vol.8 2012(PDF)

Vol.8, 2012
「陸上競技研究紀要」
(Bulletin of Studies in Athletics of JAAF)
投稿規定
陸上競技研究紀要編集委員会
1.投稿資格について
特に制限は設けない.
2.投稿内容および種類について
投稿内容は陸上競技についての理論と実践
に関するもので,内容に応じて,総説,原著,
資料,指導法および指導記録の報告などに分類
される.スタイルは和文,英文のどちらでもよ
い.
投稿論文には上記の投稿種別を明記し,英文
のタイトル , 著者,所属,総説および原著には
要約(150 語以内)をつける.
(注:何らかの理由で英文要約等の作成が困難
な場合は,編集委員会にその旨をご相談くださ
い)
3.採否等について
原稿は査読を行い , 査読結果をもとに採否お
よび掲載順序の決定,校正などは編集委員会が
行う.
4.原稿の書き方について 原稿は原則として,ワードプロセッサーで作
成する.本文は,横 42 文字×縦 38 字で 1 頁と
する.
(1 頁は約 1600 字,
刷り上がり 10 頁以内,
図表もその頁数に含む , すべて白黒にて作成)
英文は,A4 サイズタイプ用紙を使用し,15
枚以内を原則とする.
計量単位は,原則として国際単位系(m,kg,
sec など)とする.
また,英文字および数字は半角とする.
ジの順とする .
例)吉原 礼,武田 理,小山宏之,阿江通
良 (2006) 女子棒高跳選手の跳躍動作のバイ
オメカニクス的分析.陸上競技研究紀要,2:
58-64.
伊藤 宏(1992) 陸上競技の発育・発達.
陸上競技指導教本―基礎理論編―. 日本陸上
競技連盟編,大修館書店,55-72.
同一著者,同発行年の文献を複数引用した場
合は発行年の後に a,b,c をつける.
例) 田中ら(1996 b)は, 6.原稿の提出先
投 稿 原 稿( 本 文, 図 表 な ど ) は, 下 記 へ
E-mail の添付資料として送付するとともに,
プリントしたもの 1 部を郵送する .
〒 150-8050 東京都渋谷区神南 1-1-1 岸記念体育会館3階
日本陸上競技連盟
「陸上競技研究紀要」編集委員会宛
(Tel 03-3481-2300 Fax 03-3481-2449)
E-mail:kiyou @ jaaf.or.jp
7.原稿の締め切り
原稿の締め切りは特に設けず,随時受理し,
査読を行う.
8.その他
本研究紀要に掲載された内容の著作権は公
益財団法人日本陸上競技連盟に帰属する.
(2012 年 10 月 改訂)
5.文献の書き方について
本文中の文献は,著者(発行年)という形式
で表記する.
例) 田中(1996)は 文献は,原則として,本文最後に著者名の
ABC 順で記載する.書誌データの記載方法は,
著者名(発行年),論文名,誌名,巻(号),ペー
あ い さ つ
公益財団法人日本陸上競技連盟
専務理事 尾縣 貢
近代陸上競技の発祥地であるイギリスの首都・ロンドンでのオリンピックは大
いなる盛り上がりを見せた。大会関係者、地元ボランティアのご尽力により歴史
に残る素晴らしい大会となった。オリンピック・レガシーとしてイギリス国内は
もとより、世界中で長く語り継がれることであろう。
オリンピックは、全人類のスポーツの祭典であるとともに、国の競技力を競う
最高の舞台でもある。1オリンピアード4年をかけて、競技向上を目指してきた
世界中の国々が五輪旗のもと、その成果を確かめる場でもある。わが国は、銅メ
ダル1、入賞2。大会前に掲げられたメダル1、入賞5以上という目標を達成す
ることはできなかった。メダルテーブルによると、銅メダル1は、国別順位 33 位。
また、1 位を 8 点、2 位を 7 点、そして 8 位を 1 点として、総合得点を算出すると、
わが国は 13 点で 23 位となる。アテネオリンピックでは 39 点を獲得しており、こ
れをそのまま今大会に当てはめると 10 位となる。やはり日本は 10 位以内を目指
したい。
この目標を達成するためには、いろいろな施策が考えられるが、そのうちの一
つが医・科学の導入である。これまでにも強化委員会、普及育成委員会は、医事
委員会、科学委員会と強い連携を保ち、競技力の向上や陸上競技の普及発展を目
指してきた。これまでの活動を基礎とし、今後は更なる取り組みを進めていく必
要がある。具体的には、現場が欲する知見・情報を生み出すテーラーメード型の
研究の推進、トレーニング現場にはいり込んで行う細部への科学的サポートなど
である。
このような医科学サポートを推進するうえで、本紀要が中心的な役割を果たす
ことを願う。また、指導者の皆様には本紀要に掲載されている研究に示されてい
る知見を活用し、ますます指導活動を充実させていただきたい。
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies in Athletics of JAAF
Vol.8 2012
目 次
【原著論文】
100 mハードル走におけるハードルサイクルおよびステップごとにみた疾走速度の変化
・・・・・杉本和那美・・1
【資料】
小学生陸上競技優秀選手の形態・体力調査
– 第 27 回全国小学生陸上競技交流大会入賞者を対象として –
・・・・・井筒紫乃・・9
【日本陸連科学委員会研究報告 第 11 巻(2012)陸上競技の医科学サポート研究 REPORT2011】
・・・・・・・・・・・・・15
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,1-8,2012
Vol.8,1-8,2012
100 mハードル走におけるハードルサイクルおよびステップごとにみた疾走速度の変化
1)
2)
3)
4)
4)
杉本和那美 榎本靖士 森丘保典 貴嶋孝太 松尾彰文
1)青山学院大学 2)筑波大学 3)日本体育協会 4)国立スポーツ科学センター
Characteristics of hurdle cycle and step velocity in Women’s 100m sprint hurdle race
1)
2)
3)
4)
Kanami Sugimoto Yasushi Enomoto Yasunori Morioka Kota Kijima
4)
Akihumi Matsuo
1) College of Education, Psychology and Human Studies, Aoyama Gakuin University
2) Institute of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba
3) Sports Science Lab., Japan Amateur Sports Association
4) Japan Institute of Sports Science
Abstract
The purpose of this study was to investigate hurdle cycle and step velocity in Women’s 100m sprint
hurdle (100mH) races. The 100mH races in two official competitions were videotaped with three highspeed video cameras (EXILIM F-1, Casio Ltd., 300Hz) and measured the distance of hurdlers from the
start with LAVEG (LDM301, JENOPTIK Ltd., 100Hz). Forty six hurdle races were divided into three
groups (U13.5, U14.0, U14.5) based on their race time. Cycle and step velocity, step frequency, and step
length were calculated by combining the data of distance from start and of timing at touch down of every
step through race from the video image. The results were as follows, 1) The maximal cycle velocity was
significantly correlated with the race time (r=-0.964, p<0.001), 2) U13.5 was significantly smaller in the
relative velocity at 1C than any other group (p<0.01), 3) Step velocity of the first and second step in each
cycle was higher than third and forth step, 4) The difference between step velocity of the forth step and
next first step was largest in hurdle cycle, and that was large in order of 2C, 5C, 9C, 5) The step velocity
of U13.5 did not decrease in hurdle cycle during acceleration stages, 6) Neither step length was not
correlated with the race time, 7) In 2C, third step time of U14.5 was longer and forth step time of U13.5
was shorter than other two groups.
Ⅰ.緒言
ハードル走は,規則的に設置されたハードルを越
えフィニッシュタイムを競う種目特性から,これま
でレースにおけるハードル着地時の 10 回のタッチ
ダウンタイムから 11 区間の速度を算出しレース分
析が行われてきた.女子 100m ハードル走における
研究では,最高速度と記録との間に負の相関が認め
られること,競技レベルが高い選手はレース前半か
ら中盤にかけて速度が大きく増加することが報告さ
れている(柴山ら 2007).しかしタッチダウン分析
のみでは,最高速度到達まで区間内の 4 歩(インター
バルランニング 3 歩とハードリング 1 歩:以降ハー
ドルサイクルと言う)でどのような速度変化が起き
ているかについては言及できない.
一方,ハードル走はハードリング技術がフィニッ
シュタイムに大きく影響することから,ハードリン
グに関する動作分析も多くなされている.ハードリ
ングでは,ハードルを越えるための鉛直速度を獲得
する一方,踏切時に水平速度が減少することが報告
されている(樋口ら 1984,伊藤と富樫 1997).この
ことから,ハードリングでの減速をできるだけ小さ
-1-
くすること,インターバルランニングで速度を増大
させておくことが最高速度の増大やレース後半での
区間速度の維持につながると考えられている.イン
ターバルランニングの研究は,礒ら(2002),谷川
ら(2002),柴山ら(2011)などの報告があるが,
いずれの研究においても最大速度出現区間付近の 1
区間 1 サイクルのみを分析しており,加速区間や減
速区間を含む連続するインターバル走の研究はされ
ていない.特に女子 100m ハードル走は,男子 110m
ハードル走に比べハードル高が相対的に低く,スプ
リント能力が大きく影響していると言われている.
森田ら(1994)は,1991 年に開催された第 3 回世
界陸上競技選手権東京大会の分析結果から,今大会
(13.85 秒以内)においては,
ハードリングタイムは,
レース記録と強く関係しておらず,記録を短縮させ
るためには,インターバルランタイムの短縮が必要
となると報告している.
しかしながら,ハードル走で全区間における 1 歩
毎の速度を計測するには,区間ごとにビデオカメラ
の設置が必要になること,分析に大変時間を要する
ため,多くの人手と時間がかかることが問題になる
であろう.短距離走のスピード分析に用いられる
レーザー式速度測定器は,即時的にしかも連続的な
距離―時間データを測定できる.ハードル走は踏切
時のディップ動作や着地時の姿勢が選手間,あるい
は区間ごとで違いがあることが容易に予想され,動
作分析ほどの正確なデータを得ることは困難である
が,ハードル区間の平均スピードだけでなく 1 歩
(ステップ)ごとのスピードを算出できることから,
100m ハードル走における疾走速度の変化の特徴を
より詳細に明らかにすることができ,パフォーマン
ス向上への示唆が得られると考えられる.
本研究は,競技会における女子 100m ハードル走
のハードルサイクルおよびステップごとの疾走速度
の変化を明らかにし,一流女子ハードル選手のレー
スパターンの特徴を抽出することを目的とした.
Ⅱ.方法
1. 分析対象
分析対象は,2011 年に開催された第 45 回織田幹
雄記念国際陸上競技大会および第 95 回日本陸上競
技選手権大会における女子 100mH に出場した 21 選
手(中国選手 2 名を含む),のべ 46 レースとした.
記録レベルで 13 秒前半(U13.5),13 秒後半(U14.0)
および 14 秒前半(U14.5)の 3 群に分けた(表 1).
表 1 分析対象者
2. データ収集
3 台 の ハ イ ス ピ ー ド カ メ ラ(Casio 社 製 EXILIM
F-1, 300Hz)を用い,スタートの閃光と分析対象者
が映る画角に設定し,2 台は側方(ホームスタンド
のスタートから 50m 付近とフィニッシュ付近)から
追従撮影し,1 台は正面から固定撮影した.得られ
た映像からスタートからの1歩毎の接地時刻を読み
取った.
レーザー式速度測定器(JENOPTIK 社製 LDM301,
100Hz)をスタートラインの後方にセットし,選手
の背中にレーザービームを照射することでスタート
からの距離を測定した.得られた測定値は,低域通
過型バターワースデジタルフィルタを用いて 0.5Hz
で平滑化した後,スプライン関数を用いて補間処理
し 300Hz のデータに変換した.フィニッシュ地点で
タイムと距離を同期させ,1 歩毎のストライドを算
出し,1歩の時間で除すことで 1 歩毎の疾走速度(ス
テップ速度)を算出した.
これらの測定は,日本陸上競技連盟科学委員会の
活動の一部として行われた.
3. 算出項目
図 1 は,本研究で用いる用語の定義を示したもの
である.ステップは,ハードリングを 4 歩目とし,
ハードリング後の接地から次の接地を 1 歩目とし
た.1 歩目から 4 歩目までの 4 ステップを 1 サイク
ルとした.サイクルは,第 1 ハードルの踏切 3 歩前(ス
タートから 6 歩目)から第 1 ハードルの着地までを
1C とし,以下 1 サイクル毎に 2C から 10C とした.
サイクル速度は,1 サイクル(4 歩)の距離を要
した時間で除すことで算出した.また,サイクル速
度の最大値を 100% とし,各サイクルの相対速度を
算出した.
速度変化量は,サイクルあるいはステップ間の速
度の差(Vn – Vn-1)を算出した.この時 Vn は,サイ
クルあるいはステップ n の速度を示し,Vn-1 はその
1 つ前のサイクルあるいはステップを示している.
算出された正および負の値はそれぞれ,加速および
-2-
図 1 用語の定義
減速を示している.
Ⅲ.結果と考察
1. タッチダウンタイムおよびサイクルタイム
表 2 は,各群におけるタッチダウンタイムの平均
値を示したものである.1 台目で U13.5 が 2.64 秒,
U14.0 が 2.69 秒,U14.5 が 2.70 秒 と U13.5 が 他 の
2 群 よ り 早 か っ た.2 台 目 に な る と U13.5 が 3.72
秒,U14.0 が 3.79 秒,U14.5 が 3.81 秒 で U13.5 と
U14.0 の差が 0.07 秒と 1-2 台目で特に大きな差が
あった.
図 2 は,各群におけるサイクルタイムの変化を
平均値で示したものである.U13.5 において 1C か
ら 5C まで,他の 2 群においては 4C までタイムが短
くなり,その後徐々に 10C まで長くなった. 全て
のサイクルで U13.5 のタイムが最も短く,U14.0,
U14.5 の順に短かった.サイクルタイムの最小値は、
U13.5 が 5C で 1.031 秒,U14.0 お よ び U14.5 が 4C
で 1.065 秒と 1.095 秒であった.
図 2 各群におけるサイクルタイムの変化
表 2 各群におけるタッチダウンタイム
-3-
図 3 各群におけるサイクル速度曲線
2. サイクル速度
図 3 は,各群におけるサイクル速度の変化を平
均値で示したものである.全ての群において 1C か
ら 2C にかけて大きく増大し,その後最大値が出現
するまで徐々に増大していた.サイクル速度の最大
値は U13.5 が 5C において 8.23m/s,U14.0 が 4C で
7.95m/s,U14.5 が 4C で 7.71m/s であり,サイクル
速度の最大値とレース記録の間に非常に高い負の相
関がみられた(r=-0.964,p<0.001).サイクル速度
の変化量は,1C と 2C の間ですべての群で最も大き
く,U13.5 が 0.59m/s,U14.0 が 0.51m/s,U14.5 が
0.40m/s と U13.5 が他の 2 群より有意に大きな値を
示した(U14.0:p<0.05, U14.5:p<0.01).
サイクル速度は,最大値出現以降全ての群におい
て 10C まで減速した.本研究におけるサイクル速度
は,これまでのタッチダウンタイムから算出された
区間速度の最大値,変化パターンともにほぼ同様の
傾向を示した(森田ら 1994,柴山ら 2007).このこ
とから,レーザー速度測定器を用いた 1 サイクルの
速度は,タッチダウンから算出された区間速度と同
程度の評価ができると考えられる.
表 3 は,各群におけるサイクル速度とともにサ
イクル速度の最大値を 100% とした相対速度を示
し て い る.1C に お い て U13.5 は 88.5%,U14.0 は
90.5%,U14.5 は 92.2% で あ り,U13.5 は 他 の 2 群
に比べ有意に小さかった(p<0.01).1C における
U13.5 のサイクル速度は 7.29m/s で他の 2 群より有
意に大きかった(p<0.01).これらのことは,U13.5
は他の 2 群より大きな速度で第 1 ハードルにアプ
ローチしているものの,第 1 ハードルを越えてから
さらにスムーズで大きな加速につながっていること
を示唆している.
また,10C における相対速度は,U13.5 が 94.8%,
U14.0 が 93.5%,U14.5 が 93.1% で U13.5 が 他 の 2
群より大きかったが,群間に有意な差は認められ
なかった.柴山ら(2007)は,大阪世界陸上女子
表 3 サイクル速度および相対速度
-4-
㏷ᗐ
(m/s)
8.50
8.00
7.50
U 13.5
U 14.0
U 14.5
7.00
6.50
1ྋ┘
1C
2ྋ┘
3ྋ┘
4ྋ┘
5ྋ┘
6ྋ┘
7ྋ┘
8ྋ┘
9ྋ┘
10ྋ┘ 䝓䞀䝍䝯ྋᩐ
2C
3C
4C
5C
6C
7C
8C
9C
10C
ͤ䜴䝭䝙䛵➠1䝓䞀䝍䝯䛴3Ṅ๑䛑䜏➠10䝓䞀䝍䝯䜄䛭䛴㏷ᗐ䜘
ሧ䜐䛪䛼䛝䛥䝢䞀䜯䞀䛵᭩㧏⑄㉦㏷ᗐ䜘䟾䜴䝰䞀䛴⠂ᅑ䛵4Ṅ┘䟺䝓䞀䝍䝮䝷䜴䟻䜘♟䛟
䜹䜨䜳䝯
図 4 各群におけるステップ速度の変化
100mH をレース記録で上,中,下位群に分けて区間
速度を比較し,レース中盤以降速度が低下する傾向
は各群とも共通していたと報告している.このこと
は,女子 100mH ではレース後半での速度維持よりも
最高速度出現までの速度増大がレース記録に重要な
役割を持つことを示唆している.
3. ステップ速度
図 4 は,各群における第 1 ハードルの踏切 3 歩
前(第 1 サイクル 1 歩目)から第 10 ハードルの着
地(第 10 サイクル 4 歩目)までのステップ速度の
変化を平均値で示したものである.U13.5 は 3C の 2
歩目まで,他の 2 群は 2C の 2 歩目まで加速し続け,
その後,最高速度出現まで全ての群において各サイ
クル内のステップ速度は 2 歩目で最大であった.ス
テ ッ プ 速 度 の 最 大 値 は,U13.5 が 8.28m/s,U14.0
が 8.01m/s であり,両群とも 5C の 1 歩目で,U14.5
は 7.76m/s で 4C の 2 歩目で出現していた.最大値
の出現以降はステップ速度が U13.5 および U14.0 は
各サイクルの 1 歩目で,U14.5 は 1 あるいは 2 歩目
で最大であり,全ての群で 4 歩目は 3 歩目より減少
していた.
サイクル速度の相対値 98.5% 以上を速度維持区間
とし,それ以前を加速区間,それ以降を減速区間
と定義した.本研究では,加速,速度維持,減速
区間はそれぞれ,U13.5 が 2 区間,5 区間(3C から
7C),3 区間,U14.0 および U14.5 が,2 区間,4 区
間(3C から 6C),4 区間であった.加速区間におい
て U13.5 は, 1 歩目から 4 歩目まで減速することな
く速度を増大させており,特に 1 歩目で速度が大き
く増大していた.U14.0 および U14.5 は 2C の 2 歩
目から 3 歩目で速度が減少していた.すなわち,こ
れらのことは,U13.5 は加速区間においてはすべて
のステップにおいて加速できる特徴を有しているこ
とを示していると考えられる.
図 5 は,2C,5C,9C におけるステップ間の速度
の変化量を各群の平均値で示したものである.いず
れも 2C は加速区間,5C は速度維持区間,9C は減
速区間の各群における典型例である.4 歩目から 1
歩目(4-1 歩目)の速度変化量は,大きな正の値を
示し,それはどの群においても 2C,5C,9C の順に
大きかった.これは, 1 歩目の加速が速度の増大に
最も貢献しており,サイクルが進むにつれてその
加速が小さくなっていることを示していると考え
られる.また,2C においては U13.5 および U14.0
が U14.5 より有意に大きな値を示した(それぞれ
p<0.01,p<0.05).3 歩目から 4 歩目(3-4 歩目)の
速度変化量は 2C において正の値を,5C および 9C
において負の値を示した.すなわち,ハードリング
踏切において加速区間では加速,速度維持および減
速区間では減速していたことを示している.さらに,
5C と 9C においてはいずれの速度変化量においても
-5-
図 5 2C,5C,9C におけるステップ間の速度変化量
群間に有意な差がみられず,最高速度出現以降では,
競技レベルよりも選手個々の特徴によってステップ
ごとの加速と減速を生じながら速度の維持に努めて
いることが示唆される.
3. ストライドおよびステップタイム
表 4 は,2C,5C,9C における対象者全員のスト
ライドの平均値,標準偏差,変動係数を示したもの
である.2C,5C,9C のいずれのサイクルにおいて
も 4 歩目,2 歩目,3 歩目,1 歩目の順に大きかった.
Mcdonald and Dapena(1991)は,動作分析からス
トライドを算出し,1 歩目から順に 1.35m,1.96m,
1.76m,3.47m であったと報告している.それらと
本研究における 5C のストライドを比較すると,1
歩目の差が最も大きく本研究の方が約 7cm 大きな値
を示したが,そのほかのステップでは大きな差は見
られなかった.いずれのストライドもレース記録と
の間に有意な相関はみられなかった.
図 6 は,各群におけるステップタイムの変化を
平均値で示したものである.1歩目の 2C から 10C
までのタイムは,全ての群で 0.170 から 0.194 秒
であった.1C が 2C 以降のタイムより大きな値を示
したのはアプローチランニングであり,2C 以降の
ハードリングの着地の 1 歩目とは異なるためであ
る.2 歩目は,2C から徐々にタイムが短くなり,最
小値は U13.5 が 5C で 0.235 秒,U14.0 および U14.5
が 4C で 0.241 秒と 0.245 秒であった.その後,10C
まで徐々に増大した.4 歩目におけるステップタイ
ム の 最 小 値 は,U13.5 が 4C,5C,6C で 0.416 秒,
U14.0 が 4C で 0.438 秒,U14.5 が 5C で 0.449 秒であっ
表 4 2C,5C,9C における対象者全員の平均ストライド
-6-
図 6 各群におけるステップタイムの変化
た.U13.5 が 1C から 10C まで他の 2 群より有意に
小さく(p<0.01),最小ステップタイムから 10C ま
でのステップタイムの増大が最も小さかった.
2C における 3 歩目のステップタイムは,U14.5 が
他 の 2 群 よ り 長 く,4 歩 目 で U13.5 が 短 か っ た.
5C で比較すると,その傾向はさらに顕著となり,
U13.5 は 3 歩目のステップタイムが最も短くなり,
4 歩目も短かった.以上のことは,U13.5 は 3 歩目
を短くし,かつ 4 歩目を短くしていたことを示唆し
ている.3 歩目ですばやい踏切準備をしつつ,4 歩
目ではすばやく踏切るだけでなく,加速区間での
大きく加速するための強い踏切をできるかが女子
100mH における高い技術と言えるであろう.
Ⅳ.まとめ
本研究は,競技会における女子 100m ハードル走
におけるハードルサイクルおよびステップごとの疾
走速度の変化を明らかにし,一流女子ハードル選手
のレースパターンの特徴を抽出することを目的とし
た.
その結果,以下のことが明らかとなった.
1) サ イ ク ル 速 度 の 最 大 値 と レ ー ス 記 録 の 間 に
非 常 に 高 い 負 の 相 関 が み ら れ た(r=-0.964,
p<0.001).
2)1C における相対速度は U13.5 が他の 2 群に比べ
有意に小さかった(p<0.01).
3)ステップ速度は,U13.5 が 3C の 2 歩目まで,他
の 2 群が 2C の 2 歩目まで加速し続け,その後,
各サイクルにおいていずれの群も 1 歩目あるいは
2 歩目で最大となっていた.
4)ステップ間の速度変化量は,4 歩目から 1 歩目
が他のステップ間よりも大きな正の値を示し,そ
の値は 2C,5C,9C の順で大きかった.
5)U13.5 は加速区間における 1 サイクルのすべて
のステップで加速していた.
6)サイクル内のそれぞれのストライドとレース記
録との間に有意な相関はみられなかった.
7)ステップタイムは 2C において,3 歩目で他の 2
群より U14.5 が長く,4 歩目で U13.5 が短かった.
その傾向は,5C でさらに顕著になった.
以上のことから,女子 100mH レースでは最高速度
出現までの速度増大がレース記録に強く影響してお
り,速度増大には 4 歩目から 1 歩目での加速が大き
く貢献すること,速度維持には 4 歩目での速度の増
減が影響していることが示唆された.13 秒台前半
で走るためには,全てのステップタイムを短くしな
ければならないが,1 歩目は加速するための時間を
要するため,さらに短くしようとする必要はなく,
3 歩目のステップタイムを短くすること,そして
ハードリングタイムを短くすることができるかが課
題となるであろう.
-7-
引用文献
樋口 憲生,湯浅 景元,松尾 彰文,福永 哲夫
(1984)地面反力からみたハードリングの特性,
体育の科学 38,313-317.
礒 繁雄,榎本 靖士,中田 和寿,羽田 雄一,
阿江 通良(2002)一流 110m ハードル選手のイ
ンターバル走に関するキネマティクス的研究,陸
上競技研究 49,11-17.
伊藤 章,富樫 勝(1997)ハードル走のバイオメ
カニクス的研究:スプリントとの比較,体育学研
究 42,246-260.
串間 敦郎,小木曽 一之(1996)ハードル走の踏
切動作における速度逓減の要因,都城工業高等専
門学校研究報告 29,1-6.
Mcdonald, C. and J. Dapena(1991)Linear
kinematics of the men’s 110-m and women’s
100-m hurdles races, Med. Sic. Sports Exerc
24, 1382-1389.
宮下 憲(2006)100m ハードルのトレーニングに
向けて,スプリント研究 16,44-55.
森田 正利,伊藤 章,沼澤 秀雄,小木曽 一之,
安井 年文(1994)スプリントハードル (110mH・
100mH) および男女 400mH のレース分析,日本陸
上競技連盟強化本部バイオメカニクス研究班編 世界一流競技者の技術,66-87.
柴山 一仁,川上 小百合,谷川 聡(2007)2007
年世界陸上競技選手権大阪大会における男子
110m ハードル走および女子 100m ハードル走レー
スの時間分析,日本陸上競技連盟バイオメカニク
ス研究班報告書 世界一流競技者のパフォーマン
スと技術,86-95.
柴山 一仁,
藤井 範久,阿江 通良(2011)一流ハー
ドル選手の 1 サイクル動作に関するキネマティク
ス的研究,体育学研究 56(1),pp.75-88.
谷川 聡,宮下 憲,高松 潤二,安井 年文,金
子 公宏(2002)ハイハードル走のインターバル
ランニングに関する研究,スプリント研究 12,
43-53.
-8-
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,9-14,2012
Vol.8,9-14,2012
小学生陸上競技優秀選手の形態・体力調査
– 第 27 回全国小学生陸上競技交流大会入賞者を対象として –
1)
2)
3)
井筒紫乃 繁田 進 渡部 誠
1) 帝京科学大学 2) 東京学芸大学 3) 日本女子体育大学
1.はじめに
陸上から離れてしまう」などの声が多数寄せられる
ようになり(井筒ら 2011)、小学生の優秀選手の育
公益財団法人日本陸上競技連盟普及育成委員会
成において、将来へ繋げていくための指導者育成や
(以下、普及育成委員会とする)は、1987 年、小学
環境整備などの課題に対応するため、第 21 回大会
生の全国大会として初めて開催された「第 1 回小学
(2005 年)以来、出場した選手の中から優秀選手を
生全国少年少女リレー競走大会」(以下、「大会」と
選抜し、同年 9 月横浜市で開催された「スーパー陸
する)に出場した選手について、その年度ごとに、
上」に選手および指導者を招待するとともに、横浜
日常生活習慣や練習内容についての調査を行ってき
市スポーツ医科学センターにおいて形態面、体力面
た。
の測定行う「第 1 回全国小学生陸上競技優秀選手研
これまでの大会出場経験者で、その後日本選手権
修会(以下、研修会とする)を実施し、今回で 7 回
で優勝者したり世界陸上、オリンピックに出場した
目を迎えることとなった。
りして活躍した選手は、男子では土江寛裕、末續慎
そこで第 27 回大会において 2 位までに入賞の中
吾、髙平慎士、山口有希ら、女子では信岡沙希重、 から選抜された者を対象に、形態および体力測定を
池田久美子、髙橋萌木子、北風沙織、寺田明日香ら
実施した結果を報告する。
である。また、2008 年に開催された北京オリンピッ
クに出場した福島千里、2012 年ロンドンオリンピッ
2.測定方法
ク競歩代表に内定している森岡紘一朗も大会出場経
験者である。このように、現在活躍している選手の
1) 対象選手の選考条件について
中に、小学生からその才能を発揮する実績を持つ者
第 27 回大会出場選手の中で、6 年 100m、80mH、
が多くなってきた。
走高跳、走幅跳、ソフトボール投の男女別優勝者
また、100m を 5 年生と 6 年生の学年別に分けた
と 2 位の選手を対象とし、さらに「中学校でも継続
第 8 回大会からのデータによると、5 年 6 年と 2 年
して陸上競技を行う意志があること。」「将来オリン
連続決勝に残った選手は、第 12 回大会(1996 年)
ピックなどで活躍したいという高いモチベーション
の女子を除いて全ての大会においてみられた。第
を持っていること。」「今後日本陸上競技連盟の調査
16 回大会(2000 年)男子では 6 名の選手が 2 年連
に協力する意志があること。」を条件として、対象
続決勝進出を果たしていた。2 年連続優勝者は、男
選手を選考した。2 位までの選手を対象とした理由
子 4 名、
女子 7 名であった。2011 年に開催されたジュ
としては、将来へ繋げていくためには、できる限り
ニアオリンピック走幅跳で優勝した天城帆乃香は 5
多くの優秀選手についてのデータを蓄積していくこ
年 100m で 2 位であったが、翌年の走幅跳では優勝
とが必要と考えられたからである。
している。
選考の結果、今回の「研修会」参加選手(以下、
しかし、本研修会に参加した指導者から、「進学
選手とする)は、100m(男子 2 名、女子 2 名)、80mH(男
先の中学校に陸上部がない」「進学先の中学に陸上
子 1 名、女子 2 名)、走高跳(男子 1 名、女子 2 名)、
部はあるが指導者は陸上競技の専門ではない」「全
走幅跳(男子 2 名、女子 1 名)、ソフトボール投(男
国大会優勝というプレッシャーで中学に入学すると
子 1 名)の計 14 名が選抜された。また、それぞれ
-9-
表 1 全国小学生陸上男子優秀選手形態測定結果
表 2 第 1 回~第 6 回全国小学生陸上男子優秀選手平均値と今回の測定結果の比較
表 3 全国小学生陸上女子優秀選手形態測定結果
の選手の指導者 14 名が加わり、総勢 28 名が研修会
に参加した。
2) 測定項目・方法
2011 年 10 月 29 日、横浜市スポーツ医科学セン
ターにおいて、形態・体力測定・月経についてのア
ンケート調査を行った。測定項目は、身長、体重、
骨量、骨年齢、立位体前屈、両脚伸展パワー、垂直
跳び、足底荷重分布であった。形態計測は、身長、
体重を計測しそこから BMI(体重 kg /身長 m^2)を
割り出した。
骨量は、アロカ社の音響的骨評価装置を用いて骨
評価値を得た。骨年齢は骨評価システムを用い、骨
年齢評価を行った。両脚伸展パワーは、コンビ社製
ANAEROPRESS を用い、体重分の負荷のかかったフッ
トプレートを両脚でできるだけ速く・強く蹴り出し、
その時に発揮されたパワーを測定した。また、DKH
社製マルチジャンプテスタ(IFS-31C)を用い、腕
を使った場合と使わない場合の 2 パターンの垂直跳
びを測定した。連続ジャンプにおいては、測定中の
最大値が下がった時点のその直前の値を最大値とし
て採用した。
足 底 荷 重 分 布 測 定 に つ い て は、Fitracks 社 の
「フットグラフ(足圧分布 4 割バランサー計測シス
テム)を用いて、足圧分布の測定を行った。
尚、測定に関しては、内容についての説明を十分に
行い、選手本人と保護者の承諾を得られた上で行わ
れた。骨年齢調査については保護者に「骨年齢検査
同意書」の提出を求めた。
女子選手については、初経の発来年齢、月経にお
ける不定愁訴について、自分の体型についてのアン
ケート調査を実施した。
3) データ処理
測定結果をもとに、それぞれの項目の平均値と標
準偏差を求めた。また、第 1 回から第 6 回の研修会
に参加した選手のデータ(100m、80mH、走高跳、走
幅跳、ソフトボール投の男女別)と比較するために
t 検定を行い、有意水準は 5% とした。
3.結果と考察
1) 身長と体重、骨量について
優秀選手の身長、体重、BMI を表 1,表 3 に示し
た。2007 〜 2009 年度の報告と同様に、文部科学省
が行っている学校保健統計調査(平成 23 年度)の
11 歳の全国平均値(男子:身長 145.0cm ± 7.07、
体重:38.0kg ± 8.23、女子:身長 146.7cm ± 6.7、
体重 38.8kg ± 7.77)と比較したところ、今回参加
した選手の中で最も身長の高い男子は、身長が平均
- 10 -
表 4 第 1 回~第 6 回全国小学生陸上女子優秀選手平均値と今回の測定結果の比較
表 5 全国小学生陸上男子優秀選手柔軟性およびパワー系測定結果
表6
第 1 回~第 6 回全国小学生陸上男子優秀選手柔軟性およびパワー系測定平均値と今回の測定結果の
比較
値よりも 26.3cm 高く、体重が 21kg と大きい。また、
女子の身長でも平均値よりも 16.4cm 高かった。
今回測定した選手は、全国平均値よりも上回って
いることは明らかであるが、身長、体重、骨密度に
ついて前回までの選手のデータと比較すると平均値
より低い傾向にあることが示された(表 2,表 4)
。
しかしながら、骨年齢は過去の報告と同様に高い値
を示しており、相変わらず早熟傾向であることが示
唆された。今後の発育経過をさらに注目し、生活面
やトレーニング方法とリンクさせていく必要がある
(加藤、他 1999)。
2) 柔軟性および瞬発力・パワー測定について
柔軟性および瞬発力・パワー測定の結果を表 5,
表 7 に示した。柔軟性の測定として立位体前屈を、
瞬発力・パワーの測定として両脚伸展パワーと垂直
跳びを行った。立位体前屈について過去にこの研修
会に参加した選手と比較したところ、男女ともに数
値が低いことが明らかにされ(表 6,表 8)、男子に
有意な差が認められた。このことから各選手に腰痛
や脚部の肉離れなどのケガが発生しやすくなること
が予想される。実際に、今回参加した選手のうち 1
名が肉離れを発症していた。疲労などで収縮する傾
向が見られる腰背部、ハムストリング、ふくらはぎ
などの柔軟性を高めるトレーニング(ストレッチン
グなど)を段階的、継続的に取り組む必要がある(伊
藤、他 2007)。
- 11 -
表 7 全国小学生陸上女子優秀選手柔軟性およびパワー系測定結果
表8
第 1 回~第 6 回全国小学生陸上女子優秀選手柔軟性およびパワー系測定平均値と今回の測定結果の
比較
両脚伸展パワーにおいては、体重あたりの評価パ
ワー(watt)で男子はソフトボール投の選手、女子
は走高跳の選手が最も優れた能力を示した。また垂
直跳びにおいては、男女とも 100m の選手が高い数
値を示した。体重あたりの連続跳躍パワーでは、男
女とも走幅跳の選手に高い数値が見られた。過去に
測定を行った前回までの選手の平均値と比較する
と、両脚伸展パワーは男女ともに優れており、女子
に有意な差が認められた。垂直跳びについては男女
とも過去の数値を下回った(表 6,表 8)。
伊藤ら(2009)の報告からも、キレとバネのある
力強い走・跳・投動作を養成するためには、今後は
得意な陸上競技の専門種目の練習だけではなく、自
重を利用したパワートレーニングや縄跳び、球技系、
水泳などの全身運動が期待できる種目に意欲的に取
り組むことも必要であると考えられる。
の分布状態を定常的に評価し、分布状態から立位姿
勢の特徴を把握することができる。
バランスのとれた足圧分布モデルを図 1 に示し
た。足裏全体に圧がバランス良くかかっている。ま
た、前方に圧がかかってしまっている選手と後方に
圧がかかってしまっている選手について図 2,図 3
に示した。
今回測定を行った選手の 14 名中 13 名に足の指が
接地していない浮趾が見られた。前方重心が 1 名
(図
2)、後方重心が 12 名(図 3)であり、そのうちほ
3) 足圧分布の測定結果について
「フットグラフ(足圧分布 4 割バランサー計測シ
ステム)」を用いて、足圧分布の測定を行った。測
定方法は、立位姿勢で 10 秒間立ちその平均値を採
用した。この測定により、足裏にかかっている足圧
- 12 -
図 1 バランスの良い足圧分布(モデル)
とんど足趾が接地していないものが 4 名いた
(図 4)。
加辺ら(2002)は、足趾は動的姿勢制御にとって重
要な役割を果たすと述べている。浮き趾は重心の位
置がやや後方にあることによって身体の不安定さは
かなり増加する(井上ら 2009)ことからも、全趾
接地でバランス良く立つことが重要であることが考
えられる。タオルギャザーや足指じゃんけん、足指
綱引きなど、足趾をたくさん動かす運動を取り入れ
ていくことが必要であると思われる。
この足圧分布は日常の立位姿勢や歩き方、走り方
などの関連性もみられることから、今後も測定を継
続し、縦断的に調査していくことが望まれる。
4) 女子選手の初経発来年齢等のアンケート調査に
ついて
女子選手 7 名を対象に、初経発来年齢、月経にお
ける不定愁訴、痩せ願望に関するアンケート調査を
行った。月経については 7 名全員に発来しており、
初経年齢も平均 10 歳 9 カ月と全国平均
(12 歳 2 カ月)
よりも早く、初経に関しても早熟傾向が高いことが
示唆された。毎月の月経が正常範囲内にきているか
という質問に対して、全員がほぼ順調という回答で
あった。不定愁訴についても、全員が特にないとの
ことであった。また、今の自分の体型が気になるか
という質問に対して、全員から気にならないという
回答が得られ、今回参加した女子選手たちに痩せ願
望はみられなかった。
4.まとめ
図 2 重心が前方にある足圧分布
図 3 重心が後方にある足圧分布
図 4 浮き趾の状態
第 27 回 全 国 小 学 生 陸 上 競 技 交 流 大 会 の 100m、
80mH、走高跳、走幅跳、ソフトボール投の各種目男
女 2 位以内に入賞し、かつ陸上競技に対して高いモ
チベーションをもつ小学 6 年生を対象に形態および
体力測定、月経についてのアンケート調査(女子の
み)を行った結果、以下のことが明らかにされた。
1) 形態について、身長、体重それぞれ男女とも全
国平均値よりも高い数値を示した。
2) 立位体前屈は、前回までの研修会参加選手の平
均値よりも低い数値であり、男子に有意な差が認
められた。
3) 両脚伸展パワーにおいては、男女とも前回まで
の選手の平均値よりも高い数値を示し、女子に有
意な差が認められたが、垂直跳びに関しては過去
の数値を下回った。
4) 足圧分布測定については、前方重心、後方重心
の選手が多く、14 名中 13 名に足趾が接地してい
ない浮趾状態が見られた。
5) 女子選手の初経発来は、7 名全員に発来しており、
平均年齢も 10 歳 9 カ月と全国平均よりも早いこ
とが明らかにされた。月経における不定愁訴を感
じている選手はおらず、痩せ願望もみられなかっ
た。
本研修会の参加資格として大会 2 位入賞までを条
件としていたが、将来に繋げていくための選考基準
を考えると 2 位までの選手が妥当であるかというこ
とが課題となる。今後は、種目を絞り同一種目の選
手の人数を増やして測定をすることも視野に入れて
- 13 -
いる。
5.付記および謝辞
本調査は、公益社団法人日本陸上競技連盟普及育
成委員会の調査研究(2011 年度)によって行われ
たものである。対象選手や保護者の方々をはじめ、
測定にご協力いただいた横浜市スポーツ医科学セン
ターの皆さまに感謝申し上げる次第である。
引用・参考文献
朝比奈一男、中川功哉(1958)体力と神経要素.運
動生理学、大修館書店 p182-185
井筒紫乃ら(2011)第 7 回全国小学生陸上競技交流
大会優秀選手「研修会」実施報告.第 27 回全国
小学生陸上競技交流大会報告書 60-76
伊藤宏、岡野進、井筒紫乃、三宅聡(2006)第 21
回全国小学生陸上競技交流大会優秀選手の身体
的・心理的・疾走能力測定の結果.陸上競技研究
紀要 2:74-83
伊藤宏、岡野進、井筒紫乃、三宅聡(2007)第 22
回全国小学生陸上競技交流大会に出場した優秀選
手の体力、心理的側面と疾走能力について.陸上
競技研究紀要 3:47-53
伊藤宏、岡野進、井筒紫乃、三宅聡、直井清貴(2008)
第 23 回全国小学生陸上競技交流大会に出場した
選手の身体的・心理的側面と疾走能力について.
陸上競技研究紀要 4:34-42
伊藤宏、岡野進、井筒紫乃、三宅聡(2009)第 24
回全国小学生陸上競技交流大会に出場した選手の
身体的・心理的側面と疾走能力について(その 3).
陸上競技研究紀要 5:9-18
井上文夫、浅井千恵子、熊木美紀江、石塚智恵子、
藤原寛(2009)小学生の浮き趾(不接地趾)と生
活習慣に関する研究.京都教育大学紀要 114:1118
加藤謙一、杉田正明、内原登志子、藤原寛康(1999)
小学生における短距離走の検討.陸上競技紀要
12:14-20
加辺憲人ら(2002)足趾が動的姿勢制御に果たす役
割に関する研究.理学療法科学 17:199-204
文部科学省(2012)平成 23 年度学校保健統計調査
HP(平成 24 年 3 月 25 日取得)
- 14 -
日本陸連科学委員会研究報告 第11巻(2012)
陸上競技の医科学サポート研究 REPORT2011
序 文
2011 年度における科学委員会の主な活動をまとめると、以下のようになる。
1.種目別サポート活動など
競技会を対象としたバイオメカニクス研究活動をアジア選手権、IAAF グラン
プリ、日本選手権、など8つの競技会において行い、競技会終了後、各種目担
当の強化委員と連携して、選手へのフィードバックを行なった。また、国立ス
ポーツ科学センターや強化合宿時の体力や技術測定及びデータフィードバック
を行った。
2.ジュニア選手に関する活動
岩手インターハイにおいてこれまでと同様に VTR 撮影、タイム分析及び入賞
者を対象とした障害や栄養に関するアンケート調査を実施した(本連盟科学委
員会の HP に活動報告書を掲載)。また、ジュニア研修合宿において体力測定、
情報提供等を行った。
3.テグ世界選手権大会に関する活動
韓国テグ市で開催された第 11 回世界選手権大会において、科学委員会から 6
名の委員と協力班員を派遣し、韓国と合同でのバイオメカニクス研究プロジェ
クトを実施し、データをフィードバックした。本連盟科学委員会 HP に活動報
告が掲載されている(英文のみ)
。本報告書にも世界陸上に関連した報告書が
数編掲載されている。
4.体力ワーキンググループ
2011 年度から科学委員会において、フィットネスチェックを有効活用するた
めに体力ワーキンググループを設置した。今後は、国際競技会へ向けたコンディ
ショニングに役立つ情報提供、強化選手のトレーニングに役立つ体力評価検討
等の活動を更に充実させる予定である。女子マラソンのコンディショニングに
関する取り組みの一部が本報告書に掲載されている。
2011 年度は、阿江通良前科学委員長のもと、強化委員会とより密接に連携し
た活動を精力的に実施し、より個別的で即時的なデータ収集とフィードバック
に重点を置いた活動を実施することができた。本報告書では 14 編の報告書が
掲載されているが、さらに資料性の高いより充実した情報発信の媒体となるよ
う努めたい。今後も、これまでの流れを踏まえながら選手強化のサポート活動
をはじめとする様々な取り組みが有益なものとなるよう委員会活動を充実、発
展させていく予定である。
最後になりましたが、科学委員会の活動に多大なご協力をいただいた関係各
位に深く感謝申し上げる次第です。
科学委員長
杉田正明
平成 23 年度 科学委員会メンバー
阿江 通良
筑波大学体育科学系
松尾 彰文
国立スポーツ科学センター
杉田 正明
三重大学教育学部
持田 尚
公益財団法人横浜市体育協会
榎本 靖士
筑波大学体育科学系
飯干 明
鹿児島大学教育学部
石井好二郎
同志社大学スポーツ健康科学部
伊藤 章
大阪体育大学体育学部
井本 岳秋
株式会社スポーツ・ウエルネス総合企画研究所
杉浦 克己
立教大学コミュニティ福祉学部
田内 健二
中京大学スポーツ科学部
高松 潤二
流通経済大学スポーツ健康科学部
髙本 恵美
大阪体育大学体育学部
鳥居 俊
早稲田大学スポーツ科学学術院
広川龍太郎
東海大学国際文化学部地域創造学科健康スポーツコース
三浦 康二
成蹊大学経済学部
山崎 史恵
新潟医療福祉大学健康科学部
柳谷登志雄
順天堂大学スポーツ健康科学部
瀧澤 一騎
北海道大学高等教育推進機構
森丘 保典
日本体育協会スポーツ科学研究室
小山 宏之
京都教育大学教育学部
八田 秀雄
東京大学大学院総合文化研究科
禰屋 光男
東京大学大学院総合文化研究科
佐伯 徹郎
日本女子体育大学体育学部
山本 宏明
北里研究所病院
※所属は平成 24 年 3 月末現在
日本陸連科学委員会研究報告 第 11 巻(2012)
陸上競技の医科学サポート研究 REPORT2011 目次
2011 年度女子 100m レースにおける疾走スピード,ピッチおよびストライドの変化 ・・・・20
山本真帆 , 松尾彰文 , 松林武生 , 貴嶋孝太 , 広川龍太郎 , 柳谷登志雄 , 渡辺圭佑 ,
綿谷貴志 , 麻場一徳
2011 年世界および日本トップスプリンターの 200m における走パフォーマンス分析 ・・・・25
髙橋恭平 , 松尾彰文 , 広川龍太郎 , 柳谷登志雄 , 貴嶋孝太 , 松林武生 , 山本真帆 ,
綿谷貴志 , 渡辺圭佑
男子ナショナルチーム・4 × 100m リレーのバイオメカニクスサポート研究報告(第 2 報)・35
広川龍太郎 , 松尾彰文 , 柳谷登志雄 , 持田 尚 , 森丘保典 , 松林武生 , 貴嶋孝太 ,
山本真帆 , 髙橋恭平 , 渡辺圭佑 , 綿谷貴志 , 杉田正明 , 苅部俊二 , 土江寛裕 , 髙野 進
日本一流 400m ハードル選手のレースパターン分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
─ 2009 〜 2011 年の国内主要大会について─
森丘保典 , 桜井健一 , 山崎一彦 , 杉田正明 , 阿江通良
助走スピードから見た日本男子走幅跳選手と海外選手の比較・・・・・・・・・・・・・・43
小山宏之 , 村木有也 , 柴山一仁 , 清水 悠 , 苅山 靖 , 阿江通良
競技会における一流男女走幅跳および三段跳選手の助走スピード分析・・・・・・・・・・46
小山宏之 , 村木有也 , 柴山一仁 , 清水 悠 , 苅山 靖
宮下梨紗選手における 60m オーバーの投てき動作の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・65
- 60.08m と 53.80m との比較-
田内健二 , 村上雅俊 , 大宅和幸
2011 年テグ世界陸上男子 50kmW におけるベント・ニー判定の分析 ・・・・・・・・・・・69
三浦康二 ,BAE,Young-Sang,LEE,Jung-Min,SEO,Seok-Jin
七種競技選手の走幅跳パフォーマンス分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73
松林武生 , 持田 尚 , 本田 陽 , 松田克彦
十種競技日本記録保持者・右代啓祐選手のパフォ-マンス分析・・・・・・・・・・・・・79
持田 尚 , 松林武生 , 松田克彦 , 本田 陽 , 杉田正明
第 13 回世界陸上競技選手権大邱 (Daegu) 大会に出場した
競歩種目日本代表選手のコンディショニングについて・・・・・・・・・・・・・・・・89
井本岳秋 , 三浦康二 , 内田隆幸 , 小坂忠広 , 今村文男
女子マラソン代表選手のコンディショニングサポートについて・・・・・・・・・・・・・97
杉田正明 , 松尾彰文 , 長沼祥吾 , 高林俊幸,河野 匡,武冨 豊 , 林 清司,
山下佐知子
第 13 回 IAAF 世界陸上競技選手権大会男女マラソン調査・・・・・・・・・・・・・・・ 101
谷崎智舟 , 青木拓巳 , 石井好二郎
2011 年北海道マラソンにおける上位入賞選手のスペシャルドリンク調査 ・・・・・・・ 105
瀧澤一騎,柴田啓介,石井好二郎
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,20-24,2012
Vol.8,20-24,2012
2011 年度女子 100m レースにおける疾走スピード,
ピッチおよびストライドの変化
山本真帆1) 松尾彰文1) 松林武生1) 貴嶋孝太1) 広川龍太郎2) 柳谷登志雄3)
渡辺圭佑4) 綿谷貴志5) 麻場一徳6)
1)国立スポーツ科学センター 2)東海大学 3)順天堂大学 4)順天堂大学大学院
5)鹿屋体育大学連携大学院 6)都留文科大学
1.はじめに 100m のレースでは,スタート直後にスピードの
顕著な上昇がみられ,この上昇傾向が次第に小さく
なり最高スピードに達した後,フィニッシュまで
徐々に低下していく.我々はこれまでに,最高スピー
ドと記録の間に高い相関があることを報告してき
た.また,多くの選手がスタート直後にピッチを高
め,その後ストライドを長くしながら最高スピード
に至っていることを報告した.2009 年までは,10m
区間ごとの平均値として疾走スピード,ピッチおよ
びストライドの算出を行ってきたが,それぞれの区
間で右と左のステップ数が異なることから,2010
年からはピッチとストライドの関係を,4 ステッ
プごとの平均値として報告してきた.本報告では,
2011 年に国内で開催された日本選手権など主要 7
大会における女子 100m レースを分析し,スピード,
ピッチおよびストライドの変化について報告する.
また,今年より算出した逓減率について検討する.
2.方法
測定を行なったのは,織田記念(4 月 29 日)
,セ
イコーゴールデングランプリ川崎(6 月 4 − 5 日),
日本選手権(6 月 9 − 12 日),布勢スプリント(6 月
26 日),アジア選手権(7 月 7 − 10 日)における予
選から決勝までの女子 100m のレースであった.そ
れぞれのラウンドで,シードレーンを優先して,1
レース 3 〜 4 名を測定対象として選んだ.結果的に
のべ 47 レース(11.16 秒から 11.91 秒まで)のデー
タを得た.
疾走スピードの計測
疾走スピードの計測には,レーザー式走速度測定
装置(ラベック)を用いた.スタート後方に同装置
を設置して,スタートからフィニッシュまでの選手
の移動距離を 1/100 秒ごとに測定した.得られた
データから,10m ごとの通過タイムと区間平均速度
を算出した.
ピッチとストライドの算出
2 〜 4 台 の ハ イ ス ピ ー ド ビ デ オ カ メ ラ(Casio
Exilim EX-F1 299.7fps)を用いて側方および前方
からレースを撮影し,取得した映像からピッチを分
析した. 1 ステップ目からフィニッシュ後 1 ステッ
プまでの接地フレームを判別し,この間のフレーム
数から 1 歩ごとのピッチを算出したのち,4 ステッ
プごとに平均した.
ストライドは,ラベッグで求めた時間 - 距離関係
と,ハイスピード映像から判別した各歩の接地のタ
イミングから推定し,ピッチと同様に 4 ステップご
とに平均した.フィニッシュ直前の区間で 4 ステッ
プに満たない場合は,その部分の指標はデータに含
めなかった.なお,映像とラベックデータの同期に
は,映像に映しこんだスタート信号(スタートピス
トルの閃光)を利用した.
逓減率の算出
最高スピードからフィニッシュまでの疾走スピー
ドの低下を表したのが,逓減率である.ラベック
データより得られた 10m ごとの疾走スピードを用い
て,最高スピード到達点から 90m-100m 区間までの
スピードの低下率を算出し,これを逓減率とした.
- 20 -
3.結果と考察
இ᭗ǹȔȸȉᲢO
OUᲣ
Უ
スピードの変化
表 1 に,測定データの中でフィニッシュタイムが
良かった上位 10 名の疾走スピード分析結果を示し
た.最高スピードが最も高かったのは,福島選手の
10.21m/s であり,2011 年のレースで 10.00m/s を超
えた女子選手は福島選手だけであった.追い風参考
となったレースが多数あったため,表 2 には参考記
録も含めた上位 5 名の分析結果を示した.これらの
レースでは,全選手が最高スピードが 10.00m/s 以
上に達していた.
松尾ら(2010)によると,最高スピードはフィニッ
シュタイムと有意な相関関係にあることが報告され
ている.本年度のデータにおいても,この関係は認
められた(p<0.01,図 1).
