1 - 行 政 視 察 報 告 書 平成26年11月11日(火)から11月13日

行 政 視 察 報 告 書
平成26年11月11日(火)から11月13日(木)までの3日間にわたり実施した
行政視察の概要を次のとおり報告する。
平成26年11月20日
伊東市議会議長
鳥
居
康
子
様
伊東市議会議員
(常任観光建設委員会)
委 員 長 榎
本
元
彦
副委員長
長
沢
正
委
員 土
屋
進
委
員 井
戸
清
司
委
員
鈴
木
克
政
委
員 稲
葉
正
仁
委
員 杉
本
一
彦
記
1
視察都市等
11月11日(火)
12日(水)
北海道小樽市
小樽商工会議所
12日(水)・13日(木)
2
視察事項
北海道札幌市
常任観光建設委員会所管事項
⑴
北海道小樽市
「観光振興及び小樽 kawaii ティーパーティーについて」
⑵
小樽商工会議所
「小樽観光大学校及びおたる案内人制度について」
⑶
北海道札幌市
「商店街活性化事業について」
「観光ボランティアガイド及び商店街の取り組みについて」
3
視察の概要
常任観光建設委員会所管事項について、視察した都市及び事業の概要は
以下に記載のとおりである。
- 1 -
⑴ 北海道小樽市
①
市
制
施
②
人
③
世
④
区
⑤
産 業 別 人 口(平成22年国勢調査)
帯
域
面
行
大正11年8月1日
口
125,540人(平成26年9月末日現在・住民基本台帳)
数
65,981世帯
積
243.65km2
第1次産業
761人
第2次産業
9,695人
(17.8%)
第3次産業
42,909人
(78.7%)
分類不能
1,145人
計
⑥
⑦
(
1.4%)
2.1%)
54,510人(100.0%)
平成26年度一般会計予算
総
(
56,188,466千円
〃
特別会計予算(
9会計)
35,085,891千円
〃
企業会計予算(
4会計)
33,691,277千円
額
観光客数(平成25年度)
124,965,634千円
7,107,700人
【沿革】(※小樽市議会事務局長小鷹孝一氏からご説明いただいた。)
「小樽」という地名は、アイヌ語で「オタ・オル・ナイ」
(砂浜の中の川の意)と呼ば
れたことに由来する。今から約400年前(慶長年間)に松前藩の知行地として開かれ、
やがてニシンを求めて定着する和人の数が年々増加し、元治2年(1865年)、漁業
を中心とした集落314戸が建ち、村役人も決まり「村並み」の組織ができ、この年を
「小樽の開基」としている。明治政府が北海道開拓の本府を札幌に決めると、小樽は札
幌を初めとする道内への物流拠点港となり、また、本州からの開拓移民も小樽へ上陸し、
北海道の奥地へと向かう基地となった。
空知地方の豊富に埋蔵する石炭の搬出を目的として、北海道で最初の鉄道が、明治1
3年(1880年)11月28日に手宮~札幌間に敷かれた。
西蝦夷第一の天然の良港とたたえられる小樽港は、明治22年(1889年)に特別
輸出港に、明治32年(1899年)には外国貿易港(開港)に指定された。
明治30年(1897年)から大正10年(1921年)にかけて総延長3,555
mの南北防波堤も完成し、石炭はもとより、雑穀、日用雑貨等の輸出や移出が盛んにな
り、海産物は全国の7割が小樽に集まったと言われている。明治38年(1905年)
に南樺太が日本の領土になってからは樺太航路が開設され、さらに第一次世界大戦の頃
には欧米航路も開かれ、多くの船舶が来航し、港はたいへんなにぎわいであった。
色内本通りには多くの都市銀行や商社が軒を競い、
「北のウオール街」と呼ばれ、小樽
の穀物相場がロンドンの相場に影響を与えると言われるくらい、世界の商況を反映して
活発な取引が繰り広げられた。
- 2 -
第二次世界大戦後、経済情勢や流通機構が大きく変わったため、小樽の経済を支えて
きた雑穀、海産物等の卸商は衰退の一途をたどり、多くの大手都市銀行の支店が撤退し
た。
「斜陽都市」と言われた長い停滞の後、経済の再興を図るため、札幌自動車道の建
設、関西都市を結ぶ大型フェリーの就航、中央・勝納・色内各埠頭等の港湾施設の整備、
小樽駅前再開発事業、国道拡幅工事、臨港線の建設等の施策が進められた。
これらの都市基盤整備の中で、大正12年(1923年)に完成し、無用のものとな
った「小樽運河」の埋め立て計画が持ち上がり、一大論争が繰り広げられるとともに、
市内の石造りやレンガ造りなどの建物の保存や景観について注目を集めるようになっ
た。
十数年に及んだ小樽運河の埋め立てをめぐる論争は、昭和54年(1979年)に全
面埋め立てから一部埋め立ての折衷案をもって決着し、昭和61年(1986年)4月
に現在の小樽運河の姿としてよみがえった。
これを契機に、小樽は観光客が訪れるようになった。
現在の小樽は、高い技術力を生かした機械、金属製品、家具、木製品や新鮮で豊富な
素材等を利用した食品加工品を多く生産し、全国的な販路拡大に努めているとともに、
港湾を活用した環日本海地域の物流・人流拠点として対岸諸国との交流も盛んであり、
また、近年では小樽運河や石造倉庫群を初めとする歴史と文化、海・山などの地域の特
性を生かしたまちづくりにより観光地となり、「商工港湾都市・観光都市」の性格を有
