福 CONTENTS 福島の進路 2 2010.4 №332 【しんろ】 市民活動との出会い、そしてソーシャルマーケティングによる事業開拓へ ハリウコミュニケーションズ株式会社 代表取締役 4 C O N T E N T S 12 針 生 英 一 【マンスリーレポート】 県内経済は、生産活動で持ち直しの動きが続いている が、雇用情勢は引き続き厳しい状況にあり、個人消費 も一部に明るい動きはみられるものの総じて低調に 推移するなど、厳しい状況が続いている。 【調 査】 厳しい中にも改善をみせる県内企業の景況感 ∼平成21年度下期現況と平成22年度上期見通し調査∼ 30 【トピックス】 韓国経済の現状と交流促進について 財団法人福島経済研究所 理事長 37 近 藤 哲 【トピックス】 平成21年産の「梅(うめ)の結果樹面積および収穫量É出荷量」の状況 ― 福島県の結果樹面積は全国第5位、収穫量は全国第10位、出荷量は全国第14位 ― 39 【講 演】 日本経済がわかるキーワード ∼2010年の経済É景気動向を占う∼ 東京大学大学院経済学研究科É経済学部 教授 46 出 村 克 宣 第89回 ピエール=オーギュストÉルノワール 《花のついた帽子の女》 酒 井 哲 朗 懸 田 弘 訓 渡 辺 健 寿 【福島の祭り】 第42回 福田諏訪神社の祭りと十二神楽 【企業法務セミナー】 借地契約終了時の建物買取請求権 渡辺健寿法律事務所 弁護士 63 重 【美を訪ねて】 元福島県立博物館 学芸課長 61 元 親水施設を有する雨水ろ過長期保水システムの開発 福島県立美術館長 57 藤 【私の研究】 日本大学工学部建築学科 教授É工学博士 51 伊 【税務É財務相談Q&A】 「グループ法人税制」と「一人オーナー会社課税制度」について 小林光男税理士事務所 税理士 67 地方経済天気図 70 福島県景気動向指数 71 主要経済指標 小 林 由 拓 ※平成22年1月18日より、研究所HPで既刊の「福島の進路」の各ページがPDFファイルとして ご覧いただけるように改良しました。是非、アクセスしてみてください。 しんろ 市民活動との出会い、そして ソーシャルマーケティングに よる事業開拓へ ■ 針生 英一(はりう えいいち) ハリウコミュニケーションズ株式会社 代表取締役 仙台市 私は企業経営(印刷業)に携わる傍ら、いくつ か?」と問われると、表面上のお付き合いがいか かのNPO法人の理事として市民活動に関わり に多いかということに気づかされました。つまり、 だしてから早いもので10年以上が経過しました。 クライアントのことがよく分かっていない、どん それまでは企業の視点でしか世の中を見つめられ な事業に力を入れようとしているのか、どんな なかったのですが、市民活動との出会いによって、 ところに課題を抱えているのか、よく分かって 地域とのかかわりの中で地域密着型企業として いない。これでは密着どころか、地域に「ある いかに生きていくべきか、様々なヒントをもらっ だけの会社」と思われても仕方ない、と感じて ています。 悶々としていました。 印刷会社は地場産業のひとつとして、長い間地 「顧客の先にいる顧客を見なさい」ということ 域密着型でその役割を果たしてきました。印刷は がマーケティングの世界では言われます。例えば 文化のバロメーターと言われていた時期もあり、 ある商品を作っているメーカーと取引している 印刷産業は文化や教育、経済など多方面で大きな 印刷会社であれば、実際にそのメーカーの商品を 役割を果たしてきました。しかし、インターネット 日常使っていてどうなのか、メーカーに対する の出現で状況は大きく変化しています。コストや 消費者のイメージはどうなのか、マニュアルは 効果において情報発信のあり方が根本から問い 使いやすいのか……。そういうデータをメーカー 直されているのです。 にフィードバックすることで、商品開発に活かし 印刷業としての従来型の事業モデルが行き詰ま てもらったり、そのイメージに沿ったパッケージ りを見せています。地域密着と言ってはみても、 や商品パンフレットのデザインを提案したり、 「本当にクライアントの懐に飛び込んで来たの という循環が生まれてきます。しかし現実はメー 2 ■ 福島の進路 2010.4 しんろ カーや広告代理店、調査会社のほうがそういった 育っていかないことは、地方都市において死活 リサーチは長けていたり、地方のメーカーでは 問題となります。 そこまで調査や商品開発にお金を掛けるところが 当社では平成17年度より小学校段階からの「キャ 少なかったりで、ビジネス的にはなかなか難しい リア教育」のプログラム開発とそれを広める国や ところがあります。 教育委員会、学校現場との連携É実施体制を仙台 当社では、こういったマーケティングではなく、 で構築し、大きな成果を挙げています。教育を ここ何年か「ソーシャルマーケティング」という 変えていくための大きな仕組みづくりを当社の 手法で新しい事業開発にチャレンジしています。 事業として行っている、ということになります。 ソーシャルマーケティングは、今までの「売らん キャリア教育とは一言で言うと「職業観を育成 かな」的ものではなく、社会公共志向のマーケ するための教育」ということになりますが、自分 ティングとして、従来の「企業と顧客」の2者の が将来どんな仕事に就いてどんな生き方をして 間に「生活者」という視点を加えているのが特徴 いきたいか、という目標を早い段階から考えさせ です。現在は消費者の利便性だけを追及していく ることで、子どもたちの活性化を図り、それが ことで環境や社会面で様々な弊害が出てきていま 学びへのモチベーションにもつながることが実証 すが、社会全体に有益な製品やサービスを提供 されています。またプログラムの中では地域を すべきという考えのもと、社会的責任を重視した 巻き込んで、様々な仕事のプロとしての大人たち 事業展開、地域の課題を解決するための事業を とのふれあいや体験活動、ディスカッションを 興すためのマーケティング手法です。もともとは 十分に行うことで、世の中の多様性の理解やプロ 市民活動からもたらされたものであり、当社は としての大人の生き方への共感を通じ、自己肯定 NPOとの協働などによってごく自然にこの手法 感を育成していくのです。 を学んでいきました。 この教育事業への先進的な取り組みは国の事業 例えば、地域の中の課題としては、「教育」の として受託してきましたが、多方面に波及して 問題があります。地域を活性化していくためには、 きておりまして、ビジネス上大きな柱に育って 地域人材の育成や産業人材の育成という取り組み きていますし、会社のブランディング戦略にも が必要ですが、いまの学校教育はそれとは違う軸 大きく寄与しています。ソーシャルマーケティング で運営されています。家庭も社会も子どもたちを によって、地域の潜在的な課題に対するソリュー まともに育てる機能を失いつつあるため、社会に ションを提供し、企業と地域のWIN−WINの うまく適応できない若者が大量に生み出されて 関係を作り上げることが、これからの地域密着型 います。少子高齢化社会の流れの中で、地域を 企業と言えるのではないかと感じています。 愛し且つ活力あるチャレンジングな若い人材が 福島の進路 2010.4 ■ 3 マンスリーレポート マンスリーレポート 県内経済は、生産活動で持ち直しの動きが続いている が、雇用情勢は引き続き厳しい状況にあり、個人消費 も一部に明るい動きはみられるものの総じて低調に 推移するなど、厳しい状況が続いている。 1.平成22年1月の県内経済 消費動向をみると、大型小売店販売額(全店舗ベース)は、衣料品、飲食料品、身の回り品など 軒並み低調に推移し、8ヵ月連続で前年を下回った。乗用車新車販売は、補助金や減税の効果から 普通車および小型車が前年を上回り、合計では6ヵ月連続で前年を上回った。生産活動は、鉱工業 生産指数(原指数)が17ヵ月ぶりに前年を上回るなど、着実に持ち直し基調で推移している。投資 動向をみると、公共工事前払保証取扱は、請負金額が2ヵ月ぶりに前年を上回った。建築着工(民間É 非居住用)は、棟数、床面積、工事費予定額とも前年を下回った。新設住宅着工戸数は、持家が前年 を上回ったものの、合計では5ヵ月連続で前年を下回った。倒産状況は、負債金額10百万円以上の 倒産件数は前年と同件数、負債総額は前年を上回った。雇用情勢は、新規求人倍率、有効求人倍率 (季節調整値)とも、前月比改善したものの、依然として厳しい状況が続いている。 〔消費動向・一部に明るい動き〕 大型小売店販売額(全店舗ベース)は、雇用É所得環境が一段と厳しさを増す中で、衣料品を始め 飲食料品や身の回り品など軒並み低調に推移し、全店舗ベースで198億89百万円(前年同月比△2.2%) と8ヵ月連続で前年を下回った。乗用車新車販売は、軽乗用車が依然低迷しているものの、普通車や 小型車が補助金や減税の効果から前年を上回り、合計では6ヵ月連続で前年を上回った。消費者物価 指数は、前月比0.1%下降し、4ヵ月連続で前月を下回った。また前年同月比では1.5%下降し、12ヵ月 連続で前年を下回った。個別企業の販売動向をみると、家電量販店は、エコポイント効果から薄型テレビ が好調を持続しており、パソコン、デジカメ、携帯電話、洗濯機などが振るわなかったものの、合計で は前年を上回り推移した。ホームセンターは、日用品、園芸植物、家庭用品、木材塗料、ペット関連、 除雪用品、灯油などが好調、前年を上回り推移した。旅行取扱額は、国内É海外の個人ならびに団体 とも、景気低迷や所得環境の悪化などから前年を下回り推移した。 〔投資動向・減少基調〕 1月の公共工事前払保証取扱は、件数は11ヵ月連続で、請負金額は2ヵ月ぶりに前年を上回った。 12月の建築着工(民間É非居住用)は、棟数、床面積、工事費予定額ともそれぞれ前年を下回る動きが 続いている。1月の新設住宅着工戸数は、持家が前年を上回ったものの、合計では5ヵ月連続で前年を 下回った。 〔生産活動・持ち直しの動き〕 12月の鉱工業生産指数(季節調整済指数)は、生産の持ち直し基調が続く中、91.3(前月比+1.8%) となり、4ヵ月連続で前月を上回った。また原指数では91.6(前年同月比+7.9%)となり、17ヵ月 ぶりに前年を上回った。1月の大口電力販売量は、2ヵ月連続で前年を上回った。特に、非鉄金属や 輸送機械では、前年同月比2ケタ増となるなど復調振りが窺える。 〔企業倒産・横ばい〕 負債金額10百万円以上の企業倒産状況は、倒産件数が前年と同件数、負債総額は5ヵ月ぶりに前年を 上回った。 〔金融動向・貸出金鈍化〕 1月末の預金残高は前年同月比+2.4%と35ヵ月連続で前年を上回った。貸出金残高は同△0.9%と 3ヵ月連続で前年を下回った。 〔雇用動向・悪化〕 有効求人倍率(原数値)は、27ヵ月連続で前年を下回った。季節調整値でみた新規求人倍率は3ヵ月 連続、有効求人倍率は23ヶ月ぶりにそれぞれ前月を上回ったが、依然として厳しい状況が続いている。 4 ■ 福島の進路 2010.4 マンスリーレポート 県内経済動向の概要 項 消費動向 投資動向 生産活動 企業倒産 金融動向 雇用動向 良化 目 11 前年同月比 月 12 月 1 大型小売店販売額(全店舗) 乗用車新車登録台数 消費者物価指数(総合) 公共工事前払保証取扱保証請負金額 建設着工棟数(民間É非居住用) 新設住宅着工戸数 鉱工業生産指数(総合) 注1 大口電力販売量 企 業 倒 産 件 数 注2 企 業 倒 産 金 額 注2 預 金 貸 出 金 有効求人倍率(パート含む) 注3 新規求人倍率(パート含む) 注3 良化傾向にあるがほぼ横這い 前 月 11 月 月 12 比 月 1 月 − − − − 悪化傾向にあるがほぼ横這い 悪化 注1:前月比は季節調整値、前年同月比は原指数。 注2:負債総額10百万円以上。 注3:前月比は季節調整値。前年同月比は原指数。 2.県内経済動向 ―― 消 費 動 大型小売店 福島県大型小売店販売額(全店舗) (%) 20 (前年同月比伸び率) 合計 向 ―― 1月の県内大型小売店の販売額は、 百貨店 スーパー等 10 雇用É所得環境が一段と厳しさを増す中で、冬物 衣料が振るわなかったことに加え、節約志向から 0 飲食料品や身の回り品なども低調に推移し、全店 舗ベースで198億89百万円(前年同月比△2.2%) と8ヵ月連続で前年を下回った。一方、既存店 −10 ベースでも同6.3%減と14ヵ月連続で前年を下 回った。(注:既存店とは調査月において当月と前年同月 −20 1 でともに存在した事業所の数値。 ) 業態別に内訳をみると百貨店は、衣料品が主力 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 21年 22年 (資料:経済産業省) の婦人服をはじめ全般的に振るわなかったほか、 飲食料品、身の回り品も前年を大きく割り込み、 全店舗ベースで33億47百万円(同△8.8%)と、 (台) 10, 000 既存店ベース(同△5.4%)とともに29ヵ月連続 で前年を下回った。 福島県乗用車新車登録台数推移 台数 (%) 30 前年同月比(右目盛) 20 8, 000 スーパーは、節約志向が強まる中、主力の飲食 料品の売上は4ヵ月ぶりに前年を上回ったものの、 10 6, 000 衣料品や身の回り品、家庭用品が振るわず、全店 舗ベースで165億42百万円(同△0.7%)と4ヵ月 0 4, 000 −10 連続で前年を下回った。一方、既存店ベースでも 同6.5%減と、8ヵ月連続で前年を下回った。 乗用車販売 2, 000 −20 1月の乗用車新車登録台数(軽乗用 車含)は、合計で5,610台(前年同月比+24.8%) となり、減税や補助金効果により6ヵ月連続で 前年を上回った。車種別でみると、普通車※ は 0 −30 1 2 3 4 5 6 7 8 9 21年 10 11 12 1 22年 (資料:福島県自動車販売店協会) 福島の進路 2010.4 ■ 5 マンスリーレポート 624台(同+58.8%)と3ヵ月連続で前年を上回っ た。小型車※ は3,126台(同+47.0%)と6ヵ月 (台) 20, 000 福島県中古車販売台数推移 台数 連続で前年を上回った。軽乗用車は1,860台(同 △5.8%)と14ヵ月連続で前年を下回った。 (%) 20 前年同月比(右目盛) 10 15, 000 ※今月号より、乗用車販売台数の区分を普通車(従来 0 大型車)、小型車(同中小型車) 、軽乗用車(変更なし) とします。「乗用車販売台数」の定義については、本号 10, 000 −10 巻末の「経済データのいみ」第12回を参照ください。 1月の乗用車中古車販売台数(軽自動車は名義 5, 000 −20 変更を含む)は、合計で7,529台(前年同月比△10.7 %)と2ヵ月連続で前年を下回った。車種別に みると普通車は2,008台(同△13.2%)と、12ヵ月 1 2 3 4 5 6 7 8 連続で前年を下回った。一方、小型車は2,859台 (同△12.1%)、軽乗用車は2,662台(同△7.0%) で、いずれも2ヵ月連続で前年を下回った。 消費者物価指数 (前月比△0.1%)となり、4ヵ月連続で前月を下 回った。前年同月比では1.5%下がり、12ヵ月連続 9 10 11 12 1 21年 22年 (注)軽自動車は名義変更台数含む 資料:日本自動車販売協会連合会 福島支部 全国軽自動車販売協会連合会 1月の消費者物価指数は、総合 指数(福島市、平成17年=100)でみると、99.9 −30 0 福島県消費者物価指数 104 (総合指数 平成17年=100) 103 で下降した。 費目別の指数動向をみると、「食料」が104.3 (前月比+2.1%) 、「水道É光熱」が105.1 (同+0.4 %)、「家具É家事用品」が91.1(同+0.3%)、 「諸雑費」が101.2(同+0.3)と4費目で前月比 102 101 100 上昇した。一方、「被服及び履物」が97.7(同 △7.9%)、「教養娯楽」が93.6(同△1.3%) 、「交 通É通信」が97.6(同△0.8%)、「住居」が98.5 (同△0.1%)と4費目で前月比下降した。また、 「教育」は103.7、 「保健医療」は97.0と前月と同じ であった。 家電量販店 1月の売上状況は、エコポイント 効果から薄型テレビが前年を大幅に上回るなど 99 福島県 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 21年 22年 (資料:総務省統計局) (千台) 5, 000 好調が続いており、パソコン、デジカメ、携帯 電話などのデジタル家電や冷蔵庫、洗濯機など 全国 98 福島県高速道路出入交通量 (%) 15 交通量合計 前年同月比(右目盛) 4, 000 10 3, 000 5 2, 000 0 1, 000 −5 白物家電が振るわなかったものの、合計では前年 を上回り推移した。 ホームセンター 1月の売上は、日用品、園芸 植物、家庭用品、木材塗料、ペット関連商品、 除雪用品、灯油などが好調に推移し、全体では 前年を上回る水準で推移した。 旅行 1月の旅行取扱額実績は、景気低迷や所得 環境の悪化などから、国内É海外の個人並びに 団体とも、前年を下回り推移した。 高速道路 6 ■ 1月の県内自動車道出入台数は、「ETC 福島の進路 2010.4 0 −10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 21年 (資料:東日本高速道路㈱東北支社) 22年 マンスリーレポート 割引制度」の効果などから、3,345,933台(前年 同月比+4.9%)と10ヵ月連続で前年を上回った。 路線別にみると、東北自動車道(白河 IC ∼国見 福島空港国内定期路線の利用客数推移 (人) 50, 000 利用客数 前年同月比(右目盛) (%) 10 0 IC )は1,906,001台(同+2.2%)と2ヵ月連続 40, 000 で増加、磐越自動車道(いわき三和 IC ∼郡山東 IC )は217,146台(同△5.2%)と4ヵ月連続で 30, 000 前年を下回った。磐越自動車道(磐梯熱海 IC ∼ 西会津 IC)は504,088台(同+7.5%)と2ヵ月 20, 000 ぶりに前年を上回った。常磐自動車道(いわき勿来 IC∼常磐富岡 IC)は718,698台(同+14.5%)と 10, 000 −10 −20 −30 −40 −50 −60 10ヵ月連続で前年を上回った。 福島空港 1月の福島空港国内定期路線の利用 0 状況は、平成21年1月の日本航空の撤退に伴う 大阪(関空発着)É沖縄両路線の廃便により、 −70 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 21年 22年 (資料:福島県商工労働部空港交流課) 13,293人(前年同月比△46.4%)と前年を大きく 下回った。路線別にみると、札幌便は5,767人 (同△7.5%)と2ヵ月連続で前年を下回った。 福島県公共工事請負金額(前払保証取扱)推移 (百万円) 40,000 請負金額 (%) 6060 前年同月比(右目盛) 50 大阪便は7,526人(同△29.6%)と25ヵ月連続で 前年を下回った。一方、国際定期路線の利用状況 40 30, 000 30 は、3,487人(同+37.5%)と3ヵ月連続で前年 2020 を上回った。路線別にみるとソウル便は2,396人 (同+41.3%)、上海便は1,091人(同+29.9%) 10 20, 000 0 −10 となっている。 -20−20 10, 000 ―― 投 資 動 公共工事 −30 −40 向 ―― 1月の公共工事前払保証取扱は、件数 −50 0 が476件(前年同月比+19.0%)と11ヵ月連続で 前年を上回った。請負金額は93億17百万円(同 、 なお、年度累計(2009年4月∼2010年1月)では (棟) 180 180 件数が前年同期比827件増加し、6,329件(前年 同期比+15.0%) 、請負金額が同33億27百万円増加 140 140 し、1,779億88百万円(同+1.9%)、保証金額が 120 120 14億43百万円増加し、682億64百万円(同+2.2%) 100 100 1月の主な発注者別の請負金額は、国が前年比 11億94百万円増加し、16億92百万円(同+239.8 %)となった。独立行政法人等(東日本高速道路㈱ など)は同5億44百万円増加し、737億円(同+283.9 %)となった。県は同14億34百万円増加し、34億 46百万円(同+71.4%)となった。市町村は同23 億65百万円減少し、32億98百万円(同△41.8%) 7 8 9 10 11 12 1 21年 160 160 となっている。 6 22年 (資料:東日本建設業保証㈱) +3.8%)、保証金額は40億15百万円(同+11.3%) となり、それぞれ2ヵ月ぶりに前年を上回った。 -60−60 1 2 3 4 5 福島県着工建築物推移(民間・非居住用) 棟数前年同月比(右目盛) 床面積前年同月比(右目盛) 棟数 (%) 200 100 8080 6060 0 4040 2020 00 −100 12 1 2 3 4 20年 5 6 7 8 9 10 11 12 21年 (資料:国土交通省) 福島の進路 2010.4 ■ 7 マンスリーレポート となった。 設備投資 12月の建築着工(民間É非居住用)は、 福島県新設住宅着工戸数推移 (戸) 1, 500 着工戸数 棟数が133棟(前年同月比△10.7%)と6ヵ月連続 前年同月比(右目盛) 参考:全国の前年同月比(右目盛) で前年を下回った。床面積は42,558㎡(同△27.3 %)、工事費予定額は53億56百万円(同△30.5%) となり、それぞれ8ヵ月連続で前年を下回った。 (%) 80 40 1, 000 1月の建築物確認件数(計画変更を除く)は、 0 505件(前年同月比△3.1%)と2ヵ月連続で前年 を下回った。建築物別にみると、1∼3号建物 500 −40 (一定規模以上の建築物が対象)は116件(同△2.5 %)と16ヵ月連続で前年を下回った。4号建物 (小規模な木造É非木造住宅などが対象)は389件 0 -80−80 1 2 3 4 5 6 7 8 (同△3.2%)と2ヵ月連続で前年を下回った。 「構造計算適合性判定合格件数」は9件と前月比 5件減少し、2ヵ月ぶりに前月を下回った。 21年 を下回った。建築物別にみると、1∼3号建物は 117件(同+9.3%)と8ヵ月ぶりに前年を上回っ た。4号建物は398件(同△4.6%)と2ヵ月連続 22年 (資料:国土交通省) 福島県鉱工業生産指数(全国、東北との比較) 建築物着工の先行指標である1月の建築物申請 件数は、515件(同△1.7%)と2ヵ月連続で前年 9 10 11 12 1 (季調済 平成17年=100) 120 福島県 東北 110 全国 100 で前年を下回った。「構造計算適合性判定申請 件数」は4件と、前月比7件減少し、2ヵ月ぶり に前月を下回った。 住宅建設 1月の県内新設住宅着工戸数は、727 戸(前年同月比△0.8%)と5ヵ月連続で前年を 90 80 70 下回った。主な利用関係別にみると、「持家」は 341戸(同+17.2%)となり、5ヵ月ぶりに前年 60 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 を上回った。「貸家」は347戸(同△12.8%)と なり、5ヵ月連続で前年を下回った。 「分譲住宅」 20年 (資料:福島県企画調整部統計調査課) は39戸(同△9.3%)と2ヵ月連続で前年を下 回った。分譲住宅のうちマンションの着工戸数は、 10ヵ月連続でゼロとなっている。 福島県業種別鉱工業生産指数の推移 (%) 40 鉱工業生産指数 産 活 動 ―― 非鉄金属 0 −10 調整済指数でみると91.3(前月比+1.8%)と −20 なり、4ヵ月連続で前月を上回った。原指数は −30 91.6(前年同月比+7.9%)となり、17ヵ月ぶり −40 に前年を上回った。 −50 上昇および低下した主な業種別(季節調整済 −60 指数)では、電気機械工業で116.8(前月比+26.5 −70 通信機械工業で126.5(同+9.4%)など11業種で 8 ■ 福島の進路 2010.4 金属製品 10 12月の鉱工業生産指数は、季節 %)、非鉄金属工業で105.1(同+14.6%)、情報 (原指数前年比) 鉄鋼 30 20 ―― 生 21年 12 1 2 3 4 5 6 20年 7 8 9 10 11 12 21年 (資料:福島県企画調整部統計調査課) マンスリーレポート 上昇した。一方、精密機械工業で118.4(同△8.8 %) 、輸送機械工業で75.9(同△6.9%) 、パルプÉ 紙É紙加工品工業で83.0(同△3.2%)など9業種 40 で下降した。 30 化学 1月の食品包装フィルム用合成樹脂やフッ 素樹脂、金属代替プラスチック、医薬品の生産は −20 −30 −40 −50 前年並みの水準で推移した。 −60 鉄鋼・金属 −70 12 1 2 3 4 5 6 7 8 電子材および自動車向け端子材とも、前年を大幅 に上回り推移した。建機用鋳造品の生産は、新興 国向けは持ち直して来たものの、国内É欧米向け が低調、前年を大幅に下回った。車両用鋳造品は、 新幹線、 JR 在来線の更新需要および海外需要に 支えられ、堅調に推移した。船舶用バルブ部品は 前年を上回ったが、陸上プラント用バルブ部品は 前年を下回る水準で推移した。 輸送用機械 1月の自動車用鋳造品の生産は、 海外向けが復調し、前年を上回り推移した。自動 20年 福島県業種別鉱工業生産指数の推移 (原指数前年比) (%) 40 30 電気機械 20 電子・デバイス 情報通信機械 10 0 −10 −20 −30 向けが好調に推移するなど、持ち直しの動きが −40 続いている。カーナビÉカーオーディオの生産は、 −50 前年を上回る水準で推移するなど、持ち直しの −60 動きが続いている。 −70 12 1 2 3 4 5 6 7 8 1月の変圧器の生産は好調に推移し、 配電盤、電熱炉、自動車モーターの生産が振る 9 10 11 12 21年 (資料:福島県企画調整部統計調査課) 車用オイルシールの生産は、ハイブリッドカー 電気機械 輸送機械 0 ソーダ等)などは前年を下回り推移した。酸化 1月の伸銅品の生産は、半導体向け 精密機械 10 −10 バリウム化合物(電子部品原料)の生産は堅調、 (原指数前年比) 一般機械 20 好調だったものの、炭素繊維、工業製品(化成 チタン(白色顔料、自動車用塗料向け)の生産や 福島県業種別鉱工業生産指数の推移 (%) 50 20年 9 10 11 12 21年 (資料:福島県企画調整部統計調査課) わなかったものの、全体では前年並みの水準で 推移した。 情報通信機械 1月の携帯電話中継局用マイクロ (千ã) 150 150000 (%) 1010 出荷量 波通信機器の生産は、主力のインド向けが依然 低調、前年を下回る水準で推移した。衛星通信 機器関連、 FA 関連機器の生産は、前年並みの 福島県生コンクリート出荷実績 前年同月比(右目盛) 00 100 100000 水準で推移した。 電子部品・デバイス −10 -10 1月の LSI(大規模集積回 路)の生産は、車載品、産業機器、パソコンÉ OA 向けが好調、AVÉゲーム機É家電、携帯電話 、 50 50000 −20 -20 通信向けなどが低調に推移したものの、全体では 前年を上回る水準となった。 精密機械 1月の医療用内視鏡の生産は、ほぼ 前年並みの水準で推移した。デジタル一眼レフ カメラ用レンズは、回復基調にあるが、前年を 00 −30 -30 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 21年 22年 (資料:福島県生コンクリート工業組合) 福島の進路 2010.4 ■ 9 マンスリーレポート やや下回る水準で推移した。 紙・紙加工品 1月の段ボール の生産は、 IT 製品向けが低迷、前年をやや下回る水準で推移 した。また、ノーカーボン紙の生産は前年を上 福島県清酒課税移出数量推移 (k l) 3, 500 課税移出数量 (%) 20 前年同月比(右目盛) 3, 000 10 回ったが、感熱紙の生産は、前年を下回る水準で 推移した。 窯業・土石 1月の生コンクリート出荷量は、 2, 000 0 全体で85,778Á(前年同月比△0.1%)と10ヵ月 連続で前年を下回った。増加地区についてみると、 1, 000 −10 官公需では、県中地区で公立病院建設、公立学校 改装工事等、白河地区で公立学校新築工事、砂防 ダム工事等、会津地区でダム取水トンネル建設 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 工事等により、民需では相双地区で高速道路建設 工事、原発改修工事等により増加した。 清酒 1月の清酒移出数量は、887Å(前年同月 比△8.0%)と16ヵ月連続で前年を下回った。 タイプ別では、特定名称酒(吟醸酒É純米酒É 本醸造酒)が377Å(同+5.6%)と10ヵ月ぶりに −20 0 21年 22年 (資料:福島県酒造組合) (106kw/h) 700 福島県大口電力使用量 (%) 前年同月比(右目盛) 販売量 600 下回った。 化合繊織物 15 500 で推移した。ポリエステルの生産も、紳士服、 婦人服の裏地向けなど前年を下回り推移した。 1月のニットの生産は、春物生産が中心 であるが、国内需要の低迷から、受注É生産は 1月の大口電力販売量は、516百万È/h 0 −5 300 −10 −15 200 −20 −25 100 −30 −35 0 −40 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 低調な水準で推移した。 大口電力 10 5 400 1月のナイロンの生産はダウンジャ ケット(表地)向けを中心に、前年を下回る水準 ニット 25 20 前年を上回った。一般酒(特定名称酒以外の酒) は、510Å(同△15.9%)と16ヵ月連続で前年を 30 21年 22年 (資料:東北電力福島支店) (前年同月比+13.6%)と2ヵ月連続で前年を上 回った。大口主要販売先を業種別にみると、「非鉄 金属」で123百万È/h(同+30.2%)、 「電気機械」 で99百万È/h(前年同月比+5.0%)、「化学」で 55百万È/h(同+14.0%)、 「輸送用機械」で51百 万È/h(同+43.6%)、 「一般機械」で24百万È/h (同+2.3%)、「紙Éパルプ」で16百万È/ h (同 福島県企業倒産(負債金額10百万以上)件数・金額推移 (億円) 100 金額 件数(右目盛) (件) 25 80 20 60 15 40 10 20 5 △10.8%)となっており、特に、非鉄金属や輸送 用機械で前年を大きく上回った。 ―― 企 企業倒産 業 倒 産 ―― 1月の企業倒産(負債金額10百万円 以上)は、倒産件数が10件(前年同月比±0.0%) となり、前年と同じであった。負債総額は12億69 10 ■ 福島の進路 2010.4 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 21年 (資料:帝国データバンク福島支店) 22年 マンスリーレポート 百万円(同+14.3%)となり、5ヵ月ぶりに前年 福島県民間金融機関預金・貸出金 (億円) を上回った。 80, 000 預金 倒産主因別内訳は、10件中8件が受注É販売 不振、業界不振など不況型倒産であった。業種別 6 貸出金 預金前年同月比 (右目盛) 70, 000 (%) 貸出金前年同月比 (右目盛) 4 内訳は、建設業が6件、卸売業が2件、製造業が 1件、サービス業が1件となった。また、地区別 60, 000 内訳は、県北(本宮市以北)が3件、県南(郡山市 以南)が6件、会津が1件となり、浜通りはゼロ 2 50, 000 であった。 0 40, 000 ―― 金 融 動 資金需要 向 ―― 信用金庫、信用組合の県内店舗分)の1月末の 預金残高は、6兆4,464億円 (前年同月比+2.4%) と35ヵ月連続で前年を上回った。貸出金残高は、 3兆8,428億円(同△0.9%)と3ヵ月連続で前年 を下回った。 保証協会 −2 30, 000 県内金融機関(全国銀行、第二地銀、 1月の保証承諾は、件数が995件(前 年同月比△41.6%)、保証金額が101億63百万円 (同△54.6%)となった。