 日までの 5 日間、鹿児島県農業開発センターの畜産試験場で研
修をさせて頂きました。私は今まで大学付属の牧場や、観光牧場しか見たことがなく、研
究機関としての牧場というものに興味を持ち、さらに繁殖技術を見学できることとを踏ま
えて畜産試験場を研修先に選びました。
研修内容としては、まず 1 日目は軽いオリエンテーションの後、施設について案内と説
明を受けました。畜産試験場は防疫体制が非常に整っていて、施設の中でも 2 回に渡って
着替えや、エアシャワーが義務付けられているなど、家畜を病害にさらさないための様々
な工夫が見られ、試験場としての側面を強く意識しました。その後、最初の研修先である
乳用牛ゾーンに連れて行っていただきました。乳用牛は今までの実習でも触れる機会がな
かったので、知らないことが多くとても勉強になりました。一番大きく肉用牛と異なると
感じたことは、乳用牛がとてもデリケートな種だということでした。1 日平均 20L ほどの
乳を出すので、体調を崩しやすく、またその体調が乳の品質に大きく関係します。試験場
は搾乳ロボットを使っていて、牛が自由に出入りできるようになっていたのですが、その
ロボットにそれぞれの個体の体調がデータとして送られていて、体調のよくない牛はロボ
ットの中に入っても搾乳がされないシステムでした。一番多い病気は乳房炎でその対策の
ために寝床に木くずが敷いてありました。
2 日目も引き続き乳用牛ゾーンで研修をさせて頂きました。午前中は乳用牛の直腸検査や
乳房炎の牛の触診を見学しました。直腸検査は初めての経験で、しかも乳用牛という慣れ
ている肉用牛より大きいこともあり、奥まで手を入れることも最初は難しかったです。触
診では、少量搾乳をしてその品質調査や、血液採取をして、必要であれば薬品を投与して
いました。薬品にはそれぞれ注意事項があって、特に毎日乳を出す乳用牛は商品化しては
いけない日数というのが薬品ごとに明確に決まっているということを初めて知りました。
午後からは、飼料に使うサイレージを作る作業を行いました。サイレージの材料はトウモ
ロコシで、試験場の区画内に栽培してあるものをトラクターで伐採して深さ 6 メートルの
穴に嫌気状態にして圧縮して、3 か月後に完成するそうです。穴型のサイロを使っているの
は、少数だそうで大変貴重な経験をさせて頂きました。
3 日目からは肉用牛ゾーンで研修させていただきました。このゾーンは繁殖、育成、肥育
とすべての段階の牛を飼育していて、いろいろな経験をさせて頂きました。まず、生後数
週間から数か月の仔牛の世話を行いました。仔牛の成長度合いを確認しながら人工乳から
代用乳にシフトさせていくことが重要だと教わりました。その後は仔牛、肥育牛の血液検
査を実際に行わせて頂きました。仔牛は肥育牛に比べ血管が細く刺しにくいですが、肥育
牛も肥育後期のものは脂肪が厚く血管自体が見えないこともあり、それを的確に刺して採
血していく職員の方には自分との経験の差を改めて感じました。たくさんの牛の採血を体
験させて頂いて、非常にいい経験になりました。午後からは、まず放牧地の除糞作業を行
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いました。育成牛や繁殖牛は放牧されているものも多く、草地を悪くしないために毎日除
糞作業を行っていると聞いて、毎日の積み重ねの重要性を感じました。その後は除角作業
を見学させていただき、また少し実際にも手伝わせていただきました。対象の牛の中には
かなり成長しているものもいて、ほかの牛は焼きゴテで焼く方法で行いましたが、その牛
は切断する方法を取りました。焼き鏝の方法は以前行ったことがあったのですが、刃物を
使う方法は今回が初めてで、牛のほうも切断時の衝撃が大きいようで、いかに素早く的確
に作業を行うことが重要であるかということを痛感しました。
4 日目は同じく肉用牛の飼養管理に加えて削蹄作業と肥育牛へのビタミン接種を行いま
した。削蹄は肉質にも顕著に関係する重要な作業で、職員の方が牛を不安にさせないよう
に素早く行っている様子に感銘を受けました。ビタミン A 投与はさしを入れるために夜盲
症などにならない量を牛の口内に直接投与していきました。牛の健康にかかわることであ
るので、間違いがあってはならないことがよく分かりました。
5 日目は草地飼料ゾーンで前半は座学で暖地型草地について学び、後半は牧草の調査を実
際に草地に行って体験させていただきました。座学では実際に島の畜産家の方たちが直面
している事態とその対策について教えて頂きました。試験場の方たちがどのように指導を
行っているのか知ることが出来ました。調査では今まで体験したことがないことが多く、
ほとんど知識がないまま臨んでしまい、勉強不足を感じました。
この試験場の方たちは獣医の方や研究員、地域のパートの方がみなさん和気あいあいと
仕事をしていらっしゃって、非常に親切にして頂きました。研究員の方はずっとその仕事
をしている方ばかりではなく、いろいろな部署を回るという公務員特有の体制の中で以前
取得した知識に加えて、柔軟に新しい知識を吸収しながらはたらいていらっしゃって感銘
を受けました。研究所という面を持った牧場ならではのことも多く非常に勉強になりまし
た。今後、自分がどのような職種に就きたいかの一つの指針になったように思います。こ
の経験をいかし、学んだ事を活かせるように一層励みたいと思います。貴重な体験をさせ
て頂き、また非常に親切にして頂き本当にありがとうございました。
鹿児島県
畜産試験場
家畜生産学講座
佐藤 葵
今回私は、8月17日から21日までの四泊五日で鹿児島県の畜産試験場で研修をさせ
ていただきました。この機関を研修先として選んだ理由は、公務員でありながら実際に畜
産の現場に立ち会うことの出来る職業として興味を持ったからです。畜産試験場とは何を
行う機関なのか、他の公務員職種とは何が異なるのか、基本的なことですが一から畜産試
験場職員という仕事を知りたいと思いました。
主な研修内容としては最初の二日間で大家畜部に属する乳用牛、その後の二日間で同じ
く大家畜部の肉用牛について学習し、さらに最後の一日で企画環境飼料部の飼料開発に関
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する現場を見せていただきました。鹿児島県畜産試験場ではその他にも中小家畜部で、鶏
と豚などの家畜の飼育・研究を行っているそうですが、今回は残念ながら防疫上の都合で
現場に立ち入ることは出来ませんでした。乳用牛と肉用牛についてはそれぞれ基本となる
日々の飼育方法についてから勉強させていただきました。人工哺乳を行う子牛の餌作り、
寝床の掃除、成牛の餌やり、糞の回収に始まり、乳用牛ではサイロ詰め、搾乳機での搾乳、
血液採取など、肉用牛では発情している個体・出産間近の個体・出産後の個体などの直腸
検査、削蹄、体側まで多岐に渡り経験することが出来ました。飼料開発に関わる、企画環
境飼料部での研修では、最初に暖地型牧草などに関する研究の手ほどきを受け、その後実
際に研究や栽培を行っている貴重な現場を見学させていただきました。自身が学んでいる
事がまだまだ身についていなかったと痛感すると共に、新しい知識と結びつけて見直すこ
との出来る良い機会になったと思います。中でも乳用牛は鹿児島県でも中々触れる機会が
少なかった為、肉用牛に比べて身体の大きいところや、乳房を保護する為に念入りに寝床
を清潔に保っているところなど、職員の方から一つ一つ新鮮な気持ちで説明を伺うことが
出来ました。
今回お世話になった肉用牛と乳用牛の飼養管理には、獣医の先生と鹿児島県職員の方々、
使用管理を専門的に行う方々、ヘルパーで通ってこられる方々など様々な方が携わってお
られることを知りました。その為、飼料の研究を行う部署とはまた異なり、大型家畜を飼
育するにあたり仕事が細部まで分業化されている印象を受けました。またお話を聞くと、
県職員の方でも不定期に担当部署が変わる為、担当家畜の変動すらあり得るのだそうです。
特定の研究にとどまらず、多方面での活躍も見込めるそれが公務員としての畜産試験場の
魅力のひとつではないかと思いました。
今回のインターンシップでは業務内容の説明に留まらず、泊まり込みで数多くの現場体
験をさせていただきました。どの担当部署の方々も自身の仕事に熱意を持って取り組んで
おられ、こちらの初歩的な質問にも嫌な顔ひとつせず受け答えしてくださいました。先で
も述べたように、多種の家畜や植物が集う場で多方面から情報交換や研究が行えること、
またそれを農家さんへ直接還元することが出来ること、何よりも家畜や植物という予測不
可能な面も持つ生き物相手に仕事に取り組まれる方々がおられることが、鹿児島県畜産試
験場で働くことの魅力ではないかと実感することが出来ました。
鹿児島県農業開発センター
家畜生産学講座
畜産試験場
川原 蔵之
私は 9 月 7 日~11 日の 5 日間、鹿児島県畜産試験場でインターンシップをさせていただ
きました。鹿児島県が現在どのような研究に取り組んでいるかに興味があったため、今回
この研修先を希望しました。畜産試験場には6つの研究室があり、養鶏と養豚の研究室は
防疫の面から今回は直接実習することができなかったが、実際にその場に行って雰囲気を
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味わったのは貴重な経験になったと思います。
1日目は、まずオリエンテーションがありそれぞれの研究室の研究テーマと課題の内容
の説明がありました。これから5日間実習をする前に概要を知れたのはとても良かったで
す。その後、肉用牛研究室に行き削蹄をやらせていただきました。初めて経験で職員の方
の説明をしっかりと聞きながらしました。牛を保定して牛の足を自分の太ももにのせ、削
蹄用の鎌で削りました。両方の蹄がバランスよく水平にしなければ重心がずれてしまい病
気になる可能性があるので注意が必要だと学びました。牛に蹴られないように気を付けな
がらするため結構、力を使う一方で繊細な作業であるため難しかったです。削蹄後は子牛
のミルクやりをしました。代用乳を作り、飲みきることができる量を与えていました。性
別や生まれた時の体重などによって飲む量が牛によって違うので毎日、記録をとることが
大切だと感じました。
2日目は、まず肉用牛研究室で飼料を与えました。同時にエサの食べ具合や糞の様子な
どを調べ、健康管理もするように言われました。獣医の方が日々観察をして、ちょっとし
た変化にも気づくことが重要ということを教えて下さいました。また、ルーメンアシドー
シスの治療を見学させてもらいました。家畜のかかりやすい病気なども勉強していこうと
思いました。午前から午後にかけては直腸検査をしました。午前は繁殖を終えた廃用牛で
やらしてもらいました。最初は子宮を見つけるのも難しかったが、徐々に感覚をつかむこ
とができるようになり、子宮は触って分かるようになりました。しかし、卵巣は確実に見
つけることが難しかったです。また、午後は約20頭程の繁殖牛を妊娠期間の長さによっ
て並べて直腸検査をしました。妊娠期間が長くなるにつれて子宮が固くなっているのが分
かりました。出産前の子宮はゴツゴツしていて胎仔が動いているのが確認できました。さ
らに農業大学出身の研修生の人も一緒に活動をして特徴など意見を交換したので理解が深
まりました。このような経験はめったにできないことだと思うので忘れないようにしたい
です。
3 日目は、まず乳用牛研究室で飼養管理をしました。肉用牛と違うのは、肉用牛よりも管
理において気を配る作業が多いために一部が機械化されていました。また、乳房炎の治療
の観察もしました。乳房炎は乳牛が一番かかりやすい病気で細心の注意を払わなければい
けないと学びました。実際に PL テストという乳房炎の検査もやらしてもらいました。異常
があると液体の色が変わるため、判断は比較的簡単でした。獣医の方が乳用牛は毎日のよ
うに搾乳をするため栄養バランスが崩れやすく管理が難しいがその分、研究にやりがいが
あると言っていたのが印象的でした。この日は養鶏の研究室の方から座学でさつま地鶏の
これまでの研究内容や現状について教えてもらいました。大学の講義で少しだけ畜産試験
場の研究について聞いたことがあったが、さらに詳しく知ることができました。研究を進
めていく過程の説明が詳しかったのでとてもためになりました。
4 日目の午前は、肉用牛研究室で飼料を与えた後体尺測定をしました。体尺測定は学校の
