ジェンダー・女性学研究所

IGWSニュースレター
ジェンダー・女性学研究所
INSTITUTE FOR GENDER AND WOMEN S STUDIES
Newsletter
発行年月日:2001年11月30日
〒480-1197 愛知県愛知郡長久手町長湫片平9
Phone
0561-62-4111 EX 498
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0561-63-9308
E-mail:igws @ asu.aasa.ac.jp
第12号
URL=http://www.aasa.ac.jp/org/igws/index.html
2001年11月8日、本研究所主催、第8回定例研究会は、ニューヨーク市立大学政治学教授の
ジョイス・ゲルブさんをお招きして「男女共同参画の日米比較」〜女性のエンパワーメントと政治
参画〜について報告を伺いました。当日参加者の報告、感想を紹介します。
テーマ:男女共同参画の日米比較〜女性のエンパワーメントと政治参画〜
講
師:ジョイス・ゲルブ教授(ニューヨーク市立大学政治学教授)
て、アメリカでは地方議会における女性の進出が著し
く進んでいることである。市・郡レベルの女性議員の
比率は、1972年には12%にすぎなかったものが、いま
や29%になっている。また、議員のみならず、政治の
要職にも女性が進出しており、たくさんの女性市長が
誕生したり、州の行政官の女性比率が30%を占めるま
でになっている。
では、なぜアメリカではこのように地方レベルでの
女性の進出が可能になったのかというと、ひとつには、
講師ジョイス・ゲルブ教授(右) 通訳者:菊地恵子さん(左)
コミュニティにおける女性の活躍によるところが大き
い。市民グループのなかで活躍し、コミュニティでの
女性の政治参画のアメリカと日本の共通点と相違点
支援を受け当選していくケースが多く、日本のように
日本とアメリカの女性の政治参画をみると、共通点
政党の拘束が強くないため、政党から自立したグルー
がみられる。そのひとつは、近年、女性の政治進出が
プの支援を得て当選することが可能である。また、も
進んだこと、しかもある時期を境に飛躍的に増加した
うひとつには、選挙のキャンペーン資金、メディア、
ことである。アメリカでは1992年、日本ではマドンナ
党の支援などにおいて、アメリカでは基本的に女性に
旋風といわれた80年代後半に飛躍的に増加している。
も平等に機会が与えられているからである。
もうひとつは、女性議員が増加したとはいえ、国会議
なぜ、女性の政治参画が必要なのか
員における女性議員の比率は、北欧などと比べると決
日本でもアメリカでも、当選した女性議員たちは大
して高くないということである(2000年時点の比率は、
きな役割を果たしている。アメリカにおいては、現に
日本10%、アメリカ12%である)。その一方で、両国
人口妊娠中絶の合法化に女性議員たちが力を発揮して
で異なる点もみられる。そのひとつが、日本では、地
いるし、超党派の女性議員の幹事会ができ、1994年の
方議員に占める女性比率が6%にすぎないのに対し
女性に対する暴力禁止法の成立に貢献している。日本
−1−
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においても、ストーカー行為等規制法やドメスティッ
AC(ポリティカル・アクション・コミッティ)が58
ク・バイオレンス防止法を、全党派の女性議員によっ
ほどあるが、「エミリーズ・リスト」はその代表的な
て成立させたという点は注目すべきものである。また、
団体である。この団体は、趣旨に賛同する個人から34
小泉内閣においては5人の女性閣僚が誕生している
億円もの資金を集めており、その資金援助はたいへん
が、私は、森山大臣が夫婦別姓法案を進めているとい
大きな影響力をもっている(資金力の大きさは、アメ
うことも評価している。日米両国とも、もっと女性議
リカの女性たち自身が自由に使えるお金をもちはじめ
員の割合が高まれば、もっといろいろなことができる
ていることを示している)
。
第2は、政治的な能力を開発する教育・訓練など、
と思われる。
女性の政治参画を阻む障壁は何か
支援の必要である。ひとつは政党が行う支援で、アメ
日米とも現職議員が強いことである。アメリカにお
リカでも両政党が行っているし、日本でも共産党や民
いても、現職の当選率が極めて高く、新人が当選しに
主党が努力しているようである。とくに日本はアメリ
くいが、とりわけ日本は、
「地盤」をもつ現職の男性議員
カと違い、政党の役割が大きいことから、政党の中で
の力が強く、新人(とくに地盤をもたない女性)が進出
リーダーシップを発揮し、政党の姿勢を変えていくこ
しにくい構造をもっている。また、
選挙の制度も影響し
とが重要である。もうひとつは市民レベルで行うもの
ている。日本では、参議院選挙の比例代表制は女性の
