IP (Internet Protocol)

インターネット・インフラストラクチャ
第3回
1. ネットワーク層 (インターネットワーク層)
IP (Internet
Protocol ),
ICMP (Internet
Control Message Protocol )
2. インターネットモデル
ネットワークとネットワークをルータで接続
ルータにおいてパケットを中継転送 (forwarding)
3. IP アドレス
4. 経路制御 (ルーティング,
Routing )
ホップバイホップルーティング
経路制御表 (ルーティングテーブル)
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
IP アドレス | インターネットにおけるノード識別子
IPv4 では, 32 ビット (4 オクテット). IPv6 では 4 倍.
1. クラス A: 0nnnnnnn.hhhhhhhh.hhhhhhhh.hhhhhhh
2. クラス B: 10nnnnnn.nnnnnnnn.hhhhhhhh.hhhhhhh
3. クラス C: 110nnnnn.nnnnnnnn.nnnnnnnn.hhhhhhh
4. クラス D: 1110mmmm.mmmmmmmm.mmmmmmmm.mmmmmmm
5. クラス E: 1111xxxx.xxxxxxxx.xxxxxxxx.xxxxxxx
nnn ネットワーク ID, hhh ホスト ID,
mmm マルチキャストアドレス, xxx 将来の拡張用
2 進数 : 28 = 256, 216 = 65536, 224 = 16777216
210 = 1,024 (1K), 220 = 1M, 230 = 1G
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
IP アドレスとホスト
IP アドレスはネットワークへの接続地点を示す
複数のネットワーク接続をもつホスト (multi-homed host)
特別な IP アドレス
1. ネットワークアドレス | ホスト部がすべて 0
2. ブロードキャストアドレス | ホスト部がすべて 1
3. ループバック | 127.xxx.xxx.xxx
プライベートアドレス | 直接外部接続不可 (= NAT
(Network Address Translator ) でグローバルアドレスに.
1. クラス A: 10.0.0.0 ∼ 10.255.255.255
2. クラス B: 172.16.0.0 ∼ 172.31.255.255
3. クラス C: 192.168.0.0 ∼ 192.168.255.255
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
サブネット
クラス A, B, C における 「ネットワーク + ホスト」と
いう 2 階層を3 階層に拡張
「ネットワーク + サブネット + ホスト」
ネットワークの外部からはサブネットは見えず, 隠蔽
サブネットマスクで指定
例 255.255.255.192
あるいは
172.20.100.52/26
1. 可変長サブネットマスク (Variable Length Subnt Mask )
2.
3.
4.
5.
CIDR (Classless Inter-Domain Routing ) で経路制御
クラス A: 255.0.0.0
あるいは 10.0.0.0/8
クラス B: 255.255.0.0 あるいは 163.138.0.0/16
クラス C: 255.255.255.0 あるいは 192.238.18.0/24
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
IP (Internet
Protocol )
複数のネットワークにまたがるデータグラム転送
コネクションレス
フロー制御, 再送, 応答確認 (ACK) は行わない
ヘッダ部のも, チェックサムで損傷を検査
end-to-end の信頼性を保証しないデータグラム転送
1. データが化けることがある
2. データグラムが届かなくなることがある
3. データが送った順序通りに届かないことがある
4. データグラムの重複 (複数回受信) がある
5. 信頼性の保証は上位層の仕事
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
IP データグラムの形式 (フォーマット)
版
ヘッダ長 サービスタイプ
識別子
生存時間
パケット長
フラグ フラグメントオフセット
プロトコル番号
送信元
宛先
ヘッダチェックサム
IP アドレス
IP アドレス
オプション
パディング
データ
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
フラグメント化と再構成
フラグ | 3 ビット, 0 DF MF
ment , 分割不可),
MTU (Maximum
MF (More
DF (Don't
Frag-
Fragment , 最後か)
Transmission Unit )
データリンクにおける最大パケット長
IP の最大 MTU 65535 オクテット, 最小 MTU 68,
Ethernet 1492, PPP 1500, FDDI 4252, IP over ATM 9180
大きな IP データグラムは, MTU 以下に分割 |
フラグメント化 (Fragmentation )
ルータことにフラグメンメント化が起こる可能性あり.