実習でしたことがあったのでスムーズに行うことができました。同時に採血も行い、子牛
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はすぐに血管を見つけることができたが、成牛は脂肪がついていて血管を見つけづらく時
間がかかってしまいました。経験や慣れが物をいう作業だと感じました。午後は、トウモ
ロコシの調査をしました。普段、草地飼料を見ることはほとんどないので新鮮でした。調
査方法や基準の判定の仕方を知ることができたので勉強になりました。トウモロコシだけ
でも様々な品種があり、それぞれの特徴を理解しているのはさすがだと思いました。
最終日は乳用牛の飼料を与えた後、乳用牛がかかりやすい病気の説明や治療方法につい
て学びました。最新の機器を見てより厳密に検査できるようになっているのだと感じまし
た。そして、最後にあまり乳牛が盛んではない鹿児島がどういう方向に目指しているかな
ど現場の声を聞くことができました。
今回の 5 日間の研修では様々な体験をさせてもらい、大変勉強になりました。社会に出
て働くということについてじっくり考えさせられました。今回学んだことをこれからの
日々の生活や就職活動に活かしていけるようにしたいです。最後になりましたが 5 日間、
丁寧にご指導していただいた畜産試験場の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうご
ざいました。
鹿児島県 農業開発センター
家畜生産学講座
畜産試験場
酒井 悠輔
私は 9 月 7 日~9 月 11 日までの間、鹿児島県農業開発センター畜産試験場にてインターン
シップ研修をさせていただきました。
今回こちらを研修先として選んだ理由は、公務員や畜産系の仕事を進路先として考えてい
るものの、具体的なイメージがなかったからです。
加えて、専門として学んでいる家畜繁殖、育種、管理学が社会でどのように生かされてい
るのか、今後どのような改良が期待されているのかなど、社会との関連を確認してから 4
年生からの研究に臨みたいと思い参加しました。
研修ではウシは朝夕の飼養管理をベースに、肉用牛では直腸検査、採血、乳用牛では乳房
炎の治療の実習を行いました。
ウシの診療では、実際にアシドーシスになっているものと正常なものとを腹をはじいて比
較しました。なかなか判別するのは難しかったですが、毎日家畜を観察し、管理側の者が
家畜の正常な姿を知っておくことが早期の発見につながるだと思いました。
そういった意味で朝夕行う飼養管理は、コンピューターの導入で人が出入りしなくても可
能となりつつありますが、家畜の機微を察するためにも重要なことで、畜産の基本である
と実感しました。
また、肉牛、乳牛ともに飼養管理の合間を縫って飼料について解説もしていただきました。
特に乳牛について、出入りの激しい養分、エネルギーの均衡を管理しながら、乳房炎が発
症しない絶妙なバランスを探っていく酪農に奥深さ・魅力を感じました。
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ブタ、ニワトリは改良の最終段階に来ており、防疫上見ることはかないませんでしたが、
さつま地鶏について、その改良の系譜、今後の展望などをうかがいました。
飼料生産部門では、圃場のトウモロコシのサンプリングから、裁断、乾燥、サイレージ加
工、機器分析に至るまで一連の流れを実習しました。
その際、普及員をなさっていた頃のお話をお聞きし、農業の実際を知らなくては農家の方
とは話ができないとの言葉に自分を顧みました。大学で農学部を在籍し畜産に関して知識
を積んでいても、いざ飼料メーカー、各薬品の商品名、道具が出てきてどれが優れている
かという話になるとついていけません。それが、農業を産業としての視点よりも、ひとつ
の学問領域、“農学”として見ていたことに起因するのだと気づきました。こうした今大学で
学んでいることと、現場での必要な知識・技能には多少ひらきがあることもわかり、その
間をうまく往来できるようになることが必要だと強く感じました。
仕事の合間などに職員のみなさんから仕事の醍醐味、やりがいなどを聞いて、就職活動へ
のやる気も高まりました。今回のインターンシップを通して、自分のやりたいことがおぼ
ろげながら見えてきたような気がします。
ウシ、ブタ、ニワトリと畜産県である鹿児島県で家畜生産・研究の第一線が見ることがで
き、本当に貴重な体験をさせてもらいました。
お忙しい中、インターンシップを受け入れてくださった畜産試験場職員の皆さまには心か
ら感謝いたします。ありがとうございました。
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株式会社どんぐり村
家畜生産学講座
大野 桃子
私は、佐賀県の観光牧場のどんぐり村へインターンシップに行きました。どんぐり村で
は動物を通して、命の大切さや、普段口にしている食べ物がどういうふうに作られている
のかお客さんに知ってもらえる場所となっています。一般のお客さん以外に、障害を持っ
た方もいらっしゃいます。障害を持った方の症状が少しでも軽くなり、精神的に豊かにな
るようホースセラピーなども行っています。また障害を持った方が実際にどんぐり村で職
員として働いていらっしゃいます。
一日目と二日目は、ヤギなどがいる小動物館の床替えや餌やりを行いました。他にも、
開園前の準備を手伝わせていただきました。ミニブタのショーを見させていただき、マウ
スに芸を教える訓練もしました。たくさんの動物がいましたが、とても人懐っこくかわい
らしかったです。ミニブタのショーではハードルジャンプを見ました。他にも、お客さん
が子ヤギにミルクをあげるイベントもしていました。
三日目は牛舎へ行き、搾乳の体験をしました。鹿児島大学には肉牛だけなので、ホルス
タイン種やジャージー種を間近に見て触ることができて新鮮な気持ちでした。お昼からは、
ホースセラピーの補助をしました。障害を持った方が乗馬体験をするときに私たち研修生
が馬の左右に立ち、障害を持った方へボールの受け渡しをしました。ホースセラピーは乗
馬することで、バランス感覚を取り戻し、乗った振動で脳に刺激を与えて症状を和らげる
目的があります。実際に乗馬された方は、素敵な笑顔でとても楽しそうでした。
四日目は、体験工房で一日お手伝いをしました。体験工房では、ソーセージや生キャラ
メル、バニラアイスクリームを自分の手で作ることができます。私の仕事は、皿洗いや材
料の計量、掃除でした。体験に来る子供たちやスタッフの方とお話しすることが多く、大
変だったのですがいろんな話ができて楽しかったです。
五日目は、ミルクプラントの見学や材料の計量、アイスを販売する売店のレジをしまし
た。アイスやヨーグルトを食べさせてもらいました。牛乳がどのようにヨーグルトやアイ
スになるのか見学できていい経験になりました。また乳糖や賞味期限の検査をする場所も
あり、食の安全について考えさせられました。
六日目は四日目と同じように体験工房でした。
どんぐり村には、たくさんのスタッフの方がいらっしゃいましたが、みなさん優しくて、
本当によくしていただきました。大学で体験できないことが多く戸惑う私に、優しく丁寧
に教えてくださいました。働く人もお客さんも笑顔で溢れていたと思います。どんなハプ
ニングが起こってもみんなで情報を共有し、助けあっているところが素晴らしいと思いま
した。一週間お世話になりましたが、一日一日が新鮮でいい経験になったと思っています。
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佐賀県
株式会社どんぐり村
家畜生産学講座
田中公巳
今回、私は佐賀県にあるどんぐり村という観光牧場で、7 日間実習をさせていただきまし
た。普段は家畜繁殖学を専門に学んでいる私ですが、農学部だからこそ体験できること、
学べることをしたいと考え、この研修先を希望しました。
どんぐり村は観光牧場でありながら、トレーニングスタッフと呼ばれる障がいを持った
人も一緒に働くという、全国でも珍しい就労支援施設として運営されています。私もその
中に混じって実習させていただいたのですが、専門的な知識や技術を持ち合わせた人達ば
かりで、普通の農家さんと同じように仕事をこなしておられ、とても驚かされました。初
対面の私にもにこやかに接してくださり、作業も手取り足取り教えていただきました。
どんぐり村で実習を行っていたのは私だけではありませんでした。どんぐり村では多方
面から研修生を受け入れているそうで、私の他にも福祉を専攻している大学生や、動物飼
育員を目指している専門学校生が共に実習を行っていました。思いがけないところで他学
生とも交流を持てたことで、新しい視点を増やすことができ、また農学が様々な分野と融
合していることを知る良い機会となりました。
私が家畜学を専攻しているということもあり、動物に関わる仕事を数多くさせていただ
きました。小動物館では、お客様が気持ちよく小動物と触れ合える環境づくりをしました。
小動物館には山羊や豚をはじめ、モルモットやウサギ、リスなどが多数飼育されており、
どの動物も人と接することに抵抗がなく、芸を習得しているなどむしろペットのようでし
た。それに比較して私達が普段接している豚は研究用に飼育しているだけのような気がし
てなりませんでした。飼育している目的が異なることで、動物がこんなにも環境に適応・
変化するのだと、とても興味を持ちました。
また、搾乳の作業にも携わることができました。どんぐり村では主にジャージー牛を飼
育しており、ソフトクリームや牛乳、アイスクリームやスプレッドジャムなどに加工し、
商品として販売していました。搾乳機を使っての搾乳でしたが、私には搾乳自体が初体験
だったので見よう見まねで行うのがやっとでした。乳牛の体調や乳汁の質、乳房炎に罹っ
ていないかなど個体差を考慮した上で、毎日一定した量の牛乳を供給することがいかに大
変かを体感することができました。さらに、ミルクプラントでの作業も行いました。ミル
クプラントでは、牛乳の品質管理から充填、ヨーグルトの製造、品質検査を手伝いました。
ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を添加し、保温し乳酸発酵することで酸味が生まれヨーグルト
となります。官能試験として商品となるヨーグルトを味見したのですが、容器に充填した
直後は温かく、甘みを感じる液体といった感じで驚きました。ソフトクリームもジャージ
ー牛の牛乳からできただけあって、普通のものより味が濃厚でとても美味しかったです。
しかし、毎日官能試験を行っていると、検査数値を見なくても牛乳の質や味の変化が舌で
分かるようになるそうです。
どんぐり村では乗馬も体験できるのですが、その中にホースセラピーというコースがあ
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りました。ホースセラピーとは乗馬や馬と触れ合うことを通じて、障がいを持った人の運
動機能の向上や精神機能の安定を促すリハビリテーション法のことをいいます。乗馬は見
た目以上に体力・運動機能を使うスポーツであるため、筋力の維持・向上や衰弱防止とい
ったトレーニングになります。また、馬と触れ合うことで精神の安定を得られたり、感情
のコントロールを向上させる効果があるそうです。さらに、馬への給餌や毛づくろいを通
して馬の飼養管理や、馬も人と同じ命であるといった教育にも繋がるそうです。実際、セ
ラピーに通い続けている認知症のお爺さんは、普段は行動に落ち着きがなかったり機嫌が
悪かったりもするが、ホースセラピーのことは忘れず覚えていて、行くときは喜んで出掛
けるといった話をご家族から伺いました。ドッグセラピーやイルカセラピーのように、ホ
ースセラピーも気軽に取り入れられるリハビリテーションになればと思いました。
この7日間の実習を通して、大学では学べないことをたくさん学ぶことができました。
また、学問として勉学をするだけでなく、現場に出て身をもって体験することも大切なこ
となのだと気付かされました。知識と技術をバランスよく身に付けることが必要であると
も考えました。これらの経験を無駄にしないよう、勉学に研究に、実習に励んでいきたい
と思います。
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名古屋市東山動物園
家畜生産学講座
早河勇毅
私は、8 月 20 日から 8 月 26 日までの 7 日間、愛知県の名古屋市東山動物園で実習をし
