こちら - 豊森なりわい塾

もくじ
もくじ
1
第 1 章 豊森とは
豊森実行委員長 澁澤寿一が豊森を語る
2
豊森の概要
5
実施スケジュール
8
第 2 章 豊森なりわい塾の輝く種たち
種と土(豊森実行委員会副会長 萩原喜之)
9
受講生の活躍
Ⅰ. 丹羽山イベント
10
Ⅱ. もりもりバザー
13
Ⅲ. ふくなりプロジェクト 16
グループ・プロジェクト活動への道のり
18
プロジェクト活動一覧表
19
豊森なりわい塾 塾生の声
21
第 3 章 豊森なりわい塾のカリキュラム
カリキュラム構築にあたって
46
カリキュラムの構成
47
カリキュラムの概要
48
第 4 章 公開講座など
プレ講座
74
公開講座
第 1 回 枝廣淳子氏
78
第 2 回 吉本哲郎氏
79
第 3 回 速水亨氏
80
第 4 回 相根昭典氏・田中優氏
81
おわりに
豊森なりわい塾 第一期、修了に寄せて(豊森実行委員会 会長 早川茂)
82
参考資料
講師、ゲストスピーカープロフィール
83
スタッフ紹介
85
応募者および塾生属性データ
86
第一期塾生募集チラシ
88
開講式
90
卒塾式
91
先輩インタビュー
92
対外的な広報等
93
プロジェクト活動の概要
95
1
第 1 章 豊森とは
豊森実行委員長 澁澤寿一が豊森を語る
2009年5月に開講した豊森なりわい塾第一期。2010年12月の卒塾に至る
までの1年7カ月の間に、様々な発見や考え方の変化がありました。豊森実行
委員会メンバーの思いを、実行委員長である澁澤が語ります。
Juichi Shibusawa INTERVIEW
「未来の暮らし2000」の活動を見ても、こういう活動
・豊森なりわい塾第一期を終えて、始める前と今
とで考え方の変化はありましたか?
は世の中に必要だということはみな頭の中で 分かって
いるが、その 活 動を具体 的な形として落としていくの
は、人と人との信頼関係があって初めてできること。
豊森は、
「環境問題を解決していく担い手をつくろう。
さらに、自然というのは人間に合わせてくれない、と
なおかつ、地 域の資 源である森を利活用していこう」、
いうのも覚えてきた。自然が人間に合わせてくれない限
というのがそもそものスタートだった。
り、日々の暮らしを支えてくれる人間関係が必要だとい
しかし、豊森を2年間やってきて、重要なのは、信頼
うことも分かってきた。文章で書いたら目的はこうです、
し合うコミュニティをいかにつくるか、ということがはっ
方法はこうですと簡 単に二、三行で 書けること。しか
きりわかってきた。生活を成り立たせていく基本要因は
し、実際に、一つ一つの信頼関係をつくっていくという
人との信頼関係。人と人とが信頼を持つ関係があると、
行為には、全体の中で9割5分ものエネルギーが必要と
そこに地域特有の価値をつくることもできる。地域がど
いうことをみんなが理解できた。
ういう地域を目指そうかということを、一緒に考えるこ
ともできるし、何よりも生き甲斐ができてくる。
・こうした学び や 認 識 を 得 ることのできた 豊 森
環境問題や地域の過疎の問題に関して、今までは社
なりわい塾のプログラムには、どのような特徴
会のシステムの問題として捉 えた上でいかに解決する
がありますか?
か、ということを日本全国でやってきた。しかし、人と
人との信頼というのをベースとしたコミュニティづくりの
豊森なりわい塾では、1年目は、地域というのはどう
先に環 境問題の解決があるのだ、という取り組まれ方
いうものなのか、というのを地元学や聞き書きや座学
はされなかった。コミュニティ論と環境論はこれまでは
などによって頭に入れていった。特に聞き書きと地元学
別々に論じられてきたのだけど、それが一つだというこ
をやることによって、地域でどう生きていくのか、とい
とが、豊森をやるなかではっきりわかった。
うことがそれぞれ腑に落ちたと思う。
やはり、お互い信頼しあう人間関係を、地域社会の中
2年目は、自分たちが活動してみて、自分個人の中で
だけではなくて、いろいろな、地域外の人とのコミュニ
腑に落ちた。実際動くことによっていろんな問題も出て
ティも含めて新しい信頼できるコミュニティをつくって
くる。うれしい思いもつらい思いも出てきて、身体の大
いくことがはじめにある。その次に、実現したい社会が
きさで腑に落ちた。
どういうものなのか、という議論があり、その上で地域
つまり、1年目は頭の中の思いで、2年目には肉体をもっ
の環境をどう解決していくか、ということがその中の議
た人間として生きていくというスケールの中で腑に落ち
題の一つとして出てくる。だから、環境問題も教育の問
たと思う。こういう道筋で、地域で自分が思った社会を
題も、福祉の問題も同じことなんだ、ということに気が
つくっていけるんだなということを、ある程度、頭の中
ついてきた。
での構想と自分の肉体をもった人間関係、両方の部分
豊森は、森を利用して環境問題を解決する新しい人づ
で分かった。これくらいつらくて、これくらい大変だけ
くりに取り組んできた。そのためには、人と信頼しあい
ど、これくらいうれしくて、という大きさを、みんなが
ながらつながりをもつ地域社会をまずはつくって、それ
実体験として持ってもらうことができただろう。
をベースとしてものごとを解決しなければならないのだ
ということを、やっていく過 程で、ほぼ全 員 が 共 有す
ることができたと思う。
例えば、豊田市N町で、福祉の取り組みを行っている
2
そういう人たちと協力をしていかないと、行政だけが
・豊森は、一つの柱として、地域に入り、地域で
の問題解決を試みたわけですが、地域の人たち、
システムをつくって予算をつけても世の中は変わらない、
というスタートラインに行政は立つことができた。
地域の関係者にとって豊森とはどのようなもの
だったと考えますか?
・トヨタ自動車にとっての豊森とは?
喜んでくれて、とってもいい方向だといってくれたと
トヨタ自動車としての思いもあるが、ぼくがトヨタ自
ころもあったし、一方で、豊 森にもっと期待していて、
動車に思ったことは、一つに、豊森の活動でトヨタの従
もっとやってほしかった、と失望感を持った人も当然い
業 員の人たちやトヨタに関連している多くの人たちが、
た。いろんな人が地域にいたと思う。
これからいったいどういう生き方があるのか、というの
これまで誰も振り向いてくれなかった地域社会に対し
を考えるきっかけになったということ。
て、豊森が関心を示し、目を向けてくれた。目を向けて
そして、 トヨタの 環 境 貢 献ということを 考 えると、
くれて、これからもこの人たちが自分たちに寄り添って
確 かに生物多様性とか二酸化炭素とか指標を設けてそ
くれれば…、という共通した思いがあるということが地
れをクリアしていくという貢献もあるだろうけど、一つの
域の人と話をしているなかで分かった。
新しい価値観をつくっていく、ということが環境貢献の
今うまくいっている地 域 でも問 題 が 起きてくること
新しい形なんだ、ということを少なくともトヨタは分かっ
もあるし、今大変な状況にある地域でも続けていけば
てくれたこと。
きっと糸口が見えてくる。単 年度で見るのではなくて、
わたしたちNPOが、トヨタの 従 業 員の 働き方とか、
今後も活動を続けて、いろんな楽しい思いも大変な思い
価値観の多様 性に貢献できればありがたいなと思って
も出てくるだろうけど、その中で、お互いの信頼関係を
いる。
つくっていけるだろう、ということを地域の人が感じてく
れたと思う。それは大きな成果だと思う。今までは人も
・NPOにとっての豊森とは?
お金も出ていってしまった地域に、目を向けてくれる人
たちが出てきて、時代が一つの転換期を迎えて、これか
今まではどちらかというと、企業や行政から支援をし
ら社会も変わっていくのかな、という期待を持ってくれ
てもらって、自分たちが正しいと思う価値観で社会をつ
た。期待が実感になるにはもうすこし長い時間が必要に
くっていく、ということをやってきた。
なるだろう。豊森を卒業した後、それぞれの個人の関わ
豊森では、いくつかのNPOが関わって、なおかつ行政が
り方、取り組み方にもかかってくるだろうと思う。
入り、企業が入り、新しい社会をつくっていく、という
現場で一緒に活動することができた。自分たちの一人よ
・今回、豊森は豊田市
(行政)、トヨタ自動車
(企業)、
がりじゃなくて、それぞれの立場でものを考えられるよ
地域の未来・志援センター(NPO)の三者の連
うになった。自分たちのこれからの役目、それはきっと
携で行いました。豊田市にとって豊森とはどのよ
「新たな公」という形だろうけど、自分たちの社会の中
うなものだったと考えますか?
での役割を見つけることができた。
過疎地域の問題というのは、今日始まった問題ではな
くて今までもずっと存在してきて、地域の行政のなかで
とっても大きい問題だった。そこに対してどういう取り
組みができるか、ということは、豊森ができるはるか以
前から行政は真剣に考えてきた。
いろんな施策をやってきたけど、その解決の糸口を見
つけられていない。これまでは、どういう施策をつくれ
るか、システムをどうつくっていくか、というのが行政
の主眼だった。しかし、つくった施策をどう地域で本当
に活かしていって、体温の入ったあたたかいものとして
生命を吹き込んでいくことがどうしても必要だというこ
とが豊田市もはっきり分かっている。
豊森の活動や、いろんな地域のNPOの活動とかボラン
ティアの人たちが生命の息吹を吹き込んでくれるだろう、と。
3
・豊森なりわい塾一期を終えて、一期生のこれから
についてどうお考えですか
・今後、社会はさらに変化を遂げると思いますが、
これからの時代に豊森はどのような意味を持つ
のでしょうか。
豊森の2年間のプログラムは、最初に頭の中で腑に落
時代はものすごく大きく変わってきている。地球の資
ちてもらうことと、次に身体を動かして、肉体として人間
源の有限性というのもはっきり認識されている。今まで
として腑に落ちてもらう、というプログラム。この両方を
の50年の発展、つまり資源を消費しながら文明を発展
経験した上で、その先に具体的に社会をつくっていく。
させて、貨幣経済のなかで人間が豊かになっていこうと
これからも豊森が続いていくと、いろんなプロジェク
いう現状のシステムでは、人間が生きていく希望は持て
トもでてくるし、人材もできてくる。卒塾生のネットワー
ないというのもみんな認識をしている。その中で新しい
クとか、活動してきたフィールドとのつきあいとか、地
社会をつくっていかなければならない。
域のネットワークとか、その中から広がっていく地域の
例えば、多くの発展途上国は、
「日本は今まで資源を
社会だとか、そういうことをどうみんなが共有していき、
たくさん使ってきたんだから、自分たちも当然使う権利
それに対してお互いがお互いをどうフォローしていくか、
がある」という発言をする。一方で、先進国は、
「それ
という複雑系のシステムをつくっていく必要がある。
では資源は持続的じゃない」、と抑えようとしている。
要するに、第一期では単発的に人が集まって、単発に
そうではなくて、それではいったい、どのようなもっと
プロジェクトができてきた。これからはもっとそれぞれ
すばらしい生き方があるのか、ということを必ず先進国
を大きく発展させながら、それぞれが一つの細胞みたい
と発展途上国の間で一緒になってつくっていかなければ
に全部がつながっているようなものに、どのようにして
ならない。国際社会においても今までとは違うものをつ
いけるか。豊森実行委員会が上に出てしまって、みんな
くっていかなければならない時代に確実にきている。
こうしていきなさいではなくて、それぞれのプロジェク
一方、これは今の都市と農山村の構図にも当てはま
トや人が前に出て行って、ネットワーク化をぼくたちが
る。都市は都市だけで発展して、農山村を埋め尽くして
お手伝いしていく。
世界が都市だけになるなんてありえない。やっぱり自分
生物のシステム、生態系のシステムの中でもまったく
たちの肉体を生かしていく以上、農山村で自分たちの命
同じことだし、細胞一つの中をみても同じこと。要する
を養い、自分たちの命をつかっていく、ということは、
に、今までのトップダウン型からネットワーク型の社会に
両方あって初めてできること。そのなかでお互い新しい
かわっていくお手伝いをどうしていくのか。
価値観とか新しい働き方とか新しい人間関係とか、極端
ネットワーク型社 会という言 葉は使い古されている
に言うと新しい幸せの形だとか、そういうようなものを
が、それを実現していく手法が今まではITしかなかっ
見つけていかなければならない。
たと思う。それはシステム論だったが、実は人間の体温
それをこれから、二期の豊森というシステムで、自分
の感じられるソフト面でのネットワーク化の手法の出発
の頭の中で考え、自分の身体を動かす、という両方のこ
点がはっきり見えたのは豊森だし、豊森のこれからの社
とでアプローチのきっかけをそれぞれの人に与えること
会的意義というのはその部分だと思う。
ができる。それは自己増殖的にそれぞれが発展していく
例えば足助で木工を中心として、森と人をつなごうと
システム。今までの教育のようにワンウェイで教えるの
取り組んでいる「ふくなりプロジェクト」
、豊田市N町で
ではなくて、気づいて、動いて、自己増殖していく、と
福祉の試みをやっている「未来の暮らし2000」
、同じく
いう今までなかったプログラムを社会に対して問いかけ
N町で種をまくことから製品をつくる、という生産を一
ることができるシステムだと思う。単なる塾で知識が多
気通貫で覚えていこうという「自然○衣素材プロジェク
くなるとか、何かを知るのではなくて、これから本当に世
ト」の試みだったり、あるいは個人ベースでやっている農
界の中で必要とされている生き方やものの考え方を一緒
の試み。それぞれが発展していって、それぞれがつながっ
につくっていくシステム、それが豊森だと思っています。
ていく社会に必ずなっていくと思う。そのときは、
「みん
な共通の思いは一緒だったんだね、やっぱり自分たちは
つながっていたんだね」
、ということを何年か後にはっき
りと認識できるときが来ると思っている。そこまでやっ
ぱりちゃんとみんながそうなってほしい。そのほうがみ
んなハッピーだし、自分たちも応援しながらハッピー
だし、そこまでは一緒にやってきたいなと思っている。
4
豊森実行員会 委員長 澁澤寿一
(NPO法人樹木・環境ネットワーク協会理事長)
豊森の概要
「豊森」とは、豊田市、トヨタ自動車株式会社、NPO法人地域の未来・志援センターの協働のもと行う森林を活用した
「人づくり」
「地域づくり」
「仕組みづくり」のプロジェクトです。多様な人材の参画によって、森を中心とした自然生態
系の利用を軸とする地域循環型・持続型社会の仕組みが生まれ、暮らしの中で人と人の心を結び直す「豊森モデル」を
構築することを目指します。
■ コンセプト
森とともに生きる
いにしえより、人は森とともに生きてきました。
森の多様な生態系は人々の食糧を支え、
森から伐り出された木材は、常に暮らしの中にありました。
森の木は、薪や炭としてエネルギーの源となり、
森に降る雨は蓄えられ、清らかな水の供給源となってきました。
人は森の生態系の一部であり、人の手が入ることで森に光が入り、生態系は保たれてきました。
森の恵みを受けてわたしたちは育まれ、わたしたちの暮らしが森の活力をつくってきました。
ところが、高度成長期以降、人の暮らしは森から離れてしまいました。
戦後の拡大造林政策で植えられたスギ・ヒノキの人工林は、
間伐などの手入れがされないまま放置されました。
人々が山里と一次産業を捨てて都市に向かった結果、
森を守る人は急速に減少し、コミュニティは衰退し、森も荒れてゆきました。
森の課題は、流域の課題・グローバルの課題
森の課題は、山里の課題にとどまりません。
都市が都市のみで存在し続けることはありえません。
上流域にある森や山里が存在して、はじめて、
都市生活者および都市産業の水、食糧、酸素が供給されます。
ところが、いまや、森の荒廃が都市災害の危機を引き起こしています。
一方、地球温暖化の抑制・枯渇性資源の濫用の抑制のため、
森は重要な役割を果たします。
日本の森の木を持続的に活用することにより、
日本国内の森林によるCO2固定を増加させるとともに、
海外の天然林破壊を食い止めることができます。
このように森が抱える課題は、山里の課題だけではなく、
流域の課題、グローバルな課題と直結しています。
豊田市の思い、トヨタの思い
豊田市及びトヨタは、矢作川流域の森から提供される
自然資源の恩恵を受けてきました。
矢作川流域の森が、豊田市及びトヨタを育んできたのです。
2005年、豊田市は広域合併により、市域の約7割を森が占める「森林都市」となりました。
豊田市は、森林を市民の重要な生活基盤であると捉えており、
生き物が多様で活力のある森をつくるためにも、森林整備が重要であると考えています。
一方、トヨタは10年にわたって、森を舞台にした環境緑化・環境学習に先駆的に取り組んできました。
これまでの活動成果を土台に、今後の社会・地域ニーズを踏まえ、
地域の現場に根ざした活動を展開したいと考えました。
5
「豊森」は何を目指すのか
今後より重要になってくるのは、真の意味で、人と森との関係を再構築することです。
人は生態系の一部として、森林資源を持続的に利用し保っていく仕組みを構築していかなければなりません。
重要なのは、何よりもまず、
「人づくり」です。
「豊森」では、山里の現場を知り、地域に根ざして生きていく人材を育成していきます。
求められているのは、どんな困難にも打ち克つことのできる逞しい人材です。
山里で自然の恵みに根ざしたなりわいで生きていきたい人や、
まちに暮らしながら山里とのつながりの中で生きていきたい人が、
志をともにする仲間と地域を知る力・事業を構想する力・暮らしを創る力を培います。
そして、森を起点としたコミュニティ・ビジネスの立ち上げや、
都市と森が一体となった循環型社会の「仕組みづくり」に取り組んでいきます。
さらにこの活動は流域のコミュニティを再生する「地域づくり」へとつながります。
そのためには、様々な主体が連携してこそ成立します。
地域住民、行政、企業、NPOそれぞれが持つ力を最大限発揮できるプロジェクトチームを創っていきます。
「豊森」は、森林を活用した「人づくり」
「地域づくり」
「仕組みづくり」のプロジェクトです。
多様な人材の参画によって、
森を中心とした自然生態系の利用を軸とする地域循環型・持続型社会の仕組みが生まれ、
暮らしの中で人と人の心を結び直す「豊森モデル」を構築することを目指します。
■ 実施の背景
豊森は、1997年から本格的に開始したトヨタ自動車の社会貢献活動である「トヨタの森」の取り組みの発展の一つ
として実施しています。
①トヨタの森の取り組み(96年以降) ②豊田市の広域合併(05年)
開始年
内容
平成17年4月 西加茂郡小原村①・藤岡町②、東加茂郡旭町③・
足助町④・稲武町⑤・下山村⑥と合併
■地目別土地利用の状況
96年
学識経験者の研究会「杜の会」による
研究提言活動(99年終了)
エコの森クラブによる里山整備
豊田市
②
①
(土地に関する統計年報平成20年度版)
③
⑤
④
ボランティア活動(継続中)
97年
里山活性化の実践フィールドとして
そのほか
9,206ha
10.02%
3.10%
道路
3,828ha
4.17%
⑥
宅地
6,166ha
6.71%
モデル林を整備・公開
農用地
7,067ha
(継続中)
98年
水面・河川・水路
2,844ha
総面積
91,847ha
7.69%
森林
62,734ha
68.30%
エコモニタリングにより樹林成長量や
種の多様性を調査(07年終了)
エコのもりセミナー(04年終了)
*里山保全・循環型社会づくりに関わる
専門的人材育成
99年
大学等への研究フィールド提供(継続中)
01年
学童の自然体験学習への協力(継続中)
03年
エコの森ハウス設置・公開(継続中)
後継となる人材育成
プログラムを検討
(05年以降)
市 域の7割を森 林が
占 め る「 森 林 都 市 」
に変貌
■ 農山村の過疎化、森林荒廃が地域の課題に
■ 人工林も含めた森林全体、矢作川流域圏の地域づくりを視野に入れた「人材育成プログラム」を起案(08年)
6
■
実施体制
豊森は、豊田市、トヨタ自動車株式会社、NPO法人地域の未来・志援センター、三者の協働事業です。
豊森実行委員会役員
■
役 職
氏 名
所 属
会長
早川 茂
ト ヨ タ自動車株式会社 常務役員
副会長
中村 紀世実
豊田市副市長
副会長
萩原 喜之
NPO法人地域の未来・志援センター理事長
委員長
澁澤 寿一
NPO法人樹木・環境ネットワーク協会理事長
プロジェクト名「豊森」の由来
トヨタ、豊田市、豊かな森。このプロジェクトが、今後どんどん日本社会の既成概念を鮮やかに覆していけるように、
気骨や馬力を込めて漢字二文字、
「豊森」と名づけました。明るく美しくしぶとく燃える、炭焼き小屋で生まれた
炭火のように、みんなの心を温めて、日本という国を幸せにしてくれるプロジェクトになりますように。
(命名:マエキタミヤコ)
【豊森のロゴ】
人が伐採することで萌芽更新し、再生可能エネルギーとなる薪炭林。森と人との持続可能な営みの
シンボルとして、カシの切り株とひこばえを表現しました。さらに、切り株から育つ若木であるひこ
ばえは、このプロジェクトで育つ新たな人材の成長を祝福しています。
都市に暮らす人にとって、森に関わる必然性は、川につきます。下流都市と上流 農 村が連携する、
流域圏での問題解決を表現するため、森の木の中に水を隠しました。
(ロゴデザイン:オルガンデザイン室 蒲勇介)
7
実施スケジュール 日にち
実施内容
参照ページ
2009.2.13
豊森キックオフ会議/募集開始
2009.2.14
第1回豊森なりわい塾プレ講座
74
2009.3.7
第2回豊森なりわい塾プレ講座
75
2009.4.15
記者発表(豊田市政クラブ)
ー
2009.4.30
募集締切
ー
2009.5.8
選考結果通知
塾生決定
ー
2009.5.17
開講式
第1回公開講座「本当の幸せと地球のために
〜私たち一人ひとりにできること〜」
(講師:枝廣淳子氏)
開 講
78
・
90
2009.5.23
豊森なりわい塾 講座開始
基 礎 編
ー
2009.8.23
2009.10.24
2009.11.14
2009.12.6
2010.2.7
2010.3.27-28
2010.4.3
募集期間
第2回公開講座
「町や村を元気にする地元学のすすめ」
(講師:吉本哲郎氏)
7 9 地域の人との交流会
ー
第1回共催講座
「
『耕さない田んぼ』冬期湛水・不耕起移植栽培」
(講師:岩澤信夫氏)
ー
第3回公開講座「環境に配慮した林業のありかた
~森とともに暮らす心を学ぶ~」
(講師:速水亨氏)
80
第4回公開講座「森とまちをつなぎ、日本の森林を守る
~『天然住宅』に学ぶ地域材利用の仕組みづくり~」
(講師:相根昭典氏・田中優氏)
グループ・プロジェクト検討会1
第2回共催講座「川口由一講演会と映画上映会」
(講師:川口由一氏)
87
81
実 践 編
18
ー
2010.4.17-18
グループ・プロジェクト検討会2
グループ・プロジェクト活動開始
18
2010.9.25
中間発表会
ー
2010.12.26
最終成果発表会・卒塾式
91
※共催講座は、複数組織により主催(報告は省略)
それぞれ、岩澤信夫講演会実行委員会・川口由一講演会実行委員会により実施。
構成メンバー:高野雅夫(名古屋大学大学院環境学研究科准教授)、NPO法人都市と農山村交流スローライフセンター、
愛知県交流居住センター、新盛里山耕流塾実行委員会、豊田市足助支所、とよた都市農山村交流ネットワーク、豊森
実行委員会、ふゆみずたんぼ・知多普及会
※基礎編・実践編のカリキュラム構成に関しては47ページを、カリキュラムの内容については48 〜73ページを参照ください
8
第 2 章 豊森なりわい塾の輝く種たち
豊 森なりわい塾 第一期には30名の 塾 生がいる。彼らは、未 来の輝く
種 ″として、社
″
″ 会 土″を耕していく。
第2章では、塾生が立ち上げたプロジェクト活動や活動内容、豊森なりわい塾第一期を終えての塾生の声を紹
介する。
常に塾生の目線で、自らも塾生と同じ立場になりながらも、豊森なりわい塾
を動かしてきた萩原喜之(実行委員会副会長/NPO法人地域の未来・志援セン
ター理事長)が豊森を語る。
種と土
■一期生たちの「痛み」
この事業をトヨタ側が始動することを決めた直後に、あのリーマンショックが起きた。そのこともあり、塾生の募集
は控えめに行われた。どのくらいの応募があるかの心配をよそに、およそ120名の応募があり、その中から30名の一
期生が入塾することとなった。
審査のために120名のレポートを読んでいく中で応募者のある共通点をみつけた。多くの人々が現在の生活に対し、
迷いや痛みを持っているということだ。彼らの痛みに触れ、今、吹き荒れつつある時代の風が豊森の推進力となるとい
う確信を持った。
■田舎暮らし塾でもなく起業塾でもなく
そんな塾生たちと向き合っていくなかで、
「豊森的」と表現される言い回しが生まれる。単なる起業=
「かせぎ」でなく、
田舎暮らし=「暮らし」でもない。
「多業」をめざすということだ。トレンド用語では「ワークライフバランス」となるが、
さらにそこに「つとめ」が加わる。この塾では、中山間地に入る「作法」を学ぶのに1年近くを費やしたが、厳しい自然
の中で、集落を維持していくためには、地域の人々とのつながり=「つとめ」が必要条件となる。
<目指すべきワークライフバランス>
■現在
務め
■理想
稼ぎ
暮らし
務め
稼ぎ
・1つの稼ぎで生 活を立てるのではなく、
「多業」、
「現代の百姓」という生き方
・地域の「務め」を果たし、地域を支えて
暮らしていく
暮らし
■種には土が必要
1年が経過し、塾生の何人かは、方向性を見い出し始める。そんな中で、ある日、通常のカリキュラムを止め、全員
で車座になって、1人ひとりの胸のうちを聞いた。
「 私は決意を固めつつあるが、家族との考え方がどんどん開いていく」
「今の会社を辞めると当面の稼ぎが…」それぞれに不安があることがわかった。さらに、集落には空き家は山ほどあり、
行政の仕組みに「空家バンク」制度もあるのに、地元の受入れは容易ではないこともわかってくる。
「種」=人づくりだけでがんばろうとしてきた。種は肥沃な土に落ち、水を得て発芽する。個人1人を育てるという視点
ではなく、土づくりも必要なのだと気づかされた。しかし、土は誰かが用意してくれるものではない。種となった1人
ひとりがつながり、自らが土となっていく必要がある。豊森なりわい塾の輝く種たちが、お互いにつながりあって、種を
育てる土となっていくことを豊森第二期の目標としたい。
種と土
種
土
9
受講生の活躍Ⅰ 丹羽山イベント
笑顔があふれ、人と人、人と森がつながる
人が森と触れるきっかけをつくることによって、人と森
~丹羽山の奇跡〜
が再びつながる。そして、森での活動を通じて、人と人
とがつながる。そんなことをやってみたいと、冨田と櫻
・それぞれの思い
井は語り合っていた。
結いプロジェクトのフィールドは3か所。長野県飯田
豊 森の人たちが、
「丹羽山」と呼んでいる山がある。
市の段丘林、愛知県豊田市の雑木林、そして、この丹
場所は、岐阜県と三重県との県境。木曽三川と濃尾平
羽山だ。
野を一望できる場所だ。
「丹羽山」といっても、そういう
名前の山があるわけではない。豊森なりわい塾の塾生、
菅沼倫世は、公立の保育園で保育士をする傍ら、
「森
丹羽豊の家族が所有する、五畝(約500㎡)ほどの小さ
での保育をやりたい」という思いを募らせていた。原点
なヒノキ林のことを、
「丹羽山」と呼んでいるのだ。
は、自分自身が育った奥三河での体験。自然の中で、自
かつてはみかん畑だったこの場所。みかん畑としては
然とふれあいながら育った体験を、今の子どもたちにも
急傾 斜だったため、20年ほど前に、ヒノキを植えた。
届けたいという思いだった。
「イベント的な体験型の保育」
ところが、あまり手入れをしてこなかったために、太陽
ではなく、
「日常の暮らしの中での保育」が理想という思
の差し込まない、人の寄りつかない、薄暗い森になって
いもあった。
しまっていた。
思いが募る一方で、今は、日々の暮らしや日々の仕事
で精一杯。自分に余裕がなければ、新しいことを始め
岐阜県海津市南濃町は、南濃みかんの産地で知られ
るなんて無理。
「そんな中で自分ができることはなんだろ
ている。丹羽家も、南濃みかんを生産する兼業農家だ。
う?」という悶々とした気持ちもあった。
みかん の収 穫 時 期である12月には、家 族 だけでなく、
菅沼の「里山暮らしの保育プロジェクト」には、豊森
親戚・知り合いも参加して、みかんを収穫する。
「 みかん
事務局から、坂本竜児と伊吹あゆみも参加した。伊吹あ
の収穫時期には、みかん畑で近所の人たちとも顔を合わ
ゆみは、トヨタ自動車が運営する「トヨタの森」のスタッ
せるし、みかんの話が挨拶がわりになっている。みかん
フである。坂本と伊吹の「小さくても、できることから
を通じて、家族も、地域の人たちも、つながっている。」
やっていこう」という声に押されて、菅沼は、
「皆さんの
と、丹羽は語る。
プロジェクトの場で、保育が必要だったら、お声掛けく
ところが、最近、みかんをやめてしまう人が出てきた。
ださい!出張保育をやります!」と宣言した。そこへ、
「一
耕作放棄されたみかん畑は物悲しい。実はなるのだが、
緒にやろう!」と声をかけてきたのが、結いプロジェクト
手入れがされていないため、小さく黒ずんだみかんがな
の冨田と櫻井だった。
る。そして、収穫されずにそのまま朽ち果てていく。丹羽
は、美しいみかん畑が荒れていくことに心を痛めていた。
3つのプロジェクトに共通するのは、単に、みかんの
兼業農家としてみかんを続けていけるように、そして、
ことや、森のことや、保育のことを切り離して考えてい
みかんを通じて家族や地域の人たちがつながっていける
るというわけではないということだ。単にみかんが売れ
ように。丹羽は、梶原雅子とともに、
「生産者・消費者
ればいいというわけじゃないし、山が整備されるという
W-Smile プロジェクト」を立ち上げた。
ことだけを目的としているわけではないし、今の保育を
問い直そうというだけではない。みかんや森や保育を通
一方、若き林業家である冨田陽子は、南信州教員・櫻
じて、人と人がつながること、人と自然とがつながるこ
井徹と、
「結いプロジェクト」を立ち上げた。彼らの思い
とが大切なことだという思いがある。
は「森を通じて、森と人、人と人とがつながること」だ。
かつて、山はもっと人にとって身近なものだったはず。
10
豊森の二年間を通じて、お互いの思いは、たくさん語
みっちーといぶに連れられて、子供たちは、みかん畑
り合って、ぶつけあってきた。でも、いったいどうやった
のまわりを散策する。ゆっくりと歩きながら、道端にあ
ら、その思いは実現できるのだろうか?それは、どんな
る草木や、木の実に触れてみる。潰すと紫色になる実を
ものになるのだろうか?語り合ったり、参考になるよう
見て、
「なつかしいねぇ~」とお母さん。
「自分たちが子供
な取組み事例を見に行ったり、計画づくりをしたり、考
の頃は、こういうところで遊んだよね」
。最初はおそるお
えたり、思い悩んだり、そういうことを繰り返してきた。
そるだった子供たちも、だんだん生き生きしてくる。みか
なかなか先の見えない日々もあった。
ん畑から森に入ると、動物の足跡があった。
「あ、動物の
だけど、僕らは、あの日、それぞれの思いが形になっ
フンがある!」と、コロコロしたフンを見つけた子もいる。
た1日を共有することができたのだ!それは、とても自然
すぐ隣には、足の細長いクモを見つけた2歳の男の子。
で、居心地よく、幸せな空気に満ちた、1日だった。
躊躇なくつかまえるのは、さすがである。
森の中には、みっちーたちが準備していたモンキーブ
・笑顔があふれる日
リッジが。モンキーブリッジとは、木と木を2本のロー
プで結んだだけの、簡単なものだ。上のロープにつかま
2010年10月31日。
りながら、下のロープに足を乗せて、綱渡りをしていく。
3つのプロジェクトが集まった丹羽山企画、
「たのしい、
最初はおそるおそる乗ってみた子供たち。これがなかな
おいしい、きもちいいLet’
s 森あそび」の日がやってき
か楽しいらしく、すっかりみんな、はまってしまった。だ
た。
「大型の台風が直撃」との天気予報だったのに、みん
んだん慣れてくると、上下に身体を動かしながら激しく
なの思いが台風を吹き飛ばしたのか、朝からさわやかな
揺らす子供たちが出てきたり。
秋晴れが広がっていた。
お昼どき。みんなで豚汁をほおばる。お日様の下で、
「おはようございます~!」
みんなで食べるご飯は最高に美味しい。
豊 森 の受 講 生、スタッフ、そして、丹羽豊 の地 元 の
「えーっ、もう一つおにぎり食べたいの?もう3つめ
友人家族が、続々と集まってきた。
よ。」2歳のわんぱくな男の子。午前中、森でさんざん遊
お父さんたちは、
「ウッドデッキチーム」
。間伐した材
んだから、ものすごい勢いで、おにぎりをほおばる。
を使って、ウッドデッキをつくる。間伐は冨田が中心と
お昼を食べ終えた女の子。
「 森へ行こうよ~」と騒ぎ出
なり、ウッドデッキづくりは地元の大工さん二人と丹羽
した。すぐに森に戻って遊びたいようだ。ほかの子が森
が中心となって、すすめていく。
に入っていくと、お母さんをおいて、さっさと森の中に
一方、お 母さんと子 供 たちは、
「 森 の 保育チーム 」。
入っていった。
「 うちの娘、4歳なのに、いつも私にべっ
森の中で、森に親しみながら遊ぶ。こちらは、菅沼
(みっ
たりで、大丈夫かなって思ってたんです。なのに今日は、
ちー)と伊吹(いぶ)が中心となって企画を進めた。
自分から進んで森に入っていくなんて・・・。この子は変
そして、櫻井は、全体に目を配りながら、要所をおさ
わりはじめてるのかもしれないわ・・・。」
えていった。豊森事務局の坂本と伊藤愛理は、食事の準
朝 は お 父 さん の足 元 にまとわりつ いて い た 男 の 子
備など、裏方を支えた。
たち。
「こうやって乗るんだよ!」と、ロープへの乗り方を、
自慢げにほかの子に教えている。
お父さんに連れられてきた男の子二人は、大人ばかり
の中で、恥ずかしそうにしている。お父さんの足元から
森の中にいて、一日遊んでいるうちに、子供たちはど
まとわりついて離れない。
「 森で遊ぶって、どんなことを
んどん生き生きしていく。山道も平気で歩いていくし、
するの?山に入るなんて、危なくないのかしら?」という
綱渡りもどんどんうまくなっていく。大人たちの想定を
不安を持っていたお母さんもいたようだ。
はるかに超えて、子どもたちは成長していく。
「 こういう
11
森での遊び方は、思いつかなかった。こんな楽しそうな
運 んで、床の丸 太にしていく。ウッドデッキ の 形 が見
表情は見たことがないわ」というお母さんも。夕方、雨
えてくると、ますますみんな盛り上がってくる。何もな
が降り出したにも関わらず、
「今日はここで寝る!」とい
かったところに、みんなの手で、形が立ち上がっていく
う女の子もいた。
のは、充実感もあるし、本当に楽しい。
森の中から、響いてくるチェーンソーの音を聞いて、
一方のウッドデッキチーム。そもそもなぜウッドデッ
子どもたちが「あの音は何?」と聞く。
「 あの音は、お父
キをつくることになったのか?これは、約半年前、2010
さんたちが、ウッドデッキをつくっている音だよ。かっこ
年3月までさかのぼる必要がある。豊森内のプロジェク
いいねぇ」と、お母さんたちが、子供たちに語りかける。
ト分けがなされていなかったその頃、丹羽と冨田が中心
ウッドデッキはさすがに1日では完成しなかったけれど、
となり、丹羽山での間伐を企画した。豊森の塾生、丹羽
完成し、花見ができる日がやってくるのが楽しみだ。そ
の地元の友 人たちが多数参加したこの企画。丹羽の地
のとき、きっとお父さんは自慢げに、自分たちのつくった
元の友人たちは、この間伐体験をきっかけに、森の整備
ウッドデッキに、お母さんや子どもたちを招くに違いない。
に目覚めはじめたのだった。
丹羽の友 人の一人は、間伐をやった後、自分の親に
・未来へ
「丹羽君の山を間伐してきた」と話したところ、
「うちに
も山があるから、よその山の手入れをしていないで、う
夕方、片づけをすべて終えて、丹羽家のリビングに集
ちの手入れをしろ」と言われたという。笑い話のような
まったスタッフ。そこには、充実感にあふれたみんなの
話だが、これまで山のことに関心のなかった若者が、丹
笑顔があった。もう何も言わずとも、この1日のイベント
羽山間伐体験を機に、自分の家が山を持っていることを
が大成功だったことを物語っていた。
知り、山に関心を持つようになったということは、すご
く大切なことだと思う。
前日までは、不安で不安で仕方がなかった。いったい
丹羽の友人たちは、間伐体験後、見よう見まねで山の
どんなふうになるんだろうか?だけど、実際にやってみ
手入れを始めた。山に入る場所に階段をつくったり、山の
て、参加者たちの笑顔を見たら、そんな不安は、簡単に
中に道をつくったり。みんなで森に入って一緒に作業する
吹き飛んでしまった。1日を通して、幸せに満ちた、気持
