高砂市人材育成基本方針 (改訂版) 平成24年4月 高 砂 市 目 次 第1章 人材育成基本方針改訂の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第2章 人材育成の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 1.人材育成の意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2.人材育成の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 第3章 現状と課題(来庁者・職員アンケート調査を踏まえて) ・・・・・・・・ 3 1.仕事に対する意識について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2.職場環境について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3.研修について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 4.人事制度について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 5.職員に求められる能力、職員像について・・・・・・・・・・・・・・・10 第4章 人材育成の方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 1.目指すべき職員像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 2.職員に求められる能力・意識改革・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 第5章 人材育成の方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 1.人を育てる職場風土づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 2.人を高める職員研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 3.人を活かす人事制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 第6章 推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 第1章 人材育成基本方針改訂の趣旨 急速な少子高齢化社会への移行、高度情報化・国際化の進展、地球規模での環境問題 への取り組み、先行き不透明な経済情勢など、社会環境は大きな変革の時期を迎えてい ます。 地方自治体には、このような社会環境の変化に加え、さらなる地方分権化の進展、複 雑・多様化する行政需要など、市民サービスのより一層の向上を図るため、解決しなけ ればならない多くの課題があり、従来の行政運営からの転換が進められています。 本市がおかれている状況も他の地方自治体と同様であり、現在の財政状況を踏まえ、 平成32年度を目途として第4次総合計画に掲げた将来都市像である「郷土に学び 来を拓く 生活文化都市 未 高砂」の実現のためにも、限られた人員と財源で、より効果 的・効率的な施策を展開しなければなりません。 そのためには、職員が市民の視点に立ち、自ら考えて行動し、行政需要に適切、迅速 かつ柔軟に対応する必要があります。 このような市民の期待に応えられる職員を育成するためには、組織力の強化を図ると ともに、職員一人ひとりの意識改革を図り、職員の能力を可能な限り引き出し、活用で きるような職場環境づくり、研修の充実や人事制度の構築が重要となっています。 このような状況を踏まえ、人材育成のより一層の充実を図るために、平成 1 5 年 2月に策定した「高砂市人材育成基本方針」を改訂し、これからの時代に求められる職 員像を示し、人材育成の方策を明らかにしました。 -1- 第2章 人材育成の基本的な考え方 1.人材育成の意義 行政運営の資源には「人」・「もの」 ・「金」・「情報」があり、なかでも「人」は、能 力と意欲によって大きな成果を生むことができるものです。また、「人」は「もの」・ 「金」・「情報」の価値を変える可能性を有しています。 「人」は組織にとって一番重要な財産であり、人材の育成に取り組み、その人材を 活かすことは、組織力の強化へとつながります。 そして、地方分権化が進展する現在では、人材育成の取り組み方次第で、行政水準 や市民サービスの質に大きな格差が生じることとなります。 こうしたことから、これからの行政運営の担い手として、自律型職員を育成するた めに「人材育成基本方針」を確立し、総合的な取り組みを計画的に展開していくこと が極めて重要です。 2.人材育成の目的 地方自治体の究極の目的は「住民福祉の増進」であり、時代と共に変化する行政需 要を的確に捉え、市民サービスの質を向上させることです。 職員の意識改革を図り、持てる能力を引き出し、「住民福祉の増進」を実現できる 職員を育成することが、人材育成の目的となります。 -2- 第3章 現状と課題(来庁者・職員アンケート調査を踏まえて) 今回の人材育成基本方針の改訂にあたり、本市の職員の仕事に対する意識や職場環境 の現状、また現在の人事制度、職員研修の問題点などを集約し基礎資料とするため、平 成23年9月に職員に対しアンケートを実施しました。「求められる職員像」の問につ いては、市民が求める職員像を把握するため12月に来庁者に対してもアンケートを実 施しました。 両アンケート調査結果を踏まえ、見えてくる高砂市の現状と課題を整理し、人材育成 の方策に反映していきます。 1.仕事に対する意識について (1)現状 ① 仕事や職場でのストレス 【問】仕事や職場にストレスを感じることがありますか。 