第78回日本皮膚科学会東京支部学術大会 ランチョンセミナー5 乾癬治療を考える ∼これからの治療戦略(15)∼ 日 時 会 場 京王プラザホテル 第6会場 (本館 5 階 コンコードボールルームC) 〒160-8330 東京都新宿区西新宿2-2-1 TEL:03-3344-0111 座 長 東海大学医学部専門診療学系皮膚科学 教授 岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学 教授 小澤 明 清島 真理子 先生 先生 講演 1 演者:東海大学医学部専門診療学系皮膚科学 准教授 馬渕 智生 先生 演者:岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科皮膚科学分野 教授 岩月 啓氏 先生 講演 2 共催:第78回日本皮膚科学会東京支部学術大会/鳥居薬品株式会社/帝國製薬株式会社 乾癬治療を考える ∼これからの治療戦略(15)∼ 講演 1 乾癬治療における外用薬の使い分け 馬渕 智生 先生 東 海大学医学部専門診療学系皮 膚科学 准教授 Tomotaka Mabuchi 略 歴 1999年 2001年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2012年 東海大学医学部 卒業 東海大学医学部付属病院 研修医 東海大学大学院医学研究科内科学系専攻 入学 東海大学医学部分子生命科学(猪子英俊教授)で研究 東海大学医学部専門診療学系皮膚科学 助手 日本皮膚科学会認定専門医 医学博士学位授与 東海大学医学部専門診療学系皮膚科学 助教 東海大学医学部専門診療学系皮膚科学 講師 米国 Medical College of Wisconsin 皮膚科 (Chief : Prof. Samuel T. Hwang)Postdoctoral Fellow 東海大学医学部専門診療学系皮膚科学 准教授 現在に至る 本邦における乾癬治療は年々その選択肢が広がっている。なかでも生物学的製剤は、 保険適応を有するTNFα阻害薬2剤、抗IL-12/23p40抗体1剤に加え、さらに複数の製 剤の臨床治験が進められている。 しかしながら、併用療法も含めて乾癬治療の基本は外用療法であり、ステロイドと活性 型ビタミンD 3が大きな2本の柱となっていることには変わりはない。 さらに2014年9月、海外で広く使用されてきたカルシポトリオール/ジプロピオン酸ベタ メタゾン合剤が、ようやく本邦においても使用可能となった。高い治療効果と即効性を有 する外用薬として期待される薬剤であるが、長期使用した際にはベリーストロングクラスの ステロイド外用薬であるジプロピオン酸ベタメタゾンの副作用が生じることになり、漫然と 使用する薬剤ではない。生物学的製剤が注目を集め、その治療効果、安全性が期待され ている今、配合薬の治療的位置づけを中心に、乾癬治療における外用療法について考え てみたい。 第78回日本皮膚科学会東京支部学術大会 ランチョンセミナー 5 講演 2 乾癬にみられる不思議な現象から学ぶ 岩月 啓氏 先生 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学分野 教授 Keiji Iwatsuki 略 歴 北海道大学医学部 卒業 浜松医科大学医学部附属病院皮膚科 医員(研修医) 浜松医科大学医学部附属病院皮膚科 助手 1979年 1981∼91年 浜松医科大学医学部皮膚科学講座 助手 1984∼85年 文部省在外研究員(長期)として、リヨン(仏国)、 INSERM 第209部門(Chief : Prof. Jean Thivolet)へ留学 浜松医科大学医学部附属病院皮膚科 講師 1991年 福島県立医科大学附属病院皮膚科 講師 1992年 岡山大学大学院医歯学総合研究科病態制御科学 2001年 (皮膚・粘膜・結合織学) 教授 2008年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学分野(改組) 教授 2011年 岡山大学病院 副病院長(教育担当、2012年;医療安全担当) 現在に至る 1978年 多くの皮膚科医が乾癬の病態解明に挑戦してきた。乾癬の病態である「炎症」と「表皮 増殖」の二面性をいかに解き明かすのか。加えて、遺伝的背景、代謝異常、血管異常、病巣 感染、HIV感染や薬剤による増悪をいかに説明するのか。乾癬に関する多くの学説が提唱 されてきたが、新たな治療薬が注目されるたびに乾癬の病態論を変貌させてきた(パラダ イムシフト)。乾癬研究は、逆トランスレーショナルリサーチに依存してきたと言えるかもし れない。未だに薬理効果が解明されない治療法も多い。 さらに、乾癬治療では予期せぬ皮膚反応に遭遇することがしばしばある。そのたびに、 乾癬の底知れぬ病態の深さを実感する。乾癬診療で経験する不思議な現象を通観しつ つ、現在、提唱されている乾癬病態論でどこまで説明が可能であるかを会場の皆様と一緒 に考えてみたい。問題点を共有するために、このセミナーでは次の例題を提示する。 (1)Superimposed linear psoriasis(Happle R)からみたKoebner現象 (2)透析療法はなぜ効いたのか? GMAとの違いはどこか? (3)乾癬はなぜ感染に強いのか? (4)尋常性乾癬が出産後増悪するのはなぜか?
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