している。
【地勢】
北海道の後志地方の東端に位置しており、市街の中央部は三方を山に囲まれ、他の一
方は石狩湾に面している。背後の山々が海にせり出していて平地は少なく、全体として
坂道の多い東西に細長い形のまちである。
【気候】
一般に冬季の気温は内陸部に比べて高く、寒暖の差は大きくはない。夏季には海陸風
の発達が著しく、特に4月、5月は南西の強風が多く、空気は乾燥している。11月~
4月は降雪期で、積雪量が多く、快晴の日は少ない気候である。
【歴史】
1920年頃までは、札幌の人口よりも多く、函館に次ぎ道内第2位の人口があった。
しかし1960年代以降、石炭需要の低下と北海道内の炭鉱の閉山、ロシア貿易の衰退、
太平洋側の苫小牧港や近隣の石狩湾新港の整備により港としての機能は衰え、人口も減
少傾向にあり、最盛期より35%も減少している。平成22年4月12日に総務省から
過疎地域として指定され、同年の国勢調査では約132,000人まで減少した。
1869 年:北海道後志国とともに小樽郡、高島郡、忍路郡が置かれる。
1880 年:手宮 - 札幌間に北海道最初の鉄道「幌内鉄道」
(のちの手宮線・函館本線)が
開通
- 3 -
1899 年:北海道区制施行(現在の区制とは異なり、当時の本州の市制よりも自治権の弱
い体制である。)
1901 年 9 月 10 日:現在の市章となる区章を制定する。
1903 年:小樽 - 余市間に鉄道が開通する。現:小樽駅である小樽中央駅が開設する。
1914 年:第一期埋立事業(小樽運河)起工
1916 年:人口:102,106人。マラリア患者数:39人。
1920 年:第一回国勢調査で、小樽区の人口108,113人で、札幌区の人口102,
580人よりも多かった。この頃以前は、道央圏人口第1位だった。
1922 年:市制施行、小樽市となる。
1925 年:第二回国勢調査で、小樽区の人口124,734人で、札幌区の人口145,
060人に抜かれる。この頃以降、道央圏人口第1位の地位を、札幌に譲る。
1958 年:塩谷村を合併。人口:204,377人。このころが、人口最大時であり、そ
の後徐々に人口を減らす。
1965 年:開基100年記念式典を行う。
2004 年:市政初の実質的な赤字予算が市議会で可決
2010 年:道内の人口10万人以上の市で初めて、過疎地域の指定を受ける。(市町村合
併に伴う「過疎地域とみなされる市町村の区域」を除く。)なお、人口10万人
以上の市で過疎地域の指定を受けた道外の市には、小樽市と同時に指定された福
岡県大牟田市がある。
【産業】
観光業。往時の繁栄をしのばせる近代建築が市街の至るところで散見され、観光資源
となっている。小樽運河は全国的に知名度が高い。映画やテレビドラマの舞台として頻
繁に登場することから、中国、韓国、台湾など近隣諸国からの観光客が急増している。
【文化財】
道指定有形文化財―にしん漁場建築小樽市鰊御殿(旧田中家番屋)※現地見学
【名所・観光スポット】
小樽運河と煉瓦倉庫街(小樽市総合博物館運河館、小樽運河工藝館)
堺町通り(旧久保商店、北一硝子、小樽大正硝子館)
色内、日銀通り (日本銀行旧小樽支店金融資料館、旧北海道銀行本店、旧三井銀行小
樽支店、旧北海道拓殖銀行小樽支店、小樽市総合博物館分館(小樽文
学館・小樽美術館))
メルヘン交差点(旧共成(現小樽オルゴール堂))
築港(小樽港マリーナ、ウイングベイ小樽、石原裕次郎記念館)
祝津(日和山灯台、パノラマ展望台、旧茨木輿八郎番屋、旧茨木家中出張番屋、旧近
江家番屋、旧白鳥家番屋、小樽祝津マリーナ、旧青山別邸(にしん御殿小樽貴賓
館)
、おたる水族館)
- 4 -
朝里川温泉 (朝里川温泉スキー場、朝里ダム)など
○
「観光振興及び小樽 kawaii ティーパーティーについて」
観光振興の概要、現状等について、小樽市産業港湾部観光振興室主幹川嶋広士氏か
らご教示いただいた。
また、小樽 kawaii ティーパーティーの概要、現状等について、小樽市産業港湾部
観光振興室主幹海谷昌弘氏からご教示いただいた。
・
「観光振興について」
【概要】
1
観光入込客数
平成25年度の観光入込客数は、国内景気持ち直しの動きや円安傾向による旅行
需要の増加などにより、対前年度比で107.7%の7,107,700人となり、
平成20年度以来5年ぶりに700万人を超えた。
道外客数については、平成24年に新千歳空港に就航した格安航空会社(LCC)
が好調に推移していることなどから、対前年度比で105.3%となった。道内客
については、新たな冬季イベントや継続して実施してきた札幌市での誘致プロモー
ションなどにより、対前年度比で108.7%となった。
宿泊客数は、対前年度比105.5%の645,900人となり、2年連続の増
加となった。
特に、外国人宿泊客数については円安傾向に加え、昨年7月に始まった東南アジ
ア5カ国に対するビザ発給要件の緩和などにより、対前年度比160.2%の72,
860人となり統計を取り始めてから過去最高を記録した。
国別では、香港が平成19年度から7年連続でトップとなり、次いで台湾、中国
の順となっている。また、昨年10月から新千歳空港へ直行便が毎日運航となった