である。日本においても、市川房枝記念財団が「政治
進出に貢献したが、今年の参議院選挙に導入された非
参加セミナー」を実施し大きな役割を果たしている
拘束名簿制の導入は女性にはマイナスの影響を与えて
が、このようなものがたくさんできることが望ましい。
いる。一方、社会的な構造や制度だけでなく、女性自
第3は、日米ともまだ実施していないものであるが、
身の意識も女性の政治参画の障壁になっている。女性
クウォータ制(例えば、候補者の50%を女性にするな
たちの多くは、
立候補することによって、メディアにプ
ど)のような積極的な是正策の必要である。フランス
ライバシーや家族がさらされることを怖れている。な
で制定されたパリテ法は女性の政治参加に大きな力を
ぜなら、肉体的なことや容姿などを興味本位に扱うな
発揮している。
(石田好)
ど、必ずしもメディアは受容的ではないからである。
もっと多くの女性たちが選挙に当選するためには何が
必要か
第1は選挙資金づくりの必要である。女性たちは男
性たちがやっているような企業献金などとは違ったル
ートで資金をつくりつつある。その代表的な例が「エ
ミリーズ・リスト」である。アメリカには選挙に立候
;;;;;;;;;
;;;;;;;;;
補しようという女性たちを支援するグループであるP
女性の政治参加の道のりは…
報
本講演は、選挙を通した女性の政治参加についての、
告:若松孝司(本学文化創造学部講師)
そこでの活動実績に対する評価の高さといった視点か
優れて実証的な分析である。日米の女性の政治参画に
らも、詳細な分析が展開されていた。こういった視点
みられる違いについて、単に候補者の選抜システムや
は、日本における女性の政治参画を進めるにあたって、
地方自治体の権限、大統領制の下での官僚の権限の弱
一つの有効な方向性を示してくれるものと考えること
さとその裏返しであるところの政治家の政策立案・遂
ができよう。
ただこれらの違いを検討する際には、ゲルブ教授の
行能力の高さといった政党・選挙レベルの分析だけで
はなく、地域における各種コミュニティーの充実と、
指摘にもあったように、日本における女性の政治参画
−2−
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が主として社民党や共産党という野党においてなされ
してゲルブ教授は「女性が『数』を占めることは可能
ていたことに注意する必要がある。政権与党、特に自
か」という命題に対して、それは可能であるという見
民党においては選挙の候補者の選定は各種業界団体の
通しを示している。しかし、私の見るところ、その見
システムと密接に結びついていて、そこに女性が入り
通しはあくまでこれまでの(社民党や共産党で行われ
込む余地はきわめて小さい。ここでは女性の政治参画
ていた)活動の延長線上にあり、政権与党の立場から
という「理念」はある一定の理解を得ることができる
の政治参画、すなわちこれまでの各種利益団体中心の
が、現実に利権が関与する問題については、女性が男
利益誘導政治や官僚主義政治そのものに食い込むこと
性の「既得権益」を突き崩すことは難しいのだ。逆に、
を想定してはいないものであるように思われた。たし
そういった利益・権限がなかったからこそ、野党にお
かに、女性の政治参画を政権の内側から達成するか、
いて女性の政治参画をすすめることが可能だったとも
それとも外側から達成するかというのは、十分に議論
いえるのである。
の余地があろう。しかし、保守・革新という2項対立
だとするならば、女性の政治参画をさらに進めるた
が意味を失いつつある現在の政治状況においては、政
めの次の課題は、女性の議会への「参加」という段階
権与党における女性の政治参画という視点、そしてそ
から、女性が議会において権力を「行使」することが
の道筋というのも、十分に検討する意義があるように
できるようになることだといえるだろう。これに関連
思われる。
女性を議会に!ネットワーク
あいち・ぎふ・みえ
愛知県日進市議会議員
私は、1995年に「女性を議会に!ネットワーク
ごとう尚子
この原因は、地域代表型の男性議員社会であると考
あ
いち・ぎふ・みえ」という名のグループを結成し、3
副代表
える。この傾向は、都市化されない地域ほど強く、
バン(地盤、看板、カバン)がない女性がいかにして、 「保守的」という言葉で、政治と生活の分断が起こっ
立候補し、当選するか、また当選した後、志を曲げる
ている。こうした選挙がある限り、女性が立候補でき
ことなく、市民の願いを受け止めた議員活動をするか
る機会はない。
ということについての学習、トレーニングを行ってき
アメリカでは、女性には男性と同等なチャンスがあ
た。同時に「女性を議会に!」という世論を構築する
ると言われているという報告があったが、日本では、
運動を展開してきた。そして、99年愛知県日進市議会
