8 玩具・ゲーム類 - 日本アセアンセンター

B-8. 玩具・ゲーム類
8 玩具・ゲーム類
1. 日本のマーケット事情
(1) 品目の定義
ここでは玩具および遊戯用具(その部分品及びその付属品も含み、おもちゃ花火を除く)、家庭で娯楽用に使用され
るパズルやトランプ、チェス等のゲーム類(テレビゲーム、遊戯場やゲームセンター等で使われるゲーム機器は除く)を
扱う。貿易統計上の分類及びHS番号は以下の通り。
HS番号
9501
9502
9503.10~30
9503.41
9503.49
9503.50~90
9504.40、9504.90-010
9505
9506.61~69
品目名
車輪付き玩具
人 形
模 型
ぬいぐるみ
動物・キャラクター玩具
その他の玩具(パズル、楽器玩具、玩具セットなどを含む)
遊戯用カード、チェスその他のテーブルゲーム
娯楽用品
ボール類
(2) 市場動向
長引く景気停滞による消費の低迷、少子化、子供の早熟化によるおもちゃ離れの低年齢化、デフレによる価格下落な
ど、玩具・ゲーム市場を取り巻く環境は厳しいものがある。(社)日本玩具協会によると、玩具・ゲームの国内市場規模は
2001年度以降、7,000億円前後(実売価格ベース)で横ばい状態にある(⇒図表1)。最大カテゴリーである、就学前児
童対象の「知育・教育」(1,539億円、シェア21.5%)は2004年度も増勢基調にあるものの、プラモデル・鉄道模型など幅
広いユーザーを対象とする「ホビー」(981億円、13.7%)は前年度水準を維持できず、「男児キャラクター」、「男児玩具」、
「女児玩具」にも大型ヒット商品が見当たらない。2000年度にブームとなった「カードゲーム・トレーディングゲーム」や、
おもちゃデジカメ(1万円以下の簡易型デジタルカメラ)、キッズパソコンも沈静化してしまっている。特に業界では女児の
玩具離れが加速する傾向が指摘されており、子供同士が集まって人形やままごとで遊ぶ時間が少なくなり、小学生でも
アパレル、アクセサリー、化粧品などおしゃれに対する関心が非常に強くなっている。かなり高額な商品を扱う子供服専
門店は高い売上を続けており、玩具メーカーも女児向けファッション関連に力を入れ始めている。
一方、大人向けの「癒し系玩具」として、ジグソーパズル、ボードゲームなどのアナログ系玩具が復権し、生活に癒しを
与えてくれるペットロボット、飼い犬の首輪に装着して喜怒哀楽を教えてくれる犬語翻訳機「バウリンガル」といったユニ
ークな玩具も、ペットブームとの相乗効果で好調な売れ行きを示している。また「家族で楽しむ玩具」をキーワードに開発
された、テレビ画面と連動する体感玩具(テーブルホッケー、卓球、サッカーなど)や、親の世代が子供の頃に親しんだ
玩具(ベーゴマ、メンコなど)を現代版にアレンジした玩具もヒットしている。実在の国産車をモデルとした低価格ラジコン
(発売元:トミー、中国製)は、2004年末の発売から短期間で百万台を突破し、主に20-30代男性の人気を集めている。
これらの例に明らかなように、少子化が進むなかで、子供用玩具市場はより厳しさを増してきているが、ターゲットを子供
だけに限らず、ヤングアダルト、中高生、そして高齢者層まで対象年齢を広げたさまざまな新製品が投入されていること
が近年の玩具市場を下支えしているといえる。
また、従来型の玩具にこだわらない、玩具菓子(チョコレートやラムネ菓子にキャラクター人形や動物の精巧なフィギュ
アをおまけで付けたもの)、フィギュア、カプセル玩具(カプセルの中に玩具が入っており、専用のベンディングマシンで
購入するもの)などの新分野が、年間1,000億円前後の規模の市場を形成している。いずれもコレクション性が高く、子
供だけでなく、大人が1つのシリーズを大量にまとめ買いする点に特徴がある。最近は玩具菓子の派生商品として植物
玩具(容器に入った土や卵に水を注いでしばらく置くと、中の豆が発芽して「ありがとう」などのメッセージが表示される)
という新しいジャンルも登場し、今後の展開が注目されている。従って、旧来の定義による玩具市場は縮小傾向にあるも
のの、玩具産業全体としては対象領域を広げて成長基調にあるとの見方もできる。
玩具総合メーカー最大手のバンダイと大手ゲームメーカーのナムコが2005年9月、玩具大手同士のタカラとトミーが
06年3月に経営統合することで合意するなど、玩具・ゲーム業界ではM&Aによる大型再編が進められている。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
114
B-8. 玩具・ゲーム類
図表1 日本国内の玩具市場規模の推移
大分類
中分類
2004年度 前年比
構成比
2001年度
2002年度
2003年度
16,675
14,859
23,357
21,468
91.9
3.0%
69,596
63,174
62,808
59,647
95.0
8.3%
ジグソーパズル
12,230
13,350
14,112
13,152
93.2
1.8%
ハイテク、ロボット、カメラ、携帯電話関連、キッズパソコン、カラオケ
32,126
28,989
20,453
20,631
100.9
2.9%
男児キャラクター
80,825
75,276
68,103
66,431
97.5
9.3%
44,955
48,011
45,422
47,487
104.5
6.6%
59,805
54,293
54,776
58,844
107.4
8.2%
24,669
27,642
26,545
24,813
93.5
3.5%
127,318
130,839
151,059
153,893
101.9
21.5%
ゲーム
一般ゲーム、ハンドヘルドゲーム (ミニ電子ゲーム)、
その他(パーティ、ジョーク、手品など)
カードゲーム、トレーディングカード
男児玩具
女児玩具
ぬいぐるみ
知育・教育
ミニカー、レールトイ、トイラジコン、電動玩具、
その他 (レーシング、ゼンマイ、金属玩具)
着せ替え (人形、ハウス他)、ままごと、女児ホビー、
女児キャラクター、女児コレクション、抱き人形、その
他 (アクセサリー、女児化粧品など)
キャラクターぬいぐるみ、ノンキャラクターぬいぐるみ、
和洋、アンティーク人形
ブロック、木製玩具、プリスクール、幼児キャラクター、
ベビー(ベビートイ、バストイ、ベビー用品)、乗用
(ベビーカー、チャイルドシートなど)、その他 (楽器、
電話、絵本、遊具、キッズビデオなど)
季節商品
花火、夏物、サマートイ、小物玩具、スポーツ用品
63,842
60,412
54,968
58,246
106.0
8.1%
雑貨
ギフト、インテリア、ハウスウェア、バラエティ他、ステー
ショナリー、アパレル、クリスマス用品、その他
54,390
81,862
87,742
86,413
98.5
12.1%
ホビー
プラモデル、ホビーR/Cカー、鉄道模型、その他
102,127
100,944
105,403
98,083
93.1
13.7%
その他
玩 具 合 計
<参考>
カセット式電子ゲーム
(ハード、ソフト)
総
新分野
据置型テレビゲーム、
携帯型電子ゲーム
合
計
9,491
5,702
7,706
7,839
101.7
1.1%
698,049
705,353
722,454
716,947
99.7
100.0%
90,247
80,319
(501,372) (446,200)
78,498
(436,100)
97.7
(97.7)
153,350
(503,601)
851,399
795,600
802,773
795,445
99.1
玩具菓子
-
59,000
62,000
57,200
92.3
フィギュア
-
12,000
10,800
9,400
87.0
カプセル入り玩具
-
26,000
31,000
33,000
106.5
-
97,000
103,800
99,600
96.0
出所:(社) 日本玩具協会の資料に基づく
玩具の新分野
単位:百万円
計
(注1) 実売価格(店頭実勢価格)ベースの年度(4月~3月)集計。2004年度は速報。原則として(社)日本玩具協会会員企業、
東京おもちゃショーに出展している企業のオリジナル商品、自社ブランド商品を対象とする。
(注2) カセット式電子ゲームの欄のカッコ内は(社)コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会(CESA)による当該品目の
販売総額。上段はこのうち玩具流通(玩具専門店、百貨店やスーパーなどの玩具売場)で販売されているもの。
わが国の玩具市場には世界の国々から、それぞれ特徴のある玩具が輸入されている。近年は特に中国からの製品の
