(マルセイユ AGA)及び Mediterranean Days 出席報告

国際航路協会年次総会(マルセイユ AGA)及び
Mediterranean Days 出席報告
PIANC-Japan 事務局長
柳
国際航路協会
生
忠
彦
年次総会(マルセイユ
国際企画室・中川国際調整官、農林水産省
AGA)及び Mediterranean Days が 2013 年 5
水産庁漁港漁場整備部整備課・西崎課長補
月 21 日から 24 日まで、マルセイユ(フラ
佐、PIANC-Japan 川嶋 前会長と奥さま住友
ンス)海岸に面する Radisson Blue HOTEL
ゴ ム 工 業 ㈱ に 出 向 中 の 森 さ ま 、 De Paepe-
(総会)と Le Palais du Pharo(ナポ レオンⅢ
Willems 賞 受賞の松下(日建工学(株))さ
世の旧別荘)で開催さ れ、出席しましたので
ま、部長の滝さま、社長の行本さま並びに
その報告をします。
小職の 12 名が参加しました。
総会会場のホテル
Mediterranean Days の 会場
1.出席者
日本からは、国際航路協会の須野原副会
長と奥さま、国土交通省九州地方整備局・
山本副局長、国土交通省港湾局産業港湾課
Le Palais du Pharo での 晩餐会での出席者
総会会場と開会の挨拶をする会長
2 . 総 会 等の 概 要
1 ) 執 行 委員 会 ( ExCom)
22 日には ExCom が開催された。総会で
取り上げられる内容について、議論がされ
た。特に注 目すべき点は次の 2 点であった。
① 現在 4 名の副総裁を 5~6 名に増員する
提案については慎重な議論が必要であ
る。
② 退任したインド出身の副会長の後任の
首席代表(ムルガナンダム氏)が新た
に設けられたアドバイザーという役職
に就任した。
も開催する。
‣Yearbook 2012 を発刊した。
‣多くの WG レポート が発刊されている。
非会員への販売などで 2012 年は€12,000 の
売 り 上 げ が あ り 、 今 年 も 現 在 ま で に €5,000
を売り上げている。
‣会 費 納 入 状 況 並 び に 納 入 の 促 進 に つ い
て報告された。
‣各国の活動に関し、アルゼンチン、コロ
2 ) 総 会 (AGA)
ンビアは会員増、オーストラリアやイラン
21 日の 9 時 から 17 時 30 分まで総会が開
も活動が活発になってきている。トルコが
催されました。会議の概要は下記の通りで
新しく Qualified Member( QM)に なった他
す。
ラオス、イスラエル、ウルグアイも近く QM
総会に先立ち先に逝去されました御巫元
PIANC 副会 長に黙とうをささげました。
・ 会 長 か らの 全 般 報 告
‣Mr.Srivastava(イ ン ド )副 会 長 の 途 中 退 任
の後任に Mr.Tore Lundestad(ノル ウェー)
が選ばれた。
‣PIANC に Adviser を設ける規定変更を
する。
‣各 委 員 会 委 員 長 の 活 動 概 要 の 報 告 が あ
った。
となる。
‣各 地 域 に お い て 関 連 の 多 く の 関 連 国 際
会議が開催されている。
・ 財 務 委 員会 委 員 長 から の 報 告
‣2012 年はセミナー等の収入がなく、収
入は€40,000 の減、支出は Yearbook が重く
輸送量が高く全体で€5,000 増となった。そ
のため黒字は€26,000(予算では€70,000)
‣投資については収益率が 2.3%となった。
‣2015 年には事務総長を常勤化する予定
‣多くの WG 報告書 が発刊された。
でありそのための支出が増える見込みであ
‣日 本 の 東 日 本 大 震 災 に 関 す る 報 告 を 独
る。
立した報告書として発刊する。
‣Colombia に お い てア メ リ カ など の 支 援
によって会議が開催された。
‣Target Countries とし て、南アメリカ、
‣メ ン バ ー が 減 っ て い る た め 財 政 的 に 苦
しくなる。何かの収入源を探す必要がある。
・監査報告
‣監 査 会 社 の 監 査 の 結 果 経 理 は 適 切 で あ
アジア(フィリピン、インドネシア、ベト
るとの報告がなされた。
ナムなど)を対象に活動する。
・ 委 員 会 報告
・ 事 務 局 長か ら の 報 告
‣ブ ラ ジ ル 、 ト ル コ が 初 参 加 し た 。 IAPH
などからも出席いただいている。
‣InCom 報告;16 人の委員で活動してい
る。会議を 2 回、現場視察を 2 回実施した。
‣MarCom 報告;コロンビアと韓国からの
‣2 月には事務局長会議を開催した。
新委員が入り全体で 28 人の委員で活動し
‣PIANC-COPEDEC in Brazil 2016 に対す
ている。9 月に仙台で委員会、東京で講演
るスポンサーとしての協力をお願いしたい。
会を開催する。
‣9 月にはマーストリヒト(オラン ダ)で
‣EnviCom 報 告 ; オ ー ス ト リ ア 、 ノ ル ウ
Smart River が開催さ れる。同時に Council
ェーが新しく委員となり、全体で 30 人、9
団体で委員会を構成している。2 月から
となった。
Working with Nature(WwN) の 活 動 情 報 は
・ De Paepe-Willems Award の 決 定
web site に アップしている。ライン川(ド
‣15 の候補論文の中から、松下紘資氏(日
イツ)とルアーブル港(フランス)が WwN
建工学(株))の論文「巨大津波に対する防
プロジェクトに選定された。今年の締切は
