H26 年度衛生薬学 1 小テスト模範解答 2014.11.17 問1 1.(ウ)(コ) 2.(キ)(ク) 3.(オ)(コ) 問2 (ア)(カ) 問3 アミロースはグルコースがα1→4 グリコシド結合で直鎖状につながった多糖であり、唾液や膵液に含 まれるα-アミラーゼによってマルトース(一部グルコース)にまで加水分解される。マルトースは、小腸上 皮細胞の管腔側細胞膜に存在するマルターゼによってグルコースになる。グルコースは、小腸上皮細胞の管 腔側細胞膜に存在する Na+,グルコース共輸送体を介する二次性能動輸送によって細胞内に入り、血管側の細 胞膜に存在する GLUT2 を介する受動輸送によって血液側に放出される。なお、二次性能動輸送に必要な Na+ の勾配は、血管側細胞膜に存在する Na+,K+-ATPase による一次性能動輸送によって維持される。 問4 網膜の桿体細胞に含まれる光受容タンパク質のロドプシンは、オプシンタンパク質とレチナールから 成る。桿体細胞に光があたらない状態ではレチナールは 11-cis 型であるが、光があたると all-trans 型に変 化してオプシンからはずれ、コンホメーション変化を引き起こしたオプシンは三量体 G タンパク質のトラン スデューシンに作用して、シグナル伝達が起こる。all-trans レチナールはロドプシンからはずれて 11-cis レチナールへと再生されるが、光受容サイクルの間に徐々に失われるので、補充されなければならない。ヒ トはレチナールをもとから生合成することはできないので、レチナールの前駆体ビタミン A(レチノール) を食物から摂取しなければ徐々にロドプシン量が減少して光感受性の低下した状態、すなわち夜盲症になる。 2015.01.05 問1 1.カルボキシ化 → ヒドロキシ化 2.特定保健用食品 → 栄養機能食品 3.チミジル酸シンターゼ → ジヒドロ葉酸レダクターゼ 4.酸性アミノ酸 → 芳香族アミノ酸 問2 1. 水分活性 2. 収穫後農薬 3. 生物農薬 問3 皮を剥いたリンゴの空気に触れる部分では、リンゴに含まれるポリフェノールオキシダーゼが空気中 の分子状酸素を用いてオルトジフェノール類を酸化することによってオルトキノン類にする。オルトキノン は重合してメラニン色素になるので茶色い変色が起こる。 問4 食用油に含まれる多価不飽和脂肪酸の二重結合で挟まれた活性メチレン部位では、①光や熱によって 水素の脱離が起こり、ラジカルが生成することがある。②ラジカル(二重結合)の位置の移動が起こった後 に、③このラジカルは分子状酸素と反応してペルオキシラジカルとなる。④このペルオキシラジカルは、別 の不飽和脂肪酸の活性メチレン部位から水素を引き抜き、ヒドロペルオキシドとなる。新たに生じたラジカ ルは②〜④を繰り返して連鎖反応が起こり、急激な過酸化が進んで脂質の変敗が起こる。 2015.1.26 問1 1.アセチルコリンエステラーゼ → 電位依存性 Na+チャネル 2.ノイラミニダーゼ → ヘマグルチニン 3.○ 4.阻害する → (常時)活性化する 問2 1回目:狂牛病になっていたと思われる牛の肉などを摂取することによって、取り込まれた異常型プ リオンタンパク質が vCJD を引き起こしたと考えられる。 2回目:1回目のピークのときに異常型プリオンタンパク質を取り込んでいた人(発症していたかどうかは わからない)の血液の輸血等によって、異常型プリオンタンパク質に感染して vCJD になったと考えられる。 問3 ヒトのインフルエンザウイルスの場合には、ヘマグルチニン(HA)が宿主細胞のシアル酸受容体の NeuAc(α2→6)Gal 型の糖鎖末端に結合することによって、エンドサイトーシスされて細胞内に入る。その後、 宿主細胞内で RNA ゲノムの複製とタンパク質合成を行なった後に、ウイルス粒子は宿主細胞から出芽する。 その際にまた HA がシアル酸受容体に結合してしまうと、ウイルス粒子は細胞外に放出されない。そこでノ イラミニダーゼ(NA)がシアル酸受容体の糖鎖末端の α2→6 グリコシド結合を切断することによって HA が 結合できなくして、ウイルス粒子の放出を可能にする。一般的な抗インフルエンザ薬は NA を阻害すること によって、ウイルス粒子の放出を抑える。すでに形成されたウイルスを死滅させるわけではなく、他の宿主 細胞への感染を抑えるわけでもないので、ある程度ウイルスが増殖してしまった後では治療効果は低い。し たがって、抗インフルエンザ薬の早期投与が必要である。 問4 赤痢の志賀毒素は A-B 型毒素であり、B サブユニットが宿主細胞膜の受容体に結合してエンドサイト ーシスされ、A サブユニットが 28S リボソーム RNA を修飾してタンパク質合成を阻害する。それによって、 腸管細胞の壊死が起こって出血する。腸管出血性大腸菌の毒素は赤痢の志賀毒素と同一であり、赤痢の志賀 菌などが持つ志賀毒素の遺伝子が水平伝播によって大腸菌に移ったものと考えられる。したがって、腸管か らの出血などの症状は赤痢と腸管出血性大腸菌の食中毒で似ている。
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