エリクソン・ モビリティ レポート ネットワーク化社会の現状について 2015年 6月 主要な数値 *年末時点での月次データトラフィック **アクティブなデバイス モバイル契約数 2013 2014 2020 予測 全世界のモバイル契約数 6,800 7,100 9,200 5% 百万 > スマートフォン契約数 1,800 2,600 6,100 15% 百万 250 250 400 10% 百万 > モバイルブロードバンド契約数 2,200 2,900 7,700 20% 百万 > GSM/EDGEのみのモバイル契約数 4,300 4,000 1,400 -15% 百万 > WCDMA/HSPAのモバイル契約数 1,600 2,000 3,800 10% 百万 200 500 3,700 40% 百万 2020 予測 CAGR 2014–2020 単位 >モ バイルPC、タブレット、モバイル ルーター契約数 > LTEモバイル契約数 トラフィック概観* 2013 2014 CAGR 2014–2020 単位 > スマートフォン1台あたりの月間データトラフィック** 750 1,050 4,900 30% MB/月 > モバイルPC1台あたりの月間データトラフィック** 3,200 4,200 17,300 25% MB/月 > タブレット1台あたりの月間データトラフィック** 1,400 1,900 8,400 30% MB/月 2 3.3 30.5 45% EB/月 40 50 140 20% EB/月 月間モバイル・データトラフィック合計 月間固定データトラフィック合計 倍率 2014–2020 CAGR 2014–2020 モバイルデータ合計 9 45% > スマートフォン 10 50% > モバイルPC 3 20% > タブレット 12 50% モバイルトラフィックの増加予測 主担当者 トラフィック調査ツール エリクソンのトラフィック調査ツールを使ってご自身でグラフ、表、 データを作成いただくことができます。ここにある情報は地域、加入数、 無線方式、トラフィック、デバイス種別によりフィルタリングできます。 また生成された図は、エリクソンをソースとして明示する限りにおいて、 読者の皆様の出版物中でご使用いただけます。 詳細については右手のQRコードをスキャンするか、下記のエリクソン ウェブサイトをご覧ください。 www.ericsson.com/ericssonmobility-report このウェブサイトでは、北米、中南米、欧州、北東アジア、東南アジア及びオセアニア各地域についての レポートもご覧頂けます。 主幹: プロジェクトマネージャ:Peter Jonsson 予測: Richard Möller Susanna Bävertoft 執筆: Stephen Carson Istvan Godor Péter Kersch Anders Kälvemark Gösta Lemne Per Lindberg 本書の内容は多数の論理的根拠および仮定に基づいており、エリクソンは本文書に記載した考察や説明または遺漏等について一切の責任を負わないものとします。 さらにエリクソンは自らの判断でいつでも本文書の内容を変更する場合があり、かかる変更の結果に対する責任も負わないものとします。 この文書は当初2015年6月3日に発表された英語版を翻訳したものです。英語版が正式版となりますので参照の際にはご留意ください。 2 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 Patrik Cerwall エリクソン・ モビリティレポート 2015年第1四半期における世 界のモバイル加入契約数の増 加の4分の3はアフリカとアジ ア地域の加入契約によるもの。 このパターンは2020年頃まで 続くと予測 スマートフォンの加入契約数は、2020 年までには現在の倍以上に増加し、世 界人口の70%がスマートフォンを所有 することになると推測されます。 さらにアプリケーションやビジネスモデ ルの範囲の広がりとモデムの価格低下 に牽引されて、接続デバイスの数も増 加しています。予測では、2020年まで に接続デバイスの数は260億台に達す ると見込まれています。 2015年第1四半期のモバイルデータト ラフィックは、2014年第1四半期に比べ て55%増加しています。2020年までに は、モバイルデータトラフィックの80% はスマートフォンに由来すると予測され ています。ただしモバイルデータの使 用状況は、ユーザーのセグメントによっ て大きく異なります。実際、成熟したモ バイル・ブロードバンド市場では、加入 者の10%が全データトラフィックの約 50%を使っています。動画は今後とも 重要な成長要因であり続け、2020年ま でには全モバイルデータトラフィックの 60%がオンライン動画に由来すること になると予測されています。 今回のレポートでは、消費者によるス マートフォン体験のさまざまな局面を 探る3つの解説を掲載しています。 「デジタル化するスポーツ観戦」では、リ アルタイム視聴、結果の共有、ソーシャル ネットワーキングが、スポーツイベント必 須の要素として、現実の体験と仮想体験 をひとつにすることを示します。スポーツ イベントをスマートフォン、アプリ、モバイ ルブロードバンドのカバレッジと組み合 わせることで、観客のエクスペリエンスが 強化されます。 「データ消費の傾向」では、月々のデー タ使用状況に基づいて加入者グループ を比較し、ヘビーデータユーザーが平均 の20倍ものデータを動画に消費してい ることを明らかにします。 「画面サイズの影響」では、デバイスの 画面サイズが様々なサービスの利用の 仕方に大きく影響することを明らかに しています。たとえばタブレットのユー ザーは、平均的なモバイルブロードバン ドのユーザーに比べて50%多くの時間 をオンライン動画の視聴に費やしてい ます。 目次 2015年第1四半期の モバイル加入契約数 モバイル加入契約数の見通し 地域ごとの加入契約数の見通し 4 6 8 進化するモノのインターネット 10 2015年第1四半期の モバイルトラフィック 11 モバイルトラフィックの見通し 12 地域ごとのモバイルトラフィック 13 モバイルアプリケーションの トラフィック見通し 14 ネットワークの状況 16 デジタル化するスポーツ観戦 データ消費の傾向 20 24 画面サイズの影響 26 手法と用語 27 このレポートが皆様のお役に立つもの であることを願っております。 発行者: エリクソン上級副社長兼戦略 担当責任者 リマ・クレッシ (Rima Qureshi) 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 3 2015年第1四半期の モバイル加入契約数 2015年第1四半期のモバイル加入契約総数は、 この四半期に新たに増えた1億800万件の加入を 含めて、約72億件に 世界のモバイル加入契約数は、前四半期と比べて1.5%、前年 と比べて約5%の成長を続けています。加入契約の伸びはイ ンドが最も大きく (+2,600万)、これに中国 (+800万)、ミャ ンマー (+500万)、インドネシア (+400万)、日本 (+400万) が続いています。世界のモバイル通信普及率は2015年第1四 半期に99%に達しました。販売された全携帯電話におけるス マートフォンの割合は、2014年第1四半期には約65%だった ものが、2015年第1四半期には約75%を占めるまでになりま した。携帯電話加入契約総数の約40%がスマートフォンです が、加入数が伸びる余地はまだ十分にあります。 LT Eは 大きく増え 続 けており、2 015 年 第1四 半 期 の加 入 契 約 数は約1億5,0 0 0万件増えて約 6 億件に達しまし た。WCDMA/GSMは第1四半期に約6,000万件増えまし た。GSM/EDGEのみの加入契約数は3,000万件減りました が、3G/4G加入契約の大部分はフォールバックによりGSM/ EDGEにアクセスします。 世界全体のモバイルブロードバンドの加入契約数は前年と 比べて約30%伸びており、2015年第1四半期だけで約1億 5,000万件増加しています。 29億件 2015年第1四半期時 点のモバイルブロード バンド加入契約数 1,430 1,295 910 970 モバイル加入契約 (単位100万) 4 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 インド 385 アフリカ 中東 中南米 西欧 中欧および東欧 380 中国 535 北米 585 APAC (中国とインドを除く) 730 純増数トップ5 300 万 東欧 および 中欧 500 万 イン ド インド 中国 ミャンマー インドネシア 日本 西欧 中南 米 800 万 2,600万 800万 500万 400万 400万 中 東 500 万 2,600 1億800万件 2,600 2015年第1四半 期の新規モバイ ル加入 A PA 万 C (中 国とインドを除く) 万 2,100 万 800 ア フ リ カ 万 600 万 中国 北米 143 127 110 110 107 99 92 76 インド アフリカ 中国 北米 APAC (中国とインドを除く) 中東 中南米 西欧 中欧および東欧 78 全世界 116 モバイル普及率 (%) 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 5 モバイル加入契約数 の見通し 2016年までにスマートフォンの契約数がベーシッ クな電話の契約数を超える見込み 現在のモバイルブロードバンドのデバイスの大半はスマート フォンが占めており、その加入契約数は2020年までに現在 の2倍を超えると見込まれています。