波 堤 補 強 工 法 」( Breakwater Reinforcement
2013 年 9 月である。
Method against Large Tsunami)が 日本から
‣CoCom 報告;22 人 の委員(内 8 人が途
上 国 )で 構成 し てい る。 COPEDEC へ の 支
援を推進する。
初めての受賞論文として選ばれた。
‣受賞後、松下さんは 40 分間 にわたり、
東日本津波や実験ビデオも使いながら、興
‣RecCom 報告;最優秀マリーナ賞(Marina
味深い論文の発表を行った。
Excellent Design Award)を選定した。マリ
ーナの計画等に対して技術支援をすること
にした。
‣YPCom 報告;中国から新しく委員が出
された。トルコ、ブラジルも委員を出す予
定。アジア(インド、中国など)での活動
を活発化させる。
・ 副 会 長 の選 任
‣ TRUEBA( ス ペ イ ン ) 副 会 長 の 任 期 終
了に伴う新副会長に Ms.Milou Wolters(オ
ランダ)が選任された。
賞金の小切手を手にした松下さん
・ Resolution 2013 の 採 択
・ 今 後 の 予定
‣33 回 Congress は 2014 年 6 月 1 日 から 5
日の間サンフランシスコで開催される。
‣AGA 2015 はポルトガルで開催する。
‣PIANC-COPEDEC
2016 年 が ブ ラ ジ ル
で開催される。
・ 提 携 団 体の プ レ ゼ ンテ ェ ー シ ョン
‣IAPH 前 会長からのプレゼン
‣ICOMAS(International Council of Marina
Industry Association)か らのプレゼン。
受賞論文の発表をする松下さん
・Best Performance National Section の 決 定
‣選定委員会において、スペイ ンを選定し
た ( 立 候 補 は 他 に 無 か っ た )。 ス ペ イ ン は
100 人の YP が会員と なっている。
・ 最 優 秀 マリ ー ナ 賞 の決 定
‣ Marina Excellent Design Award は南イ
タリアの Rodi Garganico マリーナが受賞者
・特別講演
次の 2 つの特別講演が行われた。
‣Climate Change、Coastal Change and
Navigation Issue (Dr. Nicholls)
‣The Past, Present and Future of Gyeongin
Ara Waterway (Dr. Kim Tae-Ming)
3 ) Mediterranean Days セ ミ ナ ー
22 日から 24 日までは約 150 名が参加し、
セミナーの一環としてマルセイユ港とフ
ォ ス 港 の 視 察 プ ロ グ ラ ム (7 時 間 )が あ り ま
AGA と同 時開催の 3 回目の Mediterranean
した。
Days の セ ミ ナ ー と 港 湾 視 察 が 開 催 さ れ ま
マルセイユ港の歴史は古く、2600 年前に現
した。
在はマリーナとなっている入り江に開かれ
た。現在の港湾のレイアウトを下記の
Google Map に示す。マルセイユ港は南北に
約 8km に 亘 っ て 建 設 さ れ た 防 波 堤 の 背 後
に係留施設が広がっている。水域が狭いた
め操船が難しく、2013 年 1 月には大型フェ
リーの事故が発生した。このようなことも
あり、港口部の防波堤の一部 50m を撤去す
る計画が検討されている。泊地の水深は
11~12m で 、入港でき る船舶の全長は 180m
に制限されている。マルセイユ港には主と
セミナーの模様
して大型フェリーや大型客船が入港してい
て、年間約 100 万人の旅客を扱っている他、
セミナーは次の 4 つ のテーマに分けて行
われました。
フォス港も含めて取扱われるコンテナ
(2012 年で 約 100 万 TEU)の約 1 割を扱って
①
Port Policies
いる。マルセイユ港は狭くて、将来の発展
②
Port Infrastructure and Traffic
に対応できないため、1963 年にはマルセイ
③
Environment, Cruise, Boating and
Port-city
④
Prospective Views
全体で 30 の報告がありました。
第 2 回(バ レンシア)の時とは異なり、印
刷物や CD の用意もなく、発表者がパワー
ポイントを使って発表する形式でした。し
かも、英語の同時通訳はあるものの、スク
リーンに映される図表等も含め全てフラン
ス語であるため、理解するのが容易ではあ
りませんでした。また、発表の多くは民間
マルセイユ港内の航路を横断する跳ね橋
コンサルタント、建設会社が中心で、発注
者と共同で発表するという形式が多くみら
ユ港から西方約 50km に位置する約 9,000ha
れました。ただし、会議終了 1 週間後には、
( 開 発 区 域 は 約 60% 、 環 境 保 護 地 域 は 約
英語版も含めレポートの詳細をホームペー
40%) の 用 地 に お い て 、 製 鉄 、 石 油 精 製 、
ジから入手することが出来ました。
流通センター、コンテナの取扱を開発する
港湾の開発に着手した。
港湾視察
マルセイユ港(商港 )の レイアウト
フォス港(工業港)の レイアウト
両港を合わせた 2012 年における港湾貨
物取扱量は下記の様であった。

雑貨;1,720 万トン

石油類;5,270 万トン

化学薬品類;350 万トン

固形バラ荷;1,230 万トン

旅客;240 万人

コンテナ;100 万 TEU
遠く山の上にノートルダム(守護聖人)
教会を望むマリーナ(旧港)と町 並み