No.100 Winter (PDF:1.5MB)

100号記念号
サイバネットニュース
サイバネットニュース100号発行に際してのご挨拶
サイバネットシステム株式会社
代表取締役社長 井口 忠之
平素は、弊社取扱いプロダクトおよびサービスをご愛顧賜り、厚く御礼申し上げます。
また、
ここにサイバネットニュース100号発行を迎えることが出来ましたことは、
ひとえに皆様のご
支援の賜物と感謝申しあげます。
サイバネットシステムでは、
お客様への技術サービスの一環として、
プロダクト、サービスに関す
る最新情報の提供を目的に1982年5月「CYBERNET NEWS」を創刊し、2001年10月時点、19
年間で99号を発行するに至っております。
本誌は、創刊年月からもお分かり頂けます通り、前身であります日本シーディーシー株式会社時
代に創刊されたものであります。当時、
日本シーディーシー株式会社では科学技術計算分野向け
リモートコンピューティングサービス(RCS)である「サイバネットサービス」を提供しており、同誌は、
同サービスで利用できるソフトウェアの最新情報を提供すべく創刊され、現在に引き継がれてい
るものであります。
創刊当時は、年6回の隔月発行でしたが、1994年より一層の内容充実や、
カラー化を図るなど
紙面を一新し、年4回の季刊誌となっております。現在の誌面構成は、①当社並びに開発元に関
する様々なニュース、②プロダクトの技術的最新情報、③ユーザ事例、④技術的トピックスに対す
る解説的な外部寄稿、
あるいは⑤弊社主催の各種セミナー及びイベント案内となっております。
このような変遷を経て同誌は、此の度、記念すべき100号を迎えることとなりました。
今後共、サイバネットニュースは、
ホームページ、各プロダクトニュースと併せ、皆様のご要望を取
入れ、
またご執筆等のご協力をいただき、内容充実を図り、最新の情報を発信していく所存であ
ります。
弊社は、
「Digital Engineering Solution Innovator」として、研究開発、設計、生産プロセス
の改革を目的としたデジタル・エンジニアリング、
とくにCAE
(Computer Aided Engineering)
分野およびネットワーク関連分野において、皆様にさらに満足していただける先駆的なソフトウェ
ア&技術サービス・ソリューションのプロバイダーを目指してまいります。
平成13年10月31日より、店頭(ジャスダック)市場に上場いたしました機会に、
さらに社業の発展
をはかり、皆様方のご期待にお応えすべく努力いたす所存でございますので、何卒一層のご愛
顧を賜りますようお願い申し上げます。
平成13年12月吉日
1
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
サイバネットニュース100号発行に際してのご挨拶
サイバネットシステム株式会社 代表取締役社長 井口 忠之
サイバネットニュース100号発行にあたって
株式会社豊田中央研究所 尼子 龍幸 様
特別編
Anniversary
100
NEWS
解説編
技術編
インフォメーション
1
2-3
ヤマハ株式会社 鬼束 博文 様
3
ザイリンクス株式会社 田村 滋朗 様
3
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 小西 学 様
3
千歳科学技術大学 助教授 小松川 浩 様
4
NTTコミュニケーションズ株式会社 榊原 睦彦 様
4
MATLAB & Partner Expo 2002開催のご案内
5
米国ナンバー1のWeb会議サービスWebEx日本上陸
6
高周波回路設計システムMicrowave Office2002新バージョンリリース開始
6
MEMS Pro3.0aリリース
7
iSUC出展報告
7
Reflection for the AS/400パートナー様紹介/(株)コンパス
8
情報セキュリティ対策セミナー開催報告
8
ネットワークソリューション新サービス紹介
9
LMS社 次世代CAEプラットフォーム「Virtual.Lab」を発表
10
汎用ビジュアライゼーションシステムEnSight
EnSight Gold導入事例∼独立行政法人 航空宇宙技術研究所∼
11
MATLABプロダクトファミリー
Real-Time Workshop Embedded Coderを利用した組込みシステム向けプログラム開発
12-13
汎用有限要素法解析プログラムANSYS MEMSデバイス設計のための機能
14-15
MEMSCAP社のMEMS設計システム
マイクロマシン設計システム機能紹介
16-18
統合CAE環境HyperWorks
新バージョンHyperWorks5.0の機能紹介
19
高周波回路設計システムMicrowave Office Microwave Office 2002 Visual System Simulator
20-23
PC資産管理/ライセンス管理/情報資産管理ソリューション 新しい文書管理システムData KeyServerの紹介
24-25
音響解析用メッシュ作成プログラム
新製品Virtual.Lab Pre/Acousticsのご紹介
26
光学設計・評価プログラムCODE V
CODE Vにおける光MEMSの扱い
27
照明解析プログラムLightTools
LightToolsの色度解析について
28
照度・輝度測定システムProMetric ProMetric Colorシステム新バージョンの紹介
29
数式処理プログラムMaple
Maple 7新機能紹介
30
イベント情報
ファイバーオプティクス EXPO他に出展
4
技術セミナー
ユーザを対象とした専門的な知識・技術の習得コース各種
31
紹介セミナー
ソフトウェアの機能と特徴の無料紹介コース各種
32
Anniversary
100 サイバネットニュース100号発行にあたって
特別編
日頃、ご愛読いただいている読者様よりメッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。
サイバネットニュース100号発行おめでとうございます。これも、サイバネットシステムの皆さんが、ユーザとのコミュニケーショ
ンを大切にされてきた努力の賜物だと思います。
私が、このサイバネットニュースに出会ったのは、およそ13年前になります。当時、コンピュータが大型の汎用機からエンジニアリ
ングワークステーション(EWS)へ移行し始めた頃で、弊所でもその時流にのって、CAEのプリポス
トソフトウェアをEWSへ移行することを決定していました。そのソフトウェア選定の際に、御社から
送って頂いた資料の中に含まれていたのが、最初に見たニュースだったと記憶しています。その後、
PATRANの導入を決めましたが、それ以降ずっと定期的に送って頂きました。その最初のニュース
が右図に示した37号です。当時のニュースは、タイトル等がブルーで記載された、モノクロが基本
のものでした。
それから、
1993年にカラー化され一段と見やすくなり、現在に至っています。図の37号当時から
サイバネットニュースには、新製品発表やイベントなどのニュースとともに、それぞれのソフトウェ
アの技術的な特徴から効果的な使用法やマクロに至るまで、多岐にわたって掲載されていました。
このスタイルは、現在まで継続されており、当時に比べ扱っているソフトウェアも様変わりし、質・量
とも多様化した中で、要点をうまく絞った技術的な情報が含まれたニュースになっていると思います。
その後、ANSYS、MATLAB、DADS、Maple等の導入を致しましたが、そのたびにソフトウェアの選
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
2
サイバネットニュース37号
定をする上での重要な参考資料として活用させていただきました。また、このニュースのソフトウェアに関する技術記事は、ある種
の詳細なマニュアルといえるため全てファイリングしてあり、上記ソフトウェアを導入後も活用しております。
さらに、解説と呼ばれる記事では、最適化に関する記事を特集されたり、最近ではMEMSに関する特集があったり、いつも興味深く
読んでおります。中でも最適化関連の解説記事とOPTIMUSの技術記事は、私が応答曲面法による最適化をはじめた頃と時期が重
なり、その手法の全般を理解するうえで、非常に有益な資料となりました。
これから、ソフトウェアもユーザの方もますます多様化していくと思いますが、現在のスタイルを崩すことなく、紹介記事だけに留
まらない技術情報を多く含んだニュースをお願いします。今後は、電子化等も含めた新たな発展もとげられながら、
200号、
300号へ
と進んでいくように期待しております。
株式会社豊田中央研究所
設計工学研究室
尼子 龍幸
CYBERNET NEWS100号の発行おめでとうございます。私がこのニュースをはじめて読んだのは、
60号ぐらいだったと思います
が、その時からたいへん良い印象を持ち、現在に至っています。スッキリとして統一感のあるフォーマット、読みやすいレイアウト、
そしてなにより「解説編」などの技術記事の内容が充実しているところが優れており、気に入っています。
今後も、業界のグローバル化に対応した海外の関連情報の提供や、さまざまなイベントを通してのユーザーの声情報の提供、初
心者向け基礎教育講座の連載など、更なる拡充をしていただけたら幸いです。
業界をリードするニュース誌として、引き続き良質のニュースを送り続けてください。
期待しています。
ヤマハ株式会社
生産技術部
鬼束 博文
サイバネットニュース発刊100号おめでとうございます。ザイリンクス株式会社は、MATLAB製品ファミリの持つシステムデザイン
/検証ツールを使用して、ザイリンクスFPGAでハイパフォーマンスDSPシステム開発のための環境を整えるべく、The MathWorks
社と戦略的パートナーシップを結んでおります。いままでDSPアプリケーションでFPGAを使う際に設計者にとって最大の障害とな
っていたのは、アルゴリズム開発、シミュレーション等のシステムレベル設計とFPGAハードウェア設計との融合でした。今後はザイ
リンクスの新製品SYSTEM Generatorのリリースにより、独立していた2つの設計プロセスをMATLAB/Simulinkという同じ開発環境
の中で考え、ハードウェア記述言語で表現することが可能になります。今後ハードウェア設計者にとって、サイバネットシステムが提
供するシステムレベルでの設計プロセスにおいて効率的な解析、検証を行うことが非常に重要になってくると思われます。そのた
めにもサイバネットニュースのように多種多様な情報をさまざまな分野の技術者に提供するメディアの存在価値は益々大きくなっ
てくると思われます。貴誌の今後の更なる躍進を期待しております。
ザイリンクス株式会社
技術部
田村 滋朗
この度はサイバネットニュース100号記念号発刊おめでとうございます。昨年9月にMATLABの開発元であるThe MathWorks社よ
り、同社と弊社テキサス・インスツルメンツ(TI)の統合DSP開発環境に関する協力体制が発表されました。これによりMATLAB製品
ファミリが持つ新たなDSP開発技術を、TIにて提唱しているDSP向け総合的ソフトウェア技術インフラ『eXpressDSP“ (エクスプレ
スDSP)』を強力にサポートするラインナップに加えることができました。多くのDSP開発者に開発の簡便さと開発期間の短縮を示
唆する可能性が広がったことは非常に喜ばしいことです。その協力体制の結果として生まれた「Developer’s Kit for Texas Instruments
DSP」は、アルゴリズム開発、シミュレーション環境等の上流設計のツール、さらにTIが提供するDSP開発環境Code Composer
Studio“ と統合し、DSPアルゴリズムの開発とTI DSPへの実装の間にあるソフトウェアの設計と開発を簡素化する製品です。この
ような相互協力や、シームレスな開発環境の提供は、今後多様なアプリケーションにおけるソリューションの提供が可能なDSP技術
を啓蒙していくため非常に重要です。さらに、DSP技術の有用性を知らしめる情報を、技術者や開発者、また教育の場で提供してい
くことが必要不可欠です。その一環として、サイバネットニュースのように広範な分野の技術者の目に触れる機会の多い媒体を精
力的に提供しつづけていかれるということは大変有益なことと思います。貴誌の今後の益々の発展をお祈りいたします。
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
半導体営業本部 テクニカルスタッフ部
DSPテクニカル トレーニング グループ
小西 学
3
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
「構造改革」の波の中、大学人は研究のみならず教育を強く意識する「バランス感覚」が求められる時代となった。これは、文部科
学省指定の教員業績書のトップ項目が「研究業績」から教育上の能力といった「教育実績」に変わったことからも推測できる。本学
(千歳科学技術大学)は、光技術をキーワードに物質から情報まで幅広い理工系学問領域を網羅するカリキュラム体系を敷き、高度
専門職業人の育成と最先端の光技術の推進といった教育・研究を使命に、平成10年4月に開学した。
サイバネットシステム株式会社関係者には、上記一連の趣旨を理解して頂き、教育と研究の両面を想定し、BPM-CAD、ANSYS、
Maple、MATLAB、CODE V等の解析ソフトの導入・その後の学生指導のための情報提供といった幅広い支援をして頂いた。今年、
初の卒業生を送り出す本学では、
9月段階で大学院進学を除く就職希望約8割が内定を受け、そのほとんどがメーカー系や情報系の
技術採用となった。特に、基本的なプログラミング以外に回路・デバイス系の解析を必要とする部署での採用が予想以上に多く、内
定の一端をサイバネットシステム株式会社が担ったといっても過言ではない。おそらくこうした学生の中には、今後企業において解
析能力を発揮するために、上記ソフトウエアをツールとして利用する者も現れることであろう。
一方、企業の立場で見ると、専門的な知識と活用ノウハウを有する人材は、企業の生命線という認識から、個人が持つツールは必
要不可欠な投資コストとされることもあろう。そうであれば、サイバネットシステム株式会社と本学の取組みは、今後の教育と実社
会の循環型連携として、一石を投じることと期待している。
今後、サイバネットニュースにおいても、新しい教育での実践例なども含めた事例紹介を行う形で、有意義な産学連携の橋渡しに
なってくれればと望む次第である。
千歳科学技術大学 光科学部
助教授 小松川 浩
サイバネットニュース100号発刊おめでとうございます。私どもNTTコミュニケーションズでは、
「ReflectionX」という製品をエン
ドユーザ様へ提供させていただき、大変ご好評いただいております。そういった経緯から重点的に読むのはReflectionの記事ですが、
Reflectionのみならず、他の製品やセミナー案内なども掲載されているので、そういった記事も参考にさせていただいております。
特に、ライセンス管理などの記事はとても有益です。
最後にご希望を言わせていただくとすれば、高度な技術情報だけでなく、軽いタッチの読み物的な記事を掲載していただけると、
より一層読者層も広がっていくのではないのでしょうか。また、販売をさせていただいている立場から、お客様との会話のきっかけ
となるような話題性のある記事を載せていただければと思います。
では、今後のさらなるご活躍を期待しております。
NTTコミュニケーションズ株式会社 データセンター事業部
榊原 睦彦
イベント情報
インフォメーション
2002年1月∼3月の主なイベントをご案内いたします。
http://www.cybernet.co.jp/event
(最新情報は、弊社ホームページ・イベントスケジュールをご参照下さい。) http://www.cybernet.co.jp/seminar/s-semi.shtml
コンピュータソフトウェアのライセンス管理最前線
∼ 違法コピー防止のため 企業は何をすべきか∼
日時 1月11日
(金)
場所 全国町村会館2Fホール(東京・永田町)
主催 (社)コンピュータソフトウェア著作権協会
/サイバネットシステム(株)
出展 QND Plus/Quality Asset Watcher
第2回ファイバーオプティクスEXPO
MATLAB & Partner Expo 2002
日時 1月16日
(水)∼1月18日(金)
場所 東京国際展示場(東京ビッグサイト)
主催 リードエグジビジョンジャパン(株)
出展 Optiwave社プロダクト、CODE V、
MEMS Pro、MEMS Xplorer他
日時 1月29日(火)∼30日(水)
場所 東京ドームプリズムホール プリズムII
主催 サイバネットシステム
(株)
/The MathWorks, Inc.
