78 200891き ようの健康 早め に解 消 ! 手 のト ラブ ル け んしょゝ 炎 の治療 , 学 護 別府諸 兄 零じ奪大 ﹁ 腱 鞘炎﹂ は、仕事 や趣味 で指 を よく使 う人 に起 こり やす い病 気 です。 指 や手首 を動 かすと痛 みが生 じ て、指 の曲げ 伸ば しが難 しく なり ます 。 悪化 させ て日常 生活 に支障 を来 す のを防 ぐ た め、 腱 鞘炎 の対 処 のしかたを ご紹 介 し ます。 いる管 で、指 の骨 に ついており 、指を動 かすと き には腱 が腱鞘 の中を往復 す るよう に移動 します。 指 を使 いす ぎ ると 、腱 と腱鞘 が こす れ て炎 症 が 起 こる こと があり ます。 これ が腱鞘炎 です。炎 症 によ って腫 れ や痛 みが生 じ、指 の曲げ伸 ば しが で 指 の使 いすぎ で指 や手首 の 腱 鞘 に起 こる炎症 指 や手首 には ﹁ 腱 ﹂ があり、骨と筋肉 を つな い き なく な ったり、物 を つか み にくく な ったりす る 腱鞘炎 は、 パ ソ コンで の作 業 、裁縫 、楽 器 の演 で います。指を曲げ よう とす る指令 が神経 を介 し の腱 が引 っ張 られ るた め、指を曲げ る こと が でき 奏 など で指を よく使う 人 に起 こり やす いと いわ れ など 、 日常 生活 にも支障 を来 します。 ます。 こ のとき、腱 が指 の骨 から浮 き上 が る のを て います。特 に妊娠 。出 産期 や更年期 の女 性 に多 て腕 の筋 肉 に伝 わ ると、腕 の筋 肉 が収縮 し て、 こ 防 いで いる のが ﹁ 腱鞘 ﹂ です。 腱鞘 は腱 が通 って イラスト●さとうみなこ く 、 ホ ル モンのバ ラ ンスが崩 れ、手 がむく み やす いこと が関係 し て いると考え られ て います。 ヽ 一腱 鞘 炎 の種 類 踊 躍 翻 琳 錨 ﹄ 証 一 置 比 バ ン が 病 あ る 腱鞘炎 には、主 に次 の2 つのタイプがあります。 ド ケルバ ン病 ︶ ●手 首 の腱 鞘炎 ︵ 親指 を動 かす腱と 、 そ の腱 が通 る腱鞘 にも 腱鞘 炎 が起 こる こと がありま す。 こ の腱鞘 は手首 の親 0 指 側 にあ り 、中を 2本 の腱 が通 って います ︵ 8ペ 。 親 指 を 広 げ ると き に腱鞘 と 腱 に ージ 囲 み参 照︶ 大 き な力 が加 わ るた め、炎 症 を起 こし やす いので る。親指 に最も多 く発生する。 ●指 の腱 鞘炎 ︵ ば ね指 ︶ 指 の腱鞘 や腱 が炎 症を起 こすと 、痛 み や腫 れが 生 じます。腫 れが大 きく な ると、指 を曲げ たり伸 ば したりす るとき に、何 かが引 っ掛 か るよう な抵 抗感 が生 じます。 これ は、腫 れた腱 が腱鞘 に引 っ 掛 か るため です。曲 げ た指 を伸 ば そうと し て力 を 少 し加 え ると 、腱 の腫 れ た部 分 が 腱鞘 を 通 過 し、 指を動 なす と引 つ掛かる感 じが あ つた りす る場 合 は、 押すと痛みや 引 つ掛か りが ある 図の●の部分 を押すと痛み が起 こつた り、押 したまま た め、痛 み や 引 つ掛 か りを感 じ 十字状 の腱鞘 が 7つ ある。腱 鞘 炎は指の付け根に起 こりやすい。 しする際 に腱 が腱鞘 に引 つ掛 かる 示 した。親指 には輪状の腱鞘が 2つ 、その ほかの指 には輪状 と 腱鞘や腱 に炎症が起 こ り、腱の腫 れが大き くなると、指を曲げ伸 ば 手のひ ら側か ら見た指の腱 riiを ″カ ク ン と 指 が 伸 び ま す。 こ のよ う な 状 態 を ″ ﹁ば ね 指 ﹂ と い いま す。 症 状 の重 いば ね 指 では、 腱 の通り がさら に悪 く な って、反対側 の手 で伸 ば 腱鞘炎が疑わねる。 さな いと指 を伸 ば せなく な ることもあり ます 。 