タイは、対前年度比532.4%と大きく増加した。
平成25年度の客数状況
人数(人)
観光入込客数
(100人未満四捨五入)
対前年度比(%)
7,107,700
107.7
道外客数
1,993,400
105.3
道内客数
5,114,300
108.7
日帰り客数
6,461,800
107.9
宿泊客数
645,900
105.5
修学旅行宿泊客数
17,571
90.6
外国人宿泊客数
72,860
160.2
(統計から見た課題)
- 5 -
観光入込客の91%が日帰り客であり、宿泊客数は1割にも満たない。日帰り通
過型から宿泊滞在型への移行が長年の課題である。さらに、1年のうち閑散期とな
る11月、12月の集客も課題である。
また、修学旅行については道北の中学1・2年生は訪れるが、高校生は関東から
西に行ってしまう。誘致については、平成17年に実行委員会を立ち上げ積極的に
取り組んではいるものの、九州、四国、関東からの取り込みに苦戦をしている。
2
観光客誘致の推進
⑴
外国人観光客の誘致
⑵
国内観光客の誘致
⑶
受け入れ体制の強化
⑷
新たな魅力づくり
平成26年度
観光誘致施策体系図(主な事業)
事業名
外
国
人
観
光
客
の
誘
致
事業費(千円)
東アジア圏等観光客誘致広域連携事業費補助金
・運輸局VJ事業参画(韓国、マレーシア、シンガポール旅行代理店招聘)
・フォトウエディング協議会事業(香港フォト関連雑誌社招聘)
小樽・北後志広域インバウンド推進協議会事業
(事務局:小樽市観光振興室)
国内外観光客誘致実行委員会補助金
国内外観
光客誘致
実行委員
会
・タイ国際旅行博への出展(11月)
10,000 ・タイ、台湾のメディア、旅行代理店担当者の招聘
(道補助予定) ・タイ、台湾、上海で放映のTV番組制作タイアップ事業
・外国語マップの作成
3,000
海外・国内・道内各エリアからの観光客誘致に対する取り組みへの補助
(市町村振興協会補助 いきふる1,000千円の予定)
(1000) 香港からメディア、旅行代理店担当者の招聘
(1000) 大阪での観光説明会、旅行代理店訪問、クルーズ船着地型旅行商品の売り込み(※1)
(1000) 道央圏における観光誘致キャンペーン
2,000 企業の福利厚生会報誌を活用した宿泊客の誘致
(うち一般財源2,000)
海外プロモーション
国内プロモーション
道内プロモーション
宿泊客誘致全国キャンペーン事業費補助金
観光広告プロモーション事業費補助金
受
け
入
れ
体
制
の
強
化
・札幌市との連携事業(タイ雑誌社、インドネシア旅行代理店招聘)
・札幌MICEサミットへの参画
(札幌市や北海道運輸局と連携した誘致事業への参画)
(北後志6市町村が連携した外国人観光客誘致、市会計通らず)
国
内
観
光
客
の
誘
致
1,200
事業内容
観光協会 観光誘致促進事業補助金
観光マップ作成費補助金
2,000 新聞、雑誌等への広告掲載による観光客誘致
3,300 クーポン、ナイトマップの作成、クルーズ船受け入れ対応(※2)、冬季イベントへの補助
4,100 観光ガイドマップの作成への補助
教育旅行誘致
160
道内と道外キャンペーン(関西または九州)に参加、旅行代理店訪問
(小樽教育旅行誘致促進実行委員会のキャンペーン参加)
観光物産展での観光客誘致
小樽港クルーズ推進事業
280 物産展と連動した観光PR事業
15,840
・小樽港クルーズ推進協議会による誘致活動や受け入れ体制の強化
・着地型旅行商品パンフレットの増刷、ウェルカムポップの配布
・上記(※1、※2)でもクルーズ船対応事業あり
新
た
な
魅
力
づ
く
り
小樽国際インフォメーションセンター運営交付金
観光協会 観光案内所運営交付金
観光協会運営費補助金
10,355
観光案内の充実、強化
8,392
7,800 観光協会事務局の体制維持、強化
小樽kawaiiティーパーティー実行委員会補助金
500
- 6 -
女性層をターゲットに「kawaii(カワイイ)」をキーワードとしてイベントの開催
・
「小樽 kawaii ティーパーティーについて」
【概要】
小樽 kawaii ティーパーティー2014事業の概要
1
世界の共通語となった「カワイイ」を効果的に使って
世界に「小樽のまちの魅力」を発信する
平成25年6月29日第 1 回を開催
小樽 kawaii ティーパーティーは、大変な話題となり、多くのメディアに
取り上げられて目的達成。
さらなる小樽らしいイメージの浸透に向けて、事業の継続が必要
2
実施主体
実行委員長:2014年度ミスおたる2人
構成:小樽市、小樽商工会議所、一般社団法人小樽観光協会、北海道旅客鉄道㈱
小樽地区駅、北海道中央バス㈱小樽事業部
市内の経済界、観光関連業界、アクセス業界を組み入れ、事業の円滑な運営を図
る。
3
企画運営
sapporo
4
lolita
club、㈱メガ・コミュニケーションズ
取り組みに至る背景・目的
平成24年4月に設立された「sapporo
lolita
club」から、連携した取り組み
の提案があり、小樽のノスタルジックな景観やクラシックな店舗等の建築物がロリ
ィタファッションにマッチすること、新たにハード整備などの必要がなく小樽の持