伸びが顕著で、すでに中国は玩具の世界最大の供給基地となっている。欧米諸国では玩具作りの歴史が古く、その歴
史、文化、資源及び産業等を反映した特徴と伝統ある製品が多い。欧米からの輸入品で最近注目を集めているのが、
幼児やプレスクール児向けに英語の学習機能を盛り込んだ知育玩具である。簡単な単語を音声で聞かせたり、クイズに
答えさせたりして遊びのなかで自然に英語を慣れさせようとするもので、子供の英語教育に対する関心が高まるなか、
今後も拡大が期待されている。主な対日輸出国/地域を代表する玩具・ゲーム類は以下の通り。
ASEAN
中 国
台 湾
韓 国
香 港
ドイツ
デンマーク
米 国
英 国
模型、ボール類、ぬいぐるみ、プラスチック製玩具
ぬいぐるみ、人形、プラスチック製玩具等
自転車、テーブルゲーム、戸外遊戯用具、塩化ビニール製玩具
ぬいぐるみ、エレクトロニクス応用玩具
ラジオコントロールカーを含む機械玩具及び人形等
ぬいぐるみ (シュタイフ)、鉄道模型 (メルクリン)
レゴ・ブロック (ブロック玩具)
知育玩具 (フィシャープライス)
ダイキャスト玩具 (マッチ・ボックス)
【ぬいぐるみ】
ぬいぐるみは幼児の遊び道具からインテリアにもなり、購買層は年齢に関係なく幅広い。従来、動物のぬいぐるみが
中心であったが、近年アニメや映画等のキャラクターのぬいぐるみや、モノ(電話機やコンピュータ等)をデフォルメした
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
115
B-8. 玩具・ゲーム類
ぬいぐるみ等、多様化がみられる。また、材質もフェルト、タオル地、プラスチック、合成皮革など多様化し、用途もギフ
ト用のほか、コレクション用、インテリア用、企業の販売促進用、ゲームセンターの景品用などと幅広い。消費者のなか
にはむやみに数を増やすよりも、質の高いぬいぐるみを厳選して持ちたいとする傾向もあり、各メーカーは素材の質的
向上にも力を入れ、汚れにくいもの、撥水性の材料を使用したもの、また、化学繊維ではない風合、手触りのウールを
使用したものもみられるようになっている。
ぬいぐるみは国内玩具市場で250億円前後の売上をあげているものの、そのほとんどが中国をはじめ海外で生産さ
れたもので国内生産はほとんどなくなっている。最近は需要の二極化が進んでおり、小型の手頃価格のものと付加価
値の高い高級品に大きく分かれる。前者にはアジア(近年はほとんど中国)からの廉価品が多く、大半は日本企業の
企画に沿って海外で生産されたもので、外見上は国産品とほとんど区別がつかない。特に、パチンコやゲームセンタ
ーの景品に使われるものは中国製が多い。一方、後者では国産品や米国製のテレビ、映画などのキャラクターぬいぐ
るみ、欧米諸国からのペットの代用にもなる実物の動物にリアルに近づけたぬいぐるみ、またインテリア目的の大人向
けのぬいぐるみなどが特徴的である。さらに数は少ないものの、ブランドとして確立したぬいぐるみ(例:ドイツのシュタイ
フ、イタリアのジョックライン)や、米国のディズニーのキャラクターぬいぐるみなどもある。ぬいぐるみ市場はブームによ
ってその需要の変化が著しく、人気の変わらないテディーベアなどを除いて需要は不安定である。近年は大手玩具メ
ーカーも参入して競争が激しく、ヒット商品を出すにはかなりの商品開発力を要する。
【ゲーム】
ゲームの種類は多種多様で正確な市場規模を知ることは難しいが、2004年度の市場規模は一般のゲームが約215
億円、カードゲーム・トレーディングカードが596億円と推計されている(⇒図表1)。トレーディングカードとは、通称トレ
カとも言われる交換カードである。米国の数学者がトレーディングカードのコレクション性とカードゲームのゲーム性を
融合した新しいゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」を開発し、1993年に販売されてから世界的なブームとなっている。
日本でも若者の間で一躍人気となっており、国内ゲームメーカーはトレーディングカードゲームの新商品を投入し、更
なる需要を喚起している。
西洋で古くから楽しまれているゲームのうち、チェス、バックギャモン、ドミノ、カード(トランプ)は4大ゲームと呼ばれ、
日本にも継続的に輸入されている。国産品は廉価な普及品が多いのに対し、欧州製のものは長い伝統を背景に良質
の材料を使用した高級品が多く、遊んで楽しむほか室内装飾品としての価値も備えているものが多い。ラーディー(ツ
ゲの木)やアラバスター(イタリア産の石)で作ったチェスや、一部に皮革を使ったマホガニーのバックギャモン等はそ
の一例である。その他のカードゲーム、ボードゲーム(ゲーム盤を使うゲーム)等は多種多様で、人気や流行による変
動が大きいが、安定した需要を持ち、継続的に輸入されているゲームは10種類程度といわれている。カードゲーム、
ボードゲームともに欧米製のものはシステムに重点を置き、材質や印刷にはあまり経費をかけないものが多い。一方、
中国などアジア諸国ではゲームに使われるコマやダイス等の部品が生産され、日本や欧米に多数輸出されている。
日本ではテレビゲームが中心であるが、輸入ゲームは愛好者の間で楽しまれる傾向が強い。今後日本では社会の
高齢化に伴い、余暇時間の多い高齢者が増加するが、これらの世代は若いころにゲームのプレイ経験が乏しいため、
ゲーム人口が急激に増加するとは考えにくい。
【パズル】
ジグソーパズルは日本で多くの愛好者を持ち、玩具市場で13億円前後の安定した売上がある。国産品はフレーム
とパズルをセットで販売し、パズル完成後はフレームに入れて室内装飾品として使われることが多い。一方、欧米では
ゲームとして完成までの過程を楽しむことに主眼がおかれている。このため欧米製のものは材質がしっかりして、繰返
し使用に耐える反面、大きさの合うフレームがないこともある。アジア地域からは印刷していない無地のパズルが多く輸
入され、日本で印刷して販売されている。この他、子供向けとしては、欧米からジグソーパズルやブロックパズル、知育
パズルが輸入され、中国、台湾からはハンディなプラスチック製パズル、タイからは木製パズル等が輸入されている。
(3) 日本の流通・取引慣行
玩具の基本的流通経路は図表2のように示される。ぬいぐるみの場合はこの玩具としての流通経路の他、ゲームセン
ターの景品としてゲーム機の流通経路をたどるものがある。(⇒図表3)
玩具は商品のライフサイクルが短く、ブーム性が強い商品であるため、中小規模の小売店が単独で人気商品を安定
的に仕入れるのが難しい。そのため、流通段階では商品開発力を持つ大手メーカーと製造卸(自ら商品の企画・開発を
行ない、傘下の下請けメーカーで製造した商品を自社ブランドで卸売する企業)が主導権を持つ構造となっている。従
来は価格競争もあまり活発でなかったが、1991年末に世界最大の玩具チェーン店トイザらスが日本に進出したことが契
機となって、玩具の流通構造は大きな変革を遂げた。エブリデイ・ロープライスを実現するためのローコスト化と省力化を
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
116
B-8. 玩具・ゲーム類
追求したウェアハウス(倉庫)方式の店舗、豊富な品揃えによる集客力、メーカーとの直接取引を原則とする仕入れとい
ったトイザらスの経営方式が、近隣の店舗だけでなく玩具業界の流通全体に大きなインパクトを与えている。今やトイザ
らスは日本最大の玩具・子供用品専門店に成長しており、2000年には外資系流通業として初の店頭上場を果たし、
2005年現在146店舗(ベビーザらス11店舗を含む)、1,852億円の売上を誇っている。
また近年は、インテリア、ファンシー・グッズ、家電業界などでも玩具を取扱うところが増え、多様な業態に広がりを見せ
る一方、小規模な玩具店は次第に淘汰されてきている。インターネットを利用したオンラインショッピングも玩具の主要な
販売ルートとなりつつあり、2003年11月に日本トイザらスが子会社のトイザらス・ドット・コムを完全子会社にしてネット通
販を強化したほか、2004年にはネット通販大手のアマゾン・ドット・コムが約2万点の玩具や趣味商品を扱うサイトを開設
するなど、今後さらに競争が激化するのは必至である。
図表2 玩具・ゲームの流通経路
海外メーカー
輸出
委託生産
海外
国内
輸入業者
開発輸入
ブランド品
代理店
現 地 商 社
アフターサ
ービス等が
不要で、
量販による
価格メリッ
トが出せる
商品
多品種商品
メーカー・海外工場
商 社
共同買付機構
メーカー・製造卸
(並行輸入逆
輸入等が発
生する)
一次問屋
二次問屋
量 販 店
近年、
多品種商
品の買付
通信販売
海外メーカー
玩具専門店
玩具専門小売店
共同買付機構
百貨店
