株式会社ALBERT 消費電力分析結果

株式会社ALBERT 消費電力分析結果
2011年6月9日
2011年7月から15%の電力消費量を削減する政府の要請を受け、当社の電力消費がどのような
状況なのか正しい現状認識をした上で分析し、具体的な削減計画を策定します。今回用いた
データは、2009年1月~2011年5月までの動力(エアコン)、電灯(エアコン以外)別、フロア別の消
費電力および電気料金、全スタッフ月別の総労働時間、時間外労働時間、深夜労働時間です。
■エアコンの年間平均電力消費量は全体の22.2%
70,000
動力料金
電灯料金
基本料金
60,000
月平均電気料金(円)
現在当社は3フロアを借りています。1階は受
付と会議室等で2階と3階が居室になっていま
す。基本料金は面積比率で割り振られていま
す。動力料金は200Vのエアコン専用電源で、
電灯はその他居室で用いる100V電源です。
削減は、この動力と電灯部分の電力使用量を
指標として行ないますが、エアコンの全体に
占める割合は22.2%となりました。
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
1階
2階
3階
図1.フロア別電気料金内訳
■エアコンの電力消費量は平均気温と大きな相関
3000
2500
エアコン消費電力(kwh)
平均気温とエアコンの電力消費量の関係を見る
と、2次曲線に近似され、平均気温が25℃を超
えると一気に消費量が上がります。この結果か
ら夏場のエアコン消費量がいかに大きいかがよ
くわかります。
エアコン消費電力
多項式 (エアコン消費電力)
2000
1500
1000
500
0
5
10
15
20
平均気温(℃)
25
図2.平均気温とエアコン書品電力
30
■7月~8月のエアコンによる電力消費量は他の月より圧倒的に高い
エアコンの電力消費量がアップするのは、1月~3月の冬場の暖房と、7月~9月の冷房ですが、夏
場の消費量のほうが圧倒的に高いことがわかりました。エアコンの設定温度を2℃上げることによる
効果4% (※) 、扇風機の併用や換気をすることに加え、エアコンを省エネタイプに切り替えることによ
り、15%以上の節電が実現できます。(※)資源エネルギー庁資料「オフィスビルの節電行動計画フォーマット」より
7000
動力(夏場)
動力
6000
動力(冬場)
電灯
消費電力(kwh)
5000
4000
3000
2000
1000
2009年
5月
4月
3月
2月
月
月
1月
12
月
9月
11
2010年
10
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
月
月
月
1月
12
11
9月
10
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
0
2011年
図3.消費電力推移
■エアコンの電力消費量への影響度は平均気温が圧倒的に大きい
12
10
8
6
t値
エアコンの電力消費量と各月平均気温の年間
平均との差分の絶対値を取った値、労働時間と
の関係を重回帰分析で調べたところ、エアコン
の電力消費量は圧倒的に月間平均気温の影響
度が大きいことがわかりました。気温との関係
が大きいということは、昼間の時間帯の電力消
費量が大きいということなので、残業が増えても
それほど消費電力に与えるインパクトが大きくな
いと考えられます。
4
2
0
平均差分気温 総労働時間
時間外労働
深夜労働
-2
図4.エアコン消費電力への影響度
■エアコン以外の電力消費量は、パソコンとサーバーで58%、蛍光灯が24%を占める
主な電化製品の電力消費量を調査した結果、エアコン以外で最も電力消費量が大きいのはパソコ
ンで33.5%、次いでサーバーが24.3%。天井の蛍光灯が23.8%となりました。冷蔵庫、冷蔵ショー
ケース(オフィス置きドリンクサービス)は台数を減らすことで15%の削減が可能。サーバーは削減
できないが、パソコン、蛍光灯は使用時間を減らすことによって電力を削減することができます。
冷蔵ショーケース
2.7%
その他
1.9%
冷蔵庫(4台)
13.8%
パソコン
33.5%
蛍光灯
23.8%
サーバー
24.3%
図5.エアコン以外の消費電力内訳
■エアコン以外の電力消費量への影響度は深夜労働時間が大きい
2.5
2
1.5
t値
エアコン以外の電力消費量と労働時間との関係
を重回帰分析で調べたところ、エアコン以外の
電力消費量は深夜労働時間が最も影響度が大
きく、パソコン、蛍光灯などの使用量が深夜残業
によって増大すると思われます。
1
0.5
0
総労働時間
時間外労働
深夜労働
-0.5
図6.エアコン以外の消費電力への影響度
株式会社ALBERT 消費電力15%削減案
以下の施策をとることで、 2011年7月~9月までの消費電力を昨年同期間の消費電力に対して、
15%以上の削減をします。
1.動力部分
・エアコン設定温度を2℃上げることで4%の削減
・扇風機の併用や換気をすることで2%の削減
・エアコンを省エネタイプに切り替えることにより、15%以上の削減
→合計21%以上の消費電力削減
2.電灯部分
・パソコンは深夜労働時間を削減し総労働時間も5%削減
・蛍光灯は消灯と労働時間の削減で40%削減
・冷蔵庫は使用方法の改善で5%削減
・冷蔵ショーケースは使用しない→2.7%削減
・その他以下の施策を実施
帰宅時はPCのモニター電源を切る
湯沸かしポットは来客数に合わせた水量に、水を少なくして沸騰させる
エレベータの使用を控えて階段を使う
冷蔵庫の利用は最低限にし、不要なもの、賞味期限切れ食品は速やかに処分
→合計15%の消費電力削減
消費電力(kwh)
180
160
3.1
4.3
15%削減!
140
22.1
2.6
120
21.0
38.3
23.0
100
80
39.0
39.0
53.8
51.1
2010年
2011年目標
60
40
20
0.0
0
図7.電灯部分の消費電力削減
その他
冷蔵ショーケース
冷蔵庫(4台)
蛍光灯
サーバー
パソコン