「体調に不安を感じるほどある」、 「いつも感じる」、 「ときどき感じる」と答えた職員は合せて 90%にも上り、職種別、職位別にみた場合も同じ結果になりました。 ② 仕事での能力 【問】現在の仕事に自分の能力が活かされていると思いますか。 「十分に活かされている」、「おおむね活かさ れている」と答えた職員は合せて60%でした。 職種別にみると、保育士が95%、幼稚園教 全く活かさ れていな い 4% わからない 18% 十分に活 かされてい る 4% 諭が90%と特に高くなっています。 あまり活か されていな い 18% -3- おおむね 活かされて いる 56% ③ 仕事における個人目標 【問】仕事における、個人の目標を持っていますか。 「職場の目標に沿った個人目標を持ってい る」、「職場の目標は知らないが、個人目標を持 っている」と答えた職員は合せて76%でした。 個人目標 は持ってい ない 17% わからない 7% 職種別にみると、保育士が98%と特に高く なっています。 職位別にみると、係長、主任・副主任におい て、 「個人目標は持っていない」と答えた職員が 職場の目 標に沿った 個人目標 を持ってい る 59% 職場の目 標は知らな いが、個人 目標を持っ ている 17% 他の職位よりも多くなっています。 ④ 仕事へのやりがい 【問】担当している仕事に「やりがい」を感じていますか。 「非常に感じている」、「感じている」と答え た職員は合せて63%でした。 職種別にみると、保育士が98%、幼稚園教 全く感じて いない 5% わからない 5% 非常に感じ ている 8% 諭が95%、保健師・栄養士が83%と特に高 くなっています。 「やりがい」を感じる理由については、 「適正 や経験が活かせる仕事だから」 (27%)、 「仕事 あまり感じ ていない 26% 感じている 56% を通じて成長が実感できるから」 (21%) 、 「人 間関係や執務環境など、職場環境が良好だから」 (15%)という結果になりました。 また、 「やりがい」を感じ、持続・維持させるために必要なものについては、 「適正な人事配置」 (2 7%)、 「仕事や能力に対する適正な評価」 (19%)、 「職場のコミュニケーションの円滑化」 (19%) という結果になりました。 (2)課題 ・ストレスを感じさせない職場づくりとメンタルヘルス対策が必要 ・自己の能力を活かし、目標を持ち、やりがいを感じる職員が100%になる 職場環境づくりが必要 -4- 2.職場環境について (1)現状 ① 業務配分 【問】職場では、業務が適切に配分されていると思いますか。 「配分されている」、「おおむね配分されてい る」と答えた職員は合せて63%に留まり、 「あ まり配分されていない」、「配分されていない」 配分されて いない 12% わからない 4% 配分されて いる 9% と答えた職員が合せて33%に上っています。 職種別にみると、保健師・栄養士において、 「あ まり配分されていない」、「配分されていない」 と答えた職員が他の職種よりも多くなっていま おおむね 配分されて いる 54% あまり配分 されていな い 21% す。 ② 情報や知識の共有化 【問】職場では、情報や知識の共有が図られていると思いますか。 「図られている」、「おおむね図られている」 と答えた職員は合せて71%でした。 職種別にみると、保育士が91%、幼稚園教 図られてい ない 7% わからない 3% 図られてい る 13% 諭が90%と特に高くなっています。消防職に おいては「図られていない」と答えた職員が、 「図 られている」と答えた職員を上回っています。 職位別にみると、職位が上がるにつれて「図 られている」と答えた職員が多くなっています。 あまり図ら れていな い 19% おおむね 図られてい る 58% ③ 業務の改善や効率化 【問】職場は、業務の改善や効率化に取り組んでいると思いますか。 「取り組んでいる」、「おおむね取り組んでいる」と答えた職員は合せて58%に留まり、「あまり 取り組んでいない」、 「取り組んでいない」と答えた職員が合せて36%に上っています。 職種別にみると、保育士の81%、保健師・栄養士の83%が「取り組んでいる」と答えており、 他の職種より特に高くなっています。消防職においては「取り組んでいない」と答えた職員が、「取 り組んでいる」と答えた職員を大きく上回っています。 -5- 取り組みが行われていない理由については、 「業務をこなすことで精一杯の状態である」 (4 取り組んで いない 9% わからない 5% 取り組んで いる 8% 3%)、「上司の改善や効率化に対する意識が低 い」 (34%)、 「改善や効率化のためのノウハウ がない」 (15%)という結果になりました。 おおむね 取り組んで いる 51% あまり取り 組んでいな い 27% ④ 職場での人材育成 【問】職場での仕事を通じて人材育成が行われていると思いますか。 「行われている」、「おおむね行われている」 と答えた職員は合せて44%に留まり、 「あまり 行われていない」、「行われていない」と答えた 行われて いない 7% わからない 8% 行われて いる 10% 職員が合せて38%に上っています。 職種別にみると、消防職、技能労務職におい て「行われていない」と答えた職員が、 「行われ ている」と答えた職員を上回っています。 職位別にみると、職位が上がるにつれて「行 あまり行わ れていな い 31% おおむね 行われて いる 44% われている」と答えた職員が多くなっています。 (2)課題 ・適切な業務配分となるよう、また、情報や知識の共有化、業務の改善や効率 化がさらに進む取り組みが必要 ・仕事を通じての人材育成をさらに進めるための「職員を育てる」という職場 風土づくりが必要 -6- 3.研修について (1)現状 ① 研修の効果 【問】人事課が実施した又は派遣した研修で学んだことは業務に活かされていますか。 