玩具専門チェーン店
の直接取引も増えている。
は国産品と重複している経路
図表3 ぬいぐるみ(景品)の流通経路
国内メーカー・加工業者
発注・
納入
発注
納入
海外メーカー
発注
ゲーム機器メーカー
納入
製造問屋
輸入業者
一次問屋
流通専業者
二次問屋
ゲームセンター
消
費
者
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
117
B-8. 玩具・ゲーム類
2. 貿易動向
(1) 日本の輸入動向
2004年における玩具・ゲーム類(前記HS番号の対象品目)の輸入額はほぼ前年並みの1,856億円であった。2002
年以降の3年間はほぼ横ばいながら、高位水準を維持している。この背景には日本の大手玩具・ゲームメーカーが輸出
向け製品の生産拠点を中国などに置き、同時に日本市場向けの製品の生産も行って、日本に逆輸入するケースが増
えており、また中小の玩具・ゲームメーカーも相手国企業と組んで委託生産に踏み切ったり、大手小売業者による開発
輸入の形態も増えている。
ただし、玩具は多品種にわたり、また平均ライフサイクルが3ヶ月と非常に短いこともあって、輸入品の多くは輸入統計
上、「その他の玩具」に分類され、具体的な品目の動向を把握するのが難しい。2004年にも最も多くを占め、かつ前年
に比べて最も大きく伸びているのが「その他の玩具」(642億円、シェア34.6%)である。単一品目で最も多いのが「ぬい
ぐるみ」(365億円、19.7%)であり、以下、「(ぬいぐるみ以外の)動物・キャラクター玩具」(206億円、11.1%)、「原動機
付き玩具」(162億円、8.8%)、「人形」(158億円、8.5%)の順で続いている。
図表4 玩具・ゲーム類の輸入の推移
[輸入総額の推移]
(百万円)
[品目別輸入金額の推移]
(百万円)
80,000
250,000
その他の玩具
200,000
60,000
150,000
ぬいぐるみ
40,000
100,000
20,000
50,000
動物・キャラクター玩具
人 形
0
0
2000
2001
2002
2003
2004
2000
(年)
2001
2002
金 額
2003
2004
(年)
数 量
2000
2001
2002
2003
2004
2000
2001
2002
2003
2004
ぬいぐるみ
34,367
35,936
37,114
40,233
36,506
28,320
26,019
27,400
30,937
29,416
動物・キャラクター玩具
18,840
17,137
21,138
22,593
20,642
15,824
13,170
18,339
18,949
17,521
人 形
11,806
13,135
15,452
14,913
15,780
9,610
9,570
11,454
11,533
11,334
模 型
10,970
12,272
14,771
13,695
13,795
9,725
9,419
10,792
10,500
10,992
4,536
3,823
3,825
3,921
3,687
9,307
7,911
8,325
9,097
8,879
車輪付き玩具
原動機付き玩具
13,298
16,979
18,043
16,381
16,244
13,920
14,832
14,665
15,137
17,988
その他の玩具
43,102
52,124
57,052
57,045
64,246
57,630
62,870
69,183
73,589
79,444
ゲーム類
5,429
7,193
6,349
4,679
3,984
3,940
4,249
4,367
4,516
4,586
娯楽用品
5,836
6,128
5,671
4,937
4,988
7,178
7,138
7,098
6,234
6,405
ボール類
4,081
5,677
6,330
5,665
5,712
3,201
3,883
4,748
4,837
4,711
合 計
152,266 170,404 185,745 184,062 185,583 158,655 159,061 176,372 185,327 191,275
単位:金額=百万円、数量=トン
出所:財務省「貿易統計」
図表5 2004年における品目別輸入動向
金額ベース
金 額
数量ベース
前年比
数 量
構成比
平均単価
前年比
2003年
2004年
ぬいぐるみ
36,506
19.7%
90.7
29,416
15.4%
95.1
1,300
1,241
動物・キャラクター玩具
20,642
11.1%
91.4
17,521
9.2%
92.5
1,192
1,178
人 形
15,780
8.5%
105.8
11,334
5.9%
98.3
1,293
1,392
模 型
13,795
7.4%
100.7
10,992
5.7%
104.7
1,304
1,255
3,687
2.0%
94.0
8,879
4.6%
97.6
431
415
原動機付き玩具
16,244
8.8%
99.2
17,988
9.4%
118.8
1,082
903
その他の玩具
64,246
34.6%
112.6
79,444
41.5%
108.0
775
809
ゲーム類
3,984
2.1%
85.1
4,586
2.4%
101.6
1,036
869
娯楽用品
4,988
2.7%
101.0
6,405
3.3%
102.7
792
779
ボール類
5,712
3.1%
100.8
4,711
2.5%
97.4
1,171
1,212
合 計
185,583
100.0%
100.8
191,275
単位:金額=百万円、数量=トン、前年比=%、平均単価=kgあたり円
100.0%
車輪付き玩具
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
118
構成比
103.2
993
970
出所:財務省「貿易統計」
B-8. 玩具・ゲーム類
(2) 対日輸出国別内訳及びASEANのポジショニング
玩具・ゲーム類では中国が圧倒的なシェアを占めており、2004年には金額の84.3%(1,564億円)、数量の88.3%
(16万8,964トン)を独占して、そのシェアを一段と高めている。大きく離れてこれに続くのもタイ(56.0億円、3.0%)、台
湾(35.9億円、1.9%)といったアジア諸国/地域であり、米国やEU諸国から直接輸入されるものは、金額ベースでも合
計6.2%(EU 81.3億円、米国33.6億円)に減少している。ぬいぐるみをはじめ、ほとんどの玩具の生産は典型的な労働
集約型で、設備や高度な技術力をあまり必要とせず、生産コストのうちかなりの部分を人件費が占めるほど手間がかか
る。また、機械玩具などは日本から金型や技術指導を受け、現地の原材料と労働力を使って作られた製品が輸入され
ている。一方、数は少ないものの米国、EU諸国からはデザインや色彩に優れ、インテリア用品としての価値もある玩具・
ゲーム類が輸入されている。近年は米国が主力とする遊戯カードでの減少がひびき、減少傾向にあるのに対して、ドイ
ツからの輸入が増えており、根強い人気をもつ高級ぬいぐるみや鉄道模型だけでなく、多彩な商品が輸入されている。
図表6 玩具・ゲーム類の主要対日輸出国・地域
(百万円)
200,000
[2004 年の輸入金額構成]
[主要国の輸入金額推移]
その他
6.5%
中 国
150,000
100,000
ASEAN
4.9%
EU
4.4%
中 国
84.3%
50,000
タ イ
0
2000
2001
2002
2003
2004
(年)
2000
金 額
2001
金 額
2002
金 額
金 額
数 量
117,268
134,460
149,877
153,526
162,483
156,361
84.3%
168,964
88.3%
925
タ イ
6,351
6,144
5,984
5,567
6,199
5,595
3.0%
6,621
3.5%
845
台 湾
4,850
4,756
4,864
4,081
4,340
3,594
1.9%
3,909
2.0%
919
米 国
5,250
5,201
5,609
4,537
2,051
3,360
1.8%
1,838
1.0%
1,828
ドイツ
1,744
1,996
2,466
2,402
738
2,531
1.4%
735
0.4%
3,444
韓 国
3,356
3,077
3,511
3,262
3,546
2,320
1.3%
2,623
1.4%
885
フィリピン
1,350
1,625
1,256
1,213
937
1,792
1.0%
1,243
0.6%
1,442