因みに昨年1月は、急激 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 21年 22年 (資料:日本銀行福島支店) 保証協会の保証承諾推移 (百万円) 35,35000 000 保証承諾金額 前年同月比(金額) 前年同月比(件数) 30,30000 000 (%) 140 115 90 25,25000 000 65 20,20000 000 な景気悪化に対応するため、緊急保証制度の取り 扱いが大幅に増加したが、本年1月の落ち込みは その反動によるものである。なお、1月末日現在 の保証債務残高は、件数が43,851件(同+4.5%)、 金額が3,559億66百万円(同+12.8%)となった。 また、1月中の代位弁済は、件数が87件、金額が 40 15,15000 000 15 10,10000 000 −10 5,05000 00 −35 00 −60 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 6億43百万円となった。 21年 22年 (資料:福島県信用保証協会) ―― 雇 用 動 雇用動向 向 ―― 1月の新規求人数(原数値)は、7,661 (倍) 1. 30 人(前年同月比△19.3%)と27ヵ月連続で前年を 下回った。新規求職申込件数(原数値)は、 福島県求人倍率 (学卒を除きパートを含む季節調整値)推移 新規求人倍 有効求人倍 × ○ 平成20年 平成20年 平成21年 平成21年 × ○ 1. 10 12,834件(同△18.9%)と2ヵ月連続で前年を下 0.90 回った。 新規求人倍率(季節調整済、パート含)は、0.72 と3ヵ月連続で前月を上回っ 倍 (前月比+0.01 ポイ ント ) 0.70 × × × 。 た。原数値は0.60倍 (前年同月比0.00ポイ ント)となった 有効求人倍率(季節調整済、パート含)は、0.35倍 (前月比+0.02 ポイ ント 0.50 上回った。原数値は0.36倍(前年同月比△0.12 ポイ ント ) と27ヵ月連続で前年を下回った。 0.30 × × × × × × × × × ○ ○ ○ ○ )となり、23ヵ月ぶりに前月を × ○ ○ 1 2 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ○ 20年 (資料:福島労働局職業安定部) 福島の進路 2010.4 ■ 11 調 査 厳しい中にも改善をみせる県内企業の景況感 ∼平成21年度下期現況と平成22年度上期見通し調査∼ 日本経済は、エコカー減税É補助金などの景気刺激策効果による個人消費と中国などアジア諸国向け 輸出の回復を受けて、持ち直しの動きをみせている。それを裏付けるように、内閣府が3月に発表した平 成21年10∼12月期の国内総生産(GDP)改定値は、前期比+0.9%(年率換算+3.8%)と3四半期連続 のプラス成長となった。このように輸出や景気対策等により景気が持ち直す中で、デフレ経済の進行に よる企業収益の悪化や依然として厳しい雇用É所得環境は、企業の設備投資や個人消費を下押しすること が懸念され、本格的な景気回復までには時間がかかるものとみられている。 一方、県内経済は、生産活動で持ち直しの動きが続いているが、雇用情勢は引き続き厳しい状況にあり、 個人消費も一部に明るい動きはみられるものの総じて低調に推移するなど、厳しい状況が続いている。 こうした中、当研究所は、県内の820社を対象として「平成22年度上期の県内景気見通し調査」を実施 し、434社から回答を得た。本調査は、1月時点の景気判断について「 BSI(業況判断指数)」を中心に まとめた。 ●調査要領 1.調査方法 多項目アンケート調査郵送法 2.調査対象 県内企業820社 3.回答企業 434社(回収率52.9%) 4.調査時期 業 製 平成22年1月 (前回調査:平成21年7月) 5.調査対象期間 21年度上期:平成21年4月∼21年9月期 この期間は「実績」と記載。 21年度下期:平成21年10月∼22年3月期 この期間は「現況」と記載。 22年度上期:平成22年4月∼22年9月期 この期間は「見通し」 と記載。 注:BSI(ビジネスÉサーベイÉインデックス) の計算方法 非 「上昇」と回答した企業数−「下降」とした企業数 × 100 総回答企業数 例:総回答企業数200社 「上昇」50社 「不変」80社 「下降」70社 50−70 × 100 = △10 200 (小数点第1位四捨五入) 12 ■ 福島の進路 2010.4 全 種 回答企業数 構 成 比 造 業 201社 46.3% 飲 食 料 品 30 6.9 繊維É繊維製品 20 4.6 木材É木製品 11 2.5 紙É紙加工品 11 2.5 化 学 13 3.0 窯業É土石製品 13 3.0 鉄鋼É非鉄金属製品 22 5.1 一 般 機 械 15 3.5 電 気 機 械 8 1.8 情報通信機械 15 3.5 電子部品Éデバイス 10 2.3 輸送用機械 7 1.6 精 密 機 械 11 2.5 その他製造業 15 3.5 製 造 業 233 53.7 建 設 業 38 8.8 運 輸 業 17 3.9 通 信 業 6 1.4 卸É小売業 114 26.3 サービス業 45 10.4 その他非製造業 13 3.0 産 業 計 434 100.0 調 査 ¡ñ²¸ÌÁ¥_ 〇 国内、所属業界の景気判断 (内容はP14に掲載) 国内の景気判断は、現況(平成21年度下期)は 実績(平成21年度上期)比ほぼ横這いであり、依然 厳しい水準にあるが、世界同時不況下の水準より も改善している。国内の景気判断の見通し(平成 22年度上期)は引き続き改善が見込まれている。 所属業界については、現況と見通しとも改善と なった。世界同時不況下の水準からみると、製造 業は大きく改善しているが、非製造業の改善の 動きは緩やかであり、製造業と非製造業との景況 感の差がみられる。 〇 自企業の景気判断(同ÉP14∼16に掲載) 現況(平成21年度下期)については、依然低い 水準にあるものの改善傾向がみられた。平成21年 度上期に全ての業種がマイナス水準にあったが、 「化学」と「精密機械」がプラスに転じた。見通し (平成22年度上期)については、製造業が14業種 中8業種、非製造業が6業種中5業種の変化幅が プラスとなり、また「紙É紙加工品」など4業種 がプラスとなるなど、引き続き改善が見込まれる。 本社所在地別にみると、県内企業は、低い水準 ながらも現況は緩やかに改善し、見通しも改善が 続く見込みとなった。県外企業は、現況で変化幅 が大きくプラスと強くみているが、見通しについて は変化幅がマイナスと慎重にみている。 〇 県内企業の経営動向 (同ÉP16∼20に掲載) 製造業の BSI をみると、現況(平成21年度下期) は、受注高 BSI が14業種中12業種、生産高、売上 高、収益 BSI それぞれ14業種中11業種が上昇する など、製造業の景況感は改善した。見通し(平成 22年度上期)は、変化幅が縮小するものの引き 続き改善が見込まれる。 非製造業の BSI をみると、現況は、売上高 BSI と収益 BSI が6業種中5業種上昇するなど、低 水準ながらも改善した。見通しは、売上高 BSI がほぼ横這い、収益 BSI がやや下降するなど慎重 にみている。 〇 設備投資(同ÉP20∼25に掲載) 平成21年度下期に「設備投資を実施した」と回答 した企業の割合は34.8%(平成21年度上期比+3.0 ポイ ント )であった。同じく設備投資金額については、 177億56百万円(同△4.9%)であった。投資金額 は、製造業で「化学」が伸びたことで増加し、非 製造業では全般的に抑制されており大きく減少し た。 平成22年度上期に「設備投資を実施する」と回答 した企業の割合は27.6%(平成21年度下期比△7.2 ポイ ント )と減少した。同じく設備投資金額については、 203億59百万円(同+14.7%)となる見込みである 。 投資金額は、製造業では前期比増加する業種が 増える見込みであるものの「化学」での抑制により 減少、非製造業では全体で増加見込みであるもの の、個別にみると減少させる企業が多く抑制傾向 は続いている。なお、平成22年度上期に「設備 投資を実施しない」企業の割合は72.4%となった。 その理由としては、 「受注の見通しがたたない」 、 「利益の見通しがたたない」が多く、設備投資を 巡り県内企業の厳しい経営事情が窺える。 〇 雇用動向(同ÉP26∼28に掲載) 雇用については、雇用過不足 BSI が前回調査 (平成21年7月)比△1 ポイ ント の+18とほぼ横這いで あり、全体的に過剰感は依然として高い水準にあ る。そのような中、「輸送用機械」のみは△14 (前回比△50 ポイ ント )と不足に転じた。 平成22年4月の雇用人員 BSI は、製造業では 正社員の削減圧力が続く中でパート等の削減圧力 が強まり、非製造業では正社員は増加見込みとな るもパート等は削減圧力が強まるものとみられる。 平成22年春の新規採用予定は、採用予定企業数 と採用人員とも大きく減少する見通しとなった。 採用人員については、全産業で平成21年春実績の 約2/3となり、特に製造業では前年比約1/2まで 大きく落ち込むことが見込まれ、若年労働者の県 外流出が懸念される。 〇 その他(同ÉP28∼29に掲載) 平成22年春の賃金は、「引き上げる予定」が2 割を下回っており、厳しい雇用環境を反映する 見通しとなった。 平成21年に行った不況への対応策については、 製造業É非製造業とも「設備投資抑制」の割合が 最も高かった。製造業では、「輸送用機械」や 「電子部品Éデバイス」などの業種で「賃金削減」と 「雇用の見直し」などの割合が高く、固定費削減 の動きが強かった。このことが平成21年の県内に おける雇用情勢の悪化に繋がったものと窺われる。 福島の進路 2010.4 ■ 13 調 査 すると依然として低水準にある。また、平成22年 Ⅰ.国内、所属業界の景気判断 度上期見通しの景気判断 BSI は、製造業で△23 1.国内の景気 (平成21年度下期現況比+15 ポイ 、非製造業で△49 ント ) 平成21年度下期現況の景気判断 BSI は全産業 (同+13 ポイ ント )となり、製造業É非製造業とも改善 で△48(平成21年度上期実績比+2 ポイ ント )とほぼ横 すると見込んでいるが、水準に差がみられた(表 這いでの推移となった。県内企業の国内景気に対 1、図1)。 する景況感は、世界同時不況下の平成20年度下期 の水準よりは改善しているものの、依然として 厳しい状況にある。また、平成22年度上期見通し Ⅱ.自企業の判断 は、△29(平成21年度下期現況比+19 ポイ ント )となり、 1.景気判断 現況より改善すると見込んでいる(表1、図1)。 1 ò 全 ① 平成21年度下期現況 2.所属業界の景気 体 平成21年度下期現況 BSI は全産業で△39(平成 平成21年度下期現況の景気判断 BSI は、製造 21年度上期実績比+13 ポイ ント )となった。製造業は 業で△38(平成21年度上期実績比+11ポイ 、非製造 ント ) △33(同+20ポイ ント)と低水準ながらも14業種中9業種 業で△62(同+6 ポイ ント )となった。製造業は、生産 で変化幅がプラスとなっており、改善の動きが 活動の持ち直しを受けて、マイナス幅が縮小した。 続いている。一方、非製造業は△45(同+6 ポイ ント )と 一方、非製造業では、マイナス幅はやや縮小した ほぼ横這いに近く、依然厳しい状況が続いている が、個人消費低迷の影響などから、製造業と比較 ものの、緩やかな改善傾向となった (表2、図2) 。 図1 県内企業の景気判断 BSI 推移(全産業) ※国内景気、所属業界:21年度下期以前は調査時点の現況、22年度上期は見通し ※自企業:12年度下期から21年度上期は再調査した実績、21年度下期は現況、22年度上期は見通し 表1 国内と所属業界の景気判断(上昇É下降)BSI 国内景気 所属業界 の 景 気 全 産 業 製 造 業 非製造業 19年度下期 実績※1 △48 △40 △64 20年度上期 実績※1 △76 △61 △74 20年度下期 実績※1 △91 △86 △84 ※1:調査時点の現況を使用 ※2:21年度下期現況の ( ) 内は前回調査の見通し 14 ■ 福島の進路 2010.4 21年度上期 実績※1 △50 △49 △68 21年度下期 変化 現況※2 幅 △48 (△21) 2 △38 (△18) 11 △62 (△44) 6 22年度上期 見通し △29 △23 △49 変化 幅 19 15 13 調 このうち変化幅が大きく上昇した業種は、製造 2 ò 査 本社所在地別 、「鉄鋼É非鉄金属 業で「化学」+46(同+69 ポイ ント ) 本社所在地別に平成21年度下期現況の自企業の 製品」△18(同+59 ポイ 、非製造業で「サービス ント ) 景気判断 BSI をみると、全産業では、県内企業が 業」△42(同+31 ポイ 。 ント )であった(表2) △42(平成21年度上期実績比+11 ポイ 、県外企業 ント ) ② 平成22年度上期見通し 図2 平成22年度上期見通し BSI は全産業で△31 自企業の景況判断 BSI 推移(全産業) (平成21年度下期現況比+8 ポイ ント )となった。製造 業は△23(同+10 ポイ ント )となり、14業種中8業種で 変化幅がプラスを示し、引き続き改善すると見込 んでいる。非製造業は△37(同+8 ポイ ント )となり、 6業種中5業種で変化幅がプラスとなった(表2、 図2) 。変化幅が大きく上昇した業種は、製造業で 「木材É木製品」+9(同+73 ポイ 、「紙É紙加工 ント ) 品」+27(同+54 ポイ 、非製造業で「その他非製造 ント ) 業」△15(同+23 ポイ 、 「通信業」△17(同+16 ポイ ント ) ント ) などであった。一方、「窯業É土石製品」△77 ※19年度上期から21年度上期は再調査した「実績」 、21 年度下期は現況。下線のある数値は見通し BSI。 なお、以下図3∼図6についても同様。 (同△54 ポイ ント )のように厳しい見通しとなった業種 もみられた(表2)。 表2 全 自企業の景気判断(上昇É下降)BSI 業 業 飲 品 繊 品 木 品 紙 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 非 製 造 業 建 設 業 運 輸 業 通 信 業 卸 É 小 売 業 サ ー ビ ス 業 その他非製造業 製 産 造 食 料 維É繊維製 材 É 木 製 É 紙 加 工 19年度下期 実績※1 20年度上期 実績※1 20年度下期 実績※1 21年度上期 実績※1 21年度下期 現況※2 変化 幅 22年度上期 見通し 変化 幅 △27 △25 △50 △38 △63 △23 38 △47 △27 25 △25 0 △22 20 △20 △50 △30 △37 △20 29 △30 △35 △31 △37 △35 △53 △50 △18 △15 0 △86 △20 △ 6 △57 0 △40 △13 △30 △43 △38 △46 △33 △50 △30 △58 △18 △61 △66 △62 △76 △64 △77 △83 △17 △71 △60 △43 △55 △92 △82 △73 △79 △56 △49 △92 △57 △62 △50 0 △52(△52) △53(△43) △47(△34) △60(△90) △55(△27) △18(△31) △23(△25) △38(△56) △77(△43) △73(△53) △100(△100) △53(△45) △40( 0) △29(△18) △27(△ 9) △80(△57) △51(△59) △45(△56) △47(△50) △33(△71) △46(△64) △73(△58) △38(△30) △39(△26) △33(△15) △70(△34) △60(△57) △64(△55) △27(△31) 46( 17) △23(△11) △18( 24) △53(△40) △63(△43) △13( 18) △40( 0) 0( 45) 18(△ 9) △33( 0) △45(△37) △47(△41) △41(△33) △33(△57) △47(△41) △42(△27) △38(△10) 13 20 △23 0 △ 9 △ 9 69 15 59 20 37 40 0 29 45 47 6 △ 2 6 0 △ 1 31 0 △31 △23 △63 △65 9 27 23 △77 14 △33 △13 △20 △10 △29 △ 9 △ 7 △37 △58 △35 △17 △34 △38 △15 8 10 7 △ 5 73 54 △23 △54 32 20 50 △ 7 30 △29 △27 26 8 △11 6 16 13 4 23 ※1:再調査した実績、( )内は前回調査の現況 ※2:( )内は前回調査の見通し 福島の進路 2010.4 ■ 15 調 査 が△11(同+25 ポイ ント )となり、県内企業と県外企業 BSI 値の上昇幅が大きかった業種は、「情報通信 での景況感に差がみられた(表3) 。 機械」△13(同+74 ポイ 、「鉄鋼É非鉄金属製品」 ント ) また、平成22年度上期見通しの自企業の景気 △14(同+63 ポイ ント )などであり、一方、 BSI 値が 判断 BSI については、全産業で県内企業が△32 下降した業種は、「飲食料品」△60(同△20 ポイ 、 ント ) (平成21年度下期現況比+10 ポイ 、県外企業が△19 ント ) 「木材É木製品」△64(同△19 ポイ ント )などであった (同△8 ポイ 。 ント )となった(表3) (表5)。 3 ò 売上高 BSI は、△28(同+25 ポイ ント )となった。 規 模 別 平成21年度下期現況の自企業の景気判断 BSI BSI 値の上昇幅が大きかった業種は、「鉄鋼É非鉄 は、資本金10億円以上規模を除き変化幅がプラス 金属製品」△14(同+63 ポイ 、 「情報通信機械」△20 ント ) 幅で推移しており、総じて改善となった(表4)。 (同+60 ポイ などであり、一方、BSI 値が下降した ント ) 平成22年度上期見通しの自企業の景気判断 BSI 業種は、「飲食料品」△67(同△24 ポイ 、「繊維É ント ) は、各階層とも改善すると見込んでいる(表4)。 繊維製品」△50(同△10 ポイ 。 ント )などであった(表5) 在庫 BSI(過剰−不足)は、+9(同△2 ポイ ント ) 2.製造業の経営 となった。依然として過剰感が残っており、BSI 1 ò 平成21年度下期現況 値が上昇した業種は、「紙É紙加工品」+18(同 ① 受注高、生産高、売上高、在庫 +18 ポイ 、「電気機械」+25(同+12 ポイ ント ) ント )などで 受注高 BSI は、△26(平成21年度上期実績比 あった。一方、BSI 値が下降した業種は、 「化学」 )となった。BSI 値の上昇幅が大きかった ±0(同△23 ポイ 、 「輸送用機械」±0(同△14 ポイ ント ) ント ) +28 ポイ ント 業種は、「情報通信機械」△13(同+74 ポイ 、「そ ント ) などであった(表5) 。 の他製造業」△20(同+67 ポイ ント )などであり、一方、 ② 収益、製品価格、原材料価格 収益 BSI は、△27(平成21年度上期実績比+27 BSI 値が下降した業種は、「飲食料品」△70(同 )となった。BSI 値の上昇幅が大きかった業種 、「木材É木製品」△64(同△19 ポイ △27 ポイ ント ) ント )で ポイ ント あった(表5) 。 は、「鉄鋼É非鉄金属製品」△9(同+68 ポイ 、 ント ) 生産高 BSI は、△26(同+26 ポイ ント )となった。 自企業の景気判断(上昇É下降)BSI(県内É県外本社企業別) 表3 県 全 産 業 製 造 業 非製造業 表4 内 本 社 企 県 外 本 社 企 業 平成21年度 下期現況 変化 幅 平成22年度 上期見通し 変化 幅 平成21年度 上期実績 平成21年度 下期現況 変化 幅 平成22年度 上期見通し 変化 幅 △53 △57 △50 △42 △37 △45 11 20 5 △32 △24 △37 10 13 8 △36 △31 △75 △11 △ 9 △25 25 22 50 △19 △16 △50 △ 8 △ 7 △25 資本金別自企業の景気判断 BSI 全 体 10億円以上 1億円以上10億円未満 5,000万円以上1億円未満 1,000万円以上5,000万円未満 1,000万円未満 ■ 業 平成21年度 上期実績 企 業 数 16 「その他製造業」△20(同+67 ポイ ント )などであり、 福島の進路 2010.4 434 21 61 76 253 23 21年度上期 実績 △52 5 △64 △51 △53 △57 21年度下期 現況 △39 5 △41 △34 △43 △48 変化幅 13 0 23 17 10 9 22年度上期 見通し △31 10 △23 △28 △36 △35 変化幅 8 5 18 6 7 13 調 査 一方、BSI 値が下降した業種は、「紙É紙加工品」 した業種は、 「紙É紙加工品」△45(同△27 ポイ 、 ント ) 、「飲食料品」△63(同△23 ポイ △36(同△27 ポイ ント ) ント ) 「化学」△15(同△7 ポイ 。 ント )などであった(表6) 原材料価格 BSI は、+1(同±0 ポイ 。 ント )となった などであった(表6) 。 製品価格 BSI は、△29(同+4 ポイ ント )となった。 BSI 値の下降幅が大きかった業種は、 「電気機械」 BSI 値の上昇幅が大きかった業種は、「輸送用 、「その他製造業」±0(同△13ポイ ±0 (同△38ポイ ント ) ント) 、「電子部品Éデバイス」 機械」△29(同+57 ポイ ント ) などであり、一方、 BSI 値が上昇した業種は、 △20(同+30 ポイ ント )などであり、一方、BSI 値が下降 、「木材É木製品」 「輸送用機械」△14(同+29 ポイ ント ) 表5 製造業の実績É現況É見通し BSI〔受注高(増É減) 、生産高(増É減) 、売上高(増É減) 、在庫(過剰É不足は逆サイクル) 〕 受 製 造 業 飲 食 料 品 繊維É繊維製品 木 材 É 木 製 品 紙 É 紙 加 工 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 表6 注 高 変 平上 成期 化 22見 年通 幅 度し 生 変 平 成上 化 21期 年実 幅 度績 高 変 平上 成期 化 22見 年通 幅 度し 売 変 平 成上 化 21期 年実 幅 度績 上 変 高 平上 成期 22見 年通 度し 在 変 平 成上 化 21期 年実 幅 度績 庫 変 平上 成期 22見 年通 度し 変 平 成下 21期 年現 度況 △54 △43 △45 △45 △27 △ 8 △38 △77 △80 △100 △87 △50 △29 △18 △87 △26 28 △20 6 △52 △26 26 △19 7 △53 △28 25 △21 7 11 9 △ 2 7 △ 2 △70 △27 △60 10 △40 △60 △20 △53 7 △43 △67 △24 △60 7 7 7 0 3 △ 4 △45 0 △45 0 △40 △50 △10 △45 5 △40 △50 △10 △45 5 0 △10 △10 5 15 △64 △19 9 73 △45 △64 △19 9 73 △55 △64 △ 9 0 64 18 18 0 9 △ 9 △18 9 9 27 △36 △27 9 0 27 △27 △27 0 9 36 0 18 18 0 △18 46 54 23 △23 △ 8 46 54 23 △23 △ 8 46 54 23 △23 23 0 △23 △ 8 △ 8 △31 7 △69 △38 △38 △31 7 △69 △38 △31 △23 8 △69 △46 23 23 0 31 8 △18 59 9 27 △77 △14 63 14 28 △77 △14 63 14 28 △ 5 5 10 5 0 △33 47 △20 13 △67 △40 27 △20 20 △73 △40 33 △20 20 13 0 △13 7 7 △50 50 △13 37 △100 △50 50 △13 37 △100 △50 50 △13 37 13 25 12 13 △12 △13 74 △27 △14 △87 △13 74 △20 △ 7 △80 △20 60 △20 0 27 27 0 20 △ 7 0 50 △20 △20 △30 △10 20 △30 △20 △50 0 50 △30 △30 10 10 0 10 0 △14 15 0 14 △43 0 43 0 0 △43 0 43 0 0 14 0 △14 △14 △14 27 45 △ 9 △36 △18 27 45 △ 9 △36 △18 27 45 △9 △36 27 18 △ 9 0 △18 △20 67 △ 7 13 △87 △27 60 0 27 △87 △40 47 △13 27 13 13 0 20 7 平 成下 21期 年現 度況 平 成下 21期 年現 度況 化 幅 平 成下 21期 年現 度況 化 幅 化 幅 製造業の実績É現況É見通し BSI〔収益(増É減) 、製品価格(上昇É下降) 、原材料価格(上昇É下降) 〕 収 製 産 平 成上 21期 年実 度績 造 食 料 維É繊維製 材 É 木 製 É 紙 加 工 業 飲 品 繊 品 木 品 紙 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 益 変 平上 成期 22見 年通 度し 製 変 品 価 平 成上 21期 年実 度績 平 成下 21期 年現 度況 平 成上 21期 年実 度績 平 成下 21期 年現 度況 変 △54 △40 △50 △64 △ 9 △23 △31 △77 △80 △100 △73 △50 △57 △18 △87 △27 27 △23 4 △33 △63 △23 △63 0 △17 △50 0 △50 0 △45 △73 △ 9 0 73 △73 △36 △27 0 36 △18 38 61 15 △23 △ 8 △23 8 △69 △46 △ 8 △ 9 68 9 18 △41 △40 40 △20 20 △20 △50 50 △13 37 △25 △13 60 △33 △20 △47 △20 30 △10 10 △50 0 57 14 14 △86 36 54 △18 △54 △55 △20 67 △7 13 △20 △29 △17 △45 △55 △45 △15 △15 △36 △ 7 △25 △53 △20 △29 △45 △13 4 0 0 18 △27 △ 7 △ 7 5 13 0 △ 6 30 57 10 7 化 幅 化 幅 化 幅 格 平上 成期 22見 年通 度し 原 変 化 幅 平 成上 21期 年実 度績 材 平 成下 21期 年現 度況 料 変 化 幅 △24 5 1 1 0 △13 4 17 7 △10 △40 5 10 0 △10 △36 19 △36 △ 9 27 △27 18 △18 △ 9 9 △15 0 23 23 0 △23 △8 0 0 0 0 9 9 △ 9 27 △20 △13 △ 7 △13 △ 6 △25 0 38 0 △38 △33 20 0 0 0 △50 △30 △20 0 20 △57 △28 △43 △14 29 △36 9 0 0 0 0 13 13 0 △13 価 格 平上 成期 22見 年通 度し 変 9 27 5 △18 27 8 31 32 △20 13 △ 7 0 △14 △ 9 13 8 20 5 △ 9 36 △15 31 23 △ 7 13 △ 7 0 0 △ 9 13 福島の進路 2010.4 化 幅 ■ 17 調 査 売上高 BSI は、△21(同+7 ポイ ント )となった。 。 △9(同+27 ポイ ント )などであった(表6) 2 ò 平成22年度上期見通し BSI 値の上昇幅が大きかった業種は、「木材É木 ① 受注高、生産高、売上高、在庫 、 「電気機械」△13(同+37 製品」±0(同+64 ポイ ント ) 受注高 BSI は、△20(平成21年度下期現況比 )であり、一方、 BSI 値が下降する業種は、 ポイ ント +6 ポイ ント )となった。BSI 値の上昇幅が大きかった 、「精密機械」 「窯業É土石製品」△69(同△46 ポイ ント ) 業種は、「木材É木製品」+9(同+73 ポイ 、「電気 ント ) △9(同△36 ポイ 。 ント )などであった(表5、図3) 機械」△13(同+37 ポイ ント )などであり、一方、 BSI 在庫 BSI(過剰−不足)は、+7(同△2 ポイ ント )と 値が下降する業種は、「窯業É土石製品」△69 なった。BSI 値が上昇する業種は、「繊維É繊維 (同△38 ポイ ント )、「精密機械」△9(同△36 ポイ ント 製品」+5(同+15 ポイ 、「窯業É土石製品」+31 ント ) )など (同+8 ポイ ント )などであり、一方、BSI 値が下降する であった(表5)。 生産高 BSI は、△19(同+7 ポイ ント )となった。 業種は、 「紙É紙加工品」±0(同△18 ポイ 、 「精密 ント ) BSI 値の上昇幅が大きかった業種は、「木材É木製 機械」±0(同△18 ポイ 。 ント )などであった(表5) 、「電気機械」△13(同+37 ポイ 品」+9(同+73 ポイ ント ) ント ) ② 収益 BSI は、△23(平成21年度下期現況比+4 などであり、一方、 BSI 値が下降する業種は、 「窯業É土石製品」△69(同△38 ポイ ント )、「精密機械」 ポイ ント △9(同△36 ポイ 。 ント )などであった(表5) 図3 )となった。BSI 値の上昇幅が大きかった業種 は、「木材É木製品」±0(同+73 ポイ 、「電気 ント ) 製造業の売上高 BSI 推移 図4 製造業の収益 BSI 推移 非製造業の実績É現況É見通し BSI〔受注高(増É減) 、生産高(増É減) 、売上高(増É減) 、在庫(過剰É不足は逆サイクル) 〕 表7 受 平 成上 21期 年実 度績 非 製 建 運 通 卸 É サ ー その他 18 収益、製品価格、原材料価格 ■ 造 設 輸 信 小 ビ 非 平 成下 21期 年現 度況 業 − − 業 △55 △53 業 − − 業 − − 売 業 − − ス 業 − − 製造業 − − 福島の進路 2010.4 注 変 化 幅 高 平上 成期 22見 年通 度し 売上(完成工事)高 変 化 幅 平 成上 21期 年実 度績 平 成下 21期 年現 度況 変 化 幅 平上 成期 22見 年通 度し 在 変 化 幅 − − − △54 △42 12 △39 3 2 △55 △ 2 △47 △50 △ 3 △58 △ 8 − − − △59 △24 35 △29 △ 5 − − − △50 △17 33 △17 0 − − − △53 △47 6 △41 6 − − − △64 △42 22 △31 11 − − − △38 △ 8 30 △23 △15 平 成上 21期 年実 度績 − − − − 18 − − 庫 平 成下 21期 年現 度況 変 化 幅 − − − − − − − − 15 △ 3 − − − − 平上 成期 22見 年通 度し 変 化 幅 − − − − − − − − 9 △ 6 − − − − 調 機械」△13(同+37 ポイ ント )などであり、一方、 BSI 3.非製造業の経営 値 が 下 降 し た 業 種 は 、「 精 密 機 械 」 △ 1 8 ( 同 1 ò 査 平成21年度下期現況 売上高(完成工事高)BSI は、△42(平成21年度 △54 ポイ 、「窯業É土石製品」△69(同△46 ポイ ント ) ント ) 上期実績比+12 ポイ ント )となった。BSI 値が上昇した などであった(表6、図4) 。 製品価格 BSI は、△24(同+5 ポイ ント )となった。 