「活かされている」、「おおむね活かされてい る」と答えた職員は合せて45%に留まり、 「あ まり活かされていない」、「活かされていない」 活かされて いない 6% わからない 15% 活かされて いる 6% と答えた職員が合せて40%にも上っています。 職位別にみると、係長、主任・副主任におい て「活かされていない」と答えた職員が、 「活か されている」と答えた職員を上回っています。 あまり活か されていな い 34% おおむね 活かされて いる 39% 全く行って いない 13% 活発に行っ ている 5% あまり行っ ていない 40% おおむね 行っている 42% ② 職場内研修 【問】職場は、職場内研修を行っていますか。 「活発に行っている」 、 「おおむね行っている」 と答えた職員は合せて47%に留まり、 「あまり 行っていない」、「行っていない」と答えた職員 が合せて53%にも上っています。 職種別にみると、保育士、幼稚園教諭におい ては「行っている」と答えた職員が、 「行ってい ない」と答えた職員を大きく上回っていますが、 技術職、消防職においては「行っていない」と 答えた職員が、 「行っている」と答えた職員を上 回っています。 職場内研修が行われていない理由については、 「仕事が忙しくて時間がとれない」 (39%) 、 「職場 内に育成するという意識がない」 (16%)、 「上司の指導力、リーダーシップが不十分」 (16%)と いう結果になりました。 -7- ③ 自己啓発 【問】仕事に活用するために、自己啓発に取り組んでいますか。 「積極的に取り組んでいる」、「ある程度取り 組んでいる」と答えた職員は合せて50%に留 まり、 「あまり取り組んでいない」 、 「全く取り組 全く取り組 んでいない 8% わからない 7% 積極的に 取り組んで いる 5% んでいない」と答えた職員が合せて43%にも 上っています。 職種別にみると、保育士の89%、幼稚園教 諭の81%が「取り組んでいる」と答えており、 あまり取り 組んでいな い 35% ある程度 取り組んで いる 45% 他の職種よりも特に高くなっています。 職位別にみると、係長において「取り組んでい ない」と答えた職員が、 「取り組んでいる」と答え た職員を上回っています。 取り組まなかった理由については、 「仕事が多忙で時間がとれないから」 (32%)、 「何に取り組め ばいいのか分からないから」 (25%) 、 「家事や育児に時間をとられるから」 (19%)という結果に なりました。 (2)課題 ・研修内容を職場や業務にフィードバックする取り組みが必要 ・時間の有効活用やリーダーシップを発揮した職場内研修の推進や業務配分の 見直し、ワークライフバランスに考慮したうえでの自己啓発の活性化を図る ための制度づくりが必要 4.人事制度について (1)現状 ① 自己申告制 【問】人事異動(配置)の希望を含めて、自分のやりたい仕事を意思表示する制度は必要だと 思いますか。 「必要である」と答えた職員は83%にも上り、職種別にみた場合も同じ結果になりました。 職位別にみると、職位が上がるにつれて高くなりました。 -8- ② 異動周期 【問】人事異動の周期は何年が望ましいと思いますか。 職種別にみると、消防職においては3位の「1~3年」、技能労務職においては2位の「組織全体 の中で考慮すべきで、年数にこだわらない」が最も多く、それ以外の職種においては1位の「4~6 年」が最も多くなっています。 異動の際に最も考慮すべきことについては、「能力」(24%)、「業務内容に偏りのない異動」(2 4%)、 「意欲」 (15%) 、 「自己申告」(15%)という結果になりました。 1位 4~6年 (57.1%) 2位 組織全体の中で考慮すべきで、年数にこだわらない (25.6%) 3位 1~3年 (11.5%) 4位 7~9年 (4.7%) 5位 10年以上 (1.2%) ③ 昇任試験 【問】現在、主任昇任時に昇任試験を実施していますが、どの時点で行うべきだと思いますか。 職種別にみると、事務職、技術職、技能 労務職においては1位の「課長への昇任時」、 消防職、保育士、幼稚園教諭においては3 位の「主任への昇任時」 、保健師・栄養士に おいては2位の「係長への昇任時」が最も 1位 課長への昇任時 (29.9%) 2位 係長への昇任時 (25.2%) 3位 主任への昇任時 (22.8%) 4位 次長、部長への昇任時 (10.7%) 5位 昇任試験は必要でない (8.0%) 多くなっています。 昇任にあたって最も重視されるべき要素については、 「個人の能力、実績の公平・公正な評価」 (8 4%)、 「昇任試験の結果」 (6%) 、「所属長等上司の推薦」(5%)という結果になりました。 (2)課題 ・人事異動(配置)の希望を含めて、自分のやりたい仕事を意思表示する制度が 必要 ・能力や適性に応じた、業務に偏りのない定期的な人事異動の実施が必要 ・昇任等の任用基準の明確化が必要 -9- 5.職員に求められる能力、職員像について (1)現状 ① 伸ばしたい能力 【問】今後、伸ばしたいと思う能力は何ですか。 職種別にみると、事務職、保健師・栄養士においては1位の「判断力」、技術職、保育士、技能労 務職においては2位の「決断力」、消防職、保健師・栄養士においては3位の「問題解決力」、幼稚園 教諭においては6位の「部下(後輩)指導・育成力」が最も多くなっています。 職位別にみると、職位が上がるにつれて「企画立案力」、 「政策形成力」 、 「調整力」 、 「管理・統制力」 と答える職員が多くなっています。 1位 判断力 (9.4%) 6位 部下(後輩)指導・育成力(5.0%) 2位 決断力 (9.1%) 7位 表現力 (4.9%) 3位 問題解決力 (9.0%) 8位 コミュニケーション能力 (4.8%) 4位 行動力 (6.6%) 9位 法務能力 (4.6%) 5位 リーダーシップ (5.0%) 10位 企画立案力 (4.2%) ② これから特に必要と思われる能力 【問】これからの自治体職員に特に必要と思われる能力は何だと思いますか。 