ICT@ETモノづくり Magazine Vol.4 (PDF形式、2.55Mバイト)

セキュリティの最新動向と
日立の取り組み
∼日立製作所 セキュリティソリューション本部 本部長 田代勤氏 インタビュー∼
情報漏えい事件などが頻発することで、社会問題としても注目されて
いるセキュリティ。
「個人情報保護法」や「日本版SOX法」の施行もこ
の流れに拍車をかけています。セキュリティ上の脅威から企業システム
をどのように守っていくのか。これは決して新しいテーマではありま
せんが、常に新しい問題提起をはらんでおり、時代とともに変化し続
ける“常に新しい”テーマなのです。そこで今回の巻頭インタビューで
は、最近のセキュリティニーズの動向とそれに対する日立の取り組みに
ついて、日立製作所 セキュリティソリューション本部 本部長の田代 勤
氏にお話を伺いました。
株式会社 日立製作所 情報・通信グループ
セキュリティ・トレーサビリティ事業部
セキュリティソリューション本部 本部長
田代 勤 氏
セキュリティのフォーカスは
外との接点から人との接点へ
入してきました。その集大成となるのが日立セ
キュリティソリューションSecureplazaなのです。
このような取り組みの結果“外部からシステム
2
――セキュリティに関する話題が、メディアな
を守る”という課題はかなりのレベルで満たせ
どで取り上げられる機会が増えています。セ
るようになりました。しかし最近は“使う人の
キュリティ確保へのニーズは間違いなく高ま
セキュリティ”が新たな課題になっています。従
っていると思いますが、最近のセキュリティ
来の取り組みが「外部とシステムとの接点でセ
問題について日立ではどのようなとらえ方を
キュリティを守る」であるなら、今問題になって
していますか。
いるのは「人間とシステムとの接点でセキュリ
田代 セキュリティというものは“古くて新し
ティを守る」ことなのです。
い”テーマであり、その内容は時代と共に変
――内部ユーザがシステムの新しい脅威にな
わっています。以前はコンピュータウィルス対
っているということですか。
策やファイアウォールの設置など、外からの攻
田代 例えばユーザがシステム上で誤った行動
撃をどのように防ぐかにフォーカスが当てられ
を取ることで、情報が漏えいするリスクが高
ていました。つまり「悪い人がシステムに悪い
まっています。ユーザのミスをどのように防ぐ
ことをするのをどう防ぐか」というわけです。
かが、重要なポイントになっています。もちろ
日立でもこのような取り組みは長年にわたっ
ん悪意のあるユーザが故意に情報を漏えいする
て行っており、さまざまな要素技術を開発・導
ケースもあるでしょう。外からの攻撃に備える
September, 2008
巻頭インタビュー
には例えばファイアウォールなどの“ネットワー
し、犯罪捜査のイメージもあるので、日本では
クポイントセキュリティ”で対応できるのですが、
それほど普及しませんでした。私どもは指静脈
内部ユーザとの接点でセキュリティを守るには、
を使った生体認証方式を開発しました。これは
新たな仕組みである“ユーザポイントセキュリ
指紋認証の限界やマイナスのイメージを払拭で
ティ”が必要になります。
きます。そのため日本では指静脈認証が急速に
普及しつつあり、街中で普通に見られるように
基本となるのはユーザ認証
日本でも進む生体認証の普及
なってきました。
――生体認証の精度は、どこまで上がってい
るのですか。
――具体的にどのような仕組みが求められて
田代 弊社の指静脈認証の場合、他人が誤っ
いるのでしょうか。
て認証される確率は、いまのところ100万分の
田代 まず基本となるのはユーザ認証です。シ
1です。これは最も精度の高いと言われている
ステム上で操作を行っているのが誰なのか、き
目の虹彩による生体認証の精度と同等であり、
ちんと識別できる仕組みが必要です。以前は認
現時点で最高水準の認証方式と言うことができ
証というと、ユーザIDとパスワードの組み合わ
ます。さらに銀行ATM等では、I Cカードと指
せが一般的でした。つまりパスワードを“知っ
静脈認証を組み合わせ、より安全な方式を実現
ている”かどうかで、本人であることを判別し
しています。
ていたわけです。しかし厳格なユーザ認証を行
――“持っている”プラス“本人の特徴”を組
うには、このようなアプローチだけでは十分で
み合わせることで、より厳格にしようという
はありません。I CカードやU S Bトークンのよう
わけですね。
な“持っている”ことで本人を認証する方法は、
田代 利用者の生体情報も、I Cカード側に保
パスワードの脆弱性をカバーする上で重要な役
管できます。この情報は、復元できないよう
割を担っています。
“不可逆な特殊データ”にした上で、暗号化され
――最近では社員証に ICカードを導入するな
て格納されています。I Cカードからデータを取
ど、普及も進んでいますね。
りだすこと自体不可能ではありますが、二重、
田代 しかし“持っている”ことに基づく認証
三重の安全を確保しています。これによって生
でも、まだ十分ではありません。落とした I C
体情報が漏えいする危険性はありません。
カードを他人が使ってしまえば、本人確認を正
しく行えないからです。そこで最近普及しつつ
あるのが生体認証です。
“本人にしかない特徴”
認証、ID管理、ログは
セキュリティ確保の3点セット
を使うことで、非常に厳格な本人認証が行えま
す。
――認証の他には、どのような仕組みが必要
――銀行でも指静脈認証を採用するところが
ですか。
登場していますが、生体認証の普及はいまど
田代 さらに2つの仕組みが必要です。1つは
の程度ですか。
I Dマネジメント、もう1つはログの仕組みです。
田代 海外ではすでに指紋認証が広く普及し
I Dマネジメントとは、ユーザの特性や属性、所
ています。PCへのログインでも指紋認証を行う
属などの情報に基づき、ユーザとシステムアク
製品が数多く出ていますが指紋は複製できます
セスをつなぐ仕組みです。この仕組みを用意す
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ることで、ユーザは1つのI Dを使うだけで、一
―― 日立ではオフィスビルの入り口にゲート
貫性のあるアクセス制御を受けられます。
が設置されて、ここでもICカードが必要にな
一方、ログはフォレンジックに欠かせません。
っているようですね。
フォレンジックというのは“法廷の”とか“科学
田代 入退管理システムのことですね。実はこ
捜査の”といった意味をもつ形容詞ですが、
のような物理セキュリティと連動した仕組みも、
I CTの世界でフォレンジックといった場合には、
重要性を増しています。いくらI CTシステムの
電子的な記録を分析して問題の原因究明を行
セキュリティが高くても、悪意のある人が簡単
うことを意味します。これはシステムセキュリ
に外部から侵入できるようでは意味がありませ
ティだけでなく、内部統制やコンプライアンス
んし、ログの取得も、I CTシステムへのアクセ
でも重要になります。認証とI Dマネジメント、
スだけではなく、物理的な記録と連携させる必
ログは“3点セット”だと考えるべきで、ユーザ
要があります。
とシステムの接点でセキュリティを確保するため
誰がどのゲートを何時何分に通過したのか、
に、この3つは不可欠なものなのです。
どの部屋に何時何分に入ったのか、I CTシステ
―― 日立ではこの3点セットを、具体的にど
ムに何時何分にログインしたのか、このような
のように作り上げているのですか。
情報がすべて関連していないと適切な分析がで
田代 ここでは日立グループが構築しているシ
きません。また防犯カメラの映像も、これらの
ステムをご紹介したいと思います。まずユーザ
ログ情報と連携させる必要があります。例えば
認証ですが、基本はICカードで認証を行い、よ
銀行のATMの横には必ずカメラが設置されて