終点の IP の処理モジュールが元の IP データグラムを復
元 | 再構成 (reassemble )
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
ARP (Address
Resolution Protocol )
IP アドレス 0! MAC アドレス (Ethernet アドレス)
1. 相手 IP アドレスを含む ARP 要求パケットをブロード
キャスト
2. 問い合わせを受けた相手は ARP 応答パケットを返す
3. 相手 IP アドレスと MAC アドレスの組み (binding) を
キャッシュし, 以降の通信で用いる
WS 上 arp -a =) キャッシュされている binding リスト
kalessin (10.0.0.32) at 0:c0:4f:60:8c:38
http://standards.ieee.org/regauth/oui/ でc04f に対する
OUI (Organizationally
Unique Identier ) が得られる
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
DHCP (Dynamic
Host Conguration Protocol )
プラグ & プレイ (Plug
and Play ) を可能にする
DHCP サーバを立ち上げておく
1. DHCP クライアントが DHCP 要求パケットをブロー
ドキャスト
2. DHCP サーバは, IP アドレス, サブネットマスク, 経
路制御, 貸与時間などの情報をクライアントに通知
3. DHCP クライアントは, DHCP 要求パケットで, 2 で
通知された設定を使用したい旨通知
4. DHCP サーバは DHCP 確認応答パケットで許可通知
DHCP クライアントは IP アドレスが不要になった場合,
DHCP 解放パケットを送信
Windows ipconfig
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
代理
ARP (Proxy
ARP )
dial up PPP (Point-to-Point Protocol) で使用
Ethernet 上にないホストに対する ARP 要求に対して,
そのホストがその
Ethernet 上にあるかのように, 代理で
ARP 要求に応える
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
ICMP (Internet
Control Message Protocol )
IP データグラム配送の失敗情報等の伝達
注意:
IP は最善努力型 (Best
Eort )
ICMP 到達不能メッセージ
ICMP リダイレクトメッセージ
ICMP 時間経過メッセージ
ICMP エコーメッセージ
発信者と受信者 | ホスト, ルータ
WS 上 ping
host
| ホストへの到達可能性検査
ICMP Net Unreachable from gateway goya-soho (163.138.10.2
for icmp from goya (163.138.10.219) to nuesun (163.138.3
WS 上 traceroute
host
| ホストへの経路を調べる
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
traceroute acms.cc.aoyama.ac.jp
traceroute to acms.cc.aoyama.ac.jp (133.2.30.1), 30 hops max, 40 byte p
1 10.0.0.1 (10.0.0.1) 3 ms 3 ms 3 ms
2 202.241.20.17 (202.241.20.17) 28 ms 26 ms 27 ms
3 ipjrdc.jst.go.jp (202.241.18.62) 28 ms 25 ms 26 ms
4 202.241.18.6 (202.241.18.6) 43 ms 42 ms 42 ms
5 im-tyx-01-fddi1-0.inoc.imnet.ad.jp (202.241.2.39) 43 ms 42 ms 43
6 im-tyx-51-fa6-0-0.inoc.imnet.ad.jp (202.241.2.166) 43 ms 43 ms 4
7 cisco2.otemachi.wide.ad.jp (202.249.2.1) 44 ms 44 ms 44 ms
8 cisco1.otemachi.wide.ad.jp (203.178.137.33) 44 ms 44 ms 44 ms
9 cisco15.tokyo.wide.ad.jp (203.178.136.241) 131 ms 58 ms 101 ms
10 cisco9.tokyo.wide.ad.jp (203.178.136.166) 99 ms 45 ms 44 ms
11 cisco3.tokyo.wide.ad.jp (202.249.3.28) 45 ms 44 ms 44 ms
12 aggw.bb.aoyama.ac.jp (133.2.90.254) 59 ms 53 ms 54 ms
13 133.2.90.249 (133.2.90.249) 55 ms 54 ms 84 ms
14 acms.cc.aoyama.ac.jp (133.2.30.1) 57 ms * 57 ms
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
名前サービスと
DNS (Domain
Name System )
分散システムではシステム全体で統一的な情報共有が必要
=) 名前サービス (Name
Service )
名前付け規則 | 資源についての名前の付け方
名前空間 | 名前全体の管理方法
1. 絶対型名前付け
2. 相対型名前付け | UUCP
3. 階層型名前付け | DNS ドメインネーム
名前システムへの要求条件
1. 名前サーバの運用管理
2. 信頼性, 一貫性, セキュリティ
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
DNS | BIND (Blerkeley
Internet Name Domain )
ホスト名から IP アドレスを見つける (A レコード)
IP アドレスからホスト名を見つける (PTR レコード)
ホスト名からメール転送先を見つける (MX レコード)
ホスト名から正式名称を見つける (CNAME レコード)
ルートネームサーバ: a.root-server.net ∼ m.root-server.net
セカンダリサーバ, キャッシュ, タライ回し
Refresh: 24 時間, retry: 2 時間, expire: 30 日,
minimum ttl (各レコードの有効時間): 4 日
WS 上 nslookup
0 上記の検索
whois -h whois.nic.ad.jp data
0 情報検索
whois.internic.net, whois.ripe.net, whois.apnic.net
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
whois -h whois.nic.ad.jp aoyama
[JPNIC database provides information on network administration. Its use
[restricted to network administration purposes. For further information
[use 'whois -h whois.nic.ad.jp help'. To suppress Japanese output,]
[add '/e' at the end of command, e.g. 'whois -h whois.nic.ad.jp xxx/e'.