上位 10 名の選手の全レース(のべ 23 レース)で
最高スピード到達点をみてみると,平均で 51.1m で
あった.同一選手の複数のレース間で最高スピード
到達点を比較してみたが,フィニッシュタイムとの
一定の関係は認められなかった.到達点よりも,最
高スピードそのものの方が,やはりフィニッシュタ
イムとの関係が深いようである.
y = -0.9719x + 21.108
ȕǣȋȃǷȥǿǤȠᲢU
UᲣ
図1
2011 年のレースにおける最高スピードと記
録の関係
最高スピード時のピッチとストライド
表 3 に,フィニッシュタイムが上位 10 名の,最
高スピード時のピッチとストライド,最高ピッチと
その到達点,最高ストライドとその到達点をそれぞ
れ示した.また上位 10 名の平均値,標準偏差,最
小値,最高値を示した.全 23 レースの総ステップ
数をみてみると,平均で 52.0 歩であった.ステッ
表 1 上位 10 名における 10m 区間ごとにみたラップタイムとスピード変化
㻃㻃
㻔㻃
㻕㻃
㻖㻃
㻗㻃
㻘㻃
㻙㻃
㻚㻃
㻛㻃
㻜㻃
᪝௛㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻕㻙㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻚㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻘㻒㻛㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓㻃
㻔㻓㻃 㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
Ắྞ㻃
⚗ᓞ㻃༐㔓㻃
ᕰᕖ㻃⳱⳧㻃
ῳ㎮㻃┷ᘢ㻃
ᒱ㒂㻃ዄ⥬㻃
໪㢴㻃ἃ⧂㻃
ᕱເ䜽䝛
䝮䝷䝌㻃
᪝ᮇ㐽ᡥ
ᶊ㻃
஢㐽㻃
஢㐽㻃
ΰỀ㻃䜇䛖䜅㻃
ᅰ஬㻃ᮝ༞㻃
ᒱᒜ㻃ἃⱝᏄ㻃
エ㘋㻃
㻎㻓㻑㻙㻃 㻔㻔㻑㻘㻘㻃
⧂⏛エᛍ
㻥Ửົ㻃 㻎㻕㻑㻓㻃 㻔㻔㻑㻘㻜㻃
㝛୕㻃
䜦䜼䜦㐽
ᡥᶊ㻃
⧂⏛エᛍ
㝛୕㻃
஢㐽㻃
஢㐽㻃
㧐ᶣ㻃ⴄᮄᏄ㻃 㻪㻪㻳ᕖᓧ㻃 Ửົ㻃
ఫ㔕㻃ከຊ㻃
᭩㧏䜽䝘䞀
฽㐡Ⅴ㻃
㻃㻃
䝍㻃
time(s)
㻐㻓㻑㻖㻃 㻔㻔㻑㻕㻗㻃
㻔㻓㻑㻔㻕㻃
㻘㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
ኬఌྞ㻃 䝭䜪䝷䝍㻃 㢴㻃
⧂⏛エᛍ
㝛୕㻃
᪝ᮇ㐽ᡥ
ᶊ㻃
᪝ᮇ㐽ᡥ
ᶊ㻃
஢㐽㻃
஢㐽㻃
஢㐽㻃
㻎㻔㻑㻓㻃 㻔㻔㻑㻙㻗㻃
㻎㻕㻑㻓㻃 㻔㻔㻑㻙㻘㻃
㻐㻓㻑㻗㻃 㻔㻔㻑㻚㻓㻃
㻎㻕㻑㻓㻃 㻔㻔㻑㻚㻓㻃
㻎㻓㻑㻖㻃 㻔㻔㻑㻚㻘㻃
㻎㻓㻑㻙㻃 㻔㻔㻑㻚㻘㻃
⧂⏛エᛍ
㻥Ửົ㻃 㻎㻕㻑㻓㻃 㻔㻔㻑㻛㻔㻃
㝛୕㻃
㻔㻓㼐㻃
㻕㻓㼐㻃
㻖㻓㼐㻃
㻗㻓㼐㻃
㻘㻓㼐㻃
㻔㻑㻜㻜㻃
㻔㻑㻜㻜㻃
㻖㻑㻔㻔㻃
㻔㻑㻔㻕㻃
㻗㻑㻔㻘㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻘㻑㻔㻘㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻙㻑㻔㻙㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻙㻓㼐㻃
㻚㻑㻔㻗㻃
㻓㻑㻜㻛㻃
㻚㻓㼐㻃
㻛㻑㻔㻗㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻛㻓㼐㻃
㻜㻓㼐㻃
㻔㻓㻓㼐㻃
㻜㻑㻔㻘㻃 㻔㻓㻑㻔㻜㻃 㻔㻔㻑㻕㻗㻃
㻔㻑㻓㻔㻃 㻔㻑㻓㻗㻃 㻔㻑㻓㻘㻃
㻘㻑㻓㻕㻃
㻛㻑㻜㻕㻃
㻜㻑㻙㻘㻃
㻜㻑㻜㻚㻃
㻜㻑㻜㻙㻃 㻔㻓㻑㻔㻕㻃 㻔㻓㻑㻓㻛㻃
㻜㻑㻛㻙㻃
㻜㻑㻛㻖㻃
time(s)
㻗㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻓㻚㻃
㻕㻑㻓㻚㻃
㻖㻑㻕㻗㻃
㻔㻑㻔㻚㻃
㻗㻑㻖㻔㻃
㻔㻑㻓㻚㻃
㻘㻑㻖㻙㻃
㻔㻑㻓㻘㻃
㻙㻑㻖㻚㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻚㻑㻗㻓㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻛㻑㻗㻕㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻜㻑㻗㻗㻃 㻔㻓㻑㻗㻛㻃 㻔㻔㻑㻘㻘㻃
㻔㻑㻓㻕㻃 㻔㻑㻓㻗㻃 㻔㻑㻓㻚㻃
㻗㻑㻛㻖㻃
㻛㻑㻘㻘㻃
㻜㻑㻕㻜㻃
㻜㻑㻙㻓㻃
㻜㻑㻛㻖㻃
㻜㻑㻚㻙㻃
㻜㻑㻛㻕㻃
㻜㻑㻚㻚㻃
㻜㻑㻜㻙㻃
time(s)
㻗㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻓㻘㻃
㻕㻑㻓㻘㻃
㻖㻑㻔㻜㻃
㻔㻑㻔㻗㻃
㻗㻑㻕㻘㻃
㻔㻑㻓㻙㻃
㻘㻑㻕㻚㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻙㻑㻕㻛㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻚㻑㻕㻜㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻛㻑㻖㻕㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻜㻑㻖㻛㻃 㻔㻓㻑㻗㻚㻃 㻔㻔㻑㻘㻜㻃
㻔㻑㻓㻙㻃 㻔㻑㻓㻜㻃 㻔㻑㻔㻕㻃
㻗㻑㻛㻛㻃
㻛㻑㻚㻘㻃
㻜㻑㻗㻗㻃
㻜㻑㻛㻔㻃
㻜㻑㻜㻙㻃
㻜㻑㻛㻛㻃
㻜㻑㻙㻙㻃
㻜㻑㻗㻘㻃
㻜㻑㻚㻛㻃
time(s)
㻘㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻓㻛㻃
㻕㻑㻓㻛㻃
㻖㻑㻕㻗㻃
㻔㻑㻔㻙㻃
㻗㻑㻖㻔㻃
㻔㻑㻓㻚㻃
㻘㻑㻖㻘㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻙㻑㻖㻛㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻚㻑㻗㻓㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻛㻑㻗㻖㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻜㻑㻗㻛㻃 㻔㻓㻑㻘㻘㻃 㻔㻔㻑㻙㻖㻃
㻔㻑㻓㻘㻃 㻔㻑㻓㻚㻃 㻔㻑㻓㻛㻃
㻗㻑㻛㻕㻃
㻛㻑㻘㻛㻃
㻜㻑㻖㻘㻃
㻜㻑㻙㻗㻃
㻜㻑㻚㻓㻃
㻜㻑㻚㻛㻃
㻜㻑㻙㻜㻃
㻜㻑㻘㻙㻃
㻜㻑㻚㻚㻃
time(s)
㻗㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻓㻖㻃
㻕㻑㻓㻖㻃
㻖㻑㻔㻚㻃
㻔㻑㻔㻗㻃
㻗㻑㻕㻗㻃
㻔㻑㻓㻚㻃
㻘㻑㻕㻛㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻙㻑㻖㻔㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻚㻑㻖㻖㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻛㻑㻖㻚㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻜㻑㻗㻗㻃 㻔㻓㻑㻘㻖㻃 㻔㻔㻑㻙㻘㻃
㻔㻑㻓㻚㻃 㻔㻑㻓㻜㻃 㻔㻑㻔㻕㻃
㻗㻑㻜㻗㻃
㻛㻑㻚㻖㻃
㻜㻑㻖㻜㻃
㻜㻑㻘㻚㻃
㻜㻑㻚㻚㻃
㻜㻑㻚㻗㻃
㻜㻑㻙㻕㻃
㻜㻑㻗㻓㻃
㻜㻑㻙㻚㻃
time(s)
㻙㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻔㻔㻃
㻕㻑㻔㻔㻃
㻖㻑㻕㻛㻃
㻔㻑㻔㻚㻃
㻗㻑㻖㻚㻃
㻔㻑㻓㻜㻃
㻘㻑㻗㻔㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻙㻑㻗㻘㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻚㻑㻗㻛㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻛㻑㻘㻕㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻜㻑㻘㻙㻃 㻔㻓㻑㻙㻕㻃 㻔㻔㻑㻚㻓㻃
㻔㻑㻓㻗㻃 㻔㻑㻓㻙㻃 㻔㻑㻓㻛㻃
㻗㻑㻚㻗㻃
㻛㻑㻘㻘㻃
㻜㻑㻔㻛㻃
㻜㻑㻘㻙㻃
㻜㻑㻙㻚㻃
㻜㻑㻙㻚㻃
㻜㻑㻙㻚㻃
㻜㻑㻘㻛㻃
㻜㻑㻚㻗㻃
time(s)
㻗㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻓㻚㻃
㻕㻑㻓㻚㻃
㻖㻑㻕㻕㻃
㻔㻑㻔㻘㻃
㻗㻑㻕㻜㻃
㻔㻑㻓㻚㻃
㻘㻑㻖㻖㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻙㻑㻖㻘㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻚㻑㻖㻛㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻛㻑㻗㻖㻃
㻔㻑㻓㻘㻃
㻜㻑㻘㻓㻃 㻔㻓㻑㻘㻛㻃 㻔㻔㻑㻚㻓㻃
㻔㻑㻓㻚㻃 㻔㻑㻓㻛㻃 㻔㻑㻔㻕㻃
㻗㻑㻛㻗㻃
㻛㻑㻙㻜㻃
㻜㻑㻖㻙㻃
㻜㻑㻙㻓㻃
㻜㻑㻚㻗㻃
㻜㻑㻚㻕㻃
㻜㻑㻘㻙㻃
㻜㻑㻖㻘㻃
㻜㻑㻙㻖㻃
time(s)
㻘㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻓㻖㻃
㻕㻑㻓㻖㻃
㻖㻑㻕㻓㻃
㻔㻑㻔㻚㻃
㻗㻑㻕㻛㻃
㻔㻑㻓㻛㻃
㻘㻑㻖㻖㻃
㻔㻑㻓㻘㻃
㻙㻑㻖㻚㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻚㻑㻗㻓㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻛㻑㻗㻙㻃
㻔㻑㻓㻙㻃
㻜㻑㻘㻗㻃 㻔㻓㻑㻙㻗㻃 㻔㻔㻑㻚㻘㻃
㻔㻑㻓㻛㻃 㻔㻑㻔㻓㻃 㻔㻑㻔㻔㻃
㻗㻑㻜㻖㻃
㻛㻑㻘㻙㻃
㻜㻑㻕㻙㻃
㻜㻑㻘㻖㻃
㻜㻑㻙㻕㻃
㻜㻑㻙㻖㻃
㻜㻑㻗㻖㻃
㻜㻑㻖㻓㻃
㻜㻑㻙㻘㻃
time(s)
㻗㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻓㻛㻃
㻕㻑㻓㻛㻃
㻖㻑㻕㻖㻃
㻔㻑㻔㻘㻃
㻗㻑㻕㻜㻃
㻔㻑㻓㻙㻃
㻘㻑㻖㻖㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻙㻑㻖㻙㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻚㻑㻗㻔㻃
㻔㻑㻓㻘㻃
㻛㻑㻗㻙㻃
㻔㻑㻓㻘㻃
㻜㻑㻘㻗㻃 㻔㻓㻑㻙㻖㻃 㻔㻔㻑㻚㻘㻃
㻔㻑㻓㻛㻃 㻔㻑㻓㻜㻃 㻔㻑㻔㻕㻃
㻗㻑㻛㻓㻃
㻛㻑㻚㻔㻃
㻜㻑㻗㻘㻃
㻜㻑㻙㻕㻃
㻜㻑㻙㻘㻃
㻜㻑㻘㻚㻃
㻜㻑㻘㻓㻃
㻜㻑㻖㻔㻃
㻜㻑㻛㻕㻃
time(s)
㻘㻘㻃 lap(s)
speed(m/s)
㻕㻑㻕㻓㻃
㻕㻑㻕㻓㻃
㻖㻑㻗㻓㻃
㻔㻑㻕㻓㻃
㻗㻑㻗㻜㻃
㻔㻑㻓㻜㻃
㻘㻑㻘㻖㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻙㻑㻘㻙㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻚㻑㻘㻛㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻛㻑㻙㻔㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻜㻑㻙㻘㻃 㻔㻓㻑㻚㻕㻃 㻔㻔㻑㻛㻔㻃
㻔㻑㻓㻗㻃 㻔㻑㻓㻚㻃 㻔㻑㻓㻜㻃
㻗㻑㻘㻗㻃
㻛㻑㻖㻛㻃
㻜㻑㻔㻜㻃
㻜㻑㻘㻘㻃
㻜㻑㻚㻗㻃
㻜㻑㻛㻕㻃
㻜㻑㻚㻖㻃
㻜㻑㻘㻘㻃
- 21 -
㻜㻑㻙㻕㻃
㻜㻑㻘㻜㻃
㻜㻑㻕㻓㻃
㻜㻑㻖㻚㻃
㻜㻑㻔㻚㻃
㻜㻑㻗㻔㻃
㻜㻑㻕㻕㻃
㻜㻑㻔㻓㻃
㻜㻑㻔㻘㻃
㻜㻑㻖㻘㻃
㻜㻑㻘㻔㻃
㻜㻑㻖㻚㻃
㻛㻑㻜㻕㻃
㻜㻑㻔㻜㻃
㻛㻑㻛㻜㻃
㻜㻑㻕㻜㻃
㻛㻑㻜㻗㻃
㻜㻑㻓㻓㻃
㻛㻑㻜㻕㻃
㻜㻑㻔㻜㻃
表 2 追い風参考記録も含めた上位 5 名における 10m 区間ごとにみたラップタイムとスピードの変化
㻃㻃
㻔㻃
㻕㻃
㻖㻃
㻗㻃
㻘㻃
᪝௛㻃
Ắྞ㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻕㻙㻃
⚗ᓞ㻃༐㔓㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜㻃
表3
ኬఌྞ㻃 䝭䜪䝷䝍㻃 㢴㻃
ᕱເ䜽䝛
䝮䝷䝌㻃
஢㐽㻃
㻎㻖㻑㻗㻃
⧂⏛エᛍ
㻤Ửົ㻃 㻎㻕㻑㻙㻃
㝛୕㻃
Melissa Breen
⧂⏛エᛍ
㻤Ửົ㻃 㻎㻕㻑㻙㻃
㝛୕㻃
ᕰᕖ㻃⳱⳧㻃
⧂⏛エᛍ
㻤Ửົ㻃 㻎㻕㻑㻙㻃
㝛୕㻃
໪㢴㻃ἃ⧂㻃
⧂⏛エᛍ
㻤Ửົ㻃 㻎㻕㻑㻙㻃
㝛୕㻃
㧐ᶣ㻃ⴄᮄᏄ㻃
エ㘋㻃 ᭩㧏䜽䝘䞀䝍㻃 ฽㐡Ⅴ㻃
㻔㻔㻑㻔㻙㻃
㻔㻔㻑㻕㻚㻃
㻔㻔㻑㻕㻛㻃
㻔㻔㻑㻗㻃
㻔㻔㻑㻗㻔㻃
㻔㻓㻑㻕㻙㻃
㻗㻘㻃
㻔㻓㻑㻔㻛㻃
㻘㻘㻃
㻔㻓㻑㻔㻙㻃
㻙㻘㻃
㻔㻓㻑㻓㻛㻃
㻘㻘㻃
㻔㻓㻑㻔㻕㻃
㻙㻘㻃
㻃㻃
㻔㻓㼐㻃
㻕㻓㼐㻃
㻖㻓㼐㻃
㻗㻓㼐㻃
㻘㻓㼐㻃
㻙㻓㼐㻃
㻚㻓㼐㻃
㻛㻓㼐㻃
㻜㻓㼐㻃
㻔㻓㻓㼐㻃
time(s)
㻔㻑㻜㻜㻃
㻖㻑㻔㻓㻃
㻗㻑㻔㻔㻃
㻘㻑㻔㻓㻃
㻙㻑㻓㻚㻃
㻚㻑㻓㻙㻃
㻛㻑㻓㻚㻃
㻜㻑㻓㻛㻃
㻔㻓㻑㻔㻓㻃
㻔㻔㻑㻔㻙㻃
lap(s)
㻔㻑㻜㻜㻃
㻔㻑㻔㻔㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻓㻑㻜㻚㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻔㻑㻓㻙㻃
speed(m/s)
㻘㻑㻓㻔㻃
㻜㻑㻓㻛㻃
㻜㻑㻛㻖㻃
㻔㻓㻑㻔㻗㻃
㻔㻓㻑㻕㻙㻃 㻔㻓㻑㻔㻓㻃
㻜㻑㻜㻚㻃
㻜㻑㻛㻙㻃
㻜㻑㻚㻚㻃
㻜㻑㻗㻙㻃
time(s)
㻕㻑㻓㻘㻃
㻖㻑㻕㻔㻃
㻗㻑㻕㻘㻃
㻘㻑㻕㻘㻃
㻙㻑㻕㻗㻃
㻚㻑㻕㻕㻃
㻛㻑㻕㻔㻃
㻜㻑㻕㻔㻃
㻔㻓㻑㻕㻖㻃
㻔㻔㻑㻕㻚㻃
lap(s)
㻕㻑㻓㻘㻃
㻔㻑㻔㻙㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻓㻑㻜㻛㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
speed(m/s)
㻗㻑㻛㻜㻃
㻛㻑㻙㻕㻃
㻜㻑㻘㻜㻃
㻔㻓㻑㻓㻔㻃
㻔㻓㻑㻓㻜㻃
㻔㻓㻑㻔㻛㻃 㻔㻓㻑㻔㻘㻃
㻜㻑㻜㻚㻃
㻜㻑㻚㻜㻃
㻜㻑㻙㻕㻃
time(s)
㻕㻑㻓㻚㻃
㻖㻑㻕㻖㻃
㻗㻑㻕㻚㻃
㻘㻑㻕㻜㻃
㻙㻑㻕㻛㻃
㻚㻑㻕㻛㻃
㻛㻑㻕㻙㻃
㻜㻑㻕㻙㻃
㻔㻓㻑㻕㻙㻃
㻔㻔㻑㻕㻛㻃
lap(s)
㻕㻑㻓㻚㻃
㻔㻑㻔㻙㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻓㻑㻜㻛㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
speed(m/s)
㻗㻑㻛㻖㻃
㻛㻑㻙㻔㻃
㻜㻑㻙㻔㻃
㻜㻑㻛㻗㻃
㻔㻓㻑㻓㻘㻃
㻔㻓㻑㻓㻗㻃
㻔㻓㻑㻔㻙㻃 㻔㻓㻑㻓㻗㻃
㻜㻑㻜㻚㻃
㻜㻑㻛㻕㻃
time(s)
㻕㻑㻓㻚㻃
㻖㻑㻕㻕㻃
㻗㻑㻕㻙㻃
㻘㻑㻕㻚㻃
㻙㻑㻕㻙㻃
㻚㻑㻕㻘㻃
㻛㻑㻕㻘㻃
㻜㻑㻕㻛㻃
㻔㻓㻑㻖㻖㻃
㻔㻔㻑㻗㻓㻃
lap(s)
㻕㻑㻓㻚㻃
㻔㻑㻔㻘㻃
㻔㻑㻓㻗㻃
㻔㻑㻓㻔㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
㻔㻑㻓㻘㻃
㻔㻑㻓㻚㻃
speed(m/s)
㻗㻑㻛㻖㻃
㻛㻑㻚㻕㻃
㻜㻑㻘㻚㻃
㻜㻑㻜㻗㻃
㻔㻓㻑㻓㻙㻃
㻔㻓㻑㻓㻛㻃
㻜㻑㻜㻜㻃
㻜㻑㻚㻛㻃
㻜㻑㻘㻖㻃
㻜㻑㻖㻓㻃
time(s)
㻕㻑㻔㻕㻃
㻖㻑㻕㻜㻃
㻗㻑㻖㻙㻃
㻘㻑㻖㻛㻃
㻙㻑㻖㻛㻃
㻚㻑㻖㻚㻃
㻛㻑㻖㻙㻃
㻜㻑㻖㻙㻃
㻔㻓㻑㻖㻛㻃
㻔㻔㻑㻗㻔㻃
lap(s)
㻕㻑㻔㻕㻃
㻔㻑㻔㻚㻃
㻔㻑㻓㻚㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻓㻑㻜㻜㻃
㻔㻑㻓㻓㻃
㻔㻑㻓㻕㻃
㻔㻑㻓㻖㻃
speed(m/s)
㻗㻑㻚㻕㻃
㻛㻑㻘㻗㻃
㻜㻑㻖㻘㻃
㻜㻑㻛㻔㻃
㻜㻑㻜㻗㻃
㻔㻓㻑㻓㻜㻃
㻔㻓㻑㻔㻕㻃 㻔㻓㻑㻓㻗㻃
㻜㻑㻛㻕㻃
㻜㻑㻙㻜㻃
上位 10 名における最高スピード時のピッチとストライドおよび最高ピッチと到達点,最高ストライ
ドと到達点,逓減率
᪝௛
エ㘋
㢴
䜽䝊䝇䝛ᩐ
⛂
㼐㻒㼖㻃
step
Ắྞ
㻔
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻕㻙 ⚗ᓞ ༐㔓
㻕
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻔
᭩㧏䜽䝘䞀䝍༇㛣
᭩㧏䝘䝇䝅༇㛣
᭩㧏䜽䝌䝭䜨䝍༇㛣
㏬΅⋙
䜽䝘䞀䝍
฽㐡Ⅴ
䝘䝇䝅
䜽䝌䝭䜨䝍
䝘䝇䝅
฽㐡Ⅴ
䜽䝌䝭䜨䝍
฽㐡Ⅴ
㏬΅⋙
㻓㻈䛴エ㘋
エ㘋䛮䛴ᕣ
㼐㻒㼖㻃
㼐㻃
㼖㻒㼖
㼐㻃
㼖㻒㼖
㼐㻃
㼐㻃
㼐㻃
㻈㻃
⛂
⛂
㻔㻔㻑㻕㻗㻃㻃 㻐㻓㻑㻖㻃
㻘㻖㻑㻗㻃㻃
㻔㻓㻑㻔㻖㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻜㻚㻃㻃
㻕㻑㻓㻗㻃㻃
㻗㻑㻜㻚㻃㻃
㻖㻓㻑㻚㻃㻃
㻕㻑㻓㻘㻃㻃
㻚㻔㻑㻕㻃㻃
㻘㻑㻜㻚㻃㻃
㻔㻔㻑㻔㻓㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃
⚗ᓞ ༐㔓 㻔㻔㻑㻖㻜㻃㻃 㻐㻓㻑㻙㻃
㻘㻗㻑㻘㻃㻃
㻜㻑㻜㻓㻃㻃
㻘㻘㻃
㻘㻑㻓㻘㻃㻃
㻔㻑㻜㻙㻃㻃
㻘㻑㻓㻙㻃㻃
㻘㻖㻑㻛㻃㻃
㻔㻑㻜㻜㻃㻃
㻗㻘㻑㻜㻃㻃
㻗㻑㻗㻜㻃㻃
㻔㻔㻑㻖㻓㻃㻃
㻓㻑㻓㻜㻃㻃
㻓㻑㻖㻓㻃㻃
㻖
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜
⚗ᓞ ༐㔓 㻔㻔㻑㻘㻓㻃㻃 㻐㻓㻑㻜㻃
㻘㻓㻑㻗㻃㻃
㻜㻑㻜㻗㻃㻃
㻖㻘㻃㻃
㻗㻑㻚㻕㻃㻃
㻕㻑㻔㻓㻃㻃
㻗㻑㻚㻛㻃㻃
㻕㻖㻑㻗㻃㻃
㻕㻑㻕㻜㻃㻃
㻜㻕㻑㻕㻃㻃
㻔㻔㻑㻕㻚㻃㻃
㻔㻔㻑㻕㻓㻃㻃
㻗
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓
⚗ᓞ ༐㔓 㻔㻔㻑㻘㻓㻃㻃 㻎㻓㻑㻗㻃
㻘㻕㻑㻓㻃㻃
㻜㻑㻚㻜㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻗㻑㻚㻚㻃㻃
㻕㻑㻓㻘㻃㻃
㻗㻑㻚㻛㻃㻃
㻖㻜㻑㻕㻃㻃
㻕㻑㻔㻖㻃㻃
㻛㻜㻑㻓㻃㻃
㻘㻑㻜㻘㻃㻃
㻔㻔㻑㻖㻜㻃㻃
㻓㻑㻔㻔㻃㻃
㻘
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓 ᕰᕖ ⳱⳧
㻔㻔㻑㻘㻘㻃㻃 㻎㻓㻑㻙㻃
㻗㻜㻑㻗㻃㻃
㻜㻑㻛㻗㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻗㻑㻗㻔㻃㻃
㻕㻑㻕㻕㻃㻃
㻗㻑㻘㻗㻃㻃
㻛㻘㻑㻜㻃㻃
㻕㻑㻕㻗㻃㻃
㻜㻗㻑㻙㻃㻃
㻗㻑㻙㻔㻃㻃
㻔㻔㻑㻗㻙㻃㻃
㻓㻑㻓㻜㻃㻃
⚗ᓞ ༐㔓 㻔㻔㻑㻘㻙㻃㻃 㻐㻓㻑㻗㻃
㻙
㻕㻓㻔㻔㻒㻘㻒㻛
㻘㻕㻑㻜㻃㻃
㻜㻑㻛㻜㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻛㻘㻃㻃
㻕㻑㻓㻖㻃㻃
㻗㻑㻜㻖㻃㻃
㻚㻔㻑㻖㻃㻃
㻕㻑㻔㻓㻃㻃
㻚㻜㻑㻘㻃㻃
㻔㻖㻑㻗㻕㻃㻃
㻔㻔㻑㻖㻘㻃㻃
㻓㻑㻕㻔㻃㻃
㻔㻔㻑㻘㻜㻃㻃 㻎㻕㻑㻓㻃
㻘㻖㻑㻖㻃㻃
㻜㻑㻜㻛㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻗㻑㻚㻜㻃㻃
㻕㻑㻓㻚㻃㻃
㻗㻑㻛㻜㻃㻃
㻕㻕㻑㻙㻃㻃
㻕㻑㻓㻜㻃㻃
㻖㻛㻑㻙㻃㻃
㻔㻓㻑㻗㻔㻃㻃
㻔㻔㻑㻖㻓㻃㻃
㻓㻑㻕㻜㻃㻃
ᕰᕖ ⳱⳧ 㻔㻔㻑㻙㻔㻃㻃 㻐㻓㻑㻙㻃
㻗㻜㻑㻜㻃㻃
㻜㻑㻛㻓㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻗㻘㻃㻃
㻕㻑㻕㻓㻃㻃
㻗㻑㻗㻜㻃㻃
㻘㻜㻑㻕㻃㻃
㻕㻑㻕㻕㻃㻃
㻘㻓㻑㻗㻃㻃
㻘㻑㻖㻛㻃㻃
㻔㻔㻑㻗㻛㻃㻃
㻓㻑㻔㻖㻃㻃
㻚
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜 ῳ㎮ ┷ᘢ
㻛
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻔
㻜
㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻚 ᒱ㒂 ዄ⥬
㻔㻔㻑㻙㻗㻃㻃 㻎㻔㻑㻓㻃
㻘㻔㻑㻓㻃㻃
㻜㻑㻚㻚㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻘㻙㻃㻃
㻕㻑㻔㻗㻃㻃
㻗㻑㻚㻓㻃㻃
㻖㻔㻑㻚㻃㻃
㻕㻑㻔㻚㻃㻃
㻛㻕㻑㻛㻃㻃
㻙㻑㻓㻕㻃㻃
㻔㻔㻑㻗㻜㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃
㻔㻔㻑㻙㻘㻃㻃 㻎㻕㻑㻓㻃
㻘㻛㻑㻛㻃㻃
㻜㻑㻚㻚㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻘㻑㻖㻕㻃㻃
㻔㻑㻛㻗㻃㻃
㻘㻑㻗㻕㻃㻃
㻕㻙㻑㻜㻃㻃
㻔㻑㻛㻛㻃㻃
㻘㻙㻑㻓㻃㻃
㻛㻑㻜㻙㻃㻃
㻔㻔㻑㻗㻕㻃㻃
㻓㻑㻕㻖㻃㻃
ᒱ㒂 ዄ⥬ 㻔㻔㻑㻙㻜㻃㻃 㻎㻓㻑㻔㻃
㻘㻔㻑㻖㻃㻃
㻜㻑㻚㻘㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻘㻚㻃㻃
㻕㻑㻔㻖㻃㻃
㻗㻑㻚㻓㻃㻃
㻖㻔㻑㻚㻃㻃
㻕㻑㻔㻗㻃㻃
㻙㻘㻑㻘㻃㻃
㻚㻑㻕㻔㻃㻃
㻔㻔㻑㻘㻕㻃㻃
㻓㻑㻔㻚㻃㻃
㻘㻕㻑㻙㻃㻃
㻜㻑㻚㻘㻃㻃
㻙㻘㻃㻃
㻗㻑㻗㻙㻃㻃
㻕㻑㻔㻙㻃㻃
㻗㻑㻛㻔㻃㻃
㻖㻜㻑㻗㻃㻃
㻕㻑㻓㻛㻃㻃
㻗㻚㻑㻙㻃㻃
㻖㻑㻛㻛㻃㻃
㻔㻔㻑㻙㻕㻃㻃
㻓㻑㻓㻛㻃㻃
㻔㻓
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜 ໪㢴 ἃ⧂
㻔㻔
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜
㻔㻕
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜 ఫ㔕 ከຊ
㻔㻖
㻔㻗
㻔㻔㻑㻚㻓㻃㻃 㻎㻕㻑㻓㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻘㻒㻛 㧐ᶣ ⴄᮄᏄ
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜
㻔㻔㻑㻚㻓㻃㻃 㻐㻓㻑㻗㻃
㻘㻔㻑㻓㻃㻃
㻜㻑㻚㻓㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻗㻑㻚㻕㻃㻃
㻕㻑㻓㻙㻃㻃
㻗㻑㻚㻓㻃㻃
㻖㻔㻑㻗㻃㻃
㻕㻑㻔㻙㻃㻃
㻙㻘㻑㻖㻃㻃
㻛㻑㻕㻕㻃㻃
㻔㻔㻑㻗㻜㻃㻃
㻓㻑㻕㻕㻃㻃
㧐ᶣ ⴄᮄᏄ 㻔㻔㻑㻚㻕㻃㻃 㻎㻓㻑㻔㻃
㻘㻔㻑㻙㻃㻃
㻜㻑㻙㻜㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻘㻛㻃㻃
㻕㻑㻔㻕㻃㻃
㻗㻑㻚㻕㻃㻃
㻕㻕㻑㻜㻃㻃
㻕㻑㻔㻗㻃㻃
㻚㻖㻑㻔㻃㻃
㻗㻑㻘㻓㻃㻃
㻔㻔㻑㻙㻔㻃㻃
㻓㻑㻔㻔㻃㻃
㻓㻑㻕㻚㻃㻃
㻔㻘
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜
ῳ㎮ ┷ᘢ 㻔㻔㻑㻚㻖㻃㻃 㻎㻓㻑㻔㻃
㻘㻖㻑㻛㻃㻃
㻜㻑㻚㻔㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻗㻑㻛㻓㻃㻃
㻕㻑㻓㻕㻃㻃
㻗㻑㻜㻖㻃㻃
㻔㻘㻑㻖㻃㻃
㻕㻑㻓㻖㻃㻃
㻙㻕㻑㻛㻃㻃
㻔㻓㻑㻜㻘㻃㻃
㻔㻔㻑㻗㻙㻃㻃
㻔㻙
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻔
ᒱ㒂 ዄ⥬ 㻔㻔㻑㻚㻗㻃㻃 㻐㻓㻑㻙㻃
㻘㻔㻑㻗㻃㻃
㻜㻑㻙㻛㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻘㻚㻃㻃
㻕㻑㻔㻔㻃㻃
㻗㻑㻙㻛㻃㻃
㻖㻔㻑㻘㻃㻃
㻕㻑㻔㻘㻃㻃
㻗㻛㻑㻕㻃㻃
㻙㻑㻕㻜㻃㻃
㻔㻔㻑㻘㻚㻃㻃
㻓㻑㻔㻙㻃㻃
㻔㻚
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓 ΰỀ 䜇䛖䜅
㻔㻔㻑㻚㻘㻃㻃 㻎㻓㻑㻖㻃
㻗㻜㻑㻖㻃㻃
㻜㻑㻙㻘㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻖㻘㻃㻃
㻕㻑㻕㻔㻃㻃
㻗㻑㻘㻔㻃㻃
㻔㻚㻑㻖㻃㻃
㻕㻑㻕㻔㻃㻃
㻘㻔㻑㻙㻃㻃
㻙㻑㻘㻚㻃㻃
㻔㻔㻑㻘㻙㻃㻃
㻓㻑㻔㻜㻃㻃
㻔㻛
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓 ᅰ஬ ᮝ༞
㻔㻔㻑㻚㻘㻃㻃 㻎㻓㻑㻙㻃
㻘㻗㻑㻗㻃㻃
㻜㻑㻙㻛㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻗㻑㻚㻜㻃㻃
㻕㻑㻓㻕㻃㻃
㻗㻑㻜㻘㻃㻃
㻕㻕㻑㻔㻃㻃
㻕㻑㻓㻖㻃㻃
㻗㻘㻑㻘㻃㻃
㻚㻑㻘㻚㻃㻃
㻔㻔㻑㻘㻘㻃㻃
㻓㻑㻕㻓㻃㻃
㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻚
ᕰᕖ ⳱⳧ 㻔㻔㻑㻚㻙㻃㻃 㻎㻓㻑㻖㻃
㻗㻜㻑㻛㻃㻃
㻜㻑㻙㻘㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻗㻗㻃㻃
㻕㻑㻔㻙㻃㻃
㻗㻑㻗㻚㻃㻃
㻘㻛㻑㻜㻃㻃
㻕㻑㻕㻔㻃㻃
㻜㻖㻑㻙㻃㻃
㻘㻑㻜㻗㻃㻃
㻔㻔㻑㻙㻗㻃㻃
㻓㻑㻔㻔㻃㻃
㻕㻓
㻕㻓㻔㻔㻒㻘㻒㻛
ῳ㎮ ┷ᘢ 㻔㻔㻑㻚㻚㻃㻃 㻐㻓㻑㻗㻃
㻘㻗㻑㻕㻃㻃
㻜㻑㻙㻚㻃㻃
㻗㻘㻃㻃
㻗㻑㻛㻙㻃㻃
㻔㻑㻜㻛㻃㻃
㻗㻑㻜㻔㻃㻃
㻔㻗㻑㻜㻃㻃
㻕㻑㻓㻔㻃㻃
㻖㻛㻑㻓㻃㻃
㻚㻑㻙㻔㻃㻃
㻔㻔㻑㻘㻚㻃㻃
㻓㻑㻕㻓㻃㻃
㻕㻔
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻓
ఫ㔕 ከຊ 㻔㻔㻑㻚㻚㻃㻃 㻎㻓㻑㻖㻃
㻘㻕㻑㻔㻃㻃
㻜㻑㻙㻘㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻘㻜㻃㻃
㻕㻑㻔㻓㻃㻃
㻗㻑㻛㻔㻃㻃
㻔㻘㻑㻗㻃㻃
㻕㻑㻔㻓㻃㻃
㻘㻘㻑㻜㻃㻃
㻙㻑㻛㻔㻃㻃
㻔㻔㻑㻘㻜㻃㻃
㻓㻑㻔㻛㻃㻃
㻕㻕
㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻛
ᒱ㒂 ዄ⥬ 㻔㻔㻑㻚㻜㻃㻃 㻎㻔㻑㻜㻃
㻘㻔㻑㻔㻃㻃
㻜㻑㻚㻓㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻘㻕㻃㻃
㻕㻑㻔㻗㻃㻃
㻗㻑㻘㻜㻃㻃
㻕㻖㻑㻗㻃㻃
㻕㻑㻔㻗㻃㻃
㻘㻙㻑㻜㻃㻃
㻙㻑㻓㻓㻃㻃
㻔㻔㻑㻙㻓㻃㻃
㻓㻑㻔㻛㻃㻃
㻓㻑㻔㻙㻃㻃
㻔㻜
㻕㻖
㻕㻓㻔㻔㻒㻗㻒㻕㻜 ᒱᒜ ἃⱝᏄ
㻔㻔㻑㻛㻔㻃㻃 㻎㻕㻑㻓㻃
㻗㻛㻑㻖㻃㻃
㻜㻑㻛㻚㻃㻃
㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻕㻜㻃㻃
㻕㻑㻖㻓㻃㻃
㻗㻑㻖㻜㻃㻃
㻔㻙㻑㻛㻃㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻜㻚㻑㻖㻃㻃
㻙㻑㻖㻜㻃㻃
㻔㻔㻑㻙㻘㻃㻃
ᖲᆍೋ䟺㼑㻠㻕㻖䟻 㻔㻔㻑㻙㻘㻃㻃 㻎㻓㻑㻗㻃
㻘㻕㻑㻓㻃㻃
㻜㻑㻚㻛㻃㻃
㻘㻔㻑㻔㻃㻃
㻗㻑㻙㻚㻃㻃
㻕㻑㻓㻜㻃㻃
㻗㻑㻚㻚㻃㻃
㻖㻗㻑㻕㻃㻃
㻕㻑㻔㻖㻃㻃
㻙㻘㻑㻖㻃㻃
㻚㻑㻔㻘㻃㻃
㻔㻔㻑㻗㻚㻃㻃
㻓㻑㻔㻚㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃 㻎㻔㻑㻓㻃
㻕㻑㻖㻃㻃
㻓㻑㻔㻕㻃㻃
㻙㻑㻙㻃㻃
㻓㻑㻕㻗㻃㻃
㻓㻑㻔㻓㻃㻃
㻓㻑㻕㻖㻃㻃
㻔㻜㻑㻕㻃㻃
㻓㻑㻔㻓㻃㻃
㻔㻜㻑㻔㻃㻃
㻕㻑㻗㻕㻃㻃
㻓㻑㻔㻘㻃㻃
㻓㻑㻓㻙㻃㻃
᭩ᑚೋ 㻔㻔㻑㻕㻗㻃㻃 㻐㻓㻑㻜㻃
㻗㻛㻑㻖㻃㻃
㻜㻑㻙㻘㻃㻃
㻖㻘㻃㻃
㻗㻑㻕㻜㻃㻃
㻔㻑㻛㻗㻃㻃
㻗㻑㻖㻜㻃㻃
㻔㻗㻑㻜㻃㻃
㻔㻑㻛㻛㻃㻃
㻖㻛㻑㻓㻃㻃
㻖㻑㻛㻛㻃㻃
㻔㻔㻑㻔㻓㻃㻃
㻓㻑㻓㻛㻃㻃
᭩㧏ೋ 㻔㻔㻑㻛㻔㻃㻃 㻎㻕㻑㻓㻃
㻘㻛㻑㻛㻃㻃
㻔㻓㻑㻔㻖㻃㻃
㻙㻘㻃㻃
㻘㻑㻖㻕㻃㻃
㻕㻑㻖㻓㻃㻃
㻘㻑㻗㻕㻃㻃
㻛㻘㻑㻜㻃㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻜㻚㻑㻖㻃㻃
㻔㻖㻑㻗㻕㻃㻃
㻔㻔㻑㻙㻘㻃㻃
㻓㻑㻖㻓㻃㻃
ᵾ‵೩ᕣ
- 22 -
ǹȈȩǤȉᲢO
OᲣ
ǹȈȩǤȉᲢO
OᲣ
ᅦ޽Ҙ᣺
ࠊ߷ᓙᓔ
บᡀჇࡻ
‫ޢ‬ᢿ‫ډ‬ደ
҅᫘ඍጢ
ᅦ޽Ҙ᣺
ࠊ߷ᓙᓔ
บᡀჇࡻ
‫ޢ‬ᢿ‫ډ‬ደ
҅᫘ඍጢ
ុᩉᲢOᲣ
ុᩉᲢOᲣ
ᅦ޽Ҙ᣺
ࠊ߷ᓙᓔ
บᡀჇࡻ
ȔȃȁᲢUVGRUUᲣ
ȔȃȁᲢU
UVGRUUᲣ
ᅦ޽Ҙ᣺
ࠊ߷ᓙᓔ
บᡀჇࡻ
‫ޢ‬ᢿ‫ډ‬ደ
҅᫘ඍጢ
‫ޢ‬ᢿ‫ډ‬ደ
҅᫘ඍጢ
ុᩉᲢOᲣ
ុᩉᲢO
OᲣ
図 2 上位 5 名におけるピッチとストライドの変化
図3
プ数の最小値は岡山選手の 48.3 歩であり,最大値
は北風選手の 58.8 歩であった.北京オリンピック
金メダリストの Fraser 選手が 10.73 秒で走った時
の総ステップ数は 49.8 歩であり,最高スピード到
達時のピッチは 4.92s/s,ストライドは 2.18m であっ
た.これは日本選手のピッチの最高値およびストラ
イドの最高値と同程度であるが,これを同時に実現
することで, 10.75m/s という高い疾走スピードに
到達していた.2010 年に日本ランク 2 位であった
髙橋選手は,最高スピード到達点のピッチの最高値
は 4.67s/s,ストライドの最高値は 2.24m であった
が(松尾ら 2010),2011 年にはピッチはほぼ同程
度であったものの,ストライドが 2.15m とやや短く
なっていた.
ない.
最高スピード到達点と最高ピッチおよび最高スト
ライド到達点の関係についても検討した.23 例中
19 例がスピードより前にピッチが最高値に到達し,
その平均は最高スピード到達より 16.9m 前方であっ
た.また 23 例中 16 例がスピードより後にストライ
ドが最高値に到達し,その平均は最高スピード到達
より 14.2m 後方であった.レース後半の減速期には,
ピッチが低下し続けるのにも関わらず,疾走スピー
ドがそれほど低下しないは,ストライドの最高値が
最高スピード到達点より後方に出現するためである
と考えられる.
ピッチとストライドの変化
図 2 には,上位 5 名のレース中のピッチとストラ
イドの変化を示した.また最高スピード時のピッチ
およびストライドを 100% として規格化したものを
図 3 に示した.最高スピード到達点以降フィニッ
シュまでのピッチの減少は平均 4.82% であったのに
対し,ストライドの減少は平均 3.16% であった.ス
トライドと比較してピッチの方が有意に低下してい
た(p<0.05).減速期にピッチの低下を抑えることで,
スピードの低下を小さくすることができるかもしれ
上位 5 名における最高スピード時を 100% に
規格化したピッチとストライドの変化
逓減率
表 3 に,上位 10 名の逓減率と,逓減率 0% であっ
た場合の記録,
実際の記録との差を合わせて示した.
上位 10 名の逓減率は平均 7.15% であった.疾走
スピードの低下による記録低下への影響は,平均し
て 0.17 秒であった.レース後半はピッチもストラ
イドも低下するため,疾走速度の低下は避けられな
い.レース分析の資料として逓減率を提示すること
の是非については,今後検討が必要であるが,疾走
スピードの低下を抑えることを戦略として考えるな
らば,有効な資料になり得るかもしれない.
- 23 -
4.まとめ
100m のレース分析として,10m ごとのスピード変
化,および 4 ステップサイクルごとにみたピッチ
とストライドの変化,最高スピード到達点とピッ
チ,ストライドの関係について検討した.データは
2011 年に国内で開催された日本選手権など主要 7
大会で収集されたものであった.結果は以下のよう
になった.
①選手内で比較しても,最高スピードの到達点はさ
まざまであった.よって,最高スピードに到達する
区間と記録との関連は弱く,最高スピードがどの程
度であるかの方が重要であると考えられた.
②記録と最高スピードの間には,従来の報告通り有
意な相関関係が認められた. ③減速期には,ピッチおよびストライドはフィニッ
シュまで低下し続けるが,その低下率はストライド
よりピッチの方が有意に大きかった.
参考文献
松尾彰文,広川龍太郎,柳谷登志雄,持田尚,杉田
正明,松林武生,貴嶋孝太,川崎知美,苅部俊二,
土江寛裕,清田浩伸,麻場一徳,中村宏之(2011)
100m レースにおける 4 ステップごとにみたスピー
ド,ピッチおよびストライドの変化,日本陸上競
技研究紀要,7:21-29.
Matsuo, A., Tsuchie, H., Yanagiya, T.,
Hirokawa, R., Sugita, M., Ae, M:Analysis of
speed patterns in 100-m sprints, 世 界 一 流
陸上競技者のパフォーマンスと技術 , 218-222,
2010.