り高いセキュリティレベルが求められる場所では
いますが、最近はデジタル化されており、ATM
指静脈認証を併用しています。日立社内のPC
の操作ログとカメラ画像を連動して分析するこ
はすべてシンクライアントになっており、ここに
とも可能です。このようなシステムセキュリティ
認証カード(キーモバイル)を挿入することで、
と物理セキュリティの連携は、海外ではすでに
はじめてシステムにログインできます。
普及しつつあります。
I Dマネジメントは、人事情報を集中管理する
―― しかしシステムセキュリティと物理セキ
データベースを、各種システムへのアクセスを
ュリティの両方に強いベンダーというのは、
ユーザに割り振るプロビジョニングシステムや、
数が限られそうですね。
システムへのアクセス制御と連動させています。
全社のシステムは約1000 種類に上りますが、
Webシステムはシングルサインオンに対応して
おり、それ以外のシステムではアクセス制御を
行うエージェントを組み込むことで、同一I Dで
アクセス制御を行えるようにしつつあります。
フォレンジックも、すべてのアクセスログを取
得するミドルウェアを用意し、全社フォレンジッ
ク基盤を実現する予定です。オンラインでシス
テム上のユーザ挙動をチェックし、オンライン
で怪しい動きを止める製品の開発も視野に入っ
ています。
4
September, 2008
システム面・物理面の安全を両立した
セキュアオフィスの実現
巻頭インタビュー
田代 確かにおっしゃるとおりです。しかし企
業のニーズは確実に高まっており、マンション
などでも物理セキュリティを重視した物件が増
えています。日立はシステムセキュリティと物理
セキュリティの両方にソリューションを持ってお
り、これらを連携させることでお客様のニーズ
にお応えしたいと考えております。
セキュリティで最も重要なのは
トータルな視点を持つこと
―― 最近はRFIDを利用したトレーサビリテ
ィソリューションをセキュリティに組み込んで
いくことも検討されているようですが。
田代 RFIDを使ったソリューションとしては、
田代 その通りです。すでに日立では、I CTシ
制服にI Cタグを入れて盗難防止を行うシステ
ステムを対象にした「サイバーセキュリティソ
ムを実現しています。これは人とシステムのセ
リューション」
、入退室管理やカメラ監視を実現
キュリティというよりは、モノのセキュリティで
する「フィジカルセキュリティソリューション」
、
すね。ただ、RF I Dを使うかどうかは別にして、
コンサルティングや監視サービス、人的警備サー
行動トレーサビリティという考え方は、今後セ
ビスを提供する「セキュリティサービス」を用意
キュリティ分野で大きなテーマになると考えてい
しており、これらを連携させることでセキュア
ます。
オフィスに対する幅広いニーズに対応していま
先ほどのI Cカードによる物理セキュリティも、
す。
行動トレーサビリティの手法として利用できま
ここで忘れてはならないのが、セキュリティは
す。誰がどのタイミングでどこにいるのかを記録
ポイントソリューションではなく、トータルソ
できるからです。またI Cカードでシステムにロ
リューションとして実装すべきだということで
グインする場合にも、どのLANポートからのア
す。セキュリティは最も弱い部分で破られます。
クセスかをチェックすることで、そのユーザがど
オフィスの構成要素全体を視野に入れた仕組み
こにいたのかを記録できます。重要な施設では
を作り、さらに二重、三重、四重の防波堤を
すでに、行動トレーサビリティを組み込んだセ
作っていく。そしてこれらが緊密に連携したシ
キュリティシステムを実現しています。最近は人
ステムを、全体最適の視点で構築することが重
がデスクに縛り付けられるのではなく、自由に
要なのです。
動いて働く時代になっています。行動トレーサ
ビジネスブランド「I CT@ETモノづくり」を
ビリティへのニーズは今後間違いなく高まるは
定め事業推進する日立情報通信エンジニアリン
ずです。
グには、モノづくりエンジニアリング力をいか
―― そう考えていくと、セキュリティがカバ
したセキュリティソリューションの提供を積極的
ーすべきエリアは、これからさらに広がって
に進めていただきトータルソリューション実現に
いきそうですね。
貢献していただきたいと思います。
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Technology Review
利便性を重視し大規模システムにも対応
入退管理システム「CyberGatevisionⅡ」
I CTソリューション事業部
システムソリューション第2本部
トータルセキュリティソリューション開発設計部
グループマネージャ
染谷 哲
http://www.hitachi-jten.co.jp/products/gv/index.html
セキュリティの確保はICT システムだけに求めら
設計です。カードリーダ制御装置には認証スピード
れるものではなく、建物への入退館や特定区域へ
を速くするための専用設計を実施し、カードリーダ
の入退室といった“物理的なセキュリティ”も確保
にはRFモジュールの能力を最大限に発揮する工夫
する必要があります。このニーズに応えるのが、非
を施すことにより、認証の高速化を実現しています。
接触型 I C カードによる入退管理システム
人は0.5 秒待たされるとストレスを感じるといわれ
「CyberGatevisionⅡ」です。スピーディな解錠や、
ていますが、CyberGatevisionⅡは0.1 秒で解錠で
大規模システムへの対応、他システムとの連携な
き、利用者にストレスを感じさせません。また通過
ど、数多くの特長を備えることで、トータルなセ
人数が多い場合でも、行列を作らずにすみます。
キュリティに対する要求にお応えします。
2つ目は、利用者がICカードを忘れた時の対応を
柔軟に行えることです。この場合、入り口で臨時カー
セキュリティを確保したい企業や組織にとって、
ドを渡す必要がありますが、CyberGatevisionⅡで
入退館管理や入退室管理の実現は、避けては通れな
は個人の権限を反映したカードを発行し、忘れた
い課題です。従来は、押しボタン式の“サイファ”か
カードを一時的に無効にすることができます。一般
ら始まり、その後は暗証番号入力や磁気カードによ
的な入退管理システムでは、このような場合には一
るドア解錠が利用されてきました。最近では、非接
定の権限を与えたカードを発行するケースが多く、
触型 I Cカードによるゲートやドア解錠が主流になっ
必要以上の権限が与えられてしまうためにセキュリ
てきました。
ティが低下したり、権限が足りないために利便性が
これまでの入退管理システムは“自宅の鍵”と同
損なわれるという問題が発生していました。
様の意味を持っていましたが、最近ではトータルセ
CyberGatevisionⅡではこのような問題を回避でき
キュリティへのニーズが高まり、
“自宅の鍵”以上の
ます。もちろん臨時カードが返却されれば、忘れた
ものになりつつあります。ただ単に“守りを固める”
カードは再び有効になります。
だけではなく、利用者の利便性を考えることが重要
3つ目は、システムに障害が発生した時の対応で
になっています。
ICカードリーダの感度を高めることで
わずか0.1 秒でのドア解錠を実現
CyberGatevisionⅡには、利便性を高めるための
大きな3つの特長があります。1つ目は解錠スピー
ドです。CyberGatevisionⅡを実際に使っていただ
ければその速度をすぐに実感できますが、I Cカード
リーダに I Cカードをかざした瞬間に鍵が開くように
なっています。この迅速な解錠を可能にしているの
が、独自のカードリーダ制御装置とカードリーダの
