成 果 報 告 書

志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクト事業
(平成 26 年度
小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業)
成 果 報 告 書
平成 27 年
2月
三重県志摩市商工会
目次
はじめに
P1
Ⅰ
P2
志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクトの背景と目的
1 事業の背景
2 事業の目的
Ⅱ 志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクトの事業実施推進体制
P2
1「全国展開支援事業委員会」等事業推進組織の設置
2 本事業の実施運営システム体制図
Ⅲ 志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクト事業および
プロジェクトの活動状況
P5
1特産品開発に活用した地域資源「志摩の里海・七草」
P5
P7
2全国展開支援事業委員会・作業部会の開催
3専門家の召致
P8
4完成した試作品一覧
P9
5マーケッティング・リサーチ
P10
6試作品のプロモーション活動およびマーケッティング・リサーチ結果 P12
7立命館大学 官学連携研究助成事業 「政策サマースクール」における
地域資源を活用した特産品づくりに関する講義
P67
8 ポスターを活用した広報活動
Ⅳ まとめ~今後の事業展開と課題~
P67
はじめに
平素は、志摩市商工会の諸事業にご理解、ご協力をいただきまして感謝申し上げます。
さて、志摩市商工会は、昨年度の「志摩の里海・『完熟天然あかもく』三方よし型特産品開発事業」に引
き続き、本年度も中小企業庁の「平成26年度小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業」の
採択を受け、志摩の里海の海藻を活用した特産品開発に取り組みました。本報告書は、志摩市商工会が
実施した「志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクト事業」の成果の記録です。
志摩の里海には、たくさんの海藻があります。現在でも市場に流通している海藻や市場に流通せず家庭
で食べられている海藻、さらには忘れ去られた海藻もあります。志摩市商工会では、ゼロべースでこれら海
藻の再確認と再利用方法について、検討を進めてまいりました。そして、7種類(あおさ・ひじき・ヒロメ・アラメ・
めかぶ・みる・あかもく)の海藻を選び、これら海藻を「志摩の里海七草」と名付け、特産品づくりに取り組みま
した。事業成果としまして、「海藻ミルの美人ゼリー」「海藻ミルの贅沢チョコレート」「海の森・海藻バター」「志
摩の海女ちゃん 海藻ハンドクリーム」の試作品を完成させました。
この4試作品を地元志摩市商工会で開催しました「御食つ国志摩・ええもん研究会」、東京の三重
テラスで開催しました「御食つ国志摩・ええもん物産見本市」、そして東京ビックサイトで開
催されました「第 17 回グルメ&ダイニングショー春 2015」において、来場者から高評価を受
けました。安心・安全、健康志向や自然食品に関心をもつ人々が増えてきていることが、この
ような結果に繋がったと確信しています。
志摩には、たくさんの「ホンモノ」の地域資源があります。志摩市商工会では、食品産業の
パイオニアとして、志摩地域の経済の持続的発展のために、これら地域資源の「ホンモノ力」を
引き出し、商品化につなげ、従来の食品産業の再生や新しい食品産業の創造をはかり、雇用の
場を確保していくことを目標として、商工会活動を推進していく所存でございます。
最後になりましたが、時間的制約等がある中で本事業を実施することができましたのは、関係者の方々の
温かいご支援とご協力のおかげと感謝しております。ご支援・ご協力をいただきましたみなさまに改めて厚くお
礼を申し上げます。今後とも、志摩市商工会の取り組みにつきまして、ご協力・ご指導のほどよろしくお願いい
たします。
平成 27年 2 月 28 日
志摩市商工会
会長 坂下 啓登
1
Ⅰ 志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクトの背景と目的
1 事業の背景
志摩市は、真珠のふるさととして有名な英虞湾がある。英虞湾には大小約 600 の島々
が創りだす、日本有数のリアス式海岸が形成され、英虞湾の里海が育む恵みは、2000
年もの昔から伊勢神宮や朝廷に神饌(しんせん)として供され、万葉集に「御食つ国
(みけつくに)」と詠われた数少ない地域の一つである。
現在も豊かな自然が多く残されており、それら自然の恵みを背景とした食の資源は
多種多様で、恵まれた環境の下で漁業や農業などの生業が営まれ、人々の里海と共存
した暮らしがある。この「豊で安心して暮らせる志摩の里海」は、地方の衰退が進む
中で、次第に困難化していきている。
このことから、志摩市の里海の環境を維持し、さらには志摩市内の産業の活性化を
図り、人々が安心して暮らせる魅力あるまちづくりを推進し、一層の地域振興を図る
ことが喫緊の課題となっている。
2 事業の目的
本事業の目的は、自然豊かな伊勢志摩国立公園内の美しい志摩の海で育った四季
折々の豊かな海藻を活用した付加価値の高い特産品開発事業を推進し、その特産品の
地元での販売や全国販売を展開することにより地域産業の活性化に繋げることである。
すなわち、この「海藻」をキーワードにし、選別した7種類の海藻(あおさ・ひじき・
ヒロメ・アラメ・めかぶ・みる・あかもく)を「志摩の里海・七草」と総称し、この
地域資源を活用した特産品開発を図るとともに、里海の健康的なライフスタイルとい
った価値を提供することで、志摩市の特産品の「ホンモノ力」により人々を魅了し、
特産品がブランド化することで、地域産業の活性化を図る。さらに、特産品のブラン
ド化とともに、人々に癒しをもたらす自然豊かな志摩市のブランドが人々のこころの
中で結びつき、「志摩の里海」ブランド化が実現することで、志摩市はエクセレント
な地域となり、多くの人々を引きつけ、交流や移住に結びつくことになる。このこと
により、観光の再生や新しい産業が生まれるなど、地域経済の持続的な活性化に繋が
っていく。
このような取り組みを推進することで、志摩市の人々に勇気と希望が持てる志摩市
が目指している「豊で、安心できる里海」づくり(志摩市の里海構想)に寄与するこ
とを目的とする。
Ⅱ 志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクトの事業実施推進体制
1「全国展開支援事業委員会」等事業推進組織の設置
本事業を効果的、かつ効率的に推進するにあたり、志摩市商工会に産官学で構成す
る「全国展開支援事業委員会」を設置した。この組織は、事業計画の承認とともに、
事業評価を行うものである。
さらに、実効性ある組織とするために、全国展開支援事業委員会の下部組織として
「作業部会」を設け、個別の試作品開発については、同作業部会が責任をもって企画・
運営を行うなど実践とスピードに重きを置いた組織とした。この組織設置により、
「志
摩の里海・七草」を活用した特産品開発が多義にわたる取り組みであるにも関わらず、
多義にわたる参画関係者の情報共有がはかられ、効果的・効率的な特産品づくりが可
能になった。
また、試作品および事業の進捗状況について、外部の専門家の評価を参考に「全国
展開支援事業委員会」が評価を行い事業計画の見直しを継続的に行った。さらに、
「全
国展開支援事業委員会」をサポートする事務局として商工会職員が参画することで効
率的・機能的な組織運営が可能となり、事業の推進に大きく寄与した。各組織のメン
バーは次の通りである。
2
平成 26 年度
役職区分
委員長
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
平成 26 年度
役職区分
専門家
専門家
専門家
小規模事業者新事業全国展開支援事業委員会委員一覧(敬称略)
氏
名
坂下 啓登
西尾 新
出口 勝美
福井 夏美
岡
美将
浅野 洋一
井上 作廣
広岡 卯三郎
竹内 敏夫
中河 兼好
小川 満久
田畑 美和
森本 みつよ
松尾 明津
小河 孝
所
属・役 職 名
志摩市商工会 会長
志摩市商工会 副会長
志摩市商工会 副会長
三重県雇用経済部地域資源活用課 課長
志摩市 商工課長
志摩市 水産課長
三重県外湾漁業協同組合 常務理事
㈱カネウフーズ 代表取締役
菓子工房シマヤ 事業主
㈱利八屋 取締役
丸仙製パン株式会社 代表取締役
豊栄食肉センター
㈲旅館橘
松尾印刷
志摩・度会商工会広域連合 統括
小規模事業者新事業全国展開支援事業専門家一覧(敬称略)
氏
吉村
井上
阿部
名
裕之
美佐
文彦
所
属・役 職 名
三重県商工会連合会エキスパート
三重県水産研究所 主任研究員
三重県水産研究所研究員
平成 26 年度
小規模事業者新事業全国展開支援事業参画事業者一覧(敬称略)
役職区分
参画事業者・
作業部会
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
氏
名
所
属・役 職 名
業種
広岡 卯三郎
㈱カネウフーズ 代表取締役
参画事業者・作業部会
竹内
中河
小川
田畑
森本
松尾
宮松
菓子工房シマヤ 事業主
㈱利八屋 取締役
丸仙製パン株式会社 代表取締役
豊栄食肉センター
㈲旅館橘
松尾印刷
志摩市 水産課
参画事業者・作業部会
参画事業者・作業部会
参画事業者・作業部会
参画事業者・作業部会
参画事業者・作業部会
参画事業者・作業部会
参画事業者・作業部会
敏夫
兼好
満久
美和
みつよ
明津
亜美
3
平成 26 年度
小規模事業者新事業全国展開支援事業事務局員一覧(敬称略)
役職区分
事務局
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
氏
太田
石野
前田
西川
永井
臼井
西飯
大崎
岨野
西岡
名
光治
雅彦
富生
博次
かよ
直美
範和
睦子
美鈴
由紀
所
属・役
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
志摩市商工会
職 名
事務局長
事務局次長
経営指導員
経営指導員
経営指導員
経営指導員
嘱託職員
補助員
補助員
補助員
業種
商工会職員
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
同 上
2 本事業の実施運営システム体制図
下記の実施体制のシステムにより、事業の効果的・効率的な推進を図った。
・美と健康クラスターによ
る特産品開発
・農商工連携プラットホー
ムによるイノベーション
の仕掛けづくり
・消費者のニーズ把握とブ
ラッシュアップ
・地元おかみさん会・製薬
会社とのコラボによる商
品開発
三重県商工会連合会
専
三重県水産研究所
支
技術指導
門
家
学識経験者
援
招聘
行
実行委員会
政
支援
(志摩市商工会)
応援
商工会
連携
漁 業 者
加工業者
広域連合
提案
支援
旅館 他
製薬会社
作業部会
志摩市の小規模事業者
4
・志摩の里海海藻七草を使
った「フードユニバーサ
ル商品」の試作
・志摩の里海海藻七草を使
った海藻ジュレ等の試
作
・製薬会社とのコラボに
よる「アルゴテラピー関
連商品」の試作
Ⅲ 志摩の里海育ちの海藻たちを使った「里海美人」創出プロジェクト事業およびプロジェ
クトの活動状況
1特産品開発に活用した地域資源「志摩の里海・七草」
志摩の里海・七草を構成する海藻の特徴は、次の表の通りである。
海藻名
特徴
あおさ
冬季から初夏に潮間帯の岩上に生育するが現
在は養殖がほとんどである。薄く柔らかく、形
状はほぼ円形で、成長するに従って放射状に裂
けたり、しわができたりする。一般的な食べ方
は、乾燥わかめのように、味噌汁やお吸い物な
ど汁物の具にしての食し方である。あるいは、
卵焼きに混ぜたり、天ぷらにしたり、海藻サラ
ダの具にしたり、煮詰めて佃煮にしたりと様々
な料理に使用する。
ひじき
通常 3 月から 5 月の大潮の干潮時に漁師や海女
が磯にでて鎌などで刈り取って収穫する。生き
ている間は茶色~褐色だが、加工するにつれ真
黒になる。干ひじきは、水で戻してから食べる
のがポピュラーである。ひじきご飯に加え、サ
ラダ、酢の物、天ぷらなど幅広い料理に利用さ
れている。ひじきに微量に含まれるフコキサン
チンは脂肪燃焼効果があることが解明されて
おり、今後その利用が期待される。「ひじきを
食べると長生きする」と古くから言われており
敬老の日に因んで 9 月 15 日は「ひじきの日」と
なっている
12月~2月頃に収穫され、きれいな緑色をし
ている。歯ごたえも良く独特の風味と舌ざわり
をもっている。干した物は周年食べられる。非
常にワカメに近い味わいである。ほどよい硬さ
で、旨みもある。食物繊維やミネラルが豊富に
含まれている。独特のねばりは癌に有効とされ
る「フコイダン」と「アルギン酸」である。ア
ルギン酸は天然の食物繊維で、コレステロール
を減らす効果やナトリウムを排出する働きが
ある。そのため、大腸がんや高血圧、生活習慣
病の予防に有効ある。フコイダンも食物繊維の
一種で、抗腫瘍作用がある。又、ピロリ菌が胃
壁に付着するのを防ぐという働きがあること
から、胃病の予防に効果的がある。
三重県が全国生産量のほとんどを占めている。
アラメの歴史は長く、特に京都では古くから食
べられている。ミネラルの宝庫ともいわれるよ
うに、カルシウムやヨウ素、鉄を豊富に含んで
おり、体の機能を正常に働かせる機能がある。
また、食物繊維も多く、生活習慣病予防に期待
できる。
ヒロメ
アラメ
備考
5
海藻名
特徴
めかぶ
ワカメの根元にある縮んだ葉のような部分。こ
こは生殖細胞が集まった部位で、胞子をつくる
部分「胞子葉」になる。色は褐色で、湯通しす
ることで鮮やかな緑色に変る。カルシウム、ナ
トリウム、植物繊維、ビタミンA、カリウム、
葉酸などの栄養素が含まれている。
ミル
色は深緑色。表面はビロード状に見え、触ると
ざらついている。これは紡錘形の細胞状構造
(小嚢)が多数あるためである。小嚢は連続し
ており、全体が一つの多核体をなしている。古
代には一般的な食用海藻で、租税としても納め
られた。和歌にも「見る」の掛詞として多数詠
まれた。独特の色は「海松色」と呼ばれ、外形
を象った「海松模様」も用いられた。いまでも
ミルは伊勢神宮にお供えされる海藻にも含ま
れている。
古くから食用として珍重されてきた。フコイダ
ンやミネラル、食物繊維、ポリフェノールなど
の成分を豊富に含むことから近年研究が進め
られ、コレステロール値低下作用や高血圧を抑
制する作用、血糖値上昇予防など様々な効果が
ある。
あかもく
備考
【期待される効果】
①フコキサンチン
【強力な抗軌ヒ色素】
②フコイダン
【ネバネバの保育成分】
褐藻類の特有の色素。肌に塗ると紫外線によるシミや
しわを防ぐ。
多<の海藻に含まれるネバネバ成分.水気をたっぷり
含み感想を防ぐ皮膚のコラーゲンの減少を食い止め、
抗菌・抗ウイルス作用がある。
海藻は、自身に菌が繁殖しないよう、ウイノスがくつ
③フロロタンニン
【海藻の抗菌、抗ウイルス成分】 かないように抗菌・抗ウイルス成分を持っている
肌に塗るとしわを予防する。
④シフォナキサンチン
【ミルの特有色素】
水分を維持し乾燥を防ぐ効果がある。
⑤アルギン酸
【海藻のしなやか成分】
*海藻に含まれている要素:あおさ⑤・ひじき①③⑤・ヒロメ①②③⑤・アラメ①②③
めかぶ①②③⑤・ミル④・あかもく①②③⑤
【期待される効果のまとめ】
●里海の環境保全力NO.1とともに里海人が生きる希望の源となる栄養機能、感機能、体調調
整機能といった元気パワーの素を多く含む、食品機能の三冠王である。
●持続可能な海藻加工品の販売と環境保全のためには、海藻の適切な管理が必要である。このこ
とは 20 世紀後半型の「大量生産・大量消費・大量破棄」システムのような破壊的ではなく、
人にもさかなにも海水にもまた気候にも優しい持続的可能なシステムである。
●加工品も介護食、病院食のほかダイエット食としても有効である。病人、老人、女性、社会人、
子供、全ての人がターゲットとなる究極の医食同源的な「フードユニバーサル」食品である。
●消費者にも自らの健康だけでなく、環境や志摩の里海人にも良いことをしている気分をもたら
す効果がある。
●里海が提供している商品は、単なる商品ではなく、里海からのおもてなしと健康なライフスタ
イルという夢を売っている。
6
2 全国展開支援事業委員会・作業部会の開催
(1)開催回数と委員会審議事項等
開催日時
第1回
第2回
第3回
平成26年
7月3日
平成 26年
11 月 19 日
平成27年
2 月 18 日
議
題
①委員長・副委員長の選任
②本年度の全国展開支援事業
計画の概要ついて
③活用地域資源について
④年間スケジュールについて
④その他
⑤意見交換
①試作品開発状況報告について
②特産品開発における留意点
と最近のトレンドの説明
③統一デザイン案について
④試作品の試食及び意見交換
⑤今後のスケジュールについ
て
⑥全般的な意見交換
①本年度事業実績報告につい
て
②本年度事業の評価について
③来年度以降の取組みについ
て
④マーケット・リサーチ結果
分析の概要説明
⑤意見交換
7
等
試食用試作品
(2) 作業部会の開催
作業部会は、全国展開支援事業委員会の下部組織であり、委員会会長が特産品開発
の必要に応じて、効果的・効率的に特産品開発を推進するため設置した。異業種の事
業者が多く参加することにより、新しい特産品に関する情報共有化が進み、新しい特
産品開発に関する活発な意見交換や試作が試みられた。
その設置状況と活動内容は下記の通りである。
開催日時
第1回
第2回
平成 26 年
8月6日
平成 26 年
9月5日
検 討 議
題
①本年度の活用資源について
②全国での類似商品について
③本年度の開発試作品について
④その他
等
①海藻クリームに関する「万協
製薬」との打ち合わせ
第3回
平成 26 年
海藻あかもくの必要量調査の
10 月 31 日~ 実施
第4回
平成 26 年
11 月 5 日
①試作品のデザインについて
②各試作品の試食と意見交換
③全般的な意見交換
本年度の目玉:ミル
試食用試作品
3 専門家の召致
平成26年7月3日
日時
専門家氏名
吉村 裕之
指導内容
委員会の進め方の指導助言
平成 26年 11 月 19 日
吉村 裕之
平成 27 年 2 月 18 日
吉村 裕之
特産品開発における留意点と最近のトレンドに
ついて
4試作品のマーケッティング・リサーチ結果に
ついて
8
4
完成した試作品一覧
本年度、完成した試作品は、下記の 4 試作品である。
試 作 品 名
特
徴
試 作 品 写 真
海藻ミルの美人
ゼリー
内容量:125g
参考価格:
250 円
賞味期限:
1ヶ月
グレープフルーツでさっ
ぱり、光老化防止作用や血管
新生抑制作用にも良いとさ
れている ミル(海松)と糖尿
病の方も使用されている〔カ
ロリーゼロ〕の砂糖を入れ出
来上がった商品は、健康に良
く、ダイエットしている方に
も最適です。また、山登りに
行く時等、 スポーツの後で
手軽に飲んでいただけます。
グレープフルーツ味でさっ
ぱりしていて飲料水として
最適です。
海藻ミルの贅沢
古くから、日本人に食され
チョコレート
ていた海藻ミルは、万葉集に
も謳われ、朝廷にも献上され
内容量:120g
ていた海藻です。海藻ミルを
参考価格:
リキュールにつけ込みチョ
1,100 円 コレートの中に入れた、ちょ
賞味期限:
っと珍しいチョコレートで
15℃以下で保存 す。
ミルは特有色素「シフォナ
キサンチン」を含んでいま
す。「シフォナキサンチン」
は、深い海底で育つミル特有
の色素です。「シフォナキサ
ンチン」は、肌に塗ると効果
があると言われています。
海の森 海藻バタ 海藻バターは、食の宝庫フラ
ンスの食材の中でも希少価
ー
値の高い食材です。特に、ブ
内容量:150g
ルターニュ地方のサン・マロ
参考価格:800 円
にお店を構えるジャン=イ
ヴ・ボルディエ氏が生み出す
薫り高い発酵バターは、世界
的に有名です。日本では、2012
年に北海道釧路市で、当地域
の牛乳と海藻、釧路地方の素
材を活かした「くしろ海藻バ
ター」が作られました。海の
森 海藻バターは、全国で2
番目の海藻バターとして、三
重県産のバターと志摩の里
海産の海藻(7草)をブレン
ドした健康食品です。
9
試 作 品 名
志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリー
ム
内容量:50g
参考価格:1200 円
特
徴
試 作 品 写 真
「志摩の七草」の海藻エキス
配合ハンドクリームです。配
合成分①フコキサンチン【強
力な抗軌ヒ色素】②ブコイタ
ン【ネバネバの保育成分】③
フロロタンニン【海藻の抗
菌、抗ウイルス成分】④シフ
ォナキサンチン【ミルの特有
色素】⑤アルギン酸【海藻の
しなやか成分】⑥グレープフ
ルーツ油配合されており、べ
とつかず、さわやかなクリー
ムで、乾燥に負けない肌を作
り、加齢から肌を守る効果が
あると言われています。
5 マーケッティング・リサーチ
成熟社会となった今日の商品開発は、顧客志向の製品づくりが主流となっている。
すなわち、商品を提供して顧客満足度を高めることが、顧客数や売りあげの増加に結
びつくことが多い時代が到来している。このことは、口コミを通じて評判となり、新
たな顧客に対する誘因が形成されるというメカニズムが働くためである。
顧客満足によって顧客との関係性を維持していくには、地道な試作品の改善を繰り
返していくことが欠かせない。この改善プログラムを作成するうえで欠かせないのが、
マーケッティング・リサーチである。とりわけ、
「顧客満足度調査」が重要となってい
る。
「顧客満足度調査」は、試作品に対する顧客満足度の実態を把握し、顧客からどの
程度の支持を得ているかを診断する調査である。
たとえば、5尺度評価で「大変に悪い」と回答した人たちは、試作品になんらかの
問題があったと考えられる人たちである。基本的には、事業者は試作品を改善して、
こうした人たちの数を、少しでも減らすように努力するべきだろう。一方、
「大変良い」
という回答者は、一般に再購買率が高いことが各種調査によって知られている。
判断が難しいのは、試作品のどの属性が劣っているかを見分けることである。たと
えば、同じような試作品を扱っている同業者のデータと比較することができれば、今
回の試作品が達成している満足度の相対的な善し悪しを評価することができるであろ
う。ワンショットのイベント参加者に限った調査では、どうしても限界がある。ただ、
他社の回答者についても同時に調べるとなると、調査はかなり大がかりなものとなる。
もっとも、比較の対象は、調査対象が志摩市内の事業所の試作品にだけに限定されて
いたとしても、顧客満足度調査を一定期間にわたって繰り返し行えば(いくつかのイ
ベントでも良い)、その経時的な変化から評価を導くことができる。いずれにせよ、単
一の試作品・サービスに対するワンショットの顧客満足度調査を行うだけでは、デー
タは集まったが、その数字をどう評価してよいかがわからない、ということになりか
ねない。さらに、満足度調査の結果を読み解くには、
「不満」よりも「満足」のほうに
バイアスがかかる傾向があることからも複数回の満足度調査による相対比較が重要と
なる。このことから、今回は 3 会場におけるマーケッティング・リサーチを実施した
(調査結果分析については別の項で記載する)
。
10
会場
第 10 回御食
つ国志摩え
えもん研究
会
実施日時
調査試作品
平成 26 年 11 月 ①海藻バター(なな草)
27・30 日
②海藻バター(あかも
く)
御食つ国志
摩 ええも
ん物産見本
市 IN 日本橋
平成 27 年1
月 31~2 月1
日(東京三重
テラス)
①海藻ミルの美人ゼリ
ー
②海藻ミルの贅沢チョ
コレート
③海の森 海藻バター
④志摩の海女ちゃん
海藻バンドクリーム
第 17 回グル
メ&ダイニ
ングショー
春 2015
平成27年2
月4~6日
(東京ビック
サイト)
①海藻ミルの美人ゼリ
ー
②海藻ミルの贅沢チョ
コレート
③海の森 海藻バター
④志摩の海女ちゃん
海藻バンドクリーム
11
実施状況写真
6
試作品のプロモーション活動およびマーケッティング・リサーチ結果
試作品の展示会は、展示、試食等を通じて、消費者やバイヤー等と地元事業者や商
工会職員とのコミュニケーションができるなど生きた消費者ニーズが把握できる場と
なる。また、PR効果やコミュニケーションから得られる情報収集に価値があること
から、志摩市内での「第 10 回 御食つ国志摩ええもん研究会」三重テラス(三重県の
東京都内のアンテナショップ)での「御食つ国志摩 ええもん物産見本市 in 日本橋」
および東京ビックサイトでの「第 17 回グルメ&ダイニングショー春 2015」で、各試作
品を展示・プロ-モーション活動を行うとともに、来場者に対して試食を通し、情報収
集および試作品のアンケート調査を実施した。
(1)「第 10 回
御食つ国志摩ええもん研究会(一般公開)」での試食アンケート調査
●調査の内容
海藻を活用した特産品の試作品について、試作品の機能特性のうち、味(うま味)、見た目(形、
色等)、食感、大きさ・量、ネーミング、パッケージ、斬新さ(ユニークさ)、および価格(販売
予定価格)に関して、5尺度評価のアンケート調査を実施する。
なお、アンケート調査結果の構成比は、四捨五入しているため、合計が 100%と一致しない場合
がある。
●調査方法
「第 10 回 御食つ国志摩ええもん研究会(一般公開)」入場者の試食によるアンケート回答(回
答者自記式)
●試食アンケートの調査結果
調査日時:①平成 26年 11 月 27 日(バイヤー対象)
②平成 26年 11 月 30 日(一般参加者対象)
調査会場:志摩市商工会館多目的ホール
試食品:「志摩の海藻バター(なな草)」「志摩の海藻バター(あかもく)」の 2 試作品
サンプル数:①平成 26年 11 月 27 日(バイヤー対象)22 サンプル
②平成 26年 11 月 30 日(一般参加者対象)19 サンプル
○アンケート回答者の属性(性・年代)
バイヤー等
回答者 22 名の性別構成比は、
“男性”11(50%)に対して、
“女性”9(41%)および“不明”2(1%)であ
る。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“40 歳代”36%が最も大きく、続いて“50 歳代”
23%、“60 歳代以上”18%、“不明”14%、“20 歳代”および“30 歳代”5%、“20 歳代未満”0%と
なっている。
また、各性別では、男性が“40 歳代”および“50 歳代”36%が最も大きく、続いて“60 歳代以
上”18%、“20 歳代”9%、および、“20 歳代未満”“30 歳代”および“不明”0%となっている。
一方、女性は“40 歳代”6%が最も大きく、続いて“60 歳代以上”58%、
“30 歳代”
“50 歳代”お
よび“不明”11%、“20 歳代未満”および“20 歳代 0%となっている。
また、不明は全て“不明”となっている。
12
図表 1
アンケート回答者の性別・年代別数構成比
性別
男性
女性
不明
全体平均
回答者数計
11
9
2
22
20 代未満
0%
0%
0%
0%
20 代
9%
0%
0%
5%
30 代
0%
11%
0%
5%
40 代
36%
44%
0%
36%
50 代 60 代以上
36%
18%
11%
22%
0%
0%
23%
18%
不明
0%
11%
100%
14%
次に、回答者の住居地と来場目的であるが、住居地は“志摩市”55%が最も大きく、続いて
“志摩市以外の三重県内”23%、
“三重県を除く東海地方”9%となっている。また、来場目的は、
“その他”36%が最も大きく、続いて“買い付けのための調査・探索”32%、“調査・探索”18%、
“不明”14%となっている。
以上のように、業界関係の回答者は、中高年代層が全体平均で 77%を占めている。また、志摩市
住民が多く、来場目的もことから、“買い付けのための調査・探索”と“調査・探索とを合わせた
商品の調査・探索目的が 50%を占めていることから、志摩市在住の中高年代層のバイヤー等の意見
が大きく反映しているものと推測できる。
図表 2
アンケート回答者の住居地および来場目的構成比
一般見学者等
回答者 19 名の性別構成比は、“男性”10(53%)に対して、“女性”9(47%)である。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“50 歳代”47%が最も大きく、続いて“40 歳代”
および“60 歳代以上”16%、
“30 歳代”11%、 “20 歳代”および“不明”5%、
“20 歳代未満”0%
となっている。
また、各性別では、男性が“40 歳代”および“50 歳代”30%が最も大きく、続いて“30 歳代”
20%、“20 歳代”および“60 歳代以上”10%、“20 歳代未満”および“不明”0%となっている。
一方、女性は“50 歳代”67%が最も大きく、続いて“60 歳代以上 22%、“不明”14%、“20 歳代
未満” “20 歳代“30 歳代” および“40 歳代”0%となっている。
図表 3
アンケート回答者の性別・年代別数構成比
性別
回答者数計 20 代未満 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代以上
不明
男性
10
0%
10%
20%
30%
30%
10%
0%
女性
9
0%
0%
0%
0%
67%
22%
11%
全体平均
19
0%
5%
11%
16%
47%
16%
5%
次に、回答者の住居地と来場目的であるが、住居地は“志摩市”58%が最も大きく、続いて“志
摩市以外の三重県内”32%、“三重県を除く東海地方”および“不明”5%となっている。また、来
場目的は、“一般見学”95%が最も大きく、続いて“不明”5%となっている。
以上のように、一般公開では、回答者は、中高年齢層が 79%、また志摩市の住民が 58%を占めて
いることから、この一番見学者の意見が大きく反映しているものと推測できる。
13
図表 4
アンケート回答者の住居地および来場目的構成比
○試食アンケート結果による試作品満足度評価結果
試食アンケート調査結果の集計により、回答者の試作品に対する満足度評価について分析する。