、「通信業」 業種は、「運輸業」△24(同+35 ポイ ント ) BSI 値の上昇幅が大きかった業種は、「鉄鋼É非鉄 △17(同+33 ポイ などであり、一方、BSI 値が下降 ント ) 、「情報通信機械」△33 金属製品」△9(同+27 ポイ ント ) した業種は、「建設業」△50(同△3 ポイ ント )であっ (同+20 ポイ などであり、一方、BSI 値が下降した ント ) 業種は、 「電子部品Éデバイス」△50(同△30 ポイ ント た(表7、図5)。 収益 BSI は、△36(同+10 ポイ ント )となった。BSI )、 「輸送用機械」△57(同△28 ポイ 。 ント )であった(表6) 値が上昇した業種は「通信業」±0(同+33 ポイ 、 ント ) 原材料価格 BSI は、+9(同+8 ポイ 。 ント )となった ポイ 「サービス業」△36(同+22 、 ント )などである。一方 BSI 値の上昇幅が大きかった業種は、「紙É紙 BSI 値が下降した業種は、 「運輸業」△41(同△6 、 「窯業É土石製品」+31 加工品」+27(同+36 ポイ ント ) ポイ ント )であった(表8、図6) 。 (同+31 ポイ ント )などであり、一方、BSI 値が下降する 商品(サービス)価格 BSI は、△26(同+3 ポイ ント ) 業種は、「化学」+8(同△15 ポイ 、「木材É木 ント ) となった。BSI 値が上昇した業種は「卸É小売業」 製品」△18(同△9 ポイ 。 ント )などであった(表6) △32(同+7 ポイ 、「建設業」△13(同+5 ポイ ント ) ント )で 図5 表8 非製造業の売上高 BSI 推移 図6 非製造業の実績É現況É見通し BSI〔収益(増É減)、商品価格(上昇É下降) 、仕入価格(上昇É下降) 〕 収 非 非製造業の収益 BSI 推移 製 建 運 通 卸 É サ ー その他 造 設 輸 信 小 ビ 非 業 業 業 業 売 業 ス 業 製造業 益 変 平上 成期 22見 年通 度し 商品(サービス)価格 変 平 成上 21期 年実 度績 平 成下 21期 年現 度況 △46 △50 △35 △33 △46 △58 △ 8 △36 10 △40 △ 4 △45 5 △58 △13 △41 △ 6 △41 0 0 33 17 17 △39 7 △42 △ 3 △36 22 △33 3 0 8 △23 △23 化 幅 化 幅 変 平 成上 21期 年実 度績 平 成下 21期 年現 度況 △29 △18 6 0 △39 △24 △46 △26 3 △13 5 6 0 0 0 △32 7 △27 △ 3 △62 △16 化 幅 平上 成期 22見 年通 度し 仕 変 化 幅 平 成上 21期 年実 度績 入 平 成下 21期 年現 度況 △18 8 − − △11 2 3 3 △18 △24 − − 0 0 − − △20 12 △15 △ 7 △20 7 − − △31 31 − − 価 変 化 幅 格 平上 成期 22見 年通 度し 変 化 幅 − − 0 5 − − − − 8 △ 2 − − − − 福島の進路 2010.4 − 2 − − 5 − − ■ 19 調 査 あり、一方、 BSI 値が下降した業種は、「その他 7、表9)。 資本金規模別の実施割合は、「資本金10億円 非製造業」△62(同△16 ポイ 、「サービス業」△27 ント ) 以上」(61.9%)、「同1億円以上10億円未満」 (同△3 ポイ 。 ント )であった(表8) 2 ò 平成22年度上期見通し (57.4%)、「同5,000万円以上1億円未満」(28.9 売上高(完成工事高)BSI は、△39(平成21年度 %)、「同1,000万円以上5,000万円未満」(29.2%)、 下期現況比+3 ポイ ント )となった。BSI 値が上昇する 「同1,000万円未満」 (30.4%)となった(表10)。 )と「卸É 実施割合が高い業種は、製造業で「化学」76.9 小売業」△41(同+6 ポイ ント )であり、一方、BSI 値 %、「飲食料品」53.3%、「一般機械」53.3%、非 が下降する業種は、「その他非製造業」△23(同 製造業で「通信業」83.3%などであった(表9)。 △15 2 ò 業種は、 「サービス業」△31(同+11 ポイ ント ) 、「建設業」△58(同△8 ポイ ント ポイ ント )などであっ た(表7、図5)。 収益 BSI は、△40(同△4 設備投資金額 設備投資金額は、平成21年度上期実績比9億16 )となった。BSI 百万円減少し177億56百万円(平成21年度上期実績 値が下降する業種は、「その他非製造業」△23 比△4.9%)となった。製造業は同10億32百万円 (同△23 ポイ 、「建設業」△58(同△13 ポイ ント ) ント )などで 増加し133億52百万円(同+8.4%)、非製造業は あり、 BSI 値が上昇する業種は、「通信業」+17 同19億48百万円減少し44億4百万円(同△30.7%) ポイ ント ポイ (同+17 ポイ ント )と「サービス業」△33(同+3 ント ) であった(表8、図6)。 ポイ ント となった(図8、表11)。製造業では「化学」が 牽引し製造業全体で増加したが、全般的には抑制 商品(サービス)価格 BSI は、△18(同+8 姿勢がみられる。非製造業では同様に全般的に )となり、全般的に改善を見込んでいる(表8)。 投資が抑制され、投資金額は大きく減少した。 業種別にみると、 「化学」が同16億67百万円増加 Ⅲ.設備投資動向 1.平成21年度下期現況 1 ò し76億49百万円(同+27.9%)と最も多かった。 次いで「情報通信機械」が同1億19百万円増加し 17億64百万円(同+7.2%)であった。 設備投資実施企業 平成21年度下期に設備投資を実施した企業割合 2.平成22年度上期見通し は、平成21年度上期比3.0 ポイ ント 上昇し、34.8%(151 1 ò 設備投資計画 社)となった。また製造業、非製造業とも平成21 ① 実施予定企業 年度上期比それぞれ3.0 ポイ ント 実施割合が増えた(図 図7 20 ■ 設備投資実施割合 福島の進路 2010.4 平成22年度上期に設備投資実施予定の企業割合 調 円以上」(57.1%)、「同1億円以上10億円未満」 は、平成21年度下期比7.2 ポイ ント 減の27.6%(120社) (50.8%)、「同5,000万円以上1億円未満」(25.0 となった(図7、表9) 。 %)、「同1,000万円以上5,000万円未満」(21.7%)、 資本金規模別の実施予定割合は、「資本金10億 表9 業種別設備投資実施割合 (単位:社、%) 21年度上期実績 全 表10 21年度下期実績 22年度上期予定 実 施 企 業 数 実施割合 実 施 企 業 数 前 期 比 増 減 数 実施割合 実 施 企 業 数 前 期 比 増 減 数 実施割合 138 73 15 3 4 4 9 3 5 6 2 7 2 4 4 5 65 4 10 4 26 15 6 31.8 36.3 50.0 15.0 36.4 36.4 69.2 23.1 22.7 40.0 25.0 46.7 20.0 57.1 36.4 33.3 27.9 10.5 58.8 66.7 22.8 33.3 46.2 151 79 16 1 4 5 10 5 8 8 2 6 2 3 5 4 72 9 7 5 29 14 8 13 6 1 △ 2 0 1 1 2 3 2 0 △ 1 0 △ 1 1 △ 1 7 5 △ 3 1 3 △ 1 2 34.8 39.3 53.3 5.0 36.4 45.5 76.9 38.5 36.4 53.3 25.0 40.0 20.0 42.9 45.5 26.7 30.9 23.7 41.2 83.3 25.4 31.1 61.5 120 62 10 2 1 6 6 3 7 6 2 8 1 3 4 3 58 4 8 4 22 16 4 △31 △17 △ 6 1 △ 3 1 △ 4 △ 2 △ 1 △ 2 0 2 △ 1 0 △ 1 △ 1 △14 △ 5 1 △ 1 △ 7 2 △ 4 27.6 30.8 33.3 10.0 9.1 54.5 46.2 23.1 31.8 40.0 25.0 53.3 10.0 42.9 36.4 20.0 24.9 10.5 47.1 66.7 19.3 35.6 30.8 業 業 飲 品 繊 品 木 品 紙 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 非 製 造 業 建 設 業 運 輸 業 通 信 業 卸 É 小 売 業 サ ー ビ ス 業 その他非製造業 製 産 造 食 料 維É繊維製 材 É 木 製 É 紙 加 工 資本金別設備投資 (単位:社、%) 平成21年度上期 企業数 全 体 10億円以上 1億円以上10億円未満 5,000万円以上1億円未満 1,000万円以上5,000万円未満 1,000万円未満 図8 査 434 21 61 76 253 23 平成21年度下期 平成22年度上期 実施É実施 実施予定 実施企業数 実 施 割 合 実施割合 実施割合 予定企業数 企 業 数 138 13 35 17 68 5 31.8 61.9 57.4 22.4 26.9 21.7 151 13 35 22 74 7 34.8 61.9 57.4 28.9 29.2 30.4 120 12 31 19 55 3 27.6 57.1 50.8 25.0 21.7 13.0 設備投資金額 福島の進路 2010.4 ■ 21 調 査 「同1,000万円未満」 (13.0%)となり、各階層とも 学」46.2%、非製造業では「通信業」66.7%など となった(表9)。 割合が減少した(表10)。 実施割合の高い業種をみると、製造業では「紙É ② 設備投資予定金額は、全産業で平成21年度下期 紙加工品」54.5%、 「情報通信機械」53.3%、 「化 図9 表11 設備投資目的 業種別設備投資金額 (単位:百万円、%) 21年度上期実績 投 全 産 額 21年度下期実績 投 資 17,756 △916 業 12,320 13,352 品 824 925 繊維É繊維製品 28 木 材 É 木 製 品 紙 É 紙 加 工 品 造 食 料 化 学 窯業É土石製品 22年度上期予定 額 前期比増加額 前期比増減率 投 18,672 飲 資 額 前期比増加額 前期比増減率 △4.9 20,359 2,603 14.7 1,032 8.4 11,796 △1,556 △11.7 101 12.3 760 △165 △17.8 2 △26 △92.9 6 4 200.0 489 648 159 32.5 10 △638 △98.5 918 598 △320 △34.9 723 125 20.9 5,982 7,649 1,667 27.9 4,802 △2,847 △37.2 65 71 6 9.2 880 809 1,139.4 鉄鋼É非鉄金属製品 115 447 332 288.7 334 △113 △25.3 一 般 機 械 425 272 △153 △36.0 415 143 52.6 電 気 機 械 913 411 △502 △55.0 799 388 94.4 情 報 通 信 機 械 1,645 1,764 119 7.2 1,835 71 4.0 電子部品Éデバイス 71 9 △62 △87.3 10 1 11.1 輸 械 57 105 48 84.2 492 387 368.6 械 702 351 △351 △50.0 656 305 86.9 そ の 他 製 造 業 86 100 14 16.3 74 △26 △26.0 業 6,352 4,404 △1,948 △30.7 8,563 4,159 94.4 精 非 送 用 密 機 機 製 造 建 設 業 244 92 △152 △62.3 126 34 37.0 運 輸 業 197 187 △10 △5.1 252 65 34.8 △90.8 通 ■ 資 業 製 22 設備投資金額 業 119 426 307 258.0 39 △387 卸 É 小 信 売 業 2,574 1,646 △928 △36.1 1,284 △362 △22.0 サ ー ビ ス 業 878 477 △401 △45.7 6,660 6,183 1,296.2 その他非製造業 2,340 1,577 △763 △32.6 202 △1,375 △87.2 福島の進路 2010.4 調 図10 22年度上期に設備投資を実施予定している企業の資金調達方法 図11 表12 資金需要(設備資金を除く)のある企業の資金調達方法 22年度上期に設備投資をしない理由(設備投資を実施しない企業314社) 回 答 企業数 全 産 製 非 査 造 製 造 受注(売上) の見通しが 立たない 利益の見通 しが立たな い 設備投資が 一巡した (複数回答、単位:%) 資金調達が 困難である 取引先が生 産拠点を海 外移転した そ の 他 業 314 54.5 50.0 35.4 17.2 1.9 業 139 73.4 59.0 30.9 18.7 4.3 9.2 3.6 業 175 39.4 42.9 38.9 16.0 0.0 13.7 建 設 業 34 61.8 55.9 35.3 14.7 0.0 2.9 運 輸 業 9 44.4 33.3 33.3 22.2 0.0 22.2 通 信 業 2 0.0 0.0 100.0 0.0 0.0 0.0 卸 É 小 売 業 92 31.5 39.1 41.3 14.1 0.0 17.4 サ ー ビ ス 業 29 44.8 51.7 31.0 24.1 0.0 10.3 その他非製造業 9 22.2 22.2 44.4 11.1 0.0 22.2 福島の進路 2010.4 ■ 23 調 査 表13 資金需要(設備資金を除く) (単位:百万円) 運転資金 全 産 業 造 業 飲 食 料 品 繊維É繊維製品 木 材 É 木 製 品 紙 É 紙 加 工 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 非 製 造 業 建 設 業 運 輸 業 通 信 業 卸 É 小 売 業 サ ー ビ ス 業 その他非製造業 製 新規事業 資 金 23,113 16,659 403 100 113 170 250 800 1,393 410 620 11,900 50 50 100 300 6,454 2,685 485 8 2,203 373 700 比26億3百万円増加し203億59百万円(平成21年度 下期比+14.7%)となる見込みである。製造業は 既借入金 返済資金 6,362 180 90 20 0 0 0 20 0 50 0 0 0 0 0 0 6,182 0 50 0 122 6,010 0 そ 19,462 14,760 185 114 40 560 30 450 1,600 1,124 7 10,020 330 0 200 100 4,702 288 0 0 3,628 424 362 表14 他 合 計 501 500 0 0 0 500 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 49,438 32,099 678 234 153 1,230 280 1,270 2,993 1,584 627 21,920 380 50 300 400 17,339 2,973 535 8 5,953 6,808 1,062 雇用過不足 BSI(過剰−不足) 全 同15億56百万円減少し117億96百万円(同△11.7 %)、非製造業は同41億59百万円増加し85億63百 の 体 21年7月 21年1月 前 回 比 全 産 製 19 18 △ 1 業 0 25 25 万円(同+94.4%)となった(表11)。製造業で 飲 品 10 10 0 は、平成21年下期に「化学」が増加し他の業種が 繊維É繊維製品 木 材 É 木 製 品 38 15 △23 18 9 △ 9 紙 É 紙 加 工 品 15 27 12 0 15 15 22 15 △ 7 全般的に抑制されたが、平成22年上期は「化学」 造 業 食 料 が抑制され他の業種が全般的に増加と見込んで 化 学 窯業É土石製品 いる。非製造業では、全体での投資金額は増加 鉄鋼É非鉄金属製品 29 50 21 したものの、個別にみると投資金額を減らす企業 一 般 機 械 33 53 20 が多く、抑制傾向は続いている。 電 気 機 械 57 38 △19 情 報 通 信 機 械 64 47 △17 電子部品Éデバイス △ 8 20 28 36 △14 △50 械 36 36 0 そ の 他 製 造 業 29 15 △14 業 13 12 △ 1 業種別の設備投資予定金額をみると、製造業で 輸 は「化学」が48億2百万円(同△37.2%)、非製造 精 業では「サービス業」が66億60百万円(同+1,296.2 %)と最も多かった。 2 ò 設備投資目的と資金調達方法 設備投資の目的(複数回答)は、 「設備の更新」 非 送 用 密 機 機 製 造 械 建 設 業 15 3 △12 運 輸 業 17 35 18 通 信 業 △29 △17 12 卸 É 小 売 業 17 20 3 72.5%が最も多く、次いで「合理化É省力化」17.4 サ ー ビ ス 業 8 2 △ 6 %、「増産É販促」14.5%などとなった(図9) 。 その他非製造業 10 △15 △25 24 ■ 福島の進路 2010.4 調 査 設備投資を抑制する要因になっていると思われる。 設備資金の資金調達方法(複数回答)は、 「内部 資金(減価償却費+留保利益)」69.2%、「金融 機関からの借入」43.3%、「リース」24.2%、 「親 Ⅳ.資金需要(設備資金を除く) 会社É関連会社からの借入」10.8%などの順と なった(図10) 。 3 ò 設備資金を除く資金需要は、 「運転資金」が231 設備投資を実施しない理由 億13百万円で最も多かった。次いで「既借入金 返済資金」194億62百万円などの順となった(表 設備投資を実施しないと回答した企業の理由 (複数回答)は、 「受注、売上の見通しが立たない」 13)。業種別にみると、製造業では「情報通信 が54.5%と最も多く、次いで「利益の見通しが 機械」、非製造業では「サービス業」や「卸É小売 立たない」50.0%などとなった(表12)。特に 業」での資金需要が多かった。 資金調達方法については、「金融機関からの 製造業において「受注、売上の見通しが立たない」 借入」 が75.0%で最も多かった。次いで 「内部 が73.4%と高い割合を占めており、製造業での 表15 平成22年4月見込みの雇用人数 BSI〔前年同時期比較(増É減)〕 総 21年7月 調 査 時 人 員 22年1月 調 査 時 正 前 回 比 21年7月 調 査 時 社 22年1月 調 査 時 員 前 回 比 全 産 業 △ 8 △ 6 2 △ 8 △ 4 製 造 業 △17 △19 △ 2 △17 △16 非製造業 △ 1 4 5 1 5 ※平成21年4月と比較した平成22年4月の雇用人数(増É減)BSI 表16 4 1 4 ー △ 5 △ 9 △ 2 △10 △14 △ 8 産 業 造 業 飲 食 料 品 繊維É繊維製品 木 材 É 木 製 品 紙 É 紙 加 工 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 非 製 造 業 建 設 業 運 輸 業 通 信 業 卸 É 小 売 業 サ ー ビ ス 業 その他非製造業 等 前 回 比 △ 5 △ 5 △ 6 (単位:人、%) 採 製 ト 22年1月 調 査 時 新規採用計画 21年春採用 実 績 全 パ 21年7月 調 査 時 182 89 7 5 3 3 9 3 15 9 4 9 4 3 8 7 93 12 5 4 40 27 5 用 企 業 22年春採用 見 込 み 148 62 7 3 1 0 9 1 8 6 3 3 3 4 8 6 86 15 4 5 39 20 3 数 採 前年比増減率 △18.7 △30.3 0.0 △40.0 △66.7 △100.0 0.0 △66.7 △46.7 △33.3 △25.0 △66.7 △25.0 33.3 0.0 △14.3 △7.5 25.0 △20.0 25.0 △2.5 △25.9 △40.0 21年春採用 実 績 1,489 639 63 15 4 26 111 8 83 58 32 70 33 32 81 23 850 28 12 23 521 255 11 用 人 員 22年春採用 見 込 み 966 330 54 10 1 0 59 6 37 24 19 17 4 32 45 22 636 32 14 25 348 205 12 数 前年比増減率 △35.1 △48.4 △14.3 △33.3 △75.0 △100.0 △46.8 △25.0 △55.4 △58.6 △40.6 △75.7 △87.9 0.0 △44.4 △4.3 △25.2 14.3 16.7 8.7 △33.2 △19.6 9.1 福島の進路 2010.4 ■ 25 調 査 資金(減価償却費+留保利益)」41.3%、 「親会社É 関連会社からの借入」10.6%などの順となった Ⅴ.雇用動向 1.雇用の過不足感 (図11)。 雇用過不足 BSI(過剰−不足)は、全産業が+18 図12 表17 企業が抱える経営上の問題 全 26 ■ 産 業 製 造 業 飲 食 料 品 繊 維É繊 維 製 品 木 材É木 製 品 紙É紙 加 工 品 化 学 窯 業É土 石 製 品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情報通信機械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 その他製造業 非 製 造 業 建 設 業 運 輸 業 通 信 業 卸 É 小 売 業 サ ー ビ ス 業 その他非製造業 425 199 30 20 10 11 13 13 22 15 8 15 10 7 11 14 226 37 16 6 110 44 13 福島の進路 2010.4 80.5 82.4 80.0 85.0 100.0 90.9 53.8 84.6 77.3 93.3 100.0 73.3 90.0 100.0 63.6 85.7 78.8 86.5 75.0 33.3 81.8 75.0 69.2 41.4 31.7 36.7 20.0 30.0 18.2 30.8 30.8 40.9 33.3 25.0 26.7 50.0 28.6 27.3 35.7 50.0 67.6 12.5 0.0 51.8 52.3 46.2 28.9 31.7 50.0 20.0 20.0 45.5 46.2 53.8 31.8 20.0 12.5 20.0 30.0 42.9 9.1 21.4 26.5 16.2 43.8 0.0 28.2 31.8 15.4 (複数回答、単位:%) 人 材 不 足 人負 件担 費増 の加 原の 材上 料昇 価 格 資 金 繰 り 難 24.5 21.1 26.7 0.0 20.0 9.1 30.8 23.1 27.3 26.7 12.5 13.3 30.0 14.3 18.2 35.7 27.4 13.5 37.5 50.0 27.3 27.3 46.2 20.5 28.1 23.3 20.0 10.0 27.3 15.4 23.1 36.4 46.7 12.5 53.3 30.0 28.6 45.5 14.3 13.7 8.1 12.5 0.0 14.5 18.2 15.4 19.8 25.1 50.0 20.0 20.0 45.5 15.4 23.1 18.2 13.3 25.0 6.7 20.0 42.9 9.1 28.6 15.0 8.1 43.8 0.0 17.3 9.1 7.7 19.3 19.6 13.3 30.0 30.0 9.1 7.7 15.4 18.2 40.0 37.5 20.0 10.0 42.9 0.0 14.3 19.0 24.3 18.8 0.0 14.5 29.5 15.4 商ス 品価 サ格 ー低 ビ下 人 員 過 剰 在 庫 の 過 剰 為急 替激 相な 場変 の動 輸競 入合 品 と の 18.4 15.1 16.7 10.0 20.0 9.1 15.4 15.4 4.5 6.7 25.0 20.0 20.0 28.6 18.2 21.4 21.2 5.4 6.3 33.3 20.9 38.6 23.1 12.5 17.6 6.7 5.0 10.0 27.3 15.4 23.1 31.8 20.0 37.5 20.0 30.0 28.6 18.2 0.0 8.0 8.1 6.3 16.7 10.0 4.5 0.0 8.9 10.1 6.7 15.0 10.0 9.1 23.1 15.4 4.5 6.7 12.5 20.0 10.0 0.0 9.1 0.0 8.0 2.7 0.0 0.0 11.8 4.5 15.4 7.5 12.6 6.7 20.0 0.0 0.0 15.4 0.0 18.2 20.0 12.5 13.3 10.0 0.0 54.5 0.0 3.1 0.0 6.3 0.0 4.5 2.3 0.0 5.4 10.1 0.0 25.0 10.0 18.2 15.4 7.7 0.0 0.0 12.5 6.7 40.0 0.0 18.2 7.1 1.3 0.0 0.0 0.0 2.7 0.0 0.0 É É 企業が抱える経営上の問題点 ︵ 回 国︵低 国のシ 設老 答 内需迷 内競ェ ア 企 要 企争価 備朽 業 販︶ 業激格 の化 数 売の と化等 ︶ 調 、製造業が+25(同 (平成21年7月調査比△1 ポイ ント ) ±0 ポイ 、非製造業が+12(同△1 ポイ ント ) ント )となった。 査 、「一般機械」+53(同+20 ポイ (同+21 ポイ ント ) ント )など であった(表14)。 「輸送用機械」では不足に転じたが、全体的に 過剰感は依然として高い水準にある。その中で 2.雇用人員 過剰感が改善した業種は、「輸送用機械」△14 平成22年4月見込みの雇用人員 BSI は、全産業 (同△50 ポイ 、「その他非製造業」△15(同△25 ポイ 、 ント ) ント ) で△6 (前回比+2 ポイ 、 、製造業で△19 (同△2 ポイ ント ) ント ) 「繊維É繊維製品」+15(同△23 ポイ ント )などであり、 となった。内訳をみる 非製造業で+4 (同+5 ポイ ント ) 過剰感が増した業種は、「電子部品Éデバイス」 と、製造業は正社員△16(同+1 ポイ 、パート等 ント ) +20(同+28 ポイ 、「鉄鋼É非鉄金属製品」+50 ント ) △14(同△5 ポイ 、非製造業は、正社員+5(同 ント ) 表18 表20 業 製 業 飲 品 繊 品 木 品 紙 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 非 製 造 業 建 設 業 運 輸 業 通 信 業 卸 É 小 売 業 サ ー ビ ス 業 その他非製造業 表19 産 造 食 料 維É繊維製 材 É 木 製 É 紙 加 工 (単位:%) 引予 き 上 げ る定 変予 更 し な い定 引予 き 下 げ る定 18.5 19.4 13.8 15.0 18.2 10.0 33.3 23.1 28.6 13.3 0.0 13.3 20.0 42.9 36.4 14.3 17.7 2.6 17.6 50.0 19.4 18.2 30.8 70.1 69.9 79.3 75.0 72.7 80.0 50.0 61.5 57.1 73.3 75.0 80.0 80.0 42.9 54.5 78.6 70.4 86.8 76.5 33.3 64.8 75.0 61.5 5.2 5.6 3.4 10.0 9.1 10.0 0.0 0.0 9.5 6.7 12.5 6.7 0.0 14.3 0.0 0.0 4.9 7.9 0.0 0.0 6.5 2.3 0.0 他 6.2 5.1 3.4 0.0 0.0 0.0 16.7 15.4 4.8 6.7 12.5 0.0 0.0 0.0 9.1 7.1 7.1 2.6 5.9 16.7 9.3 4.5 7.7 変予 更 し な い定 引予 き 下 げ る定 18.5 70.1 5.2 10億円以上 36.8 42.1 5.3 15.8 1億円以上10億円未満 30.0 60.0 3.3 5,000万円以上1億円未満 16.0 70.7 2.7 10.7 1,000万円以上5,000万円未満 15.9 74.0 5.7 4.5 9.1 77.3 13.6 0.0 全 体 1,000万円未満 (単位:%) 支給したÉ 支給する予定 74.8 72.1 83.3 55.0 63.6 90.9 100.0 69.2 77.3 60.0 50.0 66.7 60.0 71.4 81.8 66.7 77.2 60.5 70.6 100.0 85.8 66.7 84.6 定の 平成22年春の賃金について (資本金別)(単位:%) 引予 き 上 げ る定 平成21年度冬季賞与É期末手当等の一時金支給実績 未そ É 全 平成22年春の賃金について 全 業 業 飲 品 繊 品 木 品 紙 品 化 学 窯業É土石製品 鉄鋼É非鉄金属製品 一 般 機 械 電 気 機 械 情 報 通 信 機 械 電子部品Éデバイス 輸 送 用 機 械 精 密 機 械 そ の 他 製 造 業 非 製 造 業 建 設 業 運 輸 業 通 信 業 卸 É 小 売 業 サ ー ビ ス 業 その他非製造業 製 表21 産 造 食 料 維É繊維製 材 É 木 製 É 紙 加 工 (単位:%) 支給したÉ 支給する予定 の 他 6.2 6.7 全 25.2 27.9 16.7 45.0 36.4 9.1 0.0 30.8 22.7 40.0 50.0 33.3 40.0 28.6 18.2 33.3 22.8 39.5 29.4 0.0 14.2 33.3 15.4 平成21年度冬季賞与É期末手当等の一時金支給実績 (資本金別) そ 支給しない 体 支給しない 74.8 25.2 100.0 0.0 1億円以上10億円未満 83.6 16.4 5,000万円以上1億円未満 77.6 22.4 1,000万円以上5,000万円未満 71.8 28.2 1,000万円未満 52.2 47.8 10億円以上 福島の進路 2010.4 ■ 27 調 査 、パート等△8(同△6 ポイ +4 ポイ ント ) ント )となった 迷」が高い割合を占めており、回答割合が100% (表15)。製造業では、正社員の削減圧力が続く中 の業種があるように、製造業での需要状況は低迷 でパート等の削減が強まった。一方、非製造業 している。 では、正社員は増加見込みであるが、パート等の 削減圧力が強まるものとみられる。 3.採 用 Ⅶ.賃金É賞与 1.賃 金 平成22年春の新規採用予定企業は、今回、回答 平成22年春の賃金については、全産業で「引き をよせた中では148社(平成21年春182社)となっ 上げる予定」が18.5%、 「変更しない予定」が70.1 た。内訳として、製造業で62社(同89社)、非 %、「引き下げる予定」が5.2%、 「未定Éその他」 製造業で86社(同93社)となった(表16)。採用 が6.2%となり、賃金状況は厳しい経営環境を 人員は、全産業で966人(平成21年比△35.1%) 反映する見通しとなった(表18) 。 となった。うち「製造業」で330人(同△48.4%)、 「非製造業」で636人(同△25.2%)となった(表 2.賞 与 16)。製造業での採用人員が前年と比べ半減する 平成21年度冬季賞与É期末手当等の一時金支給 見通しであり、製造業を中心に採用人数を減らす 実績は、全産業で「支給したÉ支給する予定」 傾向が強くみられた。 74.8%、「支給しない」25.2%となった(表20)。 平成20年度冬季と比較した一時金支給月数につい Ⅵ.企業の抱える経営上の問題点 ては、全体で「増加した」が10.2%、「減少した」 が52.6%、「不変」が37.2%となった(表22)。 経営上の問題点(複数回答)は、「国内販売 平成20年冬季に支給せず平成21年冬季に支給を (需要)の低迷」が80.5%と最も多く、次いで 再開した企業の割合は2.2%に留まっており、 「国内企業との競争激化」41.4%、 「設備の老朽化」 また、「減少した」の割合は資本金規模の大小に 28.9%などの順となった(図12、表17)。 製造業É非製造業とも「国内販売(需要)の低 図13 28 ■ 資本金別賃金É賞与等支給実績 福島の進路 2010.4 関わらず約半数を占めるなど、今冬の県内におけ る一時金支給状況には厳しさがみられた。 