これはアジア太平洋、中 東、アフリカなどの成長が見込まれる市場で、スマートフォン が入手できるようになっためです。2020年には5Gの商用利 用が始まり、その加入数は4Gよりも急速に増えると予想され ています。この増加は、大部分が新たなユースケース、特に MTC (Machine-Type Communication, マシン型通信) によってもたらされることでしょう。 2020年末までに、全加入契約数の85%がモバ イルブロードバンドとなる見込み 加入契約数は多くの国で人口を上回っています。その大きな理 由は、すべての加入契約が必ずしもアクティブではなく、また 複数のデバイスを所有するユーザーがいることです。ビジネス 用と個人用で違うデバイスを使う加入者もいれば、支払い額 を抑えるために通話ごとに異なる通信事業者を利用すること は、アフリカの一部では一般的です。また先進市場では、ユー ザーがタブレットなどの補助的なデバイスも持つので、加入者 数が加入契約数よりも少ないということになります。現時点で は、加入者数約49億人に対して、加入契約数は72億件となっ ています。 加入契約数 2014年 2020年 モバイル総数 71億件 92億件 モバイルブロードバンド 29億件 77億件 スマートフォン 26億件 61億件 モバイルPC、 タブレット、ルーター 2.5億件 4億件 PCやタブレットにおいてはモバイル加入契約がないものが多 数存在しますが、これはWi-Fi専用のモデルと移動通信をサ ポートするモデルにおける価格差のためです。それでもこれら のデバイスによる加入契約数は、2020年までにほぼ2倍にな ると予想されています。 世界全体のモバイルブロードバンドの加入契約数は2020年 までに77億に達し、ブロードバンド契約総数の過半数を占め ると予測されています。モバイルブロードバンドは一部地域で は固定ブロードバンドを補完し、他の地域においては支配的 になるでしょう。1 加入契約数/回線数、加入者数 (単位10億) 10 9 6歳以上の世界 人口の90%が 2020年までに携 帯電話を所有 8 7 6 5 4 3 2 1 0 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 1 モバイル加入契約 固定ブロードバンド モバイルブロードバンド モバイルPC、タブレット、 モバイルルーター モバイル加入者 宅、会社、公共のアクセススポットは複数の人々が利用することから、固定ブロードバンドのユーザー数は固定ブロードバンドの接続数の少なくとも3倍と見積 住 もっています。これは加入件数が実際のユーザー数を超えている携帯電話契約と逆の状況です。 6 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 無線方式ごとのモバイル契約数 (単位10億) 92億件 10 9 2020年末までに LTE加入契約数は 37億となる見込み 71億件 8 7 6 5 4 5G LTE/WCDMA/GSM および LTE/CDMA 3 WCDMA/GSM 2 GSM/EDGEのみ 1 TD-SCDMA/GSM 0 CDMAのみ 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 その他 2020年には全加入契約にWCDMA/GSMが占 める割合が最大となる見込み GSM/EDGEのみの加入数は世界全体ではわずかながら減少 しています。 WCDMA/GSMの加入契約数が2020年までに38億件に達 する一方で、LTEの加入契約数は約37億件に達すると見込ま れます。 しかし非富裕層のユーザーは低価格の携帯電話や加入契約 を選ぶことから、GSM/EDGEは発展途上の市場では多くの ユーザーにとって魅力あるオプションとして残り続けると考え られます。 現在のモバイル加入 契約で最大の割合を占めているのは GSM/EDGEのみの加入です。しかし先進国市場ではより高 度な通信方式への移行が急速に進みつつあり、結果として 2 0 2 0 年までのスマートフォン加 入 契 約 数は 2倍以上 モバイルブロードバンドのデバイスの大多数はスマートフォン であり、今後もこの傾向が見込まれます。発展途上の市場に おいては、スマートフォンは、多くの消費者が初めてインター ネットに触れる手段となっています。これは固定ブロードバン ドによるインターネットアクセスが限られていることによりま す。2014年にはスマートフォン加入契約数は7億件以上増加 しましたが、これは新規加入者が増えたことと、既存加入者が ベーシックな電話をスマートフォンに買い替えたことによりま す。スマートフォンの加入契約が2012年に10億件に達するま でには5年あまりを要しましたが、次の10億件の達成には2年 もかかりませんでした。 2014年~2020年の地域ごとのスマートフォン契約数 2015年~2020年に おけるスマートフォン 加入契約数増加の約 80%は、アジア太平 洋、中東、およびアフ リカ地域に由来 61億 +330 +120 +1,940 26億 +750 +230 2014 2017 2020 +140 増加総 数は35 億件 中南米 北米 アジア太平洋 中東・アフリカ 中欧・東欧 西欧 (単位百万) 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 7 地域ごとの加入契約数の 見通し すべての地域でモバイル加入の継続的な増加が 見られ、増加の要因に地域差 電話が手に入り易くなった発展途上の地域では、増加は主 に新規加入者によるものです。それに対して成熟市場での加 入契約数の増加は、1人あたりが所有するデバイス数の増加 によってもたらされます。さらに経済状態も、各地域の加入 契約数の増加に影響を及ぼします。 契約数に占める3G/4G の割合 2014 2020 北米 100% 100% 西欧 75% 100% 中東欧 50% 85% 中南米 40% 90% アジア太平洋地域 40% 85% 中東とアフリカ 20% 70% すべての地域でモバイル加入契約数が継続的に増加していま す。こうした傾向は、特に中東やアフリカのように若い世代や 人口が増加傾向にあってGDPも伸びつつあり、さらに現在の 普及率が世界全体に比べて低い地域で強まると予想されてい ます。アジア太平洋地域のいくつかの国々では、次の5年間で 加入数が大幅に増加するとみられますが、北米や欧州のよう な成熟した地域では加入の伸びはより穏やかなものになるで しょう。 2014年~2020年の 中東とアフリカにおけ るモバイル加入契約数 は55%増加 地域ごとのモバイル加入契約数 (単位10億) 92億件の モバイル加入 契約 10 71億件の モバイル加入 契約 9 8 7 6 5 4 3 中南米 北米 2 アジア太平洋 中東・アフリカ 1 0 中欧・東欧 西欧 2010 2011 2012 2013 8 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 地域と無線方式別のモバイル契約数 (%) 早期にLTEが導入され 3Gネットワークも十分 に成熟していた西欧は、 モバイルブロードバンド の普及率が高い CDMAベースのネット ワークやHSPAからの 移行が急速に進んで いる北米では、LTE加 入契約の占める割合 が世界最大 100 2014 2020 40% 90% LTE 2014 2020 WCDMA/GSM GSM/EDGEのみ TD-SCDMA/GSM CDMAのみ その他 2014 2020 2014 2020 2014 2020 2014 LTE LTE 60% 80 80% WCDMA/ GSM 55% GSM/ EDGEのみ 55% 55% GSM/ EDGEのみ 55% WCDMA/ GSM 60% WCDMA/ GSM WCDMA/ GSM GSM/ EDGEのみ 50 % GSM/ 40 2020 40% 85% LTE 60 LTE/WCDMA/GSM およびLTE/CDMA 40% WCDMA/ GSM EDGEのみ 20 0 北米 中南米 西欧 北米や西欧のモバイル加入契約はWCDMA/ GSMとLTEが大勢、アジア太平洋、中南米、中 東、アフリカの契約の多くはGSM/EDGEのみ LTEは、特に北米、日本、韓国で急速に受け入れられてお り、2015年には加入契約の過半数がLTEになることでしょ う。すでに韓国では2013年に過半数を占めています。2020 年には5G加入契約が提供され、日本と韓国で最初にサービ スが開始される見通しです。 アジア太平洋地域では、2020年末までに11億件の増加が見 込まれています。日本や韓国などでは、早い段階からLTE加 入契約が伸びているため、日本のLTE普及率は45%を超え、 韓国では70%以上に達しています。2014年末には日本と韓 国の契約件数が世界のLTE加入の約20%を占めました。中国 でもLTEが導入されており、その加入契約数は2020年末ま でに11億件を超え、世界全体の契約総数の30%に達するで しょう。 中東欧 中東とアフリカ アジア太平洋地域 アジア太平洋、中南米、 中東、アフリカは、GSM/ EDGEのみの市場が WCDMA/GSMおよび LTEへと移行 中東およびアフリカではGSM/EDGEのみの加入契約も依然 としてかなり残るでしょう。2G端末を使う非富裕層が多数を 占めるサハラ以南のアフリカ地域では、GSM/EDGEのみの 契約が2020年まで主流であり続けると予測されます。 中欧と東欧ではWCDMA/GSMの加入増が顕著です。LTEは この地域の最も発展した地域で普及が始まり、2015年には、 ほとんどの国々で提供されると考えられます。 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 9 進化するモノの インターネット アプリやビジネスモデルの広が りとモデムの価格低下が牽引す る接続デバイス数の増加が加 速。