のは、楽しい。そのような中で、間伐材を使ったウッド
ちのいい空気が流れていた。参加者もスタッフも、誰一
デッキをつくろうという話が湧き上がってきたのである。
人やらされている感じもなく、時間を持てあますようなこ
ともなく、一人一人が役割を持って、主体的に動いていた。
「ウッドデッキができたら、あそこに桜を植えて、花
すべての歯車がかみ合って、みんながつながることが
見をしようや」そんな丹羽の言葉を合言葉にして、ウッ
できた。子ども達の「きゃっきゃっ」という声、お母さん
ドデッキをつくりはじめる。地元の大工さん二人が、柱
達のうれしそうな顔、お父さんたちの、
「ウェ~イイ!!!」
の位置などを大まかに決める。邪魔になりそうな 木を
という盛り上がり・・・。みんなの笑 顔、笑 顔、笑 顔。
間伐。間伐材の先端をチェーンソーでとがらせ、たこづ
それは奇跡のような1日だった。
ち(※水 防 で使う道 具)を 使って、力を合わせて地面
それまでの不安と悩みの日々、語り合う日々があった
に打ち込んでいく。柱ができてくるにつれて、
「ウェ~イ
からなのか。みんなの思いが一つになると、そこには不
イ!!!」と歓声が上がる。土台が出来上がった後は、床
思議な力が働くのだろうか。すべてが一つに収束する瞬
となる部分に、丸太を並べていく。床には丸太が大量に
間、すべてがつながりあった瞬間だったように思う。人
必要になるため、足りない部分は、冨田たちが間伐をす
と人とのつながり、人と森とのつながり、そして、思い
る。冨田は、参加者たちに、間伐の考え方や技術を伝
を形にすること。それぞれの思いが未来につながる一日
え、実 際に間 伐もやってもらう。間 伐した木を、皆で
だったのだ。 (文・平野彰秀)
12
受講生の活躍Ⅱ もりもりバザー
「障がいがある人も、ない人も、
幸せに暮らせるコミュニティを」
・大盛況のもりもりバザー
・もりもりバザーの仕掛け人
実はこのもりもりバザーは、わずか半 年ほどの準備
期間を経て開催された手づくりの催しであった。中心と
四 千本ものもみじが、赤 や 黄の 深 い 秋 色に染まり、
なったのは、
「 森音の会」と、豊森なりわい塾のプロジェ
日本全国から人々が訪れる豊田市足助町の香嵐渓。名
クトの一つ、
「未来の暮らし2000(MKP2000)」
(以
古屋から香嵐渓に向かう途中の、国道153号線沿いに
下、MKP)だ。森音の会とは、障がいのある子供たち
何の変哲もない1軒の古民家がたたずんでいる。築100
がこの地域でこれからも暮らしていけるように何かした
年。人が住まなくなってから8年が経つ。この古家が息
い、そんな思いから始まったお母さんたちの集まりだ。
を吹き返し、人の温もりを感じられる場として生まれ変
そして、MKPとは、2010年3月に豊森なりわい塾の
わろうとしている。
一期 生4名で 発 足したプロジェクトだ。特 徴としては、
2010年11月28日、秋晴れという言葉がいかにもふ
他のプロジェクトが森林の活用や農業振興など具体的な
さわしい爽やかな青空のもと、国道沿いに「もりもりバ
テーマに取り組む一方で、壮大で網羅的な理 念を掲げ
ザー」という横断幕が現れた。
「こんにちはー、ゆっくり
ていた。その理念とは、
「自然豊かな里山で、地域の風
見ていってくださいね」
「枇杷茶はいかがですかー?」
土・文化を継承し、相互扶助の精神で共に安心できる循
「あら、このへんでとれたはちみつ?いただこうかしら」
環型の暮らしを創造する。そんな暮らしが2000年続く
緑色のTシャツを着たスタッフらは親しみやすく、笑
社会を目指します。」である。素晴らしい考え方ではあ
顔で迎えてくれる。子供から大人まで多くの人が仲間と
るのだが、ともすると、抽象的かつ理想的すぎる理念の
なってバザーを盛り上げている。みなくるくると動き回
前に、どのような活動をやっていくのだろうか、と当初
りながら、はつらつとした表情を見せる。
は周囲から危惧されていたのも事実である。
古民家の中では、地域でとれた野菜、骨董品、古着
さて、この森音の会とMKPはどのようにしてつなが
や 雑 貨、手 芸 品、地 元 の はちみつ や 椿 油 な ど バラエ
り、いかなる経緯でもりもりバザーに至ったのだろうか。
ティに富んだ品が 売られるとともに、子 供の 絵や 切り
絵などの作品が展示されている。土間を抜けて中庭に
・きっかけは、一つの出会い
出ると、家の裏山で伐採した竹をつかったクラフトワー
クショップが体験できる。さらに、古家の外では焼きそ
はじまりのきっかけは、MKPのメンバーで、今回もり
ばや焼き芋、ワッフルがおいしそうなにおいをただよわ
もりバザーの中心的役割を果たした梅原彰の存在だ。彼
せる。
が豊森に関心を抱いたのは自閉症の息子がいるからだっ
このもりもりバザーを目指して、続々と人が集まって
た。2009年5月の豊森なりわい塾の開講式で、梅原は
来た。歩いてやって来る地元の人々をはじめとして、事
こう話している。
「 障がいを持つ人も持たない人も共に暮
前に聞いて遠方から駆けつけた人や、たまたま近くを通
らせる温かいコミュニティを、志を共にする仲間と真剣
りかかって車を停める人もいたようだ。訪れる人みなが
に、楽しく模索していきたいと思います。」
興味深く品々を見つめ、笑顔で声を掛け合っている。
彼は、お金に縛られ、単一な価値観を押し付けられ、
スタッフ、地 元 の人、お 客さん、みなの 存 在 がもり
目に見える成果を求められる都会では、息子は生きてい
もりバザーの穏やかで温かい雰囲気を生み出している。
けないと語る。互いに助け合い、自分の手で暮らしを
心地よく、いつまでもそこにいたくなるような、そんな
つくる田舎でなら、一つでも息子のできることがあるだ
場と時間が創られていた。
ろう、なぜなら田舎の人は“百姓”をしているのだから、
百のうち一つくらいなら、息子に合う生 業が見つかる
13
かもしれない、と。MKPに参加した彼は、これからど
地 域の人々と信頼関係を築いていったこともこの後の活動
のような具体的活動をすべきかと模索していたところ、
につながる重要な礎となったのだろう。
豊田市内で自閉症の子供を持つ親の会で一緒だったKさ
んの存在が思い浮かんだ。Kさんは、豊田市N町に夫と
・森音の会の誕生
自閉症の息子の3人で暮らしている。自宅の横には今は
誰も住んでいない旧家があるという。さらに、息子のた
N町に住む、障がいのある子供を持つお母さんたちは、
めにこの家を活用して何かしたいと話していた。
Kさんの元に定期的に集まり情報を共有していた。それ
豊田市N町は、平成の大合併前は旧豊田市の北の外
が、
「森音の会」となり、バザーに向かっていったのには、
れ、つまり足助町のすぐ隣に位置する、山に囲まれた地
MKPの存在が欠かせない。
「障がい者とは、まったく関係
域だ。山裾に沿って家が並び、家の前には限られた平地
ない団体が関わったことで、彼女らが刺激されたんじゃ
を耕して田畑がつくられている。現在の豊田市を思え
ないかな。
」梅原は、障がい者の家族の集まりだけでは、
ば、市街地に比較的近い田舎といえる。都心に通勤す
なかなか活動が上手くいかない場合があることや、閉そ
る傍ら、休暇には田畑をつくったり山や竹林に入る人も
く感にさいなまれるという現実を教えてくれた。
いる。地域内で互いが互いのことをよく知り、何かあっ
一方でMKPには、豊かな自然の恵みのもと、安心し
たら助け合うという機運もまだまだ残っている。
て暮らせる地域社会を創造することを目的にメンバーが
梅原は、同じ障がいのある子供を持つ親として、N町
集まっている。村野政章は、福祉・医療・教育を総合的
という地 域にある自然 資 源やコミュニティの 絆を活か
に捉え、循環型の地域社会の仕組みをつくりたいと考
す形で、Kさんと何か一緒にできるのではないかと考え
えている。また、杉浦剛一は、食の自給自足をベースと
た。
しながら、森林資源を活用した稼ぎ方を模索している。
そして2010年5月、梅原はMKPのメンバーを連れて
そして、梶原雅子は青年海外協力隊の経 験から、今の
Kさんを訪ねた。
日本社会のひずみを感じ、新しい価値観や仕事の在り
方を思い描いている。
・三者協働の意義
このように、障がいを持つ子 供のために何かをした
い、という具体的な思いを抱くKさんたちと、現状の社
豊森なりわい塾は、豊田市・トヨタ自動車・NPOの三
会に問題意識を持ちながらも、何をすればよいのか模
者の協働で行われている。KさんのMKPの活動への理
索しているMKPの出会いは、相互補完的な関係性へと
解がスムーズだった理由の一つがここにある。
「行政とトヨ
発展していった。MKPは、Kさんたちの考えや思いを、
タ自動車が関わっていることで、Kさんだけではなくて、
形にしていくというサポートを行った。その過程で大き
地域の人もぐんと受け入れやすくなったと思う」と梅原は
な力を発揮したのは、スタッフである柴垣民雄と妻の祐
振り返る。地域では、新しいものを受け入れるとき当然
子だった。梅原は、自身が自閉症の息子を持つ当事者と
慎重になる。ましてや、何か活動を始めようとしているよ
して、おのずとKさんと思いを共有し、向き合うことが
くわからない人たちが複数名で入って来ると聞いたとき
できる。しかし、梅原一人だけではなく、Kさんの思い
には、必ず排除の動きが出てくるだろう。そのハードル
を真摯に受け止め、真剣に活動に身を投じ、信頼関係
を低くしたのは豊森が三者の協働事業であることだった。
を築いていった柴垣夫妻がいたからこそ、表面だけでは
しかし、それだけではない。Kさんの配慮もあり、自治
ない本音の部分で付き合うことができたのだ。
会に説明へ上がったり、近隣の人たちへのご挨拶、地元
の祭りへの参加など“仁義を切る”ことを怠らなかった。
もともと、K家が代々、地 域内で尊 敬 されてい る家 柄
と いうことも あった が、MKPのメンバー が 個 別 に、
14
・思いを共有する
・今後
「こんなの、つくってみたんだけど」
「いいじゃないー、
もりもりバザーは、多くの人の協力と参加で大成功を
すてきすてき!」
「子供の絵とか作品もたくさん展示した
収めた。森音の会は、今後も小さくても月に一度、集ま
いよね!!」放っておくと、どんどん膨らんで、収集がつ
りを行うことを決め、すでに次回の企画を立て始めた。
かなくなるのが恐ろしくって、と梅原は苦笑いする。
MKPは、これからも森音の会と寄り添って、サポート
バザーをやろうと6月に話が出てから、バザー当日の
していく心づもりだ。2010月12月で豊森なりわい塾第
11月28日まで半年弱。
一期目は区切りがつくが、森音の会ももりもりバザーも
MKPのメンバーは、森音の会と打ち合わせを重ねた。
始まったばかり。今はまだ小さくても、地域の大切な芽
森音の会の思いつきやアイディアを、どのように実現す
が花開くようMKPの活動はこれからも続く。
るかをMKPが考える、という役割分担だった。何より
(文・水野馨生里)
も、森音の会のお母さんたちが、心の底から楽しそう
におしゃべりして、お互いの得意技を持ち寄り、それを
認め合い仲を深めていくという場ができたこと、それが
バザーの一つの成果。さらに、障がいのある子供の居
場所ができる。何か作業をして、そのアウトプットを評
価するのではなく、そこに一 緒にいるということに大
切さがある。確かに、もりもりバザーの当日は、森音
の会のお母さんたちはスタッフとして忙しくも楽しく動
きまわる傍らで、焼きそばを焼く手伝いをする子もいた
り、ワークショップを覗いたり、兄弟と遊ぶ子もいたり
と好き好きにバザーの一日を過ごしていた。そうした中
に、地域内外の人がお客さんとして、または助っ人とし
てやって来る。そこで、会話が生まれ、新しい関係が積
み重ねられていく。
「地 域の中でコミュニティがあって、そこにたまたま
障がいを持った人がいて、一緒に暮らしを営んでいる。
それ が 理 想 かな。」梅 原 が 思い 描く「 障 がいを持つ人
も持たない人も共に暮らせる温かいコミュニティ」への
第一歩が、もりもりバザーを通じて確実に、着実に踏み
出されたのではないだろうか。そしてそれは、もはや、
梅原一人の思いではなく、森音の会にも、そしてMKP
のメンバーにも共 有され、大 切に育まれ築 かれていく
ことだろう。
15
受講生の活躍Ⅲ ふくなりプロジェクト
木の家具で暮らしを豊かに、
確かに、豊森には多種多様な考え、職業の人がいる。
木の家具で、森を豊かに
林 業 家、材 木 屋、建 築 家、工務店・・・。そしてその
多くは、現在の手入れの遅れている森をどうにかしてい
シンプルでさりげない。
きたいと考えている。都心で家具づくりをしていた森川
でも、なんだか、触ったり、座ったりしてみたくなる。
は、山の現状など考えたことがなかったため、彼らとの
一度座ると、しっくりきて、落ち着いてしまう。
出会いに刺激を受けたという。
材質について尋 ねると、近 隣で育ったヒノキやスギ
「例えば、豚肉を買うとき、バラか、ロースか選んで、
だったりする。
何かをつくる、みたいなかんじだったと思う」売ってい
身 近 な 山 の 木 が、暮らしの 道 具になることなんて、
る板だけを見て家具をつくっていたことをこう表現する。
なかなかない。ちょっと特別な気分になる。
一方、学生時代に山の間伐などの手入れについて学
んだことのあった福應は、
「自分がぼんやりと思っていた
ことが、豊森に入って、そういうことだったんだ、って
はっきりしてきた」と振り返る。それは、山の手入れや
その材の利用について熱っぽく語る林業家安藤久氏さ
んとの出会いが大きく影響している。
安藤さんは、豊森の講座「豊森相談室森林編」で相
談員として登場していただいた。彼は林業家として独立
し仕事をしている。視野が非常に広く、川上(山の手入
れ、材の伐採)から川下(木材の流通、利用)にまでア
そんな家具を生みだしているのが、
「木工ふくなり」だ。
ンテナを張っている。新しいことや未知なることにも関
かつて、街道の宿場町として栄え、今でも古くて趣のあ
心が高く、自分の山の木を新月伐採(*1)し、さらに
る街並みを残す足助町。その北側に位置する親王町に、
葉枯らし(*2)させ、その材を新築の自宅の建材とし
2010年4月、小さな 木 工 工 房が 誕 生した。愛 知 県 岡
て利用する、なんてことも、すべて一人でなしとげてし
崎市出身の福應佳恵と、名古屋市出身の森川道也。彼
まう人物だ。
らが工房の主たちだ。二人ともおっとりとしているが、
「林 業と木 工と、立ち位置は違うけど、家具を見て、
家具のことを語り始めると熱が入り、彼らのペースにど
この木はどう生えているかとか、きっと想像しているん
んどん引き込まれていく。
じゃないかな」自分たちのつくった椅子に興味を示した
それぞれ、家具づくりを学んだあと、家具製作の企業
安藤さんの頭の中を福應はそう予測する。そんな安藤
に就職。2008年暮れ頃から、二人で家具屋を立ち上
さんは、豊森相談室で福應、森川と出会った後、ふらっ
げようと、場所を探していた。
と工房を訪れてくれたそうだ。そして、それから双方の
2009年3月に豊田市役 所の足 助支所に足を運びい
行き来が始まった。今は、安藤さんの伐採した木で実
くつか空家の紹介を受けた。と同時に、新聞で豊森な
験的に家具をつくろうという話が持ち上がり、それに向
りわい塾のことを知った。
けて準備中だ。
「 足 助 で“ なりわ い” を つくるって、 自 分 た ち の こ
と・・・?って思って応募してみた」
*新月伐採・・・冬季の下弦~新月の間に伐採すること。新月伐
微笑みながら福應は入塾のきっかけを語る。同年5月
採した木は「カビにくい」「虫がつきにくい」「割れにくい」「狂い
に豊森なりわい塾がスタート。そして間もなく、足助の
親王町に入 居が決 定する。二人の足助ライフは、工房
決定と豊森なりわい塾スタートと同時に始まったのだ。
・考え方の変化
「豊森に入ってなくて、ここで工房を始めたのと、豊森
に入って始めたのではだいぶん違う」森川は、
「入ってい
なかったら、普通に家具をつくっていた。原木とか、丸
太とか想像せずに家具をつくっていたから。木との接し
方がだいぶん違ったと思う」と言う。
16
が出にくい」というデータも出ており、注目を浴びている。
*葉枯らし・・・伐採後、葉をつけたまま林地に放置し、徐々に木
材を乾燥させる事。長期間置くと木材の辺材部がカビにくくなる。
ことがほとんどないため、家具にふさわしい木材を定
・地域で暮らすということ
期的に手に入れるのは難しい。けれど、安藤さんのよう
な“山 側 ”の人との 連 携があれば何とかできるかもし
「ここは、祭りが年に2回あって、火 縄 銃を撃つ練習
れない・・・と希望を持つ。
をしたり、飾り付けの 手 伝 いに2週 間くらい 行ったり
こうした様々な試みに胸を膨らませる。そうとはいえ、
するんです」由緒ある足助の町なら、祭りの規模が大き
ふくなり工 房 の 根 底を流 れる思いは、
「木をつかって、
く準備が大変でも不思議ではない。森川は、親王町の
誰かの暮らしを豊かにしたい」。どういうことが“豊か
新住民として様々なお役を果たしている。名古屋に住ん
さ”なのか、彼らは足 助に住み、足 助で家具をつくる
でいるときには想像がつかなかったこうした地域での催
中で模索しながらも、確実に形にしていくのだろう。
しに、すべて参加するのは大 変だけれど、そのおかげ
(文・水野馨生里)
で地元の人には顔を知ってもらえるようになったという。
豊森なりわい塾の講座の前半は、
「地域を知る」こと
や地域に住む人の思いを聞く「聞き書き」などをフィー
ルドワークを通じて行い、地 域に入る作法を学ぶ講座
を展開してきた。こうした内容が、彼らが地域のコミュ
ニティに入るときに、少しでも何か役立ったのであれば
幸いである。
いずれにしても、足助では、20 ~ 30代の若者は町
から出て、都会に行ってしまう。その中で森川が新たな
木工ふくなりHP http://fukunari.exblog.jp/
担い手として期待されるのは、想像に難くない。
・家具を通じて伝えたいこと
「家具を見て、それを気に入ってもらえたら、それは
そ れでうれし い。 で も、 どういうふうに 木 が 育って、
どういうふうに家具がつくられているのか、分かっても
らえる人には分かってほしいから、伝えていきたい」
ただ家具をつくるためだけに足 助に住むわけではな
い。地 域の人との関係を大 切にすること、当たり前の
ように 繰 り 返 さ れ る 地 元 の お 祭 りに 参 加 す る こと、
そして、木が育まれる山を近くに感じて家具づくりをす
ること、これらがふくなり工房から生み出される家具に、
エッセンスとして組み込まれるのではないだろうか。
・ふくなりの夢
「10年後くらいにしか使えないけれど、丸太から板を
ひいて、家具をつくってみたい。丸太の状態からやった
ほうが、木がどうなるかよく分かる」
(森川)
原木が乾燥して家具づくりに使えるようになるまで当
然だけど時間がかかる。しかし、その木の素性や育ち
が分かっていたほうが、材の性質を隅々まで理解できる
ため、よりよいものがつくれるのだ。
「 この あ たりの 木 を、 当 たり前 の ように使 い た い。
スギやヒノキのような針葉樹でも、やってみたらできる、
ということが分かったから」
(福應)
現 状 では、山 の 手入れや 伐 採 が 計 画 的に 行わ れる
17
実践編に向けて ~グループ・プロジェクト活動への道のり~
2009年5月〜 2010年3月は基本的な知識や現状を学ぶ基礎編、そして2010年4月〜12月は実践編を実施しました。
実践編は、塾生が実際にフィールドで活動を進めていきました。塾生同士の得意分野を活かしながら、互いに協力し
て進めていけるよう、複数人でグループ/プロジェクトを構成しました。
2009/11/29
豊森では何を目指すのか1
塾生個人の思いややりたいことを車座になって、話し合う
12/27
豊森では何を目指すのか2
塾生が豊森でやってみたいことを車座になって、話し合う
2010/1/24
第1回 実践編に向けての意向調査
11.12月の話し合いの内容をもとに、実践編のグループ分
け案を作成し、塾生に意向調査を行う
2/28
第2回 実践編に向けての意向調査
第1回目意向調査をもとに、さらに細かく塾生の意見を聞く
意向調査に基づき、希望するグループに分かれる
3/27
グループ・プロジェクトづくり
仮グループ内でプロジェクト案を出し合う
プロジェクト案に関するプレゼンテーションを互いに行う
自分が参加したいプロジェクトを確定させる
3/28
プロジェクトの理念検討
活動にあたっての理念を考える
3月に決定したプロジェクトに違和感を覚えている塾生に
4/17
プロジェクト見直し
対してヒアリング。その上で参加プロジェクトを再考して
もらう
4/18
プロジェクト活動計画づくり
プロジェクトに分かれて、活動計画をつくる
5月〜
活動開始
各自、活動を始動
納得いくグループ/プロジェクトづくりを行うために、2009年11月から時間をとり、2010年4月の確定に備えました。
また、本来なら、3月中に活動内容を確定し、4月から活動開始のはずでしたが、3月の慌ただしいプロジェクト決定に
対し違和感を感じる塾生もいたため、4月にプロジェクト見直しの機会を設けました。
※グループとは、関心の近い人が集まる大きなくくりのこと。
※プロジェクトとは、グループの中での、より具体的な取組みのこと。
実際に決定したグループとプロジェクト(プロジェクト詳細は次ページ以降を参照のこと)
グループ
プロジェクト
担当スタッフ
源森家プロジェクト
1.
森林資源の活用
(担任:駒宮)
NEO山守プロジェクト
駒宮・平野・高橋
結いプロジェクト
ふくなりプロジェクト
2.
暮らしを創る/山里とまちをつなぐ
(担任:澁澤・萩原)
豊森的な研修サポートセンター
萩原・安藤・中川
生産者消費者W-smileプロジェクト
伊藤・井上
Milky-Wayプロジェクト
澁澤・水野
未来の暮らし2000プロジェクト
柴垣・井上・柴垣祐・戸上・村田
里山・暮らしの保育プロジェクト
坂本・伊吹
自然○衣素材プロジェクト
中川・水野
※各プロジェクトに担当スタッフがつき、アドバイスを行ったり、ともに活動を進めました。
18
プロジェクト活動 一覧表 豊森 10のProject
プロジェクト活動では、実際にフィールドを持ち地域の人々との関係の中で活動することで、様々な経験をし、新たな
気づきや学びがありました。
プロジェクト名:結いプロジェクト
プロジェクト名:源森家プロジェクト
理念:森を場とした活動の企画・実践の積み重ねを通して、
持続的に森と人とが関わっていく仕組みと人と人との
つながりを結い直す。
活動概要
・多くの人が森に関わるきっかけづくりとして、間伐や間伐
材活用のワークショップを企画・運営する
・手入れ不足の段丘林に恒常的に人が入り、手入れができる
よう、地域の人々との信頼関係を築きながら仕組みづくり
をする準備を行う
理念:地域の木をいかし、山からまちを多様な新しい価値
でつなぎ、持続可能な豊かな暮らしと社会を創造する。
活動概要
・木材の一気通貫を行っているところや、木質バイオマス活
用をしているところへの視察
・森とまちをつなぐきっかけづくりとして、長野県根羽村の
木材で、下流域の愛知県安城市に家を建てる事業の計画
づくりを行う
メンバー:櫻井徹、冨田陽子
メンバー:山下眞志、黒柳晋平、森大顕
プロジェクト名:NEO山守プロジェクト
プロジェクト名:ふくなりプロジェクト
理 念:科 学的根 拠と山主との会話をベースとして、山主の
主体的な森づくりをサポートすることを通し、山主の
笑顔を増やす。
活動概要
・現状山に興味のない山主が主体的に動くようになる経済
的、精神的なコーディネート手法を提示する
・実際に、個人の持ち山の森林整備をしながら、山主が森
づくりに興味を持つようなサポートを行う
理 念:身近な山の木を使った家具を、色々な人に使って 頂くことでその家具を通じて木のこと、山のことに
関心を持って頂くお手伝いをする
活動概要
・1日あるいは1泊2日で家具の展 示 会、ワークショップ、
山のツアーを開催する
・針葉樹家具の強度実験、商品開発、販売、生木を使った
器、家具の研究、天然染料を使った木の染色など
メンバー:竹内尚人、鈴木実句、吉村雅行、竹尾博史
メンバー:福應佳恵、森川道也
プロジェクト名:豊森的研修サポートセンター
理念:くらし、かせぎ、しごとを指標とした豊森的生き方をサポートする為の地域資源マッチングと、中間支援を目的とした、
センター機能を構築する
活動概要
以下のサービス展開を実施するために、事業計画づくりを試みる
空き家管理代行サービス・自給自足特区・田舎暮らしローンの新設・耕作指導教室で自給農家を育てる・田舎暮らし教室
メンバー:中上嘉文、竹尾博史、松原孝史、安江卓芝、松本真奈美、萩原喜之
19
プロジェクト名:Milky-Wayプロジェクト
プロジェクト名:生産者・消費者W-smileプロジェクト
理念:生産者(一次産業)・加工工場(二次産業)・販売(三
次産業)までをつなぎそれぞれの強みを生かした商品
開発、販売を行います。また新たな販売チャネルを構
築し、直接消費者にとどけるしくみをつくります。
活動概要
・
「銀河の雫」の商品開発、生産、販売・地域のいいものづ
くりの生産者との連携・ミルキーウェイの流れに他商品や
サービス(食育・体験・環境教育など)も付随させる
理念:家族や地 域のつなぎ役となる兼 業 農家を持 続させ、
消費者の食卓に生産者の笑顔が並ぶよう、両者の繋
がりを深めます。
活動概要
・兼 業 農家として持続可能であるために、地 域ぐるみで消
費者とのネットワークが出来ていること、またその前提と
なる、地 域の結びつきが強固になることを目指し、世代
を超えた交流のきっかけ作りを行う
メンバー:榊幾代
メンバー:丹羽豊、梶原雅子
プロジェクト名:自然○衣素材プロジェクト
プロジェクト名:里山・暮らしの保育プロジェクト
理念:天然繊維の栽培・製糸・織・縫製まで衣の生い立ちを、
体験を通じて学ぶ。地域の服装史を聞き書きを通じて
学ぶ
活動概要
・綿花の栽培・ガラ紡の歴史研究、ガラ紡関係者へのヒア
リング・見学、ガラ紡布の活用方法を検討
・日本の繊維産業の盛衰に関する研究、ヒアリング等
理念:里山での暮らしをベースとした保育を行う。今年は各
プロジェクトからの要求を受けて移動保育を行いな
がら基盤づくりをする
活動概要
・主催保育のプロジェクト計画立案・実施
・丹羽山での出張保育の計画、運営
メンバー:塩崎誠、矢澤由紀子
メンバー:菅沼倫世
プロジェクト名:未来の暮らし2000プロジェクト
理念:自然豊かな里山で、地域の風土や文化を継承し、相互扶助の精神で共に安心できる循環型の暮らしを創造します!
活動概要
・豊田市内において、障がいを持つ人々が生き生きと働き、暮らせる地域をつくる
・地域づくりの第一歩として、バザーを行い、今後の可能性を模索する
メンバー:梅原彰、村野政章、杉浦剛一
20
豊森なりわい塾 塾生の声
1年7ヶ月の豊森なりわい塾第一期を終えた塾生の声を紹介します。
氏名 : 梅原
彰 (うめはら あきら)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
地球規模の環境問題から地域住民との活動まで、家族を巻き込んだ豊森なりわい塾は、この2年間、私たちの
生活を大きく変えました。
この地球を次の世代に引き継ぐことの意味を、自分たち家族に置き換えて考えたとき、息子の障がいは切り離
せない問題であり、ひいては、それが広く福祉社会につながり、地域課題へ行き着くことに気付きました。つ
まり、地球規模の環境問題は、たった一つのちっぽけな地域課題であり、そしてかけがえのない家族の課題で
あること。そう腹に落とし込んで、現在の社会を改めて鳥瞰した時に、課題は霞ヶ関にあるのではなく、地域
に住む一人ひとりの心の中にあるのだと確信しました。そうして、この2年間で、家族を守り抜く、揺ぎ無い
知恵と信念が得られたと思います。
(ちょっとくらい間違ってても信念は信念!です)
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
未来の暮らしプロジェクトを継続。N町の自閉症児・者親の会の月1回の活動を豊森第二期でサポートしつつ、
私たちを受け入れてくれる地域を探して、具体的な移住の準備を始めます。新盛里山耕流塾での地元の方との
触れ合いを通じて、出来れば地域活動(耕流塾や里山暮らしの体験館のお手伝い等)をさせて頂き、つながり
を深めたいと思います。
また、親の会との活動を通じて、山間部の障がい者にとって必要な支援とは何かを探し出し、それをサポート
する事業の種を育てていきたい。そのような活動が出来る仲間を探しに、つながりを広げ、深めていく活動も
したいと思います。ゆくゆくは、それが私の稼ぎになればと思います。
(でも、こんなにたくさんやれるかな・・・)
3、2012年(2年後)の目標
今、お付き合いさせて頂いている新盛自治区で、永住に相応しい土地を購入して、2013年に着手するログハ
ウス(キット)のセルフビルドに向けて、着々と準備を進めている。畑に加え、地元の方の指導の下、米作り
にも挑戦していて、小澤さん、地元の方、豊森メンバーと秋の収穫祭を楽しんでいる。山間部の障がい者課題
を見つけ出し、どのような支援が必要かを、具体的に描けており、その解決に向けて事業化するかの判断をして
いる?
4、豊森みんなへのメッセージ
ともすると風のように過ぎ去りそうな、2年間で出会った豊森の仲間は、皆優秀で、協力的で、心の底から思
いやりがあり、優しい心の持ち主ばかりです。本当に居心地の良い場所です。未来の暮らし2000の活動で
は、非力な私を多方面からバックアップしてくださり、感謝しても仕切れません。
豊森のみんなは、私の心からの親友であり、一生付き合うべき仲間です。第二期も、そしてその先も、引き続
き一緒に活動してゆきたいと思います。これからも、末永いお付き合いを宜しくお願いします!!
こんなに素晴しい友に出会えて、幸せです。みなさん、本当に有難う!!!
21
氏名 : 梶原
雅子 (かじはら まさこ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
開校式から使ってきたMy豊森ノート。久しぶりに見返してみた。枝廣さんの講義から始まり、フィールド
ワークで行った大野瀬町・浦野酒造、公開講座(吉本さん・速水さんetc)、各種先輩インタビュー (西村自然
農園、池野さんetc)・・・書き切れない多くの方々からのメッセージと私自身の感想・変化。
この1年半でよくここまでの方に出会い、お話を聞かせてもらい、色々感じてきたなぁと思う。
(※事務局の皆さま、ほんとに感謝しております!! )
得たもの・学んだものは・・・
●事実
森のこと・木材のこと、食のこと・農地のこと・農業のこと、地域のこと・・・。
何をとっても、無知だった。知ろうともしていなかったのだと思う。この1年半で何が分かったとは到底言
えないけれど、そういった現実・問題があること、それらを今後もっと知っていくきっかけを与えて頂いた。
●仲間
価値観を共有できる仲間。今後何かを始める時にも、迷う時にも、力になり刺激になる仲間。
みなさんから、1人ではなかなか気付かない色々な視点や考え方を教えて頂いた。
●ぶれない芯
リアリティのない無機質で効率重視の都会生活に、ずっとモヤモヤしたものを感じつつも、周囲に流されて
『フツウに』社会のレールに乗っている事がシアワセなのかと思ったり、これまでなんとなく騙し騙しやって
きた。この1年半で具体的な目標が見えた訳ではないが、仲間と出会い色々な話を聞き、ようやくぶれなく
なった。自然の恩恵の中で地に足付いた暮し、様々な価値観を認め合いそれぞれが幸せ・楽しいと思える暮
しを目指していきたいと思う。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
・現在の各PJTの活動をそれぞれ進めること(※詳細は各活動報告参照)
・豊森へも、何らかの形でお手伝いをしていきたい
3、2012年(2年後)の目標
(具体的でないけれど・・・)豊森のつながりや延長での活動をしながら、2足目/3足目のわらじを履いていたい。
(田中優さんの本から)・・・好きなことをはじめ、それを成功させることが辞めることにつながった。はじ
めることが先で、その結果として辞める。 仕事や学校を辞めたからって何かはじめられるわけではない。も
し覚悟というなら、今のままでも始められなければ、本物の覚悟とは言えない。
何かに焦ったりキリをつけがちだけど、ゆっくりでも着実に進みんでいきたい。
4、豊森みんなへのメッセージ
●W-Smile関係者のみなさん:修了どころではありません! 今シーズンもはじまりました!!地元仲間との
スピード感の違い、時間的な制約・・・色々課題はあるけれど、ちょっとずつ進んで行こう!
●MKP関係者のみなさん:途中から足を突っ込むようになり、最後はどっぷりでした(笑)。地域で活動する
こと、地域に入ること、みなさんや地域の方との交わりを通じて、本当に勉強させて頂きました。引き続き
よろしくお願いします!
●その他様々な場面でご一緒させて頂いたみなさま:皆さんとの出会いや活動を通じて、これまでの人生で
も上位に入る、密度の濃いとても充実した時間でした。ありがとうございました!みんなそれぞれ立ち位置
や境遇はバラバラだけど、このつながりを今後も大切にしていきたいです。今後ともよろしくお願いします。
22
氏名 : 中上
嘉文 (なかがみ よしふみ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
・ 社会の様々な問題と、その解決策に対する障壁の多さ、またそれを解決するために力をあわせ、汗をかき
地域の声に聞き入ること
・社会の問題を解決させる様々な会社、またはそれを手がける人々に出会えたこと
・市街地、中山間地に暮らす人々の気持ちや伸びやかさ、たくましさ、洞察力
・「持続可能な社会とは何か」「社会にあふれるエコの真相とは」
・様々な知識や経験がある人が集まり、知恵を出し合い実行することで、社会は変わりうるということ
・☆たくさんの大切な仲間☆
・転職先(持続不能な業界の会社→持続可能を提案できる会社)
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
・現職の仕事内容を深化させ、究める
・現職を続けながら、自らが本当にすべきことは何かを日々問い続け、これと思ったことを実行する
・地域、仕事仲間や豊森の仲間が求めることのうち、環境負荷低減に繋がる内容について積極的に関り、
事情によってそこに注力する
3、2012年(2年後)の目標
・様々な経験、知識を身につけ、これを技術、知恵として活用し、持続可能な社会作りに貢献し続ける
・管理能力を体得する途上(5年後体得の予定)
4、豊森みんなへのメッセージ
キョードー楽しもー♪そしてワをひろげよー
( 協 働 ・ 共 働・響動)
(和・輪・倭・話・環)
23
氏名 : 黒柳
晋平 (くろやなぎ しんぺい)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
私の今までの生活では絶対に関わりを持てない素敵な方々と関われた事は何事にも代えがたいです。皆さん
と共に学び、歩んだ二年間は最高の学びでした。皆さんのおかげで成長出来たし達成出来た(と、思いたい)。
本質的な「豊かな暮らし」には「クラシ」
「カセギ」
「シゴト」この3つの意味や役割が重要。長きに渡り我々
が追い求めていたかつての「豊かさ」は幻で到底行き着く先が無いに等しいと言う事。そう言う事を踏まえ
ての企業とは何か?起業するとはどういう事か?まだまだ学びきれませんが、入り口だけでも見つけた気が
します。
地域で暮らすと言う事やその土地で生きる事、その意味、人々の誇りを感じる事が出来た。その地を踏むと
言う事は大げさに言えば自身の血を受け入れてもらい、その土地に住む人々の血を受け入れる事。先人達の
誇りを汚す事無く自身のモノとするには、対話と汗と心(その他)だと言う事。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
・「豊田の木」
「近山・流域材」のさらなる活用で少しでも日本の山を変えられればと・・。地域材ブランドを
作り、
身近な山と街を繋げる事で双方に深くて濃い広がりを持てるようにする事。山には誇りを。街には
安らぎを。
・木材を使う事で、暮らしの中に自然を感じられる事を訴え、山を身近に感じられる場所を提案して行き
たい。
(子供部屋、学校の保健室、職場の打ち合わせ室などから少しずつでも)
3、2012年(2年後)の目標
・「豊田の木」を作り多くの人に使ってもらう。
・山はダメだと言わない、言われない、言わせない。
4、豊森みんなへのメッセージ
材木屋のハシクレとして何か出来ないか?何が出来るのか?自問自答の日々でした。
この塾に入れば何かが変わると思っていたし、何かを誰かが変えてくれるとも思っていた。でも自分が変
わらなければ誰も変えてくれる事はありません。ココからがスタートです。
こんな風に思えたのは、この2年間があったからだと感じています。
本当にありがとうございます。これからも末長いお付き合いを!
メンバー、関係者各位の皆様。言いっぱなし、投げっぱなし、弱音を吐き批判しまくりの私に耳を傾けてく
れありがとう。またまたこれも末長いお付き合いを!