調 査 と「雇用の見直し」の回答割合は「情報通信機械」 Ⅷ.平成21年に行った不況への対応策 「電子部品Éデバイス」 「輸送用機械」で高く、これ 全産業で「設備投資抑制」が47.2%と最も多く、 らの業種を中心に製造業での固定費削減の動きが 次いで「賃金削減」28.1%、「緊急保証資金等利 平成21年にあり、雇用情勢の悪化に繋がったもの 用」18.2%、「雇用の見直し」17.6%などの順 と窺われる(表23) 。 (担当 (複数回答)となった。 「設備投資抑制」は製造業É 高橋) 非製造業とも高い割合を占めている。 「賃金削減」 表22 平成21年度冬季賞与の支給月数(平成20年度との比較) 増 加 (単位:%) (うち、20年冬 季は不支給) 減 少 不 変 全体 10.2 2.2 52.6 37.2 10億円以上 15.0 0.0 45.0 40.0 7.8 0.0 54.9 37.3 1億円以上10億円未満 5,000万円以上1億円未満 6.8 1.7 61.0 32.2 1,000万円以上5,000万円未満 11.1 2.8 49.7 39.2 1,000万円未満 16.6 8.3 58.3 25.0 表23 平成21年に行った不況への対応策について 全 産 資 金 削 減 緊金 急等 保の 証利 資用 雇見 用直 のし 金 融 機 関 借 入 を 増 や し た 仕引 入下 価げ 格 新の 規進 事出 業 へ 不か 採ら 算の 事撤 業退 販引 売上 価げ 格 そ 営舗 業数 所削 減 店 の É 設抑 備制 投 資 (複数回答、単位:%) 他 業 47.2 28.1 18.2 17.6 16.4 16.1 11.1 9.4 7.1 4.8 9.4 業 56.7 37.8 21.9 22.1 17.9 15.4 10.4 8.5 7.0 6.0 10.0 品 46.7 16.7 20.0 13.3 10.0 6.7 13.3 10.0 10.0 3.3 6.7 繊 維É繊 維 製 品 30.0 25.0 20.0 12.5 10.0 0.0 10.0 10.0 0.0 0.0 0.0 製 造 飲 食 料 木 材 É 木 製 品 54.5 18.2 9.1 13.6 9.1 54.5 18.2 18.2 0.0 0.0 0.0 紙 É 紙 加 工 品 45.5 45.5 27.3 9.1 0.0 36.4 0.0 27.3 18.2 18.2 9.1 100.0 53.8 15.4 7.7 30.8 0.0 15.4 0.0 0.0 0.0 15.4 化 学 窯 業É土 石 製 品 69.2 15.4 38.5 11.5 7.7 23.1 15.4 7.7 23.1 15.4 7.7 鉄鋼É非鉄金属製品 45.5 50.0 22.7 22.7 27.3 18.2 4.5 4.5 9.1 9.1 22.7 一 般 機 械 60.0 40.0 40.0 16.7 46.7 26.7 6.7 0.0 0.0 0.0 0.0 電 気 機 械 50.0 50.0 25.0 25.0 25.0 12.5 25.0 12.5 25.0 12.5 0.0 情 報 通 信 機 械 60.0 60.0 20.0 50.0 26.7 6.7 6.7 6.7 0.0 6.7 6.7 電子部品Éデバイス 80.0 70.0 20.0 50.0 20.0 0.0 0.0 0.0 0.0 20.0 20.0 輸 械 71.4 57.1 14.3 64.3 0.0 14.3 0.0 14.3 0.0 0.0 0.0 械 63.6 54.5 0.0 27.3 0.0 18.2 18.2 9.1 9.1 9.1 9.1 そ の 他 製 造 業 33.3 精 非 送 用 密 機 機 製 造 60.0 20.0 26.7 23.3 26.7 20.0 13.3 6.7 6.7 0.0 業 39.1 19.7 15.0 13.7 15.0 16.7 11.6 10.3 7.3 3.9 9.0 18.4 7.9 5.3 0.0 5.3 5.9 建 設 業 44.7 28.9 13.2 9.2 15.8 15.8 運 輸 業 64.7 17.6 23.5 17.6 23.5 5.9 0.0 11.8 0.0 0.0 通 信 業 33.3 16.7 0.0 0.0 0.0 0.0 16.7 16.7 0.0 0.0 0.0 34.2 18.4 14.9 13.6 15.8 19.3 9.6 7.9 7.0 6.1 10.5 卸 É 小 売 業 サ ス 業 44.4 22.2 17.8 21.1 15.6 17.8 13.3 15.6 8.9 4.4 11.1 その他非製造業 15.4 0.0 7.7 3.8 0.0 15.4 15.4 15.4 23.1 0.0 7.7 ー ビ 福島の進路 2010.4 ■ 29 トピックス 韓国経済の現状と交流促進について 財団法人福島経済研究所 理 事 長 近 藤 哲 平成22年1月14日∼1月16日にかけて、平成21年度福島―ソウル路線交流促進活動の一員として 韓国を訪問し、福島―ソウル路線利用促進と福島県と韓国との交流促進活動を行うとともに韓国経済 の現状を視察してきました。 韓国経済の現状については、ジェトロ ソウル センター百本和弘氏より「2010年1月15日付 韓国 経済の現況」としてまとめられた資料で説明を受けました。本稿はその資料から抜粋した内容を中心 にご紹介したものです。 また、福島空港の福島―ソウル路線交流促進についても、韓国は福島空港から2時間強で手軽に 行けるお隣の外国であり、観光、ショッピング、食事と魅力的な国ですので是非とも福島空港を利用 して皆様も訪れてみてください。 1.韓国経済の現状 2009年から2010年にかけての韓国経済は、雇用面やウォン高などの不安材料はあるものの、順調な回復 をしてきている。各種の経済関連指標をみても順調な回復ぶりを示している。韓国経済回復の原動力は、 ウォン安の効果もあったが、サムスン、現代、LG、ポスコといった大企業が経営努力を重ね国際競争力 を強めて好調な業績を上げ、輸出を主導し牽引している。消費は、給与所得の伸びはないが、株価や不動 産の資産価格が戻ったことなどを背景として、消費マインドは回復し消費市場は回復してきている。 2010年のGDP成長率は4%台半ばから5%台半ばに回復との見方がなされている。要因としては次の 5つがあげられる。 ①貿易収支、経常収支黒字化 の一巡 1 ò ②消費マインドの改善 ③製造業、サービス業生産の回復 ④在庫圧縮 ⑤企業収益の回復 支出項目別GDP成長率寄与度 図 韓国の支出項目別実質GDP成長率寄与度の推移(前期比、年率換算) ⚐ャ䈏䌇䌄䌐䉕䈚䈕 ᐶ⺞ᢛ䈲⚳ੌ ᑪ⸳ᛩ⾗䈲ㇱ㐷䉕 ਛᔃ䈮䌇䌄䌐䉕‧ᒁ 䋨䋦䋩 㪉㪇㩷 㪈㪌㩷 ⸳ᛩ⾗䈲䊒䊤䉴ᚑ㐳 㪈㪇㩷 㪌㩷 㪇㩷 ᳃㑆ᶖ⾌䈲䊒䊤䉴ᚑ㐳 㪄㪌㩷 ⚐ャ䋨䋽ャ䋭ャ䋩 ᐶჇᷫ ⸳ᛩ⾗ ᑪ⸳ᛩ⾗ ᐭᡰ ᳃㑆ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ ታ⾰䌇䌄䌐ᚑ㐳₸ 㪄㪈㪇㩷 㪄㪈㪌㩷 㪄㪉㪇㩷 㪄㪉㪌㩷 㪄㪊㪇㩷 㸉 ᐕ 2007Ⅲ 2007Ⅳ 2008Ⅰ 2008Ⅱ 2008Ⅲ 2008Ⅳ 2009Ⅰ 2009Ⅱ 2009Ⅲ 㸊 民間最終 消費支出 2.0 1.0 2.3 −0.3 0.0 −9.0 1.0 7.9 3.4 㸇 ᑪ⸳ᛩ⾗䈲ᧁ䈏ᕷಾ䉏 㸈 㸉 㸊 㸇 ᐕ 政府支出 0.2 0.4 0.7 0.8 0.6 0.5 2.2 0.7 −0.5 建設投資 −0.3 1.9 −1.7 −0.2 0.0 −1.7 3.3 1.2 −1.4 設備投資 −1.2 1.5 −0.1 0.1 0.1 −5.1 −3.9 3.3 3.6 在庫増減 1.4 −1.0 3.3 0.8 2.3 −10.9 −11.5 −8.0 10.7 㸈 ᐕ 純輸出 2.1 2.5 1.3 0.1 −2.6 7.3 5.4 6.3 −1.6 㸉 輸 出 3.1 11.8 −0.1 5.0 −0.8 −15.4 −7.7 19.4 9.2 注1:韓国銀行では年率換算の前期比増減率を発表していないため、原データを使用して年率換算 注2:輸入は国内総生産(支出側)の控除項目となるので、寄与度は逆符号で表示 出所:韓国銀行より作成 30 ■ 福島の進路 2010.4 輸 入 −0.9 −9.3 1.3 −4.9 −1.8 22.7 13.1 −13.1 −10.9 実質GDP 5.4 5.2 4.4 1.7 1.0 −18.8 0.5 11.0 13.6 トピックス 2 ò 貿易動向 2008年の貿易収支は資源高を受けて赤字基調が続いた。2009年は輸出入とも減少が続いたが、11月に 前年同期比プラスに転換。貿易収支は黒字が続き、2009年通年(暫定値)では410億ドルの黒字となった。 韓国経済は輸出依存度が高く、景気動向は輸出に大きく依存している。 図 輸出入増減率(ドル建て、前年同月比)と貿易収支 表 ㆊᦨᄢ 䈱㤥ሼ㗵 各国の輸出依存度(2008年) 国名 貿易依存度 シンガポール 325.8 オランダ 115.0 韓国 92.3 ドイツ 74.8 中国 58.0 日本 29.6 米国 23.5 注:輸出依存度=輸出(通関ベース)/GDP 出所:企画財政部 出所:知識経済部 3 ò 韓国と日本の貿易関係 韓国の対世界輸出と対日輸入との間は強い相関関係がある。韓国の輸出増加率が1%p上昇すると、 対日輸入は1.04%p上昇すると計測される。 韓国は、対日貿易こそ赤字であるが、中国、米国、EUとの間では貿易黒字を計上している。日本から の輸入が韓国の輸出を支えている。 න䋺ం䊄䊦 䌅䌕 㪊㪈㪉 ᡰ 㪈㪊㪊 ᡰ 㪊㪇㪏 ☨࿖ 㪋㪋㪍 㪉㪐㪇 㪊㪍㪉 㖧࿖ ャ 3,478 ャ 3,130 ᡰ 348 㪏㪊㪇 㪌㪉㪉 ᡰ 㪎㪉 ᡰ 㪄㪉㪍㪌 㪉㪈㪈 ਛ࿖ 㪋㪎㪌 ᣣᧄ 出所:知識経済部 図 韓国の対世界輸出と対日輸入の関係 䋨ኻ೨ᐕჇᷫ₸䇮䋦䋩 㪌㪇 㪋㪇 㪊㪇 㪉㪇 㪈㪇 㪇 㪄㪈㪇 㪄㪉㪇 ኻ⇇ャ 㪄㪊㪇 ኻᣣャ 㪄㪋㪇 㪄㪌㪇 㪈㪐㪏㪌 㪈㪐㪏㪍 㪈㪐㪏㪎 㪈㪐㪏㪏 㪈㪐㪏㪐 㪈㪐㪐㪇 㪈㪐㪐㪈 㪈㪐㪐㪉 㪈㪐㪐㪊 㪈㪐㪐㪋 㪈㪐㪐㪌 㪈㪐㪐㪍 㪈㪐㪐㪎 㪈㪐㪐㪏 㪈㪐㪐㪐 㪉㪇㪇㪇 㪉㪇㪇㪈 㪉㪇㪇㪉 㪉㪇㪇㪊 㪉㪇㪇㪋 㪉㪇㪇㪌 㪉㪇㪇㪍 㪉㪇㪇㪎 㪉㪇㪇㪏 㪉㪇㪇㪐 図 韓国の対主要国É地域貿易 (2009年1月1日∼12月20日、 暫定値) 韓国の対日輸入増減率 =−2.33+1.04×韓国の対世界輸出増減率−34.45×D98+36.75×D99 (−0.83)(6.49) (−3.24) (3.54) D98は1998年ダミー、D99は1999年ダミー。通貨É経済危機を受けて設定。 計測期間は1985∼2009年、カッコ内はt値、自由度修正済み決定係数=0.79 注 :2009年は1月1日から6月20日までの累計 出所:関税庁データを基にジェトロ作成 4 ò 鉱工業Éサービス業生産 鉱工業生産は回復が続いている。金融危機前の水準を回復。 サービス業の生産も増加してきた。 福島の進路 2010.4 ■ 31 トピックス 図 鉱工業生産指数の推移 (実質、季節調整済み) 図 出所:統計庁 5 ò サービス業生産指数の推移 (実質、季節調整済み) 出所:統計庁 在庫投資 過剰在庫の圧縮が着実に進展した結果、在庫調整は終了局面に入った。 図 在庫率の推移 注:在庫率指数=在庫指数/出荷指数 6 ò 出所:統計庁 個人消費 消費マインドは資産価格の上昇などにより、大きく改善した。ただし、2009年11月は資産価格の伸び 悩みにより8ヵ月ぶりに前月比マイナスに転換。消費市場は2009年5月以降、回復基調が続く。 図 消費者心理の動向 注:個別項目は、100を上回る(下回る)と回答者の過半数 が肯定的(否定的)に見ていることを示す。また、「展 望」は現在と6ヵ月後の見通しを比較したもの。「消費 者心理指数」は総合的な指標で、100を上回る(下回る) と平均より消費心理が良い(悪い)ことを示す。 出所:韓国銀行 32 ■ 福島の進路 2010.4 図 出所:統計庁 消費財販売指数の推移 トピックス 7 ò 株 価 。 株価は金融危機前の水準を回復し、マンション価格も調整局面にはあるが金融危機前の水準に戻ってきた 図 KOSPI(韓国総合株価指数)の推移 図 住宅売買販売指数(ソウル市、マンション) 㪐㪉㪉ᣣ 㪉㪇㪇㪏ᐕ㪍㪉㪍ᣣ એ᧪ೋ䈱㪈㪃㪎㪇㪇 䉡䉤䊮บ 出所:韓国銀行「ECOS」 8 ò 出所:韓国銀行「ECOS」(原資料は国民銀行) 設備投資 2008年秋以降、減少が続いていた設備投資は回復に転じている。 図 国内機械受注の推移 (船舶を除く、実質、前年同月比) 出所:統計庁 9 ò 図 設備投資指数の推移 (前年同月比) 出所:統計庁 為替動向 2008年秋∼2009年春にウォン安が進行した。 ウォン安を招いた外貨流動性の不安は解消。外貨準備高は金融危機前の水準を回復し、過去最高を更新。 2010年に入ってからはウォン高が進展。 図 為替動向(2008年7月以降) 㪐㪈㪌ᣣ 㪈㪌ᣣ 䊥䊷䊙䊮䊑䊤䉱䊷䉵 ⎕✋ 図 外貨準備高の推移 ᓥ᧪䈱ㆊᦨ㜞 ㆊᦨ㜞䉕ᦝᣂ 㪐㪉㪊ᣣ 㪈䊄䊦䋽㪈㪃㪈㪇㪇 䉡䉤䊮บ䈮⓭ 出所:韓国銀行 出所:韓国銀行 福島の進路 2010.4 ■ 33 トピックス 10 ò 雇用動向 失業者数は減少、失業率も低下傾向。但し、若年層の失業率は依然高い水準。求職断念者も多く、雇用 情勢はなお厳しい状況にある。 図 失業者数É失業率の推移 注:失業率=失業者/就業者+失業者(軍人を除く) 出所:統計庁 11 ò 図 非経済活動人口数の推移 注 :非経済活動人口とは、就職する意思がなく失業者または 就職者に含まれない15歳以上の人口で、主婦、学生、高 齢者などが含まれる。 出所:統計庁 建設投資 土木は公共工事の拡大により、2009年前半は比較的好調だった半面、建築は不振が続いた。足元では 受注は前年比プラス成長が続く。 図 建設受注高の推移(前年同月比) 出所:統計庁 12 ò 図 完成工事高の推移(前年同月比) 出所:統計庁 韓国経済のリスク要因 Éウォン高の進展、先進国経済の不安定さによる輸出減速の恐れ É原油など資源価格の上昇、インフレ懸念 É低金利É金余りによるバブル拡大 É家計負債の増加 É北朝鮮問題 12 までは、ジェトロ ソウル センター作成資料より抜粋転載したものである。 1 からò ※ò 34 ■ 福島の進路 2010.4 トピックス 2.福島―ソウル路線の現状と利用について 1 ò 搭乗率 ソウル便については、搭乗者の日本人と外国人の内訳は公表されていないが、外国人のほうが断然多い ようである。 ソウル便搭乗率でみると例年1月と3月の低調が目立つ。 。 上海便の搭乗率はソウル便に比べて低いが、搭乗者数は増加しており、ビジネスでの利用で安定している (単位:%、人) ソ 搭 乗 率 ウ ル 便 上 海 便 平 成 20 年 平 成 21 年 平 成 20 年 平 成 21 年 1 月 48.3 41.1 59.6 42.5 2 月 65.1 76.2 56.0 37.6 3 月 56.9 53.4 54.4 32.7 4 月 83.5 60.7 35.2 46.7 5 月 73.5 56.7 32.8 55.3 6 月 63.7 47.1 45.0 51.2 7 月 62.7 72.3 48.1 56.0 8 月 66.2 73.5 40.2 54.6 9 月 59.1 58.7 43.2 54.8 10 月 72.5 65.8 50.5 52.2 11 月 60.9 62.5 44.0 54.6 12 月 44.4 58.1 39.3 45.9 平 均 64.3 62.0 40.5 52.7 搭乗者数 51,321 27,290 8,547 10,070 (計数は福島県資料より作成) 2 ò 課題と利用 ソウル便の運航時間は、福島発13:10 仁川着15:50 仁川発10:00 福島着12:10 運航は、月 木 土の週3回 運航時間と運航日を見ると日本人にとっては2泊3日の旅行でも実質まる一日しか使えなく窮屈な日程 となる。しかし考え方によっては、出発日と到着日には時間的な余裕もあるし、近くで手軽に行ける海外 としての魅力は十分にある。①出発当日はゆっくりと旅立ち、ソウル到着後は早めの時間からの夕食と その後も十分に時間もとれる。②二日目は、まる一日観光とショッピングを楽しめ、移動に費やす時間も 少なく夜の時間も含めればたっぷりと時間のとれる一日となる。③三日目は、早い帰国だが仁川空港の 免税店でショッピングの時間もとれ、帰国してからも時間の余裕がある。土曜日の帰国では、土曜の夜は 家でゆっくりでき、有意義な週末を過ごせる。このように、見方を変えれば、移動時間もあまりかからず 楽に行ける海外旅行先である。 県北に居住している方は仙台空港の利便性が高いとの声もある。しかし福島空港には搭乗口に横づけで きると同じような無料駐車場を、車で約1時間半で利用できるメリットと利便性が備わっている。毎日 就航すれば利便性が高くなるが、まずは多くの人が短時間で行けるお隣の国を訪れ、利用実績を上げる ことが大切なのではないだろうか。旅行会社も限られた時間を有効に活かすメニューを更に提案する必要 があると考える。 福島の進路 2010.4 ■ 35 トピックス 3.韓国の街角トピックス 既に多数の方が韓国を訪問されていますが、今回、機会があって訪問し私が見聞きし、感じたことを 述べてみたいと思います。 É韓国では昨年訪れた台湾とは違って、街を走っている車で軽自動車はほとんど見かけなかった。韓国 の国民性から大きな車が好まれるようである。消費に対する国民性の違いもあって、消費マインド、 行動についても日本人との違いがみられる。 É教育費にお金がかかりすぎることから、結婚しても教育費負担に嫌気がさし、子供をつくらない夫婦 が増えている。 たとえば夫が銀行員、妻が日本系旅行社のガイドで、子供が小学3年生と5年生の家庭では、妻の 収入はほとんどが塾などの教育費にあてられ、さらに高学年になれば夫の収入から教育費に相当部分 回さなければならず教育費で家計が圧迫されるとの話であった。 É韓国の大学進学率は80%を超えており、日本の50%台からみてもかなりの進学率となっている。 また、就職の履歴書のキャリアのためには海外留学は必須の条件である。留学先は米国がもっとも 多く次いで日本となっている。韓国雇用動向での若年層の失業率の高さは高学歴も一因となっている ようである。 É韓国ソウルの街角では、いたるところにセブンイレブンとファミリーマートが目につく。 É最近では、ユニクロとダイソーの進出が目立つ。ユニクロは韓国で43店 (2009年11月現在)、ダイソー は380店(2010年1月現在)の展開。 É日本式居酒屋が増加している。日本式居酒屋は、雰囲気も良く高級感があることや料理もおいしい ことから若い層に人気がある。日本に留学などできたことのある若者などにより広がったようである。 こうした日本式居酒屋では、日本酒は韓国の焼酎に比べてアルコール度数が低く高級感があり飲み やすいことなどから日本酒の人気が高く、消費も増えている。韓国での日本酒人気の機運をさらに 盛り上げて消費拡大につなげるチャンスであるといえる。日本国内でも日本酒の消費拡大の参考に なることがあるのではないかと考える。 4.さいごに 韓国経済の回復ぶりやサムスン、LG、現代などの経営振りを見ると日本も学ぶべきところが多く出て きているのではないかと考えさせられる。 日本人も先行きの不透明感から消費に対して慎重な姿勢が見られるが、もう少し消費に対して積極的に なっても良い。企業側も単に価格を下げるだけの競争ではなく、消費者の視点に立ってお金をかけても いいと思わせる価値のあるものやスタイルをもっと提案することができるのではないだろうか。 福島空港については課題も多いが、空港があれば便利なことは紛れもない事実であり、まずは県民一人 一人が意識して福島空港を活用して利用率を上げるようにすることが大切であると思う。福島空港を利用 しての旅行一つをとっても前向きに見方を変えればまだまだできることがあるのではないかと考える。 一つの社会インフラを維持するには相応の税金による負担は必要であり、福島空港についても既に存在 する社会インフラとしての空港の必要性、利便性そして活用の可能性を幅広く考えて、コスト負担との バランスでどう位置付けるかを考える必要があるのではないかと考える。 36 ■ 福島の進路 2010.4 トピックス 平成21年産の「梅(うめ)の結果樹面積 および収穫量・出荷量」の状況 ― 福島県の結果樹面積は全国第5位、収穫量は全国第10位、出荷量は全国第14位 ― 「梅」は、バラ科サクラ属の落葉高木です。梅の花の名所はさくらの花の名所とともに全国各地にあり 花見の代表格の花です。しかし梅は花を観賞するだけでなく、その果実には肌を健やかにする効用のビタ ミンC、余分なナトリウムを排出して血圧を下げるカリウムが含まれており高血圧の予防となるほか、 ビタミンB1、B2、カルシウム、リンなども含まれています。さらにクエン酸はカルシウムなどのミネラル の吸収を高める効果がありますので健康増進にも役立ちます。梅の果実は生食はできませんが梅干しや 梅酒、梅酢などに加工されて食用になります。おむすびに梅干しを入れるように殺菌・腐敗の防止効果も あり現代の食生活に欠かせない栄養素を多く含んでいます。 この「梅」について農林水産省が発表した「農林水産統計」でみると、福島県は全国順位で結果樹面積 が第5位、収穫量が第10位(福岡県と同順位)、出荷量が第14位にランクされました。 1.全国の結果樹面積 平成21年産の全国の結果樹面積は、前年産比2%減少(△300ヘクタール)し1万7,100ヘクタールと なりました。 2.全国の収穫量および出荷量 平成21年産の全国の収穫量は、和歌山県以外の主産県で開花期以降の天候不順により受精不良が発生し、 結果数が減少したことから前年産比5%減少(△5,800トン)し11万5,200トン、出荷量は同比4%減少 (△3,900トン)し9万9,700トンとなりました。 うめの結果樹面積、収穫量及び出荷量の推移 (注1)結果樹面積とは、農家が当該年産の収穫を意図して結果させた栽培面積をいう。 (注2)収穫量とは、収穫したもののうち、生食用、加工用として流通する基準を満たすものの重量をいう。 (注3)出荷量とは、収穫量から生産者の自家消費、生産物を贈与した量、収穫後の減耗等を差し引いた重 量をいう。 (出典:農林水産省 農林水産統計) 福島の進路 2010.4 ■ 37 トピックス 3.福島県の結果樹面積と収穫量É出荷量 。 福島県の結果樹面積は512ヘクタールとなりました。収穫量は1,660トン、出荷量は858トンとなりました 収穫量で福島県より上位の都道府県は、第1位和歌山県、第2位群馬県、第3位福井県、第4位神奈川 県、第5位長野県、第6位奈良県、第7位山梨県、第8位三重県、第9位茨城県となっています。全国の 収穫量の6割は和歌山県が占めています。 都道府県別平成21年産梅(うめ)の収穫量等の状況 全 国 É 都 道 府 県 全 うち、北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 海 奈 歌 児 結果樹面積 国 道 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 川 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 山 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 島 縄 10a当たり 収 収 量 × 17,100 54 263 135 478 106 138 512 547 310 1,130 326 330 269 464 135 44 96 499 463 625 184 309 346 271 73 89 45 126 384 5,110 73 128 141 296 288 252 32 263 87 415 185 129 175 308 197 315 0 ㎏ 674 156 516 233 332 156 736 325 305 210 561 251 185 142 457 400 268 282 431 400 329 210 332 240 628 241 301 359 158 491 1,400 479 169 285 249 191 390 350 436 261 400 485 254 318 407 422 315 295 前 穫 量 出 t 115,200 84 1,360 315 1,590 165 1,020 1,660 1,670 651 6,340 818 611 382 2,120 540 118 271 2,150 1,850 2,060 386 1,030 830 1,700 176 268 162 199 1,890 71,500 350 216 402 737 550 983 112 1,150 227 1,660 897 328 557 1,250 831 992 1 荷 量 t 99,700 69 1,160 169 876 55 588 858 928 292 5,560 438 234 276 1,820 324 64 140 1,980 1,510 1,530 158 583 342 1,200 54 178 113 73 1,760 68,800 231 99 132 190 268 763 49 977 131 1,260 736 166 373 855 593 714 1 結果樹面積 98 − 99 − − − − − − − 94 − − − − − − − 100 97 98 − − − − − − − − 100 100 − − − − − 98 − − − − − − − − − − − 年 産 対 10a当たり 収 収 量 比 (%) 穫 97 − 61 − − − − − − − 86 − − − − − − − 151 76 81 − − − − − − − − 85 102 − − − − − 97 − − − − − − − − − − − 量 出 95 − 60 − − − − − − − 81 − − − − − − − 151 73 79 − − − − − − − − 86 102 − − − − − 95 − − − − − − − − − − − (出典:農林水産省 都道府県別梅(うめ)の収穫量割合 (資料:農林水産省 農林水産統計) 荷 量 96 − 60 − − − − − − − 82 − − − − − − − 156 72 77 − − − − − − − − 87 102 − − − − − 93 − − − − − − − − − − − 農林水産統計) 梅(うめ)の収穫量の推移(全国) (出典:農林水産省 農林水産統計) (担当:白石) 38 ■ 福島の進路 2010.4 講 演 講演 日本経済がわかるキーワード ∼2010年の経済・景気動向を占う∼ ■ 伊藤 元重(いとう もとしげ) 東京大学大学院経済学研究科É経済学部教授 総合研究開発機構(NIRA)理事長 〇鳥の目 ためにとんでもないことになることがあります。 伊藤でございます。30年前に先輩から聞いた話 企業経営者は、自分の業界に起きている些細な が非常に有益なので、お話しさせていただきます。 ことや小さな出来事をしっかり知っていることが 「経済を見るときには三つの目を持つ」ということ 重要です。 です。第1は「鳥の目」です。マクロの目、経済 〇魚の目 を大きく見渡す目です。経済は非常にグローバル さかな 最も重要なのは第3の「魚の目」です。要する に動くので全体像を見ておかないと読み誤ります。 に潮の流れの変化とスピードを読む力です。経済 例えば、ギリシャの財政危機のためユーロ安と でも、潮の流れの変化とスピードは非常に大きく、 なっています。アメリカ政府は、経済を回復させる 読み誤ると大変なことになります。今は、もの ためにはドル安方向にしています。中国はメンツ すごい渦が巻いていますから、この潮流の変化の にかけても人民元を上げません。結局、消去法で 方向とスピードを感じ取って、経営に生かして 円高になってしまうのです。ギリシャ以外にも、 いただきたいと思います。流れの変化をしっかり スペイン、ポルトガル、アイルランド、イタリアの 見ながら、正しい方向に向かって行けば、そこに 財政も気掛かりです。日本には最大のリスクかも いろいろなチャンスが出てきます。 しれません。これは一例ですが、世界のどこかで 例えば、本田技研は中国の売上を20%伸ばし 起こったことをしっかり見極める「鳥の目」が ました。普通なら良いニュースですが、実は悪い 重要なのです。 のです。1年間に中国マーケットは約40%も増え 〇虫の目 ており、シェアが下がったのです。トヨタや日産の 第2は「虫の目」です。ミクロに見る目です。 シェアも伸びていません。つまり、日本の自動車 私の好きな西洋のことわざに「悪魔は細部に宿る」 、 メーカーは中国の成長スピードを完全に読み誤っ 英語で「The devil is in the details」と言います ています。あるいは、成長のスピードについて が、言い換えて「 God is in the details (神は いけないのかもしれません。日本人は中国、東南 細部に宿る)」という言う人もいます。いろいろ アジア、インドの市場が伸びると分かっていても、 と手順を追ってやったつもりでも、一つ見逃した スピードについては全然分かっていない。中国は 福島の進路 2010.4 ■ 39 講 演 有望ゆえに世界の企業が参入して大変な競争市場 他よりは生き残る方向に向かいます。しかも、 であり、生半可な覚悟で入ったら、吹き飛ばされ 新日鉱ホールディングスにあるもう一つの会社は てしまうわけです。だからといって入っていかな 世界有数の銅の製錬会社であり業績が伸びていま かったら大変なことになるわけです。中国市場 す。また、新日石は、太陽光発電の膜を作る技術 一つとっても、スピードや方向性を考えなければ に注力しています。このように、日本の産業や いけないのです。 ビジネスは、着々と準備しています。 〇生産年齢人口の減少 まとめますと、潮の流れは二つあります。アジア 次に、キリンとサントリーのケースをみます。 はわれわれが想定しているよりもものすごい勢い 金沢市では10年ほど前にできたビール工場がもう で伸びています。同時に、日本の65歳以下の方が すぐ閉鎖されるというのです。根拠は、生産年齢 主役である普通の消費財等は、ものすごい勢いで 人口です。15∼64歳の間に入る生産年齢人口が、 縮小していくわけです。そういう中で、地域の データ上では2030年代の中ごろに、今より30% 中堅É中小企業はどうすべきかと問われています。 程度減る予測なのです。従って、想像を絶する 〇もっと頑張る スピードで国内の消費需要は減っていきます。 生き残るためにできることは三つしかありませ 介護等は伸びますから、全部ではないでしょうが、 ん。第1は「もっと頑張る」のです。これをばか 少なくともビールは減ります。そうすると、ビール にしてはいけません。日本の自動車メーカーは 会社の全てが20年後に生き残ることは極めて難し 頑張りが足りないから中国で苦戦しているのです。 い。今、企業の経営者がまず考えないといけない 昭和30年代、40年代には頑張ったのです。高度 のは、どうやったら生き残り組に入れるかという 経済成長時代を思い出して、もう一回やらなけれ ことです。 ばならないのです。海外を考えている方も、勝て 〇アジアでの中間所得層の増加 ばその利益は非常に大きいと思います。いずれに かつて、中国などのアジアでは、ほとんどが 貧困層でしたが、中間所得層に変わっています。 しても「もっと頑張る」のです。 〇サバイバル競争 中国では、中間所得層(年収50∼350万円)の人 第2は競争相手を減らすことです。今、熾烈な が、2008年には4億4000万になり、この14∼15年 サバイバル競争が起きています。なぜキリンと で約5.5倍に膨れ上がっています。中間所得層とは サントリーは合併を模索したのか。合併によって、 「自動車Éテレビが欲しい」、「旨いビールが飲み 昨日の敵が今日の味方になるからです。これから たい」、「海外旅行がしたいÉ家が欲しい」という どういう企業が面白いかというと、M&Aに成功 人々です。日本メーカーにとっては大きなビジネ した企業、競争相手を減らすことに成功した企業 スチャンスなのです。