内容 詳細についてはP.5をご覧ください
Maple 7 日本語版リリースセミナー
高周波回路設計システムMicrowave Office2002バージョアップセミナー
日時 2月8日(金)
場所 カナダ大使館(東京・表参道)
共催 サイバネットシステム(株)/Waterloo Maple Inc./カナダ大使館
内容 Maple 7の新機能紹介、
ユーザ事例紹介
※お問い合わせは、サイバネットシステム(株)までお願いいたします。
(TEL 03-5978-2481)
日時 2月19日
(火)<東京>、2月2
2日(金)<大阪>
場所 東京-弊社東京本社セミナールーム
大阪-弊社大阪支社セミナールーム
主催 サイバネットシステム(株)
内容 Microwave Office2002のバージョンアップ機能紹介及び利用方法
マイクロ波シミュレータワークショップ
日本数学会 春季総合分科会
日時 3月13日
(水)
場所 国士舘大学 世田谷校舎7号館2階
主催 電子情報通信学会 マイクロ波シミュレータ研究会
内容 高周波回路設計システム
Microwave Office2002紹介
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
日時 3月28日
(木)、
29日(金)
場所 明治大学(駿河台校舎)
主催 日本数学会
内容 Maple 7 日本語版展示
4
MATLAB & Partner Expo 2002開催のご案内
NEWS
The Next Generation −新たなるソリューションの扉を開く、MATLAB&Partnerの総合テクノロジーコンファレンス−
サイバネットシステムでは、
2002年1月29日(火)、
30日(水)
セミナー、目的別セミナーなどを計画しております。各メイン
の2日間、制御、通信、信号処理、データ解析などをはじめとす
カンファレンスでは、最新技術動向などの基調講演、MATLAB
るMATLABの幅広い適用分野を網羅する初のイベントとなる、
製品の開発元である米国The MathWorks, Inc.の開発ロードマ
MATLAB & Partner Expo 2002を開催いたします。
ップや、弊社および国内のMATLABパートナーによる最新の製
本カンファレンスでは、DSP & Wireless Communications
品情報、ユーザの皆様による事例発表など、これまでにない規
Conference(DSP開発/次世代通信システムカンファレンス)、
模 で M A T L A B に 関 す る 情 報 が 集 まる 機 会 と なりま す 。
Control Design Conference(制御カンファレンス)、Measurement
MATLABユーザの方はもちろん、興味をお持ちの方も、この機
& Data Analysis Conference(計測・解析カンファレンス)、
会に是非サイバネットシステム、The MathWorks, Inc.及びパ
Educational Conference(教育者カンファレンス)の4つのメイ
ートナーのテクノロジー、ソリューションをご覧ください。参加
ンカンファレンスを主軸に、MATLABパートナーによるセミナ
は無料ですが、事前登録制となっておりますので、参加ご希望
ーや、前回のカンファレンスでご好評頂きましたMATLAB体験
の方は、弊社MATLABホームページよりお申し込み下さい。
開催概要
日 時:2002年1月29日(火)、
30日(水) 9
:
30∼17
:
30
会 場:東京ドーム プリズムホール、プリズムII(JR水道橋駅より徒歩5分)
参加費:無料
申 込:WEB事前登録(www.cybernet.co.jp/MATLABよりお申し込み下さい。)
* 各セッションとも定員となり次第、受付を締め切らせて頂きますので、予めご了承ください。
メインカンファレンス
●DSP & Wireless Communications Conference −新たなDSP開発/次世代通信システム開発ソリューション−
●Control System Design Conference −先端技術を支える制御系設計ソリューションー
●Measurement & Data Analysis Conference −新たなる計測・解析のトータルソリューションー
●Educational Conference −ソフトウエアツールを用いた新世代の学校教育―
Keynote Session 基調講演
●『ワイヤレス1394システム −MMACでの検討とARIB標準規格−』通信・放送機構 新川崎リサーチセンター 有田 武美 氏
●『無線信号処理の新しい流れ −Turbo Principle の原理と応用−』 NTT DoCoMo 無線ネットワーク開発部 主幹技師 松本 正 氏
(前 NTT DoCoMo ワイヤレス研究所 電波信号処理研究室長)
●『Model Based Design and Code Generation at Ford Powertrain』Lemar Dace, Product Design Engineer, Ford Motor Company
●『モデル駆動型制御系について』東京大学大学院新領域創成科学研究科 木村 英紀 教授
協賛パートナー企業
株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ
東京エレクトロンデバイス株式会社
日本電気株式会社
株式会社小野測器
株式会社トリケップス
富士通株式会社
ザイリンクス株式会社
日本アルテラ株式会社
ベクター・ジャパン株式会社
CQ出版株式会社
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
丸文株式会社
ソニー・テクトロニクス株式会社
株式会社日本テクノセンター
三菱電機セミコンダクタ・アプリケーション・エンジニアリング株式会社
橘テクトロン株式会社
日本テレロジック株式会社
メメック ジャパン株式会社
中部電機株式会社
株式会社トヨタマックス
レクロイ・ジャパン 株式会社
お問い合せ先
MATLAB & Partner Expo 2002についてのお問い合わせは、応用システム第1営業部MPE事務局までお願い致します。
TEL 03-5978-5410, E-Mail: [email protected]
過去のカンファレンス
5
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
米国ナンバー1のWeb会議サービスWebEx日本上陸
この度、サイバネットシステムでは、Web会議サービスで米
ができます。
国最大手のWebExコミュニケーション社と提携し、「WebEx
パフォーマンス、安全性、セキュリティ
NEWS
Meeting Center( 以下WebEx)」サービスの提供を開始しまし
WebExのサーバ、および専用ネットワークは、何百万ものミ
た。このサービスは、効率的、経済的なコミュニケーションツー
ーティングが同時進行しても充分サポートできるよう設計され
ルとして、エンジニアリング、サポート、
トレーニング、セールス、
ています。システムは24時間体制で管理されており、また、複
マーケティング等、様々な分野で活用され、現在世界の5000社
数システムを用いることで高度な信頼性を実現しています。
以上の法人顧客、および数十万もの個人ユーザの間で使用さ
さらに、標準の暗号化技術を用いることでセキュアなコミュニ
れています。
ケーションが可能となっています。
マルチメディアWebコミュニケーションサービスWebEx
WebExはデータ、音声、ビデオを統合したマルチメディア
Web会議サービスであり、リアルタイムな双方向コミュニケー
ションを実現します。グローバルネットワークを介して、プレゼ
ンテーションや、
ドキュメント、アプリケーション等を離れた場
所にいる複数の方々と共有することができ、電話やe-メール
だけでは伝えにくい情報でも、無理なくスムーズに伝達するこ
とができます。
手軽に誰とでもコミュニケーション
WebExサービス概念図
WebExは、ホスティングサービスとして提供されており、ユ
ーザはハードウェアへの投資やソフトウェアのインストール・
電話、FAX、e-メールに次ぐ新しいコミュニケーションツー
メンテナンスを一切必要としません。インターネット接続と標
ルとして、出張経費・コストの削減、生産性の向上などに是非
準Webブラウザさえあれば、誰でも、どこからでもミーティング
ご検討下さい。
に参加することができます。ファイアウォールを安全に越えた
詳細は、メカニカルCAE第2営業部までお問い合わせくださ
利用が可能なため、社内間はもちろん、顧客やサプライヤ、パ
い。
ートナー企業とのコミュニケーションにも使っていただくこと
(TEL 03-5978-5445, E-Mail: [email protected])
高周波回路設計システムMicrowave Office2002新バージョンリリース開始
NEWS
この度、Applied Wave Research社開発の高周波回路設計
回路レベルで組み入れ、その回路のシステム内でのパフォー
システムが、Microwave Office2002となり新バージョンとなり
マンスをリアルタイムに評価できます。この種のシミュレータ
ました。
では、変調、復調、チャネルなどのライブラリや、IS-95Aなど通
このバージョンでは、様々な解析機能が強化され、さらに、
信規格に対応したライブラリの充実も必要ですが、VSSでは
高周波回路設計の効率化を実現できるものとなっています。
700種を超えるライブラリを用意しています。
その中で、大きなセールスポイントとなっているのが、通信シ
このMicrowave Office2002では、VSS以外にも、発振回路の
ステムシミュレーション Visual System Simulator( 以下VSS)
自動設計や電力増幅回路のロードプル解析など、重要度の高
です。従来の通信システムシミュータとは異なり、高速性と通
い解析機能の充実も行なわれました。
信システム評価の容易さを特徴とし、高周波回路設計者のた
めの通信システムシミュレータだと言えます。例えば、図1に
詳細は、EDA営業部までお問い合わせください。
示すように、デジタル変調通信システムの一部分、増幅回路を
(TEL:03-5978-5460, E-Mail:[email protected])
図1 Visual System Simulatorでのシステムシミュレーション
図2 発振回路自動設計の様子
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
6
MEMS Pro3.0aリリース
NEWS
MEMSCAP社が開発するMEMS Proの新バージョン3.0aが
し、その節点における物理的な挙動を運動方程式で表した上で、
リリースされました。
SPICE上で再度マクロモデル解析を行うための機能です。
今回のバージョンアップでは、主にANSYSとの連携部分が
MEMSデバイスと周辺回路の整合性を確認するのに有効な
強化されております。
機能となります。変位・電圧・容量をはじめ、ANSYSで扱う事
ANSYStoLayout機能
のできる多くの次元を擬似的に電圧や電流で表す事により、マ
ANSYS上のソリッドモデルに対して、各ボリュームごとに適
クロモデル展開する事が可能です。
用レイヤを割り当てる事により、ANSYS上で加工した形状から、
CIF形式の2次元ストリームデータを生成する事が可能です。
MEMS Proで作成した3次元形状をSAT形式でANSYSにデー
タを渡す事が可能であり、MEMS ProではCIFファイルをレイ
アウトデータベースに変換する事が可能ですので、ANSYSと
MEMS Proで双方向のデータのやり取りが可能となります。
MEMS Modeler機能
その他、MEMSレイアウトエディタであるL-Editには、MEMS
レイアウトパレットやPolar array機能など、多くのMEMS設計
に必要な機能が追加されています。
ANSYStoLayout機能
その他詳細に関しては弊社EDA技術部までお問い合わせく
MEMS Modeler機能
ださい。
ANSYS上であらかじめ一点もしくは複数の主自由度を選択
(TEL 03-5978-5412, E-Mail: [email protected])
iSUC出展報告
NEWS
去る10月17日∼19日の3日間、グランキューブ大阪(大阪国
際会議場)にて開催された第12回iSUC大阪大会(e-EXPO)メ
モレックス・テレックス株式会社ブースにて、弊社販売の5250端末
エミュレータ「Reflection for the AS/400」が紹介されました。
iSUCは“IBMユーザー会に参加している全ての企業や個人
が参加する事のできる自己啓発や能力開発を行う研鑚の場”
(http://www.uken.or.jp/isuc/isuc12/info/001.html)と位置づけ
られ、ユーザボランティアによって運営されるユーザのための
大会です。会場では毎年、様々なセッションや意見交流会が行
われ、展示コーナーでは様々なソリューションが紹介されてい
ます。弊社では、昨年の札幌大会、本年の大阪大会と2年にわ
たりメモレックス・テレックス 社 展 示 に協 力させ て 頂 き 、
デモによる説明風景
Reflectionの紹介をさせて頂いています。
同社ブースでは「iSeriesアウトプットソリューション」と題し、
5577系のプリンタを利用する必要がありません。そのため、メ
MEMOREX 2285高速ネットワークページプリンター(50ppm)
モレックス社製の高速プリンタなどとあわせてご利用頂くこと
や、スプールファイル自動配信システム、スプール処理管理ツ
が出来ます。
ール、電子帳票システムなど複数のソリューションが展示され
ました。
詳細は、ネットワークソリューション営業部までお問い合わ
「Reflection for the AS/400」は、印刷を行う際にWindowsの
せください。
プリンタドライバを利用するため、これまで必要とされてきた
(TEL 03-5978-5453, E-Mail: [email protected])
7
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
Reflection for the AS/400パートナー様紹介/(株)コンパス
NEWS
弊社販売・サポートの5250端末エミュレータ「Reflection for
データをホストに転送し、
3.
ホスト側でバッチ処理を行わせる、
the AS/400」を販売頂いている株式会社コンパス(本社:愛知
といった一連の作業を割り当てることもできます。
県名古屋市、代表取締役社長:井上博友氏)をご紹介します。
コストを抑えてIBMマシンを導入したい、またiSeries(AS/
同社では数年前から「Reflection for IBM」
「Reflection for the
400)とPCとの連携についても相談してみたいというニーズ
AS/400」の販売を始めており、その提
をお持ちのお客様にとって、コンパスは強力なパートナーとな
案力や製品ご紹介後の丁寧なフォロー
るでしょう。
は多くのユーザ様に高い評価を頂いて
います。 IBMビジネスパートナーでも
あるコンパスは、東京や大阪にも支店を持ち、
IBM製品並びに
IBM互換機、その他周辺機器などの販売を行い、その他に中古
販売/レンタルも行っています。また、あわせてソフトウェア
の提案なども行い、法人を中心として情報関連機器投資費用
削減や業務効率化の提案などを行っています。
コンパスではReflection以外にも、ExcelとiSeries(AS/400)
を 統 合 するようなソフトウェアも 取り扱 い 、I B Mホ ストと
Windows環境、Office製品とのシームレスなデータ転送などを
提案しています。ReflectionにはMicrosoft社のVisual Basic for
Applicationsが搭載されているため、Office製品との統合がス
ホストデータとExcelの統合
ムーズに行えます。例えばReflectionのツールバーにExcelを
立ちあげるマクロをボタンの形で追加し、
1.
Excelを立ちあげ、
2.
データ転送を行い、
3.
Excelでグラフを作成するといった一
詳細はネットワークソリューション営業部までお問合わせく
連の動作をクリックだけで行えるようにすることが可能です。
ださい。
逆にExcel側のマクロに1.
Reflectionを立ちあげて2.
