平成25年10月号

はなみずきだより
1
No. 5
武蔵野市立第四小学校
校長
河村祐好
はなみずき学級
平成 25 年 9 月 30 日
子供たちの輝く笑顔
武井 麗生
教師を志して14年。憧れ続けた環境に身を置き、毎日無我夢中で過ごしているうちに半
年が経ちました。
ある曜日の3人の子供たちは、模造紙1枚に一緒に絵を描く活動に取り組みました。この
活動では、
.
① 人と一緒に活動することの楽しさを感じる
② 自分と相手の思いの折り合いをつける
③ 気持ちを相手に伝えて活動できる
という3つの主なねらいを達成することを目指しています。
A さんと B 君は、自分の得意な絵を合わせた作品にしようと活動を始めました。次の週
から参加した C さんは、一緒に絵を描きたくてもなかなか言葉で伝えられません。指導者
が、「C さんも描きたいんじゃない。」と言うと、B 君は「この絵は2人で描きたい。」と言
い、A さんは良い解決策が思いつかずに泣き出してしまいました。そこで、指導者が「先生
も描きたいのだけれど、どこなら描いてもいいかな。」と尋ねて活動に加わりました。そう
していると、B 君が「C さん、ここを描いてくれるかな。」と言って C さんを誘ってくれま
した。初めのうちは納得していなかった A さんも、皆で活動する雰囲気が楽しくなってき
たのか、次第に C さんと一緒に楽しそうに絵を描くようになりました。3人の笑顔が増え
るにつれて、3人の会話が聞かれるようになり、互いに絵のことを話し合いながら作品を完
成させることができました。その絵は決して一人の力では完成させられないもので、その絵
を前にしたときの3人の笑顔はそれまで見たこともない程に輝いていました。私はその笑顔
を見て、改めて「教師になってよかった。」と感じました。
誰かと一緒に何かをやり遂げる、それが子供たちの大きな喜びになったのでしょう。楽し
さの中に学びがあり、達成感から笑顔があふれたのだと思います。
これからも、この「子供たちの輝く笑顔」が見られるような、指導・支援を行っていきま
す。
10月11月の予定
10月15日(火)
~
11月
10月21日(月)
保護者学習会
11月16日(土)
土曜教室
保護者面談
8日(金)
☆保護者面談☆
10月21日(月)
~
10月25日(金)
連絡ファイルにて日程をお伝えしています。ご確認ください。
授業参観
☆授業参観☆
期間中、いつでも公開しています。ぜひご参観ください。
※10月24日(木)は就学児健診のため、午後の通級はありません。あらかじめご了承ください。
絵手紙を描きます
11月25日(月)から、武蔵野市役所で作品展が開催され
ます。今年度も、はなみずき学級からは、午前4時間通級し
ている子供を対象に「絵手紙」を出展します。制作期間は、
10月8日(火)から10月11日(金)です。絵手紙用の
絵具を使用しますので、制作期間は汚れてもかまわない服装
にしてください。
前期(4月~9月)までの月曜日の活動
9 月の朝・帰りの会、給食の活動
月曜日に通級してきているのは、家庭・学
校・地域で、
「自分の特性を自覚し、得意・で
きることを伸ばしながら、苦手な分野や困り
感を自力で何とかする」ことが、ほぼできる
一歩手前の子供が学ぶ集団です。1 学期には
一人が退級し、2 学期の目標として退級宣言
をした子供が5人います。
小集団課題では、学校生活について話した
「今日の日直、君に頼みたいんだけど、い
いかな?」9 月の朝・帰りの会は、高学年
の子供たちへの突然の声かけから始まりま
した。「私やる!」「いいよ!」と笑顔で即
決する一方で、
「えー。ちょっと…。」
「ムリ
ムリ!できない。」と、尻ごみする顔ぶれも
いて、曜日毎に違う空気感がありました。
それでも、誰かが口火を切って 2 学期の
り友達から意見や感想を聞いたりする場面を
作っています。運動会やセカンド・スクール
等の経験を通し、他者への思いやりを示す言
動が出せるようになった子供がいます。
また、全員で活動内容について相談し、活
動リーダーを決め、チームゲームをする課題
も毎回設定しています。自分を主張する一歩
と相手を認める一歩が交錯する場面がありま
す。大人は専ら課題設定のためにまぜっかえ
やり方を示すと、次の週からは「今日はや
る!」と続くものが出てきます。途中で先
生が手順にない声かけをしたり、意図的に
違う話に脱線したりしても、過剰に怒った
り固まったりして止まることなく、会は進
行しています。
給食では、手分けして配膳することを始
めました。特に低学年は手元も足元も大変
心もとないですが、お玉・トングやお椀の
し、子供たちが状況を収拾する場面を展開し
ています。
使い方を真剣に習っています。
夏休み前に取り組んだマットへの倒れ込
み動作を応用し、フラッグキャッチに挑戦し