24
氏名 : 榊
幾代 (さかき いくよ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
特に改めてということはあまりなかったけれど、環境という視点で水や山の大切さを知りました。
自分が長い間思ってきたことが、間違いではないとか
これからの時代に必要なことじゃないかとか勇気をもらいました。
なにより自分が起業するきっかけをくれた塾です。
この塾に参加しなかったら、ずっと豊田で出稼ぎで、ふるさとにも
帰れなかったと思います。背中を押していただいた澁澤さんを始め、
支えて頂いた他の講師、受講生の方に出会えたことを感謝しています。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
いろいろありすぎて書けません。猪突猛進エンジン全開しすぎないようにしたいです。
3、2012年(2年後)の目標
地域資源を活用した事業を志の同じ仲間とやっている。
イーハトーブの直売所でかもめ食堂のようにおいしいものをつくって売っている。
家族がみんな健康で普通に平和に暮らしている。
4、豊森みんなへのメッセージ
なにかを本気でやり始めるまでは、たじろぎ、迷いがあります。そして、常に非効率的です。何かはじめた
り創造しようとする時は、一つの基本的な真理があります。それは人が心のそこから決心する時、神の力が
動き出すということです。起こるはずがないようなことが、あなたを助けるためにいろいろと起こってきま
す。決心したときから、すべてが大きな流れとなって動き出し、思ってもみなかったような出会いや事件や
物的援助があなたのために起こってくるのです。
(スコットランドのヒマラヤ遠征隊の言葉)
わたしはこのことを実感しています。福岡に帰るときは昔の生産者仲間しか、人脈はありませんでした。と
ても不安でした。けれども、何事にも真剣にとりくめば助けてくれる人があらわれます。
豊森で年長者の私でもこんななんだから、もっと若い人たちは何度でもやりなおせるはずです。
失敗を恐れないでください。
25
氏名 : 櫻井
徹 (さくらい とおる)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
・ 見守ってくれる人がいることのあたたかさ 心強さ
・ 共に行動することで引き出された「ずく」。相手の考え・気持ちを汲み取ろうとする気持ち
・ 出逢い:幼い頃、あたりまえだと思っていた暮らしの意味。里山と暮らしを「結いなおす」ためのたくさ
んのアプローチ。世代のちがいを超えた共感
・ これから:人との関わりを大切にする生き方への希望
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
・「結い」とはなんだろう?を常に中核に据えながら活動を考えていくこと
・ PJTの活動から得られた財産を生かしていくこと
・ 塾でいただいた人との関わりを限りなく大切にすること
「稼ぎ」の場で進行中の事業完遂
「段丘林」整備・活用の実現に向けて、さらに「人と出逢い、話すこと」
「丹羽山」「MKP里山部門」の継続活動への協力・援助
「総合的な学習」のあり方を検討しなおし、具体的な活動を再組織・実践すること
・ 自分・仲間の取り組みの情報発信・フィードバックへの取り組みを実現すること
3、2012年(2年後)の目標
・赴任校で2年目。1年目に得られた地域に関するノウハウに基づいた(豊森的)課題設定をしている。
・ 仕事のみに左右されない自分の「(豊森的)くらし」を形づくり始めている。
・「豊森」1期生の取り組みに、未だに方々かけずり回って関わっている。
・ 南信州のくらしのよさを(ホラではなく)説いてまわる伝道師(候補)となっている。
・ 最低1ヶ月に1回は、今まで逢ったことのない人と話をしている。
4、豊森みんなへのメッセージ
・ みなさんと出逢えてよかった。
・ だいぶくたびれてたわたしに、たくさんの「結い」をありがとう。
・ SUBARUのハコバンは、どこへでも出向きます。
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氏名 : 塩崎
誠 (しおざき まこと)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
中山間地域が想像を遥かに超えて疲弊している現状を学びました。
里山再生がいかに重要であるか、その為にはどうしたらいいかについて非常に考えさせられました。これま
での自分の考えでは自然豊かな里山でのんびり暮らすイメージでしたが、そんなことを言っている場合では
ない!と気がつきました。
里山を再生する為には、そこ(里山)で暮らしが成り立つことが重要だということを学びました。
そのためには、里山で収入が得られ、経済的に自立できる必要があり、そのために何をすべきかを考えてき
ました。簡単には答えが出ませんが、これからも考え続けて生きたいと思います。
豊森で学んで、本当にすばらしい講師の先生方、仲間に出会いました。この出会いだけでもこれまでの人生
では得られない素晴らしいものでした。今後もこのつながりを大切にしていきたいと思います。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
綿栽培を続け、試作品作成に必要な量を収穫する。収穫した綿を原料に製品を作成する。将来的には、里山
で綿が栽培され、国産オーガニックコットンによるリーズナブルな製品が生産され、消費者に喜ばれてい
るようになれば良いと思います。またその生産は障がい者、健常者の垣根のないバリアフリーであってほ
しいと考えています。
またそのような商品が消費者の理解を得られるような活動を考えて行きたいと思います。
3、2012年(2年後)の目標
自分たちで収穫したワタを原料に、製品を作る。そのプロセスを体験し、共有することで
仲間を増やし、次への道を模索する。
4、豊森みんなへのメッセージ
三本の矢ではありませんが、豊森的取り組みは、まだまだこれからで、一人ではとても成しえないと思い
ます。卒塾しても、つながりを大切にして、協力しあいながら成果を出せたらよいなと思います。豊森は
まだまだこれからが本番です。
よろしくお願いします。
27
氏名 : 菅沼倫世 (すがぬま みちよ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
講座・フィールドワークを通して、地域、人口、お金、林業、農など様々な切り口で、私たちを取り巻く現
状と自分の生活を見つめなおすことが出来る良いきっかけとなりました。また、「聞き書き」、「地元学」など
に少しでも触れられたことで、内側からの視点を少しでも感じられたことがよかったです。
講座のたび、豊田市にある色々な施設や中山間地に足を運ぶことで、豊田市の持つ魅力に気づき、親しみが
湧き、豊田がとても好きになりました。
「足を運ぶ」ことが心の垣根を低くすることだなあと実感として感じ
ています。
また、豊森なりわい塾でつながった人脈はこれからも広がっていく可能性を持つ宝物だなあと思います。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
① 人生のパートナー探し&結婚&子育て、自分育ち
② 保育の仕事
③「里山・暮らしの保育」を目指し、中山間地への移住も視野に入れつつ、山・田・畑・森での遊び・学び。
仕事と両立できる範囲での森の保育の活動。
3、2012年(2年後)の目標
① 人生のパートナーがいること!
② 公的保育の枠組みの中で、自分自身が納得いくような保育が少しは出来るようになっていること
③ 森の保育で活かせそうな知識や技術、ネタが増えていること
4、豊森みんなへのメッセージ
あっという間の、そして人生の荒波にもまれ変化に富んだ1年半でした。
豊森がなかったら、私は豊田に来ることもなかったかもしれません。また、もし来たとしても、知人・友人
がいなくて寂しかったでしょうし、全く違う視点でこの地域を見ていたでしょう。
みなさんとのご縁が宝物!
この1年半、月に一度の講座で貪欲に学ぶ姿や意欲的に取り組む皆さんの情熱に、とても刺激を受けました。
また人生・恋愛・結婚など色々な話ができたこと、とても感謝しています。
私は、ゆっくりとですが、これからも「里山・暮らしの保育」に向けて進んでいきます。
これからもよろしくお願いします!
28
氏名 : 杉浦
剛一 (すぎうら こういち)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
・自然の尊さ・畑での野菜づくり・米づくりの大変さ
・日本の山の現状・田畑の獣害・里山の荒廃
・自然農・きらめ樹・エネルギーの事など表面化している事について、知らなかった事を、たくさん学ぶ事
が出来た。又、今までの生活では、出会う事の無かった多くの人と繁がる事が出来た。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
建築にかかわる仕事で、山の(森の)再生を行いたい。
NPO森の蘚りが推める「きらめ樹」による創林と加工商品の製作・販売を行う「きらめ樹工房」の立上げ。
「きらめ樹林」を使った、住まいの提供、及び田舎での暮らしを始めたい人達への住環境の提案。
3、2012年(2年後)の目標
田舎での暮らし(表現が好きではないが)を目指す人達のサポーターとして、住む事だけにとどまらず、
生活のスタイル全般をコーディネイト出来る様な自分になっていたいと思う。自給自然農もやれるかな?
4、豊森みんなへのメッセージ
講師の先生、事務局の皆様、そして共に学んだ塾生の皆様、又、この学び場に通じて出会う事が出来た皆様。
どこまでやれるか分かりませんが、私はやりますよ〜。
多分・・・ね。
29
氏名 : 鈴木
実句 (すずき みく)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
講座・PJT活動ともに全て新鮮で得るものばかりでしたが、
なかでも、稲武のちづるおばあさんに聞き書きさせて頂いたのが非常に衝撃的でした。
赤裸々に話してくださり、他者の人生をのぞいてしまった衝撃は凄まじいものでした。
当たり前のことですが、一人一人の人生はとっても重いもの。
その積み重ねが土となり水となり風となり・・今につながっているんだと意識するようになりました。
僕の人生の中でターニングポイントだったような気もします。
心で感じ頭で考え体で覚えて、丁寧に生きていきたい、と強く思うようになりました。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
山守PJTの活動、めちゃめちゃ楽しいです。試行錯誤しながら、小規模林家さんを応援する仕組みづくり
を継続していきたいです。
事業性を高めるように活動を広げていきたいですが、まずは勉強です!!
平日も週末も山漬けの人生を送りたいですね!!
3、2012年(2年後)の目標
・一人前の山の男に少しでも近づいていたいです。
まずは、山を見て『ぱっ』とアドバイスできるようになりたいですね。
・たくさんの山主さんから、信頼される人間になりたい。
『ひとりひとり』の積み重ねです。
・【くらし-稼ぎ-しごと】について、自分の理想像をきちんともっていたいですね。
基本的には、今の人生の延長線上でいいんじゃないかな、とも思っています。満足屋です。
あと、奥さん・子供・山がほしい!! 2年後は27歳ですから、そろそろ本気。
4、豊森みんなへのメッセージ
一年半は本当にあっという間で、まだまだ皆さんとお話したいことばかりです。卒塾とはいいますが、カリ
キュラムが終わっただけですよね?これからが僕たちのスタートだと思います。末永くよろしくお願いし
ます。それぞれの得意分野で、皆さんが自分らしく活動できますように!!
もりもり
事務局・講師のみなさまも含め、感謝の気持ちが森森です。本当に、ありがとうございました!!
30
氏名 : 竹内
尚人 (たけうち なおと)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
一番の大きい学びは、“生き方は一つじゃない”ということ。
豊森を通して、街の暮らし里山の暮らしと各自が自分にあった方法で楽しく暮らしているという事実を理解
することができました。
“自分には里山の暮らしがあっている”、“里山の暮らしをしたい”と強く思うことが
できたことも、豊森なりわい塾を通して学べたことなのかと思います。
得たものは、何といっても仲間です。とっても素晴らしい仲間を得ることができました。志を共有できる人
達との出会いにより、生活が豊かになりました。これからもこの関係を続けていきたいと思います。次に得
た大きなものは“地域の人とのつながり”です。以前は車で素通りしていた里山に知り合いの人がいるとい
うことが、うれしいです。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
林業をベースに里山地域に入っていきたいです。豊森なりわい塾で始めた山守PRJにて、林業の技術を
卒塾後にさらにレベルアップさせ、林業のセミプロになりたいと考えています。目指すは兼業林家です!
2011年4月から林業に関連した環境技術の研究者になるために、次のステップへ進むことを計画してい
ます。
豊森1期生の繋がりを大事にして、来年以降も米つくり野菜つくりに挑戦したい!
3、2012年(2年後)の目標
プロの研究者として仕事を始めている。
結婚して、中山間地域に家を建てて住んでいる。
自分の食べる食品はほとんど自給または、地域から購入する。
兼業林家デビューしている。
4、豊森みんなへのメッセージ
皆さんに出会えて、生活が豊かになりました。
これからも一緒に里山で遊んでください!
これからもみんなでキャンプしたり飲みに行ったりしましょう!
31
氏名 : 竹尾
博史 (たけお ひろし)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
◇ 1年と8カ月、長いようで短い期間でした。この間では結果を出せませんでしたが、なにより塾生・スタッ
フ・講師のみなさんと出会えた事に感謝です。この出会いから学んだことは「人との交流と繋がりの大切
さ」だと思っています。ボランティアにしろ、同好会にしろ、起業にしろ、一人じゃ何も出来ませんもんね。
◇ 山間地・田舎には、何も無いから何かを持ちこまないといけないと思い込んでいましたが、大きな間違い
で大事な視点が欠如している事を学びました。
それは吉本哲郎氏や山田桂一郎氏の講演であった「あるもの探し」という視点です。
これが欠如していると都市近郊の再開発にあるような「ここって前何があったっけ?」てな地域になって
しまうんではないかと思います。
◇ 豊森的なりわいを立てるには、現代版「百姓」になり多業で稼ぐ。
一つの事にとらわれず、稼ぎのチャンネルはいくつか持っておく事、あれもこれもやりたい自分にとって
は共感でき、一つにしがみつかないところがニュートラルで気持的に楽だと思いました。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
◇ まずは仲間である豊森のみんなをはじめ、豊森内外でお知り合いになれた地域の方や講師の方々との交
流を継続しさらに深めながら繋がっていきたい。
◇ 田舎暮らし応援隊PJTでの竹資源の研究と山守PJTでの特用林産物(きのこと山菜)の試行栽培と販路
つくり。
◇ 豊田市産の野菜を使った真空パックサラダの商品化(出来ればオーガニック)。
◇ 仮称農家カフェに適した空き家探しを継続。見つかればそこであるもの探しをしながら次のステップへ。
3、2012年(2年後)の目標
◇ 卒塾後に取り組む事などで年収の2割以上は利益を生み出したい。
◇ 豊森二期生となりわいコラボをしていたい。
◇ 現代版百姓たるべく生活術の習得に日々精進している。
◇ サラリーマンを卒業する(あっ ・・・違う中退か?)。
4、豊森みんなへのメッセージ
◇ 一期生のカリキュラムは終わりですが、せっかくこれまで培ってきたものを無にするなんて事出来ません。
また新しいスタートなのでこれからも仲良くしてください。
今まであまり話ができなかった人とも話しがしたいです。
今は分野が違うメンバーでも、この先コラボする事があるやもしれませんよ。
公私ともによろしく。
32
氏名 : 高井
裕子 (旧性:武田)(たかい ゆうこ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
今までは、「これもやりたい、あれもやりたい」「ではどうやったらいいのか」「実際にできるのか」と手探り
状態でしたが、なりわい塾で学び、結婚、出産と人生の一大イベントを経験し、将来に向けてのベースライ
ンがはっきりしてきました。
「持続可能な社会をデザインで伝える」と最初のホームワークでは書いていましたが、まずは自分が気持ちの
いい暮らしをすることが大事だなと思います。
今住んでいる各務原は近い将来引っ越し、主人の実家のある岐阜県川辺町が私の入って行く地域になります。
地域の人との付き合いを大切に、その上で、なりわいをどうしていくか、子育てをしながら、下記のことを
できるように、今後過ごしていきたいと思います。
豊森をきっかけに、山里文化研究所の聞き書き講座にも参加したり、そこで出会いがあったりと、なりわい塾
の中以外でも得るものがありました。そんな風に、つながりを広げていけるきっかけも沢山いただきました。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
<おばあちゃんの暮らし たからものBOOKの制作>
飛騨河合町に住む祖母の普段の何気ない暮らしぶりをリサーチ。
聞き書きと共に、レシピや暮らしのアイデアを記録した冊子を作ります。
吉本さんの、「あるもの探し」をヒントに、写真やイラストを交えて作成。
「間所静子(祖母の名前デス)の暮らし」とサブタイトルがつくような、家族にとっては宝物となり得る冊子
を作りたいと思います。
リサーチに慣れ、デザインをフォーマット化し、頼まれたら有償で制作できるようになりたいなぁ。
と思っています。
<楽しく生きるための 子供造形教室>
これからの日本がどんな状況になろうと、これさえ知っていれば生きていける。という内容のプログラムを
盛り込んだ、造形教室を開きたいです。
大げさなコンセプトですが、実際は「食べられる植物は?」とか、
「昔の人の道具」とか「梅干しのつくり方」
とか、暮らしに密着したことを、ものづくり、アートと結びつけ、親子で学べる場を作りたいです。
自分の娘に伝えていきたいこと、一緒に楽しみたい事を盛り込んでいきたいです。
3、2012年(2年後)の目標
2年後は、子育て真っ最中なので、娘を立派に育てる事、
「たからものBOOK vol.1」ができていることが目標。
4、豊森みんなへのメッセージ
出産に伴い、後半はほとんど参加できずに残念でしたが、かけがえのない「娘」という存在に出会えて、今
はこの子がいるだけで幸せ状態です。
皆さんに出会えて、強い想いを持った、いろんな年齢層の方とお話ができて、自分の未熟さを実感したり、
影響を受けたりしました。次に引っ越す時は、夢のマイホーム★を建てる時になると思います。その時はぜ
ひ、建物関係の塾生の方々に色々教えていただきたいな〜と思っていますので、よろしくお願いします☆
卒塾が最後ではなく、これからも情報交換や、専門分野のお力をお借りできると嬉しいです。
長いようで短かったですが、スタッフの方々も含め、皆さん本当にありがとうございました。
33
氏名 : 冨田
陽子 (とみた ようこ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
○得たものは素敵な、仲間。自分の思いを話せる仲間、協力してくれる仲間、
普段はなかなか話すことのない、違う職種、違う世代の仲間。仲間の仲間、
足助のおばあちゃん。
○普段経験できない、貴重な体験を豊森で経験したこと。
・おばあちゃんに聞き書き、鶏、猪の解体、米作り、自分のことをとことん考えるワークショップなど、 自分をパワーアップさせてくれるものを沢山得ました。
○暮らし、稼ぎ、仕事(お金)これについてはとことん考えさせられた。
○聞き書きで伺った昔の生活、おばあちゃんの歴史、おじいちゃんの苦しみは衝撃だった。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
○丹羽山をイベントという形でなく、丹羽さんを中心とした地元の方主体で、手入れ+活動していけるよう
サポートしたい。
(春には、ウッドデッキを完成させ、花見をする。)また、丹羽山に近接したところも広げ
ていきたい。
○雄竹び隊をつくる
(里山に侵入している竹の活用の可能性を探る。新たな竹試作品+使用量が多い竹利用を考える)
⇒石野地区雑木林に侵入している竹活用。
○炭焼きをしたい
○いつでも誰でも寝泊まりできる豊森ハウスを足助周辺に作りたい。
(作ってほしい)
○情報発信、活動を伝える努力する
3、2012年(2年後)の目標
○新しいステージ(違う職場、違う生活環境、違う。。。など)で、森林に関わる仕事をしていたい。
○結いPJTで、目標とし、活動していることが、継続されていたり、違う場所でもやったり、なりわいと なるよう活動していたい。
○今以上に自分で、作れるものを増やしていきたい。
( 畑の継続、お米や麦、ビルベリー苗を結実させる、
保存食加工食、子供など)
4、豊森みんなへのメッセージ
○雄竹び隊(竹でなんでも作ってみる)メンバー募集!!
○乙女の会またやろう!(乙女に限らず・・・)
○初めは、三重から二時間かけて豊田に二年間も通えるか、かなり不安でした。
でも魅力あふれる楽しいメンバーがいたからこそ、素敵なイベントを企画してくれるからこそ、
ほぼ休まず、講座に参加、PJTで活動できました。
東海に、知り合いもいなくて心細かったけれど、皆さんに出会って、本当に充実した2年間を過ごせま
した。感謝です、ありがとう。
泊めてくれたみんな、ありがとう、これからも泊まらせてね。
34
氏名 : 丹羽
豊 (にわ ゆたか)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
豊森なりわい塾で一番学んだことは、各地域のたくさんの取り組みとそれに関わる人の想いや行動力をとて
も学びました。自分の住んでいる地域しか知らない私にとって、他の地域で実際に住んでいる方からお話を
聞くこと、取り組みを学ぶことは、地元と比較したり、問題解決へのヒントになりました。やはり、そこに
住む人が真剣に地域のことを考え、行動している地域は、少しづつ変化し、関わる人も多くなっています。
関わる人が多くなればなるほど、地域が動いていくことを実感しました。
得たものは、間違いなく『人と人の繋がり』です。受講生との繋がり、講師・スタッフとの繋がり、講座で
お世話になった方との繋がり。この2年でとてもたくさんの関わり、また家族や地元友人と豊森ともたくさ
んの繋がりができました。繋がりができたことで、私だけでなくて家族や友人も豊森を受講してるような2
年間でした。間伐体験では山の役割や手入れの仕方を学び、森の保育園では自然の中で遊ぶ子供の見たこと
の無いほどの楽しそうな笑顔を見ることができ、豊森関係者と触合う事での現在の地元と向き合う時間など
など、たくさんの体験を自分の周りの人たちと共有でき、学ぶことができたと思います。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
豊森の志望動機で書いた『生産者と消費者とのつなぎ役』になることを実現させます。豊森でいろいろなこ
とを学べば学ぶほど、地元での行動が必要だと感じました。また、豊森受講期間に地元でたくさんの人と話
し合ってきたことを行動に移して行きたいです。
豊森中に、丹羽山の間伐やウッドデッキ作りを進めてきたので、引き続き大人も子供も遊べる山作りを進め
て行きたいです。たのしく山で遊ぶ中でも、地元の山の大切さや役割について、学ぶ場を作っていきたいと
思います。
3、2012年(2年後)の目標
①仕事の拠点を名古屋から地元に移し、海津市の農産物を扱う事業もしくは団体の運営をしている。
②休耕地を利用して、みかん以外の果樹を栽培している。
③地元の子供達のために、自然と触れ合う場を作っている。
4、豊森みんなへのメッセージ
この二年間、ホントいろいろとありがとうございました!!毎月の講座もさることながら、丹羽山間伐、
南濃みかんの収穫や販売、ウッドデッキ作り&森の保育園などなど、みなさんの助けがあったからこそ実現
ができたことばかりで、とても充実した経験をさせて頂きました。私だけでなく両親や地元の友達にとって
も皆さんとお会いできてとても良かったと聞いています。ここで改めて感謝を申し上げます。本当にありが
とうございました。
今後は、豊森で学んだことを生かして、地元で活動して行っていきますが、まだまだ皆さんの助けが絶対に
必要になってくると思います。その際には、今までと変わらぬご協力をお願いいたします。私も、必要あら
ば何処へでも飛んでいきます!!これからも、ずっと繋がっていきましょう!!
35
氏名 : 福應
佳恵 (ふくおう よしえ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
仲間
田舎に入るということ
長いスパンで物事を考えること
仕事、稼ぎ、暮らしという分野分け
多業、小さな仕事を複数やる
右肩上がりの経済成長を目指す社会から均衡経済を目指す社会へ
片手にロマン、片手にそろばん
印象に残ったことやものを挙げてみました。
豊森に入る前は漠然と社会に対して違和感を覚えていました。なんか違うぞって。入塾するとそれが何に対
して、どんな風にかが具体的にわかるようになってきました。そうすると今後どうやって、どういう考えを
もって暮らしていくのかが見えてきました。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
もちろん、木工ふくなりをやっていきます。ふくなりについては今は少しずつ針葉樹の家具や生木の家具な
どを勉強して作って、学ぶ時期です。それを今後はもっと深めて、自分の中で消化していく段階に入りたい
です。そうしているうちにもしかしたらやっぱり難しいなあと思うかもしれませんが、そういった経験も
必要なのでそこにたどり着くまでは取り組んでいこうと思います。家具を通して木や山を見ていきたいです。
ふくなりのこと以外では、少しずつ田舎ならではの知恵をつけること。日常にある美しさや、幸せなどを見
つける目と心をもつことをしていきたいです。
3、2012年(2年後)の目標
いま、毎日あれやって、これやってともがいています。それをし続けていること。
ま、いっか、などと思わずに。その結果、家具屋を続けていること。
4、豊森みんなへのメッセージ
同じ方向を向いている仲間として、今後も刺激を与えてほしいです。
36
氏名 : 松原
孝史 (まつばら たかし)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
一番の成果は、良い仲間と良い先生に巡り会えたこと、一生掛かっても巡り会えない人達との出会いが私の
これからの人生に取っての宝物と言えます。
もう一つは、今までの考え方を、根底から覆された事、長い間に染みついた自己中心的な、独りよがりな
経済感や手法がこのままでは通用しない事を思い知らされた。
農とは自分の食べる物を自分で作る技(業ではない)で、40年ぶりに田畑に入り、人と土とは切り離せな
い事が解った。
これからは、漫然と生きる事無く目標を持って生きることが出来る。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
田舎暮らし応援隊の活動を形にして行く、今、自分に出来ることから、応援隊として、より高度なスキルを
身につけて、それを他人に伝えられる様ワークショップ等始める。
先ずは、竹資源の活用(放置竹林の管理)について研究を始め、出来れば、豊森1期生内に竹資源グループ
を組織して地域の皆さんと活動を始める。
住まいは別にしても先ずは拠点を確保する
空き家管理代行サービスが始められる様努力する
3、2012年(2年後)の目標
二期生の卒塾までには、土地・建物の問題を解決したい。宅地分譲・建物分譲に成るか解らないが、山林付き・
耕作地付きの豊森的な開発を展開したい。
山好きを募って山林トラストを作り自由に入れる山を提供して行きたい。
4、豊森みんなへのメッセージ
とにかく、ありがとう!皆さんのおかげで2年間やってこられました。
卒塾しても、みんなで集まって楽しく飲もう・キャンプをやろう。
困ったことや課題は協力しあって解決して行こう。
37
氏名 : 松本
真奈美 (まつもと まなみ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
私が一番印象に残ったことは、地元のおばあちゃんに聞き書きを行ったこと。
生の声が、そのままその人の生き様を表し、おじいちゃんやおばあちゃんの人柄、生活形態、苦労話から
笑顔あふれる話など、時代の移り変わりで変化していく様が解る。それをまとめた文集は胸がわくわくする
ほど面白いものになっていると思いました。
それと同時に、地元の人達とのコミュニケーションの必要さを、本当に腹の底から感じました。それは、そ
こに生きる人達を単に知るということではなく、そこの土地に生きて来た人達の生き様を認めることだと知
りました。
地域を活性化したい、地域を盛り上げたい、田舎で生活したいと思って学び始めましたが、実は「自分の
地域に関わる姿勢」が間違っていたことに気づかされました。この気づきはとても重要で、この豊森なりわ
い塾で地元との関わりを学ばなければ知ることが出来なかったと思います。私にはとても貴重な体験に
なりました。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
現在、田舎発見隊「やろまいか」という任意団体を立ち上げていますが、実は地域プロデューサーを目指す
メンバーの集まりで、田舎を活性化させたいとの思いで活動を始めました。そして古民家を再生して地域に
役立つ場所にしたいと計画を立てたのですが、その計画に自己満足し、その計画に賛同して頂ける方法を
模索していました。
しかし、全く方向が間違っていました。今一度メンバーの意識を元に戻して活動の基盤を固めたいと思い
ます。そして折角ご縁があって関わることが出来た地域の皆さんに、少しでも認めて頂ける団体になりたい
と思います。
3、2012年(2年後)の目標
現在は週末農業をしていますが、それを逆転して、田舎に居住を構え、都会へ出稼ぎに行く生活に切り換え、
自然農を中心にした自給自足の生活をしている。
自然農を試みたい人達と無肥料、無農薬で野菜を作る活動をしている。そして、地域の求める地域の人の為
の活性化を考え、都会と田舎を繋ぐ活動を始めている。
4、豊森みんなへのメッセージ
古民家再生に気を取られ、足元が見えなくなっていました。もともと「なぜ?」田舎に気持ちが向いてきた
のか、
「なぜ?」嫌いだった農業を始めたいと思ったのか、それを再度見直して計画を練りたいと思っています。
そして、ここで関わりを持ってくださった皆さんのお力を、今後もお借りしたいと思っています。
そこで、提案です。年に1度、豊森合宿をしませんか?日々個人間での交流は勿論継続して行くと思います
が、年に1回?2回?・・・泊まりで語り明かす(う~飲み明かすが正しいのかな?)なんていうのはいか
がでしょうか?私は若い皆さんの「活動エキス」を頂きに参ります。キャンプも良いですよね~。
今後もよろしくお願いしますヽ (*´∀`*)ノ
38
氏名 : 村野
政章 (むらの まさあき)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
・理想と現実を踏まえ目的意識を持つことの大切さ
・過去の事例と現在の実態調査から未来を推測すること
・成果を出す為のチームワークの大切さ
・リーダーシップ(他の協力や支援を得る)ことの大切さ
・仲間や家族の支援と理解の偉大さ
・持続可能性のある新技術情報と活用法
・多様な人生観・仕事観・価値観
・脈々と受け継がれる、先人たちの逞しい生き方や智慧の素晴らしさ(絆・結・紡)
・豊森なりわい塾を通じて出会った塾生、スタッフ、講師ご縁ある方々に感謝デス
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
○農事業部門
・自然農法、有機循環農業技術の確立と優良作物づくり
・遊休農地や耕作放棄地を活用した営農事業(市民農園・畜産・エコツーリズム事業)
・加工食品販売や6次産業で稼ぐ農事業、持続可能な経済を重要視
○森林事業部門
・第一産業農林事業の雇用創出と未来の人材育成事業を考察する研究会発足
・活動フィールド農地近隣の森林保全と再生実験事業
○社会福祉事業部門
・山村と農業と障がい者とのコラボによる持続可能な事業の社会実験と地域おこし
・山村と農業と多文化共生(国際交流)による社会実験事業と地域おこし
3、2012年(2年後)の目標
地域資源を生かした自然資本主義を基本ベースに衣(医)食住・エネルギーを自給&供給できる
存在する誰もが平等で公平であり、共生し助け合う相互扶助精神を大切にする
心身共に笑顔で暮らせる、健康で持続可能な地域モデルコミュニティづくり事業の構築
4、豊森みんなへのメッセージ
新たな出会いと共に同じ釜の飯を食った約2年間・・・入塾前に会社を退社し飛び降りて、人生の中で挑戦
の連続でした。このような機会に恵まれ、皆様と可能性への実験的な実践が出来た事、人生を共有できたこ
とは、私にとってかけがえのない価値ある時間でした。心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございます!!そしてこれからも変わらぬお付き合いを宜しくお願いします。
人生は一度きりですから、お互いに無限の可能性へチャレンジしてゆきましょう。
「お金を失う人は、小さく失う。名誉を失う人は、大きく失う。勇気を失う人は、全て失う!!」
~ 財を残すは下なり 事業を残すは中なり 人を残すは上の上なり
されど財なさずんば 事業保ち難く 人育ちがたし ~
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氏名 : 森
大顕 (もり ひろあき)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
・プロジェクトワークで、山下さん、杉浦さん、黒柳さんと議論を行ったり、現場を見に行ったりすること
で、林業、製材業、木材流通業の現状や、それぞれの現実の姿が見えてきて、現場感覚が磨かれたと思い
ます。
・豊森に関わるプロジェクトメンバー、受講生、講師の方々、事務局の方々とのつながりができたことは大
きな財産と考えます。何か自分でいいアイデアができた際にすぐに、話を持っていける仲間が増えたこと
は本当に大きな財産と思います。
・私は、講座期間中に転職をしました。NPO法人地域再生機構で、駒宮さん、平野さんをはじめとして信頼
できる方々と、自分の強みを活かし、地域に貢献でき、常に刺激があり自分を成長させられる職場を得た
ことは、最も大きなものと言えると思います。また、その職場の業務を通じて得られた地域の方々とのつ
ながりや仕事に喜んでいただける機会を得たことには、本当に感謝しています。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
・最後の最後になって、源森家プロジェクトとしての方向性が見え、やっと動くことができる段階になった
と感じています。
「豊田の森の木」、「安城市の市民講座」ともに、継続して山下さん、黒柳さんと協議して、
実現できるように進めていきたいと考えています。
・NPO法人地域再生機構の職員として、小水力発電と木質バイオマスについて政策提言や計画策定から、実
際の導入に至るまですべてこなすことのできる持続可能な地域づくりの支援者となるよう、業務を行って
いきたい。
・地域づくりの視点として、地域福祉やコミュニティケアについて可能性を感じています。特に「浦賀べて
るの家」や足助の「バーバラハウスやZIZI工房」、「木の駅」など福祉と産業が一体になったものを調べた
いと思っています。その際の事業主体としてのお寺の可能性にも、自己の出自から気になっています。
・自分が入ることができる地域を探し、そこで地域づくりにかかわりながら、自分の暮らしの場を作りたい。
その地域では、林業、製材、木工、木質バイオマス利用など木の産業だけでなく、森や木に関連して保育
や高齢者福祉など多様な事業が生まれ、森の恵みで生きていけるような地域づくりに関わりたい。
3、2012年(2年後)の目標
・「豊田の森の木」と「安城市の市民講座」が事業として継続していること。
・自分が住みながら地域づくりに関われる地域を見つけて、二地域居住を始め、起業の芽を見つけること。
・地域再生機構の職員として常勤で働いていること、常勤で働ける状況を自分で作れること。
4、豊森みんなへのメッセージ
・このような学びとつながりの機会を与えていただきました豊森のみんなに、感謝してもしきれない思い
です。これからは、ここで得たつながりを大切にして、少しでも恩返しできるようにしたいです。2年間、
ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
40
氏名 : 森川
道也 (もりかわ みちや)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
講師、スタッフ、受講生、皆さんに会えたことが良かったと思う。
針葉樹や生木の家具を形にできた。
それに伴ってすこしづつ知識もついた。
講座でとくに印象的だったのが安藤久氏さんの森林相談会。
こんな熱い人がいるんだと驚きました。
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
誰かの暮らしが家具によって心地良くなってもらえるよう、暮らしのこと、木のこと、家具のこと
このことをもっと深くしていく。
針葉樹や生木の家具をすこしづつでも広めていく。
今回出来なかった木の染色も実現していく。
柿渋や漆も使っていく。
木のこと、山のことをもっと知って伝えていきたい。
3、2012年(2年後)の目標
木工ふくなりを素敵な家具屋にしたい。
楽しく生活する。
無理しすぎない程度に一つ一つ大事に仕事をする。
4、豊森みんなへのメッセージ
とても多くの刺激を頂きました。
今後は皆さんに刺激をあたえれる人になりたいです。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
41
氏名 : 矢澤
由紀子 (やざわ ゆきこ)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
豊森に入らなければ、私の大志は生まれなかったと、断言できます。
私にとっては座学もフィールドスタディも全てがこれからの生活に必要不可欠の学びだったと思っています。
豊森は手とり足とり指導してくれません、いつも時間がぜんぜんないんですから。それどころか私がやろう
としている衣の分野のカリキュラムすらありませんでした。食と住のカリキュラムはあってもね。でも私が
最も豊森を享受したと思っています。なぜか。それは個別具体的なレッスンではなく、常に普遍的でエッセ
ンシャルなテーマについて考える機会を与えてくれたから。手とり足とりよりは、受け取るものの大きさが
違います。起業塾じゃないですからね。
でも一番はやっぱり仲間でしょう。感無量ですよ。先生方、スタッフ、受講生。月並みだけど、みんながい
なければ今の私はありえなかった。何をどうしてくれたわけではなかったとしても、なんだか心強いといい
ますか。
とにかく豊森という土壌がなければ今の私はありえなかった!
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
私のライフワークは養蚕と絹織物の文化を守り伝えることです。清らかな風と水に恵まれた新城という土地
を生かし、新たな三河の絹を作りだすのが私の夢です。その新しい絹は、人々の生活の中で役に立つ布でな
ければなりません。3代までしっかり使えるような丈夫だけれど優しい絹です。人々が忘れてしまったそう
いう糸を作るお蚕を探し出して再び蘇らせたいと思います。
10年20年ぐらい先になってしまうかもしれませんが、絶対に可能だと信じています。そうなったら、糸の
仕事が少しずつ増えてきて、昔のように結のあるコミュニティができてくるんじゃないかな、と、そんな世
界を夢見ています。いえ、夢で終わらせないつもりです。
3、2012年(2年後)の目標
①技術は未熟でも、とりあえず一人でも養蚕ができるようになっていること
②座繰りでとりあえず糸が引けるようになっていること
③工芸展に着尺作品が入選していること
④地域の方たちと共同で何かを制作するか、定期的なワークショップのようなものを開くとか、何か地域を
巻き込んだ形での活動をしている
⑤日本中の天然繊維によるモノづくりをしている人たちとのネットワークが構築されている
4、豊森みんなへのメッセージ
少し遠いけど、みなさんをお招きできるような住処に晴れて4月から移り住むことになったので是非遊びに
きてください。ていうか、ついでにいろいろ手伝わされることは覚悟してきてくださいね(ニヤリ)。来年は
さっそく山の木を切り出して蚕室になる小屋を作る予定です=人手が必要です。
一期二期スタッフ、あてにしてます。ついでにバーベキューとかできるようなデッキとかも作っちゃえばい
いと思います。で、飲み食いしてって下さい。今度の家は、機織りや糸繰り、草木染めができるような工房
をつくるので、興味のある人は見に来てくださいね。
42
氏名 : 安江
卓芝 (やすえ たかし)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
現在失われつつある人と人との繋がりの大切さ
自然の恵みのすばらしさと守っていくことの難しさ
よい人達とのめぐりあい 人生の良き相談相手との巡り合い
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
1.豊森プロジェクト田舎暮らし応援隊の活動
2.地元で自然農法を実践している『農楽友の会』の活動と市民参加の活動
自然農の体験施設の拡大や上映会の実施
3.いなかで木製品、特産物、農産物、田舎暮らし商品及び建築で生計をたてている人の販売協力
(西野工房(漆器)、山の家(薪ストーブ・トレーラーハウス、つづや工房(木製家具))
4.田舎で暮らす事を考えている人達のための土地、家の紹介(不動産仲介業)
5.里山交流センターの計画及び開発(美濃加茂市蜂屋地区?、元農協OB寺田氏と連携)
6.自給型(水道・電気・冷暖房)山小屋の開発
3、2012年(2年後)の目標
美濃加茂市及び加茂郡内で農地を取得し自然農による稲及び野菜の生産(とりあえず自給分)
田舎暮らしの為の別荘地の仲介物件を10件程度成約する。
豊田市山間部(旧小原村・足助町に活動拠点を作る)
里山交流センターの拠点地をつくる
4、豊森みんなへのメッセージ
最近は職場が地元中心になり夜の時間が少し自由に使えるようにまりました。これから聞き書きや、ワーク
ショップを皆さんが企画したときはメールでも送ってください。
キャンプを企画したときは必ず声を掛けてください。テントの設営や火の扱いは大好きなのでよろしくお願
いします。仕事が終わってからでも参加するかもしれません。
最近知人(平野さん)より旧小川記念館の活用の相談を受けました。農山村の拠点として今後なにか企画し
ようと思います。
(田舎カフェ・美術館・特産物販売所等の利用)みなさん助言や提案があったら気楽に声を
おかけください。
43
氏名 : 山下
眞志 (やました まさし)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
・ハッタリと弱みの見せ方の重要性
・プロボノとなりわい
・てーげー(大概)の重要さ
・煩悩の多さ、業の深さ
・人の依って立つところの脆弱さと危うさ
・変わり者で頼もしい同士
・モノゴトの裏読みの思考
・考える自由と夢を語る勇気
・自然の一部として生き、そして死んで行くこと
・行政の思考ロジックと大手製造業のCSRの考え方
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
・今後も人工林の空開けしながら家づくりを考え、街で闘いながら暮らしていきたい.そして、山とまちを
つなぐちっちゃくて豊かな家づくりをライフワークとして取り組んでいきたい.
・施主向けパンフレットに代わる豊森的家づくり絵本をつくる
・講座コンテンツ「根羽村ディープツアー親子編」の企画運営
・実際に建てることのできる豊森的モデル住宅(アーバンタイプ、ルーラルタイプ)の設計図書
3、2012年(2年後)の目標
その1 一気通貫モデルの確立
その2 根羽村と木材利用の協定を結ぶ
その3 流域材を使った家づくりでメシを食う
その4 豊森的モデル住宅を建てる
その5 同行二人、四国お遍路通し打ちをして、悟りをひらく
4、豊森みんなへのメッセージ
長いような2年でしたが、生来人見知りが激しい、ふたご座でB型のため、まだ一度もじっくり話をしてい
ない方もいたのではないかと思っています。ぜひ何方かまた会う機会を設けてくださいな.それまで、でき
るだけ人様に迷惑をかけないように、これからも木を通して自分自身と対峙しながら、ちっちゃな家を考え
続けて行きたいと思っています。家を建てたいと思ったら、一気通貫、建土不二、それなり設計の源森家グ
ループにご用命ください。自分で伐るところから家づくりを始めたい方、一緒にやりましょう。合掌。
44
氏名 : 吉村
雅行 (よしむら まさゆき)
1、豊森なりわい塾で学んだこと・得たもの
・今後自分が打ち込める新しい分野(生き甲斐)が得られた事
・志を同じくする意気軒高な仲間(同志)との出会い
(・樹木に対する畏敬の念)
(・瑞々しい切り株から解き放たれるヒノキ香への感動)
2、卒塾後、自分がやろうとしていること/やっていきたいこと
・この一年間活動してきた、『NEO山守PJT』を、今後もチームメンバー 4人で継続していきたいと考え
ています。
◇ チーム方針
各自の森林整備技術を更に向上させつつ、事業性の高い山林整備方法の確立を目指す。
また、きのこ/山菜等の特用林産の栽培/販売、木の駅PJTへの参加などの他PJTとの連携も検討。
◇ 個人の取り組みテーマ
取り組みテーマ
方針/解決すべき課題
1.
『団地化プロジェクト
(森づくり会議)
』への後方支援
『森づくり会議』に所属する小規模森林所有者に対して、『NEO
山守手法(仮)』でアプローチし、協力する意欲を喚起。
⇒小規模自伐林家の育成⇒地域の森づくりへの貢献。
2.