Excel側の
(TEL 03-5978-5453, E-Mail: [email protected])
情報セキュリティ対策セミナー開催報告
さる11月27日、弊社別館セミナールームにて「情報セキュリ
NEWS
「強力なワームに感染させられた」
「Webを書き換えられた」、
ティ対策、企業として今何をすべきなのか∼情報セキュリティ
または「企業内の重要な情報が漏洩した」といったセキュリテ
ポリシー策定から運用への第一歩∼」と題し、情報セキュリテ
ィ関連の話題を聞かない日がないくらいの昨今、情報セキュリ
ィに関するセミナーが開催されました。協賛としてアライドテ
ティ確立は企業にとって重要な緊急課題となっています。その
レシス株式会社セキュリティ・コンサルティング部コンサルタ
反面、
“ではどうしたら良いのか”という具体的な情報は乏しく、
ントの方をお招きし、セキュリティを取り巻く環境や情報セキュ
頭を悩ませている担当者が多いのではないでしょうか。
リティの最新情報、情報セキュリティを確立するために何をす
情報セキュリティを確立するためには、まずどんなものに対
れば良いのかといった講演を頂きました。
してどんなリスクが発生するのかを確認する“リスク評価”と
呼ばれる作業を行う必要があります。この作業を行うためには、
どんな情報資産があるのか、まず現状把握から始めなければ
なりません。人手に頼っていては難しいこの現状把握の方法
について、弊社では弊社販売・サポートの「QND Plus」を用い
て具体的なご提案をさせて頂いています。セミナーでもこうし
た実際の作業手法提案に興味が集まりました。また、セミナー
ではあわせて、本誌解説編に紹介の情報資産管理ソリューショ
ン「Data KeyServer」なども紹介させて頂きました。アライド
テレシス社のコンサルテーションサービスにも注目が集まり、
セミナー後はあちらこちらでコンサルタントを囲んで質疑応
答を交わす姿が見受けられました。
詳細は、ネットワークソリューション営業部までお問い合わ
せください。
セミナー風景
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
(TEL 03-5978-5453, E-Mail: [email protected])
8
ネットワークソリューション新サービス紹介
NEWS
ホストアクセスソリューション「Reflectionシリーズ」やPC資
産管理や情報資産管理ソリューションなど、情報システム管理
者の負担を減らすソリューションを提案し続けてきたネットワ
ークソリューション営業部/技術部では、この度、導入・運用を
支援するサービスをメニュー化し、更なるサポートの強化を図
りました。
新しいソフトを導入し社内での運用を始める場合、どうすれ
ば最も効率よく運用できるのか頭を悩ませる管理者の方は多
いと思います。同じ製品を同じライセンス数購入するとしても、
企業のニーズによって利用方法や運用方法は異なります。また、
せっかくソフトを導入してもニーズにあった機能があるのにそ
れを知らなかったり、適切な運用が出来ていないためにその
効果を充分に発揮できていなかったり、導入コストにあった効
資産管理シール作成サービス
果を得られていない場合もあります。こうした失敗をしないた
めにも、最初の段階で製品を良く知ったプロのアドバイスを受
ホストアクセスソリューションサービス
け、運用の相談をしておくことが大切です。
1.導入支援
PC資産管理、デスクトップ統合管理ソリューションサービス
Reflection製品にはもともと、管理者の負担を減らす様々な
1.導入支援
機能が搭載されています。Webを利用した一括導入や、導入
スタータパック
時点でユーザにあわせた機能制御を行う集中管理機能などで
QNDPlusおよび、KeyServerを利用して、デスクトップ管
す。こうした機能を充分に活用することで、管理者の業務負担
理/資産管理を実施するための事前トレーニングを目的と
を大きく減らすことが出来ます。サイバネットシステムでは、こ
します。全社展開を念頭においた運用にむけての見通し
うした機能を活用してReflectionを効率よく導入するための支
や実施計画立案のため、弊社SEが共同作業を通して、の
援、および効率的運用のための管理者向けトレーニングなどを
べ2日間ほどの導入支援を行ないます。
行っています。
アドバンストパック
2.その他カスタマイズサービスなど
デスクトップ管理/資産管理の最終目的を、QND Plusおよ
ReflectionにはMicrosoft Visual Basic for Applications が搭
び、KeyServerを利用して達成するための見通しをたて、
載されており、定形操作の自動化など様々なカスタマイズを行
全社展開とその後の運用にむけての計画を立案し、実施
うことが出来ます。こうしたカスタマイズプログラムは、保守を
します。上記目的のため、弊社SEが共同作業を通して、実
ご契約頂いているユーザ様向けにWeb上で公開しており、無
地トレーニングを行います。
償でダウンロード頂けます。
2.運用支援
通常のWindowsベ ースの端末エミュレ ータだけでなく、
定期メンテナンスや資産管理台帳作成サービス、独自の
Web to Host型の3270端末エミュレータ「Reflection for the
レポート作成サービス、既存の資産管理台帳とQND Plus
Web」も非常に高い拡張性を持っています。例えばWebアプリ
の台帳を統合するサービスなど様々なオリジナルサービ
ケーションと連携させて動作させることなども可能ですが、こ
スを行っています。
うした開発などを行う場合にもサイバネットシステムでは的確
なサポートサービスをご提供しています。
まとめ
サイバネットシステムでは、お客様のニーズに応じて今後も
サービスプログラムを随時増やしていく予定です。メニューに
ないサービスもお気軽にご相談ください。
詳細は、ネットワークソリューション営業部にお問い合わせ
ください。
(TEL 03-5978-5453, E-Mail: [email protected])
レポート作成サービス
(項目別集計)
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
LMS社 次世代CAEプラットフォーム「Virtual.Lab」を発表
NEWS
次世代プラットフォームの開発に向けて
CATIA以外のCADデータも取り込むインターフェースも提供
実験モード解析や音響解析、機構解析CAE製品の提供で実
しています。
績を誇るLMS International社がバーチャルプロトタイプの構
Virtual.Labプロダクトライン
築するための次世代CAEプラットフォーム『Virtual.Lab』を発
Virtual.Labのアプリケーション群は、「Engineering Viewer」
表いたしました。
モジュールを通して共通のユーザインターフェースで操作す
LMS社では、お客様へのサーベイにより、現在の開発工程の
ることができます。アプリケーションとして4つの製品群から
問題点の分析を行いました。1つ目の問題として開発プロセス
構成されます。
上の問題点が上がりました。実験部門とCAEを利用する開発
①Virtual.Lab NVH:
部門が、また、強度剛性、衝突、NVHなどファンクションごとに
自動車などの大規模な構造物を、周波数応答関数(FRF)、
分かれた部門が、各々独自のツールで開発を進め、開発の最
実験モーダルモデルやFEMモデルとの組み合わせ(ハイブ
終フェーズの段階で、設計変更などの対応で多くの時間が裂
リッドモデリング)で表現、解析し、振動特性をビジュアルに
かれていることです。実験部の実験モデルと開発部のCAEモ
評価することができます。
デルを使ったハイブリッドな解析の実施、また、ことなるファン
クション間でも共通に評価できるシステムの構築が求められ
ています。
2つ目の問題点として、Mesh作成やデータ変換、データセッ
トアップなど付加価値のない業務に多くのエンジニアリングタ
イムが費やされているということです。このような付加価値の
ない作業からエンジニアを解放し、解析結果からの考察、モデ
ルアップデートなどにより多くの時間を費やせるCAEプラット
フォームが必要である点です。
フランスダッソーシステムズ社との提携
Virtual.Lab NVHポスト処理画面
LMS社は、3次元CAD「CATIA」の開発元であるダッソーシス
テムズ社と、次期新製品の開発にCATIA V5の開発環境「V5ア
②Virtual.Lab Acoustic:
プリケーションアーキテクチャ」を採用することで提携いたし
音響解析プログラム「SYSNOISE」で解析するための音響
ました。この開発環境はダッソー社の持つCATIA V5のテクノ
モデルを生成する「Pre-Acoustics」モジュールを提供い
ロジーを、外部のソフトウエアベンダーにプログラム開発のフ
たします。構造解析用に作成されたFEMモデルから、音響
レームワークとしてライセンス供与するものです。
解析用モデルをオートマティックに生成します。
LMS社はこのフレ ームワ ークを次世代プラットフォーム
③Virtual.Lab Motion:
「Virtual.Lab」に採用することにより、3D CADの最新のテクノ
機構解析プログラム「DADS」の機能に加え、3Dジオメトリ
ロジーをCAEアプリケーションに取り込む新しいプラットフォ
の作成、外部CADデータの取り込み、パラメトリックシミュ
ームの開発に成功いたしました。例えば、機構解析モデル作成
レーションなど、豊富な機能を提供します。最新のCADテク
も、CADのジオメトリ作成機能を使って簡単にモデリングを行
ノロジにより、マルチウインドウによる解析結果のアニメー
うことができます。また、エクスプローラ(スペシフィックツリー)
ションと同期を取ったリアルタイムなXYプロット表示、また、
を使ったインターラクティブなデータセットアップ、ダイナミッ
弾性体(FEA)モデルのデータセットアップから解析の実行
クリンク機能、解析手順をテンプレートに登録することにより
手順を大幅に短縮します。
業務を定型化する、など多くのメリットがあります。
④Virtual.Lab Durability:
尚、Virtual.LabはCATIA V5とは独立したソフトウエアであり、
耐久疲労解析「FALANCS」のポスト処理を機能を提供する
モジュールです。
ヴァーチャルプロトタイプを目指して
Virtual.Labが目指すところは、実験とCAEのハイブリッドな
計算、様々なファンクションをカバーする複合領域の解析など、
真のヴァーチャルプロトタイプモデルの実現です。
Virtual.Labは、Motionモジュールで求めた荷重を、音響、疲
労解析などの境界条件として容易に定義できるなど、従来行
われた個別のソリューションでは実現できなかった新しい世界
を広げる次世代CAEプラットフォームです。
詳細は、弊社メカニカルCAE第2営業部までお問い合わせく
ださい。
Virtual.LabのGUI
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
(TEL 03-5978-5445, E-Mail:[email protected])
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汎用ビジュアライゼーションシステムEnSight
解 説 編
などの航空宇宙分野の風洞試験や飛行実験に係わる数値流体
EnSight Gold導入事例∼独立行政法人 航空宇宙技術研究所∼
シミュレーションを行っています。しかし、近年のハードウエア
はじめに
や解析技術の進歩によるシミュレーションモデルの大規模化、
EnSightは、Computational Engineering International Inc.
複雑化に伴って、
「可視化(ビジュアライゼーション)」を単な
(CEI社)において開発された、多彩なポスト処理機能を持つ
る後処理ではなく、シミュレーションプロセスの一部として捉え、
汎用ビジュアライゼーションシステムです。分野を問わず、様々
解析と可視化の処理をシームレスに一体化するアイデアが提
な解析結果データのポスト処理を行うことができ、主に大規模
起されました。シミュレーションの規模や複雑さに応じた高速
解析モデルの可視化システムとして、ワールドワイドで、
350サ
画像処理能力と高度な表示方法を備え、かつ、インタラクティ
イト・1,
000ライセンス以上が稼動しております。
ブな処理を可能とする次世代高性能可視化システムが模索、
EnSightGold とは
評価されて来ました。
EnSight Goldは、大規模解析の可視化を可能にするEnSight
ASCI計画により蓄えられた、大規模問題の可視化機能や容
の高性能バージョンです。サーバプロセス・計算機の並列処理
易なマルチディスプレイ設定に加え、ユニークなクライアント・
やマルチパイプラインによる結果表示、VR(ヴャーチャルリア
サーバ分散処理形態によるデータ転送負荷の軽減や、シンプ
リティ)機器、入力デバイスのサポートなどハードウエア側へ
ル且つ、使い勝手の良いGUIなどを備えているEnSight Gold
の対応はもちろん、カリングや半透明表示のソートなど、結果
が評価され、CeVis導入に至りました。
表示における様々な新機能が利用できます。
また、EnSight Goldは、米国のエネルギー省を中心に運用さ
れている、核備蓄量を管理するためのAccelerated Strategic
Computing Initiative(ASCI)計画のスタンダードビジュアライ
ゼーションシステムとしても利用されています。
図2 大型3次元表示装置に投影されるEnSightGold
現在、NALでは、表示装置に画像を表示させ、両目の視差を
利用し、画像を3次元として捉える液晶シャッタメガネ(ゴーグ
ル)を使い、より詳細な情報での解析結果を研究開発に有効に
活用している、とのことです。
またNALは、高速画像処理能力と3次元の高度な表示方法を
備え、大画面を有している、国内最大クラスの可視化システム
CeVisで、直感的な認識度を向上させ、共同で研究開発をする
環境を提供し、多くの人に研究開発成果を伝え、航空宇宙分野
の設計や解析に貢献することでしょう。
図1 EnSightのGUI
最後に
2000年、さらに契約を延長し、向こう3年間ASCI計画におい
「EnSight Goldは、高度かつ複雑な科学計算を可視化する
て、Beowulf PCクラスター対応や数百億節点以上の構造/非
ように設計されています。科学者が何十億もの節点を含む大
構造での時刻歴データへの対応など、EnSight Goldは、最先端
規模問題への理解を手助けする機能、例えば、CPUやレンダリ
の可視化技術をさらに進化させていきます。
ング並列処理、マルチパイプグラフィックス、VRサポートおよ
国内最大規模の可視化システム稼動
び他の特徴的な機能を提供している」とCEI社のPresident
さて、この度、航空宇宙技術研究所(以下、NAL)における「中
Kent Misegades氏。EnSight Goldの可視化技術が、シミュレ
央可視化システム(Central Visualization System : 略称CeVis)」
ーションの適用分野を益々広げていくことでしょう。
の可視化ソフトウエアの一つに、EnSight Goldが5ライセンス
採用されました。
詳細は、メカニカルCAE第2営業部までお問い合わせ下さい。
NALでは、所有している並列スーパーコンピュータシステム
(TEL 03-5978-5445, E-Mail: [email protected])
「数値風洞(NWT)」を用いて航空機やロケット、宇宙往還機
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
MATLABプロダクトファミリー
技 術 編
Coderのライセンスが必要です。
Real-Time Workshop Embedded Coderを利用した組込みシステム向けプログラム開発
ツールの適用対象
はじめに
RTWは、シミュレーションの高速化、及び、ラピッドプロトタ
マイコンを利用した製品は増えており、今や日常生活のいた
イピング用途で使用されます。この用途では、通常、コードサイ
るところに、組込みシステムを見ることができます。ハードウ
ズの制限は厳しくなく、かつコードと同時に実行オブジェクト
エアであるマイコンは、年々、動作周波数が高速化し、内蔵
まで生成します。これに対し、RTW-ECの用途は、リアルタイ
ROM/RAMサイズが増大しています。このため、より複雑な
ム組込みシステムを想定しています。従って、RTW-ECは以下
処理を’’組込み化’’することが可能になってきています。
の項目を指向したコードを生成します。
一方、マイコンに搭載されるソフトウエアは、システムに要求
●ROM/RAM使用サイズを最小化すること
される機能が増大することで、より複雑になってきています。
●カスタマイズ、及び外部コードとのI/Fが容易なこと
加えて、開発期間の短縮化の要求により、組込みシステム開発
●ターゲットマイコン開発環境への移植が容易なこと
者への負担が増加しています。
RTW-EC適用上の制約
近年こうした背景から、組込みシステムの設計手法の革新が
RTW-ECでは、生成コードの最小化を最優先とするため、モ
求められており、多様なCASEツールが提供されてきています。
デルに対して、次の制約を課しています。
●モデルのソルバ設定は、固定ステップの離散ソルバに限
MATLAB環境は、いわゆる”CASEツール”ではありませんが、
定されます。従って、連続系のブロックは使用できません。
次の特長により、組込みシステム開発の実装プログラムの設
計段階にまで、MATLAB環境を適用する設計手法が普及して
また、モデル中の離散ブロックに、個々異なるサンプリン
きました。
グタイム値を設定できますが、これらは、ソルバステップ
●Simulink/Stateflowは、”通常”のプログラミング言語よりも
サイズの倍数である必要があります。
● S - F u n c t i o nブロックには 、対 応 す るの T L C( T a r g e t
抽象度が高く、視覚的に優れた図式表現で、複雑な組込みア
Language Compiler)ファイルを用意し、ブロックのコード
プリケーションのモデリングができること
生成方法を指示する必要があります。
●Real-Time Workshop Embedded Corder( 以下RTW-EC)
は、モデリングされた”実行可能な仕様書”から、ハンドコー
RTW-ECでは、ソルバプログラムを必要とするコードを生成
ドと同程度のコードサイズをもつANSI-Cコードの生成がで
しません。代りに、マイコンのタイマにソルバステップサイズと
同じ値を設定し、タイマ割込みによりモデル生成コードを起動
きること(図1参照)
MATLAB R12.1のリリースとともに、RTW-EC Ver2.0がリリー
するプログラム構成を想定しています。
スされ、大幅に機能が向上しました。
生成されるコードの特徴
本レポートでは、RTW-ECを利用した組込みシステムの開発
RTW-ECは、ANSI規格のCコードを生成します。デフォルト
手法をご紹介します。
では、周辺機能を利用するなどの特定のマイコンに特化したコ
ードは生成しません。
テンプレートmain関数が用意され、makeファイルも同時に
作成されるので、生成コードのターゲットマイコン開発環境へ
の移植は容易です。
モデルから生成されるコードの主な特徴を以下に示します。
●データ構造
RTWが生成するコードは、’’SimuStruct’’と呼ばれる巨大な
データ構造を使用します。対してRTW-ECでは、’’RealTime Object’’と呼ばれるコンパクトなデータ構造を使用し
ます。このデータ構造のサイズは、モデル中のサンプリン
グタイムの数などにより異なりますが、サンプリングタイ
ムが1種類の場合は、通常4バイト程度になります。
●モデル実行関数
RTWでは、
1ソルバステップでの処理は、MdlOutput( )と
MdlUpdate( )という2つの関数に分かれますが、RTWECではオプション設定により、mdl_step( )という1つの
図1 ROM/RAM使用効率比較(The MathWorks社の資料より掲載)
関数にできます。
RTW-EC
コード生成時のオプティマイズ
RTW-ECは、Real-Time Workshop(以下RTW)のアドオン
RTW、及びRTW-ECが提供するオプティマイズオプションも、