中 国
その他
2003
2004
金 額
数 量
平均単価
12,098
13,147
12,178
9,474
5,035
10,031
5.4%
5,342
2.8%
1,878
合 計
152,266
170,404
185,745
184,062
185,327
185,583
100.0%
191,275
100.0%
970
(E U)
8,348
9,969
9,430
7,547
2,820
8,132
4.4%
3,106
1.6%
2,618
(ASEAN)
10,266
9,906
9,161
8,280
単位:金額=百万円、数量=トン、平均単価=kgあたり円
8,417
9,095
4.9%
9,252
4.8%
983
出所:財務省「貿易統計」
さらに細かくみると、中国のシェア(金額ベース)が特に高く90%を超える品目として、ぬいぐるみ(96.0%、350億円)
を筆頭に、動物・キャラクター玩具(93.1%、192億円)、人形(92.6%、146億円)、玩具セット(90.4%、45億円)があげ
られる。中国以外の国がトップを占めるのは唯一、遊戯用カードに限られ、年々減少しているとは言え、今も米国から直
接輸入されるものが多くを占める(62.1%、14.6億円)。また、中国のシェアが50%に満たず、他の国々との競合関係に
ある品目として、模型(上位国はタイ、デンマーク、韓国、フィリピン)、ボール類(タイ、パキスタン)があげられる。(⇒図
表7)
ASEANの玩具・ゲーム類の対日輸出は、このところ中国に押されて減少し続けていたが、2004年にようやく底を打ち、
前年の82.8億円から91.0億円(シェア4.9%)にまで回復している。主力とする模型(27.7億円)、ボール類(17.0億円)
ではそれぞれ20.0%、29.7%と、かなり高いシェアを有し、模型ではタイ、フィリピン、ボール類ではタイ、ベトナムが上位
に位置している。また、フィリピンやマレーシアを中心に、原動機付き玩具の伸び(5.6億円→8.5億円)も目立つ。一方、
2000年に20億円を超えていたぬいぐるみの対日輸出が2004年には7.2億円にまで減少し、「脱ぬいぐるみ」化が著し
い。ぬいぐるみ・人形から、模型・原動機付き玩具へと輸出構造を変革し、その成果が目立つのがフィリピンであり、マレ
ーシアも模型や遊戯用カードの対日輸出額をかなり増やしている。対照的に、インドネシアはぬいぐるみに替わる商材
に乏しく、この5年間に13.3億円から2.0億円へと急降下している。(⇒図表7、8)
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
119
B-8. 玩具・ゲーム類
図表7 主な品目別主要対日輸出国・地域 (2004年、金額ベース)
ぬいぐるみ
国 名
金 額
シェア
35,029
96.0%
第1位
中 国
第2位
ドイツ
423
第3位
タ イ
408
第4位
ベトナム
161
第5位
インドネシア
(ASEAN全体)
人
前年比
平均単価
国 名
91.6
1,217 中 国
1.2%
93.9
10,712 スペイン
1.1%
64.5
1,102 ドイツ
0.4%
83.2
111
0.3%
720
2.0%
14,617
前年比
平均単価
106.3
1,328
275
1.7%
110.4
12,864
179
1.1%
93.2
11,414
2,238 フィリピン
134
0.8%
69.2
1,007
60.2
1,723 米 国
130
0.8%
101.0
4,166
68.3
1,389
329
2.1%
88.9
1,505
原動機付き玩具
金 額
シェア
前年比
平均単価
国・地域名
金 額
19,225
93.1%
89.2
1,195 中 国
13,842
シェア
85.2%
前年比
97.7
平均単価
821
806 台 湾
976
6.0%
101.2
3,833
第1位
中 国
第2位
タ イ
897
4.3%
172.0
第3位
イタリア
176
0.9%
156.3
1,090 フィリピン
430
2.6%
178.6
1,484
第4位
ドイツ
102
0.5%
112.6
3,050 マレーシア
297
1.8%
776.6
999
第5位
チェコ
92
0.4%
134.5
2,017 米 国
122
0.8%
58.8
4,944
(ASEAN全体)
912
4..4%
168.2
854
5.3%
153.3
1,231
812
車輪付き玩具
国・地域名
金 額
シェア
模
前年比
平均単価
国 名
金 額
型
シェア
前年比
平均単価
第1位
中 国
2,594
70.4%
104.4
383 中 国
5,512
40.0%
106.7
1,034
第2位
台 湾
507
13.8%
65.1
497 タ イ
1,783
12.9%
85.2
745
第3位
韓 国
345
9.4%
87.7
448 デンマーク
1,565
11.3%
94.8
2,088
第4位
タ イ
45
1.2%
226.8
510 韓 国
1,063
7.7%
59.6
1,427
第5位
ドイツ
45
1.2%
101.2
1,346 フィリピン
966
7.0%
170.4
1,520
(ASEAN全体)
45
1.2%
146.5
2,765
20.0%
103.6
897
510
玩具セット
国・地域名
金 額
シェア
第1位
中 国
4,527
90.4%
第2位
台 湾
96
第3位
タ イ
94
第4位
デンマーク
第5位
ドイツ
(ASEAN全体)
その他の玩具
前年比
平均単価
国・地域名
金 額
シェア
前年比
平均単価
83.9
560 中 国
49,868
88.5%
1.9%
98.3
492 台 湾
1,108
2.0%
86.0
893
1.9%
122.3
535 ドイツ
1,001
1.8%
114.0
2,830
69
1.4%
133.3
1,125 米 国
884
1.6%
89.0
989
51
1.0%
115.2
1,768 タ イ
826
1.5%
97.9
665
108
2.2%
116.4
1,291
2.3%
105.8
715
554
遊戯用カード
国・地域名
金 額
シェア
119.7
826
テーブルゲーム用具
前年比
平均単価
国・地域名
金 額
シェア
前年比
平均単価
第1位
米 国
1,463
62.1%
65.1
2,438 中 国
1,433
88.1%
95.4
557
第2位
中 国
361
15.3%
108.6
441 韓 国
57
3.5%
66.1
2,144
第3位
マレーシア
249
10.6%
全増
6,808 米 国
31
1.9%
84.1
2,511
第4位
台 湾
91
3.9%
317.2
342 台 湾
29
1.8%
109.4
735
第5位
韓 国
73
3.1%
376.7
935 ドイツ
29
1.8%
67.5
2,044
252
10.7%
2398.3
8
0.5%
43.2
744
(ASEAN全体)
5,168
娯楽用品
国・地域名
金 額
シェア
ボール類
前年比
平均単価
第1位
中 国
4,381
87.8%
100.3
第2位
台 湾
169
3.4%
88.0
第3位
ドイツ
83
1.7%
137.8
第4位
米 国
83
1.7%
68.2
第5位
フィリピン
44
0.9%
143.7
67
1.3%
131.4
1,239
(ASEAN全体)
単位:金額=百万円、前年比=%、平均単価=kgあたり円
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
120
形
シェア
92.6%
動物・キャラクター玩具
国 名
金 額
国・地域名
719 中 国
金 額
シェア
前年比
平均単価
2,514
44.0%
94.6
1,104
1,341
23.5%
136.1
1,275
4,034 パキスタン
896
15.7%
130.7
1,820
3,111 ベトナム
297
5.2%
81.8
1,437
1,304 台 湾
229
4.0%
92.6
622
1,698
29.7%
107.5
1,048
1,756 タ イ
出所:財務省「貿易統計」
B-8. 玩具・ゲーム類
図表8 ASEANからの国別/品目別輸入の推移
[金額推移]
(百万円)
12,000
10,206
9,906
10,000
[数量推移]
(トン)
12,000
9,161
10,023
9,095
10,000
8,280
8,000
8,000
6,000
6,000
4,000
4,000
2,000
2,000
0
9,252
8,686
8,796
8,417
2001
2002