3バンに代表されるように、女性は男性と同等なチャ
議議員選挙に当選し、議員活動をしている。
ンスを持っているとは到底いえないと考える。
そこで、私たちは男性たちと全く違う選挙を行うこ
報告の中で、近年アメリカでは、女性議員比率が高
まり、ワシントン州議会の女性議員比率40.8%(99年)
とで女性が当選しやすい環境を作る、つまり選挙の枠
を筆頭として、その全国平均は23%で、日本の県議会
組みを変えていく運動を展開している。これまでの選
挙に関して、次のように分析し、変革のための実践を
(5.5%)を大きく上回っている。
一方、日本の地方議員の女性比率を見ると、都市化
の傾向と女性議員比率には、関係性があり、都市化の
積み重ねているものである。
1
傾向が進むほど女性議員比率が高くなっていることが
分かる。最高の神奈川県15.9%に対し、最低は福島県
2.6%。また、特別区議、市議、町村議別にその割合
を見ると、19.8%、10.1%、4.5%となっており、都市化
の進まない町村地域において、女性の議員が大変少な
選挙の方法を変える
① 連呼、絶叫、お願い型の選挙から、政策提案、
資料提示、住民判断型の選挙へ
② 組織重視、名簿依存型の選挙から、主体的な運
動を展開するネットワーク型の選挙へ
③ 日の丸、はちまきのダサい選挙から、おしゃれ
で、楽しい、軽やかな選挙へ(女性が選挙活動へ
いことが分かる。
−3−
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ないかという想像をしていた。しかし、その後、その
参加しやすい環境を作る)
④ 動員された運動員ではなく、運動の主体として
2
想像を覆す結果が続出しうれしく思った。特に、千葉
自覚に誇りを持った選挙運動の展開
県堂本知事の当選は、知事選挙において、政党、組織
選挙民の主体性と判断による選挙の実現
を相手に、ネットワーク型の選挙が勝利できることを
① 組織や地域での縛りにより、名前を書かされる
示した力づよいものだと思う。
選挙が横行し、主体性のない選挙民が増え、あな
アメリカでの報告にも、女性が立候補しにくい原因
た任せの政治が蔓延してきた。住民が自身で判断
の一つとして、「家族へ気遣い」という点が報告され
し、他者の判断や力で投票しないというトレーニ
ングをし、民主主義を支えることができる市民を
た。日本では、女性が議員として仕事をするとき、
「家族の協力」特に「夫の理解と協力」は褒めそやさ
れ、美化されることが多い。しかし、現実を見ると、
育てる。
② 市民が自主的に開催する公開討論会等を通じ、
女性が立候補を断念するときの原因が「夫」であるこ
公平で客観的な情報提供が可能となり、自主的な
とが多い。夫の協力が美化され、夫に感謝するキャン
判断を進めることができるようになる。
ペーンをしているうちは、出たい人も出したい人も立
次に、アメリカでは女性市長が次々誕生していると
候補できない。そこで、私は、夫が反対したら、離婚
いう報告があった。日本では、80年代までは14人の町
してでも立候補しようという強い合意こそを作ってい
村長のみしか当選していなかったが、90年代に入り、
くべきだと考える。
4人の女性市長が当選し、また、2000年、2001年と2
日米比較の報告を聞きながら、あと、1年半に迫っ
年間に3人の女性知事が当選した。私自身は世論は議
た、次の統一地方選挙でさらに女性が飛躍するための
員の内の何人かが女性であることを許容するが、ただ
日本の方策を考えた講演会であった。
一人の首長については、世論はそれを望まないのでは
石田好江(本学現代社会学部教授)
日本の女性たちも、この数年、単に投票をする、特
に無自覚であった。このことは、私たちが、就業人口
定の候補者の応援をするといった受身の政治参加か
の多数を占める雇われて働く者の代表を議会に送って
ら、自らが政策決定の場に参画する、すなわち「つく
こなかったということにいかに鈍感であったか、ジェ
る」側にまわるという政治行動をとりはじめている。
ンダーに対していかに鈍感であったかということを示
その意味で、90年代の後半は、日本における女性の政
している。また同時にこのことは、終身雇用制や性別
治参加の転換期であったといえる。しかし、今回、ア
役割分業など、日本の開かれた政治参加を阻む特有の
メリカにおける女性の政治参加の講演を聴き、日本に
厚い壁が存在していることを意味している。このよう
おける女性の政治参画には、特有の厚い壁が存在して
な日本的な状況を切り拓くためには、ひとつには制度
いることを痛感した。
の整備が必要であろう。仕事をもつ男女など多様な
これまでの地方選挙(議員人生のスタートでもある)
人々が選挙に出馬できる条件、例えば選挙休業制度や
の候補者をみると、地盤や組織をもった男性、しかも
議員休職制度などを整備することも検討すべきであろ
職業としては自営業的な働き方の者が圧倒的で、雇用