最も起 こり やす いのは、指 の付 け根 にあ る腱鞘 です。指 を曲げ ると き には、 ここに大き な負 担 が か か る た め です。 腱 鞘 炎 が起 き て いる か ど う か は、指 の付 け根 を指 で押す こと でチ ェック できま 120089 きようの健康 79 す。 腱鞘炎 が起 き て いれば、押す だけ で痛 みがあ 。 り ます ︵ 下 の囲 み のチ ェック方法参 照︶ ●ばね指の仕組み (親 指 ) ヽ ___ノ を広 げ られな くな る。 まま な らなく な る場合 があ ります。 にく いと考え られ て います。 同 じ姿 勢を長時 間続 。 ︲ 血行 を よく しま し ょう ︵ 8 ページ の囲 み参 照 ︶ ●安静 にし て いても改 善 しなけ れば受診 す る ります 。 例え ば指 の腱鞘炎 の場合 、指 の付 け根 の テービ ングは、関節 の動きを制 限す る効 果 があ が軽 い場合 は ﹁ 消炎鎮痛 薬 ﹂ の湿布 薬 や塗 り薬 が され ると 、まず薬 によ る治療 が行 わ れます 。症状 れば 、整 形外科 を受 診 しま し ょう 。腱鞘炎 と診断 1∼ 2週間程度安静 にし ても 症状 が改善 しなけ 関節 を 固定 す る のは困難 です が、 そ の1 つ上 の関 使 わ れ、重 い場合 は ﹁ト リ アムシ ノ ロン﹂と いう 行 ってな る べく指を 使 わな いよう にします 。 です。 炎 症 が治 ま るま で、 ﹁テービ ング﹂ な ど を 腱鞘炎 が起 き たら 、患 部を安静 にす る のが基 本 けず に、 ﹁ 手 を 上げ る運 動 ﹂ な ど を 行 って、 手 の ま た 、手 の血行 が悪 い状態 では、炎 症 が改善 し べく安 静 を保 つこと が大 切 です。 こと は できます が、指を使 いす ぎな いよう 、な る を制 限 できます。 テービ ングを し ても指 を動 かす る。親指の使 いすぎで腱鞘や腱 に炎症 節 に テービ ングす る こと で、付 け根 の関節 の動 き 80 200891き ょうの健康 ド ケ ルバ ン病 ﹂ です 。腱鞘 の す。 こ の腱鞘炎 が ﹁ 、 ︲ 中に ﹁ 隔壁 ︵ 8 ページ の下段参 照と があ ったり 腱 が 3本 通 って いたり し て、生ま れ つき の構造 が 原因 で炎 症 が起 こり やす い人も います。 親指 を反 らせ るよう に手 を広げ ると 、親 指 から 手首 に伸 び る 2本 の大 い腱 が浮き 上 がります。外 側 の腱 の手 首 部 分 を 押 し て痛 み があ れ ば ド ケ ル バ ン病 が疑 わ れます ︵ 下 の囲 み のチ ェック方法参 。 悪化す ると、親 指 を広げ にくく なり ます。 照︶ 一腱 鞘 炎 の対 処 法 陳 プ 婆 一 破 諦 肘 ﹄ 此 剥 麟 紅 腱鞘 炎 が起 きたとき には、適 切 に対処す る こと が起き、痛みや腫ねが悪化す ると親指 ●安 静 にするととも に、手 の血行 をよくす る が大切 です。 ほう っておく と、指 を動 かす ことも 手首 の 親 指 側 にあ る腱 鞘 に は、親 指 を動かす とき に働 く腱 が 2本 通 つてい チ ェ ック方 法 親指を反 らせるよ うに手 を広 げ る と、親指から手首 に伸びる腱が2本 浮き上がる。その 外側の腱の手首の 部分を押 して痛み が起こったら、腱 鞘炎が疑われる。 ステ ロイ ド薬を腱鞘 の中 に注射 します。 ト リ アム シ ノ ロンで8割 以上 が改善 す ると されます。 ド ケ ルバ ン病 の場 合 、親 指を少 し広 げ た状態 で 8 保 つ ﹁関節 用 バ ンド ︵ 8 ぺ︲ジ の囲 み参 照と を 装 着 しま す。関節 が完 全 に固定 され るわけ ではあり ●腱 鞘炎 を予防 する方 法 腱鞘 炎 は、 い つた ん改善 し ても 、再発す る こと がよくあ ります。 