- 24 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,25-34,2012
Vol.8,25-34,2012
2011 年世界および日本トップスプリンターの 200m における走パフォーマンス分析
髙橋恭平 1),2) 松尾彰文 2) 広川龍太郎 3) 柳谷登志雄 4) 貴嶋孝太 2) 松林武生 2) 山本真帆 2)
綿谷貴志 5) 渡辺圭佑 6)
1)熊本高等専門学校 2)国立スポーツ科学センター 3)東海大学 4)順天堂大学
5)鹿屋体育大学大学院 6)順天堂大学大学院
はじめに
2009 年、Usain Bolt 選手(ジャマイカ)が 100m
および 200m の世界記録を鮮烈的に更新したことで
(9″ 58 および 19″ 19)、様々な観点からショート
スプリントに対する関心が高まっており、科学的観
点からの興味も例外ではない。
近年、100m のレース分析に関しては、レーザー
ドップラー型速度測定装置(LAVEG)やハイスピー
ドカメラを用いた速度、ピッチおよびストライド
の分析が行われており、多くの報告がある。しか
しながら、200m に関しては、カーブ区間の分析の
困難性から実施されてこなかった。そこで、土江
ら(2010) は、2007 年 に 開 催 さ れ た 第 11 回 世 界
陸上競技選手権大阪大会における 200m のレース前
に、トラック上に分析区間となるポイントにマー
キングし、20m 毎の走速度、通過タイム、ピッチ
(Step Frequency; SF)およびストライド(Stride
Length; SL)の分析を行った。本研究においても、
土江らの用いた方法を参考に、2011 年に開催され
た第 27 回静岡国際陸上競技大会(2011 年 5 月 3 日、
静岡)、第 95 回日本陸上競技選手権大会(2011 年 6
月 10 ~ 12 日、熊谷)、第 19 回アジア陸上競技選手
権(2011 年 7 月 7 ~ 10 日、神戸)、第 13 回世界陸
上競技選手権(2011 年 8 月 27 ~ 9 月 4 日、テグ)
(以
下、
「静岡国際」、
「日本選手権」、
「アジア選手権」、
「世
界選手権」とする)における世界および日本トップ
スプリンターの 200m レース分析を試みた。
者(開催地の陸上競技協会)の了解を得て、試合開
始前トラック上にスタートからゴールまで 20m 毎に
ホワイトテープでマーキングし、各撮影ポイントか
らキャリブレーション映像を液晶デジタルカメラ
EXILIM(EX-F1、CASIO、JAPAN)によりハイスピー
ド撮影した。カメラの撮影速度は 300fps、シャッ
ター速度 250 分の 1 とし、各撮影ポイントにおいて
全選手(全レーン)が入る画角を設定した。
撮 影 ス タ ッ フ は 20m、40m、60m、80m、100m、
120m、140m、160m、180m、フィニッシュラインの計
10 ヶ所をスタンドから撮影するためにそれぞれ配
置された。レースの撮影は、スターターのピストル
の閃光を撮影した後、各撮影ポイントでカメラを止
めて(途中棄権選手を除く)全選手が通過したらゴー
ルするまで追尾撮影を行った。
1-2.世界選手権における映像撮影
世界選手権は、走路上へのマーキングおよびそれ
のキャリブレーション用の撮影が不可能であったた
め、ハードルの設置場所やリレーのテイクオーバー
ゾーンなどを示すマークを手掛かりに、可能な限り
1-1 で実施した撮影ポイントに近くなる撮影ポイン
トを決定した(表 1)
。ハイスピード撮影に使用し
たカメラ、カメラの設定および撮影方法は 1-1 と同
様であった。撮影スタッフは、表 1 の項目にフィニッ
シュラインを追加した計 9 ヶ所をスタンドから撮影
した。
2.分析方法
方法
1-1.静岡国際、日本選手権、アジア選手権におけ
る映像撮影
上記 3 大会は日本での開催であったため、主催
分析を実施したレースは、静岡国際男子 200m 決
勝、日本選手権男子 200m 予選および男女決勝、ア
ジア選手権男子 200m に出場した日本代表選手およ
び優勝者、そして世界選手権男女 200m に出場した
- 25 -
平均ピッチとストライドをフレーム数から求めた
(分析対象:日本選手権男子決勝進出者全員、アジ
ア選手権男子日本代表選手および優勝者、世界選手
権男女日本代表選手および男女メダリスト各 3 名)
。
世界選手権については、55m ~ 80m 区間の分析を行っ
た。(結果は資料を参照。)
表 1.各試合における 200m レースの撮影ポイント
䚼㻔㻐㻕䚽
䚼㻔㻐㻔䚽
㻗㻓㻓㼐䝓䞀䝍䝯㻙ྋ┘
㻕㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻕㻓㼐ᆀⅤ䟻
㻗㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䇮
㻗㻓㻓㼐䝓䞀䝍䝯㻚ྋ┘
㻙㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻘㻘㼐ᆀⅤ䟻
㻗㻓㻓㼐䝮䝰䞀㻗㉦䛴䝚䝯䞀䝭䜨䝷
㻛㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻛㻓㼐ᆀⅤ䟻
結果
全ての図は、最高走速度が得られた区間のプロッ
トを白抜きで示した。ピッチとストライドの図にお
いても同様に、最高走速度が得られた区間のプロッ
トを白抜きにしており、ピッチとストライドの最高
値を示すものではない。
㻗㻓㻓㼐䝮䝰䞀㻖㉦䊲㻗㉦䛴䝊䜨䜳䜮䞀䝔䞀䝂䞀䝷䛴୯ᚨ
㻔㻓㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻔㻓㻓㼐ᆀⅤ䟻䚭䈓䝊䜴䜽䝃䜼䜦䝤䛱䛵䝭䜨䝷᭯
㻔㻓㻓㼐䝓䞀䝍䝯㻕ྋ┘
㻔㻕㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻔㻕㻔㻑㻘㼐ᆀⅤ䟻
㻔㻔㻓㼐䝓䞀䝍䝯㻘ྋ┘
㻔㻗㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐ᆀⅤ䟻
㻔㻔㻓㼐䝓䞀䝍䝯㻚ྋ┘
㻔㻙㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐ᆀⅤ䟻
㻔㻓㻓㼐䝓䞀䝍䝯㻜ྋ┘
㻔㻛㻓㼐ᆀⅤ 䊲 䟺㻔㻛㻔㼐ᆀⅤ䟻
䚼㻔㻐㻔䚽䠌㟴ᒱᅗ㝷䚮᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䚮䜦䜼䜦㐽ᡥᶊ䛴᧔ᙫ䝡䜨䝷䝌
䚼㻔㻐㻕䚽䠌ୠ⏲㐽ᡥᶊ䛴᧔ᙫ䝡䜨䝷䝌
日本代表選手および男女メダリストであった。映像
分析には映像再生・編集ソフト(QuickTimePro7,
Apple, USA)によるコマ(フレーム数)表示機能を
用い、まず、全撮影ポイントから撮影した映像のス
ターターのピストル閃光をゼロフレーム目に編集し
た。
2-1.通過タイム、区間タイムおよび区間平均速度
通過タイムは各分析ポイントを選手の胴体部分が
通過した時のフレーム数から求めた。区間タイムは
各分析ポイントの通過タイムから差分することで求
め、さらに区間タイムから区間平均速度(以下、
「区
間速度」とする)の算出を行った。
2-2.区間平均ピッチ
ピッチは各区間の(分析ポイント通過後最初の 1
歩目をゼロ歩として)計 8 歩に要した時間をフレー
ム数から求め、1 秒あたりのピッチを算出した。ス
タート(0m)から 20m 区間のみ計 10 歩を分析した。
2-3.区間平均ストライド
ストライドは 2-1 で求めた区間速度を 2-2 で求め
たピッチで除すことで求めた。
2-4.60(55)m ~ 80m 区間の接地時間、滞空時間、
区間平均ピッチおよびストライド
これまでに、200m レース中の最高走速度は 60m
~ 80m 付近で最高走速度に達すことが指摘されてい
ることから(土江ら、2010)、当区間 9 歩(左足 5 歩、
右足 4 歩)分の接地時間と滞空時間および当区間の
1.世界選手権
図 1 は、世界選手権男子 200m メダリスト 3 名の
走速度、ピッチおよびストライドの変化を示してい
る。走速度は、いずれの選手も 55m ~ 80m 区間まで
増加し、最高走速度が出現した後は、やや低下しな
がらフィニッシュするという動態を示した。また、
メダリスト 3 名全員が、55m ~ 80m 区間で最高走速
度に達していたが(図中の白抜きプロット)、優勝
した Usain BOLT 選手の最高走速度は 11.63m/s と、
他の選手と比較して著しく高い値であった。ピッチ
は 20m ~ 55m 区間で最も高く、それ以降減少してい
くという動態を示した。3 名の中で Walter DIX 選
手のピッチは、他メダリストと比較して 20m ~ 55m
区間で最高 5stp/s を超え抜きん出ていた。Usain
BOLT 選手と Chrisophe LEMAITRE 選手のピッチおよ
びストライドの変化は、似た動態を示した。男子メ
ダリスト 3 名の 60m ~ 80m 区間の接地時間と滞空時
間は、左右脚でほとんど変わらなかった(資料参照)。
しかしながら、ピッチは左足と比較して右足で顕著
に高く、ストライドは、逆に右足より左足の方が高
い傾向を示した。
図 2 ~ 4 は、日本代表選手の髙平慎士選手、齋藤
仁志選手および小林雄一選手の走速度、ピッチおよ
びストライドの変化を示したものである。髙平選
手(図 2)の最高走速度は予選と準決勝共に 55m ~
80m 区 間 で 出 現 し、 そ れ ぞ れ 10.73m/s と 10.81m/
s であった。またピッチとストライドは、予選と準
決勝で似た動態を示していた。すなわち、ピッチは
スタート後 20m ~ 55m 区間で最大となり、その後は
フィニッシュまで、やや減少するように変化した。
181m ~ 200m 区間のピッチはそれ以前の区間よりも
大きく低下した。一方、ストライドは 181m ~ 200m
区間で最大であったが、この区間を除くと、予選と
- 26 -
12
11.5
11
10.5
10
9.5
Usain BOLT
9
55-80m
8
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
5
Step Frequency (stp/s)
5.5
4.5
4
3.5
Usain BOLT
Walter DIX
3
Christophe LEMAITRE
0-20m
20-55m
55-80m
㧐ᖲ㻃 ஢㐽
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
㧐ᖲ㻃 ஢㐽
3
2.8
2.8
2.6
2.6
2.4
2.4
1.8
55-80m
3.5
3
2
20-55m
4
3
2.2
㧐ᖲ㻃 ‵Ửົ
0-20m
4.5
2.5
Step Length (m)
Step Length (m)
20-55m
5
㧐ᖲ㻃 ‵Ửົ
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
2.2
2
1.8
1.6
Usain BOLT
1.4
Walter DIX
1.4
㧐ᖲ㻃 ஢㐽
1.2
Christophe LEMAITRE
1.2
㧐ᖲ㻃 ‵Ửົ
1
0-20m
図1
Speed (m/s)
0-20m
5.5
2.5
20-55m
55-80m
1.6
1
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
世界選手権大邱大会男子 200m 決勝における
メダリスト 3 名のスピード、ピッチ、ストラ
イド変化
図2
12
12
11.5
11
11
10.5
10.5
10
9.5
9
8
55-80m
9
8
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
5.5
5
5
4.5
4
3.5
㰳⸠㻃 ஢㐽
2.5
㰳⸠㻃 ‵Ửົ
0-20m
20-55m
55-80m
2.6
2.4
2.4
Step Length (m)
2.8
2.6
1.8
1.6
1.4
1.2
図3
1
世界選手権大邱大会男子 200m 予選および準
決勝における齋藤選手のスピード、ピッチ、
ストライド変化
図4
- 27 -
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
1.6
㰳⸠㻃 ‵Ửົ
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
0-20m
2
1.2
55-80m
ᑚᯐ㻃 ஢㐽
1.8
㰳⸠㻃 ஢㐽
20-55m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
2.2
1.4
0-20m
55-80m
3
2.8
2
20-55m
3.5
3
2.2
0-20m
4
2.5
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
ᑚᯐ㻃 ஢㐽
4.5
3
1
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
10
5.5
3
55-80m
8.5
㰳⸠㻃 ‵Ửົ
20-55m
20-55m
9.5
㰳⸠㻃 ஢㐽
0-20m
0-20m
世界選手権大邱大会男子 200m 予選および準
決勝における髙平選手のスピード、ピッチ、
ストライド変化
11.5
8.5
Step Frequency (stp/s)
9
8.5
Christophe LEMAITRE
Speed (m/s)
Step Frequency (stp/s)
8
10
9.5
Walter DIX
8.5
Step Length (m)
Speed (m/s)
11
10.5
Step Frequency (stp/s)
Speed (m/s)
12
11.5
ᑚᯐ㻃 ஢㐽
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
世界選手権大邱大会男子 200m 予選および準
決勝における小林選手のスピード、ピッチ、
ストライド変化
10.5
10
Speed (m/s)
9.5
9
8.5
8
Veronica CAMPBELL-BROWN
Carmelita JETER
7.5
7
Allyson FELIX
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
5.5
Step Frequency (stp/s)
5
4.5
4
3.5
Veronica CAMPBELL-BROWN
Carmelita JETER
3
2.5
Allyson FELIX
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
3
2.8
Step Length (m)
2.6
2.4
2.2
2
1.8
1.6
Veronica CAMPBELL-BROWN
1.4
Carmelita JETER
1.2
1
図5
Allyson FELIX
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
世界選手権大邱大会女子 200m 決勝における
メダリスト 3 名のスピード、ピッチ、ストラ
イド変化
10.5
10
Speed (m/s)
9.5
9
8.5
8
⚗ᓞ㻃 ஢㐽
7.5
7
⚗ᓞ㻃 ‵Ửົ
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
Step Frequency (stp/s)
5.5
5
4.5
4
3.5
⚗ᓞ㻃 ஢㐽
3
2.5
⚗ᓞ㻃 ‵Ửົ
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
3
2.8
2.6
Step Length (m)
準決勝共にスタート後 55m ~ 80m 区間まで増加し、
その後はフィニッシュまで大きな変化を示さなかっ
た。齋藤選手(図 3)の最高走速度は予選と準決勝
共に 55m ~ 80m 区間で出現していた。最高走速度は
予選(10.61m/s)より準決勝(10.80m/s)の方が高
かったが、最高走速度到達区間からの速度低下の程
度は予選より準決勝の方で大きかった。ピッチとス
トライドは、予選と準決勝で似た動態を示してい
た。齋藤選手のピッチも髙平選手同様にスタート後
20m ~ 55m 区間で最大となり、
その後はフィニッシュ
まで減少していた。ストライドに関しても髙平選手
同様に、55m ~ 80m 区間まで増加し、その後はやや
減少傾向にあるもののフィニッシュまで大きく変わ
らなかった。小林選手(図 4)の予選の最高走速度
は 80m ~ 100m 区間で出現していた(10.42m/s)。同
選手のピッチも前述の 2 名の日本代表選手同様に、
20m ~ 55m 区間で最大となり、
最大値出現後フィニッ
シュまで緩やかに減少する傾向にあった。小林選手
のストライドは、80m ~ 100m 区間で最大値に達し
た後、158.56m ~ 181m 区間まで最大値に近い値が
維持されていた。
図 5 は、 世 界 選 手 権 女 子 200m メ ダ リ ス ト 3 名
の走速度、ピッチおよびストライドの変化を示し
て い る。Veronica CAMPBELL-BROWN 選 手 は 55m ~
80m 区間で、他 2 名は 80m ~ 100m 区間で最高速度
に 達 し て い た。Veronica CAMPBELL-BROWN 選 手 と
Carmelita JETER 選 手 の ピ ッ チ は 20m ~ 55m 区 間
で、Allyson FELIX 選手は 0m ~ 20m 区間で最も高
く、その後ピッチは低下傾向にあった。Carmelita
JETER 選手と Allyson FELIX 選手のストライドの最
高値が得られた 80m ~ 100m 区間で速度も最高値に
達していた。Allyson FELIX 選手のストライドは、
他 2 名のメダリストと比較して 80m ~ 100m 区間で
最高 2.4m を超え、終始大きなストライドであった
が、一方ピッチは低かった。Veronica CAMPBELLBROWN 選手と Carmelita JETER 選手のピッチおよび
ストライドの変化は、類似した動態を示していた。
女子メダリスト 3 名の 60m ~ 80m 区間の接地時間と
滞空時間は、左右脚でほとんど変わらなかった(資
料参照)。しかしながら、ピッチは左足より右足で、
ストライドは右足より左足で顕著に高値を示し、こ
れらの結果は男子メダリストと同様の傾向であっ
た。
図 6 は、同種目に日本代表選手として出場した福
島千里選手のスピード、ピッチおよびストライドの
変化を示したものである。走速度は予選、準決勝共
に 55m ~ 80m 区間で最高に達し、同程度の最高速度
2.4
2.2
2
1.8
1.6
1.4
⚗ᓞ㻃 ஢㐽
1.2
⚗ᓞ㻃 ‵Ửົ
1
図6
- 28 -
0-20m
20-55m
55-80m
80-100m 100-122m 122-140m 140-159m 159-181m 181-200m
世界選手権大邱大会女子 200m 予選および準
決勝における福島選手のスピード、ピッチ、
ストライド変化
であった(予選:9.73m/s 準決勝:9.63m/s)。しか
しながら、予選と比較して準決勝では、80m ~ 140m
区間の走速度低下が目立った。この 80m ~ 140m 区
間のストライドは、両レースで大きな違いが見られ
なかった。しかしながら、ピッチは準決勝の方が予
選よりも低値を示した。したがって、予選と準決勝
において福島選手の 80m ~ 140m 区間の走速度の違
いは、主にピッチの違いに因るものと考えられる。
Speed (m/s)
11
10.5
10
9.5
9
㧐ᖲ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
8.5
8
㧐ᖲ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
Step Frequency (stp/s)
5.5
5
4.5
4
3.5
㧐ᖲ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
3
2.5
㧐ᖲ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
3
2.8
Step Length (m)
2.6
2.4
2.2
2
1.8
1.6
1.4
㧐ᖲ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
1.2
1
図7
㧐ᖲ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
髙平選手の静岡国際決勝と日本選手権決勝時
におけるスピード、ピッチ、ストライド変化
12
11.5
Speed (m/s)
11
10.5
10
9.5
9
ᑚᯐ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
8.5
8
ᑚᯐ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
Step Frequency (stp/s)
5.5
5
4.5
4
3.5
ᑚᯐ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
3
2.5
ᑚᯐ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
3
2.8
2.6
Step Length (m)
2.静岡国際、日本選手権およびアジア選手権
図 7 と 8 は、髙平選手および小林選手の静岡国際
と日本選手権、いずれも決勝レース時におけるス
ピード、ピッチおよびストライドの変化を示して
いる。髙平選手(図 7)の日本選手権での最高速度
は 60m ~ 80m 区間で得られているのに対し、静岡国
際では 40m ~ 60m 区間で出現している。この時の最
高走速度は、日本選手権が 10.80m/s、静岡国際が
10.68m/s であった。さらに、最高走速度出現以降
の走速度を比較すると、この 2 つのレースのうち記
録の良かった日本選手権(20″ 49)では静岡国際
(20″ 93)の時よりも終始高い速度で疾走していた。
一方、ピッチおよびストライド変化の動態は、静岡
国際と日本選手権で大きな相違点は見られなかった
ものの、180m ~ 200m 区間を除く全ての区間のスト
ライドは日本選手権の方が高値を示した。図 8 には
小林選手の結果を示した。最高速度は、静岡国際と
日本選手権共に 60m ~ 80m 区間で得られていた。ま
た、ピッチとストライドの変化も、静岡国際と日本
選手権で大きな違いは見られなかった。
図 9 と 10 は、齋藤選手と飯塚選手の静岡国際と
日本選手権、アジア選手権、いずれも決勝レース時
におけるスピード、ピッチおよびストライドの変化
を示している。齋藤選手(図 9)の静岡国際および
日本選手権での最高速度は 60m ~ 80m 区間で得られ
ていたのに対し、アジア選手権では 40m ~ 60m 区間
で得られていた。アジア選手権決勝での走速度にお
いて、その他のレースと比較して、最高走速度到達
以降 60m ~ 80m 区間および 80m ~ 100m 区間での走
速度の低下が顕著であった。また、齋藤選手の出場
した同 3 大会におけるピッチとストライドの変化の
動態は、大きく違う点は見られなかった。図 10 に
は飯塚選手の結果を示した。飯塚選手の最高速度は
3 大会全てにおいて 40m ~ 60m 区間で得られていた。
しかしながら、アジア選手権決勝時の走速度におい
て、その他 2 つのレースと比較して、40m ~ 60m 区
間以降フィニッシュまで走速度の低下が目立った。
また、今回分析対象であった他の選手と比較して、
12
11.5
2.4
2.2
2
1.8
1.6
1.4
ᑚᯐ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
1.2
ᑚᯐ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
1
図8
- 29 -
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
小林選手の静岡国際決勝と日本選手権決勝時
におけるスピード、ピッチ、ストライド変化
飯塚選手のピッチは、スタート(0m)~ 20m 区間に
おいて高かった。そして、飯塚選手においても齋藤
選手同様に同 3 大会におけるピッチとストライド
は、大きく変わらなかった。
12
11.5
Speed (m/s)
11
10.5
10
9.5
㰳⸠㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
9
㰳⸠㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
8.5
まとめ
8
㰳⸠㻃 䜦䜼䜦㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m120-140m140-160m160-180m180-200m
5
4.5
4
㰳⸠㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
3.5
㰳⸠㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
㰳⸠㻃 䜦䜼䜦㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
3
2.5
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
3
2.8
2.6
Step Length (m)
・本稿では、トラック路面にマークを付した場合と
付さなかった場合の 2 通りのレース分析結果を示
した。正確な比較はできなかったものの、レース
中の最高走速度の出現時区間や変化のパターンな
どは相似した。したがって、今回の世界選手権で
実施したレース分析のように、トラック路面に
マークを付さずとも十分に分析が行えることを確
認できた。
・今回分析対象であった選手の多くの最高走速度
は 60m(55m)~ 80m 区間で、ピッチの最高値は
20m ~ 40m(55m)区間で出現している。ストラ
イドは、20m ~ 40m(55m)区間まで増加した後
はフィニッシュまでほぼ変化しない選手が多かっ
た。
・世界選手権男女メダリストに共通して、55m ~
80m 区間の接地時間および滞空時間の左右差はほ
とんど無かったが、ピッチは右足で、ストライド
は左足で顕著に高い値を示した。
Step Frequency (stp/s)
5.5
2.4
2.2
2
1.8
1.6
㰳⸠㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
1.4
㰳⸠㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
1.2
1
図9
㰳⸠㻃 䜦䜼䜦㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
齋藤選手の静岡国際決勝と日本選手権決勝、
アジア選手権決勝時におけるスピード、ピッ
チ、ストライド変化
12
11.5
11
Speed (m/s)
参考文献
10.5
10
9.5
㣜ሪ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
9
土江寛裕・小林海・持田尚・杉田正明・柳谷登志
雄・広川龍太郎・松尾彰文(2010)世界選手権
Osaka2007 における男子 200m の走速度およびピッ
チ・ストライドの分析.陸上競技研究紀要,6:
72-84.
㣜ሪ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
8.5
8
㣜ሪ㻃 䜦䜼䜦㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
Step Frequency (stp/s)
5.5
5
4.5
4
㣜ሪ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
3.5
㣜ሪ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
㣜ሪ㻃 䜦䜼䜦㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
3
2.5
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
3
2.8
Step Length (m)
2.6
2.4
2.2
2
1.8
1.6
㣜ሪ㻃 㟴ᒱᅗ㝷䟺Ửົ䟻
1.4
㣜ሪ㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
1.2
1
㣜ሪ㻃 䜦䜼䜦㐽ᡥᶊ䟺Ửົ䟻
0-20m
20-40m
40-60m
60-80m 80-100m 100-120m 120-140m 140-160m 160-180m 180-200m
図 10 飯塚選手の静岡国際決勝と日本選手権決勝、
アジア選手権決勝時におけるスピード、ピッ
チ、ストライド変化
- 30 -
参考資料
➠㻕㻚ᅂ㟴ᒱᅗ㝷㝛୕❿ᢇኬఌ㻃㻣㻃㟴ᒱ┬ᑚ➗ᒜ⥪ྙ㐘ິපᅧ䜬䜷䝕䜽䝃䜼䜦䝤
ᣅᙽ⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃Ửົ
㻕㻓㻔㻔㻒㻘㻒㻖䚭㻔㻘㻝㻘㻓䚭䟺㢴㏷㻃㻎㻓㻑㻘㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻔న
㻚䝰䞀䝷
㻕న
㻘䝰䞀䝷
㻖న
㻛䝰䞀䝷
㻗న
㻗䝰䞀䝷
㻘న
㻖䝰䞀䝷
㻙న
㻕䝰䞀䝷
㻚న
㻜䝰䞀䝷
ྞ๑
エ㘋
㰳⸠㻃ொᚷ
㻕㻓㻑㻙㻓
㻋䜹䝷䝥䝇䜿㻌
㣜ሪ㻃⩟ኯ
㻋୯ኳኬ㻌
ᒜ⦡㻃ீኯ
㻋៖᠍⩇ሺኬ㻌
ᑚᯐ㻃㞕ୌ
㻋Ἢᨳኬ㻌
㧐ᖲ㻃ួኃ
㻋ᐣኃ㏳㻌
ᇷỜ㻃᩺ኯ㑳
㻋❟࿤㤃ኬ㻌
᭱㒂㻃㎦ஒ
㻋୯ாኬ㻌
㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻜㻕
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻘㻚
㻕㻓㻑㻚㻓
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻚㻕
㻕㻓㻑㻛㻗
㻛㻓㻐㻔㻓㻓㼐
㻔㻓㻑㻘㻜
㻕㻓㻑㻛㻙
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻙㻛
㻕㻓㻑㻜㻖
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㻔㻓㻑㻚㻕
㻕㻓㻑㻜㻙
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㻔㻓㻑㻙㻔
㻕㻔㻑㻔㻚
㻛㻓㻐㻔㻓㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻖㻑㻔㻓
㻙㻑㻗㻘
㻗㻑㻖㻚
㻔㻑㻗㻛
㻖㻑㻓㻜
㻙㻑㻗㻚
㻗㻑㻙㻓
㻔㻑㻗㻔
㻖㻑㻓㻔
㻙㻑㻙㻘
㻗㻑㻚㻖
㻔㻑㻗㻔
㻖㻑㻓㻙
㻙㻑㻘㻗
㻗㻑㻙㻙
㻔㻑㻗㻓
㻖㻑㻓㻙
㻙㻑㻘㻗
㻗㻑㻔㻚
㻔㻑㻘㻚
㻖㻑㻔㻔
㻙㻑㻗㻕
㻗㻑㻖㻜
㻔㻑㻗㻙
㻖㻑㻓㻚
㻙㻑㻘㻕
㻗㻑㻚㻔
㻔㻑㻖㻛
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻗㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻘㻑㻓㻗
㻔㻓㻑㻖㻖
㻗㻑㻙㻜
㻕㻑㻕㻓
㻘㻑㻓㻖
㻔㻓㻑㻖㻕
㻗㻑㻚㻓
㻕㻑㻔㻜
㻗㻑㻜㻘
㻔㻓㻑㻕㻙
㻗㻑㻛㻜
㻕㻑㻔㻓
㻗㻑㻜㻜
㻔㻓㻑㻖㻘
㻗㻑㻚㻔
㻕㻑㻕㻓
㻘㻑㻓㻔
㻔㻓㻑㻕㻘
㻗㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻙
㻘㻑㻔㻗
㻜㻑㻛㻜
㻗㻑㻘㻕
㻕㻑㻔㻜
㻘㻑㻓㻕
㻔㻓㻑㻕㻙
㻗㻑㻜㻘
㻕㻑㻓㻚
㻙㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻙㻑㻛㻚
㻔㻓㻑㻜㻕
㻗㻑㻘㻛
㻕㻑㻖㻛
㻙㻑㻜㻕
㻔㻓㻑㻘㻚
㻗㻑㻙㻖
㻕㻑㻕㻛
㻙㻑㻛㻕
㻔㻓㻑㻚㻓
㻗㻑㻛㻖
㻕㻑㻕㻔
㻙㻑㻛㻛
㻔㻓㻑㻘㻚
㻗㻑㻙㻚
㻕㻑㻕㻙
㻙㻑㻛㻛
㻔㻓㻑㻙㻛
㻗㻑㻕㻗
㻕㻑㻘㻕
㻚㻑㻓㻓
㻔㻓㻑㻚㻕
㻗㻑㻗㻕
㻕㻑㻗㻕
㻙㻑㻜㻗
㻔㻓㻑㻗㻔
㻗㻑㻜㻚
㻕㻑㻓㻜
㻛㻑㻚㻓
㻔㻓㻑㻜㻕
㻗㻑㻘㻖
㻕㻑㻗㻔
㻛㻑㻛㻖
㻔㻓㻑㻗㻛
㻗㻑㻘㻛
㻕㻑㻕㻜
㻛㻑㻙㻜
㻔㻓㻑㻚㻓
㻗㻑㻚㻖
㻕㻑㻕㻙
㻛㻑㻚㻚
㻔㻓㻑㻘㻜
㻗㻑㻙㻗
㻕㻑㻕㻛
㻛㻑㻚㻜
㻔㻓㻑㻗㻙
㻗㻑㻕㻗
㻕㻑㻗㻚
㻛㻑㻛㻜
㻔㻓㻑㻘㻚
㻗㻑㻖㻛
㻕㻑㻗㻕
㻛㻑㻛㻖
㻔㻓㻑㻘㻘
㻗㻑㻛㻘
㻕㻑㻔㻚
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻓㼐
㻔㻗㻓㼐
㻔㻙㻓㼐
㻔㻛㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻗㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻙㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻔㻓㻑㻘㻙
㻔㻕㻑㻘㻓
㻔㻗㻑㻗㻚
㻔㻙㻑㻗㻘
㻔㻛㻑㻗㻜
㻕㻓㻑㻙㻓
㻔㻓㻑㻚㻙
㻔㻓㻑㻖㻕
㻔㻓㻑㻔㻗
㻔㻓㻑㻓㻜
㻜㻑㻛㻔
㻜㻑㻗㻛
㻗㻑㻘㻓
㻗㻑㻗㻕
㻗㻑㻖㻘
㻗㻑㻖㻕
㻗㻑㻕㻕
㻗㻑㻓㻖
㻕㻑㻖㻜
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻖
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻖㻘
㻔㻓㻑㻚㻖
㻔㻕㻑㻚㻓
㻔㻗㻑㻙㻚
㻔㻙㻑㻙㻖
㻔㻛㻑㻙㻖
㻕㻓㻑㻚㻓
㻔㻓㻑㻘㻓
㻔㻓㻑㻔㻛
㻔㻓㻑㻔㻙
㻔㻓㻑㻔㻛
㻔㻓㻑㻓㻗
㻜㻑㻙㻘
㻗㻑㻘㻕
㻗㻑㻗㻘
㻗㻑㻗㻕
㻗㻑㻖㻚
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻔㻔
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻕㻜
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻖㻖
㻕㻑㻕㻜
㻕㻑㻖㻘
㻔㻓㻑㻘㻙
㻔㻕㻑㻘㻖
㻔㻗㻑㻘㻗
㻔㻙㻑㻘㻚
㻔㻛㻑㻙㻙
㻕㻓㻑㻛㻗
㻔㻓㻑㻚㻕
㻔㻓㻑㻔㻗
㻜㻑㻜㻙
㻜㻑㻛㻖
㻜㻑㻘㻜
㻜㻑㻔㻛
㻗㻑㻙㻙
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻗㻛
㻗㻑㻗㻖
㻗㻑㻖㻗
㻗㻑㻔㻔
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻕㻖
㻕㻑㻕㻕
㻕㻑㻕㻕
㻕㻑㻕㻔
㻕㻑㻕㻗
㻔㻓㻑㻙㻚
㻔㻕㻑㻙㻖
㻔㻗㻑㻙㻕
㻔㻙㻑㻙㻔
㻔㻛㻑㻙㻛
㻕㻓㻑㻛㻙
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻕㻔
㻔㻓㻑㻓㻗
㻔㻓㻑㻓㻗
㻜㻑㻙㻛
㻜㻑㻔㻗
㻗㻑㻘㻛
㻗㻑㻘㻕
㻗㻑㻗㻙
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻕㻘
㻖㻑㻛㻗
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻕㻘
㻕㻑㻕㻜
㻕㻑㻕㻛
㻕㻑㻖㻛
㻔㻓㻑㻚㻔
㻔㻕㻑㻙㻙
㻔㻗㻑㻙㻙
㻔㻙㻑㻙㻛
㻔㻛㻑㻚㻗
㻕㻓㻑㻜㻖
㻔㻓㻑㻗㻔
㻔㻓㻑㻕㻙
㻔㻓㻑㻓㻕
㻜㻑㻜㻔
㻜㻑㻙㻛
㻜㻑㻔㻗
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻔㻖
㻗㻑㻔㻕
㻗㻑㻓㻕
㻖㻑㻜㻓
㻖㻑㻘㻘
㻕㻑㻗㻙
㻕㻑㻗㻛
㻕㻑㻗㻖
㻕㻑㻗㻙
㻕㻑㻗㻛
㻕㻑㻘㻚
㻔㻓㻑㻛㻕
㻔㻕㻑㻚㻙
㻔㻗㻑㻚㻖
㻔㻙㻑㻚㻗
㻔㻛㻑㻚㻜
㻕㻓㻑㻜㻙
㻔㻓㻑㻖㻜
㻔㻓㻑㻖㻕
㻔㻓㻑㻔㻖
㻜㻑㻜㻚
㻜㻑㻚㻙
㻜㻑㻔㻜
㻗㻑㻖㻖
㻗㻑㻕㻚
㻗㻑㻕㻙
㻗㻑㻕㻔
㻗㻑㻔㻓
㻖㻑㻛㻕
㻕㻑㻗㻓
㻕㻑㻗㻕
㻕㻑㻖㻛
㻕㻑㻖㻚
㻕㻑㻖㻛
㻕㻑㻗㻓
㻔㻓㻑㻚㻕
㻔㻕㻑㻚㻓
㻔㻗㻑㻚㻕
㻔㻙㻑㻚㻛
㻔㻛㻑㻜㻖
㻕㻔㻑㻔㻚
㻔㻓㻑㻙㻔
㻔㻓㻑㻓㻚
㻜㻑㻜㻕
㻜㻑㻚㻔
㻜㻑㻖㻔
㻛㻑㻛㻜
㻗㻑㻚㻚
㻗㻑㻚㻓
㻗㻑㻙㻙
㻗㻑㻘㻜
㻗㻑㻗㻙
㻗㻑㻔㻙
㻕㻑㻕㻖
㻕㻑㻔㻗
㻕㻑㻔㻖
㻕㻑㻔㻕
㻕㻑㻓㻛
㻕㻑㻔㻗
➠㻜㻘ᅂ᪝ᮇ㝛୕❿ᢇ㐽ᡥᶊኬఌ㻃㻣㻃↻ㆺ䜽䝡䞀䝈ᩝ໩පᅧ㝛୕❿ᢇሔ
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃Ửົ
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻔䚭㻔㻚㻝㻖㻘䚭䟺㢴㏷㻃㻓㻑㻓㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻔న
㻚䝰䞀䝷
㻕న
㻘䝰䞀䝷
㻖న
㻗䝰䞀䝷
㻗న
㻜䝰䞀䝷
㻘న
㻙䝰䞀䝷
㻙న
㻛䝰䞀䝷
㻚న
㻖䝰䞀䝷
㻛న
㻕䝰䞀䝷
ྞ๑
㧐ᖲ㻃ួኃ
㻋ᐣኃ㏳㻌
㰳⸠㻃ொᚷ
㻋䜹䝷䝥䝇䜿㻌
ᑚᯐ㻃㞕ୌ
㻋Ἢᨳኬ㻌
㣜ሪ㻃⩟ኯ
㻋୯ኳኬ㻌
㧐℡㻃៊
㻋ᐣኃ㏳㻌
ᒜ⦡㻃ீኯ
㻋៖᠍⩇ሺኬ㻌
⩒᰷㻃⪯ஒ
㻋᪝మኬ㻌
⸠ක㻃ㅤྒྷ
㻋䜿䞀䝰䝷㻌
エ㘋
㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻛㻓
㻕㻓㻑㻗㻜
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻛㻗
㻕㻓㻑㻙㻕
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻛㻓
㻕㻓㻑㻙㻕
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻛㻓
㻕㻓㻑㻙㻗
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㻔㻓㻑㻜㻗
㻕㻓㻑㻚㻙
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻛㻙
㻕㻓㻑㻛㻗
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻚㻗
㻕㻓㻑㻜㻓
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻘㻘
㻕㻔㻑㻓㻘
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻖㻑㻓㻕
㻙㻑㻙㻕
㻗㻑㻕㻕
㻔㻑㻘㻚
㻖㻑㻓㻗
㻙㻑㻘㻛
㻗㻑㻗㻛
㻔㻑㻗㻚
㻖㻑㻓㻔
㻙㻑㻙㻗
㻗㻑㻖㻔
㻔㻑㻘㻗
㻖㻑㻔㻔
㻙㻑㻗㻖
㻗㻑㻙㻙
㻔㻑㻖㻛
㻖㻑㻓㻗
㻙㻑㻘㻛
㻗㻑㻗㻙
㻔㻑㻗㻛
㻖㻑㻓㻖
㻙㻑㻘㻜
㻗㻑㻙㻘
㻔㻑㻗㻕
㻕㻑㻜㻜
㻙㻑㻚㻓
㻗㻑㻖㻛
㻔㻑㻘㻖
㻖㻑㻓㻚
㻙㻑㻘㻔
㻗㻑㻖㻔
㻔㻑㻘㻔
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻗㻑㻜㻔
㻔㻓㻑㻘㻘
㻗㻑㻕㻛
㻕㻑㻗㻙
㻗㻑㻜㻗
㻔㻓㻑㻘㻕
㻗㻑㻙㻜
㻕㻑㻕㻗
㻗㻑㻜㻕
㻔㻓㻑㻗㻙
㻗㻑㻚㻚
㻕㻑㻔㻜
㻘㻑㻓㻗
㻔㻓㻑㻖㻚
㻗㻑㻚㻗
㻕㻑㻔㻜
㻗㻑㻜㻔
㻔㻓㻑㻚㻓
㻗㻑㻚㻔
㻕㻑㻕㻚
㻗㻑㻜㻙
㻔㻓㻑㻖㻜
㻗㻑㻚㻛
㻕㻑㻔㻛
㻗㻑㻜㻚
㻔㻓㻑㻓㻙
㻗㻑㻘㻖
㻕㻑㻕㻕
㻘㻑㻓㻙
㻔㻓㻑㻓㻜
㻗㻑㻖㻛
㻕㻑㻖㻔
㻙㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻗㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻙㻑㻚㻜
㻔㻓㻑㻙㻚
㻗㻑㻕㻚
㻕㻑㻘㻓
㻙㻑㻚㻜
㻔㻓㻑㻛㻕
㻗㻑㻙㻙
㻕㻑㻖㻕
㻙㻑㻚㻜
㻔㻓㻑㻚㻓
㻗㻑㻚㻖
㻕㻑㻕㻙
㻙㻑㻛㻜
㻔㻓㻑㻛㻓
㻗㻑㻚㻖
㻕㻑㻕㻛
㻙㻑㻚㻗
㻔㻓㻑㻜㻕
㻗㻑㻙㻛
㻕㻑㻖㻖
㻙㻑㻛㻔
㻔㻓㻑㻛㻓
㻗㻑㻙㻚
㻕㻑㻖㻔
㻙㻑㻛㻙
㻔㻓㻑㻙㻔
㻗㻑㻘㻕
㻕㻑㻖㻘
㻙㻑㻜㻛
㻔㻓㻑㻖㻜
㻗㻑㻖㻛
㻕㻑㻖㻚
㻛㻑㻙㻗
㻔㻓㻑㻛㻓
㻗㻑㻔㻜
㻕㻑㻘㻛
㻛㻑㻙㻗
㻔㻓㻑㻛㻗
㻗㻑㻘㻛
㻕㻑㻖㻚
㻛㻑㻙㻘
㻔㻓㻑㻛㻓
㻗㻑㻙㻜
㻕㻑㻖㻓
㻛㻑㻚㻙
㻔㻓㻑㻚㻕
㻗㻑㻙㻙
㻕㻑㻖㻓
㻛㻑㻘㻚
㻔㻓㻑㻜㻗
㻗㻑㻙㻛
㻕㻑㻖㻗
㻛㻑㻙㻘
㻔㻓㻑㻛㻙
㻗㻑㻘㻘
㻕㻑㻖㻜
㻛㻑㻚㻕
㻔㻓㻑㻚㻗
㻗㻑㻗㻙
㻕㻑㻗㻔
㻛㻑㻛㻛
㻔㻓㻑㻘㻘
㻗㻑㻖㻙
㻕㻑㻗㻕
- 31 -
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻓㼐
㻔㻗㻓㼐
㻔㻙㻓㼐
㻔㻛㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻗㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻙㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻔㻓㻑㻘㻗
㻔㻕㻑㻗㻗
㻔㻗㻑㻖㻚
㻔㻙㻑㻖㻙
㻔㻛㻑㻖㻛
㻕㻓㻑㻗㻜
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻘㻕
㻔㻓㻑㻖㻚
㻔㻓㻑㻓㻙
㻜㻑㻜㻕
㻜㻑㻗㻙
㻗㻑㻔㻛
㻗㻑㻕㻔
㻗㻑㻔㻙
㻗㻑㻓㻙
㻖㻑㻜㻙
㻖㻑㻚㻜
㻕㻑㻘㻕
㻕㻑㻘㻓
㻕㻑㻗㻜
㻕㻑㻗㻚
㻕㻑㻘㻓
㻕㻑㻗㻜
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻕㻑㻗㻖
㻔㻗㻑㻗㻕
㻔㻙㻑㻗㻗
㻔㻛㻑㻗㻜
㻕㻓㻑㻙㻕
㻔㻓㻑㻘㻚
㻔㻓㻑㻘㻕
㻔㻓㻑㻓㻙
㻜㻑㻜㻔
㻜㻑㻚㻘
㻜㻑㻖㻛
㻗㻑㻘㻓
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻖㻓
㻗㻑㻔㻙
㻗㻑㻓㻗
㻕㻑㻖㻘
㻕㻑㻗㻓
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻖㻘
㻕㻑㻖㻕
㻔㻓㻑㻘㻗
㻔㻕㻑㻗㻗
㻔㻗㻑㻗㻕
㻔㻙㻑㻗㻖
㻔㻛㻑㻗㻜
㻕㻓㻑㻙㻕
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻔㻖
㻜㻑㻜㻗
㻜㻑㻚㻔
㻜㻑㻖㻛
㻗㻑㻙㻓
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻗㻛
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻕㻔
㻗㻑㻓㻙
㻕㻑㻕㻜
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻖㻔
㻔㻓㻑㻙㻘
㻔㻕㻑㻙㻔
㻔㻗㻑㻘㻚
㻔㻙㻑㻘㻚
㻔㻛㻑㻘㻛
㻕㻓㻑㻙㻗
㻔㻓㻑㻘㻘
㻔㻓㻑㻕㻖
㻔㻓㻑㻔㻛
㻔㻓㻑㻓㻕
㻜㻑㻜㻙
㻜㻑㻙㻜
㻗㻑㻙㻙
㻗㻑㻘㻕
㻗㻑㻘㻛
㻗㻑㻘㻓
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻕㻛
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻕㻕
㻕㻑㻕㻖
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻕㻙
㻔㻓㻑㻗㻘
㻔㻕㻑㻖㻘
㻔㻗㻑㻖㻖
㻔㻙㻑㻗㻓
㻔㻛㻑㻘㻕
㻕㻓㻑㻚㻙
㻔㻓㻑㻙㻘
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻓㻙
㻜㻑㻚㻓
㻜㻑㻗㻗
㻛㻑㻜㻔
㻗㻑㻘㻖
㻗㻑㻘㻓
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻖㻓
㻗㻑㻕㻓
㻖㻑㻜㻕
㻕㻑㻖㻘
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻕㻜
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻕㻘
㻕㻑㻕㻚
㻔㻓㻑㻘㻘
㻔㻕㻑㻘㻔
㻔㻗㻑㻘㻔
㻔㻙㻑㻘㻛
㻔㻛㻑㻙㻛
㻕㻓㻑㻛㻗
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻕㻔
㻜㻑㻜㻜
㻜㻑㻙㻛
㻜㻑㻘㻖
㻜㻑㻕㻗
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻘㻕
㻗㻑㻗㻘
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻓㻛
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻕㻘
㻕㻑㻕㻔
㻕㻑㻕㻘
㻕㻑㻕㻙
㻔㻓㻑㻙㻚
㻔㻕㻑㻙㻕
㻔㻗㻑㻙㻓
㻔㻙㻑㻙㻗
㻔㻛㻑㻚㻕
㻕㻓㻑㻜㻓
㻔㻓㻑㻕㻛
㻔㻓㻑㻕㻙
㻔㻓㻑㻓㻙
㻜㻑㻛㻖
㻜㻑㻙㻔
㻜㻑㻔㻛
㻗㻑㻗㻕
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻕㻜
㻗㻑㻕㻚
㻗㻑㻔㻜
㻖㻑㻜㻜
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻕㻜
㻕㻑㻖㻓
㻔㻓㻑㻛㻖
㻔㻕㻑㻚㻛
㻔㻗㻑㻚㻚
㻔㻙㻑㻛㻔
㻔㻛㻑㻜㻓
㻕㻔㻑㻓㻘
㻔㻓㻑㻕㻘
㻔㻓㻑㻕㻘
㻔㻓㻑㻓㻕
㻜㻑㻛㻔
㻜㻑㻙㻔
㻜㻑㻕㻛
㻗㻑㻖㻖
㻗㻑㻖㻗
㻗㻑㻖㻖
㻗㻑㻕㻕
㻗㻑㻓㻛
㻖㻑㻛㻘
㻕㻑㻖㻚
㻕㻑㻖㻙
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻖㻙
㻕㻑㻗㻔
䚼㻙㻓㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻔 㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻗 㻓㻑㻔㻖
䝘䝇䝅
㻗㻑㻔㻖 㻗㻑㻖㻔
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻙㻔 㻕㻑㻘㻓
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓 㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻖 㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻗㻚 㻗㻑㻙㻙
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻕 㻕㻑㻖㻕
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻓㻜 㻓㻑㻓㻜
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕 㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻚㻕 㻗㻑㻙㻙
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻕㻜 㻕㻑㻖㻕
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓 㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕 㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻘㻕 㻗㻑㻛㻔
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻖㻜 㻕㻑㻕㻗
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓 㻓㻑㻓㻜
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕 㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻘㻗 㻗㻑㻚㻛
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻔 㻕㻑㻕㻙
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓 㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔 㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻚㻕 㻗㻑㻗㻜
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻖㻓 㻕㻑㻗㻔
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓 㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕 㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻙㻙 㻗㻑㻖㻗
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻖㻓 㻕㻑㻗㻜
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓 㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻖 㻓㻑㻔㻖
䝘䝇䝅
㻗㻑㻖㻜 㻗㻑㻖㻛
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻓 㻕㻑㻗㻚
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
➠㻜㻘ᅂ᪝ᮇ㝛୕❿ᢇ㐽ᡥᶊኬఌ㻃㻣㻃↻ㆺ䜽䝡䞀䝈ᩝ໩පᅧ㝛୕❿ᢇሔ
ዥᏄ㻃㻕㻓㻓㼐㻃Ửົ
㻕㻓㻔㻔㻒㻙㻒㻔㻕䚭㻔㻙㻝㻖㻓䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻓㻑㻚㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻔న
㻚䝰䞀䝷
㻕న
㻘䝰䞀䝷
㻖న
㻗䝰䞀䝷
㻗న
㻜䝰䞀䝷
㻘న
㻙䝰䞀䝷
㻙న
㻖䝰䞀䝷
㻚న
㻕䝰䞀䝷
㻛న
㻛䝰䞀䝷
ྞ๑
エ㘋
⚗ᓞ㻃༐㔓
㻕㻖㻑㻗㻗
㻜㻑㻙㻚
㻋໪ᾇ㐠䝓䜨䝊䜳㻤㻦㻌
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㻜㻑㻗㻚
ᕰᕖ㻃⳱⳧
㻕㻖㻑㻙㻕
㻋୯ாኬ㻌
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻜㻑㻖㻛
ᒱ㒂㻃ዄ⥬
㻋䝅䞀䝤䝣䜾䝒䜦䜽䝰䝊䜧䝇䜳㻌
㻕㻖㻑㻜㻚
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻜㻑㻕㻜
௑஬㻃ἃ⥬㔓
㻕㻖㻑㻜㻚
㻋⮫Ꮥ㤃ኬ㻌
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㻜㻑㻕㻔
㧐ᶣ㻃ⴄᮄᏄ
㻕㻗㻑㻔㻘
㻋ᐣኃ㏳㻌
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㻜㻑㻗㻘
ಘᒱ㻃ἃᕵ㔔
㻕㻗㻑㻖㻜
㻋䝣䜾䝒㻌
㻕㻓㻐㻗㻓㼐
㻜㻑㻔㻗
୔ᮄ㻃ốⲸ
㻕㻗㻑㻙㻘
㻋᮶ኬ㜨ኬ㻌
㻕㻓㻐㻗㻓㼐
㻛㻑㻘㻙
࿰⏛㻃㯖ᕵ
㻋䝅䞀䝤䝣䜾䝒䜦䜽䝰䝊䜧䝇䜳㻌
㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻕㻙㻑㻖㻗
㻕㻓㻐㻗㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻗㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻖㻑㻔㻚
㻙㻑㻖㻔
㻗㻑㻙㻛
㻔㻑㻖㻘
㻖㻑㻖㻘
㻘㻑㻜㻚
㻗㻑㻔㻖
㻔㻑㻗㻗
㻖㻑㻖㻓
㻙㻑㻓㻘
㻗㻑㻖㻖
㻔㻑㻗㻓
㻖㻑㻖㻖
㻙㻑㻓㻔
㻗㻑㻗㻖
㻔㻑㻖㻙
㻖㻑㻗㻔
㻘㻑㻛㻙
㻗㻑㻓㻜
㻔㻑㻗㻖
㻖㻑㻗㻖
㻘㻑㻛㻖
㻗㻑㻗㻘
㻔㻑㻖㻔
㻖㻑㻗㻜
㻘㻑㻚㻗
㻗㻑㻖㻔
㻔㻑㻖㻖
㻖㻑㻖㻛
㻘㻑㻜㻕
㻗㻑㻕㻜
㻔㻑㻖㻛
㻘㻑㻕㻙
㻜㻑㻘㻙
㻗㻑㻛㻜
㻔㻑㻜㻘
㻘㻑㻘㻓
㻜㻑㻖㻕
㻗㻑㻗㻔
㻕㻑㻔㻕
㻘㻑㻗㻘
㻜㻑㻖㻕
㻗㻑㻘㻓
㻕㻑㻓㻚
㻘㻑㻘㻗
㻜㻑㻓㻘
㻗㻑㻘㻕
㻕㻑㻓㻓
㻘㻑㻙㻓
㻜㻑㻔㻘
㻗㻑㻖㻔
㻕㻑㻔㻕
㻘㻑㻘㻘
㻜㻑㻗㻘
㻗㻑㻗㻛
㻕㻑㻔㻔
㻘㻑㻙㻛
㻜㻑㻔㻗
㻗㻑㻖㻘
㻕㻑㻔㻓
㻘㻑㻚㻕
㻛㻑㻘㻙
㻗㻑㻔㻖
㻕㻑㻓㻛
㻙㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻚㻑㻖㻖
㻜㻑㻙㻚
㻗㻑㻛㻔
㻕㻑㻓㻔
㻚㻑㻙㻕
㻜㻑㻗㻕
㻗㻑㻗㻕
㻕㻑㻔㻖
㻚㻑㻙㻓
㻜㻑㻖㻔
㻗㻑㻗㻔
㻕㻑㻔㻔
㻚㻑㻙㻜
㻜㻑㻕㻜
㻗㻑㻗㻗
㻕㻑㻓㻜
㻚㻑㻚㻚
㻜㻑㻕㻔
㻗㻑㻕㻚
㻕㻑㻔㻘
㻚㻑㻚㻙
㻜㻑㻓㻘
㻗㻑㻗㻗
㻕㻑㻓㻗
㻚㻑㻜㻔
㻛㻑㻜㻙
㻗㻑㻖㻕
㻕㻑㻓㻚
㻛㻑㻔㻕
㻛㻑㻖㻔
㻗㻑㻓㻖
㻕㻑㻓㻙
㻜㻑㻗㻕
㻜㻑㻘㻜
㻗㻑㻚㻘
㻕㻑㻓㻕
㻜㻑㻚㻖
㻜㻑㻗㻚
㻗㻑㻖㻛
㻕㻑㻔㻙
㻜㻑㻚㻖
㻜㻑㻖㻛
㻗㻑㻖㻖
㻕㻑㻔㻚
㻜㻑㻛㻙
㻜㻑㻕㻕
㻗㻑㻗㻓
㻕㻑㻔㻓
㻜㻑㻜㻘
㻜㻑㻔㻘
㻗㻑㻖㻕
㻕㻑㻔㻕
㻜㻑㻜㻚
㻜㻑㻓㻘
㻗㻑㻗㻔
㻕㻑㻓㻘
㻔㻓㻑㻔㻛
㻛㻑㻛㻔
㻗㻑㻖㻓
㻕㻑㻓㻘
㻔㻓㻑㻘㻔
㻛㻑㻖㻛
㻗㻑㻓㻓
㻕㻑㻓㻜
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻓㼐
㻔㻙㻓㼐
㻔㻛㻓㼐
㻔㻗㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻗㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻙㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻔㻔㻑㻘㻙
㻔㻖㻑㻚㻘
㻔㻙㻑㻓㻘
㻔㻛㻑㻗㻕
㻕㻓㻑㻛㻘
㻕㻖㻑㻗㻗
㻜㻑㻖㻗
㻜㻑㻔㻔
㻛㻑㻚㻔
㻛㻑㻗㻖
㻛㻑㻕㻕
㻚㻑㻚㻖
㻗㻑㻙㻖
㻗㻑㻙㻓
㻗㻑㻘㻓
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻕㻜
㻗㻑㻔㻜
㻕㻑㻓㻕
㻔㻑㻜㻛
㻔㻑㻜㻗
㻔㻑㻜㻖
㻔㻑㻜㻕
㻔㻑㻛㻘
㻔㻔㻑㻛㻛
㻔㻗㻑㻓㻜
㻔㻙㻑㻖㻚
㻔㻛㻑㻚㻔
㻕㻔㻑㻔㻓
㻕㻖㻑㻙㻕
㻜㻑㻕㻜
㻜㻑㻓㻗
㻛㻑㻚㻛
㻛㻑㻘㻘
㻛㻑㻖㻙
㻚㻑㻜㻘
㻗㻑㻖㻖
㻗㻑㻕㻖
㻗㻑㻔㻜
㻗㻑㻓㻗
㻖㻑㻜㻓
㻖㻑㻜㻓
㻕㻑㻔㻘
㻕㻑㻔㻗
㻕㻑㻓㻜
㻕㻑㻔㻔
㻕㻑㻔㻗
㻕㻑㻓㻗
㻔㻔㻑㻜㻙
㻔㻗㻑㻕㻕
㻔㻙㻑㻘㻙
㻔㻛㻑㻜㻘
㻕㻔㻑㻗㻔
㻕㻖㻑㻜㻚
㻛㻑㻜㻜
㻛㻑㻛㻖
㻛㻑㻘㻘
㻛㻑㻖㻙
㻛㻑㻔㻖
㻚㻑㻛㻕
㻗㻑㻖㻓
㻗㻑㻕㻘
㻗㻑㻔㻗
㻗㻑㻓㻜
㻖㻑㻜㻚
㻖㻑㻛㻛
㻕㻑㻓㻜
㻕㻑㻓㻛
㻕㻑㻓㻙
㻕㻑㻓㻗
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻓㻔
㻔㻕㻑㻓㻖
㻔㻗㻑㻖㻔
㻔㻙㻑㻙㻕
㻔㻜㻑㻓㻔
㻕㻔㻑㻗㻕
㻕㻖㻑㻜㻚
㻜㻑㻕㻕
㻛㻑㻚㻙
㻛㻑㻙㻙
㻛㻑㻖㻛
㻛㻑㻕㻜
㻚㻑㻛㻗
㻗㻑㻖㻖
㻗㻑㻕㻚
㻗㻑㻔㻜
㻗㻑㻓㻜
㻖㻑㻜㻗
㻖㻑㻛㻙
㻕㻑㻔㻖
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻓㻚
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻔㻔
㻕㻑㻓㻖
㻔㻕㻑㻔㻗
㻔㻗㻑㻗㻘
㻔㻙㻑㻚㻛
㻔㻜㻑㻔㻙
㻕㻔㻑㻘㻛
㻕㻗㻑㻔㻘
㻜㻑㻔㻘
㻛㻑㻙㻗
㻛㻑㻙㻓
㻛㻑㻗㻔
㻛㻑㻕㻙
㻚㻑㻚㻜
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻕㻓
㻗㻑㻕㻓
㻗㻑㻔㻔
㻗㻑㻓㻓
㻖㻑㻛㻔
㻕㻑㻔㻙
㻕㻑㻓㻙
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻓㻗
㻕㻑㻓㻚
㻕㻑㻓㻗
㻔㻕㻑㻕㻔
㻔㻗㻑㻘㻓
㻔㻙㻑㻛㻚
㻔㻜㻑㻕㻜
㻕㻔㻑㻚㻜
㻕㻗㻑㻖㻜
㻛㻑㻜㻕
㻛㻑㻚㻔
㻛㻑㻗㻗
㻛㻑㻕㻚
㻛㻑㻓㻔
㻚㻑㻙㻜
㻗㻑㻖㻙
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻔㻙
㻗㻑㻔㻓
㻖㻑㻜㻚
㻖㻑㻛㻚
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻓㻖
㻕㻑㻓㻕
㻕㻑㻓㻕
㻔㻑㻜㻛
㻔㻕㻑㻗㻖
㻔㻗㻑㻚㻘
㻔㻚㻑㻔㻕
㻔㻜㻑㻘㻗
㻕㻕㻑㻓㻖
㻕㻗㻑㻙㻘
㻛㻑㻛㻚
㻛㻑㻙㻔
㻛㻑㻗㻘
㻛㻑㻕㻛
㻛㻑㻓㻔
㻚㻑㻙㻗
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻔㻚
㻗㻑㻓㻙
㻖㻑㻜㻜
㻖㻑㻜㻗
㻖㻑㻛㻛
㻕㻑㻓㻜
㻕㻑㻓㻚
㻕㻑㻓㻛
㻕㻑㻓㻛
㻕㻑㻓㻗
㻔㻑㻜㻚
㻔㻕㻑㻜㻕
㻔㻘㻑㻗㻗
㻔㻛㻑㻓㻘
㻕㻓㻑㻚㻕
㻕㻖㻑㻗㻖
㻕㻙㻑㻖㻗
㻛㻑㻕㻛
㻚㻑㻜㻙
㻚㻑㻙㻘
㻚㻑㻘㻓
㻚㻑㻖㻛
㻙㻑㻛㻚
㻖㻑㻜㻗
㻖㻑㻜㻔
㻖㻑㻛㻜
㻖㻑㻛㻕
㻖㻑㻚㻓
㻖㻑㻘㻗
㻕㻑㻔㻓
㻕㻑㻓㻗
㻔㻑㻜㻚
㻔㻑㻜㻙
㻕㻑㻓㻓
㻔㻑㻜㻗
➠㻔㻜ᅂ䜦䜼䜦㝛୕❿ᢇ㐽ᡥᶊඹᗔ䝿♼ᡖኬఌ㻃㻣㻃♼ᡖ⥪ྙ㐘ິපᅧ䝪䝏䝔䞀エᛍ❿ᢇሔ
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃஢㐽㻔⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻜䚭㻔㻜㻝㻔㻓䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻔㻑㻖㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻔న
㻘䝰䞀䝷
ྞ๑
エ㘋
㰳⸠㻃ொᚷ
㻕㻔㻑㻓㻗
㻋᪝ᮇ㻌
㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻙㻘
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻖㻑㻓㻛
㻙㻑㻗㻜