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図1 CyberGatevisionⅡの基本システム構成
す。例えばユーザ情報を管理しているサーバがダウ
ム規模が大きくなれば、それに伴って管理者の負担
ンしたり、ネットワークが切断された場合に、ドア
も増大するからです。
を解錠できなくなることは非常に不便かつ危険です。
小規模なスタンドアロン運用から複数拠点にまた
CyberGatevisionⅡは入退管理に必要な情報を階層
がった大規模運用まで、幅広い規模に対応できる点
的に保持することで、この問題を解決しています。
もCyberGatevisionⅡの特長です。接続可能なIC
I Cカードリーダには「ダレーダⅡ」というコント
カードリーダの数は2048 台、登録可能な I Cカード
ローラが接続されており、ここに入退管理に必要な
の数は15 万枚です。これだけ大規模システムに対応
登録情報を格納しています。そのためダレーダⅡ単
できる製品は他にはありません。
独でも利用者権限に応じた解錠を行うことができ、
2つ目は、管理者のオペレーション権限付与に関
入退ログも約6000 件保持できるようになっていま
するきめ細かな設定です。複数拠点にまたがったシ
す。さらに、ダレーダⅡは上位コントローラとなる
ステム全体の管理権限だけではなく、拠点毎に限定
「ダレーダステーションⅡ」に接続する階層構造を採
された管理権限付与も設定可能にしています。この
用しています。
「ダレーダステーションⅡ」では、約10
機能により、入退情報を全体で管理しながら、管理
万件の入退ログを保持することができます。
(図1)
作業の一部を拠点にて分担することもできます。ま
た一拠点に導入した場合でも、フロアや部屋ごとに
複数拠点にまたがるシステムへの対応も容易
他システムと連携したセキュリティ向上
管理者権限を分けることができ、複数のテナントが
入っている、いわゆるマルチテナントビルの入退管
理に利用できます。
トータルなセキュリティを実現するには3つの要
3つ目は、他システムとの連携です。例えば勤怠
件が必要です。1つ目は、大規模システムへの対応
管理システムとの連携はすでに自社でも運用してい
です。例えば複数拠点で入退管理を行いたい場合、
ます。入退ログを勤怠管理情報として利用している
システム規模に制約があれば個々の拠点で対応が必
企業もあります。他に火災報知システム、監視カメ
要となり、全体的なセキュリティを確保することは
ラ、人感センサーとの連携も可能で、最近はこのよ
難しくなります。また単に複数拠点に対応するだけ
うなシステムとの連携ニーズが増えています。
(図2)
ではなく、きめ細かな管理機能も必要です。システ
今後さらに重要になるトータルセキュリティを実
現するには、全体としての一貫性
が欠かせません。例えば入室記録
がない利用者がPCを使った場合、
システム間の連携が取れていれば、
セキュリティ上の問題があること
を即座に把握できます。このよう
なシステム間の連携を実現するこ
とで、問題が起こった時の対応を
迅速に行うことができるだけでは
なく、予防することも可能にして
います。またトータルセキュリティ
を実現するうえで欠かせない株式
会社 日立製作所の指静脈認証シ
ステムにも対応していく予定です。
図2 CyberGatevisionⅡと他システムとの連携
担当営業:ソリューション営業技術本部 電話:03-5435-7650
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Technology Review
導入に手間がかからず動作も軽快
不正ログオンを防ぐ「SecureAegis」
ICTソリューション事業部
システムソリューション第2本部
トータルセキュリティソリューションシステム部
チーフスペシャリスト
ICTソリューション事業部
システムソリューション第2本部
トータルセキュリティソリューションシステム部
技師
森 巧
高原 淳一
http://www.hitachi-jten.co.jp/products/secureaegis/index.html
I C T システムのセキュリティ確保の第一歩とし
て欠かせないのが、適切なユーザ認証です。これ
静脈認証等の生体認証による認証強化や、シング
ルサインオン機能も提供しています。
まではユーザ ID とパスワードで認証を行う方法が
非接触型 I C カードを用いた認証ソリューション
一般的でしたが、最近では I C カードや生体情報
はすでに市場にありますが、SecureAegis には他
を利用したユーザ認証が増えています。しかしこ
の認証ソリューションにはないいくつかの特長が
れらのソリューションの多くは専用サーバが必要
あります。
「導入に手間がかからず、簡単に使える
であり、導入にも手間がかかります。この問題を
こと。これが SecureAegis の設計コンセプトで
解決するのが、
「SecureAegis」です。
す。従来の I Cカードによる認証ソリューションは
導入に当たり必要な作業が多く、認証時の応答が
SecureAegisは非接触型 ICカードによって、PC
遅いという課題があります。このような課題を解
ログオン認証とP C ロックを行う製品です。P C に
決することを SecureAegis の開発目標としまし
接続されたリーダにICカードを載せることでPC ロ
た」
(森)
グオンを行うことができ、ICカードを取り去ると自
動的にPC がロックされます。また ICカードの操作
に関係するログも記録します。オプションとして指
専用サーバ不要でトータルコストを低減
既存の ICカードもそのまま利用可能
SecureAegis の最大の特長は、専用サーバが不
要であり、低コストでの導入が可能なことです。す
図1 簡素な導入プロセスで短期導入、運用開始が可能
でにユーザ管理用にActiveDirectory(以下AD)
が導入されている場合には、既存のAD サーバに
SecureAegis に必要なユーザ情報を設定するだけ
で導入が可能です。他社製品では、ユーザ情報を
一元管理しようとする場合、専用サーバを準備す
る必要がありますが、SecureAegis では導入コス
トの低減が可能になります。
(図1)
またユーザ認証にサーバを用いないスタンドアロ
ン型の導入形態にも対応しています。スタンドアロ
ン型からサーバ管理型へと移行する段階的な導入
も可能です。この場合には導入済みのクライアント
※既存の社員証等を利用する場合のプロセス
※本図は構成定義等の導入支援作業が終了してからのプロセスを示しています。
8
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P C 用ライセンスを移行できるため、新規にライセ
ンスを取得する無駄がありません。
ICカードを外した状態ではPCはロックさ
れ、使用できない
多種多様なICカードに対応している点も大きな特
長です。社員証として広く普及しているSuica をは
じめとする非接触 ICカードやおサイフケータイなど
に対応し、Mifare、FeliCa、ISO14443TypeB、
HITAG1・2 など多様な非接触 I C カード方式をサ
ポートしています。これだけ幅広い I C カードに対
ICカードをリーダに置くと、指静脈を読
み込ませるよう指示が出る
応している製品は他にはありません。すでに I C
カードを社員証として使用しているお客さまの場
合には、そのカードをそのまま利用することがで
とスクリーンセーバ画面に切り替えるという使い方
きます。
をしているケースもあります。
(写真 左)
また I C カード内に認証に必要なすべてのデータ
その他には、大学で学生が使用する共有ルーム
を格納する「カードデータ方式」の他、ICカード内
のPC 運用事例があります。目的の1つは不正利用
にはカードを特定するデータのみを格納し、システ