但し、各メーカーが単独で です。これは軽視してはいけないのです。例えば、 中国に行っても、欧米の大企業に太刀打ちできま 着物業界は、この10年でマーケットが半分と本当 せんので、合併して強くなっていくしかないわけ に厳しい状態になっています。ところが、友人の です。 年商200億程度の会社は、無借金で現金も豊富なの もっと厳しいのが石油業界です。エコカーの です。「どうして、この厳しい業界でもうかって 普及によってガソリン需要はすごい勢いで減って いるの」と聞いたら、「まじめな経営をしている いきます。日本にあるメーカーとガソリンスタンド から」と答えました。要は、大もうけを考えて が生き残れると思いますか。ですから、新日本 いない、お客さんのことをしっかり考えて堅実に 石油と新日鉱ホールディングスが一緒になり、 やってきた。もうからなくてもつぶれなければ 40 ■ 福島の進路 2010.4 講 演 良いと思っていたら、この10年間で周りがみんな こうなのですが、日本が不幸なのは、この20年間 倒れて、残ったのは自分のところぐらいなのです。 ずっとデフレなのです。20年前はバブル崩壊が 着物の世界ではもう勝負がついたのです。これ 始まった年です。2年ぐらいはバブルの余熱が から、否応なくあらゆる業界がこうなります。 あったので、実際に水面下に入ったのは1992年 大変かもしれませんが、サバイバル競争に生き からです。そこから今までデフレです。唯一例外 残ることが、実は非常に重要です。今が一番厳し なのが、2004年、2005年、2006年の3年だけです。 い時かもしれません。一般論として、とにかく 二つ理由があります。この間は、世界経済が狂った 競争相手が減っていく、あるいは減らしていく、 ように過熱して、日本の輸出産業は非常に潤った あるいは少なくなっていくという中で何を行うか、 わけです。さらに、円が過去20年で最も安かった マーケットが縮小していく中でどういう経営を のです。しかし、世界経済の過熱と円安の二つが するのかというところが、生き残りをかけるため 同時に来てしまい勘違いしました。日本車は世界 の二つ目の重要なポイントとなります。 一、家電製品はもうかると勘違いした。でも、 〇違いを出す 円安が終わり、世界経済が過熱から冷めたら、 そして、三つ目が一番重要です。よく経営コン どんと戻ったわけです。こんなことは二度とあり サルタントが「違いを出してください」 「オンリー ません。この20年間の状況を私は「根雪のような ワンです」 「差別化してください」 、あるいは「新 デフレギャップ」と呼びますが、簡単に何とか しい分野に入ってきて、そこで成功してください」 なるものではありません。これが心に重くのし と言うでしょう。つまり、違いを出すのです。 かかっている閉塞感なのです。ただ、今年の景気 これは経営の基本です。 は悪くならず、むしろ良くなるかもしれません。 とにかくこの三つしかないのです。もっと頑張 二番底はありません。もうこれ以上悪くなりよう るか、競争相手が減っていく中で自分だけサバイ がないからです。もちろん、楽観的な状況では バルするか、さもなければ差別化を真剣に考えて なく、国内は非常に厳しい状況ですが、アジア いくのです。本当は、あと二つあって、四つ目は など海外が少し回復するので、ちょっとだけ良く お上に助けてもらう。五つ目はやめてしまえば なるとみています。 いいのです。でも、こういう話をしても仕方が さて、そんな中で企業はどうしたらいいのかと ないので、結局は三つです。恐らく一番いいのは いうと、これはなかなか難しいのです。もっと 3番目でしょうね。 頑張るか、あるいはサバイバル競争で生き残るか、 〇根雪のようなデフレギャップ 違いを出すかです。30兆円のデフレギャップは 日本経済はデフレギャップが30∼40兆円ぐらい なぜあると思いますか。多くの業界にいえますが、 あると日本銀行や政府は言っています。需要が 例えば、建築、土木、住宅関連産業が全部フルに 30∼40兆円足りないのです。日本経済は500兆円 活動して出てくる供給力は、実際の需要よりも 程度のはずなのに、需要が460兆程度しかないの 大きいのです。問題は、これから3年∼5年後に です。これをデフレギャップといいます。経済は、 どうなるかですが、残念ながら供給能力に見合う このデフレとインフレギャップが交互に起きます。 需要の増加はありません。生産年齢人口が急速に 景気が良いとインフレギャップになって物が売れ 減っていくわけですから、多くのビルや道路は て、労働者の賃金が上がり、残業が増え、人手 要りません。そうなると、供給の方が需要に合わ 不足になる。しかし、景気が悪くなるとデフレ せるように調整するしかなく、壮絶な廃業と倒産、 ギャップになり、物価と賃金が下がる。普通は 吸収合併などが起こって生き残りが決まります。 福島の進路 2010.4 ■ 41 講 演 小売É流通はどうでしょうか。日本の百貨店は 急速に減少しています。スーパーマーケット数や 個人商店や問屋さんも非常に多いのです。今の 日本の小売É流通がフル稼働したときの供給は 需要よりも多いのです。 製造業はどうでしょうか。日本には多くの中小 製造業があります。これは日本の宝物です。技術 を継承し、まじめにものづくりを支えて、素晴ら しいと思います。しかし、フル活動して出る供給 力に足りるだけの需要は国内にないのです。そう すると、需要が供給に追い付くのではなく、供給 でも、真ん中は駄目です。二つ理由があります。 が需要に合わせる形になります。ですから、本格 中国人やインド人と同じことをやっていたら駄目 的な調整が始まると思ってください。でも、生き なのです。例えばエレクトロニクスのフォックス 残ったらすごく楽になると思います。先ほど言っ コンという会社があります。ここは、海外企業 た友人の着物会社のようになりますから、あまり から依頼を受けて代わりに物を作る専門の委託 悲観的になる必要はないのですが、これは厳しい。 EMS)です。今は中国に工場があって 、 製造会社( そう考えたら少しでも第三の道を模索する必要が 任天堂、ソニー、マイクロソフトのゲーム機、 あります。つまり、そういう時代にどうやって パソコンで世界一のヒューレットÉパッカード、 生き残るかという第三の道です。 デルやソニー、 Appleの「 Macintosh 」等のコン 〇差別化戦略 ピューター、さらに、携帯電話で世界№1のノキア 、 第三の道とは要するに差別化することです。 アメリカのモトローラ、破竹の勢いで伸びている 三つ方法があります。一つは、オンリーワンを Apple の「 iPod」「 iPhone 」などを製造していま 磨いていくことです。二つ目は、ビジネスモデル す。給料は日本の10分の1のですから、日本国内 を変えていくのです。そして三つ目は、新しい で製造しても勝負にならないわけです。従って、 分野に挑戦するのです。 中国人やインド人と同じことをやっていてはもう 分かりやすいビジネスモデルの話をしましょう。 スマイルカーブというのですが、要は、上流と かりません。 〇中国ビジネスの醍醐味 下流はもうかるけれど、真ん中はもうからない、 アパレルの世界の話をします。12∼13年前に というものです。今、多くの分野にみられます。 ユニクロがフリースで大ヒットしたときには1,980 例えば電子É電気機器、エレクトロニクスでは、 円という値札を付けましたが、品質は良いのです、 上流がもうかるのです。Google やマイクロソフト 原料は東レが日本で作っています。それから、 など世界でも非常にユニークで、グローバルに ジッパーも YKK が日本で作っている。それを 強いものは勝つわけです。中小企業でも、携帯 中国で加工、縫製して袋に詰めて持ってくる。 電話の部品で、「 iPod 」の裏をぴかぴかに磨く 現地での生産コストは大体1着当たり380円だ 研磨技術は日本にしかありません。こういうこと そうです。残りは原材料費、ユニクロの利益、 をやっている中小企業は強いわけです。つまり、 店の経営費用や宣伝費用等です。これが中国ビジ 上流は、グローバルマーケットの中でちょっと ネスの醍醐味なのです。日本で一生懸命やっても、 でもユニークなことをやればもうかるのです。 380円にかないませんので、中国と同じことをやっ 42 ■ 福島の進路 2010.4 講 演 てはいけません。今、売れている980円のジーンズ 醤油等を全国に流通させるため問屋が必要でした。 の布は中国製です。織機のボタンを日本人が押し ところが、今は、市場が成熟化しています。問屋 ても、中国人やベトナム人が押しても、同じよう を通していたら駄目なのです。良い製品を売る にできてしまうわけです。つまり、機械にできる ときには、量を狙うのではなく、売上はほどほど ビジネスはもうからないのです。日本の企業が に抑えて、利益を上げて安定的にやっていくビジ 加工に使う機械を海外に持っていけば、できて ネスが大切です。 しまうわけです。よほど新しい自分なりの工夫や 〇チャネル戦略 匠の技がない限り、厳しい。真ん中はもうかりま ぜひ考えていただきたいのが「チャネル」です。 せん。 ユニクロの成功を安売りだと思ってはいけません。 〇ビジネスモデルを磨く 流通チャネルを開拓したのです。小売店が競争 消費者にある種の価値を提供できれば下流は 相手と同じ問屋さんから商品を仕入れて、同じ もうかります。例えば「iPod」 「iPhone」は儲かっ ように商売をしたら、勝てるはずがありません。 ています。商売がうまいからです。今は、製品 フリースとか、その後大ヒットした「ヒートテッ さえ良ければ売れる時代ではありません。「黄金 ク」は両方とも東レ製ですが、ユニクロは「これ の三角形」である、製品ÉビジネスモデルÉブラ だけ全部買い取るからこの値段で売ってくれ」と ンドのバランスが良いのです。「iTunes」という 交渉したのです。もちろん、アジアを使って大量 ソフトでインターネットから音楽などを「 iPod」 に生産しますが、全部売り切る覚悟が必要です。 に落とせるので、非常に使いやすいのです。この ユニクロは、品ぞろえを絞り込んでいるので、 話を5年ぐらい前に中国でしたら、ある経営者が、 単品が1日10個は簡単に売れます。全国で1,000 中国は逆スマイルカーブだと言いました。中国で 店舗ですから、1日1万個売れます。1ヵ月に は、上流や下流にはインテルのようなグローバル すると30万個です。つまり、30万個をどんと売り に強い会社はありません。真ん中で、ひたすら 切る力があるのです。つまり、流通チャネルを 良いものを速く、安く、大量に作っていくところ 自分で開拓して、差別化しています。実は、イケア が儲かっています。かつての日本もそうでしたが、 もニトリも「〆張鶴」もそうなのです。いいものを 経済が変わっても20年前と同じようなところが 自分なりのチャネルでしっかり売ることによって たくさんあって苦しんでいます。ですから、地域 差別化できるのです。この時代にはチャネル戦略 の中小É中堅企業が生き残るには、真ん中から右 が非常に大きな鍵となります。 か左へ行くことを考えることです。すなわち、 〇物の価値を最大限にアップ ビジネスモデルを磨くのです。 〇安定経営 総合研究開発機構(NIRA)のホームページを インターネットでぜひご覧ください。無料で 成功している例を申し上げます。まずは日本酒 しめはりつる わ ごうえん レポートが見られます。千葉の和郷園の木内社長 の世界です。新潟の「〆張鶴」という酒は、年間 との対談があります。彼は農業を勉強して、農薬 で20億円しか売れません。問屋さんを通さないで や肥料を工夫していますが、一番のポイントは、 直接自分の取引のあるところに出しているからで 「良いものを作ったら、それを評価してくれる人 す。でも、売上高利益率は45%なのです。もっと にしっかり売ってもらうことです。 」 有名で売上げの大きいメーカーが数多くあります 良い野菜を、高額で販売してくれる高級スー が、あまりもうかっていません。中間マージンが パーに直接持ち込むのです。「見てください、この 多く利益率が低いのです。昔から、米É酒ÉみそÉ トマト。食べてください、このホウレンソウ。 福島の進路 2010.4 ■ 43 講 演 素晴らしいでしょう。もしよろしければ、これを 注文が来ます。一生懸命に品質の良いバネを安く シーズンに決まった数量を必ずお届けしますから、 作るのが日本の得意技でした。ところが、マー この値段で買ってください。このくらいの値段で ケットは完全に成熟しています。そこで東海バネ 売れます」とセールスします。但し、ここまでは は、10個以上は作らないと言ったのです。5個 誰でもできます。問題は、農業はそう簡単では サンプルを作ってくれと依頼されたら、「喜んで なく、約束通りの一定数量を押さえなければいけ やりましょう。ではこういう製品ですね。2週間 お て ん と う ません。しかし、ブランド野菜「OTENTO」が で納品しますから、5万円いただきます」と。 評価されても、採れ過ぎた分まで市場に出すと ただし、後で10万個とか50万個の注文が来たら、 値崩れするので、市場や農協へ出荷するのをやめ 「申し訳ないけど、うちは受けられません。でも、 ました。本業の生鮮野菜のブランドを維持しなが 責任を持ってしっかりした同業者を紹介します」 ら、採れ過ぎた分はカット野菜にしたり、冷凍 と対応します。5個で5万円を、4万5000円に 野菜にして売ります。一方、ヒット商品の冷凍 まけろとは言われません。でも、50万個のときは、 ホウレンソウは総量が不足するので、他の産地に 1円や50銭は安くなります。機械メーカーは試作 呼び掛けて大きなビジネスにしました。これも 品が必要であり、ほとんどがリピーターです。 チャネルなのです。つまり、既存の流通チャネル 電話で「去年作ったバネのサンプルをもう一回 で、同じように売ると厳しいのですが、新しい 作ってくれ」ときても、過去の設計図が全部コン 方向に変化しているのです。また、和郷園は農業 ピューターにあってすぐ作れます。同業者はゼロ を科学的にしました。傘下にある農家の畑を区画 から始めなければいけません。だから、同じバネ に切って、土のサンプルを定期的に調べます。 でも、ただ右から左に作るのではなく、お客さん 農薬やチッソÉリン酸Éカリなどのデータが全部 のニーズに合わせられるようにすれば、意味が あります。国内には、一個7,000円のマンゴーが あります。チャネルをうまくやりながら、お客 ありますが、6,000円分は暖房費です。そこで、 さんと共存していくのです。 和郷園は気温が下がらないタイの農家に交渉して、 〇農耕型ビジネスモデル 肥料や農薬を管理しながら、マンゴー「OTENTO」 最後に、多くの方の参考になるビジネスの姿を 、 を日本に輸出して400円で売っています。ですから 申し上げたいと思います。キーワードは「農耕型」 日本の農業一つを取っても、考え方を変えたら です。農耕型のビジネスに持ち込めれば勝負あり いくらでも成功できます。大事なことは、「自分 です。農耕型の反対は狩猟型です。日本では、 の持っている物の価値を最大限に高めて、消費 右肩上がりの時代に中小も大企業も狩猟型のビジ してもらうためにどうすればいいのか」を考える ネスが身に付いてしまいました。狩猟型ビジネス ことです。 とは、客をどう増やすかです。客を増やすために 〇お客様との共存 営業をしたり、値段を下げたり、一生懸命宣伝 製造業の例を申し上げます。大阪市の東海バネ します。これは、マーケットが成熟すると厳しい は、知らないでみると普通のバネ工場です。とこ のです。安売りに来る客は、他で安売りしたら ろが、10年以上も増収増益で伸びています。バネ 最初に逃げ出します。そんな客をいくら集めても は、戦後、高度経済成長の時代には典型的な中小 駄目です。重要なのは、今あなたと付き合って 企業の製品で、自動車や電機の部品メーカーから いる目の前のお客さんをどうやってこれからも 注文が来ました。まず、「5個ぐらいサンプル」 継続的により深く掘っていくかです、これが農耕 の注文が来て、検査を通れば10万個とか50万個の 型ビジネスです。例えば、九州にキューサイの 44 ■ 福島の進路 2010.4 講 演 長谷川社長がいます。 「うー、まず∼い。もう一杯」 にしたら、即座に「伊藤さん、それは商売の本質 という青汁の宣伝で一世を風靡した会社です。 だよ」と言いました。何が本質かというと、「味 すごいと思ったのは、青汁の売上が190億円あり、 には先味、中味、後味の三つある」。先味とは、 利益は60億円もあるのです。社長はケールの青汁 「これは良さそうÉおいしそうだな」というもの にめぐり合って二つの決断をしたそうです。一つ で、中味とは実際に「おいしいÉいい」、後味は は、順調な冷凍食品は落ちてもいいから、健康 食べ終わった後、また食べたいというものです。 食品をやるという決断です。もう一つは、販売員 間違いなく後味が一番重要です。ところが、多く のキューサイレディが1件ずつお客さまを開拓 の経営者は先味を良くしようとします。吉野家は するという決断です。理由を聞いたところ「冷凍 後味を重視しているのです。これは食べ物だけ 食品の市場は大きいけれど、差別化が難しく、 ではないのです。生命保険を解約したのですが、 利幅は狭い、競争相手が頑張ったらやられる。 すんなりいきませんでした。こういうのは、後味 しかし、健康食品は、お客さんが良いと思って が悪い会社です。もう一つ、リーマンショックが くれたら安定利益が得られる」「良い商品だから あって、米国の某大手銀行も大変だと思い、「解約 ドラッグストアならすぐ売れる自信がある。でも、 したい」と言ったら、理由は一切聞かず「分かり 売れるほど競合品が出て値段が下がるので、何の ました」とすぐ処理しました。ここが元気になっ ためにやったのか分からなくなる。それよりは、 たら、また取引したいと思いました。ですから、 まじめにお客さんを開拓する」とのことでした。 皆さんも商売の「後味」をどうするかをぜひ考え 朝晩で1日2杯、1週間だと7日で14杯、1年で てください。 、 約700杯なのです。10年飲めば寿命も伸びますから とにかく、狩猟民族になってアジアにでも出て もう7000杯で1万4000杯になりますね。1人の 行かない限り、国内の限られたマーケットを掘っ お客さんがずっと使ってくれるとそうなります。 ていくしかありません。しかし、そういう中で これを農耕型のビジネスモデルといいます。国内 しっかりやれば面白い。ある意味で経済は今、 が成熟したら、アジアに出てやるならいいのです 一番厳しいときかもしれませんが、その中で新し が、日本国内でやろうと思ったら、しっかり深掘 い方向に向かう変化が出てくるのだろうと思い りするために何ができるかと考えていけば、いろ ます。あまり悲観的にならないことです。私は いろなことができます。 楽観的です。これだけ悪いともうこれ以上悪くな 〇吉野家の経営哲学 りようがありません。あとは多分いい面も出て 今から10年ぐらい前に私は『吉野家の経済学』 くるだろうと思っています。ぜひ時代の潮の流れ (日経ビジネス人文庫)という本を書きました。 をよく見ていただきたいと思います。ご清聴あり 成功の要因を安部社長に聞いたら、 「うちは、お客 がとうございました。 さんを増やすなんてことは考えていない」と言う のです。そして、 「店で牛丼を食べているお客さん が、また2日か3日したら食べたいと思うために 【おことわり】 何をしたらいいか、そればっかり考えている」と 本稿は、平成22年2月17日に、財団法人福島 言っていました。一番のポイントは味です。味が 経済研究所、財団法人福島県産業振興センターの 濃厚でおいしくなる日本酒を1滴も使わず、醤油 共催により開催された定期講演会の要旨を当研究 と同量の白ワインを入れて煮ています。あっさり 所の文責でまとめたものです。 感を出すためです。この話を、伊勢の赤福の会長 福島の進路 2010.4 ■ 45 私の研究 「私の研究」連載に当たって 日本大学工学部長 出 村 克 宣 最近、地球環境問題が様々な分野で話題になっており、工学分野からも地球環境問題の解決に むけて積極的にアプローチする必要があると考え、日本大学工学部では、「LOHAS:ロハス」を キーワードとして、教育・研究活動にチャレンジしている。LOHAS とは、アメリカの社会学者と 心理学者が、“Lifestyles of health and sustainability”という価値観を持って生活している 人々が増えていることを報告し、その頭文字をとって、ビジネス用語として生まれたといわれる。 直訳すれば、「健康と持続可能性の暮らし方」となるが、「心とからだ、そして、地球にやさしい 暮らし方」と解釈することができ、本学部ではそのような暮らし方に役立つ「ロハスの工学」を 実現する教育・研究活動に取り組み、その活動と教育環境を持つ「ロハスな工学部」を目標と している。 日本大学工学部には、土木工学科、建築学科、機械工学科、電気電子工学科、生命応用化学科 及び情報工学科の6学科があり、それぞれの学科において研究室単位、グループ単位での様々な 研究が行われている。又、研究を統括・支援する部署として工学研究所があり、その研究施設 として次世代工学技術センター(NEWCAT)及び環境保全・共生共同研究センターが整備されて いる。 下表は、日本大学工学部での研究テーマをロハスというキーワードで整理したものである。 「私の研究」の連載にあたっては、これらのテーマに関連するいくつかの研究を紹介し、日本大学 工学部での研究成果が地域社会の活性化の一助となることを願うものである。 専門学科における「ロハスの工学」の Keywords 学 科 名 Keywords(例) 土 木 工 学 科 水質保全/汚染物質除去/汚泥利用/河川水中リン除去/その他 建 科 長寿命住宅/高齢者対応建築/高性能遮音構造/健康・長寿命・再生・高断熱建材/雨水 再資源化/その他 機 械 工 学 科 太陽熱採集利用システム/風雨水力太陽小型発電機/温熱蓄熱機/環境制御ロボット/ヘルス マシン/地中熱採集利用システム/環境機械/その他 電気電子工学科 燃料電池/電気自動車/水素製造/マイクロバイオセンサー/生体電子計測器/医療電子 計測器/その他 生命応用化学科 水中リン酸/窒素化合物除去剤/バイオマス利用技術/燃料電池用ガスの発生/堆肥利用 有用酵素/バイオマテリアル/その他 情 報 工 学 科 環境計測シミュレーション/分散型電源ネットワーク/地理情報/家庭用燃料電池システム/ 生産システム設計/医療診断支援システム/その他 築 学 「ロハスの工学」に関する研究と教育の Keywords 健康な生活スタイル/持続可能な生活スタイル/再生エネルギー/再生材料/エネルギー資源枯渇/鉱物資源 枯渇/環境汚染/食料危機/地球温暖化/人口急増 46 ■ 福島の進路 2010.4 私の研究 I I I I I II II III II I rc h I I II II I a se IIIII I I I I I I II I I I I I I Re I I II I IIII II II I I I I II I II 親水施設を有する雨水ろ過 長期保水システムの開発 ■ 出村 克宣(でむらかつのり) 日本大学工学部建築学科 教授É工学博士 −システム開発の背景− 本システムである。この公園整備については、 日本大学工学部では、平成15年4月に ISO 14001 平成16年の第20回都市公園コンクールにおいて、 を取得した。その取得にあたって取り組んだ環境 国土交通大臣賞を受賞しており、現在、工学部が 整備の一環として、正門を入った西側に緑豊かな 推進している「ロハスの工学」に関わる研究の 広場を整備したのが「心静緑感広場」である。 初期の成果でもある。 広場の一角には旧職員宿舎があり、従来、その なお、本システムの開発は、文部科学省ハイテ 周辺は多くの植物が生い茂る杉林であったため、 クÉリサーチÉセンター整備事業によって整備し 旧職員宿舎には「森の家」という愛称が付いて た「次世代工学技術研究センター」の第二プロ いた。そのようなエリアを学生が憩える広場と ジェクトにおいて筆者が担当した「環境調和型機 して整備するに当って、「親水施設を有する雨水 能性材料及びシステムの開発」の一貫として行っ ろ過長期保水システム」を開発した。「心静緑感 たものである。 広場」とは、広場の整備に伴って学内で募集した −雨水ろ過長期保水システムの概要− 愛称であり、学生の命名による。筆者は、 「心静か 雨水は、地球上の水、特に海洋水の蒸発によって に緑を感じる広場」がその語源であろうと推察し 発生した水資源がその起源であり、空気中の汚染 ているが、春には、鶯の声も聞こえ、週末には、 物質を搬送するものであるが、雨の降り始めを 工学部周辺の市民が子供連れで散歩している光景 除けば、きれいな蒸留水と見なすことができる。 も見うけられ、広場の名称どおりの環境を提供し そのようなきれいな水を有効利用することを目的 ている。 に本システムの開発を行った。従来から、雨水を そこで、緑の中に、親水施設を設け、更に、雨水 中水として利用する概念があり、最近では、オフィ ろ過長期保水システムを整備することによって、 スビルのトイレ用水、散水用水などに雨水を利用 非常災害時の水の確保という付帯的効果も付加し するための機器やシステムが開発されている。 て、広場や公園整備の新しい手法を提言したのが しかしながら、そのような施設において、雨水の 福島の進路 2010.4 ■ 47 私の研究 水質を維持しながら長期間にわたって貯留する 概念はあまり考慮されていない。そこで、水質を 維持しながら、雨水を大量に長期間にわたって 貯留するための、水循環による浄化システムを 開発することを目的に、研究É開発を行った。 本システムは、図1及び図2に示す通り、次の ような施設で構成されている。 図1 雨水ろ過長期保水システムの概念図 1 施設構成:①原水槽、②貯留水槽(貯水量: ò 130Á) 、ろ過層及び上部芝植栽による雨水浄化シス テム、③ろ過層を基盤として芝を植栽した集水 緑地帯で囲まれる親水池 2 付属施設:①貯留 ò 水槽水量管理システム及び管理データの自動配信 システム、②散水装置、③水循環装置 3 その ò 他:周辺施設の屋根からも集水し、一部の屋根は コケを用いて緑化されている。又、電源は校内の 太陽光及び風力発電施設から供給される。 図2 心静緑感広場に整備したシステム 雨水は、集水緑地帯からろ過槽内に流下した後、 又、屋根から集水された雨水は、原水槽で沈殿 ろ過された後、貯留水槽上部のろ過槽内に散水 されて、貯留水槽に流下する。貯留水槽内の雨水 は、常時くみ上げられ、ろ過層内を循環し、貯留 水槽上部より流下する循環サイクルを繰り返す ことによって、次のような原理で水質維持が図ら れている。 つまり、ろ過層内に成長している芝生(の根)が 写真1 集水緑地帯で囲まれた親水池 窒素やりんなどの栄養塩類を除去し、そこに生息 している微生物による生物浄化も行われる。又、 貯留水槽内においては、底部に敷き詰められた 水質浄化用ポーラスコンクリートブロック及び 機能性接触材層を通過することによって、水質 浄化される。さらに、屋上緑化された屋根は、 降雨時の雨水の一次ろ過機能を有している。シス テムの概要を写真1から写真4に、貯留水槽内の 水の水質検査結果を表1に示す。 48 ■ 福島の進路 2010.4 写真2 貯留水槽上部の芝生帯 私の研究 施工時の芝生 写真3 施工1年後の芝生 貯留水槽上部の芝生の生育状況 表1 検査項目 一般細菌(個/Ç) 大腸菌郡数(MPN /100Ç) 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(㎎/ L) Fe(㎎/ L) Cl−(㎎/ L) カルシウム、マグネシウム等(㎎/ L) 有機物等(㎎/ L) pH(at 25℃) 臭度 色度(度) 濁度(度) 蒸発残留物(㎎/ L) 11/17** 3 0 0.67 0.05 7.5 140 8.2 7.8 無臭 3 0.1 200 写真4 貯留水槽内部 貯留水槽内の水の水質検査結果 1/17*** 1 0 1.2 0.02 7.9 110 1 8 無臭 2 0.1 170 採 3/15 2 0 1.1 0.05 7.4 100 4.9 8 無臭 2 1 150 取 日 5/13 4 0 0.55 ≦ 0.05* 8.8 110 5 7.8 無臭 2 ≦ 0.1* 170 7/15 5 0 0.55 ≦ 0.05* 15 180 7.5 7.8 無臭 3 ≦ 0.1* 260 9/16 8 0 0.58 ≦ 0.05* 9 170 9.8 7.6 無臭 4 ≦ 0.1* 240 水質基準値 ≦ 100 0 ≦ 10 ≦ 0.3 ≦ 200 ≦ 300 ≦ 10 5.8∼8.6 無臭 ≦ 5 ≦ 2 ≦ 500 注)*:検出限界、**:2004、***:2005 −システムの特徴と応用− ギーを冷暖房に直接利用できる。⑤水質維持の 本システムの特徴と応用の可能性を挙げれば次 ための循環水量はわずかで(少量の水を循環させ のようである。①良好な水質の水を長期にわたっ ることが良質な水質維持につながる)、省電力に て貯留することができるため、貯留水は、通常時 よる運転が可能なため、小型風力発電や太陽光 においては、トイレ用、散水用などの中水として 発電で電力供給ができる。 利用でき、非常災害時においては、防火用水、 −システムの基本技術と応用− 生活用水などに利用できる。②貯留水槽上部に 前述した環境調和型機能性材料及びシステムの ろ過層を有し、その上には芝生を植栽している 開発において、このシステムの基礎となる基本 ため、歩行はもちろんのこと運動も可能であり、 技術の研究が行われている。その研究は、「水質 公園施設やグラウンドとしても利用できる。③本 浄化用ポーラスコンクリートブロックの開発」で システムを公園や学校施設に整備することによっ あり、ポーラスコンクリートブロックを用いて、 て、水源が分散されるため、非常災害時の水の 水の浄化を行うというものである。 確保が容易になる。④貯留水を「水」という物質 ポーラスコンクリートとは、写真5に示す「雷 として扱うばかりでなく、貯留水の持つエネル おこし」のようなコンクリートで、このブロック 福島の進路 2010.4 ■ 49 私の研究 写真5 水質浄化用ポーラスコンクリート 写真6 工学部内防火水槽での実験 を水中に設置することによって、ブロックの表面 に近い箇所には好気性菌、その中心に近い箇所に は嫌気性菌が生息することによって水質浄化機能 を発揮するものである。 水質浄化用ポーラスコンクリートブロックの 性能を確認する実験を郡山市内麓山公園、工学部 内防火水槽(写真6)、本宮市内の防火用水池 (写真7)などで実施し、その成果が本システム の基本技術となっている。 写真7 本宮市内の防火用水池での実験 写真8 芝生の下に500Áの雨水貯留槽を 設置した新教室棟 なお、写真8に示す、日本大学工学部の設立60 周年を記念して建設した新教室棟(70号館)に同様 のシステムを導入して、雨水をトイレの洗浄水と して利用しており、その実用性が確認されている。 −おわりに− 日本の名水といわれる水は、山に降り注いだ雨 が長い年月を経て、地中を通過しながら浄化され、 その間にミネラルを含むなどして湧きだしたもの であり、水は長い距離を移動している。本シス テムでは、そのような長い距離の水の移動を水の ポリス推進機構及び福島県産業振興センター、 循環によって可能にして、良質な水質を維持して 郡山市並びに本宮市から様々なご協力É助成を いる。本システムの開発が、天然資源としての いただいた。又、水質浄化用ポーラスコンクリート 雨水の有効活用の一助になることを期待したい。 ブロックは、岩城ブロック工業株式会社(いわき 最後に、水質浄化用ポーラスコンクリートブロッ 市)との共同開発による。ここに記して、関係 ク及び本システムの開発には、郡山地域テクノ 50 ■ 福島の進路 2010.4 各位に謝意を申し上げる。 美を訪ねて ピエール=オーギュスト・ルノワール 《花のついた帽子の女》 油彩カンヴァス 30.6×25.5㎝ 1917年頃 福島県立美術館蔵 ■ 酒井 哲朗(さかい てつを) 福島県立美術館長 福島市 松方コレクション (ロックフェラーÉセンター)で壁画を描くなど、 標題のルノワールの作品は、もと「松方コレク 当時華々しく活躍していた。