㻗㻑㻗㻜
㻔㻑㻗㻘
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻘㻑㻓㻕
㻔㻓㻑㻖㻖
㻗㻑㻚㻔
㻕㻑㻔㻜
㻗㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻓㼐
㻔㻗㻓㼐
㻛㻓㼐
㻔㻙㻓㼐
㻔㻛㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻗㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻙㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻛㻑㻚㻚
㻔㻓㻑㻚㻓
㻔㻕㻑㻙㻚
㻔㻗㻑㻙㻗
㻔㻙㻑㻙㻚
㻔㻛㻑㻚㻜
㻕㻔㻑㻓㻗
㻔㻓㻑㻙㻘
㻔㻓㻑㻖㻘
㻔㻓㻑㻔㻜
㻔㻓㻑㻔㻖
㻜㻑㻛㻚
㻜㻑㻗㻗
㻛㻑㻛㻚
㻗㻑㻘㻖
㻗㻑㻗㻚
㻗㻑㻖㻙
㻗㻑㻖㻙
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻓㻜
㻖㻑㻙㻗
㻕㻑㻖㻘
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻖㻖
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻗㻗
㻙㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻙㻑㻛㻜
㻔㻓㻑㻙㻘
㻗㻑㻙㻖
㻕㻑㻖㻓
䚼㻙㻓㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻛㻖
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻖
㻕㻑㻕㻓
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃஢㐽㻕⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻜䚭㻔㻜㻝㻔㻓䚭䟺㢴㏷㻃㻎㻓㻑㻜㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻕న
㻗䝰䞀䝷
ྞ๑
㣜ሪ㻃⩟ኯ
㻋᪝ᮇ㻌
エ㘋
㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻙㻚
㻕㻓㻑㻜㻔
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻖㻑㻓㻜
㻙㻑㻗㻚
㻗㻑㻙㻙
㻔㻑㻖㻜
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻘㻑㻓㻜
㻜㻑㻜㻜
㻗㻑㻙㻙
㻕㻑㻔㻘
㻗㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻙㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻙㻑㻜㻚
㻔㻓㻑㻙㻚
㻗㻑㻙㻔
㻕㻑㻖㻔
㻛㻑㻛㻛
㻔㻓㻑㻗㻛
㻗㻑㻘㻜
㻕㻑㻕㻛
㻔㻗㻓㼐
㻔㻙㻓㼐
㻔㻛㻓㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻗㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻙㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻔㻓㻑㻚㻜
㻔㻕㻑㻚㻙
㻔㻗㻑㻚㻖
㻔㻙㻑㻚㻓
㻔㻛㻑㻚㻘
㻕㻓㻑㻜㻔
㻔㻓㻑㻗㻙
㻔㻓㻑㻔㻙
㻔㻓㻑㻔㻖
㻔㻓㻑㻔㻙
㻜㻑㻚㻙
㻜㻑㻕㻘
㻗㻑㻘㻛
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻗㻕
㻗㻑㻖㻕
㻗㻑㻓㻕
㻕㻑㻕㻛
㻕㻑㻕㻖
㻕㻑㻕㻖
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻖㻓
䚼㻙㻓㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻓
䝘䝇䝅
㻗㻑㻕㻚
㻗㻑㻛㻜
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻙
㻕㻑㻔㻗
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃Ửົ
㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻔㻓䚭㻔㻗㻝㻗㻘䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻓㻑㻗㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
ྞ๑
㻔న
㻩㼈㼐㼌㻃㻶㼈㼘㼑
㻲㻪㻸㻱㻲㻧㻨
㻙䝰䞀䝷
㻋䜯䝃䞀䝯㻌
㻕న
㻗䝰䞀䝷
㻗న
㻚䝰䞀䝷
㰳⸠㻃ொᚷ
㻋᪝ᮇ㻌
㣜ሪ㻃⩟ኯ
㻋᪝ᮇ㻌
エ㘋
㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻔㻑㻓㻗
㻕㻓㻑㻗㻔
㻙㻓㻐㻛㻓㼐
㻔㻓㻑㻚㻙
㻕㻓㻑㻚㻘
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㻔㻓㻑㻚㻛
㻕㻔㻑㻔㻓
㻗㻓㻐㻙㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻖㻑㻓㻙
㻙㻑㻘㻗
㻗㻑㻗㻖
㻔㻑㻗㻛
㻖㻑㻓㻓
㻙㻑㻙㻙
㻗㻑㻖㻕
㻔㻑㻘㻗
㻖㻑㻓㻙
㻙㻑㻘㻖
㻗㻑㻚㻘
㻔㻑㻖㻚
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻗㻑㻜㻜
㻔㻓㻑㻖㻖
㻗㻑㻚㻗
㻕㻑㻔㻛
㻗㻑㻜㻔
㻔㻓㻑㻗㻛
㻗㻑㻙㻖
㻕㻑㻕㻙
㻘㻑㻓㻖
㻔㻓㻑㻔㻙
㻗㻑㻛㻓
㻕㻑㻔㻔
㻗㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻙㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡
㻙㻑㻛㻕
㻔㻓㻑㻜㻕
㻗㻑㻚㻗
㻕㻑㻖㻓
㻙㻑㻚㻚
㻔㻓㻑㻚㻙
㻗㻑㻘㻓
㻕㻑㻖㻜
㻙㻑㻛㻜
㻔㻓㻑㻚㻛
㻗㻑㻚㻙
㻕㻑㻕㻚
㻛㻑㻙㻗
㻔㻔㻑㻓㻗
㻗㻑㻙㻓
㻕㻑㻗㻓
㻛㻑㻙㻙
㻔㻓㻑㻘㻜
㻗㻑㻗㻕
㻕㻑㻖㻜
㻛㻑㻛㻕
㻔㻓㻑㻖㻘
㻗㻑㻘㻗
㻕㻑㻕㻛
- 32 -
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻓㼐
㻔㻗㻓㼐
㻔㻙㻓㼐
㻔㻛㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻗㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻙㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻔㻓㻑㻘㻔
㻔㻕㻑㻗㻗
㻔㻗㻑㻖㻛
㻔㻙㻑㻖㻕
㻔㻛㻑㻕㻛
㻕㻓㻑㻗㻔
㻔㻓㻑㻙㻚
㻔㻓㻑㻖㻚
㻔㻓㻑㻖㻓
㻔㻓㻑㻖㻖
㻔㻓㻑㻔㻙
㻜㻑㻗㻔
㻗㻑㻙㻖
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻗㻔
㻗㻑㻗㻔
㻗㻑㻕㻛
㻖㻑㻜㻗
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻕㻛
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻚
㻕㻑㻖㻜
㻔㻓㻑㻙㻔
㻔㻕㻑㻘㻚
㻔㻗㻑㻘㻘
㻔㻙㻑㻘㻙
㻔㻛㻑㻘㻛
㻕㻓㻑㻚㻘
㻔㻓㻑㻕㻙
㻔㻓㻑㻔㻜
㻔㻓㻑㻓㻜
㻜㻑㻜㻚
㻜㻑㻜㻔
㻜㻑㻕㻓
㻗㻑㻗㻗
㻗㻑㻖㻙
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻖㻔
㻗㻑㻔㻜
㻗㻑㻓㻓
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻖㻙
㻕㻑㻖㻓
㻔㻓㻑㻛㻔
㻔㻕㻑㻛㻕
㻔㻗㻑㻛㻗
㻔㻙㻑㻛㻙
㻔㻛㻑㻜㻖
㻕㻔㻑㻔㻓
㻔㻓㻑㻓㻗
㻜㻑㻜㻙
㻜㻑㻜㻔
㻜㻑㻛㻚
㻜㻑㻚㻓
㻜㻑㻕㻓
㻗㻑㻙㻕
㻗㻑㻘㻔
㻗㻑㻘㻔
㻗㻑㻗㻘
㻗㻑㻖㻙
㻗㻑㻔㻙
㻕㻑㻔㻚
㻕㻑㻕㻔
㻕㻑㻕㻓
㻕㻑㻕㻕
㻕㻑㻕㻕
㻕㻑㻕㻔
䚼㻙㻓㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻓
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻓
䝘䝇䝅
㻗㻑㻙㻛
㻗㻑㻚㻕
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻖㻙
㻕㻑㻖㻗
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓
㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻘㻜
㻗㻑㻗㻙
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻖㻛
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻚㻗
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻖㻚
㻕㻑㻔㻛
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
➠㻔㻖ᅂୠ⏲㝛୕❿ᢇ㐽ᡥᶊኬ㡉Ằᅗ䝿ኬ㑢ኬఌ㻃㻣㻃ኬ㑢䜽䝃䜼䜦䝤
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃஢㐽㻖⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻕䚭㻔㻔㻝㻕㻛䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻔㻑㻔㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻚న
㻘䝰䞀䝷
ྞ๑
ᑚᯐ㻃㞕ୌ
㻋᪝ᮇ㻌
エ㘋
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻗㻕
㻕㻔㻑㻕㻚
㻛㻓㻐㻔㻓㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻓㻙
㻙㻑㻗㻛
㻛㻑㻜㻔
㻔㻓㻑㻛㻖
㻔㻕㻑㻜㻗
㻔㻗㻑㻛㻔
㻔㻙㻑㻙㻜
㻔㻜㻑㻓㻛
㻕㻔㻑㻕㻛
㻙㻑㻘㻗
㻔㻓㻑㻕㻖
㻔㻓㻑㻕㻛
㻔㻓㻑㻗㻕
㻔㻓㻑㻕㻓
㻔㻓㻑㻓㻖
㻜㻑㻚㻘
㻜㻑㻖㻜
㻛㻑㻙㻖
㻗㻑㻚㻓
㻗㻑㻚㻘
㻗㻑㻚㻔
㻗㻑㻘㻛
㻗㻑㻘㻓
㻗㻑㻗㻕
㻗㻑㻖㻓
㻗㻑㻔㻙
㻖㻑㻙㻕
㻔㻑㻖㻜
㻕㻑㻔㻙
㻕㻑㻔㻛
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻖㻜
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻚㻙
㻗㻑㻚㻓
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻔㻙
㻕㻑㻔㻜
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃஢㐽㻗⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻕䚭㻔㻔㻝㻖㻗䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻔㻑㻔㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻕న
㻕䝰䞀䝷
ྞ๑
エ㘋
㧐ᖲ㻃ួኃ
㻕㻓㻑㻛㻚
㻋᪝ᮇ㻌
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻚㻖
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻓㻕
㻙㻑㻖㻗
㻛㻑㻙㻚
㻔㻓㻑㻘㻛
㻔㻕㻑㻙㻙
㻔㻗㻑㻘㻕
㻔㻙㻑㻖㻙
㻔㻛㻑㻚㻙
㻕㻓㻑㻛㻚
㻙㻑㻙㻕
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻚㻖
㻔㻓㻑㻗㻛
㻔㻓㻑㻖㻖
㻔㻓㻑㻔㻕
㻜㻑㻜㻔
㻜㻑㻖㻘
㻜㻑㻓㻓
㻗㻑㻕㻘
㻗㻑㻖㻖
㻗㻑㻕㻘
㻗㻑㻕㻖
㻗㻑㻔㻛
㻗㻑㻔㻘
㻗㻑㻓㻓
㻖㻑㻛㻘
㻖㻑㻗㻛
㻔㻑㻘㻙
㻕㻑㻗㻖
㻕㻑㻘㻖
㻕㻑㻗㻛
㻕㻑㻗㻚
㻕㻑㻗㻗
㻕㻑㻗㻛
㻕㻑㻗㻖
㻕㻑㻘㻜
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻔㻛
㻗㻑㻖㻗
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻘㻚
㻕㻑㻗㻚
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃஢㐽㻘⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻕䚭㻔㻔㻝㻗㻔䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻓㻑㻛㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻖న
㻙䝰䞀䝷
ྞ๑
㰳⸠㻃ொᚷ
㻋᪝ᮇ㻌
エ㘋
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻙㻔
㻕㻓㻑㻛㻓
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻓㻗
㻙㻑㻗㻓
㻛㻑㻚㻘
㻔㻓㻑㻙㻘
㻔㻕㻑㻚㻗
㻔㻗㻑㻘㻜
㻔㻙㻑㻗㻖
㻔㻛㻑㻚㻗
㻕㻓㻑㻛㻓
㻙㻑㻘㻚
㻔㻓㻑㻗㻗
㻔㻓㻑㻙㻔
㻔㻓㻑㻘㻖
㻔㻓㻑㻖㻔
㻔㻓㻑㻔㻓
㻜㻑㻜㻗
㻜㻑㻚㻕
㻜㻑㻕㻔
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻙㻔
㻗㻑㻘㻔
㻗㻑㻗㻓
㻗㻑㻖㻓
㻗㻑㻖㻕
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻔㻘
㻖㻑㻜㻙
㻔㻑㻗㻗
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻖㻘
㻕㻑㻖㻜
㻕㻑㻗㻓
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻖
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻖㻜
㻗㻑㻙㻖
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻕
㻕㻑㻖㻕
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃‵Ửົ㻕⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻕䚭㻔㻜㻝㻘㻗䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻔㻑㻓㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻙న
㻕䝰䞀䝷
ྞ๑
エ㘋
㰳⸠㻃ொᚷ
㻕㻔㻑㻔㻚
㻋᪝ᮇ㻌
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻛㻓
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻓㻜
㻙㻑㻗㻚
㻛㻑㻚㻜
㻔㻓㻑㻚㻕
㻔㻕㻑㻛㻛
㻔㻗㻑㻛㻓
㻔㻙㻑㻙㻛
㻔㻜㻑㻓㻗
㻕㻔㻑㻔㻙
㻙㻑㻗㻚
㻔㻓㻑㻖㻘
㻔㻓㻑㻛㻓
㻔㻓㻑㻖㻖
㻜㻑㻜㻜
㻜㻑㻚㻚
㻜㻑㻚㻓
㻜㻑㻘㻖
㻛㻑㻜㻗
㻗㻑㻗㻖
㻗㻑㻘㻛
㻗㻑㻗㻘
㻗㻑㻖㻜
㻗㻑㻕㻛
㻗㻑㻕㻛
㻗㻑㻕㻔
㻗㻑㻓㻜
㻖㻑㻙㻚
㻔㻑㻗㻙
㻕㻑㻕㻙
㻕㻑㻗㻖
㻕㻑㻖㻘
㻕㻑㻖㻖
㻕㻑㻕㻛
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻖㻖
㻕㻑㻗㻗
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻖㻙
㻗㻑㻘㻛
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻛
㻕㻑㻖㻙
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻓㻗
㻙㻑㻗㻗
㻛㻑㻚㻘
㻔㻓㻑㻙㻘
㻔㻕㻑㻚㻙
㻔㻗㻑㻙㻓
㻔㻙㻑㻗㻓
㻔㻛㻑㻚㻚
㻕㻓㻑㻜㻓
㻙㻑㻘㻜
㻔㻓㻑㻕㻜
㻔㻓㻑㻛㻔
㻔㻓㻑㻘㻕
㻔㻓㻑㻕㻔
㻔㻓㻑㻕㻓
㻔㻓㻑㻔㻘
㻜㻑㻗㻙
㻛㻑㻜㻗
㻗㻑㻕㻕
㻗㻑㻖㻔
㻗㻑㻕㻔
㻗㻑㻔㻙
㻗㻑㻔㻛
㻗㻑㻔㻓
㻖㻑㻜㻛
㻖㻑㻛㻚
㻖㻑㻖㻖
㻔㻑㻘㻙
㻕㻑㻖㻜
㻕㻑㻘㻚
㻕㻑㻘㻖
㻕㻑㻗㻗
㻕㻑㻗㻜
㻕㻑㻘㻘
㻕㻑㻗㻗
㻕㻑㻙㻜
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻕
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻕㻘
㻗㻑㻔㻛
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻘㻗
㻕㻑㻘㻜
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻕㻑㻜㻜
㻙㻑㻓㻛
㻛㻑㻕㻕
㻜㻑㻜㻛
㻔㻔㻑㻜㻖
㻔㻖㻑㻙㻗
㻔㻘㻑㻖㻕
㻔㻚㻑㻗㻜
㻔㻜㻑㻗㻓
㻙㻑㻚㻓
㻔㻔㻑㻖㻖
㻔㻔㻑㻙㻖
㻔㻔㻑㻖㻚
㻔㻔㻑㻓㻖
㻔㻓㻑㻜㻜
㻔㻓㻑㻛㻜
㻔㻓㻑㻖㻖
㻜㻑㻜㻗
㻗㻑㻕㻛
㻗㻑㻗㻚
㻗㻑㻖㻛
㻗㻑㻕㻚
㻗㻑㻔㻜
㻗㻑㻓㻛
㻖㻑㻜㻛
㻖㻑㻛㻜
㻖㻑㻚㻓
㻔㻑㻘㻙
㻕㻑㻘㻖
㻕㻑㻙㻘
㻕㻑㻙㻙
㻕㻑㻙㻖
㻕㻑㻚㻓
㻕㻑㻚㻗
㻕㻑㻙㻙
㻕㻑㻙㻜
㻖㻑㻓㻓
㻙㻑㻔㻘
㻛㻑㻖㻗
㻔㻓㻑㻔㻕
㻔㻕㻑㻔㻓
㻔㻖㻑㻛㻗
㻔㻘㻑㻘㻘
㻔㻚㻑㻚㻖
㻔㻜㻑㻙㻜
㻙㻑㻙㻚
㻔㻔㻑㻔㻓
㻔㻔㻑㻗㻙
㻔㻔㻑㻕㻓
㻔㻓㻑㻛㻘
㻔㻓㻑㻛㻕
㻔㻓㻑㻙㻛
㻔㻓㻑㻕㻚
㻜㻑㻚㻓
㻗㻑㻚㻙
㻘㻑㻓㻙
㻘㻑㻓㻔
㻗㻑㻛㻗
㻗㻑㻚㻛
㻗㻑㻙㻙
㻗㻑㻘㻚
㻗㻑㻗㻙
㻗㻑㻔㻘
㻔㻑㻗㻓
㻕㻑㻔㻜
㻕㻑㻕㻜
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻕㻚
㻕㻑㻖㻕
㻕㻑㻖㻗
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻖㻗
㻖㻑㻓㻔
㻙㻑㻕㻖
㻛㻑㻗㻘
㻔㻓㻑㻕㻘
㻔㻕㻑㻕㻗
㻔㻖㻑㻜㻛
㻔㻘㻑㻚㻓
㻔㻚㻑㻛㻙
㻔㻜㻑㻛㻓
㻙㻑㻙㻗
㻔㻓㻑㻛㻛
㻔㻔㻑㻕㻘
㻔㻔㻑㻔㻓
㻔㻓㻑㻛㻔
㻔㻓㻑㻚㻛
㻔㻓㻑㻙㻛
㻔㻓㻑㻖㻙
㻜㻑㻛㻕
㻗㻑㻖㻜
㻗㻑㻖㻗
㻗㻑㻖㻔
㻗㻑㻕㻕
㻗㻑㻔㻚
㻗㻑㻓㻓
㻖㻑㻜㻖
㻖㻑㻛㻘
㻖㻑㻘㻚
㻔㻑㻘㻔
㻕㻑㻘㻔
㻕㻑㻙㻔
㻕㻑㻙㻖
㻕㻑㻘㻜
㻕㻑㻙㻜
㻕㻑㻚㻕
㻕㻑㻙㻜
㻕㻑㻚㻘
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻖
㻓㻑㻔㻓
䝘䝇䝅
㻗㻑㻓㻔
㻗㻑㻛㻖
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻜㻓
㻕㻑㻗㻔
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻓㻜
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻓㻜
䝘䝇䝅
㻗㻑㻘㻔
㻘㻑㻘㻛
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻘㻗
㻕㻑㻓㻜
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻖
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻓㻗
㻗㻑㻚㻕
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻚㻜
㻕㻑㻗㻙
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃‵Ửົ㻖⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻕䚭㻕㻓㻝㻓㻛䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻓㻑㻚㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻙న
㻛䝰䞀䝷
ྞ๑
エ㘋
㧐ᖲ㻃ួኃ
㻕㻓㻑㻜㻓
㻋᪝ᮇ㻌
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻛㻔
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
⏠Ꮔ㻃㻕㻓㻓㼐㻃Ửົ
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻖䚭㻕㻔㻝㻔㻚䚭䟺㢴㏷㻃㻎㻓㻑㻛㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻔న
㻖䝰䞀䝷
㻕న
㻗䝰䞀䝷
㻖న
㻙䝰䞀䝷
ྞ๑
㻸㼖㼄㼌㼑㻃㻥㻲㻯㻷
㻋䜼䝧䝢䜨䜯㻌
㻺㼄㼏㼗㼈㼕㻃㻧㻬㻻
㻋䜦䝥䝮䜯ྙ⾏ᅗ㻌
㻦㼋㼕㼌㼖㼗㼒㼓㼋㼈
㻯㻨㻰㻤㻬㻷㻵㻨
㻋䝙䝭䝷䜽㻌
エ㘋
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻔㻑㻙㻖
㻔㻜㻑㻗㻓
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㻔㻔㻑㻗㻙
㻔㻜㻑㻚㻓
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㻔㻔㻑㻕㻘
㻔㻜㻑㻛㻓
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
- 33 -
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
➠㻔㻖ᅂୠ⏲㝛୕❿ᢇ㐽ᡥᶊኬ㡉Ằᅗ䝿ኬ㑢ኬఌ㻃㻣㻃ኬ㑢䜽䝃䜼䜦䝤
ዥᏄ㻃㻕㻓㻓㼐㻃஢㐽㻔⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻔䚭㻔㻓㻝㻗㻛䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻓㻑㻔㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻘న
㻙䝰䞀䝷
ྞ๑
エ㘋
⚗ᓞ㻃༐㔓
㻕㻖㻑㻕㻘
㻋᪝ᮇ㻌
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻜㻑㻚㻖
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻔㻘
㻙㻑㻛㻜
㻜㻑㻗㻙
㻔㻔㻑㻘㻛
㻔㻖㻑㻜㻗
㻔㻙㻑㻓㻖
㻔㻛㻑㻔㻕
㻕㻓㻑㻛㻕
㻕㻖㻑㻕㻖
㻙㻑㻖㻙
㻜㻑㻖㻙
㻜㻑㻚㻖
㻜㻑㻗㻕
㻜㻑㻔㻔
㻛㻑㻜㻜
㻛㻑㻚㻔
㻛㻑㻖㻔
㻚㻑㻛㻜
㻗㻑㻘㻔
㻗㻑㻛㻘
㻗㻑㻚㻖
㻗㻑㻙㻘
㻗㻑㻘㻘
㻗㻑㻗㻖
㻗㻑㻖㻘
㻗㻑㻕㻜
㻗㻑㻔㻔
㻔㻑㻗㻔
㻔㻑㻜㻖
㻕㻑㻓㻙
㻕㻑㻓㻖
㻕㻑㻓㻓
㻕㻑㻓㻖
㻕㻑㻓㻓
㻔㻑㻜㻗
㻔㻑㻜㻕
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓
㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻛㻔
㻗㻑㻙㻙
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻓㻕
㻕㻑㻓㻜
ዥᏄ㻃㻕㻓㻓㼐㻃‵Ửົ㻔⤄
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻔䚭㻔㻜㻝㻕㻖䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻓㻑㻚㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻘న
㻙䝰䞀䝷
ྞ๑
⚗ᓞ㻃༐㔓
㻋᪝ᮇ㻌
エ㘋
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻜㻑㻙㻖
㻕㻖㻑㻘㻕
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻓㼐
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻔㻛
㻚㻑㻓㻔
㻜㻑㻙㻔
㻔㻔㻑㻛㻓
㻔㻗㻑㻕㻔
㻔㻙㻑㻖㻛
㻔㻛㻑㻘㻕
㻕㻔㻑㻔㻚
㻕㻖㻑㻘㻕
㻙㻑㻕㻛
㻜㻑㻔㻘
㻜㻑㻙㻖
㻜㻑㻔㻕
㻛㻑㻜㻔
㻛㻑㻙㻙
㻛㻑㻘㻙
㻛㻑㻗㻗
㻛㻑㻔㻔
㻗㻑㻘㻕
㻗㻑㻚㻙
㻗㻑㻚㻔
㻗㻑㻘㻙
㻗㻑㻗㻙
㻗㻑㻖㻜
㻗㻑㻖㻗
㻗㻑㻕㻜
㻗㻑㻔㻚
㻔㻑㻖㻜
㻔㻑㻜㻕
㻕㻑㻓㻗
㻕㻑㻓㻓
㻕㻑㻓㻓
㻔㻑㻜㻚
㻔㻑㻜㻚
㻔㻑㻜㻚
㻔㻑㻜㻘
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻓
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻔
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻛㻖
㻗㻑㻘㻛
䜽䝌䝭䜨䝍
㻔㻑㻜㻜
㻕㻑㻔㻓
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
ዥᏄ㻃㻕㻓㻓㼐㻃Ửົ
㻕㻓㻔㻔㻒㻜㻒㻕䚭㻕㻓㻝㻘㻕䚭䟺㢴㏷㻃㻐㻔㻑㻓㻃㼐㻒㼖䟻
㡨న
䝰䞀䝷
㻔న
㻘䝰䞀䝷
㻕న
㻗䝰䞀䝷
㻖న
㻖䝰䞀䝷
ྞ๑
㻹㼈㼕㼒㼑㼌㼆㼄
㻦㻤㻰㻳㻥㻨㻯㻯㻐
㻥㻵㻲㻺㻱
エ㘋
㻔㻓㻑㻓㻛
㻕㻕㻑㻕㻕
㻘㻘㻐㻛㻓㼐
㻋䜼䝧䝢䜨䜯㻌
㻦㼄㼕㼐㼈㼏㼌㼗㼄㻃㻭㻨㻷㻨㻵
㻋䜦䝥䝮䜯ྙ⾏ᅗ㻌
㻤㼏㼏㼜㼖㼒㼑㻃㻩㻨㻯㻬㻻
㻋䜦䝥䝮䜯ྙ⾏ᅗ㻌
᭩㧏㏷ᗐ
฽㐡ᆀⅤ
㻔㻓㻑㻓㻙
㻕㻕㻑㻖㻚
㻛㻓㻐㻔㻓㻓㼐
㻜㻑㻜㻗
㻕㻕㻑㻗㻕
㻛㻓㻐㻔㻓㻓㼐
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㏳㐛䝃䜨䝤䟺⛂䟻
༇㛣㏷ᗐ㻋㼐㻒⛂㻌
༇㛣䝘䝇䝅㻋Ṅ㻒⛂㻌
༇㛣䜽䝌䝭䜨䝍㻋㼐㻌
㻓㼐
㻘㻘㼐
㻛㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
㻔㻕㻔㻑㻘㼐
㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻔㻛㻔㼐
㻕㻓㼐
㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻕㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻘㻘㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻃㻃㻛㻓㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻓㻓㼐 㻃㻃㼡㻔㻕㻔㻑㻘㼐 㻃㼡㻔㻗㻓㻑㻕㻛㼐 㻃㼡㻔㻘㻛㻑㻘㻙㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻔㻛㻔㼐 㻃㻃㻃㻃㼡㻕㻓㻓㼐
㻖㻑㻓㻘
㻙㻑㻘㻛
㻜㻑㻓㻙
㻔㻔㻑㻓㻘
㻔㻖㻑㻕㻚
㻔㻘㻑㻖㻔
㻔㻚㻑㻖㻖
㻔㻜㻑㻜㻔
㻕㻕㻑㻕㻕
㻙㻑㻘㻚
㻜㻑㻜㻔
㻔㻓㻑㻓㻛
㻔㻓㻑㻓㻗
㻜㻑㻙㻙
㻜㻑㻕㻖
㻜㻑㻓㻙
㻛㻑㻙㻛
㻛㻑㻕㻘
㻗㻑㻘㻙
㻗㻑㻛㻗
㻗㻑㻛㻓
㻗㻑㻙㻚
㻗㻑㻘㻛
㻗㻑㻗㻔
㻗㻑㻕㻛
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻓㻜
㻔㻑㻗㻗
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻔㻓
㻕㻑㻔㻘
㻕㻑㻔㻔
㻕㻑㻓㻜
㻕㻑㻔㻕
㻕㻑㻓㻘
㻕㻑㻓㻕
㻖㻑㻓㻜
㻙㻑㻙㻘
㻜㻑㻔㻚
㻔㻔㻑㻔㻙
㻔㻖㻑㻗㻕
㻔㻘㻑㻗㻖
㻔㻚㻑㻗㻕
㻕㻓㻑㻓㻔
㻕㻕㻑㻖㻚
㻙㻑㻗㻚
㻜㻑㻛㻘
㻜㻑㻜㻓
㻔㻓㻑㻓㻙
㻜㻑㻘㻖
㻜㻑㻖㻕
㻜㻑㻔㻛
㻛㻑㻙㻛
㻛㻑㻓㻘
㻗㻑㻘㻔
㻗㻑㻚㻛
㻗㻑㻙㻛
㻗㻑㻙㻕
㻗㻑㻗㻙
㻗㻑㻗㻙
㻗㻑㻖㻕
㻗㻑㻕㻕
㻖㻑㻜㻙
㻔㻑㻗㻖
㻕㻑㻓㻙
㻕㻑㻔㻔
㻕㻑㻔㻛
㻕㻑㻔㻖
㻕㻑㻓㻜
㻕㻑㻔㻕
㻕㻑㻓㻙
㻕㻑㻓㻗
㻖㻑㻔㻗
㻙㻑㻚㻙
㻜㻑㻖㻓
㻔㻔㻑㻖㻔
㻔㻖㻑㻘㻗
㻔㻘㻑㻘㻙
㻔㻚㻑㻘㻙
㻕㻓㻑㻔㻘
㻕㻕㻑㻗㻔
㻙㻑㻖㻙
㻜㻑㻙㻛
㻜㻑㻛㻖
㻜㻑㻜㻗
㻜㻑㻙㻙
㻜㻑㻖㻓
㻜㻑㻔㻘
㻛㻑㻙㻚
㻛㻑㻖㻜
㻗㻑㻕㻘
㻗㻑㻕㻗
㻗㻑㻔㻗
㻗㻑㻓㻜
㻗㻑㻓㻕
㻗㻑㻓㻕
㻖㻑㻛㻙
㻖㻑㻚㻙
㻖㻑㻘㻘
㻔㻑㻘㻓
㻕㻑㻕㻛
㻕㻑㻖㻚
㻕㻑㻗㻖
㻕㻑㻗㻔
㻕㻑㻖㻔
㻕㻑㻖㻚
㻕㻑㻖㻓
㻕㻑㻖㻙
- 34 -
䚼㻘㻘㻐㻛㻓㼐䚽㻛Ṅ䛴ᖲᆍೋ
ᕞ
ྎ
㻓㻑㻔㻓
㻓㻑㻓㻜
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻓
䝘䝇䝅
㻗㻑㻗㻙
㻘㻑㻔㻚
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻕㻙
㻔㻑㻜㻘
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻓
㻓㻑㻔㻓
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
䝘䝇䝅
㻗㻑㻗㻚
㻗㻑㻜㻖
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻕㻔
㻕㻑㻓㻗
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻕
㻓㻑㻔㻔
⁣✭᫤㛣䟺⛂䟻
㻓㻑㻔㻖
㻓㻑㻔㻕
䝘䝇䝅
㻗㻑㻓㻓
㻗㻑㻖㻙
䜽䝌䝭䜨䝍
㻕㻑㻗㻙
㻕㻑㻖㻔
᥃ᆀ᫤㛣䟺⛂䟻
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,35-38,2012
Vol.8,35-38,2012
男子ナショナルチーム・4 × 100m リレーのバイオメカニクスサポート研究報告(第 2 報)
広川龍太郎1) 松尾彰文2) 柳谷登志雄3) 持田 尚4) 森丘保典5) 松林武生2)
貴嶋孝太2) 山本真帆2) 髙橋恭平2) 渡辺圭佑6) 綿谷貴志7) 杉田正明8) 苅部俊二9)
土江寛裕 10) 髙野 進1)
1)東海大学 2)国立スポーツ科学センター 3)順天堂大学 4)横浜市スポーツ医科学センター
5)日本体育協会 6)順天堂大学大学院 7)鹿屋体育大学連携大学院 8)三重大学
9)法政大学 10)城西大学
Ⅰ.はじめに
2008 北京オリンピックにて銅メダルに輝いた日
本代表男子 4 × 100m リレーチームであるが、常に
世界上位であるためには、パスワークは常々探求さ
れなければならない。そのためには、映像による動
作の確認とともに、数値による定量化が有効であろ
う。そこで、日本代表男子 4 × 100m リレーチーム
を対象に、バトンゾーンの通過タイムを分析するこ
とにより、バトンパスに関する基礎的資料を得るこ
ととした。
2011 年度にナショナルチームとして出場した 3
大会(テグ世界選手権 / アジア選手権 / ゴールデン
グランプリ川崎)ならびに 40m 所用タイムの算出で
きた 2008、2009 大阪グランプリで得られたデータ
をここに述べる。
尚、日本陸連科学委員会ならびにチーム「ニッポ
ン」マルチサポート事業では、合宿などにも同行
し、データ収集ならびにフィードバックを行ってい
る。合宿で得られたデータや、ここには挙げていな
いデータに関しては 2012 ロンドンオリンピック以
後に詳細な報告をする予定である。
光が写る様にした。また各パス区間に 1 〜 2 名の撮
影者を配置した。またゴールライン延長上のスタン
ド最上段からパンニング撮影を行い、キャリブレー
ションなどに用いた。また国内で行われたアジア選
手権 / ゴールデングランプリ川崎では、ブルーゾー
ンからバトンパスゾーン出口から 10m 先まで、10m
おきに計測マークを縁石に貼付し、先述のパス区間
タイムや走速度算出用のキャリブレーションマーク
とした。マークの貼付に関しては、大会ルールに則
り競技運営の妨げにならない様に行った。テグ世界
選手権では、マーク貼付が難しかったため、ハード
ル設置マークなどをキャリブレーションマークとし
て用い、実長換算した。カメラ位置などの概略図は
図 1 の通りである。
IN
BL mkr
+10
OUT
CNT
IN
CNT
䝢䞀䜯䞀ᚪこ䠀
OUT
+10
1㉦ → 䠄㉦
䠄㉦ → 䠅㉦
BL
mkr
㻗㻓㻓㼐㻫㻃㻙ྋ┘㻃
mkr
BL
䠅㉦ → 䠆㉦
IN
䝢䞀䜯䞀ᚪこ䠀
NT
CNT
Ⅱ.方法
OUT
カシオ製ハイスピードカメラ EX-F1 を 5 〜 7 台用
いた。300 コマ / 秒にて、またシャッタースピード
は 1/100 秒を目安として環境光の状況により最良の
方法で撮影した。撮影は全てスタンドで行い、キャ
リブレーションマークならびに走者が的確に収まる
位置で撮影した。可能な限りスターターのシグナル
+10
F
図1
また、パスワークの出来を確認するため、機材と
- 35 -
Ⅲ.フィードバックしたデータについて
1㉦→2㉦
2㉦→3㉦
3㉦→4㉦
図2
人員に余裕のある時は、タイム分析用とは別にハイ
ビジョン映像も撮影した(図 2)。
パス区間タイムや走速度を算出するために
Apple® 製 QuickTinePro7 を用いた。QuickTimePro7
は映像コマカウントが表示されるため、タイム分
析や走速度の算出が容易である。2011 年最新版の
QuickTime Player では、コマカウントが表示され
ないため、旧バージョンの QuickTime7 を用いるこ
とが望ましい。
情報の共有方法として、年度の前半まではネット
ワークハードディスクを、後半からは、ソーシャル
ネットワークサービスを用いた。ソーシャルネット
ワークサービスの発達により、より素早く各コーチ
にフィードバック出来る様になった。サービス内で
は指導者、選手、サポートチームのみの情報共有で
あり、第三者が閲覧できない様になっている。
撮影した映像は直ぐに編集され、共有される。映像
は「パスがどの時点で渡っているか?」
「次走者の
スタートするタイミングは?」
「スタートの走フォー
ムは?」等の確認に用いた。
バトンパスタイムは、代表チームが最も重要視し
ている指標である、“前走者ブルーゾーン通過から、
次走者バトンパスゾーン出口から 10m 先通過までの
40m 所用タイム”を中心にフィードバックした。土
江寛裕・強化委員会男子短距離部副部長の提唱する
「パスの巧みさ + しっかり加速しているか」
「3 秒 75
で走れば 38 秒突破が可能」「バトンを渡す位置に影
響されずに目安となる指標である」のためである。
フィードバックしたデータの一部を表 1 に示した。
また図 3 はフィニッシュタイムと 40m 所用タイム合
計の相関図、図 4 はフィニッシュタイムと 20m 所用
タイム合計の相関図である。20m 所用タイムで同じ
タイムでも、フィニッシュタイムに 0.61 秒の差が
ある例や、40m 所用タイムの方が相関係数が高いこ
と等から、40m 所用タイム測定の重要性が伺えた。
40m 所用タイム算出にはキャリブレーションマーク
が必要になる等の工夫が必要ではあるが、ナショナ
ルチームレベルのサポートでは、40m 所用タイム算
出が望ましいと考える。しかしながら、トラックに
表1
ኬఌྞ䛰䛯
㻕㻓㻔㻔
䝊 䜴ୠ⏲ᶊ㻒஢㐽
㻕㻓㻔㻔
䜦 䜼 䜦 㐽㻒Ửົ
㻕㻓㻔㻔
䜦 䜼 䜦 㐽㻒஢㐽
㻕㻓㻔㻔
ᕖᓧ㻪㻳㻒㻤䝅䞀䝤
㻕㻓㻔㻔
ᕖᓧ㻪㻳㻒㻥䝅䞀䝤
㻕㻓㻓㻜
ኬ㜨㻪㻳䝅䞀䝤
㻕㻓㻓㻛
ኬ㜨㻪㻳䝅䞀䝤
㻖㻛㻑 㻙㻙
㻖㻜㻑 㻔㻛
㻖㻛㻑 㻜㻕
㻖㻛㻑 㻚㻛
㻖㻛㻑 㻜㻗
㻖㻛㻑 㻖㻖
㻖㻛㻑 㻜㻗
䜸 䞀䝯䝃 䜨 䝤
๑㉦⩽䝚 ᑚᯐ䇭Ờ㔓ཾ
㻖㻑 㻚㻛 ᕖ㟻䇭Ờ㔓ཾ
㻖㻑 㻜㻘 ᑚᯐ䇭Ờ㔓ཾ
㻖㻑 㻛㻗 Ờ㔓ཾ㻐ᮄᮟ 㻖㻑 㻜㻖 ⲙ㔕㻐ᕖ㟻
㻖㻑 㻜㻗 ᠻᏘᏄ㻐ሪཋ
㻖㻑 㻚㻗 ሪཋ㻐ᮆ⧨
㻖㻑 㻜㻕
䝯䞀㏳㐛䛑
㻖㻑 㻛㻓 Ờ㔓ཾ䇭㧐ᖲ
㻖㻑 㻜㻙 Ờ㔓ཾ䇭㧐ᖲ
㻖㻑 㻛㻖 ᮄᮟ㻐㧐ᖲ
㻖㻑 㻛㻖 ᕖ㟻㻐ᑚᯐ
㻖㻑 㻜㻓 ሪཋ㻐㧐ᖲ
㻖㻑 㻚㻓 ᮆ⧨㻐㧐ᖲ
㻖㻑 㻜㻕
䜏 ḗ㉦⩽䜦 Ờ㔓ཾ䇭㧐ᖲ
䜪䝌 ඙㻔㻓㼐 㧐ᖲ䇭ᩢ⸠
㻖㻑 㻜㻜 㧐ᖲ䇭ᩢ⸠
㻖㻑 㻜㻙 㧐ᖲ䇭ᩢ⸠
㻖㻑 㻛㻙 㧐ᖲ㻐ᩢ⸠
㻖㻑 㻛㻖 ᑚᯐ㻐㣜ሪ
㻖㻑 㻜㻗 㧐ᖲ㻐⸠ක
㻖㻑 㻜㻕 㧐ᖲ㻐ᩢ⸠
㻖㻑 㻛㻖
䟺 㻠㻗㻓㼐䟻 ᡜ
ྙ゛
㻔㻔㻑 㻘㻚
ྙ゛
㻔㻔㻑 㻛㻚
ྙ゛
㻔㻔㻑 㻘㻖
ྙ゛
㻔㻔㻑 㻘㻜
ྙ゛
㻔㻔㻑 㻚㻛
ྙ゛
㻔㻔㻑 㻖㻙
ྙ゛
㻔㻔㻑 㻙㻚
⏕䝃 䜨 䝤
䝔䝌 䝷 䝂 䞀
䝷 㻕㻓㼐ᡜ⏕䝃
䜨䝤
䠃 䊲䠄
㻔㻑 㻛㻜
䠃 䊲䠄
㻕㻑 㻓㻔
䠃 䊲䠄
㻔㻑 㻜㻘
䠃 䊲䠄
㻔㻑 㻜㻚
䠃 䊲䠄
㻕㻑 㻓㻔
䠃 䊲䠄
㻔㻑 㻛㻛
䠃 䊲䠄
㻔㻑 㻛㻛
䠄 䊲䠅
㻔㻑 㻜㻙
䠄 䊲䠅
㻔㻑 㻜㻚
䠄 䊲䠅
㻔㻑 㻜㻚
䠄 䊲䠅
㻔㻑 㻜㻔
䠄 䊲䠅
㻕㻑 㻓㻓
䠄 䊲䠅
㻔㻑 㻛㻚
䠄 䊲䠅
㻔㻑 㻛㻚
䠅 䊲䠆
㻕㻑 㻓㻓
䠅 䊲䠆
㻕㻑 㻓㻓
䠅 䊲䠆
㻔㻑 㻜㻖
䠅 䊲䠆
㻔㻑 㻜㻔
䠅 䊲䠆
㻕㻑 㻓㻔
䠅 䊲䠆
㻕㻑 㻓㻓
䠅 䊲䠆
ྙ゛
䜨 䝷 䛑䜏 䜦
㻕Ờ㔓ཾ
䜪䝌 ඙㻔㻓㼐䜄
䛭䛴㻖㻓㼐䝃 䜨
㻖㧐ᖲ
䝤㻠㻔㻓㼐ຊ㏷
㻎㻖㻓㼐䝃 䜨 䝤
㻗ᩢ⸠
㻘㻑 㻛㻘
ྙ゛
㻘㻑 㻜㻛
ྙ゛
㻘㻑 㻛㻗
ྙ゛
㻘㻑 㻚㻜
ྙ゛
㻙㻑 㻓㻕
ྙ゛
㻘㻑 㻚㻘
ྙ゛
㻕㻑 㻓㻓
㻘㻑 㻚㻘
㻕㻑 㻜㻙 㻕Ờ㔓ཾ
㻖㻑 㻓㻛 㻕Ờ㔓ཾ
㻖㻑 㻓㻚 㻕ᮄᮟ
㻖㻑 㻓㻜 㻕ᕖ㟻
㻖㻑 㻓㻗
㻕ሪཋ
㻕㻑 㻛㻜
㻕ᮆ⧨
㻖㻑 㻓㻚
㻖㻑 㻓㻚 㻖㧐ᖲ
㻖㻑 㻖㻔 㻖㧐ᖲ
㻖㻑 㻔㻔 㻖㧐ᖲ
㻖㻑 㻓㻖 㻖ᑚᯐ
㻖㻑 㻓㻜
㻖㧐ᖲ
㻕㻑 㻜㻘
㻖㧐ᖲ
㻖㻑 㻓㻛
㻖㻑 㻔㻖 㻗ᩢ⸠
㻖㻑 㻔㻖 㻗ᩢ⸠
㻖㻑 㻔㻗 㻗ᩢ⸠
㻖㻑 㻔㻔 㻗㣜ሪ
㻖㻑 㻓㻛
㻗⸠ක
㻖㻑 㻕㻖
㻗ᩢ⸠
㻖㻑 㻔㻕
- 36 -
ᡜこ䝃䜨䝤䟺⛂䟻
r=0.89 p=0.004
11.9
䟺m/⛂䟻
䜦䜼䜦஢㐽
䝊䜴஢㐽
11.5
11.0
10.5
10.0
9.5
9.0
8.5
8.0
11.8
11.7
11.6
11.5
㻗㻓㼐䝃䜨䝤㻃
䜦䜼䜦㻖㻑㻛㻗㻃
䝊䜴㻖㻑㻚㻛㻃
୦᪁䛮䜈㻛㼐௛㎾䛭䝕䜽
11.4
Blue→in
in→cnt
cnt→out
out→+10m
図 5 小林→江里口のバトンパススピード曲線
11.3
38.2
38.3
38.4
38.5
38.6
38.7
38.8
38.9
39
39.1
39.2
39.3
䜸䞀䝯䝃䜨䝤䟺⛂䟻
図 3 ゴールタイムと 40m 所要タイムの相関図
䜦䜼䜦஢㐽
䟺m/⛂䟻
ᡜこ䝃䜨䝤䟺⛂䟻
r=0.60 p=0.15
6.05
䝊䜴஢㐽
11.5
11.0
10.5
10.0
9.5
9.0
8.5
8.0
6
5.95
5.9
㻗㻓㼐䝃䜨䝤㻃
䜦䜼䜦㻖㻑㻛㻖㻃
䝊䜴㻖㻑㻛㻓㻃
䜦䜼䜦䛵㻔㻖㼐௛㎾䚮㻃
䝊䜴䛵㻔㻓㼐௛㎾䛭䝕
䜽
㻃
Blue→in
5.85
in→cnt
cnt→out
out→+10m
図 6 江里口→髙平のバトンパススピード曲線
5.8
5.75
䟺m/⛂䟻
5.7
38.2
38.3
38.4
38.5
38.6
38.7
38.8
38.9
39
39.1
39.2
39.3
䜸䞀䝯䝃䜨䝤䟺⛂䟻
図 4 ゴールタイムと 20m 所要タイムの相関図
キャリブレーションマークが必要なく簡易に測定で
きること、また過去の蓄積データが多いことなど
から、20m 所用タイムが不必要とは考えていない。
2008 年世界選手権での 38 秒 03 アジア記録時の 20m
所用タイムは 5.66 秒であり、テグ世界選手権現在
での 5.85 秒は、アジア記録時よりも 0.19 秒遅くなっ
ているので、パスワークならびに個人の走タイムの
短縮が重要であることがここからも伺えた。
Ⅳ.パスゾーンの走スピード曲線データについて
図 5 〜 7 は、メンバーが同一であった、神戸アジ
ア選手権の予選と、テグ世界選手権の予選のスピー
ド曲線である。映像からのパス状況と合わせて考察
するが、前走者の曲線の傾きが大きい、つまり減速
が大きいデータは、疲労による減速ではなく、詰まっ
てスピード調整しているものであった。
次走者の傾きが緩いデータは、しっかり加速しき
れていないことを指すが、この時は、次走者の挙手
からパス完了まで約 4 〜 5 歩掛かっている時である。
手を出している動作でのスピード低減の少ないアン
ダーハンドパスとは言え、あまり多くの歩数を費や
すと、無視の出来ないロスタイムに繋がることが伺
えた。過去のデータであるが、2007 大阪世界選手
権、2008 北京五輪、2009 ベルリン世界選手権ともに、
挙手からパス完了まで約 2 歩で完了している。前回
報告でも述べたが、パスゾーン出口でのスピード差
䜦䜼䜦஢㐽
䝊䜴஢㐽
11.5
11.0
10.5
10.0
9.5
9.0
8.5
8.0
㻗㻓㼐䝃䜨䝤㻃
䜦䜼䜦㻖㻑㻛㻙㻃
䝊䜴㻖㻑㻜㻜㻃
䜦䜼䜦䛵14m௛㎾䚮
䝊䜴䛵9m௛㎾䛭䝕䜽
Blue→in
in→cnt
cnt→out
out→+10m
図 7 髙平→斎藤のバトンパススピード曲線
は、ライバルが理想的なパスをした場合、そこだけ
で 0.1 〜 0.2 秒前後のタイム差が出ることが考えら
れ、距離で言えば約 1 〜 2m の差が付く。それだけ
ではなく、減速してから再加速をするため、100m(実
際には加速区間を入れて 120m ほど走る)内でのトッ
プスピードの位置(選手によって異なるが、科学委
員会による走速度測定の結果では 50m 〜 60m 付近)
がずれることにより、受け持ちの 100m 区間のタイ
ムにも影響が出てくるので、しっかり加速の出来る
パスワークは重要であるだろう。
参考文献
広川龍太郎 松尾彰文 杉田正明(2009)男子ナショ
ナルチーム・4 × 100m リレーのバイオメカニク
スサポート報告 陸上競技研究紀要 vol.5、6770
杉田正明 広川龍太郎 松尾彰文 川本和久 髙野
進 阿江道良(2007)4 × 100m、4 × 400m リレー
について 陸上競技学会誌 vol.6 21-26
杉田正明 広川龍太郎 髙野進 有川秀之 川本和
久 阿江道良 小林寬道(2005)国際グランプリ
大阪大会 2004 の 4 × 100m リレーバトンパス分析
- 37 -
陸上競技の医科学サポート研究 REPORT2004 121-123
杉田正明 杉浦雄策 林忠男 持田尚 石井好二郎
阿江道良 小林寬道(2004)南部記念陸上 4 ×
100m リレーのバトンパス分析 陸上競技の医科
学サポート研究 REPORT2003 101-106
柳谷登志雄 小山桂史 杉田正明(2007) 男子 4
× 100mR 決勝に見るバトンパスワーク 陸上競技
マガジン 12 154-155
- 38 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,39-42,2012
Vol.8,39-42,2012
日本一流 400m ハードル選手のレースパターン分析
─ 2009 〜 2011 年の国内主要大会について─
森丘保典 1) 桜井健一 2) 山崎一彦 3) 杉田正明 4) 阿江通良 5)
1)日本体育協会 2)国際武道大学 3)福岡大学 4)三重大学 5)筑波大学
1. はじめに
2. 方法
本報告の目的は,2009 〜 2011 年シーズンに開催
された国内主要大会(含むアジア選手権)における
日本一流 400m ハードル選手のレース分析を行い,
タッチダウンタイムやハードル区間の時間,速度お
よび歩数について示すことである.
複数台のデジタルビデオカメラを用いて,スター
トピストルの閃光を写した後,インターバルの歩数
と 10 台のハードルクリアランス直後の着地が確認
できるように選手を追従撮影した.撮影後,ピスト
ルの閃光を基準に各ハードルクリアランス直後の
タッチダウンタイムを読みとり,各ハードル区間に
要した時間(区間時間)を求めた.ハードル区間
歩数は,ハードルクリアランス直後の先行(リー
表 1 静岡国際陸上(2009 年)
Ắྞ
㡨న
㡧┘
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
ᠺ㏍ࠈ೸ඡ
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
6+
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
ྚᙟࠈᨳ⾠
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+)
表 2 国際グランプリ大阪大会(2009 年)
Ắྞ
ᠺ㏍ࠈ೸ඡ
㡨న
న
㡧┘
6+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+)
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
ྚᙟࠈᨳ⾠
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
ᑚờࠈᓤ஄
న
Ṅᩐ
஁ಕಲࠈ㔓⨶
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
- 39 -
ド)脚の着地から逆脚の接地までを 1 歩目とし,次
のハードルクリアランス直前の接地までの歩数とし
た.測定区間の平均疾走速度は,ハードル区間距離
を区間時間で除すことにより求めた .
表 3 日本選手権(2009 年)
Ắྞ
ᠺ㏍ࠈ೸ඡ
㡨న
న
㡧┘
6+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
ྚ⏛ࠈ࿰᫥
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
ἑ໪ࠈᑠᗀ
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
஁ಕಲࠈ㔓⨶
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
㟯ᮄࠈἃஒ౅
న
+)
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
表 4 静岡国際陸上(2010 年)
Ắྞ
௑㛭ࠈ㞕ኯ
㡨న
న
㡧┘
6+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
஁ಕಲࠈ㔓⨶
న
+)
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
- 40 -
表 5 国際グランプリ大阪大会(2010 年)
Ắྞ
ᑚờࠈᓤ஄
㡨న
న
㡧┘
6+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
௑㛭ࠈ㞕ኯ
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
ᓃᮇࠈ㮒ᖶ
న
Ṅᩐ
⏛Ꮔࠈ㞖
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
஁ಕಲࠈ㔓⨶
న
+)
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
表 6 日本選手権(2010 年)
Ắྞ
㡨న
㡧┘
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
ᠺ㏍ࠈ೸ඡ
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
6+
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
ἑ໪ࠈᑠᗀ
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
ᑚờࠈᓤ஄
న
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
௑㛭ࠈ㞕ኯ
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
஁ಕಲࠈ㔓⨶
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
⏛Ꮔࠈ㞖
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㟯ᮄࠈἃᘲ౅
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+)
- 41 -
表 7 静岡国際陸上(2011 年)
Ắྞ
㡨న
㡧┘
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
ᓃᮇࠈ㮒ᖶ
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
6+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+)
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
௑㛭ࠈ㞕ኯ
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
Ⅵᮆࠈኬ
న
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
表 8 日本選手権(2011 年)
Ắྞ
ᓃᮇࠈ㮒ᖶ
㡨న
న
㡧┘
6+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
௑㛭ࠈ㞕ኯ
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
Ꮽ㒂ࠈᏏ㥬
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
ฝ὾ࠈᩅ⾔
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
஁ಕಲࠈ㔓⨶
న
Ṅᩐ
⏛Ꮔࠈ㞖
న
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
୔ᮄࠈốⲸ
న
+)
Ṅᩐ
表 9 アジア選手権(2011 年)
Ắྞ
Ꮽ㒂ࠈᏏ㥬
㡨న
న
㡧┘
6+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
஁ಕಲࠈ㔓⨶
న
+)
༇㛣᫤㛣㸝VHF㸞
㏳㐛᫤㛣㸝VHF㸞
༇㛣㏷ᗐ㸝PV㸞
Ṅᩐ
- 42 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,43-45,2012
Vol.8,43-45,2012
助走スピードから見た日本男子走幅跳選手と海外選手の比較
小山宏之 1) 村木有也 2) 柴山一仁 3) 清水 悠 4) 苅山 靖 4) 阿江通良 4)
1)京都教育大学 2)大阪電気通信大学 3)仙台大学 4)筑波大学
1.はじめに
2.方法
日本陸連科学委員会の跳躍班ではレーザー速度測
定装置(laveg)を用いて 2002 年より継続的に走幅
跳選手の助走スピードを測定している.小山(2009)
はその結果をもとに選手を 20cm ごとのグループに
わけて助走最高スピードと跳躍距離の関係を調べ,
それぞれの跳躍距離獲得に対する目標最高スピード
の値とその範囲を提示した.本報告では,これまで
の測定データから日本男子走幅跳選手と海外走幅跳
選手の相違を助走スピードの観点から比較する.
助走路前方のスタンドにレーザー式速度測定装置
laveg を設置し,助走スタートから着地までの選手
の移動を助走前方より 2010 年までは 50Hz もしくは
100Hz で 測 定 し,2011 年 は 100Hz で測定した.跳
躍距離が 7.90m 以上であった試技を分析対象とし,
跳躍距離 10cm ごとにグループに分け(海外選手の
8.20m 以上は 20cm ごと)
,各グループの平均および
標準偏差を算出した.総分析跳躍数は 110 跳躍であ
り,表 1 に各グループの分析データ数および平均記
録を示した.
表 1 分析試技の群分け
7.90䡐7.99
䜴䝯䞀䝛
8.00䡐8.09
8.10䡐8.19
8.20䡐8.39
䛴䛿ெᩐ
䟺ெ䟻
ᖲᆍエ㘋
䟺㼐䟻
䛴䛿ெᩐ
䟺ெ䟻
ᖲᆍエ㘋
䟺㼐䟻
䛴䛿ெᩐ
䟺ெ䟻
ᖲᆍエ㘋
䟺㼐䟻
᪝ᮇ㐽ᡥ
23
7.94㼳0.03
14
8.04㼳0.04
3
8.14㼳0.05
ᾇአ㐽ᡥ
16
7.95㼳0.03
18
8.05㼳0.03
20
8.16㼳0.03
᭩㧏䜽䝘䞀䝍
10.4
10.9
10.3
10.8
10.2
10.7
10.1
䜽䝘䞀䝍䟺m/s䟻
䜽䝘䞀䝍䟺m/s䟻
11
10.6
10.5
10.4
10.3
ᾇአ㐽ᡥ
10.2
䛴䛿ெᩐ
䟺ெ䟻
ᖲᆍエ㘋
䟺㼐䟻
䛴䛿ெᩐ
䟺ெ䟻
ᖲᆍエ㘋
䟺㼐䟻
11
8.27㼳0.05
5
8.49㼳0.05
0mᆀⅤ䜽䝘䞀䝍
10
9.9
9.8
9.7
ᾇአ㐽ᡥ
9.6
᪝ᮇ㐽ᡥ
10.1
8.40䡐
᪝ᮇ㐽ᡥ
9.5
10
9.4
7.8
7.9
8
8.1
8.2
8.3
8.4
8.5
8.6
㊬㌅㊝㞫䟺m䟻
7.8
7.9
8
8.1
8.2
8.3
8.4
㊬㌅㊝㞫䟺m䟻
図 1 跳躍距離と助走最高スピード(左)および 0m 地点スピード(右)の関係
- 43 -
8.5
8.6
3.結果
8.7
3.2 助走最高スピードから見た記録の獲得
図 2 は助走最高スピードと跳躍距離の関係につい
て,横軸を助走における最高スピードに,縦軸を跳
躍距離にして,全跳躍をプロットしたものである.
この結果を見ると,日本選手は全跳躍の中のより下
方位置にプロットされる傾向にあり,海外選手は日
本選手と同程度のスピードであってもより大きい跳
躍記録を獲得する選手が多いことがわかる.そして,
日本および海外選手のどちらも助走最高スピードと
跳躍距離の間には有意な正の相関関係があるが,海
外選手の回帰直線は日本選手のそれに比べより上方
に位置している.この結果は,日本選手は海外選手
に比べてスピードに対する跳躍距離の獲得が小さい
傾向にあることを示している.
この傾向が生じた要因の 1 つとして日本選手と海
y = 0.2983x + 4.9917
r = 0.444
᪝ᮇ㐽ᡥ
8.5
㊬㌅㊝㞫䟺m䟻
3.1 日本および海外選手の助走スピードの比較
図 1 は日本および海外選手の各グループにおける
助走最高スピードと 0m 地点(ファールライン上)
におけるスピードを示したものである.
この結果を見ると,従来の指摘通り,日本選手,
海外選手ともに跳躍記録が大きいほど助走最高ス
ピード,0m 地点スピードは大きい傾向が見られた.
すなわち,踏切前までに助走スピードをより高める
ことができること,大きいスピードを持って踏切板
上を通過することが跳躍距離の獲得に重要であるこ
とが示唆される.
日本選手と海外選手を比較すると,助走最高ス
ピード,0m 地点スピードともに 7.90m 台の群,8.00m
台の群,8.10m 台の群のいずれにおいても日本選手
と海外選手に有意な差は見られなかった.走幅跳の
跳躍記録は踏切離地時の重心速度で大部分が決定す
る.すなわち,同記録群の選手で比較した場合には,
日本選手が海外選手に比べて著しくスピードが劣る
または優れているということはないことが明らかと
なった.
一方,近年の世界大会の A 標準記録である 8.20m
以上のグループの平均値と日本選手を比べると,日
本選手の助走スピードは小さいと言える.日本選手
の助走スピードは,海外選手が 8.20m 以上を記録し
たスピードの標準偏差内であることから,現スピー
ドであってもより大きな跳躍をすることは可能であ
ると推察されるが,全体的な傾向から考えると,日
本選手はさらに高い助走スピードが必要であること
が示唆される.
8.6
ᾇአ㐽ᡥ
8.4
8.3
8.2
8.1
8
y = 0.2129x + 5.771
r = 0.490
7.9
7.8
9.8
10
10.2
10.4
10.6
10.8
11
11.2
䜽䝘䞀䝍䟺m/s䟻
図2
日本および海外選手の助走最高スピードと跳
躍距離の関係
外選手の体型の相違による身体重心高の差があると
考えられる.走幅跳の空中では身体重心は放物運動
をするため,跳躍距離は踏切離地時の重心高と重心
速度で大部分が決定する.日本および海外選手の体
型の相違をまとめた研究は見当たらないが,2007
年世界選手権のファイナリスト 8 名と 2009 年日本
選手権のファイナリスト(2011 年日本ランキング
1 位,2 位の菅井,猿山選手を含む)を参考にする
と, 身 長(2007WC,1.83 ± 0.07m,2009NCH,1.76
± 0.03m)および身体重心高(2007WC,1.28 ± 0.05m,
2009NCH,1.18 ± 0.03m)には約 0.10m の差がある
可能性がある.2009NCH ファイナリストの重心速度
のデータを用いて、仮に日本選手が 0.10m 高い身体
重心位置から同じ初速度で跳躍したとすると,放物
運動による身体重心の水平到達距離は 0.14m 増加す
る.すなわち,3.1 の部分では日本選手のスピード
は海外選手の 8.20m 以上の跳躍を行ったスピードの
標準偏差内に位置すると述べたが,身体重心高の差
による影響もあることを踏まえて助走スピードの目
標値を考えていく必要があると考えられる.
本報告では約 10 年間の測定データから,日本選
手と海外選手の助走スピードの相違について検討し
た.その結果,日本選手の助走スピードは 8.20m 程
度を跳躍することのできる範囲に達してきていると
考えられる.しかし,どのような状況においても世
界選手権,オリンピック等の標準記録,入賞記録
の 8.10m 程度を跳躍するには,助走における最高ス
ピードをより高めることが必要になると考えられ
る.
- 44 -
参考文献
小山宏之(2009)走幅跳の助走スピードの標準値.
月刊陸上競技,43(12),200-202.