プロダクトです。RTWとは別のライセンスが必要になります。
コードサイズの最小化に寄与します。以下に代表的なオプショ
また、モデルにStateflowを使用している場合は、Stateflow
ンを紹介します。
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
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●Block reduction
め、以下の特長があります。
複数のブロックを一つのブロックに置換する、または削除し、
●抽象度が高く直感的な理解が可能
テンポラリ変数を使用しないコードを生成(図2、図3参照)
●変更に強く再利用が容易
●シミュレーションにより、モデリングと同時に論理検証が
●Parameter pooling
可能
ブロック間で共有可能なパラメータがある場合はメモリを
作成されたモデルは”実行可能な仕様書”として、下流の多様
共有
な開発フェーズで活用できます。
●Signal Storage Reuse
各ブロックの出力で共有のメモリを使用
モデル内でのデータ型指定
特に組込みシステムでは、Cコード上の変数への適切な型の
指定が要求されます。従って、モデルからコード生成を行う場合、
モデル上でコードでの変数の型指定ができる必要があります。
また8, 16, 32ビット等のマイコンの種類に応じた整数型が必要
で す 。S t a t e f l o wで は 、チャート 内 の デ ータに、b o o l e a n ,
int,doubleといった各種の型を指定できます。Simulinkブロッ
クは、
ブロック毎にサポートできる型の種類は決まっていますが、
例えば、Constantブロックなどは、任意の型のデータを割り当
てることができます。更に、Fixed-Point Blocksetを使用すれば、
図2 exprofolding. mdl
モデル自体を固定少数点化し、モデルで指定したスケーリン
グのコード生成ができます。
/* Switch: '<Root>/Switch' incorporates:
モデルへのユーザCコードの組込み
* Lookup: '<Root>/Look-Up Table'
通常のSimulinkモデルでは、実装環境に関わるような抽象
* Gain: '<Root>/Gain'
度の低い処理はモデリングされませんが、組込みシステムを
* Inport: '<Root>/In1'
前提とする場合は、デバイスドライバといったプログラムも含
* Logic: '<Root>/Logical Operator'
めて、モデリングする場合があります。デバイスドライバは、単
* RelationalOperator: '<Root>/Relational Operator1'
なるSink,もしくは、Source機能を持ったS-Functionブロックと
* Inport: '<Root>/In2'
してモデリングし、TLCファイルに指定することで、コード生成
* Constant: '<Root>/Constant'
時に実装モジュールを生成コードに組み込みます。Stateflow
* RelationalOperator: '<Root>/Relational Operator'
では、ユーザCコードをインクルードすることで、チャート内で
* Constant: '<Root>/Constant1'
ユーザC関数、及び、#defineマクロの使用が可能になります。
*
設定により、コード生成時に異なるCコードを組込むこともで
* Regarding '<Root>/Gain':
きます。
* Gain value: 2.0
外部コードとのI/F
*/
RTW-ECが生成するコードは、通常、システムを構成するプ
{
ログラムモジュールの一部として使用されます。従って、生成
int_T i1;
されるコードと他のプログラムモジュールとのI/Fが明確にな
real_T *y0 = &output[0];
るように、モデル上でグローバル変数の宣言、定義ができる必
要があります。Simulink、Stateflowともに、モデル上のオブジ
for (i1=0; i1 < 3; i1++) {
ェクトに対して、例えば次の属性を定義し、
コード生成ができます。
if (((UPPER >= input2[i1]) || (input2[i1] <= LOWER))) {
●const, volatile : 修飾子の付加
y0[i1] = rt_Lookup(T1Break, 11, (2.0 * input1[i1]), T1Data);
●Exported global : 外部変数として定義
} else {
●Imported global : 外部変数として宣言(図2参照)
y0[i1] = rtb_Look_Up_Table_2_D;
コードの可読性
}
生成されたコードをカスタマイズする場合、モデル内のブロ
}
ックと、コード内での記述の関連付けが必要です。RTWの ”
}
Generate Comments”オプション設定で、生成コード中に、対
応するブロック名がコメントされます。更に、RTW-ECの ”
図3 図2のモデルから生成されるコード
Insert block description in code”オプションにより、モデル中
モデルベースデザイン
のブロック毎に、ユーザ定義のコメントの設定ができます。
実行可能な仕様書
SimulinkとStateflowを併せて使用することで、モデル内にデ
RTW-EC他、MATLAB製品ファミリにつきましては、弊社応
ータフローと制御フローの混在記述が可能で、組込みアプリ
用システム第1営業部までお問い合わせください。
(TEL 03-5978-5410, E-Mail: [email protected])
ケーションを効率よくモデリングできます。モデルは、機能ブ
ロック、状態遷移図、及びフローチャートによって記述されるた
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
汎用有限要素法解析プログラムANSYS
技 術 編
を採用する3次元ソリッド要素SOLID128とSOLID127が導入
MEMSデバイス設計のための機能
されました。これらの要素ではユーザー指定の誤差を満足す
半導体製造技術の応用によりミクロン単位のサイズの可動
るまで要素内挿関数の次数を自動的に高め精度を向上させま
構造物がシリコンで製造されモジュールとして電子デバイスに
す。グローバルな判定基準としてユーザーは、
(キャパシタン
組み込まれ、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・シス
スに比例する)静電エネルギー、
(Maxwellテンソルから算出
テム)として、広い分野で用いられています。
される)コンポーネントに働く静電駆動力を扱うことができます。
MEMSデバイスのシミュレーションでは、さまざまな物理現
さらに、節点での電位、電界および電束密度をローカルな判定
象に関する相互作用を扱う必要があります。ANSYSではいち
基準として採用することもできます。これらの要素では、周期
早くMultiphysics(マルチフィジックス)という概念を導入して
境界に対応するために自由度のカップリングおよび拘束方程
おり、MEMSで必要とされる各種物理現象に関する連成解析
式を用いることも可能です。キャパシタンスを精度良く求める
機能(図1)を既に基本的に備えていました(マルチフィジック
ために判定基準として静電エネルギーを指定するならば、メッ
スという用語を使い始めた頃には、既に電位と構造との連成
シュの最適化ループは2回程度で十分ですが、構造解析へ引き
解析にあたる圧電体とか、サーマルアクチュエータの解析に
渡すためにコンポーネントに働く静電駆動力を精度良く求め
必要な電流-伝熱-構造等の連成機能は備えていました)。とは
るためには静電エネルギーに比べさらなる回数のループを必
言いましても、微細領域での現象を扱うが故の機能改善を必
要とします。
要としました。ここでは、ANSYS 5.5からANSYS 6.0にいたる
遠方場の取り扱い(トレフツ法)
段階でのMEMSデバイス設計のための機能改善を中心に紹介
開いた体系の3次元静電場を扱う場合、周辺境界に無限有限
いたします。
要素を配置すればよいのですが、解の精度はこれら無限有限
要素の要素形状および配置場所に依存するという問題点があ
ります。
有限要素と境界要素の併用という方針により、周辺境界に
境界要素を配置することも考えられ確かに精度は向上しますが、
より多くのメモリとCPUタイムを必要とします(ANSYSには実
際、無限遠方を近似するための境界要素もあります)。この問
題を解決するため、ANSYS5.6で、ハイブリッド有限要素/トレ
フツ(Treftz)法(以後、
トレフツ法と略)が導入されました。ト
レフツ法は有限要素と境界要素の各々が持つ長所を結びつけ
図1 MEMSに関するANSYS連成解析機能
るために開発されました。このトレフツ法の利点は、任意の遠
静電場解析
方解を途中の要素を作成することなく得ることが可能なこと
多くのMEMSデバイスで静電駆動が重要な役割を果たして
です。トレフツ法を用いることで、開いた体系におけるキャパ
います。歴史的に、場の問題には有限要素法と境界要素法の
いずれが適しているかという論議がなされつづけています。
回答としては、形状がシンプルで一様材質の遠方場の問題に
境界要素法が適しており、形状が複雑で材質が一様でない近
接場の問題に有限要素法が適しているというのが一般的なも
のです。
MEMSデバイスに関して静電場を解く場合、精度の高いキャ
パシタンスを算出するために電極近傍(近接場)と電極から遥
かに遠い領域(遠方場)のいずれに対しても適した定式化が
図2Aトレフツ法による平板型静電アクチュエータのモデル
必要とされ、また、酸化層、サブストレート、その他の誘電体な
どを扱うために複数の誘電体をモデル化しなければなりません。
解析モデル規模を抑えるためには対称性、周期対称性および
非周期対称性の活用も必要とされます。ANSYSでは、電極近
傍のモデル化のために高次の2次元静電場要素(PLANE121)
および高次の3次元静電場要素(SOLID122,SOLID123)が、
無限遠方を近似するために無限有限要素(INFIN110、INFIN111)
が、ANSYS5.4でベータ機能としてANSYS5.5で正式機能とし
てリリースされ現在に至っています。
アダプティブP-要素
図2B 平板型静電アクチュエータ近傍の電位分布
ANSYS5.6ではメッシュの最適化手法としてアダプティブP-法
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
14
シタンスを精度良く求めたり、複数の有限要素領域を個別にモ
デル化した後に、これらをトレフツ法で結びつけることができ
ます。よって、互いに非常に離れた位置関係にあるコンダクタ
同士の相互作用を、中間の領域をメッシュ分割せずに精度良く
求めることが可能なのです。トレフツ法の例を図2に示します。
平板型アクチュエータの例ですが、導体を解き囲むトレフツボ
オリジナルメッシュ
リューム(すなわちトレフツ領域)の外表面から外部有限要素
モーフィング後のメッシュ
リメッシュ後のメッシュ
図4 メッシュのアップデート
境界の間が遠方解を求めるために用いられます。このような
平板型アクチュエータがかなり隔たれた距離関係に複数ある
場合でも、対象とする個々の導体周辺にトレフツ領域を定義し
さえすれば、これら導体間の相互作用を精度良く求めることが
できるのです。
キャパシタンス
コンダクタが複数ある場合のキャパシタンスの算出は、後に
SPICE等のシミュレータでMEMSに関するシステムレベルの
シミレーションを行うためにも重要となります。ANSYS5.6で、
自己キャパシタンスおよび相互キャパシタンスを算出するた
めのマクロが提供されました(図3)。
図5 静電アクチュエータにおけるメッシュのアップデート
時刻:0秒でのメッシュ
時刻:2.5秒でのメッシュ
時刻:7.5秒でのメッシュ
図6 ALEによるトーションミラーの解析
図3 キャパシタンスマトリックスの算出(2導体の場合)
LagrangianEulerian)法が導入されました。移動する境界に対
静電場−構造の連成解析
して、流体領域のメッシュをモーフィングいたします(図6)。
櫛歯ドライブ、RFスイッチ、圧力センサー等のMEMSデバイ
ANSYS5.7の段階では、ラプラシアンスム ージングモ ーファ
スでは、静電駆動力とこれにより変形する構造体での反力との
(Laplacian smoothing morpher)が使われており、モーフィン
釣合い状態を求めねばなりません。このために、ANSYS5.6で
グの失敗を防ぐために形状としての補助線あるいは補助面を
は静電場メッシュのアップデート機能が追加されました。
指定する必要がありました。ANSYS6.0では、この煩わしさを
メッシュのアップデート
回避するため弾性に基づく
‘elasticity-based’
メッシュモーファ
構造体の変形によりその周辺領域(場の領域)も変形/移
ーが採用され、よりロバストかつ使い易くなりました。
動します。構造体の変形/移動に追随するように場の領域の
ALEは無論、
3次元問題に対応しておりますが、
2次元あるい
メッシュ分割を補正/再分割するのがメッシュのアップデート機
は軸対称体系においては表面張力を考慮しての自由表面を併
能です。メッシュのアップデート機能はモーフィング機能とリメ
用することもできます。
ッシュ機能からなりたっています。図4に静電場中(紫色)で変
その他
形するビーム(青色)を示します。構造体の変形に追随し、周
ここでは、MEMSデバイスで多く用いられている静電駆動や
辺の場の領域のメッシュを健全な要素形状を保つように変形
微小領域での流体からの影響を考慮するためのALEについて
させます(モーフィング)。しかしながら、構造体が大変形をす
触れましたが、MEMSデバイスのシミュレーションにおいては、
るような場合のように、周辺領域のメッシュがモーフィング機
MEMSデバイス特有の「非常にアスペクト比の高い微細構造」
能ではもはや健全な要素形状を保つことができない場合、そ
を取り扱わねばらないという問題点もあります。この問題に対
の領域のメッシュはリメッシュ(再分割)されます。
する対応として、ANSYSは各種メッシングアルゴリズムに基づ
流体―構造の連成解析
く、スマートメッシャ、スウィープメッシャ等を用いることで効
トーションミラーなどのように、微細領域で構造体が移動/
率的かつ高品質の有限要素メッシュを構築することができます。
振動するような過渡現象を扱う場合、流体による揚力/抗力お
詳細は、弊社メカニカルCAE第1技術部までお問い合わせく
よび減衰の効果は無視できないものとなります。よって、構造
ださい。
体と流体とを連成して解析する必要が生じます。流体領域に
(TEL 東京03-5978-5423, E-Mail:[email protected])
対する移動境界を扱うために、ANSYS5.7でALE(Arbitrary
15
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
MEMSCAP社のMEMS設計システム
技 術 編
マイクロマシン設計システム機能紹介
はじめに
オプティカルファイバネットワークやW-CDMAに代表される
次世代通信分野をはじめ、医療、化学などあらゆる分野で今、
MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)の技術
が注目されています。マイクロマシンはシリコンウエハなどの
上に生成した構造物であり、その小ささ故に発生する、従来か
らの物理概念では考えられない現象を考慮する必要があります。
図1 MEMSレイアウトパレット例
このためには、MEMS/マイクロマシンを設計・解析するため
に必要な機能を備えたシステムが必要であり、今回ご紹介する
ANSYSによるMEMSデバイス設計
MEMSCAP社の製品群はそのようなソフトウエアの一つです。
MEMS ProにはANSYS連携機能が備わっており、SAT形式
MEMSデザインフロー
でANSYSに形状を渡すことが可能です。また、ANSYS上で形
MEMS設計を行なう上でのフローは以下のように分類され
状の変更を行った場合には、ANSYStoLayout機能により、
ます。
MEMS Proに形状を戻すことも可能です。
①プロセス設計
半導体製造プロセスにおいて、今から作成しようとしている
MEMSデバイスが実現可能かどうか検証します。一般的に
エッチングプロセスシミュレータなどを使用します。
②レイアウト設計
実際のMEMSレイアウトを先のプロセスに基づいて定義し
ます。各マスクレイヤに対するGDSストリームデータなども
この段階で出力することが可能です。
③デバイス設計
先のレイアウトに基づき、正常にデバイスが動作するか、目
的の仕様を満たしているのかの検証を行ないます。通常、
ANSYSなどの有限要素法解析システムを使用します。
④システム設計
デバイス設計のレベルで正常動作するMEMSデバイスも、
周辺回路との整合性により、正常に動作しなくなる場合があ
ります。システム設計では、先のデバイス設計の解析結果を
SPICEベースの等価モデルで表し、周辺回路と組み合わせ
ることにより、解析を行ないます。これにより、システムとし
て正常に動作するかどうかを検証します。
MEMS Pro 3.0aによるMEMSレイアウト設計
MEMS Proでは、上記デバイスフローのうち、
「レイアウト設
計」と「システム設計」を行ないます。また、ANSYSとの連携
図2 ANSYS連携機能とANSYStoLayout機能
機能を有しているため、
「デバイス設計」との連動も容易です。
MEMSのレイアウト設計を行うに当たり、あらかじめレイヤ
ANSYSでは、MEMS Proから引き渡した3次元ソリッドデー
構成や、半導体プロセス手順など必要な情報の定義を行います。
タに対して、必要な材料物性値の定義と境界条件の定義等を
ANSYSに引き渡す3次元ソリッドモデルは、このプロセス手順
行います。図2上図のようなWDMチューナブルフィルタの場合、
に基づいて作成された形状が渡されます。MEMS Pro 3.0aで
静電と構造の連成解析を行う形になります。静電解析では
は、レイアウト編集機能において、通常のIC設計以外に特に
Maxwellテンソルを算出することができます。構造解析におい
MEMS設計に必要な以下の各機能を有しています。
ては、静電解析で求められたMaxwellテンソルから電極に働く
●MEMSデバイスの雛形形状がまとめられたMEMSレイアウト
力を自動算出させ、荷重として適用させることができます。こ
パレット機能
れにより、電圧を入力としてZ方向の変位が得られるという、連
●プレート部分に等間隔にホールを作成するプレートリリース
成解析が可能となります。
MEMSデバイス設計とシステム設計の融合
機能
●スプラインカーブ作成機能
MEMSデバイスと周辺回路の整合性を検証するためには、
●指定した部品を円弧上に等間隔に配置するPolar Array機能
SPICEによる回路シミュレーションと、FEMの解析を融合させ
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
16
SPICEに取り込むことが可能です。
ANSYS上において、あらかじめ一点あるいは複数の主自由
度(Master Degree of Freedom)を設定しておきます。この代
表点における挙動を一般運動方程式化することにより、マクロ
モデルを抽出します。
この作業はANSYSに組み込まれたMEMS Modelerメニュー
により、パラメータを設定するだけで簡単にモデルの作成を行
うことができます。
MEMS ProによるMEMSシステム設計
ANSYSとMEMS Modelerにより出力したMEMSデバイスの
等価回路モデルは、システムレベルでの検証に利用可能です。
通常システムレベルの解析としては、周辺の駆動回路によ
ってMEMSデバイスを駆動した際に正常に動作するかどうか
図3 ANSYS静電−構造解析結果
の検証を行います。更にMEMS Proに内蔵のT-SPICEでは、パ
る必要があります。MEMS Pro Version 3.0aでは、MEMS Modeler
ラメトリック解析・モンテカルロ解析といった解析を取り入れ