世界人口の約90%をカバー する広範なカバレッジがそれを 支える強固な基盤に これまでは、接続デバイスの中で最も 成長の著しい分野は携帯電話でした。 今後期待されるM2Mは、自動車、各 種装置、電力検針などの新しいユース ケースによってかなりの成長を示すと 予想されています。またコネクテッド ホームは、主にWi-Fiやイーサネット経 由による家電製品のネットワーク接続 を促進するでしょう。2020年までに は接続デバイスの総数は260億に達 し、そのうちの約150億を電話、タブ レット、ラップトップ、PCが占めると予 想されます。総数にはパッシブセンサー やRFIDタグは含んでいません。 セルラー接続 2014年末時点でのセルラーM2Mの 加入契約数は約2億3,000万件でした が、今後数年間でその数は大幅に増加 すると見込まれています。ただしモノの 多くは、近距離無線でセルラーゲート ウェイに結ばれているキャピラリーネッ トワークを通して接続されることでしょ う。これによってセルラーネットワーク の偏在性、セキュリティ、管理を補足で きることになります。たとえばホームア ラームシステムでは、ドアや窓に取り付 けられたセンサー、動作検知器、火災 報知機などが、セルラーゲートウェイを 通してアラームセンターに接続されま す。 現 在のセルラー M 2 M モジュール の 75%はGSMにしか対応しておらず、さ らにそのアプリケーションの多くは高い スループットを必要としません。LTEモ デムの価格が下がれば、遅延要件が非 常に短い新しいアプリケーションが利 用可能となります。また新たな開発や 5G機能により、大規模なMTCの展開 に利用できるアプリケーションの範囲 が広がると予想されます。 ネットワークの進化 MTCでセルラーM2M接続を使う利点 としては、安定した性能、セキュリティ メカニズム、世界規模のカバレッジがあ ります。現在のセルラーM2Mにおける LTEデバイスの普及率は約3%ですが、 コストがもっと下がれば利用できるLTE 接続デバイスは増えます。既存のモバ イルネットワークのソフトウェアをアッ プグレードして新たなMTC要件に対応 するための、新しいLTEおよびGSM/ EDGEモードの標準化も進められてい ます。新しいデバイスは、たとえばシス テムを改善して電波の届き難いところに あるデバイスのバッテリー寿命を10年 以上に伸ばすといった3GPP標準の利 点による恩恵も受けられます。 M2Mは著しく成長し、2020年までには 260億ものデバイスがつながると予測さ れています。近距離・長距離アプリケー ションに対応できる新しいユースケース もでています。これは接続デバイスのよ り著しい成長へと導き、500億のデバイ スが接続されるというビジョンを裏付け るでしょう。 接続デバイス (単位10億) 25 M2M 20 15 接続された家電製品 PC/ラップトップ/タブレット 携帯電話 固定電話 10 5 0 2010 2011 2012 2013 2014 2015 M2Mの例: コネクテッドカー、各種装置、電力メーター 家電の例: ネットワーク化TV、デジタルメディアボックス、ブルーレイプレーヤーなど 対象外: パッシブセンサーおよびRFIDタグ 10 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 2016 2017 2018 2019 2020 2015年第1四半期の モバイルトラフィック 下の図は、2010年第2四半期~2015年第1四半期の世界全 体の月々のデータトラフィックと音声トラフィック1を示したも のです。図は、毎年データトラフィックの増加が徐々に和らい でいると同時に、音声トラフィックの成長が一桁台にとどまっ ていることを示しています。データトラフィックの成長を後押 ししているのは、モバイルデータ加入契約数と、加入契約あ たりの平均データ量の増加です。データトラフィックは前四 半期と比べて約12%、前年比で55%増加しました。ただし市 場、地域、事業者によって、トラフィックのレベルに大きな違 いがある点には注意が必要です。 2014年第1四半 期~2015年第1 四半期のデータト ラフィック増加は 55% 3,500 月間合計 (上りリンク+下りリンク) トラフィック (ペタバイト) 3,000 2,500 2倍 2,000 2010年 第4四半期: モバ イル・データのトラ フィックは音声ト ラフィックの2倍 1,500 1,000 500 音声 データ 0 1 Q2 2010 Q3 Q4 Q1 2011 Q2 Q3 Q4 Q1 2012 Q2 Q3 Q4 Q1 2013 Q2 Q3 Q4 Q1 2014 Q2 Q3 Q4 Q1 2015 トラフィックにはDVB-H、Wi-Fi、モバイルWiMAXを含みません。音声にはVoIPを含みません。 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 11 モバイルトラフィックの 見通し 世界のモバイルトラフィック (エクサバイト/月) 10倍 35 30 2014年から2020 データ: モバイルPC、タブ レット、モバイルルーター データ: スマートフォン 25 年にスマートフォン のトラフィックが 音声 10倍増加 20 15 10 モバイルデータトラフィック合計はCAGR(年増 加率)で見て約45%成長する見込み 5 0 2014 2017 2020 2 019 年から2 0 2 0 年のデータトラフィックの増 加 量 は、2013年末までのモバイルデータトラフィックの総量よ りも多くなります。ただし加入者のデータ消費のパターン は、ネットワーク、市場、加入者セグメントで大きく異なって います。料金プラン、ユーザーデバイスの能力、ネットワーク の性能などの要素のすべてが、加入者あたりのデータ消費 に影響します。 2020年末までには モバイルデータトラ フィックの80%はス マートフォン由来とな る見通し 2020年末までにアジア太平洋地域はスマート フォンのトラフィック総量の45%を生成 地域ごとのスマートフォン・データトラフィック (エクサバイト/月) 30 25 20 15 2020年までに、北米(14GB)におけるアクティブな加入あ たりのスマートフォンの月間データ消費は、西欧(9.5GB) の1.5倍、アジア太平洋地域(4GB)の3.5倍に増加すると予 測されます。ただしアジア太平洋地域は、2020年には加 入契約数の増加により、スマートフォンのトラフィック総量 に占める割合が最も大きくなります。 中南米 北米 アジア太平洋 中東・アフリカ 中欧・東欧 西欧 10 5 0 2014 モバイル・データトラフィックの成長は、スマートフォン加 入契約と加入者あたりのデータ消費、その両方の増加に 起因しています。トラフィックはこれらに起因して2020 年末までに9倍に増加すると予測されています。 2017 12 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 2020 地域ごとの モバイルトラフィック アジア太平洋地域は、主に加入数の急速な増加に起因して、2020年にはモバイルトラ フィックの総量の割合が最大に。2020年までに、中国単独で4億件を超える新規モバイ ル加入の見込み 地域ごとのモバイルデータトラ 2014 倍率 (エクサバイト/月) フィックの増加 2014–2020 アジア太平洋 1.3 11 中欧、中東、アフリカ 0.5 11 西欧 0.5 9 北米 0.8 8 中南米 0.3 7 アジア太平洋地域のモバイルブロード バンド市場は、市場の成熟度において、 大きな違いがあります。たとえば、韓国 や日本はLTEを早期に導入し、オースト ラリアはいくつもの世界初をモバイルブ ロードバンドで実現していますが、他の 諸国では依然としてGSMネットワーク が主流であり、ネットワークの品質が不 十分でデータ加入のコストが大きいこ とが主な要因でモバイルデータの消費 量は低いままです。 世界のモバイルデータトラフィック (エクサバイト/月) 14 データ: モバイルPC、タブレット、 モバイルルーター データ: スマートフォン 11倍 12 2020年までに アジア太平洋地 域のモバイルト ラフィックが 11倍に 北米と西欧では、加入契約数と比較し たトラフィック量の割合が大幅に大きく なっています。これはWCDMA/HSPA とLTEネットワークでデータを大量に 消費するデバイスの割合が大きく、加 入 契約あたりの使 用量が多いためで す。西欧では、WCDMAネットワーク の高速化と容量増加がLTEの発展と相 まって、より良いユーザーエクスペリエ ンスを求める消費者の要求を満たしま す。 10 8 6 4 2 0 2014 北米 2020 2014 中南米 2020 2014 西欧 2020 2014 2020 中欧、中東、アフリカ 2014 2020 アジア太平洋 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 13 モバイルアプリケーション トラフィック見通し アプリケーションタイプ別モバイルデータトラフィック (エクサバイト/月) 2014年時点で動画 がモバイルデータト ラフィックの約45% を占める 35 30 25 20 2014年時点でモバイ ルデータトラフィックの 15%をソーシャルネット ワークが占める 15 2020年までに 動画は年率で約55% 増加し、すべてのモバイ ルデータトラフィックの 60%を占める 13倍に 増加 10 その他 ソフトウェアダウンロード およびアップデート SNS ウェブ閲覧 音楽 動画 ファイル共有 5 0 2014 2020 モバイル動画がトラフィック成長の主因に 現在、多くのモバイルネットワークではYouTubeが動画トラ フィックの40~60%1を占めています。