留学成果報告書 - 九州産業大学

平成 26 年度派遣留学生
留学成果報告書
中国人民大学(中国)
経済学部経済学科
12EE380
山下 彩
なぜ交換留学へ行こうと思ったか。
中国との出会いは、高校生の時でした。私のアルバイト先でたまたま中国人の女の子が一
緒に働いていた事がきっかけでした。その当時テレビで盛んに日中関係に関する報道がさ
れており、中国に良いイメージを持っていませんでした。しかし彼女と仲よくなるにつれて
段々、彼女が時折使う中国語に興味を持ちました。大学に入学後まず中国語を話せるように
なりたいと目標を立て、九産大に中国語同好会があったのですぐ入部しました。部員は少な
かったですが、一学年上の先輩は中国語検定準1級をもつ人で、顧問の先生も中国人でした
のでその中で一から学んでいきました。一年生の後期、先輩や同級生の進めにより、学内の
中国語大会に参加しました。大会前、中国語の発音から丁寧に教えてもらい 1 年生の部で 3
位を獲れました。参加を決めるまでは物凄く発音に自信がなく、参加したくなかったのです
が、一歩進めばそうでもないことに気づきました。2年生になり、(私の学部は経済でした
が)
、国際文化学部の中国文化論、中国語総合演習、アジア文化論など、興味のある講義を
先生のご協力のもと受けさせていただきました(単位はありませんが)
。講義を多く受ける
につれ知らなかった知識が増え、さらに中国に行きたいと言う気持ちも一層高まりました。
2年生の夏休み、無謀にも一人で中国に行こうと思い立ち計画を立てていたところ、中国人
の友人から止められ計画は断念。しかし、代わりに彼女が夏休み帰国するときに自分も連れ
て行ってもらえました。その時の感動は今でも忘れません。彼女の故郷に到着してすぐ両親
が出迎えてくれ、そこから外に夕食を食べに行くと言われ、ついていきました。レストラン
の個室に入ってみると親戚の人が20人ほど集まって私を迎えてくれました。度胆を抜か
れたのがレストランの電子ボードでした。私の中で中国国内は反日だと思っており、彼女の
ご両親、祖父母世代の方々は特にそのような教育を色濃くうけていたと思っていたので逆
に戸惑いました。2週間という短い期間を終え、日本に帰ると今までの「語学を学びたい」
という気持ちだけでなく、更に中国人「中国文化」に興味を持つようになりました。2年生
の終わりごろ、語学教育研究センターの交換留学募集のポスターを見て、最後の最後まで受
けるか悩みました。なぜかというと、私の友人で応募を考えていた人たちは私より語学の知
識が高く、しっかりしており、まず私の授業の成績では、議論にもならないものでした。し
かし中国語検定3級を受け、交換留学に行けることになりました。
留学して変わったこと。
語学力・中国文化理解向上のために半年間提携校の中国人民大学に行ったものの、この半
年の留学を終えて得たものは想像以上のものでした。
まず中国人民大学の紹介を簡単にします。首都北京にあり、北京トップ3と言われている
中国重点大学、日本でいう一橋大学のような感じです。また同じ日本からは東京大学、東京
工業大学、一橋大学、埼玉大学、東京共立女子大学、名古屋大学、龍谷大学、福岡大学など
から交換留学生が来ていました。企業派遣や外務省からの派遣員も見かけました。世界 107
ヶ国から 4000 名以上の留学生が中国人民大学に来ています。日本のほか、韓国、イギリス、
フランス、キルギス、ドイツ、オランダ、アメリカ、カナダ、ジンバブエ、オーストラリア、
ベトナム、タイ、カザフスタン、モンゴル、ロシア等々。国際色豊かな大学であり留学生寮
はとても賑やかです。在学生は皆都会や地方からの普通の子であり、とても親しみやすく彼
女たちからこの半年間多くの刺激をもらいました。例えば、学校内のグラウンドでは朝6時
から夜 10 時ごろまで学生から年配の先生方まで健康のために鍛えている光景。毎週金曜日
になると広場で50人規模の英語練習会が開かれていたり。九産大の 4 倍の図書館にもか
かわらず、毎日大勢の人が英文や化学、歴史など思い思いに学習している光景が印象的でし
た。テスト1か月前になると熾烈な席争いとは言いませんが、座る席がないほど人が込み合