予防す るた め には、指を使 いす ぎ な いこと が最も大 切 です。 指 を使う作業 や運動を行 って いると き には、 1 局所麻酔 を して患部 を 1∼ 2cm程 度 切 開 し、腱鞘を切開す る。 手 術 は 10分 程 度で、外来で行われ る。腱鞘は、少 し開 復する。 いた状態で 自然 に修 0分 ほど手を休 め るよう にします。指 時 間 ごと に 1 ●1建 鞘を切る手術を行 う ま せんが、動きを大幅 に制 限す る ことが できます。 ▼再発を繰 り返す場合は に負 担 を かけ る作 業 や運動 を行 う前 に、あ ら かじ イ 予う。 薬を使 っても改善 しな い場合 や、再発を 繰り返 日合 計 50回 を 目安 に、1可 回かに分 けて め テーピ ングを し ておく のも 、負 担を軽減 す る の 秒程度 、手を握 つた り開 いた りす る。 1 ●手 を上げる運動で手の血行 をよ くする 両手 を心臓よ り高 く 上 げ た 状 態 で、 10 ド ケ ルバ ン病 を 起 こ しや す い 腱 鞘 の構 造 通 常 、 腱 鞘 の中 に は壁 が あ り ま せ ん が 、 手 首 の腱 鞘 を 超 音 波 検 査 で調 べ る と 、 隔 壁 と 呼 ば れ る壁 のあ る 人 が み ら れ ま す 。 隔 壁 が あ る と 、 腱 鞘 の中 が 狭 く な り腱 が 通 り にく いた め 、 炎 症 が 起 こ り や す く な り ま す。 実 際 、 ド ケ ルバ ン病 で受 診 し た 人 の約 半 数 に隔 壁 が み ら れ た と いう 報 告 が あ りま す 。 ま た、 再 発 し や す いた め 、 隔 壁 のあ る人 の約 半 通常くつついて見える腱鞘の中の2本 の 腱が、隔壁 (矢 印の部分)が あると離れ ているように見える。 数 が 手 術 を 受 け て いま す 。 20089 きようの健康 81 る。 │ 1藁 晨 轟 異 豪 「 じませるよ うに軽 く押 さえ す場合 には、手術 によ る治療 を検 討 します。 いろ こすため、緩め に巻 いてな に役 立 ち ま す。 ま た、手 を 上 げ る運 動 を行 って、 節 に、2∼ 3周 程 度 巻 く。 きつ く巻 くと血行障害を起 いろな手術法 があり ます が、腱鞘を 切開す る手 術 市販のテー ビング用テープ を、痛 む部分の 1つ 上 の関 手 の血行 を よくす る こと を心 がけ てく ださ い。 ●テー ピングで 関節の動きを制限する 。 が 一般 的 です ︵ 左 の囲 み の下段参 照︶ ▼ まずは安静 に し、血行 をよ くする *清 水弘之ら「日本手の外科学会雑誌」2004年 早め に解消 ︱ 手 のト ラブ ル 手 のしびれがあ るとき 別府諸 兄 毒サ奪大 学 贅 しび れ﹂ が起 こ って いる場合 は 、 手だ け に ﹁ 手首 や肘 の神 経 の障害が疑 わね ます 。 しか し、しび れが ほか の重 篤 な病気 によ って 起 こ って いる場 合 もあ る ので、 たり 、 ﹁ 物 が 二重 に見 え る﹂ な ど のし び れ 以外 の や顔 など の手 以外 の部位 にも しび れ や麻痺 が起 き れ が現れ る ことも あります。 これ ら の場合 は、足 の変 形 によ る神 経 の障害 など によ つて、手 にしび 障害 ﹂﹁ 糖 尿病 ﹂ な ど の病 気 があ り ま す。 首 の骨 医療 機 関を き ちんと受診 し て、早 め に治療 を始 め る ことが大 切 です 。 手 の しび れ 症状が手から肘に限られる場合、 手首や肘の神経の障害が疑われる 手 にしび れを起 こす病気 はさまざ ま で、重篤 な しび れ る のが手 だけだ ったり 、手 首 や肘 に痛 み 症状 が現 れたり します。 あり ます。