2003
0
2000
2001
2002
2003
2004
2000
2004
ぬいぐるみ
動物・キャラクター玩具
人 形
模 型
車輪付き玩具
ASEAN 原動機付き玩具
合計 その他の玩具
ゲーム類
娯楽用品
ボール類
合 計
全体に占めるシェア
2000
2,182
575
471
2,846
55
757
1,833
8
92
1,387
10,206
6.7%
2001
1,869
1,040
486
2,980
92
387
1,342
16
87
1,607
9,906
5.8%
金 額
2002
1,417
980
442
2,483
69
353
1,639
57
73
1,650
9,161
4.9%
2003
1,055
541
370
2,670
31
557
1,406
29
51
1,568
8,280
4.5%
2004
720
912
329
2,765
45
854
1,444
260
67
1,698
9,095
4.9%
2000
1,373
460
202
3,841
90
603
2,271
16
117
1,050
10,023
6.3%
2001
891
805
206
3,141
198
279
1,805
33
83
1,244
8,686
5.5%
数 量
2002
751
1,168
229
2,683
145
253
2,171
49
62
1,285
8,796
5.0%
2003
659
616
273
3,035
64
398
2,063
34
68
1,207
8,417
4.5%
2004
519
1,123
219
3,082
89
693
2,061
59
76
1,332
9,252
4.8%
平均単価
2004
1,389
812
1,505
897
510
1,231
701
4,381
890
1,274
983
ぬいぐるみ
動物・キャラクター玩具
人 形
模 型
車輪付き玩具
原動機付き玩具
タ イ
その他の玩具
ゲーム類
娯楽用品
ボール類
合 計
全体に占めるシェア
ぬいぐるみ
動物・キャラクター玩具
人 形
模 型
原動機付き玩具
フィリピン その他の玩具
ゲーム類
娯楽用品
ボール類
合 計
全体に占めるシェア
原動機付き玩具
その他の玩具
マレー
ゲーム類
シア
その他
合 計
533
551
48
2,222
54
617
1,367
5
16
938
6,351
4.2%
267
17
278
605
73
42
1
57
10
1,350
0.9%
63
241
40
344
535
1,011
87
2,332
31
200
928
7
24
990
6,144
3.6%
451
7
247
634
141
58
61
25
1,625
1.0%
45
223
27
295
657
951
81
1,889
14
147
1,252
4
3
986
5,984
3.2%
164
12
187
581
190
41
62
20
1,256
0.7%
15
241
11
3
270
631
521
29
2,093
20
276
993
5
14
985
5,567
3.0%
46
4
193
567
241
108
31
23
1,213
0.7%
38
204
1
8
251
408
897
24
1,783
45
121
960
5
11
1,341
5,595
3.0%
40
5
134
966
430
160
0
44
13
1,792
1.0%
297
217
249
10
773
237
428
23
3,339
87
540
1,882
15
38
594
7,183
4.5%
152
24
103
450
22
17
0
49
11
828
0.5%
39
237
35
311
268
767
16
2,658
59
199
1,337
24
34
702
6,064
3.8%
102
10
115
459
69
33
49
19
855
0.5%
10
178
29
217
341
1,127
39
2,185
22
152
1,713
13
3
743
6,338
3.6%
48
6
114
467
90
35
46
14
820
0.5%
10
207
15
1
233
443
578
23
2,535
34
192
1,632
12
28
720
6,199
3.3%
13
4
175
456
178
70
29
12
937
0.5%
22
195
1
7
225
370
1,102
1,113
806
11
2,158
2,395
745
89
510
97
1,246
1,467
654
14
375
14
806
1,051
1,275
6,621
845
3.5%
12
3,245
2
2,296
133
1,007
635
1,520
290
1,484
129
1,240
0
1,646
34
1,304
7
1,870
1,243
1,442
0.6%
297
999
290
750
37
6,808
16
625
640
1,206
(次頁に続く)
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
121
B-8. 玩具・ゲーム類
2000
425
63
36
250
2001
383
65
131
392
金 額
2002
356
75
104
403
2003
193
88
107
363
2004
161
120
101
297
2000
273
42
83
156
2001
214
32
265
227
数 量
2002
182
25
221
240
2003
105
45
186
215
2004
72
46
161
206
32
806
953
73
119
181
75
1,046
499
84
10
182
79
1,017
238
99
16
237
33
784
184
58
6
194
23
702
111
36
7
43
71
625
706
32
32
279
161
899
306
42
6
274
177
845
180
51
29
285
78
629
98
29
11
257
64
549
64
28
11
64
5
1,331
6
781
3
593
6
448
6
203
10
1,059
11
639
7
552
19
414
17
184
359
1,281
1,723
1,279
605
673
353
1,106
カンボジア
1
-
0
-
15
3
-
0
-
0
46,252
シンガポール
22
15
41
13
12
12
11
8
5
8
1,460
ミャンマー
0
2
3
2
9
8
355
ラオス
ブルネイ
-
-
-
-
-
-
-
ぬいぐるみ
人 形
その他の玩具
ベトナム
ボール類
その他
合 計
ぬいぐるみ
人 形
インド その他の玩具
ネシア ボール類
その他
合 計
-
-
-
-
単位:金額=百万円、数量=トン、平均単価=kgあたり円
平均単価
2004
2,238
2,604
627
1,437
出所:財務省「貿易統計」
(3) 国内市場における輸入品のシェア
国内生産と貿易統計上の品目間の整合性がとれないため、正確な輸入品のシェアは算出することはできない。参考ま
でに玩具の出荷数量および金額(輸出を含む)の推移は以下の図表9のように示される。玩具市場では特に電子応用
玩具への集中度を高めてきたが、その電子応用玩具が2001年の8,864億円をピークに、2004年には2,199億円にまで
急落している。その他の玩具は合計でも322億円、全体の12.8%を占めるにすぎず、電子応用玩具の落ち込みが玩具
全体に直結する構造である。携帯電話機のゲーム機能の飛躍的充実などで電子応用玩具の国内需要が低迷し、中国
における委託生産の増加に伴って国内生産が減少していることに加え、世界市場でも中国製品との価格競争が激化し
ており、日本製電子玩具の競争力が急速に衰えてきていることを物語る。
図表9 玩具の出荷の推移(参考)
金
2002
電子応用玩具
電動玩具
671,953
2003
額
2004
264,789 219,869
数
前年比
構成比
量
2002
2003
2004
前年比
構成比
83.0
87.2%
136,548
116,052
114,220
98.4
63.3%
2.8%
5,474
6,412
6,096
95.1
2.4%
4,548
5,352
5,014
93.7
986
1,059
896
84.6
0.4%
1,452
1,464
1,374
93.9
0.8%
32,228
27,572
25,175
91.3
10.0%
98,076
71,820
59,813
83.3
33.2%
138
41
n.a.
-
-
348
66
n.a.