『NEO山守手法*』の確立
(*低コスト/高効率な森林整備の手法)
3.体制の整備と事業性の向上
簡易装備による小~中径木間伐作業の効率性向上の検討。
①優先すべき間伐地域の選定(作業道/傾斜などの立地条件考慮)
②林分特性に応じた間伐作業の層別(利用/伐置き/巻き枯らし)
③森林整備作業の分業化と専業化(伐採/集材/搬出)
④作業標準のマニュアル化
① 森林ボランティア団体/森林組合/林業家/との連携と体制構築
② 間伐材利用の促進(木の駅PJT、組手什PJT、おかげ回し、
小径木/曲がり材の需要喚起と売却方法開拓、等)
③(間伐/植林によるカーボンオフセットを利用した排出量取引)
3、豊森みんなへのメッセージ
この20 ヶ月間、志を同じくする元気旺盛な仲間と共に活動することができ大変有意義でした。
『豊森』は、企業・NPO・行政が三位一体となった協業プロジェクトとして画期的な取り組みだと思います。
その目指すところの『森を起点とした持続可能な地域循環型社会の仕組みづくり』という難易度の高さから、
途中で方向が見定められずに悩む局面も有りましたが、最後は各自それぞれの思いを実行に移すことができ、
『仕組みづくり』の“芽”が出るところまで漕ぎ着けたと思います。
できることなら豊森第2期生の協力を頂き、これらの芽を大きく育て上げていければ幸いです。講師陣を
始めスタッフの皆様、そして同志の皆さん、有難うございました。
45
第 3 章 豊森なりわい塾のカリキュラム
豊森なりわい塾カリキュラム構築にあたって
豊森なりわい塾のカリキュラムは、座学・フィールドワーク・実践活動を
組み合わせた幅広い内容でした。このカリキュラム構成の背景にある思いや
考え方をカリキュラムを担当した駒宮博男が語ります。
豊 森 なりわ い 塾 の カリキュラムづ くりを 担 当した
駒 宮博男です。カリキュラムをつくり上げることは、と
にかく大変でした!なぜ大変かというと、このようなカ
ことの50%~ 60%位しか出来なかったのでは、とも
リキュラムは誰もつくったことがないからです。特に、
感じています。
「フィールドワーク・演習」と「地 域デザイン講座 」の
また後半の2年目は、実践 編ということで、1年目に
部分は本邦初のプログラムでした。
学んだことを背景に塾生自身が地域でプロジェクトを立
これまで地域社会・地域資源を遠目で見て論じる手法
ち上げ、進めていきました。頭を使うだけではなく、実
は幾つかありましたが、どれも学者的なもので地域に住
際に身体を動かし、さまざまな経 験をしていただきた
む人たちの「心」を感じ取るものではありませんでした。
い、という考えからこのような内容にしました。
「心」を含めた吉本地元学(
「地元学ネットワーク」を主
やりたいこと、取り組みたい課題の棚卸しから、活動
宰する吉本哲郎氏の提唱する地元学)は、それまでの冷
内容の社会的意義の追求までわずか2カ月程度の時間
たい地域社会学・地域資源学から脱皮した第一歩としての
しかなく、プロジェクトの計画づくりは、時間的にかな
価値があります。豊森なりわい塾では吉本地元学を参考
り厳しかったのではと心配もしました。そのような中で
にして、実行委員長である澁澤を中心に「フィールドワー
も、塾生は積極的にプロジェクト活動を進めてくれまし
ク・演習」や「地域デザイン講座」を構築していきました。
た。塾生自身にも、関わってくださった地域の方々にも
特にその中でも「地 域に生きる思いを聞き継ぐ聞き
大きな学びがあったのではないでしょうか。
書き」は重要な体験となりました。豊田市の都市部と
郡部 のそれぞ れ6箇 所に分かれて、地 域の人々の話を
・新しい価値を生む社会実験「豊森」
聞き書きしたのですが、きっと塾生の皆さんの心を動か
したと同時に、協力して下さった地域の方々の心をも動
この豊森なりわい塾のスタートと同時に、世の中は大
かしたことと思います。尚、この「聞き書き」は、澁澤
きな曲がり角に差し掛かったようです。リーマンショッ
が取り組んでいる「森の聞き書き甲子園」を参考とした
ク、そして昨年夏の政権交代・・・・。こうした背景の中で、
ものですが、古くは、民俗学者である宮本常一に遡りま
アンテナの高い塾生の皆さんが集まってくれました。も
す。
( ちなみに宮本常一のパトロンは澁 澤 敬 三(澁 澤栄
しかしたら塾生のみなさんは、
「一般社会の価値観」=
一の孫、澁澤寿一の大叔父)です。)
「20世紀的価値観」から少しだけずれた人たちかも知
さて、私自身田舎暮らしを始めて20年近くになりま
れません。でも安心してください。その価値観は非常に
すが、ようやく5年ほど前から、初めての地域に触れる
先鋭的で、これからの社会の新しい価値を生み出す志
とき「景観 」が気になるようになりました。景観とは、
士らが持ち備えるべきものです。
目に入るもの、肌で感じるもの等、五感(第六感も実は
豊森なりわい塾とは、21世紀の新しい価値を生む社
重要!)で感じるもの全てです。見た瞬間に、その地域
会実験であり、少しずつ、一つずつ、着実な成果を生む
の作柄、山の情況、神仏への関わり、そして、地域の人
ものと確信しています。プロジェクトとしての「豊森」は
たちのその土地への「愛情の注ぎ方」が分かるものです。
まだ始まったばかりですが、2年間の成果は少なからぬ
ものと感じています。
・地域について学び、そして動く
この壮大な社会実験に参加してくださった塾生の皆さ
ん、そして、共にスタッフとしてカリキュラムを構築して
こうした地元学的プログラムに加え、地域を知る上で
くださったトヨタ自動車の皆様、講師として参加してくだ
の最低限度の内容(地域の人口予測・エネルギーの問題、
さった豊田市役所の皆様をはじめ、数多くの皆様、ご協
食と農について、森林の活用など)をカリキュラムに詰
力いただいた地域の皆様に改めて感謝の気持ちを表した
め込みました。僅か2年間で出来る限り漏れのないよう
いと思います。本当にありがとうございました。
にと思う余り、慌ただしいカリキュラムになってしまった
こと、反省しております。塾生の皆さんには、伝えたい
46
豊森実行委員会 委員 カリキュラム担当
駒宮博男(NPO法人地域の未来・志援センター副理事長)
カリキュラムの構成
地域を知る・現場を知る
フィールドワーク・演習
経営の基礎を学ぶ
マネジメント講座
地域とは?自然資本主義とは?
(5/24 井上)
【P69参照】
ファシリテ―ションの基礎
(5/23澁澤・駒宮)
【P48参照】
マーケティング概論
(6/28 井上)
【P69参照】
地域を知る
(6/27山村編7/25まち編)
【p50参照】
地域づくりを実践する社会起業家に求められるもの
(7/26 山田桂一郎)
【P70参照】
経営シミュレーション
地域に生きる思いを聞き継ぐ
聞き書き
基礎編
(9/26-27澁澤)
【p52参照】
地域のありかたを考える
地域デザイン講座
(8/24 井上)
【P69参照】】
フィールドワーク体験から見えてきたこと
(10/25 平山恵)
【P72参照】
自分たちに何ができるか?
セルフマネジメント講座
地域コミュニティとは
(11/28 駒宮)
【P54参照】
小地域の人口予測
(12/26 駒宮)
【P56参照】
豊森で(は)何を目指すのか
(2年目実践活動に向けて)
(11/29、
12/27 萩原)
森林の保全と利活用
(’
10.1/23-24 澁澤・駒宮)
【P58参】
食と農をどう考えるか
(’
10.2/27-28 駒宮)
【P60参照】
エネルギー総合講座
(’
10.5/15-16高野)
【P62参照】
豊森的起業/多業論
(’
10.6/27,7/25 駒宮・萩原・澁澤)
【p.66参照】
豊森的なお金の話
(’
10.9/25萩原)
【P64参照】
実践編
グループ・プロジェクト編成【p18参照】→2グループ、10プロジェクトで構成【p19、20参照】
グループ、プロジェクト活動を実施(2010.4 ~ 12)
※基本的に、基礎編は2009.5-2010.3ですが、基礎編の講座のなかで例外的に実践編中に実施したものもあります
※講師のフルネーム・プロフィールについては、83、84ページを参照
47
カリキュラムの概要 地域とは、自然資本主義とは?(2009.5.23)
講師:駒宮博男・澁澤寿一
開催日時
2009年5月23日(土)10:15 ~12:30
会場
概
新盛集会場・扶桑館
タイトル
要
地域とは?自然資本主義とは?(フィールドワーク・演習)
豊森なりわい塾の基本的な考え方「地域とは何か」「自然資本主義とは何か」について
理解を促進する
目的/ねらい
プログラム
10:15
講義「地域とは何か」(澁澤寿一)
11:15
質疑応答
11:30
講義「自然資本主義と持続可能社会、地域デザイン概論」(駒宮博男)
12:30
質疑応答
自然資本主義とは(講師:駒宮博男)
1.暗黙知とコミュニティ
かつては
今は
言い伝え
コミュニティ
国・まち
伝承
暗黙 知
明文化された規 則
契 約や約束事
自然 資 源
暗黙知:言語化されていない知の体系
自然も、自然を活用するための暗黙知も排除
暗黙知の崩壊=コミュニティの崩壊
2.持続可能社会構築のための三つの原則
<Ⅰ. 自然資本主義>
自然環境
経済
これまで
人間社会
人間
社会
自然
環境
環境・社会・経済の三局対立構造。どう折り合いをつけるか
→経済優先社会
<II. 補完性の原則>
これまで
経済
活動
人は自然環境の中で生かされて活動している
→自然資本主義
=逆補完 性の原 則
米国
国
都道府県
市町村
地 域
個 人
米国ができないことを日本が、日本ができないことを県が、県が
できないことを市町村が、市町村ができないことを地域が・・・
これから
=補完 性の原 則
個人ができることは個人でやる。個人でできないことは地域が、
地域でできないことは市町村がやる。最小単位での自治が基本。
48
<III. バックキャスティング>
目標
現状
目標
現状
フォアキャスティング:目の前の状況に左右
され目標に到達できない
バックキャスティング:目標から逆算して、
今何をすべきかを考える
3.日本の産業構造の変化
三 次 産業
三 次 産業
二 次 産業
二 次 産業
一次 産業
一次 産業
持続不能な状 態
自然 資 源
不足分は海外に依存
持続可能な状 態
地域とは(講師:澁澤寿一)
自然の成長量のなかで暮らしてきた日本の農山村にヒントがある
「里山」:生活に必要なものはすべて里山で揃った。里山をつくり、森を維
持することは、生活を立てることと同様のこと
「栗林一町、家一軒」
(山形県小国町金目)
:
不作の年でも栗1町あれば家族全員食べていけた
生活を積み上げていく、思いを次の世代につなげていくことが大切
地球1個分を超えている
1.2 〜 1.3個分
(出典:WWF)
一 年 間 の自 然 の 成 長 量 のうち、
どれだけ人間が使っているか
連綿と続いてきた「地域」・よい地域とは(内山節)
1.自然の恵みを受けられる、そしてそのことを実感できる社会
2.農林漁業を中心とする仕事がある社会
3.手仕事がある、職人のいる社会
4.暮らしをつくる仕事がある社会・・・暮らしは買うのではなく、作り
上げるもの
5.共同体のある社会、友人のいる社会
塾生のふりかえり
<自然資本主義とは>
• 山村と都市の相互(一方的じゃない、お互いhappyな)依存型社会のあり方というのも考えたい。
•「自然が生んだ利子のみで生活、元本は手をつけない」という言葉は心に響いた。
• 暗黙知を形式知にすることが大切だと会社では教わったが、考え方がまったく逆であることに気づきました。
やはり共有財がないと人々は本気になれないし、何よりもそこで暮らす覚悟がないとダメなのでしょうね。
<地域とは>
• 次の世代に何をつなげていけるか?
“自分だけ”と考えないで、皆と共有できる生活作りをしていきたいと感じました。
• 自分がこれから、どう生活していくのかを考えていきたいと思いました。
• 先人の方にお話を聞いて、これからを考え、実行していきたいと思います。
•「目に見えたり見えなかったりするけれど、確かな手ごたえのあるオリジナルなものを見つけて下さい」と
いう言葉が心に響きました。
• 自然と人間の付き合い方、生きていくということは私たちが考えるよりもずっと深いのだと感じました。
49
地域を知る「歩く、観る、聞く」(山村編2009.6.27-28、まち編7.25-26)
講師:山村編/澁澤寿一、まち編/萩原喜之
開催日時
会場
概
タイトル
要
目的/ねらい
1日目
10:20
山村編 2009年6月27日(土)-28日(日)まち編 2009年7月25日(土)-26日(日)
山村編 豊田市山間部・まち編 豊田市街地
地域を知る「歩く、観る、聞く」(フィールドワーク・演習)
山村編:地元学の手法を用いて、山村集落とはどのようなところかを知り、山村における人
の営みを五感で感じ、学ぶ
まち編:自分たちの街を担う、自分の暮らしをつくるとはどういうことかを、実践者から学ぶ
<山村編>
1日目
<まち編>
フィールドワークの説明
9:40
フィールドワークの説明
10:30 「フィールドワークの心得」(澁澤)
10:30
8班に分かれてフィールドワーク開始
11:00
6班に分かれてフィールドワーク開始
11:00
班に分かれてフィールドワーク・まとめ開始
17:00
フィールドワーク終了
16:00
フィールドワーク・まとめ作業終了
19:00
まとめ作業開始
22:00
終了
2日目
2日目
9:00
班ごとの発表
11:20
講評・ふりかえり
12:00
終了
9:30
班ごとの発表
11:35
講評・ふりかえり
12:00
終了
<山村編>(講師:澁澤寿一)
1.フィールドワークとは
知恵
自然条件
社会変化
2.フィールドワークで調べるもの
・水(水源、川、雨、谷・・・)
・土(地形、地質、地味)
・光(日照、陽射し)
・風(強さ、季節、風の道)
・生き物(植物、動物、魚、獣、利用)
風土
暮らし
未来
・産業(日々の生業、稼ぎ、自家消費)
・薬(調達、自然素材)
・食べ物
(種類、ハレの日、日常、調理、貯蔵)
・家(種類、材、構造、利用)
・道具(種類、材、加工)
・衣服(材料、機織)
・神様(祭、神棚、石仏信仰)
・その他(なんでも、古いもの・
新しいもの・・・)
3.フィールドワークの心得
名所・旧跡調べではない・対等な立場(子供にも同じ目線)・具体的に(ディテールを)
五感のすべてをつかって地域を感じることが基本。民俗学調査ではない。
4.フィールドワーク先(6か所)
豊田市に合併した旧町村を対象。
現在も人口が増えている旧藤岡町以外の6町村。
■足助地区新盛町菅田和集落
案内人:松井敏博さん、鈴木ふみさん
■足助地区漆畑町
案内人:原田清治さん
■下山地区羽布(はぶ)町
案内人:浅井安直さん、川合博明さん
■小原地区榑俣(くれまた)町
案内人:池野保次さん
■旭地区日下部町
案内人:鈴木茂さん、鈴木のぶゑさん、
松嶋和子さん、鈴木裕幸さん
■稲武地区大野瀬町梨野集落
案内人:大石康男さん、大石志奈子さん
50
大野瀬町梨野
榑俣町
日下部町
菅田和
漆畑町
羽布町
<まち編>(講師:萩原喜之)
1.種と土
地域=土
塾生=種
両方を育てることが必要
食糧自給率が低く、持続不能な都市
限界集落、放棄地などの問題を抱える山村
2.森と暮らしをつなげる 都市の課題 山村の課題
豊森:断絶されている関係を結び直す役割
3.街と村をつなげてきた現場へフィールドワークへ
都市と農山村をつなぐ役割を果たしていた現場が今回のフィールド。かつて、川の流域でつながっていた頃と今との移り
変わりが分かるところへ赴きヒアリングを行う。
訪問先カテゴリー /内容
訪問者
食/モモ農家(猿投)
大岩孝弘さん
食/醸造①酒づくり(猿投)
浦野酒造 浦野正二さん
食/醸造②みそづくり(上郷)
野田味噌 野田清衛さん
木材流通/貯木場跡地(百々町)
今井洋二さん
交通・観光/乗合バス(平戸橋)
倉地格さん、加藤トシエさん、築山駿隆さん
エネルギー /炭・薪
梶誠さん、三木徳一さん
産業/加茂蚕糸(中心市街地)
柴田和己さん
まちづくり/中心市街地
河木照雄さん、吉村達也さん
塾生のふりかえり<山村編>
• 風、水、緑などの自然を肌で感じて、日頃、いかに自分の感性が鈍くなっているのか…と痛感しました。
• どうしたらもっと都会の人々と里山の人々が分かり合えるか、この豊森で模索していくべきだと思う。
• 地域は人がつくる。だけど、ヨソモノが作るのではなくて、住んでいる者のよくしたいという想いだと思った。
• いろいろ取り組んでいることと、それを楽しみとして、自慢しながらやっているところがすごい!思ったことはたくさん
ありますが、一番は、心から「また来たい!」と思いました。
• 地域の将来にかかわることについては、若い世代から話を聴いてみたいなと思った。
• 普段生活する中で、今回のようなフィールドワーク的な視点で物事を捉えれば、今までとは違う「事・モノ」に気づく
ように感じました。
• 今住んでいる人たちに変われ、ではなく、私たちがどう変わるかということだと思います。
• 3 ~ 4時間の訪問では、深いところまでの理解には至らない。楽観的な見方に偏りがちだったのでは?
<まち編>
• 豊田には昔からのなりわいがそれぞれの想いを持ちながら、あった。なりわいの中には、人々のつながりがあり、第一
次産業から食卓まで、又は衣類や生活ツールに、顔の見える関係があったと感じた。
• 利益や売上の増加を目指すのではなく、地域との共存、還元、信頼を根本に考えるところが、コミュニティビジネスの
形の一つなのか、と感じた。
• 繁栄と衰退。町でも村でも同じ問題を抱えている。
• 話を聞いてみないと分からないものだ。イメージだけで考えていては、全然ダメなことが分かった。
• 山村と同じように(人間関係が希薄で)
、若者が出て行くという事にとても驚いた。山村でも中心部でも同じようにま
ちづくりには「人を集める」ということは大切だと感じ、これから「つながり」の良いところ、悪いところも含め、考え
を深めていきたいと思った。
51
地域に生きる思いを聞き継ぐ「聞き書き」(2009.9.26-27)
講師:澁澤寿一
開催日時
会場
概
タイトル
要
目的/ねらい
2009年9月26日(土)10:15 〜 27日(日)16:40
足助交流館 蛍雪館(聞き書きは場所はグループごと)
地域に生きる思いを聞き継ぐ「聞き書き」(フィールドワーク・演習)
農山村で生きてきた人のお話を聞いてまとめる作業を通して、一人の人間の人生に寄り添い、
これまで農山村で生きてきた人々の思い・精神的な部分を学ぶ。受講生それぞれが農山村と
今後どのように関わって、なりわい・暮らしを立ててゆくかを考えるための一助とする
1日目
2日目
10:15 「聞き書きとは。その意義と背景 」(澁澤)
9:30 「編集・まとめ方のポイント」(澁澤)
11:40
班ごとに質問内容などを話し合う(移動含む)
9:50
作品の編集作業開始
13:30
聞きとり開始
12:00
昼食
16:30
聞きとり終了(宿泊場所へ移動)
13:00
編集作業
19:00
文字起こし開始
15:50
編集作業終了
22:00
文字起こし終了
16:00
班内での振り返り、作品の共有
16:40
総括
聞き書きとは。
その意義と背景(講師:澁澤寿一)
・よくある困ったこと 会話が途切れる▶話しやす
い雰囲気作りが重要。
人 生論を語る人・民 俗学の知識を語る人▶本 論に
① 聞き書きとは
戻す努力を。
・情感 郷土史や民俗調査は、事実・史実の積み ⑤ まとめ
・書き起こしは大変な仕事 原稿用紙1枚(200字)
重ね。それらの行間を埋める。
② 準備
が約1分の話し。2時間のお話は・・
・心構え 相手の人生を聞く、聞かせていただく。
・削除 削り方が勝負。どんどん削る。
・風土を読む
・文章を整える 人格を崩さない。趣旨を曲げない
・質問を用意する 会話の「きっかけ」として。
範囲で、書き直し、書き加え。表現の統一。
質問の羅列ではなく会話。
・話のまとまりごとに、小見出しをつける
・録音機の準備
・並べ替えと、出だしの物語を決める 読者が興
③ まず相手に伝えること
味を持ち、読み進んでくれるように。
・「聞き書き」 とはどういうものであるかを伝える
・表題を決める
民俗調査ではないこと。聞き書きの意味。
⑥ 本人への確認
・録音し、カメラで写真を撮らせてもらう了解を得る
・言葉の重さ そ の人の 歴 史。 ここで 生 きて きた
録 音も 写 真も そ の人の 心 の 中に 土 足で 踏 み 込 む
意味、その最大の証し。
行為であることを留意
⑦ 注意点
・原稿はご本人に確認し、不 都合があれば修正、
・その人がだれであるかということを必ず聞く 話し
削除できることを伝える 信 頼 関 係 の 形成には
手、聞き手双方が当たり前だと思って抜けることが多い。
不可欠。緊張をほぐす。 本音を引き出す ・ディテールを大切に
④ 聞く
・聞き書きは民俗調査の横に来るもの 聞き書き
・聞き書きは「対話」 作品は、最後に聞き手の質問
はそこで 生きてきた 人 が、どういう思いを持って
を削り、まとめる。聞き手と話し手との会話が聞き
いるかを前 面に出す。聞き書きがあるか無いかで
書き作品
集 落の実 態像は違って見える。聞き書きは、話を
・メモをとる メモは作品にまとめる時、構成と展開
聞かせていただいた人と、その人が生きてきた地
を考える上で重要。
域に対するお返し。最後に、最 近の山里暮らしの
・たくさんの分からない言葉 分 からな い言 葉 は
実情を5行 分くらい、どう生き、次の世代にどう
勇気を持って聞く
伝えようとしているかを出せるといい。
・自分の常識を疑う 何気ない言葉を逃がさない。
現代の暮らしは心が見えなくなってしまった。
52
聞き書きの対象者
6月に実施した講座『地域を知る「歩く、観る、聞く」』との連動性を考え、同じ6地域で聞き書きを実施。聞き書きは、
1対1で行うことが多いが、今回は塾生3 ~ 5人に対し話し手1人として行った。
1班:新盛町菅田和集落
2班:漆畑町
3班:羽布町
鈴木ふみさん(80代)
原田清治さん (70代)
原田連治さん (80代)
松井光斉さん(90代)
原田とみ子さん(70代)
川合専八郎さん(80代)
4班:榑俣町
5班:日下部町
6班:大野瀬町梨野集落
池野保次さん(80代)
鈴木久直さん(70代)
鈴木啓仁さん (70代)
池野甲志さん(60代)
松嶋和子さん(80代)
鈴木ちづるさん(70代)
塾生のふりかえり
・直接、じかに話を聞くだけではそれほど大きな感動を得ることができなかったと思われることが言葉として書き起こ
すことを通じて達成できたことに喜び、一人の人生に寄り添うことの意味を実体験を通じて理解することができた
・その人の人生を語ってもらうのは語り手と聞き手の関係が大切だと思った
・平凡な人生こそ非凡であることを再認識し、それを理解し伝える努力をすることで聞き手が成長することができると
強く感じた
・
「人の心に入り込んでいく」ということの重みを知りました
・一人の人と向き合って話をすること、話を聞くことの難しさを感じた。特に自分の言葉で語っていただくことの難しさは
強く感じました
・質問の仕方がまずかった。文字起こしをしてみて、自分の耳で再度聞くことでいかにまずい聞き方をしているかが理解
できた。相手の言葉を聞き出すのは思っている以上に難しいです。
・聞き書きの前段階、アポを取るのが難しいということだが、今後機会があるときはぜひここから(他人の援助をもらい
ながら)行いたい
・記録に残らない人の足跡、志、知恵を私も次の世代に伝えてまいります
・京都でかかわっている市街地のまちづくりでは、ぜひ実践して活動が停滞しているのを何とか前に進められればと感じ
ました
・身の周りのおじいちゃん、私の親方にも聞き書きしたくなりました
・もう一回やりたかった。今回はウォーミングアップ
・来月養蚕の方にお話を伺いに行くのでそこでのお話を聞くのにとてもよい練習になったので本当によかったです
講座時の様子
①話を聞く
②録音した話を文字に起こす
③文字起こししたものを編集する
53
地域コミュニティとは(2009.11.28-29)
講師:駒宮博男
開催日時
2009年11月28日(土)10:20 ~ 17:15、29日(日)9:50 ~ 12:15
会場
タイトル
概
要
目的/ねらい
28日:扶桑館、29日:豊田市環境学習施設eco-T
「地域コミュニティとは」(地域デザイン講座)
【ねらい1】地域の人的資源・社会関係資本(共有財管理としてのコモンズの意味等)
・コミュ
ニティの存在基盤である「暗黙知」・市町村財政などを概略的に把握する
【ねらい2】我が国郡部のガバナンス構造、コミュニティの残存程度を把握する
【ねらい3】地域で暮らすということは地域コミュニティに属するということを理解する
【ねらい4】コミュニティとはなにか、その可能性を把握する
1日目
10:20
2日目
講議「地域コミュニティとは」
(駒宮)
9:50
各班が地域の自治組織について発表
ワークの説明
10:20
各班内での話し合い
11:20
昼食
11:20
質疑応答
12:15
班ごとで各地域へ出発
12:15
終了
13:00
地域の人に地域の自治組織等をヒアリング
15:45
再集合、地域組織をまとめる作業
17:15
終了
地域コミュニティとは
地域の自治がどのような仕組みで行われてきたのかを学ぶことで、地域コミュニティの意思決定プロセスや、地域に入
るときに重要となるポイントを学ぶ。また、これまでの地域自治とは異なる新たな枠組みも生まれている。
※下記は、講師の居住地域での組織の事例。
市町村行政
伝統的地域組織
総 務 系
自治連合会・消防団・交通安全指導・老人会・婦人会・青年団・水道組合等
教育関係
PTA、体育協会、こども会、青少年育成会議、スポーツ少年団など
福祉関係
民生委員、保護司、社会福祉協議会、学童組織
農林関係
農業委員会、農協、営農法人・土地改良組合、森林組合、生産森林組合
商工関係
商工会議所、商工会、観光協会
環境関係
宗教的組織
神社
氏子、祭り実行委員会
寺
檀家
その他
金 毘 羅 、八幡、稲 荷、風 神 、水 神 、庚 申、秋 葉 、山 の 神 、地 蔵 、龍 神 、御 岳 山
新地域組織
市町村行政
地域協議会
各種部会
(歴史文化・環境・福祉・健康・産業等)
民間組織
NPO(任意団体)
多様な公共サービス
(環境保全・子育て・高齢者福祉・地域公共交通)
伝統的地域組織で解決できないことを行うために新地域組織が近年立ち上がりつつある。
54
補完性の原則 班ができないことを組が、組ができないことを区ができないことを市町村がやる
フィールドワーク
地域の人へのヒアリング
中央政府
自治体
地域コミュニティ
基礎自治体
隣組(班)
自治会(組)
区 市町村 県 国家
上納常会、広報の伝達、葬式、道路清掃、結婚、病気見舞い、
野菜の相互贈与、基本的互助活動、その他
• 地域の組織の成り立ちや現在の機能はどの
ようなものか
• 最小単位の組織がどのように機能しているか
地域コミュニティを担っている年代はいくつ
くらいか
• 地域で役割を担うことで、どのような楽しみ
あるいは苦労があるか 等
塾生のふりかえり
・今の自治区は殆どが“形”だけで地域活動が減っている。新盛までもが都市化されていることに驚いた。
・コミュニティに入るということは、そこに迷惑をかけながらつながっていくという気付きが新鮮でした。やはり私は
様々な人々との互助を欲しているのだなと感じました。
・新しいコミュニティ、人をつなげるものってなにかな?お金、達成感、楽しみ、自分の存在意義。
“地縁”に代わるものとはなにか。
・流動するのが普通になった今の人々(これが変わる可能性ってあるのかな?)、
・今まで名古屋に暮らしてきて、子供会以外のコミュニティを感じた事はなく、今では“近所”などとのつき合いはほと
んどありません。親や親類の話を聞くと、
「わずらわしいもの」というイメージがありましたが、一方で、お宮の役を
長年勤めた祖父は、それを誇りに思っていました。澁澤さんの「地域コミュニティは自己実現の最大の場」とのコメン
トに祖父、祖母のお宮の話を思い出しました。
・今の社会で自分の役割を見出せずに生きている人は沢山いると思います。わずらわしさもあるけれど、近所の人とのコ
ミュニケーション、地域コミュニティはそういった意味でもあるべきで、必要と思う人が増えてほしいと思いました。今ま
であまり意識していなかったけれど、今後どこに生きようと、地域コミュニティに積極的に入っていきたいと思いました。
新しい地域と関わりを持つという事は、そこに住まないとしても絶対に地域の事、
「組織」・「人」を知る事、コミュニ
ケーションを深め理解し合う事が必要不可欠である事をさらに感じました。
“ 田舎に住みたいだけなら別荘で
・今回、漆畑のコミュニティをインタビューしてみて、小川さんの言葉が印象に残った。
良い”。住むことの権利を主張するだけでなく、地域に貢献しなくては、いけない。これは、田舎に住みたい私にとっ
て、衝撃を受けました。そして、場所を選ぶというのは、人とのつながりを選ぶことなのかなと思った。
・自分の住んでいる所は、どうなのか非常に気になった。
・昔からのお宮の仕事、行事、お祭、農作業などには、人とつながる要素、場がたくさんあったから、コミュニティが
強かったのだと思いました。
・行政の新しい仕組み、民間との融合がやはり重要になってくる。また、二つの繋ぎ役になる人が必要。もしくは、
自分がなれたらいいなぁ。
・昔はコミュニティがないと生きていけなかった。そこには、わずらわしさもありながら、どうにかわかりあおうとする
努力や自然 資 源によって、自然とつながっていけた気がする。今は、
“わずらわしさ”を絶っても生きていけるが、
地域との強いつながりをもっていないため、年をとったときにさびしく独りで死んでいく人も少なくない気がする。
・田舎でも、都会でも、
“豊かさ”をみつけ、みんなで守っていこうとする意識を高めることが必要なのかな?
そのための仲介役も。ただ、これからは田舎(資源)がないと都会の人も生きていけないかも・・・。
・地域の人口が減少すると言うことは大変なことだとつくづく感じました。コミュニティを持続させるために労力、財力
が必要なのです。私の町内では区費は年間4000 ~ 6000円位ですが、今回の菅田和では年間24000円でそれ
以上の地域が有り、老人宅では大変な負担になる訳です。労力も多く、コミュニティに参加することは楽しい事ばか
りでは無いと理解した。残すことが大切な事も多くあり、敬意を払うことが大切ですね。
・残す機能と新たに造る機能を見極める。
・今まで自治会の構造などは、考えた事がほとんど無くて、これから足助に入っていくので勉強になりました。
・個人からコミュニティへ、私有財産から共有財産へ。もう一度戻っていきたいね。
・気が付けば、今の生活は地域との関係、人との関係が希薄になっている気がする。そのことに不便も感じなくなってし
まっている。今は、会社の関係、お付き合いに偏りすぎている気がする。
55
小地域の人口予測(2009.12.26)
講師:駒宮博男
開催日時
会場
タイトル
概
要
目的/ねらい
2009年12月26日(土)9:40 ~ 16:40
豊田市環境学習施設eco-T
「小地域の人口予測」(地域デザイン講座)
【ねらい1】人口予測がなぜ必要かを理解する
【ねらい2】人口減少、少子高齢化が地域の食・エネルギー自給、公共サービスに与える
影響について理解し、小地域の人口予測を行って現場の問題を把握する
【ねらい3】地域住民への現実の伝え方(児童数減少と統廃合問題等)を考える
9:40
講義「講座の目的(人口予測とその必要性について)」(駒宮)
10:00
講義「豊田市街地と旧郡部の人口動態・地域特性と過疎対策について」
( 豊田市役所自治振興課 天野課長)
11:20
人口予測ワークショップの説明、ワークショップ開始
12:00
昼食
13:00
ワークショップの続き
15:00
ワークショップの結果発表・特徴的なグラフの公表
15:35
各班ごとでディスカッション、班ごとの発表
16:30
質疑応答
16:40
終了
人口問題とは(駒宮博男)
日本の総人口の長期的推移をみると、
・19C後半から急増期へと転じる
・その後約1世紀半の間に4倍程度まで増加
・今世紀初頭に減少に転じた
・今世紀末には20世紀前半の規模となることが予想される
人口動態は全ての地域計画の基本
→地域内の人口変化を詳しく調べる必要がある
→市町村単位・自治会単位で2050年までの人口シミュレー
ションをして、どのくらいの人口になるのかを予測する
人口シミュレーションワークショップ
■ 名古屋市昭和区
■ 鳳来町
・2050年に向かって順調に減少している。
・年齢階層別人口推移グラフ:生産人口が激減する。
・グラフによると、2010年時点で稼ぐ人と年金生活の
高齢者の減少はほぼ横ばい。
人が逆転する。
・小中高生、未就学児はそのうち自然消滅しそうなグラフ。
■ 碧南市
■ 岡崎、豊田、足助
・男女別折れ線グラフ:男性は右肩上がり、女性は右肩
・岡崎は15 ~ 20年でピークを迎えて減少。
下がりになっている。
・豊田市は、2010 ~ 2015年でピークを迎え、2050
■ 守山区と豊田市の比較
年には岡崎より減る。
・妊娠可能な年齢の女性の数。新生児の数等、3つのグ
・足 助は 極 端に 減 少 傾 向。今9千人 近く。2050年に
ラフをつくった。
は3,800人くらい。
・守 山 区は減 少 傾 向なのに 対して豊 田 市は50年でお
よそ1.5倍。豊田市は増えるとでているけど、市内でも
どの地域が増えるのかが不思議に思った。
【ディスカッションテーマ】
1.人口減少を食い止める方法があるか?
2.人口減少=マーケットの縮小→何が起こるか?
56
ディス カッション:3 〜 4人 の グ ル ープ に 分 か れて、
●Dグループ
テーマを選び議論を行う。議論後、発表を行った。
・グローバル企業(トヨタなど)は中国など海外を求め
て出て行くので、国内では必要分だけ生産すれば良い
■ディスカッションテーマ①人口減少を食い止める
んじゃないか。トヨタの場合日本国豊田市に本社があ
方法があるか?
り、従業員の構成員は外人の割合のが多くなるんじゃ
●Aグループ
ないか。グローバル企業とそうでない企業にわかれて
・休みを増やす!食の自給を義務化。三つ子政策。三人産ん
だ人は手当がたくさん出るという政策をとるとよいと思う。
いくのではと思っている。
・一番ミニマム単位で家族(中・大家族)、生活効率があ
●Bグループ
がるのでは。マイカーが1家 族3,4台でなく、1台か
・過疎地域に人を呼び込むにはどうしたらいいかを考え
2台。1つの家に何世帯かが住む少し前の時代。基本
た。大きいポイントは3つ
的には雨風しのいで暮らせりゃいい。仕事がなくても
・地域の売りをつくろう。地域に入ったときどんな良い
みんなで農作物作って暮らせりゃそれでいい。それが
ことがあるかを知ってもらう
最低レベル。その先はまた何か変わってくるのでは。
・地域との顔つなぎをするような仕組みづくりが必要。
●Eグループ
地域でのコーディネータが必要
・消費量が減る。売り上げが減る。国としてみたときに
・公共料金がかからなくて地域に入っていけるように。
地域のお手伝いをすることで公共サービスがタダで
うけられるような仕組み
GDPが減って税収が減ると財政難に陥る。
・自衛意識が芽生える。お金に頼らない生き方をしようと
いう人がでてきて、自給自足や健康な生き方に重きを
■ディスカッションテーマ②人口減少=マーケットの
おいて今までの大量消費娯楽社会から、メンタルな幸
縮小→何が起こるか?
せを求める生活に変わる。そうはいってもストックを
・
●Cグループ
持っている人はいて、生活必需品をお金に頼って確保
・明るい見通し、暗い見通しを考えた。
していく人も残ると思う。助け合って片寄せあって生き
人口減少が起こるので物価が安くなる。売れないので
ていく発想が生まれていくのでは。地域完結型経済に
単価を下げる。下げると給料が増えないので消費が減
落ち着いていくのでは。
る・・・というスパイラル。給料は一 番安いところに
●Fグループ
収束する。お金の意味がなくなるのでは?