2020年までにモバイ ル動画は年率で約55%増加し、すべてのモバイルデータトラ フィックの約60%2を占めるようになると予測されています。 音楽ストリーミングの人気が高まっていますが、コンテンツの キャッシングやオフラインのプレイリストといった機能のおか げでトラフィックの成長への影響は限定されています。それで もモバイルトラフィックの総量の増加に伴って、オーディオト ラフィックも増加が見込まれています。2014年には10%を占 めていたウェブサイト閲覧のトラフィックは動画の成長に押さ 1 2 れ、その相対的な割合は2020年には5%まで減少することで しょう。消費者の嗜好は、ウェブサイトの閲覧から、動画とア プリをベースにした端末利用に移っています。 新しいアプリケーションの登場によって、さまざまな種類の相 対的トラフィック量が変化し、また特定のデバイスの普及がト ラフィックに影響することでしょう。たとえばタブレットによ るオンライン動画のトラフィックの割合は、スマートフォンに よるオンライン動画のトラフィックよりも高くなっています。 ジア、欧州、北米、中南米で選ばれた複数の商用ネットワークでエリクソンが計測した値に基づいています。 ア 動画はアプリケーションのタイプで「動画」と種類分けされたものに加えて、ファイル共有トラフィックのかなりの部分を占めていると考えられます。 14 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 2015–2020 570 エクサバイト 今後6年間におけるモバイル動画トラフィックの総 量は過去6年間の22倍 動画を視聴できるデバイスの数は、動画の急速な成長におけ る最も重要な要素です。またデバイス側も、より優れた画質で 動画を視聴できるよう、より大きな画面と高い解像度の方向 へと進化しています。 動画は、ニュース、広告、ソーシャル・メディアなどを含む ほかのオンラインコンテンツの一部になりつつあります。 こうしたビデオストリーミングの成長を後押ししているの が、YouTubeやNetflixのようなOTT(Over-The-Top)事業者 です。 ユーザーの行動は変わりつつあり、時と場所を問わず、様 々なデバイスで大 量の動 画を視 聴することが増えていま す。WCDMAとLTEの展開が進むに連れてより高速のネット ロシアではナビ利用、スウェーデンではコミュ ニケーションサービスが盛ん 右の図は、2015年2月に3つの国のアクティブなユーザー が利用した上位25個のAndroidアプリケーションに関す るMobidiaのデータをエリクソンが分析した結果を示して います。エリクソンは各国のアプリを種類ごとに分類し、 次に各アプリ種別について測定した視聴時間から利用時 間を集計しました。この分析におけるアプリ時間とは、そ れぞれの国のユーザーが上位25種類のアプリ (全アプリ ではない) の利用に費やした時間の合計を意味します。 スマートデバイスの使用状況は世界のどこでも大体同じ パターンを描くように見えますが、表面下には違いがあり ます。トラフィックの観点からは支配的であるビデオスト リーミングは、利用時間で見るとそれほど大きな割合を占 めてはいません。米国でストリーミング動画に費やされた アプリ利用時間は約13%で、ロシアとスウェーデンではそ の半分です。一方でソーシャルネットワークは、3つの国の すべてで大きな割合を占めています。特にロシアではこの 傾向が顕著で、ユーザーはアプリ利用時間の40%以上を ソーシャルネットワークに費やしています。さらにロシアで は、ナビゲーションアプリやそれに類するサービスの種類 も多くなっています。スウェーデンでは、コミュニケーショ ンサービスに費されるアプリ利用時間が大きな割合を占 めています。 2009–2014 25 エクサバイト ワークが利用可能となり、動画のアプリカバレッジも向上して います。また動画圧縮などの技術が進歩したおかげで、事業 者が高解像度の動画をモバイルブロードバンドネットワーク でより効率よく伝送することが可能となりました。 アプリ種別ごとの利用時間の割合 米国 100% スウェーデン ロシア 80% 60% 40% 20% 0% ブラウザ コミュニケーションサービス eコマース 音楽 電子メール ゲーム ナビゲーション ニュース ソーシャルネットワーク ユーティリティ 動画ストリーミング 注:上位25種類のアプリに費やした時間 (アプリ種別毎) の割合 出典: エリクソンによるMobidiaデータの分析結果 2015年2月 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 15 ネットワークの状況 現在の加入者は高品質なユーザーエクスペリエン スのみならず、サービスの継続的な向上を期待。 進化するモバイルネットワークの機能がそのよう なユーザーエクスペリエンス実現の鍵 データと音声の両方に新しいネットワーク機能とサービス機 能が実装されつつあります。これには、下りリンクおよび上りリ ンク速度の改善や、コンテンツを一定の品質で効率的に配信 するLTEブロードキャストなどの新しい手段が含まれます。ま たIPベースのネットワークにより、モバイルHD音声、VoLTE、 ビデオ通話やよりリッチなメッセージングなどの音声品質改 善と、よりリッチな新しいコミュニケーションサービスが実現 されます。さらにスマートフォンにWi-Fiコーリング機能がネ イティブ実装されれば、ユーザーは、事業者が提供するSIM ベースの音声サービスやコミュニケーションサービスをWi-Fi 経由で利用できるようになります。 MTC需要の高まりにより、カバレッジを見直す必要が生じて います。この需要を満たす鍵は、1GHz未満の周波数帯の追加 です。これにより遠隔地の地理的カバレッジが拡張され、都市 部でもインドア奥のカバレッジが改善されます。 2020年までに、モバイルブロー ドバンドネットワークが世界人 口の約90%をカバー 世界の方式別人口カバレッジ1 GSM/EDGE ~90% 2014 ~95% 2020 GSM/EDGEは最 も広いカバレッジ を保持 WCDMA/HSPA インターネット接 続要求の増加やス マートフォン価格の 低下が後押しする WCDMA ~65% 2014 ~90% 2020 LTE 2014 ~40% 2020 1 >70% ユーザーエクスペ リエンスの向上と より高速なネット ワークの要求が後 押しするLTE 字は各無線方式の人口カバレッジを示しています。ただし各無線方式の利用には、デバイスの有無やサービス加入の可否などの要因に影響されます。技術以外の要素に 数 も関係するので注意を要します。 16 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 MTCカバレッジ再考 2014年末の時点でセルラーM2M加入契約数は2億3,000 万件でした。M2Mは、各種デバイスをネットワークやインター ネットに接続し、データを伝送することで、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)を形成します。これに伴いさま ざまなMTCアプリケーションの要件を満たすアプリカバレッ ジが求められます。アプリカバレッジに影響する要素は次の2 つです。 >人 が居住していない地域を含めて随所に配置される温度 計、湿度計、アラームや機器監視センサーなどのマシン >さ まざまな通信およびネットワーク性能要件を含む多様な MTCアプリケーション データレートと遅延については、要件の厳しいものから緩 やかなものまで大きな幅があります。そのため多くのアプリ ケーションについては、ロバスト性・遅延・セキュリティ要 件を設定することになるでしょう。 既存のモバイルネットワークのソフトウェアをアップグレード してIoTおよびMTC要件に対応するための、新しいLTEおよび GSM/EDGEモードの標準化が進められています。 ルーラルエリアでは地理的カバレッジの拡張とデータ速度の 向上が求められる一方、都市部ではインドア奥のカバレッジの 改善と、さらなるデータ速度の向上が求められています。1GHz の上下に周波数帯を追加することで、コスト効率の良い方法で カバレッジの拡張やデータ速度の向上を実現できます。 またこれによりモバイルブロードバンド用に協調的に割り当 てられた600~900MHz帯のニーズが高まります。スマート フォン、タブレット、モバイルPC、ルーターからのデータトラ フィックは、2020年には現在の9倍に増加すると予測されて います。またM2Mデバイスからのトラフィックも増えること でしょう。5G標準は、2020年以降の高データレート、低遅 延、ロバスト性要件を満たすものとなるはずです。 これらの要素に起因して、人が働き暮らす地域外のカバレッジ という要件が生じると共に、IoTおよびMTCアプリケーション を処理する能力の改善が求められます。 モバイルブロードバンドネットワークは高速化機 能が改善、周波数利用効率が向上 大規模なモバイルブロードバンド市場を実現するWCDMA/ HSPAは、ネットワークの発展に不可欠です。今後も下りリンク と上りリンクの速度を向上させるための継続的な開発が続く ことでしょう。上りリンクでは2x5MHzで最大12Mbpsの速 度が実現されるはずです。この改善にはネットワークと端末の サポートも含まれます。多くの事業者はHSPAネットワークを アップグレードして速度を向上させていますが、全ネットワー クの約30%はまだ21Mbps以上の速度をサポートしていませ ん。 低い周波数帯域は、カバレッジ、サービス品質、ユーザエク スペリエンスを改善してより高い周波数の展開を補完できま す。