た。ここを希望した理由は、将来希望する生きた動物に触れることができる仕事を今回の
実習で体験してみたいと思ったからである。また地元にあることから今まで学習で利用し
たこともあるため、内側から見ることができればより深い学びを得ることができると考え
たためである。
私は園内のこども動物園での実習となった。今回の実習では指導してくださる飼育員の
方に付いて、実際の一日の業務内容を体験させていただいた。
主にホンドタヌキなどのいる日本産畜舎と小鳥とリス館での作業をした。開園前に餌と
消毒槽の準備を行い、開園後は各飼育舎を回り、掃除と給餌を行った。鳥とリス館では鳥
用にミルワームをお客さんの通路を避けて撒き、鳥のすり餌を前の日のものと入れ替え、
お客さんから見えるところにリスの餌となるサツマイモを置いて回った。鳥の健康状態を
確認するために、すり餌は常に器にすり切りで入れてあり、どのくらい減ったかが一目で
わかるようになっていた。日本産畜舎では開園前に準備した肉や果物のほかにドッグフー
ドを餌として与えた。動物ごとに餌の量が違ったがペットボトルを切って作られたそれぞ
れの動物用の計量カップがあり簡単に用意することができた。掃除や餌の入れ替えは動物
を外に出し、隔壁を閉じて行った。動物が閉じる途中の隔壁を無理やり開けて移動してし
まうことがあり、その時に隔壁を閉めるためのハンドルが動いて怪我をすることがあるの
で注意するように教えていただいた。群れでタヌキが飼われているタヌキ園のタヌキは皿
を叩く音を餌やりと条件付けてあり、音を出して集め、動けなくなっていたり、いなくな
っているタヌキがいないか確認してから全体に餌が行き渡るように注意して餌をやった。
ニホンザル舎と繁殖計画が行われているツシマヤマネコ舎は防疫のため飼育員の方以外は
入れないので、その間は園内の落ち葉掃きなどを行った。その時にお客さんから、あの動
物は餌に何を食べているか、どこに行けば見たい動物が見られるかなど、質問を受けるこ
とが多かったが、初日はうまく答えられなかった。自分は実習生ではあるが、東山動物園
の一員として作業をしていることを強く感じ、飼育員の方によく受ける質問を聞いたり、
実習で園内を回る時に建物の位置を覚え、できるだけお客さんの質問に答えられるように
努力した。
今回の実習は 7 日間と短い期間だったが、とても多くのことを学ぶことができたように
思った。飼育員の方たちの動物の生態への深い理解とそれが作業に反映されていることが
実習を通してわかった。
お忙しい中実習を受け入れてくださったこと。作業の一つ一つを丁寧に意味や注意すべ
きことも含めて教えてくださり、また、できるだけ多くのことを体験できるように考えて
いただいたこと。指導してくださった職員の皆様にとても感謝しております。本当にあり
がとうございました
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錦江ファーム
大口育成牧場
家畜生産学講座
/ ケイミルク
木原眞由子
8 月 24 日から 27 日の4日間、錦江ファームの大口育成牧場と、現在は伊佐牧場と名前
を変えた、カミチクの酪農部門であるケイミルクへ研修させていただきました。今回、こ
ちらに研修を希望した理由は、普段学校の実習などでも扱う機会のない乳用牛の管理を体
験することを第一に、ひとつの農場内で酪農、育成、チーズ加工など、仕事の幅が広い環
境で、様々な体験を通しながら、それぞれの立場で畜産に携わる方々の仕事や意見を吸収
し、自らの将来を考えるなかで、選択肢の幅を広げる一助となるのではないかと考えたか
らです。
今回の研修では、ケイミルクの職員の方々が早番と遅番のシフト制で働いていらっしゃ
るのに対し、自分は 8 時から 5 時まで活動することで、両方のシフトの仕事を見せていた
だきました。そのなかで、農場外からの乳用牛の導入や分娩の立会いなど、飼養管理業務
以外の部分も状況に応じて参加させていただきました。しかし、2 日目の明け方に台風の影
響を大きく受け、牛舎の損壊や停電などの非常事態が起き、2 日目から 4 日目までは通常業
務に支障をきたしました。パーラーでの搾乳作業は電力を使用するために発電機の到着ま
ですることができず、発電機が到着してからも3台の発電機を農場全体でまわすため、搾
乳や哺乳など、決まった時間にやらなければ牛にストレスがかかってしまう仕事を最優先
に行い、職員の方々が使う電力は最小限にとどめ、電気もつかない、入浴もまともにでき
ない状態のなか、職員の方々が弱音も吐かず、寝ずに働いていらっしゃる姿に、とても衝
撃を受けました。
今回のインターンシップでなにより印象に残ったことは、食堂や寮での職員の方々の会
話や、緊急時の対応や仕事の様子からも感じる、仕事としてだけでなく、本当に愛を持っ
て牛と向き合っている職員の方々の姿でした。乳用牛だけで800頭ほどいる牛たちの性
格を、一頭一頭把握し、たのしそうに私に牛のことを教えてくださる姿は、畜産に関わる
うえで、一番大切なことを体現しているように思いました。
ケイミルクは、800頭の乳用牛の一回の搾乳に5〜6時間かかるという、研修前の私
には想像もつかない世界でしたが、4日間の研修を通して、本気で牛と向き合うことを教
えていただいたように思います。今回の研修は、わたしひとりでの参加となり、日程や研
修内容など、わたしの要望を多く取り入れていただきました。駅までの送迎や、寮を使用
させていただいたり、通常は有料のまかないを無料にしてくださったり、本当にありがた
いことづくしでした。なにより、非常時でお忙しい中、常に笑顔でわたしを気遣ってくだ
さったり、仕事だけでなく生活面まで手助けしてくださった職員の方々に、本当に感謝し
ています。たいへん充実した4日間を過ごさせていただきました。この場を借りて、感謝
申し上げるとともに、今回の経験を今後の学校生活や就職活動に生かしていけるよう、頑
張りたいと思います。
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鹿児島市
平川動物公園
家畜生産学講座
上園美紗
私は、9 月 6 日から 9 月 8 日までの三日間、鹿児島市 平川動物公園にて研修をさせてい
ただきました。今回、私が平川動物公園を志望した理由は、さまざまな動物に興味があり、
普段家畜を飼養管理しているので、その他の動物種の飼養管理はどのようにしているのか、
どのような生態をしているのかを実際に見て学びたいと思ったからです。研修では、動物
の飼養管理と広報の業務を行わせていただきました。
まず一日目は、ワオキツネザルやリスザル等の餌やりから始まりました。餌を与えると
きは、ワオキツネザルなら最初は手で与えて様子を見たり、残りは木の根元や芝の上に散
らしたり、リスザルでは展示スペースにある木の枝や幹に好物のバナナを置いていったり
しました。次に、猛禽類の餌やり、カメのプール掃除、フラミンゴのプール掃除と餌やり、
そしてハナジカの小屋掃除と餌やりをさせていただきました。どの動物の餌やりでも、餌
を与える場所がさまざまで、群れで飼われていて順位がある動物では、弱い個体も食べる
ことができるよう餌を少し違うところに置きました。また、ワニの餌やりイベント見学も
させていただきました。担当の飼育員の方は、手書きの絵を用いて子供にも分かりやすい
ようにワニについて説明しており、説明の仕方も独特で楽しく学ぶことができました。餌
やりでは、お客様の見ているガラスの間近に肉を吊るして何回か上げ下げすることで、ワ
ニが餌を取ろうと跳ねたり、ガラスに足をかけて立ったりとするのを見ることができ、ワ
ニの迫力がよく分かりました。このように、餌のやり方で工夫を凝らすのは、動物が餌を
探しながら食べることでストレス軽減になることや、お客様が見に来られた際に見やすく
なること、どのような食べ方をするのか知ってもらえることなどを意識して行っているた
めでした。
二日目は、最初にインドゾウの朝のトレーニングを見学させていただきました。ゾウの
体調チェックをすると共に、何か異常があったときに治療などが行いやすいよう、普段か
ら体の各部を指示に合わせて見せるトレーニングを行っていました。オスは気性が荒いの
で遠くから眺める形で見学しましたが、メスのトレーニングは目の前で見て、一度ご褒美
の果物を手渡しであげました。トレーニングなど世話をするときは必ず二人以上で行い、
近くを通るときもできるだけ距離をもって通るようにして刺激しないなど常に気を付けて
いて、かなり大きい動物なだけあって徹底した注意が必要であると感じました。午後には
寝舎や遊び場の掃除をしましたが、間近で見るとその桁違いな糞の大きさと重さや体の大
きさをよく実感することができました。さわに、マントヒヒの餌やりもさせていただきま
した。気性が荒く、特にオスは順位によって全く食べることができない個体といい位置を
とって食べる個体とがよく分かりました。群れのボスは周りにメスや子供を引き連れてお
り、餌も他個体を威嚇しながら一番よく食べていたのでその強さが分かりやすかったです。
最終日は、広報の方に付いて業務を行いました。タッチングコーナーで業務をするにあ
たり、タッチング体験対象のウサギとモルモットについての勉強をすることから始めまし
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た。タッチングコーナーでは、来られたお客様を案内してウサギを触ってもらったり、モ
ルモットを膝に乗せて撫でてもらったりしました。その時に、お客様と会話をしながら勉
強したウサギやモルモットの簡単な特徴を説明しました。実際に確認してもらいながら伝
えることで、お客様もわかりやすく印象に残ったようでやりがいを感じました。しかし、
子供は触りたそうにしていても話しかけたら恥ずかしがったり、動物を怖がったりして楽
しんでもらうことが難しく、うまく対応できなかったことがこの業務内での反省点でした。
午後には、動物園が持っている Twitter アカウントで載せる記事を考えたり、客層調査のお
手伝いをしたりしました。記事を考えるために前二日間で担当した動物を再び見に行き、
自分が興味をひかれたところを自分なりの表現で、さらに見ている人が気になるような書
き方をするように心がけて書きました。この記事がいずれ載って、見た人が動物園に行き
たいと思ってもらえるといいな、と思いました。
今回三日間の研修では、以上のような内容を行いました。研修を通して、動物を飼育す
るには普段の行動をよく観察することやその動物について詳しく知っておくことなど、基
本的なことが一番大事であると思いました。現在私は家畜を飼養管理している立場でまだ
足りていないことが多いと実感しました。また、さまざまな動物の飼養管理をしてみて、
どの作業も大変ですがそれぞれにやりがいや楽しみがあり、私もいずれは動物に関わる職
に就きたいと改めて思う機会となりました。三日間という短い研修ではありましたが、学
んだことは多く貴重な体験ができました。これらの事を今後活かしながら、もっと多くを
学んでいきたいと思います。
鹿児島市平川動物公園
家畜生産学講座
岡 美沙紀
9 月 6 日~9 月 8 日の 3 日間、私は鹿児島市平川動物公園で研修をさせていただいた。今
回、私がインターン先を平川動物園にさせていただいた理由は、幼い頃から動物園の飼育
員さんの仕事に興味があり、また、様々な動物の飼育方法について学ぶことができるいい
機会だと思ったからだ。
インターン 1 日目、ワオキツネザルに餌をあげた。飼育員の野本さんは、ただあげるだ
けでは面白くないからと、6 種類ほどの餌の中でどれが嗜好性が高いか調べてみてとおっし
ゃってくださった。結果は断トツでバナナの嗜好性が高くみかんやリンゴが次に高かった。
白鳥に餌をあげる時は、直接自分の手で餌を渡すことで白鳥の噛む力を知った。勢いがあ
って驚いたが噛まれても痛くはなかった。爬虫類舎では蛇を触り、首にもまいた。今まで
蛇は絶対触れないと思っていて苦手意識があったけれど、意外とすんなり触れ、少し克服
できたと思う。シカ舎では、雄ジカの角に触れ、フカフカしていて温もりもあることを学
んだ。午前は雨だったが午後は晴れたので、天候の違いによって猛禽類の食欲が異なるこ
とが分かった。雨の時、野生では狩りにでないため、動物園でも餌を与えても食べようと
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しなかった。普段の飼育ではしないことなのに、私たちのために実際に体験させていただ