- 45 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,46-64,2012
Vol.8,46-64,2012
競技会における一流男女走幅跳および三段跳選手の助走スピード分析
小山宏之 1) 村木有也 2) 柴山一仁 3) 清水 悠 4) 苅山 靖 4)
1)京都教育大学 2)大阪電気通信大学 3)仙台大学 4)筑波大学
1.はじめに
3.結果
リンピックおよび世界選手権 B 標準の 8.10m
(2012.6
月現在)以上の跳躍を行うのは目前と言える状況で
あった.科学委員会では走幅跳の助走スピードを毎
年 3 ~ 4 試合を測定し,菅井選手のデータは 2007
年 以 降 多 く 測 定 で き て い る.図 5 は 2007 年から
2011 年の測定試合において有効試技であった跳躍
距離の平均値と助走最高スピードの平均値の関係を
示している.この結果を見ると,菅井選手は 2007
年から 2009 年では跳躍距離の平均は約 7.70m であ
り,助走最高スピードの平均は 10.30m 前後であり
大きな変化はなかった.一方,2010 年では助走ス
ピードの平均は変わらず,跳躍記録の平均は約 0.1m
増加していた.そして,2011 年ではさらに跳躍距
離の平均が 0.1m 増加し,助走最高スピードの平均
値は 5 年間で最も大きいものであった.菅井選手の
スプリント走における最高スピードの測定機会がな
かったことから,5 年間にわたる最大疾走スピード
の変化はわからないが,この 5 年間で助走において
より高いスピードを発揮し,その中で跳躍を行うこ
とができているように変化していると考えられる.
2011 年はアジア選手権が開催され,2010 年アジ
ア大会に続いてアジアトップ選手の助走スピードを
測定することができた.試合は 8.19m で蘇選手
(CHN)
が優勝し,アユダヤ選手(THA)が 8.05m で 2 位で
あった.各選手の測定結果を見ると,蘇選手の 8.19m
の試技では 10.56m/s,アユダヤ選手の 8.05m の試
技では 10.32m/s であった.このスピードは 2010 年
アジア大会における金選手(8.11m,10.49m/s)
,苏
3.1 男子走幅跳選手の助走スピード曲線
表 1 ~ 4 は兵庫 RC,川崎,NCH および Asia にお
ける入賞選手の最高スピードおよびその出現地点
を,図 1 ~ 4 は各大会における上位入賞選手の助走
スピード曲線を示したものである.
2011 年の菅井選手は 4 試合で 8.00m を超え,オ
選手(8.05m,10.50m/s)と同等であった(小山ら,
2011).これらの測定結果は,同試合で 8m を超えた
猿山,菅井の 2 選手,さらに国内選手の過去の測定
結果における品田,荒川選手らとほぼ同程度の助走
最高スピードであると言える.これまでの科学委員
会の測定結果では,8.00 ~ 8.20m の選手 27 名の最
高スピードの平均値は 10.51 ± 0.22m/s であること,
本報告では,レーザー式速度測定装置(LAVEG)
を用い,一流走幅跳,三段跳選手の助走スピードを
分析した結果を示す.
2.方法
助走路前方のスタンドにレーザー式速度測定装
置 laveg を設置し,助走スタートから着地までの選
手の移動を助走前方より 100Hz で測定した.得られ
た距離データを時間微分することにより疾走スピー
ドを算出し,Butterworth low-pass digital filter
を用いて 0.5Hz で平滑化を行った.スタンドの高さ
の補正は,助走路上に 2 点のキャリブレーション
マーカーを設置し,マーカーと laveg までの距離を
計測した後,三平方の定理を用いて算出した.
2011 年に測定を行った試合は以下の通りである.
・2011 年 第 59 回兵庫リレーカーニバル(兵庫
RC)
・2011 年 第 45 回織田記念陸上(織田)
・2011 年 静岡国際陸上(静岡)
・2011 年 セイコーグランプリ川崎(川崎)
・2011 年 第 95 回日本陸上競技選手権大会(NCH)
・2011 年 第 19 回 ア ジ ア 陸 上 競 技 選 手 権 大 会
(Asia)
- 46 -
また,日本人と体型が類似している中国および韓国
選手が 10.50m/s 前後で 8.10m を超える跳躍をして
いることから,助走におけるスピードの1つの目標
値として 10.50m/s で効果的な踏切を行える能力が
重要になると言えるかもしれない.
3.2 女子走幅跳選手の助走スピード曲線
表 5 ~ 8 は 静岡,川崎,NCH および Asia におけ
る女子走幅跳入賞選手の最高スピードおよびその出
現地点を示し,図 6 ~ 9 は各大会における上位入賞
選手の助走スピード曲線を示したものである.
2011 年は岡山選手が追参ながら 6.60 m を超え
(オリンピックおよび世界選手権 B 標準は 6.65m,
2012.6 月現在),その他の試技においても 6.40 ~
6.50m を複数回跳躍した.6.50m 以上の 5 跳躍(追
参の 3 跳躍を含む)
は 9.20 ~ 9.36m/s の範囲で 6.50m
以下の跳躍よりも助走最高スピードは大きい傾向が
見られた.すなわち,スピードをより高めることの
できた試技で跳躍距離を伸ばすことができていたこ
とを示している.これまでの女子走幅跳選手の測定
結果と比較すると,6.40 ~ 6.60m の記録の選手の
助走最高スピードの平均(9.31 ± 0.19m/s)の範囲
にほぼあ て は まり,6.60m 以 上 の 9.45 ± 0.15m/s
と比較するとわずかに小さいようである.
3.3 男子三段跳選手の助走スピード曲線
表 9 ~ 11 は織田,NCH および Asia における入賞
選手の最高スピードおよびその出現地点を,図 10
~ 12 は各大会における上位入賞選手の助走スピー
ド曲線を示したものである.
2011 年は十亀選手が 2010 年までの自己記録を超
える 16m 中盤の記録を複数試合で記録した.2011
年と 2010 年以前の助走スピードと跳躍距離の関係
を見ると(図 13),2011 年はこれまでの 4 年間に比
べ助走最高スピードが大きいことがわかる.すなわ
ち,2011 年に記録を向上させた要因の 1 つとして
助走スピードを高めることができ,高いスピードの
中での跳躍を行うことができたことが考えられる.
しかし,2011 年においても助走最高スピードが同
程度に高い試技であっても,跳躍距離は約 15.5m か
ら 16.5 mと約 1m の範囲で記録にばらつきが見られ
る.今後,16m 後半の記録を出していくには,現在
の助走スピードの中での動作を安定させる必要があ
ると推測される.
アジア選手権の上位選手の測定結果を見ると,
16m 中 盤 か ら 後 半 で あ っ た が, 助 走 ス ピ ー ド で
10.00m/s を超えた試技はなく,日本選手の助走ス
ピードと同程度かもしくは小さいものであった.こ
れらは,2010 年アジア大会上位選手の測定結果と
同様の結果であった(小山ら,2011).2010 年のア
ジア大会および 2011 年のアジア選手権の上位選手
は中央アジアおよび中国選手で,日本選手に比べる
と身長が高く,脚が長い特徴を持つ.すなわち,こ
れらの選手に比べ身体重心高が低い日本選手が同程
度の空中距離,すなわち跳躍距離を獲得するにはよ
り大きい助走スピードが必要になる可能性が考えら
れる.また,小山ら(2010)は韓国の Kim 選手(KOR)
について,走幅跳で 8.11m を跳躍した時の助走ス
ピード(10.49m/s)に対して,三段跳で 16.56m を
跳躍した時は 9.77m/s(走幅跳の 93.1%),その他の
試技も 9.78 ~ 10.06m/s(走幅跳の 93.2 ~ 95.9%)
の範囲であり,余裕のある助走を行っていたことを
指摘している.より低いスピードで跳躍を行うアジ
アトップ選手と高いスピードが必要となる日本選手
では,本人の出しうる最高スピードと助走スピード
の比率が異なる可能性があり,日本選手はより高い
スピードにおける跳躍技術の獲得が重要になる可能
性があると考えられる.
3.4 女子三段跳選手の助走スピード曲線
表 12 ~ 14 は織田,NCH および Asia における入
賞選手の最高スピードおよびその出現地点を,図
14 ~ 16 は各大会における上位入賞選手の助走ス
ピード曲線を示したものである.
2011 年の日本選手は,織田記念において三澤選
手,日本選手権において竹田選手,測定試合ではな
いが前田選手が 13m を超える跳躍を行ったが,いず
れも 13m をわずかに超えた記録に留まり,13m 中盤
から後半の記録は 2011 年も見られなかった.竹田
および前田選手について測定できた試合を見ると,
2010 年と 2011 年の助走最高スピードは大きな変化
は見られなかった.
アジア選手権については上位 3 選手が 14m を超え,
4 位の選手も 13.97m の跳躍を行い,それぞれを測
定することができた.このうち 2 ~ 4 位の選手は助
走最高スピードが 9.0m/s 前後であり,これまでに
科学委員会で測定してきた 14.00 ~ 14.30 m の選手
の平均 9.08 ± 0.11 m/s の測定の範囲にほぼ収まる
結果であった.一方,1 位の謝選手は 2010 年アジ
ア大会と同様に非常に低いスピードの中で 14m 前半
から中盤の跳躍を行っていた.2010 年の報告にお
いても小山ら(2011)が指摘していたが,日本選手
が 14.00 m および日本記録の更新を目標とするに
は,9.00 m/s 以上のスピードで助走を行い,その
- 47 -
スピードで跳躍できるトレーニングを行っていくべ
きであると考えられる.
参考文献
小山宏之,村木有也,柴山一仁,清水悠,築野愛,
苅山靖,阿江通良(2011)競技会における一流男
女走幅跳,三段跳選手の助走スピード分析.陸上
競技研究紀要,7,37-49.
- 48 -
表1
2011 兵庫リレーカーニバル男子走幅跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびそ
の出現地点
(m)
図 1 2011 兵庫リレーカーニバル男子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 49 -
表2
2011 セイコーグランプリ川崎男子走幅跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよび
その出現地点
(m)
図2
2011 セイコーグランプリ川崎男子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 50 -
表3
2011 日本選手権男子走幅跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
(m)
図 3 2011 日本選手権男子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 51 -
表4
2011 アジア選手権男子走幅跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地
点
࢓ࣗࢱࣕ
(m)
図 4 2011 アジア選手権男子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 52 -
(m)
図 5 菅井選手の 2007 年から 2011 年における跳躍記録と助走最高スピードの関係の推移
- 53 -
表 5 2011 静岡国際女子走幅跳入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 6 2011 静岡国際女子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 54 -
表6
2011 セイコーグランプリ川崎女子走幅跳入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその
出現地点
図 7 2011 セイコーグランプリ川崎女子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 55 -
表 7 2011 日本選手権女子走幅跳入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 8 2011 日本選手権女子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 56 -
表 8 2011 アジア選手権女子走幅跳入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 9 2011 アジア選手権女子走幅跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 57 -
表 9 2011 織田記念男子三段跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 10 2011 織田記念男子三段跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 58 -
表 10 2011 日本選手権男子三段跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 11 2011 日本選手権男子三段跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 59 -
表 11 2011 アジア選手権男子三段跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地
点
図 12 2011 アジア選手権男子三段跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 60 -
(m)
図 13 十亀選手の 2011 年および 2010 年以前の助走
最高スピードと跳躍距離の関係
- 61 -
表 12 2011 織田記念女子三段跳入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 14 2011 織田記念女子三段跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 62 -
表 13 2011 日本選手権女子三段跳上位入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 15 2011 日本選手権女子三段跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 63 -
表 14 2011 アジア選手権女子三段跳入賞選手の各試技の助走における最高スピードおよびその出現地点
図 16 2011 アジア選手権女子三段跳上位入賞選手の助走スピード曲線 (0m が踏切板 )
- 64 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,65-68,2012
Vol.8,65-68,2012
宮下梨紗選手における 60m オーバーの投てき動作の特徴
- 60.08m と 53.80m との比較-
田内健二 1) 村上雅俊 2) 大宅和幸 3)
1)早稲田大学 2)徳山大学 3)京都教育大学大学院
Ⅰ.はじめに
2011 年 の 日 本 選 手 権 女 子 や り 投 に お い て, 宮
下梨紗選手が最終 6 投目に日本歴代 3 位となる
60.08m を投げて見事に優勝し,テグ世界選手権の
日本代表に選出された.宮下選手の日本選手権前の
自己最高記録は 55m 台であり,さらにこの日の 5 投
目までは 53.80m と十分な力を発揮できていなかっ
たが,6 投目に一気に記録を伸ばし,日本人 3 人目
となる 60m オーバーとなる投てきを行った.やり投
は水物といわれるように,投てき試技の出来次第で
記録が非常に大きく変化する種目である.世界トッ
プレベルでは,成功試技と失敗試技との間で 10m 以
上の飛距離の差になることはめずらしくない.その
中でも,宮下選手は日本トップレベルの実力を持ち
ながら,1 試合でおよそ 5m の自己記録を更新した
ということは驚異的な伸びであるといえよう.した
がって,なぜ宮下選手が自己記録を大幅に更新する
ことができたのかを客観的に検討することは,より
良い投てき動作を明らかにする上で貴重な知見が得
られるものと考えられる.
そこで本稿では,宮下選手の 60.08m の投てき動
作のバイオメカニクス的な特徴を,53.80m の投て
き動作との比較から明らかにすることを目的とし
た.
Ⅱ.方法
1.分析試技
分 析 試 技 は,2011 年 日 本 選 手 権 女 子 や り 投 決
勝における宮下選手の自己記録となった 6 投目の
60.08m の試技,およびこの日のセカンド記録となっ
た 1 投目の 53.80m の試技とした.
2.撮影方法
それぞれの投てき試技を,助走路の側方および
後方に設置したデジタルビデオカメラ(HVR-AJ1,
Sony) を 用 い て, 毎 秒 60 フ ィ ー ル ド, 露 出 時 間
1/1000 で撮影した.また,助走路の中央,ファウ
ルラインより後方 6 m地点を原点とし,縦 6m ×横
4m ×高さ 2.8m の画角を設定し,合計 9 ヵ所にキャ
リブレーションポール(マーク間隔 0.4m)を立てた.
本稿では,投てき方向を y 軸,y 軸に対して左右方
向を x 軸,鉛直方向を z 軸とした右手系の静止座標
系を設定した.
3.分析方法
2 台のカメラによって撮影された映像を PC に取
り込み,動作解析ソフト(Frame-DIAS Ⅱ,ディケ
イエイチ)を用いて,やり(グリップ,先端)お
よび身体各分析点(23 点)を毎秒 60 フィールドで
テジタイズした.デジタイズされた座標値を 3 次
元 DLT 法により実長換算し,やりおよび身体分析点
の 3 次元座標を求めた.2 方向からの画像の同期は,
やりのリリース時点のコマ数を合わせることで行っ
た.算出された 3 次元座標は 8Hz のバッタワース型
のデジタルフィルタにより平滑化した.
4.分析項目
本稿では,各データを算出するにあたり,最終的
なクロスステップ後の右足接地(R-on),左足接地
(L-on)) およびやりのリリース(REL)の各イベン
トを設定し,右足接地から左足接地までを準備局面,
左足接地からリリースまでを投局面とした(図 1,
2).分析項目は,以下の項目とした.
1)局面時間:準備局面および投局面の経過時間
2)リリース速度:リリース時のグリップ速度
3)リリース角度:矢状面内におけるリリース速度
ベクトルと y 軸とがなす角
4)姿勢角:矢状面内におけるグリップと先端とを
- 65 -
60.08m
R-on
‵ങᑻ㟻
ᢖᑻ㟻
L-on
REL
53.80m
R-on
L-on
REL
図 1 側方からみた宮下選手のスティックピクチャ(1 ピクチャは 1/60 秒)
60.08m
R-on
L-on
REL
53.80m
R-on
L-on
REL
図 2 後方からみた宮下選手のスティックピクチャ(1 ピクチャは 1/60 秒)
結んだ線分と y 軸とがなす角
5)迎え角:姿勢角からリリース角を減じた角度
6)身体重心速度(単に重心速度)
7)肩,肘,手首および手の各部分速度
8)肩の角度および角速度:水平面内における左右
の肩峰を結ぶ線分と x 軸とのなす角およびその時
間微分値
9)歩幅:右足接地時の右つま先から左足接地時の
左つま先までの前後および左右の距離
表1
Ⅲ.結果および考察
投てき記録,動作時間およびリリースパラ
メータ
䟺m䟻
60.08
53.80
‵ങᑻ㟻
䟺㼖㻃䟻
0.250
0.250
ᢖᑻ㟻
䟺㼖䟻
0.117
0.133
ᢖ䛬䛓エ㘋
ິష᫤㛣
䝮䝮䞀䜽㏷ᗐ
ᕞྎ
䟺m/s䟻
2.5
2.1
๑᪁
䟺m/s䟻
17.9
17.4
୕᪁
䟺m/s䟻
14.4
13.7
ྙᠺ
䟺m/s䟻
23.1
22.2
䝮䝮䞀䜽ぽ
䟺°䚭䟻
38.8
38.3
ጶເぽ
䟺°䚭䟻
40.7
43.3
1.基礎的パラメータについて
䟺°䚭䟻
㎼䛎ぽ
1.9
5.0
表 1 に 60.08m および 53.80m の試技における動
作時間およびリリースパラメータを示した.動作
迎え角は 60.08m が小さかった.リリース速度はや
時間は,準備局面では両試技ともに同じであった
りの飛距離と強い正の相関関係が認められており
が,投局面では 60.08m が短かった.リリース速度
は,60.08m が前方,上方および合成値で高かった. (Murakami et al., 2006),また迎え角は 0 度に近
リリース角度は両試技ともにほぼ同じであったが,
いことが理想的であることが報告されている(前田
- 66 -
R-on
7
๑䟺y䟻
6
REL
60.08m
R-on
24
: 60.08m
: 53.80m
L-on
REL
䜊䜐
: 60.08m
: 53.80m
20
5
䜊䜐䛴㏷ᗐ䟺m/s䟻
㌗మ㔔ᚨ䛴㏷ᗐ䟺m/s䟻
L-on
53.80m
4
3
2
ᕞྎ䟺+: ྎ䟾-: ᕞ䟻
1
0
16
12
8
60.08m
53.80m
4
-1
୕ୖ䟺+: ୕䟾-: ୖ䟻
0
-2
-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
24
0.5
᫤㛣䟺s䟻
: 60.08m
: 53.80m
ᡥ
16
ᡥ㤫
12
⫕
8
⫢
4
0
-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
᫤㛣䟺s䟻
図 4 やりおよび上肢の部分速度
R-on
60
L-on
REL
60.08m
: 60.08m
: 53.80m
40
20
⫢䛴ぽᗐ䟺deg䟻
ら ,1997)
.これらのことから,おおまかには 60.08
mの試技は 53.80m の試技と比較して,より短時間
で投動作が行われ,リリース速度が速く,かつ迎え
角が抑えられた試技であったと解釈することができ
る.
2.投てき動作について
60.08m の試技においてリリース速度が速かった
理由について,投てき動作に着目して検討してみた
い.リリース速度と重心速度(助走速度)との間
に有意な正の相関が認められている(Murakami et
al., 2006).そこで重心速度を比較したところ,準
備局面において両試技間に大きな差は認められな
かった(図 3)
.このことは,投局面前の助走で得
られた運動エネルギーは両試技間で同等であったこ
とを示唆するものである.それにもかかわらずやり
の飛距離に大きな差が生じたのは,60.08m の試技
は 53.80m の試技と比較して,投動作によってより
効率良くやりに伝達されたものと推察される.L-on
後に 60.08m の試技がわずかに重心速度の減速が大
きかったことは,このことを裏付けるものであると
考えられる.
運動エネルギーを最終的にやりに伝達するのは上
肢の役割である.そこでまず,やりおよび上肢の各
部分速度の時系列変化をみると,いずれも 60.08m
の試技が 53.80m の試技と比較して,L-on 後の速度
の立ち上がりが急激であった(図 4)
.上肢の各部
分速度においては,両試技ともに身体の中心部分か
ら末端部分へと速度が順次増加していく,いわゆる
運動連鎖が認められるが,特に注目すべきは中心部
分である肩の速度である.つまり,60.08m の試技
は 53.80m の試技と比較して,L-on 後の肩の速度が
高いということである.体幹は身体の中で最も大き
なエネルギー発生源であることから,その体幹の末
端である肩の速度がわずかでも上がるということ
0
-20
53.80m
90㼲
-40
0㼲
-60
-80
-90㼲
-100
-120
-140
800
: 60.08m
: 53.80m
700
⫢䛴ぽ㏷ᗐ䟺deg/s䟻
図 3 身体重心の速度
྘㒂ฦ䛴㏷ᗐ䟺m/s䟻
20
600
500
400
+ω
300
200
100
0
-100
-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
᫤㛣䟺s䟻
図 5 肩の角度および角速度
は,より末端部分への大きなエネルギー伝達につな
がるものと考えられる.また,肩の前方への速度を
増加させることは,上肢のしなりを大きくするこ
とにもつながると考えられ(Feltner and Dapena,
1986),より末端部分の速度を増加させる要因の 1
つであると考えられる.
次に,肩の速度が高まった原因を探るために,肩
の角度および角速度を検討した.その結果,L-on
- 67 -
参考文献
6
5
䠌60.08m
L-on
Ṅᖕ㻃 ᕞྎ㻃 3.4cm
㻃 㻃 㻃 㻃 ๑ᚃ㻃 196.5cm
4
䠌53.80m
3
Ṅᖕ㻃 ᕞྎ㻃 13.6cm
㻃 㻃 㻃 㻃 ๑ᚃ㻃 190.1cm
R-on
2
1
0
-2
-1
0
1
Feltner, M., Dapena, J.(1986)Dynamics of the
shoulder and elbow joints of the throwing
arm during a baseball pitch. International
Journal of Sport Biomechanics 2:235 - 259.
前田正登,野村治夫,柳田泰義,宮垣盛男(1997)
人間の動きを考慮に入れたヤリの最適条件.デサ
ントスポーツ科学 17: 270-277.
Murakami, M., Tanabe, S., Ishikawa, M.,
Isolehto, J., Komi, P. V. and Ito, A. (2006)
Biomechanical analysis of the javelin at the
2005 IAAF World Championships in Athletics.
New Studies in Athletics 21: 67-80.
2
図 6 右足および左足の接地位置
直後の肩の角速度が急激に高まっていた(図 5)
.
この L-on 直後の肩の角速度の急激な高まりが,肩
の速度の増加,そしてより末端部分の急激な加速に
つながったもの考えられる.
最後に,L-on であるブロック動作の接地を検討
した.その結果,60.08m の試技は 53.80m の試技と
比較して,前後の歩幅は大きく,左右の歩幅は小さ
かった(図 6).このことは,60.08m の試技におい
ては,R-on から若干オーバーストライドで,より
直線的な位置に L-on していたことを示すものであ
る.上述してきたように,60.08m の試技は L-on 後
に上肢各部位の速度が増加し,より短時間で投動作
が行われたという特徴がある.この原因にはおそら
く図 6 に示した L-on の接地の仕方
(接地位置を含む)
が少なからず影響を及ぼしたもの考えられる.残念
ながら,今回の結果のみでは L-on の接地位置と上
肢の急激な加速との因果関係は十分に説明できない
が,宮下選手における 60m オーバーの投てきにみら
れた特徴であることは間違いないであろう.
以上のことをまとめると,宮下選手の 60m オー
バーの投てきにおいては,R-on に対して L-on がよ
り直線的に接地し,(因果関係はわからないが)肩
の角速度が急激に高まったことから,上肢のより末
端部分の速度が急激に高まり,より速いやりのリ
リース速度につながったものと考えられる.
- 68 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,69-72,2012
Vol.8,69-72,2012
2011 年テグ世界陸上男子 50kmW におけるベント・ニー判定の分析
三浦康二 1) BAE, Young-Sang2) LEE, Jung-Min2) SEO, Seok-Jin2)
1)成蹊大学 2)啓明大学
1.はじめに
陸上競技の競歩における歩型判定は,両足が同時
に地面との接触を失う「ロス・オブ・コンタクト」と,
支持脚の接地から地面と垂直となるまでの局面で支
持脚膝関節が屈曲してしまう「ベント・ニー」の 2
つのルール不適合の発生を見極めるために行われ
る.
実際に判定を行う競歩審判員の選抜は,各国連盟
が実施するレベルⅠを含めたレベルⅢまでの国際審
判員の選抜に際してのみ認定試験が行われ,陸上競
技の競技規則全般に関するペーパーテストと口頭
試問に加え,国際陸連競歩委員会(Race Walking
Committee)監修のもと編集された世界大会のビデ
オ画像による判定テストが行われる.さらに,選抜
された国際審判員は,選抜の根拠となった技能に基
づいて各国内で競歩審判員育成のための講師として
委嘱される(2010a,法元).そのため,ビデオ判定
テストの問題となる動画,および監修にあたった委
員の技量がそのまま全世界の競歩種目の判定基準と
なっているといえる.
世界大会における歩型判定の分析は,これまでロ
ス・オブ・コンタクトに関するものがほとんどで
あり(2001,2004,2007,2010, 法 元 ほ か;2005,
法元)
,ベント・ニーに関するものはわずかである
(2005,法元ほか).その背景として,世界大会にお
ける注意・赤カードおよび失格はロス・オブ・コン
タクトに対するものが多く,世界大会で分析用画像
の撮影を行ってもベント・ニーの注意・赤カードを
受けた選手が非常に少なかったことによると考えら
れる(2010b,法元).また,これまで日本選手が受
けた赤カードのほとんどがロス・オブ・コンタクト
によるものであり,ベント・ニーによる分析をあま
り行われてこなかったことも一つの要因である.
しかし,2011 年テグ世界陸上では競歩種目全体
を通して出された注意・赤カード全体に対するベン
Table 1 The number and the ratio of (a)
cautions and (b) red cards for “Bent
Knee”during race walking events in 2011
Daegu.
(a) Cautions
Event
Number of Loss of Contact
Number of Bent Knee
Ratio of Bent Knee
M20kmW
68
51
43%
M50kmW
44
112
72%
W20kmW
69
66
49%
(b) Red cards
Event
Number of Loss of Contact
Number of Bent Knee
Ratio of Bent Knee
M20kmW
13
15
54%
M50kmW
4
49
92%
W20kmW
10
32
76%
ト・ニーの比率が高く(表1)
,日本選手が受けた
注意・赤カードもベント・ニーの比率がこれまでよ
りも高い結果となった.そのため,本報ではベン
ト・ニーによる失格者の多かった男子 50kmW でのベ
ント・ニー判定について分析結果の報告を行う.
2.方法
テグ世界陸上の競歩種目は全てテグ市内中心,国
債報償運動記念公園前を発着点とする東西片道 1km
の片側3車線道路の全車線を使った 1 周 2km の往復
周回コースで行われた.分析対象とした地点はス
タートから 1.5km 地点で,この地点の反対側歩道に
1 台の VTR カメラ(ソニー社製,DCR-TRV50,毎秒
60 フィールド)を,右側車線を歩く選手を左側か
ら撮影するように設置した.競技開始前にカメラか
ら 14.60m と 16.51m の地点にカメラ光軸と垂直とな
るよう 4m 間隔で距離較正用マーカーを設置して撮
影し,選手の位置からカメラまでの距離に合わせて
遠近補正を行った.また,撮影は 7.5km 地点,9.5km
地点の通過から開始し,以下 10km ごとに連続する
2回の周回を撮影した.
被験者は競技会終了後に入手した競歩審判集計表
- 69 -
Table 2 Step frequency, step time, support
time and flight time for each analyzed
subjects.
Group
Knee Angle
Good
Subject
Cautioned
Disqualified
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
3.33
3.16
3.00
3.00
3.00
3.00
3.16
3.33
3.00
3.16
0.3
0.32
0.33
0.33
0.33
0.33
0.32
0.30
0.33
0.32
0.25
0.3
0.28
0.28
0.30
0.30
0.28
0.27
0.28
0.30
0.05
0.02
0.05
0.05
0.03
0.03
0.03
0.03
0.05
0.02
Step
frequency
(Hz)
Positive (+)
Step
Negative (-)
Time
(sec)
Figure 1 Definition of the knee angle
Support
time
3.結果と考察
表2に全ての分析対象者のピッチ,ステップ時
間,支持時間,非支持時間を示した.全ての分析対
象者で地面と接触を失うロス・オブ・コンタクト局
面の発生がみられたが,これまでの 20km 競歩の分
Flight
time
(sec)
210
(a) Left foot support phase
Angle (deg)
A
B
180
C
D
E
F
150
G
H
I
120
0%
LH-on
20%
40%
60%
80%
Left foot support phase (%)
100%
LT-off
J
(b) Left foot recovery phase
210
A
180
Angle (deg)
に記載された判定結果をもとに以下のように選択し
た.ベント・ニーの注意・赤カードを受けなかった
競技者のうち上位3名(A,B,C)を Good 群とし,
ベント・ニーの注意を受けたが赤カードを受けた競
技 者 の う ち 上 位 3 名(D,E,F) を Cautioned 群,
ベント・ニーの赤カード3枚で失格となった競技者
のうち,失格となった時点の順位の上位4名(G,
H,I,J)を Disqualified 群として選択した.分析
はレース中盤,27.5km および 29.5km 地点を通過す
る画像を中心としたが,集団内での選手同士の重な
り等で分析が不可能であった場合は 7.5km,9.5km,
17.5km,19.5km 地点の各画像によって分析した.
分析項目は,各分析地点における左足接地(LHon)から次の LH-on までを 1 サイクルとして以下の
各変数を算出した.1 サイクル中のフィールド数に
1/60 秒を乗じたものの 1/2 をステップ時間(Step
time),ステップ時間の逆数をステップ頻度(Step
frequency,ピッチ)として算出した.さらに,1
サイクル中の左右の足が接地している局面のフィー
ル ド 数 に 1/60 秒 を 乗 じ た 数 の 1/2 を 支 持 時 間
(Support time),両方の足が地面と接触していない
局面のフィールド数に 1/60 秒を乗じた数の 1/2 を
非支持時間(Flight time)として,それぞれ算出
した.また,図 1 に定義したように膝関節角度を算
出し,時間微分することによって膝関節角度を算出
した.また,各分析対象者の膝関節角度,角速度変
化の比較のために,左足支持期については LH-on を
0%,左足離地(LT-off)を 100% として,左足回復
期については LT-off を 0%,LH-on を 100% として,
それぞれデータを規格化した.
(sec)
B
C
D
150
E
F
G
120
H
I
90
0%
LT-off
20%
40%
60%
80%
Left foot recovery phase (%)
100%
LH-on
J
Figure 2 Patterns of the knee angle for each
subject during (a) the left foot
support and (b) the left foot recovery
phase.
析においてみられたものと同程度で(2001,2004,
2007,2010,法元ほか;2005,法元)
,ロス・オブ・
コンタクトの注意を受けなかった競技者のものと変
わらない範囲であった.また,本報告における群間
に明確な違いはみられなかった.
図2は各分析対象者の左足支持期(a)と左足回
復期(b)の膝関節角度変化を示したものである.
- 70 -
Angular velocity (deg/s)
(a) Left foot support phase
720
A
360
B
C
D
0
E
F
G
-360
H
I
-720
0%
20%
LH-on
Angular velocity (deg/s)
720
40%
60%
80%
Left foot support phase (%)
100%
J
LT-off
(b) Left foot recovery phase
A
360
B
C
D
0
E
F
G
-360
H
I
-720
0%
LT-off
20%
40%
60%
80%
Left foot recovery phase (%)
100%
J
LH-on
Figure 3 Patterns of the knee angular velocity
for each subject during (a) the left
foot support and (b) the left foot
recovery phase.
720
540
360
Angular celocity (deg/s)
左足支持期では,各被験者とも 180 度前後の角度で
接地し,LH-on から支持期 60% まで膝関節角度が増
加し,その後 150 度まで減少して離地していた.左
足回復期では,LT-off から回復期 40% まで減少し,
その後 180 度まで増加して接地していた.支持期全
体 を 通 し て,Good,Cautioned,Disqualified の 順
に並ぶような明確な違いはみられなかったが,支持
期後半に Disqualified 群の膝関節角度が他の2群と
比較して小さい傾向がみられた.同じく,回復期
全体を通しても Good,Cautioned,Disqualified の
順に並ぶ違いはみられなかったが,回復期中盤で
Good 群の膝関節角度が他の2群と比べて小さい傾
向がみられた.
図3は各分析対象者の左足支持期(a)と左足回
復期(b)の膝関節角速度変化を示したものである.
正の角速度は膝関節が伸展していることを,負の角
速度は屈曲していることを示している.左足支持
期では,各被験者とも毎秒 200 度前後の角速度で
接地し,LH-on から支持期 40% まで角速度が減少し
て,その後負の角速度が増加して離地していた.左
足回復期では,LT-off から回復期 40% まで負の角
速度が減少し,その後,正の角速度に変化した後,
回復期 70% まで増加していた.支持期全体を通し
て,Good,Cautioned,Disqualified の 順 に 並 ぶ よ
うな明確な違いはみられなかったが,支持期前半
に Disqualified 群の正の膝関節角速度が他の2群と
比較して小さい傾向がみられた.同じく回復期全体
を通して明確に Good,Cautioned,Disqualified の
順に並ぶ違いはみられなかったが,回復期前半では,
20% から 40% にかけて,Disqualified 群の負の角速
度が小さく,Good 群の角速度が大きい傾向がみら
れ,また,LH-on 直前では,Disqualified 群の正の
角速度が小さく,Good 群の角速度が大きい傾向が
みられた.
図4は,左足回復期における左膝関節の角度と角
速度の関係を示したものである.LT-off ではおよ
そ左膝関節が 150 度前後であり,角速度は -540 度
前後で屈曲していたが,その後膝関節が 100 度前後
で伸展に変化し,140 度前後で伸展角速度がピーク
となり,180 度前後で接地していた.回復期全体を
通して明確に Good,Cautioned,Disqualified の順
に並ぶ違いはみられなかったが,膝関節角速度が屈
曲から伸展に変化する局面での角度が Good 群で他
の2群よりも小さく,また,膝関節角速度が伸展の
ピークとなる局面の角度には群間の違いはなかった
ものの,Disqualified 群は1名を除いて他の2群よ
りもピークが低い傾向がみられた.
A
180
B
LH-on
C
D
0
E
F
-180
G
H
-360
I
LT-off
J
-540
-720
60
90
120
Angle (deg)
150
180
Figure 4 Relationship between the left knee
angle and the angular velocity during
the left foot recovery phase.
- 71 -
競技規則ではベント・ニーについて,
「前脚は,
接地の瞬間から垂直の一になるまで,まっすぐに伸
びていなければならない(ベント・ニーにならない)」
として定義していることから(2011,財団法人日本
陸上競技連盟),規則上は支持期前半における膝関
節の角度を目視によって判定しているものとなって
いる.支持期前半の膝関節の結果を見ると,関節角
度については群間の違いはみられなかったものの,
伸展の関節角速度については Disqualified 群が他の
2群よりも小さかったことから,テグにおける競歩
審判員は,ルールに定義した局面の角度ではなく,
角速度によって判断を行っていたと考えられる.ま
た,Disqualified 群の膝関節角度が支持期後半にお
いて他の2群よりも小さく,膝関節屈曲が大きかっ
たことを示していたが,このことは,競歩審判員が
ルールに定めた局面の後まで伸展位が継続している
かどうかで判定を行っていたと考えられる.これら
のことは IAAF の審判育成教材においても示されて
お り(2008,The International Association of
Athletics Federations),テグにおいて判定を行っ
た審判員は IAAF の方針に沿った判定を行っていた
といえる.
また,回復期における膝関節の動作についても群
間の違いがみられたが,Good 群において膝関節の
屈曲が大きく,また接地前の伸展角速度が大きかっ
たことから,Good 群では回復期前の膝関節の動作
範囲が大きく,また,その速度も大きかったといえ,
それによって競歩審判員に膝関節の伸展動作が強く
印象づけられたと考えることができる.
会の男子 20km 競歩におけるベント・ニー判定の
比較.日本陸上競技連盟,日本陸上競技研究報告
陸上競技の医科学サポート研究,1, 124-127.
法元康二,広川龍太郎,杉田正明,阿江通良(2007)
世界陸上競技選手権ヘルシンキ大会男女 20km 競
歩におけるロス・オブ・コンタクト判定.日本陸
上競技学会誌特別号,6 (supplement), 11-16.
法元康二(2010a)国際競技会における競歩のロス・
オブ・コンタクト判定.月刊陸上競技,43(1),
211-213.
法元康二(2010b)北京五輪および世界陸上競技選
手権ベルリン大会における国際審判員の判定傾向
分析.日本陸連科学委員会研究報告 第 9 巻 陸
上競技の医科学サポート研究 Report 2009,9,
102-107.
法元康二,榎本靖士,門野洋介,鈴木雄太(2010)
男女 20km 競歩におけるロス・オブ・コンタクト
判定.第 11 回世界陸上競技選手権大阪大会 日
本陸上競技連盟バイオメカニクス班研究報告書 世界一流陸上競技者のパフォーマンスと技術,財
団法人日本陸上競技連盟,東京,pp212-217.
The International Association of Athletics
Federations(2008)Materials for IAAF Level
II Race walking judges course.
財団法人日本陸上競技連盟(2011)陸上競技ルール
ブック 2011 年版.あい出版,東京,pp217-221.
引用文献
法元康二,阿江通良,榎本靖士(2001)競歩におけ
る歩行技術に関するバイオメカニクス的研究 - 競
技規則への適合について -.陸上競技研究,47,
19-24.
法元康二,杉田正明,藤崎 明,阿江通良(2004)
競歩の歩型判定に関するバイオメカニクス的分析
- 第 42 回全日本競歩輪島大会男子 20km 競歩の判
定結果から -.日本陸連科学委員会研究報告 陸
上競技の医科学サポート研究 REPORT,3(1),5359.
法元康二(2005)ロス・オブ・コンタクトの判定
分析からみた競歩.月刊陸上競技,39(6),160162.
法元康二,杉田正明,藤崎 明,阿江通良(2005)
アテネオリンピックと第43回全日本競歩輪島大
- 72 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,73-78,2012
Vol.8,73-78,2012
七種競技選手の走幅跳パフォーマンス分析
松林武生 1) 持田 尚 2) 本田 陽 3) 松田克彦 4)
1)国立スポーツ科学センター 2)横浜市体育協会 3)中京大学 4)名古屋学院大学
I. はじめに
1200
୯⏛᭯⣎ 5962 (2004.6)
᱊ᒜᬓ⾨ 5463 (2011.5)
➁ཋྍᜠ 5491 (2011.7)
1100
1000
ᚋⅤ
本報告は、日本トップレベルの七種競技選手が
2011 年主要大会で発揮したパフォーマンスを測定
し、競技力の現状、課題等について分析したもの
である。総合得点を見るかぎり、日本選手は世界
トップレベルの選手たちと大きく差をあけられてい
る。近年の世界大会(世界選手権や五輪)で優勝す
るためには 6800-7000 点、3 位では 6500 点、8 位で
は 6300 点ほどが必要とされるが、日本選手は参加
標準記録(ロンドン五輪 B 標準は 5950 点)への到
達も果たしていない。世界レベルの舞台で戦うため
には、日本記録(5962 点、中田有紀選手、2004 年)
を更新し、世界大会への参加標準記録を突破するこ
とが、当面の目標となるだろう。
図 1 は、世界トップレベル選手の得点構成につい
て分析したものである。ほとんどの選手が 100m ハー
ドル(以下、100mH)で最も多くの得点を獲得して
おり、次いで跳躍種目(走高跳と走幅跳)、走種目
(200m と 800m)の得点比率が高い。投擲種目(砲丸
投とやり投)の得点は、ほとんどの選手で低い傾向
にある。ただし、総合得点との関係が最も強いのは
100mH ではなく走幅跳であり、次に走高跳である(表
1)。跳躍種目ではわずかな記録差が大きな得点差と
して転換されてしまうため、点数の差がつきやすい
のだと考えられる。100mH では、多少の記録差では
大きな得点差とならないため、総合成績への影響は
すこし小さくなる。
2011 年日本選手権の優勝、準優勝者である桐山
智衣選手、竹原史恵選手の得点構成について、世界
レベルの選手と比較すると、走高跳、砲丸投、やり
投で大きな得点差が生じているように思われる。中
田有紀選手が日本記録を樹立した際には、砲丸投に
おいて世界レベル選手との差がやはり認められた
が、走高跳とやり投における差は小さい。また、走
幅跳では世界でも上位レベルの得点を獲得してお
900
800
700
600
500
100mH
HJ
SP
200m
LJ
JT
800m
図 1 世界トップレベル七種競技選手と日本人選手
との得点構成の比較
灰色線 , 世界トップレベル選手(2000 年か
ら 2011 年までに開催された五輪および世界
選手権に出場した選手のうち 5700 点以上の
総合得点をマークした 202 名)のデータを
5700-5900 点、5900-6100 点、6100-6300 点、
6300-6500 点、6500-6700 点、6700 点以上の
群に分類し平均したもの、実線が国際大会参
加標準記録に近い 5900-6100 点の選手の平均
を示す.100mH, 100m ハードル;HJ, 走高跳;
SP, 砲丸投; LJ, 走幅跳; JT, やり投.
り、砲丸投での得点差を補うかたちとなっている。
以上のことから考えると、日本選手が七種競技で世
界レベルの成績を収めるためには、得点を大幅に伸
ばしやすい跳躍種目で記録を向上させ、投擲種目で
の得点の低さを補う、という戦略が理に適うのかも
しれない。
日本陸上競技連盟・科学委員会混成班では、走幅
跳を中心として七種競技選手のパフォーマンス分析
を行った。この成果について、桐山選手と竹原選手
を中心に報告する。なお、測定を実施したのは以下
の 3 競技会であり、日本陸上競技連盟・混成強化部
と各競技会開催県の陸上競技協会の協力のもとに活
動を実施した。
1:日本選抜陸上和歌山大会(和歌山 GP、2011
- 73 -
年 4 月 23-24 日)
2:日本選手権大会(日本選手権、2011 年 6 月
4-5 日)
3:アジア選手権大会(アジア選手権、2011 年 7
月 8-9 日)
II. 測定方法
助走速度ピーク、踏切後の跳躍速度水平成分(水
平初速度)
、踏切の接地時間、滞空時間について測
定を行なった。助走速度の測定には、レーザー方式
の位置・速度測定装置(LAVEG、100Hz)を用いた。
助走路後方より選手の腰背部に不可視レーザーを照
射し、得られた位置データを時間微分することで、
助走速度を算出した。このときのデータ平滑化には、
遮断周波数 0.5 Hz のバターワースローパスフィル
タを適用した(小山ら、2005;松林ら、2010)
。水
平初速度に関しては、踏切離地から砂場接地まで(滞
空期)の水平速度が理想的には一定になるという仮
定に基づき、LAVEG データから滞空期の平均速度を
算出した。ただしこのときには LAVEG データの平滑
化は行わず、時間 - 位置情報を回帰した直線の傾き
を平均速度とした。このように処理を行った理由は、
滞空期前後の踏切動作、着地動作には急激な速度変
化をともなうため、平滑処理をおこなうとこれらが
データに大きく影響し、本来の速度を反映しない可
能性があると考えたためである。踏切離地と砂場接
地の時間については、ハイスピードカメラ(EXILIM
EX-F1、300fps)を用いて踏切板側方から撮影した
映像より判断した。なお、映像と LAVEG データの同
期は、選手腰背部が踏切位置を通過する時間を各
データ上で読み取り、これを基準として合わせた。
表1
世界トップレベル七種競技選手の総合得点と
各種目での得点との相関分析
㻷㼒㼗㼄㼏
㻷㼒㼗㼄㼏
㻔㻓㻓㼐㻫㻃
㻫㻭
㻶㻳
㻕㻓㻓㼐㻃
㻯㻭
㻭㻷
㻛㻓㻓㼐㻃
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻔㻓㻓㼐㻫㻃
㻫㻭
㻶㻳
㻕㻓㻓㼐㻃
㻯㻭
㻭㻷
㻛㻓㻓㼐㻃
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻙㻓 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻙㻙 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻗㻘 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻙㻔 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻚㻙 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻜 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻗㻔 㻍㻍
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻜 㻍㻍
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻃㻐㻓㻑㻓㻕㻃 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻙㻓 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻗㻜 㻍㻍
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻔㻙㻃
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻖㻃
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻗㻜 㻍㻍 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻓㻕㻃
㻐㻓㻑㻓㻔㻃 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻓㻃
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻐㻓㻑㻓㻕㻃 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻓㻃
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻘㻓
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻍㻍
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻖㻃
㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻙㻃㻍
㻐㻓㻑㻓㻘㻃
㻐㻓㻑㻔㻗㻃 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻖㻙 㻍㻍
㻐㻓㻑㻓㻕㻃 㻃㻃㻃㻃㻓㻑㻕㻘㻃
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻐㻓㻑㻕㻘㻃
㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻐㻃
㻃 㻕㻓㻓㻓ᖳ䛑䜏㻕㻓㻔㻔ᖳ䜄䛭䛱㛜ത䛛䜒䛥஫㍧䛐䜎䛹ୠ⏲㐽ᡥᶊ䛱ฝሔ䛝䛥㐽ᡥ䛴䛌䛧䚮㻘㻚㻓㻓Ⅴ௧୕
䛴⥪ྙᚋⅤ䜘䝢䞀䜳䛝䛥㻕㻓㻕ྞ䛴䝋䞀䝃䜘ᇱ䛱షᠺ䠀 㻷㼒㼗㼄㼏䠍 ⥪ྙᚋⅤ䚮㻔㻓㻓㼐㻫䠍㻃㻔㻓㻓㼐䝓䞀䝍䝯䚮
㻫㻭䠍 ㉦㧏㊬䚮㻶㻳䠍 ◑୷ᢖ䚮㻯㻭䠍 ㉦ᖕ㊬䚮㻭㻷䠍 䜊䜐ᢖ䚮
㻍
㻃㻥㼒㼑㼉㼈㼕㼕㼒㼑㼌䇲㼖㻃㼆㼒㼕㼕㼈㼆㼗㼈㼇㻃㼓㻃㻟㻃㻓㻑㻓㻔䚮 㻍㻍㻃㻥㼒㼑㼉㼈㼕㼕㼒㼑㼌䇲㼖㻃㼆㼒㼕㼕㼈㼆㼗㼈㼇㻃㼓㻃㻟㻃㻓㻑㻓㻓㻔䠀
踏切の接地時間、および滞空時間についても、同じ
映像を用いて算出した。
III. 結果と考察
表 2 〜4に、各大会での総合得点上位 3 名ついて
の測定結果を示した。どの大会においても、総合上
位 3 選手が、走幅跳の記録でも上位 3 名となった。
図 2 は、助走速度ピークと跳躍距離との関係である。
走幅跳の跳躍距離は助走速度と強く関連することが
既に報告されている(Hey と Miller、1985;Hey ら、
1986)。七種競技選手のデータも、女子走幅跳専門
選手のデータの延長上にプロットされた。専門選手
と比較して七種競技選手の跳躍記録が劣る理由は、
基本的には助走速度の低さにあると考えられる。助
走速度が低い理由としては、疾走能力自体が低い可
能性と、疾走能力は高いが助走でこれを十分に発
揮できていない可能性の 2 つが考えられる。十種
競技選手を対象とした過去の報告(松林ら、2010;
Matsubayashi ら、2011;松林ら、2012)においては、
十種競技の種目のひとつとなっている 100m の成績
から最大疾走能力を推定し(もしくは 100m レース
で走速度ピークを測定し)、これと助走速度ピーク
とを比較することができた。しかしながら、七種競
技では疾走能力を推定する方法を今のところ確立で
きていない。100mH や 200m の成績を用いた疾走能
力の推定法を確立させ、走幅跳助走での疾走能力の
活用程度について検討することを、今後の課題とし
たい。
桐山選手と竹原選手は、日本の七種競技選手のな
かでは助走速度が高いほうであった。両選手とも
に、跳躍記録が良いときには助走速度が高いという
傾向もやはり認められた。ただし、回帰分析によれ
ば 9.20m/s の助走速度ピークから 6m30 程度の跳躍
記録が期待されるのに対して、両選手は 5m80 から
6m00 の記録にとどまっている。このことから、踏
切動作にも課題があることが推察される。
踏切動作の特徴をあらわす指標には、踏切動作で
の水平速度の低下(減速)や跳躍角度などが挙げら
れる(小山ら、2010b)。本報告で測定した指標を用
いて、これらに類似した項目について検討したい。
踏切時の減速については、助走速度ピークと水平初
速度とを比較することで、ある程度検討することが
できるだろう。助走速度ピークは踏切の 3 歩から 2
歩前に出現することから(小山ら、2010b)、厳密に
考えれば、これが踏切動作のみでの減速を表すとは
言い難い。ただし、踏切準備局面(踏切の 3 歩程度
- 74 -
表 2 日本選抜陸上和歌山大会におけるパフォーマンス分析結果
表 3 日本選手権大会におけるパフォーマンス分析結果
表 4 アジア選手権大会におけるパフォーマンス分析結果
- 75 -
㻚㻑㻘㻃㻃
A
ዥᏄ㉦ᖕ㊬㻃ᑍ㛓㐽ᡥ㻃
୏⛸❿ᢇ㻃᪝ᮇ㐽ᡥ㻃
᱊ᒜᬓ⾨㻃
㻚㻑㻓㻃㻃
➁ཋྍᜠ㻃
㊬㌅᫤㻃Ềᖲิ㏷ᗐ䟺㼐㻒㼖䟻㻃
㊬㌅㊝㞫䟺㼐䟻㻃
㻙㻑㻘㻃㻃
㻙㻑㻓㻃㻃
㻘㻑㻘㻃㻃
㻛㻑㻕㻃㻃
୏⛸❿ᢇ㻃᪝ᮇ㐽ᡥ㻃
㻛㻑㻓㻃㻃
᱊ᒜᬓ⾨㻃
㻚㻑㻛㻃㻃
➁ཋྍᜠ㻃
㻚㻑㻙㻃㻃
㻚㻑㻗㻃㻃
㻚㻑㻕㻃㻃
㻚㻑㻓㻃㻃
㻙㻑㻛㻃㻃
㻙㻑㻙㻃㻃
㻘㻑㻓㻃㻃
㻙㻑㻗㻃㻃
㻙㻑㻕㻃㻃
㻗㻑㻘㻃㻃
㻚㻑㻘㻃㻃
㻛㻑㻓㻃㻃
㻛㻑㻘㻃㻃
㻜㻑㻓㻃㻃
㻜㻑㻘㻃㻃
㻙㻑㻓㻃㻃
㻚㻑㻙㻃㻃
㻔㻓㻑㻓㻃㻃
ຐ㉦㏷ᗐ䝘䞀䜳䟺㼐㻒㼖䟻㻃
㻚㻑㻛㻃㻃
㻛㻑㻓㻃㻃
㻛㻑㻕㻃㻃
㻛㻑㻗㻃㻃
㻛㻑㻙㻃㻃
㻛㻑㻛㻃㻃
㻜㻑㻓㻃㻃
㻜㻑㻕㻃㻃
㻜㻑㻗㻃㻃
ຐ㉦㏷ᗐ䝘䞀䜳㻃䟺㼐㻒㼖䟻㻃
走幅跳での助走速度ピークと跳躍記録との関
係
専 門 選 手 の 情 報 は、 小 山 ら(2005, 2006,
2007, 2010a)の報告を基に作成.実線は専
門選手と七種競技選手のデータをあわせて回
帰した直線.
B
㻛㻓㻓㻃
୏⛸❿ᢇ㻃᪝ᮇ㐽ᡥ㻃
᱊ᒜᬓ⾨㻃
㻚㻘㻓㻃
㊬㌅᫤㻃⁣✭᫤㛣䟺㼐㼖䟻㻃
図2
➁ཋྍᜠ㻃
㻚㻓㻓㻃
㻙㻘㻓㻃
前から踏切直前まで)での減速は踏切動作での減速
に比べて小さく(5 分の 1 程度;小山ら、2010b)、
㻙㻓㻓㻃
助走速度ピークと水平初速度との差には踏切動作で
㻘㻘㻓㻃
の減速が主に反映されると考えられる。跳躍角度に
関しては、踏切離地時に重心が投げ出される角度と
㻘㻓㻓㻃
定義できるが、これは水平初速度と鉛直初速度との
㻚㻑㻙㻃㻃
㻚㻑㻛㻃㻃
㻛㻑㻓㻃㻃
㻛㻑㻕㻃㻃
㻛㻑㻗㻃㻃
㻛㻑㻙㻃㻃
㻛㻑㻛㻃㻃
㻜㻑㻓㻃㻃
㻜㻑㻕㻃㻃
㻜㻑㻗㻃㻃
㊬㌅᫤
㻃Ềᖲิ㏷ᗐ㻃䟺㼐㻒㼖䟻㻃
関係性と捉えることもできる。本報告では鉛直初速
図 3 走幅跳での助走速度ピークと水平初速度、滞
度の算出を行っていないが、これに代わる指標とし
空時間との関係
て踏切後の滞空時間を測定した。滞空時間には着地
A の補助線(破線)
,助走速度ピークと水平
姿勢等の影響が含まれてしまうが、鉛直初速度を大
初速度との差(減速)が 1.0, 1.5, 2.0 m/s
まかに推察する、また個人内での鉛直初速度の変動
となる箇所;A の実線,桐山選手のプロット
を把握することには、十分に利用可能であると考え
の回帰線;B の実線 , 竹原選手のプロットの
ている。以上のことから、水平初速度と滞空時間の
回帰線(日本選手権 1 跳目とアジア選手権 2
関係を基に、跳躍角度の大小について検討すること
跳目を除く).