の防止ですが、SecureAegisのイベントログによっ
ム内で管理するデータと関連付けて認証を行う
てログオン状況を把握する使い方も行われていま
「データリンク方式」の双方をサポートしており、配
す。この情報に基づいて共有ルーム内のPC 利用状
布済みのカードを回収しシステムに登録した上で返
況をウェブで公開して、学生にPC の空き状況を確
却するといった作業も必要ありません。
「これまで
認できるという利便性を提供しています。
に多業種のお客さまに、数多くのライセンスを導入
最近では指静脈等の生体認証によって、さらに
済みですが、短期間で運用開始できる点を特に高
セキュリティを強化したいというニーズも増えてい
く評価いただいています。また、お客さま自身が
ます。ここで問題になるのが、生体情報をどのよう
他社製品と比較して、応答の速いSecureAegis を
に管理するかです。
「SecureAegisでは生体情報を
採用していただくというケースが増えています」
I Cカードに格納することを大きな特長としていま
(高原)
す」
(高原)
生体情報をサーバ側で管理するのではなく、個
生体認証のレスポンスもスピーディ
アプリケーションの連携も可能に
SecureAegis の利用方法としては、オフィスで
使うPC のログオン認証に使われるケースが一般的
人が保有する I Cカードに格納することで、認証の
スピードを高めることができます。認証スピードは
約1秒であり、ストレスを感じさせない性能を実現
しています。
です。最近では個人情報保護のためにユーザ管理
また、SecureAegis では、さまざまなアプリケー
を徹底したいというニーズも増えています。
「I C
ションからICカードのデータを活用できるようにア
カード認証は見た目に分かりやすいセキュリティ対
プリケーションインタフェースを用意しています。
「今
策なので、社内外へ導入効果を訴求しやすいとい
後は電子稟議システムとの連携や、社内決裁システ
うメリットがあります。今後は日本版SOX 法対応
ムなどの本人確認用手段として広く適用できると考
のニーズも増えると考えています」
(森)
えています」
(森)
また病院や公共機関の受付端末では、ICカードを
置いたときにだけ端末が機能し、カードを取り去る
担当営業:ソリューション営業技術本部 電話:03-5435-7650
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Case Study
<入退管理システム導入事例> 株式会社日立製作所
13万人分のグループ社員IDに対応する入退管理システムへ
拡張性と機能性に優れた「CyberGatevisionⅡ」を採用
近年、セキュリティに対する意識が高まっていま
す。コンピュータやネットワークを守る情報セキュ
リティはもちろん、人の出入りを管理する物理セ
キュリティの入退管理システムを導入する企業が増
えてきました。株式会社日立製作所(以下 日立製
作所)では本社機能の移転を機に、2004 年 10 月
から高い拡張性ときめ細やかな権限設定や複数拠
点の集中管理ができ、大規模なユーザ数にも対応
株式会社日立製作所
本社総務部 部長代理
株式会社日立製作所
本社総務部 主任
宮口雅夫 氏
本多敏信 氏
可能な日立情報通信エンジニアリングの入退管理
システム「CyberGatevisionⅡ」を導入。高い物
理セキュリティレベルの運用を実現しています。
も、この時点では5万人に対応したコントローラが
最大でした。
そこで、日立情報通信エンジニアリングは機能を
「統一ID カード」十数万人のユーザに対応
強化し、15 万人に対応できるコントローラを新たに
開発。現在ではさらに強化が加えられ、25万人規模
現在、日立製作所では、このCyberGatevisionⅡ
にも対応できるようになっています。日立製作所で
を、複数の事業所に導入しています。その中でも特
は本社の移転に合わせて、この機能強化したコント
筆すべきは、東京都心部の4つのビルにまたがる
ローラで2004 年10 月から運用を開始しています。
「本社地区」への導入です。本社地区では約6000 人
の社員が働いている上に、グループ全体の中枢とし
てグループ会社の役員や社員も頻繁に出入りするた
セキュリティ強化には
ポリシーを徹底することが必要
め、管理すべきユーザ数も多くなります。
「規模的な対応はもちろんのこと、システムを管理
13 万人が対象の入退管理システムでは、お客さま
するサーバを集約し、1箇所で集中管理できるシス
やグループ会社の方にもご利用いただく応接室や会
テムにしたいと考えていました。この条件に対応で
議室、社員の就業場所、特定者のみ立入できるサー
きるソリューションとして、CyberGatevisionⅡを
バ室や特に機密性の高い業務を遂行するエリアな
選択しました」
(株式会社日立製作所 本社総務部
ど、求められるセキュリティレベルに応じた入退管
主任 本多敏信氏)
理を行っています。
日立製作所本社地区では、認証用カードとして、
「入退管理システムの導入は、場合によっては今
日立グループの「統一ID カード」を活用しています。
まで自由に入退できていた人がシステムの導入に伴
この統一ID カードのユーザは約13 万人。本社地区
いそれができなくなる、といった側面も含みます。
の入退管理システムは、このユーザ数に対応するこ
特に本社地区においては、非常に幅広い方がご来所
とが必須条件で、これほどの規模の入退管理システ
し、また、導入初期の頃は入退管理に関する意識の
ムを導入する企業が極めて少ないこともあり、対応
浸透が十分でなかったことから色々な問題が生じま
できる入退管理システムはほとんどありませんでし
した。しかしながら、CSR の観点からもセキュリ
た。多くの場合、カードリーダが読み取った情報を
ティ強化は社会の要請でもあり、ポリシーを明確に
処理するコントローラが、これほど多くのユーザ情
して全体をリードする必要があると思います」
(株式
報を扱えないのです。実際、CyberGatevisionⅡで
会社日立製作所 本社総務部 部長代理 宮口雅夫氏)
10
September, 2008
ユーザの不満もなく
停電時の動作なども問題なし
「この入退管理システムは、運用開始からまもなく
4年が経過しますが、システム運用上の大きなトラ
ブルなどもありません。また、CyberGatevisionⅡ
はカードリーダの反応が良く、認証のスピードも速
く、ユーザからは不満の声は出ていません。また、
サーバとの通信が途切れてもコントローラの認証機
能が独立して継続使用できるため、停電したときに
もユーザに不便をかけずに済んでいます。停電後の
会議室の入退管理にも CyberGatevisionⅡを採用
復旧も、特に我々が手を出すことなく、自動的にシ
ステムが復旧します」
(本多氏)
セキュリティへの取り組みは世の中の要請
もし入退管理システムに不具合が生じた場合、日常
業務に支障が出てしまいます。CyberGatevisionⅡ
セキュリティは、常に新たな脅威との競争です。
では、そんな状況を回避するために、システム全体
さらなる物理セキュリティの強化を目指して、日立
としての耐障害性を高めています。
製作所本社総務部ではCyberGatevisionⅡの新た
また日立製作所では、本社玄関ゲートだけでなく
な可能性を検討しています。
会議室の入り口にもCyberGatevisionⅡによる入退
「生体認証や監視カメラとの連動など、他にもさ
管理を採用しています。会議室の利用者のID カー
まざまな可能性を検討しています。我々がセキュリ
ドを読み込ませることで、会議室を利用する全員が
ティに取り組むのは、世の中全般の要請でもありま
入室することができます。会議室利用後は、最後に
す。日立製作所の本社は、グループ全体のリーダー
利用者が退出操作することで施錠されます。このよ