くことで私たちは身をもって学ぶことができた。2 日目は獣医さんの仕事に携わらせていた
だいた。軟便をしているや食欲がないみたいなど朝から引っ張りだこだった。ワニガメに
コブのような大きい腫瘍ができていて、タコ糸でその腫瘍を結ぶことで血液の流れを止め、
自然と取れるのを待つという処置をされた。以前私はこれに似た方法を牛の去勢の際に学
んでいたので、このような場合にも応用できることが分かった。動物病院には様々な病気
の動物がおり、餌も体調や嗜好性に応じて個体ごとで違っていた。体調が悪そうな動物に
は同じ餌でも新鮮な部分をあげたり、その動物の手の大きさを考えて持ちやすい大きさに
切ったり、抗生剤を餌に混ぜる際も、嗜好性の高いものに付け、なるべく食べてもらおう
など、細かいところまで工夫されていた。午後は、タッチングコーナーや鶏の解体を体験
させていただいた。タッチングコーナーとはお客様がモルモットとウサギに触れ合えるコ
ーナーのことである。私はあまり自分から積極的に話しかけていくのが得意ではないので
とても緊張した。お客様と言っても、小さい子どもからお年寄りの方まで幅広い世代の方
が来られるので話し方など難しかった。鶏の解体は、想像以上に力も技術も必要だった。
解体した鶏を他の動物が食べると考えると、野生での弱肉強食を感じた。3 日目、午前中は
昨日に引き続きタッチングコーナーに行った。3 日目は上園さん、滿尾さんも一緒だった。
行く前にモルモットとウサギについて調べていくことで、お客様により興味をもってもら
えるし、私自身も質問された時に自信をもって説明することができた。どのような接し方
をしているのか 3 人でお互いに見合い、良い点を言い合った。私は、小さい子どもに対し
てただ動物の説明をするのではなく、クイズ形式で問いかけ、一緒に答を探してあげてい
た点が良かったと誉めてもらった。逆に、途中会話に詰まってしまった点や知識不足だっ
た点が反省点だった。もっと知識が豊富にあったら会話にも困らなかっただろうし、更に
モルモットやウサギに興味をもってもらえただろうと思った。午後は、その反省を活かし
て再チャレンジした。2 日目に比べると知識も会話も増えたことが自分でも分かった。その
後、園内を回って平川動物園の Twitter のネタ収集をした。どのような動物をどのように紹
介すればみんなが動物園に行きたくなるか考えた。
この 3 日間のインターンシップを通して、動物園は動物の飼育だけが全てではないこと
が分かった。獣医さんと飼育員さんの連携があって動物も元気に活動いているし、様々な
イベントを行うことでより動物園を盛り上げていらっしゃった。動物の配置や掲示物も重
要な鍵になっていることも学んだ。たくさんのことを学ばせていただいた。最後なってし
まいましたが、お忙しい中、時間をかけて丁寧にご指導してくださった鹿児島市平川動物
公園の皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
鹿児島市平川動物公園
家畜生産学講座
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滿尾彩可
今回私は9月6日から9月8日までの3日間、鹿児島市平川動物公園にて実習をさせて
いただきました。今回私がインターン先を平川動物公園にさせておただいた理由としては、
将来動物に携わる職業につきたいと思っており、動物園であったら様々な動物と触れ合う
ことができるのではないかと思ったからです。
1 日目は爬虫類、猛禽類などの世話をしました。どの動物も触れられるほど近くでみるの
は初めてだったので、様々な発見がありました。その中でも蛇に触ったのはとてもいい体
験になりました。私の中のイメージでは蛇の表面は固いと思っていましたが、実際に触っ
てみると腹はつるつるしていて、表面も柔らかかったです。
また世話をするだけではなく、朝と夕方 1 日 2 回のえさやりをするなかで、普段と違う行
動をしていないか、糞便は正常か、などのチェックも行っているそうです。異常にすぐ気
づけるように普段の動物の様子をよく見ておくことが大切だと思いました。
また世話をしている最中にお客さんが動物を眺めていると、お客さんにその動物の正確や
特徴などを教えていました。展示用の看板にかいていないことも説明しており、さらにそ
こでお客さんも疑問に思ったことを質問し、答えるというようにお客さんがより興味を持
ち、楽しそうにみていたのが印象的でした。さらにワニのお食事タイムでは小さい子から
大人まで様々な人が見学しており、クイズを交えながら話をしており、ただ食事を見せる
だけでなく、よりワニのことを知ることができる工夫がなされていました。飼育員さんと
いうとただ動物の世話をしているというイメージが強かったけれど、お食事タイムなどお
客さんが楽しんでくれるように、動物に興味をもってもらえるように様々な工夫がされて
いることがわかりました。
2 日目はキリン、カバ、フラミンゴなどの世話をしました。フラミンゴは 1 日目も世話をし
ましたが、2 日目は展示をされていない、繁殖を目的としているフラミンゴの世話をしまし
た。フラミンゴは大変警戒心が強く、1 匹がパニックになると群れ全体にパニックが伝わっ
てしまうためあまり近づかすに脅かすことがないようにすることが大切ということでした。
繁殖を目的としているフラミンゴはさらに警戒心が強いため、世話をするのもやり方を教
わり、私 1 人で行いました。同じフラミンゴでもいろいろ考えられていることがわかりま
した。キリンやカバの世話では普段は立ち入ることができない場所にいれてもらい、近く
で動物を見たり、触ったりすることができました。遠くから見ているだけではわからない
個体の違いなどもみつけることができました。キリンのえさである葉は動物園横の錦江湾
公園まで採りにいき、トラックで動物園まで運んでキリンに与えていました。カバは水が
汚れているほうが落ち着くらしく、糞尿をプールの中にしており水が濁っていました。し
かしプールの水を毎日新しくするのは金銭面やカバが汚してしまうことから雄、雌交互に
1日おきで水を変えているそうです。
3日目は飼育員ではなく学芸員の方に仕事を教えていただきました。動物園というと飼育
員のイメージが強くありましたが、多くの人の様々な仕事によって成り立っていることが
わかりました。学芸員は動物園を学ぶ場として利用してもらおうと宣伝活動を行っていま
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す。今年の夏は黎明館で行われていた大アマゾン展と協力して実際の動物を動物園で見て
もらうという活動も行っていたそうです。イベントのポスター作成や、SNSへの投稿文
を考えたり、ふれあいコーナー、お客さんの見学ルート調査などを行いました。ふれあい
コーナーでは、お客さんがモルモットとウサギと触れ合うときにただ触って終わりではな
く、動物についてより興味をもってもらえるように話かけるのが難しかったです。準備と
していろいろなことを調べていきましたが、3-5歳の未就学の子どもたちに説明する事
が多く、うまく伝えることができずに難しさを実感する場面も多かったです。SNS への投
稿文を考えるのは投稿を見たお客さんが動物園へ足を運びたくなるような文をつくるのが
難しく、また色々な動物についての文を考えるためには園内の全ての動物のことを知らな
いといけないので大変だと思いました。お客さんの見学ルート調査ではお客さんは全ての
動物を平等に見るわけではなく、メインとなる動物の前では滞在時間が長く、それ以外の
動物の前は素通りする人も多かったです。同じように毎日世話をしていて、小さな動物で
もよく見ると面白い発見がたくさんあるのにあまりみてもらえないという現状を変えるた
めにも様々な工夫や広報活動が必要だと感じました。
3日間をとおして感じたことは動物園はお客さんに動物のことをみて、知ってもらおう
と様々な工夫がされているということです。直接話して教えるのはもちろん、掲示物や展
示場の環境などいろいろなところでいろいろな工夫が考えられていて今までお客としてみ
ていたのとは違った発見が多くあり、とても貴重な体験となりました。
最後になりましたが3日間後指導いただいた関係者のみなさん、本当にありがとうごいま
した。
インターンシップ 平川動物園
家畜生産学講座
北嶋光陽
今回、平川動物園のインターンシップに参加させて頂き、飼育員という職業の仕事内容、
またその仕事をどのような心構えで取り組んでいるのか、というようなことを伺うことが
できました。
1 日目は、ブラジルバクの飼育、カピバラとマーラ飼育、夜行館動物の餌づくりと夜行館の
掃除、を行いました。ブラジルバクは餌を与えることに加え、怪我をしている部分に薬を
塗ること、さしばえの予防、嘔吐物を発見し獣医さんへ報告をしました。この日思ったこ
とは、飼育員の方の動物に対する気配りが徹底されていることでした。ブラジルバクのオ
スがメスを追い回す行動が見られ、これにより怪我が起こる可能性があるので、追い回す
ときはオスとメスを別々に隔離することを行っていました。動物の変化に気付き、すぐに
対応することが大切だということを学びました。
二日目は、象の飼育、ミーアキャット、プレーリードック、アライグマの飼育、ペンギン、
カワウソのエサやり体験を行いました。この日飼育員の方に聞いたのは、動物が動物園の
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檻の中でいかに退屈せずに、過ごすことができるかということを常に考えている、という
環境エンリッチメントという考え方です。飼育員として動物に対して何ができるかという
ことを考えることが大事であると学びました。エサやり体験では、子供たちが集まってい
たので、子供たちが喜ぶようにパフォーマンスを行うよう心がけました。日曜日などの休
みの日は、家族連れの客が多く来場するので、イベントがいくつか企画されていました。
三日目は、野鳥の飼育、鶴の飼育を行いました。鶴は大変デリケートな動物であり、人間
との距離感を適当に保たなければ、警戒し暴れることで、人間も鶴も怪我をすることがあ
るという、話を聞きました。これは鶴に限らず、どの動物にも言えることであり、いくら
慣れた動物であっても、油断し、判断を誤れば大けがに繋がるということを考えさせられ
ました。
昼休みは飼育員の方々が自分の担当する動物の状態を報告し、平川動物園の職員全員が各
動物の状態を把握するように、ミーティングが行われていました。
今回のインターンシップでは、動物への気配り、環境エンリッチメント、怪我への意識を
実際に飼育員という立場から、考えることができました。
動物に携わる職業に就いた際に、今回のインターンシップで学んだことを生かしていこう
と思います。
鹿児島市 平川動物園
家畜生産学講座 山崎悠作
今回私は 9 月 12 日から 14 日の 3 日間、鹿児島市平川動物園にて研修をさせていただき
ました。私が平川動物園を希望した理由としては、動物園の飼育員への就職を希望してい
る自分にとって幼いころからずっと通い続けてきたこの平川動物園で就職に向けての本格
的な経験を積んでいきたいと思ったからです。一般的に公募している飼育体験も何度かさ
せていただいているのですが今回は 3 日間開園から閉園までずっと飼育体験をすることに
よって今までとは違いとても充実した体験となりました。
1 日目はチンパンジー、オランウータンという類人猿とシカ・ラマの担当をしました。最
初チンパンジー舎に入るとチンパンジーが大きな声を上げ鉄柵を強く叩く姿に驚きました。
チンパンジーなどの類人猿は実は獰猛な動物であるとは知っていましたが自分の想像以上
でした。しかし担当の方がこれはまだ大人しいほうだとおっしゃっていたので次第に慣れ
てきました。チンパンジーやオランウータンに給与する餌の量は人間のカロリーなどをベ
ースにして決めるため行動、生態学的な観点だけでなく栄養学についての知識も備えてお
く必要性を改めて感じました。自分はどちらかというと行動学などの分野が好きで栄養
学・飼料学についてはあまり興味がなかったのですが今回こうやって現場に立ち会わせて
いただいたことで改めて学ぶ意味を知ることが出来たのは 1 日目の中で一番勉強にになり
ました。シカ・ラマについては普段自分の研究室で飼育しているヤギや先輩が実験で使用
しているシカに与えている飼料との違いが分かりました。掃除の要領はいつも飼育棟のヤ