う。もう一つは、女性優遇策の実現をもとめるような
されて働いている者はほとんどいない。女性はという
数を増やす運動とともに、女性の政治参加を通して性
と、数が少ないだけでなく、党などが女性の「主婦」
別役割分業や男性中心の構造を変革するという姿勢を
という立場を利用して、男性中心の政治のアリバイと
もった運動(あるいはそういう姿勢をもって選挙に臨
して、「落選してもいい」候補者として担ぎ出すとい
むこと)が求められよう。
うケースがみられた。また、女性候補自身もそのこと
−4−
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中島 美幸(本学兼任講師)
名古屋市男女共同参画条例
(仮称)
制定に向けた検討作業が進行中
1999年6月の「男女共同参画社会基本法」(以下
本計画を策定した上で、市長をトップに総合的・横断
「基本法」)施行によって、男女共同参画の実現に向け
的に実施していくよう求めている。さらに市には、施
た施策の策定実施が、地方自治体の責務となった。こ
策の実施状況についての自己評価はもちろん、第三者
れが契機となり、今、各地で男女共同参画のための条
による評価・是正勧告を施策に反映させるよう求めて
例制定の動きが始まっている。全国に先駆けて2000年
いる。苦情処理機関を設置することによって、男女共
3月に条例を公布した埼玉県・東京都、出雲市・都留
同参画に関する市の施策への苦情のみならず、個人と
市・塩尻市など、今年8月現在で、13都道府県、2政
しても性にかかわる人権侵害の救済申し立てが可能と
令市、15市町村が男女共同参画に関する条例を制定し
なる。そして、施策を総合的に推進する拠点施設とし
た。
て名古屋市男女共同参画推進センター(仮称)の設置
名古屋市は、2000年9月に公表した市の長期総合計
を明記している。
「検討骨子」をもとに開催した市民意見交換会で、
画「名古屋新世紀計画2010」や、2001年5月に公表し
た「男女共同参画プランなごや21」に、男女共同参画
もっとも多くの意見があったのは、拠点施設の問題で
社会実現のための条例制定を掲げ、2001年8月に名古
あった。名古屋の女性たちには、歴史もあり図書資料
屋市男女共同参画条例(仮称)検討委員会を設置し、
も充実している女性会館の方が親しまれてきた。しか
条例制定に向けての基本的考え方の検討を委嘱した。
し、女性会館は教育委員会の管轄であり、総務局の男
検討委員会は、本学教授の國信潤子さんを委員長に、
女共同参画推進室の拠点施設としては、ワーピアつる
私も含め研究者と弁護士の6名である。検討委員会で
まいを改装し使用することを、すでに市の方が決定し
は条例の「検討骨子」を取りまとめ、市民に意見を募
ているので、検討委員会では二つの施設の連携を強く
り、多くの市民の意見を反映した条例となるようさら
求めている。学校教育における男女平等教育について
に検討を重ねた上で、12月に市に提言するが、現時点
は検討委員会においてもその重要性を確認してきた
での検討結果を報告する。
が、市民からも幼児期からの教育が必要との意見が多
条例の名称については、推進条例としての性格を示
く出された。さらに雇用についても、市の積極的な事
すこと、すべての人にとって意味のある条例であるこ
業者への働きかけが強く要望されたが、市の権限に限
と、名古屋の地域特性を明らかにすること、とりわけ
界があり、強く事業者に要求できない現実もある。
教育における積極的取り組みの必要性を前文にうたう
条例づくりの望ましいあり方は、市民との協働作業
こととした。総則として、「男女共同参画プランなご
が原点である。しかし今回、短期間での検討というこ
や21」や「基本法」の理念を踏まえた基本理念を掲げ、
とで、必ずしも充分な時と場が市民に保証されたとは
男女共同参画社会実現に向けた市・市民・事業者それ
言い難く、それだけに施行後に条例をいかに市民のも
ぞれの責務を明記する。ことに、市については、総合
のとしていくか、今後の市の取り組みが問われるとこ
的・計画的に施策を策定実施する責務とともに、事業
ろである。
者としての市の責務も求め、また財政上等の措置を講
ずべき点を強調する。基本的施策としては、性暴力を
はじめ性別による権利侵害の禁止を条例で規定したこ
とに基づき、その防止・救済支援はもとより、リプロ
ダクティブ・ヘルス/ライツ、ポジティブアクション、
雇用の場での男女共同参画、育児・介護などの職業生
活と家庭生活の両立支援、学校を始めあらゆる場での
男女共同参画の意識の浸透といった具体的施策を、基
−5−
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ジェンダーとI CT利用
岡澤
和世(文学部図書館情報学科教授)
(科研費調査、共同研究者)
2001年度の科学研究補助金を得て、愛知淑徳大学ジ
ェンダー研究所所長國信潤子教授を中心に「ジェンダ