・人口は減ることが悪いことではなくて、自然な流れで資源
・まず食料がなくなったら泥棒や奪い合いが殺到するの
と人口のバランスがとれたところでとまるのではないか、
かなーというのが悪い見通し。よい見通しは譲り合い、
そこへ落ち着くことをイメージしながら暮らすことが大事
リサイクル、移住などハッピーなイメージ。家族以外の
なのではという意見に。そこで、徴兵ではなく徴農、徴
人と一緒に住む大家族化とか。マーケットが縮小する
林、徴一次産業制度をつくるといいのではないかと思っ
ので取り合いにはならない。
た。一次産業をはぐくむことは生きる力をはぐくむこと。
「豊田市街地と旧郡部の人口動態・地域特性と過疎対策について」
(豊田市役所自治振興課 天野課長)
①人口動態・地域特性について
・豊田市の中山間地域は、全市の約68%、人口は約7%
・日本屈指の産業都市であり、併せて森林など多くの豊かな自然を持つ⇒日本の縮図的なまち
・豊田市の人口減少は、市中心部からわずか30分~1時間通勤圏で発生している⇒都市近郊過疎地域
・市町村合併後の人口動向は、市全域が3.9%増加に対し、中山間地域は5.6%の減少となっており、減少率が加速
・人口減少に比べて、世帯数はあまり減少していない(世帯人員の減少)⇒高齢化率が高い
・総所得金額や道路改良率は全国の過疎地域に比べ優れている
・生産農業所得・耕作放棄地、商店の年間販売額は全国の過疎地域に比べ低水準。特に過疎区域(旭、足助、稲武、小原)で顕著
②過疎の状況について
③過疎対策
・農林業の適切な維持管理や食糧生産が困難
1、空き家情報バンクの設置
・・農林業の担い手不足・高齢化
①過疎化に悩む中山間地域の活性化を目的
・耕作放棄地等の増加、公益的機能の低下
②地域を理解し、地域に協力的な定住者を
・・災害発生、イノシシ被害の増加
③地域住民の積極的な関わりと地域住民の意識変革
・集落活動・地域コミュニティの維持が困難
2、日本再発進!若者よ田舎をめざそうプロジェクト
・・お役や祭礼など伝統芸能の継承が難しい
①地域の空き家や耕作放棄地を活用し、若者を定住させ
・都市部との生活基盤整備の格差の顕在化
農業を生業とした持続可能な地域づくりを実践する
・・携帯電話不通話、買い物・救急医療体制の格差
②従事者:10名(20 ~ 30代/全国より公募)
・人口減少に伴う地域運営上の諸問題
③期間:2年7 ヶ月(H21・9月~ H24・3月)
・・若者の働き場、小学校の存続危機 ④主な内容:耕作放棄地の復 元、無 農 薬 野菜の栽 培・販 売、
地域活動の参加、高齢者の見守り
57
森林の保全と利活用(2010.1.23-24)
講師:澁澤寿一・駒宮博男
開催日時
会場
タイトル
概
要
目的/ねらい
2010年1月23日(土)10:35 ~ 16:40、24日(日)10:05 ~ 16:50
23日:とよた市民活動センター・ホール
24日:フォレスタヒルズ・トヨタの森 里山学習館エコの森ハウス
「森林の保全と利活用」(地域デザイン講座)
【ねらい1】森を起点とした暮らしを理解する
【ねらい2】森林の現状と林業を取り巻く諸問題を理解する
【ねらい3】豊田市の「百年の森構想」とその進行状況、トヨタの森の取組を把握する
【ねらい4】事例紹介、ディスカションを通して森林の保全と利活用についての理解を深める
【ねらい5】森林に関連するなりわいづくりを目指す受講生の考え、課題を現場の専門家を
交えて議論することで2年目以降の活動の参考にする
【1日目】
【2日目】
10:35
講議「総論:森林とその利用」
(澁澤)
10:05
豊田市「百年の森構想」について(北岡)
12:30
昼食
11:05
トヨタの森の取組について(池上)
、森の見学
13:30
現場の事例紹介(佐藤、青山)
12:30
昼食
15:00
休憩
13:30
豊森相談室・森林編
15:15
ディスカッション
16:50
終了
16:40
終了
総論:森林とその利用(澁澤)
・日本の森の歴史
農業と林業は対比されるが、林業の歴史は浅い。昔は
食糧、燃料は山側にあった。昭和30年代の燃料革命
によって、炭が使われなくなった。
・林業の問題
補助金漬けにされた。経営のために頭を使わなかった。
政策も間違えたし、山側も経営努力を怠ってきた。
・材木の流通構造
民有林・国有林の木を伐って、原木市場に出される。
そこから、製材所が買って、製品の市場に出る。
それを、木材卸業者が買って、工務店へ。
素材をやっている人のほうにはお金が落ちない。
間の業者が在庫を持っていて、マージンを抜いて行く。
・山村の暮らしと森
広葉樹の森を順番に伐って行き、そのギャップのところ
で、多様性が生まれる屋敷林のある風景。建材は近く
にあった。植えられている。
草はすべて食用、薬用。薪。どうやって自然を利用す
るかということが、生きるということと同義語だった。
・岡山県真庭の事例
人口5万、森林率8割。面積800㎢。どこにでもある
山村。過疎が進んだ。97年、将来どのような暮らしを
したいかを書いた真庭人の1日という冊子をまとめた。
5人の家族の朝から晩までを書いてみた。
暮らしをどう作るかの手段としてバイオマスを選んだ。
2009年、冊子の内容に近い暮らしをしている。
木質利用の2方向:物質利用とエネルギー利用。
エネルギー的利用法:電力など。
物質的利用法:建築用材、家具用材、外壁用材など。
→地域内でお金をつくることは無理じゃない。
→地域づくりの中で木材を利用することができる。
58
事例紹介:豊根村の取り組み(青山幸一)
・林業の変遷
私有林が9割。人工林分布は9、10齢。
最近の植林面積は数ha /年と非常に少ない。
年 間600ha間 伐、 搬 出 は20ha分、5000 ㎥。 搬 出
コストからみて出せるのがこれだけ。コストの問題。
・木サイクルの取り組み
コンセプト①無駄なく使う②持続可能な暮らしのスタイル
③地産地消④人のサイクル
市 場 で 売 れ な い 木 の 部 分を 使った つ み きハウスと
ペレットを販売する。
長さ2m以上の間伐材を村で買い取る制度。
軽トラで持って来られるサイズを受け入れる。
小遣いかせぎでもよい。森林組合は伐るところまで。
・林業再生に向けて
間伐は進んで、手遅れの山は奥地にしかない。
豊根は間伐ではなくて利用の時代。いよいよ収穫期を
迎える時代に突入。コストをいかにコントロールして
収益性の高い事業にしていくかがポイント。
事例紹介:佐藤林業について(佐藤大輔)
・独立の背景
ル ーツは自然 農。赤目自然 農 塾。その 後、森林 組合
勤 務。企 業 のように 経 営 意 識 が 高く、木のことを大
切にして働くという感じではなかった。独 立したのは
2009年2月1日。1人で始めた。
・仕事の内容
民間や森林組合ができない部分をやるため、仕事はあ
る程度はある。山百合が咲いた。山主に「山が明るく
なったで出てきた」と言われ、とても嬉しかった。こう
いう思いで仕事をしたいと思う。
豊田市百年の森構想(北岡明彦)
・背景
豊田市は愛 知県で1番広い面積の森林を持つ市町村。
農業 生 産もトップクラス。工業都市であると同時に、
森林都市でもある。東海豪雨のとき豊田スタジアム前
の矢作川堤防に手を伸ばすと水が届きそうだった。そ
れが合併のきっかけのひとつになった。上流の森林整
備をしっかりしたいということ。
・内容
森の健康診断が実施されている。矢作川流域の森林が
どんな状態かをボランティアが調査、そのデータを行
政が使うという全国初の取り組み。去年二周り目には
いっている。森の健康診断で推計7割が間伐手遅れ林
とわかった。推計25,000ha。これを10年かけて一掃
しようというのが豊田市の計画。つまり、2,500ha /
年を平均して間伐するという事。
・施策の進行状況
現状の間伐実施面積は、今年度も含めて1,300ha /
年程度で手遅れ林の間伐計画は遅れている。豊田市の
森林は個人所有の森林が9割。経済性が低下し、所有
者の意識が低くなってしまっているので、なかなかお金
を費やすことを承認してもらえない。間伐する人の問
題。単純に伐る人だけではなく、山主さんにお願いす
る人が必要。豊田市森林組合の成長を期待。
→ライフスタイルの変化や経済の変化などすべてが絡
み合って今の状況がある。豊田市が頑張れば日本の新
しい森林都市モデルになるのではないか?
トヨタの森・フォレスタヒルズの紹介(池上博身)
・考え方の背景
21世 紀 の里 山 へ の 期 待。里 山は、都 市の 緑 の 拠 点。
愛知県の里山。フォレスタヒルズは里山ベルト地帯に
ある。里山は昔、人々に利用されていた。しかし、今
は、廃棄物の放棄地となりつつある。
・取り組みの内容
トヨタの森計画の理念とは、森を舞台として人と自然
との共生を図ること。フォレスタヒルズに里山活性化
のモデル林を設けて、緑による環境の改善、環境緑化
に取り組んでいる。
これからの環境緑化に大切なことは調べる、育てる、
使うの三つ。
・フォレスタヒルズの里山のゾーニング
整備ゾーン:森の内部に、光と風を導入する。
保 全ゾーン:小規 模 な湿 地、貴 重 な生 物 が 生 存して
いる。種を守るだけでなく生息する環境も保全する。
レベル1・人が常に触れ合えるエリア
レベル2・公開時期限定、保全の質を高めるエリア
レベル3・保全最優先エリア
・フォレスタヒルズでの取り組み
エコモニタリング:森 の計 測、水の動きの調 査など。
整備、保存のデータとして活用。
市民参加の森づくり:里山整備を行うグループ、エコの
森クラブ、除伐や草刈りを各地の市民団体と協力して
行っている。
環境教育:日本環境教育フォーラムの協力。里山イン
タープリターズキャンプや、自然と実際に触れ合う森
遊び倶楽部。
現 在は 小 学 生を対 象にして、年 間170回、6,000人
以上の子どもがきて、五感を使った自然ふれあい体験
学習を行っている。
豊森相談室林業編
塾 生の 悩み、相談を専門家に打ち明ける相談 室を実
施。相談員は以下の4名。
・林冨造:豊田市森林組合。自ら農業も営む。
・安藤久氏:豊田市旭の林業家。
・菅野知之:元林野庁職員。ログウェル日本
・北岡明彦:豊田市産業部森林課主幹
鈴木:豊田市森林組合で働いている。山主さんへどうい
うアドバイスをすればよいのか。どういう山を目
指すべきか、ということを相談されるが答えられ
ない。
安藤:山主は自分の持ち山をどうしたいか、という考え
方がないといけないのに全部お任せというレベル
になってしまった。山主を教育し直すということが
必要。
林 :木を売るために植えたはず。しかし手入れをしな
いことによって正常に成長しない。補助金を入れ
て、間伐をすることで木の価値を上げる。そうい
う目標を持ってもらわなければならない。
北岡:どういう山にしたいの?ということをまず考えさせ
ることが大事。森林 学 校へ来てというのが一 番
手っ取り早い。所有者の方から組合へ提案が出来
るようにしたい。
この他、様々な質問や意見が出て、相談員のみなさんと
意見交換をすることができた。専門的な話が多かったた
め、林業関係ではない塾生にとっては難しかった。しか
し、専門的なお仕事をされている方たちとのディスカッ
ションは大変有意義なものとなった。
59
食と農をどう考えるか(2010.2.27-28)
講師:駒宮博男・篠原信
開催日時
2010年2月27日(土)10:10 ~ 16:55、28日(日)10:05 ~ 17:00
27日:石野交流館
28日:豊田市環境学習施設eco-T
会場
タイトル
概
要
目的/ねらい
「食と農をどう考えるか」(地域デザイン講座)
【ねらい1】日本、世界の食糧事情を、歴史を振り返りつつ理解する
【ねらい2】食糧自給に関する問題、農を取り巻く問題(農地法、機械など)を理解する
【ねらい3】
「農的生活」と「農業」がどのように違うかを理解する
【ねらい4】事例紹介・ディスカッションを通して、食と農についての理解を深める
【ねらい5】食と農に関連するなりわいづくりや自給を目指す受講生の考え・課題を、現場
の専門家を交えて議論することで、2年目以降の活動の参考とする
【1日目】
【2日目】
10:10 「日本と世界の農と食について」
(駒宮・篠原)
10:05
豊田市「豊田市における農業の現況と施策
について」
(安藤・岡田)
11:00
事例紹介:
あいのう流通センター/矢作川自給村(池野)
生産現場の事例紹介2:松本自然農園
(松本)
12:00
昼食
15:20
休憩
13:15
豊森相談室・食と農編
15:30
ディスカッション
17:00
終了
16:55
終了
12:00
昼食
13:00
講議の続き
14:00
生産現場の事例紹介1:M-easy(竹内)
14:40
総論:日本と世界の農と食について(駒宮)
・日本の食料自給率
総論:日本と世界の農と食について
(野菜茶業研究所 篠原信)
<石油と食料>
出典:
『食糧危機』週刊ダイヤモンド2007年7月21日
1.就農におけるリーガルな問題点
・農地法関連
・水利権関連
2.日本の農業政策とその問題点
・中核農家育成政策(中農政策)
・減反、転作奨励品目
・各種補助金制度
・農協とはどういう組織か
2.自給は可能か
・
「自給農」を許さない日本の農政
・各種作物の「反収」を知ろう
・自給に必要な農地の面積
3.あなたは、どういう農業がしたいか??
・
「営農」か、
「農的暮らし」か、
「食関連CB」か
60
・石油と食糧はどう関係しているのか?
・1キロカロリーのお米に2.6キロの石油を消費することになる
・日本の農業は収穫の2.79倍の石油エネルギーを消費
・石油がなければ作物をつくれないというのが日本の現状
・有機農法にすれば解決するか?生ごみなど肥料にできるもの
であふれているがその生ごみの元をたどれば輸入食糧
石油を使わずに、江戸時代よりも発達している農法はない
・江戸時代よりも耕地面積は広くなったが肥料がまかなえない
<国外から食糧援助が期待できるのか?>
・日本が食糧輸入できない程の危機では、世界恐慌が起きてい
ると考えられる。日本は日本でどうにかしないといけない。
・日本は人口が減少してゆくが、2050年になって最も楽観的
な数字でも9,000万人。完全自給は厳しい。2050年まで
に経済破綻せずに済むのか?
<今後どうすべきか>
・長期的:人口が減るので、それまでに自給体制を整えること
はできる。
・中期的:食糧を買う為に産業でカバーできるか。耕地の荒廃
を防ぐ対策。石油に依存しない農業技術の習得。
・短期的:財政破綻がおきたとき、地域がしっかりしていない
といけない。近隣諸国と仲良くすべき。
・空間軸:国際的には仲良くする、国内では各都道府県で努力
し、協力体制をつくる。地域は町内で食糧を備蓄する、都市
内で農地、自給。
→人間的な繋がり(縁)を強化する
→世界平均の生活を目標にする。
M-easy(竹内匤史)
・2003年4月に有機無農薬無化学肥料の新しい農業を
目指すM-easyを設立。
・2009年9月から若者よ田舎を目指そうプロジェクト
<プロジェクトについて>
・位置づけ:やさい安心くらぶLLP:知多半島を中心に
名古屋の各地で移動販売。この生産チームとしてプロ
ジェクトを行っている。売る事は気にせずつくる
・ミッション:狭い面積で高い生産性
・現状:この半年は準備期間。収穫物はほとんどない。農地
の排水、改善、土壌改良のための炭作り、キノコづくりなど
・内容:福蔵寺という寺と東萩平で農地を開墾。地元の
イベントで依頼を受けて野菜などを販売
松本自然農園(松本直之)
・2005年春より豊田市下山地区にて新規就農
<松本自然農園について>
・一般家庭向け、飲食店向けに野菜セットを販売。10種
類以上の野菜を入れる。
・労働力は1人。管理面積は約60a。労働時間1800時
間。週休2日で残業なしで。時給2500円くらい。SE
の時と比べて、収入は劣らない。
<就農>
・最初3反から始めた。農業で生計を立てることは、やり
方によってはできる。
・8 ヶ月間、農業試験場では栽培技術を学ぶことができ
たが、経営に関することは学ぶことができなかった。
・ホームページによる集客で販路開拓を行っている。
<今後の展望>
・農業経営が成り立つという実績を示すことで、新規参入者の
意欲を高めていき、経験に基づいた営農技術を伝えていく。
・研修生の受け入れもやっている。
・経営の安定化。
山口農産物等直売組合(楯忠夫)
<山口村について>
・かつては長野県。5年前に岐阜県に合併。
大半が第二種兼業農家の人。
・1人あたりの耕作面積が40a前後。
・昔は4軒の庄屋があり、その他はすべて小作人だった。
・長男が田んぼを継ぎ、次男以降は職人に。
・この10年間で人口が100人減った。
・ほとんど高齢者。65歳以上が32%。
<山口農産物等直売組合>
・各家で野菜をつくりすぎると、余ってしまい、捨ててい
た。これがお金になると思い組合を立ち上げた。
・目的は組合が一番でなく、生産者を一番に考えている。
・直売所では村のものしか取り扱わない。
・圃場から集荷場所までは生産者が運び、店頭までは運
搬人が運ぶ。
・出荷額100万を越える人は6名
・8割が野菜。野菜は種類が多様。
・年配の人は百姓に慣れているから優秀。この人たちが
ぽんと抜けた後をどうカバーしていくかが重要。
自前だけの商品で4000万の売り上げは自負できる。
「豊田市における農業の現況と施策について」(安藤昌幸・岡田博明)
<農業基本計画>
・豊田市農業の問題 点:担い手不足、獣害、農地減少、
集団営農の遅れ(特に山間地域)。
・重 点プロジェクトを設 定。地 産 地 食、都 市農 山 村 交
流、地域環境保全など
・中山間地域の施策:直接支払制度、獣害対策の連絡協
議会設置。
・捕獲対策支援事業:猟友会が駆除をする仕組みづくり。
・被害が一番多いのはイノシシ。豊田市の農作物の被害
は7900万円。そのうち3400万円がイノシシ
<新規就農について>
・農業で生活していくのはかなり大変。
・耕作放棄の原因は高齢化、獣害。
・本当に農業をやりたい方は、農ライフ創生センターで
2年間の研修を受けられる。
・修了すると農家資格の取得が可能
新規就農審査会。農業委員会の審査を経て農家にな
る道もある。2 ~ 3年の経験が必要。
<耕作放棄について>
・市内1665ha。単純計算で16.65%が放棄(農地基本
台帳調査)
どこに放棄地が多いかというと、中山間地域。
・M-easyなどの例もあり、企業に入ってもらう手段も検討中
<農地転用について>
・農地転用はいろんな意味で制約がかかっている。
・面積によって国の許可になる。
・20年度の転 用面積:市 街化区域22ha、市 街化調整
区域44ha。
あいのう流通センター /矢作川自給村(池野雅道)
<養鶏所からあいのう流通センターへ>
・農協でひよこ、えさを買い、農協に売っていた
・27歳のときから卵の直売を始めた。スーパーの値段で
売れる。50円から70円くらいの差がある。農家直売
だと、鮮度がいいからよく売れる。
・口コミで広がって、1982年にこれ以上広がったら何と
も手がつかない、ということであいのう会の仲間と株
式会社愛農流通センターをつくった。
・34歳のとき社長になった。28期目。
<顔の見える関係>
・大事なのは、消費者の方に理解してもらうこと。
・顔と顔の見える関係を大事にしている
・あいのうの食材でごはんを食べながら川で遊んでもらう
・さつまいも収穫、田んぼ体 験 など消費 者を呼んでの
イベントを行っている
<NPOの活動>
・NPO法人矢作川自給村:あいのうのお客さんを中心に、
現場を見てもらう、収穫してもらう、食べてもらうことで
知ってもらう。
・土日のワーキングホリデーとしてスタート。自分で食べ
物を作り食べるのがベース。
※この後、豊森相談室農と食編を実施。楯さん・池野さん・
小澤 庄一さんが相談員と なり受講生からの様々な意見・
質問に 答えてくださった。
61
エネルギー総合講座(2010.5.15-16)
講師:高野雅夫・駒宮博男
開催日時
2010年5月15日(土)10:10 ~ 16:45、16日(日)10:05 ~ 12:00 会場
概
タイトル
要
目的/ねらい
フォレスタヒルズ・トヨタの森里山学習館エコの森ハウス
「エネルギー総合講座」(地域デザイン講座)
【ねらい1】エネルギー問題の根本を理解することで、これからの暮らしにエネルギーはどう
あるべきかを考えるための基礎をつくる
【ねらい2】新エネルギーの利用について今後の可能性(メリット・デメリット)を把握する
10:10
講議「エネルギーの基礎」
(高野)
10:05
豊田市の環境モデル都市構想について
(太田)
12:00
昼食・休憩
11:15
講議「地域におけるエネルギー自給」
(駒宮)
13:00
講議続き
12:00
終了
13:50
新エネルギーに関する議論
14:50
休憩
15:00
新エネルギーに関する議論の続き
16:45
終了
エネルギーの基礎(高野)
宇宙の法則について
①エネルギー保存の法則
エネルギーは形を変えても、総量は変わらない。同じ
単位で測ることができる。
②太陽熱
・お湯を作るために太陽熱がとても普及していた。
・今後有効か。
③風力
②熱力学の第2法則
・巨大な風車でそれを動かす風があれば、民間企業がで
きるギリギリのコスト。メンテナンスの問題。6、7年
目から壊れ始める。
・エネルギー収支は良い。しかし環境問題がある。安定
供給のために結局バックアップとして火力発電等が余
分に必要になる。
ピークオイル論について(駒宮)
・大きくなるとダムが必要になり巨額な投資が必要になる。
・経済面は○。エネルギー収支は◎。
・自然災害、土砂崩れなど。ゴミが詰まる。
・水力利用の際の最大のリスク・ハードルは法律
エネルギー変 換の効率=変 換されたエネルギー量/
投 入したエネルギー量。例えば、太陽光発電の場合、
光/電気<1。発熱により決して1になることはない。
→①エネルギーを使うとはエネルギーの形を変えること
→②エネルギーは最後には熱になる。
・枯渇性資源のNO.1は石油だといわれている。
1850年に石油を使い始めた。すごい量の石油を短時
間で使っている。この200年は人間にとって非常にア
ブノーマルな時代。
・ピークオイル。今までに私 達は全ての 石 油 量 の 半 分
を 使ってしまった。最初はどんどん 石油が 掘れるが、
徐々に掘りにくくなっていく。この曲線のど真ん中を
ピークオイルと呼ぶ。
・ピークはもう超えたと言われている。
・エネルギー収支を優先したエネルギー対策が必要
新エネルギーに関する議論(駒宮・高野・澁澤)
①太陽光
・ソーラーパネルは製品の寿命としては20年ぐらい。
・経済面:去年から2倍の値段で電気を買い取ってくれる
ので投資回収年が20年になった。
・エネルギー収支:設備設置に要するエネルギーと生み出
すエネルギーの差。これが元がとれないと意味がない。
石油がとれなくなるとパネルがつくれなくなるのでは。
・20年後、どうなっているのかわからない。
・1年は8760時間。そのうちでお日様が照るのは最大
2100時間。移動率は良くて20%。
62
④水力
⑤バイオマス
・木-丸太-チップ-ペレット-エタノール。細かくなれ
ばなるほど使いやすくなるが、細かくするにはエネル
ギーがかかる。
・ペレット:石油の値段が高くなり、かかるコストが安く
なれば経済的には合うかもしれない。
・チップ:品質がいろいろ。松阪のチップ工場、砕いた
あとにヤードに積んでいる。発酵して堆肥になりかけて
いる。巨大なボイラーに供給している。経済性はギリ
ギリ。
・薪:割って乾燥させる手間が、事業にしようとすると苦
しい 。エネルギー収支はよくても、経済性は合わない。
・薪 の 宅 配と一 緒に野 菜 の集 荷をやるなど、コミュニ
ケーションツールとしては良い。
⑥糞尿
・メタン発酵したガスを使い、残った液体は有機肥料とする。
・家畜を使った農業がなくなった。かなりのエネルギーを
畦畔の草刈りに使っている。米づくりの労力の大半は草
刈り。移動しながら羊を飼う商売があれば良いと思う。
⑦雪氷
・雪を倉庫に入れておき、夏に冷房に使う。多くの人を
呼び込み観光収入になっている。
⑧波力・潮力
・海上で光るブイの発電。ブイに穴があいていて、波が
空気を押し出すときに発電するというもの。
⑨地熱
・二つある。一つは地熱発電。マグマだまりのあるとこ
ろで、水を入れてお湯を沸かし、蒸気でタービンを回
す。日本ではどこに作るべきかがなかなかわかり辛い。
・もう一つは地熱を利用した熱交換。こちらは日本全国
どこでも使える。夏は熱が地下に逃げ、冬は暖房の熱
が逃げるのを助ける。
⑩人力 最後に人力。エネルギー的にみた人力の特徴は何か。
モーターなどは熱処理が大変。非常に性能がよい。効
率が圧倒的によい。
「豊田市の環境の取り組み」
(豊田市役所 太田稔彦)
<豊田市の現状>
・CO2排出量は景 気に左右される。経 済が停滞すると
CO2も下がる。
・元気な経済と低炭素社会をどう両立するか。
・排出割合は産業から61.5%と圧倒的に多い。豊田市
内の 経 済 活動は劇的に上がってきているが 排出量は
徐々に下がってきている。
・民生部門が上がっており、削減目標を掲げている。
<自然エネルギーで自動車が走るまちを目指して>
・プラグインハイブリッド。
・230台のうち20台が豊田市にある。
・駅のマクドナルドの横に充電施設を作った。今年度5
基、全部で26基配置されることになる。
・23キロ電気走行できる。主だった公共施設に充電施
設が整備される。
・EVを普及するには周辺の自治体も含めて、高速道路網
で広域もカバーできるようにしていきたい
地域におけるエネルギー自給について(駒宮)
「FEC自給圏」
(内橋克人)。Fはフード、Eはエナジー、
・
Cはケア。私的にはCは公共サービスと考えてよいと思
う。結局、この3つをどう自給するかが、これからの自
給可能社会の視点。
・FEC自給圏はだいぶ崩れてしまった。
・解決策はコミュニティをいかにつくるかということ。
・地域主体が重要。
・豊田市は、森林面積が70%、そこにすんでいる人は全
体の6%。それ以外の場所に住んでいる人が94%。こ
の6%をどう増やしていくかが重要。まず、FECの3つ
を自給するようなコミュニティを。
・公共サービスはこれからの地域の経済主体となる。こ
れを地域主体が取り戻すことが大切。
塾生の振り返り
・これからは自然エネルギーの量に応じた自分のライフスタイルを考えていきたい。
・電気を大切にするとは、地球のため、環境保全につながることよりも、非効率な発電所稼働を抑える事が根本となる
と思いました。
・資源として考えてこなかったものを資源として見ていけるように、利用のし方(エネルギーとしても含めて)を考えて
いけるように、ひとりではなく地域社会のメンバーが共有すること。そのための「しかけ」をつくり出していくことを一
発ではなく、
「ことあるごとに」それが自分のやろうとしていることかな、と思った。
・今後、自分がどのように暮らしていくかを考え直す良いきっかけになった。
・技術的な進歩で“エネルギー問題”は解決されると信じている人が多くいるけれど、昔ながらの方法こそが、解決の
糸口なのではないかと思った。
・石油の危機、原発のこと、自然エネルギーへの期待が前より薄くなって、未来に不安は感じるけれど、仕組みも分
かっていないし、ボタン一つでエネルギーが来てしまうこともあって、何か変えたいと思っても、何から始めれば良い
か分からない。
・今までは大きなエネルギー工場ばかりだったが、これからは個々でもエネルギーを作れるようにすることが必要。
・これからの生活にはとても大切なエネルギーについて考える時間が持てて良かったです。
・これからの未来を、エネルギーからデザインすることも大切だと思います。
・場所、地域に合わせたエネルギーのハイブリッドで組み合わせると良いと思います。
・最後は自分のライフスタイルに合わせ、いかに効率よくエネルギーを利用するかデザインできる力を養成することが
大事だと思った。
・エネルギーは「質」が大切。生活で使われるエネルギーをチェック。
・基本を知るということは大切であると思った。一方、自分に引き寄せて考えることが大切であると思った。
63
豊森的なお金の話(2010.9.25)
講師:萩原喜之
開催日時
会場
タイトル
概
2010年9月25日(土)10:05 ~ 15:30
フォレスタヒルズ・トヨタの森 里山学習館エコの森ハウス
「豊森的なおカネの話」(地域デザイン講座)
要
目的/ねらい
【ねらい1】お金についての理解を深め、これからのお金と暮らしについて考える
【ねらい2】物やサービスの地域内循環について考える
10:05
講議「豊森的なおカネの話」
(萩原)
10:15
講議「エンデの遺言について」
(萩原)
11:15
I time
11:30
We time
12:30
昼食・休憩
13:30
モリ券の紹介(安藤)
14:15
おカネについての補足の講議(駒宮)・質疑、意見交換
15:30
終了
豊森的なお金の話(萩原)
〈本講座の視点〉
個人 私にとってお金とは何か?稼ぎのあり方
地域 地域とのつながりとお金。地域循環
世界 持続可能性とお金。グローバライゼーション
と南北問題
<通貨の機能とその薬と毒>
①交換の媒体
②価値の尺度
③価値の保存
④投機的利益の道具
⑤支配の道具
(※④、⑤が多くの問題をおこしている。
)
・お金という道具は何をつくるための道具なのか?
・多機能同士が衝突してしまう。
・自然界のすべての物は劣化するのに人間が創り出した
お金は劣化しない…
・今までの生活では、お金を稼ぐというのが当たり前に
なっていると思うが、稼いだお金はどこにいくのか。
・持 続 可能な社 会という部分とお 金。持 続 可能な社 会
を持続不可能な社会にしているのはお金なのではない
か。グローバリゼーションと南北問題。
・現在のお金の機能。5つの効果・機能がある。価値の
物差し。お金という道具は、なんのための道具なのか。
多機能が衝突しているという意味を理解してほしい。
エンデの遺言について(萩原)
※宿題として「エンデの遺言」を観てもらった。
右記は塾生の感想
64
・会社でもらったお金を見たことない。全部銀行口座で
のやり取りばかり。人間は生のお金を見ないとまずい
なと思った。
・コンピューター上を駆け巡る数字ばかり。
・地域通貨は、日本でも各地で聞くけれど、出てはすぐ
廃れる印象。地域通貨についていろいろ考えていた。
・お金の機能の①~③は認めても、④と⑤のお金はよく
ない、絶対やめるべきだと思う。
・投資の機能の一部が投機と一緒になっている気がする。
株も、株式の価格は企業の年間利益を還元した価格で
決めるべき。
・現在の金は、江戸時代は米であったり、生きるための
道具であったりした。
・国の機能がうまくいっていないときには地域通貨は役
割を果たす。
・実際のお金の本質を見失っている。何かもらっても、
お金に換算して高いほうがむこうの気持ちが大きいか
な、と考えてしまう。
・深い話だなと思って聞いていた。お金を食ってもおな
かはいっぱいにならない、と思ったりすることがある。
だが、実際はお金にしばられている。
・地域通貨の広がり方。地域で閉じていなければならな
い。小さいものがたくさん、というものでなければな
らない。スイスのwir銀行のものは、中小企業を救うた
めに通常の通貨と並行して出されたもの。
・ものづくりをはじめようと思ったきっかけの一つは、
ものは物々交換できるということに魅力を感じた。会
社で働いていたときは、リアリティがない。今は自分
のつくったものと交換することができ、出会いができ
てきた。豊森の稼ぎと仕事という話で、稼ぎも自分で
調整できるし、減らした分を自分の仕事として自分で
ものをつくる、ということが少しずつわかってきたよ
うに思う。
・お金をためても得しない、ということ。お金は使わない
と増えない、というふうにしなければならないと。 お金
は世の中に回さなければ稼げない、というふうにしなけ
ればならない。と感じた。
・自分の生活で使うお金に関しては、エンデのいうとおり
地域通貨でいいなと思う。 数年前に親が大きい病気を
した。 頻繁に実家に帰らなければならなかった。 そのと
き、まとまったお金が必要だった。もう少しお金があった
ら個室に入れてあげられたのに、と思ったり。もしもの
ケアを誰かができるのなら、地域通貨で良いと思ったけ
ど、そうではない限りは、ちょっと難しいと思った。ある
程度はないと、もしものときに、後悔する。ぼくも実際
に後悔した。
・今のお金は競争を促すものであって、友好的な社会に
なったら別のお金が必要だという言葉に納得した。
・お金のあり方って考えたことがなかった。 特にため込む
こともなく、入った分使うという生活をしていた。お金を
どう使うか、ではなくて一番大事なのは時間をどう使う
かだと思う。
・ためることなく、105%使う生活をしていた。いまの経
済システムが、お金を残したい人向けなのではないかと
思う。 そうすると私みたいな人にとっては不利。お金き
つきつで生活している人にとっては厳しい。ためるって
ことが必要になってくる。お金に振り回されているという
のをつくづく思った。
木の駅プロジェクト「モリ券」の紹介(安藤俊人)
・木の駅プロジェクトとは、森林整備と地域経済の活性
化を目的とした事業。
・山で放りっぱなしになっている木(林地残材)を「木の
駅」に出荷して、モリ券をもらう。山がきれいになって、
町が元気になって、地球温暖化ストップに少し役に立っ
て、そして自分にはモリ券でごほうびを。
モリ券原貸
個人・団体 (協賛金など)
企業・行政
1枚/回
モリ券発行
モリ券
発行・清算
森林保全
ボラ活動
5枚/㎥
林地残材
搬出
木の駅 prj
モリ券利用
(地場産品)
モリ券清算
(清算+寄付)
地場産品
販売店
「森林保全 活動」と「地域 経済活性化」を
・モリ券は、
促進するためのツール(地域通貨)。モリ券は間伐・林
地残材の搬出など「森林の保全活動」に対する環境直
接支払いとして発行される。
・モリ券は1モリで日本国通貨1千円以下の価値を持ち、
地場産の商品や地場サービスなどと交換することで「地
域経済活性化」を促進する。
塾生の振り返り
・お金のために世界が動いている。効率化を追い求めて強者と弱者に分けてしまう。
・当然このままでは経済破綻してしまうので、そうなってもいいように地域循環するシステムをつくっていきたいですね。
・この豊田市の山間部で循環する仕組みはいろんな団体をつなぎ合わせていけばある程度カタチになるのではないか?
・お金:ヤップ島に行ったとき、一銭も使わなくって、でもおなかいっぱい食べました。
・世の中のためになるお金の使い方、お金の稼ぎ方をしないといけないと感じた。
・お金がお金を呼ぶ、為替、相場、利子の各制度をなくして固定化すればよい?
⇒中国のやっていることは合理的なのか?
・日本の企業は日本の市場で成長できないことをよく知っているから海外に出ていく。それが更に日本をいためつける。
別に成長しなくても利益が出なくても赤字でなければよいと思うのだが。
・時間をいかに満足して使うことができるかをもっと意識していきたいと思いました。
・田舎で近所の人に野菜などをもらって少々物々交換をして暮らしをしているかたわらで、東京の実家では株で授業料
を払ってもらったり・・・。この先、どっちも欠かせないものだし、平行していく経済と思う。
・地元で回っていく経済。自分もその輪の中にいたい。
・老いるお金になんかハッとしました。
・金は必要な分だけあればよいと思っていた。お金を転がすようなことだけはしたくない。
・一番難しいのはお金の使い方だと思う。
・お金は劣化しなくてはならない、衰えなくてはならない、とても難しいことだと思いました。
・人と人とが顔と顔を合わせて思い合って生きていくのはどうしたらいいのかなぁ。
・今は豊かすぎてだめなのでしょうか?
・もっと助け合わないと生きていけなくなるくらいになったら、本当の人間らしさというものが現われてくるのでしょう。
・カンボジアから帰ってきて、一番にこの講座で“労働に対して賃金を”を目の当たりにしてきただけにこの言葉は重い。
・お金は現物的取引のみ使用できるように特化すべきで投機的手段は別のお金の仕組みに分けるべきだと思う。
・お金のために人生の大半の時間の自由時間がなくなってしまう現代は本当に幸せなのか考えさせられました。もっと
お金に縛られずに健康で文化的な生活が送れるのが本当の幸せだと思います。
65
豊森的起業・多業論(2010.6.27、7.25)
講師:駒宮博男
開催日時
2010年6月27日(日)13:00 ~ 17:30、7月25日(日)10:00 ~ 14:30
6/27石野交流館
7/25フォレスタヒルズ・トヨタの森 里山学習館エコの森ハウス
会場
概
要
タイトル
目的/ねらい
「地域づくりを実践する社会起業家に求められるもの」(マネジメント講座)
【ねらい1】多業経験者のなりわいの実例を知ることで、多業についての理解を深める
【ねらい2】営利/非営利組織を総合的に理解する
【6/27】
【7/25】
13:00
講議「豊森的起業・多業論前編」
(駒宮)
10:00
講議:社会の移り変わりについて(駒宮)
13:20
事例紹介①「なぜ食える市民運動を
10:30
豊森的多業を考える①ミッションある
目指したか」
(萩原)
14:30
事例紹介②「農業・企業・NPOを渡り歩いて」
(澁澤)
17:30
終了
多業の事例紹介
(中根桂子氏、湯山良史氏)
11:30
豊森的多業を考える②ディスカッション
12:15
昼食
13:15
豊森的多業を考える③
「駒宮さんに聞いてみよう!多業ってなに?」
14:30
講議「豊森的起業・多業論前編」
(駒宮)
・稼ぎと暮らしと仕事とでバランスよい生き方をすること
が、豊森のコンセプトの一つ。
・今までは、アンバランス。仕事がない、稼ぎばかりな
ど。これがバランスよくなるとよいなということ。
・仕事とは、公共性がある活動。公務員は仕事と稼ぎが
重なる部分がある。
・自給自足は暮らし100%。
・FEC自給圏。食べ物、エネルギー、ケア。これらが地
域で自給できるように。
・均衡経済。これが一番目指すところ。もっとフレキシブ
ルな生き方をしないと、生活自体が不安定になる。
・林業だけで食える人を増やそうとしてもダメ。農業だ
けで食える人を増やそうとしてもダメ。やはり多業。
<事例紹介について>
・萩原さんは、公共サービスをビジネス化する。民間公
益でメシを食うということをやってきた。
・渋澤さんに語ってもらうのは、人生経験。どういうか
たちのなりわいがよいのかという話をしていただく。
「なぜ、食える市民活動を目指したか」
(萩原)
・たまたま好きだったのが市民活動という世界。社会の
課題を解決しようとして始めたのではない。自分でや
れる事。自分が好きなこと。
・56歳にして、自分の考えがかたまってきたという認識
があった。豊森があって、自分自身が触発された。ま
だ自分自身は成長すると感じている。
・食える市民運動を目指した。モデルにしたのは、関西
リサイクル 運 動 市民の会。
「 財政の独 立なしにしては、
自由な行動と思想はない」という言葉。
・ロマンから入る人、そろばんから入る人。自分は両手に
ロマンを持っている。
・社会と交わってしまった以上、責任がある。代表の責
任、事業の責任。財政の自立はすごく大きい。僕自身
66
終了
が民間公務員。
・受講生が考えていることは結構やっている。農場の経営、
商社、八百屋の経営、衣から暮らしを見直す、紙の販売。
・最初の10年は啓発、次の10年は物売り、次の10年は
コンサルティング。多業。トライ&エラーでやってきた。
・前のめりになれることが事業にとっても絶対的に必要。
それは自分の中から迸るものでないと無理。
・しかし、結構なことをやってきたつもりだったが、名古
屋市全体の資源化率から見るとたいした成果はない。
・最初から地域が大事だと言って来たが、地域を理解す
るのに17年かかった。
・池野保次さんの聞き書きを体験して完全に打ちのめさ
れた。僕はやれてこなかった。家を捨ててきたから。
・豊田市の社会貢献として森というお題をいただいたの
もきっかけ。地域、森、企業、すべてのものが地域か
ら離れたらおかしくなるんだという認識を持った。
・昭和30年代の日本が高度成長に入っていったところで
育ってきた。持続可能な社会というとピンとこないが、
心の痛みはリアル。ひとりひとりの幸せは金以上に必
要なものだと思う。
・多業の先輩として、何か一つでも参考になれば嬉しい。
「農業・企業・NPOを渡り歩いて」
(澁澤)
・農学部で農業をやってきた。農業を一つの産業にした
いという思いもあったし、産業というスタイルで農業を
とらえてはいけないという思いもあった。
・宮本常一さんという民 俗学者の息子さんに誘われて、
樹木・環境ネットワークという団体に入ることになった。
頼まれて、聞き書きに行った。
・NPOを経営することを考えたら、稼ぎ・暮らし・仕事の関係。
このバランスを1:1:1でとるように経営しようと始めた。
・稼ぎ、自主事業づくりが一番難しかった。10年経った
ときに、聞き書きとかが出来てきたが、多額の助成金
が入ってくるようになった。
・田舎を回って、稼ぎと仕事が違うということを知って楽に
なった。僕の先輩が、「澁澤君、やっぱりね、45までは
左手で仕事をしろ」。 今の世界に入って初めて右手で仕
事をしだした。
・やりすぎてしまうし、身体も壊す。でも、走れるところま
で走ろうという開き直りでやっている。
・人生の転機になったこと。新潟県の奥三面の話。行った
ときにはダム建設が決まって全戸転居、集落はなくなっ
ていた。1998年ごろのこと。
・マタギの集落。40年くらい前にダム建設の話があり、
15年くらい移転交渉があり、最後、泣く泣く移住した。
・そのあとダム建設まで15年かかった。 埋蔵物調査をし
縄文草創期まで出て来た。44戸の集落が3万年間続い
たということが分かってきた。3万年の生活がダムの底
に沈んだ。
・その時にシンポジウムが地元で開かれた。家家の入り口
に埋められている縄文土器。子どもの骨が埋められてい
た。子供の生き返りを祈って埋められていた。
「先生それは、違う」とおばあちゃんが言った。 今でも
・
集落の家の入り口に子どもの骨を埋めていると言った。
・5歳まで子どもが育つのはまれ。みんな、子どもが死ん
でから家族の声が聞こえないとかわいそうだから、入り
口に埋め込んだ。ダムの移転の時に言えなかった。まび
きなど、自分の子供を殺していた。死んだ子どもを埋め
るのは女性の役割。
・愛、許す、感謝。 それを結局、宗教や芸術に押し込ん
できた。それに初めて気づいた。それを社会の価値観に
していかないといけないと思った。 地域の人に優しくな
りたい。
・今の社会の当たり前だと思っている価値観であたりまえ
だと思っているのが、明日の価値観じゃない。 やはり、
自然の中で稼ぐ、暮らしていく、ベースはなんなのかを
問いかけることだけは忘れてほしくない。
・人が教えてくれるものではない。自分の中の答えをしっ
かり見つめていく。自分の答えは必ずある。この話は僕
の原点。
社会の移り変わりについて(駒宮)
<これまでの社会の特徴>
・右肩上がり(成長肯定主義、成長前提主義)
・新自由主義の極端な表現としての市場原理主義(モラル
なき市場に「神の見えざる手」なし!)