まず は整 形外科 など の医療機 関を受 診 を伴 う 場合 は、手 首 や肘を 通 る神 経 の障害 が考え 病気 が原因と な ってしび れが生 じ て いるお それも し て、何 がしびれ の原因 にな って いるかを 明 らか られます。手首 の神 経障 害 には ﹁ 手 根管症 候群 ﹂、 肘 の神 経障害 には ﹁ 肘 部管 症 候群 ﹂ があります。 にし ておく こと がと ても大 切 です。 手 にしび れを起 こす 原因 には、例え ば ﹁ 脳血管 82 きょうの健康 20089 一手 根 管 症 候 群 っ 職 嗽 M ゲ 将 椰 贈 別 汽 橘 に 版 一 ど 手首 には、手 の甲側 に骨 、手 のひら側 に靱帯 が あ り、 そ の間 に9本 の腱 と 、 ﹁ 正 中神 経 ﹂ が 通 る 空間があります。 これが ﹁ 手根管 ︵ 下 の囲 み参照 と です。手 のしび れは、手 の使 いす ぎなど で腱 がむ く ん で、 骨 と 靭帯 に挟 ま れ た狭 い手 根 管 の中 で、 正中神 経 が圧迫 され る こと によ って起 こり ますc 骨の変形などで尺骨神経が圧迫され、薬指 と小 指、手の ひ らの小指側 に しびねが起 こる。 れ、親指か ら薬指、手のひ らに しびねが起 こる。 肘部管 は、肘のオズボー ン靱帯 と骨 に囲まれた 空間で、その中を尺骨神経 が通 つている。肘の 手根管 は、手首の骨 と靱帯 に囲まれ た空 間で、 その中を腱や正中神経が通 つている。腱のむ く みな どで手根管が狭 くなると正中神経が圧迫 さ ●手根 管症候群 の症状 肘部管症候群 手根管症候群 手根 管症 候群 があ る場合 、手 のひら の手首 に近 い部分 を軽く たたく と 、小指 以外 の指 や手 のひら にしび れが起 こります 。 ほか にも 、正中神 経 の圧 迫 によ って次 のよう な症状を伴う ことがあります。 ▼夜中 に手 のしび れ で目が覚 める⋮ ⋮中高年 にな 手首 の神経 障害 が 疑 われ る ってホ ルモ ンのバ ラ ンスが崩 れ ると、一 夜寝 て いる ②ボタンが掛けられない ③手の筋肉がやせてきた ③∼⑤に ……当てはまる人は 肘の神経障害が 疑われる ④薬指と小指だけが しびれる ⑤小指が曲が つてきた 当てはまる人は……… 間 に腱 が腫 れ てく る こと があります。 ▼手 の親指側 の筋肉 がや せる⋮ ⋮神経 が麻痺 し て 親指を動 かせなく なり 、筋肉 が やせ てしま います。 ▼ボ タ ンが掛 けられな い⋮ ⋮親指 の筋 肉 が やせ る こと で、ボ タ ンが掛 け られなく なります。 120089 きようの健康 83 手 根管 症候群 は、手 を よく使う 人 や骨折 など に よ る骨 の変形 で手 根管 が狭 い人、 ホ ルモ ンのバ ラ 手にしびれがある場合、①∼⑤に当てはまる数が多いほど、手首や肘の神経の障害が疑われる。 ▼当て はまる項 目をチ ェック ①夜中 に手の しびれで目が覚める [手 の甲側 ] [手 の ひ ら側 ] 肘 部 管 症 候 群 は 、 仕 事 や スポ ー ツで肘 を よ く 使 す が、肘部管 症候群 があ る場合 、 こ の下側を指 先 ど でほぼ診 断 が つきます が、詳 しく 調 べるた め に 整 形 外 科 を 受 診 す ると 、 医 師 の間 診 や触 診 な 84 200891き ょうの健康 ンスが崩 れ やす い妊娠 。出産期 や更年 期 の女 性 な ど に多 く みら れま す 。 ま た、長 期 間 ﹁ 透析 療法 ﹂ を受 け ると ﹁アミ ロイ ド﹂と いう物質 が腱 の周 囲 に沈着 す るた め、 発 症 し やす いと いわれ て いま す。 肘部 管 症候群 肘部管が狭 くな って起 こる。 薬指 や小指 などが しび れる る 2 つの筋 肉 に挟 ま れ た ﹁オズ ボ ー ン靭 帯 ﹂ と、 う 人 に多 く 起 こり ま す 。 