ン、タイを対象に実証することがこの研究調査の本来
の目的である。
ーとICT(情報通信技術)」の研究調査が現在行われ
研究方法は研究文献を分担して読み込み、資料調査
ている。これは2年間にわたる調査である。この研究
を前半で行い、夏休みを利用して調査対象国を訪問し、
調査の目的はICTの利用と女性のエンパワーメントの
現地の共同研究者と協力して質問紙を作成し、実態調
相乗効果を明らかにし、今後のジェンダー研究に生か
査を実施した。調査対象機関は大学、国、行政の図書
すことである。
館および情報センター、女性センター、女性学関連研
新情報通信技術(ICT)はそのアクセスや利用に関
究所とNPOである。図書館を調査対象に選んだ理由
してジェンダーの不平等を作り出している。しかしそ
は図書館が職場として女性のエンパワーメントの極め
の一方で、女性のエンパワーメントのための多くの機
て高い職場であり、女性が主力となってICTに取り組
会を提供していることも事実である。情報通信技術は
んでいるからである。またNPOも女性たちが積極的
今後、労働、生産、開発に大きな影響を及ぼすものと
に活動している領域である。図書館情報学関係者と
考えられている。しかし、その主導権は男性によって
NPOの活動に詳しい研究者を共同研究者に迎え、ス
握られている。これは女性が男性に比べて技術的能力
ウェーデンのジェンダー研究者、タイのジェンダー研
において劣っているという絶対的前提の上に成り立っ
究者を加え、日本という狭義の枠から解放された調査
ている。女性は高度な技術を要しない単純作業に集中
が進行中である。
現在2001年10月末までの進展状況は発送した400通
している。
本研究調査ではある特定の情報通信技術、コンピュ
の質問紙の回収をしながら、それぞれの担当分野で現
ータを使った通信技術の中でもインターネットに着目
在行っている研究と情報収集を共有するために定期的
し、ジェンダーとインターネットの利用関係を明らか
に研究会を開いている。その後の予定はさらに質問紙
にし、これまで一般に信じられてきた「技術は中性で
の回答の中から20−30名を対象に面接調査とインター
あり、人類すべてに恩恵をもたらす」という仮説、ま
ネットによる対話調査を行い、追跡調査、事実確認を
た、「社会は常に技術の効果を大いに取り入れ喜んで
経て、来年度は現地調査をさらに拡大し、周辺諸国の
いる」という技術万能論に対して疑問を提示する。
関係をも視野に入れたジェンダーとICTの相乗効果を
Wajcman(1991)はこの議論を「技術は、ある特定グ
明らかにしたい。
ループが自分たちの利益のために、ある特定の場所で、 (2)本研究の学術的意義
ある特定の時間に考案した一連の特別な決定結果であ
ジェンダー研究は機会あるごとにあらゆる開発から
る。その意味で技術はその開発において、人間と社会
の疎外を訴えてきた。しかし、実態調査はなく、その
の文脈を色濃く反映している」と要約し、先の説と決
信憑性は推測の域を出ない。Eino Sierpe(McGill大学、
定論に強く反対している。
カナダ)の調査をヒントにこの解釈を広げ、情報通信
(1)何をどこまで明らかにするか
技術(ここではCMC)の導入が女性の労働現場にど
現在ジェンダーが抱えている多くの問題の中から、
のような影響を及ぼしているかを明らかにすること
特に情報通信技術との関わりに注目し、ジェンダーと
は、将来の女性の人口学的要因を決定する上で重要で
IT関連論文を世界各国から集め、どのくらい利用され、
ある。また、ジェンダーの開発に対する考えを知るい
効果を得ているかを分析する。本調査ではインターネ
い機会になる。今回の調査がジェンダー研究者との共
ットの利用実態を明らかにし、ICT利用不可状況の理
同研究によって企画実現すること自体が世界的にみて
由を知り、女性のエンパワーメントとICTの活用状況
も画期的なことであり、その結果として体系的ジェン
との関係をつかむ。ここでは精神面にも言及する。あ
ダーとITの関係の分析、研究、動向が明らかになり、
る意味で技術はその開発において、人間と社会の文脈
このジェンダー間格差の是正の一助になると考える。
を色濃く反映している。この通説を日本、スウェーデ
−6−
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松浦さと子
(摂南大学経営情報学部 助教授)
(科研費調査、共同研究者)
1980年代、コンピュータは女性の労働条件や職場環
で分け合う情報の中には、意思や行動力を持った女性
境を悪化させ、男性管理職の支配のもとに合理化、人
をエンパワーする資源が豊富に含まれています。それ
員削減を容易にする道具として批判的に捉えられてい
らにたどり着いた女性たちは、それまでに越えられな
ました。 「テクノストレス」という流行語も、当時
かった時間、距離、言語、世代、国境、経済力の壁を