い勉強していました。何をするにも学生主体であり、一人ひとりが自分の力を信じて思うが
ままに学生生活を過ごしていました。この中で沢山の交流会や学習会、スポーツクラブ、法
学部研究会の人々との交流で学んだことは、
「目標意識の大切さ」
「問題の本質が何であるの
かをいつも見失わずに行動すること」でした。彼ら曰く、1人っ子政策の影響で将来確実に
自分の両親と相手方のご両親、自分達計 6 人+自分たちの子供たちを支えていかなくては
ならず、責任感が強く、そのためいい職業に就きたいという目的意識も高く、勉強に一生懸
命励んでいました。そんな彼らと半年間行動して、
「学ぶ目的意識の大切さ」を言葉以上に
彼らの姿勢で教えてもらいました。日本で生活しているとき、よく公演会などで「目的意識」
という言葉を聞いていましたが、正直頭に入ってきても自分自身が、その言葉の本当の意味
を考えておらず、重要な本質(言いたいこと)を掴めていませんでした。このことは留学中
に自己を振り返る機会にもなりました。
また、北京という土地で学んだ2つ目のことは、
「目的を持って惑わされず行動すること」
「自分のスキルを上げること」です。北京には多くの日本人も(企業派遣など主にビジネス
や研究などで)移住し、同じ言語の人との交流もありました。北京には魅力的な人が多く、
頑張れば頑張るほど世界の人々とのコミュニティーを広げることができ、また貴重なお話
が伺えるので交流会への参加に力を注いでいる学生もいました。また、人民大学に留学に来
ている日本人学生の中にも自らアイドルビジネスを北京で試している学生グループもいま
した。
人を惹きつける力も持っているので、危うく留学に来てアイドル活動応援部隊に入りそ
うになりましたが、自分の目的と違う方向でしたので諦めました。また、この半年なるべく
日本人との交流は避け、自ら中国人の友達と総合学習会を開くなどして目的を見失わない
ように心掛けました。
中国人民大学で出会った中国人学生や日本からの交換留学生との交流により、物事に対
する視野が大幅に広がり、語学の向上だけでなく、様々な次元から物事を考えて行動するよ
うになれました。語学留学に行ったから伸びるというものではなく一番大事なのは海外で
も日本でも何らかの目的意識を持ってやり続けるという事でした。
以上
平成 26 年度派遣留学生
留学成果報告書
中国人民大学(中国)
商学部第一部観光産業学科
11CT098
西野 楓
留学で体験したこと
北京で生活した半年間は、私の人生の中で最も得るものが多い半年間でした。
北京に到着した初日、不安と緊張で夜ご飯に食べた火鍋は全然味がしません
でした。聞こえてくる言葉は全く聞き取れず 私には注文する勇気さえも出ず
この時、
「注文する勇気もないなんて、このままだと餓死してしまう」と本気で
思いました。こうして中国語を勉強すると同時に、
「食事に誘ってくれる人脈を
豊富につくる」ことにも力を入れることを決意しました。
寮の中の廊下やエレベーターですれ違う留学生には必ず私から「你好!!」と
声をかけ、言葉が伝わらないなりに、身振り手振りなどを使って話を膨らませる
ことで友達を作りました。特に、留学の最初の時期は、他の留学生にとっても来
たばかりで友達も少なく不安もあるので、この時期に自分から積極的に話しか
けると、友達が作りやすかったです。
また大学で行われる日本人向けの新入生歓迎会には、学生だけでなく企業の
方も来られるので、積極的に話しかけました。特に「トモノス」という会社の山
口慶(やまぐち きょう)さんは、留学生に対してとても親身な方なので、北京
に留学に行く方はぜひ、頼りにされることをお勧めします。
山口さんは、人民大学以外の大学の新入生歓迎会にも参加する予定でした。
そこで、山口さんのお誘いにより、私も他大学の新入生歓迎会や日本語学校の文
化祭に山口さんのサポーターとして一緒に参加させていただきました。さらに、
山口さんが主催されている「和僑塾」という毎週日曜日に開かれる日本人留学生
向けのプレゼンテーション教室にも参加させていただきました。和僑塾で作る
プレゼンテーションは、自分の人生の生い立ちや叶えたい夢を10分間のプレ
ゼンテーションにして、200人近くの企業の方の前で発表するものです。発表