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ギ舎と同じようにやればよかったのですが展示場はかなり広く傾斜もたくさんあったため
非常に大変でした。これを一人でやるとなると今以上に体力が必要になるということを改
めて感じました。さらに掃除中自分を正規の飼育員と思ったお客さんが自分に質問をして
くることが多々ありました。自分は動物のことをよく知っているつもりだったのにうまく
返答できず担当の方に助けを求めることが多かったです。飼育員になるためには今以上に
動物に関しての知識を有し上手く人に説明できるようになることが大事だと分かりこれを
踏まえてこれから勉強していく必要があると感じました。
2 日目はゾウを中心に飼育体験を行いました。平川動物園は雄と雌のゾウを 1 頭ずつ飼育
しているのですがオスのほうは性格が荒く危険ということで近づかないようにと何度も厳
重に注意されました。前日同様動物たちは自分が想像していたよりも獰猛であることが分
かりそういった動物たちと近距離で接していく必要がある飼育員は本当に危険と隣り合わ
せの大変な作業であることを実感しました。ゾウ舎は人手が多いため掃除はさほど大変で
はなかったのですがカンガルー展示場は広い展示場の中の落ち葉や糞を丁寧に集めていく
必要があったため 2 人かがりでもかなり時間のかかった大変な作業でした。午後は餌やり
体験のイベントの補助をしたのですがその日は日曜日ということもあり非常に多くの子供
が集まっていました。ペンギンの餌やり体験の補助をしたときに感じたのですが園路にペ
ンギンを出したときに子供たちにペンギンに近づかないようにと担当の方が注意していた
のですが多くの子供たちは好奇心のあまり注意を振り切ってペンギンに近寄ってきたため
それを制御するのにかなり苦労しました。ここで自分は、動物園は動物のことだけでなく
お客さんのことにも気をつけなければならないということを実感しました。翌日に全体会
議のほうでその日は約 4500 人ものお客さんが訪れたと聞きました。これが連休になるとよ
り多くのお客さんが来ることになると思うのでさらに大変なことになるのではないかと思
いました。
3 日目はサイ、シマウマ、ラクダなどの大型草食動物の飼育を体験しました。1 日目のシ
カと同様に自分たちの飼育しているヤギとの飼養管理との相違点を調べながら寝室の清掃、
餌づくりを行いました。この日はクロサイに与える木の枝を採取するため園外へ行きヤマ
モモやカシなどの枝を採取しました。ここで担当の方からこういった木の種類については
自分で覚えるしかないと言われたため植物についても知識を深めていく必要があると感じ
ました。さらにこの日新しく学んだことが 2 つありました。1 つ目は動物園への就職のこと
で筆頭試験には平川動物園や上野動物園などが過去にどういった問題を出題したかという
ことや園の規模などに拘らずとにかくいろいろな園を受ける必要があるということを学び
ました。こういった動物園の就職事情については大学で教えてもらうことは全くなかった
ため実際に動物園の飼育員の方から話を直接聞くことができたのは大きな経験でした。2 つ
目は展示場についてのことで担当の方はサイ舎に設置されている看板が古いため新しいも
のに替えるということを計画しているとのことでした。自分の担当している動物の展示場
については自分が一番知っておく必要があり自分の手で変えていくことも大切だというこ
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とを教わりました。自分たちも飼育棟で木製の柵を製作するなどの作業をしていましたが
今回看板作りに携わったことで改めてそういった作業の重要性を知りました。
今回 3 日間体験をして新しく学んだことは動物園で扱う動物は家畜と異なり暴れると本
当に危険なため最新の注意を払うこと、自分の担当する動物の展示場については設備を含
めて熟知しておくこと、動物だけでなくお客さんにも目を配ることなど今まで大学で家畜
を飼育しているだけでは学べなかったことをたくさん知ることができました。来年から自
分は就活で動物園へ行くことになると思うのですが平川動物園は現時点で来年採用が無い
とのことだったのでご教授いただいた通り多くの動物園を回りどこかの動物園に飼育員と
して努めたいと思っています。就活までに与えられた期間は短いですがこの 3 日間で学ん
だことを活かしていきたいと思います。今回の実習に関わってくださった獣医の桜井さん、
飼育員の森さん、松元さん、牟禮さんをはじめ平川動物園に関わっている全ての職員の皆
様に本当に感謝を申し上げます。お客さんの多い土日を挟んだ忙しい中時間を割き丁寧に
ご指導していただき本当にありがとうございました。
鹿児島市
平川動物園
家畜生産学講座
江崎太樹
今回私がインターン先を平川動物園にさせていただいた理由として、いろいろな動物の
行動や習性などを飼育という面から学びたいと思ったからだ。動物の飼育は大変だが、そ
の分やりがいがあり充実した 3 日間となった。
本格的に飼育作業が始まったのは 2 日目からだった。最初の動物はワオキツネザルだっ
た。基本的に穏やかで臆病な性格が故に他のサルと違い、ワオキツネザルでは定期的にエ
サやりのイベントが開かれる。というのもあって人に慣れさせておかないといけないので、
エサやりは手渡しで行った。トンビもまた、イベント対象動物なので人に慣れさせておく
必要がある。なので腕にグローブをはめてそこに乗せる練習を行った。平川動物園のトン
ビは野生でケガをして飛べなかったのをお世話している。また、オジロワシの飼育環境を
より自然にかつ快適にしたいということで巣を作りかえる作業も行う予定だった。(雨で中
止となる)とにかく、私がこの実習を通じて一番に感じたことは飼育員さんが動物に対して
溢れんばかりの愛情で接していたことだ。名前を呼ぶにしても棘のない優しい声であり、
動物の習性を把握し、ストレスを与えないように接するその姿は私も日々の飼育当番で見
習っていくべきところだった。
意外かもしれないが、私が一番興奮した動物はシカだった。20~30 頭の群れで飼育され
ていたが、この群れを治める一頭のオスがとにかく立派だった。体つきは他のシカよりも
大きく、天にも届くかと思うほど角はそびえ立ち、目は血走っていて…飼育棟の掃除の際
に何度メンチを切られたことか。他のオスのシカはこのボスのシカとかなり距離をとって
いて、野生の厳しさというものを痛感した。私もボス以外は余裕だとなめていたらエサや
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りの際、弱いシカに角で攻撃された。やはり動物を相手にするときはしっかり警戒しとか
なければいけないと体で感じることができた。
毎日動物と触れ合う中で意思疎通を図っていくその重要さと難しさを体験でき良かった。
この研修で学んだことをしっかりと活かすことができるようこれからも精進していきたい。
鹿児島市
平川動物園
家畜生産学講座
尾ノ上千夏
今回のインターンで行った、平川動物園での実習は毎日が楽しく、あっという間の3日間
でした。そして多くのことを学ぶことができました。初日に行った来園者行動調査ではお
客さんがどのくらい対象の動物を見ているかを調べました。アフリカ園とクマゾーンを担
当しました。アフリカ園は入り口に一番近いところなので、通り過ぎる人も多く、じっと
見る人もいれば、次の動物を見ようと早く通り過ぎる人もいました。クマゾーンは閉園間
近だったので、人がとても少なかったです。この調査でどの動物に人気があるのか調べる
ことができ、またどのくらいの人が順路通りに進んでいるのか調べることができ、このよ
うな調査の結果を生かしてよりお客さんに楽しんでもらえるように取り組んでいるのだと
知りました。このような調査を園内でしていると知らなかったので、驚きました。2日目、
3日目は飼育員さんにつき担当の動物のえさやりや、体調チェック、掃除をしました。様々
な動物をみて、えさや飼育環境は違いましたが、どの動物にもその子のありのままの姿を
見てもらおうという飼育員さんの工夫がありました。自然界ではどのようなことをしてい
るのか、どのような体のつくりをしているのか。手書きの説明を面白く書くことで見ても
らう人に興味を持ってもらえるようにしており、ただ、世話をするだけでなく、その動物
の魅力をいかに見てもらう人に伝えるかが大切なのだと思いました。また、飼育員さんは
担当の動物だけでなく、ほかの動物の知識が豊富でいろんな質問に答えてくれました。動
物園で働くには多くの情報を頭に入れなければいけないのだと思い、飼育員さんからいろ
んな動物の生態や特徴、好き嫌いなどを聞くことで様々な種類の動物についてもっと知り
たいな、を興味がわきました。飼育員さんの話の中で、動物を前にしているときは決して
気を抜かないようにと言われたことが頭に残りました。普段はほとんど動かない動物であ
ってもいつ襲ってくるかわからず、もし襲われたとき私たちの不注意であっても動物のほ
うが加害者となってしまう、という話でした。それを聞き、どんな相手であっても気を抜
くことは許されないのだと思いました。例えば、ワニは動きが普段はゆっくりだけど、急
に襲ってくる可能性もあると頭に入れてみていました。ふれあいコーナーやホワイトタイ
ガーの赤ちゃんのえさやりでは、多くのひとが集まり、特に小さな子供はウサギやモルモ
ットを触るとよろこんで、笑顔になってくれていました。その姿を見ると、私もうれしく
なり、この場にいれてよかったなと感じました。ですが、もう少しモルモットやウサギの
説明をするときに、小さい子にもわかりやすく言えればよかったのかなと思いました。私
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たちはいつも大学では家畜しか扱わないが、今回の実習では多くの動物と触れ合うことが
でき、その中ですることはどれも新鮮で、新しい発見がたくさんありました。いつも動物
園には客として行っていましたが、飼育員の視点から動物園を見ることができ、この3日
間とても貴重な経験ができました。ここで学んだこと、教わったことをこれからに生かし
ていきたいと思います。
鹿児島市
平川動物園
家畜生産学講座
中島功揮
私は、12月20日から22日の3日間、鹿児島市平川動物園で実習をさせていただき
ました。平川動物園をインターンシップ先に志願した理由は、漠然と動物と接する仕事、
その中でも、動物園の仕事に興味があったからです。3日間の内容は主に、1日目、来園
者の接客、調査、2・3日目は、動物の飼育、管理でした。1日目に行った来園者の調査
では、特定のエリアを訪れた人数、性別、解説の展示を読んだか、会話、滞在時間等細か
く記録した。展示方法など様々なことの改善に重要であるとおっしゃっており、動物園で
の仕事で、私が全く想像していなかったものでした。動物園も動物の飼育だけではなく、
接客業でもあるということを改めて実感しました。2・3日目には、多種多様な動物の給
餌、餌つくり、掃除等の管理作業を行いました。フラミンゴは臆病であることや、エコロ
ケーションを行うコウモリとそうでないコウモリの違い、また、個体により、性格、行動、
餌の嗜好性など大きな違いがみられることに興味を持ったが、その中でも、シカの飼育は
一番興味深かったです。繁殖期になると、一番強い雄がハーレムを作り、その他の雄は餌
もその一番強い雄が食べ終わるまで食べることができない。しかし、繁殖期が終わると、
その上下関係は今までの差が全くなかったかのようになってしまう。また、不思議なこと
に、上位の雄の角から順に落ちていくという。
直接動物と触れ合い、近くで採食などの行動、掃除の際には排泄物の形状を観察するこ
とで、その日の動物の体調を確認するのだが、素人目では気づかないわずかな変化も察知
していらっしゃった飼育員の方々を純粋に凄いと思いました。
3日間という短い期間の中で、大変さややりがいなど多くのことを学べたが、一番印象
に残っているものは、飼育員の方々の動物に接する際の真剣さでした。しゃべりかけ、必
要に応じでスキンシップも行う姿が印象的で、大切なことであると思いました。
この実習を通して、やはり私は、動物に関係する仕事に就きたいと強く思いました。座
学では得られないことを多く吸収することができ、非常に貴重な体験をさせていただきま
した。平川動物園の方々には3日間、本当にお世話になりました。ありがとうございまし
た。