職種別にみると、事務職、技術職においては2位の「問題解決力」、消防職、保育士、幼稚園教諭、 技能労務職においては1位の「行動力」、保健師・栄養士においては3位の「判断力」が最も多くな っています。 職位別にみると、部長・次長級においては8位の「政策形成力」、課長・副課長においては5位の 「企画立案力」 、それ以外の職位においては1位の「行動力」が最も多くなっています。 1位 行動力 (10.2%) 6位 コスト意識 (5.2%) 2位 問題解決力 (9.9%) 7位 コミュニケーション能力 (4.9%) 3位 判断力 (7.9%) 8位 政策形成力 (4.3%) 4位 決断力 (7.3%) 9位 チャレンジ精神 (3.8%) 5位 企画立案力 (7.2%) 10位 法務能力 (3.7%) リーダーシップ (3.7%) - 10 - ③ 求められる職員像 【問】これからの高砂市職員に求められる職員像はどのようなものですか。 「職員アンケート」 職種別にみると、事務職、技術職、消防職、保健師・栄養士においては1位の「広い視野で物事を 考えられる職員」 、技能労務職においては3位の「素早く対応・行動できる職員」、保育士、幼稚園教 諭においては5位の「専門知識を持ち説明できる職員」が最も多くなっています。 職位別にみると、その他の職員においては3位の「素早く対応・行動できる職員」、それ以外の職 位においては1位の「広い視野で物事を考えられる職員」が最も多くなっています。 1位 広い視野で物事を考えられる職員 (16.2%) 2位 市民の立場に立って物事を考えられる職員 (12.3%) 3位 素早く対応・行動できる職員 (11.3%) 4位 柔軟な対応ができる職員 (11.2%) 5位 専門知識を持ち説明できる職員 (10.6%) 「来庁者アンケート」 年代別にみると、40代においては3位の「誰にでも公平で親切な職員」、その他の年代において は1位の「市民の立場に立って物事を考えられる職員」が最も多くなっています。 来庁回数別にみると、はじめて、2~4回においては1位の「市民の立場に立って物事を考えられ る職員」 、5回以上においては3位の「誰にでも公平で親切な職員」が最も多くなっています。 1位 市民の立場に立って物事を考えられる職員 (18.8%) 2位 素早く対応・行動できる職員 (14.5%) 3位 誰にでも公平で親切な職員 (14.0%) 4位 柔軟な対応ができる職員 (13.8%) 5位 専門知識を持ち説明できる職員 (10.4%) ④ 人材育成するための重要な手段 【問】人材を育成する手段として何が重要だと思いますか。 職種別にみると、事務職、技術職、消防職、技能労務職においては1位の「多くの職場での実務経 験」、保育士、幼稚園教諭においては3位の「自己啓発」、保健師・栄養士においては4位の「職場以 外の人との交流」が最も多くなっています。 職位別にみると、部長・次長級においては3位の「自己啓発」、それ以外の職位においては1位の 「多くの職場での実務経験」が最も多くなっています。 - 11 - 1位 多くの職場での実務経験 (21.6%) 2位 職場の上司・先輩からの指導・助言(コミュニケーション) (18.5%) 3位 自己啓発 (15.5%) 4位 職場以外の人との交流 (13.4%) 5位 職場での研修 (9.2%) (2)課題 ・階層別に求められる能力を明示し、その能力を伸ばす研修の実施が必要 ・職場風土づくり、研修制度、人事制度の三者が相互に連携する制度づくりが 必要 - 12 - 第4章 人材育成の方向 本市は、第4次行政改革大綱における基本方針において、限られた資源(人・もの・ 金・情報)を有効に活用し、質の高い市政運営を図るため、執行重視の行政運営から、 わかりやすい数値目標による成果重視の行政運営への徹底を掲げ、持続可能な健全経営 を保障できる体制づくりを進めています。 このなかで、重点取り組み事項として、総人件費を抑制するために定員適正化計画を 推進し、より少数の職員で質の高い市民サービスを提供することを目指しています。 このために職員一人ひとりの資質の向上や能力の向上が求められており、人材育成を 図るうえでの高砂市職員の共通の目標として目指すべき職員像を掲げる必要がありま す。 また、前人材育成基本方針で、他の部署の問題を自分の所属の問題とし、市全体で取 り組む姿勢を中堅職員に求めていた「職員一人ひとりが市を代表する」という意識を、 今回の人材育成基本方針では全職員に広げ、市民に対してはもちろん、組織の内部での 意識改革につなげていきます。 市民に対して自己の業務でないとするのではなく、より適切な部署に案内するなどの 行動をすることはもちろん、他の分野の業務であっても市役所の業務の簡単な説明がで きることが必要です。 また、他部署の問題を自分の所属の問題とし、業務での関わりはないかを常に考える ことが必要であり、自らの所属する部門の立場で物事を考えるだけでなく、さらに踏み 込んで市役所の中、地域全体の中でどうかを基本に施策を立案し実行に移していく姿勢 を持たなければなりません。 職員 職員 部署 一人ひとりが 市の代表 (壁や殻を取り除く) 市民・職場・地域への広がりへ - 13 - 1.目指すべき職員像 (1)市民の立場に立って考え、素早く対応・行動する職員 行政需要を的確に把握し、市民の立場に立って自ら考え、誰にでも公平・親切であ り、素早く対応・行動することによって市民サービスの向上に取り組む職員。 (2)広い視野で物事を考え、柔軟な対応ができる職員 現状に満足せずに新たな課題を発見し、前例にとらわれない柔軟な発想・対応によ り、新たな課題、業務の改善に積極的に取り組む職員。 (3)専門知識を持ち、経営感覚に優れた職員 職員の基礎となる専門知識を持つことに加え、コスト意識を持ち、限られた資源の なかで効率的・効果的な市民サービスを提供する職員。 2.