シップを持たねばなりません。世の中のニーズを満
うにCyberGatevisionⅡは社内に深く浸透していま
たすべく自ら率先して採用し、その製品や運用の技
す。
術を磨いていくことは、我々のビジネスの一環でも
あるのです」
(宮口氏)
会社概要
株式会社 日立製作所 www.hitachi.co.jp
本社:東京都千代田区丸の内一丁目 6番6号
設立: 1920 年2月1日(創業 1910 年)
資本金: 2,820 億3,300 万円(2008 年 3 月末)
従業員: 37,143 名(2008 年 3 月末)
<概要> 総合電機(情報・通信システム、電子デバイス、電力・産業システム、デジタルメディ
ア、民生機器等の製造・販売・サービス)
日立情報通信エンジニアリング 株式会社
本社の玄関ゲート
担当営業:ソリューション営業技術本部
電話:03-5435-7650
September, 2008
11
Technology Review
フォレンジックの徹底を可能にする
音声録音システム「RecwareⅡ」
I CTソリューション事業部
システムソリューション第3本部
音録パートナ推進部 部長
春名 泰三
http://www.hitachi-jten.co.jp/products/recware2/index.html
日本版 SOX 法が施行され、内部統制ソリュー
は業務アプリケーションのデータや電子メールのデジ
ションへのニーズが高まっています。これに伴い法
タル情報を収集・分析する「デジタル・フォレンジッ
的リスクからの企業の保護ならびに維持継続を目
ク」というソリューションも数多く登場しています。
的として、フォレンジック(証拠・証跡)をどのよ
しかし企業や組織の中で発生する情報は、業務ア
うに考えていくかが重要な課題になってきました。
プリケーションのデータや電子メールの形を取るも
フォレンジックへの取組みは企業にとって重大な問
のだけではありません。紙に記録された情報に関し
題になっています。従来の情報システムには、格納
ては電子化が進んでいますが、音声でやり取りされ
されていない“通話・会話”
、これも突き詰めると
る情報は、まだ電子化がそれほど進んでいない状況
十分フォレンジックとして使えるということに着目
です。
しました。この問題を解決するために開発したの
が、音声録音システム「RecwareⅡ」です。
フォレンジックを適切に行うには、この音声情報
も対象にする必要があります。これを可能にするの
が音声録音システム「RecwareⅡ」です。
セキュリティを確保するには、ユーザ認証やアク
セスコントロール、外部からの攻撃防止など、多岐
にわたる対策が必要です。これらの対策は“問題を
幅広い環境に対応することで
内部統制対応ニーズに応える
未然に防ぐ”ためのものですが、それ以外にも忘れ
てはならないことがあります。それは問題が発生し
当社は「RecwareⅡ」の前身である「Recware」
た時に“原因を突き止められる”ことです。このよう
をコールセンターに特化した音声録音システムとし
な要素は「フォレンジック」と呼ばれており、最近で
て1999 年にリリースし、電話でやり取りされた内容
図1 RecwareⅡ システムイメージ
12
September, 2008
く、マイク録音にも対応しています。例えば対面カ
ウンターで従業員とお客さまが会話した内容を録音
する、といった使い方にも適用できます。
アナログの音声情報を企業活動に活用したいとい
うニーズは、非常に大きなものです。各種の音声
データを集中管理できる「RecwareⅡ」は、内部統
制への対応に、重要な役割を果たします。
電話機及び非 IPテレフォニー環境向け RecMini装置
の確認やオペレータの教育などに活用できるように
してきました。
タグ情報の付加による容易な検索性
SDKを提供し外部システムとの連携も容易
「RecwareⅡ」にはもうひとつ特長があります。記
録された音声データの活用を、柔軟に行える点です。
その後、音声録音に対するニーズが広がり、一般
「音声録音マネージャー」に蓄積された音声データ
のオフィスでも音声録音を利用したいというニーズ
は、1コールごとにタグ情報を付加してデータベー
に対して、2006 年12 月にIPテレフォニー環境での
ス化しており、容易な検索を実現しています。例え
音声録音を可能にする「RecwareⅡIP」をリリース
ば「○月○日 午後1時∼2時に交わされた会話を
しました。さらに非IP テレフォニー環境でも音声録
探し出す」といったことも、瞬時に行えます。テー
音が可能なシステムを 2 0 0 7 年 12 月に開発し、
プ録音から目的の会話を見つけ出すことに比べて、
「RecMini」としてリリースしました。
「RecwareⅡ」
は、この「RecwareⅡ IP」と「RecMini」の総称です。
利便性は飛躍的に高まっています。
また他システムとの連携が容易な点も特長です。
「RecwareⅡ」開発の最大の狙いは、これから拡
「RecwareⅡ」の機能を使ったアプリケーションの構
大する内部統制対応ニーズに応えることにあります。
築を容易にするために、ソフトウェア開発キット
特に「RecMini」は内部統制対応に強い製品と位置
(SDK)を提供しています。
付けています。フォレンジックを徹底するには、各
例 え ば CRM( Customer Relationship
種の音声環境に対応できる録音システムが必要で
Management)と連携させ、お客さまとのコンタク
す。IP テレフォニー環境下での録音はもちろんのこ
ト履歴と「RecwareⅡ」の音声データを紐付けし、
と、従来のPBXを使ったレガシー系の電話システム
過去の会話を再生する、といったことが可能になり
にも適切に対応する必要があります。
ます。また音声認識エンジンを利用すれば、音声
これまで、PBX(Private Branch eXchange)に
対応した録音システムは、PBX のオプションとして
データをテキスト化し、CRMのコンタクト履歴とし
て保存することが可能になります。
提供されるものが一般的であり、PBX から分離する
これまでのアナログ録音ソリューションは、低コ
ことは困難でした。そのため複数拠点にまたがった
ストなテープ録音か、高価な海外ソリューションし
電話システムを使っている場合、録音データの集中
か選択肢がなく、一般企業が使いこなせるものはほ
管理が行えないという問題がありました。これに対
とんどありませんでした。
「RecwareⅡ」はこれらの
して「RecwareⅡ」は、電話機に直接RecMini 装置
双方を幅広くカバーするものです。比較的低コスト
を接続して音声をデジタル録音し、IP ネットワーク
でありながら、きめ細かい管理を行うことができ、
経由で「音声録音マネージャー」に送って集中保管
内部統制への対応を実現できる、活用しやすいソ
することで、すべての音声データを集約できるため、
リューションを、今後さらに強化していきます。
集中管理が容易になります。
RecMini 装置はアナログ電話機の録音だけではな
担当営業:ソリューション営業技術本部 電話:03-5435-7650
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13
Case Study
<音声録音システム導入事例> 三井住友カード株式会社/株式会社 日本総合研究所
クレジットカード事業を支えるコールセンター
新システムの構築を機に「RecwareⅡ」を採用
国内VISAブランドのパイオニアとしてクレジッ
トカード業界のリーディングカンパニーである三井
住友カード株式会社(以下、三井住友カード)
。同
社ではさらなるお客さま満足度向上に向けたサービ
ス、業務拡大に伴うコールセンターの大幅な増席を
機に、お客さまとのチャネルである通話を確実に記
録でき、検索性にも優れた新しい音声録音システ