つ観光資源をそのまま活用できる観光振興策になること、さらには服飾やスイーツ
などの製造業への展開を図れることなど、クラスター的な経済波及効果を期待して、
具体的な事業の検討を行った。
ドレスコードは、ロリータ、ゴスロリ等ジャンルは問わず、パーティーにふさわ
しくドレスアップしたスタイルで参加。
5
開催日時
平成26年6月28日(土)午前11時~午後4時30分
前売りでチケット完売(5月1日から発売・前売券2,500円(税
込み))
6
開催場所
小樽 GOLDSTONE(ライブハウス)
定員90人完売
7
参加73人
実施企画
⑴
市内散策&市内プロカメラマン(2人雇用)による撮影会
⑵
カリスマモデル木村優氏によるトークショー
⑶
特製ロリィタケーキでのお茶会(交流会)
- 7 -
8
事業費
総事業費1,030千円(予算)
(内訳)市補助金500千円、関係機関負担金100千円、
参加負担金250千円、協賛金180千円
平成26年度は883,000円で事業を実施した。
9
効果
⑴
テレビ・新聞等のメディアによる報道
⑵
専門服飾店との提携による全国専門誌への掲載
⑶
facebook などSNSを活用したPR
⑷
参加者がソーシャルメディアを通じて情報発信
10
小樽の景観、観光施
設、スイーツなどの資
源を世界に発信
発展
この取り組みが発展して、観光庁の官民による観光地の再建・強化事業に、札幌
市と連携した「ロリカワ観光ツーリズム」に採択され、モニターツアー催行や公式
web サイト及び facebook ページ立ち上げ、ガイドブック制作が進められた。
平成25年8月20日には、観光庁で事業の記者発表を行い、観光庁長官を表敬
訪問した。
これらの取り組みにより、単にニュースだけではない、さらなるマスコミへの露
出が図られている。
11
課題
⑴
体験観光としての体制確立
⑵
民間による自走化
(質疑等)
1
事業のターゲットについて
若者
企画―sapporo
lolita
club の学生の就活(学生が製作したものを商品化)
参加者の目的―ファッションを取り込みたい。
市―観光スポットを売り込み、誘客を図りたい。
2
参加者の特徴
20代が約65%。
リピーター率は約40%。参加者のうち1割弱が男性である。
3
「カワイイ」を使用した理由について
「ロリィタ」にかわる言葉として「カワイイ」を使用した。
4
「ロリカワ」の商標登録
現在、登録していない。
5
経済効果
平成24年度:広告宣伝効果約1,600万円(電通に調査依頼し、広告換算)
市補助金額に対し、非常に費用対効果が高い、効率のよい事業と言える。
- 8 -
一方、
「ロリカワ観光ツーリズム事業」については、電通によると約1億2,00
0万円の広告宣伝効果があったと換算されている。
○
「小樽観光大学校及びおたる案内人制度について」
小樽観光の現状等について、小樽商工会議所業務課長経営指導員佐藤一彦氏からご
教示いただいた。
また、小樽観光大学校及びおたる案内人制度の概要等について、NPO法人歴史文
化研究所総務部長美濃進氏からご教示いただいた。
・
「小樽観光の現状について」
【小樽市の観光行政】
~小樽観光の目指すべき姿~
小樽市観光基本計画(平成18年4月)
・時間消費型観光の推進
・ホスピタリティ意識の向上
・海と港の活用
・観光プロモーションの推進
小樽市
小樽観光協会
小樽商工会議所
小樽観光プロジェクト推進会議(平成19年8月)
小樽観光都市宣言(平成20年10月2日)
多くの人に愛されるまち、より質の高い時間消費型観光のまちを目指す
【民間の取り組み】
1
小樽観光大学校
2
JAPANブランド育成支援事業
3
小樽国際観光リゾート推進協議会
4
建設業と地域の元気回復助成事業
5
小樽商工会議所プロジェクト事業平成23年度~
6
地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト
【小樽雪あかりの路】
→冬のイベントとして定着(平成26年で第16回を数え、498,000人が来遊。)
・冬期間の観光客減少の解消
・市民参加型の地域的な広がり
・国際交流
- 9 -
―ボランティアスタッフとして韓国、台湾など、海外から延べ4,479人
・
「小樽観光大学校及びおたる案内人制度について」
【おたる案内人誕生の背景】
企画を提案した当時(10年程前)、小樽はすでに多くの観光客が訪れるまちになっ
ていた。
*昭和61年(1986年)
、小樽の観光元年と言われている。
観光客入込数・・H16年754万人、H17年756万人、H18年769万人
ピークはH11年970万人
●ところが、観光ガイドはほとんどおらず、独学でガイドをしていたため、解説内容
に多少問題があると専門家からの指摘もあった。きちんとした小樽の歴史を解説でき
るガイドを養成する仕組みが必要な時期にきていた。
【「おたる案内人」検定制度ができるまでの経緯】
平成15年・・・・小樽市「地域経済活性化会議」が当時の小樽市長の提言で招集さ
れる。
メンバーは市内の産学官関係者
数十人。(分科会)
目的は・・・・市民のアイデアで新たな仕組みや産業の創出
●人づくりワーキンググループ(分科会)
これまでにない人材を育成しよう!