ま た 、 加 齢 に伴 う 骨 の変 肘 の内 側を 通 る ﹁ 尺骨神 経﹂ は、手首 に つな が 肘部管 ﹂を 通 っ そ の裏 側 にあ る骨と の間 にあ る ﹁ 形 により 中 高年 にな って増 加 す る傾向 があり ま す 。 で軽く たたくと 、薬指 と 小指 、手 のひら の小指 側 ﹁ 超音 波検査 ﹂など が行 わ れ る こともあります。 診断と治療 一 患部 を固定 し、薬 を使う。 一 手術 を受 ける必 要が ある ことも 一 て います。長年 、肘 を よく 使う こと で肘 関節 の骨 が変形 し て、尺骨神 経 が圧迫 され ると、手 のしび れ が起 こります。 これ が肘 部管症 候群 です。 ●肘部 管症候群 の症 状 にしび れが起 こります。 ほか にも 、尺骨神 経 の圧 ●患 部 を固定 したうえ で、薬 で炎症 を抑 え る 肘を曲 げ ると肘 の内 側 に骨 の出 っ張 り が現 れま 迫 によ って次 のよう な症状を伴う ことがあります 。 治療 の基 本 は患 部を安 静 にす る こと です。手根 管 症 候群 では ﹁シーネ ︵ 右 の囲 み参 照と と いう 装 ▼手 の小指側 の筋肉 がや せる⋮ ⋮神経 が麻痺 し て 小指を 動 か せなく なり 、筋 肉 がやせ てき ます。 具 で手 首 と 腕 を 固定 しま す。 肘 部管 症 候群 では、 肘を固定 し、作業を減 らす 合わせて作製する。 ▼小 指 が曲 が ってき た ⋮ ⋮筋 肉 が やせ る こと で、 肘部管症候群 の場合 きる。医療機関で患者 さん に 肘 を 深く 曲 げ ると神 経 が圧迫 され るた め、包帯 な 作業 を 1時 間行 つた ら 10分 程度手 を休める 手首 や腕の形 に合わせた金属 が入 つてお り、手首 を固定で 小指 に力 が入 らなく なり 、曲 が ってきます。 手根管症候群 の場合 「手を上げる運動 (81ペ ージ参照 )」 を行 い、手 の血行をよくする。肘部 管症候群のある人 は、肘 への負担が多い作業を減 らす。無理な場合は肘を 包帯などで固定 して作業 を行 う。 手 の血行 をよ くする 手根管症候群で はシーネ と呼 ばれ る固定用 の装 具 を使 う。 ● 日常生活 での工夫● 工、 司匝 幽 局 所麻酔 を して手首 の手 の ひ ら側 を 3cm程 度 切 開 し、圧迫 して いる部分 の靱帯 を切 開する。 局所麻酔 をかけて肘 を4cm程 度切 開 し、オズボ ー ン靱帯を切 開する。 手術 は30∼40分 程度で、 手術は30分 程度で、外来で行われる。手術後 、 靱帯は少 し開いた状態 にな り、圧迫が とれる。 外来で行われ る。 ど で肘を直角より少 し伸 ばした状態 に保ちます 。 こう し て安静 にしたう え で、薬 で炎 症を抑 え る 治 療 が行 わ れま す。 ﹁ 消 炎 鎮 痛 薬 ﹂ の湿布 薬 な ど を 使 う ほ か、症 状 が重 い場 合 は ﹁ステ ロイ ド薬 ﹂ と ﹁ 局所麻酔薬﹂を併せて注射することもあります。 ま た、 日常生活 でも 、手 の血行を よくす る運動 を行 ったり 、手首 や肘 の負 担 を軽減す る工夫 を し 。 4 たりす る ことも大切 です ︵ 8 ぺ︲ジ 下段参 照 ︶ ●効 果が な い場合 は手術 を検 討 する 安 静と薬 によ る治療を 3か月 ほど行 っても改善 。 しな い場合、手術 が検討 されます ︵ 上 の囲み参 照 ︶ ▼手 根管症候群 の手術 ⋮ ⋮手 のひら側 の靱帯 を 切 開 し、正中神 経を 圧迫 から開放 します。手 術 時 間 0分 ほど で、外 来 で受 け る こと が できます 。 関 は3 節 用 の内 視 鏡 であ る ﹁関節鏡 ﹂を使 い、 1∼ 2か m程度 切開 し て行 う方 法 もあります。 所を l c ▼肘部 管症 候群 の手術 ⋮ ⋮オズ ボ ー ン靭帯 を 切 開 し、 尺骨神 経を 圧迫 から開放 します。