WCDMA/HSPA 900 MHzは現在、60カ国の96の商用 ネットワークで主流となっています。2 HSPA、および7.2Mbps、21Mbps、42Mbps に、63MbpsのHSPAアップグレードされたWCDMA ネットワークの割合 HSPA 63 Mbpsの 初期展開を 開始 92カ国で 42 Mbps ネットワークの商用 サービス開始 582 100% 514 ~85% 404 ~70% 182 ~30% 1 HSPA 2 GSA、2015年4月 HSPA 7.2 HSPA 21 HSPA 42 HSPA 63 出典: GSAおよびエリクソン 2015年5月 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 17 2015年中に 複数のLTE ブロードキャスト 商用展開を予定 進化するLTE 138カ国で 393のLTE ネットワークが 商用運用 16のネットワー クでTDD/FDD 組合せが 展開済み ユーザエクスペリエンスの向上とより高速のネットワークの要 求がLTEの拡大を牽引しています。魅力的なLTEデバイスの エコシステムもこの増加に拍車をかけています。300のサプ ライヤーが3,000種類のLTEユーザーデバイスを投入してお り、しかもその約半分はこの12カ月間に投入されたものです。 これらのデバイスにはLTE FDDとTDD(TD-LTE)の両方のモ デルが含まれます。LTEベースのサービス需要の増加に応え るため、事業者はより多くの周波数帯と、帯域幅をより効率 的に利用するソリューションを手に入れる新たな機会を模索 しています。さらなる周波数資源の一つがLTE TDDのアンペ アスペクトルです。これまでに34カ国で54のLT E T D Dネッ トワークが商用サービスを開始しています。またTDDとFDD 両方のモードをサポートする16のネットワークが展開済みで す3。FDD/TDDアグリゲーションネットワークでは、上りリン クでFDDを使ってTDDバンドのアプリケーションの有効カバ レッジを改善します。また、FDDとTDDの下りリンクを結合す ることで、モバイルブロードバンドの下りリンクデータレートも 改善します。 事業者はLAA (License Assisted Access) によりライセン スおよびアンライセンスの周波数帯を結合することで、屋内 のデータトラフィックの増加に対応しつつ、モバイルデータの 通信速度を向上できます。 商用サービスを開始したLTE-A(LTE Advanced)キャリアア グリゲーションが増え、スペクトルの利用効率が改善されて います。事業者は最大40MHzのFDD周波数帯を結合し、下 りリンクデータ速度225~300Mbpsのサービスを提供して います。スペクトルの利用効率をさらに高めて容量の増加と 屋内カバレッジの改善を実現するには、スモールセルの展開 が有効になります。 ネットワークのリソースとスペクトル利用を最適化し、新たな 動画サービスやネットワークのオフロードを実現する手段とし て、LTEブロードキャストが関心を集めています。その実用性 は試験や実装により実証されており、新しいユースケースやビ ジネスモデルのデモも行われています。2015年中に、複数の LTEブロードキャスト対応デバイスが、新たに市場に登場する と予想されています。 3つの商用 ネイティブWi-Fi コーリングネット ワーク 34カ国の 45の事業者 がRCS (Rich Communication Service) を提供4 3 4 GSA、2015年4月 GSMA、2015年4月 18 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 81カ国の 132の2G/3G/4G ネットワークでHD 音声サービスの商 用サービスを開始3 8カ国で 19のVoLTE ネットワークが商 用運用 39カ国で 64のLTE-A ネットワークが商用 運用3 2015年中に 商用LAAサービス が開始予定 事業者はデータとコミュニケーションサービスを バンドルした魅力的なサービスを消費者や法人 ユーザーに提供して競争力を維持できる 事業者の発表によれば、音声とメッセージングが収益に占め る割合は、データ利用の増加に伴って相対的に減少傾向にあ ります。収益のおよそ60%は音声およびSMSサービスによる ものです。事業者の多くは音声とデータの利用を一体化したプ ランを提供しており、音声とメッセージングの利用が無制限の プランもよく見られます。多くの市場ではこうした取り組みに より、事業者が提供する音声およびSMSサービスの利用が増 加しています。ユーザーがこれまで以上に多様な理由で、デバ イスを使ってさまざまな新しい方法で通信を行う現在、コミュ ニケーションサービスには依然として根強い需要があります。 VoLTEベースのパケット交換コミュニケーションサービスの開 始は音声ビジネスに革新をもたらしました。事業者は高品質の コミュニケーションとデータをバンドルしたパッケージを新た に提供できるようになったのです。高速のLTEデータサービス と同時に、VoLTEはテレコムグレードのHD音声、ビデオ通話、 その他の新しいリッチなコミュニケーションサービスを提供で きます。 パケット交換音声と新しいコミュニ ケーションサービス (LTE、Wi-Fi、 固定ブロードバンド、5G) 動画通信、IPメッセージング、通話中のコンテン ツシェアリング、高度化HD音声、通話中の音楽 再生、新しい革新的なコミュニケーションサー ビス 2012年 初のライブ VoLTE 2014年 初のライブ ネイティブWi-Fi コーリング サービス 音声サービスの発展 2009 2009年 3G最初のライブ HD音声 サービス 2010 2011 2012 2013 2012年 最初のライブ RCS 2014 2015 回線交換音声サービス (GSM、WCDMA) 音声、HD音声、SMS 2011年 2G最初の ライブHD音声 サービス より明瞭で聞き取りやすくなったモバイルHD音声サービス は、従来のモバイル音声サービスよりも自然な音質を提供 できます。HD音声を利用するには、デバイスのサポートに加 えて、2G、3G、4Gネットワークに新しい機能の導入が必要 となります。また最近3GPPは、LTEネットワーク用に新しい 音声コーデックを用いた高度化HD音声サービスであるEVS (Enhanced Voice Service) を標準化しました。このサービ スでは、2G、3G、LTEネットワークでHD音声サービスを高度 化し、なおかつLTE通話でより高品質の音声や音楽を享受で きるので、ユーザーエクスペリエンスがより一層高まります。 複数の大手デバイスベンダーがスマートフォンにWi-Fiコーリ ングをネイティブ実装したことで、事業者はWi-Fiコーリング サービスを提供できるようになりました。ユーザーはどのISP (Internet Service Provider) を介してでも、自宅のWi-Fiア クセスポイントでSIMベースの音声サービスを利用できます。 これは回線交換音声またはVoLTEの屋内カバレッジが不十分 なユーザーにとっては便利なサービスです。また海外に行って いる時も、Wi-Fi経由で通話できるようになります。このサービ スは、事業者のアップグレードされたEPC (Evolved Packet Core) およびIMS (IP Multimedia Subsystem) ネットワー ク上で稼動します。VoLTEベースのサービスをWi-Fiアクセスへ と拡張したこのサービスは、LTEとWi-Fi間でシームレスな音声 呼とビデオ通話のハンドオーバーを実現します。 IMSは、これらすべてのパケット交換コミュニケーションサー ビスを実現し、継続的な開発基盤を提供します。サービスは LTE、Wi-Fi、固定ブロードバンドの任意のデバイスで利用で きます。この機能は今後も発展を続け、5Gでも利用できるで しょう。 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 19 デジタル化する スポーツ観戦 リアルタイム視聴、結果の共有、ソーシャルネット ワーキングは、スポーツイベントに必須のサービ スとして、現実の体験と仮想体験をひとつにする 最新のネットワーク技術が、観客のユーザエクスペリエンスを より豊かなものにし、スマートデバイスをもっているあらゆる 人によるイベントへの参加を実現します。 スポーツイベントの多くは複数の地域で数日にわたって開催 されるために、観客は一体感を味わいにくくなっています。テ レビの生放送やVoD (Video on Demand) などのコンテン 感動の瞬間を共有する 2014年に行われたサッカーのワールドカップは、2014年で最 大のソーシャルメディアイベントの1つでした。サッカーファンは ソーシャルネットワークを経由し、会話、テキスト、投稿を通じ て自分たちの体験を共有したのです。このイベントでは26.7TB (Terabyte) のトラフィック、4,850万枚のデジタル画像、450 万件の音声通話に相当するデータが生成され、特に決勝戦で は7万5,000人の観衆が1.5TBのデータトラフィックを生み出 しました。この時のトラフィック量は平均的なビジーアワーの5 倍に達しましたが、これはソーシャルメディアに換算して90億 件の投稿に相当します。ソーシャルメディアの記録が世界中で 塗り替えられました。1決勝戦については8,800万人のユーザー が2億8,000万件のインタラクションを交わしましたが、これは フェイスブックで話題に上ったスポーツイベントとしては史上 最大です。またドイツがアルゼンチンを破った時には、1分あた り618,000件という記録的なツイートが投稿されました。 ツ配信は、観客のライブエクスペリエンスを深め、またそのイ ベント固有の情報を提供することができます。 