平成17年・・・・ワーキンググループに参加
メンバーではなかったが、企画書を座長に提案し、すぐに会議
の議題として検討され、メンバーとして参入した。
平成18年・・・・ワーキンググループが運営委員会を民間主導で設立
公的な補助金を一切使わないで運営していくことで合意。
民間企業からの協賛金を募り、運営資金を確保。300万円を
集めた。
平成19年・・・・第1回検定試験実施
- 10 -
【小樽観光大学校の組織(民間組織)】
学校長・・・・・・・・小樽市長
運営委員会・・・・・・オール小樽体制
*講座と検定収入等で運営(公的資金なし・民間協賛金)
運営委員長・・・・・・民間企業経営者で商工会議所副会頭
運営委員・・・・・・・小樽商科大学・小樽観光協会
小樽市教育委員会・小樽市産業港湾部(観光)
北海道職業能力開発大学校
北海道中小企業家同友会しりべし・小樽支部
事務局・・・・・・・・小樽商工会議所
企画・講座・検定・・・NPO法人
歴史文化研究所
まちの観光の特徴を捉える
まちの観光パターンを捉え、それに合った人材を養成
小樽の観光パターンを捉える
・・・・・・・・・・養成するイメージを構築
小樽の歴史を体系的に理解している人材
・・・・・・・・・・小樽観光の特徴は歴史観光
自分のまちのすごさを伝えられる人材
・・・・・・・・・・かつて日本や世界を動かしたまち
おもてなしの心を理解し、実践できる人材
・・・・・・・・・・知識だけの人材ではない
【「おたる案内人」養成の仕組み】
※「おたる案内人」制度の現状
- 11 -
【ガイドを養成するために必要な組織とは】
民間企業
=企画は民間がリーダーとなり進めていく
観光協会・商工会等=各施設や店舗などのコーディネーター役
役所(観光課)
=企画がスムーズに進行するためのサポート役
(ポイント)
運営資金を確保する仕組みづくり
公的資金に頼らず、民間資金(個店の協賛金や商店街など)で運営していくのが望
ましい。有料の養成講座、スキルアップ講座。
民間主導型の方がまちを盛り上げることができ、継続しやすく、オール体制がつく
りやすい。役所はサポート役であるべきである。
事務局をどこに置くかが重要!
【資格は3種+基礎】
2級・・・・・誰もが受験できる。
小樽観光ガイドに必要な基礎的な知識を身につけている。
1級・・・・・受験資格は5講座(5日間)必修
主に観光関連従事者とガイドを目指す人が対象。ガイドができる知
識を身につけ、おもてなしの心を理解している。
*1級・2級の試験問題は共通。2級は60点以上、1級は70点以上が合格ラ
イン
マイスター・・受験資格は1級取得者で2講座(1日)必修
主に観光ガイドを目指す人が対象。専門的な知識を身につけ、おも
てなしの心を理解している。小樽観光の提案ができる人材とする。
*試験問題は論文中心。8人の審査員で審査に1月ほど要する。
基礎・・・・誰もが受講できる。(1日で修了、試験なし)*特典なし
小樽の成り立ちの基本的な知識を大まかに勉強する。
●平成26年4月14日現在有資格者数
2級
304人/1級
363人/マイスター
31人/合計698人
※マイスターについては、資格を取得することが目的で、活動しない人もいる。
【まちかど教室】
有資格者のスキルアップのために「まちかど教室」を開催。資格取得者を対象とし
た、ガイドに役立つ講座。7年実施している。
毎月1回、平日の午後6時30分から8時まで、小樽市民センター会議室や協力企
業内で開催している。資料代として500円をいただき、毎回15~20人が参加し
ている。
【人材育成及び活用の場】
1
「おたる案内人」基礎コースの講師
- 12 -
年3回、会場は運河プラザ3番庫で開催している。参加料は3,000円(昼
食、飲み物、博物館入館料含む。)で、午前中は座学、午後から博物館(学芸員)
にて実施している。
1級以上のおたる案内人のフィールドワークでもある。
2
小樽雪あかりの路
バックヤードツアー
3
小樽観光協会のサポートガイド
観光案内所専属スタッフが忙しくなる5月から10月までの土日に観光相
談コーナーを開設し、サポートする。
今年度からクルーズ船寄港に合わせ、JR小樽駅構内にてサポートガイドを
実施した。
(10月までに1,600人。ただし、忙しすぎて、記載できなかっ
た人数もあり、実際は2,000人以上であったと想定される。)
4
小樽市建設部まちづくり推進課
主催:「まちなみ散策」の公式ガイド
今年初の試みであり、来年も実施を希望しているとのことである。
【「おたる案内人」ジュニア育成プログラム】
●自分たちが暮らす小樽の歴史を学んでもらうことで、郷土愛(シビック・プライ
ド)を醸成することを目的とする。
●プログラムを通じて、実際に観光ガイドを行い、体験することで表現力が養われ、
社会力が育まれる。(←学校の考えと一致し、市内の1校で3年前から実施。学校
の学芸会では声がよく出せるようになったとのことである。)
●観光都市としての新たな取り組みとして、子供たちもガイドできるまちとして内
外にアピールする。
小樽市内小学校の5・6年生を対象とし、総合学習の時間で小樽の歴史を解説す
る。講師は「おたる案内人」とNPO、博物館学芸員が勤めている。
6年生の最終課題は運河公園や運河周辺を一般客に観光ガイドすること。
45分授業を年間54コマ、1回に最低2コマの授業
校外授業では博物館見学や市内歴史散策
表現力を養うため、最終課題は一人ずつ観光客にガイドを行う。
【ガイドの効果】
ガイドの役割とは=まちに経済効果をもたらす人
まちの魅力を高める人
旅の価値を高める人
お客様を満足させ、リピーターをふやす人
観光の最前線でお客様のニーズを捉えることができる人
【課題】
- 13 -
1
事業を継続していくための経費の捻出
・・・・・観光大学校の継続やボランティアガイドの交通費など
2
有資格者のスキルアップ
・・・・・観光客の皆様に楽しんでいただくための情報収集や接客マナー、自
主的勉強会など
3
有資格者が活躍できる環境づくり
・・・・・ガイドを希望する人へ、ガイドできる場の提供
4
有資格者の世代交代(仕組みづくりは?)
