演習Ⅳ 村田 英治 授業の目的 本演習は、会計関連領域における高度で専門的な職業能力を有する人材養成の一環として、わが国の企業会計制度 とそれを支える会計規範について基本的な理解を深めること、および文献調査能力やコミュニケーション能力、表現力な どを身につけることを目的としている。 本演習では、財務会計演習Ⅰにおいて、未消化あるいは不十分であったテーマを取り上げる。 授業の概要 本演習は、健全なアカウンティング・マインドの形成に資するように、今日のグローバルな経済社会の動向を踏まえつ つ、財務会計の理論および実務に関する基本的な知識を身につけるために行う。したがって、輪読や口頭および文書に よる発表ならびに討論を通じて、演習方式で授業を進めることにより、受講者の理解を深めていく。 本演習においては、財務会計に関する各分野から重要テーマを選択し、その報告に基づき全員参加の討論を行って、 具体的には、共同あるいは各自でレポートを作成する。 成績評価の基準・方法(配点割合) レポートの評価によって成績を決定する。 使用教材・教科書・参考文献・予習事項・宿題ないし課題 ⑴ 教科書:伊藤邦雄『ゼミナール現代会計入門』日本経済新聞出版社(最新版)。 ⑵ 参考文献:五十嵐邦正『基礎 財務会計』森山書店(最新版)。 桜井久勝『財務会計講義』中央経済社(最新版)。 中央経済社などの会計法規集。 ⑶ 予習事項:下記に記載のページ数にもとづき、参考文献(五十嵐著および桜井著)に当たる。 ⑷ 宿題(課題):各回に関連する法令または会計基準について調査する宿題を課す。 2013 年度授業計画 回 テーマ 金融商品の会計(1) 1 有価証券の会計について、国際的な動向も踏まえて検討する。これに関連してヘッジ会計 についても理解を深める。(伊藤著、419-452 頁) 金融商品の会計⑵ 2 内容 資産証券化の会計を取り上げ、金融資産・負債の認識中止にかかわる財務構成要素アプ ローチについて検討する。(同上) 従業員給付の会計(1) 3 いて理解を深める。(伊藤著、453-494 頁) 従業員給付の会計(2) 4 5 6 親会社説と経済的単一体説の論争について理解を深める。両説にもとづき、将来の連結会 計の方向についても考える。(同上) 企業結合・事業分離の会計(1) 7 企業結合会計におけるパーチェス法について理解を深める。かつて会計基準によって認め られていた持分プーリング法の意義についても考える。(伊藤著、547-582 頁) 企業結合・事業分離の会計(2) 8 会社分割等の事業分離の会計について検討する。会計基準の基礎にある考え方について も考察する。(同上) グローバリゼーションの会計 外貨換算会計の現行基準について、これまでの変遷を踏まえて検討を深める。具体的な換 (1) 算手続きについても理解を深める。(伊藤著、583-616 頁) グルーバリゼーションの会計 企業経営の国際化と企業会計との関連について、より広い視野から議論し、今後の会計基 (2) 準のあり方について検討する。(同上) 財務諸表分析(1) 財務諸表分析の基本的な方法(収益性分析、安全性分析、成長性分析、生産性分析)につ 11 いて理解を深める。(伊藤著、617-687 頁) 財務諸表分析(2) 12 13 連結財務諸表の基本的な作成手続きについて検討する。セグメント情報の開示の意義につ いても考察する。(伊藤著、495-546 頁) 連結グループの会計(2) 10 ストック・オプションの会計について検討する。現行基準の考え方を理解するとともに、代替 的な方法の可能性についても考える。(同上) 連結グループの会計(1) 9 退職給付会計について、国際的な動向を踏まえて検討する。特に未認識債務の問題につ 具体的な実例について、財務諸表分析の方法を適用する。財務諸表分析の現代的な動向 についても考察する。(同上) 現代の財務会計における諸問 これまで演習で学んできたことにもとづいて、現代会計における未解決の問題を洗い出し、 題の論点整理 それが、国際的な会計においてどのように展開するかを考察する。 レポート報告会(1) 共同あるいは各自で作成したレポートを報告する。 レポート報告会(2) 共同あるいは各自で作成したレポートを報告する。 14 15
© Copyright 2024 Paperzz