具体的には、試作品に対する試食アンケート調査結果に基づき、回答者の各評価項目の評価結果
を単純集計した合計数の全体構成比(100%)に占める割合から評価項目に対する満足度評価結果
の傾向を分析する。
バイヤー等
◇海藻バター(なな草)
①「全体平均」の満足度構成比は、“大変良い”35%が最も大きく、続いて“普通”32%、“良い”
28%、
“悪い”4%、
“不明”2%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 63%と、やや高い満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“大変良い”45%が最も大きく、続いて“良い”36%、“普通”18%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 81%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“大変良い”および“普通”36%が最も大きく、続いて“良い”27%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 63%と、やや高い満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”41%が最も大きく、続いて“大変良い”36%、
“良い”
23%、“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 59%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、
“良い”45%が最も大きく、続いて“大変良い”41%、
“普通”14%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 57%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“普通”36%が最も大きく、続いて“大変良い”27%、
“良い”
および“悪い”14%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 38%と、低い満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、
“良い”36%が最も大きく、続いて“大変良い”32%、
“普通”
27%、
“悪い”5%、
“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 70%と、高い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、
“大変良い”45%が最も大きく、続いて“普通”27%、
“良い”23%、
“悪い”5%、大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 68%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”55%が最も大きく、続いて“良い”18%、
“大変良い”14%、
“悪い”9%、
“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 32%と、低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度はやや高い満足度であったが、個々の属性の「良い」
14
という満足度を見ると、
「見た目」が最も満足度が高く、続いて「味」
「斬新さ」
「パッケージ」
「食
感」「大きさ・量」が 50%越えているが、「ネーミング」「価格」は 50%未満である。このことは、
成熟市場時代における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「見た目」の満
足度が最も高く、「斬新さ」「パッケージ」も 50%を越えていることから、「ネーミング」の満足度
が低いという点はあるが、「ネーミング」の改良を加えれば、“普通”55%と占めていることから、
この回答者の層の満足度を向上させることが予測され、「価格」も、安売りをしなくても、十分に
成熟市場において商品化できる可能性は大であろう。すなわち、「情緒的価値」で消費者を引きつ
けて、「味」などの「機能的価値」を納得して購入してもらえる可能性が大いにある。
図表 5
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
22
45%
36%
18%
0%
0%
0%
食感
22
36%
27%
36%
0%
0%
0%
大きさ・量
22
36%
23%
41%
0%
0%
0%
見た目
22
41%
45%
14%
0%
0%
0%
ネーミング
22
27%
14%
36%
14%
0%
9%
パッケージ
22
32%
36%
27%
5%
0%
0%
斬新さ
22
45%
23%
27%
5%
0%
0%
22
14%
18%
55%
9%
0%
5%
176
35%
28%
32%
4%
0%
2%
価格
全体平均
◇海藻バター(あかもく)
①「全体平均」の構成比は、“普通”34%が最も大きく、続いて“大変良い”32%、“良い”27%、
“悪い”5%、
“不明”2%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 59%と、中程度の満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“大変良い”および“良い”36%が最も大きく、続いて“普通”23%、
“悪い”5%、大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 72%と、高い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“普通”45%が最も大きく、続いて“大変良い”36%、
“良い”18%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 54%と、中程度の満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”41%が最も大きく、続いて“大変良い”36%、
“良い”
23%、“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 59%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、
“良い”41%が最も大きく、続いて“大変良い”36%、
“普通”23%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 64%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“普通”41%が最も大きく、続いて“大変良い”23%、
“良い”
および“不明”14%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 37%と、低い満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、
“良い”36%が最も大きく、続いて“大変良い”32%、
“良い”
27%、
“悪い”5%、
“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 68%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、
“大変良い”45%が最も大きく、続いて“普通”23%、
“良い”23%、
“悪い”5%、
“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 68%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、“普通”45%が最も大きく、続いて“良い”27%、“大変良い”およ
び“悪い”14%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 41%と、やや低い満足度評価結果になっている。
15
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度は中程度の満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、
「見た目」が最も満足度が高く、続いて「味」
「斬新さ」
「パッケージ」
「大
きさ・量」「食感」が 50%越えているが、「ネーミング」「価格」は 50%未満である。このことは、
成熟市場時代における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「見た目」の満
足度が最も高く、「斬新さ」「パッケージ」も 50%を越えていることから、「ネーミング」の満足度
が低いという点はあるが、
「ネーミング」の改良を加えれば、
「価格」の“普通”45%あり、また“大
変悪い”および“不明”0%であることから、安売りをしなくても、十分に成熟市場において商品
化できる可能性は大であろう。すなわち、
「情緒的価値」で消費者を引きつけて、
「味」などの「機
能的価値」を納得して購入してもらえる可能性が大いにある。
図表 6
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
22
36%
36%
23%
5%
0%
0%
食感
22
36%
18%
45%
0%
0%
0%
大きさ・量
22
36%
23%
41%
0%
0%
0%
見た目
22
36%
41%
23%
0%
0%
0%
ネーミング
22
23%
14%
41%
9%
0%
14%
パッケージ
22
32%
36%
27%
5%
0%
0%
斬新さ
22
45%
23%
27%
5%
0%
0%
価格
22
14%
27%
45%
14%
0%
0%
176
32%
27%
34%
5%
0%
2%
全体平均
一般見学者等
◇海藻バター(なな草)
①「全体平均」の満足度構成比は、“大変良い”36%が最も大きく、続いて“普通”30%、“良い”
27%、
“悪い”4%、
“不明”3%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 63%と、やや高い満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“大変良い”42%が最も大きく、続いて“良い”37%、“普通”21%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 79%と、高い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“大変良い”53%が最も大きく、続いて“普通”32%、
“良い”16%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 69%と、やや高い満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”42%が最も大きく、続いて“大変良い”32%、
“不明”
16%、
“良い”11%、
“悪い”および“大変悪い”となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 43%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、“大変良い”および“良い”37%が最も大きく、続いて“普通”
26%、“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 74%と、高い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“大変良い”37%が最も大きく、続いて“良い”32%、
“普通”
21%、“悪い”および“大変悪い”5%および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”と
を合わせた「良い」は 69%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、“大変良い”および“普通”32%が最も大きく、続いて“良
い”26%、
“不明”11%“悪い”および大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合
わせた「良い」は 58%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、“大変良い”42%が最も大きく、続いて“良い”37%、“普通”お
よび“悪い”11%、大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 79%と、高い満足度評価結果になっている。
16
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”53%が最も大きく、続いて“良い”21%、
“悪い”16%、
“大
変良い”11%、大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 32%と、低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度は、やや高い満足度であったが、個々の属性の「良
い」という満足度を見ると、
「味」および「斬新さ」が最も満足度が高く、続いて「見た目」
「食感」
「ネーミング」
「パッケージ」が 50%越えているが、
「大きさ・量」および「価格」は 50%未満であ
る。このことは、成熟市場時代における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」であ
る「斬新さ」の満足度が最も高く、
「見た目」「ネーミング」
「パッケージ」も 50%を越えているこ
とから、「価格」の満足度の向上を図ればよい。すなわち、「情緒的価値」で消費者を引きつけて、
「味」などの「機能的価値」を納得して購入してもらえる可能性が大いにある。また、価格の構成
比の“普通”が 59%を占めていることから、この層の満足度の向上を図れば、十分に成熟市場にお
いて商品化できる可能性は大であろう。
図表 5
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
味
食感
大きさ・量
見た目
ネーミング
パッケージ
斬新さ
価格
全体平均
回答数計
19
19
19
19
19
19
19
19
152
大変良い
42%
53%
32%
37%
37%
32%
42%
11%
36%
良い
37%
16%
11%
37%
32%
26%
37%
21%
27%
普通
21%
32%
42%
26%
21%
32%
11%
53%
30%
悪い
0%
0%
0%
0%
5%
0%
11%
16%
4%
大変悪い
0%
0%
0%
0%
5%
0%
0%
0%
1%
不明
0%
0%
16%
0%
0%
11%
0%
0%
3%
◇海藻バター(あかもく)
①「全体平均」の構成比は、“普通”33%が最も大きく、続いて“良い”25%、“大変良い”23%、
“不明”14%、
“悪い”5%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 48%と、やや低い満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“普通”47%が最も大きく、続いて“良い”26%、“大変良い”および
“不明”11%、
“悪い”5%、大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 37%と、低い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、“普通”63%が最も大きく、続いて“大変良い”16%、“良い”およ
び“不明”11%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 27%と、非常に低い満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、“普通”42%が最も大きく、続いて“大変良い”および“不
明”26%、
“良い”5%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 31%と、低い満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、
“良い”37%が最も大きく、続いて“大変良い”32%、
“普通”21%、
“不明”11%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 69%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“良い”42%が最も大きく、続いて“大変良い”26%、
“普通”
および“不明”11%、“悪い”および“大変悪い”5%となっている。“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 68%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、
“大変良い”
“良い”および“普通”26%が最も大きく、続い
て“不明”21%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。と“良い”とを合わせた「良い」
は 52%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、“大変良い”37%が最も大きく、続いて“良い”および“普通”
21%、“悪い”および“不明”11%、“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合
わせた「良い」は 58%と、中程度の満足度評価結果になっている。
17
⑨「価格」の満足度構成比は、
“良い”および“普通”32%が最も大きく、続いて“悪い”16%、
“大
変良い”および“不明”11%、“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 43%と、やや低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度は、やや低い満足度であったが、個々の属性の「良
い」という満足度を見ると、「見た目」が最も満足度が高く、続いて「ネーミング」「斬新さ」「パ
ッケージ」が 50%越えているが、
「価格」
「味」
「大きさ・量」
「食感」は 50%未満である。このこと
は、成熟市場時代において商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「ネーミン
グ」
「見た目」
「斬新さ」
「パッケージ」が 50%を越えているが、
「機能的価値」の属性はすべて 50%
未満である。このことから、「機能的価値」である「味」等の改善が喫緊の課題である。この課題
を解決し、「機能的価値」である「価格」「味」「大きさ・量」「食感」の満足度が向上すれば、「情
緒的価値」で消費者を引きつけて、「味」などの「機能的価値」を納得して購入してもらえる可能
性が大きいことから、商品化の可能性はある。
図表 6
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
味
食感
大きさ・量
見た目
ネーミング
パッケージ
斬新さ
価格
全体平均
回答数計
19
19
19
19
19
19
19
19
152
大変良い
11%
16%
26%
32%
26%
26%
37%
11%
23%
良い
26%
11%
5%
37%
42%
26%
21%
32%
25%
普通
47%
63%
42%
21%
11%
26%
21%
32%
33%
悪い
5%
0%
0%
0%
5%
0%
11%
16%
5%
大変悪い
0%
0%
0%
0%
5%
0%
0%
0%
1%
不明
11%
11%
26%
11%
11%
21%
11%
11%
14%
○試食アンケート結果による試作品が商品化するにあたっての各属性の重要度
評価結果
試作品を商品化された場合、購入する判断基準、すなわち購入する際に最も重要視する属性を明
らかにするため、試作品の属性ごとの五尺度の基準で重要度について尋ねたところ、その結果は次
の通りであった。
バイヤー等
◇海藻バター(なな草)
①「味」の重要度構成比は、“非常に重要”および“少し重要”36%が最も大きく、続いて“どち
らでもない”23%、“あまり重要ではない”5%、“全く重要ではない”および“不明”0%となって
いる。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 72%と、高い重要度になっている。
②「食感」の重要度構成比は、“どちらでもない”45%が最も大きく、続いて“非常に重要”36%、
“少し重要”18%、
“あまり重要ではない”
“全く重要ではない”および“不明”0%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 54%と、中程度の重要度になっている。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、
“どちらでもない”41%が最も大きく、続いて“非常に重要”
36%、“少し重要”23%、“あまり重要ではない”“全く重要ではない”および“不明”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 59%と、中程度の重要度になって
いる。
④「見た目」の重要度構成比は、“少し重要”41%が最も大きく、続いて“非常に重要”36%、“ど
ちらでもない”23%、“あまり重要ではない”“全く重要ではない”および“不明”0%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 77%と、高い重要度になっている。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、
“どちらでもない”41%が最も大きく、続いて“非常に重要”
23%、
“少し重要”および“不明”14%、
“あまり重要ではない”9%、
“全く重要ではない”0%とな
18
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 37%と、低い重要度になって
いる。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、“少し重要”36%が最も大きく、続いて“非常に重要”32%、
“どちらでもない”27%、“あまり重要ではない”5%、“全く重要ではない”および“不明”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 68%と、やや高い重要度に
なっている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、
“非常に重要”45%が最も大きく、続いて“どちらでもない”27%、
“少し重要”23%、“あまり重要ではない”5%、“全く重要ではない”および“不明”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 68%と、やや高い重要度になって
いる。
⑧「価格」の重要度構成比は、
“どちらでもない”45%が最も大きく、続いて“少し重要”27%、
“非
常に重要”および“あまり重要ではない”14%、“全く重要ではない”および“不明”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 41%と、やや低い重要度になって
いる。
以上、各属性の重要度をみると、「ネーミング」および「価格」以外の属性は、50%を越えてい
る。特に、
「情緒的価値」である「見た目」
「パッケージ」
「斬新さ」の重要度は高い。一方、
「機能
的価値」である「味」の重要度は高いが、
「食感」
「大きさ・量」は中程度の重要度である。この結
果は、やはり成熟市場においては、
「情緒的価値」が重要視されていることを表しており、
「情緒的
価値」が商品化のためには重要であることが明らかになっている。
図表 7
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目
回答数計
非常に重要
少し重要
味
22
36%
36%
どちらでもない
23%
あまり重要でない 全く重要でない 不明
5%
0%
0%
食感
22
36%
18%
45%
0%
0%
0%
大きさ・量
22
36%
23%
41%
0%
0%
0%
見た目
22
36%
41%
23%
0%
0%
0%
ネーミング
22
23%
14%
41%
9%
0%
14%
パッケージ
22
32%
36%
27%
5%
0%
0%
斬新さ
22
45%
23%
27%
5%
0%
0%
価格
22
14%
27%
45%
14%
0%
0%
◇海藻バター(あかもく)
①「味」の重要度構成比は、
“非常に重要”64%が最も大きく、続いて“少し重要”18%、
“不明”9%、
“どちらでもない”および“あまり重要ではない”5%、
“全く重要ではない”0%となっている。
“非
常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 82%と、非常に高い重要度になっている。
②「食感」の重要度構成比は、“少し重要”41%が最も大きく、続いて“非常に重要”および“ど
ちらでもない”23%、
“不明”9%、
“あまり重要ではない”5%、
“全く重要ではない” 0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 64%と、やや高い重要度になって
いる。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、
“どちらでもない”68%が最も大きく、続いて“非常に重要”
14%、“少し重要”および“不明”9%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 23%と、非常に低い重要度
になっている。
④「見た目」の重要度構成比は、
“非常に重要”および“少し重要”36%が最も大きく、続いて“ど
ちらでもない”14%、“不明”9%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 72%と、高い重要度になってい
る。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、“非常に重要”36%が最も大きく、続いて“少し重要”23%、
19
“どちらでもない”18%、
“あまり重要ではない”14%、
“不明”9%、
“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 59%と、中程度の重要度にな
っている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、
“非常に重要”36%が最も大きく、続いて、
“少し重要”32%、
“どちらでもない”27%、“あまり重要ではない”5%、“不明”5%、“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 68%と、やや高い重要度にな
っている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、
“少し重要”36%が最も大きく、続いて“非常に重要”および“ど
ちらでもない”27%、“不明”9%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 63%と、やや高い重要度になっ
ている。
⑧「価格」の重要度構成比は、
“少し重要”36%“が最も大きく、続いて“非常に重要”および“ど
ちらでもな 27%“不明”9%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 63%と、やや高い重要度になってい
る。
以上、各属性の重要度をみると、
「大きさ・量」以外の属性は、50%を越えている。
「機能的価値」
である「味」の重要度は最も高いが、「情緒的価値」である「見た目」「パッケージ」「斬新さ」が
それに続いて高くなっている。一方、
「機能的価値」である「味」以外では、
「食感」および「価格」
が高い。この結果は、やはり成熟市場においては、「機能的価値」である「味」が重要であること
は当然だが、やはり「情緒的価値」が重要視されている。このことから、「情緒的価値」が商品化
のためには重要であることが明らかになっている。
図表 8
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目
回答数計
非常に重要
少し重要
どちらでもない
あまり重要でない
全く重要でない 不明
味
22
64%
18%
5%
5%
0%
9%
食感
22
23%
41%
23%
5%
0%
9%
大きさ・量
22
14%
9%
68%
0%
0%
9%
見た目
22
36%
36%
14%
5%
0%
9%
ネーミング
22
36%
23%
18%
14%
0%
9%
パッケージ
22
36%
32%
27%
0%
0%
5%
斬新さ
22
27%
36%
27%
0%
0%
9%
価格
22
27%
36%
23%
9%
0%
5%
一般見学者等
◇海藻バター(なな草)
①「味」の重要度構成比は、“非常に重要”58%が最も大きく、続いて“少し重要”21%、“不明”
11%、“どちらでもない”および“あまり重要ではない”5%、“全く重要ではない”0%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 79%と、高い重要度になっている。