また、ウィリアムÉ ション」に属したものである。「松方コレクション」 モリスの工房で職人として働いた後、画家になった といえば、国立西洋美術館のコレクションの基礎 という経歴のブラングィンは、アーツÉアンドÉ をなすものとして知られている。「松方コレク クラフトやアールÉヌーボー、アールÉデコなど ション」は、川崎造船所の初代社長松方幸次郎が、 この時代の装飾芸術運動を背景に、建築装飾、 1910年代後半から20年代にヨーロッパで収集した 家具、陶器、版画や挿絵など、多彩な制作活動を 西洋美術のコレクションであり、第二次大戦中 展開した。 フランス政府に押収されていたが、それが返還 されて1959年に国立西洋美術館が設立された。 西洋美術史のコンテキストのなかでは忘れられた 画家といえるが、ブラングィンは日本の装飾芸術 松方のコレクションには、ベルギー生まれの に格別の関心をもち、日本の木版画の刷り師漆原 英国人画家フランクÉブラングィンが相談役とし 木虫と協同制作をしたり、夏目漱石が小説『それ て深くかかわっており、2009年に創立50周年を から』のなかでブラングィンの作品に言及する 迎えた国立西洋美術館は、『福島の進路』4月号 など、日本人には比較的なじみ深い画家である。 が発行されるこの時点(2010年2月23日から5月 松方幸次郎(図1)は、明治時代に2度首相を 30日まで)で、記念事業として、「フランクÉ つとめた松方正義を父にもち、川崎造船所(のち ブラングィン」展を開いている。 川崎重工)を創業した。第一次大戦後の特需に 松方が信頼したブラングィンは、英国ロイヤ 備え、1916年にアメリカを経てロンドンに渡った ルÉアカデミーで現存作家としてはじめてといわ が、この年ブラングィンに出会い、本格的に美術品 れる個展を開き、ヨーロッパやカナダ、アメリカ 蒐集をはじめた。松方のコレクションは、数百点 福島の進路 2010.4 ■ 51 美を訪ねて にのぼるブラングィンの作品を含め、絵画、彫刻、 幸福の画家 工芸作品は2000点をこえていたといわれる。松方 19世紀以来の西洋の画家を思い浮かべる時、 とブラングィンは、ブラングィンの設計による ピエール=オーギュストÉルノワールほど生の 「共楽美術館」という美術館建設の夢を描いたが、 喜びを堪能させてくれる画家はいないだろう。 実現しなかった。 芸術生活60年の間に描かれた作品は6000点に及ぶ 松方コレクションは、関東大震災や世界恐慌 といわれ、ピカソに次ぐ多作の画家である。それ など次々と襲う川崎造船所の経営危機を乗り切る らの作品は、ヨーロッパ、アメリカ、日本など ため、度々売り立てにかけられた。また、ロンドン 世界中に広く分布し、もっとも好感度の高い画家 の倉庫(パンテクニカン)に預けていた作品は焼失 だといえよう。日本でも圧倒的に人気は高く、 した。1924年から美術品などの贅沢品の日本輸入 多くの作品が将来され、明治44年(1911)雑誌 には、100パーセントの関税がかかることになり、 『白樺』のルノワール特集号以来今日まで、美術 多くの作品は収集したまま外地に残されていた。 雑誌におけるルノワール特集は絶えることはなく、 パリに残されていたロダンの彫刻や西洋絵画は、 梅原龍三郎や山下新太郎、中村彜ら影響を受けた 第二次大戦の時に敵国資産としてフランス政府に 画家も多い。ルノワールという名の喫茶店は100 没収された。これらの作品は、ロダン美術館、の 店をこえるというが、美術に無関心な人々にも ち国立近代美術館に保管されていたが、1959年に その名が知られている。 371点が返還され、この「松方コレクション」を 基に国立西洋美術館が創設されたのである。 図1 52 ■ 福島の進路 2010.4 ブラングィン ルノワールは、リモージュの仕立て職人の子 とし生まれ、3歳の時パリに出て、13歳の時から 松方幸次郎の肖像 美を訪ねて 陶磁器の絵付け職人として働いた。ロココ調の ナダールの旧アトリエで第1回印象派展を開いた。 花模様や人物や風景を描く技術を修得し、一方、 この展覧会は、 「画家、彫刻家、版画家による合同 ルーヴル美術館で、ルーベンスやフラゴナール、 出資会社」主催によるもので、結果は大赤字と ブーシェらの絵画を模写して技術を磨いた。1862 なり、ルノワールはシスレーとともに精算人代表 年21歳の時、スイス人の画家シャルルÉグレール となり、後始末に追われた。 に師事し、美術学校(エコールÉデÉボザール) 第2回展(1876)からはデュランÉリュエル画廊 に入学して本格的に画家への道を歩みはじめた。 で開かれ、ルノワールは、第2回展、第3回展 グレールの画塾でモネやシスレー、バジールらと (1877)に出品したが、第4回展(1879)からは 出品していない。第7回展(1882)に25点の作品を 出会う。 彼らは聖書や神話や歴史を主題とするアカデ 出品しているが、これは画商デュランÉリュエル ミックな絵画の伝統を否定して、戸外の陽光の の在庫品によるものだった。8回開かれた印象派 もとで、あるがままの自然や人間を対象として 展のうち、ルノワールが出品したのは4回である。 描いた。明暗を基調とする現実再現の写実的表現 ルノワールは芸術運動そのものに関心をもった に対して、光の反射や大気の振動など目に見える のではなく、彼の新しい絵画を発表する場所と 現象(印象)をそのまま表現しようとし、その 理解者を求めていたといえるだろう。ピサロや 結果、色彩そのもの美しさや輝き、すなわちヴァ ドガのような政治意識には違和感をもっていた ルールと呼ばれる色彩の価値を主張した。 ようである。1879年秋のサロンに《シャルパン 新しい芸術を求めた彼らは、カフェÉゲルボア ティエ夫人と子供たち》(図2)を出品し、好評 で芸術論を戦わせ、文化省に落選画展を要求した を博した。この作品は、1905年にニューヨークの が、1874年サロンに反旗を翻して結集し、写真家 メトロポリタン美術館が、オークションで当時 図2 シャルパンティエ夫人と子供たち 福島の進路 2010.4 ■ 53 美を訪ねて 印象派絵画として最高額の84,000フランで入手し、 にした女性像は、豊潤な生命感情が充溢する比類 ルノワールはこの年南仏のカーニュの「ルÉコ のない表現世界である。そこには生の不安や社会 レット」に別荘を建てた。サロンの名誉総裁に の¿藤など人間生活のネガティヴな痕跡は影もと 選ばれたのもこの年である。 どめず、ひたすら生の喜びが謳歌されている。 ルノワールは、サロンに同調したのではなく、 サロンを征服したといえるだろう。ルノワールは、 花のついた帽子の女 18世紀のルーベンスやフラゴナール、19世紀の 標題の作品(図4)は、1934(昭和9)年2月 クールベ、ドラクロワ、アングルらフランス絵画 に開催された「松方氏蒐集奥州絵画展覧会」に の先人たちを敬愛し、職人たちの手仕事の伝統を 出品され、その目録(図5)の扉絵として唯一色 信じた。ルノワールは、伝統の破壊者ではなく、 刷りで掲載された作品である。画面右上にルノ 革新者であった。 ワールのサインがあるが、年記はない。バラの花 印象派絵画の代表作というべき《ムーランÉ のついた帽子をかぶった若い女の左上半身が描か ドÉラÉギャレット》 (ルーヴル美術館蔵É図3) れており、同じモデルによる作品《花のついた のような都会風俗、《シャルパンティエ夫人と子供 帽子の女》(1917É図6)がブリジストン美術館 たち》のような知人の肖像、自身の子供たち、 に所蔵されている。ブリジストン美術館の作品の ショケやデュランÉリュエル、ヴォラールらの 方が大きく、同じ帽子をかぶった女性が赤い服を 友人、花や風景など身近な現実を題材に、光と 着て、テーブルの上の左腕に右腕をのせたポーズ 色彩に満ちたまったく新しい絵画を創造した。妻 で、背景にバラの花が描かれている。 アリーヌÉシャルゴやアリーヌの従妹で息子の また、所蔵者は不明であるが、同じ頃《青の 乳母ガブリエルÉレナードら身辺の人物をモデル アンドレ》という、同じモデルで、帽子や腕の 図3 54 ■ 福島の進路 2010.4 ムーランÉドÉラÉギャレット 美を訪ねて 位置など細部が少しちがうだけの類似の作品が また、ブリジストン美術館の作品から、ほぼ同じ 制作されており、したがって、標題の作品は、 1917年頃描かれたルノワールの最晩年の作品で 「アンドレ」というモデルであることがわかる。 図4 花のついた帽子の女 あることが推定される。 福島県立美術館蔵 図6 花のついた帽子の女 図5 展覧会図録 ブリジストン美術館蔵 福島の進路 2010.4 ■ 55 美を訪ねて アンドレ=マドレーヌÉウシュラン(通称デデ) 「松葉杖にひっかかったぼろ切れ」と自身を形容 は、ガブリエルがアメリカ人画家と結婚してルノ したが、1910年のミュンヘン旅行を最後に歩行 ワール家を去った翌年の1915年、マチスの紹介に 困難となり、車椅子の生活となった(図7)。 よって、ルノワールのモデルになった。アンドレ 1914年第一次大戦がはじまり、ドイツがフランス は、ルノワールの二男ジャンと結婚するが、ジャン に宣戦布告。ルノワールの息子ピエールとジャン によれば、「映画狂い」のデデをスターにするため が戦地に赴き、ふたりとも負傷した。翌年ジャン にジャンが映画監督になったという。カトリーヌÉ が再び大腿部を銃弾により負傷、ルノワールは ヘスリングという芸名で無声映画時代のジャンの 絵筆もとれないほど心配し、動けないルノアール 作品の主演女優をつとめたが、のち離婚した。 に代わって妻のアリーヌがジャンの看病に行った アンドレがカーニュに来た頃、ルノワールは 失意のどん底にいた。1888年(47歳)頃初期症状 が、その帰りにニースで死去した。ちょうどその 時、アンドレがカーニュに来た。 が現れたリューマチが、加齢とともにに悪化し、 ルノワールは、若い女性の精気を得て再び蘇っ ルノワールは、発作や体の麻痺に苦しみ、関節は た。アンドレをモデルにした一連の作品はその証 変形して絵筆を手にしばりつけて絵を描かねば である。標題の作品は、薄い絵具をゆるやかな ならない状態になった。1904年にデュランÉリュ 筆触を重ねて人体のボリュームを表し、花をあし エルに宛てて、骨と皮がくっついてしまうほど らった帽子によって、滅び行く自身の肉体の対極 痩せて、体重が44キロになったと書き送っている。 にある、若々しい生の歓喜を表現している。しか し、そこには物理的な意味ではなく、一種精神的 な透明感が漂っているように思える。1918年11月 に休戦条約が締結されて平和が訪れたが、ルノ ワールはこれに刺激され大作《浴女たち》(オル セー美術館蔵)を制作したが、これが最後の輝き となり、1919年78歳で他界した。 ルノワールは、1910年に若い画家アルベールÉ アンドレへの次のようにいっている。「最後に なっても夢、そして時に喜びを与えてくれる幸福 な絵画よ」。「僕にとって、絵画は…好ましく、 楽しく、愛らしく…そう、愛らしいものなんだ。 僕たちの人生には醜いものは十分あるから、絵画 にまで持ち込まなくていい」。松方コレクション を通じて伝来した、この愛らしい小品は、人間の 可能性の限界に成立した、魂の絵画というべき 図7 56 ■ ルノワールとアンドレ 福島の進路 2010.4 ものである。 福島の祭り æD Bñ 福田諏訪神社の祭りと十二神楽 ■ 懸田 弘訓(かけた ひろのり) 元福島県立博物館学芸課長 二本松市 諏訪神社の縁起と神楽の由来 相馬郡新地町は太平洋に面した浜通り地方の 北端にあり、宮城県に接している。 「新地」の地名 の分霊を勧請した。氏子は大字福田のうち中里、 明地、大山田、鉄砲町、沢口の5つの集落で、 戸数は約180戸である。 は戦国時代からみられ、天文12年(1543)から 当社には宮城県の法印神楽の流れをくむ神楽が 相馬氏の領地になり、永禄7年(1564)には要害 伝来していて、地元では「十二神楽」、他地区で を築くなどしたが伊達氏との攻防が繰り返され、 は地名を付して「福田の十二神楽」と呼んでいる。 天正17年(1589)以降は伊達氏の領地になった。 なお、平成5年に福島県が重要無形民俗文化財に 戊辰戦争後は南部藩、まもなく仙台藩に属し、 指定するにあたっては、「相馬福田の十二神楽」 明治4年(1871)に白石県、さらに角田県、仙台 とした。 県、宮城県を経て、同9年に磐前県になり、すぐ この神楽は慶応年間(1865∼68)に、宮城県伊 に福島県に属した。支配が目まぐるしく変わった 具郡丸森町竹谷から2名を招いて、福田字沼ノ沢 地で、それだけに今なお宮城県との交流も盛んで の荒井家で習い受けたことに始まるという。当社 ある。 には歴代の神楽師の記録が残されてあり、この 諏訪神社は,福田字諏訪に鎮座している。同社 ときに習った初代は草刈鹿之助É林佐助É渡辺 は縁起によると、南北朝時代に活躍した結城氏の 九十九É荒井巳衛治É林留之助É横山久太郎É 家臣黒木氏が宇多郷(現在の相馬市一帯)を治め 佐藤久三郎É荒勘七É斎藤金吉の9名であった。 ていて、その一族を福田の古館に置き、興国4年 なお、その後、丸森町上滝から指導を受けたこと (1343)に氏神として勧請したという。その後、 もあるようで、その影響が指摘されている。現在 前述のように支配は変わったが、当地方の鎮守と の神楽師は21代目にあたる。 して信仰されてきた。 なお、平成8年に社殿を改築した折、改めて 諏訪神社の本社である信州(長野県)の諏訪大社 祭りの次第 祭日は、かつて春祭りは旧暦3月27日、秋祭り 福島の進路 2010.4 ■ 57 福島の祭り は同7月27日であった。27日は諏訪神社の縁日で ある。現在はそれぞれ新暦5月3日と同11月3日 になり、十二神楽は春秋ともに行われる。 春祭りには「夜籠り」ともいっている宵祭りに、 思われる。秋祭りには社殿で舞った。 神楽殿は昭和16年に、社殿に向かって左の現在 地に建立され、それ以後はここで舞うようになった。 当時の神楽殿は間口2間半(4.5㍍)、奥行2間 午後7時から社殿で祭典があり、続いて同7時半 (3.6㍍)の瓦葺きであった。現在の神楽殿は平成 ころから神楽殿で「幣束舞」 「四方固め舞」「恵比 19年に全面改築したもので、間口、奥行ともに3 須舞」「毘沙門舞」 「獅子舞」を舞う。 間(5.4㍍)のトタン葺きで、やや大きくなり、 本祭りは午前10時からやはり社殿で祭典があり、 み こ しと ぎ ょ 舞台は地面から1㍍の高さに設けてある。舞台の 同10時半から神輿 渡御 になる。神楽師はそれに 裏には間口2間(3.6㍍) 、奥行き1間半(2.7㍍) 供奉して囃子を奏する。お旅所は中里と沢口の の楽屋が併設されている。 各公会堂の2ヵ所で、ここで神楽は祭式のあと、 舞にあたっては神楽殿の周囲だけでなく、舞台 宵祭りと同様に舞う。午後2時半ころに神輿は の角から角に十字に注連縄を張る。これは法印 神社に戻り、神輿は社殿の西隣に神楽殿を向けて 神楽の習わしである。舞台正面奥には獅子頭を 安置する。これより神楽殿で全座を舞う。 納めてある箱を置き、その上に獅子頭と塩、幣束 とりもの し も て 秋祭りも宵祭りは春と同様で、本祭りには午前 などの採物 をのせる。舞台の下手 に神職と氏子 11時からの祭典に続いて、同11時半ころからやは 総代、上手に囃子方が縦1列に、向かい合うよう り神楽殿で全座を舞う。 に坐る。舞方は上手から出入りする。 か み て 当初、神楽殿はなく、春祭りに神社で神楽は し め な わ 舞わずに、神輿が浜まで下り、注連縄をまわして 十二神楽 その中で全座を演じた。これが明治28、9年ころ 演目は「十二神楽」の名のとおり12座あるが、 から集落の東端にあたる中里の水神河原といって 第1座と第2座、第3座と第4座は続けて舞うの おおぬさ いる広場になった。ここでは大麻を三瀧川の水に で、10座に区分される。全座を演じるときは、次 浸し、これで参列者を祓った。この神事は注目 の順である。 すべきもので、かつて浜下りを行っていた名残と おうぎみこ 第1座「巫女舞」−「扇神子舞」ともいっている。 巫女1名が素面で、右手に扇子、左手に鈴を持っ て出る。顔を伏せて、採物を前で交差させるよう にしながら四方を巡る。 第2座「明神舞」−前座に続いて舞う。狐1名 が加わり、巫女と向きあい、後ろにまわり、巫女 の裾にもぐるなどしながら、道化風に舞う。神 招きの舞という。 まいかた 第3座「幣束舞」−舞方1名が黒面をつけ、腰 神輿渡御 58 ■ 福島の進路 2010.4 に太刀を差し、右手に幣束、左手に鈴を持って 福島の祭り とりもの 出る。採物を交互に振りながら舞う。 する。ここに黒面をつけた春日明神が器を持って 第4座「四方固めの舞」−これも前座に続いて 出て、豆を撒いて鬼を退散させようとするが、鬼 舞う。舞方は祭壇に鈴を置き、太刀をとって十字 はその豆を食べるなどして、さらに邪魔をする。 に張った注連を切る。続いて、幣束を1本ずつ そこで春日明神は太刀を抜いて追い払う。悪霊の とって四方に置いていく。さらに太刀を四方で 化身である鬼を、春日明神が退散させる舞という。 大きく左右に振る。神座を清め、災いを除く舞と 第9座「二本剣舞」−「片剣舞」とも「天狗舞」 ともいっている。「天狗」の面をつけた猿田彦が いう。 第5座「恵比須舞」−舞方1名が赤い恵比須面 剣を持って出て、四方を祓う。次に太刀を両手に をつけ、釣り竿につけた鮒を左にかかえて出る。 持って、同様に四方を祓う。災いを除き、福を 体を大きく振りながら四方を巡る。その後、鯛を 招く舞という。 離して釣り上げ、その喜びを舞う。「恵比須の鯛 第10座「三本剣舞」−舞方3名が素面で、腰に 釣り」といわれるように、一般的には鯛であるが、 太刀を差して出る。これよりいずれも右手に太刀、 ここでは鮒である。福を招く舞という。 左手に3名のうち中のひとりは鈴、左右の2名は 第6座「毘沙門舞」−「剣舞」ともいう。舞方 幣束を持って、四方を巡って舞う。次に、鈴と 2名が素面で、剣を右手に持って出る。左右に体 幣束を正面に置き、後見が手伝って両襷をかけ、 を振りながら、四方を巡って舞う。悪霊を退散さ それぞれ自分の太刀を右手に、左の舞方の持つ せ、福を招く舞という。 太刀の先を和紙で包んで持って輪になって立つ。 こうけん たすき 第7座「種蒔き舞」−舞方1名が黒面をつけ、 これよりひとりずつ順に、向かいの舞方2名が 種を入れた器(面を用いている)を持って出る。 持つ太刀の下をくぐっては戻る。祓い清め、福を 四方に種を蒔くしぐさをしながら舞う。五穀豊穣 招く舞という。 を祈る舞という。 第8座「春日舞」−舞方1名が老女の面をつけ、 第11座「八幡舞」−鳥兜を被った舞方2名が 素面で、矢を腰に差し、弓を持って出る。舞なが 杖をつきながら出て、四方を巡って舞う。ここに ら弓に矢をつがえ、五方に放つ。悪霊や災いを 赤鬼と青鬼が現れ、老女から杖を奪うなど悪戯を 祓う舞という。 第8座「春日舞」 第10座「三本剣舞」 福島の進路 2010.4 ■ 59 福島の祭り かしら 第12座「獅子舞」−獅子幕に2名が入り、頭 例年の練習は春秋の祭礼前に約1ヵ月、かつ 被りは右手に鈴、左手に幣束を持って、四方を てはやはり神楽師宅で、現在は社務所で、午後7 巡って舞う。ここに「神楽だまし」ともいって 時から同9時まで行っている。ここには前代の いる「ひょっとこ」が黒面をつけ、右手に鈴、 神楽師も全員立ち会う。 左手に幣束を持って出る。獅子に悪戯をしながら なお、練習を神楽師宅で行っていた当時、宵 眠りに誘い、眠ると白布を口にくわえさせる。 祭りにはここで身支度を整え、揃って神社に向 やがてひょっとこは扇子で獅子をたたくなどの かった。本祭りの夜には、神楽師宅持ち回りで、 悪戯をし、さらに口に加えていた白布を取る。 カサコソといって前代も招待して直会を行った。 すると獅子は目を覚まし、怒ってひょっとこを 追いかける。最後は仲よく舞って納める。 。 囃子方は笛1名、大太鼓1名、小太鼓2名である みどころ この神楽は修験者が演じた法印神楽の流れを 舞方を神楽師といい、これには福田地区に住む くむ。ことに「三人剣舞」は、修験者ならではの 氏子の小学2年から中学1年までの長男12名が 霊力を示す舞の一つである。これは県内では福島 あたる。囃子方は舞方が兼ねる。7年間を1代と 市松川町、安達郡の一部、東白川郡棚倉町などに して交代する。任期の最後の年の12月から3月 も伝えられている。しかし、このように全座が までは「百日道場」といって、神楽師は次の代に 法印神楽系というのは、県内では当社だけである。 100日間かけて伝授し、5月に交代する。練習は それだけに成人男子が舞うことが多いが、当地 夜で、かつては神楽師の中の養蚕室や納屋のある では当初から少年で、これは大変珍しい。 家を巡って行ったが、平成5年からは社務所を 獅子舞に道化のひょっとこが出て獅子に悪戯を 用いている。なお、前代の神楽師は全員「神楽 するのは、獅子神楽の中でも大神楽の典型的な 取締」として、引き続き7年間次代の神楽師の 所作で、その影響もあるかと思われる。大神楽は 世話にあたり、その後の7年間は祭典取締、さら 県内では中通り地方と会津地方に広まっていて、 に7年間は氏子総代をつとめる習わしになって 当社の舞とわずかながら類似点がある。 いる。みごとな規約である。 なお、新地町に十二神楽は福田のほかに駒ヶ嶺、 今泉、杉目、釣師の合わせて5地区に伝承されて いた。このうち駒ヶ嶺の神楽は、明治6年ごろに 福田の初代の神楽師のひとりが、駒ヶ嶺に婿養子 に行って伝えたものという。そのために初代の 中ごろか、2代目から神楽師は長男に限るように なったと伝えている。これは他に伝授すると神楽 の霊力が二分されて弱まると信じられているため で、このような伝えは他でも聞かれる。 第12座「獅子舞」 60 ■ 福島の進路 2010.4 企業法務セミナー 借地契約終了時の建物買取請求権 ■ 渡辺 健寿(わたなべ けんじゅ) 渡辺健寿法律事務所 弁護士 ÐÍAA INOÉnå©çØn_ñúÔðB @NƵÄynðØèA»±É©Ð 質 XÜðzµÆïÌÆðcñūܵ½B±ÌXÜÌãªLÑÈ¢ÌÅÂX ·é±ÆƵANÌúÔ¹_ðàÁÄØn_ñðI¹³¹½¢Æl¦Ä ¢Ü·BØn_ñãÍAu_ñI¹ÉÍynðXnɵÄÔÒ·évÆ 問 èßçêÄ¢éÌÅ·ªAXܨÍܾ\ªÉgpÅ«éàÌÅ·µAæè ó·ÆÈêÎÐƵÄÌïpðKvÆ·é±ÆÉÈèÜ·BÐÆµÄ ½©Ç¢ÎôÍȢŵ天B 1 建物買取請求権とは により、借地人が建物を建築するために支出した 借地契約(土地賃貸借契約)が終了した場合、 資金を回収できるように、また、社会経済的にも 借地人は、借地を原状に復して地主に返還しなけ 損失を生じないようにしています。これを建物 ればならないのが原則です。この原則に従えば、 買取請求権といいます(借地借家法13条.旧借地 更地について建物所有目的で借地契約を締結した 法4条2項) 。 後、借地人が建物を建築し、その後借地契約が 借地人が建物買取請求をした場合には、地主の 終了した場合には、借地人は建物を取り壊して 建物買取請求に応じる意思の有無にかかわらず、 更地に戻したうえ、土地を地主に返還しなければ 借地人と地主との間でその建物を時価で売買する ならないということになります。 契約が成立したことになります。 しかし、このような原則によれば、賃貸借契約 2 建物買取請求権における「時価」とは 終了と同時にまだ使える建物を取り壊さなければ 建物買取請求権における「時価」は、建物を取り ならないことになり、借地人にとっても、また 壊した場合の動産としての価格ではなく、建物が 社会経済的にも大きな損失となります。 現存するままの状態における価格であって、敷地 そこで、借地借家法は、借地契約に基づいて の借地権の価格は加算すべきではないが、この建物 建物が建築された場合で、借地契約が更新されず の存在する場所的環境は参酌すべきものであると 終了する場合に、借地人からの請求により建物を されています(最高裁昭和35年12月20日判決)。 時価で地主に買い取らせて建物を存続させること 建物が現存するままの状態における価格という 福島の進路 2010.4 ■ 61 企業法務セミナー のですから、単に建物の原材料の価格の合計と から地主に対する建物買取請求を認めているので、 いうわけではなく、建築費等も考慮されることに 建物を取得した第三者は地主に対して建物を時価 なります。また、借地権の価格は含まないとは で買い取るように請求することができます(借地 いえ、場所的環境が参酌されるので、当該建物に 借家法14条.旧借地法10条)。この買取請求も、 ついての交通の便宜、環境の良否、建物の需給 借地契約が更新されない場合の建物買取請求と 関係等の要素も考慮されることになります。 同じ趣旨により定められているものです。 この「時価」については、通常は借地人と地主 ただし、前述のとおり、建物買取請求権におい とが協議のうえ定めることになるでしょうが、 ては借地権の価格を含まないものとされているの 借地人と地主との間で合意に至らない場合、借地 で、第三者による建物買取請求において時価と 人としては地主に対して建物買取請求権を行使 認められる金額は、建物を借地権つきで適法に したことを前提として売買代金請求訴訟を提起し、 譲渡した場合の代金額に比べると低額になるもの 「時価」 。 の額を判決で決めてもらうことができます 3 第三者の建物買取請求権 と考えられます。 4 借地契約に原状回復の条項がある場合 借地人としては、借地人が建物を建築するため 借地契約書上、「契約終了時には土地を更地に に支出した資金を回収するために、上記の建物 復して返還する」との条項が設けられていること 買取請求権を行使するほか、建物を借地権つきで がありますが、借地借家法は、建物買取請求権を 第三者に売却するという方法もあります。 定めた借地借家法13条及び14条に反する特約で この場合、借地権が地上権設定によるもので 借地権者に不利なものは無効とすると規定して あるならば(民法265条) 、借地人は地主の承諾が いるので(借地借家法16条. 旧借地法11条) 、契約 得られなくても自由に第三者に借地権を譲渡する 書に上記のような条項がある場合でも建物買取 ことができるのですが、通常、借地権は賃貸借 請求権は認められます。 契約に基づくものであることがほとんどであり、 5 その場合は、借地権(賃借権。以下単に「借地権」 賃料不払による解除の場合 借地人が地代不払いのために契約を解除された といいます)の譲渡について地主の承諾を得なけ 場合には、過去の判例上、借地人による建物買取 ればならないのが原則です(民法612条1項)。 請求権は認められません(最高裁昭和35年2月9 もし、地主の承諾を得ないまま借地権を譲渡した 日判決)。建物買取請求権はあくまでも誠実な 場合無断譲渡となり、借地権の譲受人(すなわち 借地人を前提とした保護規定であり、借地人と 建物の買主)は、地主に対して借地権を主張する しての最も重要な義務である地代支払を遅滞して ことはできませんし、また、借地権の譲渡人(す 契約を解除された場合にまで保護を与えるべき なわち建物の売主)は地主から借地契約を解除 ものではないと考えられるからです。 されることにもなります(民法612条2項)。 6 本件の場合 借地借家法上は、借地権の譲渡によっても地主 本件の場合、当社としては地主に対し、借地 に不利となるおそれがないにもかかわらず、地主 契約を更新せず終了させて、借地借家法13条に が借地権の譲渡を承諾しないときは、譲渡前に 基づく建物買取請求を行うことができます。 裁判所に申し立てて、地主の承諾に代わる許可の 建物買取請求における「時価」は借地権価格を 裁判をもらうことができますが、裁判所の許可が 含まないので、算定にあたり、本件借地の評価額 得られない場合もありますし、許可までに時間を の一定割合を借地権価格として加算するような 要する場合もあるでしょう。 ことはできませんが、その建物が繁華な場所に このような場合、借地借家法は、借地契約に 基づいて建築された建物を第三者が取得したのに、 地主が借地権の譲渡を承諾しない場合に、第三者 62 ■ 福島の進路 2010.4 所在するとか、交通の便がよいとかの事情があれ ばこれを加味することになるでしょう。 税務・財務相談Q&A 税務・財務相談 ! 「グループ法人税制」と「一人 オーナー会社課税制度」について ■ 小林 由拓(こばやし ゆきひろ) 小林光男税理士事務所 税理士 OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO P R P 平成21年12月22日に閣議決定された平成22年度の税制改正大綱で明らかになった中小企業にR P R P影響のあるふたつの改正について説明します。 R P R QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ 〔質問1〕 至った経緯、答申の内容、その影響の順番に説明 「グループ法人税制」とはどのような制度で します。 すか? また、「一人オーナー会社課税制度」 はどうなるのでしょうか? 1.グループ法人税制について このところ立て続けに変更された企業グループ を対象とした法制度や会計制度が定着しつつあり 〔回 答〕 民主党政権下で初めての税制改正が議論されて、 ます。税制においても法人の組織形態の多様化に 対応するとともに、課税の中立性や公平性等を 中小企業に影響のある改正としては下記のような 確保する観点から次の見直しを行うこととしま 内容が明らかになりました。以下、議論されるに した。 福島の進路 2010.4 ■ 63 税務・財務相談Q&A から除外します。 (注)合併等の対価として一定の外国親法人 株式が交付されるものを除きます。 ロ.100%グループ内の法人間の寄附 、 100%グループ内の内国法人間の寄附金について 支出法人において全額損金不算入とするとともに、 受領法人において全額益金不算入とします。 ハ.100%グループ内の法人間の資本関連取引 イ ò 100%グループ内の内国法人間の現物配当 (みなし配当を含みます。 )について、組織再編 税制の一環として位置づけ、譲渡損益の計上 ò 1 資本に関係する取引等に係る税制 を繰り延べる等の措置を講じます。この場合、 ① グループ内取引等に係る税制 源泉徴収等を行わないこととします。 イ.100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引等 イ ò ロ ò について益金不算入制度を適用する場合には、 連結法人間取引の損益の調整制度を改め、 負債利子控除を適用しないこととします。 100%グループ内の内国法人間で一定の資産 の移転(非適格合併による移転を含みます。 ) 100%グループ内の内国法人からの受取配当 ハ ò 100%グループ内の内国法人の株式を発行 を行ったことにより生ずる譲渡損益を、その 法人に対して譲渡する等の場合には、その 資産のそのグループ外への移転等の時に、 譲渡損益を計上しないこととします。 その移転を行った法人において計上する制度 ニ.中小企業向け特例措置の大法人の100%子法人 としました。これに伴い、適格事後設立制度 に対する適用 を廃止します。 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人 (注)100%グループ内の法人とは、完全支配 に係る次の制度については、資本金の額若しくは 関係(原則として、発行済株式の全部を直接 出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等の 又は間接に保有する関係)のある法人をいい 100%子法人には適用しないこととします。 イ ò 軽減税率 100%グループ内の法人間の非適格株式 ロ ò 特定同族会社の特別税率の不適用 交換等を、非適格株式交換等に係る完全子 ハ ò 貸倒引当金の法定繰入率 法人等の有する資産の時価評価制度の対象 ニ ò 交際費等の損金不算入制度における定額 ます。 ロ ò 64 ■ 福島の進路 2010.4 税務・財務相談Q&A 控除制度 ホ ò ハ ò 欠損金の繰戻しによる還付制度 支配関係が生じた場合の連結納税の承認の ホ.連結納税制度 イ ò 事業年度の中途で連結親法人との間に完全 効力発生日の特例制度について、加入法人の 連結納税の開始又は連結グループへの加入 その完全支配関係が生じた日(加入日)以後 に伴う資産の時価評価制度の適用対象外と 最初の月次決算日の翌日を効力発生日とする なる連結子法人のその開始又は加入前に生じ ことができる制度に改めます。 