コンゴ民主共和国:7 回目の発生で「古典的」エボラを経験してい る

コンゴ民主共和国:7 回目の発生で「古典的」エボラを経験してい
る
Democratic Republic of Congo: “classic” Ebola in a country experiencing its
seventh outbreak
A typical outbreak begins with a woman handling bushmeat brought home
by her husband
WHO、23 September 2014
(仮訳)鹿児島大学名誉教授 岡本嘉六
ギニアにおいてエボラウイルス病の最初の症例が3月23日に発表された直
後、WHOは、世界で最も危険な病原体と安全に取り扱えるように設備と要員が
整っている特別なバイオセーフティ・レベル4の研究所連携網を活性化した。エ
ボラウイルスはそれらの間で維持されており、それらの研究所はコンゴ民主共
和国(DRC)におけるエボラ発生を特徴付け、識別する際に鍵となる役割を果
たす。
典型的な発生は、夫が自宅に持込ん
だ野生獣の肉を調理した女性から始ま
った。
8月24日にWHOは、非常に遠方の
Equateur(赤道州)Jeera郡に位置す
る国の最初の確認症例およびそれに続
く初期発生の通知を受けた。その郡は
首都Kinshasaから約1200キロ離れて
いる。2つの地域を接続する舗装道路は
ない。発生は現在州のBoende地区に集
中している。
伝統的な始まり
感染した野生動物の肉の調理を含む伝統的な方法で始まった流行は、最初は
小さく、13名の死亡を含む24名の疑い症例の大半は最初の症例に対処した医療
従事者であった。最初の症例は、猟師と結婚した若い妊娠中の女性であり、7月
26日に発症したと考えられ、発熱、下痢、および出血の症状が見られた。彼女
はエボラウイルス病で 8月11日に死亡した。
これらの最初の症例の発表は、西アフリカからウイルスが広がったという懸
念にすぐさま火をつけた。WHOは、Recherches Médicales国際センター(仏)
のガボン協力研究所が完全塩基配列データを公表した9月2日に、それらの懸念
を打ち消した。
これは確かに西アフリカと同じエボラザイール株であるが、研究所の報告は
「Boende地区のウイルスは、西アフリカで現在循環している変異株に由来する
ものでは決してない」と指摘した。コンゴ民主共和国のウイルスは、コンゴ民
主共和国のKikwitにおける1995年の流行で採れたウイルスと99%の相同性を示
した。
コンゴ民主共和国における7回目のエボラ発生
現在の流行は、エボラ川に接する広大な地域において1976年にエボラザイ
ール・ウイルスが出現して以来、コンゴで7回目となる。同じ年に南スーダン(そ
の後スーダン)でほぼ同時発生したが、それは異なるエボラウイルス種、スー
ダン株が関与していた。
2014年9月16日までに、この流行は40名の死亡を含め70症例以上まで拡大
した。流行の調査と封じ込めにおける最大の課題の1つは、発生地が遠く離れて
いることである。最も重要な資産の1つは、大統領から保健大臣Félix Kabange
Numbi博士に至る政府高官の関与と尽力によって示されている。
流行の開始時に、保健大臣は自ら状況調査するためにKinshasaから遠方の
Boende区まで困難な道を旅したが、唯一の通信手段は衛星電話であり、道路は
ぬかるんでおり、症例発見と接触者追跡のための移動はWHOに提供されたカヌ
ー、オートバイ、自転車、および数台の四輪駆動車に頼っている。
輸送の課題を乗り越えて
調査と対応の努力は、遠隔の地域を超えて行くいくつか困難な課題との関連
で理解する必要がある。症例は、約54,000の人々が住む密林に覆われた地域社
会で発生している。天気は、非常に熱く、湿気があり、頻繁な雨により中断さ
れた。安全な水の供給を達成するには、道のない森林を通って12キロの旅が必
要である。技術的な要員のための「宿泊施設」は、地面でのキャンプを意味す
る。
最初の調査と封じ込め活動のため、保健省は、WHOコンゴ民主共和国事務
所長Joseph Cabore博士およびJean-Marie Okwo-Bele博士を含むWHOチーム、
ならびにKikwitにおける1995年のエボラ流行を封じ込める手助けをした経験豊
富な発生対応者によって支援された。これらの要員とは別に、対応チームには
10名の疫学者、2名の輸送専門家、国境なき医師団(MSF)の数名の医師および
とくに重要な4名の心理学者が含まれていた。
専用ヘリコプターが国連によって提供されたが、深い森林地域では先ず着陸
スペースを作る必要があった。世界食糧計画は、現場で水と食料の状況の急速
な改善に当っている。WHOは情報技術専門家を配置し、コミュニケーションが
改善されている。その地域で画像を記録するWHOのビデオ撮影者ですら、地域
最初の12床の治療施設の建設の支援に終わった。十分に機能する移動検査室が
設置されている。
症例と死亡の数は、この国におけるエボラウイルス病の最近の発生期間に見
られたのと似た率で増えている。その進展や最終的な制御についての予測は、
この時点ではできない。
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