八千代市議会 - 会議録研究所

Digital Democracy Interview
「市民に開かれた民主的な
*八千代市議会の新行動指針
八千代市議会の議長席側。左右のカメラが市
議会議員席をフォローする
Digital Democracyを実現するHD議会中継・配信システムが2011年6月定例会
より千葉県八千代市(豊田俊郎市長)で稼働し出した。インターネット配信されて
いるので、いつでも、どこからでも八千代市民はアクセス可能だ(もちろん日本中
からもアクセス可能)。この画期的なシステム(Congress Station FHD)は、㈱エ
ーディエス(ADS=Advanced Data Solution/本社:千葉県柏市/後藤秀樹社長)
が開発したもので、八千代市へは㈱会議録研究所を経て導入された。現場でどの
ように稼働しているのか見せていただき、ご意見も伺った。
(構成+写真:天野昭)
議員席、傍聴席の後方に議長側をフォローす
るカメラがついている
CATV中継を卒業
—八千代市は千葉県北西部に位置し、
人口19万余、約8万世帯の住宅都市です。
海には面していないので、先の3・11大震
災では、大きな被害を受けずに済みまし
た。幸いでした。さて、八千代市議会のイ
ンターネット配信の思想といいますか、考
え方を教えてください。
加藤 八千代市議会の新行動指針には、
①市民の新しい豊かさを創造する市議
会、②市民に開かれた民主的な市議会、
③時代をリードするモラルの高い市議会
の3つが掲げられています。ズバリ、市民
に開かれた市議会にするために議会中継
を行っています。
—なぜ、インターネット配信なのですか。
八千代市にはJ:COM系のCATV局があ
りますね。CATVによる中継ではないの
ですか。
加藤
平成10年3月(1998年)から地元
の CATV局(ケーブルネットワークやち
よ/1986年設立)で中継を2011年3月ま
で 続 け てきました 。しかし、最 近 で は
J:COM傘下の会社になったために、コミ
通常、2人の職員が張り付いて「ライブ中継」などの作業を進める
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10-2011
チャンのチャンネルキャパシティが足りな
いということで、CATV経由での議会中継
八千代市議会」目指す
加藤義二
を中止しました。そして、インターネット配
Kato Yoshiji
八千代市 議会事務局議事課課長
信については、議員からの要望もあり、検
討を重ねてきました。
平田武樹
— J:COMのような巨大な MSOでは、
Hirata Takeju
八千代市 議会事務局議事課主任主事
地元のキメ細かな情報をコミチャンで流
すことは、だんだんと難しくなってきてい
ます。八千代市の場合も例外ではないと
鶴見祐輔
Tsurumi Yusuke
㈱会議録研究所 営業部チームリーダー
石森雅美
いうことですね。
平田 そうですね。ムリがありますね。議会
Ishimori Masami
㈱会議録研究所 営業部
としては、市議会の情報をできるだけ、過
後藤秀樹
Goto Hideki
㈱エーディエス 代表取締役社長
去に遡ってでも流したいわけです。そこで、
CATV配信からインターネット配信に切り替
らではのソリューションですね。
— 議会内には遠隔操作が効くカメラが
3台ついています。何人でオペレーション
しているのですか。
平田
議場外にシステムを設置し、シス
テム操作は議会事務局の職員が1名か2
名で担当しています。外部からの映像の
プロなどはだれもいません。
後藤
だれが、どんな順で発言するのか
があらかじめわかっていますので、操作は
実に簡単です。
— ライブ中継の場合は、編集作業も加
わるのですか。
える決意を議会がしたということです。
加藤
いいえ、本当のナマのまま流しま
SIerは会議録研究所
す。録画の場合はメタデータなどもつけま
— インターネット配信、
しかもHDによる
言内容を縮小したり、カットしたりはしませ
配信を提案したのは、誰でしたか。
鶴見 我々です。会議録研究所は全国自
治体の約3分の1くらいの議会議事録など
すので、若干の編集作業は伴いますが、発
システムを運営・監理する加藤義二・八千代市議会事
務局議事課課長(左)
と平田武樹・八千代市議会事務局
議事課主任主事
ん。
— Congress Station FHDシステムの
修正点はありますか。
を作成しています。八千代市議会様にも古
加藤
くからお世話になっています。仕事を通じ
が、いまのところはいかに慣れるかです。
て、後藤社長のところのCongress Station
平田 運用を開始したところで、いまのと
FHDを知り、八千代市様に提案して、検討
ころは特にありませんね。
対象にしていただいたわけです。
後藤 このシステムの特徴は使いやすい
石森 廉価で簡単な操作で議会中継・配
こと、安価であることです。あれやこれや
信が可能なシステムなので、八千代市議
会様の意図している機器・システム一式
をご提案しました。
加藤
全国自治体の議会を知り尽くしている会議録研究所の
鶴見祐輔さん
(左)
と石森雅美さん
(中)
。そしてシステム
を開発・納入したADSの後藤秀樹社長(右)
注文はあげればキリがありません
のリクエストを入れて、システムを複雑化
したり、過度のカスタマイズは簡便さと安
価ということから背馳しますので、まず半
市議会の正式な記録は法律でも
すが、正式な記録は会議録ですので、映
年、1年とお使いいただくうちに、修正点
定められていますように、議事録が正式
像配信で代替するわけにはいきません。
が出てくれば、直していくつもりです。HD
議会中継システムは高価な放送局用のカ
記録です。しかし、文書形式の議事録で
は、時間もかかりますし、速報性というこ
ライブ中継・録画中継二本立て
とで難があります。そこでCATV中継など
メラなどを使えば、数千万オーダーの価格
になります。Congress Station FHDは、
の経験を経て、インターネット中継・配信シ
—今度導入したシステムでは、ライブ中
数百万円のオーダーで導入・稼働が可能
ステムを採用することにしたのです。
継と録画中継の両方が可能なんですね。
です。
鶴見 SIerとしても責任がありますので、
— Congress Station FHDを議会が採
加藤
用しても、会議録研究所は失業しない仕
遡って見ることができます。何人が同時に
議会事務局とは連絡を密にとり、プロトタ
組みになっている
(笑)
。
見ても輻輳はおきません。インターネットな
イプ化を図っていきたいと思います。
そうです。本会議の様子は過去に
鶴見 その通りです(笑)
。議事録作成も
スピード化されてきていますが、やはり正
式記録ということで、多くの関係者の目を
通してから公開となります。議会映像配信
はスピード化を図った情報公開ができま
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