ができるだろう。
図 3 に、助走速度ピーク、水平初速度、(助走速
が低い跳躍となっていた(日本選手権 1 跳目とアジ
度ピークから水平初速度までの)減速、滞空時間の
ア選手権 2 跳目は、データの傾向が大きく異なるた
関係を示した。桐山選手の減速は 1.32 ± 0.18 m/
s(平均 ± 標準偏差、以下同じ)と比較的小さく、 め考察から除外、以下同じ)。助走速度が高いとき
に減速が大きくなる傾向があり、結果的に水平初速
高い助走速度(水平速度)を保ったまま跳躍をおこ
度は助走速度によらずほぼ一定となっていた。滞空
なっていた。助走速度が高いと減速も大きくなる傾
時間は比較的長いほうであり、さらには助走速度が
向にあったが、それでも水平初速度は助走速度とと
高いときほど長くなる傾向がみられた。
もにわずかに高くなっていた。滞空時間については
図 4 は、水平初速度と滞空時間との関係である。
あまり長くなく、助走速度によらずほぼ一定である
右下にプロットされるほど跳躍角度が小さいタイプ
ことが特徴的であった。竹原選手に関しては、助走
速度ピークは桐山選手と同程度であるものの、減速 (桐山選手)、左上ほど跳躍角度が大きいタイプ(竹
原選手)の跳躍であったと考えることができる。桐
が 1.87 ± 0.17 m/s と比較的大きく、水平初速度
- 76 -
㻛㻓㻓㻃
㻛㻓㻓㻃
WINATHO
6m08
୏⛸❿ᢇ㻃᪝ᮇ㐽ᡥ㻃
ᮇኣ
5m75
᱊ᒜᬓ⾨㻃
㻚㻘㻓㻃
㊬㌅᫤㻃⁣✭᫤㛣䟺㼐㼖䟻㻃
㊬㌅᫤㻃⁣✭᫤㛣䟺㼐㼖䟻㻃
㻚㻘㻓㻃
㻚㻓㻓㻃
㻙㻘㻓㻃
㻙㻓㻓㻃
㻘㻘㻓㻃
୏⛸❿ᢇ㻃᪝ᮇ㐽ᡥ㻃
➁ཋྍᜠ㻃
୯⏛
5m80
㻚㻓㻓㻃
㻙㻘㻓㻃
㻙㻓㻓㻃
㻘㻘㻓㻃
᱊ᒜᬓ⾨㻃
➁ཋྍᜠ㻃
㻘㻓㻓㻃
㻘㻑㻘㻃㻃
㻙㻑㻓㻃㻃
㻙㻑㻘㻃㻃
㻚㻑㻓㻃㻃
㻚㻑㻘㻃㻃
㻛㻑㻓㻃㻃
㻘㻓㻓㻃
㻐㻓㻑㻙㻃㻃
㻛㻑㻘㻃㻃
㻐㻓㻑㻛㻃㻃
㻐㻔㻑㻓㻃㻃
㻐㻔㻑㻕㻃㻃
㻐㻔㻑㻗㻃㻃
㻐㻔㻑㻙㻃㻃
㻐㻔㻑㻛㻃㻃
㻐㻕㻑㻓㻃㻃
㻐㻕㻑㻕㻃㻃
㻐㻕㻑㻗㻃㻃
ຐ㉦㏷ᗐ䝘䞀䜳䛮Ềᖲิ㏷ᗐ䛮䛴ᕣ㻃䟺㼐㻒㼖䟻㻃
㊬㌅᫤㻃Ềᖲิ㏷ᗐ㻃䟺㼐㻒㼖䟻㻃
図 4 水平初速度と滞空時間との関係
補助線は、跳躍距離の期待値を表している:
期待値=滞空距離 + 離地距離 + 着地距離、滞
空距離 = 水平初速度×滞空時間、離地距離と
着地距離は合計して 0.85m と仮定.矢印は、
桐山選手と竹原選手の跳躍記録が良いときの
プロットの移動.
山選手は水平初速度が高かったときほど、竹原選手
は滞空時間が長かったときほど、跳躍距離の期待値
が大きくなっていた。このことは、助走速度が高
まった際に水平初速度と滞空時間のどちらが大きく
なるか、両選手で異なる傾向を示していたこととも
合致する。今後、跳躍距離を向上させていくために、
水平初速度を高めるのがよいか、滞空時間を長くす
るのがよいかは、難しい問題である。助走速度を高
めることがどちらの場合にも有益に働くことは、お
そらく間違いないだろう。減速が少なく滞空時間が
長いことが理想となるが、これを実現させる方策を
議論するには、本報告のデータでは不十分であろ
う。減速と滞空時間とは正の相関関係にあることを
以前報告したが(Matsubayashi ら、2011;松林ら、
2012;踏切足を中心とした身体の前方回転動作によ
り水平方向から鉛直方向への運動の転換が行われて
いることを反映していると考えられる)、桐山選手
と竹原選手のプロットはほぼ同じ回帰直線上に位置
した(図 5)
。測定を実施した3大会において走幅
跳の記録がよかった他選手(桐山選手や竹原選手と
比較して、助走速度ピークは低いが跳躍記録に差は
ない;跳躍種目を得意としている選手)についてみ
てみると、両選手と同程度の減速で滞空時間を長く
得ていたことがわかる。どのような理由によりこの
ような跳躍を行うことができるのか、今後検討して
いく必要があるだろう。
図 5 水平速度の低下(助走速度ピークと水平初速
度との差)と滞空時間との関係
実線は、桐山選手と竹原選手のプロットをあ
わせて回帰したもの.
IV.まとめ
2011 年の3大会(和歌山 GP、日本選手権、アジ
ア選手権)に出場した七種競技選手を対象に、走幅
跳のパフォーマンスを測定し、助走速度と踏切動作
に関連する指標に焦点をあてて分析した。結果は以
下のようになった。
1.七種競技選手の走幅跳は、専門選手と比較して
助走速度が低い傾向にあった。助走速度の向上に
課題があると考えられた。
2.桐山選手と竹原選手に関しては、助走速度は比
較的高いほうであった。しかしながら専門選手と
比較すると、助走速度から期待されるだけの跳躍
距離を得ることはできていなかった。踏切動作に
も課題があると考えられた。
3.桐山選手は、踏切での水平速度の低下が少なく、
跳躍角度が小さいタイプであった。一方で竹原選
手は、水平速度の低下は大きいが滞空時間が長く、
跳躍角度が大きいタイプであった。ただし両選手
ともに、水平速度の低下に対する滞空時間の獲得
が、跳躍種目を得意とする他選手より小さかった。
参考文献
Hay, J.G. and J.A. Miller Jr.(1985)
Techniques used in the transition from
approach to takeoff in the long jump,
International Journal of Sport Biomechanics、
1: 174-184.
- 77 -
Hay, J.G., J.A. Miller, and R.W. Canterna
(1986)
The techniques of elite male long jumpers,
Journal of Biomechanics, 19: 855-866.
小山宏之、村木有也、仲谷政剛、阿江通良、伊藤信
之、山下訓史(2005)競技会における一流男女走
幅跳、三段跳、および棒高跳選手の助走速度分析.
陸上競技研究紀要,1:128-136.
小山宏之、村木有也、武田理、阿江通良、伊藤信之
(2006)競技会における一流男女走幅跳、三段跳、
および棒高跳選手の助走速度分析.日本陸連科学
委員会研究報告、5:129-143.
小山宏之、村木有也、武田理、大島雄治、阿江通良
(2007)競技会における一流男女棒高跳、走幅跳、
および三段跳選手の助走速度分析.日本陸連科学
委員会研究報告、6:104-122.
小山宏之、村木有也、柴山一仁、阿江通良(2010a)
競技会における一流男女走幅跳および三段跳選手
の助走スピード分析.陸上競技研究紀要、6:108117.
小山宏之、村木有也、吉原礼、永原隆、柴山一仁、
大島雄治、高本恵美、阿江通良(2010b)走幅跳
のバイオメカニクス的分析.世界一流陸上競技者
のパフォーマンスと技術、日本陸上競技連盟編、
154-164.
松林武生、持田尚、松尾彰文、松田克彦、本田陽、
阿江通良(2010)十種競技選手の走幅跳、棒高跳
での跳躍パフォーマンス分析.陸上競技研究紀要、
3:104-112.
Matsubayashi, T., T. Mochida, Y. Honda, K.
Matsuda(2011)Statistical and biomechanical
assessments of the performances of
decathletes、Asian Conference on Sports
Science 2011, Tokyo.
松林武生、持田尚、本田陽、松田克彦(2012)陸上
競技・混成選手のパフォーマンス分析.トレーニ
ング科学、24:27-35.
- 78 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,79-88,2012
Vol.8,79-88,2012
十種競技日本記録保持者・右代啓祐選手のパフォ-マンス分析
持田 尚1) 松林武生2) 松田克彦3) 本田 陽4) 杉田正明5)
1)横浜市体育協会 2)国立スポーツ科学センター 3)名古屋学院大学 4)中京大学
5)三重大学
Ⅰ . はじめに
右代啓祐選手(スズキ浜松 AC)は、2011 年6月
に行われた日本選手権で 8073 点をマークし 18 年ぶ
りに日本記録を更新した。右代選手が日本人未踏
の 8000 点を超えたことは同時に日本十種競技界が
ワールドクラスへの仲間入りを果たしたことを意味
し、関係者にとってたいへん意義深い出来事であっ
た。
科学委員会混成班は、混成強化部の「2012 年ロ
ンドンオリンピックへ向けた中期強化計画」に沿
う形で 2009 年度より十種競技選手のパフォ-マン
ス分析を開始した。当時の右代選手(7856 点)は、
ワールドクラス (8006 点 - 9026 点 ) 基準でみる
と、100m、 走 幅 跳、400m、110m ハ ー ド ル( 以 下、
110mH)が著しく劣っており(図1)、それら4種目
は今後世界で戦っていくためには改善しなければな
らない喫緊の課題種目(重点課題種目)であった(持
田ほか、2010b)。 それらの種目に共通しているのは、高い走能力(ス
プリント能力)が必要とされる種目だという点であ
り、混成強化部でも継続してスプリント力強化が図
られている。
本稿では、今般の日本新記録 8073 点の得点プロ
ファイルの分析に加え、この 3 年間における 100m、
走幅跳、400m、110mH のパフォーマンス変化につい
て報告し、右代選手の次なる課題を抽出することを
目的とする。
なお、競技会でのパフォーマンス分析については、
日本陸上競技連盟・混成強化部と各競技会開催県の
陸上競技協会の協力のもとに活動を行った。
Ⅱ.形態、筋機能そして運動能力について
1200
World-class Decathletes (N=65)
1100
2009ᖳྎ௥㐽ᡥ䠒᪝ᮇGP䟺10᭮䟻 7856Ⅴ
1000
900
ビ౮ᇱ‵
+2
800
+1
㼳0
700
−1
600
−2
500
100m
LJ
SP
HJ
400m 110mH
DT
PV
JT
1500
図1 世界一流十種競技選手と 2009 年右代選手の
得点プロファイル
世界一流選手は 8000 点以上の得点をマーク
した 66 名。
LJ;走幅跳、SP;砲丸投、HJ;走高跳、DT;
円盤投、PV;棒高跳、JT;やり投
世界一流選手の値は平均値、そしてバーは標
準偏差(以下、SD)を表す。SD は最大± 1.5SD
までを示し、間は± 0.5SD で示した。
A. 方法
右 代 選 手 の 形 態、 身 体 組 成、 体 力、 運 動 能 力
を、国立スポーツ科学センターの協力により計測し
た。形態では、身長、体重、体型指数(Body mass
index; BMI)といった基本的体格と、上腕囲、前腕
囲、大腿囲、下腿囲、腹囲、臀囲、上肢長、下肢長
といった部位毎のサイズについて計測した。身体組
成では、空地置換法(BODOPOD)による体脂肪率(%)
と除脂肪体重(kg)を計測・算出し、体力・運動能
力では膝関節まわりの最大トルクとジャンプ力につ
いて計測した。
B. 結果・考察
表1に右代選手の形態プロファイルを示した。
現 在 の 体 格 は 身 長 195.6cm、 体 重 92.3kg、BMI が
24.1kg/m2 であった。この 3 年間で体重、除脂肪体
重ともに約 5kg 以上増量していることから着実に筋
- 79 -
表1 右代選手の形態
ᇱᮇⓏమ᰹㻃
㻃㻃
㻕㻘ṋ㻃
㻕㻗ṋ㻃
㻕㻖ṋ㻃
㻕㻕ṋ㻃
㻕㻓㻔㻕㻒㻕㻒㻙㻃 㻕㻓㻔㻔㻒㻚㻒㻕㻓㻃 㻕㻓㻔㻓㻒㻙㻒㻔㻗㻃 㻕㻓㻓㻜㻒㻖㻒㻖㻓㻃
㻔㻜㻗㻑㻘㻃
㻛㻙㻑㻛㻃
㻕㻗㻑㻔㻃
㻕㻖㻑㻛㻃
㻕㻖㻑㻔㻃
㻕㻕㻑㻜㻃
㻃㻃
㻃㻃
㌗㻃 㛏>FP@㻃 㻃
మ㻃 㔔>NJ@㻃 㻃
㻥㻰㻬㻾㼎㼊㻒㼐㻕㼀㻃㻃 㻃
ᙟឺ゛ῼ䟺䝠䝋䜧䝭䜨䝷䜽䜱䝧䝎䟻㻃 㻃 㻃
㻃㻃
୕⭆ᅑ㻙㻓㻈㒂న㻃㻾㼆㼐㼀㻃 ྎ
㻃 ᕞ
๑⭆ᅑ㻖㻓㻈㒂న㻃㻾㼆㼐㼀㻃 ྎ
㻃 ᕞ
ኬ⭛ᅑ㻘㻓㻈㒂న㻃㻾㼆㼐㼀㻃 ྎ
㻃 ᕞ
ୖ⭛ᅑ㻖㻓㻈㒂న㻃㻾㼆㼐㼀㻃 ྎ
㻃 ᕞ
⮎న⭙ᅑ㻃㻾㼆㼐㼀㻃 㻃 Ẃᅑ㻃㻾㼆㼐㼀㻃 㻃 ୕⫝㛏㻃㻾㼆㼐㼀㻃 ྎ
㻃 ᕞ
ୖ⫝㛏㻃㻾㼆㼐㼀㻃 ྎ
㻃 ᕞ
మ⬙⫣⋙䝿✭Ẵ⨠ᥦἪ
㻃㻃
㻋㻥㻲㻧㻳㻲㻧㻌㻃
మ⬙⫣⋙㻃㻾㻈㼀
㝎⬙⫣మ㔔㻃㻾㼎㼊㼀 㻃 㻃
量が増えていると言えよう。
表2に膝関節まわりの最大トルクとジャンプ力の
データを示した。膝関節まわりの最大トルク・伸展
は、右 319Nm( 体重あたり 3.5Nm/kg)、左 352Nm(体
重あたり 3.8Nm/kg)であり、左右差が 11% と大きかっ
た。2009 年 時 は 右 387Nm( 体 重 あ た り 4.3Nm/kg)、
左 307Nm(体重あたり 3.4Nm/kg)と、この 3 年間で
一定した向上はみられていない。さらに、左右の大
小が逆転しているという状況でもあり、筋力の左右
差に課題を残している。いっぽう最大トルク・屈曲
は右 217Nm( 体重あたり 2.4Nm/kg)、左 215Nm(体重
あたり 2.3Nm/kg)であり、2009 年時が右 210Nm( 体
重あたり 2.3Nm/kg)、左 197Nm(体重あたり 2.2Nm/
kg)であるため、この 3 年で体重が5kg 増加して
いるにも拘わらず、体重あたりの値は左右とも 0.1
ポイントの向上がみられている。
垂直ジャンプ、リバウンドジャンプについては
(表2)、垂直跳び・腕振りなしが 57.6cm と 2009 年
に比べて約7cm 高くなり、リバウンドジャンプで
はパワー指標(RJindex)が 2.486 と 2009 年の 2.
403 に比べて維持されているという結果であった。
右代選手はこの 3 年間で約5kg 強の筋量増加があ
るなかで、垂直ジャンプ能力が大幅に向上していた。
体重増加の影響によりパフォーマンス低下が懸念さ
れるリバウンドジャンプのパワーについては維持さ
れている状況であり、概ね下肢のパワーが増大して
いることは確認できた。
㻃㻃
㻃㻃
㻃㻃
㻕㻛㻑㻖㻃
㻕㻛㻑㻙㻃
㻕㻙㻑㻔㻃
㻕㻘㻑㻜㻃
㻘㻚㻑㻙㻃
㻘㻘㻑㻚㻃
㻖㻜㻑㻖㻃
㻖㻜㻑㻘㻃
㻛㻕㻑㻔㻃
㻔㻓㻕㻑㻔㻃
㻛㻕㻑㻕㻃
㻛㻕㻑㻖㻃
㻔㻓㻓㻑㻔㻃
㻔㻓㻓㻑㻔㻃
㻃㻃
㻃㻃
㻃㻃
㻃㻃
㻘㻑㻖㻃
㻛㻕㻑㻕㻃
表2 右代選手の膝関節まわりの最大トルクとジャ
ンプ力
➴㏷ᛮ㛭⟿䝌䝯䜳䟺%LRGH[䟻⭰㛭⟿GHJV
ఘᒈ㻃㻾㻱㼐㼀㻃
ྎ
㻃㻃
ᕞ
ᑿ᭜㻃㻾㻱㼐㼀㻃
ྎ
㻃㻃
ᕞ
ఘᒈ㻒మ㔔㻾㻱㼐㻒㼎㼊㼀㻃
ྎ
㻃㻃
ᕞ
ᑿ᭜㻒మ㔔㻾㻱㼐㻒㼎㼊㼀㻃
ྎ
㻃㻃
ᕞ
ᕞ䠁ྎẒ㻃㻾㻈㼀㻃
ఘᒈ
㻃㻃
ᑿ᭜
ᑿ䠁ఘẒ㻃㻾㻈㼀㻃
ྎ
㻃㻃
ᕞ
㻕㻘ṋ㻃
㻕㻖ṋ㻃
㻕㻓㻔㻕㻒㻕㻒㻙㻃 㻕㻓㻓㻜㻒㻔㻕㻒㻔㻚㻃
ᆱ├䜼䝧䝷䝛
ᆱ├㊬䛹䝿⭆ᣲ䜐᭯䜐㻾㼆㼐㼀㻃
ᆱ├㊬䛹䝿⭆ᣲ䜐↋䛝㻾㼆㼐㼀㻃
ᆱ├㊬䛹䝿⭆ᣲ䜐ཬິ↋䛝㻾㼆㼐㼀㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻕㻘ṋ㻃
㻕㻖ṋ㻃
㻕㻓㻔㻕㻒㻕㻒㻙㻃 㻕㻓㻓㻜㻒㻔㻕㻒㻔㻚㻃
䝮䝔䜪䝷䝍䜼䝧䝷䝛䟺⭆ᣲ䜐䛰䛝䟻
㊬㌅㧏㻃㻾㼆㼐㼀㻃
᥃ᆀ᫤㛣㻃㻾㼐㼖㼈㼆㼀㻃
㻵㻭㻃㻬㼑㼇㼈㼛㻃㻾䛰䛝㼀㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃㻃
㻃㻃
Ⅲ.得点プロファイルの変化について
A. 方法
世界クラス 66 名(8006-9026 点)のデータから作
成した5段階評価(持田ほか、2010b)を基準に右
代選手の得点プロファイルについて年次別に評価し
た。なお、5段階の評価表示は+ 2、+ 1、± 0、− 1、
− 2 とした。
B. 結果・考察
- 80 -
表3 右代選手の十種競技得点プロファイル
㻔㻓㻓㼐㻃
㻯㻭㻃
㻶㻳㻃
㻫㻭㻃 㻗㻓㻓㼐㻃
㻔㻔㻓㼐㻫㻃
㻧㻷㻃
㻳㻹㻃
㻭㻷㻃 㻔㻘㻓㻓㼐㻃 䠃᪝┘㻃 䠄᪝┘㻃
㻃㻃
㻃㻃
㻃
䠄䠂䠂䠋ᖳ᪝ᮇ㻪㻳䟺㻔㻓᭮䟻㻃 エ㘋㻃 㻔㻔㻑㻘㻖㻃 㻐㻓㻑㻙㻃 㻙㻑㻛㻚㻃 㻎㻕㻑㻔㻃 㻔㻖㻑㻙㻔㻃 㻕㻑㻓㻕㻃 㻘㻓㻑㻛㻛㻃 㻔㻘㻑㻕㻖㻃 㻎㻔㻑㻚㻃 㻗㻘㻑㻕㻙㻃 㻗㻑㻙㻓㻃 㻚㻖㻑㻛㻕㻃 㻗㻊㻖㻚㻑㻙㻘㻃 㻃
ᚋⅤ㻃 㻚㻗㻙㻃
䠉䠊䠇䠈Ⅴ㻃
㻚㻛㻖㻃
㻚㻓㻗㻃 㻛㻕㻕㻃 㻚㻚㻗㻃 㻛㻕㻕㻃
㻚㻚㻕㻃 㻚㻜㻓㻃 㻜㻗㻛㻃 㻙㻜㻘㻃 㻖㻛㻕㻜㻃 㻗㻓㻕㻚㻃
䠄䠂䠃䠂ᖳ᪝ᮇ㻪㻳䟺䠆᭮䟻㻃
䠉䠋䠅䠂Ⅴ㻃
㻃
エ㘋㻃 㻔㻔㻑㻕㻚㻃 㻎㻔㻑㻜㻃 㻙㻑㻛㻗㻃 㻎㻔㻑㻓㻃 㻔㻖㻑㻗㻔㻃 㻕㻑㻓㻘㻃 㻘㻓㻑㻙㻔㻃 㻔㻘㻑㻔㻙㻃 㻎㻓㻑㻕㻃 㻗㻘㻑㻖㻙㻃 㻗㻑㻚㻓㻃 㻙㻜㻑㻗㻜㻃 㻗㻊㻖㻖㻑㻜㻗㻃 㻃
㻚㻚㻙㻃
㻙㻜㻕㻃 㻛㻘㻓㻃 㻚㻛㻚㻃 㻛㻖㻓㻃
㻚㻚㻗㻃 㻛㻔㻜㻃 㻛㻛㻕㻃 㻚㻔㻜㻃 㻖㻜㻓㻙㻃 㻗㻓㻕㻗㻃
ᚋⅤ㻃 㻛㻓㻔㻃
㻃
䠄䠂䠃䠃ᖳ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟺䠈᭮䟻㻃 エ㘋㻃 㻔㻔㻑㻖㻜㻃 㻐㻔㻑㻔㻃 㻙㻑㻜㻙㻃 㻎㻓㻑㻜㻃 㻔㻖㻑㻚㻔㻃 㻕㻑㻓㻙㻃 㻘㻓㻑㻕㻛㻃 㻔㻗㻑㻜㻖㻃 㻎㻓㻑㻘㻃 㻗㻖㻑㻙㻚㻃 㻗㻑㻜㻓㻃 㻚㻖㻑㻓㻙㻃 㻗㻊㻖㻘㻑㻛㻖㻃 㻃
ᚋⅤ㻃 㻚㻚㻙㻃
㻛㻓㻗㻃
㻚㻔㻔㻃 㻛㻘㻜㻃 㻛㻓㻕㻃 㻛㻘㻛㻃
㻚㻗㻓㻃 㻛㻛㻓㻃 㻜㻖㻙㻃 㻚㻓㻚㻃 㻖㻜㻘㻕㻃 㻗㻔㻕㻔㻃
䠊䠂䠉䠅Ⅴ㻃
1200
䠄䠂䠂䠋ᖳྎ௥㐽ᡥ䠒᪝ᮇGP䟺10᭮䟻䠉䠊䠇䠈Ⅴ
䠄䠂䠃䠂ᖳྎ௥㐽ᡥ䠒᪝ᮇGP䟺䠆᭮䟻䠉䠋䠅䠂Ⅴ
1100
䠄䠂䠃䠃ᖳྎ௥㐽ᡥ䠒᪝ᮇCH䟺䠈᭮䟻䠊䠂䠉䠅Ⅴ
1000
900
ビ౮ᇱ‵
+2
800
+1
㼳0
700
−1
600
−2
500
100m
LJ
SP
HJ
400m 110mH
DT
PV
JT
1500
93 と 2009 年の 15 秒 23 より 2 年間で 0.3 秒タイム
を短縮してきた(+36 点相当)。この種目も評価−1
レベルにステップアップすることができた。
総合得点では、2009 年の 7856 点から 2011 年の
8073 点まで 217 点のアップであった。そのうち 115
点(53%)が重点課題種目(4 種目)によるものであっ
た。つまり、今般の日本記録更新に重点課題種目強
化への取組みの成果が大きく貢献していたことと言
えよう。
図2 右代選手の十種競技得点プロファイル
Ⅳ.重点課題種目のパフォーマンス詳細について
表3と図2に、右代選手の各年度における最高記
録時の得点プロファイルを示した。持田ほか(2010b)
①100m
の報告によれば、世界大会ベスト 16 位(8100 点)
以上の選手らは、各種目に得手不得手はあるものの、
A. 方法
− 2 に相当する種目は見当たらない。今後日本人選
2009 年から 2011 年に開催された日本選手権な
手が世界クラスで戦うためには -2 の種目、つまり
ど計 6 大会を対象に,100m レース中の走速度を測
大きく足を引っ張る種目が無いような得点構成にリ
定 し た。( た だ し、2009 年 10 月 の 日 本 GP @ 群 馬
バランスすることが課題となる。 の右代選手データは欠損).測定には,レーザー方
2009 年度 7856 点のプロファイルで評価が− 2 と
式の距離・走速度測定装置(L D M 3 0 0 CLaveg
な る 種 目 は、100m(11 秒 53)、 走 幅 跳(6m87cm)、
Sports,JENOPTIK 社製,100Hz)を用いた.スター
400m(50 秒 88)、110mH(15 秒 23)であった。それ
ト位置後方より競技者腰背部へ不可視レーザービー
ぞれ、− 1 レベルにステップアップするためには、 ムを照射し,得られた時間―距離情報とフィニッ
100m が 11 秒 26、LJ が 6 m97cm、400m が 50 秒 56、
シュタイムとの関係を利用して,スタートから 10m
110mH が 14 秒 97 以上のパフォーマンスとならなけ
ごとの通過タイムと区間速度を算出した.なおデー
ればならない。
タの平滑化には,遮断周波数 0.5 Hz のローパス
100m は、2010 年が 11 秒 27(+1.9)、2011 年には
フィルタを用いた。
11 秒 39( − 1.1) と 2009 年 の 11 秒 53( − 0.6) よ
100m 記録はスプリント能力指標として用いるこ
り上回った記録で走ってきた(+ 30 〜 55 点相当)。
とができるが、レース中の風速がタイムに及ぼす影
評価−1レベルまでに達していないがスプリント能
響が大きく、異なる気象環境下でのパフォーマン
力の向上が図られている模様だ。
ス比較が困難である。そのため、スプリント能力
LJ は、2011 年 に は 6m96cm を 記 録 し、2009 年 に
の把握には、風速の影響を取り除いた調整タイム
比べ約 10cm アップした(+20 点相当)。あと1cm で
(MUREIKA,2001)を用いた。
−1レベルに達するところまできた。
400m は、2010 年 が 50 秒 61、2011 年 に は 50 秒
B. 結果・考察
28 と 2009 年の 50 秒 88 から毎年約 0.3 秒ずつタイ
図 3 は右代選手の 100m 調整タイムの年次変化
ムが短縮してきた(+28 点相当)。評価−1レベルに
を示したものである。公式記録をみると 2009 年 6
ステップアップした。
月の日本選手権から順に、11 秒 48(+0.5),11 秒
110mH は、2010 年 に 15 秒 16、2011 年 に は 14 秒
53(-0.6),11 秒 27(+1.9),11 秒 45(-0.9),11 秒 37(- 81 -
පᘟエ㘋㻃 ㄢᩒ䝃䜨䝤
䟺ㄢᩒೋ䟻
䟺㢴㏷䟻
㐽ᡥྞ
ኬఌ
ྎ௥ၤ㷵
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻔㻔㻑㻖㻜㻃
㻔㻔㻑㻖㻓㻃
㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗
㻋㻐㻔㻑㻔㻌
䟺-0.09䟻
ྎ௥ၤ㷵
㻪㻳࿰ḯᒜ
㻔㻔㻑㻖㻚㻃
㻔㻔㻑㻕㻗
㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖
㻋㻐㻔㻑㻙㻌
䟺-0.13䟻
ྎ௥ၤ㷵
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻔㻔㻑㻗㻘㻃
㻔㻔㻑㻖㻛㻃
㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕
㻋㻐㻓㻑㻜㻌
䟺-0.07䟻
ྎ௥ၤ㷵
㻪㻳࿰ḯᒜ
㻔㻔㻑㻕㻚㻃
㻔㻔㻑㻖㻜㻃
㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗
㻋㻎㻔㻑㻜㻌
䟺䟽0.12䟻
ྎ௥ၤ㷵
㻪㻳⩄㤷
㻔㻔㻑㻘㻖㻃
㻔㻔㻑㻗㻛㻃
㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻔㻓㻑㻔㻓
㻋䌝㻓㻑㻙㻌
䟺-0.05䟻
ྎ௥ၤ㷵
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻔㻔㻑㻗㻛㻃
㻔㻔㻑㻘㻔
㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻘
㻋㻎㻓㻑㻘㻌
䟺䟽0.03䟻
図3 右代選手 100m 走調整タイムの年次変化
表4 右代選手の 100m 走パフォ-マンス(2009 - 2011)
㐽ᡥྞ
エ㘋
ኬఌ
ྎ௥ၤ㷵
㻔㻔㻑㻖㻜㻃
㻃
୕ṹ䠌㏳㐛䝃䜨䝤㻃㻾㼖㼀㻃 ୖṹ䠌༇㛣㉦㏷ᗐ㻃㻾㼐㻒㼖㼀
㻃
㻃
㻃
㻃
㻔㻓㼐
㻕㻓㼐
㻖㻓㼐
㻗㻓㼐
㻘㻓㼐
㻙㻓㼐
㻚㻓㼐
㻛㻓㼐
㻜㻓㼐
㻔㻓㻓㼐
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻕㻑㻓㻛㻃
㻖㻑㻕㻕㻃
㻗㻑㻕㻛㻃
㻘㻑㻕㻜㻃
㻙㻑㻖㻓㻃
㻚㻑㻕㻜㻃
㻛㻑㻕㻜㻃
㻜㻑㻖㻔㻃
㻔㻓㻑㻖㻖㻃
㻔㻔㻑㻖㻜㻃
㻋㻐㻔㻑㻔㻌
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗
㻖㻑㻔㻛㻃
㻛㻑㻚㻗㻃
㻜㻑㻗㻚㻃
㻜㻑㻛㻙㻃
㻔㻓㻑㻓㻓㻃
㻔㻓㻑㻓㻔㻃
㻜㻑㻜㻜㻃
㻜㻑㻛㻜㻃
㻜㻑㻚㻗㻃
㻜㻑㻗㻙㻃
ྎ௥ၤ㷵
㻔㻔㻑㻖㻚㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ
㻕㻑㻓㻜㻃
㻖㻑㻕㻔㻃
㻗㻑㻕㻗㻃
㻘㻑㻕㻗㻃
㻙㻑㻕㻗㻃
㻚㻑㻕㻘㻃
㻛㻑㻕㻚㻃
㻜㻑㻖㻓㻃
㻔㻓㻑㻖㻕㻃
㻔㻔㻑㻖㻚㻃
㻃
㻋㻐㻔㻑㻙㻌
㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖
㻗㻑㻜㻚㻃
㻛㻑㻜㻔㻃
㻜㻑㻚㻕㻃
㻔㻓㻑㻓㻓㻃
㻔㻓㻑㻓㻓㻃
㻜㻑㻛㻛㻃
㻜㻑㻛㻓㻃
㻜㻑㻚㻖㻃
㻜㻑㻚㻚㻃
㻜㻑㻘㻗㻃
ྎ௥ၤ㷵
㻔㻔㻑㻗㻘㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻕㻑㻓㻗㻃
㻖㻑㻔㻚㻃
㻗㻑㻕㻔㻃
㻘㻑㻕㻖㻃
㻙㻑㻕㻘㻃
㻚㻑㻕㻙㻃
㻛㻑㻕㻚㻃
㻜㻑㻖㻔㻃
㻔㻓㻑㻖㻙㻃
㻔㻔㻑㻗㻘㻃
㻃
㻋㻐㻓㻑㻜㻌
㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕
㻗㻑㻔㻔㻃
㻛㻑㻚㻜㻃
㻜㻑㻙㻓㻃
㻜㻑㻛㻔㻃
㻜㻑㻛㻜㻃
㻜㻑㻜㻓㻃
㻜㻑㻛㻖㻃
㻜㻑㻙㻛㻃
㻜㻑㻗㻛㻃
㻜㻑㻔㻜㻃
ྎ௥ၤ㷵
㻔㻔㻑㻕㻚㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ
㻕㻑㻓㻕㻃
㻖㻑㻔㻘㻃
㻗㻑㻔㻜㻃
㻘㻑㻕㻓㻃
㻙㻑㻔㻜㻃
㻚㻑㻔㻜㻃
㻛㻑㻔㻛㻃
㻜㻑㻔㻜㻃
㻔㻓㻑㻕㻕㻃
㻔㻔㻑㻕㻚㻃
㻃
㻋㻎㻔㻑㻜㻌
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗
㻖㻑㻛㻕㻃
㻛㻑㻛㻘㻃
㻜㻑㻘㻛㻃
㻜㻑㻜㻖㻃
㻔㻓㻑㻓㻙㻃
㻔㻓㻑㻓㻛㻃
㻔㻓㻑㻓㻖㻃
㻜㻑㻜㻘㻃
㻜㻑㻚㻖㻃
㻜㻑㻗㻜㻃
ྎ௥ၤ㷵
㻔㻔㻑㻗㻛㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻕㻑㻓㻗㻃
㻖㻑㻔㻛㻃
㻗㻑㻕㻖㻃
㻘㻑㻕㻘㻃
㻙㻑㻕㻘㻃
㻚㻑㻕㻙㻃
㻛㻑㻕㻛㻃
㻜㻑㻖㻕㻃
㻔㻓㻑㻖㻜㻃
㻔㻔㻑㻗㻛㻃
㻃
㻋㻎㻓㻑㻘㻌
㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻘
㻕㻑㻘㻖㻃
㻛㻑㻚㻘㻃
㻜㻑㻘㻔㻃
㻜㻑㻛㻛㻃
㻜㻑㻜㻙㻃
㻜㻑㻛㻛㻃
㻜㻑㻚㻛㻃
㻜㻑㻙㻔㻃
㻜㻑㻖㻜㻃
㻜㻑㻔㻚㻃
ྎ௥ၤ♰㻃㻔㻔㻑㻖㻜㻃㻋㻐㻔㻑㻔㻌㻃㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗
ྎ௥ၤ♰㻃㻔㻔㻑㻖㻚㻃㻋㻐㻔㻑㻙㻌㻃㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖
ྎ௥ၤ♰㻃㻔㻔㻑㻗㻘㻃㻋㻐㻓㻑㻜㻌㻃㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕
ྎ௥ၤ♰㻃㻔㻔㻑㻕㻚㻃㻋㻎㻔㻑㻜㻌㻃㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗
㻔㻕㻑㻘
㻔㻕㻑㻓
ྎ௥ၤ♰㻃㻔㻔㻑㻗㻛㻃㻋㻎㻓㻑㻘㻌㻃㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻘
㻔㻓㻓㼐ᑍ㛓㐽ᡥ䚭㻔㻓㻑㻘㻔㻃㼳㻃㻓㻑㻔㻜
㻔㻔㻑㻘
ྎ௥㐽ᡥ䟺2011ᖳ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ䟻
㉦㏷ᗐ㻃 (m/s)
㻔㻔㻑㻓
㻔㻓㻑㻘
㻔㻓㻑㻓
㻜㻑㻘
㻜㻑㻓
㻛㻑㻘
㻛㻑㻓
㻓
㻔㻓
㻕㻓
㻖㻓
㻗㻓
㻘㻓
㻙㻓
㻚㻓
㻛㻓
㻜㻓
㻔㻓㻓
㊝㞫 (m)
図4 右代選手の 100m 走速度曲線
図5 100m 走での走速度ピークとフィニッシュタ
イムとの関係
1.6),11 秒 39(-1.1) と高下しているが、調整タイ
ム で は、11 秒 51,11 秒 48,11 秒 39,11 秒 38,11 秒
24,11 秒 30 と順調に短縮しており、スプリント能
力は経年的に向上していると言えよう。
表4と図4は100m の通過タイムと区間走速
度、そしてレース中の走速度変化を分析したもので
ある。
専門選手および十種競技選手の走速度ピークと
フィニッシュタイムとの間には強い関連性が認めら
れている(図5)。十種競技選手においても記録短
縮には走速度ピークを向上させることが必要と考え
られる。ただし、右代選手の場合、専門選手での走
速度ピーク - フィニッシュタイム関係における回帰
直線の延長から離れ、走速度ピークから期待される
フィニッシュタイムよりも長かった(図5)。統計
- 82 -
表5 右代選手の走幅跳パフォ-マンス(2009 - 2011)
ྎ௥㻃 ၤ㷵
ムᢇ
㻃
㻕㻓㻔㻔᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻕㻓㻔㻔࿰ḯᒜ
㻕㻓㻔㻓᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㻕㻓㻔㻓࿰ḯᒜ
㻕㻓㻓㻜⩄㤷
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
エ㘋
㼐
㻙㼐㻜㻙㻃㻋㻎㻓㻑㻜㻌
㻚㼐㻓㻖㻃㻋㻎㻔㻑㻛㻌
㻚㼐㻔㻛㻃㻋㻎㻔㻑㻛㻌
㻙㼐㻛㻗㻃㻋㻎㻔㻑㻓㻌
㻙㼐㻛㻚㻃㻋㻎㻕㻑㻔㻌
㻙㼐㻛㻕㻃㻋㻎㻓㻑㻚㻌
㻕㻓㻓㻜࿰ḯᒜ
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
ຐ㉦᭩㧏
㏷ᗐ
㼐㻒㼖
㻜㻑㻘㻚
㻜㻑㻚㻕
㻜㻑㻚㻗
㻜㻑㻗㻙
㻜㻑㻙㻗
㻜㻑㻗㻕
㊻วỀᖲ
㏷ᗐ
㼐㻒㼖
㻚㻑㻕㻜
㻚㻑㻚㻚
㻚㻑㻕㻙
㻚㻑㻖㻔
㻚㻑㻘㻖
㻚㻑㻖㻕
䟺΅㏷䟻
㼐㻒㼖
㻋㻐㻕㻑㻕㻛㻌
㻋㻐㻔㻑㻜㻘㻌
㻋㻐㻕㻑㻗㻛㻌
㻋㻐㻕㻑㻔㻘㻌
㻋㻐㻕㻑㻔㻔㻌
㻋㻐㻕㻑㻔㻓㻌
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
㻃
᥃ᆀ᫤㛣
㼐㼖
㻔㻗㻚㻃
㻔㻗㻖㻃
㻔㻘㻖㻃
㻔㻘㻖㻃
㻔㻘㻚㻃
㻔㻙㻚㻃
⁣✭᫤㛣
㼐㼖
㻛㻕㻖㻃
㻛㻓㻖㻃
㻛㻗㻚㻃
㻛㻗㻓㻃
㻛㻕㻚㻃
㻚㻛㻔㻃
学的信頼性は低いところでの解釈となるが、これは
加速局面、もしくはレース後半での減速局面に課題
があるかもしれない。レース中の速度変化をみる
と、右代選手は加速局面での速度が速い時に、後半
の減速が大きくなり、結果フィニッシュタイムが長
いケースがある。今後、加速と減速との関係性にも
着目して詳細に検討をすすめていきたい。
9.0
y = 0.709x + 0.430
R = 0.739
Long Jumpers (N=90)
Decathletes (N=94)
8.5
Long Jump Record (m)
㐽ᡥ
2009✛㷛⼀GP
2009刳氻RCዘGP
8.0
2010✛㷛⼀GP
2010㡴㦻指㓚㲸
2011✛㷛⼀GP
7.5
2011㡴㦻指㓚㲸
7.0
y = 0.588x + 1.104
R = 0.556
6.5
②走幅跳
6.0
8.5
A. 方法
2009 年から 2011 年に開催された計 6 大会につい
て測定を実施した。助走速度ピーク、踏切後の跳躍
速度水平成分(水平初速度)、踏切の接地時間、滞
空時間について測定を行なった。助走速度の測定に
は、レーザー方式の位置・速度測定装置(LAVEG、
100Hz)を用いた。助走路後方より選手の腰背部に
不可視レーザーを照射し、得られた位置データを時
間微分して速度を算出することで、助走速度のピー
ク値を得た。このときのデータ平滑化には、遮断周
波数 0.5 Hz のバターワースローパスフィルタを適
用した(小山ら、2007;松林ら、2010)
。水平初速
度に関しては、踏切離地から砂場接地まで(滞空期)
の水平速度が理想的には初速度のままほぼ一定にな
るという仮定に基づき、LAVEG データから滞空期の
平均速度を算出し、これを利用した。ただしこのと
きには LAVEG データの平滑化は行わず、時間 - 位置
情報を回帰した直線の傾きを平均速度とした。この
ように処理を行ったのは、滞空期前後の踏切動作、
着地動作では急激な速度変化がおきるため、平滑処
理をおこなうとこれらがデータに大きく影響し、本
来の速度を反映しない可能性が考えられたためであ
る。踏切離地と砂場接地の時間については、踏切板
側方からハイスピードカメラ(EXILIM EX-F1、300
fps)を用いて撮影した映像より判断した。なお、
映像と LAVEG データの同期は、選手の腰背部が踏切
9.0
9.5
10.0
10.5
Peak Run-Up Velocity (m/s)
11.0
11.5
図6 助走最高速度と跳躍距離との関係
位置を通過する時間を各データ上で読み取り、これ
を基準として合わせた。踏切の接地時間、滞空時間
の算出にも、同じ映像を用いた。
B. 結果・考察
表5に、各大会での測定結果を示した。2009 年
度は 6m80cm 台の記録であったが、2010、2011 年度
には 7m 台を超える記録が出るなどレベルアップが
図られている。図6に助走速度ピークと走幅跳記録
との関係を示した。走幅跳専門選手同様に十種競技
選手においても、両指標間に正の相関関係が認めら
れている(松林ほか、2012)
。ただし、両指標の回
帰直線は専門選手の回帰直線よりも低い位置となっ
ている。つまり、十種競技選手では同じ助走速度か
ら得られる跳躍距離が専門選手に比べて短い。
右代選手の両指標間の関係をみると、助走速度か
ら得られている跳躍距離は走幅跳選手に比べるとや
はり短いが、十種競技選手の中では長いほうであっ
た。また、個人内変化からも助走速度ピークと走幅
跳記録の関係が成立しているため、助走速度を速く
する(なる)ことで記録を延ばせる技能を有してい
る可能性が高い。
助走速度を高めるためには、自身の走能力と助走
- 83 -
10.8
10.2
2009✛㷛⼀GP
10.0
2010✛㷛⼀GP
9.8
2010㡴㦻指㓚㲸
9.6
༎⛸❿ᢇ㻃᪝ᮇ㐽ᡥ㻃
ྎ௥㐽ᡥ㻃
㻛㻘㻓㻃
Decathletes (N=27)
10.4
㊬㌅᫤㻃⁣✭᫤㛣䟺㼐㼖䟻㻃
Peak Run-Up Velocity (m/s)
㻜㻓㻓㻃
Maximum Running
Velocity (Y=X)
10.6
㻛㻓㻓㻃
㻚㻘㻓㻃
㻚㻓㻓㻃
2011✛㷛⼀GP
9.4
9.2
㻙㻘㻓㻃
2011㡴㦻指㓚㲸
9.0
9.6
10.1
10.6
㻙㻓㻓㻃
㻙㻑㻗㻃㻃
Peak Running Velocity in 100m race (m/s)
図7 100m での走速度ピークと走幅跳での助走速
度ピークとの関係
10.8
Flight Duration (ms)
Peak Run-Up Velocity (m/s)
Decathletes
850
2009刳氻RCዘGP
9.8
2010✛㷛⼀GP
9.6
9.4
2010㡴㦻指㓚㲸
9.2
2011✛㷛⼀GP
10.8
y = -74.3x + 656
R = 0.796
800
750
700
Fig.9C
600
0.0
11.3
㻜㻑㻗㻃㻃
ྎ௥㐽ᡥ
650
9.0
11.8
㻛㻑㻛㻃㻃
900
2009✛㷛⼀GP
10.0
㻛㻑㻕㻃㻃
図9 跳躍時の水平初速度と滞空時間の関係
10.4
10.2
㻚㻑㻙㻃㻃
㊬㌅᫤㻃Ềᖲิ㏷ᗐ㻃䟺㼐㻒㼖䟻㻃
Maximum Running
Velocity
(X=-0.893Y+ 20.3)
Decathletes (N=94)
10.6
㻚㻑㻓㻃㻃
2011㡴㦻指㓚㲸
-0.5
-1.0
-1.5
-2.0
-2.5
Decrease in Hirizontal Velocity (m/s)
-3.0
100m Finish-Time (s)
図8 100m フィニッシュタイムと走幅跳での助走
速度ピークとの関係
での活用度にある(松林ほか、2012)。図7と図8
に走能力指標と走幅跳での助走速度ピークとの関係
を示した。図7は 100m での走速度ピークと、図8
は 100m フィニッシュタイムとの関係である。一般
的に走能力が高い選手ほど助走速度も高くなると考
えられるが、実際には両指標間に明確な関係性は認
められていない。走能力が高い選手には、助走速度
を最大限近くまで高めている者は少ない。その中で、
右代選手は、特に 2011 年度においては、助走速度
への走能力の活用は高い方である(図7、図8)。
図9は踏切時水平速度と跳躍の滞空時間との関係
を示したものである。補助線にそって右下にプロッ
トされるほど跳躍角度が小さいタイプ、左上では跳
躍角度が高いタイプの跳躍であったことを表してい
る。右代選手は、どの跳躍も跳躍角度が高いタイプ
であった。
図 10 は、水平速度の減少と滞空時間との関係を
示したものである。右代選手は両指標間に明確な関
係性が認められる。これは、水平速度が減少した分
は、鉛直速度を獲得できている可能性を示し、おそ
図 10 跳躍時の水平初速度と滞空時間の関係
らく滞空時間の獲得が、踏切足を中心とした身体の
前方回転動作(水平方向から鉛直方向への運動の転
換)に強く依存して行われていることが推察され
る。しかしながら、この転換の程度と跳躍記録との
間には関係性が認められないことから、跳躍記録に
は助走速度の影響が大きいと考えられた(松林ほか、
2012)。
右代選手の走幅跳での課題は、現在の跳躍スタイ
ルを保持しながら助走速度を高めることにあるだろ
う。そして、それは 100m 走の走速度ピークあるい
はフィニッシュタイム短縮を目指すことで連動的に
克服できる可能性が高いと考えられる。
③400m
A. 方法
400m 走レース中のスピード分析は、Overlay 方式
(持田ほか、2007)を用いて行った。基準は 400m ハー
ドルの位置とし、それぞれの区間平均スピード (m/
sec)、区間平均ピッチ(Hz)、区間平均ステップ長
(m)を求めた。ピッチは、区間内 6 ~ 9 サイクル
- 84 -
表6 右代選手の 400m 走パフォ-マンス(2009 - 2011)
䕋䝭䝇䝛䝃䜨䝤䟺sec䟻
᪝௛㻃
ኬఌྞ㻃
エ㘋䟺㼖䟻㻃㻗㻘㼐㻃
㻛㻓㼐㻃
㻔㻔㻘㼐㻃
㻔㻘㻓㼐㻃
㻔㻛㻘㼐㻃
㻕㻕㻓㼐㻃
㻕㻘㻘㼐㻃
㻕㻜㻓㼐㻃
㻖㻕㻘㼐㻃
㻖㻙㻓㼐㻃
㻗㻓㻓㼐㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻕㻛㻃㻃 㻙㻑㻔㻗㻃㻃
㻜㻑㻜㻛㻃㻃
㻔㻖㻑㻛㻙㻃㻃
㻔㻚㻑㻛㻚㻃㻃
㻕㻕㻑㻔㻔㻃㻃
㻕㻙㻑㻖㻙㻃㻃
㻖㻓㻑㻙㻙㻃㻃
㻖㻘㻑㻔㻓㻃㻃
㻖㻜㻑㻙㻛㻃㻃
㻗㻗㻑㻗㻗㻃㻃
㻘㻓㻑㻕㻛㻃㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻛㻓㻃㻃 㻙㻑㻔㻚㻃㻃
㻔㻓㻑㻔㻔㻃㻃
㻔㻗㻑㻔㻙㻃㻃
㻔㻛㻑㻖㻓㻃㻃
㻕㻕㻑㻘㻜㻃㻃
㻕㻙㻑㻜㻗㻃㻃
㻖㻔㻑㻖㻚㻃㻃
㻖㻘㻑㻛㻜㻃㻃
㻗㻓㻑㻗㻗㻃㻃
㻗㻘㻑㻓㻛㻃㻃
㻘㻓㻑㻛㻓㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻘㻛㻃㻃 㻙㻑㻕㻗㻃㻃
㻔㻓㻑㻔㻜㻃㻃
㻔㻗㻑㻔㻗㻃㻃
㻔㻛㻑㻕㻕㻃㻃
㻕㻕㻑㻖㻜㻃㻃
㻕㻙㻑㻘㻙㻃㻃