三井住友カード株式会社
システム企画部
シニアスタッフ
ム として 日 立 情 報 通 信 エ ン ジ ニ ア リ ン グ の
出口雅一 氏
三井住友カード株式会社
システム企画部
福地哲生 氏
「RecwareⅡ」を導入、運用を開始し、コールセン
ター「フォー・ユー・センター」の運用を支えています。
クレジットカード業界の草分け
三井住友カードは、今から40 年以上前の1967年、
日本で初めて米国・VISA(当時のBANK AMERICARD)と提携してクレジットカードを発行したク
レジットカード業界の草分け的存在です。
その三井住友カードの特長の1つが、CRMを実
株式会社日本総合研究所
第二開発部門
システム開発第三部
部長代理
村中 大 氏
株式会社日本総合研究所
第二開発部門
システム開発第三部
宮野逸郎 氏
践するためのチャネルとして構築されたコールセン
ター「フォー・ユー・センター」です。ここでは、電話や
住友フィナンシャルグループのシステムインテグレータ
メールなどのコンタクト履歴と顧客データベースをリ
である、株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)
ンクさせた「マルチチャネルCTI」をいち早く導入。
に委託しています。新しいコールセンターおよび音声
お客さまからの問い合わせ対応に加え、お客さま一
録音システムも日本総研が構築を担当しています。
人ひとりに最適なサービスの提案を行っています。
「既存のコールセンターの音声録音システムでは、
新しい音声録音システムの導入を検討
三井住友カードではカード業務の拡大に
伴い、2007年にコールセンターの大幅な
増席が必要となりました。
「この増席にあ
たり、電話で寄せられるお客さまの声を確
実に録音し、さらに情報を共有・活用でき
る音声録音システムの実現を追求してき
ました」と三井住友カード システム企画部
シニアスタッフ 出口雅一氏は説明します。
三井住友カードではコールセンターの
CRMシステムをはじめ、クレジットカー
ドの基幹システムや延滞管理などクレ
ジットカードのシステム全般を、同じ三井
CRM :Customer Relationship Management
C T I :Computer Telephony Integration
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September, 2008
図1 通録システム構成図
拡張性や性能の面で不安があり、新しいコールセン
研 第二開発部門 システム開発第三部 部長代理
ターには適用できないと判断しました。そこで、新
村中 大氏)と評価されています。
しい音声録音システムの選択を日本総研と共に実施
しました」
(三井住友カード システム企画部 福地
哲生氏)
わずか4 カ月の短期間で運用開始
三井住友カードがRecwareⅡの導入を決定し、シ
これまでの音声録音システムは、コールセンター
ステム設計を開始した2007年8月から、わずか4カ
の席数が増えれば増えるほど、大きなデータベース
月後の2007年12月には、RecwareⅡを導入した新
とそれを格納する大規模なストレージが必要でした。
しいコールセンターの運用が開始されました。開発
しかし、従来のシステムでは、決まった時間しか録
期間は、日本総研が過去に手掛けた同規模のものに
音できないという弱点があり、席数の増加に合わせ
比べて2∼3割は早いものでした。
て台数も増やさなければなりませんでした。しかも、
「音声録音システムは、チューニング作業が多いの
録音した音声の検索は、個別のシステム単位でしか
ですが、日立の技術者の尽力により三井住友カード
行えず、不便が強いられていました。
の追加要件に対応できたことも、開発期間の短縮に
つながっています」
(村中氏)
柔軟性、信頼性に優れたRecwareⅡ
新しいコールセンターは、全80 席。通話内容の音
これまでの課題を解決する音声録音システムとし
声録音はもちろん、CuSISと連携した通話内容の履
て日本総研が選択したのが、日立情報通信エンジニ
歴を検索して、お客さまとの折衝に問題がなかった
アリングの音声録音システム「RecwareⅡ」でした。
かどうかという検証などの用途に使われています。
「4社の音声録音製品の比較検討を行いましたが、
三井住友カードの評価も高く、音声録音システムに
仕様が最も柔軟でカスタマイズしやすいなどの拡張
関するクレームは届いていないそうです。
性、信頼性、性能を評価し日立情報通信エンジニア
今後の機能拡張について、
「ゆくゆくは、通話音
リングのRecwareⅡを選択しました」
(日本総研 第
声を自動認識でテキストに落とし、クレーム分析を
二開発部門 システム開発第三部 部長 岡田幸宏氏)
行って、問い合わせへの回答を準備するような仕組
また、今回のシステムには、コールセンターの電
みができないか検討しています。また、音声マイニ
話機に接続し個別の通話を録音する録音エージェン
ングによってお客さまの感情を分析できる可能性も
ト「RecMini」も採用されました。
あり、非常に期待しています」
(岡田氏)
「RecMini には、通話録音データを収集し、デー
お客さまとのチャネルである通話を確実に記録す
タを蓄積する機能があります。今回のシステムでは
る音声録音システムRecwareⅡは、コールセンター
音声録音サーバの機能をデータセンターに集約して
運用の中でなくてはならない存在になっています。
いますが、RecMiniを使うことでコールセンターの
拠点とデータセンター間のネットワークに障害が発生
したとしても、業務を継続し、通話録音データを確
会社概要
実 に残 すことができます。こうした信 頼 性 が
三井住友カード株式会社
株式会社日本総合研究所
www.smbc-card.com
www.jri.co.jp
RecwareⅡ、RecMini を採用する大きな決め手にな
東京本社:東京都港区海岸1-2-20
大阪本社:大阪市中央区今橋 4-5-15
設立:1967 年 12 月 26 日
資本金:340 億 3 千円(2008 年 3 月末日現在)
従業員:1,989名(2008 年 3 月末日現在)
東京本社:東京都千代田区一番町 16
大阪本社:大阪市西区新町1-5-8
創立:1969 年 2 月 20 日
資本金:100億円
従業員:1,800名
<概要> 国内における「VISA」のパイオニアとして日
<概要> シンクタンク、コンサルティング、システ
本のクレジットカード業界を牽引。お客さま
ムインテグレーションといった 3 機能の有
のニーズに合ったクレジット機能を中心とす
機的なコラボレーションによって企業や社
る決済・ファイナンスサービスを提供してい
会が求める創造的な付加価値の高いサービ
る。
スを提供する知識エンジニアリング企業。
りました」
(日本総研 第二開発部門 システム開発第
三部 宮野逸郎氏)
また、投資効果については「三井住友カードでは
“CuSIS”
(カシス)という独自のCTIシステムを構築
していますが、RecwareⅡはそのシステムと組み合
わせた運用、検索も可能であり、過剰投資すること
なく、費用対効果にも優れた仕組みでした」
(日本総
日立情報通信エンジニアリング 株式会社
担当営業:ソリューション営業技術本部
電話:03-5435-7650
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Service Review
情報は確実に消去、機器はリユース/リサイクル
データ消去サービスから環境配慮へ!『Reビジネス』
プロダクションサービス事業部
Reビジネス本部
Re営業部 部長
プロダクションサービス事業部
Reビジネス本部
Reビジネス拡販推進センタ
チーフスペシャリスト
プロダクションサービス事業部
リペアビジネス本部