大規模なイベントにおけるモバイル通信の利用状況とトラフ ィックパターンの洞察は、事業者が顧客を満足させる上で重 要です。以下では最近行われた2つの大きなスポーツイベン ト、2014年ブラジルで開催されたサッカーのワールドカップ と、スウェーデンのファールンで開催されたFISノルディックス キー世界選手権でのアプリの利用状況とモバイルトラフィッ クの調査結果を報告します。 インタビューでは、試合を観戦してスマートフォンを使った15 ~60歳の地元と国外の観客を対象にしました。 観戦中に最もよく使われたデータサービスは、インスタントメッ セージとソーシャルネットワーキングでした。試合中も盛んに使 われたこれらのサービスの利用は、ハーフタイムにピークに達し ました。また観客の大部分は試合中に写真を投稿または送信し ていました。さらに国外からの観客は、地元の観客よりも多くの 動画を投稿していました。 インタビューした観客の96%は、試合中に自分のモバイル機 器を使っていました。国外からの観客のモバイルブロードバ ンド使用率は50%だったのに対し、地元の観客の使用率は 84%でした。 5倍 サッカー ワールドカップの ネットワークの挑戦 通常とは異なるデータ使用レベルやトラフィック配信状況が 決勝におけるモバイル 予想されたため、事業者はアリーナとその周辺エリアで良好 トラフィックは平均的 なビジーアワーの なユーザーエクスペリエンスを保証するという課題に取り組 トラフィックの5倍 む必要がありました。重要なのはユーザーに高品質のエクス ペリエンスをシームレスに提供するためのネットワーク計画と 最適化です。そのような努力の結果、2013年に行われた同様 の大規模なイベントと比較してデータトラフィックが80%増 えたにもかかわらず、2014年のワールドカップを訪れた観客 の75%は、モバイルエクスペリエンスが普段と同じかそれ以上 であったと評価しました。 世界各地との接続 エリクソン・コンシューマーラボは、サンパウロとリオデジャネイ ロのスタジアム出口や隣接エリアで800件の対面インタビュー を行い、会場を訪れた観客のエクスペリエンスを調査しました。 1 出典: Facebook、Twitter 20 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 試合中のスマートフォン使用状況 データ使用率 高 中 低 スマートフォンの用途 サービス利用者の割合 インターネットで動画を投稿または送信 33% インターネットで動画を視聴 18% ソーシャルネットワークにアクセス 66% インターネットで写真を投稿または送信 61% インターネットでサッカーワールドカップ決勝 戦に関するコンテンツを検索 25% インスタントメッセージングプログラムを使用 81% 音声通話の発受信 75% テキスト・メッセージ (SMS) の送受信 66% 4G加入者は 平均的に3Gユーザ より約70%多くの データを消費 出典: エリクソン・コンシューマーラボによるサッカーイベントの調査、ブラジル、2014年 接続の種類が重要 4Gユーザは3GやWi-Fiのユーザーよ りも活発に携帯電話を利用していま した。モバイルデータトラフィックの 70 %は3Gネットワーク、30 %は4 G で処理されました。加入者あたりで見 ると、4Gユーザーは3Gユーザーより 70 %多くのデータを消費していまし た。また4Gユーザーはサービスにより 満足しており、全体の50%以上が「非 常に満足」と評価しています。ほとん どのサービス種 別で、4Gユーザーの 満足度はそれ以外の通信方式より15 ~20%高くなっていました。 サッカー観戦のトラフィック 多数のユーザーが限られたスペースに 集中すると、ネットワークの容量が限界 に達します。主要なサッカーイベントの プロファイリングを行うことで、事業者 がモバイルネットワークの準備と最適 化を行う際に役立つ利用パターンが明 らかになります。またネットワークトラ フィックの解析により、試合中の音声お よびデータトラフィックが変動する様子 がわかります。音声トラフィックは、通 常はユーザーがスタジアムに入ると低下 し、ハーフタイムや試合の終わりが近づ くと上昇してピークに達します。データ トラフィックは音声に比べて高止まりす 2014年7月13日のワールドカップ決勝中のモバイルトラフィック量 ダウンロード量 アップロード量 音声トラフィック ハーフタイム る傾向があります。データトラフィック と音声呼は、ドイツが決勝戦で決勝点 をあげた時にピークに達しました。 決勝戦におけるデータトラフィック総 量に対する上りリンクデータトラフィッ クの比率は50%に達しましたが、ブラ ジルではこの比率は普段は平均で12 ~17%です。アプリによって上りリンク と下りリンクのトラフィック比が異なる ため、モバイルネットワークの設計やデ ィメンショニングでは、こうした解析結 果は重要です。たとえばソーシャルネッ トワーキングのユーザーはコンテンツを 活発に生成するので、上りリンクの比率 が高くなります。 延長時間 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -04:30 -04:00 -03:30 -03:00 -02:30 -02:00 -01:30 -01:00 -00.30 00.00 +00.30 +01:00 +01:30 +02:00 +02:30 +03:00 +03:30 出典: エリクソン 注: この図はサッカーワールドカップ決勝におけるデータトラフィックを相対的に示しています。縦軸の1.0はイベント中のピークトラフィックレベル、横軸の00:00 はこの試合のハーフタイムを示します。明るい灰色の部分は試合中の時間、暗い灰色の部分は延長時間を示します。また点はそれぞれ15分間の区間における平均 トラフィックを表しています。 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 21 3つのサッカー試合のモバイル音声呼量 英国プレミアリーグ ワールドカップ決勝 チャンピオンズリーグ決勝 ハーフタイム 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 +04:30 -04:00 +03:30 -03:00 +02:30 -02:00 +01:30 -01:00 -00.30 00.00 +00.30 +01:00 +01:30 +02:00 +02:30 +03:00 +03:30 +04:00 出典: エリクソン ワールドカップ以外の重要なサッカーの試合のトラフィック分 析でも、同様の音声呼パターンが得られました。音声トラフィッ クはキックオフの1.5時間前にピークに達し、キックオフの30分 前には減少します。さらに試合後の45分間もピークが続きま す。テキストメッセージはハーフタイムやゴールが決まった時に 大幅に増加します。これらは観戦者の到着、試合の観戦、退出 を反映していると考えられます。また国際試合とローカルな試 合ではパターンが異なります。前者は呼の生成が長く続き、ピー クが高くなる傾向にあります。これは観戦者が早めに会場に到 着し、より長くとどまることを反映していると考えられます。 イベントのデジタル化とアプリの役割 2015年2月、スウェーデンのファールンでFISノルディックス キー世界選手権が開催されました。このイベントには数百万 の人々が関心を示し、12日間に28万人が会場を訪れました。 大会ではクロスカントリースキー、スキージャンプ、ノルディッ ク複合の3つの競技が行われました。主催者はデジタル化さ れたイベントデータとアプリを通じてライブ感を高め、来場者 とノルディックスキーに関心があるすべての人に臨場感ある デジタル体験を提供しようと試みました。ライブ結果表示ア プリで得点、競技日程、地図、ニュースなどの情報を提供しま した。またテレビの生中継や動画アプリで、選手の後を追い かける機能などの仮想エクスペリエンスや様々な場所に設け たカメラからのリアルタイム映像を提供しました。 ソーシャルメディアとインターネット検索のピークは会場の雰 囲気を反映しており、選手のメダル獲得のタイミングと一致 しています。ノルウェーのペッテル・ノールトゥーグ(Petter Nor t hug,メダル数4)とスウェーデンのハロッテ・カッラ (Charlotte Kalla, メダル数4) に関連するツイートやインター ネット検索も同様の傾向を示しています。 2015年FISノルディックスキー世界選手権の開催前、期間中、終了後のソーシャルメディアとインターネット検索の状況2 ハロッテ・カッラ – インターネット検索 ハロッテ・カッラ– ツイート ペッテル・ノールトゥーグ – インターネット検索 ペッテル・ノールトゥーグ – ツイート ペッテル・ノールトゥーグ ハロッテ・カッラ 2/15 2/16 2/17 2/18 2/19 出典: Google、Twitter 2 イベント期間中の活動を正規化 22 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 2/20 2/21 2/22 2/23 2/24 2/25 2/26 2/27 2/28 3/1 3/2 3/3 3/4 クロスカントリースキー男子4×10 kmリレー競技におけるデータおよび音声トラフィックの様相3 テレビ生中継と動画アプリのストリーミング 音声 アップロード リレー競技 6:00 9:00 12:00 13:30 15:00 18:00 21:00 出典: エリクソン スキー競技観戦のトラフィック アプリの使用率から、3種類の競技の中でクロスカントリース キーの人気が最も高く、利用者の2/3以上がその結果に注目 していることがわかります。