(弱肉強食の経済
環境)
(地域の疲弊、限界集落、
・極端な中央集権社会(日本)
見捨てられた地域資源)
・グローバル社会(世界の欧米化:欧米の進歩主義、勝利
者史観)
(広がる格差・南北問題)
<これからの社会の特徴(私案)>
・定常型社会(均衡経済)
(マクロ指標は不変だが、社会内部は活気に満ちている)
「FEC自給圏」(内橋克人)「自給自足型経済」
・
cf.「外部依存型経済」(弱肉強食の経済環境)
・分権型社会
ミッションある多業の事例紹介
①中根桂子さん
<やっていること>
・木のおもちゃ屋をやっている。週2日くらい営業。
・プレーパーク:子どもが自分でやりたいことをとことんや
れる場所を提供している。どろんこ遊びや木登り、火遊
びもできるぎりぎりのところまでやらせてあげる。
・グリーンママン:朝市をやっている。
・おひさまクラブ:いいだしっぺ。ML登録は370人
・あいちエコ&ピースデザイン:自称「無敵な3人組」と
名づけて活動している。
スイッチの入った瞬間。日記を書くのが好きなので16年
・
間つけている。それをもとに振り返る。
<子供時代>
・小学校のころ、担任の先生からカンボジア難民の話を聞い
て給食が残せなくなった。思いきって小遣い500円を寄付。
・小6の頃、同和問題を知り親と討論をして泣いて怒った。
・中学校の頃、真っ赤な福神漬けに違和感。 食物添加物
を調べた。美浜原発を知り、憤り。情報操作に気付く。
<変化>
・シュタイナー教育に出会い、ショックをうけた。 子ども
が初めてはいはいした日のことも、歩いたときのことも、
すべておばあちゃんから聞いていた自分。 子どもとの
暮らし方を考えるようになった。おひさまクラブを結成、
鞍ヶ池プレーパーク実現。
・最も衝撃的だったのは田中優さんとの出会い。最初は講
演会の告知の手伝い。 話を聞いたら号泣。豊田でも講
演会を開こう!と結成したのがグリーンママン。 グリーン
ママンのスタンスは、それぞれが興味を持ったことを学
び、発信すること。
人と争っている暇はない。 人に何か伝えるには北風と
太陽の「太陽」で。
②湯山良史さん(木工家)
・8年ほど前に愛知県常滑市から岐阜県中津川市に移住。
・肩書きは木工屋。 家具制作が中心だが木材加工に関す
ることはいろいろやる。また昨年より森林作業員として
週半分ほど山に行く。
・材料は原木を購入し使用する。使えるようになるまで何
年もかかり手間もかかる。やっぱり木は工業製品じゃな
い。 同じ山桜の木でも、生えていた場所の環境(斜面
の方角、土質、木のDNA)によって差異が大きい。
・富士山麓で生まれ育った。自然環境に恵まれた場所で幼
い頃を過ごし、また住民の入れ替わりが多くコミュニティ
があまりない町で育ったことが、今の生活に至るもとに
なっていると思う。
・生活に関わる仕事をしたいと思い家具職人に3年間弟子
入りした。その後常滑で独立。なんとか生活が安定した
頃木工教室の依頼があった。岐阜で雑木林を間伐して出
た雑木材をつかった木工教室。その講座を考える過程で
日本の里山について関心を持ち、その制作物を考える過
程でアイヌの木彫りの器に出会う。
・アイヌの生活文化に関心を持った。昔の彼らの生活は循
環型だった。一神教のように自然を対立的に見ない。人
間とすべての生き物は対称性を持ちお互いに入れ替わり
67
うる存在。その世界観はこれから大事になると思った。
・循環 型の 生 活を実 践するために中津川市の里山に土
地を買い、一年間かけて、仕事場から始まり、母屋を
作った。地域の人たちといろいろ話してみると、戦前
生まれの人たちは、地と一体になって生きてきたという
感じがする。そういう文化が山村の中で途切れようと
しているまずい時期だと感じる。この地域の中で何か
次につながるような仕事はないだろうかと考えていると
きに佐藤林業と出会った。林業の仕事と家具の仕事を
うまいことリンクさせて地域に結びついた活動が出来
ればと思っている。
68
マネジメント講座
講師:井上淳之典
豊森で行うマネジメント講座の位置づけについて
受講生が個々の将来を自分でデザインできることを、目指す。
20世紀的価値をおさらいし、21世紀的価値を創造する。
>20世紀後半の市場原理主義・拝金主義からの脱却
>20世紀は右肩上がりの世紀、21世紀は右肩下がりの時代
1、ファシリテ―ションの基礎
目的:ファシリテ―ションを行うときもっとも重要となる話を聞くこと、話を聞き出すことなどを実感を持って学ぶ。
方法:インタビューゲーム(2人1組になり、それぞれの話を20分間聞く。聞いた内容を文章にして、紹介する)
■タイムスケジュール
13:30 インタビューの説明
14:00 インタビューゲーム開始
14:20 インタビュー交代
14:40 インタビューゲーム終了、文章まとめ作業
15:00 グループ内で他己紹介発表・意見交換
16:00 全体発表
16:25 まとめ・質疑応答
16:50 終了
■受講生の感想
・聞く20分よりも話す20分のほうが短く思えた。
・日常ではあたりさわりのない 会 話 が 多いなかで、踏み
込んで会話をすることは大事なことと改めて感じました。
・色々な発見、考え方、問題点、思いなどたくさん学べた。
・コミュニケーションって本当に大切だなーって思っていた
今日このごろだったのでいい機会でした。日常にもちか
えってやってみようと思いました。
・自分のことでも他の人に書いてもらうことにより新しい
自分が発見された気がしました。
2、マーケティング概論
目的:ラーメン屋台を10日間模擬体験して経営センスを磨く。
方法:黒猫タロウの屋台屋本舗(※)というゲームを行い、商売のセンスやお金の動きを体感する。
■タイムスケジュール
13:30 マネジメント講座開始。内容の説明
14:15 黒猫タロウ屋台屋本舗ゲーム実施
15:25 気づきの共有
16:25 講議
17:25 終了
※http://www.soshin.cc/tarou02.htmを参照
■受講生の感想
・経営に関して気軽に知ることができてよかった。
・こんなゲームがあると思わなかった。とても楽しいシュミ
レーションゲームで企業教育には向いていると思った。
・経営ゲームを初めて体験したので、仕入れ、販売、会計
のHOW TO、経営の難しさなど、いろいろ学ぶことがで
きて楽しかった。
3、経営シミュレーション
目的:1.自ら社長として意志決定する立場になって経営の仕組みをトータルに把握する。
2.損益計算、財務諸表の基本的な仕組みを理解する。
3.価値の源泉について考察し、コスト感覚、リスクマネジメント能力を身につける。
4.利益増大のみを追うのでなく地域資源の循環を配慮したマネジメント能力を習得する。
5.持続可能な組織経営のあり方についての将来ビジョンやイメージを持つ。
■タイムスケジュール
9:35 ルール説明、練習、経営方針立案
11:00 ゲーム実施
12:15 昼食休憩
14:40 ゲーム終了、決算表記入
14:45 全体での共有
15:45 気づきの共有、ラベル出し
16:00 「財務会計の基礎」についての講議
16:45 質疑応答
■受講生の感想
・成功の要因は協業。周りの人との協調性が大事。
・ゆるやかな成長が成功のヒケツ!!
・実際に適合するゲームなのか疑問が残った。
・市場の流れ、状況を読む。把握する。
・社会の変化に対応できる体力の大切さ。
・現実は何度もできない。シミュレーションは大切。
・今までの経営をやりながら次世代への準備を急ぐ必要が
ある。
69
(2009.7.26)
「地域づくりを実践する社会起業家に求められるもの」
講師:山田桂一郎
開催日時
会場
概
タイトル
要
目的/ねらい
2009年7月26日(日)13:30 ~ 16:30 崇化館交流館
「地域づくりを実践する社会起業家に求められるもの」(マネジメント講座)
スイスの観光産業や全国の成功事例、失敗事例をもとに、地域づくりに必要な要因を学ぶ。
また、豊田市中心市街地及び足助の地域づくりの取り組み、課題などを聞き、受講生の関心
テーマと関わり方、コミュニティビジネス創出や当事者意識のヒントにつなげる。
13:30
マネジメント講座開始、講座の説明(井上)
13:50
講演「地域づくりを実践する社会起業家に求められるもの」(山田桂一郎氏)
14:50
休憩
15:00
実践報告1「豊田市中心市街地のまちづくり」:河木照雄氏
実践報告2「足助のまちづくり」
:長橋朗氏
15:30
トークセッション「地域づくりに必要なもの」:コーディネーター 萩原
16:45
質疑応答
16:30
終了
地域づくりを実践する
社会起業家に求められるもの(山田)
・スイス、ツェルマットの観光局でマーケティングとイン
フォメーションの仕事をしている。トレッキングガイド
とスキー教師も。
・私にとって一番大事なのはやる気、スタンスに限る。み
なさんの持っている観光のイメージを変えていきたい。
・本当に素晴らしいと言える地域は、当たり前のようだ
が住民が活き活きと暮らしているところ。それは地域
に幸福感がある。
<観光業とは>
・観光産業としての目標は入り込み数を増やすだけでは
意味が無い。地 域全体の経 済 効果を向上させる。ま
ずは宿泊化が大前提。
・知名度が上がるだけではだめ。地域内の隅々まで経済
波及効果を広げるためのマネーフローの仕組みづくり。
・観光で、まちづくりはできない。まちがつくられ、育っ
ていかないと観光はできない。観光は、光を観ると書
く。地域に光がなければ観光にならない。
・すばらしいといえる観光地域とは、地域の宝が明確に
なっているとこと。一番大事なものを、みんなが理解
していること。それから豊かさのありかたが明確になっ
ていること。その地域が持つ豊かさとは何か?それは、
ライフスタイルが明確になっていること。
・生活満足度指数1位はスイス。日本は23位。経済大国
だといわれながら、国民は豊かだと思っていない。
・異 なる日常、ライフスタイルをみなさん の 地 域 では
持っているか?それを住民が誇れるか?
・観光は飽きられるが、ライフスタイルは飽きられない。
・お客様にとって明確な旅の目的と理由を満たすパワーを
持っていれば、どこからでも客は来る。
・観光とは、お金ではなく時間をいかに使わせるかとい
うこと。
・スイスの場合、マッターホルンがあるから持続可能な社
会になっているわけではない。圧倒的な自然のなかで、
70
非日常 の 世界と、異 なる日常 の 部分。この 中にどう
惹きつけ続けられるか。そして、全体的な地域経営の
仕組みと体制化。
<いい地域とは>
・あなたが住民として、この地域で一番大事なものは?
・今後、地 域 振 興や 観 光 産 業に携わる上で、あなたが
一番大事にしなくてはならないものって何?
・将来的に住民が幸せになるためには何が必要ですか?
・30年後の理想の姿は想像できますか?
→素 晴 ら し い 地 域 が こ れ か ら の 問 い に 即 答 出 来 る
のは、正確な現状認識と明確なビジョンの下に地
域経営の戦略と戦術が構築されているから。
・人間は普段から思っていることや考えていることが行
動や地域の環境や景観等に形になって現れる。
・ヨーロッパが観光産業を重視しているのは成熟国家と
して雇用と賃金が確保出来るから。そして、お客様を
引き付けるキーワードは地域のライフスタイル。
・単純なモノづくりをする産業では国際競争で勝てない。
付加価値が高い商品の提供により儲かり、雇用が増え
る。付加価値が向上することで儲かることも出来るし、
一人当たりの消費を増やすことが出来る。そして、地
域としてお客様をリピーター化させなければならない。
実践報告1
:
「豊田市中心市街地のまちづくり」
(河木)
・豊田は交通状況が悪い。商業と工業の差が大きい。
・桜町商店街。かつてはすごく栄えていたが、道路を整
備したことで人が来なくなった。店同士のコミュニケー
ションも薄れてしまった。活性化しない原因は商業者
が怠けているといわれるが、本当か?と思っている。
・私たちはライフスタイルの変化に対応できなかったの
では。商業売上高も落ちている。現在8割くらいの人
は市外で買い物している。
・な んと かしなくて は ということで、 計 画 作りをして
きた。活力と交通と環境の三本柱。
・基 本 計 画 の 実 施 を きっちりやってい るぞということ
を 示すためにも、活 動 拠 点 を 街 中に設 置 する予 定。
みなさんと一緒に街中に足を置いて実施していきたい。
・西 町 で展 開 を 予 定して い る の が 飲 食 店 ストリート。
飲食店がビルに一緒になって安く飲んでもらえるように
計画。
・昔からの古いお店を紹介できるような仕組みをつくる。
・町に来る人がどうやったら店に入ってもらえるかを考え
ている。
・低炭素社会を提案する中心市街地の形成。 二酸化炭素
を減らせるような取り組みができないか。LEDランプへ
の転換も検討。
・トヨタ自動車からプラグインハイブリッドを提供いただける。
・これを利用して、カーシェアリングの実験をしてみたい。
⇒(山田)このまま行くと相手の首をしめると同時に自
分の首を絞めている状況。
実践報告2:
「足助のまちづくり」(長橋)
・足助は交通網では恵まれている。153号線が街中を通っ
ている。
・足助の小学校は秋の観光シーズン、グランドが駐車場に
変わる。
・専門家が行ってみたい紅葉の名所ランキングで2位。
・美しい日本の歴史的風土100選に選ばれた小路、中馬
のお雛様やたんころりんなどの行事もあり、足助はまち
づくりが進んでいるとよく言われる。
・課題は人口減少と高齢化が進んでいること。町としての
機能に限界が近づいているのではないか。
・観光とまちづくりにどんな関係があるのか。外の人はい
い町だと思っている反面、住人はそうでない。
・持続可能で自立できる商業タンクをつくりあげなければ
いけない。
・足助の特色を生かしながらまちづくりをすすめていきたい。
⇒(山田)目標設定はあるが、最終ゴールが見えてい
ない。 目標達成をした結果どうなるの?これがみえてい
ないのではないか。
てしかがえこまち推進協議会を参考にしてみては。
実践報告を聞いての山田氏の感想
・目標を持つときは目いっぱい追求してほしい。一度追求
したらもしリバウンドしてもここに戻せばいいという線が
わかる。このときに、本当にそれがベストなのかを考え
なければいけない。歴史的な背景も含めて、どこに住民
は痛みをともなっていたのか、をよく考えなければいけ
ない。
・観光中心地の飲食店は観光客向けで高くてまずい。と、
地元の人が平気で言う。まずは自分たちが自分の町を
好きになり、住まなければいけない。スキー場も、ダメ
なスキー場ほど、地元民がそこでスキーをしていない。
リアリティがない。
それに価値があるということを広める手法を持っていな
ければだめ。
・感じる幸せと書いて感幸(かんこう)。お金と人とものの動
き。これを調査したら利害を超えてみんな一緒にやれるよ
うになる。これをちゃんと調べないと仮説がたてられない。
ロジックを立てるための数字をちゃんと出していかない
といけない。 すると個人的な利害ではなく、利益を出
すためにどうしたら良いかを考えるようになる。
塾生の感想
・観光の考え方にビックリ。知名度や認知度、安さの問題。まったく逆の考え方だったが、聞いたら腑に落ちた。
「観光」というものを考えたことはなかったので、今回のようにまちづくりにつながる観光の考え方を聞けてよかった。
・
・観光を通じてのマネジメントは行政や住民を巻き込んでの活動で、河木さんや長橋さんの具体的な話もあって分かり
やすかった。
・観光、外資獲得は本当に必要なのか?必要だとしてもそこが目的になってしまうことには違和感を感じる。
・未来ビジョンを描くことが大切。未来ビジョンの共有が大切。
・山田桂一郎さんのお話は、ライフスタイルの豊かさにまで繋がって納得。
・日本の景観が美しくないという事に、改めて問題意識を抱いた。ライフスタイルの豊かさについて考えなければ、と
思っていたが、人と話し合う、議論が大切だという事も分かった。地域のライフスタイルはみんなで作り、育てていく
もの。そのプロセスを踏んで得たものが地域の誇りにつながるのではないかと思った。
・まちづくりの事ではあるが、他の事にも当てはまると思った。
・クオリティの高いもの、手間暇かけてそこでしかできないこと、自分自身に置き換えて考えようと思った。
・住んで良し、訪れて良し。自分のライフスタイルのクオリティを上げるためにも、自分の住んでいる所を好きになっ
て、良くしていく努力を自分が始めないといけないな、と思った。
“観光”って今まで好きじゃなかったのが、認識が変わった。本当の観光は、やっぱり本物を見せることだったのだ。
・
・まちづくりは住民参加でなく、住民主体で行政参加と言われたことや4つの質問で、おらがまちを考え直してみると、
何をすべきか。目からうろこが落ちた気がする。とても参考になった。
(多分理解までに至っていないが)
・確かに観光で訪れたときに、そこに暮らし、働く人が幸せそうな時の方が満足度が高い。
・山田さんのお話、河木さんの商店街活動、長橋さんの地域振興にも、共通することは、長い時間と様々な問題を解
決するための高い目標設定が必要であると、改めて感じた。
「車依存」である限り、金を落とすシステムをつくるのは難しいのではないか。
・豊田市街活性化への道のりは、
71
フィールドワーク体験から見えてきたこと〜ファシリテーション、コーディネーション、
ネゴシエーションの極意とは?〜(2009.10.25)
講師:平山恵
開催日時
2009年10月25日(日)10:00 ~ 17:15
会場
概
豊田市環境学習施設eco-T
フィールドワーク体験から見えてきたこと
〜ファシリテーション、コーディネーション、ネゴシエーションの極意とは?〜
タイトル
要
目的/ねらい
【ねらい1】自分自身を科学する(セルフサイエンス)発想をもつ
【ねらい2】ファシリテーションの重要性と基本姿勢を学ぶ
【ねらい3】フィールドワークで得られた成果を評価した上で、深化させる
10:00
講座の目的、位置付けの確認、ゲスト講師紹介
12:40
昼食休憩
10:05
1日の講座の内容確認(平山)
13:20
講議(平山)
10:10
ワークショップ開始・トークボール
13:55
ペアワーク(we time)
10:25
・部屋の観察
14:30
セルフサイエンス(I time)
10:35
・水に溶ける砂糖の観察
15:00
休憩
11:25
観察結果をグループで発表
15:20
セルフサイエンス(I time)
11:45
講議(平山)
16:00
グループで共有(we time)
11:50
休憩
16:25
セルフサイエンス(I time)
12:00
ペアワーク・サイレントリスニング、アクティブリ
16:35
講議(平山)
スニング、エピソードテイキング
16:40
質疑応答
12:15
ボディマッピング
17:15
終了
12:30
講議(平山)
、質疑応答
<講座の目的>(井上)
1.多様な出会いによって自分のポジションがわかる。
2.ファシリテーションは組織の運営、地域にどう関
わっていくかという時に重要なキーワードとなっ
てくるので、ファシリテーションについて現場経
験の豊富な平山氏から学ぶ。
3.今までのフィールドワークで学んだことを軸に振
り返り、それを自分自身どのように活かしていく
か、深めていく時間を持つ。
<本日のねらい>(平山)
・フィールドワークに必要な概念と技術の習得方法につ
いて学ぶ:極める
・この技術を使う参加者自身のこれまでの学ぶと振り返
りを取り入れながら自己分析も同時に行う:探る
ワークショップ
1、トークボール
全員が1つの円になり、ある物(さまざまなもの)を順
に投げていく。投げる物が増えたり、変わったりする。
<学びとるもの>
・変化への対応
・相手への思いやり
・状況把握など
を磨く
72
2、部屋の観察
この部屋には何があって、どのような大きさか、隅から
隅まで探る。触って差し支えのないものは触ってみる。
<学びとるもの>
・現状把握・詳細な調査能力・詳細事項の表現力
3、水に溶ける砂糖の観察
基本技術でもある観察と聞き取
り、記録のトレーニング。水に
角砂糖を入れ、それを観察し、
観察結果を模造紙にまとめる。
<ポイント>
多 角 的 視 点 を つ く る。 違 う 角
度から見たら違う発見がある。
第3者に伝えるために、変化の
わかる記録が必要。
4、サイレントリスニング
2人ペアになり、AとBに役割分担する。
A:自分が今、気になっていることについて3分間話す。
悲しかったこと、嬉しかったこと、何でもよい。
B:黙ってちゃんと話を聞く。黙っているのだけれど も、聞いているというメッセージを何らかの形で 出す。
<ポイント>
どうしたら相手が心地よく話せるかを考えて話を聞く
5、アクティブリスニング
・話し手:最近、気になっている事、感激したことについ
て3~4分話す。
・聞き手:1.話の切れ目を見つける⇒2.話を要約する⇒
3.また話を続けてもらえるように話を促す。
<学びとること>
ファシリテータの役割を実体験する
6、ボディマッピング
・2枚の大きな新聞紙の上に人に寝てもらい、人型を書く。
・2枚の人型の書かれた新聞紙は正面と背面を表している。
・参加者は1人10枚ポストイット(女性はピンク、男性は
ブルー)を持ち、自分の体で気になるところへポストイッ
トを貼る。例)肩が痛ければ肩に貼る。など。
・なにも気になるところがない人はゼロ(体の外にゼロと
いう枠がある)に貼る。
<ポイント>
・1人1人の意見を引き出すために行う
自分の体は自分にしか分からない。どうやってその人の
思いを聞くのかが重要。
7、セルフサイエンス(we time)
<前回出した宿題>
1.あなたは豊森でどのようなことを学んだか?
2.豊森で学んだことによって、自分自身どう変化して
あなたの将来にどのような影響があったか?
⇒ペアになり、AとBに役割分担し、2つの質問にとって
の答えを引き出しあう
8、セルフサイエンス(I time)
・次は自分自身に向かっての問いかけ
・ワークシートを使い、以下の3段階を考えていく。
①作りたい _( 何か)、 成し遂げたいもの、 目標、
やってみたいこと(作りたい何かがあるのか。それ
ぞれ属している会社、地域は違うが目標は?やってみ
たいことがあるのか?)
②1を進めていく上で「私のゆずれないもの」キャリア
アンカー(私のゆずれないものは何か。 碇。ここだ
けは押さえておきたいもの。)
③1を成就するために今、近い未来やれること、やりと
げないといけないこと、必要なもの(例:お金の準備、
知識、技術など)
※イメージ図を右側に描く。※ゆずれないものを書く。
ゆずれないものを共有し、似た人でグループをつくった
・自分が最初
・いのちの全体性
・生活基盤
・未来につなげる
・身の丈にあった生活
・事業展開
などのグループに分かれた
<まとめ>
・多角的視点を持つこと、準備が必要、役割分担
・一番聞きにくいのは自分の声?
・引き金となるものは、なんでもよい
塾生の感想
・視点の多様性が大切。準備をしっかり行うことで、とらえる内容(言葉だけでなく仕草や、顔色もあつめる)の精度が
あがり、方向転換を行い易くなる。
・エピソード、テーキングでは順を追っていくと、わかりやすいと思った。トリガーを投げかけながら、話をまとめなが
ら~はとても難しかった。身につけると色々な場面で使えるのではないかと思う。
・観察することで、まだまだ何か見えていない情報が多くあることに気づきました。それを見たりすることでもっと
コミュニケーションがうまくいくと思う。
・これほど充実した研修は初めてだ。会社、組合、外部でかなり経験してきたつもりだが、今日は目新しい手法(ユニー
クな手法)にたくさん出会い、本当によかった。
・本日習った中で共通して言えることだが、ユニークな作業が単に面白いだけでなく、やった後に説明を聞くとアッと驚
くような仕掛け(意図)が隠されていることだ。
・カウンセリングの体験で学んだことがあるが、それと、重なる部分が多かった。ファシリテートの意味として「やさし
くする」
(
。難→易→興→深、相手の本音を知る)ここに人に役に立つ仕事があると思った。
・自分のやりたいこと、成し遂げたいと思うことこそ、絵で表現することは難しいけど、書いてみると自分の考えている
ことは意外と簡単なことだったかも。
・自分の頭の中のイメージをさらに具体的に落とし込むことが出来た。こういう時間は会社や自宅では絶対にやる事はな
いと思うので、非常に良かった。あとは自分の「Action」に変えて実現できるかどうかだ・・・やれるかな・・・頑張るぞ!
・やっぱり難しいのは自分だなーって思いました。自分の声を聞いて、それに向き合うって一番大変なんだろうと思う。
・正直、今回の講義は難しかったです。しかし、相手の本音を聞き出すのに、I Time,WeTimeがある事は今までの先輩
インタビューの中でなんとなく感じていましたが、やはりあるんだという事の裏付けがとれて良かったです。また、人
に聞きだしてもらう事も時には重要で、自分の思いをさらけ出し衆目評価を受ける事は大切と思いました。
(ちょっと、最初は抵抗ありますが)自分の参考になるので、できるだけ多くの人(バックグランド
・人の考えを聞いて、
の違う人)と話をしようと思いました。
・人に話すこと、自分が振り返ることを繰り返したことで、自分の本音が見えてきて、その意外さにビックリしました。
73
第 4 章 公開講座など
第 1 回 プレ講座
開催日時
会場
目的
豊森なりわい塾の趣旨をより多くの人に理解してもらう
豊森なりわい塾への応募者を増やす
参加者人数
10:00
2009年2月14日(土)10:00 ~ 16:30
説明会(10:00-11:30)/豊田市商工会議所多目的ホール201
現地見学会(11:30-16:30)/Aコース・西村自然農園(豊田市小原北町)
Bコース・NPO法人矢作川自給村(豊田市榑俣町)
Cコース・足助新盛耕流塾(豊田市新盛町)
概
要
講師:平山恵
説明会/ 52名(うち説明会のみ:22名)
現地見学会/Aコース:12名
Bコース: 8名
Cコース:10名
開会
講演「自然とともに暮らす~豊森なりわい塾の目指すもの~」
豊森実行委員会委員長 澁澤寿一
豊森なりわい塾の申し込みについて
主催者からのメッセージ
豊森実行委員会委員 吉見匡保(豊田市環境部環境政策課課長)
豊森実行委員会委員 中山直人(トヨタ自動車㈱社会貢献推進部社会貢献推進室室長)
質疑応答
11:30
開会
出発
移動〜昼食
現地視察
16:30
コース
Aコース
訪問先
西村自然 農園 西村文子さん
参加者数
一般13名、スタッフ6名 合計19名
コース
Bコース
訪問先
NPO法 人 矢 作川自給 村 稲 穂の里
池野雅道さん
参加者数
西村自然農園での昼食
自己紹介
自己紹介の様子
池野雅道さん
バーベキューハウスにて
松井博敏さん
一般8名、スタッフ7名、
受入先6名 合計21名
コース
Cコース
訪問先
新盛里山耕流塾 松井博敏さん
参加者数
74
移動~豊田商工会議所前にて解散
一 般 参 加 者10名、 ス タッフ5名、
地元4名 合計19名
第2回 プレ講座
開催日時
会場
説明会(10:00-11:30)/ミッドランドスクエア2501会議室
現地見学会(11:30-16:30)/Aコース・林冨造さん(豊田市旭町)
Bコース・足助炭焼き塾 梶誠さん(豊田市足助町)
Cコース・鈴木禎一さん、安藤久氏さん(豊田市旭町)
目的
豊森なりわい塾の趣旨をより多くの人に理解してもらう
豊森なりわい塾への応募者を増やす
概
要
参加者人数
10:00
2009年3月7日(土)10:00 ~ 16:30
説明会/ 50名(うち説明会のみ:12名)
現地見学会/Aコース:15名
Bコース:12名
Cコース:11名
開会
講演「自然とともに暮らす~豊森なりわい塾の目指すもの~」
豊森実行委員会委員長 澁澤寿一
豊森なりわい塾の申し込みについて
主催者からのメッセージ
豊森実行委員会委員 吉見匡保(豊田市環境部環境政策課課長)
豊森実行委員会委員 中山直人(トヨタ自動車㈱社会貢献推進部社会貢献推進室室長)
質疑応答
11:30
閉会
出発
移動〜昼食
現地視察
16:30
移動~豊田商工会議所前にて解散
コース
Aコース
訪問先
豊田森林組合 林冨造さん、
足助観光協会 小澤庄一さん
参加者数
一般15名、スタッフ4名、
受入先4名 合計23名
コース
Bコース
訪問先
足助炭焼き塾 梶誠さん
参加者数
間伐の現場を見学
小屋でお話を伺う
集合写真
安藤久氏さんの説明
あさひ製材協同組合にて、
鈴木さんの説明を聞く
一般12名、スタッフ8名、
受入先4名 合計24名
コース
Cコース
訪問先
あさひ製材協同組合
鈴木禎一さん、安藤久氏さん
参加者数
山を見学
一般11名/スタッフ5名 合計16名
75
76
77
第1回 公開講座
枝廣淳子氏講演会「本当の幸せと地球のために~私たち一人ひとりにできること~」
開催日時
概
要
2009年5月17日(日)13:30 ~ 16:00
会場
豊田市商工会議所多目的ホール201
目的
・豊森なりわい塾の開講に際し、豊森の趣旨や活動を多くの人に知ってもらう。
・塾生に枝廣氏の講演を聴いてもらい、より広い視野を持ち豊森の活動に参画しても
らうきっかけとする。
参加者人数
合計:139名
【内訳】
・一般参加者81名・塾生28名・サブスタッフ3名・スタッフ22名・その他7名
13:00
受付開始
13:30
開講のあいさつ(豊森実行委員会 委員長 澁澤寿一)
13:40
枝廣淳子氏講演
「本当の幸せと地球のために~私たち一人ひとりにできること~」
15:10
質疑応答
15:30
事務連絡
15:45
閉講のあいさつ(豊森実行委員会 副委員長 田中均)
16:00
終了
講演会の様子
一般参加者の感想
【豊森について】
・里山と都市部のつながりをサステイナブルにつくる活動に賛同します。今後2年間の活動の成果を見ていきたいです。
・応募しましたが今回はもれました。また、次回機会があれば、是非参加させていただきたいと思います。
・共感できる。これからの自分の生き方と重なる部分がある。
・新しい社会づくり、ムーブメントだけでなく、実践実行してくれそう!
・最大の関心は豊森なりわい塾の参加者がどういう人で、どう変わっていくか見たい。ちなみに私は応募して落ちました。
【講座について】
・今、幸田に住んでいる方々と森づくりということでやっていこうと思っていて、自分自身は何も知識がないので、少し
でも身につけて、今後(将来的にも)考えて行動していきたいです。
・会社では毎週毎週同じ様な情報した入って来ない状況でしたので、良い頭のストレッチになりました。
「このままでいいのかな」と疑問に思っていること、自分の生活から見
・今の生活や社会のしくみの中で「おかしいな」
直す機会となりました。何度もこの機会をくり返して太い柱としていきたいです。
・子供の為に残すべき未来について考える基になりました。
78
第2回 公開講座
吉本哲郎氏講演会「町や村を元気にする地元学のすすめ」
開催日時
概
要
2009年8月23日(日)13:30 ~ 17:30
会場
豊田市環境学習施設eco-T
目的
・吉本氏の水俣での地元学・もやい直しの活動から、これからの都市と農山村の関係や、
風土に 根ざした地域づくりのあり方について学び、考える
参加者人数
合計:76名
【内訳】塾生27名・サブスタッフ4名・一般参加者31名・地元の方2名・スタッフ12名
13:00
受付開始
13:30
講演会開始、豊森なりわい塾の紹介(豊森実行委員会 委員長 澁澤寿一)
13:45
吉本氏講演開始
15:15
質疑応答
15:50
講演会終了、書籍購入者へサイン会
16:20
塾生との座談会
17:20
座談会終了、事務局連絡
17:30
終了
塾生の感想
・ないものねだりのぐちから、あるもの探しをして、それをみがく自治に変えていくという考えは、当たり前のことのよ
うだけれど実際今回のように人に言われなければ気付けなかったなぁと感じました。
・町や村を元気にするにはやはり他の町とは違う何かがなければと思ってしまうが、自分の住んでいる地元の良さやあ
るものを分かってこそそこから発展していけるんだろうと思う。もともとその地元にあるものはその地元に昔から密着
した、人々に身近なものだと思うから。
・学よりやる。40点くらいでよい。自分は100点を求めすぎて行動が遅いのでまずやってみることが大事と感じた。
・地元学をもっと自分なりにかみくだいてやってみたいと思った。
・発想の仕方が面白くて、もっと頭をやわらかく自分、地元を知っていこうと思った。
・吉本さんの「自分にあるものを探しなさい」という言葉は「足るを知る」という言葉と同じだと思いました。
・足元は小さい事・・・そこには大きな世界が広がる。すべてはここに集約されていると思った。何事もコツコツ
とにかく実践あるのみ、という吉本さんのお話にもあったが、考えるより行動する。行動から学ぶ。失敗から学ぶ。
・逆境が人の心を昇華させる。そんなことがあることが信じられなかったのですが、実践から出た話には迫力がありました。
地域は「うっとうしいけどありがたい」というのは本当だなと思います。
「家族をつくると子供が支えてくるっと」・・・一番身近なというか、自分の基盤である家族を今まで自分はつくって
・
きただろうか。これが今自分の出発点かなと思っています。
・今まで豊森で学んできたことと一致することが多く。地元のあるもの探しからスタートすることが大切だと感じた。何
のスタートかというと自分はなりわいをどう構築できるかということが最重要課題であるため、農山村、森にどんな宝
が眠っているかを見つけ出すには現場をよく知る、そこに暮らしている人、風土、文化を見つけ直すことから何かが見
つかると思うからです。
79
第3回 公開講座
速水亨氏講演会「環境に配慮した林業のありかた~森とともに暮らす心を学ぶ~」
開催日時
概
要
2009年12月6日(日)13:30 ~ 17:00
会場
崇化館交流館大会議室
目的
・持続可能な林業経営を長年にわたり行っている速水林業の社長、速水亨氏にお話を伺い、
環境に配慮した経営方針や活動内容、森とともに生きていくための心の在り方を学ぶ
参加者人数
講演会参加者:合計104名
【内訳】一般:65名・塾生:19名・サブスタッフ:4名・スタッフ:16名
座談会参加者39名【内訳】塾生:15人・サブスタッフ:4人・スタッフ:13人
13:00
受付開始
13:30
開講のあいさつ、豊森の紹介(豊森実行委員会 委員長 澁澤寿一)
13:40
速水亨氏講演
「環境に配慮した林業の在り方~森とともに暮らす心を学ぶ~」
15:10
質疑応答
15:25
事務連絡
15:30
講演会終了
16:00
座談会(塾生対象)
17:00
終了
塾生の感想
・速水さんはとにかく、森、木が大好きな人で経営の話など出てこない。林野庁とかに今こういう人が必要?でもこれか
ら速水さんの力で大きく動きそうな気がする。
・今やれる事から行う。その事が100年の森林につながる。
・猿や、猪などの野生動物が出没するようになったのも、人と野生との境界がなくなったということ、その通りだと思い
ます。森林問題は、林業家だけの問題ではなく、人間の問題、なるほど。
・林業が「ダメ」と言うのは、林業家の意識の低さが原因だったのではないだろうか?