②「食感」の重要度構成比は、“少し重要”37%が最も大きく、続いて“非常に重要”21%、“どち
らでもない”16%、
“あまり重要ではない”および“不明”11%、
“全く重要ではない”5%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 58%と、中程度の重要度になって
いる。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、少し重要”32%が最も大きく、続いて“どちらでもない”26%、
“非常に重要”21%、
“不明”16%、
“全く重要ではない”5%、
“あまり重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 53%と、中程度の重要度になって
いる。
④「見た目」の重要度構成比は、少し重要”37%が最も大きく、続いて“非常に重要”26%、
“どち
らでもない”および“不明”16%、“あまり重要ではない”5%、“全く重要ではない”0%となって
20
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 63%と、やや高い重要度になって
いる。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、
“どちらでもない”32%が最も大きく、続いて“非常に重要”
26%、
“少し重要”21%、
“不明”16%、
“あまり重要ではない”11%、
“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 47%と、やや低い重要度にな
っている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、
“非常に重要”および“どちらでもない”26%が最も大きく、
続いて“少し重要”21%、“不明”16%、“あまり重要ではない”11%、“全く重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 47%と、やや低い重要度に
なっている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、非常に重要”37%が最も大きく、続いて“少し重要”21%、
“どち
らでもない”16%、
“あまり重要ではない”および“不明”11%、
“全く重要ではない”6%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 58%と、中程度の重要度になって
いる。
⑧「価格」の重要度構成比は、“非常に重要”47%が最も大きく、続いて“どちらでもない”21%、
“不明”12%、
“少し重要” および“あまり重要ではない”11%“全く重要ではない”5%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 58%と、中程度の重要度になって
いる。
以上、各属性の重要度をみると、「機能的価値」である「味」の重要度が最も高く、続いて「見
た目」
「価格」
「斬新さ」
「食感」
「大きさ・量」が 50%を超えているが、60%を超えているのが「見
た目」のみで、他の属性は 50%台である。50%未満は「情緒的価値」である「ネーミング」および
「パッケージ」である。「味」を除いて、他の属性は、比較的重要視していない傾向があるが、こ
の結果は、一般参加者の回答者の多くが、海藻バター(なな草)という食品の使い方や食べ方が具
体的にイメージできていないことが要因とも考えられる。このことから、海藻バター(なな草)の
プロモーションでは使い方や食べ方が具体的にわかるレシピなどの情報発信が商品化のためには
喫緊の課題といえよう。
図表 9
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目 回答数計
非常に重要 少し重要
どちらでもない
あまり重要でない
全く重要でない 不明
味
19
58%
21%
5%
5%
0%
11%
食感
19
21%
37%
16%
11%
5%
11%
大きさ・量
19
21%
32%
26%
0%
5%
16%
見た目
19
26%
37%
16%
5%
0%
16%
ネーミング
19
26%
21%
32%
5%
0%
16%
パッケージ
19
26%
21%
26%
11%
0%
16%
斬新さ
19
37%
21%
16%
11%
5%
11%
価格
19
47%
11%
21%
5%
5%
11%
◇海藻バター(あかもく)
①「味」の重要度構成比は、
“非常に重要”58%が最も大きく、続いて“少し重要”および“不明”
16%、
“どちらでもない”11%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 74%と、高い重要度になっている。
②「食感」の重要度構成比は、“少し重要”32%が最も大きく、続いて“非常に重要”21%、“どち
らでもない”および“不明”16%、
“あまり重要ではない”11%、
“全く重要ではない”5%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 53%と、中程度の重要度になって
いる。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、少し重要”および“どちらでもない”26%が最も大きく、続
いて“非常に重要”および“不明”21%、“全く重要ではない”5%、“あまり重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 47%と、やや低い重要度に
21
なっている。
④「見た目」の重要度構成比は、
“非常に重要”および“少し重要”26%が最も大きく、続いて“ど
ちらでもない”および“不明”21%、“あまり重要ではない”5%、“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 52%と、中程度の重要度になっ
ている。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、
“どちらでもない”32%が最も大きく、続いて“非常に重要”
26%、“不明”21%、“少し重要”16%、“あまり重要ではない”5%、
“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 42%と、やや低い重要度にな
っている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、
“どちらでもない”32%が最も大きく、続いて“非常に重要”
26%、“不明”21%、“少し重要”16%、“あまり重要ではない”5%、
“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 42%と、やや低い重要度にな
っている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、“非常に重要”26%が最も大きく、続いて“不明”21%、“少し重
要”“どちらでもない”および“あまり重要ではない”16%、“全く重要ではない”5%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 42%と、やや低い重要度になってい
る。
⑧「価格」の重要度構成比は、“非常に重要”42%が最も大きく、続いて“どちらでもない”21%、
“不明”16%、
“少し重要”11%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”5%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 53%と、中程度の重要度になって
いる。
以上、各属性の重要度をみると、
「機能的価値」である「味」は高い。また、
「食感」
「見た目」
「価
格」も 50%を超えているが、中程度の重要度である。「大きさ・量」「ネーミング」「パッケージ」
「斬新さ」は、50%未満である。このことから、消費者は試作品にコモディティ的イメージを描い
ている可能性がある。海藻バターのみならずあかもくに関しても、余り知識や経験がないことがこ
の結果の要因と考えられることから、消費者が納得できる情報発信が必要不可欠である。このこと
により、海藻バターやあかもくの理解度が向上すれば、商品化の可能性が生まれるであろう。加え
て、海藻バター(あかもく)のプロモーションでは使い方や食べ方が具体的にわかるレシピなどの
情報発信が十分に行われ、消費者があかもくや海藻バター(あかもく)を認知、理解すれば、使い
方や食べ方のシーンが想起できる「情緒的価値」も重要となると思われる。
図表 10
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目 回答数計
非常に重要 少し重要
どちらでもない
あまり重要でない
全く重要でない 不明
味
19
58%
16%
11%
0%
0%
16%
食感
19
21%
32%
16%
11%
5%
16%
大きさ・量
19
21%
26%
26%
0%
5%
21%
見た目
19
26%
26%
21%
5%
0%
21%
ネーミング
19
26%
16%
32%
5%
0%
21%
パッケージ
19
26%
16%
32%
5%
0%
21%
斬新さ
19
26%
16%
16%
16%
5%
21%
価格
19
42%
11%
21%
5%
5%
16%
○試作品に関する意見・提案・アイデア等
試作品の試食結果に基づく「感想・意見、品質改善等の提案等」について問うたところ、図表
11 とおり 13 件の自由回答(好意的意見等 4 件、改善点の意見、アイデア等の提案 9 件)があった。
その内訳は、バイヤー等の回答者が 7 件(好意的意見等 3 件、改善点の意見、アイデア等の提案 4
件)、一般参加者の回答者が 6 件(好意的意見等 1 件、改善点の意見、アイデア等の提案 5 件)で
22
あった。
詳細に見ると、バイヤー等の好意的意見等では「味」や「香り」に関すること、また改善点の
意見、アイデア等の提案では海藻の「味」「食感」や「香り」に関することであった。これらは、
全て「機能的価値」に関する意見であり、「情緒的価値」に関する意見はなかった。
一般参加者の好意的意見等では「味」
「食感」に関すること、また改善点の意見、アイデア等の
提案では「味」
「大きさ・量」や「情緒的価値」である「海藻のイメージ」に関する意見が 3 件あ
った。
図表 11 自由回答一覧(複数回答可)
回答者区分
好意的意見等
バイヤー等
① あかもくの磯の香りがもうすこ
一般参加者
等
計
改善点の意見、アイデア等
①海藻そのものの味が薄いので、もうすこ
し強くても良い気がしました。
②おいしいです。
③おいしかった。是非、商品化願い
ます。
しバターを少なくしても良い。
②海藻の風味が感じられなかった。
③なな草、あかもくの香りがもうすこし出
ていると良いと思います。
④もうすこし食感あると良いと思います。
①味、食感はとても良かった。
①もうすこし、少ない量の詰め合わせ
等を考えても良いのではないか。
②海藻が感じにくい。
③海の色を出して欲しい。
④イメージが重要だからイメージづ
くりを!
⑤もう少し特徴のある味が欲しい。
9
4
計
7
6
13
○満足度・インパクト分析による試作品の属性の改善点
顧客満足度は、試作品が、バイヤーや一般住民等からどのくらいの支持を得ているかを知る指標
として重要であるが、それを具体的なマーケッティング・マネジメントのプランに落とし込むには、
もう少し詳細にデータを収集し、分析する必要がある。「満足度・インパクト分析」は、そうした
分析のためのツールのひとつである。
図表 12 から図表 14-2 は、今回のアンケート調査結果の満足度・インパクト分析である。試作品
の属性ごとに「満足度(パフォーマンス)」と「重要度(インパクト)
」という 2 つの観点から質問
を行い、図表のように集計される。
それぞれの属性は、重要度と満足度の 2 つの局面から評価される。このため、両者とも 70 点以上
(あくまでも販売可能な商品の品質レベルとして仮定した)あれば、望ましい結果が達成されてい
る属性と仮定する。この点数については、満足度・インパクト分析結果をより精緻にものにするた
め、回答の内、無回答を除いた有効回答をもとに、「味」「見た目」「食感」「大きさ・量」「ネーミ
ング」「パッケージ」「斬新さ」「価格」に関する 5 尺度評価の最も高い評価番号 5 を 100 点、評価番
号 4 を 75 点、評価番号 3 を 50 点、評価番号 2 を 25 点、最も評価の低い評価番号1を 0 点と仮定し、
それぞれの評価項目ごとの加重平均値(各評価項目の合計加重点数を有効回答数で除した平均値で
あり、最高点は 100 点となる)とする(図表 12)。
また、この点数によりグラフを縦軸、横軸とも 70 点で区切り4分割し、属性の改善について検
討をおこなう。まず、右上のセル 1(重要度も満足度も 70 点以上)に属するのは、重要度と満足度
の双方がともに高い属性である。これは、事業者にとっては、望ましい結果が達成されている属性
である。
左上のセル 2(重要度は 70 点未満、満足度は 70 点以上)は、重要度は低いが満足度は高いという
属性である。一般に、満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が
犠牲になっているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してし
まう恐れが高い。この場合は、相関分析で検討する。相関関係は「相関係数」で表される。相関係
数が正の場合「Aが良くなればBも良くなる」、また負の場合「Aが良くなればBは悪くなる」と
いう相互の関係である。相関係数の目安は、相関係数が「1.0~0.8」が非常に強く関連している、
「 0.8
23
~0.5」がやや強く関連している、「0.5~0.25」がやや弱く関連している、
「0.25 未満」が関連してい
ない、と区分される。
左下のセル 3(重要度も満足度も 70 点未満)は、重要度も満足度も低い属性である。満足度の低さ
は問題だが、幸い回答者はあまりその属性を重要視していない。ほかに改善すべき属性がある場合
には、当面現状を維持することになる。
右下のセル 4(重要度は 70 点以上、満足度は 70 点未満)は、事業者にとって、早急に改善すべき
属性である。回答者は、この属性を重要視しているが、試作品はそれに応えるものになっておらず、
満足度は低い。事業者は、真っ先にこのセルに含まれる属性を改善しなければならない。
回答者区分別、試作品別の各属性評価項目の「重要度」「満足度」は図表 12 のとおりである。
図表 12 により、バイヤー等の回答者と一般参加者の回答者との重要点度と満足度との差が 10 点
以上あった属性は、「海藻バター(なな草)」の場合、「味」および「価格」の重要度は一般参加者
が高く、また「海藻バター(あかもく)」の場合、「味」および「食感」の満足度、また「斬新さ」
の重要度はバイヤー等が高くなっている。いずれにしても、「海藻バター」に関する情報が両者に
十分伝わっていないこと、また両者とも「海藻バター」の知識や経験を十分持ち合わせていないこ
とが図表 12 のような結果になった要因と思われる。
図表 12
重要度および「満足度」一覧
回答者区分
バイヤー等
一般参加者
海藻バター(なな草)
属性
味
食感
大きさ・量
見た目
ネーミング
パッケージ
斬新さ
価格
重要度
属性
味
食感
大きさ・量
見た目
ネーミング
パッケージ
斬新さ
価格
重要度
海藻バター(あかもく)
満足度
76.1
72.7
73.9
78.4
64.5
73.9
77.3
60.2
属性
味
食感
大きさ・量
見た目
ネーミング
パッケージ
斬新さ
価格
重要度
81.8
75.0
73.9
81.8
65.0
73.9
77.3
59.5
属性
味
食感
大きさ・量
見た目
ネーミング
パッケージ
斬新さ
価格
重要度
80.3
80.3
71.9
77.6
72.4
75.0
77.6
56.6
満足度
86.8
66.2
68.8
75.0
70.3
68.8
70.6
75.0
満足度
88.8
72.5
60.0
78.8
72.5
77.4
75.0
71.4
76.1
72.7
73.9
78.4
64.5
73.9
77.3
60.2
満足度
89.1
65.6
68.3
73.3
70.0
70.0
63.3
73.4
61.8
61.8
69.6
77.9
72.1
75.0
73.5
60.3
この図表 12 の重要度と満足度の相関関係をグラフに落とし込んだものが、図表 13~16 である。こ
の図により、各試作品の属性を分析し、改善すべき属性について検討する。
バイヤー等
◇海藻バター(なな草)
セル 1 に属するのは「味」「食感」
「見た目」「パッケージ」および「斬新さ」である。これらの属
性は改善の必要は無い。
セル2に属する属性は「大きさ・量」である。重要度および満足度とも 73.9 点と高くなっている。
満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲になっているなら、
問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐れが高い。このこ
と影響を相関分析で検討する。
属性
大きさ・量
味
0.3564
食感
0.5499
見た目
0.6604
ネーミング
0.4131
パッケージ
0.5429
斬新さ
0.3777
価格
0.1202
「大きさ・量」の相関係数をみると、「食感」「見た目」および「パッケージ」との間にはやや強
い相関関係がある。しかし、これらの属性は、セル1に属し、完成度が高く、改善の余地がないこ
24
とから、
「大きさ・量」の改善は必要ではない。また、やや弱い相関関係が「味」
「ネーミング」
「斬
新さ」との間にある。「味」および「斬新さ」は、セル1に属し、完成度が高く、改善の余地がな
いことから、「大きさ・量」の改善は必要ではないが、「ネーミング」は、セル4に属し、重要度は
高いが、満足度が低いことから、改善が必要な属性のため、
「大きさ・量」は改善の必要性がある。
セル3に属するのは、属性は存在しない。
セル4に属するのは、「ネーミング」および「価格」である。回答者は、これら属性を重要視して
いるが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、早急な
改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、「価格」は、重要度 60.2 点が満足度
59.5 点より高く、重要度と満足度の乖離が 0.7 ポイントある。
「ネーミング」は、重要度 64.5 点が満
足度 65.0 点よりも低く、重要度と満足度の乖離が 0.5 ポイントある。このことから、改善順位は、
「価格」→「ネーミング」となる。
さらに、セル2の「大きさ・量」を含めた、改善順位は、
「価格」→「ネーミング」→「大きさ・
量」となる。
◇海藻バター(あかもく)
セル 1 に属するのは「味」「食感」
「見た目」「パッケージ」および「斬新さ」である。これらの属
性は改善の必要は無い。
セル2に属する属性は「大きさ・量」である。重要度 60.0 点が満足度 73.9 点よりも低くなっている。
満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲になっているなら、
問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐れが高い。このこ
と影響を相関分析で検討する。
属性
大きさ・量
味
0.2020
食感
0.5753
見た目
0.6597
ネーミング
0.3842
パッケージ
0.4601
斬新さ
0.3777
価格
0.0563
「食感」および「見た目」との間にはやや強い相関関係があ
「大きさ・量」の相関係数をみると、
る。しかし、これらの属性は、セル1に属し、完成度が高く、改善の余地がないことから、「大き
「パッケージ」および「斬
さ・量」の改善は必要ではない。また、やや弱い相関関係が「ネーミング」
新さ」との間にある。「味」および「斬新さ」は、セル1に属し、完成度が高く、改善の余地がな
いことから、「大きさ・量」の改善は必要ではないが、「ネーミング」は、セル4に属し、重要度は
高いが、満足度が低いことから、改善が必要な属性のため、
「大きさ・量」は改善の必要性がある。
25
セル3に属するのは、属性は存在しない。
セル4に属するのは、「ネーミング」および「価格」である。回答者は、これら属性を重要視して
いるが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、早急な
改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、「価格」は、重要度 71.4 点が満足
度 60.2 点より高く、重要度と満足度の乖離が 11.2 ポイントある。「ネーミング」は、重要度 72.5 点
が満足度 64.5 点よりも高く、重要度と満足度の乖離が 8.0 ポイントある。このことから、改善順位
は、「価格」→「ネーミング」となる。
さらに、セル2の「大きさ・量」を含めた、改善順位は、
「価格」→「ネーミング」→「大きさ・
量」となる。
一般見学者等
◇海藻バター(なな草)
セル 1 に属するのは「味」
「見た目」
「ネーミング」および「斬新さ」である。これらの属性は改善
の必要はない。
セル2に属する属性は「食感」
「大きさ・量」および「パッケージ」である。
「食感」は、重要度 66.2
点が満足度 80.3 点よりも低く、「大きさ・量」は、重要度 68.8 点が満足度 71.9 点よりも低く、「パッ
ケージ」は、重要度 68.8 点が満足度 75.0 点よりも低くなっている。満足度は高いにこしたことはな
いが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲になっているなら、問題である。この場合、試作
品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐れが高い。このこと影響を相関分析で検討する。
属性
味
食感
大きさ・量
見た目
ネーミング
パッケージ
斬新さ
価格
食感
0.8716
1.0000
0.4814
0.3696
0.3374
0.2794
0.4620
0.2404
大きさ・量
0.6088
0.4814
1.0000
0.1919
0.5257
0.0725
0.2879
0.4995
パッケージ
0.3787
0.2794
0.0725
0.7408
0.5797
1.0000
0.3175
-0.3443
「食感」の相関係数をみると、「味」との間に非常に強い相関関係がある。また、「大きさ・量」
「見た目」
「ネーミング」
「パッケージ」および「斬新さ」との間にはやや弱い相関関係がある。相
関関係のある属性の内、早急に改善が求められるのは、セル4の「価格」がないことから、
「食感」
の改善では必要でない。
次に、
「大きさ・量」の相関関係を見ると、
「味」および「ネーミング」との間にやや強い相関関
係がある。また、
「食感」
「斬新さ」および「価格」との間にはやや弱い相関関係がある。セル4の
26
「価格」と相関関係があることから、「大きさ・量」の改善は必要である。
最後に、
「パッケージ」の相関関係を見ると、
「見た目」および「ネーミング」との間にやや強い
相関関係がある。また、
「味」
「食感」および「斬新さ」との間にはやや弱い相関関係がある。しか
し、セル4の「価格」との間にはやや弱い負の相関関係があることから、「パッケージ」の改善は
必要ではない。
セル3に属する属性はない。
セル4に属するのは、「価格」である。回答者は、この属性を重要視しているが、試作品はそれに
応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、早急な改善が必要である。さら
に、セル2の属性の「大きさ・量」の改善も必要であったことから、改善順位は、「価格」→「大
きさ・量」となる。
◇海藻バター(あかもく)
セル 1 に属するのは「見た目」「ネーミング」および「パッケージ」のいずも「情緒的価値」であ
る。これらの属性は改善の必要は無い。
セル2に属する属性は「斬新さ」である。「斬新さ」は、重要度 63.3 点が満足度 73.5 点よりも低く
なっている。満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲にな
っているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐れ
が高い。このこと影響を相関分析で検討する。
属性
味
食感
大きさ・量 見た目 ネーミング
パッケージ
価格
斬新さ 0.2672 0.5313
0.4969
0.8835
0.6626
0.5641 -0.1061
「斬新さ」の相関関係を見ると、「食感」「見た目」「ネーミング」および「パッケージ」との間
にやや強い相関関係がある。また、
「味」および「大きさ・量」との間にやや強い相関関係がある。
セル4の「味」との間には相関関係があることから、「斬新さ」の改善は必要である。
セル3に属するのは、「大きさ・量」および「食感」である。この属性は、満足度の低さは問題だ
が、幸い回答者はあまりその属性を重要視していない。他に改善すべき属性があるため、当面現状
を維持する。
セル4に属するのは、「味」および「価格」である。回答者は、これら属性を重要視しているが、
試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、早急な改善が必
要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、「味」は、重要度 89.1 点が満足度
61.8 点より高く、重要度と満足度の乖離が 27.3 ポイントある。「価格」は、重要度 73.4 点が満足度
60.3 点よりも高く、重要度と満足度の乖離が 13.1 ポイントある。このことから、改善順位は、
「味」
27
→「価格」となる。
さらに、セル2の「斬新さ」(乖離:-10.2 ポイント)を含めた、改善順位は、「味」→「価格」→
「斬新さ」となる。
○
まとめ
試作品について、持続的に販売展開できる可能性のある商品化をより一層推進していくために
は、消費者ニーズの変化に的確・迅速に適応した特産品づくりに努めなければならない。
本アンケートの対象者であったバイヤーや一般消費者間で、試作品の属性に関する満足度や重
要度にバラツキがあった。このことは、回答者の多くが試作品に対する知識や経験があまりない
ことに起因するものと思われる。このことから、今後、海藻バターそのものの使用方法等に関す
る情報発信が重要となろう。
アンケート結果による試作品の属性に関する改善順位については、2品目の「価格」がバイヤ
ーおよび一般消費者の両者とも改善項目である。
「価格」に関しては、ライバル商品が少ないこと
から、メーセージを消費者に丁寧に伝え、海藻バターに対する認識度が高まれば、価格競争に巻
き込まれることはなく、販売は促進されるものと推測できる。このことから、試作品が商品化さ
れれば、生産者にとっても魅力ある商品となる可能性が大きい試作品である。また、
「海鮮バター
(あかもく)
」の改善で、一般参加者が「味」を優先順位1位としているのは、やはり「あかもく」
に関するメッセージも依然として十分に消費者に伝わっていないことが要因と考えられる。
以上のことから、試作品が商品化されたた場合、「情緒的価値」で消費者を引きつけて、「味」
などの「機能的価値」を納得して購入してもらえるようプロモーション促進、特にメッセージの
発信方法や内容が成功の鍵となると考えられる。
28
(2)「御食つ国志摩 ええもん物産見本市 in 日本橋」入場者による試作品アンケート調査
○調査の内容
海藻を活用した特産品の試作品について、試作品の属性のうち、海松を活用した試作品につい
ては、味(うま味)、見た目(形、色等)、食感、大きさ・量、ネーミング、パッケージ、斬新さ
(ユニークさ)、および価格(販売予定価格)、また海藻を活用したハンドクリームについては、
使用感、価格、安全性、香り、パッケージ・ネーミング、斬新さ、クリームの見た目に関して、
5尺度評価のアンケート調査を実施する。
なお、アンケート調査結果の構成比は、四捨五入しているため、合計が 100%と一致しない場合
がある。
○調査方法
「御食つ国志摩 ええもん物産見本市 in 日本橋」入場者の試食によるアンケート回答(回答者自
記式)
●調査日時等
調査日時:平成 27 年 1 月 31 日(土曜日)・2 月 1 日(日曜日)
調査会場:東京都中央区日本橋 「三重テラス多目的ホール」
試食品:「海藻バター」「ミルのゼリー飲料」「ミルのチョコレート」「海藻ハンドクリーム」の
4 試作品
サンプル数:「海藻バター」「ミルのゼリー飲料」「ミルのチョコレート」「海藻ハンドクリーム」
各 20 サンプル
◎試食・試用アンケートの調査結果
○アンケート回答者の属性
(性別・年齢別)
ミル
回答者 20 名の性別構成比は、“男性”5(25%)に対して、“女性”11(55%)および“不明”4(20%)で
ある。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“60 歳代以上”40%が最も大きく、続いて“40
歳代”20%“30 歳代”および“不明”15%、
“50 歳代”10%、
“20 歳代”および“20 歳代未満”0%
となっている。
また、各性別では、男性が“50 歳代”および“60 歳代以上”40%が最も大きく、続いて“40 歳
代”20%、“20 歳代未満”“20 歳代”“30 歳代”および“不明”0%となっている。
一方、女性は“60 歳代以上”45%が最も大きく、続いて“30 歳代”および“40 歳代”27%、11%、
“20 歳代未満”“20 歳代”および“50 歳代”および“不明”0%となっている。
また、不明は“不明”75%が最も大きく、続いて“60 歳代以上”25%となっている。他の年齢は
0%となっている。
