第 1.0 版(2014 年 7 月 25 日作成) 未破裂脳動脈瘤の破裂、及び動脈瘤破裂くも膜下出血後遅発性脳虚血に 関わる体液中マイクロ RNA の同定 研究責任者 堀口 崇 外科学教室(脳神経) 1 研究目的 未破裂脳動脈瘤は破裂すると予後の悪いくも膜下出血を起こします。動脈瘤の場所、形、大きさ から破裂のし易さを予測することができますが、現状においてその確実性は高くありません。また くも膜下出血を生じた場合、仮に命が助かったとしても遅発性脳虚血という合併症で脳梗塞と同じ ような後遺症を残すことがあります。当科では血液または髄液の検査で①どのような動脈瘤が破裂 しやすく、②どのような場合くも膜下出血後の遅発性脳虚血を起こしやすいか、を明らかにし、診 断及び治療に結びつけることを目的に研究を行っています。 2 研究協力の任意性と撤回の自由 この研究への協力の同意はあなたの自由意志で決めてください。同意しなくても、あなたの不利 益になるようなことはありません。一旦同意した場合でも、あなたが不利益を受けることなく、い つでも同意を取り消すことができ、その場合は採取した血液や髄液、そして遺伝子を調べた結果な どは廃棄され、診療記録などもそれ以降は研究目的に用いられることはありません。ただし,同意 を取り消した時すでに研究結果が論文などで公表されていた場合などのように、遺伝子を調べた結 果などを廃棄することができない場合があります。 3 研究方法・研究協力事項 血液を通常の方法で約 10ml 採血します。また、診断や治療上必要となる腰椎穿刺・ドレナージ や脳室ドレナージ、手術中に髄液を採取した場合、採取された髄液を約 5ml 用います。血液、及び 髄液に含まれるマイクロ RNA を解析し、病態、病勢との相関を検討します。 4 研究協力者にもたらされる利益および不利益 採血に伴う身体の危険性はほとんどありません。また,髄液は診断や治療上必要となる腰椎穿刺・ ドレナージや脳室ドレナージ、手術中に採取されたものを用いますから、研究にともなう身体の危 険性はありません。また、この研究によって手術の術式が変更されることはありません。従って、 この研究によって生ずる個人への危険性はほとんどないと考えます。 5 個人情報の保護 あなたから提供された試料の(特に遺伝子の)研究結果は、様々な問題を引き起こす可能性があ るため、他の人に漏れないように、取扱いを慎重に行う必要があります。あなた及び提供された試 料から抽出された遺伝子(DNA や RNA)には、氏名、生年月日などの代わりに新しく符号をつけさせ 1 ていただきます。あなたとこの符号を結びつける対応表は、慶應義塾大学医学部脳神経外科におい て厳重に保管します。ただし,遺伝子解析の結果が、その後の治療方針選択や予後推定に大きく影 響を及ぼすと思われる一部の脳血管障害においては、解析結果を診療録に記載し、診療の一助とす ることもあります。 6 研究計画書等の開示 希望があれば、この研究の研究計画の内容を見ることができます。また、遺伝子を調べる方法等 に関する資料が必要な場合も用意します。 7 協力者への結果の開示 本研究では,多くの方々から提供された試料を分析したうえで結果が導かれますので、原則とし て個人の解析結果は開示されません。あなたのご希望があれば、個人の解析結果を開示します。 8 研究成果の公表 研究の成果は、提供者本人やその家族の氏名などが明らかにならないようにした上で、学会発表 や学術雑誌およびデータベース上等で公に発表されることがあります。 9 研究から生じる知的財産権の帰属 本研究の結果として特許権などが生じる可能性がありますが、その権利は研究機関などの研究遂 行者などに属し、あなたには属しません。また、その特許権などをもととして経済的利益が生じる 可能性がありますが、あなたはこれについても権利がありません。 10 研究終了後の試料取扱の方針 (a) あなたの試料および、抽出された遺伝子は、原則として本研究のために用いさせていただき ます。 (b) あなたの同意があれば、あなたの試料を将来の研究のための貴重な資源として、研究終了後 も保管させていただきたいと思います。なお将来、新たな研究で試料を用いる場合は、改め てその研究計画書を倫理委員会において承認を受けた上で利用します。 11 費用負担に関する事項 ここで行われる研究に必要な費用は公的研究費により支払われ、あなたが負担する事はありませ ん。 12 問い合わせ先 お問い合わせ先:160−8582 東京都新宿区信濃町 35 慶應義塾大学医学部 脳神経外科 堀口 崇 高橋 里史 2
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