Pierre Bayle 思想の概略 桐木 咲貴子 ■Bayle思想の 概 略 発表の目次 宗教的寛容論 | 宗教的歪曲を排した歴史記述の見直し | 神学・形而上学批判 | まとめ | ■Bayle思想の 概 略 宗教的寛容論について ① 社会秩序を乱さぬ 範囲でいかなる良 心も尊重されねば ならず、宗教的信 仰は原理的に各人 の自由たるべし →信教の自由 Deleted based on copyright concern. •『<強いて入らしめよ>というイ エス・キリストの言葉に関する哲 学的註解』(1686-1687) •『補遺』(1688) ■Bayle思想の 概 略 宗教的寛容論について ② | 大前提 「内なる神の声」である良心への絶対的な服従 →良心に反する行為をなすのは神を傷つけ神に そむこうとすることであり、犯しうる最大の罪悪 である 異端者の「迷える良心」 →・信教の自由 ・宗教的強制への批判 ■Bayle思想の 概 略 宗教的寛容論について ③ | 時代背景 プロテスタント迫害 →ナントの勅令廃止(1685)を頂点と したプロテスタント迫害を弾劾 ■Bayle思想の 概 略 宗教的寛容論について ④ | 特色 ・信教の自由を宗教的弁証から切断して普遍的な 土台の上に据えた ・「基本的信仰箇条」の選別に基づいた自由主義 的神学者たちの「教会内寛容」論を完全に払拭 ・倫理的要請として「良心の自由」を主張 ⇔ロックの寛容論 →ジュリューとの論争 ■Bayle思想の 概 略 『歴史批評辞典』における思想 ① | 『歴史批評辞典』(1696) ・歴史辞典 ー人物の略伝など ・批評辞典 -脚注 →詳細な批評的議論が展開 ■Bayle思想の 概 略 『歴史批評辞典』における思想 ② | 歴史記述の不確かさや一方的な性格を 抉り出す史実をめぐる批判 ・党派的(主に宗教的・宗派的)偏見による歴 史の偽造、歪曲への批判 ex)「女法王」の項 →宗教抗争の渦中で歴史の真実を守り抜こう とする強固な意志 ■Bayle思想の 概 略 『歴史批評辞典』における思想 ③ | 神学・形而上学批判 ・哲学的、神学的論議が展開 ex)・古今の哲学体系に対する批判 ・ダビデ批判、マニ教徒 →■神学・形而上学批判の宝庫として争って 読まれる ■教会から反宗教の書の筆頭にあげられる ■Bayle思想の 概 略 まとめ ① ベール=フランス啓蒙思想の先行者 | 「啓蒙の起爆剤」、「啓蒙思想の武器庫」 | ベール=プロテスタント保守派の論争家 →諸説は当時の状況、論争に規定されていたとす る見方 ex)ダビデ批判、倫理 ■Bayle思想の 概 略 まとめ ② | ベール=プロテスタント保守派の論争家 →新たな問題関心に基づいて読者に読み替えられた 理由 ・宗派の枠を超えた普遍的視座 ・論理の徹底性 Pierre Bayle 思想の概略 fin
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