・・・・・今、活躍している方の次世代を育成するには
・・・・・現役世代が活躍できる方法とは
・おたる案内人による案内
ボランティア観光ガイドおたる案内人1級大井厚夫氏及び同阿久津米子氏の案内
のもと、日銀通り、小樽運河、煉瓦倉庫街の現地視察を行った。
・小樽市鰊御殿
昭和35年に道内の民家では初めて「北海道有形文化財鰊漁場建築」として、文化
財に指定された小樽市鰊御殿の現地視察を行った。
一部2階建て、総面積611.9㎡で、民家には珍しい建築様式を用い、道産材や
東北地方から取り寄せたヒノキなど約540tが使われ、長大な材木をふんだんに使
った当時の鰊場親方の豪放さを伺わせる。
「ニシンは魚にあらず」と言われたほど、ニシンの魚肥は、明治初期の北海道の近
代化に経済面で大きく貢献をしただけでなく、日本の農業生産の増加を推進する役割
も担っていた。
⑵ 北海道札幌市
①
市
制
施
②
人
③
世
④
区
⑤
産 業 別 人 口(平成22年国勢調査)
帯
域
面
行
大正11年8月1日
口
1,934,941人(平成26年10月1日現在)
数
1,014,700世帯
積
1,121.12km2
第1次産業
3,534人
第2次産業
118,904人
(13.8%)
第3次産業
658,853人
(76.5%)
分類不能
79,746人
計
⑥
(
(
0.4%)
9.3%)
861,037人(100.0%)
平成26年度一般会計予算
884,750,000千円
〃
特別会計予算(
7会計)
360,723,000千円
〃
企業会計予算(
6会計)
290,829,000千円
- 14 -
総
⑦
額
1,536,302,000千円
観光客数(平成25年度)
13,559,000人
【沿革】
札幌市は、厳寒の石狩の原野に北海道開拓の拠点として創建されて以来140年の間
で、人口193万人を擁する大都市へと急成長した世界的にもまれな都市である。
石狩川の支流である豊平川の扇状地に開かれたまちであり、明治初期まで樹林と草木
に覆われた未開の地であったが、寛政11年(1799年)、蝦夷地は松前藩の管轄を
離れ幕府直轄の地となり、探検調査などが積極的に行われた。
その結果、石狩低地帯の重要性が認められ、札幌開発が進むきっかけとなった。その
後、西蝦夷地防備の中心基地として、石狩開発論が盛んになり、幕府の命を受けた探検
家松浦武四郎は、石狩地方の調査を行い、札幌の地に蝦夷地の首府を置くべきとの意見
を述べ、それが定論となった。
明治に入り、政府は蝦夷を北海道と改称し、開拓使を設置して本格的な開拓を進める
ことになった。明治2年には、札幌に北海道開拓の拠点として本府を置くことが決定し、
開拓使判官島義勇(しま
よしたけ)が札幌本府の建設に着手した。
【歴史】
1869 年:開拓使が設置され、蝦夷地を北海道と改称、島判官が札幌本府建設に着手
1876 年:札幌農学校と改称(現北海道大学)開校、米国からクラーク博士を初代教頭と
して招く。
1878 年:札幌農学校演武場(現時計台)完成
1880 年:札幌全域を札幌区と改称する。札幌 - 小樽手宮間に日本で3番目の鉄道開通
1882 年:開拓使廃止。函館・札幌・根室の3県設置
1886 年:札幌・函館・根室の3県を廃止し、北海道庁設置
1888 年:北海道庁赤れんが庁舎ができる。
1899 年:札幌・函館・小樽に北海道区制がしかれ自治制発足
1918 年:開道50年記念北海道博覧会開催
1920 年:第一回国勢調査で、札幌区の人口102,580人。なお、小樽区の人口10
8,113人、当時全道一の函館区の人口は144,749人であった。
1922 年:市制施行。札幌市となる。(人口127,044人)
1940 年:第五回国勢調査で、札幌市の人口206,103人で、函館市の人口(203,
852人)を初めて上回る。以降、北海道の都市人口第1位の地位を保ち続ける。
1950 年:第1回札幌雪まつり開催
1968 年:北海道大博覧会・札幌市創建100年記念式典開催
1972 年 2 月 3 日 - 2 月 13 日: 第11回冬季オリンピック札幌大会開催
4 月 1 日: 政令指定都市に指定され、中央区、北区、東区、白石区、豊平区、
南区、西区の7区からなる行政区制施行
- 15 -
1990 年:第 1 回パシフィック・ミュージック・フェスティバルを開催
1992 年:第 1 回 YOSAKOI ソーラン祭りを開催
2006 年:札幌市立大学開学
2008 年:北海道洞爺湖サミット開催
2010 年:APEC 貿易担当大臣会合開催
【経済】
観光業―豊かな自然を生かした観光業が盛んで、毎年2月初旬に行われるさっぽろ雪ま
つりでは、国の内外を問わず多くの観光客が訪れる。