図表 1
アンケート回答者の性別・年代別数構成比(ミル)
性別
男性
女性
不明
全体平均
回答数計
5
11
4
20
30 代
0%
27%
0%
15%
40 代
20%
27%
0%
20%
50 代 60 代以上
40%
40%
0%
45%
0%
25%
10%
40%
29
不明
0%
0%
75%
15%
海藻バター
回答者 20 名の性別構成比は、“男性”5(25%)に対して、“女性”11(55%)および“不明”4(20%)で
ある。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“60 歳代以上”40%が最も大きく、続いて“40
歳代”20%、
“30 歳代”および“不明”15%、
“50 歳代”10%、
“20 歳代”および“20 歳代未満”0%
となっている。
また、各性別では、男性が“50 歳代”および“60 歳代以上”40%が最も大きく、続いて“40 歳
代”20%、“20 歳代未満”“20 歳代”“30 歳代”および“不明”0%となっている。
一方、女性は“60 歳代以上”45%が最も大きく、続いて“30 歳代”および“40 歳代”27%、11%、
“20 歳代未満”“20 歳代および“50 歳代”および“不明”0%となっている。
また、不明は“不明”75%が最も大きく、続いて“60 歳代以上”25%となっている。他の年齢は
0%となっている。
以上のように、中高年齢層の回答者が多いのが特徴である。
図表 1-2
アンケート回答者の性別・年代別数構成比(海藻バター)
性別
回答数計
20 代 30 代 40 代 50 代 60 代以上 不明
男性
6
0%
0%
50%
17%
33%
0%
女性
8
13%
38%
0%
0%
50%
0%
不明
6
0%
0%
0%
0%
17%
83%
全体平均
20
5%
15%
15%
5%
35%
25%
志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム
回答者 20 名の性別構成比は、
“男性”0(0%)に対して、
“女性”15(40%)および“不明”5(30%)であ
る。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“60 歳代以上”35%が最も大きく、続いて“30
歳代”25%、“50 歳代”および“不明”15%、
“20 歳代”および“40 歳代”5 %、“20 歳代未満”0%と
なっている。
また、各性別では、女性は“60 歳代以上”40%が最も大きく、続いて“30 歳代”33%、
“50 歳代”
13%、“20 歳代”および“40 歳代”7%、“20 歳代未満”および“不明”0%となっている。
また、不明は“不明”60%が最も大きく、続いて“50 歳代”および“60 歳代以上”20%となって
いる。他の年齢は 0%となっている。
以上のように、女性は高年齢層が最も多いものの各年代に分散化しているのが特徴である。
図表 1-3
アンケート回答者の性別・年代別数構成比(海藻ハンドクリーム)
性別
回答数計
20 代 30 代 40 代 50 代 60 代以上 不明
女性
15
7%
33%
7%
13%
40%
0%
不明
5
0%
0%
0%
20%
20%
60%
全体平均
20
5%
25%
5%
15%
35%
15%
(居住地)
回答者の住居地は、無回答を除き首都圏であった。
(来場目的)
来場目的は、“一般見学者”が約 70%弱と最も多く、続いて“不明”22%となっており、ほとん
どが一般見学者であった。
○ハンドクリームの調査結果
回答者に、ハンドクリームの使用について尋ねたところ、下表(左上)の通り、
“毎日使ってい
30
る”70%が最も大きく、続いて“時々使う”20%、
“余り使わない”および“不明”5%、
“全く使
わない”0%となっている。このように、海藻ハンドクリームの潜在的市場は大きいと考えられる。
また、日常使用しているハンドクリームの購買価格を尋ねたところ、下表(右上)の通り、
“501-1000 円”30%が最も大きく、続いて“301-500 円”25%、
“1001-1500 円”20%、
“300 円以下”
10%、
“2001-3000 円”
“3000 円以上”および“不明”5%、
“1501-2000 円”0%となっている。この
ことから、500 円から 1500 円程度のハンドクリームの販売価格が最も消費者の希望とマッチする
と思われる。
次に、ハンドクリームの購入する際の選定基準について尋ねたところ(複数回答可)、下表(左
下)の通り 49 件の回答があった。
“使用感”24%が最も大きく、続いて“価格”20%、
“香り”18%、
“肌に合うかどうか”16%、
“安全性”14%、
“その他”6%、
“パッケージデザインやネーミング”
および“クリームの見た目”0%となっている。“その他”は伸びた感、添加物のない純国産、効
果といった内容である。
最後に、志摩市の特産品「真珠ハンドクリーム」について尋ねたところ、下表(右下)の通り、
“知らない”80%が最も大きく、続いて“不明”10%、
“知っているが使ったことがない”および
“使ったことがある”5%となっている。これは、「真珠ハンドクリーム」が主に伊勢志摩地域の
土産物として販売されていることに起因していると思われる。
使用頻度
毎日使っている
回答数
構成比
価格帯
回答数
構成比
14
70%
501-1000 円
6
30%
時々使う
4
20%
301-500 円
5
25%
余り使わない
1
5%
1001-1500 円
4
20%
全く使わない
0
0%
300 円以下
2
10%
1
5%
2001-3000 円
1
5%
20
100%
3000 円以上
1
5%
不明
1
5%
1501-2000 円
0
0%
不明
計
計
選定基準
回答数
構成比
使用感
12
24%
価格
10
20%
香り
9
18%
肌に合うかどうか
8
16%
安全性
7
14%
その他
パッケージデザイ
ンやネーミング
クリームの見た目
3
6%
0
0%
計
注:複数回答可
0
0%
49
100%
20
認知度
回答数
100%
構成比
知らない
知っているが
使ったことが
ない
使ったことが
ある
不明
16
80%
1
5%
1
5%
2
10%
計
20
100%
31
○試食・試用アンケート結果による試作品満足度評価結果
試食・試用アンケート調査結果の集計により、回答者の試作品に対する満足度評価について分
析する。
具体的には、試作品に対する試食アンケート調査結果に基づき、回答者の各評価項目の評価結果
を単純集計した合計数の全体構成比(100%)に占める割合から評価項目に対する満足度評価結果
の傾向を分析する。
◇海藻ミルの美人ゼリー(250 円/125g)
①「全体平均」の満足度構成比は、“普通”41%が最も大きく、続いて“良い”26%、“大変良い”
25%、
“悪い”8%、
“大変悪い”および“不明”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 51%と、中程度の満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“普通”45%が最も大きく、続いて“良い”30%、“大変良い”20%、
“悪い”5%、
“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 50%と、中程度の満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“大変良い”および“普通”30%が最も大きく、続いて“良い”20%、
“悪い”15%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 50%と、中程度の満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”45%が最も大きく、続いて“大変良い”25%、
“良い”
および“悪い”15%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 40%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、“普通”50%が最も大きく、続いて“良い”30%、“大変良い”1
5%、“悪い”5%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合
わせた「良い」は 45%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、“良い”および“普通”35%が最も大きく、続いて“大変良
い”30%、“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、“良い”および“普通”40%が最も大きく、続いて“悪い”
10%、
“大変良い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 45%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、
“大変良い”55%が最も大きく、続いて“良い”25%、
“普通”15%、
“悪い”5%、大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 80%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”65%が最も大きく、続いて“大変良い”20%、
“良い”10%、
“悪い”5%、
“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 30%と、低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度は中程度の満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、
「斬新さ」が最も満足度が高く、続いて「ネーミング」
「味」
「食感」が 50%
以上であるが、
「見た目」
「パッケージ」
「大きさ・量」
「価格」は 50%未満である。このことは、成
熟市場時代における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「見た目」「パッ
ケージ」の満足度が低いという点はあるが、いずれも“普通”が最も大きく、“悪い”および“大
変悪い”が小さいことから、改良を加えれば、“普通”と回答した層の満足度を向上させることが
予測される。また、「価格」は、未知の海藻であるため、やはり“普通”が最も多いが、「斬新さ」
の満足度が高いことから、ミルの情報発信を伝えていけば、安売りをしなくても、十分に成熟市場
において商品化できる可能性は大であろう。すなわち、
「情緒的価値」で消費者を引きつけて、
「味」
などの「機能的価値」を納得して購入してもらえる可能性が大いにある。
32
図表 2
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
20
20%
30%
45%
5%
0%
0%
食感
20
30%
20%
30%
15%
0%
5%
大きさ・量
20
25%
15%
45%
15%
0%
0%
見た目
20
15%
30%
50%
5%
0%
0%
ネーミング
20
30%
35%
35%
0%
0%
0%
パッケージ
20
5%
40%
40%
10%
5%
0%
斬新さ
20
55%
25%
15%
5%
0%
0%
価格
20
20%
10%
65%
5%
0%
0%
全体平均
20
25%
26%
41%
8%
1%
1%
◇海藻ミルの贅沢チョコレート(1.100 円/120g)
①「全体平均」の満足度構成比は、“普通”33%が最も大きく、続いて“大変良い”31%、“良い”
29%、
“悪い”および“不明”4%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 60%と、やや高い満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“大変良い”45%が最も大きく、続いて“良い”40%、“普通”10%、
“不明”5%、
“悪い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 85%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“普通”40%が最も大きく、続いて“大変良い”30%、
“良い”20%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 50%と、中程度の満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”45%が最も大きく、続いて“大変良い”25%、
“良い”
および“悪い”15%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 40%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、“良い”および“普通”35%が最も大きく、続いて“大変良い”
30%、“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“良い”40%が最も大きく、続いて“普通”35%、
“大変良い”
15%、“不明”10%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合
わせた「良い」は 55%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、“大変良い”45%が最も大きく、続いて“良い”35%、 “普
通”15%、“不明”4%“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 80%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、
“大変良い”55%が最も大きく、続いて“良い”25%、
“普通”15%、
“悪い”5%、大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 80%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”65%が最も大きく、続いて“良い”20%、
“悪い”10%、
“不
明”5%、
“大変良い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 20%と、非常に低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度はやや高い満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、
「味」が最も満足度が高く、続いて「パッケージ」
「斬新さ」
「見た目」
「ネ
ーミング」
「食感」が 50%以上であるが、
「大きさ・量」および「価格」は 50%未満である。このこ
とは、成熟市場時代における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「見た目」
「ネーミング」「パッケージ」「斬新さ」のいずれもが満足度が高く、商品化の可能性は大である。
また、「価格」については、セグメント、ターゲットを高級チョコレート分野や贈答分野に絞り込
むことで、安売りをしなくても、十分に成熟市場において商品化できる可能性は大であろう。すな
わち、
「情緒的価値」で消費者を引きつけて、
「味」などの「機能的価値」を納得して購入してもら
33
える可能性が大いにある。
図表 2-2
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
20
45%
40%
10%
0%
0%
5%
食感
20
30%
20%
40%
5%
0%
5%
大きさ・量
20
25%
15%
45%
15%
0%
0%
見た目
20
30%
35%
35%
0%
0%
0%
ネーミング
20
15%
40%
35%
0%
0%
10%
パッケージ
20
45%
35%
15%
0%
0%
5%
斬新さ
20
55%
25%
15%
5%
0%
0%
価格
20
0%
20%
65%
10%
0%
5%
全体平均
20
31%
29%
33%
4%
0%
4%
◇海の森
海藻バター(800 円/150g)
①「全体平均」の満足度構成比は、“良い”34%が最も大きく、続いて“普通”31%、“大変良い”
26%、
“不明”4%、
“悪い”4%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 60%と、やや高い満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“良い”50%が最も大きく、続いて“大変良い”35%、“普通”15%、
“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 85%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“良い”50%が最も大きく、続いて“大変良い”25%、
“普通”15%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 75%と、高い満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”35%が最も大きく、続いて“良い”30%、
“大変良い”
25%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 55%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、
“普通”40%が最も大きく、続いて“良い”35%、
“大変良い”15%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 50%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“良い”40%が最も大きく、続いて“大変良い”30%、
“普通”
20%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 70%と、高い満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、
“普通”40%が最も大きく、続いて“良い”35%、
“大変良い”
10%、“悪い”“大変悪い”および“不明”5%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 45%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、“普通”35%が最も大きく、続いて“大変良い”および“良い”
30%、
“不明”5%、
“悪い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 60%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”45%が最も大きく、続いて“大変良い”35%、
“不明”10%、
“悪い”5%、“大変良い”6%、大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 40%と、やや低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度はやや高い満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、
「味」が最も満足度が高く、続いて「食感」
「ネーミング」
「斬新さ」
「大き
さ・量」
「見た目」が 50%以上であるが、
「パッケージ」および「価格」は 50%未満である。成熟市
場時代における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「見た目」「ネーミン
グ」「斬新さ」が 50%を越えている。しかし、50%未満の「パッケージ」は改善が必要であるが、
ネーミング等との一貫性の中で改善を図る必要があろう。さらに、
「価格」は、
“普通”が最も大き
かったことは、未知のバターであったことによると考えられ、「海藻バター」の詳細を消費者に伝
34
えていけば、安売りをしなくても、十分に成熟市場において商品化できる可能性は大であろう。す
なわち、
「情緒的価値」で消費者を引きつけて、
「味」などの「機能的価値」を納得して購入しても
らえる可能性が大いにある。
図表3
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
20
35%
50%
15%
0%
0%
0%
食感
20
25%
50%
15%
5%
0%
5%
大きさ・量
20
25%
30%
35%
5%
0%
5%
見た目
20
15%
35%
40%
5%
0%
5%
ネーミング
20
30%
40%
20%
5%
0%
5%
パッケージ
20
10%
35%
40%
5%
5%
5%
斬新さ
20
30%
30%
35%
0%
0%
5%
価格
20
35%
5%
45%
5%
0%
10%
全体平均
20
26%
34%
31%
4%
1%
5%
◇志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム(1.200 円/50g)
①「全体平均」の構成比は、“普通”35%が最も大きく、続いて“大変良い”33%、“良い”19%、
“悪い”および“不明”6%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 55%と、中程度の満足度評価結果になっている。
②「使用感」の満足度構成比は、
“大変良い”50%が最も大きく、続いて“普通”25%、
“良い”15%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
③「価格」の満足度構成比は、
“普通”45%が最も大きく、続いて“大変良い”20%、
“悪い”15%、
“良い”10%、“大変悪い”および“不明”5%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 30%と、低い満足度評価結果になっている。
④「安全性」の満足度構成比は、
“大変良い”40%が最も大きく、続いて“普通”30%、
“良い”20%、
“不明”10%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 60%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑤「香り」の満足度構成比は、
“大変良い”45%が最も大きく、続いて“普通”30%、
“良い”20%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑥「パッケージ・ネーミング」の満足度構成比は、
“普通”55%が最も大きく、続いて“大変良い”
20%、
“悪い”15%、
“良い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良
い”とを合わせた「良い」は 25%と、非常に低い満足度評価結果になっている。
⑦「斬新さ」の満足度構成比は、
“良い”40%が最も大きく、続いて“普通”35%、
“大変良い”15%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 55%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑧「見た目」の満足度構成比は、
“大変良い”40%が最も大きく、続いて“普通”30%、
“良い”25%、
“不明”5%、
“悪い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑨「総合満足度」の構成比は、
“良い”40%が最も大きく、続いて“普通”35%、
“大変良い”15%、
“不明”10%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 55%と、中程度の満足度評価結果になっている。この値は、全体平均の満足度より 3
ポイント大きいが、回答者が海藻ハンドクリームのイメージとハンドクリームの実体がほぼ一致し
ていると推測できるが、多分、この差は、クリームそのものの満足度は高いが、回答者が女性の中
高年齢層であったことから、パッケージが彼女らのイメージに合わなかったこと、また志摩市です
でに販売され、消費者からも高評価をうけている「真珠ハンドクリーム」が同量同額であることと
比較すると、
「伊勢志摩=真珠」
(高級感)といったイメージとは異なり、
「海藻=健康食品」
(コモ
35
ディティ)といったイメージが連想されるため、割高感といった価格反応感が生じたと考えられる。
このことから、安売り戦略ではなく、海藻の効用を詳しく消費者に情報発信していくことが重要と
なろう。「使用感」「安全性」「クリームの見た目」などの満足度は高いことから、情報発信とこの
パッケージを使うならパッケージと一貫性のある「ネーミング」と顧客ターゲットの絞り込みを行
えば、商品化の可能性は十分にあるであろう。また、このことにより、「真珠ハンドクリーム」と
の競合が避けられることになろう。
図表 4
アンケート回答者のハンドクリーム試用結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
使用感
20
50%
15%
25%
5%
0%
5%
価格
20
20%
10%
45%
15%
5%
5%
安全性
20
40%
20%
30%
0%
0%
10%
香り
20
45%
20%
25%
5%
0%
5%
パッケージ・ネーミング
20
20%
5%
55%
15%
0%
5%
斬新さ
20
15%
40%
35%
5%
0%
5%
クリームの見た目
20
40%
25%
30%
0%
0%
5%
全体平均
20
33%
19%
35%
6%
1%
6%
総合満足度
20
15%
40%
35%
0%
0%
10%
○試食・試用アンケート結果による試作品が商品化するにあたっての各属性の
重要度評価結果
消費者が、試作品が商品化された場合、購入する判断基準、すなわち購入する際に最も重要視す
る属性を明らかにするために、試作品の属性ごとの五尺度の基準で重要度について尋ねたところ、
その結果は次の通りであった。
◇海藻ミルの美人ゼリー(250 円/125g)
①「味」の重要度構成比は、“非常に重要”45%が最も大きく、続いて“少し重要”35%、“どちら
でもない”および“不明”10%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 80%と、非常に高い重要度になっ
ている。
②「食感」の重要度構成比は、“非常に重要”50%が最も大きく、続いて“少し重要”および“ど
ちらでもない”20%、“不明”10%“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 70%と、高い重要度になってい
る。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、
“非常に重要”および“どちらでもない”35%が最も大きく、
続いて“少し重要”20%、“不明”10%“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要度に
なっている。
④「見た目」の重要度構成比は、“少し重要”35%が最も大きく、続いて“どちらでもない”30%、
“非常に重要”25%、“不明”10%“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 60%と、やや高い重要度になっ
ている。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、“少し重要”35%が最も大きく、続いて“どちらでもない”
30%、“非常に重要”20%、“不明”10%、“全く重要ではない”5%、
“あまり重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要度に
なっている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、
“どちらでもない”27%が最も大きく、続いて“非常に重要”
および“少し重要”25%、“不明”10%“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 50%と、中程度の重要度に
36
なっている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、“非常に重要”40%が最も大きく、続いて“少し重要”35%、“ど
ちらでもない”15%、“不明”10%“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 75%と、高い重要度になってい
る。
⑧「価格」の重要度構成比は、“非常に重要”35%が最も大きく、続いて“少し重要”30%、“どち
らでもない”20%、“不明”15%“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 65%と、やや高い重要度になって
いる。
以上、各属性の「重要度」をみると、全ての属性が 50%以上重要視されている。特に、「機能的
価値」である「味」および「食感の重要度は高い。一方、
「情緒的価値」である「見た目」
「斬新さ」
の重要度も高い。各属性の中でも中程度の重要度であった「大きさ・量」と、情緒的価値である「ネ
ーミング」および「パッケージ」の改善がとりわけ重要だが、「パッケージ」デザインの一貫とし
て「大きさ・量」を改善すれば、商品化は可能である。この結果は、やはり成熟市場においては、
