高利得 EBG 共振器アンテナのカバー材に対する検討

66
平成 18 年度電気関係学会東北支部連合大会
2B10
高利得 EBG 共振器アンテナのカバー材に対する検討
○村上 仁康†,佐藤 弘康†,澤谷 邦男†
†東北大学大学院工学研究科電気・通信工学専攻
[1] D. R. Jackson et. al, IEEE Trans. Antennas Propagat., Vol.
33, No. 7, pp.905−910, July 1988.
[2] Young Ju Lee et.al, IEEE AP-S Imt. Symp, Vol. 3A, pp.2
– 5, 2005
z
Dielectric
superstrate
or PDA εr
Patch antenna
y
Case of PDA-EBG
lx
sx
ly
sy
LG
Ground plane
h
x
la
z
la
y
図1
d1
x
Feed
EBG 共振器アンテナの構造
Actual Gain [dBi]
20 D-EBG (ε = 11.2, h = 3.2mm, d = 66mm)
r
1
15
PDA-EBG (εr = 3.3,
h = 1.2mm, d1 = 68mm)
10
Only patch
5
0
4
4.5
5
5.5
Frequency[GHz]
6
(a) 実験結果
20
Actual Gain [dBi]
1. はじめに 高誘電率の誘電体板やプリント
ダ イ ポ ー ル の 周 期 構 造 (Printed Dipole Array,
PDA)のカバーをパッチアンテナの前面に配置
し て 高 利 得 を 図 る EBG(Electromagnetic Band
Gap)アンテナが報告されている[1], [2].このア
ンテナでは,カバーを装荷するだけの簡単な構
成で高利得化できるため,様々な応用が期待で
きる.本報告では,カバー材として高誘電率の
誘電体板を用いた場合,及び PDA を用いた場
合について EBG 共振器アンテナを構成し,こ
れらの特性を比較,検討したので報告する.
2. EBG 共振器アンテナの構造 EBG 共振器ア
ンテナの構造を図 1 に示す.一辺の長さが LG
の方形地板上に一辺の長さ la のパッチアンテナ
を 配 置 し ,そ の 上 面 に高 誘 電 率 誘電 体 板 の み
(D-EBG),または低誘電率誘電体基板上に PDA
を設けた PDA-EBG を配置する.誘電体の厚さ
を h,PDA の個数は nx×ny とした.また,地板
から誘電体基板の上面までの間隔を d1 とし,
D-EBG,PDA-EBG 共にほぼ同じ値を用いた.
3. 実験結果及び FDTD 計算結果 パッチの長
さを la =26mm (共振周波数 4.9GHz),LG = 250mm
のときの,パッチアンテナ単体及び EBG 共振
器 ア ン テ ナの 動 作 利 得の 周 波 数 特性 の 実 験 結
果及び FDTD 法による計算結果をそれぞれ図
2(a), (b)に示す.FDTD 法による計算結果は実験
結果と概ね一致しており,実験の妥当性が示さ
れた.実験において,D-EBG と PDA-EBG の動
作利得の最大値はそれぞれ 18dBi, 18.1dBi であ
り , 両 者 共に パ ッ チ アン テ ナ 単 体に 比 べ て 約
8dB 上昇した.また,両者の特性がほぼ一致す
るという結果が得られた.
4. まとめ 全く異なるカバー材を用いた場合
について,動作利得の比較を行った.今後両者
の 特 性 が ほぼ 一 致 す る結 果 と な った 要 因 に つ
いて,動作原理をふまえて考察する必要がある.
PDA-EBG (εr = 3.3,
h = 1.2mm, d1 = 68mm)
15
D-EBG (εr = 11.2,
h = 3.2mm, d1 = 66mm)
10
Only patch
5
0
4
4.5
5
5.5
Frequency[GHz]
(b) FDTD 計算結果
図 2 動作利得の周波数特性 (lx = 20mm,
ly = 5mm, sx = sy = 5mm, nx = 10, ny = 25)
6
x