「輸出に関係のある法律について-関税関係法などによるものを除く-」

「輸出に
輸出に関係のある法律
のある法律について
法律について-
について-関税関係法
関税関係法などによるものを
係法などによるものを除
などによるものを除く-」
貿易アドバイザー 若 松 洋 人
2001/03/23
「輸出に
輸出に関係のある法律
のある法律について
法律について-
について-関税関係法
関税関係法などによるものを
係法などによるものを除
などによるものを除く-」
1.輸出取引の
輸出取引の基本的な
基本的 な法律
我が国においては、輸出は原則的には自由に出来ることになっているが、実際には「外
国為替及び外国貿易法」(外為法)その他の法令によって一定の制限があります。 そのた
め、これらの法令に従うことが義務づけられています。 これらの法令に従わなければ、
輸出ができない場合があるし、法令違反として罰せられることもあります。 従って、
輸出取引を始める場合には、事前に法令による制限などがあるか否かを調査し、確認し
ておくことが非常に大切です。
2.輸出に
輸出に関係のある法令
のある法令
(1) 外為法で規制されるもの
外為法の「国際的な平和及び安全の維持」という観点から、具体的な規制品目・仕様はそれに基づく「 輸出貿易管理令」(輸出令)、「外国為替令」(外為令) 、「輸出貿
易管理令別表第1及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令」(貨物等省令)、輸出管理規則等、各種通達などにそれぞれ規定されています。項
目3で詳しく説明します。
(2)国内法で規制されるもの
輸出が規制される国内法の主なものとしては、歴史的・芸術的に価値の高い文化財の保護を目的とする「文化財保護法」、保健衛生上の危害防止を目的とし、厚生
労働大臣の免許を受けた業者が、厚生労働大臣の許可を受けた場合のみ輸出できることとなっている「麻薬及び向精神取締法」、覚醒剤取締法、関係規則に違反して
採取・捕獲されたという証明書がなければ、輸出できないことを規定した「鳥獣保護及び狩猟に関する法律」、動物を輸出するときは、動物検疫所の検疫証明書が必要
であることを規定した「家畜伝染病予防法」)、植物を輸出するときは、植物検疫所の検疫証明書が必要であることを規定した「植物検疫法」などがあります。
(3)国際条約・協定及びその国内法で規制されるもの
ワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引に関する条約)、モントリオール議定書(オゾン層破壊物質規制に関する議定書)などが主なものです。
(4)関係法令により規制されるもの
関税関係法令、輸出入取引法(項目5参照)などで規制されるものがあります。
3.輸出の
輸出の許可が
許可が必要な
必要 な場合―
場合―経済産
経済産業大臣の
業大臣の許可―
許可―
外為法が「国際平和と安全の維持」の観点から規定している「政令で定める特定の貨物・技術を特定の地域に輸出・提供する場合」の特定の貨物・技術とは、輸出令・
外為令及び貨物等省令に規定されているものです。(表1参照)この表に規定されている貨物・技術を輸出・提供するときには、経済産業大臣の許可が必要となります。
表1にあるように輸出令別表第1、貨物等省令で規制している貨物は大きく分類すると武器、大量破壊兵器関連(原子力専用品・関連資機材、化学兵器用原材料及び製
造装置、生物兵器用原材料及び製造装置、ミサイル関連資機材、先端材料、コンピューター、その他の戦略物資となり、これらの貨物に対応する設計技術・製造技術・
使用技術は外為令別表・貨物等省令で規制されています。
4.輸出の
輸出の承認が
承認が必要な
必要 な場合―
場合―経済産
経済産業大臣の
業大臣の承認―
承認―
(1)輸出令別表2により規制されるもの
輸出令別表第2により規制されている貨物の主なものとしては、国内需給確保物資としての原油・揮発油・灯油・軽油・重油・液化天然ガスなど、輸出禁制品としての
麻薬・向精神薬、偽造・変造・模造の通貨・切手・収入印紙、善良の風俗を害する書籍・図画、国宝・重要文化財など、国際条約・協定などのワシントン条約で規制され
る絶滅の恐れ
のある動植物種など、の輸出禁制・規制物資があります。詳細品目については表3参照。
(2)特殊な貿易形態
委託加工貿易契約により特定の加工方法と原材料を使用する場合の貨物の輸出は外国に加工を委託した製品を加工後委託者が輸入するために原材料を輸出する
特殊な貿易形態で、輸出と輸入が一緒になったものであり、経済産業大臣の承認が必要です。
5.輸出入取引法により
輸出入取引法により規制
により規制されるもの
規制されるもの
輸出入取引法により規制されるものとしては次のようなものがあります。即ち(1)仕向国の工業所有権・著作権を侵害する貨物の輸出禁止、(2)原産地虚偽表示貨物
の輸出禁止、(3)国際貿易に於いて公正さを著しく欠く輸出の禁止(契約要件、品質)、(4)特定品目の輸出取引の承認(シガレットライター、陶磁製品、金属洋食器、真
珠、合金工具鋼などがあります。(各輸出組合に申請します。) なお、 手続きについては各輸出組合にご確認下さい。
6. 特殊決済
特殊決済方法による
方法 による輸出
による輸出
外為法改正により、「特殊決済」に関する規定が削除され、それに応じて「特殊決済方法」に関する規定も削除されました。従って、現在では、経済産業大臣の承認は
不要となっています。
7.輸出先の
輸出先の法令の
法令の調査
輸出する貨物の輸出先(輸入国)の法的な規制についても、輸出取引の開始前に予め調査し、確認しておくことが大切です。さもないと輸入ができなかったり、輸入通
関 時にトラブルが生じて余分な費用、日数、手間がかかってしまうことがあります。
以上の輸出規制、特に輸出令別表第1・外為令別表及び貨物等省令、は、法体系がかなり複雑且つ専門的であるため専門家に相談するか経済産業省その他の関
係官庁に照会し、確認することが非常に大切です。最後に、外為法違反に対する罰則及び行政処分はかなり厳しいことを申し添えます。
表1 政省令の
政省令の構成
表2 規制対
規制対象品目
表 3 輸出貿易管理令別表第2
輸出貿易管理令別表第2の輸出承認対
輸出承認対象貨物
原油・揮発油・灯油・軽油・重油・液化天然ガスなど
核燃料・原料物資
特定毒物・
特定化学物質
麻薬・向精神薬
配合飼料
冷凍あさり・はまぐりなど
オゾン層を破壊する物質(モントリオール議定書)
特定有害廃棄物
絶滅のおそれのある野生動植物種など(ワシントン条約及びその国内法)
血液製剤
偽造・変造・模造の通貨・切手・収入印紙
善良の風俗を害するおそれのある書籍・図画など
国宝・重要文化財・重要美術品
仕向国における工業所有権・著作権侵害貨物
原産地誤認貨物
その他