神奈川RE部
リサイクルビジネスG
技師
藤本晋一郎
鳥越正男
渡部芳久
http://www.hitachi-jten.co.jp/prod/3r/hdddel.html
パソコンやサーバなどの情報機器は、中古機器
て「データ消去サービス」を提供しています。
として再利用したり、部品単位でのリユースが可能
機器の中に残されたデータを確実に消去し、読み
です。リユース、リサイクルの対象となったパソコ
取ることができないようにするには、いくつかの方
ンやサーバには、お客さまの大切なデータが残って
法があります。当社のデータ消去サービスでは、
おり、データを消去しないでリユース、リサイクル
ハードディスクに消
を行うと、情報漏えいの危険があります。日立情
去パターンデータを
報通信エンジニアリングでは、データを確実に消去
上書きし、論理的
し、かつ機器、部品のリユースや資源リサイクルを
に消 去 する方 法 、
行う『Re ビジネス』を展開しています。
ハードディスクを電
磁的および物理的
情報技術の性能アップに伴い、パソコンやサーバ
に破壊する方法を
などの情報機器をITシステム最適化のために入れ替
用意し、お客さまの
えを行うお客さまが増えています。入れ替えで不要
ニーズに応じて提供
となった機器はリユースが可能です。また、部品の
します。
修理(リペア)により再利用が可能になります。
「論理的消去は、
当社では、こうしたリユース、リサイクル、リペ
機器のリユースが可
アに関連したサービスを『Reビジネス』と称して、幅
能ですから、リース
広いメニューを提供しています。また『Reビジネス』
品の返却時の処理方法などに使われます。電磁的破
の一環としてデータを論理的に消去したり、電磁
壊は、6000ガウスもの強力な磁力を外部から印加し
的・物理的にデータを破壊するデータ消去サービス
もあわせて提供しています。
多様なニーズに応じた
データ消去サービスメニュー
情報機器を廃棄する上で、もっとも注意しなくて
はいけないことは、機器に残されたデータをどのよ
うに消去するかという点です。ひとたび情報が漏え
いすると、お客さまの業務に多大な影響を与え、社
会的問題に発展する危険があります。当社は、お客
さまの不安を払拭すべく、
『Reビジネス』の一環とし
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電磁破壊装置
搬送型データ消去装置
(論理的消去)
て破壊する方法で、短時間でデータ消去ができます。
を取り出すスキル
処理後の外見は変わりませんが、中の部品は、機能
を持ち、サーバや
が失われて再利用できません。物理的破壊には強力
ディスクアレイな
な油圧装置でハードディスクに穴を空ける方法と、
どに搭載している
破砕機にかけて粉砕する方法があります」
(鳥越)
ハードディスクの
取り扱いにも精
社内セキュリティも万全
お客さま先での実施も専用車で対応
通しています」
(渡部)
「データ消去サービスにはセキュリティの確保が肝
心です。この作業は、社内基準で認定された技術員
油圧装置により破壊された HDD
のみが入室可能な作業エリアで実施しています。
お客さまから依頼されたハードディスクを当社内
で消去する場合、お客さまのハードディスクを保管
消去作業完了証明書の発行は安心の証
するエリアは、社内セキュリティ基準の中でも最高
レベルを保持しています」
(鳥越)
お客さまのデータが確実に消去されたことをお客
さらに当社では、データ消去のオンサイト・サービ
さまに確認していただくことができるようにすること
スを提供するための専用車として、データ消去サー
も、データ消去サービスを提供している我々の責務
ビスカーを2007 年8月から運用開始しました。論
であると考えています。外見が変わらない電磁的破
理的消去、電磁的破壊、物理的破壊(穴あけ装置)
壊では破壊処理を実施した事が分かるようにマー
を必要に応じて組み合わせ、お客さまの敷地内から
カーを貼り付け、お客さま立ち会いのもとで作業内
ハードディスクを持ち出すことなくデータ消去を可
容を明確にしています。
能にしています。
「車載している論理的消去装置は、メーカーと共
「データ消去サービスカーでのお客さま敷地内での
作業はもちろんのこと、当社の敷地内での作業にお
いても立ち会っていただくことが可能です。実際に
立ち会っていただいたお客さまもあります」
(藤本)
データ消去サービスにおいて重要な位置付けにあ
る証明書には、ハードディスクのシリアル番号や処
理後の写真などを記載しています。この証明書はお
客さまの情報管理の記録として活用していただくこ
とができます。
「例えば、機密保持契約を結んでソフトウェアの開
発を行われるお客さまの場合、開発の終了後は不要
となったデータを完全に消去した証明という形で、
データ消去サービスカー
証明書を活用していただくこともできます」
(鳥越)
当社ではこのように、さまざまな手法でデータを
同で開発した専用の搬送型装置です。市場に出回っ
確実に消去するサービスを含めた『Re ビジネス』を
ているハードディスクのほぼ全てのインタフェースに
お客さまに提供しています。
対応し、同一インタフェース4台、最大8台を同時
担当営業: Re ビジネス本部 Re 営業部 電話:0463-87-7245
に処理することが可能です。また当社の認定技術員
は、さまざまな情報機器から迅速にハードディスク
September, 2008
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New Product
お客さま満足度を向上させる数多くの機能を装備
スケーラビリティも向上した「iCTNET/IX」
I CTソリューション事業部
システムソリューション第1本部
コンタクトセンタシステム部
部長
横山 哲弘
http://www.hitachi-jten.co.jp/products/ictnet-ix/index.html
2008 年5 月に、日立情報通信エンジニアリング
は次世代型コンタクトセンタシステム「iCTNET/IX」
を発表しました。このiCTNET/IX は、1997 年か
待ち時間ガイドや音声認識等の機能で
お客さまの不満を解消するiCTNET/IX
らコンタクトセンタシステムの販売を開始し、これ
までに多数のお客さまに導入いただいた「CTNET-
当社のコールセンタシステムでは、待ち時間と操
Server」の後継システムです。中小から大規模ま
作性への不満の改善をこれまで継続して実施してき
でのさまざまなコンタクトセンタに対応するスケー
ました。待ち時間に対する不満への対応としては、
ラビリティと複数の管理グループを設定できるマル
お客さまのコールに対して「現在の待ち時間」をあら
チテナント機能を強化しています。
かじめお伝えすることで、お客さまのストレスを大
幅に軽減します。この時間を待てないお客さまは
お客さまと企業をつなぐチャネルとして、コンタ
「後で電話をかけ直す」という選択も可能です。待つ
クトセンタは重要な役割を果たしています。ここで
場合でも「どの程度待てばいいのか」という目安が
集められたお客さまの声は、経営戦略の起点となる
あれば、お客さまは安心できます。待ち時間に対す
情報であり、すでに数多くの企業がコンタクトセン
る不満の本質は「いつまで待たされるのか予測でき
タを有効活用しています。しかし電話をかけるお客
ない」という点にあります。この改善策として「待ち
さまが、コンタクトセンタに不満を持つケースも少
時間ガイダンス機能」を実現し、コールセンタ運用顧
なくありません。
客から応答率が向上したとの評価をいただきました。
お客さまの不満の多くは、待ち時間とIVR(音声
IVR に対する不満への対応としては、音声認識を
自動応答装置:Interactive Voice Response)の操
活用することで操作性を向上させることができます。