た欠損金額を、その個別所得金額を限度と ② して連結納税制度の下での繰越控除の対象に イ.みなし配当の際の譲渡損益 追加します。 ロ ò 資本に関係する取引等に係る税制 イ ò 法人に対して譲渡する等の場合には、その 連結納税の承認申請書の提出期限について、 譲渡損益を計上しないこととします。 (再掲) その適用しようとする事業年度開始の日の3 月前の日(現行6月前の日)とします。 100%グループ内の内国法人の株式を発行 ロ ò 自己株式として取得されることを予定して 福島の進路 2010.4 ■ 65 税務・財務相談Q&A 取得した株式が自己株式として取得された際 で大企業の100%子会社という法人も増えていま に生ずるみなし配当については、益金不算入 すので該当する会社は多数ありそうです。該当 制度(外国子会社配当益金不算入制度を含 すると軽減税率が適用されなくなったり、留保金 む。 )を適用しないこととします。 課税が適用されることになったり、欠損金の繰戻 ハ ò 抱合株式については、譲渡損益を計上しな いこととします。 ロ.清算所得課税 清算所得課税を廃止し、通常の所得課税に移行 還付を受けることができないこととなる等、納税 額に非常に大きな影響を与える可能性があります。 ò 2 特殊支配同族会社における業務主宰役員給与 の損金不算入制度 する。その際、期限切れ欠損金の損金算入制度を 特殊支配同族会社(いわゆる一人オーナー会社) 整備する等の所要の措置を講じます。また、連結 については、現在、業務主宰役員(一人オーナー) 子法人の解散を原則として連結納税の承認の取消 の役員給与の一部を損金不算入とする制度が設け 事由から除外します。 られています。この制度は、特殊支配同族会社の ハ.その他 業務主宰役員は自ら給与を決めることで税負担の イ ò 適格合併等の場合における欠損金の制限 調整を図ることが可能であるという点を踏まえ、 措置等について、実態に応じて適用要件を そうした役員給与が法人段階で損金算入され、 見直します。 個人段階でも給与所得控除の対象となる「二重 ロ ò 分割型分割については、みなし事業年度を 設けないこととします。 控除」の問題に対処するために設けられたもの です。しかし、この制度については、二重控除を ハ ò 合併類似適格分割型分割制度を廃止します。 是正する手法として適当かといった批判があり ニ ò 受取配当の益金不算入制度における負債 ました。 利子控除額の計算の簡便法の基準年度を見直 します。 ロ 、ニ及びホò イ 並び (注)上記の改正は、①ハò ホ を除き、平成22年10月1日から適用 に②ハò します。 特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の 損金不算入制度については、廃止することとなり ます。 (注)本制度は、平成22年4月1日以後に終了 する事業年度から適用されないこととなり ます。 中小企業への影響があるのが「中小企業特例の この制度に対しては、導入された当初から二重 適用判定」の改正です。中小企業優遇のために 課税なのか、二重控除の是正なのかとの論議が 設けられた制度が大企業の子会社に適用される されていましたので廃止されて議論は振り出しに のはいかがなものかと、それらを除外するために 戻る事になりそうです。しかし、特殊支配同族 改正されるものです。グループ企業の再編や統合 会社の役員給与に係る課税のあり方については、 いわゆる「二重控除」の問題を踏まえ、給与所得 控除を含めた所得税のあり方について議論をして いく中で、個人事業主との課税の不均衡を是正し、 「二重控除」の問題を解消するための抜本的措置 を平成23年度税制改正で講ずるとしています。 以上、平成22年度の改正で影響の大きいふたつ の項目について記載しました。国会でこの改正法 が成立する時にどのような内容になるのかその 動向に注意が必要です。 66 ■ 福島の進路 2010.4 地方経済天気図 全国地方銀行協会 福 (平成22年2月発表分)から 景況感は一進一退。輸出、生産は持ち直し ているものの、設備投資は引続き低調。 ●É北陸は、金属製品や一般機械を中心に維持更新投資に止まるなど、設備投資が低迷。 É中国は、衣料品や身の回り品を中心に大型小売店販売が前年を下回り、個人消費が低迷。 ●É北海道は、アジア向けの鉄鋼や北米向けの自動車部品を中心に輸出が持ち直しの動きにあるものの、 設備投資は抑制姿勢が続く。 É東北、関東、九州は、衣料品や食料品を中心に大型小売店販売が低調なものの、鉄鋼や輸送機械を 中心に生産活動が持ち直し。 É甲信越は、電子部品や輸送機械を中心に生産活動が持ち直しているものの、設備過剰感などから投資 抑制が続く。 É東海、近畿、四国は、設備投資が維持更新に止まるなど低調なものの、中国向けを中心に輸出が持ち 直し。 É沖縄は、厳しい雇用É所得環境による旅行の手控えから観光が低迷。 各 地 の 景 気 北海道 晴 :明るい 晴一部曇:一部に明るさ 曇 :停滞、持ち直し 曇一部雨:不振 東北 雨 :厳しい 中国 近畿 北陸 甲信越 関東 東海 九州 四国 沖縄 福島の進路 2010.4 ■ 67 地方経済天気図 1.福島県の隣接6県の「現在の景気」 (宮城、山形、新潟、群馬、栃木、茨城) 開始する方針を決定した。新工場については、 半導体市場の悪化を理由に計画を延期(当初 平成21年4月着工、平成22年4月稼働)して いたが、平成21年後半から新興国向けの需要 増加などで回復傾向が明確になったことなど から、建設計画が再開された。稼働時期は平成 23年春頃を予定しており、従業員は当初1,000 名前後でスタートする見込みである。県内では、 自動車関連産業の集積も加速しており、雇用 創出効果のみならず、製造業全体の底上げに 寄与するとの期待が高まっている。 「山形県」 ○三菱重工などが出資する「ルミオテック」が 2月15日に照明用有機 EL パネルのサンプル 販売を開始することを受け、県が応用製品の 「宮城県」 É現在の景気:全体として景気は、持ち直しに 製造委託先を募集。パネルを使った応用製品に 対し、県が120万円を上限に助成し、完成品は 向けた動きがみられるものの、厳しい状況と 県が引き取る。商品性やデザインなどを審査し、 なっている。 5件程度採用する予定。 「山形県」 É現在の景気:持ち直しの動きが続いている ものの、依然厳しい状況。 「新潟県」 É現在の景気:持ち直しつつあるものの、依然 低水準。 「群馬県」 É現在の景気:持ち直しているものの、水準と して厳しい状況が続いている。 「栃木県」 É現在の景気:引続き厳しいものの、持ち直し ている。 「茨城県」 É現在の景気:底離れしている。 ○2009年平均の有効求人倍率(パート含む常用É 原数値)は前年比0.41ポイント低下し0.34倍。 県内の有効求人倍率は2006年の1.04倍以降低下 傾向をたどり、2009年は急激な景気悪化から 特に大幅に低下。 「新潟県」 ○県が発表した2009年7−9月の宿泊旅行統計 調査(速報)によると、県内主要旅館Éホテル の宿泊者数は前年同期比9.5%増の207万7,000 人。県内と海外からの宿泊者数が前年同期比 減少したものの、県外からの宿泊者が15.4%増 の157万8,000人。 ○県のまとめによると、2009年の住宅着工戸数は、 持家が前年比18.9%減少、貸家が23.5%減少、 2.隣接6県と北東北3県(青森、岩手、 秋田)、東京都の「スポット情報」 1 ò 隣接6県について 「宮城県」 分譲住宅が67.1%減少し、全体では前年比24.9 %減の1万1,796戸と4年連続で減少。1万 2,000戸割れは1963年以来46年ぶりで、減少幅 は1956年以降過去最大。 「群馬県」 ○半導体製造装置大手の東京エレクトロンは、 ○群馬経済研究所が県内の産業支援機関や高等 延期していた大和町の新工場の着工を今夏に 教育機関などを対象に実施したヒアリング調査 68 ■ 福島の進路 2010.4 地方経済天気図 によると、今後の産学官連携の課題は、①広報 で2010年12月の東北新幹線全線開業に向け、 活動の強化、②組織力の強化É充実、③人材の 青森の魅力を発信する大型キャンペーン「とこ 確保É育成、④共同研究の充実、⑤地域との とん青森2010 in 原宿表参道」を開催。表参道 連携強化など。 約1.2㎞の区間で、青森ねぶたの展示や県産の 「栃木県」 ○足利銀行と、とちぎ農産物マーケティング協会 が同時開催する「とちぎ食と農の展示É商談会」 が宇都宮市で開催。県内の食品関連企業や農業 食材による料理の提供などにより、青森県の 魅力を PR。1月23日のねぶた運行は、約3万 人の観客が来訪。 「岩手県」 関係団体など103社É団体が出店し、約1,500人 ○トヨタ自動車系の関東自動車工業㈱岩手工場で が来場。今回の展示商談会は、取引企業の販路 は、1月より従来の6車種生産から2車種の 拡大と地域資源を活用した地域経済の活性化を 追加生産を開始し出荷をスタート。2009年度の 目的に開催され、足利銀行として初の試み。 年間生産台数は、増産により当初予想から26.4 共催した県は食品関連産業の振興を支援し、 %(4万6,000台)増の22万台に上方修正。増産 販路拡大につなげる狙い。 に対応するため、期間社員を約250名増員し約 「茨城県」 ○農林水産省のまとめによると、2008年の茨城県 の農業産出額は2007年比4.9%増の4,284億円と 2年連続で増加。価格上昇を背景に、野菜、鶏、 2,400人体制に拡充、生産ラインの昼夜勤務を 全面的に再開。 「秋田県」 ○大韓航空秋田支店によると、1月の「秋田― 豚などが増加。都道府県別の順位は、北海道に ソウル」国際定期便の搭乗者数が6,075人と 次ぎ第2位。2007年は第3位で、第2位は1993 過去最高を更新。搭乗者の約8割が韓国人を 年以来15年ぶり。2008年は、畜産関係の病気が 中心とした外国人で、韓国ドラマ「 IRIS 」の 少なく、大きな自然災害もなかったため、生産É 秋田県ロケ地を巡るツアーの始まった2009年11 出荷が順調に推移。 月から搭乗者が大幅に増加。 ○県庁売店などで12月中旬に発表された県庁初の ○創薬ベンチャー UMN ファーマ(秋田市)は、 オリジナルみやげ「茨城県庁羊かん」が好評。 4月に IHI(東京都)と共同出資で、鳥由来の 味は鉾田産のサツマイモとメロンの2種類で、 新型インフルエンザに対応するワクチンの原薬 無添加で果肉の配合率が高い。羊かんの売上は、 などを製造する新会社を設立すると発表。3月 12月16日から1月15日までの1ヵ月間で計約 に秋田市で工場建設に着手し、2012年に本格 1,360本を記録。 稼働の予定。投資額は20数億円で、2016年まで に売上高85億円を目指す。同社は2008年5月に 2 ò 北東北3県と東京都について 「青森県」 県の誘致企業に認定。 「東京都」 ○1月28日、青森県八戸港管理所がまとめた2009 ○1月27日、吉祥寺伊勢丹の閉店セールの最中、 年の八戸港コンテナ貨物取扱量の概要(速報) 有楽町マリオンに入居する西武有楽町店の閉鎖 によると、実入りの取扱量(20フィートコン が公表。有楽町地区各商店会は、百貨店Éブラ テナ換算)は前年比9.5%(2,164本)増の2万 ンド店を中心に、景観も含めた統一的な街づく 4,970本と過去最高を記録。空コンテナは前年 りを進めてきただけに、同地区の入り口にある 比13.1%(1,756本)増の1万5,191本。総取扱 百貨店ビルの後継店舗に大きな関心。 量は4万161本と初の4万本の大台。 ○1月11∼24日、県と県観光連盟は東京の表参道 (出所:全国地方銀行協会地方経済天気図2月分より抜粋) (担当:白石) 福島の進路 2010.4 ■ 69 福島県景気動向指数 【福島県景気動向指数】 ― 平成21年12月分 ― (平成22年2月26日公表) (福島県企画調整部 統計分析課調べ) 1 概 括 12月の景気動向指数(CI:コンポジットÉインデックス、H17年=100)は、先行指数94.1ポイント、 一致指数69.0ポイント、遅行指数92.4ポイントとなった。 先行指数は、前月(91.1ポイント)を3.0ポイント上回り、10ヵ月連続の上昇となった。 一致指数は、前月(65.3ポイント)を3.7ポイント上回り、10ヵ月連続の上昇となった。 遅行指数は、前月(93.8ポイント)を1.4ポイント下回り、3ヵ月連続の下降となった。 2 一致系列の動向 寄与度をみると、有効求人倍率、生産指数(鉱工業)、大口電力使用量、出荷指数(鉱工業)は4ヵ月 連続、雇用保険受給者実人員は2ヵ月連続のプラスとなった。 所定外労働時間指数(全産業)、大型小売店販売額(既存店)、建築着工床面積(鉱工業)はマイナス からプラスとなった。 手形交換金額(1枚当たり)はプラスからマイナスとなった。 内訳をみると、建築着工床面積(鉱工業)が1.22ポイント、雇用保険受給者実人員が1.05ポイント、 大型小売店販売額(既存店)が0.82ポイント、出荷指数(鉱工業)が0.62ポイント、生産指数(鉱工業) が0.48ポイント、有効求人倍率が0.41ポイント、大口電力使用量が0.20ポイント、所定外労働時間指数 (全産業)が0.19ポイントとなっており、これらの指標が上昇に寄与した。 3 CI 一致系列の推移 (注)1 C I の寄与度とは、CI の増減がどの採用系列により引き起こされているかを把握するものです。 (出典:内閣府経済社会総合研究所景気統計部「景気動向指数の利用の手引き 2 1.(10)」より) 一部の計数は速報値を用いており、これはPで示しています。また、確定した段階で訂正を行い、 これはrで示しています。 3 「3ヵ月後方移動平均」とは、今月値から過去3ヵ月の平均値を、 「7ヵ月後方移動平均」とは、 今月値から過去7ヵ月の平均値を指します。 (※「福島県景気動向指数」は3ヵ月ごとに掲載いたします。) 70 ■ 福島の進路 2010.4 主要経済指標 県 内 主要経済指標 ¶YÖA 項目 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 Pは速報、rは訂正、※は年度計 鉱工業生産指数 (季調済) (総合)注1 17年= 100 105.8 102.3 79.8 75.2 68.0 74.3 72.3 76.1 79.2 82.0 80.6 83.8 85.2 89.7 P 91.3 ― 前年比 % 3.4 ▲ 3.3 ▲ 22.0 ▲ 31.7 ▲ 37.5 ▲ 30.0 ▲ 32.4 ▲ 31.1 ▲ 24.4 ▲ 21.9 ▲ 20.7 ▲ 17.6 ▲ 14.0 ▲ 2.9 7.9 ― 主 要 製 造 工 業 生 産 指 数 機 械 化 17年= 前年比 17年= 前年比 17年= 100 % 100 % 100 105.8 3.4 116.9 8.0 94.1 ▲ 3.3 ▲ 3.2 102.3 113.2 96.3 ▲ 22.0 ▲ 26.1 79.8 83.6 89.6 ▲ 31.7 ▲ 42.6 75.2 70.9 99.1 ▲ 37.5 ▲ 47.4 68.0 62.7 92.9 ▲ 30.0 ▲ 34.2 74.3 77.3 86.6 ▲ 32.4 ▲ 39.3 72.3 74.0 80.2 ▲ 31.1 ▲ 35.9 76.1 79.5 88.7 ▲ 24.4 ▲ 30.9 79.2 81.5 91.8 ▲ 21.9 ▲ 24.4 82.0 88.4 84.3 ▲ 20.7 ▲ 25.6 80.6 83.6 83.8 ▲ 17.6 ▲ 19.5 83.8 89.6 90.4 ▲ 14.0 ▲ 15.3 85.2 92.0 98.0 ▲ 2.9 89.7 100.4 0.6 90.8 P 91.3 7.9 P 101.2 13.8 P 96.6 ― ― ― ― ― 県 企 画 調 整 部 業 種 学 繊 維 前年比 17年= 前年比 % 100 % 0.4 107.7 12.2 ▲ 27.6 2.3 78.0 ▲ 7.0 ▲ 34.9 50.8 ▲ 2.8 ▲ 49.0 54.4 ▲ 9.7 ▲ 39.9 65.0 ▲ 10.4 ▲ 33.3 57.7 ▲ 9.3 ▲ 39.6 51.1 ▲ 14.1 ▲ 46.3 44.1 ▲ 5.0 ▲ 31.4 51.4 ▲ 14.5 ▲ 12.2 61.6 ▲ 13.7 ▲ 24.5 50.5 ▲ 11.7 ▲ 41.9 40.9 ▲ 20.3 0.8 49.4 ▲ 0.2 ▲ 34.6 43.1 ▲ 28.3 5.2 P 41.8 ― ― ― 統 計 調 別 食料品Éたばこ 17年= 前年比 100 % ▲ 1.3 87.7 ▲ 5.4 83.0 ▲ 7.7 76.6 ▲ 10.0 80.7 ▲ 8.3 78.6 ▲ 6.3 76.9 ▲ 9.2 77.3 ▲ 15.0 72.4 ▲ 3.9 78.2 ▲ 8.9 78.9 ▲ 4.0 75.4 ▲ 7.3 75.2 ▲ 9.7 73.4 ▲ 6.6 76.5 P 76.2 ▲ 5.7 ― ― 査 課 鉱工業出荷指数 (季調済)注1 17年= 100 109.4 108.5 85.0 77.0 71.5 78.6 79.7 82.0 84.7 88.1 85.2 89.8 92.1 94.4 P 96.9 ― 前年比 % 5.6 ▲ 0.8 ▲ 21.7 ▲ 34.2 ▲ 37.6 ▲ 29.4 ▲ 29.3 ▲ 31.8 ▲ 23.8 ▲ 20.0 ▲ 22.4 ▲ 17.0 ▲ 12.1 ▲ 4.7 9.3 ― 注1.鉱工業生産É出荷É在庫指数の前年比は原指数の増減率。暦年の年平均値は原指数。 月別欄の前年比は前年同月比(以下同様) ¶YEÝÖA 項目 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 鉱工業在庫指数 (季調済)注1 17年= 100 105.0 118.5 110.8 131.5 128.7 117.4 106.7 107.6 106.8 105.0 108.1 106.9 103.7 103.0 P 102.4 ― 使 用 総 電 量 力 量 清酒課税 移 出 量 うち大口電力使用量 前年比 前年比 前年比 103 È/h 103 È/h % % % 4.2 ※16,154,916 4.7 ※6,849,270 7.2 ▲ 3.0 ※6,602,295 ▲ 3.6 12.9 ※15,667,210 ▲ 6.5 ※ ― ― ※ ― ― ▲ 11.9 ▲ 21.0 18.6 1,343,088 454,429 ▲ 14.7 ▲ 30.1 1,265,860 409,551 16.8 ▲ 14.5 ▲ 28.1 2.2 1,223,558 423,487 ▲ 8.4 ▲ 7.8 ▲ 22.8 1,238,158 457,826 ▲ 2.2 ▲ 12.4 ▲ 19.1 1,140,132 470,692 ▲ 5.5 ▲ 9.8 ▲ 17.0 1,148,218 503,951 ▲ 10.7 ▲ 11.1 ▲ 19.6 1,193,454 529,203 ▲ 8.9 ▲ 11.5 ▲ 18.0 1,240,363 488,791 ▲ 10.9 ▲ 10.1 ▲ 15.7 1,207,037 524,752 ▲ 20.0 ▲ 6.1 ▲ 10.2 1,200,318 535,796 ▲ 20.8 ▲ 4.6 ▲ 6.1 1,208,405 523,813 ▲ 22.1 1,293,598 0.5 523,814 4.5 ― 1,434,612 6.8 516,268 13.6 県企画調整部 統計調査課 東 北 電 力 福 島 支 店 前年比 % ▲ 6.2 ▲ 2.8 ▲ 8.1 ▲ 4.4 ▲ 10.0 ▲ 7.5 ▲ 9.0 ▲ 12.1 ▲ 7.8 ▲ 5.3 ▲ 7.1 ▲ 17.6 ▲ 9.6 ▲ 4.9 ▲ 4.6 ▲ 8.0 kl 18,926 18,387 16,896 963 1,354 1,362 1,513 1,140 1,240 1,248 964 1,213 1,404 1,632 2,863 887 公共工事前払金保証実績 公共工事着工 総 工 事 費 福島県酒造組合 百万円 ※ 148,568 ※ 157,019 ※ ― 8,346 13,076 20,043 7,238 3,885 19,992 18,525 15,569 28,300 17,043 7,708 10,010 ― 発 生 件 数 前年比 % 4.2 5.7 ― 37.4 74.9 ▲ 22.9 25.8 17.1 8.0 24.2 97.3 15.5 86.9 ▲ 54.1 ▲ 32.1 ― 件 ※6,109 ※6,009 ※ ― 400 215 292 319 266 686 878 598 905 837 630 734 476 国土交通省 保 証 金 額 前年比 % ▲ 5.4 ▲ 1.6 ― 4.2 ▲ 34.8 30.4 35.7 5.1 22.3 13.9 12.6 21.5 5.9 9.2 14.9 19.0 前年比 % ▲ 6.4 2.6 ― 61.9 ▲ 34.0 22.3 ▲ 16.7 ▲ 6.0 18.4 4.4 ▲ 33.0 44.0 18.8 7.6 ▲ 24.8 11.3 百万円 ※ 73,622 ※ 75,570 ※ ― 3,608 2,062 6,687 5,714 3,368 8,130 9,584 5,782 11,913 8,047 6,297 5,414 4,015 株 福島支店 東日本建設業保証ò 注1.鉱工業生産É出荷É在庫指数の前年比は原指数の増減率。暦年の年平均値は原指数。 月別欄の前年比は前年同月比(以下同様) ÝÖA 新 項目 総 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 戸 11,721 11,853 9,657 733 783 759 744 770 921 872 804 742 835 837 857 727 計 前年比 % ▲ 10.4 1.1 ▲ 18.5 ▲ 26.7 ▲ 14.2 ▲ 13.9 ▲ 9.8 ▲ 14.1 ▲ 7.9 ▲ 15.7 16.2 ▲ 49.2 ▲ 20.3 ▲ 11.5 ▲ 25.8 ▲ 0.8 国 設 利 持 家 住 用 関 係 貸 家 分 譲 戸 戸 戸 6,271 6,253 5,215 291 399 393 427 380 608 534 472 405 442 460 404 341 4,413 4,418 3,691 398 265 222 267 350 272 303 285 296 333 310 390 347 1,017 1,072 693 43 79 144 49 40 41 30 47 40 60 66 54 39 土 宅 別 給 与 戸 20 110 58 1 40 0 1 0 0 5 0 1 0 1 9 0 着 民 資 間 戸 10,323 10,851 8,750 653 696 658 681 678 850 818 732 696 764 745 779 657 交 工 金 資 金 前年比 % ▲ 9.0 5.1 ▲ 19.4 ▲ 29.9 ▲ 21.4 ▲ 17.5 ▲ 12.7 ▲ 18.5 ▲ 8.5 ▲ 13.7 18.8 ▲ 46.3 ▲ 20.1 ▲ 13.4 ▲ 23.4 0.6 公 的 戸 1,398 1,002 907 80 87 101 63 92 71 54 72 46 71 92 78 70 通 別 資 金 前年比 % ▲ 19.2 ▲ 28.3 ▲ 9.5 17.6 222.2 20.2 40.0 43.8 0.0 ▲ 37.2 ▲ 5.3 ▲ 72.1 ▲ 22.8 7.0 ▲ 43.5 ▲ 12.5 着 工 建築物 建 築 物 床 面 積 工事費予定額 むね 百㎡ 百万円 10,936 10,692 9,104 575 740 716 734 629 983 865 782 715 777 806 782 600 23,447 22,869 16,035 1,943 1,328 1,409 1,389 981 1,573 1,403 1,109 1,337 1,188 1,126 1,250 910 309,139 330,564 242,631 22,339 20,637 21,523 21,444 17,436 26,996 21,042 15,611 21,075 19,830 16,905 17,792 13,742 省 福島の進路 2010.4 ■ 71 主要経済指標 県 内 ÁïÖA 項目 百貨店売上高 スーパー売上高 注1 注2 百万円 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 43,025 40,974 36,427 3,669 2,903 3,513 2,876 2,878 2,638 3,124 2,393 2,563 2,951 3,309 3,610 P 3,347 経 前年比 百万円 % ▲ 2.8 187,190 ▲ 4.8 191,422 ▲ 11.1 190,101 ▲ 5.8 16,660 ▲ 3.4 13,996 ▲ 12.3 15,897 ▲ 13.6 15,613 ▲ 11.1 16,486 ▲ 17.0 15,198 ▲ 12.5 15,443 ▲ 14.8 16,807 ▲ 10.8 14,736 ▲ 10.9 14,955 ▲ 10.7 14,714 r 19,595 ▲ 11.0 P 16,542 ▲ 8.8 済 産 業 前年比 % 0.5 2.3 ▲ 0.7 0.7 ▲ 2.1 0.1 0.7 3.6 ▲ 0.5 ▲ 3.1 ▲ 0.3 1.0 ▲ 2.0 ▲ 5.4 ▲ 1.1 ▲ 0.7 省 乗用車新車登録台数 温泉旅館(福島、 郡山、 会津若松)利用者 前年比 台 % ▲ 5.6 70,433 ▲ 2.3 68,798 ▲ 8.6 62,867 ▲ 18.4 4,494 ▲ 27.2 5,056 ▲ 28.1 7,519 ▲ 22.3 3,952 ▲ 16.3 3,884 ▲ 9.8 5,200 ▲ 6.2 5,479 4,067 2.4 6,563 2.5 5,764 11.7 6,265 24.9 4,624 15.6 5,610 24.8 県自動車販売店協会 前年比 人 % ▲ 0.1 ※3,022,966 ▲ 5.5 ※2,857,531 ※ ― ― ▲ 3.6 214,655 ▲ 7.9 208,058 ▲ 4.6 220,697 ▲ 2.5 212,502 ▲ 0.6 233,470 ▲ 2.9 228,093 ▲ 0.7 217,922 ▲ 0.6 283,815 228,201 5.8 ▲ 4.0 272,088 ▲ 5.2 270,563 ▲ 7.1 219,955 ― ― 当 研 究 所 福 島 空 港 利 用 者 数 国 内 線 国 前年比 人 % ▲ 5.1 ※ 414,883 ▲ 15.0 ※ 352,827 ※ ― ― 24,796 1.0 ▲ 57.8 11,901 ▲ 57.2 15,090 ▲ 63.3 13,608 ▲ 45.6 17,385 ▲ 46.7 17,527 ▲ 38.6 20,294 ▲ 39.8 21,311 ▲ 34.8 22,998 ▲ 40.8 20,112 ▲ 48.7 18,234 ▲ 43.9 14,537 ▲ 46.4 13,293 県 商 工 労 働 部 ※ ※ ※ 空 際 線 前年比 人 % ▲ 9.2 70,501 ▲ 15.1 59,868 ― ― ▲ 44.9 2,536 ▲ 19.8 3,734 ▲ 48.9 2,678 ▲ 33.8 3,686 ▲ 22.0 3,848 ▲ 37.1 3,161 ▲ 40.0 4,265 ▲ 38.0 4,900 ▲ 43.0 3,859 ▲ 27.2 5,592 4,759 34.0 3,317 39.0 3,487 37.5 港 交 流 課 注1.前年 (同月) 比については全店舗 (4店舗) 。 注2.前年 (同月) 比については全店舗 (81店舗) 。 ÁïÖA 消 項目 総 合 17年= 100 100.4 102.4 100.8 101.4 100.8 101.0 101.2 101.1 100.9 100.4 100.7 101.3 100.7 100.3 100.0 99.9 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 ※ 前年比 % 0.2 2.0 ▲ 1.6 0.5 ▲ 0.2 ▲ 0.5 ▲ 0.3 ▲ 1.7 ▲ 2.3 ▲ 2.8 ▲ 2.8 ▲ 2.2 ▲ 2.5 ▲ 1.9 ▲ 1.5 ▲ 1.5 費 食 料 17年= 100 100.5 104.1 104.8 106.8 105.5 105.7 105.7 105.3 104.8 103.9 105.8 105.4 103.8 103.0 102.2 104.3 総 前年比 % 1.0 3.6 0.7 5.0 3.1 2.7 2.1 0.6 0.2 ▲ 0.1 0.5 0.1 ▲ 1.3 ▲ 1.2 ▲ 2.1 ▲ 2.3 者 住 物 居 17年= 100 100.6 100.0 99.2 99.7 99.2 99.3 99.1 99.3 99.2 99.2 99.3 99.2 98.8 98.9 98.6 98.5 務 価 光熱É水道 前年比 % 0.4 ▲ 0.6 ▲ 0.8 ▲ 0.1 ▲ 0.7 ▲ 0.6 ▲ 0.5 ▲ 0.9 ▲ 1.0 ▲ 1.1 ▲ 0.7 ▲ 0.7 ▲ 1.2 ▲ 1.0 ▲ 1.1 ▲ 1.2 17年= 100 105.0 111.6 105.8 109.6 109.4 108.5 107.0 104.6 104.3 104.6 104.3 104.2 104.0 104.2 104.7 105.1 省 指 被服及びはき物 前年比 % 0.3 6.3 ▲ 5.2 1.1 1.2 0.0 ▲ 2.6 ▲ 5.3 ▲ 7.5 ▲ 9.1 ▲ 10.2 ▲ 10.3 ▲ 8.9 ▲ 6.3 ▲ 3.9 ▲ 4.1 17年= 100 99.4 102.9 100.6 96.0 91.0 93.4 102.9 104.8 103.9 96.5 94.1 105.2 106.3 106.4 106.1 97.7 統 数 教 育 前年比 17年= % 100 ▲ 0.6 101.1 3.5 102.1 ▲ 2.2 103.4 0.1 102.4 ▲ 3.3 102.7 ▲ 6.6 102.7 ▲ 2.1 103.7 ▲ 2.1 103.7 ▲ 0.9 103.7 ▲ 4.0 103.7 ▲ 0.3 103.7 ▲ 0.1 103.7 ▲ 1.8 103.7 ▲ 4.0 103.7 ▲ 1.9 103.7 1.8 103.7 計 教養É娯楽 前年比 17年= % 100 0.7 97.7 1.0 97.6 1.3 96.0 1.1 96.8 1.4 96.7 1.4 97.2 1.2 96.3 1.3 95.8 1.3 95.2 1.3 96.0 1.3 96.9 1.3 96.2 1.3 95.4 1.3 94.6 1.3 94.8 1.3 93.6 局 前年比 % ▲ 1.1 ▲ 0.1 ▲ 1.6 0.9 0.6 0.4 ▲ 1.3 ▲ 1.8 ▲ 2.8 ▲ 2.1 ▲ 2.6 ▲ 2.2 ▲ 3.0 ▲ 3.1 ▲ 2.7 ▲ 3.3 平成17年3月以降は福島市の消費者物価指数を福島県の消費者物価指数とみなす。 