-
-
合 計
710,779 299,872 252,036
単位:金額=百万円、数量=千点、前年比=%
84.0
ゼンマイ、フリクション玩具類
プラスチック製玩具
布帛製玩具
100.0% 240,972 194,754 180,421
92.6 100.0%
出所:「繊維・生活用品統計年報」(国内出荷、輸出を含む)
なお、ゲームおよびパズルの国内市場規模を示す公的統計は存在しないが、(社)日本玩具協会によると、ゲーム、カ
ードゲーム・トレーディングカード、ジグソーパズルの総額は2004年度時点で943億円と推定されている(⇒図表1)。玩
具に比べて市場規模は小さいものの、近年はTVゲームや電子玩具が低迷する一方で、ジグソーパズル、カードゲーム、
ボードゲームといったアナログ系玩具が一定の需要を確保している。ゲームおよびパズル市場での輸入品のシェアは
10%程度と推定され、このうち、欧米の伝統的ゲームでは輸入品のシェアが比較的高く、例えばダーツは半分以上が
輸入品である。一方、ジグソーパズルについてはかつて欧米からの輸入品が市場の60%以上を占めた時期もあったが、
現在では国産品がほとんどで、輸入品のシェアは小さい。しかし、中間材として白無地のパズルを輸入し、日本で印刷
して売り出すといった形態は増加している。
3. 対日輸出における留意点
(1) 日本における輸入時の規制・手続き
玩具・ゲーム類の輸入に際しては、原則的には規制はない。ただし、一部の乳幼児用玩具に関しては「食品衛生法」
の規制を受ける。また、一部の電動式おもちゃや、電動で電灯線を使用する遊戯盤等のゲーム類については「電気用
品安全法」の規制を受ける。ぬいぐるみなどで特殊な材質(例えば希少動物の羽毛や皮革など)を使用している場合に
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
122
B-8. 玩具・ゲーム類
は、ワシントン条約に基づき「外国為替及び外国貿易法」の規制を受ける可能性がある。 詳しくは経済産業省 貿易経
済協力局 貿易管理部 貿易審査課に照会のこと。
なお、有名ブランド品等の偽物や模倣品の輸入は関税定率法で禁止されているため、関税法に基づき税関で没収・
廃棄等の処分が行われた上、場合によっては輸入者等に罰金、懲役などの罰則が科せられる。
1) 食品衛生法
食品衛生法の適用対象となる、乳幼児用玩具を輸入する場合には「食品等輸入届出書」に必要書類を添付の上、
通関しようとする海空港を管轄する検疫所の輸入食品監視担当窓口に提出して審査を受けなければならない。「輸入
届出書」の審査の結果、衛生検査が必要とされたものは、保税地域内で検査が行われ、輸入の可否が判定される。玩
具の場合は、重金属・ヒ素等の溶出試験等が検査される。
なお、事前に厚生労働大臣登録検査機関あるいは輸出国の公的検査機関において自主的に検査をしておくと、そ
の結果は検疫所の行なう衛生検査と同等に取り扱われ、その検査項目については衛生検査が省略されるため、輸入
手続きが迅速に行われる。また、コンピュータによる届出を希望する場合は、輸入手続きを電子化した「輸入食品監視
支援システム(FAINS)」を利用することができる。所要のハード、ソフトを備えて、厚生労働大臣に申込み、暗証番号
を取得することが必要である。
図表10 食品衛生法に基づく輸入検査手続き
事 前 の 輸 入 相 談
事前の情報入手(製造方法、添加物の使用等)
事前の検査(輸出国公的検査機関、厚生労働大臣登録検査機関)
検 疫 所 へ の 届 出
(食品等輸入届出書の提出等)
審
検査を要する貨物
不合格
積戻し・廃棄
合 格
査
検査を要しない貨物
届出済証または
合格証の受取り
税 関 申 告
2) 電気用品安全法
同法に基づき、販売を目的として電熱式おもちゃ、電動式おもちゃ、その他の電動力応用の遊戯器具、電子応用遊
戯器具等を輸入する場合には、事業の開始の日から30日以内に型式区分を明記した「電気用品輸入事業届出書」を
所轄の経済産業局長(事業所が複数地域にわたる場合は経済産業大臣)に提出しなければならない。
3) 関税定率法・関税法
同法に基づき、知的財産権を侵害する玩具・ゲーム類は輸入することができない。ぬいぐるみなどで著作権者の許
諾を受けずにキャラクターを使用したものや、商標権者等の許諾を受けずに登録商標(ブランドマーク等)やキャラクタ
ーの名称をぬいぐるみに使った模倣品は、著作権・商標権などを侵害しているとみなされ、原則として税関で没収され
る。なお、並行輸入品の場合は、その輸入業者・販売業者が商標権を持っていない場合でも、商品が真正商品であれ
ば商標権を侵害しないものとして取り扱われ、輸入は可能となっている。
2003年4月の関税定率法改正により、輸入差止申し立て制度の対象に、特許権、意匠権、実用新案権などが追加
され、2004年4月からは模倣品の製造業者、輸出・輸入業者情報を権利者に開示し、権利者が輸入業者を訴訟など
で追及できるようになった。さらに2006年3月には商標権、意匠権等に登録されていなくとも、紛らわしい商品、偽ブラ
ンド品、形態をコピーした商品など不正競争防止法にかかる物品を税関での取締り対象とすることが決定しており、模
倣品対策が強化されている。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
123
B-8. 玩具・ゲーム類
(2) 日本における販売時の規制・手続き
玩具・ゲーム類の販売に際しては、原則的には規制はない。ただし、一部の電動式玩具やゲーム類については「電気
用品安全法」の規制を受ける。また、玩具類の一部については、都道府県の「青少年保護条例」の規制を受ける場合が
ある。ぬいぐるみなどの販売に際しては「著作権法」、「商標法」、「意匠法」、「不正競争防止法」などにより、知的財産権
の権利者の権利が保護されている。例えばキャラクターを模倣した偽物などを販売したり、広告宣伝にキャラクターや商
標を勝手に使用すると、権利者より権利の侵害とみなされ提訴される場合がある(民事だけでなく刑事告発もありうる)。
また、希少動物の毛皮や皮革などを使用している場合には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法
律」の規制を受ける可能性がある。詳しくは環境省 自然環境局 野生生物課へ照会のこと。
その他、容器包装に関して、識別表示については「資源有効利用促進法(資源の有効な利用に関する法律)」の規制
を、再商品化については「容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)の
規制(一定の小規模事業者は適用から除外)を受ける場合がある。対象となる容器包装、特定事業者の範囲、表示方
法など、詳細は下記所轄官公庁に問い合わせのこと。
1) 電気用品安全法
同法で指定された電気用品は、同法の技術基準に適合していることを自己確認し、検査記録を作成保存する義務
がある(⇒図表11)。また、技術基準に適合する旨を示すPSEマークを表示したものでなければ販売することができな
い。(⇒3.(3) 表示規制)
【特定電気用品】
玩具に使用する電源コードおよびプラグ、アダプター、おもちゃ用変圧器、電熱式おもちゃ、電動式おもちゃ、その他の
電動力応用遊戯器具、電気乗り物
特定電気用品には検査機関による適合性検査を受けることが義務づけられる。海外のメーカーは自国の登録検査機
関で適合性検査に相当する検査を受けることができ、また、同一の型式区分の特定電気製品を同一メーカーから輸
入する場合には、その合格書面のコピーがあればよい。なお、特定機器相互承認法(MRA法)によって、欧州共同
体及びシンガポールと、技術適合性評価の結果の相互承認が導入されている。
【特定電気用品以外の電気用品】
電気オルゴール、電子応用遊戯器具など
上記の電気用品を輸入販売しようとする業者は、技術基準適合義務(自己確認)と製造者名等やマークの表示義務
がある。
図表11 「電気用品安全法」の手続き
<特定電気用品以外>
製造業者
輸入業者
<特定電気用品>
事 業 開 始 届 出
検査機関による適合性検査 受検義務
経済産業省
自主検査による技術基準適合義務
検査記録の作成保存義務
事業者によるマーク表示義務
販
売
2) 都道府県の青少年保護条例
玩具類の中には、全国の都道府県において制定されている「青少年保護条例」により、有害玩具に指定されている
ものがある。これについては、18歳未満の青少年への販売、貸与、贈与と自動販売機での販売が禁止されている。具
体的な商品名については関係各都道府県に問い合わせのこと。
(注1) 有害玩具とは18歳未満の青少年が使用することは青少年の健全育成上、好ましくないと判断される玩具のことである。
(注2) この条例の名称および担当部署は各都道府県によって多少異なることがある。(例) 東京都「青少年の健全な育成に関す
る条例」
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
124
B-8. 玩具・ゲーム類