「機能的価値」である「味」や「食感」が重要であることは当然だが、やはり「情緒的価値」が重
要視されている。このことから、「情緒的価値」が商品化のためには重要であることが明らかにな
っている。
図表 5
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
評価項目
回答数計 非常に重要 少し重要 どちらでもない あまり重要でない 全く重要でない
不明
味
20
45%
35%
10%
0%
0%
10%
食感
20
50%
20%
20%
0%
0%
10%
大きさ・量
20
35%
20%
35%
0%
0%
10%
見た目
20
25%
35%
30%
0%
0%
10%
ネーミング
20
20%
35%
30%
0%
5%
10%
パッケージ
20
25%
25%
40%
0%
0%
10%
斬新さ
20
40%
35%
15%
0%
0%
10%
価格
20
35%
30%
20%
0%
0%
15%
◇海藻ミルの贅沢チョコレート(1.100 円/120g)
①「味」の重要度構成比は、“非常に重要”55%が最も大きく、続いて“少し重要”20%、“どちら
でもない”および“不明”10%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 83%と、非常に高い重要度になっ
ている。
②「食感」の重要度構成比は、“非常に重要”55%が最も大きく、続いて“少し重要”25%、“どち
らでもない”および“不明”10%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 80%と、非常に高い重要度にな
っている。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、
“非常に重要”40%が最も大きく、続いて、
“どちらでもない”
35%“少し重要”15%、
“不明”10%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要度にな
っている。
④「見た目」の重要度構成比は、“非常に重要”35%が最も大きく、続いて“少し重要”30%、“ど
ちらでもない”25%、
“不明”10%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 65%と、やや高い重要度になっ
ている。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、“どちらでもない”40%が最も大きく、続いて“少し重要”
25%、“非常に重要”20%、“不明”10%、“全く重要ではない”5%、
“あまり重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 45%と、やや低いの重要度
37
になっている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、
“少し重要”45%が最も大きく、続いて、
“非常に重要”25%、
“どちらでもない”20%、
“不明”10%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 70%と、高い重要度になっ
ている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、
“非常に重要”および“少し重要”30%が最も大きく、続いて“ど
ちらでもない”25%、
“不明”10%、
“あまり重要ではない”5%、
“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 60%と、やや高い重要度になって
いる。
⑧「価格」の重要度構成比は、“非常に重要”および“少し重要”35%が最も大きく、続いて“不
明”20%、
“どちらでもない”10%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 70%と、高い重要度になってい
る。
以上、各属性の重要度をみると、
「ネーミング」以外の属性は、50%を越えている。
「機能的価値」
である「味」「食感」および「価格」の重要度は高いが、「情緒的価値」である「パッケージ」「見
た目」
「斬新さ」がそれに続いて高くなっている。
「ネーミング」は「パッケージ」デザインの改善
の一環として改善がはかれることから、やはり成熟市場においては、
「機能的価値」である「味」
「食
感」および「価格」が重要であることは当然だが、やはり「情緒的価値」が重要視されている。こ
のことから、
「情緒的価値」が商品化のためには重要であることが明らかになっている。
図表 6
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
評価項目
回答数計
非常に重要
少し重要
どちらでもない
あまり重要でない
全く重要でない
不明
味
20
55%
30%
5%
0%
0%
10%
食感
20
55%
25%
10%
0%
0%
10%
大きさ・量
20
40%
15%
35%
0%
0%
10%
見た目
20
35%
30%
25%
0%
0%
10%
ネーミング
20
20%
25%
40%
0%
5%
10%
パッケージ
20
25%
45%
20%
0%
0%
10%
斬新さ
20
30%
30%
25%
5%
0%
10%
価格
20
35%
35%
10%
0%
0%
20%
◇海の森
海藻バター(800 円/150g)
①「味」の重要度構成比は、“非常に重要”55%が最も大きく、続いて“少し重要”30%、“どちら
でもない”15%、
“あまり重要ではない”
“全く重要ではない”および“不明”0%となっている。
“非
常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 85%と、非常に高い重要度になっている。
②「食感」の重要度構成比は、“少し重要”50%が最も大きく、続いて“非常に重要”35%、“どち
らでもない”15%、
“あまり重要ではない”
“全く重要ではない”および“不明”0%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 85%と、非常に高い重要度になっている。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、“どちらでもない”55%が最も大きく、続いて“少し重要”
25%、“非常に重要”20%、“あまり重要ではない”“全く重要ではない”および“不明”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 45%と、やや低い重要度になっ
ている。
④「見た目」の重要度構成比は、“少し重要”55%が最も大きく、続いて“どちらでもない”25%、
“非常に重要”20%、“あまり重要ではない”“全く重要ではない”および“不明”0%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 75%と、高い重要度になっている。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、“少し重要” および“どちらでもない”35%が最も大きく、
続いて“非常に重要”20%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”5%、“不明”0%
38
となっている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要度
になっている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、“どちらでもない”45%が最も大きく、続いて“少し重要”
35%、“非常に重要”20%、“あまり重要ではない”“全く重要ではない”および“不明”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要度になっ
ている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、非常に重要”40%が最も大きく、続いて“少し重要”30%、
“どち
らでもない”25%、“あまり重要ではない”5%、“全く重要ではない”および“不明”0%となって
いる。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 70%と、高い重要度になっている。
⑧「価格」の重要度構成比は、“少し重要”40%が最も大きく、続いて“非常に重要”および“ど
ちらでもない”30%、“あまり重要ではない”“全く重要ではない”および“不明”0%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 53%と、中程度の重要度になってい
る。
以上、各属性の重要度をみると、
「大きさ・量」以外の属性が 50%を越えている。特に、
「機能的
価値」である「味」および「食感」の重要度は極めて高い。一方、
「情緒的価値」である「見た目」
および「斬新さ」も高い。この結果は、成熟市場においては、「機能的価値」である「味」「食感」
が重要であることは当然だが、続いて「見た目」および「斬新さ」の「情緒的価値」が重要視され
ている。このことから、
「機能的価値」だけではなく、
「情緒的価値」が商品化のためには重要であ
ることが明らかになっている。
図表 7
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目 回答数計
どちらでもない
あまり重要でない
味
20
非常に重要 少し重要
55%
30%
15%
0%
全く重要でない 不明
0%
20
食感
20
35%
50%
15%
0%
0%
20
大きさ・量
20
20%
25%
55%
0%
0%
20
見た目
20
20%
55%
25%
0%
0%
20
ネーミング
20
20%
35%
35%
5%
5%
20
パッケージ
20
20%
35%
45%
0%
0%
20
斬新さ
20
40%
30%
25%
5%
0%
20
価格
20
30%
40%
30%
0%
0%
20
◇志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム(1,200 円/50g)
①「使用感」の重要度構成比は、
“非常に重要”75%が最も大きく、続いて“どちらでもない”15%、
“少し重要”および“不明”5%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 80%と、非常に高い重要度にな
っている。
②「価格」の重要度構成比は、“少し重要”40%が最も大きく、続いて“非常に重要”35%、“どち
らでもない”15%、“不明”18%、“あまり重要ではない”および“少し重要”および“不明”5%、
“全く重要ではない”0%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は
75%と、高い重要度になっている。
③「安全性」の重要度構成比は、“非常に重要”70%が最も大きく、続いて“少し重要”15%、“ど
ちらでもない”10%、
“どちらでもない”10%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”
0%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要
度になっている。
④「香り」の重要度構成比は、“非常に重要”60%が最も大きく、続いて“少し重要”25%、“どち
らでもない”10%、“不明”5%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 85%と、非常に高い重要度になっ
ている。
39
⑤「パッケージ・ネーミング」の重要度構成比は、“非常に重要”35%が最も大きく、続いて“ど
ちらでもない”25%、
“少し重要”20%、
“全く重要ではない”15%、
“不明”5%、
“あまり重要では
ない”0%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度
の重要度になっている。
⑥「斬新さ」の重要度構成比は、“どちらでもない”30%が最も大きく、続いて“少し重要”およ
び“全く重要ではない”20%、“非常に重要”15%、“あまり重要ではない”10%、“不明”5%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 35%と、低い重要度になって
いる。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、
“不明”24%が最も大きく、続いて“非常に重要”
“少し重要”
“ど
ちらでもない”および“あまり重要ではない”18%、“全く重要ではない”6%となっている。“非
常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 36%と、低い重要度になっている。
⑧「クリームの見た目」の重要度構成比は、“どちらでもない”30%が最も大きく、続いて“非常
に重要”および“少し重要”25%、
“全く重要ではない”10%“あまり重要ではない”および“不明”
5%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 50%と、中程度の重要
度になっている。
以上、各属性の重要度をみると、
「機能的価値」である「味」
「価格」
「安全性」
「香り」の満足度
は高いが、
「情緒的価値」の「パッケージ・ネーミング」
「斬新さ「クリームの見た目」は満足度が
低い。このことは、この年代の回答者(消費者)が「手の荒れを防ぐ」ため、できるだけ低価格で
安全で、効用のある実質的な価値を求めていることを意味する。このことから、この年齢層を市場
セグメント化し、顧客ターゲットとしてふさわしい中高年齢層の女性が顧客ターゲットになるであ
ろう。
図表8
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目 回答数計
どちらでもない
あまり重要でない
使用感
20
75%
5%
15%
0%
0%
5%
価格
20
40%
35%
15%
5%
0%
5%
安全性
20
70%
15%
10%
0%
0%
5%
香り
20
60%
25%
10%
0%
0%
5%
20
35%
20%
25%
0%
15%
5%
20
15%
20%
30%
10%
20%
5%
20
25%
25%
30%
5%
10%
5%
パッケージ・
ネーミング
斬新さ
クリームの
見た目
非常に重要 少し重要
全く重要でない 不明
○試作品に関する意見・提案・アイデア等
試作品の試食結果に基づく「感想・意見、品質改善等の提案等」について、回答者に尋ねたと
ころ、図表 9 とおり 39 件の自由回答(好意的意見等 16 件、改善点の意見、アイデア等の提案 23
件)があった。
試作品別に見ると、
「ミルの特産品」は、好意的意見等 7 件、改善点の意見、アイデア等の提案
8 件であった。好意的意見等では「健康」に良い、チョコレートと海藻の組み合わせがよいなど、
改善点の意見、アイデア等の提案ではゼリーを少し硬めにすること、ネーミングをインパクトが
あるようにすることなどどであった。
「海藻バター」は、好意的意見等5件、改善点の意見、アイデア等の提案3件であった。好意
的意見等では大変おいしいと好評であり、改善点の意見、アイデア等の提案では海藻の舌触り感
がでるようにするなどであった。
「海藻ハンドクリーム」は、好意的意見等4件、改善点の意見、アイデア等の提案 12 件であっ
た。好意的意見等では「使用感」に関することなど、改善点の意見、アイデア等の提案ではパッ
ケージと回答者の年齢層の嗜好とが合わないことなどであった。
40
図表 11 自由回答一覧(複数回答可)
回答者区分
好意的意見等
ミ ル の 特 産 ①海藻の香りはよい。
品
改善点の意見、アイデア等
①健康に良いのが一番重要。今後も海藻を使った体全
体によい製品を作って下さい。
②ミルの臭いが気になる。
海藻ミルの
美人ゼリー
①ゼリーはおいしい
②体に良く健康食品そのものと
いう感じがする。
海藻ミルの
贅沢チョコ
レート
①チョコレートは食感・味とも
とても良かった。
②チョコレートは今まで食べた
ことがない海藻の入ったチョコ
で大変興味を引く商品です。体
によい、また食感が面白い。
③チョコレートは海藻が入って
いるので食感が面白かった。
④海藻とチョコのマッチングは
面白い。
①良くできています。
②とてもおいしい。早く商品化
して欲しい。
③大変良く、おいしい。
④塩味はほどよい味でした。
⑤食べやすくおいしいです。
海の森
海藻バター
志摩の海女
ちゃん 海
藻ハンドク
リーム
計
①使用感はとても良い。
②しっとりしていて付けやすい
ので買いたい。
③さっぱりと良い感じです。
④無味無臭は良いと思う。
16
①ゼリーはもうすこし硬めがよい。
②ゼリーはもうすこし食感があった方が食べやすい。
今のままだと年寄りと子供はむせてしまいます。
③ゼリーは、健康食品として売るには、パッケージの
裏にミルについての説明書きがあると良いと思った。
④ゼリーの味は普通なので、もうすこしおいしさが加
わると良い。
①チョコレートは、ネーミングがもっとインパクトが
あると良い。
②チョコレートは食べた後もずっと口に残っている感
じが気になった。
①バターはもっと海藻の味かあっても良い
②こりこり感など食感の工夫をしてみてはどうか。海
藻の臭いが強すぎてもおいしくないかもしれないので
粒感や歯触りで表現するのが良いと思います。
③付ける量によりバター感が強く出過ぎると思いまし
た。
①成分は良さそうだが、ミカンの香りがきつい。ナチ
ュラル(そのままの香り)かローズがよい。
②今のパッケージだと安全性がわからない。
③インパクトのあるネーミングが必要。
④RPが必要。
⑤他のハンドクリームとの差別化が必要。
⑥少し値段が高い。
⑦ハンドクリーム以外にもボデークリームとして使い
たい。
⑧中身は中年には大変良いが、
パッケージがいまいち。
チューブだけではなく大きいものが合っても良い。パ
ッケージのネーミングと箱の絵が合わず微妙なズレ。
この絵だと若い子をイメージしていて私には手が出せ
ない(軽すぎるというか余り良くない)
。
⑨もっと効能を訴えた方が手に取りやすく購入しやす
い。せっかく良い製品なのだから。
⑩水分が多く、少し柔らかい。価格は1000円程度。
新鮮さは売りだと思う。
⑪女性向けのキャラクターに萌え系の女性キャラクタ
ーを使うのはあまり印象良くない。高級感を出した方
が良い。
⑫パッケージはかわいいのですがどの年齢層をターゲ
ットにしているのかと思いました。もうすこし、上品
なパッケージのほうが目上の方に受け入れられると思
います。
⑬理論的には効用がありそうな気がするが、実際使っ
てみないとわからない。
⑭ネーミングをもっと簡単にした方が良い。
⑮価格がもうすこし安ければよい。
23
41
計
3
6
6
8
16
39
○「志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム」の販売(購入)の可能性について
回答者に、
「志摩の海女ちゃん 海藻ハンドクリーム」の試作品が完成し、商品として販売された
とき、あなたは購買しますか、また売れると思いますか、と尋ねたところ、図 12 の通り、
“わから
ない”50%が最も大きく、続いて“売れる(購入する)”25%、
“多分売れる(多分購入する)”20%、
“不明”5%、
“余り売れない(余り購入しない)
”および“売れない(購入しない)
”0%となって
いる。
“売れる(購入する)”の構成比と“多分売れる(多分購入する)
”の構成比とを合わせた「売
れる」の構成比は、45%とやや低い消費者購買意思表示であるが、回答者が「パッケージ」から連
想したハンドクリームの品質が実際に試用したハンドクリームと違和感があったことが、“わから
ない”の構成比を最も大きくした要因と考えられる。このことから、この「パッケージ」を今後も
使用するのであれば、若者をターゲットとして開発していくことが重要であろう。
図表 12
販売(購入)の可能性
可能性の区分
売れる(購入する)
多分売れる(多分購入
する)
わからない
余り売れない(余り購
入しない)
売れない(購入しな
い)
不明
計
回答数
5
構成比
25%
4
20%
10
50%
0
0%
0
0%
1
20
5%
100%
○満足度・インパクト分析による試作品の属性の改善点
顧客満足度は、試作品が、バイヤーや一般住民等からどのくらいの支持を得ているかを知る指標
として重要であるが、それを具体的なマーケッティング・マネジメントのプランに落とし込むには、
もう少し詳細にデータを収集し、分析する必要がある。「満足度・インパクト分析」は、そうした
分析のためのツールのひとつである。
図表 13 から図表 13-5 は、今回のアンケート調査結果の満足度・インパクト分析である。試作品
の属性ごとに「満足度(パフォーマンス)」と「重要度(インパクト)
」という 2 つの観点から質問
を行い、図表のように集計される。
それぞれの属性は、重要度と満足度の 2 つの局面から評価される。このため、両者とも 70 点以上
(あくまでも販売可能な商品の品質レベルとして仮定した)あれば、望ましい結果が達成されてい
る属性と仮定する。この点数については、満足度・インパクト分析結果をより精緻にものにするた
め、回答の内、無回答を除いた有効回答をもとに、「味」「見た目」「食感」「大きさ・量」「ネーミ
ング」「パッケージ」「斬新さ」「価格」(ハンドクリームは「使用感」「価格」「安全性」「香り」「パ
ッケージ・ネーミング」
「斬新さ」
「クリームの見た目」)に関する 5 尺度評価の最も高い評価番号 5
を 100 点、評価番号 4 を 75 点、評価番号 3 を 50 点、評価番号 2 を 25 点、最も評価の低い評価番号
1を 0 点と仮定し、それぞれの評価項目ごとの加重平均値(各評価項目の合計加重点数を有効回答数
で除した平均値であり、最高点は 100 点となる)とする(図表 13)。
また、この点数によりグラフを縦軸、横軸とも 70 点で区切り4分割し、属性の改善について検
討をおこなう。まず、セル 1(重要度も満足度も 70 点以上)に属するのは、重要度と満足度の双方
がともに高い属性である。これは、事業者にとっては、望ましい結果が達成されている属性である。
セル 2(重要度は 70 点未満、満足度は 70 点以上)は、重要度は低いが満足度は高いという属性で
ある。一般に、満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲に
なっているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐
れが高い。この場合は、相関分析で検討する。相関関係は「相関係数」で表される。相関係数が正
42
の場合「Aが良くなればBも良くなる」、また負の場合「Aが良くなればBは悪くなる」という相
互の関係である。相関係数の目安は、相関係数が「1.0~0.8」が非常に強く関連している、
「 0.8~0.5」
がやや強く関連している、「0.5~0.25」がやや弱く関連している、「0.25 未満」が関連していない、
と区分される。
セル 3(重要度も満足度も 70 点未満)は、重要度も満足度も低い属性である。満足度の低さは問題
だが、幸い回答者はあまりその属性を重要視していない。ほかに改善すべき属性がある場合には、
当面現状を維持することになる。
セル 4(重要度は 70 点以上、満足度は 70 点未満)は、事業者にとって、早急に改善すべき属性で
ある。回答者は、この属性を重要視しているが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足
度は低い。事業者は、真っ先にこのセルに含まれる属性を改善しなければならない。
回答者区分別、試作品別の各属性評価項目の「重要度」「満足度」は図表 13 のとおりである。
図表 13
重要度および「満足度」一覧
海藻ミルの美人ゼリー
属性
重要度
海藻ミルの贅沢チョコレート
満足度
属性
重要度
満足度
味
84.7
66.3
味
88.9
84.2
食感
83.3
67.1
食感
87.5
69.7
大きさ・量
75.0
62.5
大きさ・量
76.4
62.5
見た目
73.6
63.8
見た目
77.8
73.8
ネーミング
68.1
73.8
ネーミング
65.3
69.4
パッケージ
70.8
57.5
パッケージ
76.4
82.9
斬新さ
81.9
82.5
斬新さ
73.6
82.5
価格
79.4
61.3
価格
82.8
52.6
海の森 海藻バター
属性
重要度
志摩の海女ちゃん 海藻ハンドクリーム
満足度
属性
重要度
満足度
味
85.0
80.0
使用感
90.8
78.9
食感
80.0
75.0
価格
78.9
56.6
大きさ・量
66.3
69.7
安全性
90.8
77.8
見た目
73.8
65.8
香り
57.9
77.6
ネーミング
65.0
75.0
パッケージ・
パッケージ
68.8
60.5
ネーミング
88.2
57.9
斬新さ
76.3
73.7
斬新さ
65.8
67.1
価格
75.0
69.4
クリームの
50.0
77.6
見た目
この図表 13 の重要度と満足度の相関関係をグラフに落とし込んだものが、図表 13-2~13-5 である。
この図により、各試作品の属性を分析し、改善すべき属性について検討する。
◇海藻ミルの美人ゼリー
セル 1 に属するのは「斬新さ」のみである。これらの属性は改善の必要はない。
セル2に属する属性は「ネーミング」である。満足度は高いにこしたことはないが、そのために他
の重要な属性の満足度が犠牲になっているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足
度は、むしろ低下してしまう恐れが高い。このこと影響を相関分析で検討する。
「
属性
味
食感
大きさ・量
見た目
パッケージ
斬新さ
価格
ネ
ー
0.2693
0.2131
0.2303
0.5522
-0.0978
0.5289
-0.0397
ネーミング
ミ ン
「見た目」および「斬新さ」との間にはやや強い相関関係がある。しか
グ」の相関係数をみると、
し、
「斬新さ」は、セル1に属し、完成度が高く、改善の余地がない。
「見た目」は、セル4に属す
ることから、「ネーミング」の改善は必要である。また、「味」との間にやや弱い相関関係がある。
「味」は、セル4に属することから、「ネーミング」の改善は必要である。
43
セル3に属する属性は存在しない。
セル4に属するのは、重要度の高い順に「味」
「食感」
「価格」
「大きさ・量」
「見た目」および「パ
ッケージ」である。回答者は、これら属性を重要視しているが、試作品はそれに応えるものになっ
ておらず、満足度は低くなっている。このため、早急な改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、「味」が 18.5、「食感」16.2、「価格」
18.2、「パッケージ」13.3、
「大きさ・量」12.5、「見た目」9.9 の乖離がある。さらに、セル2の「ネ
ーミング」-5.7 を含めた、改善順位は、
「味」→「価格」→「食感」→「パッケージ」→「大きさ・
量」→「見た目」→「ネーミング」となる。
図表 13-2
重要度および「満足度」一覧
◇海藻ミルの贅沢チョコレート
セル 1 に属するのは「味」
「見た目」
「パッケージ」および「斬新さ」である。これらの属性は改善
の必要はない。
セル2に属する属性は存在しない。
セル3に属する「ネーミング」は、改善の必要はあるが、満足度の低さは問題だが、回答者はあま
りその属性を重要視していないことから、他に改善すべき属性があるため、当面現状を維持する。
セル4に属するのは、「食感」および「大きさ・量」である。回答者は、これら属性を重要視して
いるが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、早急な
改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、「食感」17.8、「大きさ・量」13.9 の
乖離があることから、この順位で改善に取り組む必要があろう。
図表 13-3
重要度および「満足度」一覧
◇海の森
海藻バター
セル 1 に属するのは「味」「食感」および「斬新さ」である。これらの属性は改善の必要はない。
セル2に属する属性は「ネーミングである。
「食感」は、重要度 66.7 点が満足度 80.9 点よりも低く、
また「斬新さ」は、重要度 66.7 点が満足度 76.5 点よりも低くなっている。満足度は高いにこしたこ
とはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲になっているなら、問題である。この場合、
44
試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐れが高い。このこと影響を相関分析で検討
する。
属性
味
ネーミング
食感
0.4576
大きさ・量
0.3086
0.2059
見た目
パッケージ
0.4550
斬新さ
0.5898
価格
0.6685
0.4548
「ネーミング」の相関係数をみると、「パッケージ」および「斬新さ」との間にやや強い相関関
係があるが、「斬新さ」は改善の必要のないセル1に属し、また「パッケージ」は喫緊の改善を必
要としないセル3に属していることから、喫緊の改善の必要はない。また、
「味」
「食感」
「見た目」
「価格」との間にやや強い相関関係がある。さらに、
「見た目」
「ネーミング」
「パッケージ」
「斬新
さ」および「価格」との間にはやや弱い相関関係がある。「味」および「食感」は、セル1に属し
ているが、
「見た目」および「価格」は、喫緊の改善を必要とするセル4に属していることから、
「ネ
ーミング」の改善は必要である。
セル3に属するのは、「大きさ・量」および「パッケージ」である。この属性は、重要度および
満足度の低さは問題だが、幸い回答者はあまりその属性を重要視していない。他に改善すべき属性