者が発表した夢に対し、傍聴者はその夢を叶えるためのアドバイスや応援メッ
セージを送ることができます。このプレゼンテーションを完成させるのは簡単
ではなく、夜も眠れず作業をする日が続きましたが、この時仲間と一緒に資料を
作った思い出は忘れられません。また和僑塾に参加したお陰で、香港で開かれた、
海外で働く日本人の方の集まりにも参加させていただくことができました。
和僑塾以外にもう一つ、参加した活動があります。日本文化紹介団体「kawaii
japan」です。
「kawaii japan」は日本のカワイイ文化を中国の方にもっと知って
もらうために作られた団体です。「kawaii japan」では様々な活動をしており、
北京で開かれるイベントで日本のアイドルの曲を踊ったり、自分たちだけで期
間限定メイドカフェを立ち上げたり、ファッションショーを開催したり、
「kawaii japan」メンバーのみの単独ライブを開催したりもしました。
私たちが立ち上げたメイドカフェは、人民网とヤフーニュースに、ファッショ
ンショーは人民网に取り上げていただき、また私たちの活動をまとめた映像を
土豆にも載せていただきました。
(http://www.tudou.com/programs/view/eRVrUFZMbLs/)
日本のカワイイ文化を知ってもらうための活動として大きな成果を得られた
と思っています。
このように二つの団体に参加し、同時に活動を進めると毎日があっという間
に過ぎて行きました。学業に集中する時間はかなり減りましたが、誰にでもでき
ない経験が沢山でき、教室や寮の中では学べない事を学ぶことができました。
クラス分け試験は筆記試験と口語試験の二つがあり、その結果私が初めに配
属されたクラスは「中級6」でした。しかし、いざ授業を受けてみると自分のレ
ベルに合わないと感じ、思い切って、再度試験を受けなおし、中級6から中級5
のクラスへ移動することにしました。中級5のクラスに移動できたのは嬉しか
ったのですが、教科書を全て買い直す必要があったので、そこは痛い思いをしま
した。
これから留学する方は、振り分け試験の結果が出た後、すぐに教科書を買うの
ではなく、授業を受けてみて自分にあったレベルかどうか判断してから買うこ
とをお勧めします。
また、試験を受け直す日にちの情報は、
「廊下の掲示板にお知らせのプリント
が張り出されるのを待つ」といった方法でしか手に入れることができませんの
で、注意しておく必要があります。
中国人と交流する場は、日常に沢山あります。
食堂で働いているお姉さんと友達になって wechat でメッセージを送りあっ
たり、文化祭の時に友達になった中国人の女の子とお昼ご飯を食べたり、自分の
部屋へ呼んだり、学外へ遊びに行くことも多かったです。また、私のルームメイ
トは学習パートナーを作って、毎週時間を決め中国語で会話する時間を設けて
いました。このように、授業以外に語学の力をつける場はたくさんありました。
留学するなら、なるべくその土地にある観光地は訪れる事をお勧めします。
特に北京はどの観光地も公共交通機関を使えば簡単に行けるので、バスや地鉄
(地下鉄)にいち早く慣れるための訓練にもなります。
私の場合は、母が中国へ遊びにきた際に公共交通機関を使って観光をしたの
でそこで一気に慣れました。公共交通機関の際、黒色のタクシーは使用しない方
がいいと思います。
黒色のタクシーは、個人がやっている為、メーターが使用されず交渉で値段が
決まる為、高い値段で乗せられます。また危ない所に連れて行かれたり、危険な
目に合うかも知れないので、乗らないことをお勧めします。
これから留学をする人へのアドバイスですが、留学を思いっきり楽しむには
YES マンになることです。なにかのボランティアや活動に参加を誘われたら
迷わず YES と答えてください。せっかく、海外という非日常で生活できるので
すから勉強だけではもったいないです。海外で生活する留学生には沢山のチャ
ンスが待っています。そのチャンスを掴むためにも、いろいろな活動に参加し、
人脈を増やすことが重要だということを私は学びました。
ぜひ、今後留学する人は、参考にしていただけたら嬉しいです。
以上