大型帆船の展帆基準について阿部真二郎（(財)伏木富山港・海王丸財団海事課長）雨宮伊作（独立行政法人航海訓練所海王丸船長）大型帆船の展帆基準について • 復原性と風圧モーメント • 展帆基準計算プログラム • 実船による検証結果 Wind Force ６ Wind Force ７ Wind Force ８ Wind Force ９航海訓練所帆船操典より復原性と風圧モーメント帆船の風による傾斜プロセス静的傾斜角動的傾斜角帆船の復原性基準 • 日本の船舶復原性規則には大型帆船についての特別な定めはない。 • 海王丸建造には、旅客船の復原性基準を適用絞帆・展帆の２状態を計算絞帆状態の帆船は、一般船舶と同様に風圧モーメントは一定展帆状態の帆船は、初期の傾斜モーメントが大きく，傾斜により変化する英国の復原性基準風圧モーメント 1 2 K = × ρA × CK × S × U A × d 2 但し， ρＡ：空気密度（0.125kgf・sec2／m4）ＣＫ：帆の傾斜モーメント係数Ｓ：帆面積（m2）ＵＡ：風速（m/s）ｄ：Draft（6.2m）参考文献：「練習帆船日本丸模型の風洞試験結果について（図表）」（平成２年３月大阪大学多田納久義）基準傾斜角生活限界傾斜角１０度操帆限界傾斜角１５度舷端水没角３０度静的傾斜角の計算 GZ × W = K × cos θ 2 但し， W：排水量（kg）動的傾斜角の計算計算値を０．５度毎に細分化。風圧モーメント曲線下の面積ーGZ曲線下の面積の総和が０になる点ｂを求めた。展帆基準計算プログラム展帆基準計算Programを実行→ 実船データの検証海王丸遠洋航海航跡図航海訓練所ＨＰより実船データの検証船載傾斜計デジタル傾斜計（船長室）実船データの検証５分間実船データ実船データの検証結論 • ある積付状態下で帆走中に，任意の風向・風速，展帆状態での，船体横傾斜角が，計算可能なことを示すことができた。プログラムの問題点 • 微風下、フルセールにおいて３°程度の定誤差？ • さらに多くのデータについて検証が必要？運航上の問題点 • 傾斜角は制御可能となったが，動揺は？ • 波浪や風向・風速の変化が及ぼす影響は？大型帆船の展帆基準について