があるため、当面現状を維持する。
セル4に属するのは、「見た目」および「価格」である。回答者は、これら属性を重要視している
が、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、喫緊の改善
が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、「価格」5.6、
「見た目」8.0 の乖離
がある。このことから、改善順位は、「見た目」→「価格」となる。
さらに、セル2の「ネーミング」-10.0 を含めた、改善順位は、「見た目」→「価格」→「ネーミ
ング」となる。
図表 13-4
重要度および「満足度」一覧
◇志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム
セル 1 に属するのは、「使用感」および「安全性」である。これらの属性は改善の必要はない。
セル2に属する属性は「クリームの見た目」および「香り」である。「クリームの見た目」および
「香り」の満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲になっ
ているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐れが
高い。このこと影響を相関分析で検討する。
属性
使用感
価格
安全性
香り
パッケージ・ネーミング
斬新さ
見た目
香り
0.2638
0.0556
0.3434
1.0000
0.0625
0.3527
0.8940
見た目
0.4744
0.0354
0.3837
0.8940
0.2652
0.4364
1.0000
45
「香り」の相関関係を見ると、「見た目」との間に非常に強い相関関係がある。また、
「使用感」
「安全性」および「斬新さ」との間にやや弱い相関関係がある。このことから、
「香り」
の改善は必要である。また、
「クリームの見た目」の相関関係を見ると、
「香り」との間に非常に強
い相関関係がある。また、
「使用感」
「安全性」および「斬新さ」との間にやや弱い相関関係がある。
このことから、「クリームの見た目」の改善は必要である。
セル3に属するのは、「斬新さ」である。この属性は、満足度の低さは問題だが、回答者はあま
りその属性を重要視していない。他に改善すべき属性があるため、当面現状を維持する。
セル4に属するのは、「パッケージ・ネーミング」および「価格」である。回答者は、これら属性
を重要視しているが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。この
ため、喫緊な改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、
「パッケージ・ネーミング」は 30.3、
「価格」22.4 と大きく乖離している。このことから、改善順位は、
「パッケージ・ネーミング」→「価
格」となる。
さらに、セル2の「香り」-19.7 および「クリームの見た目」-27.6 を含めた、改善順位は、
「パッ
ケージ・ネーミング」→「価格」→「香り」→「クリームの見た目」となる。
図表 13-5
○
重要度および「満足度」一覧
まとめ
試作品について、持続的に販売展開できる可能性のある商品化をより一層推進していくために
は、消費者ニーズの変化に的確・迅速に適応した特産品づくりに努めなければならない。
全般的には、
「味」「食感」「使用感」「安全性」などの機能的価値に対する評価は消費者の重要
視を満足させる品質となっていた。ただ、情緒的価値である「パッケージ」などの情緒的価値に
対する評価は消費者の重要視を満足させるところまで至っていない試作品も多くある。
「パッケー
ジ」は「無言のセールスマン」と言われるように、その商品の品質を知る手かがりとなるもので
ある。同じくネーミングにもそれがいえるであろう。このことから、今後、デザインを重要視し
た改善を図っていくべきであろう。
一方、ハンドクリームであるが、回答者が中高年齢層の女性であったことから、使用感・安全
性に対する彼女らの重要視を試用で十分に満足させたが、
「パッケージ」がわかもの向きのデザイ
ンとなっていることから、試用がなければ、手に取らない可能性が指摘されている。ハンドクリ
ームの潜在的市場は大きいことから、すでに販売されている「真珠クリーム」とは異なる顧客タ
ーゲットを若者とすることで、競合を避け、同量・同価格で販売するか、高齢者向きの パ ッ ケ
ージとは異なる中高年齢層向きのパッケージで、もう少し低価格販売ができる商品サイズとする
か、今後の検討が必要であろう。
46
(3)「第 17 回グルメ&ダイニングショー春 2015」入場者による試作品アンケート調査
○調査の内容
海藻を活用した特産品の試作品について、試作品の属性のうち、実松を活用した試作品につい
ては、味(うま味)、見た目(形、色等)、食感、大きさ・量、ネーミング、パッケージ、斬新さ
(ユニークさ)、および価格(販売予定価格)、また海藻を活用したハンドクリームについては、
使用感、価格、安全性、香り、パッケージ・ネーミング、斬新さ、クリームの見た目に関して、
5尺度評価のアンケート調査を実施する。
なお、アンケート調査結果の構成比は、四捨五入しているため、合計が 100%と一致しない場合
がある。
○調査方法
「「第 17 回 グルメ&ダイニングショー春 2015」入場者による試作品アンケート調査」入場者の
試食によるアンケート回答(回答者自記式)
○アンケート調査結果
●調査日時等
調査日時:平成 27 年2月4~6日
調査会場:東京ビックサイト
試食品:
「海藻バター」
「ミルのゼリー飲料」
「ミルのチョコレート」
「海藻ハンドクリーム」の
4 試作品
サンプル数:「海藻バター」「ミルのゼリー飲料」
「ミルのチョコレート」各 91 サンプル、「海
藻ハンドクリーム」 92 サンプル
◎試食・試用アンケートの調査結果
○アンケート回答者の属性
(性別・年齢別)
ミル
回答者 91 名の性別構成比は、“男性”20(22%)に対して、“女性”55(60%)および“不明”16(18%)
である。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“30 歳代”26%が最も大きく、続いて 50 歳代”
19%、“40 歳代”18%、“60 歳代以上”14%、“20 歳代”13%、“不明”9%、“20 歳代未満”1%とな
っている。
また、各性別では、男性が“30 歳代”40%が最も大きく、続いて“50 歳代” および“60 歳代以
上”25%“20 歳代”および“40 歳代”5%、“20 歳代未満”および“不明”0%となっている。
一方、女性は“30 歳代”29%が最も大きく、続いて“40 歳代”24%、
“20 歳代”および“50 歳代”
18%、“60 歳代以上”9%“20 歳代未満”2%、“不明”0%となっている。
また、不明は“不明”50%が最も大きく、続いて“60 歳代以上”19%、“40 歳代”および“50 歳
代”13%、“20 歳代”6%、“20 歳代未満”および“30 歳代”0%となっている。
以上、男女とも 30 歳代を中心に各年齢層に回答者が分散化している。
図表 1
アンケート回答者の性別・年代別数構成比(ミル)
性別
男性
回答数計
20
20 歳代未満
20 歳代
30 歳代
0%
5%
40%
40 歳代
5%
50 歳代
25%
60 歳代以上
25%
不明
0%
女性
55
2%
18%
29%
24%
18%
9%
0%
不明
16
0%
6%
0%
13%
13%
19%
50%
全体平均
91
1%
13%
26%
18%
19%
14%
9%
47
海藻バター
回答者 20 名の性別構成比は、“男性”34(37%)に対して、“女性”51(56%)および“不明”6(7%)で
ある。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“60 歳代以上”27%が最も大きく、続いて“40
歳代”24%、“50 歳代”18%、“30 歳代”16%、“20 歳代”11%、“不明”3%、“20 歳代未満”0%と
なっている。
また、各性別では、男性が“60 歳代以上”38%が最も大きく、続いて“40 歳代”26%、
“20 歳代”
および“30 歳代”15%、“50 歳代”6%、“20 歳代未満”および“不明”0%となっている。
一方、女性は“50 歳代 27%が最も大きく、続いて“60 歳代以上”24%、“40 歳代”22%、“30 歳
代”18%、“20 歳代”10%、“20 歳代未満”および“不明”0%となっている。
また、不明は“不明”50%が最も大きく、続いて“40 歳代”33%、
“30 歳代”17%、
“20 歳代未満”
“20 歳代”“50 歳代”および“60 歳代以上”0%となっている。
以上、男女とも中年齢層を中心に各年齢層に分散化している。
図表 1-2
性別
アンケート回答者の性別・年代別数構成比(海藻バター)
回答数計
20 歳代未満
男性
34
女性
不明
全体平均
20 歳代
30 歳代
60 歳代以上
不明
26%
6%
38%
0%
18%
22%
27%
24%
0%
17%
33%
0%
0%
50%
24%
18%
27%
3%
0%
15%
51
0%
10%
6
0%
0%
91
0%
11%
16%
志摩の海女ちゃん
15%
40 歳代
50 歳代
海藻ハンドクリーム
回答者 20 名の性別構成比は、
“男性”0(0%)に対して、
“女性”15(75%)および“不明”5(25%)であ
る。
次に、回答者の年代別構成比は、全体平均では“60 歳代以上”35%が最も大きく、続いて“30
歳代”25%、“50 歳代”および“不明”15%、
“20 歳代”および“40 歳代”5 %、“20 歳代未満”0%と
なっている。
また、各性別では、女性は“60 歳代以上”40%が最も大きく、続いて“30 歳代”33%、
“50 歳代”
13%、“20 歳代”および“40 歳代”7%、“20 歳代未満”および“不明”0%となっている。
また、不明は“不明”60%が最も大きく、続いて“50 歳代”および“60 歳代以上”20%となって
いる。他の年齢は 0%となっている。
以上のように、女性は高年齢層が最も多いものの各年代に分散化しているのが特徴である。
図表 1-3
性別
アンケート回答者の性別・年代別数構成比(海藻ハンドクリーム)
回答数計
20 歳代未満
20 歳代
30 歳代
40 歳代
50 歳代
60 歳代以上
不明
男性
2
0%
0%
50%
50%
0%
0%
0%
女性
81
4%
4%
17%
32%
31%
12%
0%
9
0%
0%
0%
0%
22%
0%
78%
92
3%
3%
16%
29%
29%
11%
8%
不明
全体平均
48
(居住地)
ミル関係
区分
海藻バター関係
回答数
区分
構成比
ハンドクリーム関係
回答数
構成比
区分
首都圏
63
69%
首都圏
その他
13
14%
その他
不明
9
10%
関西地方
7
8%
不明
関西地方
4
4%
不明
4
4%
関西地方
2
2%
東海地方
4
4%
東海地方
91
100%
三重県
1
1%
計
91
100%
東海地方
計
計
回答数
構成比
50
55%
首都圏
63
68%
25
27%
その他
14
15%
11
12%
3
3%
1
1%
92
100%
回答者の居住地は、首都圏が過半数を超えている。
(来場目的)
ミル関係
目的区分
海藻バター関係
回答数
構成比
目的区分
ハンドクリーム関係
回答数
構成比
商品の探索・調査等
31
34%
商品の探索・調査等
37
41%
買い付けに向けた商
品の調査・探索(バイ
ヤー等流通業者)
26
29%
買い付けに向けた商
品の調査・探索(バイ
ヤー等流通業者)
33
36%
一般見学
13
14%
一般見学
11
12%
不明
11
12%
イベント関係
6
7%
イベント関係
10
11%
不明
4
4%
その他
計
0
0%
91
100%
計
91
100%
目的
回答数
構成比
商品の調査・探索・
買い付け等の交渉
(バイヤー・小売店
等)
42
46%
商品の調査・探索等
23
25%
一般見学者
12
13%
不明
12
13%
3
3%
92
100%
その他
来場目的は、
「商品の探索・調査、買い付け交渉」等を目的とする流通業界関係者が 70%を超え
ている。
○ハンドクリームの調査結果
回答者に、ハンドクリームの使用について尋ねたところ、下表(左上)の通り、
“毎日使ってい
る”65%が最も大きく、続いて“時々使う”27%、
“余り使わない”4%、
“不明”3%、
“全く使わ
ない”0%となっている。このように、海藻ハンドクリームの潜在的市場は大きいと考えられる。
また、日常使用しているハンドクリームの購買価格を尋ねたところ、下表(右上)の通り、
“501-1000 円”50%が最も大きく、続いて“1001-1500 円”23%、“301-500 円”11%、“1501-2000
円”9%の順であった。301 円から 2000 円の価格帯が 93%占めている。このことから、300 円から
2000 円程度のハンドクリームの販売価格帯が最も消費者の希望とマッチすると思われる。
次に、ハンドクリームの購入する際の選定基準について尋ねたところ、下表(左下)の通り 206
件の回答(複数回答可)があった。
“使用感”31%が最も大きく、続いて“肌に合うかどうか”24%、
“香り”17%、
“価格”12%、
“安全性”11%の順であった。
“その他”は効果の持続性、効果とい
った内容であった。このように、価格よりも肌に合うかどうかなど使用感が重要視されている。
最後に、志摩市の特産品「真珠ハンドクリーム」について尋ねたところ、下表(右下)の通り、
“知らない”76%が最も大きく、続いて“不明”16%、
“知っているが使ったことがない”5%、
“使
ったことがある”2%となっている。これは、「真珠ハンドクリーム」が主に伊勢志摩地域の土産
物として販売されていることに起因していると思われるが、徐々に首都圏等の女性に認知されつ
つあると推測できる。
49
使用頻度
回答数
構成比
毎日使っている
60
65%
価格帯
501-1000 円
回答数
46
構成比
50%
時々使う
25
27%
1001-1500 円
21
23%
10
11%
余り使わない
4
4%
301-500 円
全く使わない
0
0%
1501-2000 円
8
9%
3
3%
不明
4
4%
92
100%
不明
計
2001-3000 円
2
2%
300 円以下
1
1%
3000 円以上
計
選定基準
使用感
回答数
63
構成比
31%
肌に合うかどうか
50
24%
香り
34
17%
価格
25
12%
安全性
22
11%
その他
4
2%
不明
パッケージデザイ
ンやネーミング
クリームの見た目
4
2%
3
1%
1
0%
認知度
0
0%
92
100%
回答数
構成比
知らない
知っているが
使ったことが
ない
使ったことが
ある
不明
70
76%
5
5%
2
2%
15
16%
計
92
100%
注:複数回答可
○試食・試用アンケート結果による試作品満足度評価結果
試食・試用アンケート調査結果の集計により、回答者の試作品に対する満足度評価について分
析する。
具体的には、試作品に対する試食・試用アンケート調査結果に基づき、回答者の各評価項目の評
価結果を単純集計した合計数の全体構成比(100%)に占める割合から評価項目に対する満足度評
価結果の傾向を分析する。
◇海藻ミルの美人ゼリー(250 円/125g)
①「全体平均」の満足度構成比は、“普通”34%が最も大きく、続いて“良い”30%、“大変良い”
21%、
“悪い”8%、
“不明”7%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 51%と、中程度の満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“良い”37%が最も大きく、続いて“普通”32%、“大変良い”19%、
“不明”7%、“悪い”4%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 56%と、中程度の満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“良い”40%が最も大きく、続いて“大変良い”25%、
“普通”24%、
“不明”7%、“悪い”4%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”44%が最も大きく、続いて“良い”25%、
“大変良い”
18%、
“不明”9%、
“悪い”4%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 43%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、“普通”42%が最も大きく、続いて“良い”および“悪い”19%、
“大変良い”13%、
“不明”7%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 32%と、低い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“普通”34%が最も大きく、続いて“良い”33%、
“大変良い”
20%、
“不明”7%、
“悪い”5%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 53%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、
“普通”44%が最も大きく、続いて“良い”21%、
“悪い”15%、
50
“大変良い”12%、
“不明”7%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 33%と、低い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、
“大変良い”40%が最も大きく、続いて“良い”37%、
“普通”13%、
“不明”7%、
“悪い”3%、大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 77%と、高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”36%が最も大きく、続いて“良い”27%、
“大変良い”19%、
“悪い”10%、“不明”8%、“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 46%と、やや低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度は中程度の満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、
「斬新さ」が最も満足度が高く、続いて「味」
「食感」
「ネーミング」が 50%
以上であるが、
「見た目」
「パッケージ」
「大きさ・量」
「価格」は 50%未満である。このことは、成
熟社会における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「見た目」「パッケー
ジ」の満足度が低いという点はあるが、いずれも“普通”が 40%台と最も大きいことから、改善を
加えれば、
“普通”と回答した層の満足度を向上させることが予測される。また、
「価格」は、未知
の海藻であるため、やはり“普通”が最も多く、満足度もやや低い程度であることから、ミルの情
報発信を伝えていけば、安売りをしなくても、十分に成熟市場において商品化できる可能性は大で
あろう。すなわち、
「情緒的価値」で消費者を引きつけて、
「味」などの「機能的価値」を納得して
購入してもらえる可能性が大いにある。
図表 2
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
91
19%
37%
32%
4%
1%
7%
食感
91
25%
40%
24%
4%
0%
7%
大きさ・量
91
18%
25%
44%
4%
0%
9%
見た目
91
13%
19%
42%
19%
1%
7%
ネーミング
91
20%
33%
34%
5%
1%
7%
パッケージ
91
12%
21%
44%
15%
1%
7%
斬新さ
91
40%
37%
13%
3%
0%
7%
価格
91
19%
27%
36%
10%
0%
8%
728
21%
30%
34%
8%
1%
7%
全体平均
◇海藻ミルの贅沢チョコレート(1.100 円/120g)
①「全体平均」の満足度構成比は、“普通”33%が最も大きく、続いて“大変良い”31%、“良い”
29%、
“悪い”および“不明”4%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わ
せた「良い」は 60%と、やや高い満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、“大変良い”45%が最も大きく、続いて“良い”40%、“普通”10%、
“不明”5%、
“悪い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 85%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“普通”40%が最も大きく、続いて“大変良い”30%、
“良い”20%、
“悪い”および“不明”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 50%と、中程度の満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”45%が最も大きく、続いて“大変良い”25%、
“良い”
および“悪い”15%、“大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを
合わせた「良い」は 40%と、やや低い満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、“良い”および“普通”35%が最も大きく、続いて“大変良い”
30%、“悪い”“大変悪い”および“不明”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“良い”40%が最も大きく、続いて“普通”35%、
“大変良い”
15%、“不明”10%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合
51
わせた「良い」は 55%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、“大変良い”45%が最も大きく、続いて“良い”35%、 “普
通”15%、“不明”5%“大変良い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”
とを合わせた「良い」は 80%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、
“大変良い”55%が最も大きく、続いて“良い”25%、
“普通”15%、
“悪い”5%、大変悪い”および“不明”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 80%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”65%が最も大きく、続いて“良い”20%、
“悪い”10%、
“不
明”5%、
“大変良い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 20%と、非常に低い満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度は中程度の満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、「味」が最も満足度が高く、続いて「食感」「斬新さ」・「価格」「ネーミン
グ」が 50%以上であるが、「大きさ・量」「見た目」「パッケージ」および「価格」は 50%未満であ
る。成熟社会における商品の差別化に影響を及ぼすであろう「情緒的価値」である「ネーミング」
および「斬新さ」が 50%を越えているが、一方、50%未満の「見た目」および「パッケージ」は改
善が必要であるが、特にネーミング等との一貫性の中で改善を図る必要があろう。さらに、「大き
さ・量」は、
「パッケージ」と関連づけて改善を図ることが可能であろう。このことによって、
「情
緒的価値」で消費者を引きつけて、「味」などの「機能的価値」を納得して購入してもらえる可能
性が大いにある。
図表 2-2
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
91
40%
25%
12%
3%
1%
19%
食感
91
27%
32%
16%
3%
0%
21%
大きさ・量
91
18%
30%
27%
3%
1%
21%
見た目
91
22%
26%
25%
7%
0%
20%
ネーミング
91
18%
34%
24%
4%
0%
20%
パッケージ
91
23%
26%
21%
9%
1%
20%
斬新さ
91
30%
26%
20%
4%
0%
20%
91
29%
27%
21%
2%
0%
21%
728
26%
28%
21%
5%
0%
20%
価格
全体平均
◇海の森
海藻バター(800 円/150g)
①「全体平均」の満足度構成比は、“大変良い”35%が最も大きく、続いて“良い”33%、“普通”
25%、
“不明”4%、
“悪い”3%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 82%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
②「味」の満足度構成比は、
“良い”44%が最も大きく、続いて“良い”38%、
“普通”13%、
“悪い”
および“不明”2%、“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた「良い」
は 73%と、高い満足度評価結果になっている。
③「食感」の満足度構成比は、
“大変良い”45%が最も大きく、続いて“良い”29%、
“普通”21%、
“不明”3%、
“悪い”2%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 73%と、高い満足度評価結果になっている。
④「大きさ・量」の満足度構成比は、
“普通”34%が最も大きく、続いて“良い”30%、
“大変良い”
23%、
“不明”8%、
“悪い”5%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 53%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑤「見た目」の満足度構成比は、
“大変良い”35%が最も大きく、続いて“良い”34%、
“普通”26%、
“不明”3%、“悪い”1%、“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 79%と、高い満足度評価結果になっている。
⑥「ネーミング」の満足度構成比は、
“大変良い”35%が最も大きく、続いて“普通”30%、
“良い”
52
27%、
“不明”4%、
“悪い”3%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 62%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑦「パッケージ」の満足度構成比は、
“良い”37%が最も大きく、続いて“大変良い”33%、
“普通”
22%、
“悪い”4%、
“不明”3%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 70%と、高い満足度評価結果になっている。
⑧「斬新さ」の満足度構成比は、
“大変良い”49%が最も大きく、続いて“良い”34%、“普通”12%、
“不明”3%、
“悪い”1%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 83%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
⑨「価格」の満足度構成比は、
“普通”38%が最も大きく、続いて“良い”31%、
“大変良い”20%、
“悪い”8%、
“不明”3%、大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 51%と、中程度の満足度評価結果になっている。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度はやや高い満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、全ての属性が 50%を超えている。特に「味」が最も満足度が高く、続いて
「斬新さ」「見た目」「食感」「パッケージ」「ネーミング」「大きさ・量」および「価格」となって
いる。さらに、「価格」の“普通”が最も大きかったことは、未知のバターであったことによると
考えられ、
「海藻バター」のレシピ等について詳細を消費者に伝えていけば、安売りをしなくても、
「高かろう、良かろう」の商品として、十分に成熟市場において商品化できる可能性は大であろう。
すなわち、
「情緒的価値」で消費者を引きつけて、
「味」などの「機能的価値」を納得して購入して
もらえる可能性が大いにある。
図表3
アンケート回答者の試食結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
味
91
38%
44%
13%
2%
0%
2%
食感
91
45%
29%
21%
2%
0%
3%
大きさ・量
91
23%
30%
34%
5%
0%
8%
見た目
91
35%
34%
26%
1%
0%
3%
ネーミング
91
35%
27%
30%