ライブ結果アプリの利用率から見 て最も人気が高かったイベントは、男子の4×10kmリレーでし た。テレビの生中継と動画アプリの利用率もこの競技のラスト 30分にピークに達し、その後トップチームの競技が終わると 利用率はその20%に下がりました。音声トラフィックは競技の 1時間後にピークに達し、コンテンツのアップロードや友人との 共有が始まりました。音声とSMSのトラフィックは冬期の平均 よりもかなり高く、アリーナ付近ではデータのダウンロードと アップロードのトラフィックが通常の3倍以上に達しました。 トラフィック種別ごとの差はアリーナから離れるほど減少する 傾向にありました。アリーナ付近(200m)ではアップロードト ラフィックがモバイルトラフィック全体の25%を占め、欧州に おける平均アップロードの10%を上回りました。イベント期間 中、アリーナセンター(100m)ではストリーミングによるダウ ンロードトラフィックが増加し、アップロードトラフィックの割 合は相対的に減少しました。それにも関わらずセンターから離 れても、アップロードトラフィックは冬季の平均値よりも高い 結果となりました。 ネットワーク上の課題への対応 既存のネットワークインフラは、通常は大規模なイベントで 増加する大量のトラフィックや、普段と異なるトラフィック比 率やユーザー行動に対応できるようには設計されていませ ん。さらにモバイルトラフィックの増加は、開催地の周辺地域 にも広がる可能性があります。綿密なネットワーク計画やリ アルタイムのトラフィック管理、容量およびカバレッジの調整 を行うことで、最適なネットワーク性能を保証できます。 最新の技術でスポーツイベントの観客のエクスペリエンスが 向上すれば、利用率とトラフィックの増加が期待できます。ま た事業者はそうした技術を利用して需要にうまく対応するこ とができます。たとえば試合のリプレイやイベントの生中継 など、多数のユーザーから同時に同じコンテンツを求められて も、LTEブロードキャストならユニキャストをブロードキャスト に切り替え、帯域幅とリソースを効率よく利用して複数のユー ザーに同じコンテンツを提供できます。また特定の商用コン テンツを提供する場合は、サービス認識やQoS (Quality of Service) 機能を通じて対象のコンテンツやユーザーに差別 化を適用できます。 ファールンのルングネットにある国立スキー場からの 距離とモバイルトラフィックの関係4 アップロードトラフィックの割合 冬季の平均トラフィックに対する倍率 12 0.3 10 8 0.2 6 0.15 4 0.1 2 0.05 0 3 4 0.25 100 m 200 m 500 m 1 km ダウンロード アップロード 通話 SMS 欧州における平均アップロードの割合 イベント中の平均アップロードの割合 0 2015年2月27日、06:00~21:00 (CET) の活動を正規化 冬季の平均的な活動レベルと比較 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 23 データ消費の傾向 モバイルネットワークでは限られた数のユーザーが 大量のトラフィックを生成している。トラフィックの 70%を占める動画の大部分は、ヘビーユーザーと 超ヘビーユーザーが生成 以下では、月々のデータトラフィック消費に基づいて加入者グ ループを比較した結果を示します。先進的なモバイルブロード バンド市場の各加入者クラスターについて、加入者ごとのトラ フィックの比率やアプリ利用の比率を比較しました。加入者 によるモバイルサービスの利用パターンは、月間使用量で分 けたクラスターごとに大きく異なります。ライトユーザーでは ソーシャルネットワーキングとコミュニケーションサービスの 割合が大きくなっていますが、ヘビーユーザーでは動画が大 半を占めています。 10%のユーザーがデータトラフィックの55%を生成 分析では、プラットフォームに起因する差を除くために対象 をAndroidスマートフォンとタブレットに限定し1、モバイルト ラフィックのみを調査対象としました。集計データは、LTEの 浸透率が高く、ハイエンドのデバイスが大半を占める先進的 な市場の平均値を示しています。加入者グループは、月々の データトラフィック消費量に応じて分類し、クラスター化しま した。各クラスターの加入者の分布は市場ごとに異なり、特 に利用可能なデータサービス料金プランを反映した結果と なりました。しかし上位を占めるユーザーのトラフィック分布 は、一般に非常に似かよっています。上位10%のユーザーが トラフィックの約55%を生成し、上位20%が約70%を生成 加入者クラスター ライトユーザー 100 MB以下 ミディアムユーザー 100 MB~1 GB ミディアムヘビーユーザー 1 GB~10 GB ヘビーユーザー 10 GB~100 GB 超ヘビーユーザー 100 GB以上 しているのです。手頃な定額料金プランを提供している先進 市場では、ミディアムヘビーユーザーの割合が加入者の50% を超え、ヘビーユーザーの割合が最大10%に達することもあ ります。調査を行った先進ネットワークでは、スマートフォン1 台あたりの月間平均データ使用量は1~5GBの間で変動して います。 先進的なモバイルブロードバンド市場の加入者クラスターに見る加入者とトラフィック量の割合 加入者の割合 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% トラフィックの割合 0% 10% ライト 100 MB以下 ミディアム 100 MB~1 GB ヘビー 10 GB~100 GB 超ヘビー 100 GB以上 ミディアムヘビー 1 GB~10 GB 1 ドングル、ルーター、M2Mデバイスのトラフィック特性は根本的に異なる。 24 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 ヘビーユーザー は平均の20倍 の動画を視聴 それぞれの加入者クラスターのアプリ利用の割合 100% 100% その他 ファイル共有 動画 音楽 80% ソーシャルネット ワーキング 80% ウェブ閲覧 60% コミュニケーション サービス 60% ソフトウェアのダウ ンロード/更新 システム 40% 40% 20% 20% 0 100 MB以下 ライト 100 MB~1 GB ミディアム 1 GB~10 GB ミディアムヘビー 10 GB~100 GB ヘビー 毎日1時間動画を視聴するヘビーユーザー 特定のユーザークラスターのトラフィック比率は市場が異なっ ても類似していますが、ライトユーザーとエクストリームユー ザー間には大きな差がみられます。ライトユーザーではソフト ウェアアップデート、ウェブ閲覧、コミュニケーションサービ ス (メッセージング、VoIP、ビデオ通話など) のトラフィックの 割合が大きくなります。このグループでは、トラフィックの最大 30%が多様性に富んださまざまなアプリから生じています2。 発展途上の市場では、ライトユーザーとミディアムユーザーの トラフィック中にコミュニケーションサービスが占める割合が さらに高い場合もあります。 ミディアムユーザーのクラスターでは、ソーシャルネットワーキ ング、ウェブ閲覧、音楽のトラフィックの割合が高いのに対し て、ミディアムヘビーユーザーでは動画のトラフィックがかなり の割合を占めるようになります。ヘビーユーザーでは動画が中 心となり、トラフィックの約70%を占めます。ヘビーユーザーは 2 3 4 100 GB以上 超ヘビー 0 全てのユーザー 1日あたり平均で約1時間にわたって動画を視聴していますが、 これは平均的なユーザーの20倍に相当します。超ヘビーユー ザーは、定額料金など、このような利用形態が可能な料金プ ランがあるネットワークにのみ存在します。超ヘビーユーザー は、一部のネットワークではファイル共有3とストレージサービ スについても大きな割合を占めています。 発展途上のモバイルブロードバンド市場4でも、各クラスターの アプリ利用は同じような傾向を示しますが、一般にライトユー ザーとミディアムユーザーの割合が大きくなります。データ利 用の割合についても同様の傾向がみられ、約10%のユーザー がデータトラフィック全体の50%を消費しています。また発展 途上の市場では、ミディアムヘビーユーザーとヘビーユーザー の動画利用の割合が大きくなる傾向にあります。 「その他」に含まれる。 欧 州とアジアでは北米よりもファイル共有が広く利用されている。利用率は、最終的には事業者のブロッキング/スロットリングのポリシーに 依存する。ファイル共有を利用するユーザーの多くはテザリングユーザーである。 LTEネットワークは存在せず、3Gカバレッジは展開途上で、加入者の多くがローエンドデバイスを使う2Gユーザーから構成される市場 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 25 画面サイズの影響 画面サイズ、解像度、見やすさは、 モバイルユーザー エクスペリエンスと各種サービスの利用度に大きく 影響 現在のスマートフォンでは4.5インチの画面は中サイズとみ なされており、ここ数年は5.5インチ以上の画面のファブレッ ト1やデバイスに人気が集まっています。画面サイズの大型化 と解像度の向上に伴って画面のピクセル数も増えつつありま す。画面サイズは、様々なサービスの使用に大きく影響する 要素です。 スマートフォン、ファブレット、タブレットで異なるサービス利 用 一般にストリーミング動画などのサービスでは、快適なユー ザーエクスペリエンスを提供するためには大きな画面が必要 です。この関係は、動画の使用の急激な伸びと画面サイズの 大型化の相関を見ても明らかです。タブレットで動画を視聴 する割合は、ファブレットより平均で50~70%高くなります。 