職員に求められる能力・意識改革 (1)求められる能力 職員に求められる能力、役割は職位・職種ごとに異なります。職員一人ひとりが各 職位において特に求められる能力、役割を認識し、自己啓発や研修などを通じて能力 の向上に努め、前項に掲げた目指すべき職員像の実現を図らなければなりません。 ① 部長・次長級 長期的な視点から政策ビジョンや方針を打ち出し政策判断を行い、組織目標にお ける進むべき方向性を明確にし、組織の管理運営を行う。 特に部長級は、市役所経営という観点から市全体の管理運営の視点を持つ。 ② 課長級 所属の責任者として職場目標を達成するため組織を統括し、計画的な所属職員の 指導・育成を行い、組織の活性化と職場環境の向上を進める。 ③ 係長・主任級 上司の指示を的確に把握し、課題に対する具体的な施策を立案・実行し、部下に 適切な助言を行いながら、高度な専門知識で業務を遂行する。 - 14 - ④ 一般職員 上司の指示、指導を受けながら、担当業務に必要な知識・技術を習得し、正確か つ効率的に業務を遂行する。 ⑤ 専門職 一般職に準じた能力のほか、各専門分野に精通した高度な専門能力、技術に基づ いて正確かつ効率的に業務を遂行する。 ⑥ 技能労務職 現状に満足することなく課題を発見し、業務に熟練した高度な技能に基づいて、 業務の改善に積極的に取り組み、効率的に業務を遂行する。 - 15 - 求められる 能 力 部長・ 内容の例示 次長級 マネジメント能力 経営的な観点から、組織目標を 効果的、効率的に達成する能力 意思決定能力 組織の管理運営や課題解決に あたって意思決定できる能力 政策形成能力 事業の基本的な目的、方向性を 示し、企画・立案する能力 危機管理能力 事務執行上の不測の事態に、迅 速、的確に対応できる能力 人事評価能力 部下の業務実績や能力を公正 公平に評価する能力 目標達成能力 組織目標を達成するため、リー ダーとして行動する能力 政策法務能力 条例や規則等を立案、制定し、 地域課題に対応できる能力 指導育成能力 部下への指導を行い、意欲や能 力を伸ばす能力 対外折衝能力 住民や庁内での調整を行い、課 題を解決する能力 企画立案能力 問題点を分析し、それに対する 施策、事業を企画立案する能力 プレゼンテーション能力 企画、事業内容などを論理的に 説明し、相手に理解させる能力 業務改善能力 現状に満足することなく業務 の課題を発見し、改善する能力 情報収集・分析能力 情報を積極的に収集し、情報を 整理、分析する能力 政策法務基礎知識 法令の正確な理解、解釈、運用 の知識 コミュニケーション能力 住民や上司、同僚の話を正確に 理解し、対応する能力 業務遂行基礎知識 担当業務に関する法律的知識、 基礎的知識・技能の習得 業務遂行能力 担当業務を計画的に正確、迅速、 能率的に処理する能力 は特に必要とされる能力、 課長級 係長・ 一般 専門職・ 主任級 職員 技能労務職 は習得していなければならない能力。 - 16 - (2)求められる意識改革 地方分権の進展に対応した質の高い行政サービスを効率的・効果的に市民に提供す るためには、職員の意識改革を進める必要があります。 時代の変化に対応し、新たな課題の解決に向けた取り組みを進めるために組織や制 度を改革しても、職員の意識が変わらなければ従来の判断や行動パターンが続くこと によって満足のいく市民サービスにつながらないことがあります。 このことから、職員は、下の図のように多様な意識を取り込んで、それぞれの業務 に活用できる能力を形成していくことが必要です。 また、能力向上の基本は自己啓発であり、職員がやる気をもって自主的な学習に取 り組むことが求められていることから、人事制度と整合した研修制度の確立を図るこ とによって職員の意識改革に取り組みます。 市民志向 郷土愛 当事者意識 チャレンジ精神 責任感 求められる 倫理観 意 業務改善意識 識 人権意識 コスト意識 柔軟性 協働性 協調性 - 17 - 第5章 人材育成の方策 目指すべき職員を育成するためには、職員、職場、人事・研修部門などの管理部門の それぞれが、明確な目的と役割の認識を持って取り組むことが重要です。 職場の中で職員を認め、人を育てる「職場風土づくり」と、職員の自己啓発に積極的 な支援を行い、能力と意欲を高める「職員研修」、そして、職員の勤務意欲や、能力開 発意欲を活かす「人事制度」の三者が相互に連携し総合的に展開し、目指すべき職員を 育成していきます。 職場風土づくり 目指すべき職員 像 職員研修 人事制度 1.人を育てる職場風土づくり 職員一人ひとりが意欲を持って自己啓発に取り組んでいくことが人材育成の基本 ですが、業務遂行の場である職場が、職員の意欲向上に大きな影響を与えることから、 職場の仕事を通して自己啓発が促進されるような「職場風土づくり」が重要です。 - 18 - (1)管理監督者による取り組み 「人を育てる職場風土づくり」においては、職場をあずかる管理監督者が大きな役 割を担っています。管理監督者は、自らの意識と行動が職員のやる気と職場の雰囲気 を大きく左右することを認識し、率先して自己啓発や仕事に取り組む姿勢を示し、 「職 場の学習的風土づくり」を行います。 ① 部下の自己啓発を積極的に奨励し、支援する ② 部下の能力・適性に応じた業務配分を行う ③ 計画的な業務のローテーションを行う ④ 職場内研修(OJT)を行う ⑤ 部下に意識的に考えさせる仕事を与える ⑥ 業務の改善や効率化を提言し、部下からも意見を求める ⑦ 研修に参加しやすい職場環境づくりに努める ⑧ 部下とコミュニケーションをとり、活気ある職場づくりに努める など (2) 市民の立場に立った意識の徹底 行政運営にあたっては、不当な行政サービスの要求には屈せず公平公正であるとと もに、前例主義や組織防衛の発想ではなく、すべての人に親切に市民の立場に立って 職務を遂行することが大切です。 市民の立場に立った意識を確立していくためには、丁寧な接遇や市民満足度の向上 を優先した価値観、思考様式の徹底を図っていく必要があります。 