青山学院大学図書館 (Aoyama Gakuin University Library)
AURORA [210.137.140.192 <-> 210.137.140.223] 210.137.140.192/27
学校法人青山学院 (Aoyama Gakuin University)
ACC-LAN [210.190.31.224 <-> 210.190.31.239] 210.190.31.224/28
青山学院大学 (Aoyama Gakuin University)
AGUNET [202.232.182.0 <-> 202.232.182.31]
202.232.182.0/27
青山学院大学 (Aoyama Gakuin University)
AGUNET [133.2.0.0 <-> 133.2.255.255]
133.2.0.0
111
株式会社システム青山 (System Aoyama Ltd.)
SACCESS-NET [202.248.166.0 <-> 202.248.166.255]
202.248.166.0
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
nslookup
Default Server: mail.symbio.jst.go.jp
Address: 10.0.0.49
> acms.cc.aoyama.ac.jp
Server: mail.symbio.jst.go.jp
Address: 10.0.0.49
Non-authoritative answer:
Name:
acms.cc.aoyama.ac.jp
Address: 133.2.30.1
> set type=ptr
> 133.2.30.1
Server: mail.symbio.jst.go.jp
Address: 10.0.0.49
> set type=mx
> cc.aoyama.ac.jp
Server: mail.symbio.jst.go.jp
Address: 10.0.0.49
cc.aoyama.ac.jp preference = 20, mail exchan
cc.aoyama.ac.jp preference = 10, (略)
(略)
> aoyama.ac.jp
Server: mail.symbio.jst.go.jp
Address: 10.0.0.49
aoyama.ac.jp preference = 10, mail exchanger
aoyama.ac.jp preference = 10, (略)
(略)
Non-authoritative answer:
1.30.2.133.in-addr.arpa name = acms.cc.aoyama.ac.jp
Authoritative answers can be found from:
30.2.133.in-addr.arpa nameserver = acms.cc.aoyama.ac.jp
30.2.133.in-addr.arpa nameserver = scms (略)
30.2.133.in-addr.arpa nameserver = kcms (略)
acms.cc.aoyama.ac.jp internet address = 133.2.30.1
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
インターネット・インフラストラクチャ
第4回
トランスポート層
TCP (Transmission Control Protocol ) | 信頼性を保証
UDP (User
Datagram Protocol )
| 信頼性を保証せず
ポート番号 |- トランスポート層でのアドレス
実習
1. 経路制御, 名前サービス
2. 各自の課題のための情報収集
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
ポート番号
プログラムのアドレス (図 5.2)
1. Well-known Port Numbr
ftp://ftp.isi.edu/in-notes/iana/assingnments/port-numbers
ftp (21), telnet (23), smtp (25), nickname (43),
domain (53), nger (79), http (80), pop3 (110)
2. 動的な割り当て
PC・ WS 上 telnet ホスト [ポート番号]
whois -h whois.nic.ad.jp
data
は次と同じ
telnet whois.nic.ad.jp 43 cr
データ
e.g. aoyama cr
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
TCP (Transmission
Control Protocol )
コネクション指向 | バアーチャルサーキット
一定以上の性能で通信をしたいときに使用.
信頼性のある (reliable) ストリーム転送
| メッセージ境界が保存されない.
シーケンス番号による肯定確認応答 (ACK) vs. NACK
セグメント単位でデータ転送 | 最大セグメント長 (MSS:
Maximum Segment Size) vs. MTU
ウィンドウ制御 | 複数セグメントに対して ACK
タイマによる再送制御, フロー制御 (流量制御)
輻輳制御 (ネットワークの混雑解消)
スロースタート, 遅延確認応答, ピギーバック
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
TCP パケットの形式
送信元ポート番号
宛先ポート番号
シーケンス番号
確認応答番号
ヘッダ長 予約
コードビット
チェクサム
WINDOW
緊急ポインタ
オプション
パディング
データ
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
UDP (User
Datagram Protocol )
アプリケーション間のコネクションレス通信
1. データ量が小さい場合,
2. LAN 内で高速に通信したい場合
3. 動画や音声などのマルチメディア通信
4. 同報性が必要な通信
| ブロードキャスト, マルチキャスト
信頼性を保証しないデータグラム転送
データの大きさは保証, パケットの到達保証なし
アプリケーションが細かい処理を行う
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
UDP パケットの形式
送信元ポート番号 宛先ポート番号
パケット長
チェックサム
データ
「インターネットインフラストラクチャ」, 青山大学国際政治経済研究科国際コミュニーケーション専攻, May
演習
1. 経路制御
ping, traceroute, tracert
2. 名前サービス
nslookup, whois, http://www.allwhois.com/
3. TCP
telnet
SET LOCAL ECHO
SET TERM VT52
uOPEN
host port
4. 課題への挑戦
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