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株式会社
鹿児島銀行
農業経営経済学研究室 シュウ
シトウ
今年の夏休みで、株式会社鹿児島銀行のインターシップを参加しました。8 月 20 から 26
日まで短く四日間(8 月 25 日の実習は台風のため中止になりました)の実習ですが、とても
勉強になりました。一番感じたのはやはり社会人としての自立そして責任感です。
初日は、鹿児島銀行の with 館で集合しました。まず、オリエンテーション、研修の目的
働くということなどを講義の形で教えてもらいました。昼食は with 館で櫻島の風景を見な
がら食事をしました。午後は、二つの講義、就職活動とコミュニケーションについて勉強
しました。この一日で、社会人の責任感を意識するように教えられました。個人的には、
研修の目的、働くということについての講義は一番印象残りました。社会人になれるのは、
精神的、経済的、社会的自立することを心強く思いました。そして、就職活動の講義で、
面接官の立場から、どのような人材がいるか、これから就職活動で注意すべきところなど
を紹介しました、私たち三年生にとってとても助かりになった講義でした。
二日目の朝、鹿児島銀行本店の業務を視察見学しました。午後は、見学への感想や意見
交換をやりました。その次は、鹿児島銀行の先輩行員の話を聞く時間で、最後は、隣の人
との会話練習です。銀行によく行きますが、中に入ったのは初めてです。本店の業務の視
察見学に通じて、銀行や銀行員への印象を変わりました。銀行の業務はお金に関するのが
多くて、お客様に与える印象は大事です。安心にお金を保管させてもいいっていう印象が
とても大切です。銀行員は話が少ないかもしれないと思いましたが、実は皆さんは明るく
て、穏やかタイプ人が多いですよ。それに一番印象残したのは、身だしなみは信頼関係を
作るための重要な一歩です。自分も楽しむ、他人も楽しむ身だしなみが大切です。
三日目の朝は、経済新聞の読み方、鹿児島県の経済状況と鹿児島銀行の取り組みについ
ての講義を受けました。昼食をしてから、共同研究で本をほかの人に紹介しました。最後
に、鹿児島銀行の国際ビジネスについても紹介されました。その日までには、経済新聞を
買う経験はまったくありませんでした。でも、社会人になれるためには、やはり当時の情
報を把握することがとても重要だと思います。これから、新聞を読む習慣をつくるように
頑張りたいと思います。それに、午後の共同研究で、知らない人に自分が好きな本を一冊
紹介するという活動をやりました。前習ったコミュニケーション方法を使って、5 分間で紹
介して、意外と足りなかったです。もっと紹介しようとして、時間になりました。でも、
いろいろよい本を収穫しました。楽しかったです。
四日目は台風のために中止しました。
それから、最後の一日は、鹿児島銀行の本館で見学を行って、人事部長の話しの話しを
聞きました。ローンや少額投資についてははじめて聞きますので、勉強になりました。今
回のインターンシップに通じて、主に社会人なるためどのような準備が要るのかと鹿児島
銀行の業務についてです、自分にとってはすごく役に立ちました。これから、社会人まで
に足りないところをもっと頑張りたいと思います。今回のインターンシップは本当に楽し
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い経験でした。皆さんにもぜひ参加させたいと思います。
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近藤貿易株式会社
国際食料資源学特別コース
迫間圭祐
はじめに、今回の香港インターンシップは溝口会長のご支援があったおかげで参加する
ことができました。費用のほとんどを支払ってくださった溝口会長にお礼を申し上げたい
と思います。一番の恩人への感謝無しにはこのレポートは成り立たないと思い、先に書か
せて頂きました。さて、今回このインターンシップを志望した理由は、香港でのインター
ンシップということで自分の英語力を伸ばしたかったからです。香港は 1997 年までイギリ
スに統治されており、英語に慣れ親しんだ地域です。現に、近藤貿易の複数の社員さんは
英語を流暢に使っており、勉強になりました。近藤貿易にいくか日研食品にいくかは選ぶ
余地がなかったのですが、どちらも貿易会社ということもあり、今となっては近藤貿易に
お世話になれてよかったと思います。
一日目の午前では近藤貿易への初出勤ということで、我々の自己紹介を行い、近藤貿易
の社長の奥さんであるマーガレットさんとオリエンテーションを行いました。社会への参
加の仕方ということで、責任を持つ、約束を守る、チームワーク、この 3 つを大事にしな
ければいけないということを学びました。午後からはウェアハウスの見学、輸入について
の学習を行いました。香港は tax free ということで自由な面があるからこそしっかりと法
律を守って輸入を行わなければいけないと教わりました。
二日目の午前では実際にウェアハウスの業務をやらせてもらいました。行った業務は
COD の確認と品数の確認です。COD を許可しているのは近藤貿易と長く関係があり、信
頼している企業のみだと教わりました。そして、取引先の一つである日本食品のフードテ
イスティングに参加させてもらいました。会社同士の取引というのを見させてもらってと
ても勉強になりました。午後からはインボイスのファイリングを終業時刻までやっていま
した。
三日目の午前ではウェアハウスの物流の学習をしました。一番驚いたのは近藤貿易では
倉庫内の食料がだめにならないようにエアコン等で部屋を涼しくしていたのに対し、現地
のほかの貿易会社では扇風機を使って部屋を涼しくしていたことです。会社によっても意
識の違いが現れることを学びました。午後にはインボイスの確認を行い、その後日本のお
菓子を取り扱っている四州集団のお菓子ランドという店を見学させてもらいました。
四日目の午前ではインボイスの並べ替えと再び確認を行いました。午後からは近藤貿易
の社長が持っている製麺工場に移動して、我々と社長とマーガレットさんとその息子さん
とでうどんのパッキング作業を行いました。
五日目の午前では再び製麺工場に移動して息子さんにラーメンの製造工程について説明
を受けました。その後、四州集団の会社を見学させてもらいました。そして午後からは生
鮮野菜を取り扱っている出店、ローカルスーパー、お高めのスーパーをまわりました。特
にお高めのスーパーになるにつれて、日本の野菜、果物、インスタントラーメン、お菓子
など日本製のものが増えていく傾向がありました。
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五日間近藤貿易にお世話になり、貿易の仕組み、社会への参加の仕方、ラーメンの製造
工程などさまざまなことを学習させてもらいました。特に社会への参加の仕方については
これからの就職で必要不可欠なことであり、今後もそれらのことを意識して学生生活を送
らなければいけないと思いました。そしてまた、海外でのインターンシップということで
自分の英語力不足も痛感しました。国際人にとって英語は必須であり、英語の勉強を怠っ
てはいけないと改めて意識させられました。はじめのほうでも書かせてもらいましたが、
費用を負担してくださった溝口会長のおかげで今の自分がどれだけ未熟であるかを知る機
会が得られたのだと思います。溝口会長、近藤貿易の皆様、香港滞在中にお世話になった
方々、本当にありがとうございました。
近藤貿易有限公司
農水連携国際食料資源学特別コース農学系サブ 山田陽菜
8 月 24 日から 28 日の 5 日間、香港にある近藤貿易有限公司でインターンシップをさせ
ていただきました。日本食品を主に、食品の輸入とその輸入品を香港内に流通させている
会社でした。香港内の主な取引先は日本食レストランや、デパート、機内食など幅広い取
引が行われていました。また、日本から輸入した商品を中国本土やマカオ、シンガポール
などアジアの国々や、南アフリカ、アメリカ、カナダなどへ再輸出もしていました。
輸入する商品の取引先は味の素やハウス食品、ミツカン、ヱスビー食品、霧島酒造などの
日本企業から輸入していました。
初日は午後から始まりました。この日行ったことは商品搬入作業の見学・説明、倉庫の
見学・説明、出荷・輸入スケジュールの説明、食品衛生部門の承認報告書の説明でした。
初日ということもあり、社内見学や仕事内容全般についての説明をしていただきました。
2 日目、午前の仕事は、商品の仕分け作業の見学、日本食研の新商品のテスティングでし
た。日本食研さんが、香港で新たに売り出そうとしている、うどんつゆの試食や、商品の
説明などを、社員さんや、社長の奥さんなどと一緒に、会議に参加させてもらうことがで
きました。
午後は販売請求書を番号順に整理し、ファイリングする作業をしました。販売請求書とは
日本食を買いたい香港の企業やお店が送ってくる注文表のようなもので、各会社に番号が
振られていて、注文はその番号で管理されています。
3 日目、午前の仕事は 2 日目に引き続き、販売請求書の整理とファイリングでした。販売
請求書は、絶えず取引先の会社から送られてくるので、途切れることがありませんでした。
午後は月間計算書の準備をしました。この作業は、各企業やお店へ、注文した商品のお金
の請求をする前に、1 か月間の販売請求書の売上額を、一枚ずつレジスターのような計算機
で計算し、月間の合計額がパソコンで管理、自動計算されている合計額と合っているかを
確認する作業でした。これは、請求額に間違いが生じないようにするためのとても大切な
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作業でした。
4 日目の午前は、3 日目の午後に引き続き、月間計算書の準備をしました。一枚一枚手作
業で打ち込んでいくため、とても時間がかかる作業で、月に何百回も注文する会社もある
ため、間違わないように集中力を保ち続けるのがとても大変でした。午後は、近藤貿易の
鈴木社長の、息子さんが管理している、製麺工場の南天製麺という工場に行き、麺が作ら
れる工程を見学した後、出来上がったうどんの袋詰め作業を手伝いました。
インターンシップ最終日は、1 日をかけて、いろいろな市場の見学に連れて行っていただ
きました。近藤貿易が所属している、四州グループの本社に訪問した際には、四州グルー
プの社長さんが、自ら四州グループについての説明をしてくださり、お土産もたくさんい
ただきました。その後、中国との国境であるチムサーツィ駅のお菓子ランドに行きました。
お菓子ランドとは、日本のお菓子の専門店のようなお店で、駄菓子やスナック菓子からお
せんべいやチョコレートまで様々な日本製品のお菓子が並んでいました。午後は香港の地
元スーパーの“ウェルカム”に行きました。そこにもバーモントカレーや綾鷹など日本食品が
売られていました。次に行った屋外の市場では、中国産などの野菜や果物、中には生きた
ニワトリまでが安く売られていました。そのあと“そごう”というとても大きなショッピング
モールの、地下食料品売り場に行きました。そこでは日本のラーメンの試食が行われてい
ました。
香港では日本食の人気がどんどん高まっていて、これからますます需要が拡大するよう
です。うどんはすでに浸透していて、現在は特にラーメンの人気が急上昇しているそうで
す。冷凍食品や加工品だけでなく、卵や果物などの生鮮食品のコーナーでも日本の食品が
数多く並んでいました。デパートで販売されていた日本産の食品は、一つのブランドのよ
うな扱いでした。精肉コーナーも鹿児島県産の和牛や黒豚がとてもたくさん並んでいまし
た。日本食品は、中国産に比べて安全性が高く、中国本土から富裕層がわざわざ買いに来
るほど人気があり、明らかに、地元の市場と、ショッピングモールにおいてある商品や、
買い物をしている客層の違いに驚きました。また、日本のスナック菓子なども安全性が信
用されていて、お菓子ランドのあった、チムサーツィ駅は中国と香港の境目の駅で、中国
に帰る人たちがお土産や自分用と、山盛りの買い物かごを三つも四つも買い、キャリーバ
ッグに押しこんでいる光景が印象的でした。
インターンシップ初日に、私たちは社長の奥さんから、三つの質問と一つの課題を提示
されました。私は、その4つのテーマについて、自分なりに考えました。
What is work?
What is company?
How to join society?