の職場状況、とくに女性のそれを物語って います。
易々と乗り越えようとしています。女性たちの育児や
労働は増々激化すると予言されたのです。しかしイン
会を変え得る女性たちからの政策提言さえなされつつ
ターネットでそれらのコンピュータが結ばれたとき、
あります。
介護の現場からの情報がデータベースを構成し、 社
そしてネットワークされたコンピュータは女性たちの 「自らの意志でコンピュータに向き合うNPO/
女性たちはさらなる非人間的な状況に追い込まれたで
このような社会変革のうねりに大きな力を発揮し始
しょうか。1990年代後半以降、 そうではないと言え
めたNPO/NGOセクターの女性たちの可能性をネット
る明るい展望が見えてきました。
に見い出しつつ、どのような条件がその成功に必要な
最近、ボランタリーかつ営利を目的としない人々が、
のか、問題点はどこにあるのか、ジェンダー・女性学
継続的な事業を営むために新 鮮なアイデアや発想で
研究所の科研費チームでは現在、こうしたテーマに
市民社会の共通の利益を目指して活動するNPO/NGO
おいて、國信潤子教授、岡澤和世教授とともに、研究
やネットワークのことがよく新聞やメディアで紹介さ
を深めています。
れるようになりました。こうした活動にお いて、女
性たちは今、自分の意志で主体的にコンピュータを使
い始めています。情報 を受け取るだけでなく、自ら
情報を発信できるコンピュータは、支配の道具から連
帯 のきずなへと変化し、女性のエンパワーメントに
役立ちつつあります。そして自己実 現や人間らしさ
の回復が、女性の働き方や生き方にも現れ始めている
のです。
いくつかの例を挙げましょう。賃金差別や夫婦別姓
問題で闘う女性たちは、賛同を求めるホームページを
立ち上げ、多くの共感を電子メールで得ています。住
んでいる地域の美しい川の環境を守る女性たちは地元
漁師と協力して、インターネットで鮎を売り始めまし
た。勝手連でつながった女性たちは、知事選挙で自分
たちの代表と思える候補を応援しました。アフガニス
タンの女性や子どもを案じる主婦は、テロへの報復攻
撃反対の意見広告をニューヨークタイムズに掲載する
ため、その広告料のカンパ をメーリングリストを使
って募り、広告は実現しました。反戦デモに参加した
女性たちは、その映像とそこでの意見を撮影してイン
ターネットで放送しました。意見やカンパや映像が、
ボランティアが、コンピュータを介してネットワーク
で連帯できたのです。
インターネットの威力と危険の両方を理解し使いこ
なす事例はまだ少ないと言えます。しかしネット社会
−7−
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星山 幸子 (本学非常勤講師)
トルコは、全人口の98%がムスリム(イスラム教を
地方の農村では、女の子は7,8歳になるとスカーフ
自分の宗教として認める人々)の国です。そして、20
を着け始めます。しかし、トルコの小学校では、教師
世紀初頭にオスマン・トルコ帝国が崩壊してトルコ共
も生徒もスカーフの着用が認められていません。それ
和国になった後は、政治と宗教の分離が憲法で謳われ
だから、女の子は小学校に行くのを途中でやめる場合
ています。つまり、トルコでは、イスラム教の教えに
があります。そのことは、トルコの南東部地方では、
基づいた法律ではなく、近代的な(西欧型の)法律に
男性の非識字率が24.44%であるのに比べ、女性の非
則って国民が統治されています。
識字率は55.2%(男性、女性ともに1990年の非識字率
それでは、近代法を持つトルコにおいて、女性はイ
の数値)と非常に高い原因の一つでもあります。
スラムとどのような関係を保ちながら生活しているの
一方、1923年にオスマン・トルコ帝国が崩壊しトル
でしょうか。ここでは、イスラムのなかで生活する女
コ共和国が成立して以後、トルコ政府は、脱イスラム
性について、ムスリムの女性が着用する「ベール」の
を目指す近代化=西欧化政策を推し進めました。その
問題に焦点をあてたいと思います。
なかで、多くの都市の女性は、「ベール」を着用しな
トルコには、大別して3種類の「ベール」がありま
す。それらは、トルコ語でそれぞれ「チャルシャフ」、
い自由を獲得しました。現在都市の女性の多くが「ベ
ール」を着用していないのはそのためです。
「エシャルプ」と呼ばれるものと、農村で女性が頭を覆
近年、トルコの都市では、前述の「エシャルプ」を着
うスカーフです。
「チャルシャフ」とは、頭から足の先
用する女性が増え始めました。そのため、女性が「エシ
まですっぽりと黒い大きな布でくるむようにして着用
ャルプ」を着用しているか否かで、
「カパル」
(「閉じてい
するものです。トルコでは、1923年にトルコ共和国が
る」の意)
か「アチュック」
(「開いている」
の意)
かという
成立した後、イスラム教やイスラム文化に関係する事