3%
0%
4%
パッケージ
91
33%
37%
22%
4%
0%
3%
斬新さ
91
49%
34%
12%
1%
0%
3%
91
20%
31%
38%
8%
0%
3%
728
35%
33%
25%
3%
0%
4%
価格
全体平均
◇志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム(1.200 円/50g)
①「全体平均」の構成比は、“大変良い”32%が最も大きく、続いて“普通”30%、“良い”22%、
“不明”9%、
“悪い”7%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 54%と、中程度の満足度評価結果になっている。
②「使用感」の満足度構成比は、
“大変良い”59%が最も大きく、続いて“良い”27%、
“普通”8%、
“不明”7%、
“悪い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 86%と、非常に高い満足度評価結果になっている。
③「価格」の満足度構成比は、
“普通”60%が最も大きく、続いて“悪い”15%、
“良い”12%、
“大
変良い”8%、
“不明”4%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 20%と、非常に低い満足度評価結果になっている。
④「安全性」の満足度構成比は、
“大変良い”42%が最も大きく、続いて“普通”23%、
“良い”20%、
“不明”15%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた
「良い」は 62%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑤「香り」の満足度構成比は、
“大変良い”41%が最も大きく、続いて“良い”24%、
“普通”23%、
“不明”8%、
“悪い”3%、
“大変悪い”1%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 65%と、やや高い満足度評価結果になっている。
53
⑥「パッケージ・ネーミング」の満足度構成比は、
“普通”45%が最も大きく、続いて“良い”17%、
“悪い”13%、“大変良い”12%、“不明”9%、“大変悪い”4%となっている。“大変良い”と“良
い”とを合わせた「良い」は 29%と、非常に低い満足度評価結果になっている。
⑦「斬新さ」の満足度構成比は、
“良い”30%が最も大きく、続いて“大変良い”27%、
“普通”24%、
“不明”11%、
“悪い”8%、
“大変悪い”0%となっている。
“大変良い”と“良い”とを合わせた「良
い」は 57%と、中程度の満足度評価結果になっている。
⑧「クリームの見た目」の満足度構成比は、“良い”47%が最も大きく、続いて“大変良い”22%、
“普通”21%、“不明”10%、“悪い”1%、“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”
とを合わせた「良い」は 69%と、やや高い満足度評価結果になっている。
⑨「総合満足度」の構成比は、
“良い”40%が最も大きく、続いて“普通”35%、
“大変良い”15%、
“不明”10%、“悪い”および“大変悪い”0%となっている。“大変良い”と“良い”とを合わせ
た「良い」は 55%と、中程度の満足度評価結果になっている。全体平均の満足度と同値である。こ
のことは、回答者が海藻ハンドクリームのイメージと個々の属性の合計値が一致していることを示
している。
以上、
「全体平均」は、
「良い」という満足度はやや高い満足度であったが、個々の属性の「良い」
という満足度を見ると、
「使用感」が最も満足度が大きく、続いて「クリームの見た目」
「香り」
「安
全性」
「斬新さ」が 50%を超えている。やはり、
「クリームの見た目」
「香り」
「斬新さ」といった「情
緒的価値」の属性が含まれている。50%以下は、「価格」および「パッケージ・ネーミング」であ
ったが、「パッケージ・ネーミング」は、燃えギャラのため、中高年齢層の女性の回答者らのイメ
ージに合わなかったことが考えられる。また、
「使用感」
「安全性」
「クリームの見た目」
「香り」な
どの満足度は高いことから、このパッケージを使うならパッケージと一貫性のある「ネーミング」
と市場セグメントと顧客ターゲットの絞り込みを行えば、商品化の可能性は十分にあるであろう。
また、このことにより、
「真珠ハンドクリーム」との競合が避けられることになろう。
また、
「価格」は「海藻=健康食品」
(コモディティ)といったイメージが連想されるため、割高
感といった価格反応感が生じたと考えられる。このことから、安売り戦略ではなく、海藻の効用を
詳しく消費者に情報発信していくことが重要となろう。
図表 4
アンケート回答者のハンドクリーム試用結果による試作品の満足度評価構成比
評価項目
回答数計
大変良い
良い
普通
悪い
大変悪い
不明
使用感
20
59%
27%
8%
0%
0%
7%
価格
20
8%
12%
60%
15%
1%
4%
安全性
20
42%
20%
23%
0%
0%
15%
香り
20
41%
24%
23%
3%
1%
8%
パッケージ・ネーミング
20
12%
17%
45%
13%
4%
9%
斬新さ
20
27%
30%
24%
8%
0%
11%
クリームの見た目
全体平均
総合満足度
20
22%
47%
21%
1%
0%
10%
140
32%
22%
30%
7%
1%
9%
20
15%
40%
35%
0%
0%
10%
○試食・試用アンケート結果による試作品が商品化するにあたっての各属性の
重要度評価結果
消費者が、試作品が商品化された場合、購入する判断基準、すなわち購入する際に最も重要視す
る属性を明らかにするために、試作品の属性ごとの五尺度の基準で重要度について尋ねたところ、
その結果は次の通りであった。
◇海藻ミルの美人ゼリー(250 円/125g)
①「味」の重要度構成比は、
“少し重要”34%が最も大きく、続いて“大変重要”33%、
“不明”18%、
“どちらでもない”14%、
“あまり重要ではない”1%、
“全く重要ではない”0%となっている。
“非
常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 67%と、やや高い重要度になっている。
54
②「食感」の重要度構成比は、
“非常に重要”35%が最も大きく、続いて“少し重要”27%、
“不明”
18%、
“どちらでもない”16%、
“あまり重要ではない”3%、
“全く重要”ではない”0%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 62%と、やや高い重要度になってい
る。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、“少し重要”27%が最も大きく、続いて“非常に重要”26%、
“どちらでもない”25%、
“不明”18%、
“あまり重要ではない”4%、
“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 53%と、中程度の重要度にな
っている。
④「見た目」の重要度構成比は、“少し重要”33%が最も大きく、続いて“どちらでもない”26%、
“非常に重要”22%、“不明”18%“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要度になっ
ている。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、“どちらでもない”33%が最も大きく、続いて“少し重要”
26%、
“非常に重要”および“不明”19%、
“全く重要ではない”5%、
“あまり重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 45%と、やや低い重要度に
なっている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、“どちらでもない”35%が最も大きく、続いて “少し重要”
24%、“非常に重要”21%、“不明”18%、“あまり重要ではない”2%、
“全く重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 44%と、やや低い重要度に
なっている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、“非常に重要”36%が最も大きく、続いて“少し重要”27%、“不
明”18%、
“どちらでもない”14%、
“あまり重要ではない”4%、
“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 63%と、やや高い重要度になって
いる。
⑧「価格」の重要度構成比は、“どちらでもない”31%が最も大きく、続いて“あまり重要ではな
い”22%、“不明”19%、“少し重要”18%、、“非常に重要”10%、“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 28%と、非常に低い重要度にな
っている。
以上、各属性の「重要度」をみると、
「味」
「食感」および「斬新さ」は、やや高い重要度であり、
「大きさ・量」および「見た目」は中程度の重要度である。重要度が 50%以下の「ネーミング」
「パ
ッケージ」および「価格」についてはあまり重要視されていない。特に「価格」は非常に低い重要
度であることから、消費者は「価格」で購買意思決定をすることはないと考えられる。
図表 5
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
評価項目
回答数計
大変重要
少し重要
わからない
あまり重要でない
全く重要でない
不明
味
91
33%
34%
14%
1%
0%
18%
食感
91
35%
27%
16%
3%
0%
18%
大きさ・量
91
26%
27%
25%
3%
0%
18%
見た目
91
22%
33%
26%
1%
0%
18%
ネーミング
92
19%
26%
33%
4%
0%
19%
パッケージ
91
21%
24%
35%
2%
0%
18%
斬新さ
91
36%
27%
14%
4%
0%
18%
価格
91
10%
18%
31%
22%
1%
19%
55
◇海藻ミルの贅沢チョコレート(1.100 円/120g)
①「味」の重要度構成比は、“非常に重要”38%が最も大きく、続いて“不明”27%、“少し重要”
21%、
“どちらでもない”11%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”1%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 59%と、中程度の重要度になってい
る。
②「食感」の重要度構成比は、
“少し重要”30%が最も大きく、続いて“不明”27%、
“非常に重要”
25%、
“どちらでもない”16%、
“あまり重要ではない”1%、
“全く重要ではない”0%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 55%と、中程度の重要度になっている。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、“少し重要”および“不明”27%が最も大きく、続いて“非
常に重要”24%、
“どちらでもない”20%、
“あまり重要ではない”1%、
“全く重要ではない”0%と
なっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 51%と、中程度の重要度に
なっている。
④「見た目」の重要度構成比は、“非常に重要”29%が最も大きく、続いて“不明”27%、“少し重
要”22%、“どちらでもない”19%、“あまり重要ではない”2%、“全く重要ではない”1%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 51%と、中程度の重要度になっ
ている。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、“少し重要”30%が最も大きく、続いて“不明”27%、“どち
らでもない”19%、
“非常に重要”18%、
“あまり重要ではない”7%、
“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 48%と、やや低いの重要度に
なっている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、“不明”27%が最も大きく、続いて“非常に重要”26%、“少
し重要”24%、
“どちらでもない”21%、
“あまり重要ではない”1%、
“全く重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 48%と、やや低い重要度にな
っている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、“不明”27%が最も大きく、続いて“少し重要”30%、“非常に重
要”および“どちらでもない” 22%、
“あまり重要ではない”2%、
“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 48%と、やや低い重要度になっ
ている。
⑧「価格」の重要度構成比は、“不明”27%が最も大きく、続いて“どちらでもない”24%、“少し
重要”22%、“大変重要”21%、
“あまり重要ではない”5%、
“全く重要ではない”0%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 43%と、やや低い重要度になっている。
以上、各属性の重要度をみると、「味」「食感」「大きさ・量」および「見た目」は、中程度の重
要度であるが、「ネーミング」「パッケージ」「斬新さ」および「価格」はやや低い重要度となって
いることから、この商品については、消費者が特定の属性を重要視しないと考えられる。
図表 6
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
回答数計
大変重要
少し重要
味
91
38%
21%
11%
1%
1%
27%
食感
91
25%
30%
16%
1%
0%
27%
大きさ・量
91
24%
27%
20%
1%
0%
27%
見た目
91
29%
22%
19%
2%
1%
27%
ネーミング
92
18%
30%
19%
7%
0%
27%
パッケージ
91
26%
24%
21%
1%
0%
27%
斬新さ
91
22%
26%
22%
2%
0%
27%
価格
91
21%
22%
24%
5%
0%
27%
評価項目
わからない
あまり重要でない
56
全く重要でない
不明
◇海の森
海藻バター(800 円/150g)
①「味」の重要度構成比は、“少し重要”29%が最も大きく、続いて“非常に重要”および“どち
らでもない”24%、“不明”16%、“全く重要ではない”4%、“あまり重要ではない”2%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 53%と、中程度の重要度になって
いる。
②「食感」の重要度構成比は、“非常に重要”35%が最も大きく、続いて“少し重要”22%、“どち
らでもない”20%、
“不明”16%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”3%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 57%と、非常に高い重要度になっ
ている。
③「大きさ・量」の重要度構成比は、“少し重要”および“不明”27%が最も大きく、続いて“非
常に重要”24%、“どちらでもない”20%、“あまり重要ではない”1%、“全く重要ではない”0%
となっている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 51%と、中程度の重要度
になっている。
④「見た目」の重要度構成比は、“非常に重要”35%が最も大きく、続いて“少し重要”31%、“不
明”16%、
“どちらでもない”15%、
“全く重要ではない”2%、
“あまり重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 66%と、やや高い重要度になって
いる。
⑤「ネーミング」の重要度構成比は、“非常に重要”41%が最も大きく、続いて“少し重要”22%、
“不明”18%、
“どちらでもない”16%、
“あまり重要ではない”2%、
“全く重要ではない”1%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 63%と、やや高い重要度にな
っている。
⑥「パッケージ」の重要度構成比は、“非常に重要”37%が最も大きく、続いて“少し重要”26%、
“どちらでもない”19%、
“不明”16%、
“全く重要ではない”1%、
“あまり重要ではない”0%とな
っている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 63%と、やや高い重要度にな
っている。
⑦「斬新さ」の重要度構成比は、“非常に重要”37%が最も大きく、続いて“少し重要”26%、“ど
ちらでもない”19%、
“不明”16%、
“全く重要ではない”1%、
“あまり重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 63%と、やや高い重要度になって
いる。
⑧「価格」の重要度構成比は、“少し重要”27%が最も大きく、続いて“非常に重要”および“ど
ちらでもない”26%、“不明”18%、“あまり重要ではない”2%、“全く重要ではない” 0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 53%と、中程度の重要度になっ
ている。
以上、各属性の重要度をみると、情緒的価値である「見た目」
「ネーミング」
「パッケージ」およ
び「斬新さ」は、やや高い満足度になっているが、機能的価値である「味」「食感」「大きさ・量」
および「価格」は、中程度の重要度となっている。このように、成熟社会に顕著な情緒的価値重要
視傾向が、この商品の重要度調査から明らかになっている。
図表 7
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目 回答数計
非常に重要 少し重要
どちらでもない
あまり重要でない
全く重要でない 不明
味
91
24%
29%
24%
2%
4%
16%
食感
91
35%
22%
20%
3%
3%
16%
大きさ・量
91
24%
27%
20%
1%
0%
27%
見た目
91
35%
31%
15%
0%
2%
16%
ネーミング
92
41%
22%
16%
2%
1%
18%
パッケージ
91
37%
26%
19%
0%
1%
16%
斬新さ
91
37%
26%
19%
0%
1%
16%
価格
91
26%
27%
26%
2%
0%
18%
57
◇志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム(1,200 円/50g)
①「使用感」の重要度構成比は、“非常に重要”50%が最も大きく、続いて“少し重要”27%、“ど
ちらでもない”8%、“不明”7%、“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となっ
ている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 86%と、非常に高い重要度にな
っている。
②「価格」の重要度構成比は、“どちらでもない”60%が最も大きく、続いて“あまり重要ではな
い”15%、
“少し重要”12%、
“非常に重要”8%、
“不明”4%、
“全く重要ではない”1%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 20%と、非常に低い重要度になって
いる。
③「安全性」の重要度構成比は、
“非常に重要”42%が最も大きく、続いて“どちらでもない”23%、
“少し重要”20%、
“不明”15%、
“あまり重要ではない”および“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 62%と、やや高い重要度になって
いる。
④「香り」の重要度構成比は、“非常に重要”41%が最も大きく、続いて“少し重要”24%、“どち
らでもない”23%、“不明”8%、“あまり重要ではない”3%、“全く重要ではない”1%となってい
る。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 65%と、やや高い重要度になってい
る。
⑤「パッケージ・ネーミング」の重要度構成比は、“どちらでもない”45%が最も大きく、続いて
“少し重要”17%、
“あまり重要ではない”13%、
“非常に重要”12%、
“不明”9%、
“全く重要では
ない”4%となっている。
“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 29%と、非常に
低い重要度になっている。
⑥「斬新さ」の重要度構成比は、
“少し重要” 30%が最も大きく、続いて“非常に重要”27%、
“ど
ちらでもない”24%、
“不明”11%、
“あまり重要ではない”8%、
“全く重要ではない”0%となって
いる。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 57%と、中程度の重要度になって
いる。
⑦「クリームの見た目」の重要度構成比は、
“少し重要”47%が最も大きく、続いて“非常に重要”
22%、
“どちらでもない”21%、
“不明”10%、
“あまり重要ではない”1%“全く重要ではない”0%
となっている。“非常に重要”と“少し重要”とを合わせた「重要度」は 69%と、やや高い重要度
になっている。
以上、各属性の重要度をみると、
「使用感」が最も重要度が高く、続いて「クリームの見た目」
「香
り」および「安全性」がやや高い重要度であり、「斬新さ」は中程度の重要度であるが「価格」と
「パッケージ・ネーミング」は非常に低い重要度である。このことは、
「使用感」
「クリームの見た
目」「香り」および「安全性」の属性は購買の際に重要視するが、他の属性は、あまり重要視して
いないことが推測できる。
図表8
アンケート回答者の試食結果による試作品の属性別重要度構成比
属性評価項目 回答数計
使用感
価格
安全性
香り
パッケージ・
ネーミング
斬新さ
クリームの
見た目
どちらでもない
あまり重要でない
92
92
92
92
非常に重要 少し重要
59%
8%
42%
41%
27%
12%
20%
24%
8%
60%
23%
23%
0%
15%
0%
3%
0%
1%
0%
1%
7%
4%
15%
8%
92
12%
17%
45%
13%
4%
9%
92
27%
30%
24%
8%
0%
11%
92
22%
47%
21%
1%
0%
10%
58
全く重要でない 不明
○試作品に関する意見・提案・アイデア等
試作品の試食・試用結果に基づく「感想・意見、品質改善等の提案等」について、回答者に尋
ねたところ、図表 9 とおり 94 件の自由回答(好意的意見等 43 件、改善点の意見、アイデア等の
提案 51 件)があった。
試作品別に見ると、「ミルの特産品」は、好意的意見等 21 件、改善点の意見、アイデア等の提
案 8 件であった。
「海藻バター」は、好意的意見等 10 件、改善点の意見、アイデア等の提案 20 件であった。
「海藻ハンドクリーム」は、好意的意見等 14件、改善点の意見、アイデア等の提案 12 件であ
った。
図表 9
自由回答一覧(複数回答可)
回答者区分
好意的意見等
ミ ル の 特 産 ①味はゼリー、チョコとも美味し
品
い。
②栄養がありそう。
③美味しかった。
④海藻が原料なので健康に良い。
⑤海藻の味が出ていて良かった。
⑥海藻風味が残って斬新でした。
⑦斬新だし、海藻使用ということ
で興味のある商品です。
⑧食感も良い。ほぼ完成に近い商
品。
⑨初めて食べました。おもしろい
と思いました。商品名に海藻と
わかるものが入っていればよ
い。多少味に海藻ぽさがあった
方が特徴のように思えます。
⑩ミルそのものを一品として、
食卓にのせたい。
海 藻 ミ ル の ①ゼリーは海藻感が出ていて良
美人ゼリー
かった。
②ゼリーは新鮮な驚きでした。
③ゼリーは少し甘く、少し酸味
があっても良い。
④ゼリーは美味しかったです。
海藻ミルの
贅沢チョコ
レート
①チョコは美味しい。
②チョコは食べた後少し口に残
ったのが良い。
③チョコと海藻は意外でした。
これからは、素材そのものを
もっと前面に出して、おしゃ
れなパッケージ、使いやすさ
のほうが、売れるような気が
します。健康を意識している
人はそういう人が多い。
④チョコは本当に美味しかっ
た。
⑤チョコレートは美味しい
改善点の意見、アイデア等
①ミルが海藻だということがわからないと購入まで行
かないと思う。ミルの栄養 が見えるようにすると良
い。
②商品とミルという名前のイメージが重ならない。
①ゼリーは海藻のにおいが苦手。
②ゼリーは柔らかすぎる。価格も高い。
③後味が悪かった。
④グレープフルーツ味を変えてはできないでしょう
か。
⑤ゼリーが少し甘すぎた。
⑥ゼリーが少し酸っぱすぎる。
⑦ゼリーは後味がいやな人もいる。
⑧ゼリーは小さく。
⑨ゼリーはにおいが少し気になる。もう少し食感があ
ってもよい。
①1000 円ぽっきりに、できないか。
②チョコレートは口に残らない方が好きなので。
③カットを小さくしてはどうでしょうか。
④チョコレートを食べた後味が気になります。
⑤チョコのパッケージをもっと明るくする。
⑥チョコレートについてはミルの実感があまりない。
健康に対する PR がもう少し必要かもしれない。
⑦チョコのネーミングは「愛をミル」がいい。
⑧チョコにすると海藻がわからない。価格が高い。
59
計
12
13
13
回答者区分
海の森
海藻バター
好意的意見等
①磯臭くないのは良い。
②非常に美味しかった。
③なめらかさがあって美味し
い。
④とても食べやすく美味しかっ
た。
⑤大変美味しい。
⑥クリーミーで美味しかったで
す。
⑦口当たりがなめらかで食べや
すい。
⑧海藻の味よりバターの味が勝
っていると思いますが、美味
しいです。
⑨思っていたほど海藻の味がし
なかった。
⑩美味しかった。
志摩の海女
ちゃん 海
藻ハンドク
リーム
①使用感がさらっとしていてよ
い。
②アニメパッケージがおもしろ
い。
③とてもしっとりして、その後
べとつかず良いと思います。
④伸びがとてもよく、塗った後
もべたべたしない感じが良
い。萌えキャラパッケージで
目を引くのは良いとは思いま
すが、個人的にはナチュラル
な海藻のイメージが伝わるよ
うなデザインが良い。
⑤香りがすごく良い。べとつき
感がないところも良い。
⑥パッケージに惹かれて使用し
てみたいと思う。
⑦さらっとしていて良い。海藻
を使用している点が良いと思
う。
⑧使用感は顔用でもとても良さ
そうな上に化粧品としてな
ら、価格も安すぎないので、
改善点の意見、アイデア等
①量が多い。
②もう少し海藻のうま味を出した方が良い。
③塩が少しきつい。
④瓶から出すのが難しそう。使い切る最後にいらいら
しそう。
⑤一口サイズに切れるバターがあると良い。
⑥パッケージはおしゃれだけれども海藻がわかるよう
にした方が良い。たとえば、乾燥した海藻をアサヒ
もで、瓶に結びつけるとか。売り込み方を女性向け
のパッケージにするとか。
⑦パッケージが変わるとより良いと思いました。
⑧好き嫌いがあるかもしれないが、海藻の風味がある
と良い。そうすると、海藻の体に良いイメージが出
てくる。
⑨高級感のあるパッケージがあると良い。
⑩口あたりが良いが海藻のインパクトがいまいち。
⑪もう少しバター風味がほしいです。
⑫価格帯は販売場所によって重要。
⑬海藻ぽさがもう少しあっても良い。
⑭海藻の風味がもう少しあると良い。
⑮海藻の風味がない。
⑯海藻の感があまりしない。販売するうえで、おいし
さは最も重要ですが、使い方の提案がいくつかない
と厳しいと思います。フランスのバターメーカーの
海藻バターはもう少しインパクトがあるので、おつ
まみとして食べることができるので、おもしろく新
しいと思いました。
⑰海藻の味をもう少し出せば良い。もう少し強くして
も良い。パッケージがもう少し美味しそうに見える
と良い。
⑱海藻の味をもう少し出せば良い。
⑲思っていたほど海藻の味がしなかった。
⑳味は良かったが、ネーミング等の改良が必要。
①価格次第では買う。
②デザインのキャラクターに好き嫌いがでそう。
③みずみずしいつけ心地は普段使わない人には良いと
思います。ボデーローションによいかもしれない。
ユーザーにはもう少し肌表面に油分が残った方が、
満足度が得られると思います。このパッケージは女
性向けではないと思います。
④パッケージの変更と効果がもっとわかりやすく表示
してあると良い。
⑤香りのあるクリームと無いクリームの両方を作って
ください。食品を扱うときに香りが不必要なため。
⑥使えばわかるけどパッケージが少し安い感じのモノ
に見える。この漫画の絵だと 300~500 円程度、もう
少し海藻ぽい絵なら 1200 円もありだと思う。
⑦もう少しインパクトがあるともっといいと思いま
す。
⑧パッケージデザインが美人ゼリーのような女性デザ
インのほうがおしゃれな感じがして、ふさわし低と
思います。
⑨使えばわかるけどパッケージが少し安い感じのモノ
に見える。この漫画の絵だと 300~500 円程度、もう
少し海藻ぽい絵なら 1200 円もありだと思う。
⑩もう少しインパクトがあるともっといいと思いま
60
計
30
26
回答者区分
計
好意的意見等
とても良いです。
⑨ハンドクリームだけではもっ
たいない。インワンジェルと
して顔用として売れないでし
ょうか?
