糖尿病って何? 高校大連携授業講座 (平成23年1月22日) 秋田栄養短期大学 栄養学科 佐藤 実 血糖曲線 (2011.1.22作成) mg/dL 200 血糖値 ○ ○ ○ ○ 150 ○ 100 ○ 50 食事後 食事 空腹時 0 30 60 90 120 min 1 尿中に糖が出現することから命名 高血糖(血糖値が高い) 原因:インスリンの分泌や作用に 問題 多飲、多尿、口渇、疲れ易い、 2 インスリンの作用(はたらき) ・糖の細胞内への取り込み促進 糖の細胞内への取り込み促進 肝や筋、脂肪組織の 胞 細 ・糖の分解促進によるATP産生促 進 ・グリコーゲンと脂肪への転換促進 グリコ ゲンと脂肪 の転換促進 これらの結果、血糖値低下 糖尿病の種類 原因や経過により 1型糖尿病 2型糖尿病 その他(妊娠、膵炎など) 3 1型糖尿病 (糖尿病患者全体の約10%) 原因: 先天的因子(非家族性)や 環境因子(風疹ウイルスなど、食品成分中の ある物質など)により 自己免疫病が発症 (膵島組織などに対する自己抗体) インスリン分泌β細胞の破壊による 絶対的インスリン不足 高血糖 特徴: ブドウ糖をエネルギー源として利用できない それで、エネルギー源として 脂質の使用 分解亢進 自分の筋肉 タンパク質の 使用分解亢進 ケトン体の生成に よるケトアシドー シス(酸性状態) と大きな呼吸 やせ 4 2型糖尿病 (全体の約90%) 日本では700万人以上。 隠れ糖尿病患者も含むと1300万人以上で 40歳代以上では約20%の人。増加傾向。 原因:遺伝的素因や 過食、運動不足による肥満 ・内臓脂肪型肥満 (腹部肥満) ・皮下脂肪型肥満 5 内臓脂肪の分布場所 消化管を上に吊る腸管膜に脂肪組織が存在し、 その中の脂肪細胞に内臓脂肪が蓄積する。 脂肪細胞 肥満により脂肪細胞から インスリン感受性の低下 (インスリン抵抗性の増大)を 起こす悪玉のアジポサイトカインが分泌 高血糖 動脈硬化症、さらには心臓や脳の血管病 を引き起こす 特に、1型の場合、網膜症や腎症、 神経障害などの合併症を起こす 6 脂質異常症から動脈硬化症へ進むと、さらに高血圧になり、血管壁 の内皮に傷が付いて血栓症や塞栓症、梗塞、脳卒中などの血管病 が発症しやすくなる。 心臓の冠状動脈に見られる動脈硬化症で生じた狭窄 7 診断基準 空腹時血糖値 *経口糖負荷試験 での負荷2時間値 糖尿病型 126mg/dl以上 200 mg/dl以上 110mg/dl未満 140mg/dl未満 境界型 正常型 *75gブドウ糖溶液の経口摂取 食後高血糖の 出現: 「隠れ糖尿病」 2型の発症 8 糖尿病の予防と治療 食事療法 運動療法 (これが基本となり他の 療法を併用) 食事による摂取エネ ルギーを制限する 運動によって消費エネ ルギーを増やす 運動療法は軽中程度の有酸素呼吸運動 速い歩行 約30分 卓球、水泳、ジョギング 卓球、水泳、ジ ギ グ 約12分 約 分 サイクリング 約22分 1日に1回かそれらに相当する消費エネルギーの活 動(家事)を行う。また、継続しなくとも細切れに行っ てもいい。例えば速い歩行を10分 も 例 ば速 歩 を 分 3回と30分1回は 分 ほぼ同じである。 雨で家の中にいる場合はこまめに動く。 9 薬物療法 1型の場合、インスリン注射や他の薬物な どを医師の指導の下で使う。 2型の場合、食事療法や運動療法を行っ ても効果が少ない場合、 ても効果が少ない場合 経口血糖降下薬の処方 お疲れ様でした 10
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