・速水林業さんの様に頑張っている林業家が成り立っているのはその努力があってこそなのだろう。今でも残っている
呉服屋と同じ。もっと努力をしている企業は世の中たくさんある。
“日本独自の”にこだわるな。
“ 山側の人が都市部の人にわかるように話すこと、都市の人が納得する山をつくる”等、
・
新しい発想をしていくことで、できることはいろいろあるんでしょう。林業とか、私にはよく分からないけれど、自分
の繊維業とかにおきかえて考えてみると、なるほど!と思うことがいろいろありました。放っておけば、どんどん値は
下がり、消えていってしまうような業界だけど、頭を使えば、工夫をすれば、ということですかね。参考になりました
・林業の厳しさを感じた。林業は今のままだと何もしない方がよいという方向になってしまうのか。林業として成り立た
せるためには、建築業にするか、工芸品にするか、アロマにするような加工品として売るべきだと思う。
・森、里山、町と分けるのでなく、地域社会全体で問題が解決できるといいなぁと改めて思いました。日本人は“森”を
大事にしてこなかったというのは意外だけど、確かに、森というより“木”とのつながりが大きいのかと感じる。日本
の木、土に囲まれた家に住める人は幸せですね。
80
第4回 公開講座 相根昭典氏・田中優氏講演会
「森とまちをつなぎ、日本の森林を守る~
『天然住宅』に学ぶ地域材利用の仕組みづくり~」
開催日時
概
要
2010年2月7日(日)13:00 ~ 17:00
会場
崇化館交流館大会議室
目的
すべて国産の無垢材を使った「天然住宅」の取組みから、「日本の森林を守るために必
要なこと」・「森とまちをつなぐ地域材利用の仕組みづくり」を学ぶ。
参加者人数
合計:125名
【内訳】一般82名・塾生17名・サブスタッフ3名・スタッフ18名
12:30
受付開始
13:00
開講のあいさつ、豊森の紹介(豊森実行委員会 委員長 澁澤寿一)
13:05
田中優氏講演「日本の森林を守るために、今必要なこと」
13:35
相根昭典氏講演「森とまちをつなぎ、日本の森林を守る
~「天然住宅」での地域材利用の仕組み~」
14:35
休憩
14:50
田中優氏講演「非営利バンクとは?~未来バンク・天然住宅バンクを例に~」
15:20
質疑応答
15:30
公開講座終了
16:00
座談会開始(塾生のみ)
17:00
座談会修了、解散
塾生の感想
・木の加工は山側で行い付加価値をつける・・・これが今後のキーワードになりそうな気がする。
・住宅の需要が増えるということはやはり新しく建てるということだから結局大量生産大量消費に乗らないといけない
のかなぁと思った。それで山が守られるかもしれないけど人の価値観は消費することには変わらない。
・最初はお金のにおいがぷんぷんしていたけど話を聞いている内になんだか納得させられてしまう。
・林業を復活させる仕組みづくりとしておもしろい。山の状況改善の方法と絡めると相乗効果が出ると思う。
・これからもこれをどう広めていくか、これから先の課題に一緒に取り組んでいきたいと思いました。
“地産地消にこだわりすぎるな”というのは非常に共感しました。
・
・後はコストの問題だと思います。坪63万円では手が届かない人がまだまだいる。
・お金があるうちにお金を気にしない社会ができる道が見えてきました。
・僕も安全安心で無理のない家具をつくっていきたいと思いました。
・山側に付加価値をつける仕組みには大変関心を持ちました。色々な工夫が積み重なって大きな価値を生んでいるのだ
と思いました。
・売れるものから計算して仕組みを考えよ、という言葉はなにか未来を考えていく上で大切にしていきたいと感じました。
・なりわい塾に参加して、いかに森林、住宅のシステムが理不尽なものになっているか気づかされました。
・今日は山林地域の自給と地域活性化の仕組みについて非常に有意義なヒントになる講座だったと思う。
・ここまでの仕組みをつくるまでにまずどこから始めたのか、山側の誰をつないだのか、というはじめの一歩をお聞き
したいです。
81
おわりに
豊森なりわい塾 第一期、修了に寄せて
豊森実行委員会 会長 早川茂
( トヨタ自動車㈱常務役員 )
豊森なりわい塾第一期の修了にあたり、実行委員会の会長として、地域の皆さまに、心よりお礼を申
し上げます。講座、フィールドワーク、プロジェクトに分かれての活動など、豊森なりわい塾の取り
組みにご期待頂きました皆さまの数々のご支援がなければ、約2年もの間、このように充実した活動を
継続することはできませんでした。本当にありがとうございました。
環境保全と防災に大きな役割を果たす筈の森林の荒廃、都市部への人口流出による農山村の過疎化と
いう現象は、市域の7割を森林が占める豊田市だけではなく、全国に共通する課題です。地域に入って
課題を掘り起こし、地域に寄り添って解決をめざす豊森の取り組みは、第一期の修了生24名が取り
組んだ10のプロジェクトをご覧いただいてもお分かりの通り、各地に波及する可能性を秘めていると
考えています。
悪戦苦闘しながらも懸命に取り組んできた第一期生はもちろんのこと、豊森は、協働主体である行政・
企業・NPOにとっても地域についてともに学ぶことができた貴重な場となりました。地域課題の解決
をめざす第一期修了生の活動はこれからが正念場ですし、第二期につきましては、2011年春の開講を
めざして鋭意準備を進めております。第一期生に負けない、情熱を持った方々からご応募頂けるものと
期待しております。
豊森はこれからも、人と人、人と地域の信頼、つながりを大切にしながら取り組みを進めてまいります。
今後とも、豊森へのご期待、ご指導、ご支援をお願い申し上げます。
82
参考資料:講師、ゲストスピーカー プロフィール
講師
高野雅夫
名古屋大学大学院環境学研究科准教授
千年後も持続可能な地球と社会のシステムをつくり
だす「千年持続学」を提唱。
小澤庄一
足助観光協会会長
「山里の自給自足の生活文化」や農業・山仕事の「手
づくりの技」を保存継承する三州足助屋敷を立ち上
げる。持続可能な里山を創る活動に取り組んでいる。
丹羽健司
矢作川水系森林ボランティア協議会代表
矢作川森の健康診断実行委員会代表
「足助きこり塾」「矢森協」「伊勢・三河湾流域ネット
ワーク」創設にかかわる。
山本薫久
NPO法人
都市と農山村交流スローライフセンター代表
名古屋から足助に移住し、農山村資源を活かした都市
と山間部との交流を促進する活動を行っている。
澁澤寿一
萩原喜之
駒宮博男
井上淳之典
豊森実行委員会委員長
NPO法人樹木・環境ネットワーク協会理事長
豊森実行委員会委員
NPO法人地域の未来・志援センター
副理事長
豊森実行委員会副委員長
NPO法人地域の未来・志援センター理事長
寺子屋プロジェクト代表
NPO法人地域の未来・志援センター
副理事長
公開講座講師
枝廣淳子 【2009.5.17 「本当の幸せと地球のために〜私たち一人ひとりにできること〜」】
環境ジャーナリスト、翻訳者
(有)イーズ代表、NGOジャパン・フォー・サステナビリティ共同代表
吉本哲郎 【2009.8.23 「町や村を元気にする地元学のすすめ」】
吉本地元学 主宰
昨年、水俣病資料館館長を辞職。資料館企画アドバイザー。
在職中より、地元に学ぶ「地元学」を提唱。
地元学ネットワークを立ち上げ、現在「吉本地元学」主宰。
地元学協会事務局長。熊本大学医学部非常勤講師。
速水亨 【2009.12.6 「環境に配慮した林業のありかた〜森とともに暮らす心を学ぶ〜」】
速水林業代表
1070haの森林を環境管理に基づいて経営。
日本で初めて、世界的な環境管理林業の認証であるFSC認証を取得。
相根昭典 【2010.2.7 「森とまちをつなぎ、日本の森林を守る〜『天然住宅』に学ぶ地域材利用の仕組みづくり〜」】
中間法人天然住宅代表理事、
(株)アンビエックス代表取締役
健康な住宅づくりに長年取り組む。
国産の天然無垢材による天然住宅を展開。
田中優 【2010.2.7 「森とまちをつなぎ、日本の森林を守る〜『天然住宅』に学ぶ地域材利用の仕組みづくり〜」】
中間法人天然住宅共同代表、天然住宅バンク代表、
未来バンク事業組合理事長、ap bank 監事
環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。
83
ゲスト講師
山田桂一郎
2009.7.26「ソーシャルアントレプレナーの条件」講師
87年からツェルマット在住。92年JTIC(ツェルマット日本語インフォメーションセンター)を
設立。05年国土交通省「観光カリスマ百選」に認定される。主な役職は、NPO法人日本エコツー
リズム協会理事、まちづくり観光研究所主任研究員。
平山恵
2009.10.25「フィールドワークを極める」講師
明治学院大学教員、NPOなつかしい未来副代表。
「 地球人の会」(環境市民団体)、
「 アーユス」「ア
フリカ平和再建委員会」などのNGOを友人と設立。国連、WHO(世界保健機構)、筑波大学社会医
学系、結核研究所の後現職。専門は保健政策、健康教育、社会調査。
篠原信
2010.2.27「食と農をどう考えるか」講師
京都大学大学院博士課程修了。富山県立大学で1年間助手を勤めた後、2000年より独立行政法人
農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所に所属し、有機養液栽培(有機質肥料による水耕
栽培)の開発に世界で初めて成功、技術普及に努めている。主な関心領域は教育・食料・環境。
ゲストスピーカー(※役職は講座日当時)
河木照雄【2009.7.26 地域を知る〜まち編〜】
人形の山田屋代表取締役。中心市街地活性化協議会委
員、豊田シティセンターマネジメント総括タウンマネー
ジャー、豊田まちづくり㈱取締役他
安藤昌幸【2010.2.27農と食をどう考えるか】
豊田市役所産業部農政課主幹
岡田博明【2010.2.27農と食をどう考えるか】
豊田市役所産業部農政課係長
長橋朗【2009.7.26 地域を知る〜まち編〜】
㈱風外虎餅代表取締役。2004年10月から豊田市教育
委員として地域の公教育の充実また文化・芸術の振興に
(2009年12月逝去)
も携わっている。
竹内匡史【2010.2.27農と食をどう考えるか】
天野正直【2009.12.26小地域の人口予測】
松本直之【2010.2.27農と食をどう考えるか】
豊田市社会部自治振興課課長
青山幸一【2010.1.23森林の保全と利活用】
豊根村役場産業課主幹。とよね木サイクル事業の展開、
森林組合再生に向けた取り組みを行っている
佐藤大輔【2010.1.23森林の保全と利活用】
NPO法人夕立山森林塾理事長。佐藤林業代表。恵那市
内で林業を営むかたわら、地域の山主の方への林業指導
も行っている。恵那市中野方での木の駅プロジェクトに
深く関わる。
北岡明彦【2010.1.23森林の保全と利活用「豊森相談室」】
2003年(株)M-easyを設立。2009年より豊田市で「日
本再発進!若者よ田舎をめざそうプロジェクト」事業を実施
松本自然農園代表。2002年、自転車で日本を一周す
る。2004年より自然農法の研修を受け、2005年よ
り豊田市内で就農、自然農園をはじめる。
池野雅道 【2010.2.28農と食をどう考えるか「豊森相談室」】
株式会社あいのう流通センター社長
NPO法人矢作川自給村稲穂の里代表
楯忠夫【2010.2.28農と食をどう考えるか「豊森相談室」】
山口農産物等直売組合副組合長
太田稔彦【2010.5.16エネルギー総合講座】
豊田市経営政策本部長
豊田市森林課主幹。とよた森林学校の講師などを務める
安藤久氏【2010.1.23森林の保全と利活用「豊森相談室」】
豊田市旭地区の専業林家
菅野知之【2010.1.23森林の保全と利活用「豊森相談室」】
株式会社ログウェル日本代表取締役
国産材を資源として活用して、日本の森を良くしていく
ことを目的としている。
林冨造【2010.1.23森林の保全と利活用「豊森相談室」】
豊田森林組合常務理事
84
中根桂子【2010.7.25多業・組織論】
お も ち ゃ 屋「 バ ン ビ ー ノ バ ン ビ ー ナ 」 を 運 営。 社 会
問 題 に 取 り 組 む 豊 田 市 在 住 の 母 親 が つ く る「green
maman」に参加。とよたプレーパークの会や、おやこ
劇場の活動にも参画
湯山良史【2010.7.25多業・組織論】
岐阜県中津川市在住。家具屋。本業の傍ら、昨年より
佐藤林業で森林施業に従事している。
お世話になった地域の方々
豊森なりわい塾の講座でご協力いただきました下記のみなさまには、心より感謝申し上げます。
浅井安直さん
池野甲志さん
池野保次さん
今井洋二さん
宇野秀憲さん
浦野正二さん
大石志奈子さん
大石康男さん
大岩孝弘さん
小川光夫さん
梶誠さん
加藤トシエさん
川合専八郎さん
川合博明さん
川合保一さん
倉地格さん
柴田和己さん
鈴木邦夫さん
鈴木啓仁さん
鈴木茂さん
鈴木ちづるさん
鈴木禎一さん
鈴木のぶゑさん
鈴木久直さん
鈴木裕幸さん
鈴木ふみさん
築山駿隆さん
西村文子さん
野田清衛さん
原田清治さん
原田とみ子さん
原田連治さん
松井銉夫さん
松井敏博さん
松井光斉さん
松嶋和子さん
三木徳一さん
山口光岳さん
吉村達也さん
(2010年8月逝去)
参考資料:スタッフ紹介
安藤俊人
柴垣祐子
スタッフ(サポートセンター)
フリーランス
サブスタッフ(未来の暮らし2000)
主婦
池上博身
高橋啓
トヨタ自動車株式会社 社会貢献推進部
企画室 環境・社会活動グループ
サブスタッフ(NEO山守、結い)
社団法人 奥三河ビジョンフォーラム
伊藤愛理
戸上昭司
スタッフ(生産者・消費者W-smile)
NPO法人 地域の未来・志援センター
伊吹あゆみ
スタッフ(里山暮らしの保育)
トヨタの森 インタープリター
内田京子
トヨタ自動車株式会社 社会貢献推進部
企画室 環境・社会活動グループ
大洞和彦
トヨタ自動車株式会社 社会貢献推進部
企画室 環境・社会活動グループ
坂本竜児
サブスタッフ(未来の暮らし2000)
フリーランス
中川恵子
スタッフ(自然○衣素材、サポートセンター)
NPO法人 地域の未来・志援センター
平野彰秀
スタッフ(NEO山守・源森家・結い・ふくなり)
NPO法人 地域再生機構
水野馨生里
スタッフ(自然○衣素材、Milky - Way)
NPO法人 地域再生機構
南出雅彦
スタッフ(里山暮らしの保育)
豊田市環境学習施設エコット
トヨタ自動車株式会社 社会貢献推進部
企画室 環境・社会活動グループ
柴垣民雄
村田元夫
スタッフ(未来の暮らし2000)
NPO法人 地域の未来・志援センター
サブスタッフ(未来の暮らし2000)
PSサポート株式会社
85
参考資料:応募者および塾生属性データ
塾生の募 集は、2009年2月に開始し、総勢120名もの応募がありました。ここでは、募 集の方法、スケジュール、
応募者・塾生の属性を紹介します。
(1)募集方法
(2)募集のスケジュール
・募集チラシの配布
2009年2月13日募集開始(チラシ配布等の広報開始)
(チラシは本報告書p84 ~ p85を参考のこと)
配布先/大学・専門学校・森林組合・各種施設・
2月14日 応募者への告知もかねた第1回プレ講座開催
3月 7日 第2回プレ講座開催
自然食品店・林業関連の企業・市町村役場等
4月15日 記者発表
・豊森なりわい塾公式ホームページでの告知
4月30日 応募締切、審査会の実施
・新聞、テレビの取材による告知
5月 8日 選考結果の発表
5月17日 入塾式の開催
応募者ならびに、塾生の属性は以下の通り。
(3)応募者属性
①年齢・性別
60代
14%
女性
25%
女性
20代
13%
男性
35
50代
24%
30
30代
23%
25
男性
75%
20
15
10
40代
26%
5
0
20代
30代
40代
50代
60代
合計
女性
7
7
8
5
2
29
男性
8
20
24
23
14
89
15
27
32
28
16
118
計
・男性75%、女性25%と圧倒的に男性が多い。
・20 ~ 60代まで年齢層は幅広いが、
30 ~ 50代の働き盛りの世代からの応募が多かった。
②居住地
その他 14%
都道府県
愛知
市町村
103
豊田市
新城市 2%
31
岐阜
7
名古屋市
23
三重
3
岡崎市
8
長野
2
瀬戸市
5
東京
2
刈谷市
4
神奈川
1
長久手町
4
総計
118
日進市
4
豊橋市
4
安城市
2
蒲郡市
2
新城市
2
その他
14
86
蒲郡市 2%
豊田市
29%
安城市 2%
豊橋市 4%
日進市 4%
長久手町 4%
刈谷市 4%
瀬戸市 5%
岡崎市 8%
名古屋市
22%
・愛 知 県 内 が もっとも 多 い。県 内 の 中 でも関 心 が 高
かったのは、豊田市と名古屋市であった。
・一方、近隣の地域からの応募も見受けられた。
(4)塾生属性
応募者の中で選ばれた豊森塾生の属性は以下の通り。
50代
14%
①年齢・性別
女性
37%
女性
20代
36%
40代
30%
男性
12
男性
63%
10
8
30代
17%
6
4
・応募者においては、男性75%、女性25%と圧倒的に
2
0
女性
男性
計
20代
30代
40代
50代
合計
6
2
3
0
11
5
3
6
5
19
11
5
9
5
30
男性が多かった。塾生も、男性の方が多いが、最終的
に、塾生の割合は男性2:女性1となった。
・20代の塾生が多く、全体の36%を占めている
②居住地 ③プレ講座参加の有無 都道府県
市町村
愛知
25
豊田市
9
岐阜
2
名古屋市
6
三重
1
岡崎市
2
長野
1
刈谷市
2
東京
1
愛西市
1
総計
30
安城市
1
瀬戸市
1
日進市
1
碧南市
1
豊橋市
1
総計
25
プレ講座不参加
50%
プレ講座参加
50%
・豊 森 の 趣 旨 や 実 施 内 容 の 詳 細 の 説 明 を 行ったプレ
講座に訪れた塾生は半分を占めた。
・愛知県内の塾生が多く、豊田市、名古屋
市在住の塾生がもっとも多くなった
・近 隣 の 岐 阜・三 重・長 野 から の 塾 生 も
いる
87
88
89
参考資料:開講式
日時
2009年5月17日(日)10:00 〜 16:40
会場
豊田商工会議所多目的ホール204
プログラム
10:00
開講式・開会
主催者挨拶(豊森実行委員会 副会長 萩原喜之)
10:05
豊森なりわい塾について
役員・講師・スタッフ紹介
10:35
来賓紹介
10:40
塾生代表あいさつ(梅原彰)
10:45
閉会
10:50
記念撮影
11:00
オリエンテーション
基礎編カリキュラムの説明(平野)
フィールドワーク・演習の説明(駒宮)
マネジメント講座の説明(井上)
12:00
終了
13:00-16:00 (公開講座)
16:00
自己紹介ワークショップ
16:40
終了
主催者挨拶
豊森実行委員会副会長 萩原喜之
豊森なりわい塾の塾生のみなさん、入塾おめでとうございます。
今日はみなさんにまずお会いできることを一番の楽しみにしておりました。かれこれ1年になりますけれども、行政で
ある豊田市、トヨタ自動車のみなさん、そしてNPOであります、地域の未来・志援センター、3つの各セクターが一緒
になって実行委員会をつくって模索をしてきました。
今回のコンセプトは、誰もやったことがない、地域社会が必要としているけれども誰も作れない新しい社会システム
をつくるには新しい皮袋がいるだろうということで、企業、行政、NPOが一緒になって力を合わせてつくりましょうと
いうことでこの豊森なりわい塾が生まれたわけです。この1年間というのは、一種の片思いというか、妄想というのか、
リアリティーのない形での模索でした。塾生募集ということで、みなさんからレポートを出していただきました。これが
私にとってはリアリティーの出発点というのか、120通のラブレターをいただいたという気持ちです。本当に一生懸命
読ませていただきました。
この妄想の期間に二つありますけれども、一つは本当にこんなコンセプトで、たくさんの人たちが応募していただけ
るのだろうかという心配がありました。ただ、120通読ましていただいて思ったことはですね、たぶんこのみなさんか
らいただいた120通以外、たくさんこの日本の社会の中に同じ思いの人がひょっとしたらいるのではないかという確信
に近いものです。一つひとつはふれられませんが、私たちが考えたようにどうも今の私たちの仕事や暮らしがおかしい、
地域と少しつながっていないのではないかという想いをよせられた方がたいへん多かった。ただ残念ながら、120通、
120人の応募をいただいたんですが、最初どのくらい集まるかわからないということで29人という塾生の募集、なん
とか枠を広げたいということで30人、ですから120分の30ですから4倍の難関をみなさんは突破されたという形にな
りますが、私が心配、気にしているのはみなさんとは一緒にやれますが、せっかく応募いただいた残りの90人、さら
に言うともっとたくさんいるだろうという、まだ出会っていない人たちとのことです。そういう意味では、私は豊森は
ムーブメントだと思っていますので、30人の塾生のみなさん、そして今日お集まりいただいた地域の方々、そして講師
のみなさん、主催者の全員とですね、力を合わせてさらに輪を広げていければと。今日も地元の、私も20年来お付き
合いさせていただいて、なんとか地元にですね、人が来ないかというふうに、てぐすを引いて待っておられる方もおり
ますので、いろんな目線の人たちと新しい地域社会を作っていけたらというふうに思って、今日はみなさんにお会いで
きるのを楽しみにしておりました。地域とつながりのある仕事、暮らしを一緒に作っていく仲間としてですね、今日から
ともにがんばっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
90
参考資料:卒塾式
日時
2010年12月26日(日)10:00 ~ 16:30
会場
JAあいち ふれあいホール
プログラム
10:00
開始、事務連絡
10:05
豊森一期について(豊森実行委員会 委員長 澁澤寿一)
10:15
プロジェクト活動最終発表(1プロジェクト7分ずつ発表)
11:10
休憩
11:15
プロジェクト活動最終発表
12:00
休憩
12:05
修了証授与
12:15
来賓紹介・来賓挨拶(豊田森林組合 専務理事 林冨造氏)
12:25
豊森実行委員長 澁澤寿一 激励の言葉
12:30
豊田市役所経営本部長 太田稔彦 挨拶
12:35
トヨタ自動車常務理事 早川茂 挨拶
12:40
塾生代表 森川道也 挨拶
12:55
終了
写真撮影
昼食休憩
14:00
個人の振り返り
16:30
終了(17:00 ~打ち上げ)
※修了証の制作 丹羽勁子氏(岡崎市在住の書道家)
卒塾生(合計24名)
梅原彰、梶原雅子、中上嘉文、黒柳晋平、榊幾代、櫻井徹、塩崎誠、菅沼倫世、杉浦剛一、鈴木実句、竹内尚人、
竹尾博史、冨田陽子、丹羽豊、福應佳恵、松原孝史、松本真奈美、村野政章、森大顕、森川道也、矢澤由紀子、
安江卓芝、山下眞志、吉村雅行
来賓(5名)
林冨造氏(豊田森林組合専務理事)、梶誠氏(あすけ炭焼き塾)、安藤久氏氏(林業家)、
小川光夫氏(あすけ里山ユースホステル)、森健輔氏(NPO法人起業支援ネット)
プロジェクトの展示コーナー
総勢70名ほどが参加
プロジェクトの活動最終発表
修了証授与。
修了証は小原和紙で制作
塾生代表挨拶
記念撮影
91
参考資料:先輩インタビュー
″
2009年9月から、塾生が中心になり、すでに様々な活動をしている 先輩″
にインタビューを行った。
豊森なりわい塾の1年目は座学が中心であったため、こうした活動を実際に見ることは塾生にとってよい刺激となった。
それとともに、塾生同士の親交を深めることにもつながった。
会場
訪問先
場所
参加者
2009.9/6
西村自然農園
西村文子さん
豊田市小原
松原
(孝)夫妻、川辺、松原
(早)、梶原
9/12
豊田森林組合
林冨造さん
豊田市足助
冨田、山下、福應、松原
(孝)
9/22-23
渡合温泉
中津川市加子母
菅沼、松原
(早)、塩崎、竹尾
10/4
西村自然農園
西村文子さん
豊田市小原
矢澤、梅原、菅沼、丹羽
10/11
西村自然農園
西村文子さん
豊田市小原
松本、塩崎、冨田、鈴木
10/18
あいのう流通センター
池野雅道さん
豊田市小原
安江、塩崎、丹羽、川辺
11/7
あすけ炭焼き塾
梶誠さん
豊田市足助
松原、梅原、黒柳
11/8
㈱炭治
杉野賢治さん
恵那市串原
梶原、塩崎、唐木、矢澤
2010.1/11
農事組合法人光輪
熊崎巌さん
南知多市
村野、松原
(早)
1/12-14
福岡県糸島市
榊幾代さん(受講生)
福岡県糸島
中上
1/17
養鶏、養イノシシ
鈴木裕幸さん
豊田市旭町
冨田、松原
(孝)、中上、矢澤
1/30
山里チャフェ
可児和義さん、仁熊信子さん
豊田市稲武地区
竹尾、梅原、竹内、松原
(早)、丹羽、森川、
福應、村野、杉浦、松本、柴垣夫妻、
庄田、鈴木
2/20
林業家 三宅大輔さん
恵那市串原
竹内、黒柳
西村自然農園での先輩インタビューの様子
西村文子さん
畑で収穫
上:豆腐づくり
下:みなで食事づくり
92
畑の野菜をつかってつくった
昼食
参考資料:対外的な広報等
■対外的な発表・講演等
会場
2009/9/4
2009/11/1
催し名
主催者
第5回 ソ ー シ ャ ル・ ア ン ト
レ プ レ ナ ー・ ギ ャ ザ リ ン グ
(2009) 経 済 産 業 省SB分
科会「ソーシャルビジネス~
新たな地域力と共鳴のしく
み~」
特定非営利活動法
人ソーシャルイノ
ベーションジャパ
ン(SIJ)
名古屋薬剤師会研修会
発表タイトル
会場
発表者
豊森なりわい塾の
取り組み
アカデミー
ヒ ル ズ40
(六本木ヒ
ルズ内)
坂本竜児
名古屋薬剤師会
「トヨタの森」と
環 境 緑 化・ 環 境 教
育活動について
名古屋市立
大学医学部
研究棟講義
室
池上博身
2009/11/6
第3回山村きぎょうセミナー
「これからのCSR、企業と地
域が支え合うしくみ」
日 経BP環 境 経 営
フォーラ ム、 山 村
再生支援センター
「豊森」とトヨタ
の社会貢献活動
目黒雅叙園
大洞和彦
2010/3/14
都市と農山村交流住居シンポ
ジウム「農山村へのシフト 今・未来」
NPO法人都市と農
山村交流スローラ
イ フ セ ン タ ー、 新
盛里山耕流塾実行
委員会
「豊森なりわい塾」
による若者の農山
村での起業促進
足助交流館
澁澤寿一
2010/5/21
都市における生物多様性とデ
ザインネットワーク国際会議
(URBIO 2010)
URBIO 2010
行委員会
トヨタの森におけ
る 環 境 緑 化・ 環 境
教育活動について
ウインクあ
い ち( 愛 知
県産業労働
センター)
池上博身
2010/7/13
環境シンポジウム(豊田市)
「多様な主体が参加する環境
保全型の地域づくり」
中央環境審議会総
合政策部会
「豊森」の取り組
みについて
豊田産業文
化センター
大洞和彦
2010/9/29
名古屋名北ロータリークラブ
第1423回例会
名古屋名北ロータ
リークラブ
「トヨタの森」と
生物多様性保全活
動について
ア パ・ ホ テ
ル( 錦 名 古
屋)
池上博身
2010/10/28
企 業 の 森 づ く り フ ェ アin
NAGOYA「 コ ー ズ・ ブ ラ ン
ディングで拓く、新たなCSR
戦略」
国土緑化推進機構、
美 しい森林づくり
全国推進会議
ト ヨ タ の 森 と「 豊
森」ー 環境分野 に
おける新たな社会
貢献の試みー
ポートメッ
セなごや
大洞和彦
愛知県設楽
町津具総合
支所
駒宮博男
実
2010/11/2
第1回「三河の山里連携サポー
トプロジェクト」
愛知県
『三河山間地域に
おける産官学連携
の可能性と地元自
治体の役割~豊森
の経験から見えて
きたこと』
2010/11/13
海上の森大学2010
愛知県
「トヨタの森」と
生物多様性保全活
動について
あいち海上
の 森 セ ン
ター
池上博身
2010/12/10
エ コ プ ロ ダ ク ツ2010 ネ ッ
トワークステージ
エコプロダクツ
2010 実行委員会
「トヨタの森」と
生物多様性保全活
動について
東京ビッグ
サ イ ト 東
ホール6
池上博身
93
■新聞等掲載リスト
2009/2/8
中日新聞 三河総合
自然の中で暮らしたい人へ 豊田で5月から塾 14日と来月7日概要説明
2009/2/21
中日新聞 豊田市版
豊森なりわい塾 豊田でプレ講座 愛知、岐阜の40人参加 山里生活は「自然残
す仕事」
2009/4/3
矢作新報
山里NPO雑記帳 同時多発!農山村シフト講座
2009/4/16
毎日新聞
豊田市・トヨタ・NPO 来月豊森なりわい塾開講。新たなライフスタイルを
2009/4/16
日経新聞
トヨタや豊田市 環境ビジネス講座 豊田の森活用策練る
2009/4/16
日経産業新聞
2009/4/16
読売新聞
森で働く人材育成へ 豊田市 来月から講座 トヨタ自動車・NPOと協力
2009/4/16
時事通信
人材育成プロジェクト「豊森」を5月開始=トヨタ自動車など
2009/4/16
中部経済新聞
自然の中で人材育成 豊森実行委員会来月から「なりわい塾」
2009/4/21
中日新聞 豊田市版
2009/4/23
新三河タイムス
豊森で持続可能な地域 自然の中でビジネスの核づくり
2009/4/24
朝日新聞三河版
トヨタ・豊田市・NPO 起業目指す塾 来月開講 農山村エキスパート育成
2009/5/29
中日新聞 豊田市版
新しい山里暮らし求めて「同じ志の仲間と頑張る」
豊田 豊森なりわい塾、開講式
Mobi21
トヨタ 社会貢献推進活動 世界に類を見ない企業・NPO・行政 三位一体の「豊
森なりわい塾」
2009/7
トヨタなど環境ビジネス人材育成事業
山里の人育てます 来月17日開講 受講者募集 豊田・豊森なりわい塾
森をつなごう豊森(市政番組とよたNOW)
http://www.city.toyota.aichi.jp/toyotanow/tokusyu0907.html
2009/7/13
ケーブルテレビ
ひまわり
2009/11
SEGES News
Letter
「豊森」と地域連携(投稿者:池上博身)
2009/11/29
日経新聞 中部版
林業学ぶ公開講座 来月6日に豊田市で
2009/12/1
広報とよた
豊森なりわい塾 第3回公開講座「環境に配慮した林業のあり方~森とともに暮ら
す心を学ぶ~」
2010/2/1
広報とよた
豊森なりわい塾 第4回公開講座
2010/3/1
広報とよた
自然農川口由一講演会と映画上映会
2010/3/19
2010/11/25
94
矢作新報
新三河タイムス
豊田市の市町村合併から5年 農山村の新しい風強まる 都市・農山村交流シンポ
ジウム 心意気の民間プロジェクト集結
障がい者自立を支援 28日に石野でバザー 豊森塾
参考資料:塾生によるプロジェクト活動の概要
プロジェクト名
「未来の暮らし2000」プロジェクト(MKP2000)
メンバー名
梅原彰・村野政章・杉浦剛一・梶原雅子・柴垣民雄・柴垣祐子・村田元夫
戸上昭司・井上淳之典
理念
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
自然豊かな里山で、地域の風土・文化を継承し
相互扶助の精神で共に安心できる循環型のくらしを創造します
具体的課題:【自閉症を持つ高校2年生A君の○○歳の未来予想図を提案する】
取組活動内容:もりもりバザーの企画&運営
・古民家、雑木林、田畑の整備を通じて、A君ご家族や地域と触れ合う
・他の豊森プロジェクトとの連携コーディネート
未来理想像(達成したいこと)
・地域の生きる知恵を継承し、2000年続く自給自足生活を営む
・地域の人々と協働生活を実践し、土地・生活に一生の愛着と覚悟を持つ
・長所を伸ばし、短所を補う「助け合い」で安心&心豊かな暮らしを実践する
・豊田市・近隣の中山間地を生活圏に、都市住民と交流し、互いに学び合う
・「未来の暮らし方」が中山間地に波及し、地域間の交流が盛んになる
・地域の資源(モノ・ヒト・コト)を生かした稼ぎ(多業)を創る
活動内容
実施内容
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
保存会の方々から、地域の温かさを感じ、
地域実態や歴史を知ることの重要性。
5/23
しゃくやく姫祭り
5/29
豊森限定発達障がい勉強会
地域活動や環境問題に取組む人は、障がいにも
同じレベルの問題意識を持っている
6/20
T君母親&MKP初打合せ
思いの共有と今年の活動
心の奥底の熱い思い念い同志がシンクロし共鳴
し合ったように思う。思いは招く!!
7月
古民家のお掃除!!
廃屋の整理
屋号「N」商店の、かつての賑わいを取り戻す
に十分な歴史深い古民家であり、面白いストー
リーを奏でる可能性を感じた
8月
交流BBQ
(地元親の会、豊森顔合せ)
仲間のパワーを再認識。バザーの夢は膨らみ、
やる気満々。逆パンドラの箱を開けた?
9月
町民へのご挨拶
特に反応ない中で、区長さんに歓迎されたこと
は、本当に有難い。トヨタ効果絶大!?