食品加工業―道内の農作物・魚介類等の集積地という利点を生かし、古くから食品加工
業が発達してきた。現在でも市内各所に食品加工業や製菓業が存在し、明治乳業な
ど道内外の食品メーカーの工場も多い。
情報サービス業―1976年に北海道大学の青木由直教授が設立した北海道マイクロ
コンピュータ研究会から、BUGやハドソンなど多くのIT企業が派生的に生まれ
た。近年ではコールセンターやビジネス・プロセス・アウトソーシング産業の誘致
が盛んで、札幌駅北口には情報技術関連企業が集中している。日本郵便のコールセ
ンターも札幌に所在している。
農業―主な産物は、たまねぎ(札幌黄)、かぼちゃ、すいか、ほうれん草など。特にた
まねぎは、札幌が栽培発祥の地である。丘珠地区などで盛んに栽培されていたが、
近年は宅地開発などの影響により生産量は減少している。
鉱業―現在はほとんど行われていない。1971年に閉山した手稲区手稲鉱山では、
金・銀・銅が採掘されていた。また、2006年(平成18年)3月31日に閉山
した南区豊羽鉱山は、世界有数のインジウム鉱山だった。
○
「商店街活性化事業について」
札幌市の商店街活性化事業の概要、現状等について、札幌市経済局産業振興部産業
振興課長平野誠氏、同課商業振興係長髙橋忠浩氏からご教示いただいた。
【概要】
札幌市で実施している事業については次のとおりである。
1
札幌市地域商業魅力アップ事業
2
札幌市商店街再生事業
3
商店街地域連携促進事業
上記3事業を、さらに目的別に細分化して事業を実施している。以下事例に沿って説
明がされた。
【札幌市地域商業魅力アップ事業】
商店街や小売市場が魅力を高め、より多くの住民が集い、にぎわう商店街づくりに取
り組む事業を支援する。
1
商店街にぎわいづくり事業
- 16 -
事業内容:商店街等が地域と連携しながら、にぎわいを創出するために、イベン
ト事業に取り組む場合、その費用の一部を補助する。
補助率2/3以内、補助限度額年額20万円、期間各年度1回(通算
5回まで)
2
商店街集客力アップ事業
事業内容:商店街等が地域に密着した商業地として魅力を高め、地域住民による
利用拡大を図る事業に取り組む場合、その費用の一部を補助する。
補助率2/3以内、補助限度額年額80万円、期間最長3年
3
商店街環境整備事業
事業内容:商店街振興組合等が、一般公衆の利便を図るための環境整備施設を設
置する場合、その費用の一部を補助する。
補助率20/100以内、補助限度額2,000万円
【札幌市商店街再生事業】
商店街や小売市場が、地域住民から求められている課題に対応し、商業機能の再生に
向けた取り組みができるよう重点的に支援する。
1
商店街計画づくり事業
事業内容:商店街等が活性化に向けた長期的な計画づくりを行う場合、その費
用を補助する。
補助率10/10以内、補助限度額年額150万円、期間最長3年
2
安心できる商店街サポート事業
事業内容:商店街等が、地域の高齢者等にとって買い物しやすい環境づくりに
取り組む場合、その費用の一部を補助する。
補助率1年目2/3以内、2・3年目1/2以内、補助限度額年額2
00万円、期間最長3年
3
空き店舗活用事業【コミュニティ型】
事業内容:商店街等が商店街区及び小売市場内にある空き建物または空き室を
活用して、魅力向上のための新規事業に取り組む場合、その費用の一
部を補助する。
補助率1年目1/2以内、2・3年目1/3以内、期間最長3年
4
空き店舗活用事業【商業機能充実型】
事業内容:商店街が希望する業種や魅力ある店舗の新規出店を促進するため、
商店街区にある空き店舗を借り上げて店舗を開設する方に対し、開業
にかかる初期の費用の一部を補助する。
また、創業支援機関の中小企業診断士が、申請者の事業計画書作成
の相談受付や開業後の経営アドバイスなどのサポートを行う。
補助率2/3以内、補助限度額100万円
- 17 -
5
商学連携事業
事業内容:学生から商店街の活性化に向けたアイデアを募集するコンテスト
を実施し、当該コンテストで選ばれたアイデアを活用して、実際に
商店街が事業を実施する場合、その費用を補助する。
補助率10/10、補助限度額グランプリ200万円、準グラン
プリ100万円、期間単年度
平成25年度のコンテスト結果
・グランプリ(賞金10万円):小樽商科大学
「商店街のコミュニティスペースを活用して、大学生が小学生向けの体
験型学習教室(理科、英語)を実施し、学びに対する興味や楽しさを感
じてもらうとともに、商店街のにぎわいを創出する。」
・準グランプリ(賞金5万円):東海大学
「商店街加盟店舗で小学生を対象に職業体験イベントを行うとともに、
職業体験イベントに参加した児童の保護者を集めて交流会を実施。アン
ケート調査等を行う。」