(3) 日本における販売時の表示規制
1) 法律に基づく義務表示
① 電気用品安全法
同法に基づき、対象となる電気用品については製造業者名等とPSEマークの表示が、さらに特定電気用品につい
ては、適合性検査証明書の交付を受けた検査機関名の略称の表示が義務づけられている。これらに加え、品目ごと
に表示すべき事項(定格電圧、定格消費電力等)が定められている。
PSEマーク
(特定電気用品)
特定電気用品以外の表示例
PSEマーク
(特定電気用品以外)
型 名
定格電圧
100V
定格消費電力
100W
製造番号 7Y ○○○○
○○○株式会社
② 資源有効利用促進法
(表示例)
同法に基づき、一定の容器包装については分別回収促進のための識別
表示をすることが義務づけられている。個包装、ラベル、外箱などに紙やプラ
スチック製包装材を使用した場合、容器包装の1ヵ所以上に決められた様式
で識別マークを表示する必要がある。
タッグ
外 箱
2) 法律に基づく任意表示
玩具・ゲーム類に関する法律に基づく任意表示は特にない。
3) 業界自主表示
① SG マーク
乳幼児用製品のうち、ぶらんこ・すべり台・幼児用鉄棒・幼児用三輪車・足踏式自動車・一人
乗り用ぶらんこについては、(財)製品安全協会が実施しているSG(Safety Goods)マーク制度
の対象品目となっている。任意により検査を受け、これに合格したものについてはSGマークを貼
付することができる。なお、SGマークが表示された製品の欠陥により万一人身事故が起こった場
合は、被害者1人につき最高一億円までの賠償金が支払われる。ただし、この保証は対人につ
いてのみ有効となっている。詳しくは下記に問い合わせのこと。
問い合わせ先:(財)製品安全協会
TEL:03-5255-3631
http://www.sg-mark.org
② ST マーク制度
STマークは(社)日本玩具協会が、安全基準に合格した玩具に表示するも
のである。玩具安全基準は対象年齢が14歳までの子供用玩具に適用される。
STマークを取得するには(社)日本玩具協会に申し出て、商品について指定
検査機関で安全基準を満たしているかの検査を受け、合格すれば番号が発
行され、マーク表示できる。マーク表示の際には、パッケージにメーカー名、
対象年齢を表示しなければならない。マーク使用契約の期間は1年間で、以
後は毎年更新する。なおSTマークには、万一の場合、損害賠償措置がある。
詳しくは下記に問い合わせのこと。
目や耳の不自由な子たちも一緒に遊べるよう配慮が施された「共遊玩具」
を示すマークとして、「盲導犬マーク」、「うさぎマーク」がある。これはSTマー
クのついた玩具を対象としており、「共遊玩具」の配慮点に関するガイドライ
ンを満たしているかどうかについて(社)日本玩具協会の審査を受け、合格し
たものについて番号が発行され、マーク表示することができる。詳しくは(社)
日本玩具協会に問い合わせのこと。
問い合わせ先:(社)日本玩具協会
TEL:03-3829-2513
SGマーク
STマーク
ST番号
(JANコード)
玩具安全基準合格
4912345 6789044
05
西暦年の
下2桁
(社)日本玩具協会
東京都墨田区東駒形 4-22-4
盲導犬マーク
うさぎマーク
http://www.toys.or.jp
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
125
B-8. 玩具・ゲーム類
③ 安全認証マーク(S マーク)
民間の第三者機関が、電気製品に対して一定の水準以上の安全性が確保されたことを認証する第三者認証制度
がある。第三者認証機関が、個々の製品の安全試験や工場の品質管理体制の確認を行い、安全性を確認した製品
に安全認証マークを表示している。
【第三者認証機関の一例】
(財)電気安全環境研究所 (JET) 東京事業所
(財)日本品質保証機構 (JQA) 安全電磁センター
(株)ユーエルエーペックス
テュフラインランドジャパン(株)
JET マーク
JQA マーク
TEL:03-3466-5234
TEL:03-3416-5551
TEL:0596-24-8092
TEL:045-470-1850
UL APEX
http://www.jet.or.jp
http://www.jqa.jp
http://www.ulapex.jp
http://www.jpn.tuv.com
テュフラインランド
(4) 新規参入時の留意点
【玩具全般】
①
玩具は極めて多品種であり、かつ流行の波が激しく、商品のライフサイクルが短い。日本市場に新しく参入しようとす
る海外メーカーは、消費者ニーズを先取りするための情報収集力、市場分析力、商品企画力が要求される。最新のト
レンドをよく研究し、多品種少量発注に備えなければならない。
②
シ-ズン性の強い玩具の場合には、その時期を逃すと販売が難しい。日本の主な販売時期は、クリスマスを含む年
末年始、もしくは4月新学期から5月5日の子供の日である。
③
日本の消費者は品質及び安全性に対して、非常に厳しい判断基準をもっている。玩具は基本的に子供が使用する
ものだけに、品質及び安全性の管理には厳重な注意が必要である。
④
日本では、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に害を及ぼしたことが証明された場合、製造業者等の損害
賠償責任について定め、被害者の保護を図る「PL(製造物責任)法」が制定されている。輸入品の場合は、輸入者が
その責任を負うことになるので、品質管理はもちろん取扱説明書・注意表示等に留意することが必要である。
⑤
玩具の場合、大半が輸入業者から問屋を通して小売店に商品が供給されている。店頭での売り場を確保するにあた
っては、問屋から紹介を受ける場合が多いが、玩具の場合は非常に多品種であるため商品に強力なブーム性または
特徴を含んでいないと取り上げてもらうことは難しい。
【ぬいぐるみ】
欧米諸国からの輸入品は現地メーカーで独自に製造されたものが中心であるのに対し、アジア諸国からの輸入品
の場合は、日本国内で企画した商品の製造委託が多いため、対応できるだけの技術力、生産管理能力、価格競争力
が求められる。一般にぬいぐるみは問屋との新規取引が比較的容易なため、新規参入はしやすいといわれている。
キャラクターぬいぐるみについては、販売用だけでなく、販売促進のために無料配布する景品のぬいぐるみなどにも
知的所有権の問題が発生するので注意する。輸入時に、著作権などの知的財産権を侵害する物品への取締まりが強
化されていること(⇒3.(1) 輸入時の規制)、また並行輸入品については真正品であることなど一定の要件を満たして
いれば通関上の問題はないが、すでにライセンサーなどと日本での独占販売契約を結んでいる者がいる場合は、トラ
ブルが起こる可能性があることなどに留意する。
【ゲーム類】
ゲーム市場に新規参入にあたっての法的規制は特にないが、ゲームは流行による浮き沈みが多い商品である。消
費者ニーズを正しくつかみ、日本で売れ筋となるような商品を輸出するためには、国内外で開催される玩具コンテスト
やゲーム専門雑誌等の情報を収集する必要がある。外国のゲームに日本語のルールブックを付けて販売する場合、
いかに判りやすい説明をつけるかが売上げを大きく左右する。
【アフターサービス】
玩具類のアフターサービスは通常、販売店が窓口となり、販売店、納入業者、輸入業者等のいずれかが対応する。
製品に対する責任は本来メーカーにあるが、輸入品の場合は海外メーカーの代理人として輸入業者が責任をもって
販売し、アフターサービスに対応する義務がある。玩具の場合は、商品的に非常に範囲が広いため、すべての商品に
保証書が添付されているわけではない。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
126
B-8. 玩具・ゲーム類
STマーク付き商品の事故の場合、補償制度が設けられているため、(社)日本玩具協会に申し出ると補償を受けるこ
とができる。現状では、販売店または、メーカーもしくは輸入業者のサービスセンターでの対応が多いが、低価格輸入
品の場合は、対応ができずにそのまま交換する業者が増えている。
図表12 玩具賠償責任補償共済事業の組織図
日本玩具協会
契 約 者
補償委員会
契約金
基金
事故処理
委員会
共済
事業所
補 償
製 造
輸 入
販 売
ST マーク付き
玩具の販売
消費者
事 故
救済(賠償)
賠償請求
(5) 関連品目の留意点
① おもちゃ花火
おもちゃ花火の輸入・販売にあたっては「火薬類取締法」の規制を受ける。
② ぬいぐるみの人形、ぬいぐるみの形をしたかばん、バッグ、ポシェットなど
一般のぬいぐるみと同様、特別な法的規制はない。ただし、キャラクター関連のものは同様に「関税定率法」、「著作権
法」などの規制を受ける。さらにキャラクターぬいぐるみ以外の有名ブランド品等についても、偽ブランド品は「関税定率
法」により商標権等を侵害するとみなされ、輸入できない。並行輸入品についてはキャラクターぬいぐるみと同様である。