JsêÖA 項目 有 効求職 者数 有 効 求 人 数 注1 注1 人 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 34,445 36,828 50,502 43,548 47,013 51,674 55,461 54,390 54,680 53,657 51,222 50,229 50,277 48,180 45,692 46,338 前年比 人 % ▲ 1.4 30,607 6.9 25,123 37.1 18,113 33.8 21,107 39.9 20,573 41.9 20,481 43.9 18,262 43.6 16,787 44.5 16,376 39.9 17,134 39.4 16,715 33.5 17,995 33.6 18,253 31.0 17,522 20.3 16,150 6.4 16,463 福 島 労 有効 求人 倍率 注2 前年比 倍 % ▲ 1.5 0.89 ▲ 17.9 0.68 ▲ 27.9 0.36 r 0.47 ▲ 18.7 ▲ 25.4 0.42 ▲ 28.2 0.39 ▲ 32.3 0.36 ▲ 33.4 0.35 ▲ 32.6 0.34 ▲ 30.4 0.34 ▲ 30.7 0.33 ▲ 27.5 0.33 ▲ 27.5 0.33 ▲ 24.1 0.33 r 0.33 ▲ 23.7 ▲ 22.0 0.35 働 局 職 新規求人数 雇用保険受給者実人員 注1 注1 人 12,514 9,898 7,962 9,492 8,285 9,155 7,657 6,715 7,674 8,367 7,374 8,276 8,328 7,476 6,747 7,661 業 前年比 % ▲ 0.5 ▲ 20.9 ▲ 19.6 ▲ 10.7 ▲ 29.0 ▲ 21.7 ▲ 25.4 ▲ 28.5 ▲ 20.7 ▲ 18.0 ▲ 20.1 ▲ 17.5 ▲ 18.0 ▲ 10.4 ▲ 9.9 ▲ 19.3 安 定 注1.各年の年計は月平均。 注2.季節調整値。 注3.調査対象事業所の抽出替えに伴い、前年比はギャップ修正されている。 72 ■ 福島の進路 2010.4 人 9,196 9,658 17,620 11,657 14,718 17,866 20,322 20,216 21,217 20,312 19,213 17,810 16,993 15,838 15,280 14,310 課 前年比 % ▲ 3.1 5.0 82.4 35.1 73.3 112.5 122.5 102.2 105.7 89.4 87.0 75.3 70.4 66.2 48.9 22.8 常用雇用指数 (産業計) 17年= 100 104.6 107.1 102.6 104.1 103.5 102.2 103.9 103.4 102.6 102.0 101.4 101.5 101.1 102.9 102.5 ― 実質賃金指数 (産業計) 所定外労働時間 (産業計) 前年比 17年= 前年比 時間 % 100 % ▲ 1.1 3.3 100.4 13.8 ▲ 2.6 2.4 97.8 13.2 ▲ 4.2 ▲ 7.1 90.9 9.9 ▲ 1.2 ▲ 7.2 78.6 9.4 ▲ 1.6 ▲ 8.3 75.8 8.4 ▲ 2.9 ▲ 7.9 78.1 8.7 ▲ 3.3 ▲ 8.1 77.2 9.0 ▲ 4.1 ▲ 7.0 75.5 8.4 ▲ 4.8 ▲ 9.4 133.4 8.9 ▲ 5.5 ▲ 12.5 96.8 9.8 ▲ 6.0 ▲ 5.3 80.8 10.9 ▲ 5.8 ▲ 5.3 76.7 11.7 ▲ 6.0 ▲ 3.3 78.0 11.7 ▲ 4.4 ▲ 2.1 80.5 11.0 ▲ 4.5 ▲ 5.6 159.9 11.2 ― ― ― ― 県企画調整部統計調査課 注3 前年比 % 1.3 ▲ 4.5 ▲ 31.2 ▲ 32.1 ▲ 42.4 ▲ 39.7 ▲ 41.0 ▲ 42.4 ▲ 41.1 ▲ 36.8 ▲ 27.5 ▲ 20.8 ▲ 17.4 ▲ 20.9 ▲ 6.3 ― 主要経済指標 県 内 àZEàÖA 項目 日 銀 券 発行状況 ▲ 発行超) ( 民 預 年月 億円 億円 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 ▲ 2,336 ▲ 2,704 ▲ 4,011 335 ▲ 223 ▲ 383 ▲ 512 ▲ 58 ▲ 313 ▲ 343 ▲ 374 ▲ 244 ▲ 501 ▲ 279 ▲ 1,116 172 62,256 63,665 64,985 62,925 63,233 63,106 64,080 64,193 65,028 64,421 64,517 63,832 64,180 64,237 64,985 64,464 調査機関 間 金 日 前年比 % 1.8 2.3 2.1 2.2 2.7 2.5 2.9 2.7 2.3 2.2 2.0 2.1 3.0 2.4 2.1 2.4 本 金 貸 出 億円 38,326 38,824 38,393 38,759 39,015 39,140 38,753 38,727 38,584 38,596 38,541 38,437 38,650 38,296 38,393 38,428 銀 金 融 機 実質預金 一般預金 関 前年比 % ▲ 1.5 1.3 ▲ 1.1 1.9 2.7 2.4 2.4 2.3 2.1 1.6 1.1 0.8 1.1 ▲ 0.1 ▲ 1.1 ▲ 0.9 億円 億円 62,176 63,592 64,929 62,865 63,169 63,071 64,055 64,142 65,001 64,397 64,497 63,806 64,137 64,213 64,929 64,419 59,183 60,577 61,964 60,101 60,421 59,632 60,770 60,460 60,974 60,436 60,722 60,518 61,298 60,637 61,964 61,478 福 島 行 信 公金預金 金融機関預金 億円 億円 2,626 2,709 2,682 2,449 2,382 2,872 2,761 3,296 3,520 3,446 3,265 2,794 2,542 2,952 2,682 2,532 支 店 用 保 件 365 ※15,306 304 ※17,693 281 ※ ― 314 1,887 366 1,925 565 2,127 523 1,183 385 1,132 506 1,419 514 1,256 509 1,074 492 1,233 296 1,112 623 1,169 281 1,835 408 1,048 県 信 申 込 金 前年比 % ▲ 8.1 15.6 ― 68.5 71.0 52.3 32.2 13.8 26.2 7.1 4.9 ▲ 1.4 ▲ 21.9 ▲ 1.6 ▲ 31.6 ▲ 44.5 件 注1 証 数 用 額 百万円 ※146,996 ※208,333 ※ ― 25,013 25,163 26,151 13,319 12,450 15,167 13,452 10,975 13,648 11,659 12,606 19,516 10,568 保 証 前年比 % ▲ 1.4 41.7 ― 129.5 128.3 102.9 52.7 25.0 20.7 7.5 12.9 ▲ 4.3 ▲ 20.7 ▲ 13.1 ▲ 44.3 ▲ 57.8 協 会 注1.各年の年計は12月の末残 éÆocÖA 県 内 4 市 手 形 交 換 高 項目 枚 数 千枚 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 803 727 632 52 53 63 56 47 60 54 50 49 45 53 50 45 前年比 % ▲ 8.4 ▲ 9.4 ▲ 13.0 ▲ 23.6 ▲ 11.9 4.0 ▲ 11.0 ▲ 15.2 ▲ 10.5 ▲ 14.9 ▲ 1.9 ▲ 25.6 ▲ 24.1 9.4 ▲ 22.5 ▲ 12.6 当 金 不 注1 額 前年比 百万円 % ▲ 5.3 849,912 ▲ 9.0 773,496 ▲ 15.2 655,786 ▲ 29.1 53,261 ▲ 14.8 53,134 68,146 5.8 ▲ 10.0 58,780 ▲ 18.8 49,105 ▲ 4.6 75,634 ▲ 19.5 53,439 ▲ 5.9 54,284 ▲ 31.5 46,782 ▲ 30.9 40,495 50,511 17.7 ▲ 28.2 52,215 ▲ 14.4 45,583 研 枚 枚 1,548 2,287 1,385 146 183 222 233 106 140 90 65 49 33 92 26 82 究 渡 手 数 形 金 企 注1 額 前年比 前年比 百万円 % % ▲ 9.2 ▲ 1.3 1,983 47.7 5,788 191.9 ▲ 39.4 ▲ 40.4 3,451 ▲ 6.3 18.7 205 0.0 424 167.4 ▲ 14.3 516 96.5 ▲ 6.4 657 11.2 ▲ 22.1 288 36.2 ▲ 63.2 ▲ 66.6 170 ▲ 65.5 ▲ 76.5 98 ▲ 15.6 ▲ 23.9 81 ▲ 78.0 ▲ 91.1 26 ▲ 78.3 ▲ 88.6 17 ▲ 1.1 ▲ 65.1 934 ▲ 82.8 ▲ 81.5 35 ▲ 43.8 ▲ 62.7 76 所 注1.県内4市手形交換所É累計 件 業 数 倒 金 産 信 用 保 証 協 会 代 位 弁 済 額 件 数 P印は速報、r印は訂正 マネース 項目 国庫対民間収 トック残高 日銀券 支尻(総計) (M3) 平均発 ▲ 払超) (平 ( 残) 行 高 億円 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 額 前年比 % 18.9 28.5 ― ▲ 86.4 102.2 ▲ 30.8 59.5 ▲ 18.6 73.9 ▲ 36.0 ▲ 27.8 ▲ 4.6 ▲ 11.4 ▲ 8.1 ▲ 62.1 1,093.0 会 ※平成17年4月から任意整理を除く。 国 内 年月 金 前年比 前年比 前年比 千 円 件 百万円 件 % % % 133 25.5 115,648 79.0 ※ 957 44.8 ※7,483,952 ▲ 31.9 ※1,233 175 31.6 78,792 28.8 ※9,618,934 ▲ 27.4 27,917 ▲ 64.6 ※ 127 ― ― ※ ― ▲ 33.3 ▲ 88.0 ▲ 92.4 10 1,110 5 53,879 ▲ 23.1 ▲ 68.3 10 1,519 112 20.4 1,082,276 ▲ 20.0 ▲ 59.0 ▲ 39.1 12 4,966 112 960,981 ▲ 76.9 12 9.1 2,488 61 5.2 565,048 ▲ 30.0 ▲ 9.3 14 8,101 31.9 78 635,195 ▲ 31.3 ▲ 60.4 11 2,932 80 6.7 753,465 ▲ 44.3 ▲ 23.3 13 8.3 1,701 102 803,784 ▲ 16.7 ▲ 22.1 5 542 12.9 95 676,728 ▲ 18.8 ▲ 84.9 ▲ 0.8 13 1,884 125 954,742 ▲ 75.0 ▲ 88.8 ▲ 45.7 5 454 76 845,352 ▲ 50.0 ▲ 77.0 ▲ 2.6 8 1,062 76 490,417 ▲ 6.7 ▲ 68.5 ▲ 47.3 14 1,158 98 482,259 10 0.0 1,269 14.3 87 1,640.0 642,760 帝国データバンク福島支店 県 信 用 保 証 協 ※371,981 ※364,688 ― 106,216 39,969 ▲ 12,289 26,513 97,380 ▲ 75,114 119,377 64,607 ▲ 15,300 2,245 67,990 ▲ 27,619 111,421 財務省 国内銀行勘定 実質預金 注1 貸出残高 前年比 前年比 前年比 百億円 百億円 % % % 0.2 1.4 54,504 3.1 41,764 0.7 0.8 55,706 2.2 43,685 1.8 0.5 56,949 2.2 42,857 0.9 0.4 55,496 2.0 43,374 1.2 0.7 55,907 2.4 43,456 1.3 0.8 56,775 2.8 43,754 1.7 1.0 56,771 2.6 43,378 1.8 1.1 56,597 2.5 43,309 1.7 0.9 57,099 2.4 43,059 1.9 0.7 56,503 2.3 42,910 2.0 0.5 56,426 2.4 42,651 2.1 1.0 56,597 2.5 42,909 2.4 0.0 56,201 2.5 42,651 ▲ 0.3 56,662 2.4 2.2 42,537 ▲ 0.3 56,949 2.2 2.2 42,857 P 2.1 ▲ 0.2 56,776 2.3 42,593 日 本 銀 全国銀行 コ ー ル 手形交換高(全国) 貸出約定 レ ー ト (有 担 保 金 額 平均金利 翌 日 物) 枚 数 企業倒産(負債総額千万以上) 件 前年比 前年比 年利% 年利% 千 枚 千億円 % % ▲ 3.1 0.5 1.945 0.4200 123,564 4,633 ▲ 6.5 4.6 1.865 0.4130 111,994 4,330 ▲ 1.9 ▲ 13.7 1.655 0.0790 96,204 3,735 ▲ 17.3 4.4 1.824 0.0800 7,859 309 ▲ 13.8 4.4 1.795 0.0800 7,954 296 ▲ 2.1 4.3 1.776 0.0800 9,725 402 ▲ 11.7 4.2 1.756 0.0800 8,159 322 ▲ 18.7 3.8 1.746 0.0800 6,804 274 ▲ 14.7 2.8 1.703 0.0800 9,296 365 ▲ 16.1 2.5 1.697 0.0800 8,883 299 ▲ 2.8 1.8 1.694 0.0800 7,501 295 ▲ 22.6 2.0 1.680 0.0800 7,385 301 ▲ 22.5 0.6 1.680 0.0800 6,598 281 ▲ 0.7 1.674 0.0800 8,097 293 6.4 ▲ 1.9 ▲ 22.6 1.655 0.0710 7,943 300 ▲ 1.8 ― 0.0700 ― ― ― 行 全国銀行協会 件 14,091 15,646 15,480 1,360 1,318 1,537 1,329 1,203 1,422 1,386 1,241 1,155 1,261 1,132 1,136 1,063 数 金 前年比 億円 % 6.4 57,279 11.0 122,920 ▲ 1.1 69,301 15.8 8,390 10.4 12,292 14.1 10,782 9.4 5,219 ▲ 6.7 5,399 7.4 4,771 1.0 3,710 ▲ 1.0 2,842 ▲ 18.0 3,088 ▲ 11.8 2,903 ▲ 11.4 6,948 ▲ 16.6 2,956 ▲ 21.8 26,032 東京商工リサーチ 額 前年比 % 4.1 114.6 ▲ 43.6 44.4 236.6 127.9 ▲ 27.3 ▲ 1.8 ▲ 3.1 ▲ 44.2 ▲ 67.3 ▲ 94.2 ▲ 71.2 20.6 ▲ 53.3 210.3 注1.国内銀行勘定の各指数は、オフショア勘定を含む数値。 福島の進路 2010.4 ■ 73 主要経済指標 国 内 企業物価指数 項目 (総平均) 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 消費者物価指数 全国総合 (167都市町村) 輸出入物価指数 輸 出 17年= 前年同 17年= 前年比 100 月比% 100 % 104.0 1.8 100.3 0.0 r 108.7 4.5 101.7 1.4 ▲ 5.2 ▲ 1.4 103.0 100.3 r 104.6 ▲ 0.9 100.7 0.0 r 104.1 ▲ 2.0 ▲ 0.1 100.4 ▲ 2.6 ▲ 0.3 103.9 100.7 r 103.2 ▲ 4.1 ▲ 0.1 100.8 ▲ 5.6 ▲ 1.1 102.8 100.6 r 102.4 ▲ 6.8 ▲ 1.8 100.4 r 102.8 ▲ 8.5 ▲ 2.2 100.1 r 102.8 ▲ 8.5 ▲ 2.2 100.4 ▲ 7.9 ▲ 2.2 102.9 100.4 ▲ 6.8 ▲ 2.5 102.1 100.0 ▲ 5.0 ▲ 1.9 99.8 102.1 r 102.1 ▲ 3.9 ▲ 1.7 99.6 P 102.4 ▲ 2.1 ▲ 1.3 99.4 日 本 銀 行 総務省統計局 鉱 輸 入 生 工 産 指 数 業 生産者出荷指数 (季調済)注1 生産者製品在庫指数 製造業 稼働率 指 数 17年=100 17年= 前年同 17年= 前年同 17年= 前年比 17年= (円ベース) 100 月比% 100 月比% 100 % 100 105.4 122.4 107.4 2.8 107.8 3.1 104.0 1.3 103.7 ▲ 3.4 ▲ 3.2 99.0 133.3 103.8 104.3 109.0 4.8 99.3 ▲ 22.4 ▲ 21.7 ▲ 14.7 88.6 100.0 80.5 81.7 93.0 74.1 ▲ 30.9 ▲ 31.6 86.1 95.1 76.7 76.7 108.0 2.8 68.7 ▲ 38.4 ▲ 36.7 ▲ 1.7 86.6 96.8 69.5 72.0 103.5 60.5 ▲ 34.2 ▲ 32.4 ▲ 5.2 90.0 100.2 70.6 73.1 99.8 61.0 ▲ 30.7 ▲ 30.7 ▲ 7.2 91.3 100.4 74.8 75.3 97.1 67.2 ▲ 29.5 ▲ 30.0 ▲ 8.4 89.8 98.0 79.1 78.9 96.4 72.6 ▲ 23.5 ▲ 22.6 ▲ 10.3 90.7 100.7 80.9 81.7 95.3 74.3 ▲ 22.7 ▲ 22.0 ▲ 10.6 89.2 101.9 82.6 83.7 95.0 77.2 ▲ 19.0 ▲ 19.0 ▲ 10.3 90.3 102.3 83.9 84.2 95.1 79.0 ▲ 18.4 ▲ 16.8 ▲ 12.1 88.2 100.6 85.7 87.7 94.7 80.3 ▲ 15.1 ▲ 13.0 ▲ 14.4 87.4 99.8 86.1 88.8 93.3 80.5 ▲ 4.2 ▲ 3.1 ▲ 14.4 87.1 100.4 88.0 89.6 93.7 83.1 ▲ 14.7 87.0 103.4 r 89.7 5.1 r 90.5 5.2 r 93.6 84.3 P 88.4 P 105.0 P 91.9 ▲ 12.6 18.2 P 92.7 19.3 P 94.5 ― 日 本 銀 行 経 済 産 業 省 機械受注(280社 分) 船舶«電力除 く民需(季調済) 前期比 % ▲ 4.0 123,366 ▲ 6.0 116,022 ▲ 26.9 84,762 ▲ 39.7 7,332 ▲ 30.2 7,373 ▲ 22.0 7,279 ▲ 32.8 6,888 ▲ 38.5 6,682 ▲ 29.8 7,328 ▲ 35.0 6,647 ▲ 26.5 6,681 ▲ 21.8 7,380 ▲ 21.1 7,045 ▲ 20.2 6,253 ▲ 1.5 7,512 ― ― 内 閣 府 億円 注1.鉱工業の各指数の前年比は原指数の増減率。 建設工事受注 (50社分) (季調済) 項目 総 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 額 民 大 型 小 売 店 販 売 額 新設住宅着工戸数 間 百 前年比 前年比 前年比 億円 億円 千戸 % % % ▲ 17.8 137,946 1.3 103,701 4.9 1,061 ▲ 4.7 140,056 1.5 98,847 1,093 3.1 ▲ 28.3 ▲ 33.1 ▲ 27.9 100,406 66,121 788 ▲ 38.3 ▲ 39.0 ▲ 18.7 5,789 4,138 71 ▲ 24.9 ▲ 23.2 ▲ 24.9 5,968 62 9,168 ▲ 37.8 ▲ 53.7 ▲ 20.7 15,863 8,455 67 ▲ 25.9 ▲ 28.1 ▲ 32.4 5,628 4,201 66 ▲ 41.9 ▲ 48.5 ▲ 30.8 4,548 3,120 63 ▲ 28.0 ▲ 32.2 ▲ 32.4 8,697 5,501 68 ▲ 42.8 ▲ 47.0 ▲ 32.1 6,609 4,488 66 ▲ 25.2 ▲ 27.3 ▲ 38.3 6,943 4,741 60 ▲ 14.0 ▲ 14.1 ▲ 37.0 11,062 61 14,865 ▲ 40.1 ▲ 32.7 ▲ 27.1 6,216 3,794 67 ▲ 11.6 ▲ 25.5 ▲ 19.1 7,087 4,519 68 ▲ 4.8 ▲ 15.7 8,994 0.6 6,135 69 ― ― ― ― ― ― 国 土 交 通 省 貨 億円 84,652 80,787 71,774 6,705 5,144 6,265 5,611 5,589 5,792 6,730 4,995 5,189 5,585 6,117 8,053 ― 経 店 前年比 % ▲ 0.7 ▲ 4.2 ▲ 10.1 ▲ 9.2 ▲ 11.4 ▲ 12.9 ▲ 11.3 ▲ 12.1 ▲ 9.1 ▲ 11.8 ▲ 8.9 ▲ 7.8 ▲ 10.6 ▲ 11.8 ▲ 5.0 ― 済 産 ス ー パ ー 億円 127,336 128,724 126,012 11,364 9,374 10,249 10,349 10,596 10,237 10,630 10,701 9,746 10,026 10,099 12,641 ― 業 前年比 % ▲ 1.3 ▲ 1.3 ▲ 5.0 ▲ 3.1 ▲ 6.1 ▲ 4.9 ▲ 4.0 ▲ 3.0 ▲ 5.4 ▲ 6.1 ▲ 5.7 ▲ 4.3 ▲ 5.2 ▲ 8.3 ▲ 4.3 ― 省 常用雇用 所 定 外 有 効 求 完全 指数 注 1 労働時間 人 倍 率 失業 乗用車新車登録台数 (製造業) 注2 (未季調)(製造業)(季調済) 者数 前年比 17年 時間 倍 万人 % =100 ▲ 5.2 101.1 16.6 1.04 4,400 257 ▲ 3.9 102.1 15.2 0.88 4,228 265 ▲ 7.2 3,924 99.8 10.5 0.47 366 ▲ 20.0 101.0 256 9.3 r 0.65 277 ▲ 24.4 100.3 325 8.8 r 0.58 299 ▲ 24.5 463 99.6 8.9 r 0.53 335 ▲ 22.8 100.8 236 9.0 r 0.48 346 ▲ 17.4 100.1 245 8.8 r 0.46 347 ▲ 12.2 319 99.9 9.4 r 0.45 348 ▲ 2.8 372 99.6 10.4 r 0.43 359 264 3.2 99.3 10.7 0.42 361 414 4.2 99.2 11.7 0.43 363 340 7.8 99.2 12.2 r 0.43 344 369 24.7 99.2 13.0 r 0.43 331 322 27.3 99.0 13.3 0.43 317 P 320 24.9 ― ― ― ― 注3 注4 厚生労働省 千台 注1.従業員30人以上から5人以上、季調済から未季調に変更 注2.従業員30人以上から5人以上に変更 注3.日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会 登録車種(ナンバー)ベース、但し平成15年まではシャーシーベース。 注4.総務省統計局、各年の年計は月平均。 項目 通 輸 年月 平成19年 平成20年 平成21年 21年1月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 22年1月 調査機関 関 出 輸 入 国 際 収 支 (I M F 方 式)注1 貿易Éサービス収支 所得収支 経常収支 投資収支 前年同 前年同 百万ドル 百万ドル 億 円 月比% 月比% ▲ 220,652 712,736 10.1 621,081 7.2 98,251 163,267 247,938 ▲ 178,314 775,917 8.9 756,104 21.7 18,899 158,415 163,798 ▲ 25.1 ▲ 27.1 ▲ 122,670 550,987 21,196 123,230 132,783 580,913 ▲ 34.1 ▲ 17.0 ▲ 10,572 ▲ 1,327 ▲ 22,908 38,368 48,929 9,916 ▲ 40.0 ▲ 32.3 ▲ 16,992 39,151 38,263 693 11,045 11,348 ▲ 41.2 ▲ 31.3 ▲ 20,713 43,337 43,342 1,541 16,987 15,346 ▲ 38.0 ▲ 34.6 ▲ 2,609 42,399 41,788 10,599 6,606 2,934 ▲ 37.1 ▲ 38.8 ▲ 8,044 41,146 38,069 2,495 11,764 13,114 ▲ 29.6 ▲ 36.5 ▲ 14,883 47,802 42,568 4,865 8,564 12,794 ▲ 28.5 ▲ 33.4 ▲ 13,972 50,941 46,972 1,515 12,415 13,292 ▲ 27.1 ▲ 33.0 45,586 1,922 10,605 11,829 8,736 47,473 ▲ 19.2 ▲ 26.5 ▲ 20,988 54,937 49,291 5,718 10,794 15,767 ▲ 11.5 ▲ 25.6 P 6,183 P 8,465 P 13,976 P ▲ 58,976 50,057 113 ▲ 10.0 P 4,395 P 7,328 P 11,030 P ▲ 11,237 55,121 1.4 r 51,003 ▲ 5,690 61,262 18.8 P 55,121 0.5 P 5,050 P 4,748 P 9,008 P ― ― ― ― ― ― ― ― 財 務 省 財 務 省 ■ 福島の進路 2010.4 直物終値 注2 月中最安値 百万ドル ▲ 225,384 ▲ 183,894 ▲ 127,324 ▲ 23,130 ▲ 17,199 ▲ 21,263 2,758 ▲ 8,396 ▲ 15,092 ▲ 15,181 8,218 ▲ 21,113 P ▲ 557 P ▲ 11,799 P ▲ 5,770 ― 注1.発表形式の変更により項目を改定。および単位を円ベースに変更。なお、計数はN及して変更済。 注2.17時時点の気配値ベース。 74 (東京市場) 外貨準備高 外貨1米ドルあたり 資本収支 (年月末) 973,365 1,030,647 1,049,397 1,010,958 1,009,354 1,018,549 1,011,473 1,024,012 1,019,175 1,022,657 1,042,340 1,052,598 1,056,769 1,073,712 1,049,397 1,053,070 財務省 月中最高値 円 113.12 90.28 92.13 89.51 97.87 98.31 97.67 96.45 95.56 95.61 92.78 89.76 91.11 86.15 92.13 90.19 日 本 124.14 95.57 101.24 94.15 98.61 99.69 101.24 99.49 98.86 97.00 97.72 93.38 92.33 90.86 92.26 ― 銀 107.29 107.32 84.82 88.27 88.83 95.27 95.63 93.86 94.65 92.04 92.54 88.23 88.08 84.82 86.17 ― 行 ● 編集人が書いた「経済データのいみ」第12回 ● 新車総販売台数i新車新規登録É届出件数j 現在、経済情勢は大きく動いています。このことを感じさせ、考えさせてくれるのが本誌を始め新 聞やテレビなどで報道される経済データです。この経済データを読み解くためのワンポイントコラム 欄を設けました。 É新車総販売台数(=新車新規登録É届出件数)とは 自動車は乗用車、バス、貨物車など様々です。新車を購入した場合、普通自動車と小型自動車は道路 運送車両法により国土交通省陸運支局または自動車検査登録事務所で検査É登録します。軽自動車は各 都道府県の軽自動車検査協会で検査É届け出ます。この登録É届出された結果が新車総販売台数として、 また販売台数の多数を占める乗用車の新車販売台数も同時に発表されています。 É 「道路運送車両法」による分類は 道路運送車両法は四輪以上の自動車を 「普通」 、 「道路運送車両法」による分類 「小型」 、 「軽」などに区分しています。車検証 区 分 排気量 長 さ 幅 高 さ にはこの区分のほか、所有者、使用者、ナン 普通自動車 小型自動車の条件を一つでも超えた自動車 バープレートなど車の全般にわたり記載されて 小型自動車 2,000㏄以下 4.7m以下 1.7m以下 2m以下 います。一方、道路交通法は運転免許により 軽 自 動 車 660㏄以下 3.4m以下 1.48m以下 2m以下 運転できる自動車を「大型」 、 「中型」 、 「普通」 (注)ディーゼル車は排気量の制限はない。 などに区分しています É 「3ナンバー」と「5ナンバー」とは 3ナンバーと5ナンバーの区分は車の排気量ばかりでなく、車体の大きさなどによります。例えば、 排気量が1,800㏄でも車体の幅が1.7mを超えると3ナンバーです。 É自動車の生産と販売の重要性は 自動車は、鉄ÉゴムÉプラスチックÉガラスÉ電子部品などの様々な業界の先端技術の集大成で、 一般的な自動車1台あたりの部品数は約2∼3万点に及ぶともいわれています。自動車の生産と販売の 動向は、関連する業界の裾野が広いことから景気全体に影響を与えます。日本自動車部品工業会が平成 21年12月に発表した平成20年度自動車部品出荷動向調査(正会員会社407社のうち回答数361社、回答率 88.7%)によると、平成20年度出荷額(361社)は、世界的な景気後退から前年度比85.6%の17兆9,002 億円でした。 <平成20年度自動車部品出荷動向調査> エ ン ジ ン 部 品 電 装 品 É 電 子 部 品 照明É計器など電気・電子部品 駆動・伝導及び操縦装置部品 懸 架 É 制 動 装 置 部 品 車 体 部 品 品 部 品 計 カー ラ ジ オ及 び カ ー ステ レ オ 用 冷 房 装 置 及 び 暖 房 装 置 そ の 他 用 品 品 用 品 計 その他 情 報 関 連 部 品 合 計 部 出荷額(百万円) 2,818,061 1,760,629 2,697,903 3,656,672 1,075,181 4,014,216 16,022,662 295,728 560,762 348,562 1,205,052 672,468 17,900,182 361社分 構 成 比(%) 15.7% 9.8% 15.1% 20.4% 6.0% 22.4% 89.5% 1.7% 3.1% 1.9% 6.7% 3.8% 100.0% 前年度比(%) 84.7% 84.9% 85.4% 88.7% 88.2% 83.4% 85.6% 72.4% 62.2% 296.3% 84.4% 87.6% 85.6% 共通会社 360社分 構 成 比(%) 前年度比(%) 15.7% 84.9% 9.8% 85.2% 15.1% 85.4% 20.4% 89.0% 6.0% 88.7% 22.4% 84.1% 89.5% 85.9% 1.7% 72.4% 3.1% 62.2% 1.9% 315.5% 6.7% 84.8% 3.8% 87.6% 100.0% 85.9% (注)360社分は平成19年度及び平成20年度に共通して回答のあった会社の動向である。 (出典:社団法人日本自動車部品工業会「平成20年度自動車部品出荷動向調査」) É自動車統計の重要性は 自動車のうち乗用車の販売推移は個人消費の動向をみるうえで重要な指標の一つです。したがって 乗用車の新規登録や届出台数は内閣府の「月例経済報告」 、日本銀行の「金融経済月報」などで個人 消費動向の資料になるなど官民を問わず幅広く使われています。 <福島県内の乗用車新車登録台数(含:軽乗用車)推移> 県内の資料:福島県自動車販売店協会 全国の資料:日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会
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