【商店街地域連携促進事業】
地域連携促進事業※昨年度から実施。平成25年度は9商店街で実施し、好評を得て
いるとのことである。
事業内容:商店街が地域の多様なメンバーと一緒に企画を考える場に、進行役(フ
ァシリテーター)を派遣し、アイデアの整理等をサポートする。
【雇用への効果】
具体的に測定はしていないが、空き店舗活用事業「商業機能充実型」において新規出
店を支援していることから、一定の雇用創出効果が生まれているものと判断している。
(新規出店数)
H23:1件(年度途中からの実施)、H24:5件、H25:2件、H26:3件
実施/7件(予算)
【地域経済活性化への効果】
1
地域商業魅力アップ事業
平成25年度32商店街にて実施
・アンケート結果―商店街への集客について「効果があった」と回答
個展のPRについて「つながった」と回答
2
73%
83%
商店街再生事業
平成25年度8商店街にて実施
・アンケート結果―商店街への集客について「効果があった」と回答
個展のPRについて「つながった」と回答
【課題】
- 18 -
50%
63%
・補助メニューを細分化することで、わかりやすい、申請しやすいとのメリットもあ
る反面、事業が型にはまってしまい、大きな事業を行いにくい面があり、大枠で募集
をかけたほうがいいのではないかとの考えもある。
・祭り、イベント等は、補助期間が終了すると事業そのものがなくなってしまうこと
から、来年度に向け、支援のスキームを変更していこうかと検討しているところであ
る。
・北海道の中でも一人勝ちと言われるほど、人口も増加しているが、来年をピークに
人口が減少傾向になる。
・商店街においては後継者不足となっており、次世代育成が困難な状況にある中、青
年部が奮起して後継者育成に努力している商店街もある。
・都心の商店街は活発であるため、補助メニューを使っていない。地域の商店街が補
助メニューを活用している。
・かつて、急激に人口が増加した地域においては一気に高齢化の波が訪れ、買い物弱
者予備軍として危惧される状況である。
○
「観光ボランティアガイド及び商店街の取り組みについて」
【商店街(二条市場~狸小路商店街)】
札幌商工会議所ボランティアガイドの会会員渡邊昇氏の案内のもと、現地視察を行っ
た。
(二条市場)
~売り手の威勢のいい声が響く、100年以上の歴史ある市場~
明治初期に、石狩浜の漁師が新鮮な魚を売り始めたのがきっかけで開設したと言われ
る二条市場。かつては創成川の対岸、西1丁目から東2丁目にかけて、ずらりと魚の市
場が並び、次第にそば屋や居酒屋、青果店などが集まり現在の基礎となった。現在も、
市民の台所として健在。まちの中心部に位置する立地の良さも手伝い、カニやホタテな
ど北海道土産を求める観光客でにぎわう。また、市場内に個性豊かな飲食店が多数入居
する「のれん横丁」などの雑居ビルがある。
(狸小路商店街)
~開拓使時代から続くアーケードの商店街、北海道土産の買い物に便利!~
札幌の中心部を、東西約1km にわたって約200店が軒を連ねる商店街。西 1 丁目か
ら西 7 丁目まで全天候型のアーケードでつなぎ、雨や雪、陽射しなどを気にすることな
く利用できる。発祥は開拓使時代。1869年(明治2年)、明治政府が「北海道開拓
使」を札幌に置いたころ、現在の狸小路2・3丁目周辺に商家や飲食店が建ち並び始め、
明治6年頃にその一角が「狸小路」と呼ばれるようになった。アーケード内には、新旧
のお店が入りまじり、土産物店やカラオケ店等もあり、観光客に多く利用され、活気あ
ふれる商店街であった。
また、「商店街」という各店舗の同意を得ることが困難な地域において、道路横断勾
- 19 -
配(道路中央から店舗側への勾配)の緩和、各店舗出入口における段差の解消、滑りに
くい路面仕上げへの変更、視覚障害者誘導用ブロックの敷設等のバリアフリー化に係る
整備を行うとともに、高齢者、障害者等を含む歩行者が最優先との考えのもと、商店街
における車両通行のルールを組合が自主的に定め、24時間歩行者専用化を実現した。
バリアフリー化に係る整備と交通ルールの制定を一体的に取り組んだ点が高く評価さ
れ、平成26年1月17日に「第7回国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」
を受賞した。
3丁目と4丁目の間には「狸小路都心民間交番」が設置されており、狸小路の安全を
守る交番でもあり、観光案内所でもある。不定期でガードマンも在所し、防犯の役割を
担うとともに、札幌商工会議所観光ボランティアガイドの会の会員がお手製のマップを
作成し、交通案内・観光案内に当たっている。案内は年間で約12,000件にも及ぶ
とのことであった。
以
- 20 -
上