今月は通関士＊なにをする職業？貨物の輸出入の際の専門家として、法令に基づき税関に提出する通関書類の審査を行う仕事です。通関士とは国家試験である通関士試験に合格した者のうち、勤務先の通関業者の申請に基づく税関長の確認を受け、通関業務に従事する者をいいます。貿易業界で税理士や行政書士のような役割を担っています。＊おもな仕事の内容は？貨物を輸出又は輸入しようとする場合は、その貨物の品名、価格、輸出先国等必要な事項を税関長に申告し、許可を受けなければなりません。この「通関手続」に関して、輸出入者の代理又は代行をするのが通関業者です。通関手続には、適正な申告を行うための高度な専門能力が要求されるため、通関業者は営業所に通関士を配置する義務があります。このように、通関士は通関業者が行う通関業務に従事し、通関業者が税関官署に提出する輸出入申告書、船 ( 機 ) 用品積込承認申告書、関税修正申告書、関税更正請求書、不服申立書等についてその書類を審査する重要な仕事を行います。また、それらの書類の作成や、関税分類・評価申告の指導・相談、事後調査の立会・相談の業務も行います。＊労働条件の特徴は？通関士は税理士や行政書士のように独立開業ができない資格であるため、通関士は通関業を営む企業に勤務しています。通関業者のほとんどが港湾運送業や道路運送業、倉庫業、航空貨物代理店業などを兼業しています。原則として通関士の設置が通関業許可の際の条件の一つとなっています。通関士は、通関業者の従業者として一般的な賃金体系がそのまま適用されますが、通関士手当を特別に支給しているところもあるようです。 ― 10 ― ＊この職業に就くには？通関士になるには国家試験である通関士試験に合格し、通関業者に勤める必要があります。試験は実務経験があると一部免除されるため、通関業者に就職してから会社内や通関業者団体で行っている研修会、通信教育等で勉強し、通関士の資格獲得を目指す人も多いようです。また、通関業務で扱う書類はすべて英語で書かれているので、基本的な読み書きができる英語力が必要になります。＊資格をとるには？通関士試験は、通関士として必要な知識及び能力を有するかどうかを判断することを目的として各税関長が行う国家試験で、毎年１回実施されています。最近の合格率は１０％を割っており（昨年度は受験者数９, １３１人、合格者数９０１人合格率９. ９％）と難関の資格と言えます。資格種類通関士実施主体各税関長受験資格不問願書配布７月上旬から８月上旬各税関にて配布願書受付８月上旬から２週間程度試験時期おおむね１０月上旬合格発表１１月下旬から１２月上旬試験内容 ⑴　関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法（第６章に係る部分に限る。） ⑵　通関書類の作成要領その他通関手続の実務 ⑶　通関業法筆記（マークシート）による回答方式。受験費用問合わせ先３，０００円（収入印紙）（福岡県の場合）門司税関通関業監督官〒８０１－８５１１　北九州市門司区西海岸１－３－１０門司港湾合同庁舎ＴＥＬ　０５０－３５３０－８３７１（その他の税関等の情報）税関ホームページ　ｈｔｔｐ：// ｗｗｗ .ｃｕｓｔｏｍｓ.ｇｏ.ｊｐをご覧ください。 ※試験の詳細等については、各税関までお問い合わせください。 ― 11 ―