㻖㻓㻑㻚㻘㻃㻃
㻖㻘㻑㻔㻚㻃㻃
㻖㻜㻑㻚㻚㻃㻃
㻗㻗㻑㻙㻙㻃㻃
㻘㻓㻑㻘㻛㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻙㻔㻃㻃 㻙㻑㻗㻗㻃㻃
㻔㻓㻑㻗㻔㻃㻃
㻔㻗㻑㻗㻓㻃㻃
㻔㻛㻑㻘㻘㻃㻃
㻕㻕㻑㻙㻚㻃㻃
㻕㻙㻑㻜㻗㻃㻃
㻖㻔㻑㻕㻘㻃㻃
㻖㻘㻑㻙㻓㻃㻃
㻗㻓㻑㻔㻜㻃㻃
㻗㻗㻑㻛㻘㻃㻃
㻘㻓㻑㻙㻔㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻔㻓㻑㻔㻓㻃 ⩄㤷㻵㻦㻃
㻘㻓㻑㻛㻛㻃㻃 㻙㻑㻖㻛㻃㻃
㻔㻓㻑㻖㻛㻃㻃
㻔㻗㻑㻘㻕㻃㻃
㻔㻛㻑㻙㻛㻃㻃
㻕㻕㻑㻛㻛㻃㻃
㻕㻚㻑㻔㻓㻃㻃
㻖㻔㻑㻖㻛㻃㻃
㻖㻘㻑㻛㻓㻃㻃
㻗㻓㻑㻖㻕㻃㻃
㻗㻘㻑㻔㻓㻃㻃
㻘㻓㻑㻛㻛㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻙㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻚㻚㻃㻃 㻙㻑㻖㻗㻃㻃
㻔㻓㻑㻗㻜㻃㻃
㻔㻗㻑㻙㻕㻃㻃
㻔㻛㻑㻛㻕㻃㻃
㻕㻖㻑㻓㻕㻃㻃
㻕㻚㻑㻕㻜㻃㻃
㻖㻔㻑㻚㻓㻃㻃
㻖㻙㻑㻓㻙㻃㻃
㻗㻓㻑㻘㻙㻃㻃
㻗㻘㻑㻔㻘㻃㻃
㻘㻓㻑㻚㻚㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻗㻑㻔㻛㻃
࿰ḯᒜ㻪㻳㻃
㻘㻓㻑㻙㻓㻃㻃 㻙㻑㻖㻗㻃㻃
㻔㻓㻑㻖㻜㻃㻃
㻔㻗㻑㻕㻓㻃㻃
㻔㻛㻑㻔㻚㻃㻃
㻕㻕㻑㻕㻚㻃㻃
㻕㻙㻑㻗㻗㻃㻃
㻖㻓㻑㻚㻘㻃㻃
㻖㻘㻑㻔㻗㻃㻃
㻖㻜㻑㻗㻜㻃㻃
㻗㻗㻑㻖㻔㻃㻃
㻘㻓㻑㻙㻓㻃㻃
䕋༇㛣䝃䜨䝤䟺sec䟻
᪝௛㻃
ኬఌྞ㻃
エ㘋䟺㼖䟻㻃㻶㻐㻗㻘㼐㻃 㻗㻘㻐㻛㻓㼐㻃 㻛㻓㻐㻔㻔㻘㼐㻃
㻔㻔㻘㻐
㻔㻘㻓㼐㻃
㻔㻘㻓㻐
㻔㻛㻘㼐㻃
㻔㻛㻘㻐
㻕㻕㻓㼐㻃
㻕㻕㻓㻐
㻕㻘㻘㼐㻃
㻕㻘㻘㻐
㻕㻜㻓㼐㻃
㻕㻜㻓㻐
㻖㻕㻘㼐㻃
㻖㻕㻘㻐
㻖㻙㻓㼐㻃
㻖㻙㻓㻐
㻗㻓㻓㼐㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻕㻛㻃㻃 㻙㻑㻔㻗㻃㻃
㻖㻑㻛㻗㻃㻃
㻖㻑㻛㻜㻃㻃
㻗㻑㻓㻓㻃㻃
㻗㻑㻕㻗㻃㻃
㻗㻑㻕㻙㻃㻃
㻗㻑㻖㻓㻃㻃
㻗㻑㻗㻗㻃㻃
㻗㻑㻘㻛㻃㻃
㻗㻑㻚㻙㻃㻃
㻘㻑㻛㻗㻃㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖㻃 㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻛㻓㻃㻃 㻙㻑㻔㻚㻃㻃
㻖㻑㻜㻗㻃㻃
㻗㻑㻓㻘㻃㻃
㻗㻑㻔㻗㻃㻃
㻗㻑㻕㻜㻃㻃
㻗㻑㻖㻙㻃㻃
㻗㻑㻗㻕㻃㻃
㻗㻑㻘㻕㻃㻃
㻗㻑㻘㻘㻃㻃
㻗㻑㻙㻗㻃㻃
㻘㻑㻚㻕㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻘㻛㻃㻃 㻙㻑㻕㻗㻃㻃
㻖㻑㻜㻘㻃㻃
㻖㻑㻜㻘㻃㻃
㻗㻑㻓㻚㻃㻃
㻗㻑㻔㻚㻃㻃
㻗㻑㻔㻚㻃㻃
㻗㻑㻔㻜㻃㻃
㻗㻑㻗㻕㻃㻃
㻗㻑㻙㻔㻃㻃
㻗㻑㻛㻜㻃㻃
㻘㻑㻜㻕㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗㻃 㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻙㻔㻃㻃 㻙㻑㻗㻗㻃㻃
㻖㻑㻜㻚㻃㻃
㻖㻑㻜㻜㻃㻃
㻗㻑㻔㻘㻃㻃
㻗㻑㻔㻕㻃㻃
㻗㻑㻕㻚㻃㻃
㻗㻑㻖㻓㻃㻃
㻗㻑㻖㻘㻃㻃
㻗㻑㻘㻜㻃㻃
㻗㻑㻙㻙㻃㻃
㻘㻑㻚㻚㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻔㻓㻑㻔㻓㻃 ⩄㤷㻵㻦㻃
㻘㻓㻑㻛㻛㻃㻃 㻙㻑㻖㻛㻃㻃
㻗㻑㻓㻓㻃㻃
㻗㻑㻔㻖㻃㻃
㻗㻑㻔㻚㻃㻃
㻗㻑㻕㻓㻃㻃
㻗㻑㻕㻕㻃㻃
㻗㻑㻕㻛㻃㻃
㻗㻑㻗㻕㻃㻃
㻗㻑㻘㻕㻃㻃
㻗㻑㻚㻛㻃㻃
㻘㻑㻚㻛㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻙㻃 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻚㻚㻃㻃 㻙㻑㻖㻗㻃㻃
㻗㻑㻔㻘㻃㻃
㻗㻑㻔㻕㻃㻃
㻗㻑㻕㻓㻃㻃
㻗㻑㻕㻓㻃㻃
㻗㻑㻕㻚㻃㻃
㻗㻑㻗㻓㻃㻃
㻗㻑㻖㻚㻃㻃
㻗㻑㻗㻜㻃㻃
㻗㻑㻘㻜㻃㻃
㻘㻑㻙㻖㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻗㻑㻔㻛㻃 ࿰ḯᒜ㻪㻳㻃
㻘㻓㻑㻙㻓㻃㻃 㻙㻑㻖㻗㻃㻃
㻗㻑㻓㻘㻃㻃
㻖㻑㻛㻓㻃㻃
㻖㻑㻜㻚㻃㻃
㻗㻑㻔㻓㻃㻃
㻗㻑㻔㻚㻃㻃
㻗㻑㻖㻓㻃㻃
㻗㻑㻖㻜㻃㻃
㻗㻑㻖㻘㻃㻃
㻗㻑㻛㻕㻃㻃
㻙㻑㻕㻜㻃㻃
䕋༇㛣䜽䝘䞀䝍䟺m/sec䟻
᪝௛㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖㻃
ኬఌྞ㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
エ㘋䟺㼖䟻㻃 㻶㻐㻗㻘㼐㻃 㻗㻘㻐㻛㻓㼐㻃 㻛㻓㻐㻔㻔㻘㼐㻃
㻔㻔㻘㻐
㻔㻘㻓㼐㻃
㻛㻑㻚㻗㻃㻃
㻔㻘㻓㻐
㻔㻛㻘㼐㻃
㻛㻑㻕㻙㻃㻃
㻔㻛㻘㻐
㻕㻕㻓㼐㻃
㻛㻑㻕㻖㻃㻃
㻕㻕㻓㻐
㻕㻘㻘㼐㻃
㻛㻑㻔㻖㻃㻃
㻕㻘㻘㻐
㻕㻜㻓㼐㻃
㻚㻑㻛㻜㻃㻃
㻕㻜㻓㻐
㻖㻕㻘㼐㻃
㻚㻑㻙㻗㻃㻃
㻖㻕㻘㻐
㻖㻙㻓㼐㻃
㻚㻑㻖㻘㻃㻃
㻖㻙㻓㻐
㻗㻓㻓㼐㻃
㻙㻑㻛㻘㻃㻃
㻘㻓㻑㻕㻛㻃㻃
㻚㻑㻖㻖㻃㻃
㻜㻑㻔㻕㻃㻃
㻜㻑㻓㻓㻃㻃
㻘㻓㻑㻛㻓㻃㻃
㻚㻑㻕㻜㻃㻃
㻛㻑㻛㻜㻃㻃
㻛㻑㻙㻖㻃㻃
㻛㻑㻗㻙㻃㻃
㻛㻑㻔㻙㻃㻃
㻛㻑㻓㻗㻃㻃
㻚㻑㻜㻕㻃㻃
㻚㻑㻚㻗㻃㻃
㻚㻑㻙㻜㻃㻃
㻚㻑㻘㻘㻃㻃
㻙㻑㻜㻜㻃㻃
㻚㻑㻕㻔㻃㻃
㻛㻑㻛㻘㻃㻃
㻛㻑㻛㻙㻃㻃
㻛㻑㻘㻜㻃㻃
㻛㻑㻖㻜㻃㻃
㻛㻑㻖㻜㻃㻃
㻛㻑㻖㻙㻃㻃
㻚㻑㻜㻕㻃㻃
㻚㻑㻙㻓㻃㻃
㻚㻑㻔㻙㻃㻃
㻙㻑㻚㻙㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻘㻛㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻙㻔㻃㻃
㻙㻑㻜㻜㻃㻃
㻛㻑㻛㻕㻃㻃
㻛㻑㻚㻛㻃㻃
㻛㻑㻗㻖㻃㻃
㻛㻑㻗㻜㻃㻃
㻛㻑㻔㻜㻃㻃
㻛㻑㻔㻖㻃㻃
㻛㻑㻓㻗㻃㻃
㻚㻑㻙㻖㻃㻃
㻚㻑㻘㻕㻃㻃
㻙㻑㻜㻗㻃㻃
㻛㻑㻚㻘㻃㻃
㻛㻑㻗㻚㻃㻃
㻛㻑㻗㻓㻃㻃
㻛㻑㻖㻖㻃㻃
㻛㻑㻖㻓㻃㻃
㻛㻑㻔㻚㻃㻃
㻚㻑㻜㻕㻃㻃
㻚㻑㻚㻘㻃㻃
㻚㻑㻖㻕㻃㻃
㻙㻑㻜㻕㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻔㻓㻑㻔㻓㻃
⩄㤷㻵㻦㻃
㻘㻓㻑㻛㻛㻃㻃
㻚㻑㻓㻘㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻙㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻚㻚㻃㻃
㻚㻑㻔㻓㻃㻃
㻛㻑㻗㻖㻃㻃
㻛㻑㻗㻜㻃㻃
㻛㻑㻖㻖㻃㻃
㻛㻑㻖㻖㻃㻃
㻛㻑㻔㻜㻃㻃
㻚㻑㻜㻘㻃㻃
㻛㻑㻓㻕㻃㻃
㻚㻑㻚㻜㻃㻃
㻚㻑㻙㻖㻃㻃
㻚㻑㻔㻔㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻗㻑㻔㻛㻃
࿰ḯᒜ㻪㻳㻃
㻘㻓㻑㻙㻓㻃㻃
㻚㻑㻔㻓㻃㻃
㻛㻑㻙㻖㻃㻃
㻜㻑㻕㻓㻃㻃
㻛㻑㻛㻔㻃㻃
㻛㻑㻘㻖㻃㻃
㻛㻑㻖㻜㻃㻃
㻛㻑㻔㻖㻃㻃
㻚㻑㻜㻛㻃㻃
㻛㻑㻓㻗㻃㻃
㻚㻑㻕㻙㻃㻃
㻙㻑㻖㻙㻃㻃
㻗㻛㻑㻘㻘㻃㻃
㻚㻑㻘㻘㻃㻃
㻜㻑㻖㻖㻃㻃
㻜㻑㻕㻓㻃㻃
㻜㻑㻓㻚㻃㻃
㻛㻑㻛㻙㻃㻃
㻛㻑㻙㻗㻃㻃
㻛㻑㻗㻓㻃㻃
㻛㻑㻔㻗㻃㻃
㻚㻑㻛㻓㻃㻃
㻚㻑㻙㻙㻃㻃
㻚㻑㻔㻖㻃㻃
㻓㻑㻕㻖㻃㻃
㻓㻑㻕㻚㻃㻃
㻓㻑㻕㻗㻃㻃
㻓㻑㻕㻓㻃㻃
㻓㻑㻔㻜㻃㻃
㻓㻑㻔㻚㻃㻃
㻓㻑㻕㻕㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃
㻓㻑㻔㻘㻃㻃
㻓㻑㻕㻛㻃㻃
㻓㻑㻕㻜㻃㻃
㻓㻑㻕㻜㻃㻃
㻗㻛⛂ྋᖲᆍ䝦䝋䝯㻃 ᖲᆍೋ㻃
㼑㻠㻔㻓㻃
ᵾ‵೩ᕣ㻃
䕋䝘䝇䝅(Hz䟻
᪝௛㻃
ኬఌྞ㻃
㻖㻑㻚㻘㻃㻃
㻔㻔㻘㻐
㻔㻘㻓㼐㻃
㻖㻑㻙㻕㻃㻃
㻔㻘㻓㻐
㻔㻛㻘㼐㻃
㻖㻑㻘㻚㻃㻃
㻔㻛㻘㻐
㻕㻕㻓㼐㻃
㻖㻑㻙㻓㻃㻃
㻕㻕㻓㻐
㻕㻘㻘㼐㻃
㻖㻑㻘㻚㻃㻃
㻕㻘㻘㻐
㻕㻜㻓㼐㻃
㻖㻑㻘㻙㻃㻃
㻕㻜㻓㻐
㻖㻕㻘㼐㻃
㻖㻑㻘㻓㻃㻃
㻖㻕㻘㻐
㻖㻙㻓㼐㻃
㻖㻑㻗㻗㻃㻃
㻖㻙㻓㻐
㻗㻓㻓㼐㻃
㻖㻑㻕㻚㻃㻃
エ㘋䟺㼖䟻㻃 㻶㻐㻗㻘㼐㻃 㻗㻘㻐㻛㻓㼐㻃 㻛㻓㻐㻔㻔㻘㼐㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻕㻛㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻛㻖㻃㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻛㻓㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻚㻙㻃㻃
㻖㻑㻚㻔㻃㻃
㻖㻑㻙㻕㻃㻃
㻖㻑㻘㻗㻃㻃
㻖㻑㻘㻚㻃㻃
㻖㻑㻘㻔㻃㻃
㻖㻑㻘㻔㻃㻃
㻖㻑㻘㻘㻃㻃
㻖㻑㻗㻜㻃㻃
㻖㻑㻖㻗㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻘㻛㻃㻃
䟿㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻙㻔㻃㻃
䟿㻃
䟿㻃
㻖㻑㻚㻘㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻚㻓㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻙㻕㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻙㻖㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻘㻜㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻘㻜㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻘㻙㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻘㻓㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻗㻗㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻕㻜㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻔㻓㻑㻔㻓㻃
⩄㤷㻵㻦㻃
㻘㻓㻑㻛㻛㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻚㻔㻃㻃
㻖㻑㻙㻗㻃㻃
㻖㻑㻙㻓㻃㻃
㻖㻑㻘㻜㻃㻃
㻖㻑㻙㻕㻃㻃
㻖㻑㻘㻜㻃㻃
㻖㻑㻘㻜㻃㻃
㻖㻑㻘㻖㻃㻃
㻖㻑㻗㻗㻃㻃
㻖㻑㻖㻙㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻙㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻚㻚㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻙㻘㻃㻃
㻖㻑㻙㻖㻃㻃
㻖㻑㻘㻖㻃㻃
㻖㻑㻘㻗㻃㻃
㻖㻑㻘㻓㻃㻃
㻖㻑㻘㻙㻃㻃
㻖㻑㻘㻗㻃㻃
㻖㻑㻘㻙㻃㻃
㻖㻑㻗㻛㻃㻃
㻖㻑㻖㻘㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻗㻑㻔㻛㻃
࿰ḯᒜ㻪㻳㻃
㻘㻓㻑㻙㻓㻃㻃
䟿㻃
㻖㻑㻚㻔㻃㻃
㻖㻑㻙㻜㻃㻃
㻖㻑㻙㻙㻃㻃
㻖㻑㻙㻙㻃㻃
㻖㻑㻙㻕㻃㻃
㻖㻑㻘㻚㻃㻃
㻖㻑㻘㻖㻃㻃
㻖㻑㻘㻔㻃㻃
㻖㻑㻖㻛㻃㻃
㻖㻑㻕㻘㻃㻃
㻗㻛㻑㻘㻘㻃㻃
䟿㻃
㻗㻑㻔㻕㻃㻃
㻗㻑㻓㻓㻃㻃
㻖㻑㻜㻔㻃㻃
㻖㻑㻛㻗㻃㻃
㻖㻑㻛㻔㻃㻃
㻖㻑㻚㻚㻃㻃
㻖㻑㻚㻗㻃㻃
㻖㻑㻚㻕㻃㻃
㻖㻑㻙㻛㻃㻃
㻖㻑㻘㻓㻃㻃
㻓㻑㻕㻖㻃㻃
䟿㻃
㻓㻑㻔㻙㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃
㻓㻑㻔㻗㻃㻃
㻓㻑㻔㻖㻃㻃
㻓㻑㻔㻕㻃㻃
㻓㻑㻔㻕㻃㻃
㻓㻑㻔㻕㻃㻃
㻓㻑㻔㻖㻃㻃
㻔㻔㻘㻐
㻔㻘㻓㼐㻃
㻔㻘㻓㻐
㻔㻛㻘㼐㻃
㻔㻛㻘㻐
㻕㻕㻓㼐㻃
㻕㻕㻓㻐
㻕㻘㻘㼐㻃
㻕㻘㻘㻐
㻕㻜㻓㼐㻃
㻕㻜㻓㻐
㻖㻕㻘㼐㻃
㻖㻕㻘㻐
㻖㻙㻓㼐㻃
㻗㻛⛂ྋᖲᆍ䝦䝋䝯㻃 ᖲᆍೋ㻃
㼑㻠㻔㻓㻃
ᵾ‵೩ᕣ㻃
䕋䜽䝊䝇䝛㛏(m䟻
᪝௛㻃
ኬఌྞ㻃
エ㘋䟺㼖䟻㻃 㻶㻐㻗㻘㼐㻃 㻗㻘㻐㻛㻓㼐㻃 㻛㻓㻐㻔㻔㻘㼐㻃
㻖㻙㻓㻐㻪㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻗㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻕㻛㻃㻃
䟿㻃
㻕㻑㻖㻛㻃㻃
㻕㻑㻗㻓㻃㻃
㻕㻑㻗㻕㻃㻃
㻕㻑㻖㻔㻃㻃
㻕㻑㻕㻛㻃㻃
㻕㻑㻕㻛㻃㻃
㻕㻑㻕㻕㻃㻃
㻕㻑㻔㻜㻃㻃
㻕㻑㻔㻗㻃㻃
㻕㻑㻓㻜㻃㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻗㻑㻕㻖㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻛㻓㻃㻃
䟿㻃
㻕㻑㻖㻙㻃㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻕㻑㻖㻗㻃㻃
㻕㻑㻖㻔㻃㻃
㻕㻑㻕㻘㻃㻃
㻕㻑㻕㻙㻃㻃
㻕㻑㻕㻔㻃㻃
㻕㻑㻔㻙㻃㻃
㻕㻑㻔㻙㻃㻃
㻕㻑㻓㻜㻃㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻙㻑㻔㻕㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻘㻛㻃㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
䟿㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻘㻓㻑㻙㻔㻃㻃
䟿㻃
㻕㻑㻖㻘㻃㻃
㻕㻑㻖㻚㻃㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻕㻑㻖㻗㻃㻃
㻕㻑㻕㻜㻃㻃
㻕㻑㻕㻚㻃㻃
㻕㻑㻕㻙㻃㻃
㻕㻑㻔㻛㻃㻃
㻕㻑㻔㻜㻃㻃
㻕㻑㻔㻔㻃㻃
㻕㻑㻓㻙㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻔㻓㻑㻔㻓㻃
⩄㤷㻵㻦㻃
㻘㻓㻑㻛㻛㻃㻃
䟿㻃
㻕㻑㻖㻙㻃㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻕㻑㻖㻕㻃㻃
㻕㻑㻕㻜㻃㻃
㻕㻑㻕㻛㻃㻃
㻕㻑㻕㻔㻃㻃
㻕㻑㻕㻓㻃㻃
㻕㻑㻔㻖㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻙㻑㻕㻙㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻘㻓㻑㻚㻚㻃㻃
䟿㻃
㻕㻑㻖㻔㻃㻃
㻕㻑㻖㻗㻃㻃
㻕㻑㻖㻙㻃㻃
㻕㻑㻖㻘㻃㻃
㻕㻑㻖㻗㻃㻃
㻕㻑㻕㻗㻃㻃
㻕㻑㻕㻙㻃㻃
㻕㻑㻔㻜㻃㻃
㻕㻑㻔㻜㻃㻃
㻕㻑㻔㻕㻃㻃
㻕㻓㻓㻜㻑㻗㻑㻔㻛㻃
࿰ḯᒜ㻪㻳㻃
㻘㻓㻑㻙㻓㻃㻃
䟿㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻕㻑㻗㻜㻃㻃
㻕㻑㻗㻔㻃㻃
㻕㻑㻖㻖㻃㻃
㻕㻑㻖㻕㻃㻃
㻕㻑㻕㻛㻃㻃
㻕㻑㻕㻙㻃㻃
㻕㻑㻕㻜㻃㻃
㻕㻑㻔㻘㻃㻃
㻔㻑㻜㻙㻃㻃
ᖲᆍೋ㻃
㻗㻛㻑㻘㻘㻃㻃
䟿㻃
㻕㻑㻕㻚㻃㻃
㻕㻑㻖㻓㻃㻃
㻕㻑㻖㻕㻃㻃
㻕㻑㻖㻔㻃㻃
㻕㻑㻕㻚㻃㻃
㻕㻑㻕㻖㻃㻃
㻕㻑㻔㻛㻃㻃
㻕㻑㻔㻓㻃㻃
㻕㻑㻓㻜㻃㻃
㻕㻑㻓㻗㻃㻃
ᵾ‵೩ᕣ㻃
㻓㻑㻕㻖㻃㻃
䟿㻃
㻓㻑㻓㻙㻃㻃
㻓㻑㻓㻘㻃㻃
㻓㻑㻓㻙㻃㻃
㻓㻑㻓㻚㻃㻃
㻓㻑㻓㻚㻃㻃
㻓㻑㻓㻚㻃㻃
㻓㻑㻓㻛㻃㻃
㻓㻑㻓㻜㻃㻃
㻓㻑㻔㻓㻃㻃
㻓㻑㻓㻜㻃㻃
㻗㻛⛂ྋᖲᆍ䝦䝋
䝯㻃
㼑㻠㻔㻓㻃
- 85 -
2011.6.4 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
2011.4.23 GP࿰ḯᒜ
9.50
2010.6.12 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
㉦䜽䝘䞀䝍䟺m/sec)
9.00
2010.4.24 GP࿰ḯᒜ
2009.10.10 ⩄㤷RC
8.50
2009.06.26 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
8.00
2009.04.18 ࿰ḯᒜGP
7.50
48⛂ྋᖲᆍ䝦䝋䝯
7.00
6.50
6.00
図 11 400 m走レ-ス中の速度変化
4.40
2011.6.4 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
2011.4.23 GP࿰ḯᒜ
4.20
2010.4.24 GP࿰ḯᒜ
2009.10.10 ⩄㤷RC
4.00
䝘䝇䝅䟺Hz)
B. 結果・考察
表6に各大会での測定結果、400m 走のラップタ
イム、区間タイム、区間スピード、区間ピッチ、区
間ステップ長を示した。区間スピード、区間ピッチ、
区間ステップ長のグラフについては図 11、図 12、
図 13 にそれぞれ示した。
400m の記録は 2009 年(50 秒 88)から 0.6 秒更
新(50 秒 28)している。それは、特に前半区間(ス
タートから 150m 区間)でのスピードアップ(約 0.8
秒短縮)よる影響が大きい。400m 走では記録が良
い者ほど前半速度が速い傾向にあることから(持
田ほか、2010a)、好ましい方向性と言える。49 秒
台、さらに 48 秒台へとレベルアップを図るために
は、さらなる前半区間でのスピードアップが求めら
れる。48 秒台の平均モデルと比べると右代選手の
ステップ長は同じくらいかやや長い。しかし、ピッ
チは明らかに遅い。しかしながら、右代選手のピッ
チは身長の割にはやや速く、ステップ長は短い傾向
にある。2009 年度には次のように強化の可能性を
述べた(持田ほか、2010c)。
「相対的な観点で言えば , 身長比ステップ長の延
長が課題といえる . ただし , 絶対値的観点で考えれ
ば , 長身の利点で得られた専門選手レベルのステッ
プ長を低下させず , 劣るピッチを高めることを課題
とするということも考えられる . どのように強化を
進めていくかは , 身体的・技術的特徴 を踏まえ議
論が必要で , 経過を観察しながら検討していきた
い .」
さて実際に経過を観察したところ、2009 年(50
秒 88)と 2011 年(50 秒 28)とでは、前半区間の
ステップ長が 2 〜 9cm 伸びていて、右代選手は身長
比あたりのステップ長が延伸していた(図 13)
。ま
た、ピッチも 0.02 〜 0.11Hz 程度速くなっており、
両指標の高まりによりスピードアップが図られたと
言えよう。
49 秒台、48 秒台へとレベルアップを図るために
は、さらなる前半区間でのスピードアップが求めら
れることは前述した。その課題として、身長比あ
たりのステップ長延伸が挙げられよう。さらには、
150m から 185m 区間でのスピード低下、いわゆる中
だるみをなくすトレーニングも考えておく必要があ
10.00
2009.06.26 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
2009.04.18 ࿰ḯᒜGP
3.80
48⛂ྋᖲᆍ䝦䝋䝯
3.60
3.40
3.20
3.00
図 12 400 m走レ-ス中のピッチ変化
2.80
2.70
2.60
2.50
䜽䝊䝇䝛㛏䟺m)
(12 ~ 18steps)に要した時間から平均 1 ステップ
時間を求め,その逆数とした。ステップ長は,区間
スピードを区間ピッチで除すことにより求めた。な
お、参照データは 48 秒台選手のモデルレースパター
ン(n=10)とした。
2011.6.4 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
2011.4.23 GP࿰ḯᒜ
2010.4.24 GP࿰ḯᒜ
2009.10.10 ⩄㤷RC
2009.06.26 ᪝ᮇ㐽ᡥᶊ
2009.04.18 ࿰ḯᒜGP
2.40
48⛂ྋᖲᆍ䝦䝋䝯
2.30
2.20
2.10
2.00
1.90
1.80
図 13 400 m走レ-ス中のステップ長変化
るかもしれない。この区間ではステップ長および
ピッチ双方とも低下が著しい(図 12、13)。48 秒台
平均モデルを参考にステップ長のゆるやかな低下を
図るレースペースを踏まえたトレーニングも必要と
考えられる。
④ 110m ハードル
A. 方法
110mH ではデジタルハイスピードカメラ ( カシ
- 86 -
表7 110m ハードルのタッチダウンタイムと区間タイム
୕ṹ䠌䝃䝇䝅䝄䜪䝷䝃䜨䝤㻃㻾㼖㼀㻃 ୖṹ䠌༇㛣䝃䜨䝤㻃㻾㼖㼀㻃
㐽ᡥྞ㻃
エ㘋㻃
ኬఌ㻃
㻔㼖㼗㻃
㻕㼑㼇㻃
㻖㼕㼇㻃
㻗㼗㼋㻃
㻘㼗㼋㻃
㻃㻃
㻙㼗㼋㻃
㻃㻃
㻃㻃
㻃㻃
㻚㼗㼋㻃
㻛㼗㼋㻃
㻜㼗㼋㻃
㻔㻓㼗㼋㻃
㼉㼌㼑㼌㼖㼋㻃
㻔㻘㻑㻕㻓㻃㻃
ྎ௥ၤ㷵㻃
㻔㻘㻑㻕㻓㻃㻃
䝊䜴ୠ⏲㐽ᡥᶊ㻃
㻕㻑㻚㻚㻃㻃
㻖㻑㻜㻕㻃㻃
㻘㻑㻓㻜㻃㻃
㻙㻑㻕㻛㻃㻃
㻚㻑㻗㻘㻃㻃
㻛㻑㻙㻙㻃㻃
㻜㻑㻛㻛㻃㻃
㻔㻔㻑㻔㻓㻃㻃
㻔㻕㻑㻖㻗㻃㻃
㻔㻖㻑㻘㻚㻃㻃
㻃㻃
㻋㻐㻓㻑㻔㻌㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻛㻑㻕㻛㻃
㻕㻑㻚㻚㻃㻃
㻔㻑㻔㻘㻃㻃㻃
㻔㻑㻔㻚㻃㻃
㻔㻑㻔㻜㻃㻃
㻔㻑㻔㻛㻃㻃
㻔㻑㻕㻓㻃㻃
㻔㻑㻕㻕㻃㻃
㻔㻑㻕㻕㻃㻃
㻔㻑㻕㻗㻃㻃
㻔㻑㻕㻕㻃㻃
㻔㻑㻙㻖㻃㻃
ྎ௥ၤ㷵㻃
㻔㻗㻑㻜㻖㻃㻃
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㻃
㻕㻑㻚㻘㻃㻃
㻖㻑㻜㻕㻃㻃
㻘㻑㻓㻛㻃㻃
㻙㻑㻕㻘㻃㻃
㻚㻑㻗㻔㻃㻃
㻛㻑㻘㻛㻃㻃
㻜㻑㻚㻘㻃㻃
㻔㻓㻑㻜㻕㻃㻃
㻔㻕㻑㻔㻗㻃㻃
㻔㻖㻑㻖㻖㻃㻃
㻔㻗㻑㻜㻖㻃㻃
㻃㻃
㻋㻎㻓㻑㻘㻌㻃
㻕㻓㻔㻔㻑㻙㻑㻘㻃
㻕㻑㻚㻘㻃㻃
㻔㻑㻔㻚㻃㻃
㻔㻑㻔㻙㻃㻃㻃
㻔㻑㻔㻙㻃㻃
㻔㻑㻔㻙㻃㻃
㻔㻑㻔㻚㻃㻃
㻔㻑㻔㻚㻃㻃
㻔㻑㻔㻚㻃㻃
㻔㻑㻕㻕㻃㻃
㻔㻑㻔㻜㻃㻃
㻔㻑㻙㻓㻃㻃
ྎ௥ၤ㷵㻃
㻔㻘㻑㻕㻛㻃㻃
㻪㻳࿰ḯᒜ㻃
㻕㻑㻛㻕㻃㻃
㻖㻑㻜㻛㻃㻃
㻘㻑㻔㻚㻃㻃
㻙㻑㻖㻘㻃㻃
㻚㻑㻘㻙㻃㻃
㻛㻑㻚㻚㻃㻃
㻔㻓㻑㻓㻓㻃㻃
㻔㻔㻑㻕㻔㻃㻃
㻔㻕㻑㻗㻖㻃㻃
㻔㻖㻑㻙㻗㻃㻃
㻔㻘㻑㻕㻛㻃㻃
㻃㻃
㻋㻐㻓㻑㻔㻌㻃
㻕㻓㻔㻓㻑㻗㻑㻕㻗㻃
㻕㻑㻛㻕㻃㻃
㻔㻑㻔㻙㻃㻃㻃
㻔㻑㻔㻜㻃㻃
㻔㻑㻔㻛㻃㻃
㻔㻑㻕㻔㻃㻃
㻔㻑㻕㻓㻃㻃
㻔㻑㻕㻖㻃㻃
㻔㻑㻕㻔㻃㻃
㻔㻑㻕㻔㻃㻃
㻔㻑㻕㻔㻃㻃
㻔㻑㻙㻗㻃㻃
1.30
1.25
1.20
1.15
༇㛣䝃䜨䝤 (s)
オ製 EX-F1 もしくは EX-FH20) を用いてタッチダ
ウンタイムを測定し、区間タイムを求めた。2009
年度当初はレーザー方式の距離測定装置 (LDM300CSports; JENOPTIK 社製 ) を用い通過タイムを求め
ていた ( 松尾ら ,2007)。しかし、測定の継続性・
安定性などの諸事情により 2010 年度よりデジタル
ハイスピードカメラを用いた分析でのデータ収集に
変更した(戻した)。そのため、本稿では 2010 年度、
2011 年度の大会で分析したデータについてのみ報
告する。
1.10
1.05
ྎ௥ၤ㷵 15.20 (-0.1) 2011.8.28
ྎ௥ၤ㷵 14.93 (+0.5) 2011.6.5
1.00
ྎ௥ၤ㷵 15.28 (-0.1) 2010.4.24
0.95
䝓䞀䝍䝯ᑍ㛓㐽ᡥ㻃 13.82 㼳 0.12
0.90
1st-2nd
2nd-3rd
3rd-4th
4th-5th
5th-6th
༇㛣
6th-7th
7th-8th
8th-9th
9th-10th
図 14 110m ハードルの区間タイム
Ⅴ.まとめ
本稿では、日本記録樹立までのここ 3 年間におけ
る右代選手のパフォーマンス変化、特に重点課題種
目(100m、走幅跳、400m、110mH)について報告し、
今後の課題について検討した。
䕋㻃 ྎ௥㐽ᡥ
䕹World-class Decathletes (N=66) 㻃
15.60
15.40
110mH 䝙䜧䝏䝇䜻䝩䝃䜨䝤䟺sec)
B. 結果と考察
表7に各大会の分析結果として、タッチダウンタ
イムと区間タイムを示した。右代選手は 2009 年の
15 秒 23 から 2 年間で 0.3 秒タイムを短縮した。図
14 はレース中の区間タイム変化を示している。右
代選手の 15 秒 2 台のレースをみると区間ごとに多
少ばらつくものの、第1区間(1st-2nd)から第 9
区間(9th-10th)まで距離を重ねる毎に区間タイム
が長くなっている(1.15 秒→ 1.24 秒)。いっぽう、
14 秒 93 のレースでは、第 7 区間まで 1.17 秒の区
間タイムで安定して走ることができていた。第1区
間(1st-2nd)のタイムは変わらない(1.15 〜 1.17
秒)スピードレベルなので、それ以降の「インター
バル走」,「踏み切り」、「着地」技術が向上したこ
とによるものであろう。今後は、第1ハードルまで
のスピードアップ、そして区間タイムのさらなる短
縮が求められるが、それにはスプリント力向上とそ
の能力を活かしたハードル技術の習得が不可欠であ
る。(図 15)。
15.20
15.00
14.80
14.60
14.40
14.20
14.00
13.80
13.60
10.00
10.50
11.00
11.50
12.00
100m䝙䜧䝏䝇䜻䝩䝃䜨䝤䟺sec)
図 15 100m と 110mH との関係
1.100m 走でのスプリント力は、2009 年より順調
に向上していた。今後、右代選手の場合は加速と
減速との関係性にも着目してパフォーマンス分析
を検討し対策を練る必要がある。
2.走幅跳での課題は、現在の跳躍スタイルを保持
しながら助走速度を高めることである。右代選手
の場合、過去の傾向から 100m 走の走速度ピーク
あるいはフィニッシュタイム短縮を目指すことで
連動的に克服できる可能性が高い。
3.400m 走では、前半区間でのさらなるスピー
ドアップが求められる。その課題として身長比あ
- 87 -
たりのステップ長を延ばす(延びる)ことが必要
かもしれない。また、150m から 185m 区間での
スピード低下(中だるみ)がないよう、レースペー
スを踏まえたトレーニングも導入した方が良いだ
ろう。
4.110m ハードルでは、第1ハードルまでのスピー
ドアップ、そして区間タイムのさらなる短縮が求
められる。それにはスプリント力向上とその能力
を活かしたハードル技術の習得が不可欠となる。
参考文献
小山宏之、村木有也、武田理、大島雄治、阿江通良
(2007)競技会における一流男女棒高跳、走幅跳、
および三段跳選手の助走速度分析.日本陸連科学
委員会研究報告、6:104-122.
松林武生、持田尚、松尾彰文、松田克彦、本田陽、
阿江通良(2010)十種競技選手の走幅跳、棒高跳
での跳躍パフォーマンス分析.陸上競技研究紀要、
3:104-112.
松林武生、持田尚、本田陽、松田克彦(2012)陸上
競技・混成選手のパフォーマンス分析.トレーニ
ング科学研究会、27 − 35.
MUREIKA, J.R. (2001) A Realistic Quasiphysical Model of the 100 Metre Dash.
Canadian Journal of Physics, 79 (4), p. 697713.
持田尚,杉田正明(2010a)世界陸上競技選手権大
阪大会における決勝 400m 走レースのバイオメカ
ニクス分析,世界一流競技者のパフォーマンスと
技術,財団法人日本陸上競技連盟,51 − 75.
持田尚 , 松林武生 , 松尾彰文 , 松田克彦 , 本田陽 ,
阿江通 良(2010b)混成強化部への科学的サポー
ト―得点分析からみた日本十種競技界の現状と課
題―, 陸上競技研究紀要 ,6: 122-125.
持田尚 , 松林武生 , 松尾彰文 , 松田克彦 , 本田陽 ,
阿江通良(2010c)十種競技選手のスプリント種
目での走パフォーマンス分析 , 陸上競技研究紀
要 ,6: 126-136.
- 88 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,89-96,2012
Vol.8,89-96,2012
第 13 回世界陸上競技選手権大邱 (Daegu) 大会に出場した
競歩種目日本代表選手のコンディショニングについて
井本岳秋1) 三浦康二2) 内田隆幸3) 小坂忠広4) 今村文男5)
1)スポーツ・ウエルネス総合企画研究所 2)成蹊大学経済学部 3)小松短期大学競歩部
4)石川県立鶴来高等学校教諭 5)富士通陸上競技部
要 旨
日本陸上競技連盟科学委員会は、2011 年 8 月 27
日から同年 9 月 4 日まで、韓国大邱市で開催された
第 13 回世界陸上競技選手権大会(以下、本大会と
略記)に参加した競歩種目日本代表選手男・女 7 人
中の 6 人を対象に、同年 7 月 1 日から下記の本大会
までトレーニングする生活を観察した。
この報告書は、本大会(男子 20kmW:2011 年 8 月
28 日 ( 日 )、女子 20kmW:同年 8 月 31 日 ( 水 )、男
子 50kmW:同年 9 月 3 日 ( 土 ))まで、日本人選手
たちがトレーニングする様子を、とくにコンディ
ショニングの視点からまとめた。
①男子 20 kmW は、鈴木雄介選手が 1 時間 21 分 39
秒で 8 位に入賞した。鈴木選手の自己ベストは 1
時間 20 分 06 秒であり、その差は 1 分 33 秒だった。
②女子 20kmW は、大利久美選手が 1 時間 34 分 37
秒で 20 位、川﨑真裕美選手が 1 時間 35 分 3 秒で
22 位、渕瀬真寿美選手は途中棄権した。
③男子 50 kmW は、森岡紘一朗選手が 3 時間 46 分
21 秒で 6 位、谷井孝行選手が 3 時間 48 分 03 秒
で 9 位、荒井広宙選手が 3 時間 48 分 40 秒で 10
位だった。国際大会において、10 位以内に一か
国 3 人の選手がいる事は、とても珍しいことで
ある。
④また 10 位になった荒井選手は、国際大会初参加
で自己最高記録を出した。本大会に日本人選手は
49 人参加したが、自己記録を更新したのは荒井
選手 1 人だった。
⑤まとめると、男子 20 kmW、50 kmW でそれぞれ 8
位と 6 位に入賞し、2012 年ロンドン五輪日本代
表選手に内定した。しかし、女子 20 kmW の 3 選
手は、全般的に不調だった。以上の戦績を踏まえ
て、コンディショニングの様子を解説する。
⑥観察期間中の起床時心拍数の平均値を比較する
と、女子選手は男子選手より高い傾向が認められ
た。また、男子間でも個人差が認められ、鈴木選
手は高い傾向が、谷井選手や荒井選手は低い傾向
がそれぞれ認められた。
⑦本大会前 2 週間の練習量を算出した。その結果、
20 kmW に出場予定の選手も 50 kmW に出場予定
の選手も、調整の段階における練習量にあまり差
はなかった。しかし、本大会 5 日前の練習量に顕
著な個人差が現れた。これは、①選手自身の自由
意思によるものである。しかし②競歩選手の普遍
的な調整のあり方を検討する事例である。
⑧男子鈴木選手 (20kmW) の 5 週間の練習量を基準
(100 %) にすると、女子大利選手 (20kmW) は 92 %、
川﨑選手 84 % だった。しかし、週単位の練習量
を比較すると、大会 4 週間前と 3 週間前はほとん
ど性差が認められなかった。この結果、女子選手
の起床時心拍数と体温が終始高位置に分布してい
る理由は、一時期男子と同程度の練習量を行って
いたからではないかと考えられる。
⑨ 50kmW レース前の荒井選手の練習量を観察した。
大会 2 週間前の1日は完全休養し、それから 12
日間に合計 107 km、1 日平均 8.9 ± 3.7 km の練
習によって本大会を迎えていた。この間の起床時
心拍数の平均値をみると、練習量の多い他の選手
と比較して、荒井選手は際立って低い傾向が認め
られた。
⑩森岡選手の近年の成績ならびに本大会前の練習量
を観察した。森岡選手は 2010 年 11 月の広州アジ
ア大会で自己最高記録を出し、翌 2011 年 4 月の
日本選手権で再び自己最高記録を更新し、両大会
のタイム差は 3 分 36 秒であった。また 2011 年 9
月 3 日の本大会では、前 2 大会を補間するような
記録だった。ところがこの 3 大会の前にそれぞれ
- 89 -
行われた 6 週間の練習量は少ない方が記録もよい
表1 競歩種目日本代表選手の身体的特徴
傾向が認められた。
ᖳ㱃
㌗㛏
మ㔔
BMI
⛸┘
Ắྞ
㸝ṋ㸞
㸝cm㸞
㸝kg㸞
䟺kg/m
)
⑪男子 3 選手(森岡、谷井、荒井)の本大会前 2
Y. S.
24
169
56
20
⏠Ꮔ20kmW
週間の練習量と自己最高記録に対する本大会 50
K. O.
26
160
45
18
ዥᏄ20kmW M. K.
31
167
52
19
kmW 記録達成率の関係を観察した。その結果、
M. F.
25
161
45
17
レース前 2 週間の練習量が少ない方が自己最高記
K. M.
26
184
65
19
⏠Ꮔ50kmW
T. T.
29
166
57
21
録の出る確率が高くなる可能性が示唆された。
H. A.
23
180
61
19
⑫まとめると、荒井選手の国際大会初参加で自己最
高記録に象徴されるような事例に習って、今後日
⑤滞在先などを記入できる調査用紙を配布した。
本代表選手一人ひとりが、大会前 2 週間の練習量
データ入力のためにパソコンを用いる選手は、統計
の配分をどのようにすべきか検討する必要があ
ソフト Excel の様式に従って、日々のデータを入力
る。
してもらい、後日、電子メールに添付資料として、
⑬森岡選手はレース後の体重減少が顕著であった。
担当の科学委員会宛に送信してもらった。また、手
大会当日の朝の体重は 66.70 kg であったが、大
書きの選手は、原本を本人が管理し、その写し(コ
会翌日は 65.85 kg ( 大会当日を 100% とした場合
ピー)を郵送してもらい、筆者が集計した。
の減少率は -1.3%)、2 日後 65.60 kg (-1.7%)、3 日
体温は、少数以下 2 桁までを表示できる市販の婦
後 65.35 kg (-2.1%) を示した。レース後 3 日間は
人体温計を用いて、口腔温度をベッドレストの状態
全く練習をしていないのに、体重が減り続けてい
で計った。なお、医学・生理学上は身体深部の温度(直
た点が問題である。今後、レース後の体重の早期
腸温度等)の測定をもって体温と定義するが、本稿
回復のために、医務室において脱水対応の点滴や
では早朝の口腔温度を、便宜上「体温」と呼ぶこと
水分補給に効果のある経口ドリンク(例:経口補
水液 OS-1)等の摂取を受けるなどが必要である。 にした。1 分間の心拍数は触診、電子血圧計や時計
更に、強化合宿中のトレーニングする環境に於い (POLAR 社製のハートレートメータ)等を使って各
選手が統一した方法で測定した。体重は、100 g も
て、これまで以上に給水条件を整える事が重要で
しくは 10 g 単位の感度で表示できる同一の体重計
あると考えられる。
を用い、各自で測定した。
練習量は、Ⅰ:早朝(起床から朝食までの間)、Ⅱ:
Ⅰ はじめに
午前中(朝食から昼食までの間)
、Ⅲ:午後(昼食
から夕食までの間)に分けて、それぞれ歩行距離を
日本陸上競技連盟科学委員会は、2011 年 8 月 27
練習量 (km/ 日 ) として記載した。各選手によって
日 ( 土 ) から同年 9 月 4 日 ( 日 ) までの 9 日間、韓
記録された練習量の誤差は 1 回の練習で約 10 m以
国大邱市 (Daegu-City) で開催された第 13 回世界陸
内と思われ、精度は高いものである。
上競技選手権大会に出場した競歩種目日本代表選手
なお、同じ距離の練習でも、設定タイムの良し悪
のトレーニングする生活を、2011 年 7 月 1 日から
しによって負荷強度は異なると思われるが、本研究
本大会まで観察した。各選手について、コンディショ
では強度の検討は行わず、積算距離のみを指標とし
ニングの視点から情報をまとめたので報告する。
て解析した。
Ⅱ 方 法
Ⅲ 結果と考察
対象者:本大会の競歩種目日本代表選手の身体的
①戦績について:本大会における競技成績は表 2 に
特徴は表 1 に示すとおり、男子 4 人、女子 3 人、合
示すとおりである。
計 7 人である。選手たちはいずれも実業団に所属し
ている社会人だった。
②各選手のコンディショニング一覧表について
調査項目、方法:調査は、2009 年度の本報告書 1)
と同様の形式で行った。事前に内定している日本代
表 3 は鈴木雄介選手、表 4 は大利久美選手、表 5
表選手に対して 2011 年 7 月1日から本大会まで、
は川﨑真裕美選手、表 6 は森岡紘一朗選手、表 7 は
毎日、起床時の①心拍数 (bpm:拍 / 分 )、②口腔温
谷井孝行選手、表 8 は荒井広宙選手である。
度 (℃ )、③体重 (kg) ならびに④練習量 (km/ 日 )、
各選手(表 3 から表 8 まで)の項目の中から、心
2
- 90 -
表 2 各選手の自己記録と本大会の記録
⮤ᕤエ㘋
⛸┘
Ắྞ
20kmW
表 6 森岡紘一朗選手のコンディショニング一覧表
㡧┘ 㸝༟న㸞 ౚᩐ
ᮇኬఌ䛴エ㘋
50kmW
エ㘋
㡨న
1°20’06 䇶
1°21’39 䇶
8
ᖲᆍೋ
ᵾ‵೩ᕣ
᭩ኬೋ
㉫ᗃ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞
42
6:04
0:24
7:30
᭩ᑚೋ
5:00
ᑯᐱ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞
42
22:26
0:16
23:00
21:30
╟┸᫤㛣 (᫤㸯ฦ㸞
41
7:36
0:20
8:30
7:00
మῺ Υ
40
36.28
0.14
36.68
35.97
⏠Ꮔ20kmW
㸝2011ᖳ8᭮28᪝㸞
Y. S.
K. O.
1°32’17 䇶
1°34’37 䇶
20
ᚨᢷᩐ bpm)
40
45.5
2.4
55
42
ዥᏄ20kmW
㸝2011ᖳ8᭮31᪝㸞
M. K.
1°28’49 䇶
1°35’03 䇶
22
మ㔔 (kg)
40
66.0
0.4
67.1
65.1
M. F.
1°28’03 䇶
エ㘋࡝ࡊ
㏭୯Იᶊ
⦆⩞๑మ㔔 (kg)
36
66.4
0.5
67.8
65.35
6
⦆⩞ᚃమ㔔 (kg)
36
65.4
0.7
66.75
63.9
మ㔔ᕣ (kg)