機能により、FEMの解析結果から、複数次元に対する変位、電圧、
ており、周辺回路の最適化や、プロセスによるイールドの解析
容量などの各物理定数を一般運動方程式化することにより、
など、回路の信頼性向上に対する解析も行うことが可能となっ
ています。
図4 MEMS ModelerによるSPICEモデルの抽出
* T-Spice equivalent netlist
.param m11 = 1.151887e-06
.param d11 = 1.151887e-03
.param k11 = 4.116023e+01
.param l11 = 1.150145e-06
GM11 output1 Gnd output1_d2t Gnd ’m11’
GL11 Gnd output1 Gnd input1 ’l11’
RK11 output1 Gnd ’1/k11’
C_output1 N11 N12 1
E_output1 N11 Gnd output1 Gnd 1
V_output1 N12 Gnd 0
Vdamp_output1 output1 N13 0
FD11 N13 Gnd V_output1 ’d11’
Hvel_output1 output1_dt Gnd V_output1 1
L_output1 output1_d2t Gnd 1
Fvel_output1 Gnd output1_d2t V_output1 1
図5 システムシミュレーション例
IC設計手法の思想を取り入れた最新MEMS設計シス
テムMEMS Master
MEMS Masterは、他社から提供されるIPを再利用して、自
社の製品に取り込むために必要な、各設計ツール群の総称です。
MEMS ProとANSYSの組み合わせによる設計がボトムアップ
で行われるのに対して、MEMS Masterでは、
トップダウンによ
表1 MEMS Modelerで出力したSPICEネットリスト
る設計も可能となります。
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
このライブラリには、SPICE/AHDLマクロモデル・ANSYSソ
リッドモデル・GDS IIストリームデータの各情報を入れ込むこ
とができます。
MEMS設計者はこのIPを利用し、システムレベルにおける
検証を行います。
また、シームレスなGUIにより、システムレベルの検証を行
った段階で即座にレイアウト形状が作成されますので、非常に
効率のよい設計を行うことが可能です。
このように、MEMS Masterシリーズは、Optical MEMS, RFMEMSなどの各MEMS分野において、IPを提供するサイドにも、
利用するサイドにもメリットのあるシステムを提供します。
まとめ
MEMS Pro Version 3.0aはマイクロマシン/MEMSを設計
する上で必要な各機能を一まとめにし、統合した環境の中でご
利用いただける製品です。ANSYSと組み合わせることにより、
その機能を十分に発揮し、デバイスレベルからシステムレベ
ルまでのすべてのMEMS設計フローをサポートするシステム
となります。また、MEMS Masterを組み合わせて使用すること
により、IPの再利用が可能となり、より効率のよい設計を行う
ことが可能です。
更に、MEMSCAP社では、自社でファウンダリ(半導体生産
図6 MEMS Masterシステム概要図
IP提供者は、MEMS
Master
設備)を建設中であり、こちらでは、光スイッチをはじめとする
Librarianを使用し、MEMS
Optical MEMSコンポーネントの生産を行う予定となっており
Master Library(図中MM Libs)を作成します。このライブラリ
ます。
は、暗号化されており、MEMS Master Architectでのみ参照す
RF-MEMSに関しては、MEMSCAP社が持つIPを供与するこ
ることが可能になっています。
とにより、生産性の高い技術をサポートします。
このように、MEMSCAP社はただ単にシミュレーションや設
計システムの提供だけではなく、これらを使用して実コンポー
ネントを作ることにより、よりよいシステムの提供ができるよう、
開発を行っており、今後ますます発展するマイクロマシン/
MEMSの設計・解析分野に貢献します。
図7 MEMSシステム設計と自動レイアウト生成
詳細は、弊社EDA技術部までお問い合わせください。
(TEL 03-5978-5412, E-Mail: [email protected])
図8 MEMS Masterによるシステム検証
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統合CAE環境HyperWorks
技 術 編
新バージョンHyperWorks5.0の機能紹介
統合CAE環境HyperWorks5.0がリリースされました。Hyper
Worksに含まれるモジュール中、主力製品の一つである汎用プ
リポストHyperMesh5.0の新機能についてご紹介いたします。
図2 geom cleanupのOrganized by feature サブパネル
新ジオメトリエンジンの搭載
HyperMesh5.0では、新しいジオメトリエンジンを搭載する
モデルブラウザの新設
ことにより、CADデータの取り込み時間の大幅な削減(約10倍
以前からコンポーネントの表示/非表示は、パーマネントメ
∼2
0倍)
と、
取り込み精度の向上が図られています。例えば、
CATIA、
ニューのdisplayパネルを用いる方法しかありませんでしたが、
Unigraphicsのダイレクトインターフェイスを使用した場合には、
HyperMesh5.0では、dispの右側のボタンによって、モデルブ
CADデータのトポロジーを認識して自動的にサーフェスのク
ラウザというウィンドウ画面が立ち上がり、ユーザの好きな位
リーンアップをします。図1は旧バージョン4.0と 5.0とを比較し
置に置くことが可能となりました。しかも複数コンポーネント
たものです。HyperMesh4.0ではサーフェスの内部線が赤色表
のグル ーピング機能であるアセンブル機能を、階層構造で表
示(フリーエッジ)になっており、サーフェス間の隙間があると
示することが可能です。また、カレントコンポーネントの変更、
判断されていますが、5.0では、自動的にフリーエッジがstitch(縫
ワイヤーフレーム/半透明などのモデル表示の切り替え、名
いあわせ)され、形状クリーンアップによるサーフェスの修整
称の変更などに関する操作もこのブラウザ上で容易に行えます。
時間を削減することができます。また、使用するメモリー、デ
このモデルブラウザは、スクリプト言語であるTCL/TKを利用し
ータベースのファイルサイズも大幅に削減され、パフォーマン
ています。このTCL/TKを利用すれば、ウィザード的な入出力ウ
スの向上を図っています。
ィンドウの設定、外部プログラムの起動、HyperMeshコマンド
ファイルを含んだ処理などが柔軟に組み込めるようになり、カ
スタマイゼーションの幅が広がります。
図3 モデルブラウザの表示
HyperViewとのリンク
今回のHyperWorks5.0で新しくリリースされました機構・マ
ルティボディ・有限要素解析といった解析結果のポスト処理専
用のHyperView5.0とリンクがとれています。optionsメニュー
の"launch HV after H3D creation"をチェックすると、Hyper
Works独自のh3dファイルを出力すると同時にHyperViewが起
図1 CADダイレクトインターフェイスの改良
動されます。これは、HyperMeshのコンフィグレーションファイ
形状クリーンアップパネルの改善
ル(hm.cfg)の*sethvlaunchflag(0)カード(0=off,1=on)で制御
形状クリーンアップパネルのOrganized by featureパネルで、
可能です。
サーフェスの共有境界線をsuppressして、内部線を自動的に
その他
除去する作業は可能ですが、その際のオプション指定が少な
その他の主な新機能として、サーフェスのoffset機能、光源
かったため、内部線を除去しすぎて、かえってサーフェスから
位置の設定、ウィザードからの自動溶接機能などがあります。
の オ ートメッシュで切 れ な いといった場 合 がありました。
これらの新機能については、リリースノートに記述しています
HyperMesh5.0では、その内部線除去を判断するオプションを
のでご参照下さい。
以前の2種類から6種類に増やし、このような問題点を解消し
詳細は、弊社メカニカルCAE第2技術部までお問い合わせ下
ました。例えば、微小なサーフェスを削除して、オートメッシュ
さい。
に渡すことが可能になります。
(TEL 03-5978-5451, E-mail: [email protected])
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
高周波回路設計システムMicrowave Office
技 術 編
分類でき、図3の様になります。この図の頂点ではシステムを
Microwave Office 2002 Visual System Simulator
マクロ的に見ており、底辺部がよりミクロ的に見ていると言っ
はじめに
て良いでしょう。
この度、高周波回路設計システムMicrowave Officeの、新し
いバージョンがリリースされました。ここでは、このバージョン
で新しく追加された大きな機能を紹介します。
Visual System Simualtor: 通信システムシミュレータ
概要
既に、Microwave OfficeにはACOLADEと呼ばれる通信シミ
ュレータが、Microwave Officeと切り離された状態でリリース
されていました。しかし、これではMicrowave Officeのフレー
ムワークとの親和性は良くありません。図1に、ACOLADEで
のシミュレーションの様子を示します。
図3 設計レベルの概念図
ここで焦点を当てているシステムシミュレーションですが、色々
な捉え方があります。Microwave Officeの持つシステムシミュ
レータは、回路設計者から見たシステムシミュレータであると
言って良いでしょう。それは、通信システムの構築と、設計され
た回路をシステムに組み入れ、システム全体のパフォーマンス
を容易に検証できるのが、他の通信システムシミュレータとの
大きな違いです。
簡単なシステム例
図4に、16QAMの変調器、チャネルに加えるホワイトノイズ、
復調器を組み合わせた簡単なシステムを示します。
図1 ACOLADEのGUI
今回、このフレームワークにVisual System Simualtor( 以下
VSS)の形で統合化する事により、回路設計者のための、通信
システムシミュレータとして生まれ変わりました。図2に、その
様子を示します。
図4 簡単な16QAM変調/復調システムとチャネル
図2 Microwave Officeと統合化されたVSS
ここで、Microwave Officeの持つ回路シミュレーション機能
と通信システムシミュレーション機能との位置づけを確認しま
しょう。今日の通信システムは、複雑で、回路設計者に要求さ
れる回路仕様もタイトになっています。携帯電話などの設計に
図5 変調信号とホワイトノイズ信号のスペクトル図
おいては、回路レベル、サブシステムレベル、通信システムに
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
20
ここでは、16QAMを利用していますので、
16シンボルのデ
ジタル信号を5ギガヘルツを中心周波数とし変調し、それにチ
ャネルによるホワイトノイズを-50db加えています。その後、こ
れを復調します。図5は、16-QAM変調信号とホワイトノイズを
加えた後の信号を周波数スケペクトルで観測しています。
(図
4中のTP1とTP2テストポイントの信号。)この程度の帯域幅と
なり、ホワイトノイズを加える事で、両側の周波数域での信号
図8 電力増幅回路
レベルが上昇し、ノイズが増えています。
図6は、TP3で観測される復調後の16シンボルをタイムフレ
ームを区切って観測しています。シミュレーション中は、時系
列データですので、常時変化します。
図9 広帯域変調/復調システム
響を与えます。例えば、図8に示す電力増幅器を設計し、それ
を通信システムに組み入れてみましょう。
これを図9にある赤丸印部分に、組み入れます。
図9は、広帯域の通信システムで16QAMの変調方式を利用し、
図6 復調後の元シンボル
ローカル発振信号をミキシングし、それをフィルタリングし、
図8の電力増幅器で増幅します。その後、チャネルを通り、そこ
で-50dbのホワイトノイズが加えられます。その後、元信号を復
調します。
ここで注目すべき点は、Microwave Officeのフレームワーク
上で、通信システムと回路設計環境を実現し、シミュレーショ
ンをスムーズに行なえる点です。
図7 16QAMのIQプロット図
図7は、デジタル通信システムで重要な評価対象となるIQプロ
ットです。一部、元信号の関係で、表示されていないものもあ
りますが、
16点が、信号に応じて16区画内に表示されます。ノ
イズが多い場合や、回路のパフォーマンスによっては、これら
図10 時間領域での各テストポイントの波形
区画を逸脱する場合があります。そうなると、元信号を復元で
きなくなる場合があります。その場合には、誤り訂正回路を付
加したり、回路性能を上げる必要があります。この例では、
QAMを例としましたが、その他の変調方式でも簡単に、送受信
のシステムを作り、シミュレーションできます。
回路の組み込み
ここまで紹介したシミュレーション機能は、通信システムシ
ミュレータでは一般的な機能です。ここで回路設計者から見
た場合の通信システムを考えてみましょう。一般的に、高周波
回路設計では、高周波モジュールを組み合わせてシステムを
構築します。ここで言うモジュールとは、増幅回路、フィルタ、
ミキサ、発振器などです。これらモジュールを設計する回路設
計者は、設計したこの回路が通信システムの中で、どの程度の
パフォーマンスを持つものであるか、検証する必要性が増して
図11 IQプロット図
います。回路の持つ位相特性や飽和特性はシステム全体に影
21
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
図11に示すIQ特性は、QAM変調方式を利用していますので、
図8に示す増幅回路の増幅特性の影響を受けます。つまり、増
幅率が低いと、IQプロットは全体的に小さくなり、増幅率が高く
なると、IQプロットは大きくなります。実際の増幅回路の増幅
特性には非線形性をもっていますので、どの程度利得があれば、
最適なBERが得られるかを決める必要があります。
Microwave Officeには、
リアルタイムチューニング機能があ
りますので、増幅回路のバイアス電圧をリアルタイムに変え、
そ の 場 で 、IQプロット の 変 化を 観 測 できます 。この 様 に、
Microwave Officeでは回路と通信システムとの連携を密にし
ています。
さらに下位レベルとの連携
図14 マイクロストリップ線路を通過後の信号
回路設計となると、抵抗やキャパシタ、半導体素子を組み合
わせて設計します。高周波回路の場合には、分布定数的な考
最適です。それが、図15です。
えを導入し、マイクロストリップ線路やストリップ線路を多用し
この様に、高周波回路設計において、電磁場解析を行なう
ます。線路は、シミュレーション上、近似式を利用したモデルと
EM構造、マイクロストリップ線路などを利用した回路、非線形
電磁場解析を利用したモデルに大別できます。ここでは、近似
素子を利用した増幅回路や、ミキサなど、色々なレベルで入力
式モデルのマイクロストリップ線路とシステムシミュレータで
された回路と通信システムとを連携させ、システム全体のパフ
用意されているデジタル信号発生器に接続してみましょう。
ォーマンスを検証できる事は、大幅に設計効率の向上を期待
図12では、ブロック表現された(カットオフ周波数、通過帯域
でき、Time-to-marketを短縮できるのは明らかです。
のリップル、次数を指定した理想的な)フィルタに、マイクロス
トリップ線路を接続しています。
図15 アイパターン図
以下には、通信システムシミュレータのもつライブラリの一
図12 フィルタとマイクロストリップ線路の回路
覧を示します。シミュレーションには、様々な機能ブロックが必
要となります。これら機能ブロックを最初から構築するには多
大な労力が必要となります。通信システムで必要となる機能
モジュールがライブラリとして用意されています。もちろん、
今 日 の 通 信 技 術 を 実 現し て い る I S - 9 5 A 、G S M 、G P S 、
Bluetoothなどのライブラリもオプションで提供されます。
ライブラリの一部
IS-95-A関連
IS-95-A 1200 bps Add 8 Bit Encoder Tail
IS-95-A 2400 bps Add 8 Bit Encoder Tail
IS-95-A 4800 bps Add 8 Bit Encoder Tail
IS-95-A 4800 bps CRC Decoder
IS-95-A 4800 bps Frame Quality Indicator
図13 デジタルのビット列を入力する回路
IS-95-A 9600 bps Add 8 Bit Encoder Tail
図13には、図12に示す回路を割り当て、1010110001110101
IS-95-A 9600 bps CRC Decoder
のデジタル信号例を入力します。そうすると、マイクロストリッ
IS-95-A 9600 bps Frame Quality Indicator
プ線路長や幅に応じて、伝送されるデジタル信号の歪みが変
IS-95-A Block Repeater
化します。図14にその結果を示します。
IS-95-A Block Walsh Code Generator
位相の変化を観測するには、アイパターン形式での表示が
IS-95-A COG Sequence Generator 1
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
22
●コーデッドBER
IS-95-A Complex Serial Pilot Generator/Despreader
IS-95-A Component By Component Scale
Viterbi/Soft
IS-95-A Frame Rate Post-Processor
Viterbi/Hard
IS-95-A I Pilot Sequence Generator
Viterbi/Quantized
IS-95-A I/Q Complex Spreader
Reed-Solomom
IS-95-A Long Code Generator
BCH
IS-95-A Pilot Constant Generator
Golay
IS-95-A Programmable Long Code Generator
Arbitrary Block Code
●チャネル上のBER
IS-95-A Q Pilot Sequence Generator
IS-95-A Real Walsh Despreader
Impulse
トランスミッタ/レシーバ
Rayleigh
CPFSK
Rician
●拡張エラー統計
MPSKおよび差動MPSK
MSKおよび差動MSK
Error-free gaps
QPSK、差動QPSKおよびオフセットQPSK
Galagher burst
FH/FM
M out of N
GMSK
Error Correlation
●スペクトル解析
MFSK
PAM およびPPM
Accumulating Periodogram
MSK
Spectral Energy in Band
QAMおよびオフセットQAM
NPR
V.32 Trellis-Coded トランスミッタ
ACPR
VSB トランスミッタ
Spectral Mask Compliance
チャネルモデル
●時系列解析
Binary Error Channel
Auto-Correlation
AWGN
Cross-Correlation
Diffuse Fading
Accumulating Histogram
Doubly-Varying Fading
Level Crossing Rates*
Fast Fading Coefficient Gen.