③ テレビゲームソフト
法的規制はないが、現在海外からの直輸入はほとんどない。これは日本の製品になじんだ消費者にとって、商品特性や
ゲームに対する考え方が違う海外の製品は定着しにくいためと思われる。ただしゲームのシステムを日本で設計し、製品
を海外で生産することは広く行われている。
(6) 関連法規制の所轄官公庁
関税定率法・関税法
財務省 関税局 業務課
TEL:03-3581-4111 (代)
http://www.mof.go.jp
食品衛生法
厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 監視安全課 輸入食品安全対策室
TEL:03-5253-1111 (代)
FAX:03-3503-7964 (直通)
http://www.mhlw.go.jp
電気用品安全法
経済産業省 商務情報政策局 消費経済部 製品安全課
TEL:03-3501-1511 (代)
http://www.meti.go.jp
外国為替及び外国貿易法(輸入貿易管理令)
経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 貿易審査課
TEL:03-3501-1511 (代)
http://www.meti.go.jp
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
環境省 自然環境局 野生生物課
TEL:03-3581-3351 (代)
FAX:03-3581-7090 (直通)
http://www.env.go.jp
著作権法
文化庁 長官官房 著作権課
TEL:03-5253-4111 (代)
http://www.bunka.go.jp
商標法
特許庁 審査業務部 商標課
TEL:03-3581-1101 (代)
http://www.jpo.go.jp
意匠法
特許庁 審査業務部 意匠課
TEL:03-3581-1101 (代)
http://www.jpo.go.jp
不正競争防止法
経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室
TEL:03-3501-1511 代)
http://www.meti.go.jp
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
127
B-8. 玩具・ゲーム類
青少年保護条例
(例) 東京都:生活文化局 都民協働部 青少年課
TEL:03-5321-1111 (代)
資源有効利用促進法/容器包装リサイクル法
経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課
TEL:03-3501-1511 (代)
http://www.meti.go.jp
環境省 廃棄物・リサイクル対策部 企画課 リサイクル推進室
TEL:03-3581-3351 (代)
FAX:03-3593-8262 (直通)
http://www.env.go.jp
4. 日本の関税・消費税
(1) 関 税
玩具・ゲーム類の関税率は以下の図表13のとおりである。品目の素材、形状、相手国によって関税率が異なるため、
事前に関税分類や関税率等を確認する場合、税関に対して口頭・文書・Eメールで照会を行い、回答を受けることがで
きる「事前教示制度」を利用すると便利である。
問合わせ先:税関ホームページ
http://www.customs.go.jp
【特恵関税制度】
玩具・ゲーム類のなかには特恵関税が適用されるものもある。特恵受益国から対象となる物品を輸入し、特恵関税の適用
を受けようとする場合には、特恵受益国の税関などが発給する「特恵原産地証明書」を添付する必要がある(総価額が20万
円以下の場合は不要)。詳細は財務省 関税局へ確認のこと。なお、ASEAN諸国の関税率適用状況は以下のとおりであ
る。
適用税率
LDC特恵税率
一般特恵税率
日星協定税率
WTO協定税率
国 名
ミャンマー、カンボジア、ラオス
タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム
シンガポール
ブルネイ
図表13 玩具・ゲーム類の関税率
税
品
HS番号
9501
9502
10
91
99
9503
10
-010
-020
20
-010
-020
30
-010
-020
41
-010
-020
49
-011
-012
-019
-020
名
車輪付き玩具 (幼児用三輪車など)、人形用乳母車
人形 (人間を模したものに限る)
・人形(服を着せてあるかないかを問わない)
部分品及び附属品
・人形の衣類、衣類付属品、履物、帽子
・その他のもの
その他の玩具、模型その他これに類する娯楽用模型及びパズル
電気式鉄道車両
・卑金属製又はプラスチック製のもの
・その他のもの
模型の組立てキット
・卑金属製又はプラスチック製のもの
・その他のもの
その他の組立てセット及び組立て玩具
・卑金属製又はプラスチック製のもの
・その他のもの
玩具(人間以外の生物又は動物を模したものに限る)
詰物をしたもの
・紡織用繊維の織物製又はプラスチック製のもの
・その他のもの
その他のもの
・紡織用繊維の織物製のもの
・卑金属製のもの
・プラスチック製のもの
・その他のもの
率
基本
WTO
協定
特恵
3.8%
無税
無税
4.6%
3.9%
無税
4.6%
4.6%
無税
無税
無税
無税
暫定
日星
協定
A
A
A
4.6%
3.4%
無税
無税
無税
無税
4.6%
3.4%
無税
無税
無税
無税
4.6%
3.4%
無税
無税
無税
無税
4.6%
3.4%
3.9%
2.8%
無税
無税
4.6%
4.6%
4.6%
3.4%
無税
無税
無税
無税
無税
無税
無税
無税
(次頁に続く)
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
128
B-8. 玩具・ゲーム類
税
品
HS番号
50
-010
-020
60
-010
-020
70
-010
-020
80
-011
-012
-015
-020
90
-011
-012
-019
-020
9504
40
90
-010
9505
10
90
9506.62
9506.69
名
楽器類(玩具に限る)
・紡織用繊維の織物製、卑金属製又はプラスチック製のもの
・その他のもの
パズル
・卑金属製又はプラスチック製のもの
・その他のもの
その他の玩具 (セットにしたもの)
・紡織用繊維の織物製、卑金属製又はプラスチック製のもの
・その他のもの
その他の玩具 (原動機を自蔵するもの)
・紡織用繊維の織物製のもの
・卑金属製のもの
・プラスチック製のもの
・その他のもの
その他のもの
・紡織用繊維の織物製のもの
・卑金属製のもの
・プラスチック製のもの
・その他のもの
遊戯場用、テーブルゲーム用又は室内遊戯用の物品
遊戯用カード
その他のもの
・チェスその他のテーブルゲーム用具並びにその部分品・附属品
祝祭用品、カーニバル用品その他の娯楽用品(奇術用具を含む)
クリスマス用品
その他のもの
ボール(ゴルフ用又は卓球用のボールを除く)
空気入れ式のもの
その他のもの
率
基本
WTO
協定
特恵
4.6%
3.4%
無税
無税
無税
無税
4.6%
3.4%
3.9%
2.8%
無税
無税
4.6%
3.4%
無税
無税
無税
無税
4.6%
4.6%
4.6%
3.4%
3.9%
3.9%
3.9%
2.8%
無税
無税
無税
無税
4.6%
4.6%
4.6%
3.4%
3.9%
3.9%
3.9%
2.8%
無税
無税
無税
無税
3.8%
3.2%
無税
3.8%
無税
無税
3.8%
3.8%
3.2%
3.2%
無税
無税
3.8%
3.8%
3.2%
3.2%
無税
無税
暫定
日星
協定
A
A
A
注1) 日星協定(シンガポールを原産地とする貨物にのみ適用)欄の「A」は、協定の効力発生の日(2002年11月30日)
から関税が撤廃されたことを意味する。
注2) 税率は原則として、日星協定税率、特恵税率、WTO協定税率、暫定税率、基本税率の順に優先して採用される。
ただし、特恵税率は法令で定める要件を満たす場合に限られ、WTO協定税率はそれが暫定税率又は基本税率よ
り低い場合にのみ適用される。表の見方の詳細については、日本関税協会発行「実行関税率表」などを参照のこと
(2) 消費税
(CIF+関税)×5%
5. 関連業界団体
・(社) 日本玩具協会
TEL:03-3829-2513
FAX:03-3829-2510
http://www.toys.or.jp
FAX:03-3591-9152
http://www.cesa.or.jp
・(社) コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会
TEL:03-3591-9151
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
129