また、市民の多様化する要望の的確な把握や行政の説明責任(アカウンタビリティ) が重要になっていることから、交渉能力やコミュニケーション能力が今後一層大切に なってきます。このためには、職場外研修での理論学習とともに、日常業務や地域で の活動の中で積極的に市民や関係団体との交流を図り、当該能力の向上に努めること が大切です。 ① 出前講座等の積極的な実施 ② 地域活動への参加の促進 ③ 組織内での市民意識や要望等の共有化 ④ 庁内ボランティアなどへの積極的な参加 - 19 - など (3)コミュニケーションの活性化と職場の改善、改革 職員の意欲は、職場の風土が大きく影響します。意欲の高い職員でも、その意識や 行動が職場に受け入れられなければ、次第にやる気は低下していきます。人材育成を 効果的に推進していくためには、職員同士が互いに啓発し合い、高め合うような職場 風土の醸成が必要であり、特に職場内のコミュニケーションの活発化が不可欠です。 また、その風土の中で職場の改善や改革、業務の見直し、また、他部署や市役所全 体などへの改善方策など意欲を持った提案が形になって表れる制度を形作るととも に、提案内容や各職場で行っている業務改善活動などを市の組織全体で共有し、各職 場で活用していく環境を整備します。 ① 職場ミーティングの実施 ② 職場改善等の定期的な募集 ③ 職員提案制度の活用の奨励 など (4)職場目標の共有化 市の方針や懸案事項から各職場の目標を掲げて職務遂行することは、職場の活性や 職員の意欲向上につながります。 職場目標を決定するだけでなく、職場目標を共有化したうえで、職員一人ひとりが 個人目標を設定し目標の結果とプロセスを評価することで、それぞれの役割と責任を 明確にし、業務への参画意識をもたらし、意欲の向上につなげていきます。 ① 職場目標の共有化 ② 個人目標の設定 など (5)全庁的な知識と情報の共有化 自己啓発や職場内研修(OJT)を進めていくためのツールとして、各職場や職員 が持つノウハウ、知識や情報を共有化できる取り組みを進めます。 また、他部門との連携や交流、他の自治体職員との交流などを通し、より広い視野 での知識や情報の輪を広げていくことを推進します。 ① 知識や情報の提供、活用の推進 ② 他部門との連携、交流の推進 ③ 他の自治体職員との交流の推進 など - 20 - (6)執務環境の改善 「職場の学習的風土づくり」には、執務環境の整備も必要です。業務改革やオフィ ス刷新等のワークスタイルを変革していくとともに、現在の環境についてもストレス を感じさせず、業務への意欲が損なわれないような取り組みを推進していきます。 ① 庁舎レイアウトの見直し ② ファイリングシステムの徹底 など (7)健康管理体制の充実 職員が心身ともに健康で働ける環境をつくることは、意欲をもって仕事を行ううえ で重要です。 定期健康診断の実施等の健康管理はもとより、業務の増加、複雑化に伴うストレス 過多により、メンタルヘルス対策の必要性が高まっていることから、メンタルヘルス 研修、専門医によるメンタルヘルス相談の充実を図っていきます。 また、長時間労働の縮減や職員の子育て支援など仕事と家庭が両立できるよう、管 理監督職はみんなでカバーしあえる業務分担の見直しや応援体制の確立に努めます。 また、労働安全管理にも留意し、業務による災害発生を予防します。 ① メンタルヘルス対策の充実 ② 業務分担の見直し、応援体制の確立 ③ 労働安全管理の徹底 など 2.人を高める職員研修 職員研修は、職員個人の能力開発・向上を行うとともに、意識改革を図る具体的な 手法であり、大きく分類すると自己啓発、職場内研修(OJT)、職場外研修(Off JT)の3つに区分されます。 人材育成の基礎となるのは、職員自らの「自己啓発」であり、職員を育成する中心 となるのは「職場内研修」です。「職場外研修」は、「自己啓発」と「職場内研修」を 補完し、気づきを促すものです。 - 21 - 職員研修 自己啓発 職場内研修 職場外研修 (1)自己啓発 自己啓発とは、職員が自己に必要な知識や能力について認識し、自己の意思に基づ き能力の開発や向上のため、主体的に学習する等の自己研鑽に努めることをいい、人 材育成の基礎となります。 職員の自己啓発を促進、支援し、やる気を引き出すためには、「職場の学習的風土 づくり」が必要です。組織や職場の雰囲気は、職員の学習意欲や向上心に大きな影響 を及ぼすものであり、そのためには職員一人ひとりが職場の中に相互啓発的な雰囲気 をつくりあげる努力をし、特に、管理監督職が自己啓発の取り組みを奨励し、そのた めの環境づくりを自ら職務のひとつとして認識することが重要となります。 すべての職員が積極的に自己啓発に取り組んでいけるよう、自己啓発を促進するた めの支援を実施します。 (2)職場内研修(OJT) 職場内研修は、職場において日常の業務を通じて行われる研修であり、人材育成を 推進していくためには、業務遂行と関連するOJTによる指導が有効です。 OJTとは、On the Job Training の略で、上司から部下、先輩から後輩に対し仕 事を通じて指導、育成することをいいます。 職員個人の状況に応じた実践的なきめの細かい個別指導ができることから、部下の 能力開発を図るうえで重要なものとなると同時に、指導者自身の管理監督能力を実践 的に養成するという面も持ち合わせており、人材育成に有効な手段となります。 職場内研修のあり方などを明記した「職場研修の手引き」を作成し、管理監督者に よる職場内研修の推進を図ります。 (3)職場外研修(OffJT) 職場外研修とは、一定期間職場から離れて行う研修であり、人事課等市が実施する 内部研修と外部研修機関等への派遣研修があります。 - 22 - ① 内部研修 (ア)基本研修 階層別研修を中心に、職務を遂行する上での必要な知識を体系的に学ぶとともに、 職位に応じた役割意識も認識できるように考えています。