10月
神社秋祭&大詰め打合せ
厳かな奉納の儀を拝見し、文化継承の重要性を
強く感じた。打合せは全員参加の一体感から、
成功を確信した
11月
もりもりバザー
一石を投じた波紋は、ゆっくりと地域の人々や
関係者へ浸透し、成果が得られた。
賑わいの中に、ゆったりとした時間が流れ、地
域の人々のぬくもりを肌で感じた。
12月
もりもりバザー反省会
理念を継承し、今後の課題と方針を明確にし、
第二期に繋げる本音の協議検討が必要
95
達成できたこと/
できなかったこと
<達成できたこと>
自閉症のT君をはじめ、山間部に住む障がい者が、親亡きあと、地域とどのように関わり、
どう暮らして(生きて)いくかという課題と、山間部の地域活性化課題に向けて、T君宅
の築100年の古民家(元商店)バザーという形で活動の第一歩を踏み出し、バザーに集っ
た地元住民はじめ、友人、知人など多くの方々に来場頂くことが出来た。
また、今回のバザー準備での一体感とやりがい、本番の賑わい(集客力)、お客様の高評
価から、地元親の会が、来年も毎月1回のペースで大きな活力を得て、活動を継続するこ
とを決めており、地元住民が自発的に取組む意識付けが出来た。
企画運営では、具体的なプロジェクトとして発足し方針を決定し、バザーと言う形で実践
活動し、チームワークと事務局スタッフの協力支援により、予想を遥かに超える売上金と
集客力を得ることが出来た。
<達成できなかったこと>
T君の未来予想図を描くことが出来なかった。いや、簡単に出来るものではない。
バザーの賑わいに押され、子供たちに軽食などの作業体験を十分出来ず、森音の会、豊森
なりわい塾の目指す思いを来場者へ伝えることが出来なかった。
他のプロジェクトチームとT君親御さんの関わりを支援する時間が無く、各チームの旨み
を十分に引き出すことが出来なかった。
また、雑木林の整備は、目指す森の姿や、森の利活用について十分な議論の場を持つこと
ができず(T君親御さんの古民家への思いを優先)、他の連携プロジェクトチームのフィー
ルドを活用した活動紹介が十分に出来なかった。
今後の予定
96
来年も、地元親の会、地域住民と共に本プロジェクト活動を継続する。
(T君親御さんも豊森との来年の付き合いに賛同)
★年明けには、親の会と共に「未来予想図W/S@古民家」を開催して、来年1年間の活動
内容を計画する。ただし、親の会のペースに合わせた活動とする。
第2期では、地元親の会の豊森への要望に応じ、支援の質、量を充実していく。更に、
会の活動を、より地域・障がい者主体で、軸足(会の主旨の明確化)を太くして継続でき
るよう、外部の支援者や団体とのつながりも深めてゆく。
具体的には、定期的なバザーやイベントなどへの支援、新しい企画やアイデアの提供、N
町の自然利活用、第2期の学びの場(あるもの探しはじめ地元学)とする。
プロジェクト名
自然○衣素材プロジェクト
メンバー名
矢澤由紀子・塩崎誠・中川恵子・水野馨生里
理念
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
日本から失われつつある「衣」の技術、文化、暮らしを学び次世代へ
引継ぎ伝えていく
課題 原料を自給し、これまで培われてきた技術、技法を用い、地域と
結びついた形で、一気通貫で製品を生み出すシステム作りを目指す。
取り組み 日本における綿の現状をリサーチ
① ワタを栽培し、そのプロセスを学ぶ
② 実際の現場の実情を把握する為、まずはガラ紡に焦点をあて、その仕事をしている人
たちに会い、話を伺うことで衣の国内自給の問題点を洗い出す。
活動内容
河合和紡績訪問
ガラ紡が消えつつあること。何とか続けられな
いのか?調べてみたいと感じた。
5/23
ファナビス稲垣氏打合せ
生き方、生活スタイル、なりわいを地域に根ざ
して信念を曲げずにやっている稲垣氏。そうい
う人がいて力になった。
6/24
丹羽布団店訪問
6/26
青木川(ガラ紡遺構)訪問
水車跡がよく分かった。生活に近い所にガラ紡
があったことが分かった。
6/29
ガラ紡講演会聴講
ガラ紡が生まれ経緯を知り、ガラ紡を無くして
はいけないと感じた。地域の自然や資源を使っ
て成り立つ産業であり、これからの社会に必要
になると感じた。
8/28
講演会+ワークショップ開催
仲間にガラ紡を知ってもらうと同時に、ワタか
ら糸にする大変さが分かった。
9/16
キタマ毛織訪問
ガラ紡を今の時代のニーズに合わせてやろうと
しているのが印象的。やり方次第でいける可能
性を感じた。
10/8
近藤衛司軍手製造訪問
軍手に特化することで生き残っている。反毛は
フェルト向けとして残っている。ここも大幅に
縮小している事が分かった。
10/18
機織り工場見学
昔の織機使用。
「効率化すればするほど食えなく
なる。
」という発言が印象的。ガラ紡糸を織るに
は技術が必要だが、技術を持つ人が減っている。
10/30
知多歴史民族資料館見学
糸車による糸紡ぎを体験。先人が道具を工夫し
て開発してきたことが分かった。
11/28
もりもりバザー
値段が高めだったけど、きちんと商品化すれば
売れるということが分かった。
4/7
実施内容
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
国産のワタが殆どないことが判明した。
97
6月
〜
実施内容
11月
達成できたこと/
できなかったこと
ワタ栽培
思ったより手は掛からなかったが、予想以上に
手を掛けられなかった。皆さんの協力に感謝。
もっと手を掛ければ収量増できたはず。種から
布までは大変な作業だと分かった。昔の人が布
を捨てられない理由が分かった。
●達成できたこと
ガラ紡に携わる方たちにコンタクトを取り、話を伺うことで、どんな課題があるかを理解
できた。
中国からの安価な製品があふれる市場では国内生産は大変厳しいが、ここまで生き残れた
のは、ガラ紡だからということを知った。
その特徴的な性質を持っているのはガラ紡ほど、これからの社会に適したモノ作り(=小
規模生産、エコ)を体現しているものはないと実感した。
●達成できなかったこと
ワタの収穫量が目標10kgの2割程度になってしまった。
草刈りだけでなく、剪定や支柱建て等、ちょっとしたことだが、なかなか手を掛けること
ができなかった為と考える。
ピークの収穫期にしっかり収穫できなかったことも大失点である。
今後の予定
98
・ ガラ紡製品の開発、PR活動
・ 綿栽培(N町サポート)
・ 日本各地の天然繊維の普及に力を注いでいる人たちの実例研究
例 鴨川和綿農園(開発したミニガラ紡機について、和綿の普及について)
掛川の葛布、昭和村苧麻、群馬の絹
・ 綿だけに限らず、愛知だけに限らず、多彩なネットワークを作る。
プロジェクト名
NEO 山守プロジェクト
メンバー名
リーダー:鈴木実句 ・広報:竹内尚人、竹尾博史 ・会計:吉村雅行
理念
これまで森林に対する興味/価値観が弱かった山主の皆様に、森林のデザイン/整備を共に
考え実践することにより、所有林の経済的/精神的な価値に気付き、自ら管理していこう
とする意識を取り戻して頂くための支援を実施する。
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
① 山主さんとのコミュニケーションを大切にしながら、山主さんの意向に沿った森林整備
を行うこと。また経済的価値を高めるための施業を共に考えて頂くことにより所有林に
対する関心を高めて頂くこと。
② 低コスト/高効率な森林整備の検討(伐木/枝打ち/玉切り/集材/運搬/売却)
③ 豊田市の森づくり行政、林業家の事業実態、森作りの先進事例、を学ぶことにより
『森づくり』の基本的知識と手法を習得すること。
活動内容
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
4月~6月
PJT活動方針の摺り合わせ
・メンバー各人の思いの違いを語り合い、進むべき方向
を模索しながら協議を積み重ねる。
→上記の理念/取り組み内容を合意。
6月~ 7月
1.山主さんとのコミュニケーション
・山主さんの意向(どんな森林に
したいのか)を確認。
・当プロジェクトの狙いと、活動
内容(メンバーの思い)を山主
さんに説明。
・山主さんの所有林を一緒に散策
し、森林の現状を確認。
・先祖から相続した、町内に散在する大小の所有林を今
後どのように管理すべきかについての山主さんの複雑な
思いが垣間見られた。
・境界線確認の難しさを実感。
・数 あ る 所 有 林 の 中 か ら、 今 回 は 野 口 町 山 林 を 選 定。
選定理由は下記の通り。
①間伐適齢期の杉・檜の人工林
②まとまった面積(1ha以上)
③道に近く適度な斜面
④山主さん宅から約1Km
2.整備林の選定と境界線の確定
作業⇒森林植生調査⇒整備計画の
立案⇒山主さんとの相談/合意
・調査結果の分析結果に基づいた最適な整備計画を立案
でき、合意頂けた。
・但し林分による植生違いにより、定点調査(2点)だけ
の結果で算出した間伐率は実際とズレが生じた。(実際に
は多めに間伐)
・一見同じように見える山にもそれぞれ個性豊かな特性
が 有 り、整備計画にも細やかな配慮が必要であると分
かった。
7月~ 8月
10月~ 12月
10月~ 11月
3.森林整備の実施
(伐木/枝打ち/玉切り/集材)
4.山主さんによる整備状況確認
・山 主 さ ん の 意 向 に 沿 っ た 森 林 整 備 の メ ニ ュ ー の 取 り
揃 え(散策路/ランドマーク化/案内板/緑の目/混交林
化/ベンチ/手すり、等)
・チェンソー /鉈/手鋸の使い方のOJT。
・山林での作業の死傷率の高さを認識し、安全には細心
の注意を払った。
( 安全講習会受講/森林ボランティア
保険加入)
・作 業 手 順 確 認/整 備 範 囲 の 確 認/経 費 及 び 木 材 売 却 益
シミュレーションの相談を通じ、山主さんの所有林に
対する関心を喚起。
・山主さんに現場の変化を見て頂けた。
99
12月
・運搬業者(森林組合紹介)に委託。
・今回の間伐材は小径木(末口直径14cm以下)が多 かった為、『森林組合の小丸太直接買取制度』を利用。
(⇒詳細は別紙『売却益シミュレーション』をご参照下さい。)
5.運搬/売却
12月末
6.収支報告書まとめと山主さんへ
の完了報告
◇ 評価(3つの目的の達成状況と今後の課題)・・・達成できたこと/できなかったこと
目的(狙い)
1. 山 主 さ ん の
意向に沿った
森林管理方法
の提案
2. 低コスト/高効
率な森林施業
の実施
3.『森づくり』の
基本的知識と
手法の習得
評価
○
△
△〜○
・山主さんとの話し合い(確認/合意)を重視。
(『森林整備に関する協定書』を締結)
・山主さんご意向/調査結果に基づいた整備計画書を提案 /合意⇒作業実施
・簡易装備だけでの小~中径木間伐作業を2 ~ 4人での 連携作業で効率性
アップを検討。
・指導者を招いてのOJTが奏功し、伐木~玉伐り迄の基礎的な森林整備技能
は 習 得 。 集 材 作 業 及 び 搬 出 (今回は外注委託)が課題。
・整備面積/必要間伐量/作業手順/日程/木材売却主シミュレーションを綿密
に検討したものの、安全への配慮、 天候の影響もあり作業遅れ発生。
結果として事業性(収益性)は若干計画割れ。
⇒但し木材売却益の一部は山主さんへ還元
各自の学習成果をチームで共有化。
各種講演会/とよた森林学校講座受講/高知土佐の森救援隊/夕立
山森林塾(木の駅PJT)/佐藤林業視察、等。
◇今後の進め方
1.今後の作業方針:
・NEO山守PJTは継続。各自の森林整備技術を更に向上させつつ、事業性の高い山林整備方法の確立を目指す。
また、きのこ/山菜等の特用林産の栽培/販売、木の駅PRJへの参加などの他PJTとの連携も検討。
100
プロジェクト名
結いプロジェクト
メンバー名
櫻井 徹・冨田 陽子
理念
森を場とした活動の企画、実施の積み重ねを通して持続的に森と人とが関わっていくつな
がりを結いなおす。
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
丹羽山を中心とした地域で、プログラムを実行し、成果と課題をまとめる。
段丘林で2011年にプログラムを実行するために地域の方々と関係性を築く。
・ 丹羽山第1回イベントの総括。第2回のプログラムの実行。
・ 地域住民の参加方法の模索。関係機関への働きかけ。研究・試行。
・ 石野地区雑木山の山主の願いを汲み取った雑木林の活用法を組み立てる。
活動内容
実施内容
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
「フクロウの森」イベント参加
・継続的に整備していくためのヒント
フクロウというコンセプトの重要さ
石窯が提供する愉しみ
竹林整備の大変さ
足助地区里山視察・竹林試験整備
・共通フィールド設定の難しさ
・竹林整備の大変さ
・薪としての利用の展望(需要増加の見通)
DLD訪問 ツリーハウス視察 段丘林視察
・段丘林整備・活用との関わりの可能性
・地域住民が参加することで得られる力
・地元で生きていく覚悟と挑戦
浪合自然体験ツアー
インタープリテーション実施
もりもりバザーに関わる里山試験整備
丹羽山イベントⅡに向けての準備
丹羽山イベントⅡ実施
・子どもの視線に立って自然を伝えることの楽
しさと難しさ
・手が入らない里山の現状を痛感
・自分たちができることの限界
・協力者と情報共有の必要性
・役割分担・段取りの大切さ
・実施上の不安(参加者への配慮・安全面)
・参加者についての情報の重要性
・準備に十分時間がかけられたことでスタッフ
が連携し円滑に実行できたこと
・参加者の主体性・楽しむ姿
・イベント実施のためのノウハウ
・竹利用の可能性
もりもりバザーに向けての準備
・整備に結びつけることの難しさ
もりもりバザーへの参加
・バザーという場:地域の方とのつながり
・事前の情報提供・場所と時間を考慮したワー
クショップの実施のあり方を考える必要性
おまけ
竹工芸試作完成品のプレゼント
・新郎新婦の喜ぶ笑顔(手作りの温かさパワー)
101
達成できたこと/
できなかったこと
○達成できたこと
●丹羽山イベントⅡ
・世代を超えた地元住民の方々に、身近な里山で楽しんでもらえた。
・地元の方々の今後の取り組みへの意欲が喚起できた。
( イベントという形にとらわれず)
引き続き足を運んで整備。
・整備のしかた・活用のしかた・楽しみ方の具体的な方法を提供できた。
・隣接する森の課題にも目を向け、整備の必要性など意識してくれるようになった。
・地元の方とスタッフが話し合いながら、身近な森林との関わり方を具体的な形として
実現することができた。
・地元の人間ではないスタッフが、受け入れられていく過程の一つを経験することができた。
・参加者・スタッフ全体が連携しながらイベント全体を動かしていく、一例となるイベント
をつくりあげられた。
●段丘林
・視察を重ねて段丘林の現状と課題をある程度具体的に共有できるようになってきた。
・地元の方と段丘林の現状について、率直に話し合う機会が持てた。
・整備の具体について、小規模な施業(歩道整備)の提案ができた。
・地方事務所林務課・森林組合の方に相談に乗っていただき、さまざまな示唆を受けられた。
・里山整備についてのいくつかの方策を、別の場で試みることができた。
●もりもりバザーへの参加
・竹林が侵入する石野地区の里山の現状を知ってもらうことができた。
・地元雑木林からの竹利用方法の一例として、竹クラフトの展示や紹介ができた。地元
イベントへの導入も考えていただけたようである。
・さまざまな竹の作品を試作でき、実際に喜んでいただけることがわかった。
・雑木林入り口を整備したことで、山主さんが目を向けなおすきっかけをつくることがで
きた。
○達成できなかったこと
・地元の方への提案が中途半端になっており、具体的な整備については見通しが持ててい
ない。理解は得られたが、同意が得られていない状況。
・石野地区の雑木山については、山主さんの願いを汲み取った具体的な整備・活用の提案
ができなかった。
・活動の過程や成果・課題などを公開し、関わっていただいた方々をはじめ豊森のメン
バーなどと共有する努力が足りなかった。
●丹羽山
・イベント形式ではなく、丹羽さんを中心として地域の方々が主体となって整備・活用を
続けられるよう、サポートしていく。
今後の予定
102
【サポートとは】
地域の方々の願いを実現するための技術面のアドバイス、ノウハウの紹介、実施の際の
手伝い、人をつなぐこと
●段丘林
・段丘林の区長さん・財産区担当の方が本年度末で交代のため、整備についての提案を引き
継いでくださるようお話しし、新役員と実施の方向について話し合いの機会を設ける。
・他の地域で行われた里山整備の方法と成果を、関わった方々から直接学び、具体的な
方法を紹介していく。
・里山整備に関心と意欲を持つ人とのネットワークづくりに取り組む。
●石野地区里山
・山主さん・地域の方々の里山への願いを聞き、これらに基づいた整備や活用の方法を
提案していく。
・MKP・森音の会の活動と連携しながら、竹の活用法や里山整備の方法について、参加
型のイベントを企画していく。
・本期の反省を生かし、ワークショップの企画・作品の出品を通して地域とのつながりを
深めていく。
【積極的に情報発信し、志を持つ仲間の輪を広げていく】
プロジェクト名
ふくなりプロジェクト
メンバー名
森川道也・福應佳恵
理念
身近な山の木を使った家具を製作し、お客様に使って頂くことを通じて日本の山の現状を
伝え、山に興味を持っていただく。
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
・針葉樹家具の開発、販売
・生木を使った商品の開発、販売
・天然染料を使った木の染色
・身近な山の木を丸太で購入し、丸太から家具になるまでの工程を自分たちの手で行う
活動内容
実施内容
2010.4月〜 5月
針葉樹(ひのき)家具の製作。
食器棚、TVボード、椅子。
6月
近 く の 山( 香 嵐 渓 ) の 木 を
入手。一部は乾燥材として使
用する目的で板に製材。残り
は生木で使用するため芯を取
り除いて半月状に製材する。
生木の器を製作。
活動のなかで気づいたこと/
学んだこと
広葉樹の家具を製作するのと同じ
ような構造、デザインで製作をす
る。その後の使用感では強度的な
問題はない。木肌が日が経つにつ
れて濃い色目になってきて美しい。
食器棚などの箱もの家具は板厚を
厚くしても見た目の安心感が出て
よいのではないかと感じた。
7月〜 8月
針葉樹の椅子の試作。
材はひのき。
座面は本革。
貫を多めに入れることで強度を出
した。広葉樹よりも優しい触り心
地。手に触れる部分があると、針
葉樹ならではの優しさがわかって
もらえるのだと気づいた。
8月
針葉樹と栗を組み合わせた
ベンチの製作。
強 度 が 必 要 な 背 も た れ を 栗 材で、
柔らかさが欲しい座面を針葉樹の
檜で製作をした。
工業試験場にて杉の仕口の
強度実験を行う。
杉+山桜の家具の製作。
杉 材 で 椅 子 を 製 作 す る に あ たり、
強度面においてでどのような仕口
を用いべきなのかを明らかにする
ために行った。
2枚ほぞで杉、ひのき、栗で実験。
その他に杉で別の仕口を実験した。
生木の椅子作り講座に参加。
生木で実際に家具が作れるのだと
いう自信がついた。丸太から人力
のみで椅子を作った。森に生えて
いる樹から木へ、そして家具にな
る と い う こ と が 一 目 瞭 然 だ った。
とても勉強になった。
9月
10月〜 11月
103
実施内容
達成できたこと/
できなかったこと
今後の予定
104
12月
近くの山の木で家具を製作す
るため、トヨタの森のアベマ
キ、コナラを提供して頂く
実際に木を出す現場のお手伝いを
して、樹を倒す時の音や、宙に舞
う葉っぱが印象的だった。生えて
いる樹はとっても自由そうだけど、
切られて横になった木はどこか不
自由そうだなあと感じた。
・針葉樹家具の開発、販売
少しずつ特性がわかってきた。強度実験をもう少し進めたい。
地域の針葉樹を使うことを今後とも続けていけたらとおもう。
・ 生木を使った商品の開発、販売
・ 生木の家具があることは知っていたがそれをどうやって作るのかは想像でしか出来な
かったが、講座に出ることによって理解できた。また、コナラやアベマキで椅子を作ろ
うと思っていて、それが可能であれば近くの山の広葉樹で家具が作れるということに
なる。これをどう仕事に取り入れていくかは今後の課題である。
生木の器は、とても面白い。乾いていって歪むのが魅力的。これは予想していた以上に
良い結果が出ている。小径木広葉樹で作れるので少しではあるが、近くの山の木が使え
るのかなあと思う。
・天然染料を使った木の染色
鉄と酢を使った黒染めのみできた。他の方法はやれなかった。
・身近な山の木を丸太で購入し、丸太から家具になるまでの工程を自分たちの手で行う
数本であるが試している最中である。
今年にできなかったことを今後とも続けてやっていく予定である。とても多岐にわたるこ
となので時間をかけて研究しながやっていければよいと思う。それと同時により足助にと
け込んで同じ方向を向いている仲間を作っていけたらと思っています。林業であったり、
家作りであったり、材木屋さんであったり。
また、よろこびをもって家具を作ってそれを使い手に伝えていきたいです。
プロジェクト名
Milky-Way project
メンバー名
榊幾代
理念
生産者(一次産業)・加工工場(二次産業)・販売(三次産業)までをつなぎそれぞれの強
みを生かした商品開発、販売を行います。また新たな販売チャネルを構築し、直接消費者
にとどけるしくみをつくります。
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
消費者の牛乳離れ、乳価の低迷、飼料、資材高が酪農経営を圧迫しています。
地産池消、安心安全を求める消費者の潜在需要が高い福岡県糸島にて、志ある酪農家とつ
ながり、
「銀河の雫」という商品を開発。6月19日に直売店をオープンし、牛乳販売を行っ
ています。直営店での販売のほか、宅配に力をいれます。
2009.8月
悩み・葛藤の時期:豊森に入って、地元学をやったり、農のことを考える機
会があった。山村を歩いていたとき、昔、やりかけていたことがあったこと
を思いだした。豊森のフィールドは豊田だし、豊田で何か食と農に関わる事
業をやるチャンスがあるのではないかと考える。
⇒ただ、何かやりはじめるのだったら、ずっと豊田でやらなければなら
ない。ふるさとに戻るか、豊田でやるか悩む
8月〜 9月
福岡に戻り、かつて交流のあった畜産農家の人に会って相談:昔と変わらず、
夢を語ることができた。こういうことをしたかったよね、と話ができた。
福岡で昔の仲間とやりなおしたいと強く思った。
9月
10月
10月末
糸島に戻ることを決める
澁澤さんと糸島へ(酪農、養豚、養鶏の専業農家を訪ねる)
仕事をやめる
実施内容
11月
糸島へUターン
12月
新しいブランド「銀河の雫」という名前で牛乳を出すことを決める。
パッケージデザイン開始。
12月〜 1月
生乳入手の壁:生乳の買い取り方の交渉:小島牧場の生乳を使うことは決め
ていた。JAのルートから買いたかった(小島牧場はJAに生乳を出してい
る。JAに出す生乳の量が一定より減ると、ペナルティ金を払わなければな
らなくなる)が、JAは牛乳の需要が落ちこんでいる今「いまさら新しい牛
乳を出すなんて」と取り合ってくれなかった。何度足を運んでもだめだった。
これを知り、小島さんが、生乳を直接売ってくれることになった。最初の
壁を乗り越えることができたのは、小島さんのおかげ。
1月〜 3月
工場との交渉:同じ地域に「伊都物語」というブランドがすでにあり、それ
をつくっている工場。同じような方法で新しいブランドをつくることには、
やりにくさがあった。
「伊都物語」製造につかう機械(ノンホモのための機械)
は使わずに製造することに決める。
105
実施内容
106
2月
直売所づくりスタート・車庫の改装を開始
3月
生乳を工場へ運ぶ車、冷蔵庫、資材等を購入
4月
ホームページづくり
5月
牛乳のサンプルづくり(細菌数などの調査)・衛生面の勉強
PR開始:牛乳を出すということを、市の農政課や商工会、NPOなど、つて
をたどったPRを開始。ただ、まだ商品ができていなかったので、試飲をし
てもらうこともできない。やはり、商品を出してから、売りながら、PRし
なければならない。捨てながら売ることも覚悟。
6月19日
直売所オープン:(まずは誰も雇わないで一人でできる体制で)知っている
人にDMを送ってPR。すぐに西日本新聞に取り上げられて人が来てくれた
が直売店だけで売ることの限界も感じる。
7月19日
フレッシュチーズづくり:消費者交流・体験をやっていきたいと実施。
10年以上のつきあいのある酪農家にチーズづくりの講師をしてもらう。
7月23日
宅配スタート:新聞に載ってから、牛乳宅配店が取り扱いたいと連絡をも
らう。地域内の個人への宅配をカバーしてもらっている。ある程度まとまっ
た数の卸は、自分の車で行っている。
9月~
若者の助っ人登場:「NPO田舎で働き隊」で地域に来ている若者が、朝の作
業を手伝ってくれることに。営業に力を入れることができるようになった。
9月
コラボ企画 北欧展、糸島クラフトフェスタ:さまざまなイベントのお誘い
を受けて、いくつかに出店。体がもたないのですべてには参加できなかった
けど、できる限り参加した。
9月下旬
もやいバンク(NPOバンク)から借入:この地域で女性起業家や社会起業家
に融資をしてくれるバンクから借入れすることができた。普通の銀行では難
しくても、低い利子で貸してもらえた。カートンパックと冷凍車を購入予定
10月9日
ミルクジャム発売開始:予想以上に人気。牛乳だけではなくてアイテムを増
やすことができた。今では月に200個くらい売れる。
11月下旬
地方TVの取材を受ける:マスコミの力でお客さんが増える。一回で運ぶ配
達の量も増えてきた。
11月
協力者が現れる:デパート勤めをしている人で、休日に手伝ってくれる人が
現れる。営業など得意としていてイベントなど一緒に来てくれる。
12月17日
「NPO田舎で働き隊」で入ってきた若者をいかに定着させるかという話し合い
を仲間の農家と話し合う。一次産業をいかに盛り立てていくか、という話も。
達成できたこと/
できなかったこと
今後の予定
・ 他専業農家との配送コスト削減や営業力強化のための話し合いがもてていない。
( 宅配伸
び悩み)
・ 月に2700本の最低ロットの牛乳の完売には至っていない。
(8割達成)
・ イーハトーブをイートインの形態にできていない。
(そこで飲食させる)
・ 法人化にむけての話し合い
・ 連携する専業農家(養豚、養鶏、野菜、林業関係者)との合意形成
・ 田舎で働きたい若者をこの地域で受け入れるための組織づくり調査
・ バイオマス先進地視察(畜産廃棄物の有効利用)
・ 取引先の食品残渣の実態調査
・ 商品開発(加工)障害者施設等に委託できないかの検討
107
くらし・かせぎ・つとめ
プロジェクト名
豊森的研修・サポートセンター
メンバー名
萩原喜之・松原孝史(田舎暮らし応援隊)
理念
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
・種のための土づくり(受講生の当面のかせぎの場づくり)
・地域一体型で(地元住民・企業・行政・NPOとつなげて創る)
・地域の資源(人・モノ・金・情報など)をつなげる
・まちと村をつなぐ
・当面は住まいに集中
①行政の空家バンクの充実=田舎暮らし応援隊との連携
②コレクティブハウス(賃貸住宅)の模索
活動内容
実施内容
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
田舎暮らし応援隊とのリンクとサポートを中心に受講生の各プロジェクトのニーズを諮る
が、まず第一に住まいの課題を解決することが必要だと考える至りその場を拠点とできる
ようなコレクティブハウスの可能性を探る方向を得た。
くらし・かせぎ・しごとの研修所
例えば
(CAT・にわとりCULB・ハウステンボス)
里山
コレクティブハウス
畑
里山
田
構想
畑
畑
畑
畑
田
田
田
田
社会インフラ
・学校
・病院
・エネルギー
コーディネート機能
管理人・派遣会社・流通
・農作物宅配
・産直レストラン
地域自治区
行政
・地域の便利屋
・企業
豊森2期生
図のように、全体構想は広範に亘るが、手がかりとして「住まい」にまず集中させることで
・地元でも同様の取り組みをしていることがわかった。
( 足助町時代に、コウロゲでの計画
づくりをした人たちとの出会い)
・行政でも、コレクティブハウスのアイデアがあることがわかった。
今後の予定
108
・1期生メンバーに、さらにニーズ調査をしていく
にわとりCLUB(農的くらし+宅配事業)・CAT(中間技術のテーマパーク+研修所)・
ハウステンボス(染み出していく拠点づくり)をヒントに、くらし・かせぎ・つとめの
研修サポートセンター構想をつくる。
今後の予定
* 受講生・地元民・行政・企業へのニーズ調査
* 基本計画づくり
* メンバー募集
* 事業計画づくり
* 法人化
・上記構想をイメージしながらサポセンの打合せで受講生メンバーと向き合う。
・訪問先:足助支所へのヒアリング・旭のキーパーソン訪問・コレクティブハウス建築家など。
・ 同様の課題認識やアイデアを持つ人たちに呼びかけ、一堂に会して意見交換の場を持つ。
プロジェクト名
田舎暮らし応援隊
メンバー名
松原孝史・竹尾博史・松本真奈美・安江卓芝・中上嘉文
理念
田舎暮らしを目指す都市部住民と農・山・漁村の地域住民との交流を図り、地域の活性化
と地域の資源・資産の保全と活用に寄与する
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
空き家バンクとの共生・・・・空き家バンクに登録 足助町定住対策連絡会に提案
住居及び拠点の確保・・・・・空き家バンクに登録・借家の申し込み
古民家の改修を計画・・・・・現地の調査及び見積(松本さんに協力)
地域との共生・連携・・・・・里山耕流塾に申し込み・参加
都市と農山村交流スローライフセンターに加入
モリモリバザーに参加・協力
塾生の活動に協力・・・・・・田舎物件の紹介・案内・その他
活動内容
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
設楽町役場にて空き家バンクについて
尋ねる
空き家バンクとは、紹介はするが責任は取ら
ないシステム?
新盛里山耕流塾に参加
豊田市役所自治振興課で空き家バンク
について尋ねる
旭支所空き家バンク空き家見学
実施内容
西村自然農園でワークショップを行う
設楽町鳴沢苑の視察
マイクロ水力発電はまだコストが掛かる
松原・竹尾(松原で25番目)
日曜日なのに担当者が出勤、熱意は伝わるが、
トイレ・水道無しで住めるのか?
水飴作りと、椿オイル絞りを行う
空き店舗の活用計画の説明を受ける
新盛里山耕流塾に参加
そば作りコース、菅田和には沢山の人が出入り
している
新盛里山耕流塾に参加
バイオエネルギーコース(竹尾)
足助支所空き家バンクの空き家見学
わざわざ行ったのに外側だけ見学
109
足助支所空き家バンク空き家見学
足助商工会にて空き店舗の調査
立地の良い物件が有り、借家を申し込む
空き店舗も沢山有るが貸さない
足助定住対策連絡会に参加
役員さんは一生懸命やっているが、参加してな
い地区も有る
作手町で塾生の定住候補地を探す
田舎の空き家購入は資金調達が難しい田舎物件
に特化した不動産業も有る
足助支所内の空き家住まいについて
インタビュー
空き家バンク以前から紹介システムを持ってい
て、実績も有る
旭支所内の空き家住まいについて
インタビュー
めぼしい物件は残っていない?空き家を探すの
は無理か?
実施内容
山間部の住宅用地現地調査
塾生に新城市内貸家情報を伝える
もりもりバザーに参加協力
卒塾後の活動について意見交換
業者情報で足助・下山地区を廻った
貸家探しの資料に成れば良い
バザーとしては成功だと思うが、目的が少し
曖昧になっていたと思う
今後も活動を続ける、これからが本番。
竹資源の活用について調査
○達成できたこと
豊森の活動を通じて、塾生・地域に知人・友人が出来たこと
自分の技能が少しは役立つ事が出来ると解ったこと
達成できたこと/
できなかったこと
今後の予定
110
○達成出来なかったこと
足助町に住まい及び拠点が設けられなかったこと
空き家管理代行サービスが計画のみに終わったこと
地域の方とより深い信頼関係が得られなかったこと
(こちらもまだ本当に心を開いていないかも)
個々の今後の活動内容の洗い出し、なるべく大人数で意見交換する
竹資源について調査・研究・資料集を集める
竹パウダー製造機自作者を尋ねて、自作を検討する
竹パウダーの活用実証試験等を行う
竹骨テントの試作
地域の特産品の洗い出し、協力支援する
拠点施設の設置
移住希望者に住まいの紹介斡旋
ワークショップの実施
他のプロジェクトとの連携・連絡・協力
プロジェクト名
生産者・消費者 W-Smileプロジェクト
メンバー名
丹羽 豊・梶原 雅子
理念
家族や地域のつなぎ役となる兼業農家を持続させ、消費者の食卓に生産者の笑顔が並ぶ
よう両者のつながりを深めます。
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
1.山を拠点としたイベントなどを通じて、美濃松山有志との交流を深める
2.観光農園の(収穫イベント)のトライアルと直売の実施
3.成功事例の視察
4.イベントを通じて、世代を超えたつながりのきっかけ作り
5.中期計画案の策定
活動内容
5月
7月
7月
実施内容
8月
9月
10月
11月
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
理念作成・現状把握
自分たちが目指すところや地域に必要なこと、
求められていることを明確化することがとても
難しい。現状把握は、やはり地域の生の声をで
きるだけ、多くのまた幅広い年齢層からたくさ
ん聞く必要があると感じた。
山口農産物等直売組合視察
集荷システムは、とてもシンプルだが、一番弱
い人の立場に立ったシステムだから皆が活用し
やすい。問題を問題として放っておかずに、解
決するために行動する人が必要と感じた。
松本自然農園視察
持続するための秘訣は、コスト管理(作業の省
力化)とお客様を飽きさせない工夫。
小規模農家でも数字による管理とITで効率化し、
家族との時間・人生を楽しめることを学んだ。
三重南紀元気なみかんの里
創生プロジェクト視察
大規模な産地になればなるほど、環境の変化に
ついて行き難くなる。一方で個人としては、変
化には対応し易いが産地を守る事には限界があ
る。地域と行政と個人が一体になることで産地
は守られていると感じた。
ウッドデッキ作り&
森の保育園開催の下見
すぐ近くに山があっても、意外と山を知らない
事に気づいた。地域の山に必要な手入れや山は
遊びの宝庫!!であることなど、地域外の人に
見て頂くことで改めて気づくことが多かった。
ウッドデッキ作り&
森の保育園イベント開催
子供たちの笑顔が本当に楽しそうだった。今まで
見せたことのない笑顔に親が驚いていた。前回の
間伐イベントに参加できなかった地元のメンバー
も今回は参加するなど、少しずつだが、地元の輪
が広がっているように感じた。定例化させたい。
2010年度みかん販売計画
『みかんをどれだけ売るか』、の視点だけではな
く、継続的に消費者とつながっていく事、販売
することで地域としての活性化につなげる事
などもあわせて考える必要があると感じた。
111
12月
みかんの収穫
12月
道の駅賤母にて直売開催
実施内容
達成できたこと/
できなかったこと
今シーズンの収穫量は昨シーズンの3分の1。
安定した供給量を確保することの難しさを感
じた。
【達成できたこと】
● 地元有志メンバーとの繋がり
地元の仲間と、いろいろなイベントを通して、地元の将来について、話す機会が増えた。
また、地元と豊森のつながりができた。 (南濃みかん直売イベント、間伐体験、ウッド
デッキ作り、森の保育園)
● 南濃みかんの販売チャネルの増加
・個人受注販売
・地元のコンビニ駐車場での直売会
・スーパーオークワでの委託販売
・レストラン『soy cafe』での受注販売&南濃みかんを使ったメニューの作成
・中津川市の道の駅『賤母』での直売会の開催
・名古屋中日ビルでの海津市観光協会主催の物産展への参加(計画中)
・大垣市のショッピングセンターでの農産物直売イベント(計画中)
● 各関係者とのコミュニケーションの構築
成功事例などの視察を経て、様々な事例を学ぶことができた。また、その関係者とのつ
ながりを得ることができたことにより、販売チャネルの増加や問題解決のヒントを得る
ことができた。
松本自然農園
山口農産物等直売組合
三重南紀元気みかんの里創生プロジェクト
海津市観光協会 etc
【達成できなかった事】
・地元の農業関係者へのヒアリングとマーケティング
・お試し観光農園の開催
・休耕地を利用したみかん以外の果樹の作付け
・地域内での本気の話合い
今後の予定
112
・今シーズンのみかんの販売
・地域ぐるみでの生産者と消費者のネットワーク作り
・間伐・ウッドデッキ・森の保育園のイベント定例化
・休耕地を利用した、みかん以外の果樹の作付け
・持続可能な兼業農家への仕組み作り
プロジェクト名
里山・暮らしの保育プロジェクト
メンバー名
菅沼倫世・伊吹あゆみ・坂本竜児
理念
・自然の中で仲間と共に身体と心を存分に使って遊び、暮らす。その中で、自分らしく
自立して生きていく力を培う
・子どものよりよい育ちを真ん中に、関わる全ての人の育ち
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
・主催保育のプロジェクト計画立案・実施
・出張保育の実施
活動内容
※( )内は名前
活動のなかで気づいたこと/
学んだこと
2010年7月12日
(菅)
海上の森でようちえんを作
ろうとしている人たちと会う
八幡幼稚園の元園長らが海上の森
で活動をしようとしている。今後
とも連絡をとって学べることは学
んでいきたい。
7月27日
(菅)
green mamanの会に参加
プレーリーダーの岳ちゃんに
会う
天白プレーパーク見学
岳ちゃんの絵本の読み聞かせや遊
び会があり、飛び入りでお手伝い
することに。今の保育現場で学ん
でいる手遊び等も、こういう場で
活かせるなと思いました。
8月3日
(菅)
鞍が池プレーパーク見学
そ う! ま さ に 幼 児 版 の プ レ ー
パークが作りたいのです。
8月10日
(菅)
原体験である奥三河を訪ねる
池にはイモリ、道にサワガニ・・・。
大人は子どもがのびのび育つ環境
を用意するだけでいいのだと改め
て思いました。
8月11日
(菅)
海上の森でようちえんを作
ろうとしている人達と海上
の森を歩く
まずはフィールドをよく知ること、
そして季節ごとに変わっていく自
然を大人が楽しむこと、知識を持
つことが大切。
9月25 ~ 26日
(菅・伊・坂)
海上の森でようちえんを作
ろうとしている人達と海上
の森を歩く
初 の 出 張 保 育 の 下 見 & 話 し 合い。
周辺確認し、何とかなりそうかな
と思いました。
ロープワーク予行練習
モンキーブリッジ用にロープを購
入し、試しに作って友達に乗って
もらいました。楽しんでもらえて、
良かった!練習は必要。
丹羽山プロジェクト最終
打ち合わせ、準備、実施
下見から1か月経ち、自然遊びで
使える物が変わっていたので直前
下見もとても大切。依頼者からの
ねらいなどを確認し、ようやく出
張保育のスタンスが決まり、実施。
いぶちゃん、ありがとう!
実施内容
10月24日
(菅)
10月30 ~ 31日
(菅・伊・坂)
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★丹羽山プロジェクトのオファーを受け、試行錯誤しながら自分たちで「森の保育」を行っ
た。自分たちでも出来た!という感触を得、また参加した保護者の喜ぶ反応、子ども達の
笑顔や楽しい気持ちを直に感じられたことが良かった。子ども達の本物の笑顔!あれが見
たいから、保育に携わっているんだ!と思いました。
達成できたこと/
できなかったこと
★山がすぐ近くにありながら、そこで遊ぶことが殆どない地域の人達から「楽しかった」
という言葉が聞けた。まずは身近にあるものを、身近に感じることが大切。すぐそこにあ
る自然に気づき、楽しむことが大切。そのお手伝いが出来たと思う。
★丹羽山プロジェクト用にチラシが一枚できた。
△主催保育を設定することが出来なかったのが残念。
△もう少し理論的に「森遊び」の効用を言語化し、チラシなどを作って「見える化」する
必要がある。
★森遊び会
月に1度、森遊びの学習・実施の場を設けて自己研鑚する
学び、遊び、企画する場
今後の予定
★出張保育
仕事との兼ね合いを図りながら、
オファーがあった場合、打ち合わせ・下見・実施をしていく
★主催保育(まあ焦らずに)
仕事との兼ね合いを図りながら、
フィールド探し&決め、広報・実施していきたい
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プロジェクト名
源森家
メンバー名
山下 眞志・黒柳 晋平・森 大顕
理念
田舎暮らしを目指す都市部住民と農・山・漁村の地域住民との交流を図り、地域の活性化
と地域の資源・資産の保全と活用に寄与する
設定した課題/
課題解決への取り
組み内容
設定した課題
①家から森を見ることができる講座コンテンツの制作
②受注があれば、一気通貫で住宅を建てることができる体制の整備完了
課題解決への取り組み内容
①家を通じて森とまちをつなぐ講座コンテンツづくり(一般・学校)・安城市と根羽村を
つなぐ市民企画講座(森とまちをつなぐWin-Win講座)の企画運営(一般向け講座)・森
林や木材に関わる仕事の実演出前講座の企画(学校向け講座)②豊森的一気通貫モデルの
企画づくり・体制づくり・商品づくり
活動内容
活動のなかで気づいたこと/学んだこと
鈴木政雄氏ヒアリング&山林見学、
小澤山見学
(5月4日、8日)
伐った材を使えるまで誰がストックするかが
重要なファクターであると理解。
フィールド調査として根羽村と木材利
用の調査として安藤久氏邸を見学
(6月23日)
木材のエンドユーザーと考えている街の住民に
山の取り組みをどう見える化するかがポイント
と思った。
分収林事業を通した根羽村と安城市との関わり
を「水」をキーワードにフィールドワークをし
た。百聞は一見に如かず
実施内容
安城市市民講座
(11月6日、13日、27日)
講座でプレゼンすることで、自分の想いを情報
に変換でき、頭の整理に有効だと実感した。ま
た、直接市民とコミュニケーションを図ること
の重要性を感じた
参加者とワークショップを行い、自分たちがで
きることを共有できた。
あさひ製材協同組合ヒアリング
(12月8日)
地域材流通で、あさひ製材協同組合の板材の
加工可能性が確認できた。
◆達成できたこと
・森とまちをつなぐ講座コンテンツづくりの一般向け講座の企画運営
・参加者が中高年の方であり、家を売るということには直接つながらなかった。継続後は、
子どもや親子と言ったターゲット層が喜ぶ講座を行うこととする。
達成できたこと/
できなかったこと
◆できなかったこと
・森林や木材に関わる仕事の実演出前講座の企画(学校向け講座)
▶企画までいたらなかった。
・豊森的一気通貫モデルの企画づくり・体制づくり・商品づくり
▶企画づくりに関しては、大枠の方向性についてはメンバー間で一致するも、それぞれ
内容を具体化する段階でどういう行動をとればいいのかイメージできず、アクション
プランを作れなかった。
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達成できたこと/
できなかったこと
・体制づくりに関しては、メンバーそれぞれが、木材流通から家の施工まで、どの部分を
担うのか不明確であり、具体化する上での対応が困難であった。担い手探しをする必要
があったが、議論にはいたらなかった
・商品づくりに関しては、メンバーの1人である山下が、田舎型住宅、都市型住宅の2つ
のモデルを作成した。しかし、詳細設計には至らなかった。
▶住宅販売については、顧客が付きにくく、実現することが難しいと言う結論に至った。
そのため、「豊田の木の特徴である身近さ」や「クルマのまち豊田が実は森のまち」で
あるという意外性を打ち出し、内装材としての床、おもちゃ、小物、ノベルティなど
の販売を通じて地域材流通を実現していく。
・源森家プロジェクトは継続する。
・次年度以降は、3つの事業を行う予定である。
・まず始めに、「豊田の木の特徴である物理的、心理的な身近さ」や「クルマのまち豊田が
実は森のまち」であるという意外性を打ち出し、「豊田の森の木」(「豊田の木」とする
可能性あり。商品名は不確定。)として内装材としての床、おもちゃ、小物などの販売を
行っていくことなった。添付のポスターの通り、コンセプトや商品を考えている。
( おも
ちゃ、小物については主体には未確認、12月17日、18日に協力の確認を取る)
・体制は、源森家が継続して事業として実施するが、ふくなり工房やBanbino Banbina
の中根氏とも協力して事業を実施できるか検討する。
今後の予定
・2つ目に、安城市での講座の継続がある。子どもや親子と言ったターゲット層として、
前期、後期にまたがって講座を開催する。テーマとしては、まちと水源となる森との関
係を、リアリティを持って子どもたちに伝える講座と、なぜ無垢の木や地域材が使われ
ないかを明らかにする講座である。
・具体的には、前者は、明治用水土地改良区と協働しての田んぼ体験や、水源を見に行く
ツアーなどであり、後者は、木材の伐採や加工を見学したり、木材商の黒柳や一級建築
士の山下がとことん、参加者の質問に答えたりする講座内容を検討している。
・体制は、源森家が継続して事業として実施する。
・3つ目に、検討中ではあるが「豊田の森の木」で、ハイブリッドカーなどのエコカーの
ノベルティーを作成するプロジェクトの提案を検討している。全国・世界中の顧客から
見ると、「クルマのまち」としての機械的な印象が強い豊田が、実はかなりの森林面積を
持つ、「森のまち」であることは、顧客にとって非常に意外性があり、豊田に対して新鮮
な印象を植え付ける。
・そのため、「豊田の森の木」で作ったノベルティ(「トヨタ自動車」、「森のまち豊田から
のプレゼントです。」と記入)を製造し、エコカーを購入した顧客にプレゼントする。ま
た、営業マンに「このノベルティを作ることで豊田の森が良くなります。」と口沿えても
らい、話題が広がるなど、広報・販促ツールとしてだけでなく、顧客とのコミュニケー
ションツールとしても活用する。
・この事業は、源森家を事務局に、NPO法人地域再生機構の浅井氏をプロジェクトリー
ダーとして加え、提案に向け検討を継続する予定である。
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豊森なりわい塾 第一期 報告書
発 行 日:2011年1月29日
発 行:豊森実行委員会
表紙デザイン:高井裕子
連 絡 先:〒460-0014 名古屋市中区富士見町9-16有信ビル2階
(NPO法人地域の未来・志援センター内)
電話番号:052-331-1043 E-mail:[email protected]
※豊森は、豊田市/トヨタ自動車株式会社/NPO地域の未来・志援センターの協働事業として実施しています。