Moments*
●疑似解析
General Markov Process
High Altitude Long Distance
Generalized QAM 1
High Altitude Short Distance
Generalized QAM Array 1
Independent Lognormal
Generalized MPSK*
Rician
QPAM*
Jakes
●ユーティリティ
Lee
Gaussian Tail Function
Low Altitude Short Distance
Probability Outside 1-D region
M-ary Symmetric Erasure
Probability Outside 2-D region
Multipath
Probability Outside Segment*
Optical PPM
Min/max probability on Interval
Radial Doppler
Min/max in Probability Vector
Rayleigh
Create Probability Array
Two Component Ionospheric
Analysis Control Valve
Two Path Air-Ground
Analysis Trigger Valve
信号解析解析用ツール
Result Counter
●ユニコードBER
Calculate QPAM Level
MPSK
Print Input Value
BPSK
Normalize Probability
QPSK
Hermite Polynomials*
QPAM
MFSK
詳細は、EDA技術部までお問い合わせください。
BFSK
(TEL 03-5978-5412, E-Mail:[email protected])
PAM
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
PC資産管理/ライセンス管理/情報資産管理ソリューション
技 術 編
DKSサーバは、データ格納方式としてディレクトリサービス
新しい文書管理システムData KeyServerの紹介
技術を利用しています。
コンピュータやインターネットへの依存度が高まるにつれ、日々
②DKSコンソール
作成、蓄積される電子文書の管理はその重要性を増してきて
DKSサーバに接続し、DKSの管理を行うためのツールです。
います。同時に、蓄積された企業内の情報は、その公開機会も
DKSサーバに登録されているDKS文書へのアクセス権の設
増加してきています。当然その際には、情報公開に関するセキ
定、ユーザの登録や削除、アクセス情報のログ管理などが行
ュリティを考慮しなければなりません。
えます。Webブラウザで動作するWebアプリケーションにな
今回は、現在の文書管理が抱える問題点を考えながら、クオ
っているため、管理者用PCへのインストール作業は必要あ
リティ社が新たに開発した文書管理システムData KeyServer
りません。Webブラウザさえあれば、どこからでも管理作業
(以後DKS)をご紹介してまいります。
を行うことができます。
現在の文書管理の問題
③DKSプラグイン
さて、現在御社ではどのように文書管理を行っているのでし
DKS文書の作成および閲覧のために、Acrobat( Acrobat
ょうか。
Readerも含む)に追加導入するプラグインソフトです。この
ファイルサーバにディレクトリを作成し、決められた場所に
プラグインの利用によりユーザは、DKSサーバへの接続(ロ
保存しているのでしょうか。それとも、専用の文書管理アプリ
グイン)を行い、DKS文書への適切なアクセス権を取得する
ケーションやCVS、RVSを利用されているのでしょうか。では、
ことができます。また、DKS文書へのアクセス権の追加や削
これらの仕組みの問題点とはなんでしょう。
除、変更は、このDKSプラグインから行うことも可能です。
一般に文書管理システムは、ディレクトリへのアクセス権を
DKSの仕組み
設定します。このディレクトリへのアクセス権により、各ユーザ
次にDKSの仕組みについてご説明いたします。
の文書の取り出しや登録などの操作権利をコントロールして
います。いわば、ディレクトリレベルの文書管理です。では、そ
の管理された場所から取り出された電子文書は、いったいどの
ように扱われているのでしょうか。印刷、メールへの添付、コ
ピーして配布と、電子文書は、気軽にかつ自由に利用すること
ができます。それが良さでもあるわけですが、時に利用者自身
も無意識のうちに、あるいは、誤って危険な行為を行ってしま
うことがあります。ここに、ディレクトリレベルのアクセスコン
トロールの問題点があります。
図2 DKSの仕組み
文書作成者は、作成された文書をPDFフォーマットに変換し
ます。次に、PDF形式になった文書をDKSプラグイン(Acrobat
図1 現在の文書管理
上 )を利用して、DKS文書に変換します。変換といっても、
言いかえれば、ディレクトリレベルのコントロールは、
「情報
DKS文書として保存するという作業を行うだけです。保存の
を公開する」ことが考慮されていない(できない)というのが
際に、その文書へ の各ユ ーザのアクセス権を設定します。
現状です。このような問題を解決/補完するのが、DKSです。
DKSでは、
ドキュメントの作者自身にアクセス権を設定させる
DKSとは
DKSは、ファイル単位の文書管理システムです。ここでいう
管理とは、ファイルの保存場所などを定めるような管理ではあ
りません。作成した電子文書一つ一つにアクセス権を設定し、
閲覧/印刷/コピー/添付など、
「ユーザがどの電子文書をど
のように扱うことができるのか」という管理です。
DKSの構成
DKSは以下の三つの機能から成り立っています。
①DKSサーバ
DKSの中心となり、登録されているDKS文書の情報やユーザ、
グル ープ情報を管理します。利用者からの要求に応じてア
図3 管理画面
クセス権を送付したり、設定を保存したりしています。この
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
24
ことができるわけです。この時に設定できるアクセス権には「読
セスコントロールを柔軟に設定することができます。さらに、
み取り/注釈/印刷/コピー/添付/取り出し」があります。
同じ設定を複数の文書に行う場合、
「ポリシ」という管理テ
必要な設定を行った後、DKS文書を配布します。
ンプレートを利用することで作業も楽に行えます。
DKS文書を受け取ったユーザは、Acrobat(Acrobat Reader)
また、DKS文書そのものにアクセス権が設定されるわけで
を利用して開きます。その際、自動的にプラグインが起動し、
はないため設定変更は、文書が配布された後でも自由に行
DKSサーバへのログイン作業を促します。正常にログインで
えます。新たに公開したいユーザが増えても、間違って権限
きなければ、文書を開くことはできません。ログインした後は、
を与えてしまったユーザがいても、文書を回収することなく、
ログインに利用したアカウントに適したアクセス権をDKSサー
すぐに変更を行うことができます。
バから取得し、閲覧/印刷/コピーなどの作業が行えます。
⑤アクセス権の期限設定
DKSの管理者は、DKSコンソールを利用することで、登録さ
アクセス権は、一日単位で有効期限を設定することができま
れている文書やユーザの情報の確認と権利設定、DKS文書の
す。ですから、特定期間のみ公開しておきたい情報にも利用
閲覧状況などを確認することができます。
可能です。また、先に資料だけを配布しておき、公開可能日
DKSの主な利点
まで閲覧を禁止するような使い方も考えられます。
DKSには、以下のような利点があります。
⑥DKS文書以外のファイルの配布
①PDFフォーマットであること
DKSでは、DKS文書に他のファイルを添付することができま
PDFフォーマットは、電子文書の交換フォーマットとしてす
す。添付されたファイルは、添付の権限を持ったユーザ以外、
でにデファクトスタンダードになっています。DKS文書を閲
追加や取りだしを行うことができません。この機能を利用す
覧する場合には、プラグインを追加するだけでよく、改めて
れば、DKS文書以外もアクセスコントロールの対象とするこ
アプリケーション環境を準備する必要がありません。また、
とができます。
PDFフォーマットは、どのようなデスクトップアプリケーショ
DKS利用の具体例
ンからでも作成可能です。現在は、情報を公開する対象が様々
DKSには様々な利用法が考えられます。ここで例をあげる
な範囲に広がっています。このような状況においては、特定
よりも先に、普段の皆様の業務を思い返していただければ、
アプリケーションに依存しないということは非常に重要なこ
DKSを有効に利用していただける業務が、確実に存在するは
とといえます。
ずです。
また、PDFフォーマットは、中身そのものを改変される恐れ
企業活動を大きく捉えた場合では、
「特許や論文、マーケテ
がないという利点もあります。
ィング戦略など知的情報の保護」
「顧客やパートナーとの取引
や協業情報の交換」
「法務や金融情報の管理」
「情報の紛失や
②自由な配布が可能
DKSの環境では、DKS文書の存在位置はどこでも構いません。
盗難への対策」などが考えられるでしょうか。
DKSサーバにアクセスできるネットワーク環境さえあれば、
より具体的な例としては、
「社内での人事情報の伝達」
「出
社内は勿論、取引先やモバイル環境でもアクセスコントロー
向社員への社内情報の伝達」
「特定プロジェクト要員同士の資
ルが行われます。仮に、見知らぬPCにコピーされたとしても、
料の交換」
「ユーザへのプログラム作成の報告とソースファイ
権限が無ければ中を見られる心配はありません。ですから、
ル提出」
「取引履歴の発送」
「見積書の提出」…等、様々なも
作成したDKS文書の配布には、メール/Web/FTP/CD-R
のが考えられます。
など、ありとあらゆる配布方法を利用することができます。
言い換えれば、ある特定の人に対して情報を公開する業務
すべてにおいて適用できる可能性があるわけです。
③ファイルのアクセス履歴の保存
文書を読んだ(開いた)という情報は、
「誰が、何時」という
最後に
情報も含めてサーバに保存されます。指定した期日までに
先にもお話したとおり、企業に蓄積される情報、および公開
相手が中身を確認しているかどうかを把握したり、逆に、
「ま
すべき情報は、今後益々増えていくものでしょう。同時に、そ
だ見ていない」などという言い逃れを防ぐことができます。
の方法も十分に検討しなければなりません。
既にお気づきかと思いますが、DKSのシステムは、現在のデ
ィレクトリレベルの文書管理システムと競合するものではあり
ません。勿論、単独でも利用できるシステムですが、他のシス
テムと組み合わせやすい自由度があります。既存の環境への
組み込みや、他のシステムとの連動を行うことで、より効果の
高い文書管理システムを構築できるといえます。
情報も、大事な企業資産の一つです。その企業資産を守る
ため、DKSの導入をぜひご検討いただきたいと思います。
図4 ログの確認
詳細は、ネットワークソリューション営業部までお問い合わ
④アクセス権設定の柔軟性
アクセス権は、登録されているユーザ/グル ープ単位で設
せください。
定することができます。
(TEL 03-5978-5453, E-Mail: [email protected])
一つのDKS文書に対し、個々のアクセス権を別々に設定す
ることができますから、公開する資料の性質に合わせ、アク
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
音響解析用メッシュ作成プログラム
技 術 編
内部要素の削除などをおこなうことができます。
新製品Virtual.Lab—Pre/Acousticsのご紹介
Step1 Fixing Cleaning Skining
この度LMS社よりリリースされるVirtual.Lab(本誌P10を参
音響解析用モデル作成プロセスの最初に実施される作業で、
照)の1プロダクトとしてVirtual.Lab_Pre/Acoustics(R1A)
(以
音響解析(BEM)で使用しないビーム要素を削除したり、ソリ
下VL_Pre/Acoustics)がリリースされます。これにより音響解
ッド要素の表面からシェル要素を作成したり、重複節点・要素
析で必要な解析モデルを、既存の構造解析用メッシュから比較
のマージをおこないます。
的短時間でかつ非常に効率的に作成することが可能になります。
Step2 Rib Detection RibRemoval
以下にその特徴と作成手順について概説します。
モデル全体あるいはユーザー指定の範囲内において、その
VL_Pre/Acousticsの特徴
要素数や、その最大面積、自由境界端上の節点の割合等の指
音響解析で用いる(BEM)メッシュと構造解析で要求される
標を元に音場の挙動に影響を及ぼさないとみなせるリブを検出・
メッシュには、その分割数やトポロジーにおいて違いがあり、
削除します。
そのため既存の構造解析メッシュをそのまま音響解析に用い
ることができなかったり、無駄に計算時間を要することがあり
ます。VL_Pre/Acousticsを使用するメリットは、以下に記述す
る特徴によりその様な問題を効果的
に解決できることと、その操作性お
よ び G U I の 素 晴 ら し さ 、さ ら に
Virtual.Labに連携したほかのプロダ
クト(VL_Acoustics,VL_NVH,VL_Motion,
図3
VL_Durability)とのシームレスな一
体化にあります。これによりユ ーザ
Step3 Hole Detection Hole Filling
ーは、ソフトを意識せずに構造メッシ
ュ-振動応答-音響メッシュ-音響応答
モデル全体あるいはユーザー指定の範囲内において、音場
図1
の挙動に影響を及ぼさないとみなせる穴を埋めます。
のシミュレーションを実施できます。
①ジオメトリに戻って新しいメッシュを作成するのではなく、既
存のメッシュに対してリメッシュをおこないます。
②新たに作成されるメッシュは、ベースとなる構造解析用メッ
シュの質・サイズに依存しません。
③音響解析に不要な穴、リブ、内部要素をインターラクティブ
に削除でき、各作業ステップにおける各モデルを中間モデル
として出力できます。
図4
④解析上限周波数の入力により、与えた周波数に応じた音響メ
Step4 Walker Algorithm
ッシュを次々に作成できます。
外部放射音解析に関与しない内部要素を検出・削除します。
⑤リメッシュ時に高品位の要素を作成(スムージング)でき、ま
たリメッシュ後の要素の質(周波数)をモデル上のコンター
Step5 Mesh Processing
表示や棒グラフで確認できます。
二つのアルゴリズムWrapper, Coarsenerが用意され、それ
ぞれ高品質のメッシュや、開口部・穴を有する形状に対しての
メッシュ作成に効果を発揮します。
図2
図5
VL_Pre/AcousticsによるBEMメッシュ作成手順
VL_Pre/Acousticsでは、単なるリメッシング機能だけでなく、
詳細は、メカニカルCAE第2技術部までお問い合わせください。
事前に音響解析(BEM)では不要となるリブの削除や穴埋め、
(TEL 03-5978-5451, E-Mail: [email protected])
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光学設計・評価プログラムCODE V
技 術 編
で切り替えます。2つの回折伝播方法で使用している基本計算
CODE Vにおける光MEMSの扱い
ツールは2次元のフーリエ変換で、実際には標準の高速フーリ
既にご紹介している通り、開発元ORA社は、光伝達素子のモ
エ変換(FFT)アルゴリズムを使用します。Fresnel数が1以下
デリングに対するCODE Vの応用性に着目し、自由空間での光
の場合、伝播には入射フィールド分布の複素振幅のFFTによる
通信や光電子分野で使用されるファイバー・カップラ、光学接
Fraunhoffer手法を使用します。比較的Fresnel数が大きい場合、
続素子、光学調整フィルター、また、その複合素子のシステム
ニアフィールドに近い伝播となり、FFTを介して入射フィールド
の設計にも、屈折率分布型材質、回折光学素子、多層膜、偏光、
分布を平面波に分解して、伝播距離に応じた線形フィルター操
ノンシーケンシャル面、ビーム伝播解析などの機能を使用して
作を行い、異なる位相を持った平面波を逆FFTにより合成する
適応できる事を示しております。
事で伝播するFresnel手法を使用します。
このような高機能を生かし、
ここでは、
さらに光MEMS(MOEMS:
Micro Optical Electro Mechanical Systems)についての適用
例をご紹介します。まずは光MEMS部品として使われる小型
2×2スイッチの例を図1に示します。中央にスイッチ機能を果
たす45度ミラーを配置しています。CODE Vではこのミラー
の傾きがずれた場合の結合効率も計算する事ができます。結
合効率計算はCEFオプションを使用して計算しますが、これは
波動を考慮した点像強度分布(PSF)のオーバーラップ積分か
ら求めます。PSFをベースとしている事から推察できるように、