ています。以前の倒れ込みで、AさんとBさ
んは怖くて眉が下がっていました。フラッグ
キャッチでは、大人が助走して滑り込むやり
方と、立ったまま跳び込む取り方のモデルを
提示し、自分ができるやり方を選べるよう設
定しました。以前は跳び込んだ際に背中が反
っていたAさんですが、安全に跳び込み両手
で顔を守りながら、フラッグ代わりの三角コ
ーンを手に、「やったね!」と満面の笑みを
見せます。
Bさんは、マット近くのスタートラインを
選択しました。すると、以前は怖くてできな
かった倒れ込み動作ができ、背と腹部に力を
入れ、身体をまっすぐに保
ちながらしっかりとコーン
をキャッチできました。
コーディネーショントレーニングを通し
て、相手のリズムや動きを感じ意識すること
で、自分の身体を思い通りに動かせるよう指
導しています。
大人と子供が両手をつないでペアになり、
9月運動の活動報告
ボールを投げたりキャッチしたりする
には目と手の協応が必要です。ボール運動
では、自分でボールを投げてキャッチする
練習をするコースと、先生と向き合ってお
互いにボールを投げたりキャッチしたり
するコースに分かれています。ボール運動
が苦手な C さんは、自分でボールを投げ
てキャッチするコースを練習しています。
C さんはキャッチしようとするのですが、
ボールの動きと手の動きのタイミングが
合いません。「ボールをずっと見ていてご
らん。」と言い、ボールを投げる時は「ポ
ーン」、手を出すタイミングを「キャッチ」
と言いながら、声をかけていきました。3
分くらい繰り返した頃でしょうか。「キャ
ッチ」の声と同時に手が出て、しっかりと
ボールをキャッチする
ことができたのです。と
びきりの笑顔が素敵で
した。
大人がジャンプするリズムに合わせる「両手
ジャンプ」をしました。D 君は相手意識が低
く、自分のリズムでしか跳べませんでした。
相手を意識させたところ、大人が意図的にリ
ズムを変化させても息のあったジャンプが
でき、徐々に笑顔になり自分たちに拍手をし
ていました。この他にも、様々な活動に取り
組むことで、相手の動きに合わせる楽しさを
感じながら、自分の身体の動かし方(力の加
1学期に取り組んだマットへの倒れ込
みに横に走るという動きを加えたフラッ
グキャッチ。自分の身体をまっすぐにして
倒れこまないと身体が左右にねじれてし
まいます。1学期の倒れ込みの時に、上達
して手を前に出し身体をまっすぐにして
倒れることができた E 君。その時の動き
が身に付いていたのでしょう。走って勢い
減や動かす速さ等)を調整できるようになっ
ています。
み、身体が左右にねじれることなくまっす
ぐにコーンをキャッチしていました。積み
重ねって大事ですね。
がついていてもしっかりマットに倒れ込
9月創作の活動報告
2学期がスタートし、朝から元気な声が
する火曜日です。創作の時間には、スピー
チで夏休みのことや2学期に楽しみなこ
とをみんなの前で話すことができました。
風船バレーボールでは、子供チーム対大
2学期始まってすぐは調子が悪かっ
た F さんですが、最近とても調子がよい
です。F さんは、今まで人前に立って一
人で活動リーダーをしたことはありま
せんでした。
F さんは、先日初めて「手つなぎ鬼の
リーダーをやりたい。」と言いました。
人チームでゲームをやり、声援も回を追う
ごとに大きくなってきています。
また、活動の相談ではリー
ダーになった児童が」みんな
の意見を聞いて活動内容をま
とめています。
場所、ルール、大人への指示も的確にで
きました。このような
成功体験を積み重ね
て、F さんが最終的
に司会をできるよう
支援をしていきます。
2学期もみんな元気に活動に参加でき
ています。スピーチでは、夏休みにあった
ことをみんなに伝わるように上手に話す
ことができるようになっています。質問も
たくさん出ています。
ドンジャンケンでは、ジャンケンに勝つ
と喜んでレールを進み、ジャンケンで負け
ると「負けたよ!」と大声で味方に伝えま
す。自分のチームが負けると G さんは壁を
蹴っ飛ばしていましたが、気持ちを切り替
えてジャンケンをし、ついに1勝して大喜
びでした。
活動の相談では、司会や書記がそれぞれ
の役割を自覚して取り組んでいます。
2学期に運動会を行う
学校の子供たちが多く集
まっている曜日です。そ
のため、なかなか8人が
そろうことはありませんでした。そんな
中でも集まったメンバーで楽しく活動を
しています。
スピーチでは「夏休みのこと」をテー
マに時間を決めて話しました。普段自分
の意見をあまり言わない H 君。夏休みに
祖父母の家に行った時の話をし始めると
止まらなくなりました。聞いている人た
ちにも、「もっと質問してください。」と
話し足りない様子でした。