Learn society people
はじめ私はひとつひとつの質問にそれぞれ答えを考えていましたが、work、company、
society という三つは、大きさの違いであり、中身は変わらないのではないかという結論に
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なりました。社員一人一人は、会社のルールを守って、自分の仕事に責任を持って取り組
まなければなりません。これは給料をもらうための会社との契約です。会社はこの個人の
仕事の集まりで成り立っています。会社側は、社員の行った仕事の成果に見あうだけの給
料を与えなければなりません。これは、社員との契約であり、会社には、この契約を守る
責任があります。また、仕事や会社が成り立つためには補いあうことも大切だと思いまし
た。自分の仕事だけを、ただこなすのではなく、ほかの人の仕事内容も把握して、助けあ
い、自分の仕事が、どう他の人の仕事につながっていて、影響が出るのかを分かったうえ
で、仕事をすることで、自分の役割を考え、やらなければいけないことが臨機応変に対応
でき、効率よく会社が回っていくための重要なカギだと感じました。このことはインター
ンシップ中に九州に大きな台風が直撃して、貨物が送られてくるはずの予定に間に合わな
いという、緊急事態の時に近藤貿易の社員さんを見て強く感じたことでした。
私たちがこれから大学を卒業して社会にきちんとなじむためには、約束を守ることと責
任感が求められるのだと思いました。私たちは、勉強的な面だけでなく、小学校の時から
集団の中での生活でこれらの能力を身につけ、社会に出るための準備をしているのだと思
いました。5 日間という短い時間の中でテーマであった仕事、会社、社会のほんの一部分の
体験しかしてないとは思いますが、ただ言われたことをこなして終わるのではなく、自分
なりに考え、答えを見つけるという目的を持ちながら過ごせたことで、内容の濃さが違っ
たと思います。
また、自分の将来についても考え直す良い機会となりました。インターンシップに参加
する前は、製品の生産のほうに興味があり、あまり流通などへの関心はありませんでした。
今回お世話になったのは貿易会社で経済や流通のことでしたが、オフィスワークの仕事を
している中で、やはり、流通させている製品の生産の部分の、もっと現場に近いところで
働きたいと改めて強く思いました。しかし、自分の関心が薄い分野でも、実際に体験し、
さまざまな知識を得ることで、柔軟な考え方につながると感じました。よって、これから
は、関心の薄いことも少しずつ継続して学ぼうと思います。授業も好きな分野だけでなく、
苦手な分野や興味のない講義もきちんと聞いてみようと思いました。
そして一番刺激になったことは言語です。会社では、見たこともやったこともない仕事
のやり方や、注意点をすべて英語で説明されました。学校の授業では触れる機会のない専
門用語も数多くありました。実際の仕事以前に、仕事内容の説明を理解する段階で精いっ
ぱいな状態でした。しかし、研修期間が進むにつれて、言われたことを理解するのに手間
取らなくなっていき、質問までできるようになりました。会話において重要なのは、発音
や文法ではなく、”伝えたい”という思いでした。今回の研修で、英語を使わないといけない
という状況下におかれて、英語でのコミュニケーションにとても自信がつきました。この
自信がなくなってしまわないよう、英語で会話をする機会に積極的に参加していきたいと
思います。
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日健日本食品有限公司
国際食料資源学特別コース
川畑朱里
私は 8 月 24 日から 8 月 28 日まで、香港の日健日本食品で 5 日間のインターンシップに
参加させていただきました。将来どんな仕事に就きたいかも決まっておらず、働くことに
ついて考えてみたいと思い今回のインターンシップに参加しました。自分の英語力を高め
たいこともあり、働く中で現地の方ときちんとコミュニケーションをとることを目標とし
ました。この 5 日間で本当に多くのことを学びましたが特に印象に残ったことが 2 つあり
ました。
1 つ目は、日本産の食品が海外でとても人気だったことです。この事は香港に行く前から
知っていたことですが現地で実際に日本のお菓子や日本の 2~3 倍の価格で売られているフ
ルーツや野菜をみて初めて実感できました。特に高級品が扱われているスーパーで日本産
の農産物が販売されているのを見て多くのことを感じました。そのスーパーでは日本だけ
でなく台湾やアメリカなど世界各国からの輸入品を取り扱っていました。そこで、同行し
た企業の方が日本産の巨峰と台湾産の巨峰を比較してくださり、値段だけでなく品質の違
いを目の当たりにしました。一目で日本産の方が粒が大きく、色が濃く、みずみずしいの
がわかり、味見をせずともどちらが美味しいかは一目瞭然でした。農産物は輸出するにあ
たってお菓子のように簡単にはいかず検疫を受ける中でクールチェーンが切断されたり、
収穫から現地の店頭に並ぶまで時間を要し品質の劣化が起こります。さらに航空輸出によ
り日本での一般的な価格に比べかなり値が上がります。それでも日本の農産物が売られて
いて購入してくれる方がいることを考えると品質と安全が約束された農産物を日本では当
たり前のように食べられることが本当にありがたく思えてきました。日本で、海外産の値
段の安さで日本産の農産物が売れないのはとても残念なことだと思います。農業人口の減
少や後継者問題など多くの問題を抱える日本の農業ですが農業の衰退を食い止め、発展さ
せていくにはどうしたらいいかをこれからの大学生活で学びたいと思いました。
2 つ目はコミュニケーションの大切さです。仕事の説明などで聞く分には理解できても自
分が相手に伝えるのが難しく、何回繰り返しても理解してもらえないこともあり最終的に
単語とジェスチャーで伝えることもありました。食事を一緒にしたり何気なく会話すると
きにコミュニケーションがうまくとれないのが初めは少し残念でしたが、発音や文法を気
にせずただひたすら相手に伝えることを重視して会話をしてみたらスムーズに会話が進ん
で楽しく仕事ができました。
農学部に入ったが何を学びたいか具体的に決まってなく、更に日本の農業のことも表面
的にしかわかっていませんでしたが、このインターンシップで自分の学びたいことが発見
できとても有意義な 5 日間となりました。また、実際に現地に行かないとインターネット
や TV だけではわからないこともたくさんあると思いました。現地で実感できたことを是非
今後に活かしたいと思います。
このインターンシップの援助をしてくださった方、現地で案内をしてくれた方、そして
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企業の方に心から感謝いたします。
有限会社
日本日建食品
香港インターンシップ 藤井雄介
初日の開始時間は平常の 1 時間遅れの午前 10:00 から始まり、終了は午後 6:00 でした。
仕事内容は、商品の在庫の確認でした。商品番号、品数、消費期限をチェックし、すべて
を専用の用紙に記入しました。さらに消費期限が異なる商品がある場合は、消費期限が早
いものが上にくるように並べました。
この作業は重い商品だととてもつらくて大変でした。
2日目は朝からほかの二人のメンバーとは別れて、私だけ商品の運搬に同伴しました。
主に日本食のレストランを中心に様々なお店に商品を運び、領収書にお店の方にサインと
印鑑をもらいました。行ったお店で一番多かったのが寿司屋さんで、特に「GENKI
SUSHI」という寿司屋さんは何店舗もあり香港中にお店を構えていました。他には日本で
よく見かける、
「和民」、
「笑笑」、
「新宿さぼてん」や、「大阪王将」
、「ラーメン二郎」など
のお店もたくさんあり、ここまで日本食の影響を強く受け、香港の食文化に定着している
ことに驚きました。
3日目も私は他の二人とは別れて、商品の運搬に行きました。2 日目と同様に様々なお店
に商品を運搬し、領収書にお店の人にサインと印鑑をもらいました。この日もやはり周っ
たお店は主に日本食レストラン。本当に日本食の浸透具合には驚かされました。そんな中
でこの日はディズニーランドへも運搬に行きました。さらにその後には 荷物輸送専用の
飛行機がある空港にも行き、実際にどのように日本から商品が運び込まれてくるのかを見
ることができました。普通の空港よりやはり人も飛行機の数も少なかったように思います。
そこで受け取った商品を再びトラックに積み、それは会社の倉庫へと再び運び入れました。
その後、その日に運んだ商品が入っていたダンボールと、倉庫にあったダンボールを会社
の近くにあるダンボール回収所に持っていき、換金しました。そしてそのお金で、社員さ
んや我々にお菓子や飲み物を買ってくださいました。
4日目は午前中、またほかの二人とは別で、私は冷蔵庫にある商品の在庫確認をしまし
た。1 日目と同様で商品番号、品数、消費期限をチェックし、すべてを専用の用紙に記入し、
消費期限が異なる商品がある場合は、消費期限が早いものが上にくるように並べました。
一人で、さらに冷蔵庫の中で行ったのでとても大変でした。最初は半袖の日建日本食品の
社員専用ポロシャツで、業務をしていたのですが、さすがに途中から寒くなり上着を貸し
てもらいました。在庫確認が終わった後は、その在庫のデータを excel に打ち込む作業をし
ました。午後は三人で市場調査と、顧客のスーパーに行きました。スーパーでは日本のス
ーパーでも見られるような調味料などがたくさん売られていました。市場には様々な野菜
や魚があり、特に魚は日本ではあまり見られないような魚が多数みられました。また日建
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日本食品の社長さんがおいしいタイ料理屋と焼鳥屋へと連れて行ってくれました。
5 日目は午前中商品の置いてある場所を掃除機で清掃しました。ダンボールの欠片や埃な
どなど結構汚れていました。清掃作業が終わると、ほかの 2 人と合流し、社長さんが日本
で開かれたフードフェスティバルで知り合った日本人の方へ、お礼状を書きました。午後
は再び市場調査に向かいました。今回は大きなショッピングセンターの食品売り場を見学
しました。その食品売り場では日本産の野菜や果物がたくさん売られていたのですが、日
本産食品の価格の高さに驚かされました。また近くの商店街を歩いていると高級な食材が
売られているお店がありました。見てみると、キノコやフカヒレ、タツノオトシゴなどが
売られていました。高いものだと1つ 50 万円ほどするものもあり、日本ではなかなか見ら
れない光景に驚きました。
その後、社長さんに連れられ、顧客である日本食レストランへといき、揚げ物や牛タンな
どをごちそうになりました。本当に日本にある日本食レストランに引けを取らないほどお
いしかったです。
今回私たちがインターンシップに参加させていただいたのは、食品企業ということで、
私の主な業務は商品の運搬や、在庫のチェック、顧客への挨拶などでした。これらの業務
では、私が感じたことは、ただ同じ仕事を淡々とこなしていくことの繰り返しは面白くな
いということです。商品の運搬や在庫のチェックなどは、ただこなしていく業務であって、
実際このような仕事をずっと何日も続けていくというのは、正直私にはつらいと思いまし
た。逆にこのような業務ではなく将来は、人とたくさん接したり、どんどん新しい企画に
挑戦したりするような、やりがいのある仕事をしたいということを発見することができま
した。また朝も早く、休憩も少なく遅くまで働かなければいけなかったので、やはりお金
を稼ぐということがどれほど大変なことかを改めて実感することができました。また、私
はこの香港のインターンシップが人生で初の海外でした。だから海外というところがどん
なところなのか、さらに、そこで仕事をするということなど、全くイメージすることがで
きませんでした。私はずっと海外に憧れていて、いいイメージばかり持っていましたが、
実際いいことばかりではありませんでした。国民性の違いや、文化、価値観、マナーなど
日本とは違うことがたくさんあり困惑することもしばしばありました。例えば、食事。ホ
テルの近くで食事をすることも何度かありましたが、香港での食事の味付けは日本で食べ
るものと全く異なっていて、あまり私の口には合わずに、香港では小食になってしまいま
した。海外で働くとなるとある一定の期間、そこに滞在しなければならないので、これら
の日本との違いを受け入れられる、または受け入れることができるようになる必要がある
と、とても実感しました。
しかし逆に、日本とは違う経験ができるからこそ、価値観を変えたり、物の見方を広げた
りすることもできます。だから私はまずはもっといろいろな国に行ってみたいと感じまし
た。また、日本という国の良さにもたくさん気づくことができ、さらに日本が好きにもな
りました。
- 67 -
Ⅴ
インターンシップ実習に関する学生へのアンケート調査結果
○ 実習時期・実習期間及び実習内容について
