世界の貧困 A C B

p20-021/データ 07.2.25 6:19 PM ページ 020 (1,1)
データファイル
Poverty in the World
世界の貧困
複雑に絡み合う貧困の諸要因
B
DATA
低技術
税収不足
児童労働
不平等
過放牧
紛争
対外債務
雇用の不足
モロッコ
パキスタン
エリトリア
モーリタニア
低生産
ブルキナファソ
縁故主義
ネパール
セネガル
家族計画の困難
農地不足
ハイチ
マリ
人口増加
砂漠化
自治制度の不在
高利貸
投資の不足
HIV/エイズ
ガンビア
ギニアビサウ
法の支配の欠如
植民地時代の負の遺産
換金作物栽培への偏り
貯蓄不足
トーゴ
参考:JICA「開発課題に対する効果的アプローチ(貧困削減)
」
、ほか
インド
チャド
ニジェール
スーダン
中央
エチオピア
アフリカ
ベナン
開発途上国の人間貧困指数
タンザニア
ブルンジ
カメルーン
C
レソト
赤道ギニア
DATA
ジンバブエ
コンゴ共和国
出典:世界銀行「年次報告2004」
「世界開発報告2005」
パプアニューギニア
マダガスカル
ナイジェリア
1日1ドル未満で生活する人と国内格差
カンボジア
オマーン
イエメン
ジブチ
ウガンダ
ケニア
ルワンダ
コモロ
コートジ
ボワール
民主主義の欠如
ラオス
エジプト
認識不足
森林破壊
治安の欠如
難民
労働力不足
貧困
正当な評価の欠如
出稼ぎ
安全な水の欠如
汚職
差別
生態系の破壊
出典:国連開発計画(UNDP)
「HUMAN DEVELOPMENT REPORT 2004」
市場へのアクセス不足
無関心
医療施設の不備
疾病
DATA
バングラデシュ
インフラ不足
食料不足
低栄養
開発途上国の人間貧困指数
教育制度の不備
低所得
低教育
資本不足
A
01
コンゴ民主共和国
ザンビア
マラウイ
10%以上30%未満
30%以上50%未満
50%以上
ボツワナ
南アフリカ
10%未満
モザンビーク
ナミビア
■1日1ドル未満で生活する人々の割合(%)
アフリカ地域
50
■所得/消費の偏り
東アジア・太洋州地域
44.6
42.3
46.5
50
アメリカ
ナミビア
5.4
1.4
10.6
29.6
22.3
25
(注)
ここで示した指数はHPI-1。OECD諸国、中・東欧、CIS諸国(旧ソ連12カ国)
と、人間貧困指数を算出するための適正なデータのない開発途上国は地図上に色がついていない。
日本
25
14.8
15.6
0
50
1990
2001
2015
0
50
ヨーロッパ・中央アジア地域
1990
2001
2.3
78.7
南アジア地域
41.3
31.1
25
45.8
35.7
2015
20.6
25
ジニ係数 24.9
1日1ドル未満人口 -
ジニ係数 40.8
1日1ドル未満人口 -
ジニ係数 70.7
1日1ドル未満人口 34.9%
C
1日1ドル未満で
生活する人と国内
格差
世界銀行では1日約1ドルを貧困線に設定
B
複雑に絡み合う
貧困の諸要因
OECDの開発援助委員会(DAC)では、
A
開発途上国の
人間貧困指数
「人間貧困指数(HPI)」とは、国連開発
し、それ未満で生活している人を貧困と
「政治的能力」
「社会的能力」
「経済的能
計画(UNDP)が「貧困」を所得以外の生
している。ミレニアム開発目標(MDGs)
力」
「人間的能力」
「保護的能力」という5
活の質や社会的側面から測定した数値
はそうした人々の割合を2015年までに
つの能力が欠如している状態を貧困とし
のこと。HPIには途上国のための指数
1990年の水準の半数に減らすことを目指
ているが、貧困層自身の能力欠如だけが
(HPI-1)
とOECD(経済協力開発機構、
しているが、01年までの10年間で貧困人
貧困の要因ではない。貧困を生み出す構
先進国を中心に30カ国が加盟)諸国の
口の割合が増えてしまっているところもあ
造は国や地域によってさまざまで、多くの
ための指数(HPI-2)があるが、HPI-1は
る。特にアフリカは目標達成のために必
要因が複雑に絡み合ってさらに貧困を悪
①40歳まで生存できない出生時確率、
要な推移と実際が大きくかけ離れている。
化させるという悪循環に陥っている。貧
②成人非識字率、③改善された水源を
貧困を生み出す要因の一つに「不平等」
困削減は国際社会の優先課題だ。問題
継続して利用できない人口および年齢
があるが、その度合いを測る「ジニ係数」
解決のためには貧困層を取り巻くこれら
の割に低体重の子どもの割合の3つをも
*円グラフはその国の所得または消費のうち、その国の最富裕層20%と最貧困層20%の人々が占める割合(%)
を表している。
を見ると、日本は低いほうだが、ナミビア
の環境や社会構造を変化させ、悪循環を
とに算出している。地図上のHPIが50%
*ジニ係数は所得あるいは消費の全体的配分の不平等を測るもの。0は完全な平等、100は完全な不平等を示す。
のように富裕層ばかりがその国の所得/
断ち、貧困状態にある人々の潜在能力を
消費の大部分を占めているところもある。
強化することが求められている。
50
16.4
3.7
0.5
0
1990
1.3
0.3
2001
2015
1990
50
ラテンアメリカ・カリブ海地域
25
2001
2015
9.5
ブラジル
2.0
最貧困層20%の
所得/消費
64.4
50.0
7.6
5.6
1990
中国
4.7
中東・北アフリカ地域
25
11.3
0
0
2001
2015
0
2.3
2.4
1.2
1.2
1990
2001
2015
1日1ドル未満で生活する人口の割合(実際値)
予想推移
ジニ係数 44.7
1日1ドル未満人口 16.6%
最富裕層20%の
所得/消費
ジニ係数 59.1
1日1ドル未満人口 8.2%
MDGsに定められた目標の達成に必要な推移
*ここでいう1日1ドル未満とは正確には1日1.08ドル未満のこと。世界銀行は国際貧困線を1985年の購買力平価(PPP)で1日1ドルに設定していたが、2000年より93年のPPPで1日
約1.08ドルに再計算した。
021 monthly Jica 2005 October
以上の6つの国では、人口の半分以上が
「人間貧困」に苦しんでいることになる。
monthly
Jica 2005 October 020