分け方をされることがあります。
「カパル」の女性とい
物は後進性の象徴として捉えられました。そして、女
うのは、
「エシャルプ」
を着用している女性を指します。
性が着用する
「チャルシャフ」もまた、イスラムの非近
その反対に、
「アチュック」の女性という言い方は、髪
代的な側面を表わすものとみなされました。それゆえ、
の毛を隠すために何も着用しない女性に対して使われ
トルコ共和国の建国の父と呼ばれるケマル=アタチュ
ます。
ルクは、女性に
「チャルシャフ」を着用しないように奨
「カパル」、つまり、「エシャルプ」を着用する女性
励しました。しかし、現在でも、都市周辺や農村など
は、農村から都市へ移住した女性に多く見られます。
で
「チャルシャフ」
を着た女性は時々見かけられます。
それは、農村から都市へ移住することにより女性の
そして、
「エシャルプ」は、
大判のスカーフの意味です
「ベール」に関する選択肢が増えたことを意味します。
が、ふつう丈の長いコートといっしょに着用されます。
つまり、トルコの農村では、スカーフで頭を覆うこと
「エシャルプ」を着用するときには髪の毛が一本も見え
は、個人の問題ではなく、社会で決められたルールの
ないように頭を大判のスカーフで覆い隠します。この
一つなので、スカーフを着用しないという選択肢はあ
「エシャルプ」は、コーランに規定された女性のベール
りません。一方、都市では、農村ほど社会のルールが
着用の義務を説いた教えを満たすものとしてトルコで
厳しくありません。そのため、農村から都市に移住し
は考えられています。そのため、トルコの都市のイス
た女性には「アチュック」となる選択肢があるのです。
ラム主義(イスラム教の教えを保守する考え)
の女性が
そして、都市に移住した女性が「カパル」と「アチュ
「エシャルプ」を着用します。また、農村から都市へ移
ック」との間で選択を迫られたとき「カパル」を選択
住した女性も、
「エシャルプ」を着けることがあります。
した女性は「エシャルプ」を着用するのです。
それから、農村の女性が着用するスカーフは、「エ
また、「カパル」と「アチュック」という二者択一
シャルプ」よりも小振りで前髪や横から髪の毛が見え
は、農村と都市の文化の違いからも考えられます。つ
ることもあります。私が調査しているトルコの南東部
まり、トルコの農村では当然のことと考えられていた
−8−
IGWSニュースレター
スカーフの着用が、都市ではイスラムや農村の後進性
と捉えられます。そのため、農村から都市へ移住した
らずいます。そのなかには、大学の授業や試験から、
「エシャルプ」を着用する女子学生を排斥する行動に
女性は、都市の生活に適応するために農村で一般に着
出る大学の教師も存在します。それゆえ、「カパル」
用されるスカーフを脱ぐ傾向があります。そこで、農
であった女性が、大学を卒業するために「アチュック」
村から都市へ移住した女性は、「アチュック」になる
となったり、あるいは小学校の教師となって「アチュ
か「カパル」になるかの選択を迫られるのです。
ック」となったりすることがあります。
このように、トルコにおける「ベール」の問題は、
本来、
「アチュック」か「カパル」かという選択は、
トルコの都市に生活する個々の女性の宗教的アイデン
イスラムの宗教や文化の枠内だけでは捉えられませ
ティティに関わるべき問題です。しかし、トルコの都
ん。むしろ、女性の「ベール」着用に関わるトルコ国
市エリート層は、「エシャルプ」を新しい形のイスラ
内における経緯は、社会的、政治的、歴史的な問題を
ム主義とみなしています。すなわち、「エシャルプ」
多く孕んでいます。そして、西欧型近代化を指向した
を着用する女性の増加は、イスラム勢力の台頭と結び
トルコにおける西欧対イスラムという構図を表わして
つけられて考えられています。そして、トルコの高等
いるように思われます。西欧社会の一員である私たち
教育機関では、女子学生の「エシャルプ」着用の認否
は、イスラムの「ベール」に関する問題では、宗教的
をめぐってさまざまな論争があります。脱イスラムの
な側面ばかりに目がいきがちです。しかし、イスラム
近代化が推進された時代に高等教育を受けた世代にあ
に関わる問題を理解するためには、宗教的な側面ばか
る大学の教師のなかには、「エシャルプ」着用を新た
りに目を向けるのではなく、イスラムの社会性や政治
なイスラム勢力の台頭として懸念する人たちが少なか
性に着眼する必要があると思われます。
様々なトルコの女性たち
農村の女性
−9−
IGWSニュースレター
第10回定例研究会開催のお知らせ
お知らせ
特別報告会
協力:城西国際大学ジェンダー・女性学研究所
モンゴルは1991年に社会主義体制から自由主義経済
体制の社会へ移行しました。その後経済・政治体制な
どが激変しました。このたびは、新しい社会作りでジ
ェンダー平等関係をめざして第一線で活躍する女性を
報告者に迎えました。