手術 時 間 は 、 。 0 0 3∼ 4分 ほど で 外来 で行 わ れます 患部 の状態 によ っては、骨を削 ったり神 経 を移動 したりす る 手術 が行 わ れ る ことも あります 。 障 害 が長く続くと 、治療 を し ても神経 の回復 に 時 間 がか かります。肘 部管 症 候群 では、麻痺 でや せた筋肉 が戻 るま で約 1年 かか ることもあります。 ■口 田 ■ ■ ■ ︵ べ っぶ 。もろえ︶ 別府諸 兄 5 ● 経 歴 1 9 4 9年 生 ま れ 。 7 年 東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 卒 業 。専 門 は 整 形 外 科 学、 特 に手 や 肘 な ど 上 肢 の外 科 、 マイ ク ロサ ー ジ ヤリ ー 、 スポ ー ツ障 害 、 股 関 節外科 な ど 聖 マリ ア ン ナ 医 科 大 学 病 院 ︵ 整 形 外科 ︶ 6 ︲ 神 奈 川 県 川 崎 市 宮 前 区 〒︲ 5 2 8 菅 生 216 1︲1 120089 きようの健康 85 ●肘部管症候群の場合 ●手根管症候群の場合 オズボーン靱帯 言 [獣[迫 │ 骨 がすり減 って痛 み や変 形 が起 こる病気 を総称 し シ ョンの役割を 呆た し て います。手 の指 関節 の軟 って いま せ んが、遺伝 的 な体質 や、指 への負 担 の 軟 骨 がすり減 る原因 に ついては、 は っきり わ か で、指 だけ でなく全身 の関節 にも症状 が現 れます が、変形性指 関節 症 は指 だ け に起 こり ます。 86 200891き ょうの健康 早めに解消 ! 手 のト ラブ ル ︲ 痛 みを我慢 せず 、早め に診 断 を受 け て、 症状 を抑 え る ことが大 切 です 。 て、変 形性指 関節症 と い います。変形性指 関節症 大 き い仕 事 や運 動 を し て いる な ど の環 境 的 な 要 ったく 別 の病気 です。 関節 リ ウ マチは全身 の病気 がよく知 られ て います が、変形性指 関節症と はま 関節 が変 形す る病気 と いう と 、 ﹁ 関節 リウ マチ﹂ だ いに変形 す る﹂と いう 特徴 があります。 痛 みが強 く な ったり指 関節 の変 形 が進 んだ り す る こと もありま す 。 しだ いに変 形 す る病気 です 。ほう っておくと 、 ﹁ 変形性 指 関節 症﹂ は 、指 関節だ けに痛 みや腫 れが生 じ、 別 府 諸 兄 毒サ 奪 大 暑 変 形 性 指関 節症 の治療 ヽ 一変 形 性 指 関 節 症 指関節 の軟骨がすり減 って 痛 みや変形が起 こる には、 主 に ﹁ 指 の特 定 の関節 に起 こる﹂ ﹁ 左 右対 因 が関係 し て いると考え ら れ て います。 ま た、中 関節 では、骨 と骨 の間 に ﹁ 軟骨 ﹂ があり 、 ク ッ 称 に起 こる こと が多 い﹂ ﹁ 痛 み や腫 れ が続 き 、 し ` │′ ノ 高年 の女性 に多 く 、長年 にわた って手 作業 を続 け 突 き指 ﹂ な てき た 人 によく起 こり ま す。 ま た、 ﹁ ど、指 のけがが原因 にな る こともあります。 変 形性指 関節 症 のな か でも特 に多 い病気 が ﹁ヘ 下の バー デ ン結節 ﹂と ﹁ 母指 C M関節症 ﹂ です ︵ 。 囲 み参 照︶ ● ヘバ ーデ ン結節 ヘバー デ ン結節 は、人 さ し指 、中指 、薬指 、小 指 の、指先 から数え て1番 目 の関節 の軟骨 がすり 減 って起 こり ま す。 関節 に腫 れと 痛 みが生 じ て、 物 を つま んだり手 を 強く握 る こと が難 しく なりま す。