短い
適当
長い
3人
19 人
2人
問題ない
調整必要
24 人
0人
よく理解でき
大体理解でき
あまり理解できなか
た
た
った
15 人
9人
0人
(1)実習期間について
(2)実習時期について
(3)実習内容はよく理解できまし
たか
とても興味がも
少し興味がも
ほとんど興味を持てな
てた
った
かった
19 人
5人
0人
大変参考になっ
少し参考にな
ほとんど参考にならな
た
った
かった
16 人
8人
0人
(4)実習に興味が持てましたか
(5)将来の進路決定の参考になりま
したか
とても意義が
まあまあ意義が
あまり効果が
ある
ある
ない
18 人
6人
0人
(6)今回のインターンシップは社会人教
育として
○ 実習中印象に残ったこと
・大学で学んでいることが大いに役に立つということが実感できた。
・動物園の飼育員として最も大切なことは、動物を逃がさないということ。
・職場の人間関係が良かったこと
・実習先が親切だったこと。
・福岡空港での仕事内容など
・耕地面積に対し人手不足であるように思えた。
- 68 -
・鹿児島大学出身の人が多くいたことが印象に残った
・防疫対策として各畜舎間で消毒や作業服の着替えが徹底していたこと。
・就職事情にについて詳しく教えて頂いたこと。
・職員の方々の仕事への情熱。
・思っていた以上に大変で、やりがいがあった。
・環境エンリッチメントについて
・赤ちゃんを多く見れたこと。
・香港と日本の文化の違いが印象に残った。
・文法は気にしないで会話できること。
・香港での日本食の浸透度の高さ
○ 実習中に当惑したこと
・普段小さい子とあまり話す機会がないので、言葉遣いなど戸惑った。
・養豚と養鶏の研究室には防疫のため実習することが出来なかったのは残念だった。
・実習先の方とうまく報連相がとれなかったこと
・事前講習で教わった挨拶とお辞儀を分けてするのは畜産の実習ではあまり適切でないの
ではと思った。
・寝具の説明があまりなくて不十分な準備でいってしまったこと
・鶏舎が予想以上に臭かったこと。
・宿泊先がどのような条件なのか、大学からもインターン先からも連絡がなかったこと
・寝具や物干しなど寝泊まりに基本のものがなく、事前の打ち合わせをもっと密に行って
いれば良かった。
・事前に出す書類で、人の名前を書くときにどこにだれを書いたらいいのかわからなかっ
た。
・交通手段
・台風の直撃
・小さい子への説明
・周りが中国人だらけで広東語と英語ばかりだったこと。
・英語が話せる人が少なく言葉の壁を感じたこと。
・ご飯があまり口に合わなかった。
○ 事前に描いていたイメージと比較して
・ただ動物のお世話だけがお仕事ではなく、どのようにしたらお客さんに楽しんでもらえ
るか見えないところで様々な工夫、努力があることが分かった。
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・作業自体は大変だったが丁寧に教えて下さったので学ぶことが多かった。
・研究が主な実習先だったのできっちりとして真面目なイメージを抱いていましたが、皆
さん気さくで熱心に研究をされていました。
・いろいろ仕事があり、とても勉強になった
・多数の動物を飼育しているのにも関わらず、とても衛生的だった
・イメージ通りでした
・職場の方が親切で親しみやすかった。
・もっとかたい雰囲気だと想像していましたが、実際は皆さんフランクでフレンドリーに
接してくれました。
・予想より規模が大きかった。
・イメージと違っていたので、興味がとてもわいた。
・堅苦しくなくて楽しかった。社会人としての礼儀を学ぶより、仕事の姿勢を学んだ
・思っていたよりも現場での作業が多く、公務員としての畜産試験場職員の印象が変わっ
た。
・1 日で飼養管理のみでなくイベントの手伝い、設備改修 などもあり様々なことをやって
いくということになるため少し大変だと思ったけれどやりがいを感じた。
・研究職ということで部屋にこもって実験という風な感じをイメージしていたが、実際は
フィールドワークも多く、少し印象が変わった。
・一人ずつがたくさんの仕事を持っていて、責任の重さや仕事の大変さを知る機会となっ
た。
・害虫の担当、病理の担当が一名ずつしかおらず、責任の重さが思っていたより大きいと
感じた。
・思い描いていた通り、温かい職場でした。
・職員の方々もとても良くしてくださって、とてもよいイメージを持った。
・動きっぱなしだったが、思ってるよりもきつくなかった。
・中国人ばかりだと思っていたが、日本人の方も働いていて少し安心した。
・実習前は英語ができないと困るのではないか心配していたが日本語が少し話せる方がい
たので企業内で全く仕事内容を理解できないということはなかった。
・思っていたほど快適ではなかったがいい経験になった。
○ 今後のインターンシップについての要望
・交通費の負担が大きかった
・学校に提出する実習の感想で書くべきことがよくわからなかった。前年度の先輩が書い
たのを参考にすることになっていたが、それぞれ違っていて、困惑した。
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・宿泊所は布団がなかったので事前に準備するよう言ってほしかった。また、食事は最寄
のコンビニまでが遠かったので足があったほうがよいのではないかと思った。
・講義が多いですが、もうちょっと実習とか増えればもっといいです。
・鹿児島県農業開発総合センターでのインターンシップならば、そこの宿泊施設に泊まっ
たほうがいいと思った。それを知らない人が多かったので、来年はそれを事前に伝えた
ほうがいいと思った。
・何か知りたいことや、聞きたいことがあったときに誰に連絡したり聞いたりすれば良い
のかわからなかったので、困った。また、大学が送ってきた誓約書などの書式が間違っ
ていて何度も印刷して書き直したのでそのようなことはやめてほしい。
・今回は教授に最初の連絡を取っていただいたので、打ち合わせを十分に行う為にも最初
から自身で連絡したかった。宿泊施設から食材の買い出しをする店まで徒歩で片道20
分以上歩かざるを得なかったので、車や原付など貸し出していただけると良かった(研
修生の車を借りるよう指示があったが、中々時間が合わなかったので毎日徒歩で買い出
しに向かっていた)
・私の行かせていただいた所は、通勤手段が出勤時間に対してあまりなく、交通手段のな
い人にとっては大変だろうと思った。
・通勤が困難であり、私たち大学生は自家用車を持っていない者がほとんどであると思う
ので、交通手段について何かしらの手配があると助かると思われます。
・難しいかもしれないが、交通費などを補助してもらえれば、もっとインターンに行く人
は増えるのではないかと思う。
- 71 -
Ⅵ
総 括
農学部生物生産学科では平成 15 年度から時代の流れに沿う形で「インターンシップ」を
「アグリビジネス研修(選択科目)
」として単位化した。アグリビジネス研修では、これま
で別々に開催されていた事前講習、研修、事後講習を一体化して体系付けることによって、
インターンシップに対する基本認識を高め、積極的に取り組む姿勢を喚起することを目的
とした。その結果、平成 14 年度の 17 名に対し、近年は毎年 30 名前後と約 2 倍の学生が参
加するようになった。単位化した影響は大きいと考えられるが、社会の状況がインターン
シップを推進する方向で動いているのは間違いなく、学生の意識も高まっているものと思
われる。
インターンシップへの学生の参加目的は、自分の進むべき道を見つけるため、就職活動
に向かう気持ちをより高めるため、現場での研究を知りたい、自分が希望している就職先
を実際に見てみたい、職場の雰囲気を知りたい、企業で実際にやっていることを知りたい
などであり、就職や大学での研究を意識してのものが大半である。しかし、提出レポート
およびアンケートからは、就業体験によって目的以上のものが得られていることが伺える。
例えば、勉強不足を痛感した、大学では得られない(教科書では学べない)ことが経験で
きた、働くことの厳しさを知ることができたなどである。このように従来と同様に、今年
度もインターンシップは学生の就業意識を高め、新たな学習意識を喚起する契機となった
ことは確かであり、非常に教育効果は高いと考える。
就業体験を終えた後、参加者は 11 月下旬に事後講習会を受講した。事後講習会は、イン
ターンシップの成果を再確認する場であるが、ここ数年、就職活動の実践的な講習を始め
たこともあり、学生の就職活動に向かう気持ちを喚起する結果に繋がっているようである。
研修先の幅は年々拡大しているものの、その内訳を見ると公的機関の割合が高い。これ
は、学生の就職先に一般企業の割合が高いという実態と逆転している。インターンシップ
では受け入れ先の負担も大きいため、依然として敬遠されるところも多い。学生の提出レ
ポートからもわかるように、インターンシップは学生にとって「働く」ということの魅力
や意味を認識できる貴重な体験であり、学習・就業意識の向上に繋がるシステムである。
それは企業が期待する新しい時代に対応する主体的、創造的人材の育成のためにも有効で
ある。このような側面を広く企業側にも理解していただくためには、インターンシップに
参加した学生のナマの声を多くの企業側担当者に聞いていただくことが重要であろう。今
後、この報告書が企業等、受け入れ側の啓発に役立ち、受け入れ先の幅を拡大することに
繋がれば幸いである。
最後に、本学科インターンシップ「アグリビジネス研修」の実施にあたり、ご協力いた
だいた関係諸氏に深甚の謝意を表します。
- 72 -
Ⅶ
参考資料
「アグリビジネス研修」のシラバス
授業科目
アグリビジネス研修
(授業科目英文)
(Introduction to agri-business)
授業形態
研修(集中)
必修・選択の別
選択
開講期
生物生産学科全コース(5・6 期)
担当教官所属氏名
教官連絡先
オフィスアワー
生物生産学科教員(学科教務:下桐 猛・坂巻祥孝)
下桐・坂巻
随時,ただし事前連絡が必要.
授業概要
学生が企業や試験研究機関において,3 日以上(研修先によって異
なる)の実習を行なう.また,事前講習によって,実習の心構えや
マナー,留意点について学ぶとともに,事後講習によって就業姿
勢の再認識を行なう.
授業目標
1. 企業や試験研究機関で活躍している技術者・研究者による解説
などを通して,大学での講義や実験の内容と現場や社会との関
連性についての理解を深める.
学習順序
1~4. 研修先の選定(5 期)
5. 事前講習(5 期)
6~11. 研修先で用意されたプログラムに従って研修を受ける
(主に夏期休暇中)
12.レポート(6 期)
13~14. 事後講習(6 期)
15.レポート(6 期)
評価
(各評価項目とその評価比率を示す)
1. 出席およびレポート(90%)
2. 研修態度(10%)
備考
1. プログラムの内容は研修先によって異なる.研修先でのプログ
ラム,事前講習,事後講習,レポート作成の全てを履修するこ
と.本科目は研修先の多大な協力のもとに行われていることを
認識し,熱意をもって取り組む姿勢が必要.
2. 実地研修に係る経費(障害保険,交通費など)は原則として自
己負担.
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アグリビジネス研修に関するアンケート調査表(平成 27 年 11 月 25 日、事後講習会で実施)
平成 27 年度アグリビジネス研修 ―アンケート―
講座:
名前:
*講習会終了後に必ず提出して下さい。出席表の代わりとなります。
以下のアンケートに答えて下さい(○で囲む,記述で答える)
(1) 実習期間について
1)短い
2)適当
3)長い
(2)実習時期について
1)問題ない
2)(
)月頃のほうが良い
理由(
)
(3)実習内容はよく理解できましたか
1)よく理解できた 2)大体理解できた 3)あまり理解できなかった
その他,意見など(
)
(4)実習に興味が持てましたか
1)とても興味がもてた 2)少し興味をもった
3)ほとんど興味を持てなかった
その他,印象に残ったこと
(
)
当惑したこと
(
)
事前に思い描いていた実習先のイメージと比べてどう感じましたか
(
)
(5)将来の進路決定の参考になりましたか
1)大変参考になった 2)少し参考になった
3)ほとんど参考にならなかった
参考にならなかった方に尋ねますが,その理由はどういうことでしょうか
(
)
(6)今回のインターンシップは社会人教育として
1)とても意義がある 2)まあまあ意義がある 3)あまり効果がない
(7)その他,今回のインターンシップについて要望や改善すべき点があれば何でも書い
て下さい(例:通勤,食事,宿泊所について)
(8)本日の事後講習会の感想
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平成 27 年度インターンシップ
推進事業実施報告書
平成 28 年 3 月発行
編集
生物生産学科教務
下桐 猛
生物生産学科副教務
坂巻祥孝
発行
鹿児島大学農学部生物生産学科
〒890-0065 鹿児島市郡元 1 丁目 21 番 24 号