ビジネス航空の現状と課題

JBAAプレゼンテーション資料
ビジネス航空の現状と課題
日本ビジネス航空協会(JBAA)
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0.目次
1.ビジネス航空(ビジネス機)とは
2.ビジネス航空で使用されるビジネスジェット機のク
ラスと代表的な機種
3.ビジネス航空の運航及び利用形態
4.ビジネス航空業界を取り巻く状況
4-1 世界におけるビジネス航空の運航実態
4-2 日本におけるビジネス航空の運航実態
4-3 取り残されていく日本
5.日本は何故世界から大きくかけ離れたか
6.今後取り組むべき課題は
1.ビジネス航空(ビジネス機)とは
ビジネス航空とは一般的には、「企業、団体
あるいは個人が、そのビジネス遂行上の手
段として航空機を用いて行う貨客の輸送」を
意味する。
ビジネス機(ビジネス航空機)とは、通常 「ビジ
ネス航空で使用される航空機、すなわち軍用機
及びエアライン機を除くすべての航空機中、企
業・団体又は個人がビジネスの遂行のために使
用する航空機」の事を言う。
その代表がビジネスジェット機である。
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2.ビジネス航空で使用されるビジネスジェット(ターボ
ジェット機)のクラスと代表的な機種
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3.ビジネス航空の運航及び利用形態
 ビジネス航空は、
①利用者が自ら所有する自家用機を使用して行うもの、と、
②利用者が自己の目的のために個別に事業用機をチャーターして行うもの
(オンデマンドチャーター)、に二分される。
 さらに所有形態等により以下のように分類される。
表 : ビジネス航空の分類
運航種類
機体所有形体
機体所有者
備考
個人
単独所有
企業(法人)
コーポレートオペレーション
分割所有
個人又は企業
(法人)
フラクショナルオーナーシッ
プ等
運航会社の所有
又はリース
運航会社
又はリース元
オンデマンドチャーター
自家用運航(無償)
商用運航(有償)
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3.ビジネス航空の運航及び利用形態 - 続き
利用形態(利用方法)としては以下が存在する。
 日本国籍で航空機を保有し使用する
 日本国籍で航空機を分割所有し、共同使用する
 日本国籍の航空機を日本の運航会社からチャーターして使用
する
 外国籍(たとえば米国籍)で航空機を保有し使用する
 外国籍で航空機を分割所有し、共同使用する
 外国籍の航空機を日本の会社からチャーターして使用する
 外国籍の航空機を外国の会社からチャーターして使用する
それぞれ一長一短がありもっとも自分に適した方法で使用するのが得策
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4.ビジネス航空業界を取り巻く状況
4-1 世界的に見たビジネス航空の現況
4-2 日本におけるビジネス航空の現況
4-3 取り残されていく日本
4-1.世界におけるビジネス航空の運航実態
 欧米では、前述の色々な利用方法を駆使して、すでに欠くこと
のできない有効なビジネスツールとして、発展、定着している
 ビジネス航空機(タービン機)の保有機数は、世界全体で
約29000機(内ターボジェット17000機、ターボプロップ12000
機)、その内北米が、約20000機、欧州が約4000機であり欧米
では頻繁に利用されている。特に近年EUにおける増加が著し
い
 欧米以外でも、ブラジル、中国、インド、中東等でも急速に伸び
ており、シンガポール、香港等もその対応を急いでいる
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4-2.日本におけるビジネス航空の運航実態
 日本籍のビジネス航空機の保有機数は 55 機
 2009年日本の空港を利用したビジネス機の機数とその総着陸回数は、
日本籍機 55機
5661回
外国籍機 740機 1980回
◆ 外国籍機の飛来も、近年増加傾向にあるとはいえこれ又日本の経済規模に
比してきわめて少ない
 日本の空港における日本籍機、外国籍機の着陸回数は下表の通り
日本国籍ビジネス機国内主要空港着陸回数
空港名
松本
名古屋小牧
八尾
羽田
庄内
鳥取
高松
旭川
2009年
813
685
511
424
377
368
269
182
外国籍ビジネス機国内主要空港着陸回数
空港名
成田
関西
羽田
千歳
名古屋小牧
2009年
771
284
224
160
75
(注1) 左記日本籍機の数字には某大手精密機械メーカーによる、地方
空港間(本社-地方工場間)の保有機によるほぼ定期的な運航
等が含まれている。
(注2) 上記外国籍機の数字には外国籍機(事実上自社保有機)による
某大手自動車メーカーの本社-外国間の運航等が含まれている。9
4-3 取り残されて行く日本
・ ビジネス航空の活用に関し一人日本だけが
取り残されている(桁が違う)
・ 世界のグローバル企業の多く(最近は中国
等の新興国の企業も)がビジネス航空を活用
し、その活動を迅速、活発化させている
このままでは日本企業そして日本経済の国
際競争力低下が懸念される
5.日本は何故世界から大きくかけ離れたのか
首都圏空港におけるビジネス航空用発着枠の大幅な欠如
ビジネス機にとっては厳しすぎる航空規則(規則の未整備)
地方空港を含めた、日本の空港におけるビジネス航空受け入れ支援体制、
施設の未整備
ビジネス航空への理解不足
日本人の感覚、意識
時間価値への考えの欧米との差
地理的環境、他の交通機関の発達
価格
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6.今後取り組むべき課題は
日本ビジネス航空協会としては、それらの中でも特に以下4項目について現在
重点的に対応を行っている。
課題1.
首都圏空港におけるビジネス航空用発着枠の増加
課題2.
ビジネス機にとっては厳しすぎる航空規則の緩和
課題3.
地方空港を含めた、日本の空港におけるビジネス航空
受け入れ支援体制、施設整備の推進
課題4.
ビジネス航空への理解の促進
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課題 1 :首都圏空港におけるビジネス航空用発着枠の増加
日本におけるビジネス航空発展の大きな阻害要因の一つが、
首都圏空港におけるビジネス航空用発着枠の不足
羽田、成田両空港におけるビジネス航空用発着枠の大幅増
(総発着数の少なくとも羽田は3%、成田は1%(発着枠30万
回への増加が実現した場合は3%)をビジネス機に)及び
運用制限の緩和を要望
羽田、成田両空港に加え新たな空港(現行の軍用空港を含む)
のビジネス航空への開放を要望
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課題 2 :ビジネス機にとっては厳しすぎる航空規則の緩和
日本における商用運航に関する航空法、規則類の体系は、
大型機による定期運航を中心に整備されてきたため、ビジネス
航空用の法、規則類が未整備
不必要に厳しすぎる大型機、定期運航の規則類(運航・整備
基準、運送事業参入基準等)が小型機(ビジネスジェット機)に
よる商用運航(オンデマンドチャーター運航等)にも適用されること
になり負担大
米国等先進諸外国並の法、規則類の整備及び緩和、手続き
の簡素化等が必要
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課題 3 :地方空港を含めた、日本の空港におけるビジネス
航空受け入れ支援体制、施設整備の推進
日本の空港は羽田、成田だけでなく地方空港も含めて基本的
には大型機による定期航空用にできており、ビジネス航空にとって
は不便
旅客移動パスの改善、ビジネス航空用スポットの新増設、FBO
(Fixed-Base Operation)設置、CIQ対応等さらなる改善、充実
が必要。
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課題 4 :ビジネス航空への理解の促進
今後のさらなる発展には、ビジネス航空の世界における実態、そ
の有用性等ビジネス航空についての理解を広めていただくことが
重要
ご理解、ご支援をお願い致します。
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