3 年待ちのこだわりの手作り布団 ∼極上の眠りを誘う現代の匠の技∼ 内 閣 総 理 大 臣がものづくりの第 一 線 で 活 躍し、優 秀 と 認 めるものを 表 彰 する﹁ものづくり日本 大 賞﹂を 平 成 丹羽 拓也さん(右) で あ る﹁ 綿 打 ち ﹂を 家 業 と して や 綿 を 糸にするのに必 要 な工 程 私の家系は元々、布団綿の製作 ンプリ﹂ に優勝できたことからも、 ることな く 、初 参 加で﹁ 技 能グラ 息子︵拓也氏︶ が、他店へ修業に出 また ﹁技﹂ の伝承という 点では、 できたと自負しております。 お り ました。 ふとん店としては昭 思います。 こういった手法が役に立っていると 和 目です 。 これは初 代 忠 七が江 戸 後 期 に 業 を 起こしてか ら 、綿 打 です 。ちなみに ﹁ 綿 打 ち ﹂とは、綿 私 が 理 想 と す る 布 団 は﹁ 風 呂 理 想の布 団づくり の塊 を 弓のよ う な 機 械で 打 ちつ 上りに潜り 込み、 ポカポカして気 ち 職 人 として4代 目 ということ けて弾 き 、 フワフワの雪のよ うに 持 ちいいな と思っていたら、 いつの り 今日の出 来 上がり を 良 く しよ こうした布団を目指し、昨日よ 朝だった﹂ というものです。 間にか 眠ってし まい、目 覚めたら ほぐす作業です。 原 料 となる綿の素 材にまでこ だわった布 団 をつくるのは、﹁ 綿の プロ﹂としての家系も強 く 影響し ていると思います。 うと改良を積み重ねていますが、 職人だけの考えでいると、視野が 狭 く なってしまいま す 。例 えば昔 りの ﹁ 技 ﹂を 理 解 しや すいよ うに 学 部だったことも あり 、布 団づく に行なわれますが、私は大学で工 んどを 長 年の経 験や感 覚 を 頼り 通常、布団づくりは工程のほと 団づく りに活か すことが必 要だ められているものを 常に考 え 、布 お客 様の意 見 を 聞 きながら求 くらとした布団が作れます。 繊 維 を 少 量 混ぜると、軽 くてふっ より 、布 団の芯の部 分にナイロン 経 験 や 感 覚 に 頼 ら ない ﹁工学 的 手 法 ﹂ 図面を引き、数値化する ﹁工学的 と考えています。 のように木 綿だけで布 団 を 作る 手法﹂を取り入れました。 年間積 設 立 昭和33年 所在地 熱田区河田町 116 T E L 052-671-6473 U R L http://niwafuton.com/index.html 年に寝 具 業 界 で 初 め て 受 賞。その高い技 術 と 素 材の綿にこだ わった 布 団は、注 文してから 届 くまで 3 年 待 ちに なるという、丹羽ふとん店の丹羽正行さんにお話を伺いました。 ニ ワ タク ヤ み 重ねることで、今の技術を体得 ニ ワ マ サ ユ キ 年の創 業で す が 、私 は4 代 ﹁ 綿 打 ち ﹂の プロの 家 系 丹羽ふとん店 14 September / October 2014 September / October 2014 15 Company Data【会社概要】 今月の表紙説明 事業内容 ふとん製造、小売 25 第5回ものづくり日本大賞の盾と賞状。 日本のものづくりのトップランナーとして認 められた証です。 「常に日本一の師匠が隣にいる環境が職人 としての良い刺激となっている」 と、 5代目の拓 也さん。 (右) 布団を長く使い続けるお客様が多く、打ち直 しの時期がわかるようリサイクルラベルを丹羽 さんが発案しました。打ち直しは5年が目安だ そうです。 丹羽 正行さん 代表 丹羽さんが抱えている のは、 こだわりの布団を つくるのに欠かせない 原 料となる綿 花です。 この綿花が様々な工程 を経て、匠 の 技により 加 工され最 高 の 寝 心 地の布団となります。 布 団に関する様々な資 料を集める丹 羽さん。大切なコレクションである浮世 絵は、その 時 代 の 布 団 の 作り方 の 参 考になるそうです。 33 こうした取り 組みを 40 「自分の満足できる理想的な布団を目 指し、 これからも日々精進です」 と、丹羽 さん。 綿打ち機を使った作業。今では国内の ふとん業界で、綿打ちをする最後の職 人と呼ばれているそうです。 布団づくりの一つ一つが手作業。 布団の四隅の 角に、 職人の技量の差が出るとのこと。 丹 羽さんの経 験と布 団づくりのノウハ ウが記録された大切な図面。
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