日時:2001年11月30日(金)18:30〜20:30
場所:本学研究棟2階 K1会議室
テーマ:モンゴルの最新ジェンダー状況報告
〜新たなモンゴル社会開発はジェンダー平等か〜
報告者:オイドブ・エンフトヤさん
(元モンゴル国会議員、LEOS創設名誉会長)
オノル・エンフドルジェさん
(モンゴル農協大学助教授、言語学部長)
使用言語は英語 通訳付き
参加費:無料
*この事業は三菱銀行国際財団からの助成を受けてい
ます。
第9回定例研究会のお知らせ
「開発とジェンダー」についての研究会を参加型の
形式で、アジア保健研修所(AHI)非常勤職員のジョ
イスィリン・A・バスチャンさんをお招きして「ジェ
ンダー視点から新しい開発のあり方を考える〜事例
フィリピン農村から〜」のテーマで講演と討議の機会
を持ちます。
日時:2001年12月5日(水)18:30〜20:30
場所:愛知淑徳大学 研究棟 2階 K1会議室
講師:ジョイスィリン・A・バスチャンさん
英語による講演と討議
通訳 林かぐみさん(AHI職員)
参加費:無料
愛知淑徳大学のジェンダー・女性
学 関 連 の 開 放 講 座2 0 0 2年 度 前 期
共催:日本女性学会
(日本学術会議社会学研連所属学会)
日時:2002年1月10日(木)18:30〜20:30
報告テーマ:フェミニズムとアジア・太平洋地区の多
文化コミュニケーション
研究報告者:ヴェラ・マッキーさん
(Prof. Vera Mackie)
オーストラリア、
カーティン工科大学国際文化部長 教授
(1998年〜)
お茶の水女子大学客員教授(2001年〜2002年)
日本語による報告
場所:愛知淑徳大学 研究棟 2階 K1会議室
参加費:無料
シンポジウム
テーマ:今こそ男女の雇用平等を!〜今日の厳しく、
閉塞的な雇用状況をどう切り拓くか〜
今日の雇用状況の悪化は男性のみならず女性にも厳
しい影響を与えていますが、女性への深刻な影響は中
高年男性の雇用問題の影に隠れ、過小評価される傾向
にあります。今回のシンポジウムでは、この厳しく、
閉塞的な雇用状況を切り拓くためには何が求められて
いるのかを探ってみたいと考えています。その場合の
ヒントを与えてくれるのが「男女平等」ではないでし
ょうか。
基調講演を行っていただく中野麻美さんは、労働分
野の弁護士として、又、NPO派遣労働ネットワーク
理事長として、男女平等の仕組みづくりに主導的な役
割を果たしている方です。ぜひ多くの皆様のご参加を
お待ちしています。
日時:2002年2月9日(土) 午後1時30分〜4時30分
場所:なごやYWCA ホール
名古屋市中区新栄町2-3 愛知芸術文化センター向側
交通手段交通案内:地下鉄
「栄」
東5番出口徒歩2分
電話:052-961-7707 FAX:052-961-7719
内容:基調講演 中野麻美さん(弁護士)
シンポジウム 中野麻美さん、坂喜代子さん(名古
屋ふれあいユニオン)、榊原國城さ
ん(愛知淑徳大学教授)
コーディネーター 石田好江(愛知淑徳大学教授)
以上の研究会、シンポジウムの申し込みはジェンダ
ー・女性学研究所です。
(表紙参照)
長久手キャンパス開放講座科目
ジェンダーと社会
科目名
ジェンダーと社会1
ジェンダーと社会2(オムニバス)
女性学・男性学
この度発行のニュースレタ
ー12号は、第8回定例研究会
の女性の政治参加について中
担当講師
國信 潤子
中島 美幸
山下智恵子
井深 淳子
伊藤 公雄
松井やより
心に特集しました。また、今
年度の本研究所のメイン事業
の一つである科研費による研究調査の中間報告とイス
ラムの女性のベールについて3部構成で特集をしまし
た。今後とも皆様の暖かいご支援をお願いいたします。
星が丘キャンパス開放講座科目
ジェンダーと社会
科目名
ジェンダーと社会1
ジェンダーと社会2(オムニバス)
フェミニズム概論
■研究所への交通案内
担当講師
國信 潤子
中島 美幸
山下智恵子
小倉千加子
名古屋駅(JR)から地下鉄東山線本郷駅下車(所要時間約25分)
地下鉄東山線「本郷」駅前バスターミナルより市バスがでて
います。2番のりば本郷にて終点「猪高緑地」
(大学正門前)ま
でご乗車下さい。
これらの講座履習・申し込み先
愛知淑徳大学エクステンションセンター
〒464-8671 名古屋市千種区桜が丘23
TEL/052-783-1665
(直通)、FAX/052-783-1621
(直通)
受付日時(月〜金)9:00〜17:00
ホームページアドレス http://www.aasa.ac.jp
ASU・IGWS2001年度
運営委員:石田好江、逸村裕、岡澤和世、國信潤子
(所長兼)
、
都築久義
非常勤運営委員:渥美正子
(愛知淑徳大学)
伊藤公雄
(大阪大学)
スタッフ:山田清美
この冊子は再生紙を利用しています。
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