新任のご新任のご挨拶のご挨拶多様性グループ副島顕子皆様初めまして．この春，縁あって大阪府立大学理学部から赴任してまいりました．植物系統分類学が専門で，種分化や生物地理に興味をもって研究をしています．分類学にはいろんな種類のデータが必要なので，形態観察のために回転ミクロトームを回して切片をつくったり，植物の根を押しつぶして染色体を見たり，分子生物学的な手法が有効になってからは葉っぱをすりつぶしてタンパク質や DNA を抽出して解析をおこなったり，と様々な手法を使っています．データ取りや解析は主に実験室の中の仕事になりますが，野生植物を対象としていますので，野外での調査採集をすることがいつも最初の課題となります．学生の頃，シロヨメナというキク科植物を求めて日本全国を採集して回ったのを始めとして，これまでに海外のさまざまな国でも植物採集をしてきました．採集旅行では珍しい植物に出会う楽しさはもちろんですが，実はおいしいお酒と料理に目がありません．韓国の山中のマッコリと水キムチ，チベットの安宿で振る舞われた裸麦の焼酎と羊の血の腸詰めなどという組合せは忘れ難いですし，メキシコのテキーラは塩ではなく，サングリータというスパイス入りのトマトジュースと一緒によく飲みました．不思議なことにどんなお酒も食べ物も日本にもって帰ってくると，まったく違う味わいになってしまいます．そこで，経験的に土地のものはその土地で味わうに限ると信じているわけですが，ここ熊本に移ってきて困ったことがひとつ．焼酎の種類が多くて何から試していいのかわからないのです．日本酒ならアルコール度数が低いので飲み比べも簡単なのですが，焼酎では同じようにはいかない上，熊本では焼酎の種類が日本酒よりもはるかに多いときています．先は長いので，焦らず順番にとも思いますが，ここはひとつ先達のお知恵を拝借．伺えばこの同生会は 60 年の歴史を持つ由緒正しい会とのことで，間違いなくこの土地の文化の豊富な知識の蓄積と継承の役割を果たしておられるものと存じます．よろしければ皆様ご推薦の銘柄をお教えいただけないでしょうか．また，お奨めの食材や料理についての情報もいただければ大歓迎です．