36
-1.1
0.5
-0.2
-2.15
⏠Ꮔ50kmW
㸝2011ᖳ9᭮3᪝㸞
K. M.
3°44’45 䇶
3°46’21 䇶
T. T.
3°47’23 䇶
3°48’03 䇶
9
H. A.
3°48’40 䇶
3°48’40 䇶
10
᭽⦆⩞ (km)
9
8.9
1.5
10
6
༔๑⦆⩞ (km)
28
18.5
8.6
37
8
༔ᚃ⦆⩞ (km)
29
11.3
6.0
30
4
ୌ᪝⦆⩞㔖 (km/᪝)
39
23.8
10.5
43
8
表 3 鈴木雄介選手のコンディショニング一覧表
㡧┘ 㸝༟న㸞 ౚᩐ
ᖲᆍೋ ᵾ‵೩ᕣ ᭩ኬೋ
表 7 谷井孝行選手のコンディショニング一覧表
᭩ᑚೋ
㉫ᗃ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞 35
6:26
0:44
8:00
6:00
ᑯᐱ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞 35
22:24
0:28
23:00
22:00
㉫ᗃ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞 42
5:45
0:33
7:00
4:10
╟┸᫤㛣 (᫤㸯ฦ㸞 35
8:00
0:55
10:00
7:00
ᑯᐱ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞 42
22:30
0:32
23:00
21:20
╟┸᫤㛣 (᫤㸯ฦ㸞 41
మῺ 㸝Υ㸞
ᚨᢷᩐ 㸝bpm)
మ㔔 (kg)
㡧┘ 㸝༟న㸞 ౚᩐ
33
36.42
0.14
36.69
36.13
33
51.3
4.5
60
45
మῺ (Υ)
42
ᖲᆍೋ ᵾ‵೩ᕣ ᭩ኬೋ
᭩ᑚೋ
7:14
0:33
8:30
6:10
36.04
0.25
36.74
35.85
34
57.0
0.3
57.6
56.3
ᚨᢷᩐ (bpm)
42
43.1
2.9
48
37
᭽⦆⩞ (km)
17
8.6
1.7
10
4
మ㔔 (kg)
42
58.13
0.38
58.90
57.30
༔๑⦆⩞ (km)
17
13.8
4.8
25
6
⦆⩞๑మ㔔 (kg)
41
58.20
0.34
58.90
57.55
༔ᚃ⦆⩞ (km)
22
10.5
5.1
25
5
⦆⩞ᚃమ㔔 (kg)
41
57.52
0.38
58.20
56.95
ୌ᪝⦆⩞㔖 (km/᪝)
34
18.1
6.8
35
9
మ㔔ᕣ (kg)
41
-0.69
0.30
-0.20
-1.40
᭽⦆⩞ (km)
30
11.2
7.7
30
3
༔๑⦆⩞ (km)
12
18.1
10.3
45
7
表 4 大利久美選手のコンディショニング一覧表
㡧┘
㉫ᗃ᫤็
ᑯᐱ᫤็
╟┸᫤㛣
మῺ
ᚨᢷᩐ
మ㔔
⦆⩞๑మ㔔
⦆⩞ᚃమ㔔
మ㔔ᕣ
᭽⦆⩞
༔๑⦆⩞
༔ᚃ⦆⩞
ୌ᪝⦆⩞㔖
㸝༟న㸞
(᫤㸯ฦ㸞
(᫤㸯ฦ㸞
(᫤㸯ฦ㸞
(Υ)
(bpm)
(kg)
(kg)
(kg)
(kg)
(km)
(km)
(km)
(km/᪝)
ౚᩐ
39
39
38
37
37
39
23
20
20
10
24
26
38
ᖲᆍೋ ᵾ‵೩ᕣ ᭩ኬೋ
6:13
0:29
8:15
22:55
0:31
23:45
7:16
0:36
8:35
36.28
0.16
36.61
62.54
3.37
68.00
45.23
0.49
46.60
45.45
0.44
46.20
44.57
0.58
45.45
-0.87
0.29
-0.40
8.1
1.3
10
13.7
4.8
27
7.9
4.4
22
16.2
7.4
32
᭩ᑚೋ
5:55
21:40
6:20
36.00
54.00
44.45
44.70
43.20
-1.50
7
9
3
5
38
5:47
0:19
6:30
5:00
39
22:05
0:12
22:30
21:40
╟┸᫤㛣 (᫤㸯ฦ㸞
38
7:42
0:12
8:30
7:20
మῺ (Υ)
39
36.59
0.17
36.97
36.34
ᚨᢷᩐ (bpm)
39
53.23
1.98
57.00
50.00
మ㔔 (kg)
38
52.9
0.6
53.7
51.0
᭽⦆⩞ (km)
13
7.4
1.7
11.0
5.0
༔๑⦆⩞ (km)
21
12.5
5.8
25.0
7.5
༔ᚃ⦆⩞ (km)
24
8.7
2.9
15.0
5.0
ୌ᪝⦆⩞㔖 (km/᪝)
36
15.8
5.6
25.0
5.0
10.5
2.4
15
4
19.6
11.1
55
7
㡧┘
㡧┘ 㸝༟న㸞 ౚᩐ ᖲᆍೋ ᵾ‵೩ᕣ ᭩ኬೋ ᭩ᑚೋ
㉫ᗃ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞
24
41
表 8 荒井広宙選手のコンディショニング一覧表
表 5 川﨑真裕美選手のコンディショニング一覧表
ᑯᐱ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞
༔ᚃ⦆⩞ (km)
ୌ᪝⦆⩞㔖 (km/᪝)
拍数を表 9 にまとめた。平均値をみると個人差があ
り、とくに女子選手は男子選手より高い傾向が認め
られた。
また、男子間でも個人差が認められ、とくに鈴木
選手の平均値は高い傾向が認められた。これに対し
㸝༟న㸞
ౚᩐ
ᖲᆍೋ
ᵾ‵೩ᕣ
᭩ኬೋ
㉫ᗃ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞
42
6:07
0:36
9:00
᭩ᑚೋ
5:45
ᑯᐱ᫤็ (᫤㸯ฦ㸞
42
22:35
2:04
23:30
9:30
╟┸᫤㛣 (᫤㸯ฦ㸞
41
7:13
0:41
10:00
6:20
మῺ (Υ)
38
35.90
0.21
36.48
35.4
ᚨᢷᩐ (bpm)
39
40.10
2.64
47
36
మ㔔 (kg)
36
60.66
0.63
62
59.3
⦆⩞๑మ㔔 (kg)
27
60.87
0.68
62.4
59.5
⦆⩞ᚃమ㔔 (kg)
30
59.52
1.81
61.5
50.7
*
మ㔔ᕣ (kg)
25
-1.12
0.57
-0.3
-2.3
᭽⦆⩞ (km)
14
5.1
3.4
10
1
༔๑⦆⩞ (km)
31
14.9
9.6
40
1
༔ᚃ⦆⩞ (km)
28
8.5
7.1
30
1
ୌ᪝⦆⩞㔖 (km/᪝)
41
18.1
11.5
49
1
て、谷井選手や荒井選手は低い傾向がそれぞれ認め
られた。
各選手の体温と心拍数の分布ならびに回帰直線
を、それぞれ図 1 に示した。この中で川﨑真裕美選
手は、両者の相関関係(図中の心拍数 50 〜 55 拍 /
分の間にある回帰直線が真横に推移)が弱く、体温
の変化に対して心拍数が平衡に分布しない傾向が認
められた。つまり、起床時の体調を判断する目安と
しては、心拍数に信頼性がないので、体温の変化を
重視して、その日のコンディショニングを判断すべ
きである。
- 91 -
表 9 観察期間中の起床時心拍数 (bpm)
⛸┘
Ắྞ
⏠Ꮔ20kmW
㕝ᮄ㞕௒
33
51.3
4.5
60
45
ኬฺ஁⨶
37
62.5
3.4
68
54
㻖㻓
ᕖ㶹┷⿩⨶
39
53.2
2.0
57
50
㻕㻓
᲻ᒱ⣣ୌ᭹
40
45.5
2.4
55
42
㻔㻓
ㆺ஬Ꮟ⾔
42
43.1
2.9
48
37
Ⲡ஬ᗀᏼ
39
40.1
2.6
47
36
ዥᏄ20kmW
⏠Ꮔ50kmW
ౚᩐ
ᖲᆍೋ
ᵾ‵೩ᕣ
᭩㧏ೋ
᭩ᑚೋ
㕝ᮄ㞕௒
᲻ᒱ⣣ୌ᭹
ㆺ஬Ꮟ⾔
Ⲡ஬ᗀᏼ
ᕖ㶹┷⿩⨶
ኬฺ஁⨶
㻗㻓
㻓
㻔㻗 㻔㻖 㻔㻕
図2
㻔㻔 㻔㻓 㻜
㻛
㻚
㻙
㻘
㻗
㻖
㻕
㻔᪝๑
本大会前 2 週間の各選手の練習量のトレンド
グラフ
㻚㻓
㻘㻘
㻘㻓
㻗㻘
㻗㻓
㻖㻘
㻖㻓
㻖㻘㻑㻓㻓
㻖㻘㻑㻘㻓
㻖㻙㻑㻓㻓
㻖㻙㻑㻘㻓
㻖㻚㻑㻓㻓
㉫ᗃ᫤మῺ䟺䉔䟻
図1 各選手の早朝体温と心拍数の関係
(○:荒井広宙;心拍数 35 〜 40 拍 / 分に分布、
▲:谷井孝行;心拍数 40 〜 45 拍 / 分に分布、
●:森岡紘一朗;心拍数 45 拍 / 分あたりに
分布、◆:鈴木雄介;心拍数 50 拍 / 分に分布、
●:川﨑真裕美;心拍数 50 ~ 55 拍 / 分に分布、
○:大利久美選手;心拍数 60 〜 65 拍 / 分に
分布)
③大会前 2 週間の練習量について
本大会前 2 週間の練習量をトレンドグラフで描く
と、図 2 に示すとおりである。また、同期間の累積
練習量は、図 3 に示すとおりである。その結果、20
kmW にエントリーしている選手も 50 kmW にエント
リーしている選手も、大会前の練習量にあまり差が
ないことが分かる。これは両種目の特徴(距離の相
違)から考えて、今後、大会直前の練習量をどうす
べきか、一つの課題と思われる。つまり、個人差を
重視すべき事例として扱うか、もしくは統計処理し
て統一見解を出すかどうか、今後、国際大会におけ
る日本人競歩選手の「練習量」を一歩踏み込んで考
えるべきである。
詳細にみると、図 2 の大会より 5 日前の練習量は
競技種目、性差に関係なく一日 10 km 未満の選手と、
18 ~ 30 km 未満の選手に分かれている。
このような分布を「大会直前の調整段階における
個人差」と理解すれば議論の必要はない。少なくと
も大会直前に疲労が残るような多くの練習量を好む
選手はいないと思われるので、大会 5 日前の練習量
の顕著な個人差は、①選手本人の自由意思を大切に
すべき事項である。しかし②競歩選手の社会集団と
しての普遍的な調整のあり方を理解し、無難な練習
量に留める情報を提供すべきである等、二つの考え
方がある。
これら 2 つの見解に対して、図 3 は大会前 2 週
間の練習量を選手間で比較したものである。左か
ら 20 kmW 代表の男子鈴木雄介選手、女子大利久美
選手、川﨑真裕美選手の順に並んでいる。鈴木選手
の練習量を基準 (100 %) にすると、大利選手 92 %、
川﨑選手 84 % だった。しかし、週間練習量を 5 週
間にさかのぼって比較すると図 4 に示すとおり、大
会 4 週前と 3 週前はほとんど性差がない傾向だった。
この結果、図1の女子選手の起床時心拍数と体温が
高位置に分布している理由は、男子と一時期同程度
の練習量を行っていたからではないかと考えられ
る。しかし、なにぶんにも負荷強度が分からず、距
離の積算だけでの一側面だけでは、練習量が多いか
少ないかを安易に扱ってはいけないと思われる。
- 92 -
300
Ṅ⾔㊝㞫(km/2W)
㻙㻓
247
190
200
204
174
159
141
100
0
㕝ᮄ
ኬฺ
ᕖ㶹
᲻ᒱ
ㆺ஬
Ⲡ஬
図 3 レース前 2 週間の練習量(km)
㕝ᮄ㞕௒
㐄㛣⦆⩞㔖㻋㼎㼐㻌
㉫ᗃᚨᢷᩐ䟺ᢷ㻒ฦ䟻
㻙㻘
㻔㻙㻓
㻔㻗㻓
㻔㻕㻓
㻔㻓㻓
㻛㻓
㻙㻓
㻗㻓
㻕㻓
㻓
142
122
115116
112
ኬฺ஁⨶
ᕖ㶹┷⿩⨶
130125128
98 100
97
82
㐄๑
㐄๑
㐄๑
㐄๑
92
74 77
㐄๑
図 4 20 kmW レース前の男女の週間練習量
④国際大会への初参加で自己最高記録を出した荒井
広宙選手について
荒井選手の 50kmW レース前の練習量は、図 5 に示
すとおりである。X 軸の数字(日数)は、記録を取
り始めてから順番に並んでいるので、右端の 43 番
目の「50」km になっているところが、本大会の距
離を表示している。したがって、日数 30 日から 42
日までの間が大会直前の練習量である。
表 10 各選手の本大会前 2 週間の起床時心拍数の平
均値と標準偏差
Ⲡ஬ᗀᏼ⦆⩞㔖 (km)
60
50
50
49
40
37
30
40
43
37
34
30
29
26
25 24
25
22 22 20
22
20
19
17
16
15
15
14
12111 0 1211
101 0
9 9
87
8 7
6
5
4
1
0
29
20
10
0
0
5
10
15
20
25
30
35
40
᪝ᩐ
㕝ᮄ
ኬฺ
ᕖ㶹
᲻ᒱ
ㆺ஬
Ⲡ஬
14᪝๑
13᪝๑
12᪝๑
11᪝๑
10᪝๑
9᪝๑
8᪝๑
7᪝๑
6᪝๑
5᪝๑
4᪝๑
3᪝๑
2᪝๑
1᪝๑
45
47
50
45
48
48
55
51
50
46
50
52
47
50
60
57
62
60
63
59
54
59
63
60
58
61
59
59
57
54
53
53
53
52
51
51
51
52
52
51
51
53
44
45
44
44
44
42
55
44
46
45
45
46
45
48
46
44
37
38
44
42
41
41
39
39
41
39
45
43
38
38
38
38
39
42
41
39
ᖲᆍ
48.9
2.8
59.6
2.4
52.4
1.7
45.5
3.1
41.4
2.8
40.6
2.6
ᵾ‵೩ᕣ
45
᪝ᩐ㸝᪝㸞
図 5 荒井広宙選手の練習量のトレンドグラフ
また、図 5 の右下がりの実線は、練習量の変化を
統計処理し描いた回帰直線である。これにより大会
に向けた練習量は明らかに減っている傾向が認めら
れる。とくに大会 2 週間前 (X 軸の 30 日 ) には完全
休養し、それから 12 日間に合計 107km、1 日平均 8.9
± 3.7 km の練習によって本大会を迎えている。さ
らに驚いたことは、大会前日練習量は1km で終わっ
ている。
この間の選手全員の起床時心拍数は、表 10 に示
すとおりである。荒井選手は練習量の多い他の選手
(図 3)と比較して、心拍数の低さが際立っていた。
この結果、図 1 では心拍数と体温の関係でも一番低
いところに分布(○)していた。
荒井選手のコーチをつとめる内田氏(小松短期大
学競歩部監督)は、「荒井はここに至るまで十分ト
レーニングを積んできているので、大会直前の練
習量は極端に減らして疲労を除いてやらなければ
50kmW では後半に失速する」というのが、これまで
の経験から導き出された内田氏のトレーニング理論
である。
一方、著者が「競歩」への支援を担当して、サポー
トするようになってから 3 年目の 2011 年の事であ
る。強化合宿に帯同した時、今村氏(富士通)に「私(著
者)が「競歩」を担当するようになってから 3 年に
なりますが、まだ国際大会おいて「日本代表選手が
自己記録を更新した例がみられない」ことを案じて、
科学委員会のサポート ( 帯同や調査研究、支援 ) の
あり方に対して、反省の弁を述べたことがある。
42
42
41
46
44
すると、今村氏は「2000 年代の 10 年間に、国際
大会で自己ベスト記録を出した選手は、ほとんどい
ない」のが現実であると述べられ、そのことは雑誌
「月刊陸上競技」2) にも掲載されている。したがって、
2010 年広州アジア大会男子 50 kmW において森岡紘
一朗選手が 3 位入賞と自己記録(3 時間 47 分 21 秒)
を更新したことは、とても重要であり意義深いと思
われる。
⑤森岡紘一朗選手について
森岡選手の近年の成績ならびに大会前の練習量
は、表 11 に示すとおりである。また、表 11 の 3 大
会におけるレース前日から遡って 6 週間の練習量と
記録の関係は、図 6 に示すとおりである。
森岡選手は 2010 年 11 月に広州アジア大会で自己
最高記録を出し、翌年 2011 年 4 月の日本選手権で
も再び自己最高記録を更新し、両大会のタイム差
は 3 分 36 秒であった。また 2011 年 9 月 3 日の本大
会では、前 2 大会を補間するような記録だった。と
ころがこの 3 大会の前にそれぞれ行われた 6 週間の
練習量と記録の関係をみると、練習量が少ない方が
50 kmW における記録もよい傾向が示された。
男子競歩種目 50 kmW は、
4 時間近いレースであり、
多くの環境因子 ( 季節、気温、湿度、風向き、日射
量や雨量、空気の粉塵や花粉の濃度、地形など ) が
リスクであり、戦績(順位やタイム)を事前に予測
することは容易でない。したがって、そのような多
因子から競技成績を解明しようとしても、外部環境
への対応策はなすすべがないと考えられる。また、
選手間の環境条件はほとんど同じであることから、
戦績の良し悪しに対して日本人選手だけにリスク管
理を試みても、あまり意味がない。
これに対して、練習量、食生活、健康管理面に対
- 93 -
表 11 森岡紘一朗選手の 50kmW と大会前の練習量に
ついて
➠㻔㻙ᅂᗀᕗ䜦䜼䜦❿
ᢇኬఌ
᪝ᮇ㐽ᡥᶊ㍧ᓞኬఌ
➠㻔㻖ᅂኬ㑢ୠ⏲㐽ᡥᶊ
᪝௛
2010ᖳ11᭮
ᖳ᭮
㻕㻓㻔㻔ᖳ㻜᭮
3°47䈊21䈋
r͛͜
3°46䈊21䈋
ᅗ㝷ኬఌ䛭⮤ᕤ᩺エ
㘋ᶖ❟䚮㻖న㖙䝥䝄䝯
⮤ᕤ᩺エ㘋࡚ඁົ
⮤ᕤ᭩㧏エ㘋䛑䜏㻕␊┘
䛴エ㘋䛭㻙నථ㈱
ኬఌ๑6㐄
213
165
146
ኬఌ๑5㐄
182
182
183
エ㘋
ኬఌ๑4㐄
130
147
180
ኬఌ๑3㐄
157
172
154
ኬఌ๑2㐄
147
130
145
ኬఌ๑1㐄
111
98
102
6㐄ྙ゛(km)
940
894
910
ኬఌ๑㻔䝹᭮㻋㼎㼐㻌
545
547
581
ኬఌ๑㐄㛣ࡡ⦆⩞㔖NP
ኬఌྞ
㻕㻘㻛
㻕㻗㻚
㻕㻓㻗
㻔㻗㻔
྘㐽ᡥࡡ⮤ᕤ᭩㧏エ㘋࠾ࡼࡲࡒ྘ኬఌエ㘋ࡡ㐡ᠺ⋙
図7
50km 競歩における大会 2 週間の練習量と記
録達成率との関係
㻙㻚㻑㻘
㻙㻚
㻛㻜㻗㻏㻃㻖㻑㻚㻓㻚
㉫ᗃమ㔔㻋㼎㼊㻌
䜽䝘䞀䝍䟺㼐㻒㼖㼈㼆㻌
㻖㻑㻚㻔
㻖㻑㻚
㻖㻑㻙㻜
㻜㻔㻓㻏㻃㻖㻑㻙㻛㻔
㻖㻑㻙㻛
㻙㻙㻑㻘
㻙㻙
㻙㻘㻑㻘
㻖㻑㻙㻚
㻜㻗㻓㻏㻃㻖㻑㻙㻙㻘
㻙㻘
㻖㻑㻙㻙
㻛㻜㻓
図6
㻜㻓㻓
㻜㻔㻓
㻜㻕㻓
㻜㻖㻓
㻙㐄㛣䛴⦆⩞㔖䟺䠽䠿䟻
㻜㻗㻓
㻙㻚㻑㻔
㻙㻙㻑㻜㻘
㻙㻙㻑㻙
㻙㻙㻑㻘
㻙㻙㻑㻗
㻙㻙㻑㻖㻘
㻙㻙㻑㻕㻘 㻙㻙㻑㻕㻘
㻙㻙㻑㻙
㻙㻙㻑㻚
㻙㻙㻑㻙㻘
㻙㻙㻑㻙
㻙㻙㻑㻙
㻙㻙㻑㻗
㻙㻙㻑㻕
㻙㻙㻑㻔㻘 㻙㻙㻑㻔
㻙㻙㻑㻔
㻙㻙㻑㻔
㻙㻙㻑㻓㻘
㻙㻙㻑㻓㻘
㻙㻙
㻙㻘㻑㻜㻘 㻙㻘㻑㻜㻘
㻙㻘㻑㻜㻘
㻙㻘㻑㻜㻘
㻙㻘㻑㻜
㻙㻘㻑㻜
㻙㻘㻑㻛㻘
㻙㻘㻑㻛㻘
㻙㻘㻑㻛
㻙㻘㻑㻙㻘
㻙㻘㻑㻙㻘㻙㻘㻑㻙㻘㻙㻘㻑㻚
㻙㻘㻑㻙
㻙㻘㻑㻘㻘 㻙㻘㻑㻘
㻙㻘㻑㻘 㻙㻘㻑㻘
㻙㻘㻑㻗㻘
㻙㻘㻑㻖㻘
㻙㻘㻑㻖㻘
㻙㻘㻑㻔
㻔 㻖 㻘 㻚 㻜 㻔㻔 㻔㻖 㻔㻘 㻔㻚 㻔㻜 㻕㻔 㻕㻖 㻕㻘 㻕㻚 㻕㻜 㻖㻔 㻖㻖 㻖㻘 㻖㻚 㻖㻜 㻗㻔 㻗㻖 㻗㻘
㻜㻘㻓
図8
森岡選手の 3 大会における 6 週間前の練習量
と記録との関係(3 大会の記録を平均スピー
ド (m/sec) であらわし比較すると、6 週間の
練習量が少ない方が大会記録(速いスピード
で歩いている)もよい傾向が示された。図中
の実線は、多項式から計算し、推移曲線の近
似値を求めた。)
する事前の準備、対応は戦略上十分可能であるので、
以下に述べる。
⑥男子 50 kmW の記録と大会前 2 週間の練習量につ
いて
日本人 3 選手(■:森岡選手、▲:谷井選手、●:
荒井選手)の本大会前 2 週間の練習量と自己最高記
録に対する本大会 50 kmW 記録達成率の関係をみる
と、図 7 に示すとおりである。荒井選手(●)は
本大会で自己最高記録を出しているので達成率は
100%である。谷井選手(▲)は本大会の記録は自
己ベストから 3 番目の記録で達成率は 99.8% だった。
また森岡選手(■)は 2011 年 4 月の国内レースで
自己最高記録を出している。それに基づき 2010 年
広州アジア大会と本大会の達成率を掲載した。
この結果、レース前 2 週間の練習量が少ない方が
自己最高記録の出る確率が高くなる可能性が示唆さ
れた。
選手強化のためのトレーニングのあり方は、「過
森岡紘一朗選手の観察期間中の早朝体重のト
レンドグラフ
負荷の原理に従う」ことは言うまでもない。著者
は 2009 年 1)、2010 年 3) の本報告書において練習量
の観察期間を 3 か月行っていた。その結果、日本
代表選手は国際大会に向けて月間練習量は 600 ~
1,000km に及んでいた。しかし、各選手は、大会に
向けて練習量を減らすことは共通認識している。問
題は「その減らし方、もしくは時期相当の分量や配
分」が分からないのではないかと考えられる。
本研究の結果からいえることは、荒井選手の国際
大会初参加で自己最高記録に象徴されるような事例
に習って、今後日本代表選手一人ひとりが、大会前
2 週間の練習量をどのようにすべきか、検討すべき
課題である。
⑦ 50 kmW レース後の体重減少について
競歩はレース中の時間の長さから考えて、給水な
らびに脱水症状回避の戦いでもある。本大会で、渕
瀬真寿美選手がレース中に棄権したのも「脱水症状」
との関わりがあるものと思われる。
図 8 は、本大会前後の森岡紘一朗選手の体重のト
レンドグラフである。
問題の体重変化は観察期間 X 軸の 43 日目以降で
ある。大会当日の朝の体重は 66.7 kg であった。
50 kmW レースの翌日(1 日後)は 65.85 kg ( 大会
当日を 100% とした減少率 -1.3%)、2 日後 65.60 kg
- 94 -
Ⅳ まとめ
日本陸上競技連盟科学委員会は、2011 年 8 ~ 9
月に韓国で開催された第 13 回世界陸上競技選手権
大邱 (Daegu) 大会に参加した競歩種目代表日本選手
男女 7 人のうち 6 人(男子 4 人、女子 2 人)を対象
に、同年 7 月 1 日から同年 9 月 5 日までトレーニン
グする生活を観察した。本研究は、とくにコンディ
ショニングの視点からまとめたので報告する。
1)観察期間中の起床時心拍数の平均値を比較する
と、女子選手は男子選手より高い傾向が認められ
た。また、男子間でも個人差が認められ、鈴木選
手の平均値は高い傾向が、谷井選手や荒井選手は
低い傾向がそれぞれ認められた。
㻓
㻐㻓㻑㻕
㻐㻓㻑㻖㻘
㻐㻓㻑㻗
㻐㻓㻑㻗㻘
㻐㻓㻑㻗㻘
㻐㻓㻑㻘
మ㔔ᕣ㻋㼎㼊㻌
(-1.7%)、3 日後 65.35 kg (-2.1%) を示した。問題は、
レース後 3 日間は全く練習をしていないのに、体重
が減り続けている点である。脱水の条件を体重で判
断すると 5 %以上減少したところから生理的異常
が現れるといわれている。しかし、レース後の 3 日
後の体重減少が 2.1% というのは、由々しき事態で
ある。この時、水分の不足というより、一般には代
謝の異化更新が顕著に現れ、尿中への残余窒素 ( ク
レアチニン、尿酸、尿素窒素など、体内のタンパク
代謝のゴミ ) の排泄がピークになる時期である。女
子 20 kmW の選手も含めて、レース後数日間の体重
管理は健康状態の把握に重要である。したがって、
今後レース後の体重の早期回復のために、様々な取
り組みが必要と思われる。
今回の経験から、食事や飲料水等による経口的な
水分摂取の方法には限界があると考えられる。競歩
選手はレース後、医務室において点滴やそれと同等
の効果のある経口補水液(例:OS-1)の供給を行う
などの対策が必要である。
図 9 は森岡選手の本大会前 45 日間の練習量と翌
朝の体重との関係である。練習量が一日合計距離に
して 30 km を超えると、翌朝の体重が顕著に減少す
る傾向が観察された。
とくに練習量が 30km を超えると翌朝の体重は-
1.0 kg 以上減少する傾向を示していて、体重が一
夜では回復しない傾向が認められた。
一方、本大会 50 kmW の翌日の方が体重減少は少
ない (X 軸 50 の●:- 0.95 kg) 傾向が認められた。
つまり、本大会の給水環境の方が練習時の給水環境
より整っていた可能性が示唆された。
今後は、普段の練習する会場に於いて、これまで
以上に給水環境を整備する事が重要である。
㻐㻓㻑㻙㻘
㻐㻓㻑㻚
㻐㻓㻑㻜㻘
㻐㻔
㻐㻔㻑㻘
㻐㻓㻑㻕㻘
㻐㻓㻑㻗㻘
㻐㻓㻑㻙
㻐㻓㻑㻚
㻐㻓㻑㻚㻘
㻐㻓㻑㻚㻘
㻐㻔㻑㻓㻘
㻐㻔㻑㻔
㻐㻔㻑㻔㻘
㻐㻔㻑㻖
㻐㻔㻑㻗
㻐㻔㻑㻓㻘
㻐㻔㻑㻕
㻐㻔㻑㻖㻘
㻐㻔㻑㻗
㻐㻔㻑㻙
㻐㻓㻑㻜㻘
㻐㻔㻑㻔
㻐㻔㻑㻕
㻐㻔㻑㻕㻘
㻐㻔㻑㻗
㻐㻔㻑㻘
㻐㻔㻑㻘
㻐㻔㻑㻙㻘
㻐㻔㻑㻛㻘
㻐㻔㻑㻜㻘
㻐㻕㻑㻓㻘
㻐㻕
㻐㻕㻑㻔㻘
㻐㻕㻑㻘
㻓
㻔㻓
㻕㻓
㻖㻓
⦆⩞㔖㻋㼎㼐㻌
㻗㻓
㻘㻓
㻙㻓
図 9 森岡選手の一日練習量と体重差の関係
一日練習量と体重差(練習した翌朝の体重か
ら練習前体重を引いた値)の関係。両者は負
の相関関係を示し、練習量が長くなれば翌朝
起床時の体重減少も大きくなっていた。これ
に対して、50 kmW 後の翌朝の体重減少は差
ほどでもなかった。この理由は、大会では給
水スペースは確立されていて、練習の時より
給水環境が整っていたと思われる。むしろ普
段のトレーニング環境の方が給水不備による
リスクが大きいことを意味している。
2)本大会前 2 週間の練習量を算出した。その結果、
20 kmW に出場予定の選手も 50 kmW に出場予定
の選手も、練習量にあまり差はなかった。これは
両種目の特徴(距離の相違)から考えて、今後、
大会直前の各選手の練習量 ( 男女差 ) をどうすべ
きか、一つの課題と思われる。これに対して、本
大会 5 日前の練習量の顕著な個人差は、①選手本
人の自由意思を尊重にすべき事項である。しかし、
②競歩選手の社会集団として、普遍的な調整のあ
り方を理解し無難な練習量にする考え方もある。
3)男子鈴木選手の練習量を基準 (100 %) にすると、
女子大利選手 92 %、川﨑選手 84 % だった。しかし、
週間練習量を 5 週間にわたり比較すると、大会 4
週前と 3 週前に性差はほとんどなかった。この結
果、女子選手 2 人の起床時心拍数と体温が終始高
位置に分布した理由は、男子と一時期同程度の練
習量を行っていのが原因と考えられる。
4)荒井選手の 50kmW レース前の練習量を観察し
た。大会 2 週間前の1日は完全休養し、それから
12 日 間 に 合 計 107km、1 日 平 均 8.9 ± 3.7 km の
練習によって本大会を迎えていた。この間の起床
時心拍数と体温は、練習量の多い他の選手と比較
して、荒井選手の心拍数、体温の低さは際立って
いた。
5)森岡選手の近年の成績ならびに本大会前の練習
量を観察した。森岡選手は 2010 年 11 月に広州ア
ジア大会で自己最高記録を出し、翌 2011 年 4 月
- 95 -
の日本選手権でも再び自己最高記録を更新した。
また 2011 年 9 月 3 日の本大会では、前 2 大会を
補間するような記録だった。ところがこの 3 大会
の前にそれぞれ行われた 6 週間の練習量をみる
と、練習量が少ない方が 50 kmW における記録は
よい傾向が認められた。
6)男子 3 選手(森岡、谷井、荒井)の本大会前 2
週間の練習量と自己最高記録に対する本大会 50
kmW 記録達成率の関係を観察した。その結果、
レース前 2 週間の練習量が少ない方が自己最高記
録の出る確率が高くなる可能性が示唆された。
7)荒井選手の国際大会初参加で自己最高記録に象
徴されるような事例に習って、今後日本代表選手
一人ひとりが、大会前 2 週間の練習量の配分をど
のようにすべきか、検討すべきである。
8)本大会では、レース後の体重減少が顕著であっ
た。森岡選手は大会当日の朝の体重は 66.70 kg
であったが、大会翌日(1 日後)は 65.85 kg ( 大
会当日を 100 % とした場合の減少率は -1.3 %)、2
日後 65.60 kg (-1.7 %)、3 日後 65.35 kg (-2.1 %) を
示した。このように、レース後 3 日間は全く練習
をしていないのに、体重が減り続けていた。今後
はレース後の体重の早期回復のために、医務室に
おいて点滴やそれと同等の水分補給に効果のある
経口補水液(例:OS-1)の供給を受けるなどの
取り組みが必要である。また、今後は強化合宿中
のトレーニングする環境に於いても給水条件を整
える事が必要である。
Ⅴ あとがき
本報告のために多大なご協力をいただき、ご苦労
をかけた関係者の皆様、選手の方々に、心より感謝
の意を表します。
Ⅵ 参考文献
1) 井本岳秋ほか:2008 年 第 29 回北京オリンピッ
ク大会に出場した競歩種目日本代表選手のコン
ディショニングについて.陸上競技研究紀要 5:
71-83,2009
2) 月 刊 陸 上 競 技( 講 談 社 ).45(9),190-194.
2011
3) 井本岳秋ほか:2009 年 第 12 回世界陸上競技選
手権ベルリン大会に出場した競歩種目日本代表選
手のコンディショニングについて.陸上競技研究
紀要 6:91-101,2010
- 96 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,97-100,2012
Vol.8,97-100,2012
女子マラソン代表選手のコンディショニングサポートについて
杉田正明1) 松尾彰文2) 長沼祥吾2) 高林俊幸3) 河野 匡4) 武冨 豊5)
林 清司 6) 山下佐知子 7)
1)三重大学 2)国立スポーツ科学センター 3)筑波大学 4)大塚製薬 5)天満屋
6)ダイハツ 7)第一生命
はじめに
1968 年メキシコオリンピック以来の日本陸連と
しての高地トレーニングは、1990 年代初期に中国・
昆明、アメリカ・ガニソン、アラモサ、ボウルダー
などで長距離・マラソン選手を対象とした長期の強
化合宿が行われ、高地トレーニングが再開した。こ
の時、当時の陸連・科学委員長であった小林寛道先
生や川原貴先生(当時・東京大学)らが中心となっ
て、医科学スタッフが合宿に帯同するかたちでの本
格的な医・科学サポート活動の実施が、その後の競
技力向上に大きな貢献を果たしたといえる。それら
の取り組みは、今日までの長距離・マラソン・競歩
選手達のコンディションづくりのベースとなる基盤
となり、様々なノウハウとなって各チームなどで蓄
積されてきている。
一方、文部科学省により、2008 年からチーム「ニッ
ポン」マルチ・サポート事業が新規に立ち上がり、
充実したサポート体制が図られた。これは、ロンド
ンオリンピックでメダル獲得が有力視されるトップ
レベル競技者に対して、スポーツ医・科学、栄養学
等を活用した多方面からの専門的かつ高度な支援を
包括的に行う事業である。女子マラソンもその対象
競技として認定され、ロンドンオリンピックに向け
た様々な取り組みの中で、いかにして疲労状態を可
視化するかについての「コンディションチェック」
について、強化委員会女子マラソン部とともに、国
立スポーツ科学センター、筑波大学の関係者と一体
になって取り組んできた。
本稿では、ロンドンオリンピックに向けた主にコ
ンディショニングサポートの取り組みの一部を報告
する。
内容
対象は、ロンドンオリンピック女子マラソン代表
選手の重友梨佐(天満屋)、木崎良子(ダイハツ)、
尾崎好美(第一生命)の3選手であった。
マルチサポート事業としてのコンディショニン
グサポートは、2010 年度後半からスタートしたが、
後に述べるコンディショニングデータベースシステ
ムの項目の選定から始まり、実際に試用し、高地合
宿(ボルダー)でのサポート活動などを世界陸上テ
グ大会までの間に何名かの選手を対象にトライアル
として実施した。それらを踏まえてコンディショ
ニングデータベースシステムの入力項目を決定し、
ユーザーインターフェイスや使い勝手の改良・改善
が繰り返され、更に高地合宿等で行うサポート内容
が精査された。2012 年 3 月 15 日に代表選手(含補
欠選手)
、各チームの関係者、強化やサポートのス
タッフ関係者等が一堂に会したミーティングを NTC
で行い、ロンドンオリンピックに向けた日々のコン
ディショニングサポートが本格的にスタートした。
コンディショニングデータベースシステムの活用
コンディショニングデータベースシステムは、筑
波大学で開発されたシステムで、選手自身の日々の
トレーニングや体調、コンディションチェックの結
果を、監督らアクセス権を許可された者のみが小型
PC や ipad などの情報端末で、インターネットを介
してどこにいても確認することができるシステムで
ある。
システムの詳細については記載を省くが、毎日、
選手たちが入力した項目、内容については、以下の
通りである。主観による項目については、10 段階
評価とし、10 が最良を示すようにした。
起床時:就寝時刻、起床時刻、睡眠時間、寝付き、
- 97 -
図1 パルスオキシメータおよび脈波センサについて
寝起き、体重、基礎体温、疲労感、脈拍数、SpO2、
感想など
朝練習、本練習(午前、午後):天候、気温、湿度、
開始時刻、終了時刻、練習時間、練習強度、練習意
欲、達成度、走行距離、練習内容、感想など
就寝時:便通/状態、便通 / 回数、食欲(朝)
、食
欲(昼)、食欲(夜)、自信/安定感、マッサージ等、
痛み/張り、通院、感想
通院服薬:傷害/疾病、通院、服薬、部位、服用薬
日常コンディショニング:尿検査(尿比重、PH、蛋
白、糖、ケトン体、潜血、ウロビリノゲン、ビリル
ビン、クレアチニン(尿)、亜硝酸塩、白血球)など。
アスリートチェック:血液検査(赤血球、ヘモグロ
ビン、ヘマトクリット、網状赤血球、血清鉄、総鉄
結合能、フェリチン、白血球、CRP、総蛋白、アル
ブ ミ ン、 総 ―Chl 、HDL-Chl、LDL-Chl、 尿 酸、 ク
レアチニン、尿素窒素、GOT、GTP、γ -GTO、ALP、
TSH、CPK、LDH、テストステロン、NK 細胞活性、中
性脂肪、Trap-5b、Na、K)
試合/実施日:天候、気温、湿度、大会名、種目、
ラウンド、記録/トラック、記録/ロード、感想
上記の内容の数値情報は、期間(月単位)を指定
してグラフで見ることも可能なシステムであるた
め、選手はもちろんのこと、監督は日々のコンディ
ションの確認を選手と離れていてもどこにいても容
易に行うことができ、大変好評であった。筆者は、
このシステムにアクセスすることが許され、全選手
のデータを定期的に確認し、所属の監督に報告や連
絡を取るという体制がとられた。このシステムに
日々のコンディションデータを入力する 3 選手の手
間はかなり大変だったと思われるが、慣れれば何と
か問題ないとのことであった。こうしたデータベー
スが充実することは、大変意義深く、今後も項目を
精査するなどして継続することが望まれる。
合宿帯同時のコンディショニングサポート
高地合宿には、ボウルダー(2011 年 6 月)
、アル
バカーキ(2012 年 4 月)、フラッグスタッフ(2012
年 6 月)と計 3 回、国立スポーツ科学センターのス
タッフの協力を得て、支援活動を行った。
その際に、上記に示したコンディションチェック
の中で、起床時の脈拍数、動脈血酸素飽和度(SpO2)
は、日々の順化の程度やコンディションニングを知
る上で重要であった。これらはパルスオキシメータ
(図1)を用いて選手自身に計測してもらった。
高地順化の様子は、起床時の SpO2 や脈拍数の
毎日の水準等から知ることができる。高地到着後
の SpO2 は平地環境の値に比べ低値を示すが、個人
差も大きい。しかし、滞在の経過とともに徐々に
SpO2 の水準は増加がみられるのが一般的である。
もしこの値が、大きく低下するようであれば、疲労
回復の遅れを意味しており、トレーニングによって
生体にかかる負担度が大きいので、トレーニングの
時期、状況によっては内容や強度及び量を調節する
必要があるとされている。高地到着後の脈拍数は、
高い値を示すが、その後 3 〜 4 日間は徐々に低下を
示し、高地に順応するとともに減少するのが一般的
である。しかし、その後はトレーニングの内容等に
よって変動する。評価としての考え方としては、高
- 98 -
図2 ボウルダー合宿時(2011 年 6 月~ 7 月)の起床時データの一例
図3 自律神経活動量、脈拍数、体の動きからみた質評価
地において選手の体調が良好なときは、起床(安静) た。 こ れ は、 腕 時 計 型 脈 波 セ ン サ を 用 い て、CD
時の SpO2 は高く、心拍数は低いということである。 (ComplexDeModuration)法により、センサに内臓し
また、SpO2 /脈拍数は、高地での呼吸機能と循環
たマイコンで、リアルタイムに自律神経活動の評価
機能の両面を併せ持つ指標と考えることができ、こ
を可能とする脈波センサ(図1)である。この方法
の指標の低下は、1拍あたりの SpO2 の低下を意味
による計測は、心電図解析と同等精度で睡眠中の解
し、コンディションの低下を意味するものであり、 析が可能であることが報告されている。
評価の指標として有用である(図2)。
睡眠中に手首にセンサを装着するだけで睡眠中の
このように、起床時の脈拍数、SpO2 の計測値や
脈波を計測でき、自律神経活動量(交感神経、副交
尿検査などを日々の重要なコンディション情報とし
感神経)、脈拍数、体の動き、睡眠時間等から睡眠
て監督、コーチらにフィードバックを行い、データ
の質、量をある程度評価できるものである(図3)
。
と実際のトレーニングの状況や選手の状態などを突
選手は、就寝前にセンサを手首に装着し、センサの
き合わせながら、これらの理解を深めることができ
スイッチを入れてもらうのみで計測ができ、翌朝、
た。
PC に接続してデータを転送すれば、図4、図5の
ような結果が得られ、日々の睡眠の状態からトレー
睡眠時の自律神経
ニングや時差の影響を推し量る試みを行うことがで
睡眠中の自律神経の活動状態を計測できる機器
きた。さらに、他のコンディションデータとの突き
を(株)デンソーと共同開発し、合宿中に活用し
合せを行うことで、選手の状態をより詳しく知るこ
- 99 -
図4 ある選手のある日の脈波センサの解析事例(アルバカーキ , 2012.4.6)
図5 ある選手の長期にわたる脈波センサの解析事例(ボウルダー , 2011.6.15-7.1)
とができた。
これら以外にも筑波大学で開発された装置を用い
て、唾液中の分泌型免疫グロブリン(SIgA)から全
身の疲労状態を、呼気中の一酸化窒素から気道の炎
症の度合いを計測したり、ヒートショックプロテイ
ンを用いたコンディションづくりを取り入れる等、
新たな取り組みもいくつか実施した。いかにして疲
労状態を可視化するか、そしていかに回復させるか
に主眼を置いたコンディショニングサポートであ
る。
これらは、狙った時期にいかに良好なコンディ
ショングを維持させるかという点と、追い込んだト
レーニングを行っている鍛錬期にどのような項目が
どうなるのかを把握するという点で、選手、所属チー
ムおよび関係者にとって意義深いトライとなった。
次のリオに向けて、今後も継続した更なる取り組み
が期待されるところである。
最後に、ロンドンオリンピックに向けたこれらの
取り組みにご協力、ご尽力いただきました選手、ス
タッフ、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
- 100 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,101-104,2012
Vol.8,101-104,2012
第 13 回 IAAF 世界陸上競技選手権大会
男女マラソン調査
谷崎智舟1) 青木拓巳1) 石井好二郎1)
1)同志社大学スポーツ健康科学部
Ⅰ緒言
Ⅱ方法
暑熱環境下では労働意欲が減退したり,作業効
率が低下することは日常経験することであるが,
スポーツについても例外ではない.環境温度がパ
フォーマンスに及ぼす影響を異なる運動強度ごとに
調べた先行研究 1) では,高強度の運動では気温の
影響は少なく,低強度,長時間運動ほど気温の影響
を受けることを報告している.したがって,持久的
なスポーツ種目であり,42.195km を走行しタイム
を競う競技であるマラソンは,暑熱環境の影響を強
く受ける.しかしながら,夏季オリンピック(以
下,五輪)や世界陸上競技選手権(以下,世界陸上)
などの世界大会は夏季に行われ,暑熱環境下でマラ
ソンが実施されている.国際陸上競技連盟(以下,
IAAF)は WBGT(Wet Bulb Globe Temperature: 湿
球黒球温度)を用いた暑熱環境下でのロードレース
のリスクチャート 2) を発表しており,五輪や世界
陸上でのマラソンは過酷な環境下でのレースである
と理解される.
30 年間にわたるボストン・マラソンのデータで
は,最も記録の出やすい気象条件は気温 8℃を上
回らず,わが国のマラソンについて調べた例でも,
10℃前後で最高記録が出ており,20℃を上回るあた
りから急激に記録は低下している 3).また,WBGT
に対し,マラソンの記録低下を競技能力別に予測す
るノモグラムも作成されている 4).すなわち,レー
ス中の WBGT を計測し,記録の低下率を調査すれば,
暑熱環境下でのマラソン走行能力の優劣や対策を知
る一助となる.
本研究では,実際に世界陸上に赴き,レース中の
WBGT の計測,ならびにマラソンの記録の調査を実
施した.得られたデータを分析したところ,順位や
国・地域別によって暑熱環境下でのマラソンの記録
低下に興味深い結果が得られたので報告する.
(1)レース時の WBGT の測定
2011 年世界陸上競技選手権テグ大会で行われた
マラソン種目(女子 : 8/27,男子 : 9/4 男女と
も 9:00 スタート)を対象レースとした.測定場
所はスタート地点,5km 地点,10km,15km,20km,
25km,30km,35km,40km,フィニッシュ地点の各地
点で,先頭通過時刻に合わせて,WBGT,気温,相対
湿度,黒球温を WBGT 計(WBGT-103 ならびに WBGT203,京都電子工業,京都)を用いて測定をした.
(2)当日のレース記録,パーソナルベストおよび
低下率
当日のレース記録およびパーソナルベスト(以下,
PB)は大会ホームページより調査した.
また,低下率は,レース記録から PB を減算したのち,
PB で除して求めた.
低下率(%)=(記録- PB)/ PB × 100
(3)統計処理
統計量はすべて平均値±標準偏差で示した.また,
1 位から 8 位の入賞者を対照群として,Dunnett 法
により 40 位までを 8 名ずつで区切ったグループと
比較した.有意水準は p<0.05 とした.
Ⅲ結果
(1)レース時の暑熱環境
表 1-A,1-B に本大会での観測地点と観測時刻,
WBGT,気温,相対湿度,黒球温を示した.また,図
1 は観測地点と WBGT の変化を示した図である.男
女ともにレースが進むにつれて WBGT の上昇がみら
れた.女子の WBGT の平均は 25.02 ± 1.21℃であり
男子の平均は 23.36 ± 1.10℃であった.
- 101 -
表1− A 女子マラソン測定地点の気象状態
START
FINISH
図1 テグ世界陸上マラソン時の WBGT
表 1 − B 男子マラソン測定地点の気象状態
表2− B 男子マラソンレース結果 ,PB, 低下率
表2− A 女子マラソンレース結果 ,PB, 低下率
(2)当日のレース記録低下
表 2-A,2-B に選手のレース記録,PB,その差,
低下率をまとめた.夏季世界陸上ということもあり,
シーズンベスト(SB)や PB で走る選手は全体の 3
割程度であり,ほとんどの選手の試合結果は PB よ
り低下していた.
また,男女の入賞者のレース記録を競技能力別に
予測するノモグラムに照らし合わせた結果を図 2 に
示した.女子は 2.88 ~ 5.65% の低下率であり,男
子は 1.59 ~ 4.92% の低下率であった.
(3)順位グループ別の記録低下率
- 102 -
表3- A 女子マラソン団体戦上位 4 カ国の上位3
名の競技記録および低下率
図2 男女入賞者のレース記録低下率
(Ely et al4) の図に加筆・改変)
1
2
3
2:28:43
2:29:00
2:29:14
2:28:59
0:00:16
5.65
4.26
4.57
4.83
0.73
2:29:58
2:30:25
2:31:11
2:30:31
0:00:37
4.18
2.88
2.97
3.34
0.73
2:29:21
2:31:22
2:31:37
2:30:47
0:01:15
4.33
5.14
6.72
5.40
1.22
2:29:35
2:30:52
2:32:31
2:30:59
0:01:28
3.77
4.42
6.28
4.82
1.30
表3- B 男子マラソン団体戦上位 4 カ国の上位3
名の競技記録および低下率
図3- A 世界陸上テグ大会女子マラソンにおける
順位グループ(8 位毎)の記録低下の比率
図3- B 世界陸上テグ大会男子マラソンにおける
順位グループ(8 位毎)の記録低下の比率
1
2
3
2:07:38
2:10:06
2:11:39
2:09:48
0:02:02
2.05
3.90
3.42
3.12
0.96
2:11:52
2:13:10
2:16:11
2:13:44
0:02:13
1.89
2.82
5.88
3.53
2.09
2:10:55
2:13:24
2:17:59
2:14:06
0:03:35
2.64
5.21
5.95
4.60
1.74
2:15:45
2:17:35
2:21:12
2:18:11
0:02:46
1.77
4.37
4.80
3.65
1.64
上位 3 名の低下率を示した.女子ではケニアと日本
が同程度の低下率であったが,PB の優れているケ
ニアチームは団体金メダルを獲得した.銀メダルは
低下率の低い中国が入り,銅メダルは日本チームよ
り大きな低下率を示したもののエチオピアが入っ
た.一方,男子では,日本チームは銀メダルであっ
た.ケニアチームは日本チームより低い低下率(平
均 3.12%)を示し,PB も優れていることから,日本
チームに約 4 分差をつけ,断突の団体金メダルで
あった.
Ⅳ考察
Dunnett 法を用いて検定した結果,男子では,入
賞群と比較し, 25 位から 32 位グループ(p<0.05),
33 位から 40 位グループ(p<0.01)に有意な低下率
が認められた(図 3-A).一方,女子では,入賞者
群と他の順位グループの間に差は認められなかった
(図 3-B). (4)国別の記録低下率
表 3-A,3-B に男女団体上位 4 カ国のレース記録
今回の世界陸上マラソンは 2007 年の大阪世界陸
上ほどの暑熱環境 5) ではなく,北京五輪男子マラ
ソンと近い環境(WBGT: 21.4 ~ 26.9℃)6) で実施
された.
入賞した選手上位 8 名の低下率を,マラソンの記
録を競技能力別に予測するノモグラムに照らし合わ
せた(図 2)
.男女とも予想される値から,低下率
が高い選手と,低い選手が存在し,低下率が高くて
- 103 -
も,上位に入賞している選手がいた.これは,PB
が速いためである.今回女子マラソン団体で平均の
低下率がケニアと日本で同程度だったにも関わら
ず,優勝と 4 位という結果になったのもこのためで
ある.如何に低下率が低くても PB が遅いと上位入
賞に絡むことは困難となる.
また,入賞者群と順位グループ別の記録の低下率
を比較した(図 3)
.その結果,女子マラソンは有
意な差が認められず,女子では低下率があまり変わ
らないことが明らかとなった.したがって,女子は
自身が持つ競技力がそのまま試合の結果につながっ
たと考えられる.一方,男子マラソンは入賞者群と
25 位から 32 位グループ(p<0.05),33 位から 40 位
グループ(p<0.01)に有意な低下率が認められた.
9 位~ 16 位グループ,17 位から 24 位グループでは
差は認められず,低下率が高い場合は順位が下がり,
低下率が低く,かつ競技力が高いほど上位入賞に近
づくという結果であった.
マラソン大国として知られる日本であるが,過去
の世界陸上,五輪等でのレース記録を見てみると,
2000 年アテネオリンピックで金メダルを獲得した
高橋尚子選手,2005 年ベルリンマラソンで当時世
界新記録を出した野口みずき選手,2007 大阪世界
陸上では男子 3 名が入賞するなど,世界大会で結果
を残してきた選手を数多く輩出してきた.また,伊
藤 3) は,過去の日本のトップランナーである高橋
選手の暑熱環境下での記録低下率は 1.3%(2 時間
21 分 47 秒;バンコクアジア大会 気温 30℃)と非
常に小さいことを報告している.今大会で入賞した
堀端選手と日本人 2 位の中本選手の低下率は 1.89%
と 2.82% であり,男子選手全 51 名と比較すると 6
番目と 11 番目の低下率の低さであった.女子マラ
ソンでは低下率に有意差は無かったが,入賞した赤
羽選手は 3.77%であり,女子選手全 46 名で 12 番
目の低下率だった.
近年の五輪と世界陸上のマラソン結果を調べる
と,男子ではメダル圏内のレース記録は 2 時間 10
分以内,女子では 2 時間 28 分以内が必要である.
WBGT を 25℃と仮定すると男子約 3%の低下率,女
子約 4%であり,男子は約 2 時間 6 分の PB,女子で
は約 2 時間 22 分の PB が必要となってくる.今回参
加した日本チームでこの記録を突破している選手は
おらず,日本人トップだった堀端選手の PB は日本
マラソンの歴代記録としては 47 番目,女子でトッ
プだった赤羽選手は歴代 14 番目であった.日本マ
ラソンの競技力自体のレベル低下が,今回の入賞者
二人という結果につながったのも一因にあると推察
される.したがって,暑熱環境下のレースは,ある
程度の PB を持ち,暑熱耐性を高めることが記録向
上や上位入賞につながると示唆される.
参考文献
黒田善雄ら : 環境温度と持久性運動に関する研究 =
Ⅰ = 環境温度が持久性運動に及ぼす影響 . 昭和
46 年度日本体育協会スポーツ科学研究報告 No.
V, 1973.
Roberts WO: Medical management and
administration manual for long distance road
racing, IAAF Medical Manual for Athletics
and Road Racing Competitions: a Practical
Guide. Monaco, Brown CH, Gudjonsson B, eds,
International Association of Athletics
Federations, 39-75, 1988.
伊藤静夫 : 高温環境がパフォーマンスに及ぼす影
響 . 臨床スポーツ医学 19: 749-756, 2002.
Ely MR, et al. : Impact of weather on
marathon-running performance. Med Sci Sports
Exerc, 39: 487-493, 2007.
石井好二郎ら : 大阪世界陸上ロード種目における
暑さ対策サポート活動 . 陸上競技研究紀要第 ,
4: 89-90, 2008.
石井好二郎 : 北京オリンピック男子マラソンレー
ス時の暑熱環境の分析 . 陸上競技研究紀要第 ,
5: 86-88, 2009.
- 104 -
公益財団法人日本陸上競技連盟
陸上競技研究紀要
Bulletin of Studies
in Athletics of JAAF
第8巻,105-108,2012
Vol.8,105-108,2012
2011 年北海道マラソンにおける上位入賞選手のスペシャルドリンク調査
瀧澤一騎 1) 柴田啓介 2) 石井好二郎 3)
1)北海道大学 高等教育推進機構 2)北海道大学大学院 教育学院
3) 同志社大学 健康スポーツ健康科学部
緒言
ンクの内容物や容器について調査した.
例年 8 月下旬に行われる北海道マラソンは,国内
外のトップクラス選手も参加する暑熱環境下でのマ
ラソン大会である.暑熱環境下におけるマラソン
では,寒冷環境下で行われる大会と比較して多量
の発汗が起こるために給水がパフォーマンスに与
える影響は大きくなる.身体の約 60%は水分で構
成されており,その 2%以上の脱水で持久性運動の
パフォーマンスは低下するとされている(川原ら,
1994).したがって,走行中に水分補給を行い,脱
水によるパフォーマンス低下を防ぐ必要がある.し
かし,水だけを補給した場合には体液の希釈が起こ
り,体内の電解質濃度を保とうとする働きによりさ
らに体水分が排出され,却って脱水を引き起こす可
能性がある(Sawka et al. 2007).故に,暑熱環境
下でのマラソンにおいては水分補給と同時に電解質
の補給も必要となる.
また,マラソンでは後半の走速度低下を防ぐため
に糖質などのエネルギー源補給が重要となる.しか
し,レース序盤から糖濃度の高い飲料を摂取すると,
血糖値の上昇によってインスリンが放出され,血糖
値の低下につながる可能性がある(伊藤,2001).
さらに,飲料の胃内通過速度は糖濃度が高いほどが
遅く,レース後半では糖濃度の高すぎる飲料は吸収
に時間がかかってしまうためにパフォーマンス低下
につながることも考えられる(Costill, 1974,伊藤,
2001).
暑熱環境下におけるマラソンでは,上述したよう
な条件を鑑みて給水戦略をとるべきである.我々は
2010 年の北海道マラソンにおいて,スペシャルド
リンク提出選手の水・電解質・糖質の濃度を調査し
た.本研究では 2011 年北海道マラソンにおいても
引き続いて水分や電解質,また糖質補給にどのよう
な工夫を行っていたか,提出されたスペシャルドリ
Ⅱ.対象と方法
1.対象
調査の対象は 2011 年 8 月 28 日に開催された北海
道マラソンにおいて,スペシャルドリンクの提出を
行い,調査の内容に同意の得られた 73 名(男子選
手 47 名,女子選手 26 名)のうち,10 位までに入
賞した選手とした.なお,スペシャルドリンクはマ
ラソン開催日の 8 時から 9 時半までにスタート地点
近くの受付所へ使用するスペシャルドリンクを飲食
物内容証明書と共に提出することとなっていた.
2.内容物の調査
スペシャルドリンクの内容物については,「飲食
物内容証明書」に記載された内容とした.また,容
器については提出されたスペシャルドリンクの写真
を撮影し,後にその外観から判断した.
Ⅲ.結果
1.気象状況
大会公式記録によればスタート時点の天候は晴
れ, 気 温 は 28.9 ℃, 湿 度 40% で あ っ た. こ の 気
温と湿度は,日本体育協会における熱中症リスク
チャート(川原ら 1994),によると,熱中症の警戒
レベルとされる.また,同日の札幌管区気象台にお
ける観測値では,12 時 10 分の気温は 28.5℃,相対
湿度 41%,北北西の風 2.2m であった.なお,同デー
タによると,スタートから 1 時間後の 13 時 10 分は
気温 29.3℃,相対湿度 41%,北西の風 2.8m であり,
スタートから 2 時間後の 14 時 10 分は気温 28.3℃,
相対湿度 44%,北の風 4.8m であった.また,トッ
プ選手のフィニッシュに最も近い観測時点である
- 105 -
表 1-A. 「内容物証明書」に記載されていたスペシャルドリンクの内容物(5km 地点~ 20km 地点)
表 1-B. 「内容物証明書」に記載されていたスペシャルドリンクの内容物(25km 地点~ 40km 地点)
14 時 20 分では,気温 28.2℃,相対湿度 43%,北
の風 3.7m と報告されている.スタートから 1 時間
後までの日照時間は 60 分,スタート 1 時間後から
2 時間後までの日照時間は 36 分,スタート 2 時間
後から 3 時間後までの日照時間は 60 分であった.
2.記録
最も速かった選手は男子で 2 時間 14 分 10 秒,女
子で 2 時間 33 分 45 秒であった.また,上位 10 選
手の平均記録は男子で 2 時間 17 分 25 秒 3,女子で
2 時間 38 分 28 秒 1 であった.
3. スペシャルドリンクの内容物と容器
表 1 に,5km ごとのスペシャルドリンクの提出さ
れた内容物証明書に記載されていた内容物を示す.
なお,1 名に関しては同意を得られなかったため,
19 名分のデータとなる.内容物として最も多かっ
たのはスポーツドリンクであった.また,前半は茶
で後半にかけてスポーツドリンクに変えていく選手
や,徐々に糖濃度を高めていったと見られる選手も
いた.
容器の種類を分類した結果について,選手によっ
ては途中で種類を変える例や,1 ヵ所の給水地点で
2 つの容器を用いている例も見られた.最も多かっ
たのは調味料入れ(図 1)であり,男女 19 名中 7
名が使用していた.その他,スクイズボトル(6 名,
図 2),水差し(5 名,図 3)など,保温性のない容
器が大半を占めた.保温性のある容器としては魔法
瓶(図 4)を使っている選手が 5 名いた.
Ⅳ.考察
今回の調査において,最も飲用されていた内容物
はスポーツドリンクであった.これは 2010 年度に
行われた同じ北海道マラソンでの調査(瀧澤と石井,
2011)と同様の結果であった.スポーツドリンクに
は,汗とともに喪失する電解質も含まれている.ま
た,糖質も含まれていることから,後半に向けて糖
質補給を行う意味もあり使われていたと考えられ
る.2011 年の北海道マラソンにおいては,ゼネラ
ルドリンクとしてセイコーマート「スポーツドリン
クプラス」が用意されていたが,選手は飲み慣れた
- 106 -
図 1. 調味料入れの 1 例
図 3. 水差しの 1 例
図 2. スクイズボトルの 1 例
図 4. 魔法瓶の 1 例
ものを準備していたと考えられる.また,今回の調
査では自己申告の内容物調査であり,濃度について
は不明である.つまり,粉末状のスポーツドリンク
に関してはどの程度の濃度で作られていたか分らな
い.したがって,濃度に関しても飲みやすい,また
は飲み慣れた濃度に調整して提出されていた可能性
が考えられる.
選手によって内容物の嗜好が異なるため,全体の
傾向を示すことは難しいが,レースを通じて同じ内
容物を使い続けた選手は 19 名中 9 名であった.そ
の多くがスポーツドリンクを使用していたが,選手
Q は水のみを準備していた.レース中にドリンクを
変化させている選手の多くは,前半は糖濃度の薄い
水や茶,または経口補水液などを準備し,後半にか
けて糖の入ったスポーツドリンクや,または糖質補
給のためのサプリメントを準備していた.これは,
糖質由来のエネルギー供給が困難になるレース後半
において,スペシャルドリンクによってエネルギー
補給をするためと考えられる.レース前半から糖濃
度の高い飲料を摂取すると,インスリンが分泌され
るため糖代謝が亢進して脂質代謝が抑制され,グリ
コーゲン枯渇が早まりパフォーマンス低下につなが
る可能性がある(伊藤,2001).このことを考慮して,
レース中のドリンクを変化させること,とくに後半
にかけて糖濃度を高くすることは理に適っていると
考えられる.しかし,糖の濃度が高くなると胃から
腸への水分の移動に時間がかかるため,走行中の不
快感は増すことになる(Costill, 1974).中盤で糖
質補給のためのサプリメントを使用している選手
は,後半での水分吸収も考慮して早めに摂取してい
たのであろう.
容器に関して,上位入賞した男女各 10 選手では
1/4 の選手が保温性のある容器を使用していた.飲
料の胃内通過速度は温度が低いほど速いとされてお
り(Costill, 1974),また暑熱環境下におけるマラ
ソンでは冷却された飲料を摂取することで深部温を
下げ,熱による疲労を遅延させる可能性が指摘され
ている(Siegel, et al. 2010).故に,魔法瓶のよ
うな保温性の高い容器の使用は高パフォーマンス発
揮のために積極的に使用が勧められる.しかし,魔
法瓶はスクイズボトルや水差し,調味料入れなどと
比較して重量もあり,走行中の取扱が難しいという
- 107 -
欠点もある.また,今回の調査で男子選手はスクイ
ズボトルの使用が多かったが(10 名中 5 名),女子
選手はスクイズボトルの使用例は少なく(9 名中 1
名),調味料入れや水差しを使用する例が多かった
(調味料入れ:9 名中 4 名,水差し:9 名中 3 名).
これは,調味料入れや水差しはスクイズボトルと比
較して小さく,体格の小さい女子選手でも取扱が容
易であることも関係している可能性がある.この推
察から,一般的な魔法瓶を女子選手が使用するのは
多少困難も予想されるため,魔法瓶以外の保温性の
ある容器の検討を試みる必要があるかもしれない.
なお,本調査を行った 2011 年の北海道マラソンで
は,マラソン開催日の 8 時から 9 時半までにスター
ト地点近くの受付所に使用するスペシャルドリンク
を飲食物内容証明書と共に提出することとなってい
た.また,大会運営では提出から輸送,提供まで一
切保温されず,外気温に晒されている状態であった.
暑熱環境下におけるマラソンで好成績をあげるため
には,スペシャルドリンクの内容と共に飲料の温度
や容器についての戦略が必要となるだろう.
参考文献
Costill, D.L. (1974) Factors limiting gastric
emptying duringrest and exercise, J. Appl.
Physiol. 37: 679-683.
伊藤静夫(2001),スポーツ飲料の基礎,競技力向
上のスポーツ栄養学,トレーニング科学研究会編,
朝倉書店,東京,43-49.
川原貴 , 中井誠一 , 白木啓三 , 森本武利 , 朝山正
巳(1994),スポーツ活動中の熱中症予防ガイド
ブック,財団法人日本体育協会.
Sawka, M.N., Burke, L.M., Eichner, E.R.,
Maughan, R.J., Montain, S.J., Stachenfeld,
N.S. (2007) American College of Sports
Medicine position stand. Exercise and fluid
replacement , Med. Sci. Sport Exerc. 2007,
39: 377-390.
Siegel, R., Mate, J., Brearley, M.B., Watson,
G., Nosaka, K., Laursen, P.B. (2010) Ice
slurry ingestion increases core temperature
capacity and running time in the heat. Med.
Sci. Sport Exerc. 42: 717-725.
瀧澤一騎,石井好二郎(2011),2010 年北海道マラ
ソンにおけるレース中の給水(スペシャルドリン
ク)調査.陸上競技研究紀要,7:55-60.
- 108 -
陸上競技研究紀要 第 8 巻 編集後記
平成 24(2012)年度「陸上競技研究紀要」第 8 巻をお届けします。本号は、原著論文 1 編、
資料1編と「日本陸連科学委員会研究報告」の論文 14 編から構成されています。このところ
の傾向ではありますが、一般投稿論文が少なく、まずは投稿が活発になることを期待します。
一方、科学委員会研究報告では、2011 年テグ世界選手権をはじめ国内外の競技会における一
流競技者の特性やパフォーマンスが解析され充実した内容になっています。こうした最新の
データや知見は、必ずや現場の指導で役に立つでしょう。是非、ご一読の上参考にして下さい。
さて申し遅れましたが今回の編集後記を担当した著者は、この度、平成 24 年度に改選され
た日本陸上競技連盟陸上競技研究紀要編集委員会の委員長を拝命致しました。これまでの本紀
要が積み上げてきた成果を尊重し、その流れを絶やすことのないようにつとめて行きたいと
願っております。読者の皆様のご支援、そしてご叱正を何よりの拠り所にして行く所存です。
ひるがえって、国内外のスポーツ競技団体でこのような学術雑誌を刊行する例はそれほど多
くないと思います。陸上競技では、国際陸上競技連盟の発刊する New Study in Athletics な
どが特筆すべき事例と言えましょう。
むろん、よき手本としつつもこれを直ちに模倣するのではなく、我が国陸上競技界の事情に
応じた企画が必要なことは言うまでもありません。競技団体が出す学術誌には、自ずと既成の
学術団体のものとは違った味があるはずです。これまでの本誌「陸上競技研究紀要」を紐解い
ても、そうした味が有形無形に込められています(ときに隠し味になって)
。それを財産とし
て継承しつつまたひと味違う Something Else を創り出したい、新編集委員会ではそうしたこ
とが話題になり検討されています。そしてなにより、読者からのアイディアを是非反映させた
いと願っています。本誌へのご意見、ご希望が多数寄せられますことを切に望みます。
2012 年 10 月 1 日
文責 伊藤静夫
陸上競技研究紀要第8巻 編集委員会
伊藤静夫(編集委員長)、榎本靖士(編集副委員長)、尾縣 貢
高松潤二、森丘保典、青山清英、高橋義雄、桜井智野風、安井年文、眞鍋芳明
(日本陸上競技連盟・事務局)森 泰夫、佐藤峻一、額田 潤
「陸上競技研究紀要」第 8 巻
2012 年 11 月 1 日発行
発行人 尾縣 貢
発行所 公益財団法人日本陸上競技連盟
〒 150-8050 東京都渋谷区神南 1-1-1 岸記念体育会館内
TEL:03-3481-2300