軟 骨 がなく な ると 、骨と骨 が直接 ぶ つか って ﹁ ︲ 堀内行雄 ) (写 真提供 :川 崎市立川崎病院 ●母指 CM関 節症 (左 手 に起 こつている場合 ) 親才 旨の3番 目の関節 (左 の写真の赤丸部分 )が 広げられ` な くなる 骨に ﹁ 骨棘 ﹂と いう とげ のよう なも のが でき 、痛 エ ックス線写真 ツクスイ 手の甲側か ら見た様子 み や腫 れ が増 す こと も あ り ます。ま た、関節 が 不 エ ックス線写真 手の甲側か ら見た様子 安定 な状態 になり 、変形 が生 じ てきます。 ● 母指 CM関節症 親 指 の指 先 か ら 数 え て 3番 目 の関節 の軟 骨 が すり減 る のが、母指 C M関節 症 です。 こ の関節 の 軟骨 がす り減 ると、親指 の骨 が外 側 にず れ て、関 。そ 亜脱 臼 ︶ 節 が外 れ か か った状 態 になり ま す ︵ の結 果 、親指 の付 け根 部 分 が変形 し外 側 に出 てき て、親 指と人 さし指 の間隔 が狭く なります。痛 み 写真で見 ると、親指の 3番 目の 関節 の軟 骨が す り減 り、亜脱 臼 して いるのがわかる。 ノ 、 ︱︱︱︱︱︱︱ 120089 きようの健康 87 のた め、瓶 のふたを 開け たり 、ド アノブを 回 した りす る のが つらく なり ます。 ● ヘ バーデン結節 (右 手 に起 こつている場合 ) 薬 指の 1番 目の 関節の 軟骨がす り減 つて、指 先が左向きに変形 して い る。 また、中指 の 1 番 目の関節 (左 の写真 の赤丸部分 )を エ ック ス線写真で見 ると、骨 の端 に骨棘ができてい るのがわかる。 外側 に出て、親指 と人 さ し指の間隔が狭 くな つている。エ ックス線 一変 形 性 指 関 節 症 の治 療 法 一患部を安静にし、薬を使う。 一手術 で関節を固定させることも 変形 性指 関節 症 で軟 骨 がすり減 ってく ると、 関 節 を動 かすとき に痛 みが生 じ るた め、どう し ても 指 を使 わなく なり がち です。 しかし、軟 骨 に必要 な栄養 は、関節 が動 く こと で分泌 され る仕組 みに な つて います。 そ のた め、指 をあまり動 かさな い で いると軟骨 が栄養 を得 られず 、 さら にすり減 っ て痛 みが増すと いう 悪循 環 に陥 ってしま います。 せるよ うに軽 く押さえる。変形がある 場合 は、医師の指導の下で指の形がま っす ぐになるよ う矯正 して巻 く。 た め、変形 が起 こり やすく なります。治療 を しな の動 きを制 限す る ﹁ 関節 用 バ ンド﹂と いう 装 具を 母指 C M関節症 の場合 は、親指 の3番 目 の関節 。 で、変 形 の進行を防 ぎま す ︵ 右 の囲 み参 照︶ ︲ 併せて ﹁ 手 を 上 げ る運 動 ︵ 8 ページ参 照 と を 行 って、手 の血行 を よく す る ことも大 切 です。 どち ら の場合 でも 、 1週間 ほど安静 にし ても痛 みが続 く場合 は、炎症 や痛 みを抑え る ﹁ 消炎鎮痛 ヘバー デン結節 の場合 は でアービ ング﹂で1番 目 ま って関節 が安定 し てきます 。 関節を動 かし にく こう した治療を行う こと で、 しだ いに痛 みが治 薬 ﹂ の湿布 薬 や貼 り薬を 用 います。 の関節 の動きを制 限 します。す でに変 形 が始 ま っ く な り ま す が、 変 形 の進 行 を 防 ぐ こと が でき ま 治療 の基本 は、患 部を安 静 にす る こと です 。 ●患部 を安静 にし 、薬 で炎症 を抑 え る と で痛 みや変形を抑え る ことが できます。 線検 査 ﹂など で診断 を受 け、適 切な治療 を行う こ 整 形外 科 を受 診 す る こと が大 切 です。 ﹁エ ック ス 進行 を防ぐ た め には、痛 みが起 こ ったら早 め に いまま ほう ってお いても痛 みは治ま ってきます が、 ●母指 CM関 節症 の場合 利 用 し ま す。 