全ての回折現象は射出瞳で起きると仮定した解析です。回折
現象を考慮していますので、波動光学的な解析ではありますが、
PSFをベースとしている効率計算は、”幾何的な”効率計算と
呼ばれる事もあります。
MEMSミラーの場合、ミラー面の製造誤差や熱や構造環境
に起因する面のデフォメーションも考慮する必要が出てくる場
合もあります。CODE Vではそれらは、干渉系ファイル(INT)
やユーザ定義面を使用する事で表現でき、その影響は考慮し
図2 出力側ファイバー上での強度分布
て回折効率や結合ロスを解析する事もできます。
OXCを想定したシステムの出力側ファイバーの強度分布を
図2に示します。具体的には、シングルモードファイバー(SMF28)をSELFOCレンズにより平行光にし、自由空間を25mm伝
播して100μm 2 の MEMSミラ ー(40度 の 傾き )で反射し、
25mm戻った位置に配置した別の集光SELFOCレンズにより
出力側ファイバーに結合しています。ミラーの矩形アパチャー
によりビームがかなりクリッピングされ、それによる回折の影
響が、焦点スポット上でかなり出てきており、もはやガウシアン
ビームでなくなっていることが観察できます。
BPRの結果出力をCEFオプションの入力として使用して、
”波動的な”結合効率を解析する事も可能です。
図1 2×2クロスバースイッチの例
次にN×Nチャネルの入出力を行う大規模光スイッチ(OXC :
詳細は、応用システム第2技術部までお問い合わせください。
Optical Cross Conect)の例を紹介します。小型スイッチのケ
(TEL 03-5978-5414, E-Mail: [email protected])
ースと異なり自由空間内の光の伝播距離(数cm)が、ミラーの
大きさ(約100μm)に対して大きい事に留意する必要がありま
す(波長は1.3μm∼1.5μm)。このような場合、自由空間伝播
中に起きる回折の影響を無視できなくなります。CODE Vはこ
のための計算ツールを、ビーム伝播(BPR)オプションに用意
しています。BPRはファーフィールドにどれくらい近似してい
るかを示す指標となるFresnel数の値(伝播距離、波長、ビーム
の直径の関数)により、使用する手法をFraunhofferとFresnel
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
照明解析プログラムLightTools
技 術 編
統計的に扱い処理を行ないますので、少ない光線本数でも収
LightToolsの色度解析について
束した結果を得る事ができます。
LightToolsではバージョン3.1から波長のスペクトル入力が
図2は白色光源を用いて回折格子を通過した光線の出力分
できるようになり、3.2からはRGBカラー出力も行える様にな
布になります。左は分散モード(Dispersive)における出力結
っています。
果で、分散を考慮しますので、波長ごとに分かれた分布が見ら
ここではLightToolsの色度解析を行う上での注意点につい
れます。右は非分散モード(Non-Dispersive)における出力結
てご紹介致します。
果です。この設定では、光線追跡は指定した1波長で行ない、
光源の連続スペクトル設定
受光器で光源のスペクトル分布を考慮する事になります。そ
LightToolsでは光源に複数波長を任意の重み付けで設定す
の為、回折格子において波長ごとに分かれた分布は見られず、
る事ができます。例えば、R(700.0nm)、G(546.1nm)、B(435.8nm)
光源のスペクトル分布をそのまま考慮しますので、白色の線と
の3波長の重みを1
:
1
:
1と設定する事ができ、実際に使用する
して見る事ができます。
光源のスペクトルデータがあれば、そのスペクトルをそのまま
非分散モードは光学系における分散を考慮しないので注意
設定する事ができます。
が必要になります。しかし、光源に設定したスペクトルの色等
但し、デフォルトの状態では任意の波長を指定した重み付け
を簡便的に見られたい場合はこちらの設定にするのも1つの
でのみ解析する事になり、例えば白色のスペクトルを設定して
方法です。
も、若干色の異なるRGB出力が表示されてしまう場合がありま
す。
光源にスペクトルを設定する際にDiscrete設定をNoに変更
すると、指定したスペクトルを直線補間した領域のスペクトル
をモンテカルロ法によってランダムに光線追跡する事ができ
る様になります。
その結果、微妙な波長毎の重み付けの加減を考慮する事も
Dispersive
Non-Dispersive
図2 Dispersiveモードによる違い
できる様になり、RGBの出力チャートも実際の光源に近い色を
出力し易くなります。例えば、図1は光源に白色LEDのスペクト
RGBカラー出力の表示
ルを設定した時のCIEカラートライアングルとRGBカラー出
前述致しました様に色の解析を行うには大量の光線を追跡
力になります。左がDiscreteをYes(デフォルト)の状態、右が
する必要があります。また、RGB出力では、照度・輝度分布の
DiscreteをNoに設定した場合になります。左図ではやや青み
様に解像度を変えて画像処理を行なう事はできません。その為、
がかったカラー出力になっていますが、右では、白色のカラー
セルの分割数が重要となります。また、spectral resolutionで波
出力になっています。
長の分解能を設定する事もできます。
RGBカラー出力のカラーキャリブレーション
LightToolsのRGBカラー出力では使用するモニタの特性に
合わせてカラーキャリブレーション(色補正)を行う事もでき
ます。
この設定はダイアログではなく、テーブルビューで設定します。
メニューのViews>Tables>Illuminationでテーブルビューを表
Discrete-Yes
示し、Illumination>Receiver>RGB Calibrationで補正したい色
Discrete-No
図1 Discreteモードによる違い
の項目について変更する事ができます。赤・青・緑・白の4色に
照明解析の分散モード
ついてCIEのx,yの基準値を補正する事ができます。
照明解析の設定項目には、Dispersive Mode(分散モード)
その他の設定について
があります。この設定は解析を行う光学系の分散を考慮する
バージョン3.2から設定材質の光学密度に波長依存性を持た
かしないかの設定になります。
せる事ができる様になりました。この機能を用いると、色付き
デフォルトではYesになっており、光学系の分散を考慮します。
のプラスチックの様な材質における波長ごとの透過の影響も
これはカラーフィルタやプリズム、回折格子による分散の影響
きちんと解析する事ができます。
を見る場合には必要になります。
以上の様に、色度解析を行うには単純に照度・輝度の結果を
しかし、この場合、光源からの光線はモンテカルロ法による
参照するよりも多くの点で注意が必要になりますが、これらの
ランダムな波長をそれぞれ追跡して行き、受光器でそれらを
事柄にきちんと注意して頂く事で、より詳細な解析を行なう事
合わせて色度解析を行ないます。その為、良い結果(収束した
ができ、より様々な結果を得る事ができる様になります。どう
結果)を得る為には大量の光線を追跡する必要があります。
ぞお試し下さい。
それに対して、非分散モードでは任意の波長をそれぞれ追
詳細は、応用システム第2技術部までお問い合わせください。
跡していくのではなく、光源に設定したスペクトルをそのまま
(TEL 03-5978-5414, E-Mail: [email protected])
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
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照度・輝度測定システムProMetric
技 術 編
and Technology社により発表された測定方法で、上記で説明
ProMetric Colorシステム新バージョンの紹介
したColor Calibrationの手法に似ておりますが、
4ポイントの参
今回リリースされたバージョンでは、測定精度が大幅に向上
照ポイントをProMetricで取り込んだデータと相対的に合わせ
しており、測定時および測定データのノイズ除去を有効に行い
込む手法になります。これは1測定画面内に、青、赤、緑、白な
ます。カメラ自体の測定精度を高めるために、CCDの冷却シ
どの色が混在する場合、とても有効な機能になります。図2は
ステムとしてペルチェ冷却を2機搭載しております。これによ
1Color Calibrationと4Color Calibrationを使用したときの入力
り測定時の精度および繰り返し測定の精度が大幅に向上して
ポイントおよび領域を表しております。1Color Calibrationは緑
います。またカメラ内のノイズをおさえるため精度の良い
領域だけの入力になり、青、赤の色度を求めると精度が落ちて
CCDに変わりました(CCDノイズ:1ビット未満)。
しまいます。それに対して4Color Calibrationでは囲んだ領域
内の測定精度は高くなります。
1Color Calibration
4Color Calibration
図2 Color Calibrationによる高精度領域
実際に2つのCalibrationにより測定精度がどれくらい異なる
の か を 表1に 表し まし た 。こちら は 液 晶 ディス プレ イを
ProMetricで測定し、1Color Calibrationと4Color Calibrationと
の 誤 差を 比 べ たも の になります 。全 て の 色 評 価 に対して
図1 ProMetricカメラ画像
4Color Calibrationの方が高精度であることが分かります。
また今回のバージョンからPCI版も用意いたしました。今ま
液晶ディスプレイ
のColor
1color Calibration
Vector Δxy
4Color Calibration
Vector Δxy
白
0.023
0.003
青
0.059
0.004
青緑
0.027
0.005
使用できません(PCIボードを使用するため)。ノートPCなど
緑
0.055
0.003
でProMetricを移動させて使用する場合はパラレルポート版を、
紫
0.035
0.001
スピードを重視されるのであればPCI版をご利用いただけるよ
赤
0.032
0.001
黄
0.036
0.009
で同様パラレルポート版も用意しております。パラレルポート
版の1イメージの取り込むには6秒かかりますが、PCI版は0.8
秒で取り込めます。但し、PCI版はデスクトップPCでないとご
うになっております。
表1 2つのCalibrationによる測定誤差
機能紹介(色度測定)
1Color Calibration
上記の表からも分かるように新しいProMetricのリリースに
ProMetric Colorでは色度(色度座標、相関色温度)測定を行う
より、精度の高い測定が行えるようになっております。
ことが可能です。この測定を行う際に、Radiant Imaging社で
今回ご紹介したProMetricは、ProMetric Color 1400(14ビッ
補正されたColor Calibrationデータを使用しています。この補
ト)の解像度512×512のシステムになりますが、
16ビットのバ
正データはA光源、D65光源を使用して補正されたデータであ
ージョンや解像度が1024×1024、
1536×1024のオプションも
るため、同じ光源を使用する場合、精度の良い色度測定を行う
用意しております。
ことが可能です。
ProMetricでは、お手持ちの色度測定器との相関を持たせて
詳細は、応用システム第2技術部までお問い合わせください。
測定することも可能です。この場合、参照ポイントにおける測
(TEL 03-5978-5414, E-Mail: [email protected])
定デ ータをProMetric内に取り込み、そのポイントデ ータと
ProMetricで測定したデータとを相対的に合わせ込んで色度デ
ータを求めることができます。
4Color Calibration
色度を測定する際、4Color Calibrationという測定方法も用
意しております。この手法はNational Institute of Standards
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CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
数式処理プログラムMaple
技 術 編
WEBコネクティビティ
Maple 7新機能紹介
TCP/IPソケット、XML、Math ML2.0サポートなど、WEBコ
Mapleは数式処理、数値演算、グラフィクスetc.の機能をもつ、
ネクティビティが拡大され、マルチ環境への対応が可能としま
統合的な数学ソフトウェアです。変数を文字のまま扱うことが
した。
できるため、設計パラメータを含む物理モデルの構築を行うこ
①TCP/IPソケット
とが可能です。今回は、この数式処理Maple 7の新機能を紹介
インターネットや独立したMapleセッションとTCP/IPネット
します。
ワークを通じて通信することができます。
数学機能/微分方程式大幅改良
②XMLツール
Maple 7では、微分方程式が大幅に改良され、より高精度な
XMLで記述された構造化データを扱うことができるため、
解析、かつ完全解の解が拡張されました。特に、常微分方程式
Web上の文章やデータをMaple上で簡単に操作することが
に対する境界値問題の数値解に関しては、ほぼ100%の解を
できます。
返します。下記比較は、常微分方程式関係ソフトウェアの精度
③Math MLツール
評価について、世界でスタンダードに利用されている問題につ
Math MLに互換性のある他アプリケーションやブラウザに数
いての解を比較したものです。
式をインポート及びエクスポートすることが可能です。
外部プログラムとのコネクティビティ
回答率
問題階
1st order 線形、非線形
2nd order 線形
高レベル 線形
2nd order 非線形
高レベル 非線形
合計
セット
Maple 7
他ソフト
549
411
122
218
16
99%
98%
91%
93%
100%
84%
83%
70%
51%
38%
1,316
97%
77%
①Cプログラムの呼び出し
外部CプログラムをMaple上に簡単に呼び出し操作すことが
できます。
②Excelリンク
Microsoft Excel 2000上から全てのMapleコマンドを実行で
きるので、Excel上の測定データをそのまま解析することが
できます。
上記のように、Maple 7では、ほぼ100%の線形、非線形の常
微分方程式を解く事ができます。また、非線形常微分方程式の
シンメトリ列を使用して次数を下げる関数が追加され、解に根
基(RootOfs)を含む非線形方程式に有効になりました。
強化された数値計算
外部のNAG(Numerical Algorithm Group)ライブラリを導
入することにより、浮動小数点計算が大幅に強化されました。
中でもバンド行列、スパース行列、パックト三角行列がサポー
トされ、より高速な計算を可能にしました。更に、スパースシン
メトリック線形システムに対し、大規模なスパース行列を扱う
ことができるようになりました。また、最小二乗近似については、
特異値分解を使用することでより最適な解を求められるよう
になりました。Mapleの浮動小数点計算の例外処理も改良され、
図2 Excel上での解析例
数値演算において必ず値が返されるか、または数値演算イベ
ントを発生させます。
③MATLABリンク
MATLABリンクを利用することにより、大規模な行列演算や
数値演算を高速に処理することができます。
GUI/ユーザインタフェース
単位と次元の解析を扱うUnitsパッケージが導入され、あら
ゆる単位系(500個以上の標準単位系)のダイアログボックス
を使用し、任意の単位変換を簡単かつ自動的に実行すること
ができます。
Maple 7 日本語版について
2002年3月にMaple 7日本語版リリースを予定しております。
それに伴い、バージョンアップキャンペーン、
リリースセミナー
など予定しております。
詳細は、応用システム第2営業部までお問い合わせください。
図1 微分方程式解
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
(TEL 03-5978-2481, E-Mail:[email protected])
30
技術セミナー
インフォメーション
下記ソフトウェアのユーザを対象に、それぞれの目的にあった具体的な利用方法について説明します。
セミナー名
内 容
東 京
ANSYS入門
対象 ANSYSを利用される方
内容 機能とコマンドの説明および実習
費用 ¥60,000/名またはセミナー受講券
ANSYS中級
対象 ANSYS入門セミナーを受講済の方
内容 機能とコマンドの説明および実習
費用 ¥60,000/名またはセミナー受講券
1月1
5日
(火)
∼1
6日
(水)
1月2
9日
(火)
∼3
0日
(水)
2月1
2日
(火)
∼1
3日
(水)
2月2
6日
(火)
∼2
7日
(水)
3月1