また平均的なタブレットユーザーは、平均的なモバイルブロー ドバンドユーザーより50%多い時間をオンライン動画の視聴 に費やしています。 はポケットサイズより大きなデバイスは持ち運びしにくくなる ためと考えられます。ウェブ閲覧やソーシャルネットワーキン グサービスの利用率は、大画面のスマートフォンやファブレッ トで最も高くなっています。 たとえばWhatsApp、Skype、Viberなどのコミュニケーショ ンサービスに関しては、画面サイズはあまり重要ではありませ ん。しかしこれらのサービスは片手で持って使えるデバイスで 主に利用されているため、タブレットでの利用率はかなり低く なっています。 今回の分析では、プラットフォームの差による統計的影響を 排除するため、Androidデバイスのみを対象としました。これ らのデバイスではデバイス間の画面サイズのばらつきもかなり 大きくなっています。デバイスの無線性能とネットワーク技術 の違いの影響を排除するため、調査対象はスロットリングを 行わないセルラーネットワークのLTE対応デバイスのみとしま した。 タブレット ユーザーがオンラ イン動画の視聴に 費やす時間はモバ イルブロードバンド ユーザーの平均の 50%超 小さな画面では読み書きがしにくいので、ウェブ閲覧やソー シャルネットワーキングでは利用の妨げになる可能性もあり ます。ただし画面が大きすぎても使用率は下がります。これ 画面サイズがサービス利用率に与える影響 4.0-4.5インチの小型 4.5-5.0インチの中型 5.0-5.5インチの大型 のスマートフォン のスマートフォン のスマートフォン 5.5-6.0インチのファ ブレット 6.0-7.0インチのファ ブレット 7.0インチ以上のタブ レット 150% 100% 50% 0% 動画 ウェブ閲覧 ソーシャルネットワーキング ベース: LTE対応のAndroidデバイス 注: 縦軸は、測定対象全体に対する加入者あたりの平均利用率 (100%) と比較した相対値を示す 1 ファブレットは、通常のスマートフォンより大きいがほとんどのタブレットより小さく、片手で持って使用できる。 26 エリクソン・モビリティレポート 2015年6月 コミュニケーションサービス 調査の手法 予測方法 エリクソンは、自社の方針決定および計画立案、市場へ の情報発信の目的で定期的に予測を行っています。この レポートの加入契約数およびトラフィック予測のベース ラインは、顧客ネットワーク内で広範囲にわたる測定を 含むエリクソン社内のデータで裏付けられた各種のソー スの過去のデータに基づいています。将来の展開につい ては、社内の推定および分析とともに、国または地域レ ベルでのマクロ経済の動向、エリクソン・コンシューマー ラボの調査に基づくユーザー動向、市場成熟度、技術進 化予測、業界アナリストのレポートなどの資料を基に予 測しています。加入契約数およびトラフィック予測は毎 年アップデートされます。過去のデータも、たとえば事 業者の報告書の加入数の数値が更新されるなど、ベース となるデータに変更があれば、更新されます。 モバイル加入数はあらゆるモバイル技術を含みます。M2M 加入数は含まれません。加入数は携帯電話とネットワーク がサポートする最も進んだ無線方式で算定しています。数 値は端数処理を行っているので、数値データの総計が実際 の総計とわずかに異なることがあります。 本書でいうトラフィックとは、モバイルアクセスネットワークの 集約トラフィックであり、DVB-H、Wi-Fi、 モバイルWiMaxのト ラフィックは含んでいません。また音声トラフィックにはVoIP のトラフィックは含まれません。 トラフィック計測 新しいデバイスとアプリケーションはモバイルネットワーク に影響します。各種のデバイスとアプリケーションに関して 深くかつ最新の知識を持つことは、モバイルネットワークの 設計、試験、管理のために重要です。エリクソンは世界の主 要な地域すべてで100を超える稼働中のネットワークにつ いて、定期的にトラフィックを測定しています。選択された 数の商用WCDMA/HSPAおよびLTEネットワークについ て、各種のトラフィックパターンを類型化する目的で詳細な 測定を行っています。加入データはエリクソンでの分析前 にすべて匿名化されます。 用語 2G: 2nd generation mobile networks (GSM, CDMA 1x) 3G: 3rd generation mobile networks (WCDMA/HSPA, TD-SCDMA, CDMA EV-DO, Mobile WiMax) 4G: 4th generation mobile networks (LTE, LTE-A) 5G: 5th generation mobile networks (not yet standardized) ARPU: Average Revenue Per User, a measure of the revenue generated per user or unit Basic phone: Non-smartphone CAGR: Compound Annual Growth Rate CDMA: Code Division Multiple Access DL: Downlink EB: ExaByte, 10^18 bytes EDGE: Enhanced Data Rates for Global Evolution GB: GigaByte, 10^9 bytes GERAN: GSM EDGE Radio Access Network GSA: Global Supplier Association GSM: Global System for Mobile Communications HSPA: High Speed Packet Access IoT: Internet of Things LTE: Long-Term Evolution M2M: Machine-to-Machine MB: MegaByte, 10^6 bytes MBB: Mobile Broadband (defined as CDMA2000 EV-DO, HSPA, LTE, Mobile WiMax and TD-SCDMA) Mbps: Megabits per second Mobile PC: Defined as laptop or desktop PC devices with built-in cellular modem or external USB dongle Mobile router: A device with a cellular network connection to the internet and Wi-Fi or ethernet connection to one or several clients (such as PCs or tablets) MTC : Machine-Type Communication OS: Operating System PetaByte: 10^15 bytes Smartphone: Mobile phones with open OS, e.g. iPhones, Android OS phones, Windows phones but also Symbian and Blackberry OS TD-SCDMA: Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access TB: TeraByte, 10^12 bytes VLR: Visitor Location Register VoIP: Voice over IP (Internet Protocol) UL: Uplink WCDMA: Wideband Code Division Multiple Access 2015年6月 エリクソン・モビリティレポート 27 エリクソンは通信技術とサービスを提供する世界有数の企業として、ネットワーク化社会 (Networked Society) の実現を目指して邁進しています。エリクソンは世界中の大手通信 事業者との長期的な関係を通じて、人々、ビジネス、社会がそれぞれの可能性を追求し、持 続可能な未来を創成しようとする取り組みを支援していきます。 エリクソンのサービス、ソフトウェア、インフラストラクチャ、特にモバイル、ブロードバンド、 クラウド分野におけるそれらの技術は、通信とその他の分野における事業の改善、効率の向 上、より良いユーザーエクスペリエンスの提供、新しいビジネス機会の創造を実現します。 180カ国で事業を展開し、11.5万人を超える社員を擁するエリクソンは、グローバルな事業 規模と、テクノロジーおよびサービスにおけるリーダーシップを備えています。エリクソンは 今日、25億人を超えるエンドユーザーへのサービスをサポートしています。世界のモバイル トラフィックの40%以上がエリクソンの提供するネットワークを利用しています。エリクソン は、我々のソリューションとそれらを活用するお客様が常に時代の最先端にいられるよう、 研究開発への投資を行っています。 エリクソンは1876年に設立され、本社所在地はスウェーデンのストックホルムです。2014 年の売上高は331億USドル (2,280億SEK) です。エリクソンは、NASDAQ、OMXストッ クホルム、NASDAQニューヨーク市場に上場しています。 Ericsson SE-126 25 Stockholm, Sweden Telephone +46 10 719 00 00 www.ericsson.com EAB-15:026112 Uja, Revision A © Ericsson AB 2015
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