2.4:1 BDとスクリーン - マルチフォニック・サウンド株式会社

シネスコのアスペクト比について
1. シネスコとは?
現在発売されている多くのブルーレイディスクには 2.4:1 という縦横比が表記されて
いますが、なぜ 2.4 という数字が使われているのでしょうか。そこにはフィルム映画
における標準化という流れがあり、35mm フィルムには下図の様に記録されていました。
21.3mmx
18.2mm
<1.17:1>
フィルムを縦方向に送るため横 21.3mmx 縦 18.2mm のフィルム面に記録しますが、そ
の縦横比は 1.17:1 です。アナモフィックレンズで映像の横を 2 倍に圧縮しているた
め、投射時には 1.17x2=2.34 のスクリーンに投射されます。後に縦 17.8mm(0.7”)に
標準化されて縦横比が 21.3÷17.8=1.197 になり、2 倍すると 2.4:1 になりました。
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圧縮
拡張
撮影シーン
1.197:1 に記録
2.4:1 スクリーンに投射
2. スクリーンの選択 2.35:1 か 2.4:1
スチュワートでは可動マスクスクリーンの場合 2.4:1 を使い、マスク無しのシネスコ
では 2.35:1 を使います。例えばマスク無しの CineW カーブスクリーンは 2.35:1 で、
マスク有の CineCurve や VistaScope(平面)では 2.4:1 スクリーンを設定しています。
DVD やブルーレイ、次世代の 4K BD には 16:9 の映像が記録されています。この中に
先述のとおり 2.4:1 の映画が入りますが、画素数で計算すると下記のとおりです。
フル HD の場合:1920x1080p
シネスコ有効画素 1920x800p
4K の場合:3840x2160p
シネスコ有効画素 3840x1600p
これらを V ストレッチで 16:9 画格(1.78:1)に変換し、アナモフィックレンズで横に
伸ばすのがホームシネマのシネスコ映画の楽しみ方です。フィルムでは横を 2 倍に伸
ばして投射しますがアナモフィックレンズは 1.33 倍に伸ばします。1.78x1.33=2.368
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16:9 変換
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1.33 倍
3. CineW 2.35:1 に 2.4:1 の映画を投射する場合:
前述のとおり縦に伸ばした 16:9 の映像を 1.33 倍にすることで 2.368:1 の映像を投射
します。しかし映画の縦横比が 2.35:1 であるか、2.4:1、或いは更に横長の映画で
あるかによって縦伸ばしの比率が変わりますのでプロジェクターでは細かい設定が
可能です。これにより 2.4:1 映画を 2.35:1 スクリーンに合わせて投射できます。
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V ストレッチ
縦伸ばしの
細かい設定
2.4:1 映画など
上下の幕が残る場合
16:9 に変換
あるいは上下の高さをプロジェクターのズームで映像の高さに合わせて設定し、横幅
は縦のフレーム部分にオーバースキャンする方法もあります。映像の端の部分であれ
ば映画館の様にマスク部分にオーバースキャンしても視聴上、全く問題はありません。
4. アナモフィックレンズの導入に関して
アナモフィックレンズには設置条件や、固定型カーブスクリーンの導入、ホームシネ
マにかかる予算など様々な要素を考えてご検討いただく必要があります。しかし本格
的なシアターを導入する事で今まで体験することが難しかった映画館の雰囲気、感動
など次のレベルのホームシネマを体験するには必要不可欠なものですので、販売店と
ご相談いただきご自身で満足できるホームシネマを構築して頂きたいと思います。
販売店とご相談いただく上で、下記の項目について担当者にお尋ねください。
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スチュワート CineW や CineCurve/Vista Scope の導入を検討
スクリーンのサウンド加工によるスピーカーの種別や配置を検討
投射距離におけるスクリーンサイズやアナモフィックレンズの種類
メニュー画面やテレビ放送、シネスコ映画など縦横比の切り替え操作
今後のコンテンツ(4K 放送や BD)への対応に関して
当社ホームページでもスチュワートスクリーンやシュナイダーのアナモフィック
レンズについてご覧いただけます。ご質問がありましたら当社へお問合せ下さい。
マルチフォニック・サウンド株式会社
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