作性に関するものです。ある調査では、この2つに
IVR の最大の問題点は、電話機のキーが少ないた
関係する不満だけで半分以上の割合を占めていると
め、お客さまからの情報伝達に制約があることです。
報告しています。
しかしお客さまの音声で情報を伝達することができ
お客さまの待ち時間の短縮はコンタクトセンタに
とっての長年の課題であり、これまでにも課題解決
に向けた取り組みが行われてきました。しかしお客
さまからのコールの状況は常に変化しており、これ
に対して限られたリソースで対応することには限界
があります。過剰なリソースを用意しない限り、待
ち時間が発生することは避けられません。またIVR
の操作性向上も、電話機というインタフェースを使
うかぎり限界があります。当社はこれらの課題を解
決するコンタクトセンタシステムとして、これまで
の開発及び構築で培ったノウハウを生かして拡張性
を備えたiCTNET/IXを開発・販売開始しました。
18
September, 2008
図1 運用に合わせて分配方式を選択できる
れば、この問題を解消できます。この対応として
「音声認識を活用したIVR 操作性改善」を実施し、
問題を解決しました。さらに、音声認識エンジンに
は、業界標準製品である「NUANCE」を採用し、
証券会社さま向けに日本最大規模の音声認識コンタ
クトセンタを構築した実績があります。
この他にも、お客さまの不満を解消できる機能を
盛り込んでいます。その1つが「Web コールバック
機能」です。これはお客さまがWeb 画面でコール
バックの予約を行い、その時間にコンタクトセンタ
からコールバックを行うもので、待ち時間に対する
不満を解消します。お客さまとオペレータとの間で
図2 システムの概要
Web画面の同期も可能で、通信キャリアさまなどか
して、各管理グループの管理対象エリアを完全に分
らは、サポート効率が向上したという評価をいただ
離することにより、共同コンタクトセンタの構築に
きました。
威力を発揮する機能強化を図りました。
より適切な対応を実現するために、
「発ID 学習に
「マルチサイト管理機能の強化はお客さまからも高
よるサービス自動振り分け機能」を追加し、すでに担
く評価されています。企業統合などによって大規模
当者や担当部署がわかっているお客さまのコールは、
化したコンタクトセンタや、共同コンタクトセンタ
IVRを通さずに直接担当部門へつなぐことができます。
などへ採用していただくために積極的な活動をして
また、お客さまからのコールをオペレータが取っ
いきたいと考えています。コンタクトセンタは、サー
たときに、お客さまがどの程度待たされていたのか
ビスレベルを向上させながらランニングコストを削
を画面に表示する機能も用意しています。
減しなければならないという課題を背負っています。
コールセンタシステムの開発、構築で培った、こ
この課題を解決することがベンダとしての我々の使
れらの「待ち時間に対する不満を解消」する改善ノ
命であり、今後もiCTNET/IX を進化させること
ウハウをiCTNET/IXへ継承するとともに、さらに
で、お客さまの課題解決のお手伝いをさせていただ
強化を図っていきます。
きます」
(横山)
スケーラビリティの向上と
マルチサイト管理機能をiCTNET/IX で強化
今回発表したiCTNET/IXは、これまで導入して
いただいたお客さまから高い評価を受けている数多
くの機能に加えて、大きな2つの機能を強化しました。
1つ目はスケーラビリティの向上です。これまで
は、主に中小規模のコンタクトセンタに向けた360 席
までの対応でしたが、iCTNET/IX は500 席まで対
応可能です。さらに1000 席対応を計画しています。
2つ目はマルチサイト管理機能の強化です。これ
までもバーチャルコンタクトセンタに対応しており、
図3 強化されたマルチサイト管理機能
マルチサイト管理機能を装備していました。今回、
1つのシステムで複数の管理グループを設定可能に
担当営業:ソリューション営業技術本部 電話:03-5435-7650
September, 2008
19
ネットワークシステムソリューション(ネットワークセキュリティ)
当社が保有するネットワークインフラ設計・構築ノウハウ及びサーバの設計・評価ノウハウを用いて、国内外で実績のある最適
な業界標準製品を選別し、あらゆるビジネスシーンに対応できる安心と信頼のネットワークシステム構築をサポートいたします。
取り扱いネットワーク機器
ネットワークセキュリティ製品
不正侵入防止製品
【Cisco Systems 社製品】
【McAfee 社製品 IntruShield】
ネットワーク製品で業界トップシェアを誇る Cisco Systems 社の
セキュリティ製品を、信頼の設計、構築、保守ソリューションととも
に提供します。
不正侵入防止装置(IPS)である IntruShield は、常時ネットワーク
通信を監視し、IT インフラへのゼロデイ攻撃、ワーム、ボット、DoS
攻撃などをリアルタイムに遮断します。
また、P2P やメッセンジャーの利用、既に感染している PC の悪質
なアクティビティも把握することが出来ます。一日に 700 種以上誕生
するセキュリティ脅威からお客さまの資産やサービスを保護します。
・Cisco ASA 5500 シリーズ 適応型セキュリティアプライアンス
(Firewall、VPN、IPS、Anti-X)
・Cisco Catalyst 6500用ファイアウォール サービス モジュール
・Cisco ISRルータ セキュリティ(Firewall、VPN、SSL、IPS)
・Cisco NAC アプライアンス(Clean Access)
・Cisco IDS/IPS 4200シリーズ センサー
ネットワーク管理製品
ネットワークフォレンジック製品
【NetScout Systems 社製品 Sniffer】
【NetAgent 社製品 PacketBlackHole】
Sniffer シリーズはネットワークのプロトコルアナライザとして生
まれ、今なおネットワーク側からシステム全体のマネジメントを行う
ことができるソリューションとして、多くの場面で利用されています。
多彩な製品群と蓄積されたノウハウに基づく確かなテクノロジーで、
トラフィック解析の効率・精度を向上させ、ネットワーク管理を確か
なものにすることができる製品です。
PacketBlackHole は、ネットワーク上のパケットを取得・記録し、
Web ・メールなどの利用状況を解析するネットワークフォレンジック
製品です。記録した通信の解析・検索・再現が可能で、掲示板やチャ
ットなどへのアクセスといったネットワークの私的利用を抑止しま
す。また、情報漏えい対策としての「証拠」の確保・調査・解明を可
能にします。
■ 編集後記
頻繁に発生する情報漏えい事件、「個人情報保護法」や「日本版 SOX 法」の施行等でセキュリティは注目され
ています。“外部からシステムを守るセキュリティ”から“システムを使う人のセキュリティ”が最近の課題
です。この課題を解決するトータルなセキュリティシステムを実現する当社の製品、サービスをご紹介しました。
表紙の写真は皆さんもよくご存知の屋久杉です。本号より【自然】をテーマに選定してみました。皆さまから
のご意見、ご指導をお願いいたします。
発行元・連絡先
日立情報通信エンジニアリング株式会社 経営・事業企画本部 企画部 担当【加藤・水崎・諸江】
〒 220-6122
神奈川県横浜市西区みなとみらい2 丁目 3 番 3 号 クイーンズタワー B 22F
電話: 045 -227-3000(代表)
URL : http://www.hitachi-jten.co.jp/
※記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標又は登録商標です。ICT@ET、ICT@ETモノづくりは登録商標申請中です。