2日
(火)
∼1
3日
(水)
1月1
7日
(木)
∼1
8日
(金)
2月1
4日
(木)
∼1
5日
(金)
3月1
4日
(木)
∼1
5日
(金)
ANSYS動解析
時間
1月1
5日
(火)
∼1
6日
(水)
2月7日
(木)
∼8日
(金)
2月1
2日
(火)
∼1
3日
(水)
3月1
2日
(火)
∼1
3日
(水)
9
:
3
0∼1
7
:
3
0
1月2
9日
(火)
∼3
0日
(水)
2月2
6日
(火)
∼2
7日
(水)
9
:
3
0∼1
7
:
3
0
3月1
4日
(木)
∼1
5日
(金)
ANSYS熱解析
ANSYS構造非線形解析
大 阪
1月3
1日
(木)
∼2月1日
(金)
対象 ANSYS入門セミナーを受講済の方
内容 機能とコマンドの説明
費用 ¥60,000/名
ANSYS磁場解析
2月1
4日
(木)
∼1
5日
(金)
9
:
3
0∼1
7
:
3
0
2月7日
(木)
∼8日
(金)
2月2
8日
(木)
∼3月1日
(金)
ANSYS ソリッドモデリング
1月1
0日
(木)
∼1
1日
(金)
3月2
8日
(木)
∼2
9日
(金)
ANSYS/LS-DYNA
対象 ANSYS入門セミナーを受講済の方
内容 機能とコマンドの説明
費用 ¥30,000/名
FLOTRAN技術
対象 ANSYS入門
(初級)
セミナーとソリッドモデリングセミナーを受講済の方
内容 機能とコマンドの説明および実習
費用 ¥60,000/名またはセミナー受講券
APDL入門
対象 ANSYS入門セミナーを受講済の方
内容 機能とコマンドの説明および実習
費用 ¥30,000/名
DesignSpaceトレーニング
1月2
2日
(火)
3月5日
(火)
9
:
3
0∼1
7
:
3
0
1月1
0日
(木)
∼1
1日
(金)
3月7日
(木)
∼8日
(金)
9
:
3
0∼1
7
:
3
0
3月4日
(月)
1月1
7日
(木)
9
:
3
0∼1
7
:
3
0
対象 Autodesk Mechanical DesktopまたはSolidWorksの基本操作方法をご存知の方
内容 基本的な機能とコマンドの説明および実習
費用 ¥30,000/名
1月2
3日
(水)
2月2
0日
(水)
3月2
0日
(水)
1月2
2日
(火)
3月1
9日
(火)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
設計者のためのCAE入門
対象 有限要素解析をこれから始められる方
内容 有限要素解析システムの基礎知識
費用 ¥60,000/名
1月1
5日
(火)
∼1
6日
(水)
1月3
1日
(木)
∼2月1日
(金)
9
:
3
0∼1
7
:
0
0
有限要素法基礎理論
対象 有限要素解析の基礎理論を学び、
レベルアップしたい方
内容 有限要素解析の基礎理論
費用 ¥60,000/名
2月1
2日
(火)
∼1
3日
(水)
2月2
8日
(木)
∼3月1日
(金)
9
:
3
0∼1
7
:
0
0
有限要素法振動解析入門
対象 振動解析をこれから始められる方
内容 振動解析の基礎理論と解析技術の説明
費用 ¥60,000/名
3月1
1日
(月)
∼1
2日
(火)
9
:
3
0∼1
7
:
0
0
有限要素法熱解析入門
対象 熱解析をこれから始められる方
内容 熱解析の基礎理論と解析技術の説明
費用 ¥30,000/名
3月1
3日
(水)
9
:
3
0∼1
7
:
0
0
音響セミナー
対象 音響解析をこれから始められる方
内容 音響解析に必要となる物理量、解析の進め方、固有値解析周波数応答解析の基礎の説明(実習はありません)
費用 ¥30,000/名
2月4日
(月)
1
3
:
3
0∼1
6
:
3
0
SYSNOISE入門
対象 SYSNOISEをこれから利用される方
内容 基本モジュールの使用方法解説と実習
費用 ¥60,000/名
1月8日
(火)
∼9日
(水)
2月5日
(火)
∼6日
(水)
3月5日
(火)
∼6日
(水)
対象 SYSNOISEを既に使用されている方
内容 組み合わせによる連成解析の説明と実習
費用 ¥30,000/名
1月2
8日
(月)
3月1
1日
(月)
1
0
:
0
0∼1
6
:
3
0
対象 SYSNOISEを既に使用されている方
内容 BEMによる放射音問題への適用
費用 ¥30,000/名
2月2
5日
(月)
1
0
:
0
0∼1
6
:
3
0
DADS入門
対象 DADSをこれから利用される方
内容 機能と基本操作方法の説明と実習
費用 ¥60,000/名
1月2
2日
(火)
∼2
3日
(水)
2月1
9日
(火)
∼2
0日
(水)
3月1
9日
(火)
∼2
0日
(水)
DADS/Plant入門
対象 MATLAB/Simulinkの基本操作をご存じの方
内容 DADS/Plantの利用方法と実習
費用 ¥30,000/名
1月2
5日
(金)
3月2
5日
(月)
9
:
3
0∼1
7
:
0
0
DADSアドバンスト
機能アップコース
対象 DADSの基本操作をご存知の方
内容 ユーザ定義サブルーチン等の利用方法と実習
費用 ¥30,000/名
2月2
2日
(金)
1
0
:
0
0∼1
7
:
0
0
DADSアドバンスト
弾性体解析コース
対象 DADSの基本操作をご存知の方
内容 弾性体を含む機構のモデル化と実習
費用 ¥30,000/名
1月2
4日
(木)
2月2
1日
(木)
3月2
6日
(火)
1
0
:
0
0∼1
7
:
0
0
対象 MATLABビギナー
内容 データの定義・入出力、
プログラミング、
グラフィックスの説明と実習
費用 ¥30,000/名
1月7日
(月)
1月8日
(火)
2月4日
(月)
3月1
3日
(水)
1月2
1日
(月)
2月1
4日
(木)
3月1
3日
(水)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
ベーシックトレーニング
Simulinkコース
対象 MATLABの基本操作がわかるSimulinkビギナー
内容 1自由度マス・バネ系を利用した基本的な操作方法の習得
費用 ¥30,000/名
1月8日
(火)
2月5日
(火)
2月1
3日
(水)
3月5日
(火)
3月1
3日
(水)
1月2
2日
(火)
2月1
5日
(金)
3月1
4日
(木)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
ベーシックトレーニング
Stateflowコース
対象 MATLAB/Simulinkの基本操作がわかるStateflowビギナー
内容 フローチャートとステートチャートの作成
費用 ¥30,000/名
2月2
2日
(金)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
アドバンストトレーニング
MATLABプログラミングコース
対象 MATLABユーザ
(MATLABの基本操作をご存知の方)
内容 M—
ファイルプログラミング/高速化テクニックの習得
費用 ¥40,000/名
2月7日
(木)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
アドバンストトレーニング
MATLAB GUI構築コース
対象 MATLABユーザ
(M—
ファイルプログラミング概念をご存知の方)
内容 Handle Graphics機能の習得とGUIアプリケーション構築実習
費用 ¥40,000/名
アドバンストトレーニング
Simulinkコース
対象 Simulinkユーザ
(基本機能をご存知の方)
内容 オペレーション、
モデリング、
シミュレーションテクニックの説明と実習
費用 ¥40,000/名
アドバンストトレーニング
MEXコース
対象 MATLABユーザ
(MATLABベーシックトレーニングコース修了者)
内容 MEX-ファイル作成の習得
費用 ¥30,000/名
2月1
8日
(月)
1
3
:
3
0∼1
6
:
3
0
アドバンストトレーニング
S-Functionコース
対象 Simulinkユーザ(Simulinkベーシックトレーニングコース修了者)C言語でのプログラム経験のある方
内容 作成方法の習得、
及びRTWに関連したアドバンス的な内容まで
費用 ¥40,000/名
2月6日
(水)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
アドバンストトレーニング
制御システム設計コース
対象 MATLAB/Simulinkユーザの制御系エンジニア
内容 線形制御理論に基づくコントローラ設計の演習
費用 ¥40,000/名
2月2
5日
(月)
3月2
5日
(月)
2月1
8日
(月)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
アドバンストトレーニング
信号処理システム設計コース
対象 MATLAB/Simulinkの基本操作のわかる信号処理系エンジニア
内容 信号/画像処理のプログラミングとシミュレーション方法の習得
費用 ¥40,000/名
2月2
6日
(火)
3月2
6日
(火)
2月1
9日
(火)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
アドバンストトレーニング
通信システム設計コース
対象 MATLAB/Simulinkユーザの通信系エンジニア
内容 通信システムの例題を用いたシミュレーション手法の習得
費用 ¥40,000/名
2月2
7日
(水)
3月2
7日
(水)
PSpice技術
対象 PSpiceを利用される方
内容 機能とコマンドの説明および実習
費用 ¥30,000/名
1月2
3日
(水)
2月2
0日
(水)
3月2
2日
(金)
CODE V入門
対象 CODE Vをこれから利用される方
内容 結像光学系におけるCODE Vの基本的な使用方法
費用 ¥30,000/名
LightTools入門
対象 LightToolsをこれから利用される方
内容 LightToolsの基本的な使用方法
費用 ¥30,000/名
エンジニアのためのMaple紹介
対象 研究開発エンジニア/Maple導入を検討中の方
内容 回路設計に役立つMapleの機能紹介と実習
費用 無料
2月1
9日
(火)
∼2
0日
(水)
1
0
:
0
0∼1
6
:
3
0
SYSNOISE中級
ベーシックトレーニング
MATLABコース
2月5日
(火)
∼6日
(水)
2月8日
(金)
1
0
:
0
0∼1
7
:
0
0
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
2月1
4日
(木)
1月1
7日
(木)
3月1
4日
(木)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
2月1
3日
(水)
9
:
3
0∼1
6
:
3
0
1
0
:
0
0∼1
7
:
0
0
1
0
:
0
0∼1
7
:
0
0
1
3
:
3
0∼1
6
:
3
0
平成1
4年1月∼3月
31
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
紹介セミナー
インフォメーション
下記のソフトウェアに興味をお持ちの方を対象に、無料で各ソフトウェアの機能と特徴の紹介を行います。
セミナー名
内 容
東 京
大 阪
時間
有限要素解析プログラム
ANSYS
解析機能、プリ・ポスト機能を事例をもとに紹介
1月1
1日
(金)
2月8日
(金)
3月8日
(金)
1月2
4日
(木)
2月2
1日
(木)
3月2
0日
(水)
13
:
30∼17
:
00
3次元CAD専用解析プログラム
DesignSpace体験セミナー
デモを交えた機能紹介とPCを使った体験学習
1月2
1日
(月)
2月1
8日
(月)
3月1
8日
(月)
1月2
5日
(金)
2月2
2日
(金)
3月2
2日
(金)
13
:
30∼17
:
00
汎用ビジュアライゼーションソフトウェア
EnSight
機能紹介とデモ実演
1月9日
(水)
2月1日
(金)
3月1日
(金)
13
:
30∼15
:
30
統合CAE環境
HyperWorks紹介セミナー
汎用プリポストシステムHyperMeshを始めとする統合CAE環境
HyperWorksの各製品モジュールの紹介と体験自習
1月1
7日
(木)
2月1
5日
(金)
3月1
4日
(木)
10
:
00∼17
:
00
音響解析ソフトウェア
SYSNOISE/RAYNOISE
音響解析ソフトを使用するメリットと
機能紹介&コンピュータを使ったデモ実演
1月1
0日
(木)
2月7日
(木)
3月7日
(木)
1月2
1日
(月)
3月4日
(月)
13
:
30∼16
:
30
最適設計支援プログラム OPTIMUS
機能紹介とデモ実演
2月1
4日
(木)
1月1
8日
(金)
3月1
8日
(月)
13
:
30∼16
:
30
機構解析プログラム
DADS
機能紹介とモデル化からアニメーションまでのデモ実演
1月2
1日
(月)
2月1
8日
(月)
3月1
8日
(月)
1月1
7日
(木)
3月1
1日
(月)
13
:
30∼16
:
30
MATLAB紹介セミナー
プログラミング&解析コース
MATLAB環境におけるプログラミング/データ解析機能の紹介
データの取り込み、様々な数値解析、ビジュアライゼーション、
GUIアプリケーション構築、スタンドアロン化の流れをデモ実演
1月1
7日
(木)
2月2
0日
(水)
3月6日
(水)
2月4日
(月)
13
:
30∼16
:
30
MATLAB紹介セミナー
数学・物理・工学システムのシミュレーションコース
非線形・位相面解析、非定常、モードが複数存在するシステム、逆
問題、モンテカルロシミュレーション等、様々なシステムのシミュ
レーションと、モータシステム、サーボバルブ等の工学問題紹介
1月1
8日
(金)
2月2
1日
(木)
3月7日
(木)
2月5日
(火)
13
:
30∼16
:
30
MATLAB紹介セミナー制御システム設計/シミュレーションコース
制御設計エンジニアを対象に、コントローラ設計例の紹介と制御対
象やユーザ作成アプリケーションとのインタフェース機能の紹介
2月1
4日
(木)
3月8日
(金)
2月7日
(木)
13
:
30∼16
:
30
MATLAB紹介セミナー信号処理システム設計/シミュレーションコース
MATLAB/Simlinkによる信号処理システム設計主な機能紹介とデモ実演
音声、画像処理、A/D変換、フィルタ設計、SimulinkモデルのDSP実装例
2月1
5日
(金)
3月1
1日
(月)
2月6日
(水)
13
:
30∼16
:
30
MATLAB紹介セミナー 通信システム設計/シミュレーションコース
ディジタル移動体通信系エンジニアを対象。MATLABの機能、利用法、通信システム例題
(変復調、誤り訂正符号、スペクトル拡散など)をデモンストレーションを交えて紹介
2月1日
(金)
3月1
2日
(火)
光学設計・照明系シミュレーション
CODE V
結像光学系及び照明光学系のモデル化、評価及びデモ実演
1月2
1日
(月)
2月1
8日
(月)
3月1
8日
(月)
1月1
1日
(金)
3月8日
(金)
13
:
30∼16
:
30
3D光学CADプログラム・照明系シミュレーション
LightTools
照明系、結像系等の各種光学系の3次元のモデル化、評価
及びデモ実演
1月9日
(水)
2月6日
(水)
3月6日
(水)
2月8日
(金)
13
:
30∼16
:
30
照度・輝度測定装置
ProMetric
概要紹介及び実際の照度・輝度測定の実演
1月9日
(水)
2月6日
(水)
3月6日
(水)
2月8日
(金)
10
:
30∼12
:
30
デスクトップEDAシステム
PSpice紹介セミナー
機能紹介と実際の操作の体験
1月2
2日
(火)
2月1
9日
(火)
3月1
9日
(火)
2月1
2日
(火)
10
:
00∼16
:
30
数式処理システム Maple V
基本的機能の紹介とデモ実演
デスクトップ管理
ソリューションセミナー
クオリティ製品を用いた管理方法の説明とPCを利用しての実践
13
:
30∼16
:
30
13
:
30∼16
:
30
1月1
8日
(金)
2月1
5日
(金)
3月1
5日
(金)
1月2
5日
(金)
3月2
2日
(金)
13
:
30∼16
:
30
平成14年1月∼3月
FAX 03-5978-5440
東京本社 〒112-0012 東京都文京区大塚2−15−6ニッセイ音羽ビル
本社別館 〒112-0012 東京都文京区大塚2−9−3住友不動産音羽ビル2F FAX 03-5978-6081∼2
FAX 06-6940-3601
大阪支社 〒540-0028 大阪市中央区常盤町1−3−8中央大通FNビル
弊社取扱い製品の概要についてはインターネットでもご覧頂けます。http://www.cybernet.co.jp
セミナー申込用紙
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FAX 03-5978-5440
芳名
ご住所
〒
貴社名
所属/役職
TEL
FAX
E-mail
受講セミナー名
月 日
通信欄
CYBERNET NEWS Winter 2002 no.100
32
東京 大阪