また、管理職員に対して は、評定者研修の充実を図っていきます。 (イ)特別・専門研修 全職員を対象として、専門的な知識や技法を習得するための研修や、時代のニー ズに対応できる職員を養成するための研修を実施します。 ② 派遣研修 知識及び技術を一定期間で集中的に学習するとともに、他の職場や国や他の地方 公共団体職員との交流を図ることにより、意識の高揚や人的ネットワークの構築を 期待することができることから、民間企業や海外派遣研修など従来にない研修の実 施も視野に入れ、派遣研修の充実を図ります。 また、研修で得られた成果を庁内講師として活用する等、組織への還元を推進し ていきます。 3.人を活かす人事制度 限られた人材の中で求められる職員像を実現するために、人事制度は、職員一人ひ とりのやる気を引き出し、能力を高めるとともに、その努力に応えるような制度でな ければなりません。そのためには、職員個々の能力、適性を的確に評価できる仕組み を確立し、公正で透明性があり信頼できる体制の整備が重要です。 採用、異動、昇任等を通じて職員個々の意欲と能力を最大限に引き出し、それを組 織として効果的に活かすことを目的として、「能力開発」、「意欲向上」など人材育成 に配慮した総合的な人事管理を行います。 (1)人材の確保 ① 新規採用 新規採用職員については、公務員として最低限必要な知識や常識、教養を備えて いることが不可欠ですが、高度化・複雑化する行政需要に対応するためには、本市 が求める職員像に適合する意欲と情熱を持った人材が必要です。 今後とも、公正・公平性を保ちながら、より良い人物・適性重視の採用に努め、 - 23 - 多様で有能な人材確保に向け、従来から実施している個別面接のほか、集団討論や 集団面接の導入や年齢や性別、職種や役職にとらわれない面接官の起用を図ってい きます。 また、優秀な人材を採用するためには、より多くの受験者を確保する必要がある ため、新卒者では得難い高度な専門性を備えた人材や社会人としての経験豊かな人 材も採用の対象にするなど、受験資格の緩和による応募者の拡大を図り、また、イ ンターネット等を活用し、募集内容や採用状況などの情報提供を進めます。 ② 再任用制度及び任期付採用 職員が長年培ってきた豊富な知識と経験を、定年を迎えた後も公務内で活かすと ともに、それらを後進に継承するため、健康で働く意欲と能力のある退職者につい て、一般職の正規職員として任用する再任用制度を導入します。 また、専門性の高い分野や特定課題に対応するための任期付職員の採用も進めて いきます。 (2)人材の配置管理 行財政環境が厳しい中、限られた人員で市民の満足度の高い行政サービス提供して いくためには、職員一人ひとりが自己の能力を最大限発揮することが重要となります。 このため、職員の能力や適性、意欲などを活かした人事配置を実施し、職員の能力 開発活用に努める必要があります。 また、職員の意欲を向上させる定期的な人事異動が必要です。 ① 定期的な異動(育成型人事ローテーション) 人事異動には、人材育成の観点に基づいた計画的なローテーションが必要です。 若手職員には、幅広い能力開発や自己の適性の発見ができるように、少なくとも 採用後10年間に3箇所程度の異なる行政分野(福祉、税、教育、まちづくり・・・) を、異なる部門(窓口、管理、事業部門)と組み合わせる形での計画的な異動によ る業務を経験し、その後、10年目の職員については、個々の適性を活かし、能力 を最大限に発揮できるよう、これまでの経験や意欲等を重視した人事ローテーショ ンを実施していきます。 また、市民ニーズが複雑・多様化する中で、バランス感覚のある職員を育成する ため、職員の年齢や経験年数を踏まえ、人事異動を実施します。 女性職員の意見や能力を活かすため、女性職員の職域拡大や管理職への登用を引 き続き推進します。 - 24 - ② 任用替制度 行財政改革の中で施設管理の業務委託化が実施され、また、新規採用の抑制で行 政職員の人員不足が発生していることから、技能労務職のうち事務処理能力のある 職員を吏員へ登用する任用替制度を、平成17年度より導入しており、今後も意欲 のある職員の任用替えを進めます。 ③ 降任降格制度 高い能力・実績が認められて昇任しても、親族の介護を抱えるケースなど、様々 な事情によりその職責を果たすことができなくなることがあります。このような場 合に対応するため、平成17年1月より分限処分による降任に加えて、管理職を対 象に職員の希望による降任制度を導入しており、事情を勘案しながら制度を運用し ていきます。 ④ 複線型人事制度の導入 職員が個々の適性を活かし、能力を最大限に発揮して市民の複雑化・高度化する 要望に応えるには、保健師、保育士、消防士といった専門分野のスペシャリスト(専 門職)だけでなく、行政全般をマネジメントできるゼネラリスト(総合職)や、福 祉・税務・土木等の事務職や技術職のように資格や免許を必要としないが特定の分 野で業務に精通習熟し、専門的スタッフとして業務を遂行するエキスパート(専任 職)の3つのコースを選択し、キャリア形成できる複線型の人事制度の導入を進め ていきます。 ⑤ 自己申告制度の導入 自己申告制度は、自分自身の強み・弱みや今後のキャリアプランについて考える きっかけとなり、同時に勤務評定だけでは分からない異動希望の背景や適性を把握 することができます。この自己申告制度を導入し、職員の意欲や熱意を最大限に生 かした適材適所の人事配置に取り組んでいきます。 (3)人事評価制度 職員の能力や意欲を高めて組織の活性化を図るためには、日頃の業務を通じて発揮 された職員の能力や成果を公正に評価し、その結果を能力開発や給与等の処遇に適切 に反映する必要があります。 平成20年度から管理職を対象に「勤務評定」と「業績評価」からなる人材育成型 の人事評価制度を導入しています。 - 25 - 今後、全職員に拡大していくとともに、導入状況を検証しながら適宜必要な見直し を行っていきます。 ① 勤務評定(能力評価) 職員の職務の種類に応じ、執務に関連してみられた職員の性格、能力及び適性に ついて、能力評価としての勤務評定を行い、人事管理の資料としています。 評定方法は、コンピテンシーモデルを用いて具体的な行動を観察することによっ て、職務遂行能力を判断する方法です。コンピテンシーとは、「特定の職務におい て継続的に高い成果を上げている人材が発揮している能力や行動の特性」であり、 これをモデル化して、成果をあげる過程を人事評価に取り入れようとする評価方法 です。 従来の評価方法では、評価者の主観に頼る評価でしたが、コンピテンシーモデル による評価では、できるだけ具体的に示された行動基準により、そのモデルに該当 する行動が実際にどの程度現れたかで量的に評価するもので、従来の評価方法に比 べ客観性が高くなります。 また、モデルの設定にあたっては、分かりやすさ、評価のしやすさに重点をおき、 できる限り簡潔で明瞭なモデル設定を行います。 ② 業績評価 組織目標に基づく個人目標を設定し、その目標に向けて職員が取り組んだ業務の 成果を把握する、いわゆる目標管理の手法を用いた業績評価を実施しています。 目標管理の基本的な考え方は、組織目標と個人目標を統合して目標を設定し、個 人はそれに向かって自律的に仕事を進める点にあります。 このことによって、目標の連鎖による組織統合を図ることができるとともに、部 下を管理統制するのではなく、部下の自主性を引き出すことによって効率的な組織 が形成されることが期待されます。 目標管理は、PDCAサイクルを自らの職務において実践するものですが、この 手法を活用して個人の仕事の成果を捉えようとした場合、仕事の結果だけに着目す れば、個々の職員が果たした役割が不明確であるなど個人の業績として評価するこ と、また、職務の違いがある中で公平な評価を確保することが制度運営の課題とな っています。 目標管理制度を継続しながら、個人の仕事の成果を的確に捉えることのできる業 績評価制度の継続した見直しを進め、人材育成につなげていきます。 - 26 - ③ 評価者との面談 この面談は、職員間のつながりを強固なものにし、職員一人ひとりが共通の目標 と知識や技術を持つことは、組織を運営する上で、有効な手法と考えられます。 職員の意欲と能力を引き出すとともに、評価の納得性を高め、職員の業務の成果 や能力発揮の度合、今後の能力開発について話し合うために、評価者と被評価者の 面談を実施します。 ④ 評価者研修 客観的で納得性の高い評価が可能となるよう、評価者としての必要な能力の向上 を図るため、評価者研修を継続して実施します。 また、人事評価の必要性について理解を図るため、被評価者に対しても研修を実 施します。 ⑤ 昇任制度 昇任制度は、業務への動機づけに関して大きな役割を果たすものであり、公平・ 公正に実施することはもちろんのこと、これまで以上に職員が納得でき、信頼でき るものにするため、昇任等の任用基準の明確化に努めます。 また、昇任や昇格は人事評価を前提として行うとともに、特定の職位で試験制度 を活用するなど、真に上位の職にふさわしい者の選択方法について検討を進めてい きます。 - 27 - 第6章 推進体制 人材育成を効果的に推進していくためには、職員、管理監督者、人事・研修部門等が それぞれの役割を明確にしたうえで、相互に協力、連携していくことが必要です。 また、組織として、職員の主体的な自己啓発の取り組みを促し、支援していくことが 重要です。 これらを計画的かつ継続的に行っていくため、部長会議などで進行管理と評価、検証 を行い、常に改善を図っていきます。 (1)職員の役割 自己啓発を自発的に行い、研修に積極的に参加し、目指すべき職員像として求めら れる能力の向上を図るとともに、組織の一員として役割を担う。 (2)管理監督者の役割 「職場の学習的風土づくり」を行うとともに、職員の健康管理等に留意しながら、 職場内研修の計画を立て進行管理を行う。 (3)人事・研修部門の役割 人材育成基本方針の取り組み全体についての推進を図り、特に健康管理、ワークラ イフバランスに留意しながら、研修の充実を図り、人を活かす人事管理を行う。 (4)企画部門の役割 マネジメントシステムを確立し、組織目標の共有化を進めるとともに、全庁的な知 識、情報の共有化への環境づくりを行い、事務の改善などの職員提案制度の充実に努 める。 (5)総務部門の役割 執務環境の有効活用を行うとともに(施設管理者含む)、ファイリングシステムの 徹底を図る。 - 28 - (参考)語句説明 ・OJT(On the Job Training) 職場の上司や先輩が部下や後輩に対して、具体的な仕事を通じて仕事に必要な知識、 技術、技能、態度等を指導し、習得させること。 ・OffJT(Off the Job Training) 一定期間職場から離れて行う研修等のこと。 ・キャリア 職業履歴、研修履歴、免許、資格等のこと。 ・キャリアプラン 自分自身の職業人生、キャリアについて、自らが主体となって計画し、実現してい くこと。 ・PDCAサイクル Plan/Do/Check/Actionの頭文字を揃えたもので、計画(Pl an)→実行(Do)→検証(Check)→改善(Action)の流れを次の計 画にいかしていくプロセスのこと。 ・マネジメント 組織内の様々な資源、リスク等を管理し、目標、目的を達成すること。 ・メンタルヘルス対策 仕事や人間関係等で悩みやストレスを訴える労働者が増加する中で取り組む、予防、 早期発見、再発防止等の一連の心の健康づくりのこと。 ・ワークライフバランス 一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、 家庭や地域生活等においても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多 様な生き方が選択・実現できること。 - 29 -
© Copyright 2026 Paperzz