親 指 を 少 し 広 げ た 状 態 を 保 つこと をま っすぐ に矯正 した状態 でテービ ングします。 痛みの ある指の 1番 目の関節 にテー ビ ング用のテー プを緩め に巻き、な じま 指 が変形 したまま の状態 で固ま ってしま います。 さら に、軟骨 がす り減 ると関節 が不安定 にな る ●ヘ バーデン結節の場合 て いるとき には、医師 の指導 を受 けたう え で関節 88 200891き ょうの健康 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― │ ― ― │ 親指の3番 目の関節の動きを制限する 「関節用 バン ド」を使い、親指を少 し 広げた状態に保つ。関節用バン ドは医 療機関などで処方される。 で少 しず つ関節を動 かしま し ょう 。 すЭ 強 い痛 みが治 ま ってき たら、無 理 のな い範 囲 手術 は全身 麻酔 で行 わ れ、1時 部分 に移植 します。 し切 除 し、骨盤を構成 す る ﹁ 腸骨﹂ の 一部を 関節 み参 照と です。亜脱 臼を起 こし て いる骨 の端 を少 間半 ほど かかり 、4日間程度 の入院 が必要 です。 手 術 をす る こと で、指 の変 形 は ほと んど なく な りま す。親指 の3番 目 の関節 が固定 され て動 かし てお くとよい。 ●手 術 で関節 を固定 す る こともあ る ヘバー デ ン結節 では、 テービ ングなど で変 形 の 進行 などを抑 え る こと が できます。 そ のた め、手 術 が必要とな るケー スはあまりありませ ん。 にく く なります が、 ほか の関節 は動 く ので、 日常 生活 に支障 を来す こと はあまり ありま せ ん。 変 形 性 指 関節 症 の予 防 法 節 に負担 が か か る場 合 は、 あ らか じめテー ビングを し あらかじめテービングをしておく とき ははさみ を使 うな ど、 指 関節 へ の負担 を減 らす こ とが大切 。仕事な どで指関 作業を 1時 間行 つたら10分 手を休める 変形性指関節症の発症 と進 行 を防 ぐには、袋を開ける 指先 に力を集中させる動作を控える 旨先で支えるなど) (物 をつまむ、ま 母指 C M関節症 では、関節 の亜脱 臼 によ つて親 指 の動 き が制 限 され、 日常生活 に支障 を来 し て い る場合 に、手術 が検 討 され ること があります 。 指 への負担が大 き い動作 や 長時 間 の手作業 を控 え る 指 関節 には、思 いのほか大 き な負 担 がか か って いま す。変 形性指 関節症 を防 ぐ には、物を つま む 動作 や指 先 で重 い荷物を持 つ動作 など の、指 関節 への負 担 が大 き い動 作 を 控 え る こと が大 切 です。 例え ば、裁縫 には でき るだけ ミシ ンを 利用 し、袋 を 開 け るとき ははさ みを使 います。重 い段 ボ ー ル 箱 を持 つとき は、指先 で支え ず に取 っ手 を 利 用す るなど 、指 の負 担 を減 らす 工夫 を しま し ょう 。 0 仕事 など で指 を よく使う 人 は、 1時 間ごと に1 分 間程度 の休 憩を 入れ るよう にします。あ らかじ め テービ ングを し て作業 す る のも 、指 関節 にかか る負 担を軽 くす るよ い方 法 です。 120089 きようの健康 89 手 術 にはさまざま な方法 があります が、 日本 で い程度 に動 かせるよ うになる。 最も よく行 わ れ て いる のは ﹁ 関節 固定術 ︵ 左 の囲 親指の 3番 目の関節の骨の端 を平 らに削 り、骨 と骨の間に腸骨を入れて金具で固定する。関節 の形が矯正さね、親指を日常生活 に差 し支えな ●変形性指関節症を防 ぐ工夫●
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