⑩伸びがよく、さっぱりとべと
つかない。
⑪香りが強くないクリームが良
い。
⑫香りがとても良く、お水に近
い優しさが良かったです。
⑬見た目のインパクトだけでな
く、使用感もよいので、是非
導入したい。ギフトに GOOD。
⑭手になじみが大変良い。香り
も良い。
43
改善点の意見、アイデア等
す。
⑪パッケージデザインが美人ゼリーのような女性デザ
インのほうがおしゃれな感じがして、ふさわし低と
思います。
⑫価格が問題。
51
計
94
○「志摩の海女ちゃん海藻ハンドクリーム」の販売(購入)の可能性について
回答者に、
「志摩の海女ちゃん 海藻ハンドクリーム」の試作品が完成し、商品として販売された
とき、「あなたは購買しますか、また売れると思いますか」と尋ねたところ、図 10 の通り、“余り
売れない(余り購入しない)”48%が最も大きく、続いて“わからない”27%、“売れない(購入し
ない)”10%、
“不明”8%、
“多分売れる(多分購入する)”7%、
“売れる(購入する)”1%となって
いる。
“売れる(購入する)”の構成比と“多分売れる(多分購入する)
”の構成比とを合わせた「売
れる」の構成比は、8%と消費者購買意思表示がないに等しいが、回答者が「パッケージ」から連
想したハンドクリームの品質が実際に試用したハンドクリームと違和感があったことが、“わから
ない”の構成比を最も大きくした要因と考えられる。このことから、この「パッケージ」を今後も
使用するのであれば、若者をターゲットとして開発していくことも考えなければならない。
また、“余り売れない(余り購入しない)”および“売れない(購入しない)”理由は、「パッケー
ジデザインが悪い。」「海藻ミルの美人ゼリーの着物の女の人の絵の方が良い。」
「パッケージがこのままだと多分買わない。」香りが強くないクリームが良い。試してみていいな
と思った後、価格をみて手が止まりそうです。1000 円以上は手が出しにくいので、もう少し小さく
して(お土産に渡せるくらいのサイズ)価格を低くしてほしい。」
「べとつかないクリームがよい。」
「パッケージが悪い。」などパッケージら関することが多かった。
図表 10
区
販売(購入)の可能性
分
売れる(購入する)
多分売れる(多分購入
する)
わからない
余り売れない(余り購
入しない)
売れない(購入しな
い)
不明
計
回答数
構成比
1
1%
6
7%
25
27%
44
48%
9
10%
7
8%
92
100%
61
○満足度・インパクト分析による試作品の属性の改善点
顧客満足度は、試作品が、バイヤーや一般住民等からどのくらいの支持を得ているかを知る指標
として重要であるが、それを具体的なマーケッティング・マネジメントのプランに落とし込むには、
もう少し詳細にデータを収集し、分析する必要がある。「満足度・インパクト分析」は、そうした
分析のためのツールのひとつである。
図表 11 から図表 11-5 は、今回のアンケート調査結果の満足度・インパクト分析である。試作品
の属性ごとに「満足度(パフォーマンス)」と「重要度(インパクト)
」という 2 つの観点から質問
を行い、図表のように集計される。
それぞれの属性は、重要度と満足度の 2 つの局面から評価される。このため、両者とも 70 点以上
(あくまでも販売可能な商品の品質レベルとして仮定した)あれば、望ましい結果が達成されてい
る属性と仮定する。この点数については、満足度・インパクト分析結果をより精緻にものにするた
め、回答の内、無回答を除いた有効回答をもとに、「味」「見た目」「食感」「大きさ・量」「ネーミ
ング」「パッケージ」「斬新さ」「価格」(ハンドクリームは「使用感」「価格」「安全性」「香り」「パ
ッケージ・ネーミング」
「斬新さ」
「クリームの見た目」)に関する 5 尺度評価の最も高い評価番号 5
を 100 点、評価番号 4 を 75 点、評価番号 3 を 50 点、評価番号 2 を 25 点、最も評価の低い評価番号
1を 0 点と仮定し、それぞれの評価項目ごとの加重平均値(各評価項目の合計加重点数を有効回答数
で除した平均値であり、最高点は 100 点となる)とする(図表 11)。
また、この点数によりグラフを縦軸、横軸とも 70 点で区切り4分割し、属性の改善について検
討をおこなう。まず、セル 1(重要度も満足度も 70 点以上)に属するのは、重要度と満足度の双方
がともに高い属性である。これは、事業者にとっては、望ましい結果が達成されている属性である。
セル 2(重要度は 70 点未満、満足度は 70 点以上)は、重要度は低いが満足度は高いという属性で
ある。一般に、満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲に
なっているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐
れが高い。この場合は、相関分析で検討する。相関関係は「相関係数」で表される。相関係数が正
の場合「Aが良くなればBも良くなる」、また負の場合「Aが良くなればBは悪くなる」という相
互の関係である。相関係数の目安は、相関係数が「1.0~0.8」が非常に強く関連している、
「 0.8~0.5」
がやや強く関連している、「0.5~0.25」がやや弱く関連している、「0.25 未満」が関連していない、
と区分される。
セル 3(重要度も満足度も 70 点未満)は、重要度も満足度も低い属性である。満足度の低さは問題
だが、幸い回答者はあまりその属性を重要視していない。ほかに改善すべき属性がある場合には、
当面現状を維持することになる。
セル 4(重要度は 70 点以上、満足度は 70 点未満)は、事業者にとって、早急に改善すべき属性で
ある。回答者は、この属性を重要視しているが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足
度は低い。事業者は、真っ先にこのセルに含まれる属性を改善しなければならない。
回答者区分別、試作品別の各属性評価項目の「重要度」「満足度」は図表 11 のとおりである。
62
図表 11
重要度および「満足度」一覧
海藻ミルの美人ゼリー
属性
重要度
海藻ミルの贅沢チョコレート
満足度
属性
重要度
満足度
味
80.0
68.2
味
82.6
80.4
食感
78.7
72.9
食感
77.3
76.4
大きさ・量
73.3
65.4
大きさ・量
75.8
68.8
見た目
73.0
56.5
見た目
75.8
69.9
ネーミング
68.0
67.4
ネーミング
70.1
70.2
パッケージ
69.3
57.4
パッケージ
76.1
69.2
斬新さ
79.0
80.3
斬新さ
73.5
75.3
価格
54.1
64.9
価格
70.1
76.0
海の森 海藻バター
属性
味
重要度
志摩の海女ちゃん 海藻ハンドクリーム
満足度
69.7
80.3
食感
74.7
80.1
大きさ・量
75.8
69.0
見た目
78.9
76.7
ネーミング
80.0
74.7
パッケージ
79.6
75.6
斬新さ
79.6
84.1
価格
73.7
66.2
属性
使用感
価格
安全性
香り
重要度
パッケージ・
ネーミング
斬新さ
クリームの
見た目
満足度
93.8
70.9
87.2
81.9
78.9
56.6
77.8
77.6
56.4
57.9
53.6
67.1
59.1
77.6
この図表 11 の重要度と満足度の相関関係をグラフに落とし込んだものが、図表 11-2~11-5 である。
この図により、各試作品の属性を分析し、改善すべき属性について検討する。
◇海藻ミルの美人ゼリー
セル 1 に属するのは「斬新さ」および「食感」である。これらの属性は改善の必要はない。
セル2に属する属性は存在しない。
セル3に属する属性は「ネーミング」「パッケージ」および「価格」である。これらの属性は重要
度も満足度も低い属性である。満足度の低さは問題だが、幸い回答者はあまりその属性を重要視し
ていない。ほかに改善すべき属性がある場合には、当面現状を維持することになる。
セル4に属するのは、重要度の高い順に「味」
「大きさ・量」
「見た目」である。回答者は、これら
属性を重要視しているが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。
このため、早急な改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、
「味」11.8、
「大きさ・量」8.0、
「見た
目」16.5 の乖離があることから、
「見た目」→「味」→「大きさ・量」の順位で改善に取り組む必要
があろう。
図表 11-2
重要度および「満足度」一覧
63
◇海藻ミルの贅沢チョコレート
セル 1 に属するのは「味」「食感」
「パッケージ」「ネーミング」「斬新さ」および「価格」である。
これらの属性は改善の必要はない。
セル2に属する属性は存在しない。
セル3に属する属性は存在しない。
セル4に属するのは、
「見た目」
「パッケージ」および「大きさ・量」である。回答者は、これら属
性を重要視しているが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。こ
のため、喫緊の改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、
「見た目」5.9、
「パッケージ」7.0、
「大
きさ・量」7.0 の乖離があることから、
「パッケージ」・「大きさ・量」→「見た目」の順位で改善に
取り組む必要があろう。
図表 11-3
重要度および「満足度」一覧
◇海の森
海藻バター
セル 1 に属するのは「見た目」「食感」「パッケージ」「ネーミング」および「斬新さ」である。こ
れらの属性は改善の必要はない。
セル2に属する属性は「味」である。「味」の満足度は高いにこしたことはないが、そのために他
の重要な属性の満足度が犠牲になっているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足
度は、むしろ低下してしまう恐れが高い。このこと影響を相関分析で検討する。
属性区分
味
味
食感
1
0.5889
大きさ・量
0.3129
見た目
ネーミング
0.3884
0.4030
パッケージ
0.2833
斬新さ
0.1589
価格
0.4861
「味」の相関係数をみると、
「食感」との間にやや強い相関関係があるが、
「食感」はセル1に属
することから、改善の必要はない。また、
「大きさ・量」
「見た目」
「ネーミング」
「パッケージ」お
よび「価格」との間にはやや弱い相関関係がある。「見た目」「ネーミング」および「パッケージ」
は、セル1に属しているが、「大きさ・量」および「価格」は、喫緊の改善を必要とするセル4に
属していることから、「ネーミング」の改善は必要である。
セル3に属する属性は存在しない。
セル4に属するのは、「大きさ・量」および「価格」である。回答者は、これら属性を重要視して
いるが、試作品はそれに応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、喫緊の
改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、「大きさ・量」6.7 および「価格」
7.5 の乖離がある。このことから、改善順位は、
「価格」→「大きさ・量」となる。
64
図表 11-4
重要度および「満足度」一覧
◇志摩の海女ちゃん
海藻ハンドクリーム
セル 1 に属するのは、
「使用感」
「安全性」および「香り」である。これらの属性は改善の必要はな
い。
セル2に属する属性は「クリームの見た目」および「斬新さ」である。「クリームの見た目」およ
び「香り」の満足度は高いにこしたことはないが、そのために他の重要な属性の満足度が犠牲にな
っているなら、問題である。この場合、試作品全体としての満足度は、むしろ低下してしまう恐れ
が高い。このこと影響を相関分析で検討する。
属性区分
斬新さ
クリーム
の見た目
使用感
価格
安全性
香り
パッケージ・ネーミング
斬新さ
クリームの見た目
0.2152
0.3869
0.3647
0.2212
0.2878
1.0000
0.3266
0.3565
0.3850
0.2906
0.4151
0.3266
0.3402
1.0000
「斬新さ」の相関関係を見ると、「価格」「安全性」「パッケージ・ネーミング」および「クリー
ムの見た目」との間にやや弱い相関関係がある。「安全性」はセル1に属しており、「パッケージ・
ネーミング」はセル3に属していることから「斬新さ」の改善の必要がない。しかし、「価格」は
喫緊の改善を必要とするセル4に属していることから、「斬新さ」の改善は必要である。
また、
「クリームの見た目」の相関関係を見ると、
「使用感」
「価格」
「安全性」
「香り」
「パッケー
ジ・ネーミング」および「斬新さ」との間にやや弱い相関関係がある。
「使用感」
「安全性」および
「香り」はセル1に属し、「パッケージ・ネーミング」はセル3に属していることから、「斬新さ」
の改善は必要でない。しかし、
「斬新さ」はセル2に属し、
「価格」は喫緊の改善を必要とするセル
4に属していることから、「クリームの見た目」の改善は必要である。
セル3に属するのは、「パッケージ・ネーミング」である。この属性は、満足度の低さは問題だ
が、回答者はあまりその属性を重要視していない。他に改善すべき属性があるため、当面現状を維
持する。
セル4に属するのは、「価格」である。回答者は、これら属性を重要視しているが、試作品はそれ
に応えるものになっておらず、満足度は低くなっている。このため、喫緊な改善が必要である。
重要度と満足度の乖離という視点から改善順位を検討すると、
「価格」18.3 と大きく乖離している。
さらに、セル2の「斬新さ」-18.1 および「クリームの見た目」-15.6 を含めると、改善順位は、
「価
格」→「クリームの見た目」→「斬新さ」となる。
65
図表 11-5
○
重要度および「満足度」一覧
まとめ
試作品について、持続的に販売展開できる可能性のある商品化をより一層推進していくために
は、消費者ニーズの変化に的確・迅速に適応した特産品づくりに努めなければならない。
全般的には、
「味」「食感」「使用感」「安全性」などの機能的価値に対する評価は消費者の重要
視を満足させる品質となっていた。ただ、情緒的価値である「パッケージ」などの情緒的価値に
対する評価は消費者の重要視を満足させるところまで至っていない試作品も多くある。
「パッケー
ジ」は「無言のセールスマン」と言われるように、その商品の品質を知る手かがりとなるもので
ある。同じく「ネーミング」および「価格」にもそれがいえるであろう。このことから、今後、
デザインを重要視した改善を図っていくべきであろう。また、「価格」は「安かろう、悪かろう」
ではなく、「高かろう、良かろう」といった視点から、品質改善を図るべきであろう。
一方、ハンドクリームであるが、
「パッケージ」が若者、オタク向きのデザインとなっているこ
とから、回答者からは、試用がなければ、手に取らない可能性が指摘されている。ハンドクリー
ムの潜在的市場は大きいことから、すでに販売されている「真珠クリーム」とは異なる顧客ター
ゲットを若者とすることで、競合を避け、同量・同価格で販売するとか、パッケージを中高年齢
層向きとすることと、少し量を減らすとか、逆に増やすとか、などの工夫により、もう少しお買い
得感のある販売ができる改善の検討が今後必要となろう。
66
7
立命館大学 官学連携研究助成事業 「政策サマースクール」における
地域資源を活用した特産品づくりに関する講義
●サマースクールの目的
豊かな自然が残っている志摩市の活性化を図るためには、どのように地域資源を活用し地域
の経済を活性化していくべきか、志摩市の進めている「新しい里海創生によるまちづくり」の
踏まえ、地域外者、若者の視点で調整を行い、今後の取り組みを進めていく上での提案を行う。
●実施日時:平成 26 年 8 月6~8 日
●参加者:高校生 14 名、大学生 8 名、教職員 5 名 計 27 名
●調査グループの編成:A班「地域資源のブランド化」(地
域資源の商品化、ブランド化、情報発信のあり方等)、B班
「里海ツーリズムの確立」(志摩市の景観、生活文化、漁業
等の体験を通じた観光業の活性化)
◆志摩市商工会は、これまで取り組んできた地域資源を活用
した特産品づくりと成果物を説明するとともに、現在取り組
んでいる「志摩の七草」を活用した「里海美人」創出プロジ
ェクトによる試作品について説明した。また、専門家から志
摩の里海の海産物の状況と活用の現状について説明した。そ
の後、学生と志摩市商工会職員および専門家との間で質疑応答が行われた。
●このような取り組みが、後継者不足に悩む志摩の地場産業の後継者に繋がるようなIターン
が増加することが期待される。
8
ポスターを活用した広報活動
志摩の里海の海藻を活用した地域経済の活性化を図っていくためには、地元の人々
に志摩の里海の海藻について知識をもってもらう必要がある。このことから、まず、
現在、市場で流通していない「ミル」について、ポスターを作成し、商工会をはじめ
とする公共関係機関関係施設に掲示することで、志摩市民に志摩の里海の海藻につい
て、認識してもらうとともに、
「ミル」の消費拡大と今回試作した4試作品の購買へと
繋がるメッセージを情報発信した。
Ⅳ
まとめ~今後の事業展開と課題~
マーケッティング・リサーチ結果分析によると、4試作品に対していずれの会場で
も満足度は高かった。特に回答者の自由回答等から分析した 4 試作品の特徴のキーワ
ード」は「斬新さ」であった。斬新さとは、市場に流通していない海藻「ミル」の活
用、海藻とチョコレートのコラボレーション、食の宝庫フランスの食材の中でも希少
価値の高いブルターニュ地方のサン・マロフランス産で有名な食材である海藻バター、
国内では北海道釧路産の「くしろ海藻バター」が市場に流通されているだけという希
少性、7 種類の海藻のエキス入りのハンドクリームである。これらは、他の地域では、
まねのできない志摩の里海の 4 試作品の強みといえるであろう。また、
「味」やクリー
ムの「使用感」の満足度は非常に高く、ほぼ完成域に達しているものと考えられる。
志摩では、
「高級食材」に加えて、今回の取り組みで、いままで手つかずであった「素
材」の加工度を高め、新たな命を与えることできた。このようにして、志摩の里海が
育てた恵みの可能性の幅を広げていくことで、経済社会の変動への耐性力がつき、自
立的な事業展開が可能となっていくであろう。この意味から、志摩の海藻を活用した
特産品づくりは、加工による付加価値を地元に残し、また通年の仕事を創出して雇用
の場を確保し、地域経済を活性化していくための主体的な取り組みとして評価できる。
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ただ、これらの試作品も同種ではなくても類似品があることから、もの余りの成熟
社会では、消費者の目をひく「見た目」等の「情緒価値である属性」が重要となる。
今回の調査でも、海藻ハンドクリームのパッケージについては、厳しい評価が下され
た。
一般的に、品質の良さを決めるのは生産者が決めるのではなく、消費者が決める。
すなわち、品質がよいか、どうかは消費者の頭の中で行われる。商品の中身は、試食
がない限り、消費者は品質の手かがりを求める。「最高の品質」「最高の美味しさ」と
いっても、目に見えるものではない。消費者にとって、不確実なものである。消費者
は、目に見えないものに対して、不安を感じることから、事業者は不安を取り除くこ
とが不可欠となるその不安を解消してもらうには、品質やこだわりを具体的な「カタ
チ」にすることで、品質の「手がかり」を消費者に提供することである。
「カタチ」の代表的な属性が「見た目」である。見た目は品質の手かがりとなる。見
た目が良ければ、品質も良いと判断されやすい。逆に、見た目に魅力がないと、品質
も魅力がないと判断されてしまう。消費者は、利用してから、事業者の品質を判断す
るのではなく、利用する前に、
「見た目の印象」で利用するか否かを決めてしまう。顧
客の目に入るものすべてが、「品質」の手がかりになりうるといっても過言ではない。
特に、パッケージは消費者にとって重要な品質の手かがりとなる。パッケージは「無
言のセールスマン」ともいわれている。
さらにももう一つ今回の調査で満足度が低かった「価格」についても、品質の手か
がりとなる価格競争を避けることは、小規模事業者のマーケティングの基本である。
「高品質」のメッセージを発信するには、「いかに安く売るか」ではなく、「いかに
安く売らずにすむか」に知恵を絞るべきである。消費者の誰もが望んでいるのは「高
い価値」であって、「低い価格」ではない。追求するのは、高品質、適正価格である。
すなわち、「安かろう、悪かろう」ではなく、「高かろう、良かろう」を目指すべきで
ある。誤解を恐れずに言えば、「価格が高い」という消費者は「捨てる」ことである。
このことで、「ホンモノ力」のある特産品づくりが発展していくものと考えられる。
よく使われる言葉に「選択と集中」がある。志摩市の事業者も「ホンモノ」に集中
し、その価値を認める顧客を選択し、安売りを期待する「顧客」を「捨てる」べきで
あろう。
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